IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-モータ 図1
  • 特開-モータ 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152035
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/15 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H02K5/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065937
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 亮二
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA02
5H605CC02
5H605CC04
5H605CC05
5H605DD16
5H605EB10
5H605EB33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】液体を含む流体に対するシール性能が向上したモータを提供する。
【解決手段】モータにおいて、ロータ1及びベアリングホルダ間の隙間空間に、潤滑材6が配置される。隙間空間は、ラビリンス構造Rを有する。ラビリンス構造Rは、凸部Maが凹部Mbに収容される収容構造Mを含む。フランジ部及びベアリングホルダの一方には凸部Maが配置され、他方には凹部Mbが配置される。また、隙間空間Sは、第1空間S1及び第2空間S2を含む。第1空間S1は、ベアリングホルダの径方向内端部とロータハブの一部との間に配置され、軸方向に延びる。第2空間S2は、径方向に延びて、第1空間S1の軸方向一方側に繋がる。第1空間S1の径方向幅は、第2空間S2の軸方向幅よりも小さい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータと、
ベアリングを介して前記ロータを回転可能に支持するベアリングホルダと、
前記ロータ及び前記ベアリングホルダ間の隙間空間に配置される潤滑材と、
を備え、
前記ロータは、
前記中心軸に沿って延びるシャフトと、
前記シャフトの径方向外側面に配置されるロータハブと、
を有し、
前記ロータハブは、前記ベアリングホルダよりも軸方向一方に配置されて径方向外方に広がるフランジ部を有し、
前記隙間空間は、前記ロータ及び前記ベアリングホルダ間の外部から前記ベアリングに繋がるラビリンス構造を有し、
前記ラビリンス構造は、軸方向に突出する凸部が軸方向に凹む凹部に収容される収容構造を含み、
前記凸部は、中心軸を中心とする環状であって、前記フランジ部及び前記ベアリングホルダの一方に配置され、
前記凹部は、中心軸を中心とする環状であって、前記フランジ部及び前記ベアリングホルダの他方に配置され、
前記ベアリングホルダの径方向内端部は、前記ロータハブの一部に対して径方向に対向し、
前記隙間空間は、
前記ベアリングホルダの径方向内端部と前記ロータハブの一部との間に配置され、軸方向に延びる第1空間と、
径方向に延びて、前記第1空間の軸方向一方側に繋がる第2空間と、
を含み、
前記第1空間の径方向幅は、前記第2空間の軸方向幅よりも小さい、モータ。
【請求項2】
前記フランジ部の径方向外端部は、前記ベアリングホルダの一部に対して径方向に対向し、
前記隙間空間は、
前記フランジ部の径方向外端部と前記ベアリングホルダの一部との間に配置され、軸方向に延びる第3空間と、
径方向に延びて、前記第3空間の軸方向他方側と繋がる第4空間と、
をさらに含み、
前記第3空間の径方向幅は、前記第4空間の軸方向幅よりも小さい、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記第1空間の径方向幅は、前記第3空間の径方向幅よりも小さい、請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記隙間空間は、軸方向に延びて、前記第4空間の径方向内方側と繋がる第5空間をさらに含み、
前記第3空間の軸方向長さは、前記第5空間の軸方向長さよりも長い、請求項2に記載のモータ。
【請求項5】
前記ベアリングホルダは、
前記ベアリングを保持する環状且つ金属製のブッシュと、
前記ブッシュを保持するブッシュ保持部と、
を有し、
前記ブッシュの少なくとも一部は、前記ロータハブの一部に対して径方向に対向する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項6】
前記隙間空間は、前記第2空間の径方向外方側から軸方向一方に延びる第6空間をさらに含み、
前記ロータハブは、前記第2空間に面する軸方向他方端面と、前記第6空間に面する径方向外側面との間に面取り部が配置される段差部をさらに有し、
前記段差部の前記第6空間に面する径方向外側面は、前記ブッシュ保持部の径方向外側面と径方向に対向し、
前記面取り部は、
前記中心軸を中心とする環状の面であって、
周方向から見た断面視において、径方向外方に向かうにつれて軸方向一方に向かって直線的に延び、又は、軸方向他方及び径方向外方に突出する、請求項5に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インペラの回転により、水などの液体を含む流体を吸引する装置が知られている。この装置では、インペラとモータの筐体との間において、その外部から回転軸のベアリングに繋がる経路に、軸方向又は径方向に延びる複数の通路を組み合わせて繋げたラビリンス構造が配置される。これにより、回転軸を回転可能に支持するベアリングへの流体の侵入を防止する(たとえば中国特許公開公報第114825742号明細書参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許公開公報第114825742号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のラビリンス構造では、液体を含む流体が上述の経路を流れ難くするため、流体の流れに対して垂直な方向の経路幅は狭い方がよい。しかしながら、中国特許公開公報第114825742号明細書では、上述の経路幅について、何ら言及していない。
【0005】
本発明は、液体を含む流体に対するシール性能が向上したモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なモータは、ロータと、ベアリングホルダと、潤滑材と、を備える。前記ロータは、軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能である。前記ベアリングホルダは、ベアリングを介して前記ロータを回転可能に支持する。前記潤滑材は、前記ロータ及び前記ベアリングホルダ間の隙間空間に配置される。前記ロータは、シャフトと、ロータハブと、を有する。前記シャフトは、前記中心軸に沿って延びる。前記ロータハブは、前記シャフトの径方向外側面に配置される。前記ロータハブは、フランジ部を有する。前記フランジ部は、前記ベアリングホルダよりも軸方向一方に配置されて、径方向外方に広がる。前記隙間空間は、ラビリンス構造を有する。前記ラビリンス構造は、前記ロータ及び前記ベアリングホルダ間の外部から前記ベアリングに繋がる。また、前記ラビリンス構造は、軸方向に突出する凸部が軸方向に凹む凹部に収容される収容構造を含む。前記凸部は、中心軸を中心とする環状であって、前記フランジ部及び前記ベアリングホルダの一方に配置される。前記凹部は、中心軸を中心とする環状であって、前記フランジ部及び前記ベアリングホルダの他方に配置される。前記ベアリングホルダの径方向内端部は、前記ロータハブの一部に対して径方向に対向する。前記隙間空間は、第1空間と、第2空間と、を含む。前記第1空間は、前記ベアリングホルダの径方向内端部と前記ロータハブの一部との間に配置され、軸方向に延びる。前記第2空間は、径方向に延びて、前記第1空間の軸方向一方側に繋がる。前記第1空間の径方向幅は、前記第2空間の軸方向幅よりも小さい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の例示的なモータによれば、液体を含む流体に対するシール性能が向上したモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、モータを搭載する流体吸引装置の構成例を示す断面図である。
図2図2は、図1の破線で囲まれた部分IIの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して例示的な実施形態を説明する。
【0010】
なお、本明細書では、モータ100及び流体吸引装置500において、中心軸CAと平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。軸方向のうち、回路基板5からロータハブ11への向きを「軸方向一方Da」と呼び、ロータハブ11から回路基板5への向きを「軸方向他方Db」と呼ぶ。また、中心軸CAに直交する方向を「径方向」と呼び、中心軸CAを中心とする回転方向を「周方向」と呼ぶ。径方向のうち、中心軸CAへと近づく向きを「径方向内方」と呼び、中心軸CAから離れる向きを「径方向外方」と呼ぶ。
【0011】
また、本明細書において、「環状」は、中心軸CAを中心とする周方向の全域に渡って切れ目の無く連続的に一繋がりとなる形状のほか、中心軸CAを中心とする全域の一部に1以上の切れ目を有する形状を含む。また、中心軸CAを中心として、中心軸CAと交差する曲面において閉曲線を描く形状も含む。
【0012】
また、方位、線、及び面のうちのいずれかと他のいずれかとの位置関係において、「平行」は、両者がどこまで延長しても全く交わらない状態のみならず、実質的に平行である状態を含む。また、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者が互いに90度で交わる状態のみならず、実質的に垂直である状態及び実質的に直交する状態を含む。つまり、「平行」、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者の位置関係に本発明の主旨を逸脱しない程度の角度ずれがある状態を含む。
【0013】
なお、これらは単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係、方向、及び名称などを限定する意図はない。
【0014】
<1.実施形態>
図1は、モータ100を搭載する流体吸引装置500の構成例を示す断面図である。
【0015】
<1-1.流体吸引装置500>
モータ100を搭載する流体吸引装置500は、吸引口501から吸引した流体Fを送出口502から外部に送出する。本実施形態では、流体Fは、主に空気などの気体であるが、塵埃及び水などの液体を含んでいてもよい。或いは、流体Fは、液体であってもよい。流体吸引装置500は、たとえば、気流とともに水などの液体を吸引可能な掃除機に搭載される吸引装置である。但し、流体吸引装置500の用途は、上述の例示に限定されない。
【0016】
図1に示すように、流体吸引装置500は、モータ100と、インペラ200と、外側筐体300と、静翼400と、を備える。
【0017】
モータ100は、インペラ200を回転駆動する。
【0018】
インペラ200は、モータの100のロータハブ11に固定される。インペラ200は、底板201と、上板202と、複数の動翼203と、を有する。底板201は、径方向に広がる板状である。底板201の径方向内方側は、ロータハブ11に接続される。上板202は、中心軸CAを囲む環状であり、底板201よりも軸方向一方Daに配置される。動翼203は、底板201及び上板202間の径方向外方側に配置され、周方向に複数並ぶ。インペラ200の回転に応じて、各々の動翼203が中心軸CA回りの周方向に回転することで、流体Fは、吸引口501から吸引され、周方向に隣り合う動翼203間を通じて、インペラ200から径方向外方に送出される。
【0019】
外側筐体300は、軸方向に延びる筒状であり、モータ100の軸方向一方Da側、及びインペラ200を収容する。外側筐体300は、第1外側筐体301と、第2外側筐体302と、を有する。第1外側筐体301は、軸方向他方Dbに開口して中心軸CAを囲む有蓋筒状であり、少なくともインペラ200を収容する。第1外側筐体301の蓋部分の中央部には、吸引口501が配置される。第1外側筐体301の筒部分は、蓋部分の径方向外端部から軸方向他方Dbに延びる。第2外側筐体302は、中心軸CAを囲む筒状であり、第1外側筐体301の筒部分の軸方向他方端部から軸方向他方Dbに延びる。第2外側筐体302は、モータ100の第1内側筐体24を囲み、軸方向に延びる風洞503を第1内側筐体24との間に形成する。送出口502は、風洞503の軸方向他方端部に配置される。風洞503は、インペラ200から送出された流体Fが送出口502に向かって流れる通路である。
【0020】
静翼400は、風洞503内に配置されて少なくとも軸方向に延び、風洞503を流れる流体Fを整流する。静翼400は、周方向に複数並ぶ。各々の静翼400の径方向外端部は、第2外側筐体302の径方向内側面に接続される。各々の静翼400の径方向内端部は、第1内側筐体24の径方向外側面に接続される。本実施形態では、静翼400は、第2外側筐体302及び第1内側筐体24と一体である。
【0021】
<1-2.モータ100>
次に、図1及び図2を参照して、モータ100の構成例を説明する。図2は、図1の破線で囲まれた部分IIの拡大図である。
【0022】
図1に示すように、モータ100は、ロータ1と、ステータ2と、ベアリング31,32と、ブラケット4と、回路基板5と、を備える。
【0023】
<1-2-1.ロータ1>
ロータ1は、軸方向に延びる中心軸CAを中心として回転可能である。前述の如く、モータ100は、ロータ1を備える。
【0024】
ロータ1は、シャフト10と、ロータハブ11と、を有する。シャフト10は、中心軸CAに沿って軸方向に延びる。ロータハブ11は、シャフト10の軸方向一方Da側において、シャフト10の径方向外側面に配置される。ロータハブ11には、インペラ200(の底板201の径方向内端部)が固定される。ロータハブ11は、シャフト10及びインペラ200などとともに、中心軸CAを中心として回転可能である。
【0025】
図2に示すように、ロータハブ11は、筒部111と、フランジ部112と、段差部113と、を有する。
【0026】
筒部111は、シャフト10の径方向外側面の軸方向一方Da側に配置され、軸方向に延びる。
【0027】
フランジ部112は、ステータ2のベアリングホルダ243よりも軸方向一方Daに配置されて、筒部111から径方向外方に広がる。前述の如く、ロータハブ11は、フランジ部112を有する。
【0028】
段差部113は、フランジ部112の径方向における筒部111側から軸方向他方Dbに延びる。フランジ部112及び段差部113は、筒部111の径方向外端部に接して、筒部111を囲む環状である。
【0029】
好ましくは、段差部113には、面取り部1131が配置される。前述の如く、ロータハブ11は、段差部113を有する。詳細には、段差部113は、面取り部1131と、後述する第2空間S2に面する軸方向他方端面と、後述する第6空間S6に面する径方向外側面と、で構成される。面取り部1131は、第2空間S2に面する軸方向他方端面と、第6空間S6に面する径方向外側面との間に配置される。なお、段差部113の第2空間S2に面する軸方向他方端面は、ブッシュ2431の軸方向一方端面と軸方向に対向する。段差部113の第6空間S6に面する径方向外側面は、ブッシュ保持部2432の径方向外側面と径方向に対向する。
【0030】
面取り部1131は、中心軸CAを中心とする環状の面である。面取り部1131は、周方向から見た断面視において、径方向外方に向かうにつれて軸方向一方Daに向かって直線的に延び、又は、軸方向他方Db及び径方向外方に突出する。つまり、面取り部1131は、段差部113の角がC面取りされた部分であってもよいし、段差部113の角がR面取りされた部分であってもよい。
【0031】
たとえば樹脂材料を用いてブッシュ保持部2432を成型した場合、その径方向外端部に意図しない突起(いわゆるバリ)が形成されることがある。従って、周方向から見たロータハブ11の段差部113の角にC面取り又はR面取りされた面取り部1131を配置することで、ブッシュ保持部2432の径方向外端部にバリがあっても、段差部113は、バリと接触し難くなる。従って、ベアリングホルダ243(特にブッシュ保持部2432)に対して、ロータ1がスムーズに回転できる。
【0032】
また、本実施形態では、段差部113に面取り部1131が配置されている。但し、この例示に限定されず、ロータハブ11の第1凸部Ma1にも同様の面取り部が配置されてもよい。たとえば、第1凸部Ma1の径方向内側面と軸方向他方端面との間の角と、第1凸部Ma1の軸方向他方端面と径方向外側面との間の角とのうちの少なくともどちらかは、C面取りされてもよいし、R面取りされてもよい。
【0033】
但し、上述の例示は、段差部113に面取り部1131が配置されない構成を排除しないし、第1凸部Ma1に同様の面取り部が配置されない構成を排除しない。つまり、これらの角の少なくともいずれかは、C面取りされていなくてもよいし、R面取りされていなくてもよい。
【0034】
また、ロータ1は、マグネット12をさらに有する。マグネット12は、シャフト10の径方向外側面に配置され、シャフト10を囲む。マグネット12では、異なる磁極(S極、N極)が周方向において交互に並ぶ。
【0035】
<1-2-2.ステータ2>
ステータ2は、ステータコア21と、インシュレータ22と、複数のコイル部23と、第1内側筐体24と、第2内側筐体25と、を有する。
【0036】
<1-2-2-1.ステータコア21,インシュレータ22,コイル部23>
ステータコア21は、シャフト10及びマグネット12を囲む環状の磁性体であり、本実施形態では電磁鋼板の積層体である。ステータコア21は、マグネット12と径方向に対向する。インシュレータ22は、電気絶縁性を有し、ステータコア21の一部を覆う。複数のコイル部23は、周方向に並ぶ。各々のコイル部23では、導線(符号省略)が、インシュレータ22を介してステータコア21にコイル状に配置される。なお、導線は、たとえばエナメル被覆銅線,電気絶縁部材で被覆された金属線などであり、ステータコア21のティース(図示省略)に巻き回されることでコイル部23を形成する。各々のコイル部23に駆動電流が供給されると、ステータ2は励磁されてロータ1を駆動する。
【0037】
<1-2-2-2.第1内側筐体24>
第1内側筐体24は、軸方向他方Dbに開口して軸方向に延びる有蓋筒状である。第1内側筐体24は、筒部241と、蓋部242と、ベアリングホルダ243と、を有する。
【0038】
<1-2-2-2-1.筒部241,蓋部242>
筒部241、第1筒部2411と、第2筒部2412と、第3筒部2413と、を有する。これらは、軸方向に延びる筒状であり、一体に形成される。
【0039】
第1筒部2411は、ステータコア21の軸方向一方Da側を囲んで保持する。言い換えると、第1筒部2411の内周面(つまり径方向内側面)には、ステータコア21の軸方向一方Da側が固定される。第1筒部2411の外周面(つまり径方向外側面)は、第2外側筐体302の内周面(つまり径方向内側面)と隙間を空けて径方向に対向し、第2外側筐体302の内周面との間に風洞503を形成する。
【0040】
第2筒部2412は、第1筒部2411の軸方向一方端部から軸方向他方Db且つ径方向外方に延びる。言い換えると、第2筒部2412は、軸方向他方Dbに向かうにつれて径方向外方に延びる。たとえば、周方向から見た第2筒部2412の断面は、図1に示すように軸方向他方Db且つ径方向内方に突出する形状であってもよいし、軸方向他方Db且つ径方向外方に向かって直線的に延びてもよい。この形状により、送出口502から送出された流体Fは、第2筒部2412の外周面(径方向外側面)に沿って軸方向他方Db且つ径方向外方に向かって流れ、流体吸引装置500の径方向外方に送出される。
【0041】
第3筒部2413は、第2筒部2412の軸方向他方端部から軸方向他方Dbに延びる。第3筒部2413は、第2筒部2412とともに、第2内側筐体25を囲む。
【0042】
蓋部242は、第1筒部2411の軸方向一方端部から径方向内方に広がる。
【0043】
<1-2-2-2-2.ベアリングホルダ243>
【0044】
ベアリングホルダ243は、ベアリング31を介してロータ1(特にシャフト10)を回転可能に支持する。モータ100は、ベアリングホルダ243を備える。なお、ベアリング31は、本実施形態ではボールベアリングであるが、この例示に限定されず、ボールベアリング以外の転がり軸受、滑り軸受であってもよい。また、ベアリングホルダ243は、ロータ1との間に隙間空間Sを形成する。隙間空間Sは、後に説明する。
【0045】
ベアリングホルダ243は、ブッシュ2431と、ブッシュ保持部2432と、を有する。ブッシュ2431は、ベアリング31を囲む環状であり、ベアリング31(の外輪)を保持する。ブッシュ保持部2432は、ブッシュ2431を保持する。好ましくは、ブッシュ2431は、Alなどの金属製であり、鋳造又はダイカスト成型により成型できるただし、この例示は、ブッシュ2431が金属製でない構成を排除しない。たとえば、ブッシュ2431は、樹脂製であってもよい。
【0046】
ブッシュ保持部2432は、本実施形態では樹脂製であり、蓋部242の径方向内端部に配置される。但し、この例示は、ブッシュ保持部2432が樹脂製でない構成を排除しない。たとえば、ブッシュ保持部2432は、Alなどの金属製であってもよい。また、ブッシュ保持部2432は、本実施形態では蓋部242と一体であるが、この例示に限定されずに蓋部242とは別体であってもよい。
【0047】
<1-2-2-3.第2内側筐体25>
第2内側筐体25は、軸方向一方Daに開口して軸方向に延びる有蓋筒状である。第2内側筐体25は、第1内側筐体24の第1筒部2411の軸方向他方端部に配置されて、第1内側筐体24の第1筒部2411及び蓋部242とともに第1の収容空間を形成する。この第1の収容空間は、シャフト10の一部,マグネット12,ステータコア21,及びコイル部23などを収容する。
【0048】
第2内側筐体25は、筒部251と、蓋部252と、ブッシュ253と、を有する。筒部251は、第1内側筐体24の第1筒部2411の軸方向他方端部から軸方向他方Dbに延びる。筒部251は、ステータコア21の軸方向他方Db側を囲んで保持する。言い換えると、筒部251の内周面(つまり径方向内側面)には、ステータコア21が固定される。蓋部252は、筒部251の軸方向他方端部から径方向内方に広がる。蓋部252の径方向内端部には、ブッシュ253が配置される。ブッシュ253は、ベアリング32を囲む環状であり、ベアリング32(の外輪)を保持する。また、ブッシュ253は、ベアリング32を介して、シャフト10の軸方向他方Db側を回転可能に支持する。なお、ベアリング32は、本実施形態ではボールベアリングであるが、この例示に限定されず、ボールベアリング以外の転がり軸受、滑り軸受であってもよい。
【0049】
<1-2-3.ブラケット4>
ブラケット4は、軸方向一方Daに開口して軸方向に延びる有蓋筒状である。ブラケット4は、第1内側筐体24の第3筒部2413の軸方向他方端部に配置されて、第1内側筐体24の第3筒部2413及び第2内側筐体25とともに第2の収容空間を形成する。第2の収容空間は、回路基板5を収容する。
【0050】
ブラケット4は、筒部41と、蓋部42と、を有する。筒部41は、第1内側筐体24の第3筒部2413の軸方向他方端部から軸方向他方Db側に延び、回路基板5を囲む。蓋部42は、筒部41の軸方向他方端部から径方向内方に広がる。また、蓋部42の軸方向から見た中央部には、開口421が配置される。開口421は、上述の第2の収容空間と流体吸引装置500の外部とを繋ぐ。
【0051】
<1-2-4.回路基板5>
回路基板5は、中心軸CAと交差する方向(たとえば径方向)に広がる板状であり、ブラケット4の蓋部42の軸方向一方端面に取り付けられる。回路基板5には、ステータ2の駆動回路(図示省略)などが搭載される。また、回路基板5には、コイル部23の引出線及び外部接続線(ともに図示省略)が接続される。なお、引出線は、コイル部23を構成する導線の端部である。外部接続線は、回路基板5から流体吸引装置500の外部に引き出される接続線であり、外部の装置などに接続される。
【0052】
<1-2-5.隙間空間S>
次に、図2を参照して、隙間空間Sの構成例を説明する。隙間空間Sは、ロータ1のロータハブ11とベアリングホルダ243との間に配置される。隙間空間Sには、潤滑材6が配置される。モータ100は、潤滑材6を備える。こうすれば、隙間空間S内で流体Fが流通可能なスペースを潤滑材6で塞ぐことができる。従って、流体Fに対するシール特性、防塵性などを向上できる。また、ロータハブ11は、ベアリングホルダ243に対してスムーズに回転できる。潤滑材6は、たとえばグリスなどが採用される。好ましくは、隙間空間Sに充填される潤滑材6は、ベアリング31を潤滑する部材と同じである。こうすれば、ベアリング31を潤滑する部材は、隙間空間Sから供給できるので、ベアリング31のスムーズな潤滑性を維持できる。
【0053】
隙間空間Sは、第1空間S1と、第2空間S2と、第3空間S3と、第4空間S4と、第5空間S5と、第6空間S6と、第7空間S7と、を含む。
【0054】
第1空間S1は、ベアリングホルダ243の径方向内端部とロータハブ11の一部との間に配置され、軸方向に延びる。前述の如く、隙間空間Sは、第1空間S1を含む。第1空間S1は、ロータハブ11(の筒部111)の軸方向他方端部とベアリング31との軸方向における間の空間を介して、ベアリング31の潤滑部分(たとえば内輪及び外輪間)に繋がる。図2では、第1空間S1は、ブッシュ2431の径方向内端部とロータハブ11の筒部111の軸方向他方端部との径方向における間に配置される。
【0055】
第2空間S2は、径方向に延びて、第1空間S1の軸方向一方Da側に繋がる。前述の如く、隙間空間Sは、第2空間S2を含む。図2では、第2空間S2は、ブッシュ2431の径方向内端部における軸方向一方端面とロータハブ11の段差部113の軸方向他方端部との軸方向における間に配置される。
【0056】
第3空間S3は、フランジ部112の径方向外端部とベアリングホルダ243の一部との間に配置され、軸方向に延びる。前述の如く、隙間空間Sは、第3空間S3を含む。第3空間S3は、隙間空間Sの外部に繋がる。図2では、第3空間S3は、フランジ部112の径方向外端部とブッシュ保持部2432の一部との径方向における間に配置される。言い換えると、第3空間S3は、フランジ部112の第1凸部Ma1の径方向外側面とブッシュ保持部2432の第1凹部Mb1の径方向内方を向く内側面との径方向における間に配置される。
第4空間S4は、径方向に延びて、第3空間S3の軸方向他方Db側と繋がる。前述の如く、隙間空間Sは、第4空間S4を含む。図2では、第4空間S4は、フランジ部112の径方向外端部とブッシュ保持部2432の一部との軸方向における間に配置される。言い換えると、第4空間S4は、フランジ部112の第1凸部Ma1の軸方向他方端面とブッシュ保持部2432の第1凹部Mb1の軸方向一方Daを向く底面との軸方向における間に配置される。
【0057】
第5空間S5は、軸方向に延びて、第4空間S4の径方向内方側と繋がる。前述の如く、隙間空間Sは、第5空間S5を含む。図2では、第5空間S5は、フランジ部112の第1凸部Ma1の径方向内側面とブッシュ保持部2432の第1凹部Mb1の径方向外方を向く内側面(言い換えると、第2凸部Ma2の径方向外側面)との径方向における間に配置される。
【0058】
第6空間S6は、第2空間S2の径方向外方側から軸方向一方Daに延びる。前述の如く、隙間空間Sは、第6空間S6を含む。図2では、第6空間S6は、ロータハブ11の段差部113の径方向外端部とブッシュ保持部2432の径方向内端部(第2凸部Ma2の径方向内側面)との径方向における間に配置される。言い換えると、第6空間S6は、フランジ部112の第2凹部Mb2の径方向外方を向く内側面とブッシュ保持部2432の第2凸部Ma2の径方向内側面との径方向における間に配置される。第6空間S6は、第2空間S2の径方向外方側と繋がる。
【0059】
第7空間S7は、第6空間S6の軸方向一方Da側から径方向外方に延び、第5空間S5の軸方向他方Db側と繋がる。第7空間S7は、フランジ部112の第2凹部Mb2の軸方向他方Dbを向く底面とブッシュ保持部2432の第2凸部Ma2の軸方向一方端面との軸方向における間に配置される。第7空間S7は、第5空間S5の軸方向一方Da側と、第6空間S6の軸方向一方Da側と、に繋がる。
【0060】
次に、図2に示すように、周方向から見て、隙間空間Sは、ラビリンス構造Rを有する。該ラビリンス構造Rは、ロータ1及びベアリングホルダ243間の外部からベアリング31に繋がる。こうすれば、塵埃、液体(たとえば水)などが外部から隙間空間Sに侵入し難くなる。また、隙間空間Sに配置される潤滑材6が、ロータ1の回転に応じて、隙間空間Sの外部に漏れ出でることを抑制又は防止できる。
【0061】
また、図2に示すように、ラビリンス構造Rは、収容構造Mを含む。収容構造Mでは、凸部Maが凹部Mbに収容される。凸部Maは、軸方向に突出し、中心軸CAを中心とする環状である。凸部Maは、ロータハブ11のフランジ部112及びベアリングホルダ243の一方に配置される。凹部Mbは、軸方向に凹み、中心軸CAを中心とする環状である。凹部Mbは、フランジ部112及びベアリングホルダ243の他方に配置される。なお、本実施形態では、収容構造Mは、第1収容構造M1及び第2収容構造M2の総称である。また、凸部Maは第1凸部Ma1及び第2凸部Ma2の総称であり、凹部Mbは第1凹部Mb1及び第2凹部Mb2の総称である。
【0062】
第1収容構造M1では、第1凸部Ma1が第1凹部Mb1に収容される。図2に示すように、第1凸部Ma1は、ロータハブ11のフランジ部112の径方向外端部に配置され、軸方向他方Dbに突出する。第1凹部Mb1は、ベアリングホルダ243のブッシュ保持部2432に配置されて、軸方向他方Dbに凹む。第1凸部Ma1及び第1凹部Mb1はそれぞれ、中心軸CAを中心とする環状である。
【0063】
第2収容構造M2は、第1収容構造M1の径方向内方側に配置される。第2収容構造M2では、第2凸部Ma2が第2凹部Mb2に収容される。図2に示すように、第2凸部Ma2は、ベアリングホルダ243のブッシュ保持部2432に配置され、軸方向一方Daに突出する。第2凹部Mb2は、ロータハブ11のフランジ部112に配置されて、軸方向一方Daに凹む。第2凸部Ma2及び第2凹部Mb2はそれぞれ、中心軸CAを中心とする環状である。
【0064】
なお、収容構造Mは、本実施形態では2個であるが、この例示に限定されず、単数であってもよいし、3以上の複数であってもよい。たとえば、第2収容構造M2は、省略されてもよい。或いは、第2収容構造M2よりも径方向内方に、単数又は複数の他の収容構造Mがさらに配置されてもよい。
【0065】
また、ラビリンス構造Rでは、ベアリングホルダ243の径方向内端部は、ロータハブ11の一部に対して径方向に対向する。図2では、ブッシュ2431の径方向内端部は、ロータハブ11の筒部111の軸方向他方端部と径方向に対向する。つまり、両者間は、第1空間S1に該当する。また、ブッシュ2431の径方向内方側は、ロータハブ11の段差部113の軸方向他方端部と軸方向に対向する。つまり、両者間は、第2空間S2に該当する。
【0066】
第1空間S1の径方向幅W1は、第2空間S2の径方向幅W2よりも小さい。こうすれば、隙間空間Sのうちのベアリング31に最も近い第1空間S1の径方向幅W1をより狭くできる。従って、液体などを含む流体Fを吸引する装置(たとえば流体吸引装置500)にモータ100が配置されても、シャフト10を回転可能に支持するベアリング31に、流体Fに含まれる塵埃、液体などが侵入することを第1空間S1で効果的に抑制又は防止できる。従って、液体を含む流体に対するシール性能、及び防塵性が向上したモータ100を提供することができる。
【0067】
本実施形態では、金属製のブッシュ2431の少なくとも一部は、ロータハブ11の一部に対して径方向に対向する。ここで、第1空間S1は、ブッシュ2431の少なくとも一部とロータハブ11の一部との径方向における隙間に形成される。また、ブッシュ2431を金属製とすることで、(樹脂製の場合などと比べて)ブッシュ2431の加工精度を向上できる。従って、第1空間S1の径方向幅W1をさらに小さくできる。よって、ベアリング31に、塵埃、液体などが侵入することをさらに効果的に抑制又は防止できる。
【0068】
また、ラビリンス構造Rでは、ロータハブ11のフランジ部112の径方向外端部は、ベアリングホルダ243の一部に対して径方向に対向する。たとえば図2では、フランジ部112の径方向外端部は、ベアリングホルダ243(のブッシュ保持部2432)の一部と径方向に対向する。言い換えると、フランジ部112の第1凸部Ma1の径方向外側面は、ブッシュ保持部2432の第1凹部Mb1の径方向内方を向く内側面と径方向に対向する。つまり、両者間は、第3空間S3に該当する。また、フランジ部112の径方向外端部は、ベアリングホルダ243(のブッシュ保持部2432)の一部と径方向に対向する。言い換えると、フランジ部112の第1凸部Ma1の軸方向他方端面は、ブッシュ保持部2432の第1凹部Mb1の軸方向一方Daを向く底面と軸方向に対向する。つまり、両者間は、第4空間S4に該当する。
【0069】
好ましくは、第3空間S3の径方向幅W3は、第4空間S4の軸方向幅W4よりも小さい。W3<W4とすることにより、隙間空間Sのうちの外部に最も近い第3空間S3の径方向幅W3をより狭くできる。従って、外部から隙間空間Sへの塵埃、液体の侵入をより効果的に抑制又は防止できる。さらに、ロータ1が回転する際、隙間空間Sに配置された潤滑材6が遠心力などによって外部に押し出されることを防止できる。従って、ロータ1及びベアリングホルダ243間の潤滑性能の低下を抑制又は防止できる。
【0070】
また、好ましくは、第1空間S1の径方向幅W1は、第3空間S3の径方向幅W3よりも小さい。こうすれば、隙間空間Sのうち、ベアリング31に最も近い第1空間S1の径方向幅W1をさらに狭くできる。従って、ベアリング31に、塵埃、液体などが侵入することをさらに効果的に抑制又は防止できる。
【0071】
さらに好ましくは、各々の空間S1からS7の幅W1からW7のうち、幅W1が最も小さい。こうすれば、他の空間S2からS7の経路幅(幅W2からW7)を第1空間S1の経路幅(径方向幅W1)よりも広くできる。従って、ロータハブ11及びブッシュ保持部2432間の間隔が狭すぎることを防止できる。また、第1空間S1と比べて、より多くの潤滑材6を空間S2からS7に配置できる。よって、ラビリンス構造Rの配置によってロータ1が回転し難くなることを防止できる。
【0072】
但し、上述の例示は、W3≧W4である構成、及び、幅W1からW7のうちで幅W1が最小でない構成を排除しない。
【0073】
また、好ましくは、第3空間S3の軸方向長さL3は、第5空間S5の軸方向長さL5よりも長い。L3>L5とすることにより、隙間空間Sのうちの外部に最も近く且つ第5空間S5よりも通路幅(すなわち径方向幅W3)が狭い第3空間S3の通路長さ(すなわち軸方向長さL3)をより長くできる。従って、液体を含む流体に対するシール性能、及び防塵性がより向上したモータ100を提供することができる。さらに、隙間空間S(特に第3空間S3)からの潤滑材6の押し出しを抑制できるので、ロータ1及びベアリングホルダ243間の潤滑性能の低下をさらに抑制又は防止できる。
【0074】
<2.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
【0075】
たとえば、上述の実施形態では、本発明は、流体吸引装置500に搭載されるモータ100に適用される。但し、この例示に限定されず、本発明は、これ以外のモータに適用されてもよい。たとえば、本発明は、流体吸引装置500以外の装置に搭載されるモータに適用されてもよいし、単体で使用されるモータに適用されてもよい。
【0076】
<3.総括>
以下では、これまでに説明した実施形態について総括的に述べる。
【0077】
たとえば、本明細書に開示されているモータは、
軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータと、
ベアリングを介して前記ロータを回転可能に支持するベアリングホルダと、
前記ロータ及び前記ベアリングホルダ間の隙間空間に配置される潤滑材と、
を備え、
前記ロータは、
前記中心軸に沿って延びるシャフトと、
前記シャフトの径方向外側面に配置されるロータハブと、
を有し、
前記ロータハブは、前記ベアリングホルダよりも軸方向一方に配置されて径方向外方に広がるフランジ部を有し、
前記隙間空間は、前記ロータ及び前記ベアリングホルダ間の外部から前記ベアリングに繋がるラビリンス構造を有し、
前記ラビリンス構造は、軸方向に突出する凸部が軸方向に凹む凹部に収容される収容構造を含み、
前記凸部は、中心軸を中心とする環状であって、前記フランジ部及び前記ベアリングホルダの一方に配置され、
前記凹部は、中心軸を中心とする環状であって、前記フランジ部及び前記ベアリングホルダの他方に配置され、
前記ベアリングホルダの径方向内端部は、前記ロータハブの一部に対して径方向に対向し、
前記隙間空間は、
前記ベアリングホルダの径方向内端部と前記ロータハブの一部との間に配置され、軸方向に延びる第1空間と、
径方向に延びて、前記第1空間の軸方向一方側に繋がる第2空間と、
を含み、
前記第1空間の径方向幅は、前記第2空間の軸方向幅よりも小さい構成(第1の構成)とされる。
【0078】
なお、第1の構成のモータは、
前記フランジ部の径方向外端部は、前記ベアリングホルダの一部に対して径方向に対向し、
前記隙間空間は、
前記フランジ部の径方向外端部と前記ベアリングホルダの一部との間に配置され、軸方向に延びる第3空間と、
径方向に延びて、前記第3空間の軸方向他方側と繋がる第4空間と、
をさらに含み、
前記第3空間の径方向幅は、前記第4空間の軸方向幅よりも小さい構成(第2の構成)にしてもよい。
【0079】
また、第2の構成のモータは、
前記第1空間の径方向幅は、前記第3空間の径方向幅よりも小さい構成(第3の構成)にしてもよい。
【0080】
また、第2又は第3のいずれかの構成のモータは、
前記隙間空間は、軸方向に延びて、前記第4空間の径方向内方側と繋がる第5空間をさらに含み、
前記第3空間の軸方向長さは、前記第5空間の軸方向長さよりも長い構成(第4の構成)にしてもよい。
【0081】
また、第1から第4のいずれかの構成のモータは、
前記ベアリングホルダは、
前記ベアリングを保持する環状且つ金属製のブッシュと、
前記ブッシュを保持するブッシュ保持部と、
を有し、
前記ブッシュの少なくとも一部は、前記ロータハブの一部に対して径方向に対向する構成(第5の構成)にしてもよい。
【0082】
また、第5の構成のモータは、
前記隙間空間は、前記第2空間の径方向外方側から軸方向一方に延びる第6空間をさらに含み、
前記ロータハブは、前記第2空間に面する軸方向他方端面と、前記第6空間に面する径方向外側面との間に面取り部が配置される段差部をさらに有し、
前記段差部の前記第6空間に面する径方向外側面は、前記ブッシュ保持部の径方向外側面と径方向に対向し、
前記面取り部は、
前記中心軸を中心とする環状の面であって、
周方向から見た断面視において、径方向外方に向かうにつれて軸方向一方に向かって直線的に延び、又は、軸方向他方及び径方向外方に突出する構成(第6の構成)にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、ベアリングホルダがロータを回転可能に支持するモータに有用である。
【符号の説明】
【0084】
500・・・流体吸引装置、501・・・吸引口、502・・・送出口、503・・・風洞、100・・・モータ、1・・・ロータ、10・・・シャフト、11・・・ロータハブ、111・・筒部、112・・・フランジ部、113・・・段差部、1131・・・面取り部、12・・・マグネット、2・・・ステータ、21・・・ステータコア、22・・・インシュレータ、23・・・コイル部、24・・・第1内部筐体、241・・・筒部、2411・・・第1筒部、2412・・・・第2筒部、2413・・・・第3筒部、242・・・蓋部、243・・・ベアリングホルダ、2431・・・ブッシュ、2432・・・ブッシュ保持部、25・・・第2内部筐体、251・・・筒部、252・・・蓋部、253・・・ブッシュ、31,32・・・ベアリング、4・・・・ブラケット、41・・・筒部、42・・・蓋部、421・・・開口、5・・・回路基板、6・・・潤滑材、200・・・インペラ、201・・・底板、202・・・上板、203・・・動翼、300・・・外側筐体、301・・・第1外側筐体。302・・・第2外側筐体、400・・・静翼、F・・・流体、R・・・ラビリンンス構造、M・・・収容構造、M1・・・第1収容構造、M2・・・第2収容構造、Ma・・・凸部、M1a・・・第1凸部、Ma2・・・第2凸部、Mb・・・凹部、M1b・・・第1凹部、Mb2・・・第2凹部、S・・・隙間空間、S1・・・第1空間、S2・・・第2空間、S3・・・第3空間、S4・・・第4空間、S5・・・第5空間、S6・・・第6空間、S7・・・第1空間、CA・・・中心軸、Da・・・軸方向一方、Db・・・軸方向他方
図1
図2