(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152047
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】三脚および脚部
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20241018BHJP
F16M 11/04 20060101ALI20241018BHJP
F16M 11/18 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G03B17/56 B
F16M11/04 F
F16M11/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065960
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】390041173
【氏名又は名称】平和精機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100218062
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】山口 宏一
【テーマコード(参考)】
2H105
【Fターム(参考)】
2H105AA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】三脚の構成を簡素化する。
【解決手段】第1段10と、第2段20と、第3段30と、第2段20を固定するための第1固定機構と、第2段20を固定するための第1固定機構に連動して作動し、第3段30を固定するための第2固定機構とを具備し、第1固定機構と第1段10の内周面との間に第2段20が位置し、第1固定機構のうち第2段20に対向する部分の位置が可変であり、固定状態においては、第1固定機構のうち前記対向する部分は、第2段20の当接部を第1段10の内周面に向かって押圧することで第2段20を固定するとともに、第2固定機構を作動させることで第3段30を固定し、解除状態においては、第1固定機構の前記対向する部分部は、第2段20の当接部への押圧を解除することで第2段20の固定を解除するとともに、第2固定機構の作動を解除することで第3段30の固定を解除する三脚100。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮可能である3本の脚部を具備し、撮像装置を保持するための三脚であって、
前記脚部の各々は、
当該脚部の長さを調整できる解除状態と、当該脚部の長さが固定された固定状態とに切り替えられ、
筒状の第1段と、
前記第1段の内部に設けられ、前記第1段に対して相対的に移動可能であり、筒状の第2段と、
前記第2段の内部に設けられ、前記第2段に対して相対的に移動可能である第3段と、
前記第1段の内部に設けられ、前記第2段を前記第1段に対して固定するための第1固定機構と、
前記第2段の内部に設けられ、前記第1固定機構に連動して作動し、前記第3段を前記第2段に対して固定するための第2固定機構と、
前記解除状態と前記固定状態とを切り替える操作部とを具備し、
当該脚部が伸縮可能な第1方向に交差する第2方向に沿って前記第1固定機構と前記第1段の内周面との間に前記第2段が位置し、
前記第1固定機構のうち前記第2段と対向する部分の位置が前記第2段に対して可変であり、
前記第2段は、前記固定状態の場合に前記対向する部分と当接する当接部を含み、
前記固定状態においては、前記対向する部分は、前記当接部を前記第1段の内周面に向かって押圧することで前記第2段を固定するとともに、前記第2固定機構を作動させることで前記第3段を固定し、
前記解除状態においては、前記対向する部分は、前記当接部への押圧を解除することで前記第2段の固定を解除するとともに、前記第2固定機構の作動を解除することで前記第3段の固定を解除する
三脚。
【請求項2】
前記第2固定機構は、前記第2方向の一方側および他方側に移動可能である可動部を具備し、
前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部は、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部よりも当該第1固定機構側の位置と、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部がある位置との間で移動可能であり、
前記対向する部分は、
前記固定状態においては、前記可動部を押圧することで、前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部が、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部よりも当該第1固定機構側に移動することを阻止し、
前記解除状態においては、前記可動部への押圧を解除することで、前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部を当該第1固定機構側に移動可能にする請求項1の三脚。
【請求項3】
前記第1固定機構は、前記第1方向に沿って延在し、前記第2方向に沿って配列される第1部材および第2部材を含み、
前記第2段は、前記第2部材を挟んで前記第1部材とは反対側において、当該第2部材に対向する位置にあり、
前記第1部材は、前記操作部による操作で前記第1方向の一方側および他方側に移動可能であり、
前記第2部材は、前記第2方向の一方側および他方側に移動可能であり、
前記固定状態においては、前記第2部材は、前記解除状態よりも前記第1部材が前記第1方向の一方側に位置することで、前記当接部を押圧する位置で前記第1部材により固定され、
前記解除状態においては、前記第2部材は、前記固定状態よりも前記第1部材が前記第1方向の他方側に位置することで、前記第1部材による固定が解除され、前記当接部への押圧を解除する
請求項1の三脚。
【請求項4】
前記第1固定機構は、
前記第1部材における前記第2部材と対向する面に設けられ、第1対向面を有する第1突起部と、
前記第2部材における前記第1部材と対向する面に設けられ、前記第1対向面と対向する第2対向面を有する第2突起部とを含み、
前記第1突起部のうち前記第2方向における幅が、前記第1方向における一方側の端部から他方側の端部に向かって連続的に大きくなり、
前記第2突起部のうち前記第2方向における幅が、前記第1方向における一方側の端部から他方側の端部に向かって連続的に小さくなり、
前記固定状態においては、前記第1突起部は、前記解除状態よりも前記第2突起部に対して前記第1方向における一方側に位置し、
前記解除状態においては、前記第1突起部は、前記固定状態よりも前記第2突起部に対して前記第1方向における他方側に位置する
請求項3の三脚。
【請求項5】
前記第2固定機構は、
前記第2方向の一方側および他方側に移動可能である可動部と、
前記第2段の内周面と前記第3段の外周面との間に位置し、前記可動部の移動に連動して前記第2方向の一方側および他方側に移動可能である固定部とを含み、
前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部は、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部よりも当該第1固定機構側の位置と、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部がある位置との間で移動可能であり、
前記対向する部分は、
前記固定状態においては、前記可動部を押圧することで、前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部が、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部よりも当該第1固定機構側に移動することを阻止し、
前記解除状態においては、前記可動部への押圧を解除することで、前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部を当該第1固定機構側に移動可能にし、
前記固定部は、
前記固定状態においては、前記可動部が押圧されることで、前記第3段を前記第2段の内周面に向かって押圧して当該第3段を固定し、
前記解除状態においては、前記可動部への押圧が解除されることで、前記第3段への押圧を解除して当該第3段の固定を解除する
請求項4の三脚。
【請求項6】
前記第2固定機構は、
前記第2段の一方側の端部から他方側の端部に向かって延在する軸部と、
前記軸部と前記可動部とに接続される第1クランク部と、
前記軸部と前記固定部とに接続される第2クランク部とを含み、
前記軸部は、前記第1方向の一方側および他方側に移動可能なように、前記第1クランク部と前記第2クランク部とに接続され、
前記第1クランク部は、前記可動部の移動に連動して前記軸部を前記第1方向の一方側または他方側に移動させ、
前記第2クランク部は、前記軸部の移動に連動して前記固定部を前記第2方向の一方側または他方側に移動させる
請求項5の三脚。
【請求項7】
伸縮可能である脚部であって、
当該脚部の長さを調整できる解除状態と、当該脚部の長さが固定された固定状態とに切り替えられ、
筒状の第1段と、
前記第1段の内部に設けられ、前記第1段に対して相対的に移動可能であり、筒状の第2段と、
前記第2段の内部に設けられ、前記第2段に対して相対的に移動可能である第3段と、
前記第1段の内部に設けられ、前記第2段を前記第1段に対して固定するための第1固定機構と、
前記第2段の内部に設けられ、前記第1固定機構に連動して作動し、前記第3段を前記第2段に対して固定するための第2固定機構と、
前記解除状態と前記固定状態とを切り替える操作部とを具備し、
前記第2方向に沿って前記第1固定機構と前記第1段の内周面との間に前記第2段が位置し、
前記第1固定機構のうち前記第2段と対向する部分の位置が前記第2段に対して可変であり、
前記第2段は、前記固定状態の場合に前記対向する部分と当接する当接部を含み、
前記固定状態においては、前記対向する部分は、前記当接部を前記第1段の内周面に向かって押圧することで前記第2段を固定するとともに、前記第2固定機構を作動させることで前記第3段を固定し、
前記解除状態においては、前記対向する部分は、前記当接部への押圧を解除することで前記第2段の固定を解除するとともに、前記第2固定機構の作動を解除することで前記第3段の固定を解除する
脚部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置を保持するための三脚の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置(例えばカメラ)を保持するための三脚が従来から提案されている。例えば、特許文献1には、3本の脚部を具備し、各脚部がそれぞれ伸長することで、高さを変更できる三脚が開示されている。具体的には、脚部は、下段と中段と上段とを有する。中段は上段に対して相対的に移動可能であり、下段は中段に対して相対的に移動可能である。特許文献1の技術では、脚部の長さを変更するのには、中段を上段に対して固定するためのロック機構と、下段を中段に対して固定するためのロック機構とがある。そして、2つのロック機構をそれぞれ作動させるための2個のレバーがある。したがって、脚部の長さを調整するには、利用者は、2個のレバーをそれぞれ操作する必要がある。以上の通り、脚部の長さを変更するための操作に手間がかかる。
【0003】
そこで、特許文献2には、上段の上部に設けられた1個のレバー(作動手段)を操作することで、中段を上段に対して固定するための第1脚ブレーキと、下段を中段に対して固定するための第2の脚ブレーキとを作動できる三脚が提案されている。具体的には、レバーが操作されると、ケーブルを介して第1脚ブレーキが作動する。そして、第1脚ブレーキの作動に連動して第2脚ブレーキが作動する。ケーブルは、上段と中段との双方の内部にわたり延在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5564629号
【特許文献2】米国特許第010508765号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2の技術では、ケーブルが上段と中段との双方の内部にわたり延在することから、三脚の構成が煩雑である。したがって、三脚の製造において組み立てる際の手間がかかるという問題や、例えば上段や中段の何れか一方に不具合が生じた際にも双方を修理する必要が発生しうる場合があるという問題があった。以上の事情を考慮して、第1段と第2段と第3段とを含む脚部の伸縮を1個の操作部で可能である三脚の構成を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係る三脚は、伸縮可能である3本の脚部を具備し、撮像装置を保持するための三脚であって、前記脚部の各々は、当該脚部の長さを調整できる解除状態と、当該脚部の長さが固定された固定状態とに切り替えられ、筒状の第1段と、前記第1段の内部に設けられ、前記第1段に対して相対的に移動可能であり、筒状の第2段と、前記第2段の内部に設けられ、前記第2段に対して相対的に移動可能である第3段と、前記第1段の内部に設けられ、前記第2段を前記第1段に対して固定するための第1固定機構と、前記第2段の内部に設けられ、前記第1固定機構に連動して作動し、前記第3段を前記第2段に対して固定するための第2固定機構と、前記解除状態と前記固定状態とを切り替える操作部とを具備し、当該脚部が伸縮可能な第1方向に交差する第2方向に沿って前記第1固定機構と前記第1段の内周面との間に前記第2段が位置し、前記第1固定機構のうち前記第2段と対向する部分の位置が前記第2段に対して可変であり、前記第2段は、前記固定状態の場合に前記対向する部分と当接する当接部を含み、前記固定状態においては、前記対向する部分は、前記当接部を前記第1段の内周面に向かって押圧することで前記第2段を固定するとともに、前記第2固定機構を作動させることで前記第3段を固定し、前記解除状態においては、前記対向する部分は、前記当接部への押圧を解除することで前記第2段の固定を解除するとともに、前記第2固定機構の作動を解除することで前記第3段の固定を解除する。
【0007】
[2]前記第2固定機構は、前記第2方向の一方側および他方側に移動可能である可動部を具備し、前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部は、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部よりも当該第1固定機構側の位置と、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部がある位置との間で移動可能であり、前記対向する部分は、前記固定状態においては、前記可動部を押圧することで、前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部が、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部よりも当該第1固定機構側に移動することを阻止し、前記解除状態においては、前記可動部への押圧を解除することで、前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部を第1固定機構側に移動可能にする[1]の三脚。
【0008】
[3]前記第1固定機構は、前記第1方向に沿って延在し、前記第2方向に沿って配列される第1部材および第2部材を含み、前記第2段は、前記第2部材を挟んで前記第1部材とは反対側において、当該第2部材に対向する位置にあり、前記第1部材は、前記操作部による操作で前記第1方向の一方側および他方側に移動可能であり、前記第2部材は、前記第2方向の一方側および他方側に移動可能であり、前記固定状態においては、前記第2部材は、前記解除状態よりも前記第1部材が前記第1方向の一方側に位置することで、前記当接部を押圧する位置で前記第1部材により固定され、前記解除状態においては、前記第2部材は、前記固定状態よりも前記第1部材が前記第1方向の他方側に位置することで、前記第1部材による固定が解除され、前記当接部への押圧を解除する[1]または[2]の三脚。
【0009】
[4]前記第1固定機構は、前記第1部材における前記第2部材と対向する面に設けられ、第1対向面を有する第1突起部と、前記第2部材における前記第1部材と対向する面に設けられ、前記第1対向面と対向する第2対向面を有する第2突起部とを含み、前記第1突起部のうち前記第2方向における幅が、前記第1方向における一方側の端部から他方側の端部に向かって連続的に大きくなり、前記第2突起部のうち前記第2方向における幅が、前記第1方向における一方側の端部から他方側の端部に向かって連続的に小さくなり、前記固定状態においては、前記第1突起部は、前記解除状態よりも前記第2突起部に対して前記第1方向における一方側に位置し、前記解除状態においては、前記第1突起部は、前記固定状態よりも前記第2突起部に対して前記第1方向における他方側に位置する[3]の三脚。
【0010】
[5]前記第2固定機構は、前記第2方向の一方側および他方側に移動可能である可動部と、前記第2段の内周面と前記第3段の外周面との間に位置し、前記可動部の移動に連動して前記第2方向の一方側および他方側に移動可能である固定部とを含み、前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部は、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部よりも当該第1固定機構側の位置と、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部がある位置との間で移動可能であり、前記対向する部分は、前記固定状態においては、前記可動部を押圧することで、前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部が、前記当接部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部よりも当該第1固定機構側に移動することを阻止し、前記解除状態においては、前記可動部への押圧を解除することで、前記可動部のうち前記第2方向における前記第1固定機構側の端部を当該第1固定機構側に移動可能にし、前記固定部は、前記固定状態においては、前記可動部が押圧されることで、前記第3段を前記第2段の内周面に向かって押圧して当該第3段を固定し、前記解除状態においては、前記可動部への押圧が解除されることで、前記第3段への押圧を解除して当該第3段の固定を解除する[4]の三脚。
【0011】
[6]前記第2固定機構は、前記第2段の一方側の端部から他方側の端部に向かって延在する軸部と、前記軸部と前記可動部とに接続される第1クランク部と、前記軸部と前記固定部とに接続される第2クランク部とを含み、前記軸部は、前記第1方向の一方側および他方側に移動可能なように、前記第1クランク部と前記第2クランク部とに接続され、前記第1クランク部は、前記可動部の移動に連動して前記軸部を前記第1方向の一方側または他方側に移動させ、前記第2クランク部は、前記軸部の移動に連動して前記固定部を前記第2方向の一方側または他方側に移動させる[5]の三脚。
【0012】
[7]伸縮可能である脚部であって、当該脚部の長さを調整できる解除状態と、当該脚部の長さが固定された固定状態とに切り替えられ、筒状の第1段と、前記第1段の内部に設けられ、前記第1段に対して相対的に移動可能であり、筒状の第2段と、前記第2段の内部に設けられ、前記第2段に対して相対的に移動可能である第3段と、前記第1段の内部に設けられ、前記第2段を前記第1段に対して固定するための第1固定機構と、前記第2段の内部に設けられ、前記第1固定機構に連動して作動し、前記第3段を前記第2段に対して固定するための第2固定機構と、前記解除状態と前記固定状態とを切り替える操作部とを具備し、前記第2方向に沿って前記第1固定機構と前記第1段の内周面との間に前記第2段が位置し、前記第1固定機構のうち前記第2段と対向する部分の位置が前記第2段に対して可変であり、前記第2段は、前記固定状態の場合に前記対向する部分と当接する当接部を含み、前記固定状態においては、前記対向する部分は、前記当接部を前記第1段の内周面に向かって押圧することで前記第2段を固定するとともに、前記第2固定機構を作動させることで前記第3段を固定し、前記解除状態においては、前記対向する部分は、前記当接部への押圧を解除することで前記第2段の固定を解除するとともに、前記第2固定機構の作動を解除することで前記第3段の固定を解除する脚部。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る三脚および脚部によれば、第1段と第2段と第3段とを含む脚部の伸縮を1個の操作部で可能である構成が簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る三脚(伸長した状態)の斜視図である。
【
図2】実施形態に係る脚部(伸長した状態)の斜視図である。
【
図3】実施形態に係る脚部(短縮した状態)の斜視図である。
【
図4】実施形態に係る第1段および第2段の内部の正面図である。
【
図5】実施形態に係る第1段および第2段の内部の正面図である。
【
図6】実施形態に係る固定状態における第1部材および第2部材の正面図である。
【
図7】実施形態に係る解除状態における第1部材および第2部材の正面図である。
【
図8】実施形態に係る第1部材および第2部材の側面図である。
【
図10】実施形態に係る第2段の内部(固定状態)の正面図である。
【
図11】実施形態に係る第2段の内部(固定状態)の背面図である。
【
図12】実施形態に係る第2段の内部(解除状態)の正面図である。
【
図13】実施形態に係る第2段の内部(解除状態)の背面図である。
【
図14】変形例に係る操作部(短縮した状態)の斜視図である。
【
図15】変形例に係る第1固定機構(固定状態)の正面図である。
【
図16】変形例に係る第1固定機構(解除状態)の正面図である。
【
図18】変形例に係る三脚(伸長した状態)の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本実施形態に係る三脚100の斜視図である。三脚100は、撮像装置(例えばカメラ)を保持するための器具である。
図1に例示される通り、三脚100は、3本の脚部Lを具備する。各脚部Lは、伸縮可能である。3本の脚部Lは、一方の端部側で相互に接続される。そして、3本の脚部Lが接続される部分には、撮像装置を設置するための各種の接続装置(例えば雲台)が設置される。以下の説明では、3本の脚部Lは同じ構成であるため、1本の脚部Lに着目して説明する。
【0016】
図2および
図3は1本の脚部Lに着目した斜視図である。
図2では、脚部Lが最も伸長した状態(以下「伸長状態」という)にあり、
図3では、脚部Lが最も短縮した状態(以下「短縮状態」という)にある。具体的には、脚部Lは、第1段10と第2段20と第3段30と操作部40とを具備する。
【0017】
図2に例示される通り、第1段10と第2段20と第3段30とは、それぞれX方向に沿って延在する軸状の部材である。第1段10と第2段20とは、それぞれ内部が中空の筒状の部材である。第1段10と第2段20と第3段30とのそれぞれの長さは、例えば20~70cm程度が想定される。
【0018】
第2段20は、第1段10の内部に設けられ、第3段30は、第2段20の内部に設けられる。第2段20が第1段10に挿通されていて、第3段30が第2段20に挿通されているとも換言できる。第2段20は、短縮状態ではほぼ全体にわたり第1段10の内部に位置し、伸長状態ではX方向の正側(上側)の端部のみが第1段10の内部に位置する。第3段30は、短縮状態ではほぼ全体にわたり第2段20の内部に位置し、伸長状態ではX方向の正側の端部のみが第2段20の内部に位置する。
【0019】
脚部Lは、
図3の短縮状態にある場合から、第1段10におけるX方向の負側(下側)の端部における開口から第2段20を引き出し、第2段20におけるX方向の負側の端部における開口から第3段30を引き出すことで、所望の長さに調整できる。以上の説明から理解される通り、第2段20は、第1段10に対して相対的に移動可能であり、第3段30は、第2段20に対して相対的に移動可能である。なお、X方向は、脚部Lが伸縮可能である「第1方向」の例示である。
【0020】
脚部Lは、当該脚部Lの長さを調整できる状態(以下「解除状態」という)と、脚部Lの長さが固定された状態(以下「固定状態」という)とに切り替えられる。具体的には、解除状態は、第2段20を第1段10に対して自由に移動でき、かつ、第3段30を第2段20に対して自由に移動できる状態である。一方で、固定状態は、第2段20と第3段30とが移動できない状態である。すなわち、固定状態では、脚部Lが所望の長さで固定され、その長さの変更が阻止されている状態である。
【0021】
操作部40は、解除状態と固定状態とを切り替えるための操作子である。なお、
図2および
図3では、便宜的に
図1とは異なる形状の操作部40を図示する。操作部40の詳細は後述する。利用者による操作部40に対する操作により、解除状態と固定状態とが切り替えられる。
【0022】
図4および
図5は、第1段10および第2段20の内部をX方向に直交するZ方向からみたときの正面図である。
図4では固定状態にある場合を図示し、
図5では解除状態にある場合を図示する。なお、
図4および
図5では、便宜的に第3段30の図示は省略する。以下の説明では、X方向とZ方向との双方に直交する方向をY方向と表記する。Y方向は、「第2方向」の例示である。
【0023】
脚部Lは、さらに、第1固定機構50と第2固定機構60とを具備する。第1固定機構50は、第2段20を第1段10に対して固定するための機構である。第2固定機構60は、第3段30を第2段20に対して固定するための機構である。第2固定機構60は、第1固定機構50に連動して作動する。すなわち、第2段20が固定されるとともに、第3段30が固定される。なお、脚部LにおけるX方向の正側(撮像装置が保持される側)の端部には、他の2本の脚部Lや接続装置と連結するための連結機構Kが適宜に設けられる。
【0024】
図4および
図5に例示される通り、第1固定機構50は、第1段10の内部に設けられる。第1固定機構50は、X方向に沿った長尺状の部材である。第1段10の内部において、第1固定機構50と第2段20とはY方向に沿って配列される。第2段20がY方向に沿って第1固定機構50と第1段10の内周面との間に位置するとも換言できる。
【0025】
本実施形態の第2段20は、基体部21と当接部22とを含む。基体部21は、X方向に沿って延在する部分であり、内部が中空の筒状である。当接部22は、固定状態の場合に第1固定機構50と当接する部分である。本実施形態では、基体部21におけるX方向の正側の端部に当接部22が位置する場合を例示する。Z方向からみたときに基体部21から張り出すように当接部22が設けられる。
図4および
図5では、当接部22のY方向の負側および正側の双方において基体部21から張り出す(突出する)場合を例示する。
【0026】
具体的には、第1固定機構50のうち第2段20と対向する部分(以下「対向部分」という)の位置が第2段20に対して可変である。本実施形態の対向部分は、第1固定機構50のうち第2段20と対向する面であるとも換言できる。第1固定機構50における対向部分がY方向の正側および負側(第2段20に近づく方向および離れる方向)に移動可能であるとも換言できる。本実施形態では、第1固定機構50における対向部分が第2段20に対して相対的に移動することで、固定状態と解除状態とが切り替えられる。
【0027】
以下、第1固定機構50の構成の一例を説明する。本実施形態の第1固定機構50は、第1部材51と第2部材52と第1突起部53と第2突起部54とを具備する。
【0028】
図4および
図5に例示される通り、第1部材51および第2部材52は、X方向に沿って延在する部材であり、Y方向に沿って配列される。すなわち、第1部材51と第2部材52とは、相互に対向する位置に設けられる。第1部材51および第2部材52のそれぞれの長さは、第1段10内に設置できれば特に限定されず、例えば20~70cm程度である。第1部材51は、第2部材52と対向する面(以下「第1面」という)F1を含む。同様に、第2部材52は、第1部材51と対向する面(以下「第2面」という)F2を含む。すなわち、第1面F1と第2面F2とが対向するように、第1部材51と第2部材52とが設置される。
【0029】
第2段20は、第2部材52を挟んで第1部材51とは反対側において、当該第2部材52に対向する位置にある。すなわち、第2部材52における第2面F2とは反対側の面(以下「当接面」という)F3が第2段20と対向する。当接面F3は、第2部材52のうち第1部材51とは反対側の面であるとも換言できる。本実施形態の当接面F3は、X-Z平面に平行な面である場合を例示する。したがって、本実施形態では、第1固定機構50の当接面F3が、対向部分に相当する。なお、本実施形態では、対向部分が、第1固定機構50のうちY方向(第2方向)における第2段20側の端部であるとも換言できる。
【0030】
本実施形態では、第2部材52(当接面F3)がY方向の正側および負側に移動可能である構成を例示する。なお、本実施形態では、第2部材52がX方向には移動しない場合を例示する。第2部材52(当接面F3)の位置が変化することで、第2段20と第3段30とがそれぞれ固定される。まず、第2段20を第1段10に対して固定する構成について説明する。
【0031】
固定状態では、第2部材52(すなわち当接面F3)の位置が固定された状態にある。具体的には、固定状態においては、当接面F3が第2固定機構60の当接部22を第1段10の内周面に向かって押圧する位置で、第2部材52が固定される。すなわち、当接部22から離れる方向に第2部材52(当接面F3)が移動することが阻止される。一方で、解除状態では、第2部材52の固定が解除される。すなわち、第2部材52が当接部22から離れる方向に移動可能な状態にある。当接部22は、第2段20のうち当接面F3(すなわち対向部分)と当接する部分である。
【0032】
本実施形態では、第1突起部53と第2突起部54とにより、第2部材52(当接面F3)の位置を変化させる。第1突起部53は、第1部材51における第1面F1に設けられる。第2突起部54は、第2部材52における第2面F2に設けられる。第1突起部53と第2突起部54とは、相互に対向するように設けられる。本実施形態では、第1突起部53と第2突起部54との組が複数ある場合を例示する。第1突起部53と第2突起部54との複数の組は、X方向に沿って所定の間隔で配置される。
【0033】
図6および
図7は、第1突起部53および第2突起部54をZ方向の負側からみたときの正面図である。
図6では固定状態の場合を図示し、
図7では解除状態の場合を図示する。
図8は、実施形態に係る第1突起部53および第2突起部54の側面図である。第1突起部53については、Y方向の負側からみたときの側面図であり、第2突起部54については、Y方向の正側からみたときの側面図である。第1突起部53および第2突起部54のX方向における長さは、任意であるが、例えば1~10cmである。
【0034】
図6から
図8に例示される通り、第1突起部53は、第2突起部54と対向する面(以下「第1対向面」という)T1を含み、第2突起部54は、第1対向面T1と対向する面(以下「第2対向面」という)T2を含む。
図8に例示される通り、Y方向からみたときに、第1突起部53および第2突起部54は、例えば長方形である。本実施系形態では、Z方向からみたときに第1対向面T1と第2対向面T2とが平行である場合を例示する。
【0035】
図6に例示される通り、第1突起部53のうちY方向における幅S1は、X方向における正側(「第1方向における一方側」の例示)の端部から負側(「第1方向における他方側」の例示)の端部に向かって連続的に大きくなる。一方で、第2突起部54のうちY方向における幅S2は、X方向における正側の端部から負側の端部に向かって連続的に小さくなる。なお、第1突起部53および第2突起部54におけるX方向における正側の端部とは、撮像装置が保持される側の端部であり、X方向における負側の端部とは、撮像装置が保持される側とは反対側の端部である。
【0036】
第1対向面T1と第2対向面T2とは、Z方向からみたときに相互に当接できるような傾斜面をなしている。Z方向からみたときに、第1対向面T1と第2対向面T2とについて、それぞれがY方向に平行な軸に対して傾いている角度を合計すると180°になるように、当該第1対向面T1と当該第2対向面T2とが傾斜するとも換言できる。すなわち、第1対向面T1と第2対向面T2とは、相互に180°回転させたときに同じ角度で傾斜する傾斜面である。第1対向面T1と第2対向面T2とが傾斜する角度は、第2部材52を移動させる距離(固定状態にある位置から解除状態にある位置までの距離)に応じて適宜に変更し得る。例えば、第1対向面T1が傾斜する角度(第1対向面T1とY方向に平行な軸とがなす角度)は、例えば30°~80°である。一方で、第2対向面T2が傾斜する角度(第2対向面T2とY方向に平行な軸とがなす角度)は、例えば100°~150°である。第1部材51の移動量が同じ場合には、第1対向面T1が傾斜する角度が小さいほど、第2部材52の移動距離は大きくなる。なお、本実施形態では、第1突起部53と第2突起部54とをZ方向からみたときの平面視における重心を中心として180°回転させたときに相互に同じ形状になる場合を例示する。ただし、第1突起部53の形状は、第1対向面T1を具備すれば任意であり、第2突起部54の形状は、第2対向面T2を具備すれば任意である。
【0037】
第1部材51は、操作部40による操作でX方向の正側(一方側)または負側(他方側)に移動可能である。第1部材51は、操作部40による操作でX方向の正側および負側に移動可能なように、操作部40に接続され、かつ、第1段10の内部に設置される。なお、本実施形態では、第1部材51がY方向の正側および負側には移動しない構成を例示する。
【0038】
第1部材51がX方向の正側または負側に移動することで、当該第1部材51に設置された第1突起部53もX方向に移動する。第1突起部53(第1対向面T1)は、第2突起部54(第2対向面T2)に対してX方向の正側または負側に移動可能である。
【0039】
第2突起部54に対して第1突起部53がX方向の正側に移動すると、第1突起部53のうちX方向の正側の端部よりも幅S1が大きい部分と、第2突起部54のうちX方向の負側の端部よりも幅S2が大きい部分とがそれぞれ対向することになる。第1突起部53は、第2部材52が当接部22に当接するまでX方向の正側に移動可能である。一方で、第2突起部54に対して第1突起部53がX方向の負側に移動すると、第1突起部53のうちX方向の負側の端部よりも幅S1が小さい部分と、第2突起部54のうちX方向の正側の端部よりも幅S2が小さい部分とがそれぞれ対向することになる。
【0040】
図4および
図6に例示される通り、固定状態においては、第2部材52(当接面F3)が第2段20を第1段10の内周面に向かって押圧することで、当該第2段20(当接部22)を固定する。第2部材52と第1段10の内周面とで挟み込むことで第2段20が固定される。すなわち、
図7の解除状態の場合よりも、第1突起部53の幅S1が大きい部分と、第2突起部54の幅S2が大きい部分とがそれぞれ対向することになる。そして、固定状態においては、第2部材52は、第1部材51により当接部22を押圧する位置で固定される(すなわち移動が阻止される)。すなわち、第2部材52および第2突起部54が、当接部22と第1突起部53との双方の間で挟みこまれて固定される。したがって、第2段20がX方向の正側または負側に移動することが阻止される。なお、固定状態では、第1対向面T1と第2対向面T2とは当接する状態にある。
【0041】
図5および
図7に例示される通り、解除状態においては、第2部材52による第2段20の押圧が解除された状態である。本実施形態の解除状態は、第1突起部53が固定状態よりも第2突起部54に対してX方向の負側に位置する状態である。すなわち、固定状態の場合よりも、第1突起部53の幅S1が小さい部分と、第2突起部54の幅S2が小さい部分とがそれぞれ対向することになる。したがって、第2部材52と当接部22との間と、第1突起部53と第2突起部54との間との少なくとも一方には間隔が生じる状態になる。すなわち、第2部材52は、第1部材51による固定が解除され、当接部22への押圧を解除する。解除状態において、第2部材52は、第2突起部54が第1突起部53に当接する位置と、当接面F3が当接部22に当接する位置との間で、自由に移動できる。
【0042】
以上の説明から理解される通り、第2部材52(第1固定機構50)が当接部22を押圧できる位置にある状態が固定状態であり、第2部材52(第1固定機構50)が当接部22を押圧していない位置にある状態が解除状態である。
【0043】
なお、
図7の解除状態から
図6の固定状態に切り替える場合には、利用者は、操作部40による操作で第1部材51(第1突起部53)を
図7の解除状態よりもX方向の正側に移動させる。第1部材51が、第1突起部53(第1対向面T1)が第2突起部54(第2対向面T2)に当接し、かつ、当接面F3が当接部22(Y方向における正側の端部221)を押圧する位置まで移動することで、
図6の固定状態になる。固定状態では、第1対向面T1と第2対向面T2との間に間隔がなく、かつ、当接面F3と当接部22との間にも間隔がない状態である。なお、当接部22における端部221は、当接部22のうちY方向における第1固定機構50側の端部であるとも換言できる。
【0044】
一方で、
図6の固定状態から
図7の解除状態に切り替える場合には、利用者は、操作部40による操作で第1部材51(第1突起部53)を固定状態よりもX方向の負側に移動させる。第1部材51を移動させると、
図7で例示される通り、第1対向面T1と第2対向面T2との間に間隔が生じる(すなわち第2部材52の固定が解除される)。したがって、第2部材52がその間隔に応じてX方向の負側に移動することができる。そして、第2部材52の固定が解除されることで、当該第2部材52による当接部22への押圧も解除される。なお、
図7では、第1対向面T1と第2対向面T2との間に間隔が生じる場合を図示したが、解除状態では、第1対向面T1と第2対向面T2との間、または、当接面F3と当接部22との間の少なくとも一方に間隔がある状態である。
【0045】
操作部40は、例えば、脚部Lのうち、X方向の正側(撮像装置側)の端部に設けられる。Z方向の負側の外周面に操作部40が設けられる。操作部40の構成は、第1部材51をX方向の正側および負側に移動させることが可能であれば、任意である。例えば、
図4および
図5に例示される通り、X-Y平面内で回転可能なように軸支された操作部40(レバー)が用いられる。
【0046】
図9は、操作部40に着目した図である。操作部40は、例えば、第1部材51に連結部Eを介して接続される。なお、操作部40は、第1段10における外周面側に位置し、連結部Eは、第1部材51とともに第1段10の内部に位置する。操作部40は、中心軸Pを中心に回転するように第1段10に設置される。連結部Eは、操作部40の回転に応じてX方向の正側または負側に移動するように、当該操作部40に連結される。そして、第1部材51は、連結部Eの移動に応じて、X方向の正側または負側に移動するように、当該連結部Eに連結される。第1部材51におけるX方向の正側の端部において、連結部Eが連結される。
【0047】
図5の解除状態における操作部40を
図4の固定状態における位置まで回転(例えば時計回りに回転)すると、連結部Eと操作部40とが連結されている部分がX方向の正側に移動することで、連結部EそのものがX方向の正側に移動する。したがって、連結部Eに連結された第1部材51もX方向の正側に移動する。
図4の固定状態における操作部40を
図5の固定状態における位置まで回転(例えば反時計回りに回転)すると、連結部Eと操作部40とが連結されている部分がX方向の負側に移動することで、連結部EそのものがX方向の負側に移動する。ただし、操作部40の構成は、以上の例示には限定されない。
【0048】
次に、第3段30を第2段20に対して固定する構成について説明する。
【0049】
図10および
図11は、固定状態における第2段20の内部をZ方向の負側からみたときの正面図およびZ方向の正側からみたときの背面図である。
図12および
図13は、解除状態における第2段20の内部をZ方向の負側からみたときの正面図およびZ方向の正側からみたときの背面図である。
【0050】
第2固定機構60は、上述した通り、第3段30を第2段20に対して固定するための機構であって、第1固定機構50に連動して作動する。第2段20の内部に、第3段30とともに第2固定機構60が設けられる。
【0051】
本実施形態の第2固定機構60は、可動部61と固定部62と軸部63と第1クランク部64と第2クランク部65とを具備する。
【0052】
軸部63は、第2段20の一方側(X方向の正側)の端部から他方側(X方向の負側)の端部に向かって延在する軸状の部材である。軸部63の長さは、第2段20内に設置できれば特に限定されず、例えば20~70cm程度である。軸部63は、例えばX方向に対して3~10°程度傾斜する方向に延在するように設けられるが、X方向に沿って延在するように設けてもよい。軸部63は、例えば第3段30よりもZ方向の正側に位置する。なお、軸部63は、例えば第3段30からみてZ方向の一方側(本実施形態では正側)に位置する。
【0053】
可動部61は、第1クランク部64を介して軸部63と接続される。固定部62は、第2クランク部65を介して軸部63と接続される。軸部63は、X方向の正側および負側に移動可能なように、第1クランク部64と第2クランク部65とに接続される。
【0054】
具体的には、可動部61は、第1固定機構50(第2部材52)の動きを、第1クランク部64を介して軸部63に伝えるための要素である。本実施形態の可動部61は、第2部材52における当接面F3と対向する面(以下「衝突面」という)F4を具備する。本実施形態では、可動部61のうちY方向における正側の端部(第1固定機構50側の端部)が衝突面F4に相当する。
【0055】
本実施形態の可動部61は、Y方向の負側および正側に移動可能な部材である。具体的には、可動部61のうちY方向における第1固定機構50側の端部(すなわち衝突面F4)は、当接部22における端部221よりも当該第1固定機構50側の位置(
図12,13の位置)と、当接部22における端部221がある位置(
図10,11の位置)との間で移動可能である。
【0056】
第2段20(基体部21)におけるX方向の正側の端部に可動部61が設けられる。具体的には、可動部61は、第2段20(基体部21)の側壁を貫通するように設けられる。第2段20の側壁を貫通した状態で、可動部61は移動可能である。
【0057】
図6,
図10,
図11に例示される通り、固定状態においては、第1固定機構50の当接面F3は、可動部61を押圧することで、可動部61の当接面F3が、当接部22の端部221よりも当該第1固定機構50側(Y方向の正側)に移動することを阻止する。本実施形態の固定状態は、第1部材51が、第1突起部53(第1対向面T1)が第2突起部54(第2対向面T2)に当接し、かつ、衝突面F4が当接部22における端部221がある位置にある状態である。衝突面F4が当接部22における端部221がある位置で、第2部材52が固定されている状態が固定状態であるとも換言できる。
【0058】
一方で、
図7,
図12,
図13に例示される通り、解除状態においては、第1固定機構50の当接面F3は、可動部61(衝突面F4)への押圧を解除することで、当該可動部61(衝突面F4)を第1固定機構50側(Y方向の正側)に移動可能にする。上述した通り、解除状態では、第1対向面T1と第2対向面T2との間、または、当接面F3と当接部22との間の少なくとも一方に間隔があり、第2部材52が移動可能になる。そして、第2部材52が移動可能になることで、当接部22への押圧が解除されるとともに、可動部61への押圧も解除される。
【0059】
なお、固定状態においては、衝突面F4は当接部22における端部221がある位置にあるが、解除状態においては、衝突面F4が当接部22における端部221よりも第1固定機構50側の位置にあることは必須ではない。解除状態においては、衝突面F4が当接部22の端部221よりもY方向の正側に移動可能な状態であればよい。ただし、典型的には、解除状態においては衝突面F4が当接部22における端部221よりも第1固定機構50側の位置にある。
【0060】
第1クランク部64は、可動部61の動きを軸部63に伝えるための要素である。軸部63と可動部61とに第1クランク部64が接続される。軸部63のうちX方向の正側の端部(撮像装置が保持される側の端部)に第1クランク部64が接続される。
【0061】
具体的には、第1クランク部64は、可動部61が第1固定機構50(第2部材52)に押圧されると、軸部63をX方向の正側に移動させる。第1クランク部64は、中心軸641を中心に回転可能なように第2段20に支持される。可動部61と軸部63とに接続された状態で第1クランク部64が回転可能である。なお、第1クランク部64の形状は、軸部63と可動部61に接続可能であり、可動部61の移動で回転することで軸部63をX方向の正側に移動させることが可能であれば、任意である。
【0062】
第2クランク部65は、軸部63の動きを固定部62に伝えるための要素である。軸部63と固定部62とに第2クランク部65が接続される。軸部63のうちX方向の負側の端部(撮像装置が保持される側とは反対側の端部)に第2クランク部65が接続される。
【0063】
具体的には、第2クランク部65は、軸部63の移動に連動して固定部62をY方向の正側または負側に移動させる。第2クランク部65は、中心軸651を中心に回転可能なように第2段20に支持される。固定部62と軸部63とに接続された状態で第2クランク部65が回転可能である。なお、第2クランク部65の形状は、軸部63と固定部62に接続可能であり、軸部63の移動で回転することで固定部62をY方向の正側または負側に移動させることが可能であれば、任意である。
【0064】
固定部62は、第3段30を固定するための部材である。Y方向に沿って第2段20の内周面と第3段30の外周面との間に固定部62が位置する。固定部62は、第3段30と対向する固定面F5を具備する。具体的には、固定部62は、可動部61の移動に連動して、Y方向の正側および負側に移動可能である。軸部63の動きが第2クランク部65を介して固定部62に伝えられる。なお、可動部61と固定部62とは、例えばゴム等の樹脂素材で形成される。なお、本実施形態において、固定面F5は、固定部62におけるY方向の負側(Y方向における第3段30側)の端部であるとも換言できる。
【0065】
固定状態においては、固定部62(固定面F5)は、当接面F3により可動部61が押圧されることで、第3段30を第2段20の内周面に向かって押圧して当該第3段30を固定する。固定部62が第3段30を第2段20の内周面に向かって押圧することで、固定部62と第2段20の内周面とに挟み込みこまれて第3段30が固定される。言い換えれば、固定状態では、第3段30を固定する位置に固定部62がある状態である。固定状態では、Y方向の負側に固定部62が移動することが阻止された状態である。
【0066】
一方で、解除状態においては、固定部62は、当接面F3による可動部61への押圧が解除されることで、第3段30への押圧を解除して当該第3段30の固定を解除する。固定状態では、解除状態よりも固定面F5がY方向の負側に移動可能な状態である。
【0067】
以上に説明した通り、可動部61と固定部62と軸部63と第1クランク部64と第2クランク部65とは、連動して移動する。
【0068】
なお、固定状態は、第2部材52(当接面F3)と可動部61と固定部62と軸部63と第1クランク部64と第2クランク部65との全てが移動を阻止されて固定された状態にあり、解除状態は、第2部材52(当接面F3)と可動部61と固定部62と軸部63と第1クランク部64と第2クランク部65との全てが連動して移動可能な状態にある。
【0069】
解除状態(
図12,
図13)から固定状態(
図10,
図11)に切り替わる場合の第2固定機構60の動作を説明する。まず、
図12,
図13の状態から、第2部材52により可動部61が押圧されてY方向の負側に移動すると、第2段20が固定されるとともに、第1クランク部64が回転(例えば時計回りに回転)する。そうすると、軸部63がX方向の正側に移動する。軸部63の移動に連動して第2クランク部65が回転(例えば反時計回りに回転)することで、固定部62(固定面F5)がY方向の正側に移動する。そして、固定部62が第3段30を押圧することで、第3段30が固定される。
【0070】
次に、固定状態(
図10,
図11)から解除状態(
図12,
図13)に切り替わる場合の第2固定機構60の動作を説明する。まず、
図10,
図11の状態から、第2部材52による当接部22への押圧(第2段20の固定)が解除されると、軸部63はX方向の負側に移動可能な状態になる。軸部63が移動可能になると、第2クランク部65が回転(例えば時計回りに回転)可能になることで、固定部62(固定面F5)もY方向の負側に移動可能になる。そして、固定部62による押圧が解除されることで、第3段30の固定が解除される。したがって、第3段30の移動が自由になる。なお、軸部63がX方向の負側に移動すると、第1クランク部64も回転(例えば反時計回りに回転)し、可動部61が
図12,
図13の位置まで自由に移動可能になる。
【0071】
以上の説明から理解される通り、固定状態においては、第1固定機構50の当接面F3は、第2段20の当接部22を第1段10の内周面に向かって押圧することで第2段20を固定するとともに、第2固定機構60を作動させることで第3段30を固定する。一方で、解除状態においては、第1固定機構50の当接面F3は、当接部22への押圧を解除することで第2段20の固定を解除するとともに、第2固定機構60の作動を解除することで第3段30の固定を解除する。
【0072】
すなわち、本実施形態では、第2段20を固定するための第1固定機構50が作動することで、第2固定機構60が作動する。すなわち、第2固定機構60が第1固定機構50に連動して作動する。第2段20を固定するための要素と、第3段30を固定する第2固定機構60を作動させるための要素として、第1固定機構50が機能するとも換言できる。したがって、利用者は、第1固定機構50を操作することで、第2段20と第3段30との双方を固定することができる。
【0073】
本実施形態では、第1段10内に設けた第1固定機構50(第2部材52)の当接面F3の位置が当該第2段20に対して可変であり、当該当接面F3が移動することで、固定状態(すなわち第2段20と第3段30とが固定された状態)と、解除状態(すなわち第2段20と第3段30とが自由に移動できる状態)とを切り変えることができる。したがって、例えば、第1段10と第2段20との双方の内部にわたり延在する要素(例えばケーブル)を用いて固定状態と解除状態とを切り変える構成(以下「比較例」という)と比較して、第1段10内に設けられた第1固定機構50により固定状態と解除状態とを切り替えられるから、三脚100の構成が簡素化される。なお、比較例は、例えば特許文献2の三脚である。
【0074】
解除状態において当接部22の端部221よりも第1固定機構50側(Y方向の正側)に移動可能である衝突面F4(第1固定機構50側の端部)を具備する本実施形態の可動部61によれば、解除状態から固定状態に切り替える際に、第1固定機構50の当接面F3が第2段20の当接部22に加えて可動部61も押圧することが可能になる。したがって、例えば当接部22と可動部61とを押圧するための要素が別個である構成と比較して、第1固定機構50の構成が簡素化されるという利点がある。
【0075】
本実施形態では、第1部材51をX方向の正側に移動させることで、当接部22を押圧できる位置に第2部材52(当接面F3)を移動させることができる。ここで、例えば、第1固定機構50そのものを、当接部22を押圧できる位置に移動させる構成では、第1固定機構50を移動させるための構成が大型化する可能性がある。それに対して、本実施形態によれば、第1固定機構50の対向部分(第2部材52の当接面F3)を移動させることで、当接部22を押圧できるから、当接部22を押圧するための構成が簡素化される。ただし、本発明には、第1固定機構50そのものを、当接部22を押圧できる位置に移動させる構成も含まれる。また、第2部材52が第1段10の長さ方向にわたり延在することで、第2段20を所望の位置で強固に固定できるという利点もある。
【0076】
第1部材51に第1突起部53を設けて、第2部材52に第2突起部54を設けることで、第1部材51の移動に連動して第2部材52を移動させる本実施形態の構成によれば、例えばクランク(中心軸を中心に回転する機構)を用いて第1部材51の移動を第2部材52に伝える構成と比較して、第2部材52を移動するための構成が簡素化される。さらには、第1突起部53と第2突起部54とは、第1対向面T1と第2対向面T2とが当接した状態で、第2段20を固定するから、第2段20を固定する強度も高いという利点もある。
【0077】
本実施形態では、可動部61の移動に連動して移動する固定部62が第3段30を押圧することで、当該第3段30を固定部62と第2段20の内周面との間に挟みこみ固定することができる。したがって、例えば、第3段30に対して相互に反対側から当該第3段30を押圧する位置まで移動することで第3段30を挟みこむ2個の部材を具備する第2固定機構と比較して、第2固定機構60の構成が簡素化されるという利点がある。ただし、第3段30を挟みこむ2個の部材を第2固定機構60が具備する構成も本発明には包含される。
【0078】
また、本実施形態では、軸部63と当該軸部63に接続される第1クランク部64および第2クランク部65とを介して、固定部62が可動部61に連動して移動する。したがって、軸部63の長さ方向の任意の位置に、固定部62と可動部61とを設けることができる。ひいては、本実施形態のように、軸部63のX方向の正側の端部と負側の端部とにそれぞれ固定部62と可動部61とを設けることができる。
【0079】
<変形例>
以上に例示した形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜に併合することも可能である。
【0080】
(1)操作部40の形状は、解除状態と固定状態とを切り替えることが可能であれば任意である。例えば、
図2および
図3に例示する操作部40も採用される。
図2および
図3では、固定状態にある場合の操作部40が図示されている。一方で、
図14は、操作部40が解除状態(
図3に対応する図)にある場合の図である。
図3および
図14に例示される通り、変形例に係る操作部40は、第1段10に対して離れる方向および近くづく方向に回転するように回転軸41に軸支されている。第1部材51は、
図9の場合と同様に、例えば、操作部40の回転に応じてX方向の正側または負側に移動するように、連結部を介して連結される。以上の説明から理解される通り、操作部40は回転可能に軸支されていて、当該操作部40の回転に連動して第1部材51がX方向の正側または負側に移動する(すなわち当接面F3の位置が変化する)構成が好適である。以上の構成によれば、利用者が簡便な操作で固定状態と解除状態とを切り替えることができる。ただし、本発明において、回転可能な操作部40を用いることは必須ではない。
【0081】
また、操作部40を設ける位置は、第1段10におけるX方向の正側の端部には、限定されない。例えば、第1段10におけるX方向の負側の端部に操作部40を設けてもよい。
【0082】
(2)前述の形態では、当接部22が基体部21におけるX方向の正側の端部に位置する構成を例示したが、当接部22の構成は以上の例示には限定されない。例えば、基体部21におけるX方向の正側の端部以外の部分に当接部22が位置する構成や、複数の当接部22を具備する構成も採用される。また、第2部材52における長さ方向の全体が第1固定機構50と当接してもよい。以上の説明から理解される通り、固定状態の場合に第1固定機構50と当接し、解除状態の場合に第2段20の移動を阻害しなければ、当接部22の形状および位置は任意である。同様に、固定状態の場合に第2段20と当接し、解除状態の場合に第2段20の移動を阻害しなければ、第1固定機構50(第2部材52)の形状も任意である。
【0083】
図15および
図16は、変形例に係る第1固定機構50をZ方向の負側からみたときの正面図である。
図15では、固定状態にある場合が図示され、
図16では解除状態にある場合が図示されている。
図15および
図16に例示される通り、変形例に係る第1固定機構50は、第2部材52における当接面F3に突起部521を具備する。突起部521は、例えば、第2部材52におけるX方向の負側の端部に設けられる。変形例では、当接面F3(突起部521が形成されている部分を除く)と、突起部521のうち当接面F3とは反対側の表面523との双方が対向部分の例示である。なお、変形例では、突起部521のうち当接面F3とは反対側の端部(表面523)が、第1固定機構50のうちY方向(第2方向)における第2段20側の端部に相当する。
【0084】
固定状態では、突起部521が第2段20を押圧して、当該第2段20を突起部521と第2段20の内周面とで挟み込むことで、第2段20を固定する。すなわち、変形例では、第2段20(基体部21)の外周面における任意の位置(突起部521と当接する部分)が当接部22に相当する。なお、可動部61は、前述の各形態と同様に、第2部材52の当接面F3により押圧される。一方で、解除状態においては、突起部521は、第2段20への押圧を解除することで、第2段20の固定を解除する。変形例では、第2段20(当接部22)は突起部521に押圧され、可動部61は当接面F3に押圧される。すなわち、本発明において、第1固定機構50のうちY方向における第2段20側の端部が可動部61を押圧することは必須ではない。
【0085】
対向部分は、
図4,
図5の例示では当接面F3である。
図15,
図16の例示においては、当接面F3および突起部521の端部(表面523)の双方が対向部分の例示である。すなわち、
図15,16の対向部分(第2段20と対向する面)は、第1部分(例えば当接面F3のうち突起部521が形成される部分以外の領域)と、当該第1部分よりも第2段20側に近い位置にある第2部分(例えば突起部521の表面523)とを含み、当該第1部分が可動部を押圧し、当該第2部分が第2段を押圧するとも換言できる。以上の構成によれば、第2段20の任意の位置を対向部分(突起部521の表面523)が押圧することで第2段20を固定できるという利点がある。なお、
図4,5の構成では、当接部22の位置が固定であり、第2部材52の当接面F3のうち当接部22に当接する位置が可変であったのに対して、
図15,
図16の構成では、当接部22の位置が可変であり、第2部材52のうち当接部22に当接する位置が固定であるとも換言できる。
【0086】
なお、
図4,
図5の構成は、第1固定機構50のうちY方向(第2方向)における第2段20側の端部(当接面F3)の位置が第2段20に対して可変であり、第2段20は、固定状態の場合に第1固定機構50の端部(当接面F3)と当接する当接部22を含み、固定状態においては、第1固定機構50の端部(当接面F3)は、当接部22を第1段10の内周面に向かって押圧することで第2段20を固定するとともに、第2固定機構60を作動させることで第3段30を固定し、解除状態においては、第1固定機構50の端部(当接面F3)は、当接部22への押圧を解除することで第2段20の固定を解除するとともに、第2固定機構60の作動を解除することで第3段30の固定を解除する三脚100としても観念できる。
【0087】
(3)第1部材51の形状は、第1突起部53を設けることができれば任意である。なお、第1部材51は、X方向の双方側に移動可能なように第1段10の内周面に支持される。同様に、第2部材52の形状は、第2突起部54を設けることができれば任意である。なお、第2部材52は、Y方向の双方側に移動可能なように第1段10の内周面に支持される。
【0088】
(4)前述の形態では、可動部61が押圧されると軸部63がX方向の正側に移動することで、固定部62が第3段30を押圧する第2固定機構60を例示したが、可動部61が押圧されると軸部63がX方向の負側に移動することで、固定部62が第3段30を押圧するような第2固定機構60を採用してもよい。
【0089】
(5)第1固定機構50の構成は、当接面F3(Y方向における第2段20側の端部)の位置が第2段20に近づく方向および離れる方向に移動可能であり、固定状態および解除状態を切り替えることが可能であれば、以上の例示には限定されない。同様に、第2固定機構60の構成は、第1固定機構50が第2段20を固定することで作動し、かつ、第3段30を固定できれば、以上の例示には限定されない。
【0090】
(6)前述の形態では、衝突面F4を有する可動部61を例示したが、可動部61の形状は以上の例示には限定されない。
図17は、変形例に係る可動部61の正面図(
図10対応する図)である。
図17に例示される通り、可動部61は、例えばベアリングでもよい。以上の説明から理解される通り、可動部61の形状は、解除状態において、Y方向における第1固定機構50側の端部が、当接部22のうちY方向における第1固定機構50側の端部よりも当該第1固定機構50側に位置すれば、任意である。
【0091】
(7)前述の形態では、固定面F5を有する固定部62を例示したが、固定部62の形状は以上の例示には限定されない。固定部62の形状は、第2段20の内周面との間で第3段30を固定することが可能であれば任意である。
【0092】
(8)前述の形態において、三脚100は、第1段10、第2段20および第3段30に加えて、その他の段を含んでもよい。例えば、第3段30に対して相対的に移動可能な第4段を三脚100が含んでもよい。
【0093】
(9)
図10および
図12に例示される通り、第2段20の内周面のうち第3段30を挟んで固定部62とは反対側の部分に、第3段30が当接する部分Hを設けてもよい。当該部分Hは、第2段20の内周面から第3段30側に突出するように設けられる。
【0094】
(10)なお、第1突起部53と第2突起部54との組の個数は、任意であり、1個でもよい。また、第1対向面T1の全体にわたり1個の第1突起部53を設け、第2対向面T2の全体にわたり1個の第2突起部54を設けてもよい。第1突起部53と第2突起部54との複数の組を設ける場合には、
図4のように、各組を相互に間隔をあけて設ける。第1突起部53と第2突起部54との複数の組を設ける構成によれば、第2部材52を安定して移動させることができる。
【0095】
(11)前述の形態では、第1突起部53の幅S1が、X方向の正側(撮像装置が保持される側)の端部から負側(撮像装置が保持される側と反対側)に向かって大きくなり、第2突起部54の幅S2が、X方向における正側の端部から負側の端部に向かって小さくなる構成を例示したが、第1突起部53の幅S1がX方向の正側から負側に向かって小さくなり、第2突起部54の幅S2がX方向における正側の端部から負側の端部に向かって大きくなる構成も採用される。以上の構成では、第1部材51をX方向の負側に向かって移動させると、第2部材52(当接面F3)が第2段20に近づくように移動する。
【0096】
(12)前述の形態では、可動部61が第2段20におけるX方向の正側の端部に設けられる構成を例示したが、可動部61の位置は、第3段30の移動を阻害しなければ、以上の例示には限定されない。同様に、固定部62の位置は、第2段20におけるX方向の負側の端部には限定されない。ただし、固定部62が第2段20におけるX方向の負側の端部に位置する構成によれば、固定部62が第2段20におけるX方向の正側に位置する構成と比較して、第3段30をより伸長した状態で固定できるという利点がある。
【0097】
(13)
図18は、変形例に係る三脚100の斜視図(
図1に対応する図)である。各脚部Lにおける端部(撮像装置とは反対側の端部)には、スプレッダー500を設置して使用してもよい。
【符号の説明】
【0098】
10 :第1段
20 :第2段
21 :基体部
22 :当接部
30 :第3段
40 :操作部
41 :回転軸
50 :第1固定機構
51 :第1部材
52 :第2部材
53 :第1突起部
54 :第2突起部
60 :第2固定機構
61 :可動部
62 :固定部
63 :軸部
64 :第1クランク部
65 :第2クランク部
100 :三脚
221 :端部
500 :スプレッダー
521 :突起部
523 :表面
641 :中心軸
651 :中心軸
E :連結部
F1 :第1面
F2 :第2面
F3 :当接面
F4 :衝突面
F5 :固定面
K :連結機構
L :脚部
P :中心軸
T1 :第1対向面
T2 :第2対向面