(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152025
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】通信システム、機器、通信方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/30 20180101AFI20241018BHJP
H04W 76/19 20180101ALI20241018BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20241018BHJP
【FI】
H04W76/30
H04W76/19
H04W84/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065922
(22)【出願日】2023-04-13
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】西川 元晶
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067EE16
5K067FF02
(57)【要約】
【課題】利用者による機器の通信設定作業の負担を軽減できる通信システム、機器、通信方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】機器1は、ルータ81と無線通信するための第1SSID情報と、機器1の第2SSID情報と、を記憶する無線接続情報記憶部131と、第1SSID情報に基づいて、ルータ81と無線接続するステーションモードと、第2SSID情報に基づいて、端末装置3と無線接続するアクセスポイントモードと、のいずれかで動作する通信制御部111と、無線接続情報記憶部131が記憶する第1SSID情報および第2SSID情報を含む無線接続情報を生成してクラウドサーバ2へ送信する無線接続情報通知部115と、を有する。そして、クラウドサーバ2は、無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報に含まれる第1SSID情報および第2SSID情報を端末装置3へ送信する無線接続情報通知部213を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、
前記サーバとネットワークを介して通信するルータと、
前記サーバと前記ネットワークを介して通信する第1端末装置と、
前記ルータと無線通信するために少なくとも前記ルータを識別する第1SSIDを示す第1SSID情報と、自機を識別する第2SSIDを示す第2SSID情報と、を含む無線接続に必要な情報を記憶する無線接続情報記憶部と、少なくとも前記第1SSID情報に基づいて、前記ルータと無線接続するステーションモードと、少なくとも前記第2SSID情報に基づいて、前記第1端末装置と無線接続するアクセスポイントモードと、のいずれかで動作する通信制御部と、前記ルータと無線接続している状態で前記ルータとの無線接続を解除する操作がされた場合、前記無線接続情報記憶部が記憶する前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を含む無線接続情報を生成して前記サーバへ送信する第1無線接続情報通知部と、を有する機器と、を備え、
前記サーバは、前記機器から送信される前記無線接続情報を取得すると、取得した前記無線接続情報に含まれる前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を前記第1端末装置へ送信する第2無線接続情報通知部を有する、
通信システム。
【請求項2】
前記第1端末装置は、入力部と、利用者が前記入力部に対して、前記機器と前記ルータとの無線接続を復旧させるための復旧操作を行うと、取得した前記第2SSID情報に基づいて、前記機器と無線接続して、取得した前記第1SSID情報を含む無線接続情報を前記機器へ送信する第3無線接続情報通知部と、を有し、
前記通信制御部は、前記機器が起動すると、前記アクセスポイントモードで動作して、前記第1端末装置から送信される前記無線接続情報を取得し、その後、前記ステーションモードで動作して、取得した前記無線接続情報に含まれる前記第1SSID情報に基づいて、前記ルータと無線接続する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第1端末装置は、第1表示部と、前記サーバから送信される前記無線接続情報を取得すると、前記ルータとの無線接続を解除する操作がされたことを通知するメッセージを表すメッセージ通知画像を形成して前記第1表示部に表示させる表示制御部と、を有する、
請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
サーバと、
前記サーバとネットワークを介して通信するルータと、
表示部と、入力部と、を有し、前記サーバと前記ネットワークを介して通信する第1端末装置と、
前記第1端末装置の前記表示部に表示させるウェブサイトを管理するウェブサーバと、
前記ルータと無線通信するために少なくとも前記ルータを識別する第1SSIDを示す第1SSID情報と、自機を識別する第2SSIDを示す第2SSID情報と、を含む無線接続に必要な情報を記憶する無線接続情報記憶部と、少なくとも前記第1SSID情報に基づいて、前記ルータと無線接続するステーションモードと、少なくとも前記第2SSID情報に基づいて、前記第1端末装置と無線接続するアクセスポイントモードと、のいずれかで動作する通信制御部と、前記ルータと無線接続している状態で前記ルータとの無線接続を解除する操作がされた場合、前記無線接続情報記憶部が記憶する前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を含む無線接続情報を生成して前記サーバへ送信する第1無線接続情報通知部と、を有する機器と、を備え、
前記サーバは、前記機器から送信される前記無線接続情報を取得すると、取得した前記無線接続情報に含まれる前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を前記ウェブサーバへ送信する第2無線接続情報通知部を有し、
前記第1端末装置は、利用者が前記入力部に対して、前記機器と前記ルータとの無線接続を復旧させるための復旧操作を行うと、前記ウェブサーバから送信される前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を取得し、取得した前記第2SSID情報に基づいて、前記機器と無線接続して、取得した前記第1SSID情報を前記機器へ送信し、
前記通信制御部は、前記機器が起動すると、前記アクセスポイントモードで動作して、前記第1端末装置から送信される前記第1SSID情報を取得し、その後、前記ステーションモードで動作して、取得した前記第1SSID情報に基づいて、前記ルータと無線接続する、
通信システム。
【請求項5】
前記機器と前記ルータと無線接続している状態で前記ルータとの無線接続を解除する操作がされた場合、前記機器の利用者を見守る人に対して少なくとも前記機器と前記ルータとの無線接続を解除する操作がされたことを通知するメッセージを表すメッセージ情報を前記見守る人が所持する第2端末装置へ送信するメッセージ通知部を更に有し、
前記第2端末装置は、第2表示部と、前記メッセージ情報を取得すると、取得したメッセージ情報に基づいて、前記ルータとの無線接続を解除する操作がされたことを通知するメッセージを表すメッセージ通知画像を形成して前記第2表示部に表示させる表示制御部と、を有する、
請求項1、2または4に記載の通信システム。
【請求項6】
サーバと、前記サーバとネットワークを介して通信するルータと、前記サーバと前記ネットワークを介して通信する端末装置と、ともに使用される機器であって、
前記ルータと無線通信するために少なくとも前記ルータを識別する第1SSIDを示す第1SSID情報と、自機を識別する第2SSIDを示す第2SSID情報と、を含む無線接続に必要な情報を記憶する無線接続情報記憶部と、少なくとも前記第1SSID情報に基づいて、前記ルータと無線接続するステーションモードと、少なくとも前記第2SSID情報に基づいて、前記端末装置と無線接続するアクセスポイントモードと、のいずれかで動作する通信制御部と、前記ルータと無線接続している状態で前記ルータとの無線接続を解除する操作がされた場合、前記無線接続情報記憶部が記憶する前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を前記サーバへ送信する第1無線接続情報通知部と、を備え、
前記サーバは、前記機器から送信される前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を取得すると、取得した前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を前記端末装置へ送信する第2無線接続情報通知部を有する、
機器。
【請求項7】
機器が、サーバとネットワークを介して通信するルータと無線通信するために少なくとも前記ルータを識別する第1SSIDを示す第1SSID情報と、前記機器を識別する第2SSIDを示す第2SSID情報と、を含む無線接続に必要な情報を無線接続情報記憶部に記憶させるステップと、
前記機器が、少なくとも前記第1SSID情報に基づいて、前記ルータと無線接続するステーションモードで動作するステップと、
前記機器が、少なくとも前記第2SSID情報に基づいて、前記サーバと前記ネットワークを介して通信する端末装置と無線接続するアクセスポイントモードで動作するステップと、
前記機器が、前記ルータと無線接続している状態で前記ルータとの無線接続を解除する操作がされた場合、前記無線接続情報記憶部が記憶する前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を含む無線接続情報を生成して前記サーバへ送信するステップと、
前記サーバが、前記機器から送信される前記無線接続情報を取得すると、取得した前記無線接続情報に含まれる前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を前記端末装置へ送信するステップと、を含む、
通信方法。
【請求項8】
コンピュータを、
サーバとネットワークを介して通信するルータと無線通信するために少なくとも前記ルータを識別する第1SSIDを示す第1SSID情報と、機器を識別する第2SSIDを示す第2SSID情報と、を含む無線接続に必要な情報を記憶する無線接続情報記憶部、
少なくとも前記第1SSID情報に基づいて、前記ルータと無線接続するステーションモードと、少なくとも前記第2SSID情報に基づいて、前記サーバと前記ネットワークを介して通信する端末装置と無線接続するアクセスポイントモードと、のいずれかで動作する通信制御部、
前記ルータと無線接続している状態で前記ルータとの無線接続を解除する操作がされた場合、前記無線接続情報記憶部が記憶する前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を含む無線接続情報を生成して前記サーバへ送信する第1無線接続情報通知部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システム、機器、通信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
GW装置と、被接続装置と、GW装置および被接続装置それぞれとの間で例えば赤外線通信のような近距離通信が可能な携帯端末と、を備え、携帯端末が、GW装置からペアリングに必要な認証データを取得して被接続装置へ送信し、被接続装置が、携帯端末より入手した、認証情報をもとに加入要求をGW装置へ送信することでGW装置と被接続装置とのペアリングを行う通信システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されたような通信システムでは、被接続装置が停止した後再起動しようとして、誤って被接続装置で保有するペアリングに必要な情報を消去してしまう場合がある。この場合、利用者が再度携帯端末を使用してペアリングを行うための通信設定作業を行う必要があり利用者にとって負担になる虞がある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされたものであり、利用者による機器の通信設定作業の負担を軽減できる通信システム、機器、通信方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る通信システムは、
サーバと、
前記サーバとネットワークを介して通信するルータと、
前記サーバと前記ネットワークを介して通信する第1端末装置と、
前記ルータと無線通信するために少なくとも前記ルータを識別する第1SSIDを示す第1SSID情報と、自機を識別する第2SSIDを示す第2SSID情報と、を含む無線接続に必要な情報を記憶する無線接続情報記憶部と、少なくとも前記第1SSID情報に基づいて、前記ルータと無線接続するステーションモードと、少なくとも前記第2SSID情報に基づいて、前記端末装置と無線接続するアクセスポイントモードと、のいずれかで動作する通信制御部と、前記ルータと無線接続している状態で前記ルータとの無線接続を解除する操作がされた場合、前記無線接続情報記憶部が記憶する前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を含む無線接続情報を生成して前記サーバへ送信する第1無線接続情報通知部と、を有する機器と、を備え、
前記サーバは、前記機器から送信される前記無線接続情報を取得すると、取得した前記無線接続情報に含まれる前記第1SSID情報および前記第2SSID情報を前記第1端末装置へ送信する第2無線接続情報通知部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、機器の第1無線接続情報通知部が、ルータと無線接続している状態でルータとの無線接続を解除する操作がされた場合、無線接続を遮断する前に、無線接続情報記憶部が記憶する第1SSID情報および第2SSID情報を含む無線接続情報を生成してサーバへ送信する。そして、サーバの第2無線接続情報通知部は、機器から送信される無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報に含まれる第1SSID情報および第2SSID情報を端末装置へ送信する。これにより、機器とルータとの間でのコネクションが遮断され、無線接続情報記憶部が記憶する第1SSID情報、第2SSID情報が消去される場合であっても、当該第1SSID情報、第2SSID情報がサーバから端末装置へ送信される。従って、利用者は、端末装置を操作して、端末装置から機器へ第1SSID情報を送信するだけで、機器とルータとの間のコネクションを復旧させることができるので、利用者による機器とルータとの間のコネクションを復旧する際の機器の通信設定作業の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施の形態に係る通信システムの概略構成図
【
図2】実施の形態に係る通信システムのハードウェア構成を示すブロック図
【
図3】実施の形態に係る通信システムの機能構成を示すブロック図
【
図4】実施の形態に係るクラウドサーバの無線接続情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図
【
図5】実施の形態に係る通信システムの動作の一例を示すシーケンス図
【
図6】実施の形態に係る通信システムの動作の一例を示すシーケンス図
【
図7】(A)は実施の形態に係る端末装置の表示部に表示されるメッセージ画像の一例を示す図、(B)は実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される他のメッセージ画像の一例を示す図
【
図8】実施の形態に係る通信システムの動作の一例を示すシーケンス図
【
図9】実施の形態に係る機器が実行する通信処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図10】実施の形態に係る機器が実行する通信処理の流れの一例を示すフローチャート
【
図12】変形例に係る通信システムの機能構成を示すブロック図
【
図13】変形例に係る通信システムの動作の一例を示すシーケンス図
【
図14】変形例に係る通信システムの動作の一例を示すシーケンス図
【
図15】変形例に係る通信システムの機能構成を示すブロック図
【
図16】変形例に係る通信システムの機能構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施の形態に係る通信システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る通信システムは、サーバと、サーバとネットワークを介して通信するルータと、サーバとネットワークを介して通信する第1端末装置と、ルータと無線通信する機器と、を備える。機器は、少なくともルータを識別する第1SSIDを示す第1SSID情報と、自機を識別する第2SSIDを示す第2SSID情報と、を含む無線接続に必要な情報を記憶する無線接続情報記憶部と、少なくとも第1SSID情報に基づいて、ルータと無線接続するステーションモードと、少なくとも第2SSID情報に基づいて、端末装置と無線接続するアクセスポイントモードと、のいずれかで動作する通信制御部と、ルータと無線接続している状態でルータとの無線接続を解除する操作がされた場合、無線接続を遮断する前に、無線接続情報記憶部が記憶する第1SSID情報および第2SSID情報をサーバへ送信する第1無線接続情報通知部と、を有する。そして、サーバは、機器から送信される無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報に含まれる第1SSID情報および第2SSID情報を第1端末装置へ送信する第2無線接続情報通知部を有する。
【0010】
本実施の形態に係る通信システムは、例えば
図1に示すように、クラウドサーバ2と、アクセスポイントとして機能し、クラウドサーバ2と広域ネットワークNW1を介して通信するルータ81と、クラウドサーバ2と広域ネットワークNW1を介して通信する端末装置3と、機器1と、を備える。機器1は、局所ネットワークNW2を介してルータ81、端末装置3と通信可能となっている。局所ネットワークNW2は、無線LAN(Local Area Network)である。ルータ81は、例えばブロードバンドルータであり、例えばONU(Optical Network Unit)のようなデータ回線終端装置82を介して広域ネットワークNW1に接続されている。また、ルータ81は、無線モジュール(図示せず)を有し、機器1と無線通信することにより、機器1から送信される後述の機器状態情報を取得してクラウドサーバ2へ送信したり、クラウドサーバ2から送信される後述の制御情報を取得して機器1へ送信したりする。無線モジュールは、例えばIEEE802.11に準拠した無線LAN規格に適合する通信方式で機器1と通信する。
【0011】
機器1は、例えば、給湯機、空気調和機等であり、
図2に示すように、機器1の動作を制御する制御ユニット11と、制御ユニット11を操作するための操作部12と、を備える。操作部12は、例えばリセット釦を有する入力装置である。制御ユニット11は、CPU(Central Processing Unit)101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、操作インタフェース105と、無線モジュール106と、計時部107と、を有する。主記憶部102は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリであり、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、制御ユニット11の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。操作インタフェース105は、操作部12に接続されており、操作部12が操作されると、これに応じて、操作内容を示す操作情報を生成してCPU101へ転送する。無線モジュール106は、例えばIEEE802.11に準拠した無線LAN規格に適合する通信方式でルータ81または端末装置3と通信する。計時部107は、例えばリアルタイムクロックを有し、機器1の状態を示す機器状態情報をクラウドサーバ2へ送信する機器状態通知時期を計時する。
【0012】
制御ユニット11では、CPU101が補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、
図3に示すように、通信制御部111、機器制御部112、機器状態通知部113、無線接続情報取得部114および無線接続情報通知部115として機能する。また、
図2に示す補助記憶部103は、
図3に示すように、ルータ81または端末装置3との無線接続に必要な情報を記憶する無線接続情報記憶部131を有する。無線接続情報記憶部131は、ルータ81を識別する第1SSIDを示す第1SSID情報と、機器1を識別する第2SSIDを示す第2SSID情報と、を記憶する。また、無線接続情報記憶部131は、例えばWPA(Wi-Fi Protected Access)規格に基づいて、ルータ81へ送信する情報を暗号化する際に使用するパスワードのような暗号鍵を示す第1認証情報と、端末装置3から機器1へ送信される情報を暗号化する際に使用する暗号鍵を示す第2認証情報と、を記憶する。なお、第1認証情報、第2認証情報は、RADIUS(Remote Authentication Dial-In User Service)サーバを利用した認証処理を実行する場合、RADIUSサーバで管理される認証情報であってもよい。
【0013】
通信制御部111は、ルータ81または端末装置3との間での無線通信を制御する。通信制御部111は、機器1をルータ81の子機として機能させるステーションモードと、機器1を端末装置3の親機として機能させるアクセスポイントモードと、のいずれかで動作する。通信制御部111は、ステーションモードで動作する場合、第1SSID情報および第1認証情報に基づいて、ルータ81と無線接続する処理を実行する。具体的には、通信制御部111は、まず、第1SSID情報を含むプローブ要求情報を生成してルータ81へ送信した後、プローブ応答情報を取得すると、プローブ応答情報に含まれるルータ81のMAC(Media Access Control)アドレス等であるルータ識別情報に基づいて、第1認証情報を含む認証要求情報をルータ81へ送信する。次に、通信制御部111は、ルータ81から送信される認証応答情報を取得すると、アソシエーション要求情報をルータ81へ送信し、その後、ルータ81から送信されるアソシエーション応答情報を取得する。これにより、通信制御部111は、ルータ81との間での無線通信のコネクションを確立する。また、通信制御部111は、アクセスポイントモードで動作する場合、第2SSID情報および第2認証情報に基づいて、端末装置3と無線接続する処理を実行する。具体的には、通信制御部111は、まず、端末装置3から第2SSID情報を含むプローブ要求情報を取得すると、これに応じて、プローブ応答情報を端末装置3へ送信する。次に、通信制御部111は、端末装置3から送信される第2認証情報を含む認証要求情報を取得すると、認証要求情報に含まれる第2認証情報を用いて認証処理を実行し、認証に成功すると、認証応答情報を端末装置3へ送信する。その後、通信制御部111は、端末装置3から送信されるアソシエーション要求情報を取得すると、これに応じて、アソシエーション応答情報を端末装置3へ送信する。これにより、通信制御部111は、端末装置3との間での無線通信のコネクションを確立する。
【0014】
また、通信制御部111は、ステーションモードで動作し且つルータ81との間でコネクションを確立した後、ルータ81から送信される機器1の動作を制御するための制御情報を取得すると、取得した制御情報を機器制御部112に通知する。更に、通信制御部111は、機器状態通知部113から機器1の動作状態や機器1の周囲の温度、湿度等の環境パラメータを示す、クラウドサーバ2を宛先とする機器状態情報が通知されると、通知された機器状態情報をルータ81へ送信する。また、通信制御部111は、端末装置3から送信される無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報を無線接続情報取得部114に通知する。更に、通信制御部111は、無線接続情報通知部115からクラウドサーバ2を宛先とする無線接続情報が通知されると、通知された無線接続情報をルータ81へ送信する。
【0015】
機器制御部112は、通信制御部111から前述の制御情報が通知されると、通知された制御情報に基づいて機器1の動作の制御を開始する。機器状態通知部113は、計時部107が計時する時間情報に基づいて、予め設定された機器状態通知時期が到来したと判定すると、前述の機器状態情報を生成して通信制御部111に通知する。無線接続情報取得部114は、通信制御部111から無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報に含まれる第1SSID情報と第1認証情報とを抽出し、抽出した第1SSID情報と第1認証情報とを無線接続情報記憶部131に記憶させる。無線接続情報通知部115は、利用者による操作部12に対する機器1とルータ81の無線接続を解除する操作を受け付けると無線接続を解除する前に、無線接続情報記憶部131が記憶する、第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報を含む無線接続情報を生成し、生成した無線接続情報を通信制御部111に通知する。
【0016】
クラウドサーバ2は、
図2に示すように、CPU201と、主記憶部202と、補助記憶部203と、通信部206と、計時部207と、各部を接続するバス209と、を備える。CPU201は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部202は、揮発性メモリから構成され、CPU201の作業領域として用いられる。補助記憶部203は、大容量の不揮発性メモリから構成され、クラウドサーバ2の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部206は、広域ネットワークNW1に接続されている。計時部207は、例えばリアルタイムクロックを有し、時刻を計時する。
【0017】
CPU201は、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み込んで実行することにより、
図3に示すように、機器管理部211、無線接続情報取得部212および無線接続情報通知部213として機能する。また、
図2に示す補助記憶部203は、
図3に示すように、無線接続情報記憶部231と、機器管理情報記憶部232と、を有する。無線接続情報記憶部231は、例えば
図4に示すように、ルータ81の第1SSID情報、第1認証情報と、当該ルータ81と同一の局所ネットワークNW2に属する機器1の第2SSID情報、第2認証情報と、を、これらの情報が更新された日時を示す更新日時情報、機器1を識別する機器識別情報およびルータ81を識別するルータ識別情報に対応づけて記憶する。ここで、機器識別情報は、例えば機器1に固有のMACアドレスを示す情報である。
図4に示す例では、ルータ81の第1SSID情報SSID_1[0]、第1認証情報KEY_1[0]と、ルータ81と同一の局所ネットワークNW2に属する機器1の第2SSID情報SSID_2[0]、第2認証情報KEY_2[0]と、が、これらの情報の更新日時である「2023/3/1」を示す更新日時情報、機器識別情報IDE[0]およびルータ識別情報IDR[0]の組み合わせに対応づけられていることを示している。
【0018】
機器管理情報記憶部232は、機器1の状態を示す機器状態情報を、機器1の機器識別情に対応づけて記憶する。
【0019】
機器管理部211は、機器1から送信される機器状態情報を、ルータ81を介して取得すると、取得した機器状態情報を、機器1の機器識別情報に対応づけて機器管理情報記憶部232に記憶させる。また、機器管理部211は、機器管理情報記憶部232が記憶する機器状態情報に基づいて、機器1の制御内容を更新すべき機器制御イベントが発生したと判定すると、機器1の制御内容を更新するための機器1を宛先とする制御情報を生成してルータ81を介して機器1へ送信する。
【0020】
無線接続情報取得部212は、機器1から送信される無線接続情報を、ルータ81を介して取得すると、取得した無線接続情報に含まれる、第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報を抽出する。そして、無線接続情報取得部212は、抽出した第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報を、無線接続情報の送信元の機器1の機器識別情報と、ルータ81のルータ識別情報と、計時部207が計時する更新時刻を示す更新時刻情報と、に対応づけて無線接続情報記憶部231に記憶させる。
【0021】
無線接続情報通知部213は、無線接続情報記憶部231が記憶する第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報が更新されると、更新された第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報と、対応する機器識別情報およびルータ識別情報と、を含む無線接続情報を生成する。そして、無線接続情報通知部213は、生成した無線接続情報を端末装置3へ送信する。
【0022】
端末装置3は、例えばスマートフォンであり、
図2に示すように、CPU301と、主記憶部302と、補助記憶部303と、表示部304と、入力部305と、広域通信部306と、無線モジュール307と、を備える。主記憶部202は、揮発性メモリであり、CPU301の作業領域として使用される。補助記憶部303は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、端末装置3の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。表示部304は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等であり各種情報を表示する。入力部305は、例えば表示部304に重ねて配置されるタッチパッドであり、利用者の操作に応じた各種操作情報を受け付けて、受け付けた操作情報をCPU301へ出力する。広域通信部306は、広域ネットワークNW1を介して、クラウドサーバ2との間で通信を行う。無線モジュール307は、例えばIEEE802.11に準拠した無線LAN規格に適合する通信方式で機器1と通信する。
【0023】
CPU301は、補助記憶部303が記憶するプログラムを主記憶部302に読み出して実行することにより、
図3に示すように、無線接続情報取得部311、表示制御部312、受付部313および無線接続情報通知部314として機能する。また、
図2に示す補助記憶部303は、
図3に示すように、クラウドサーバ2から送信される無線接続情報に含まれる、第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報、第2認証情報、機器識別情報およびルータ識別情報を記憶する無線接続情報記憶部331を有する。
【0024】
無線接続情報取得部311は、クラウドサーバ2から送信される無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報に含まれる、第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報、第2認証情報、機器識別情報およびルータ識別情報を抽出して無線接続情報記憶部331に記憶させる。また、無線接続情報取得部311は、取得した無線接続情報に含まれる、機器識別情報およびルータ識別情報を表示制御部312に通知する。表示制御部312は、無線接続情報取得部311から通知される機器識別情報およびルータ識別情報に基づいて、メッセージ画像を形成して表示部304に表示させる。
【0025】
受付部313は、利用者が入力部305に対して行った操作を受け付けて、受け付けた操作の内容を示す情報を無線接続情報通知部314に通知する。無線接続情報通知部314は、機器1とルータ81との間のコネクションが遮断された後、受付部313が機器1とルータ81との間のコネクションを復旧させるためのペアリング復旧操作を受け付けると、これに応じて、無線接続情報記憶部331が記憶する第1SSID情報および第1認証情報を含む無線接続情報を生成して機器1へ送信する第3無線接続情報通知部である。ここで、無線接続情報通知部314は、受付部313が前述のペアリング復旧操作を受け付けると、これに応じて、無線接続情報記憶部331が記憶する機器識別情報で識別される機器1との間で、無線接続情報記憶部331が記憶する第2SSID情報および第2認証情報に基づいて、機器1との間でのコネクションを確立させる。次に、無線接続情報通知部314は、無線接続情報記憶部331が記憶する第1SSID情報、第1認証情報およびルータ識別情報を含む無線接続情報を生成し、生成した無線接続情報を機器1へ送信する。
【0026】
次に、本実施の形態に係る通信システムの動作について
図5から
図8を参照しながら説明する。ここで、機器1の無線接続情報記憶部131には、ルータ81のSSIDを示す第1SSID情報と、ルータ81での認証処理に用いられる第1認証情報と、が予め記憶されているものとする。まず、
図5に示すように、利用者が、機器1の操作部12に対して機器1を起動するための起動操作を行ったとする。この場合、機器1は、前述のステーションモードで起動する(ステップS1)。次に、機器1は、無線接続情報記憶部131が記憶する第1SSID情報を含むプローブ要求情報を生成し(ステップS2)、生成されたプローブ要求情報が、機器1からルータ81へ送信される(ステップS3)。一方、ルータ81がプローブ要求情報を取得すると、これに応じて、プローブ応答情報が、ルータ81から機器1へ送信される(ステップS4)。一方、機器1は、プローブ応答情報を取得すると、無線接続情報記憶部131が記憶する第1認証情報を含む認証要求情報を生成し(ステップS5)、生成された認証要求情報が、機器1からルータ81へ送信される(ステップS6)。一方、ルータ81は、認証要求情報を取得すると、取得した認証要求情報に含まれる第1認証情報を用いて認証処理を実行する(ステップS7)。続いて、ルータ81が、認証処理を実行した結果、認証に成功したとする(ステップS8)。この場合、認証応答情報が、ルータ81から機器1へ送信される(ステップS9)。一方、機器1が認証応答情報を取得すると、これに応じて、アソシエーション要求情報が、機器1からルータ81へ送信される(ステップS10)。一方、ルータ81がアソシエーション要求情報を取得すると、ルータ81のルータ識別情報を含むアソシエーション応答情報が、ルータ81から機器1へ送信される(ステップS11)。これにより、機器1とルータ81との間でコネクションが確立する。
【0027】
その後、予め設定された機器状態通知時期が到来すると、機器1が、前述の機器状態情報を生成する(ステップS12)。そして、生成された機器状態情報が、機器1からルータ81へ送信された後(ステップS13)、ルータ81から広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ2へ送信される(ステップS14)。一方、クラウドサーバ2は、機器状態情報を取得すると、取得した機器状態情報を、機器状態情報の送信元の機器1の機器識別情報に対応づけて機器管理情報記憶部232に記憶させる(ステップS15)。次に、
図6に示すように、前述の機器制御イベントが発生すると、クラウドサーバ2は、機器制御イベントの内容に応じて制御情報を生成する(ステップS16)。続いて、生成された制御情報者が、クラウドサーバ2から機器1と同一の局所ネットワークNW2に属するルータ81へ送信された後(ステップS17)、機器1へ送信される(ステップS18)。一方、機器1は、制御情報を取得すると、取得した制御情報に基づいて動作を開始する(ステップS19)。
【0028】
その後、利用者が、機器1の操作部12に対して機器1とルータ81との無線接続を解除する操作を行ったとする。この場合、機器1は、無線接続情報記憶部131が記憶する第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報を含む無線接続情報を生成する(ステップS20)。次に、生成された無線接続情報が、機器1からルータ81へ送信された後(ステップS21)、クラウドサーバ2へ送信される(ステップS22)。続いて、機器1は、無線接続情報記憶部131が記憶する第1SSID情報および第1認証情報を消去した後(ステップS23)、停止する(ステップS24)。その後、機器1は、前述のアクセスポイントモードで起動する(ステップS25)。一方、クラウドサーバ2は、無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報に含まれる第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報、第2認証情報、機器1の機器識別情報およびルータ81のルータ識別情報を抽出し、これらを互いに対応づけて無線接続情報記憶部231に記憶させる(ステップS26)。次に、クラウドサーバ2は、無線接続情報記憶部231が記憶する、第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報、第2認証情報、機器識別情報およびルータ識別情報を含む無線接続情報を生成する(ステップS27)。続いて、生成された無線接続情報が、クラウドサーバ2から端末装置3へ送信される(ステップS28)。一方、端末装置3は、無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報に含まれる第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報、第2認証情報、機器識別情報およびルータ識別情報を抽出して無線接続情報記憶部331に記憶させる(ステップS29)。
【0029】
その後、端末装置3は、利用者に対して機器1とルータ81との間でのコネクションを復旧させるか否かを問合せるメッセージ画像を含む操作画面画像を形成して表示部304に表示させる(ステップS30)。ここで、端末装置3は、例えば
図7(A)に示すような、ルータ81と機器1との間でのコネクションを復旧させるか否かを利用者に問い合わせるメッセージ画像M11を含む操作画面画像GA1を形成して表示部304に表示させる。ここで、メッセージ画像M11は、操作画面画像GA1に含まれる釦画像BU11の内側に配置されている。そして、端末装置3が、操作画面画像GA1を表示部304に表示させている状態で、利用者が、タッチパッドである入力部305における釦画像BU11に対応する部分をタッチすると、端末装置3は、例えば
図7(B)に示すような操作画面画像GA2を表示部304に表示させる。ここで、操作画面画像GA2は、ルータ81と機器1との間でのコネクションを復旧させるか否かを利用者に問い合わせるメッセージ画像M21と、2つの釦画像BU21、BU22と、を含む。
【0030】
図6に戻って、次に、利用者が機器1とルータ81との間でのコネクションを復旧させるためのペアリング復旧操作を行ったとする。ここで、利用者は、例えば端末装置3が
図7(B)に示すような操作画面画像GA2を表示部304に表示させた状態で、タッチパッドである入力部305における、「はい(復帰)」を表す釦画像BU22に対応する部分をタッチする操作を行う。この場合、
図6に示すように、端末装置3は、無線接続情報記憶部331が記憶する第2SSID情報を含むプローブ要求情報を生成し(ステップS31)、生成されたプローブ要求情報が、
図8に示すように、端末装置3から機器1へ送信される(ステップS32)。一方、機器1がプローブ要求情報を取得すると、これに応じて、プローブ応答情報が、機器1から端末装置3へ送信される(ステップS33)。一方、端末装置3は、プローブ応答情報を取得すると、無線接続情報記憶部331が記憶する第2認証情報を含む認証要求情報を生成し(ステップS34)、生成された認証要求情報が、端末装置3から機器1へ送信される(ステップS35)。一方、機器1は、認証要求情報を取得すると、取得した認証要求情報に含まれる第2認証情報を用いて認証処理を実行する(ステップS36)。続いて、機器1が、認証処理を実行した結果、認証に成功したとする(ステップS37)。この場合、認証応答情報が、機器1から端末装置3へ送信される(ステップS38)。一方、端末装置3が認証応答情報を取得すると、これに応じて、アソシエーション要求情報が、端末装置3から機器1へ送信される(ステップS39)。一方、機器1がアソシエーション要求情報を取得すると、機器1の機器識別情報を含むアソシエーション応答情報が、機器1から端末装置3へ送信される(ステップS40)。その後、端末装置3は、無線接続情報記憶部331が記憶する、第1SSID情報、第1認証情報およびルータ識別情報を含む無線接続情報を生成し(ステップS41)、生成された無線接続情報が、端末装置3から機器1へ送信される(ステップS42)。
【0031】
一方、機器1は、無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報に含まれる第1SSID情報および第1認証情報を抽出し、抽出した第1SSID情報および第1認証情報を、対応するルータ識別情報に対応づけて無線接続情報記憶部131に記憶させる(ステップS43)。次に、機器1は、アクセスポイントモードからステーションモードに切り替わる(ステップS44)。続いて、前述のステップS2以降の一連の処理が実行される。
【0032】
次に、本実施の形態に係る機器1が実行する通信処理について
図9および
図10を参照しながら説明する。まず、通信制御部111は、利用者が操作部12に対して行う機器1を起動するための起動操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。ここで、通信制御部111が、起動操作を受け付けていないと判定する限り(ステップS101:No)、ステップS101の処理を繰り返し実行する。一方、通信制御部111は、起動操作を受け付けたと判定すると(ステップS101:Yes)、ステーションモードで起動する(ステップS102)。
【0033】
次に、通信制御部111は、無線接続情報記憶部131が記憶する第1SSID情報を含むプローブ要求情報を生成してルータ81へ送信することにより(ステップS103)、ルータ81から送信されるプローブ応答情報を取得する(ステップS104)。続いて、通信制御部111は、無線接続情報記憶部131が記憶する第1認証情報を含む認証要求情報を生成してルータ81へ送信することにより(ステップS105)、ルータ81から送信される認証応答情報を取得する(ステップS106)。その後、通信制御部111は、アソシエーション要求情報をルータ81へ送信することにより(ステップS107)、ルータ81から送信されるルータ81のルータ識別情報を含むアソシエーション応答情報を取得する(ステップS108)。これにより、機器1とルータ81との間でコネクションが確立する。
【0034】
次に、機器状態通知部113は、前述の機器状態通知時期が到来したか否かを判定する(ステップS109)。ここで、機器状態通知部113が、未だ機器状態通知時期が到来していないと判定すると(ステップS109:No)、後述のステップS111の処理が実行される。一方、機器状態通知部113は、機器状態通知時期が到来したと判定すると(ステップS109:Yes)、前述の機器状態情報を生成し、生成した機器状態情報を通信制御部111に通知する。そして、通信制御部111は、通知された機器状態情報を、ルータ81を介してクラウドサーバ2へ送信する(ステップS110)。続いて、機器制御部112は、クラウドサーバ2から送信され、ルータ81を介して通信制御部111が取得した制御情報を取得したか否かを判定する(ステップS111)。ここで、機器制御部112が、制御情報を取得していないと判定すると(ステップS111:No)、後述のステップS113の処理が実行される。一方、機器制御部112は、制御情報を取得したと判定すると(ステップS111:Yes)、取得した制御情報に基づいて機器1を制御する(ステップS112)。
【0035】
その後、無線接続情報通知部115は、利用者が操作部12に対して行う機器1とルータ81との無線接続を解除する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS113)。ここで、無線接続情報通知部115が、機器1とルータ81との無線接続を解除する操作を受け付けていないと判定すると(ステップS113:No)、再びステップS109の処理が実行される。一方、無線接続情報通知部115は、機器1とルータ81との無線接続を解除する操作を受け付けたと判定すると(ステップS113:Yes)、無線接続情報記憶部131が記憶する第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報を含む無線接続情報を生成し、ルータ81を介してクラウドサーバ2へ送信する(ステップS114)。次に、無線接続情報通知部115は、無線接続情報記憶部131が記憶する第1SSID情報および第1認証情報を消去した後(ステップS115)、
図10に示すように、機器制御部112が、機器1を停止させる処理を実行する(ステップS116)。続いて、通信制御部111は、前述のアクセスポイントモードで起動する(ステップS117)。
【0036】
その後、通信制御部111は、端末装置3から送信されるプローブ要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS118)。ここで、通信制御部111が、プローブ要求情報を取得していないと判定すると(ステップS118:No)、後述のステップS129の処理が実行される。一方、通信制御部111は、プローブ要求情報を取得したと判定すると(ステップS118:Yes)、プローブ応答情報を端末装置3へ送信する(ステップS119)。次に、通信制御部111は、端末装置から送信される認証要求情報を取得し(ステップS120)、認証要求情報に含まれる第2認証情報を用いて認証処理を実行する(ステップS121)。続いて、通信制御部111は、認証処理を実行した結果、認証に成功したか否かを判定する(ステップS122)。ここで、通信制御部111は、認証処理に成功したと判定すると(ステップS122:Yes)、認証応答情報を端末装置3へ送信する(ステップS123)。その後、通信制御部111は、端末装置3から送信されるアソシエーション要求情報を取得すると(ステップS124)、これに応じて、機器1の機器識別情報を含むアソシエーション応答情報を端末装置3へ送信する(ステップS125)。
【0037】
次に、無線接続情報取得部114は、端末装置3から送信される無線接続情報を、通信制御部111を介して取得したか否かを判定する(ステップS126)。ここで、無線接続情報取得部114が、無線接続情報を取得していないと判定すると(ステップS126:No)、後述のステップS129の処理が実行される。一方、無線接続情報取得部114は、無線接続情報を取得したと判定すると(ステップS126:Yes)、取得した無線接続情報に含まれる第1SSID情報と第1認証情報とを抽出し、抽出した第1SSID情報と第1認証情報とを無線接続情報記憶部131に記憶させる(ステップS127)。続いて、通信制御部111は、アクセスポイントモードからステーションモードに切り替わり(ステップS128)、再びステップS103以降の一連の処理が実行される。
【0038】
また、通信制御部111が、ステップS122において、認証処理に失敗したと判定すると(ステップS122:No)、機器制御部112が、利用者が操作部12に対して行う機器1を停止させるための停止操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS129)。ここで、機器制御部112が、停止操作を受け付けていないと判定すると(ステップS129:No)、再びステップS118以降の一連の処理が実行される。一方、機器制御部112は、停止操作を受け付けたと判定すると(ステップS129:Yes)、機器1を停止させる処理を実行し(ステップS120)、再びステップS101以降の一連の処理が実行される。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態に係る通信システムによれば、機器1の無線接続情報通知部115が、ルータ81と無線接続している状態でルータ81との無線接続を解除する操作がされた場合、無線接続情報記憶部131が記憶する第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報を含む無線接続情報を生成してクラウドサーバ2へ送信する。そして、クラウドサーバ2の無線接続情報通知部213は、機器1から送信される無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報に含まれる第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報を含む無線接続情報を生成して端末装置3へ送信する。これにより、機器1とルータ81との間での無線接続を解除する操作がされると、無線接続情報記憶部131が記憶する第1SSID情報、第2SSID情報等が消去される場合であっても、当該第1SSID情報、第2SSID情報等が、クラウドサーバ2から端末装置3へ送信される。従って、利用者は、端末装置3を操作して、端末装置3から機器1へ第1SSID情報および第1認証情報を含む無線接続情報を送信するだけで、機器1とルータ81との間のコネクションを復旧させることができるので、利用者による機器1とルータ81との間のコネクションを復旧する際の機器1の通信設定作業の負担を軽減できる。
【0040】
ところで、電気用品安全法(以下、「電安法」と称する。)では、「出荷状態においては遠隔操作機能を無効にすること」となっており、「Bluetooth(登録商標)、「Wi-Fi(登録商標)」、「ZigBee」、「DECT」等の通信規格を利用して機器1を遠隔操作する構成では、利用者が使用時に機器1のコネクションについての設定を行わなければ通信機能を動作させないようにすることが要請されている。このため、機器1の工場出荷時において、機器1の遠隔操作機能を無効にしておくことが要請されている。また、電安法では、遠隔操作される機器1の近くにいる利用者により、機器1を容易に局所ネットワークNW2から切り離すことができることも要請されている。このため、利用者が誤って機器1とルータ81との間のコネクションを遮断してしまう操作を行ってしまう場合がある。また、機器1がハングアップした場合も機器1とルータ81との間のコネクションが遮断されてしまう場合もある。これらの場合、利用者は、機器1を再起動させることにより機器1とルータ81とのコネクションの復旧を試みる場合が多い。ここにおいて、機器1は、そのリユース、ルータ81の交換を考慮して、機器1とルータ81との無線接続を解除する方法として、初期化処理を実行して機器1が保持する機器1とルータ81との間でのコネクションを確立するためのSSID情報、認証情報を消去する構成であることが多い。この場合、一般の利用者にとって、コネクションを復旧させるためのSSID情報、認証情報を再度機器1に保持させることにより機器1とルータ81との間のコネクションを復旧させることが困難に感じられる場合がある。これに対して、本実施の形態に係る通信システムでは、機器1とルータ81との間のコネクションが意図せず遮断されてしまった場合でも容易にコネクションを復旧させることができる。
【0041】
また、本実施の形態に係る端末装置3の表示制御部312は、クラウドサーバ2から送信される無線接続情報を取得すると、機器1とルータ81とのコネクションが遮断されたことを通知するメッセージを表すメッセージ通知画像を形成して表示部304に表示させる。これにより、機器1とルータ81との間のコネクションが遮断された場合に速やかに利用者に認識させることができるので、その分、機器1のMTTR(Mean Time To Repair)を短縮することができる。
【0042】
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は前述の実施の形態によって限定されるものではない。例えば
図11に示すように、通信システムが、端末装置3の表示部304に表示させるウェブサイトを管理し、端末装置3との間で広域ネットワークNW1を介して通信可能なウェブサーバ2004を備えるものであってもよい。なお、
図11において、実施の形態と同様の構成については
図1と同一の符号を付している。
【0043】
ウェブサーバ2004は、例えばサーバ用途のコンピュータであり、クラウドサーバ2002から送信される無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報に含まれる第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報を抽出し、抽出したこれらの情報を、対応する機器識別情報およびルータ識別情報を互いに対応づけて無線接続情報記憶部(図示せず)に記憶させる。また、ウェブサーバ2004は、無線接続情報を取得すると、ウェブサーバ2004のURL(Uniform Resource Locator)を示すURL情報を含み利用者に対して機器1とルータ81との間のコネクションが遮断されたことを通知する遮断通知情報を生成して端末装置2003へ送信する。その後、ウェブサーバ2004は、端末装置2003から送信される、無線接続情報の端末装置3への送信を要求する無線接続情報要求情報を取得すると、これに応じて、無線接続情報要求情報に含まれる機器識別情報に対応する第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報を特定し、特定したこれらの情報を含む無線接続情報を生成して端末装置2003へ送信する。
【0044】
図12に示すように、本変形例に係るクラウドサーバ2002では、無線接続情報通知部2213が、無線接続情報記憶部231が記憶する第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報が更新されると、更新された第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報、第2認証情報、機器識別情報およびルータ識別情報を含む無線接続情報を生成する。そして、無線接続情報通知部2213は、生成した無線接続情報をウェブサーバ2004へ送信する。なお、
図12において実施の形態と同様の構成については
図3と同一の符号を付している。
【0045】
また、端末装置2003は、ウェブサーバ2004から送信される遮断通知情報を取得する遮断通知取得部2315を有する。そして、遮断通知取得部2315がウェブサーバ2004から遮断通知情報を取得すると、表示制御部2312は、取得した遮断通知情報に含まれるURL情報に基づいて、ウェブサーバ2004のURLを表すメッセージ画像を含むいわゆるプッシュ通知画像を形成して表示部304に表示させる。そして、利用者が入力部305に対してペアリング復旧操作を行うと、無線接続情報取得部2311は、ウェブサーバ2004に対して無線接続情報の送信を要求する無線接続情報要求情報を、ウェブサーバ2004へ送信する。これにより、無線接続情報取得部2311は、ウェブサーバ2004から送信される無線接続情報を取得し、取得した無線接続情報に含まれる、第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報、第2認証情報、機器識別情報およびルータ識別情報を抽出して無線接続情報記憶部231に記憶させる。
【0046】
ここで、本変形例に係る通信システムの動作について
図13および
図14を参照しながら説明する。なお、
図13および
図14において、実施の形態と同様の処理については、
図6および
図8と同一の符号を付している。利用者が、機器1の操作部12に対して前述のルータ81との無線接続解除操作を行うと、ステップS20からS26までの一連の処理が実行される。次に、クラウドサーバ2002は、無線接続情報記憶部231が記憶する、第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報、第2認証情報、機器識別情報およびルータ識別情報を含む無線接続情報を生成する(ステップS2001)。続いて、生成された無線接続情報が、クラウドサーバ2002からウェブサーバ2004へ送信される(ステップS2002)。一方、ウェブサーバ2004は、無線接続情報を取得すると、取得した無線接続情報に含まれる第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報、第2認証情報、機器識別情報およびルータ識別情報を抽出し、これらを互いに対応づけて無線接続情報記憶部(図示せず)に記憶させる(ステップS2003)。このとき、ウェブサーバ2004が、ウェブサーバ2004のURLを示すURL情報を含む遮断通知情報を生成し(ステップS2004)、生成された遮断通知情報が、ウェブサーバ2004から端末装置2003へ送信される(ステップS2005)。一方、端末装置2003は、遮断通知情報を取得すると、取得した遮断通知情報に含まれるURL情報に基づいて、ウェブサーバ2004のURLを表すメッセージ画像を含むプッシュ通知画像を形成して表示部304に表示させる(ステップS2006)。
【0047】
その後、利用者が、例えばプッシュ通知画像を表示部304に表示させた状態で、タッチパッドである入力部305における、URLを表すメッセージ画像に対応する部分をタッチすることによりペアリング復旧操作を行ったとする。この場合、前述の無線接続情報要求情報が、端末装置2003からウェブサーバ2004へ送信される(ステップS2007)。一方、ウェブサーバ2004は、これに応じて、無線接続情報要求情報に含まれる機器識別情報に対応する第1SSID情報、第2SSID情報、第1認証情報および第2認証情報を特定し、特定したこれらの情報を含む無線接続情報を生成する(ステップS2008)。次に、
図14に示すように、生成された無線接続情報が、ウェブサーバ2004から端末装置2003へ送信される(ステップS2009)。続いて、実施の形態で説明したステップS31以降の一連の処理が実行される。
【0048】
ここで、URL情報は、利用者毎に異なるURLに設定されていてもよい。また、ウェブサーバ2004は、無線接続情報を取得すると、ウェブサーバ2004のURL情報を含む電子メールを生成して利用者により事前に登録されたメールアドレスを管理するメールサーバ(図示せず)へ送信するものであってもよい。そして、端末装置2003は、ウェブサーバ2004から送信された電子メールをメールサーバから取得して表示部304に表示させるものであってもよい。
【0049】
或いは、ウェブサーバ2004は、端末装置2003から送信される無線接続情報要求情報を取得すると、これに応じて、認証情報要求情報を端末装置2003へ送信し、端末装置2003が、認証情報要求情報を取得すると、利用者がログインID情報、パスワード情報等の認証情報を入力するための入力画面画像を形成して表示部304に表示させてもよい。この場合、端末装置2003は、認証情報が入力されると、入力された認証情報をウェブサーバ2004へ送信し、ウェブサーバ2004は、認証情報を取得すると、取得した認証情報を用いて認証処理を実行する。そして、ウェブサーバ2004は、認証処理に成功すると、無線接続情報を生成して端末装置2003へ送信するものであってもよい。
【0050】
本構成によれば、機器1とルータ81との間のコネクション遮断が発生した場合に、プッシュ通知画像、電子メールで利用者に通知するので、利用者に対してコネクション遮断の発生を迅速に通知できるとともに、コネクションを復旧するための操作手数の削減を図ることができる。
【0051】
実施の形態において、例えば
図15に示すように、クラウドサーバ3002が、機器1とルータ81との無線接続が遮断された場合、利用者を見守る人に対して機器1とルータ81との無線接続が遮断されたことを通知するメッセージを表すメッセージ情報を見守る人が所持する端末装置3005へ送信するメッセージ通知部3214を備えるものであってもよい。そして、端末装置3005は、表示部(図示せず)と、メッセージ情報を取得すると、取得したメッセージ情報に基づいて、機器1とルータ81との無線接続が遮断されたことを通知するメッセージを表すメッセージ通知画像を形成して表示部に表示させる表示制御部(図示せず)と、を備えるものであってもよい。
【0052】
ところで、機器1から送信される機器状態情報を用いた利用者の見守りサービス、具体的には、例えば利用者の住居に設置された冷蔵庫である機器1の扉の開閉状態を監視することにより利用者を見守るサービスにおいて、利用者が機器1とルータ81との無線接続を解除することにより機器1とルータ81との間のコネクションが遮断されてしまうことがある。これに対して、本構成によれば、機器1とルータ81との間のコネクションが遮断されたことが、利用者を見守る人に迅速に通知されるので、見守る人が利用者に対して機器1とルータ81とのコネクションを復旧させるための助言を迅速に行うことで、機器1とルータ81とのコネクションを早期に復旧させることができる。従って、機器1とルータ81との間のコネクション遮断に起因して利用者の見守りサービスが滞ってしまうことを抑制できる。
【0053】
実施の形態では、無線接続情報通知部115が、前述のルータ81との無線接続解除操作を受け付けると、これに応じて、無線接続情報を生成し、生成した無線接続情報を通信制御部111に通知し、通信制御部111が、無線接続情報をクラウドサーバ2へ送信する例について説明した。但し、これに限らず、例えば
図16に示すように、機器4001が、第1SSID情報および第1認証情報を記憶する、無線接続情報記憶部131とは異なる副無線接続情報記憶部4132を備えるものであってもよい。なお、
図16において、実施の形態と同様の構成については
図3と同一の符号を付している。この副無線接続情報記憶部4132は、例えば無線接続情報記憶部131を実現しているメモリとは物理的に切り離された他のメモリに設けられているものであってもよい。この場合、機器4001は、情報退避処理部4116と、無線接続情報通知部4117と、情報復帰処理部4118と、を備えるものとすればよい。ここで、情報退避処理部4116は、前述のルータ81との無線接続解除操作を受け付けると、これに応じて、無線接続情報記憶部131が記憶する第1SSID情報および第1認証情報を、無線接続情報記憶部131とは異なる副無線接続情報記憶部4133に記憶させる。無線接続情報通知部4117は、無線接続情報記憶部231が記憶する第2SSID情報および第2認証情報と、機器識別情報およびルータ識別情報と、を含む無線接続情報を端末装置3へ送信する。情報復帰処理部4118は、端末装置4003から送信される後述の復旧要求情報を取得すると、これに応じて、副無線接続情報記憶部4132が記憶する第1SSID情報および第1認証情報を無線接続情報記憶部131に記憶させる。
【0054】
また、端末装置4003は、機器4001から送信される無線接続情報を取得する無線接続情報取得部4115と、機器4001とルータ81との間のコネクションの復旧を要求する復旧要求情報を機器4001へ送信する復旧要求通知部4316と、を備えるものとすればよい。
【0055】
ここで、本変形例では、端末装置4003の表示制御部312が、無線接続情報取得部4115により取得された無線接続情報に含まれる機器識別情報およびルータ識別情報に基づいて、メッセージ画像を形成して表示部304に表示させる。そして、端末装置4003において、受付部313が機器1とルータ81との間のコネクションを復旧させるためのペアリング復旧操作を受け付けると、これに応じて、復旧要求通知部4316が、前述の復旧要求情報を生成して機器4001へ送信する。一方、機器4001では、復旧要求情報を取得すると、これに応じて、情報復帰処理部4118が、副無線接続情報記憶部4132が記憶する第1SSID情報および第1認証情報を無線接続情報記憶部131に記憶させる。そして、通信制御部111が、無線接続情報記憶部131が記憶する第1SSID情報および第1認証情報に基づいて再度ルータ81とのコネクションを確立する。
【0056】
また、本開示に係る機器1、クラウドサーバ2、2002、3002、端末装置3、2003の各種機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。この場合、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)およびMO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、前述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
【0057】
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本開示は、クラウドサーバと、クラウドサーバとルータを介して通信する機器と、を備える通信システムとして好適である。
【符号の説明】
【0059】
1,4001 機器、2,2002,3002 クラウドサーバ、3,2003,3005,4003 端末装置、11 制御ユニット、12 操作部、81 ルータ、82 データ回線終端装置、101,201,301 CPU、102,202,302 主記憶部、103,203,303 補助記憶部、105 操作インタフェース、106,307 無線モジュール、107,207 計時部、109,209,309 バス、111 通信制御部、112 機器制御部、113 機器状態通知部、114,212,311,2311,4315 無線接続情報取得部、115,213,314,2213,4117 無線接続情報通知部、131,231,331 無線接続情報記憶部、206 通信部、211 機器管理部、232 機器管理情報記憶部、304 表示部、305 入力部、306 広域通信部、312,2312 表示制御部、313 受付部、2004 ウェブサーバ、2315 遮断通知取得部、3214 メッセージ通知部、4116 情報退避処理部、4118 情報復帰処理部、4132 副無線接続情報記憶部、4316 復旧要求通知部、BU11,BU21,BU22 釦画像、GA1,GA2 操作画面画像、M11,M21 メッセージ画像、NW1 広域ネットワーク、NW2 局所ネットワーク