IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-清掃具 図1
  • 特開-清掃具 図2
  • 特開-清掃具 図3
  • 特開-清掃具 図4
  • 特開-清掃具 図5
  • 特開-清掃具 図6
  • 特開-清掃具 図7
  • 特開-清掃具 図8
  • 特開-清掃具 図9
  • 特開-清掃具 図10
  • 特開-清掃具 図11
  • 特開-清掃具 図12
  • 特開-清掃具 図13
  • 特開-清掃具 図14
  • 特開-清掃具 図15
  • 特開-清掃具 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151973
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】清掃具
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/20 20060101AFI20241018BHJP
   A47L 9/12 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A47L9/20 A
A47L9/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065832
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 翔一
【テーマコード(参考)】
3B062
【Fターム(参考)】
3B062AB02
3B062AB13
(57)【要約】
【課題】多様な形状のプリーツフィルタに対してその表面を清掃することができる清掃具を提供する。
【解決手段】清掃具は、プリーツフィルタを清掃するための清掃具であって、プリーツフィルタに対し気流の上流側において複数の谷部の各々に対応する位置に配置され、塵埃を捕集するようプリーツフィルタの表面に接触した接触部と、プリーツフィルタに対し気流の上流側において複数の谷部にそれぞれが対応するよう配置され、接触部を支持し、複数の山部の尾根方向へ移動可能な複数の支持部と、を備え、複数の支持部は、複数の谷部のうち第1谷部に配置された第1支持部と、複数の谷部のうち第1谷部と隣り合う第2谷部に配置された接触部を支持した第2支持部と、を含み、第1支持部と第2支持部との尾根方向における相対距離が変化可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の山部の尾根と複数の谷部とが順番に整列方向に並ぶよう折り曲げられたプリーツ型を呈するフィルタであって、掃除機の内部において気流を通過させて前記気流に含まれる塵埃を捕集するプリーツフィルタを清掃するための清掃具であって、
前記プリーツフィルタに対し前記気流の上流側において前記複数の谷部の各々に対応する位置に配置され、前記塵埃を捕集するよう前記プリーツフィルタの表面に接触した接触部と、
前記プリーツフィルタに対し前記気流の上流側において前記複数の谷部にそれぞれが対応するよう配置され、前記接触部を支持し、前記複数の山部の尾根方向へ移動可能な複数の支持部と、
を備え、
前記複数の支持部は、前記複数の谷部のうち第1谷部に配置された第1支持部と、前記複数の谷部のうち前記第1谷部と隣り合う第2谷部に配置された接触部を支持した第2支持部と、を含み、
前記第1支持部と前記第2支持部との前記尾根方向における相対距離が変化可能である清掃具。
【請求項2】
前記第1支持部と前記第2支持部との前記尾根方向における相対距離が規定の連結距離を超えない範囲で変化可能なように前記第1支持部と前記第2支持部とを連結する連結部、
を更に備えた請求項1に記載の清掃具。
【請求項3】
前記連結部は、紐状を呈し、前記複数の支持部のうち隣り合う2つの支持部の前記尾根方向における相対距離が前記連結距離を超えない範囲で変化可能なように前記複数の支持部を連結する軟性体である請求項2に記載の清掃具。
【請求項4】
前記軟性体によって前記複数の支持部がそれぞれ連結された第1ブラシユニットが形成され、
前記第1ブラシユニットは、第1固定端部と第2固定端部とを有し、
前記第1固定端部は、前記プリーツフィルタの外郭に固定され、
前記第2固定端部は、前記第1固定端部に対して前記プリーツフィルタを挟んだ前記整列方向の反対側において前記外郭に固定され、
前記複数の支持部は、前記第1固定端部と前記第2固定端部とを結ぶ線分で前記外郭を分割した際の一側において前記外郭に沿って並ぶ第1形態、前記線分で前記外郭を分割した際の他側において前記外郭に沿って並ぶ第2形態、および、前記第1形態における位置と前記第2形態における位置の間の位置に存在する清掃形態、に遷移可能である請求項3に記載の清掃具。
【請求項5】
前記連結部は、複数の連結体であり、
前記複数の連結体の各々は、前記複数の支持部のうち隣り合う2つの支持部を、前記尾根方向における相対距離が前記連結距離を超えない範囲で変化可能なように連結する請求項2に記載の清掃具。
【請求項6】
前記複数の支持部が前記複数の連結体によってそれぞれ連結された第2ブラシユニットが形成され、
前記第2ブラシユニットは、第1固定端部と第2固定端部とを有し、
前記第1固定端部は、前記プリーツフィルタの外郭に固定され、
前記第2固定端部は、前記第1固定端部に対して前記プリーツフィルタを挟んだ前記整列方向の反対側において前記外郭に固定され、
前記複数の支持部は、前記第1固定端部と前記第2固定端部とを結ぶ線分で前記外郭を分割した際の一側において前記外郭に沿って並ぶ第1形態、前記線分で前記外郭を分割した際の他側において前記外郭に沿って並ぶ第2形態、および、前記第1形態における位置と前記第2形態における位置の間の位置に存在する清掃形態、に遷移可能である請求項5に記載の清掃具。
【請求項7】
前記外郭は、円筒状を呈し、
前記プリーツフィルタは、円形状を呈する請求項4または請求項6に記載の清掃具。
【請求項8】
一端が前記連結部の一部に取り付けられた紐体と、
前記紐体の中央部分が取り付けられ、駆動すると前記紐体の前記一端の側を巻き取る巻取機と、
を更に備え、
前記巻取機は、前記複数の支持部が前記第1形態であるときに前記線分で前記外郭を分割した際の前記他側において前記外郭に取り付けられた請求項4または請求項6に記載の清掃具。
【請求項9】
前記巻取機に設けられ、前記外郭に沿って移動可能に前記外郭に取り付けられた移動機、
を更に備え、
前記巻取機は、前記移動機によって前記線分で前記外郭を分割した際の前記他側と前記一側との間を移動可能な請求項8に記載の清掃具。
【請求項10】
前記連結部に取り付けられ、駆動すると前記接触部を振動させる振動機、
を更に備えた、請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電気掃除機を開示する。当該電気掃除機には、塵埃を捕集するためのプリーツフィルタと、プリーツフィルタに接触するブラシとが設けられる。ブラシがプリーツフィルタの山部に沿って移動することで、プリーツフィルタに付着した塵埃が清掃され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-261518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電気掃除機において、プリーツフィルタは、略長方形を呈する。ブラシは、直線状に配置される。一方で、外郭が円形状の断面を有するとき、プリーツフィルタは、外郭の内側で円形状を呈することがある。この場合、ブラシは、外郭と干渉してしまうため、プリーツフィルタに対して移動することができない。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、多様な形状のプリーツフィルタに対してその表面を清掃することができる清掃具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る清掃具は、複数の山部の尾根と複数の谷部とが順番に整列方向に並ぶよう折り曲げられたプリーツ型を呈するフィルタであって、掃除機の内部において気流を通過させて気流に含まれる塵埃を捕集するプリーツフィルタを清掃するための清掃具であって、プリーツフィルタに対し気流の上流側において複数の谷部の各々に対応する位置に配置され、塵埃を捕集するようプリーツフィルタの表面に接触した接触部と、プリーツフィルタに対し気流の上流側において複数の谷部にそれぞれが対応するよう配置され、接触部を支持し、複数の山部の尾根方向へ移動可能な複数の支持部と、を備え、複数の支持部は、複数の谷部のうち第1谷部に配置された第1支持部と、複数の谷部のうち第1谷部と隣り合う第2谷部に配置された接触部を支持した第2支持部と、を含み、第1支持部と第2支持部との尾根方向における相対距離が変化可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、第1支持部と第2支持部とは、互いの相対距離を変化させながらプリーツフィルタの山部の尾根方向へ移動可能である。このため、多様な形状のプリーツフィルタに対してその表面を清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1における清掃具が適用される掃除機の斜視図である。
図2】実施の形態1における清掃具が適用される掃除機の断面図である。
図3】実施の形態1における清掃具が適用されるフィルタユニットの斜視図である。
図4】実施の形態1における清掃具の上面図である。
図5】実施の形態1における清掃具の要部とプリーツフィルタの断面図である。
図6】実施の形態1における清掃具の連結部の形状が変化する概要図である。
図7】実施の形態1における清掃具の第1ブラシユニットが第2形態であるときの上面図である。
図8】実施の形態2における清掃具の上面図である。
図9】実施の形態2における清掃具とプリーツフィルタとの断面図である。
図10】実施の形態2における清掃具の連結部の要部の分解斜視図である。
図11】実施の形態2における清掃具の連結部の概要図である。
図12】実施の形態3における清掃具の上面図である。
図13】実施の形態3における清掃具の上面図である。
図14】実施の形態3における清掃具の上面図である。
図15】実施の形態3における清掃具の上面図である。
図16】実施の形態3における清掃具の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における清掃具が適用される掃除機の斜視図である。図2は実施の形態1における清掃具が適用される掃除機の断面図である。図3は実施の形態1における清掃具が適用されるフィルタユニットの斜視図である。
【0011】
図1には、本開示の清掃具が適用される掃除機100の一例として、サイクロン方式でハンディタイプの掃除機が示される。掃除機100は、本体101と管体102と吸込具103とを備える。管体102は、本体101に取り付けられる。吸込具103は、管体102に対して本体101とは反対側に取り付けられる。本体101の内部には電動送風機が設けられる。
【0012】
電動送風機は、気流を発生させる。気流は、ごみを吸い込むための気流として、吸込具103から管体102を通って本体101の内部へ向かう。気流は、本体101の内部から、排気口104を通って外部へ吹き出される。
【0013】
図2に示されるように、本体101には、電動送風機105と導管部106とサイクロン分離器107と集塵容器108とフィルタユニット10とが設けられる。
【0014】
導管部106は、管体102と接続される。サイクロン分離器107は、導管部106と接続される。集塵容器108は、サイクロン分離器107を覆う。
【0015】
電動送風機105によって発生した気流は、管体102および導管部106を通って、サイクロン分離器107に流入する。サイクロン分離器107には、塵埃等のごみが含まれた含塵空気が気流として流入する。サイクロン分離器107において、含塵空気からごみおよび塵埃が分離される。分離されたごみおよび塵埃は、集塵容器108に溜まる。サイクロン分離器107を通ってゴミおよび塵埃が分離された気流は、排気流として電動送風機105を通って排気口104から排出される。
【0016】
フィルタユニット10は、外郭11にプリーツフィルタ12が取り付けられた構造を有する。フィルタユニット10は、サイクロン分離器107と電動送風機105との間における気流の風路に設けられる。
【0017】
プリーツフィルタ12は、気流を通過させる。即ち、プリーツフィルタ12は、上流側であるサイクロン分離器107からの気流を、内部に通過させて下流側である電動送風機105へ通す。サイクロン分離器107からの気流には、サイクロン分離器107では捕集できなかった比較的小さい塵埃が含まれる。プリーツフィルタ12は、気流を通過させる際に、気流に含まれる塵埃を捕集する。捕集された塵埃は、プリーツフィルタ12の上流側の面に付着する。
【0018】
図3に示されるように、プリーツフィルタ12は、フィルタが折り曲げられて製作される。プリーツフィルタ12において、複数の山部13が整列方向に並ぶ。山部13は、直線状の尾根14に沿って外郭11の端から反対側の端まで伸びる。ある山部13の尾根14と隣の山部13の尾根14との間には、谷部15が形成される。このように、プリーツフィルタ12には、複数の山部13の間に複数の谷部15が形成される。
【0019】
一例として、外郭11は、円筒形状を呈する。プリーツフィルタ12は、外郭11の底面の断面形状である円形を呈する。プリーツフィルタ12は、外郭11の内壁との隙間が生じないように外郭11に取り付けられる。
【0020】
フィルタユニット10には、清掃具1が取り付けられる。図4および図5を用いて、清掃具1を説明する。
図4は実施の形態1における清掃具の上面図である。図5は実施の形態1における清掃具の要部とプリーツフィルタの断面図である。図5において、紙面下側が気流の上流側であり、紙面上側が気流の下流側である。
【0021】
図4および図5に示されるように、清掃具1は、プリーツフィルタ12に対して気流の上流側に配置される。清掃具1は、第1ブラシユニット20と取手体21と振動機22とを備える。第1ブラシユニット20は、接触部23と複数の支持部24と連結部25とを有する。
【0022】
接触部23は、複数のブラシ毛である。複数のブラシ毛のうちある一部は、ある谷部15に配置される。複数のブラシ毛のうち別の一部は、別の谷部15に配置される。このように、接触部23である複数のブラシ毛は、複数の谷部15にそれぞれ配置される。接触部23の先端は、谷部15において、プリーツフィルタ12の上流側の面に接するよう配置される。
【0023】
支持部24は、軸体26である。即ち、第1ブラシユニット20は、複数の軸体26を有する。例えば、軸体26の数は、谷部15の数と等しい。複数の軸体26は、複数の谷部15にそれぞれ配置される。軸体26は、谷部15の両側に存在する2つの山部13の尾根と尾根とを結んだ高さから、谷部15の底へ向かって延びる。軸体26には、接触部23である複数のブラシ毛のうち同じ谷部15に配置されたブラシ毛が取り付けられる。軸体26は、同じ谷部15に配置されたブラシ毛を支持する。このようにして、複数の支持部24は、接触部23を支持する。
【0024】
連結部25は、複数の支持部24よりも気流の上流側に配置される。連結部25は、複数の支持部24を連結する。実施の形態1において、連結部25は、軟性体27である。軟性体27は、紐状を呈する。軟性体27は、紐状を保ったまま折り曲げ自在に形状を変更可能である。軟性体27は、伸縮可能であってもよい。例えば、軟性体27は、ゴム状の樹脂、細い金属繊維が編まれた素材、これらの複合材、等である。複数の軸体26の端部は、軟性体27の長手方向に並んで、軟性体27に取り付けられる。このようにして、軟性体27は、複数の支持部24を連結する。
【0025】
軟性体27は、長手方向における一対の端部である第1固定端部28と第2固定端部29とを有する。第1固定端部28は、外郭11に固定される。例えば、第1固定端部28は、尾根方向における外郭11の中間位置のうち一方に固定される。第2固定端部29は、尾根方向における外郭11の中間位置のうち他方に固定される。即ち、第2固定端部29は、尾根方向に垂直な整列方向において、プリーツフィルタ12を挟んで第1固定端部28を挟んで反対側において外郭11に固定される。
【0026】
破線で示される中央線Lは、第1固定端部28と第2固定端部29とを結ぶ線分である。中央線Lは、プリーツフィルタ12の整列方向を向き、複数の山部13の各々の尾根14と直行する。中央線Lによって、プリーツフィルタ12は、一側と他側との2つに分けられる。
【0027】
取手体21は、軟性体27において第1固定端部28と第2固定端部29との中間位置に取り付けられる。振動機22は、取手体21に取り付けられる。振動機22は、偏心モータ等によって、振動する。振動機22が振動すると、当該振動が伝達することで、連結部25、複数の支持部24、および接触部23が共に振動する。
【0028】
複数の支持部24の各々は、尾根方向へ移動可能な状態で、連結部25に支持される。更に、複数の支持部24の各々は、隣り合う隣接支持部と尾根方向への相対位置を変化可能である。任意の支持部24と隣接支持部との相対距離は、規定の連結距離を超えない。これは、複数の支持部24の各々は、連結部25によって、尾根方向への少しの自由度の範囲内で互いに拘束されるからである。例えば、連結距離は、隣り合う2つの谷部15の底の距離によって規定されてもよい。具体的には、複数の谷部15のうち第1谷部に配置された第1支持部と、第2谷部に配置された第2支持部との相対距離は、連結距離を超えない範囲で尾根方向において変化可能である。
【0029】
また、ある支持部24が尾根方向へ移動して、当該支持部24の隣接支持部との相対距離が大きくなると、連結部25である軟性体27の当該支持部24と隣接支持部との間の部分に張力が発生する。この張力は、当該支持部24が移動するための力によって発生する。隣接支持部は、当該張力によって、尾根方向において当該支持部24と同じ方向へ移動を開始する。連結距離は、隣接支持部が移動するような張力が発生する距離である。このように、複数の支持部24は、互いに連動する。
【0030】
第1ブラシユニット20は、複数の支持部24の位置関係によって、いくつかの形態をとり得る。図4には、第1ブラシユニット20の第1形態が示される。第1ブラシユニット20の第1形態において、複数の支持部24は、中央線Lに対する一側において外郭11の内側に沿って並ぶ。連結部25は、中央線Lに対する一側において外郭11の内側に沿った円弧状となる。
【0031】
利用者が加えた力によって、取手体21が矢印D0の方向へ動かされることで、連結部25は、取手体21に近い部分から順番に変形しながら移動をしていく。複数の支持部24の各々は、連結部25と共に移動する。
【0032】
次に、図6および図7を用いて、第1ブラシユニット20の形態を説明する。
図6は実施の形態1における清掃具の連結部の形状が変化する概要図である。図7は実施の形態1における清掃具の第1ブラシユニットが第2形態であるときの上面図である。図6において、連結部25以外の構成の図示が省略される。連結部25の形状は、複数の支持部24の各々が配置される位置を表す。
【0033】
図6(A)は、第1ブラシユニット20の第1形態における連結部25を示す。図6(C)は、第1ブラシユニット20の第2形態における連結部25を示す。第2形態において、連結部25は、中央線Lに対する他側において外郭11の内側に沿った円弧状となる。即ち、図6には図示されない複数の支持部24は、第2形態において、中央線Lに対する他側において外郭11の内側に沿って並ぶ。
【0034】
図6(B)は、第1ブラシユニット20の清掃形態における連結部25を示す。清掃形態は、連結部25が第1形態における位置と第2形態における位置との間の位置に存在する形態である。このとき、図6には図示されない複数の支持部24の各々は、第1形態における位置と第2形態における位置との間の位置に存在する。
【0035】
図7は、第1形態から清掃形態を経た後に第2形態となった第1ブラシユニット20を示す。清掃形態において、接触部23は、支持部24と共に移動しながらプリーツフィルタ12の上流側の面に付着した塵埃を掻き取る。このように、第1ブラシユニット20が第1形態から清掃形態を経て第2形態へ至る間に、接触部23は、プリーツフィルタ12の上の塵埃を清掃する。
【0036】
例えば、その後、振動機22が振動する。振動機22は、接触部23を振動させる。そのため、接触部23に付着した塵埃および接触部23と外郭11との間に溜まった塵埃が、脱落する。例えば、脱落した塵埃は、図7には図示されない集塵容器108へ向かって落下する。
【0037】
以上で説明した実施の形態1によれば、清掃具1は、接触部23と複数の支持部24とを備える。接触部23のうち第1支持部に支持される部分と第2支持部に支持される部分とは別々に動き得る。複数の支持部24のうち第1支持部と第2支持部とは、尾根方向の相対距離が変化可能である。このため、プリーツフィルタ12の形状に応じて接触部23が移動可能である。その結果、多様な形状のプリーツフィルタ12に対してその表面を清掃することができる。
【0038】
更に、接触部23は、プリーツフィルタ12に接触することで、塵埃を清掃可能である。従来、プリーツフィルタに対して吸込時とは逆方向の気流を通過させることで塵埃を取り除く機構が開発されている。当該従来型の機構と比較して、清掃具1は、より細かい埃を除去することができる。また、このようなプリーツフィルタ12の清掃は、定期的に掃除機100の利用者が行う必要がある。この際、利用者は、専用のブラシを別途準備する必要がない。このため、清掃具1は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0039】
また、清掃具1は、連結部25を更に有する。連結部25は、第1支持部と第2支持部との尾根方向における相対距離が連結距離を超えない範囲で変化可能なように第1支持部と第2支持部とを連結する。このため、第1支持部を移動させると、第2支持部が連動して移動する。その結果、各支持部24を容易に移動させることができる。
【0040】
また、連結部25は、軟性体27である。軟性体27によって、複数の支持部24が連結される。更に、複数の支持部24は、第1形態、第2形態、および清掃形態に遷移可能である。複数の支持部24が第1形態または第2形態であるとき、外郭11に沿っているので支持部24および連結部25が気流に干渉しにくくなる。このため、フィルタユニット10において支持部24および連結部25によって発生する圧損を減少させることができる。
【0041】
また、外郭11は、円筒状を呈する。プリーツフィルタ12は、円形状を呈する。清掃具1は、このような形状の外郭11およびプリーツフィルタ12に対しても適用されることができる。
【0042】
また、清掃具1は、振動機22を更に有する。振動機22は、駆動すると接触部23を振動させる。このため、特に複数の支持部24が第1形態または第2形態である場合に、端に溜まった埃を落とすことができる。その結果、利用者が当該箇所を清掃する必要が無くなる。利用者の利便性を向上させることができる。
【0043】
実施の形態2.
図8は実施の形態2における清掃具の上面図である。図9は実施の形態2における清掃具とプリーツフィルタとの断面図である。図10は実施の形態2における清掃具の連結部の要部の分解斜視図である。図11は実施の形態2における清掃具の連結部の概要図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0044】
図8に示されるように、実施の形態2において、清掃具1は、第2ブラシユニット30を有する。第2ブラシユニット30は、接触部23と複数の支持部24と連結部25とを備える。実施の形態2の第2ブラシユニット30は、実施の形態1の第1ブラシユニット20と比べて、支持部24の構成の一部および連結部25の構成が異なる。
【0045】
図9に示されるように、実施の形態2において、支持部24は、軸体26と支持体31とを備える。支持体31は、軸体26における谷部15の底とは反対側の端部に固定される。支持体31は、軸体26を支持する。
【0046】
図10に示されるように、実施の形態2において、連結部25は、複数の連結体32を有する。例えば、連結体32は、棒状を呈する。例えば、連結体32の長手方向の長さは、連結距離に等しい。連結体32は、支持体31の両端に対応した形状を有する。一例として、支持体31の端部33と連結体32の側部34とが嵌め合わされ得る形状を呈する。連結体32の両方の端部33には、2つの連結体32の側部34がそれぞれ取り付けられる。
【0047】
図11は、複数の支持体31と複数の連結体32とが組み合わせられた第2ブラシユニット30を示す。複数の支持体31のうち隣り合う2つの支持体31は、1つの連結体32で連結される。この状態において、隣り合う2つの支持体31は、それぞれが連結体32に対して移動可能である。隣り合う2つの支持体31の相対距離は、連結距離を超えない範囲で変化可能である。そのため、第2ブラシユニット30は、全体として変形可能な一つながりの部材である。
【0048】
図8に示されるように、第2ブラシユニット30は、第1固定端部35および第2固定端部36において、外郭11に固定される。第1固定端部35は、第2ブラシユニット30の最も一側の端に位置する連結体32の端部である。第2固定端部36は、第2ブラシユニット30の最も他側の端に位置する連結体32の端部である。第1固定端部35および第2固定端部36が外郭11に対して固定される位置は、実施の形態1の第1ブラシユニット20の第1固定端部28および第2固定端部29が外郭11に対して固定される位置とそれぞれ同じである。実施の形態2においても、中央線Lが形成される。
【0049】
実施の形態1と同様に、複数の支持部24の各々は、尾根方向へ移動可能な状態で、連結部25に支持される。任意の支持部24と隣接支持部との相対距離は、規定の連結距離を超えない。これは、隣り合う支持部24が、連結体32によって、尾根方向において連結体32の長手方向の長さの範囲内で互いに拘束されるからである。具体的には、複数の谷部15のうち第1谷部に配置された第1支持部と、第2谷部に配置された第2支持部との相対距離は、連結距離を超えない範囲で尾根方向において変化可能である。
【0050】
また、ある支持部24が尾根方向へ移動して、当該支持部24の隣接支持部との相対距離が大きくなると、間に存在する連結体32に張力が発生する。この張力は、当該支持部24が移動するための力によって発生する。隣接支持部は、当該張力に起因して連結体32から受ける力によって、尾根方向において当該支持部24と同じ方向へ移動を開始する。このように、複数の支持部24は、互いに連動する。
【0051】
第2ブラシユニット30は、実施の形態1の第1ブラシユニット20と同様に、第1形態、第2形態、および清掃形態をとり得る。清掃形態で複数の支持部24が移動しているときに、プリーツフィルタ12の上流側の面に付着した塵埃が清掃される。
【0052】
以上で説明した実施の形態2によれば、連結部25は、尾根方向における相対距離が連結距離を超えない範囲で変化可能なように複数の支持部24を連結する。このため、各支持部24を容易に移動させることができる。
【0053】
また、連結部25は、複数の連結体32である。複数の連結体32によって、複数の支持部24が連結され、第2ブラシユニットが形成される。更に、複数の支持部24は、第1形態、第2形態、および清掃形態に遷移可能である。複数の支持部24が第1形態または第2形態であるとき、外郭11に沿っているので支持部24および連結部25が気流に干渉しにくくなる。このため、フィルタユニット10において支持部24および連結部25によって生じる圧損を減少させることができる。
【0054】
なお、実施の形態1において、支持部24は、軸体26と支持体31とを備えてもよい。この場合、支持体31が軟性体27に取り付けられる。
【0055】
なお、支持体31には、複数の軸体26が固定されてもよい。即ち、支持部24は、複数の軸体26と1つの支持体31とで構成されてもよい。この場合、複数の支持部24において、支持体31の数は、軸体26の数よりも少なくなる。この場合においても、支持部24と隣接支持部との相対距離は、変更可能である。
【0056】
なお、実施の形態2において、支持部24には、軸体26が設けられなくてもよい。この場合、支持体31から接触部23の複数のブラシ毛の一部が延びていてもよい。支持体31は、支持部24として、複数のブラシ毛の一部を支持する。
【0057】
実施の形態3.
図12から図16は実施の形態3における清掃具の上面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。図12から図16において、プリーツフィルタ12の図示が省略される。
【0058】
図12に示されるように、実施の形態3において、清掃具1は、巻取機40と紐体41と移動機42とを更に備える。一例として、巻取機40と紐体41と移動機42とは、実施の形態1の第1ブラシユニット20に適用される。なお、巻取機40と紐体41と移動機42とは、実施の形態2の第2ブラシユニット30に適用されてもよい。なお、実施の形態3において、取手体21は第1ブラシユニット20または第2ブラシユニット30に設けられなくてもよい。
【0059】
巻取機40は、外郭11に取り付けられる。巻取機40は、一軸の駆動機構として、駆動すると紐体41を巻き取る。図示されないが、掃除機100には、巻取機40を駆動させるためのボタンが設けられる。当該ボタンが操作されることで、巻取機40が動作する。
【0060】
紐体41は、一端が第1ブラシユニット20に取り付けされる。例えば、紐体41は、連結部25に対して第1ブラシユニット20の取手体21が取り付けられる位置と同じ位置に取り付けられる。紐体41の中央部分は、巻取機40に取り付けられる。
【0061】
移動機42は、巻取機40に取り付けられる。図示されないが、外郭11の外周上には、移動レールが設けられる。移動機42は、移動レールに取り付けられる。移動機42は、移動レールの上を移動可能である。なお、移動レールは、外郭11の円筒の側面に設けられてもよい。
【0062】
図12において、第1ブラシユニット20が第1形態であって、巻取機40が中央線Lよりも第1ブラシユニット20とは反対側である他側に存在する。具体的には、巻取機40は、中央線Lで外郭11を分割した際の外郭11の一側における中央部で停止する。紐体41は、中央線Lを垂直に横切る。この状態において巻取機40が駆動すると、巻取機40は、紐体41の一端の側を巻き取る。紐体41は、第1ブラシユニット20の連結部25を矢印D1の方向へ引っ張る。第1ブラシユニット20の複数の支持部24は、尾根方向への移動を開始する。
【0063】
図13には、第1形態から清掃形態に遷移した第1ブラシユニット20が示される。連結部25における紐体41が取り付けられた位置を中心に、連結部25は、中央線Lの一側から他側へ移動する。図示されないが、複数の支持部24は、連結部25と連動して尾根方向へ移動する。
【0064】
その後、図14に示されるように、第1ブラシユニット20は、清掃形態を経て第2形態に遷移する。この状態において、プリーツフィルタ12の上流側の面は、第1ブラシユニット20によって清掃される。その後、振動機22が駆動してもよい。
【0065】
その後、図15および図16に示されるように、移動機42は、移動レール即ち外郭11に沿って巻取機40を移動させる。この際、巻取機40は、紐体41を送り出しながら移動する。そのため、巻取機40が移動している間、紐体41は、第1ブラシユニット20を引っ張る力を発生させない。図16に示されるように、巻取機40は、中央線Lで外郭11を分割した際の外郭11の一側における中央部で停止する。
【0066】
図示されないが、その後、巻取機40が駆動すると、第1ブラシユニット20は、第2形態から清掃形態を経て第1形態へ遷移する。この際、プリーツフィルタ12の上流側の面の清掃が行われる。
【0067】
以上で説明した実施の形態3によれば、清掃具1は、紐体41と巻取機40とを更に備える。一例として、巻取機40は、中央線Lで外郭11を分割した際の他側に取り付けられる。複数の支持部24が第1形態であるときに巻取機40が駆動すると、複数の支持部24は、第2形態への方向へ移動する。この際、プリーツフィルタ12の表面が清掃される。このため、自動でプリーツフィルタ12の清掃を行うことができる。
【0068】
また、清掃具1は、移動機43を更に備える。巻取機40は、移動機43によって、中央線Lで外郭11を分割した際の他側と一側との間を移動可能となる。このため、複数の支持部24が第1形態および第2形態のいずれの形態である場合であっても、複数の支持部24を移動させることができる。その結果、自動でかつ連続してプリーツフィルタ12の清掃を行うことができる。
【0069】
以上の説明をまとめると、本開示に係る技術の取りうる構成は、以下に付記として示す各構成などを含む。
(付記1)
複数の山部の尾根と複数の谷部とが順番に整列方向に並ぶよう折り曲げられたプリーツ型を呈するフィルタであって、掃除機の内部において気流を通過させて前記気流に含まれる塵埃を捕集するプリーツフィルタを清掃するための清掃具であって、
前記プリーツフィルタに対し前記気流の上流側において前記複数の谷部の各々に対応する位置に配置され、前記塵埃を捕集するよう前記プリーツフィルタの表面に接触した接触部と、
前記プリーツフィルタに対し前記気流の上流側において前記複数の谷部にそれぞれが対応するよう配置され、前記接触部を支持し、前記複数の山部の尾根方向へ移動可能な複数の支持部と、
を備え、
前記複数の支持部は、前記複数の谷部のうち第1谷部に配置された第1支持部と、前記複数の谷部のうち前記第1谷部と隣り合う第2谷部に配置された接触部を支持した第2支持部と、を含み、
前記第1支持部と前記第2支持部との前記尾根方向における相対距離が変化可能である清掃具。
(付記2)
前記第1支持部と前記第2支持部との前記尾根方向における相対距離が規定の連結距離を超えない範囲で変化可能なように前記第1支持部と前記第2支持部とを連結する連結部、
を更に備えた付記1に記載の清掃具。
(付記3)
前記連結部は、紐状を呈し、前記複数の支持部のうち隣り合う2つの支持部の前記尾根方向における相対距離が前記連結距離を超えない範囲で変化可能なように前記複数の支持部を連結する軟性体である付記2に記載の清掃具。
(付記4)
前記軟性体によって前記複数の支持部がそれぞれ連結された第1ブラシユニットが形成され、
前記第1ブラシユニットは、第1固定端部と第2固定端部とを有し、
前記第1固定端部は、前記プリーツフィルタの外郭に固定され、
前記第2固定端部は、前記第1固定端部に対して前記プリーツフィルタを挟んだ前記整列方向の反対側において前記外郭に固定され、
前記複数の支持部は、前記第1固定端部と前記第2固定端部とを結ぶ線分で前記外郭を分割した際の一側において前記外郭に沿って並ぶ第1形態、前記線分で前記外郭を分割した際の他側において前記外郭に沿って並ぶ第2形態、および、前記第1形態における位置と前記第2形態における位置の間の位置に存在する清掃形態、に遷移可能である付記3に記載の清掃具。
(付記5)
前記連結部は、複数の連結体であり、
前記複数の連結体の各々は、前記複数の支持部のうち隣り合う2つの支持部を、前記尾根方向における相対距離が前記連結距離を超えない範囲で変化可能なように連結する付記2に記載の清掃具。
(付記6)
前記複数の支持部が前記複数の連結体によってそれぞれ連結された第2ブラシユニットが形成され、
前記第2ブラシユニットは、第1固定端部と第2固定端部とを有し、
前記第1固定端部は、前記プリーツフィルタの外郭に固定され、
前記第2固定端部は、前記第1固定端部に対して前記プリーツフィルタを挟んだ前記整列方向の反対側において前記外郭に固定され、
前記複数の支持部は、前記第1固定端部と前記第2固定端部とを結ぶ線分で前記外郭を分割した際の一側において前記外郭に沿って並ぶ第1形態、前記線分で前記外郭を分割した際の他側において前記外郭に沿って並ぶ第2形態、および、前記第1形態における位置と前記第2形態における位置の間の位置に存在する清掃形態、に遷移可能である付記5に記載の清掃具。
(付記7)
前記外郭は、円筒状を呈し、
前記プリーツフィルタは、円形状を呈する付記4または付記6に記載の清掃具。
(付記8)
一端が前記連結部の一部に取り付けられた紐体と、
前記紐体の中央部分が取り付けられ、駆動すると前記紐体の前記一端の側を巻き取る巻取機と、
を更に備え、
前記巻取機は、前記複数の支持部が前記第1形態であるときに前記線分で前記外郭を分割した際の前記他側において前記外郭に取り付けられた付記4、付記6および付記7のいずれか一項に記載の清掃具。
(付記9)
前記巻取機に設けられ、前記外郭に沿って移動可能に前記外郭に取り付けられた移動機、
を更に備え、
前記巻取機は、前記移動機によって前記線分で前記外郭を分割した際の前記他側と前記一側との間を移動可能な付記8に記載の清掃具。
(付記10)
前記連結部に取り付けられ、駆動すると前記接触部を振動させる振動機、
を更に備えた、付記2から付記9のいずれか一項に記載の清掃具。
【符号の説明】
【0070】
1 清掃具、 10 フィルタユニット、 11 外郭、 12 プリーツフィルタ、 13 山部、 14 尾根、 15 谷部、 20 第1ブラシユニット、 21 取手体、 22 振動機、 23 接触部、 24 支持部、 25 連結部、 26 軸体、 27 軟性体、 28 第1固定端部、 29 第2固定端部、 30 第2ブラシユニット、 31 支持体、 32 連結体、 33 端部、 34 側部、 35 第1固定端部、 36 第2固定端部、 40 巻取機、 41 紐体、 42 移動機、 43 移動機、 100 掃除機、 101 本体、 102 管体、 103 吸込具、 104 排気口、 105 電動送風機、 106 導管部、 107 サイクロン分離器、 108 集塵容器、 D0 矢印、 D1 矢印、 L 中央線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16