(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152052
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A63F5/04 603E
A63F5/04 697
A63F5/04 611A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065975
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】長村 友和
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 秀明
(72)【発明者】
【氏名】乗田 惇史
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CA10
2C182CD22
2C182CD23
2C182CD40
2C182CE11
(57)【要約】
【課題】作業者が違和感を抱く可能性が低減された遊技機を提供する。
【解決手段】遊技価値に関する処理を実行する際に操作される操作手段(例えば計数ボタン212)と、音を出力可能な音出力手段(例えばスピーカ14)と、前記音出力手段からの音の出力を制御する演出制御手段(例えば演出制御手段100)と、を備え、前記演出制御手段は、所定の操作が行われたことに基づき動作確認を実行し、前記動作確認に係る音を前記音出力手段から出力させることが可能であり、前記動作確認の実行中に前記操作手段が操作された場合には、前記操作手段の操作に対応する音を前記音出力手段から出力可能である。
【選択図】
図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値に関する処理を実行する際に操作される操作手段と、
音を出力可能な音出力手段と、
前記音出力手段からの音の出力を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の操作が行われたことに基づき動作確認を実行し、前記動作確認に係る音を前記音出力手段から出力させることが可能であり、
前記動作確認の実行中に前記操作手段が操作された場合には、前記操作手段の操作に対応する音を前記音出力手段から出力可能である、遊技機。
【請求項2】
エラーを検出可能なエラー検出手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記エラーが検出された場合には、前記エラーの発生を報知する音を所定の音量で前記音出力手段から出力させ、
前記動作確認の実行中に前記操作手段が操作された場合には、前記操作手段の操作に対応する音を前記所定の音量で出力させる、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記音出力手段から出力される音の音量を調整可能な音量調整手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記動作確認の実行中に前記操作手段が操作された場合には、前記操作手段の操作に対応する音を前記音量調整手段の設定に応じた音量で前記音出力手段から出力させる、請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球(遊技価値)が移動する遊技領域や、遊技球を遊技領域に発射する発射装置等を備えた、パチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機は、遊技領域に設けられた始動口を備え、始動口への遊技球の進入が検出されると、特別図柄抽選が行われる。特別図柄抽選の結果が大当たりである場合、遊技状態が特別遊技状態に移行し、特別遊技状態において複数回の特別遊技が実行される。各特別遊技では遊技領域に設けられている大入賞口が開状態に動作し、大入賞口への遊技球の進入に基づいて遊技球が払い出される。
【0003】
また、遊技機として、外周面に複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバーおよびストップボタン等を備えた、スロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始操作に基づきリールの回転が開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。各リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが表示され、当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、遊技価値を付与する払出処理や、遊技価値を新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0004】
また、この種の遊技機には、作業者がランプやスピーカ等のデバイスの動作チェックを行うことが可能なものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技機では、作業者が違和感を抱く可能性を低減することが求められている。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、作業者が違和感を抱く可能性が低減された遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
遊技価値に関する処理を実行する際に操作される操作手段(例えば計数ボタン212)と、
音を出力可能な音出力手段(例えばスピーカ14)と、
前記音出力手段からの音の出力を制御する演出制御手段(例えば演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の操作が行われたことに基づき動作確認を実行し、前記動作確認に係る音を前記音出力手段から出力させることが可能であり、
前記動作確認の実行中に前記操作手段が操作された場合には、前記操作手段の操作に対応する音を前記音出力手段から出力可能である。
【0009】
動作確認(デバイスチェック)が実行され、動作確認に係る音が出力されている状況であっても、遊技価値に関する処理を実行する際に操作される操作手段が操作された場合には、その操作手段の操作に対応する音が出力されるようになっている。このため、作業者は動作確認中に当該操作手段を操作してしまった場合、そのことに気付くことができる。また、遊技価値に関する処理が実行されるにも関わらず操作音が出力されない場合、作業者が違和感を抱く可能性があるが、本構成によればそのような可能性を低減できる。これにより、作業者が違和感を抱く可能性が低減された遊技機を提供できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業者が違和感を抱く可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図3】同、遊技機および専用ユニットを正面から見た図である。
【
図4】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図5】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図6】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
【
図7】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図8】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図9】同、入賞役と図柄組合せとの関係を説明するための図である。
【
図11】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図13】同、デモ演出中に表示される表示について説明する図である。
【
図14】同、デモ演出中に表示される表示の別の例について説明する図である。
【
図15】同、デモ演出中に表示される表示の別の例について説明する図である。
【
図16】同、デモ演出中に表示される表示の別の例について説明する図である。
【
図17】同、下パネルの表示について説明する図である。
【
図18】同、下パネルの構成について説明する分解斜視図である。
【
図19】同、下パネルを構成するシートの概略断面図である。
【
図20】同、下パネルの表示の別の例について説明する図である。
【
図21】同、下パネルを構成する前パネルのシボについて説明する図である。
【
図22】同、本発明を適用可能な別の遊技機の正面図である。
【
図23】同、
図22に示す遊技機の上パネルの表示について説明する図である。
【
図24】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機で実行される計数処理について示すフローチャートである。
【
図25】同、遊技機で実行されるスピーカに係るデバイスチェックについて説明する図である。
【
図26】同、遊技機のエラー音の音量について説明する図である。
【
図27】同、遊技機で検出され得るメインエラーについて説明する図である。
【
図28】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機で検出されるメダル数制御エラーについて説明する図である。
【
図29】本発明の第4の実施の形態に係る遊技機で実行されるエラーの報知について説明する図であり、(a)はEHエラーが検出された場合を示し、(b)はEYエラーが検出された場合を示す。
【
図30】本発明の第5の実施の形態に係る遊技機で実行される所持数警告について説明する図である。
【
図31】同、遊技機の遊技機情報通知、計数通知、貸出通知および貸出受領結果応答の通知タイミングを示したタイミングチャートである。
【
図32】同、遊技機で行われる貸出受付可否判定を示すフローチャートである。
【
図33】本発明の第6の実施の形態に係る遊技機と、試射試験機との接続について説明する図である。
【
図34】同、遊技機の試験信号の出力について説明する図であり、(a)は第1パターンを示し、(b)は第2パターンを示し、(c)は第3パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施形態の遊技機は、遊技媒体としての遊技メダルを用いずに電子的情報としての遊技価値を用い、遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりすることによって遊技が行われる遊技機10となっている。遊技機10(
図1)は、いわゆるスマートパチスロット(登録商標)(スマスロ(登録商標))となっている。
遊技機10は、遊技を行う際に物理的なメダルを投入し、役の入賞によって物理的なメダルが払い出される従来のスロットマシンとは異なり、物理的なメダルを用いずに電子的情報としての遊技価値を用い、遊技によって遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりする遊技機(メダルレス遊技機)となっている。なお、メダルレス遊技機における遊技価値は、従来のスロットマシンにおける遊技価値であるメダルに対応し、メダルレス遊技機における遊技価値は仮想的なメダル(電子化メダル)と解すことができるため、本実施形態における遊技価値をメダル(遊技メダル)と称してもよい。また、以下では、遊技価値の数を仮想的なメダルの数と捉え、遊技価値の数を「~枚」あるいは「~個」と示す場合がある。
【0013】
以下の説明においては、基本的に「前後」とは、遊技機10の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技機で遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0014】
図1は、遊技機10を正面側から見た斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の遊技機10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉(前扉)12とを備えている。前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。なお、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分かれていない一体の構造であってもよい。筐体11内には、各部品に電力を供給するための電源装置(電源手段)を内蔵した電源ユニット等が設けられている。電源ユニットは、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態(投入状態)になると、電源ユニットから各部品に電力が供給されるようになっている。なお、一部の部品には、電源ユニットがOFF状態(切断状態)でも電力が供給されるようになっていてもよい。
また、筐体11内には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニット、後述するメイン制御手段31、後述するサブ制御手段32、等が設けられている。
【0015】
リールユニットは、各リール20a~20cに対応して設けられたステッピングモータ19a~19cと、各リール20a~20cに対応して設けられたインデックスセンサ21a~21cと、を有している。各ステッピングモータ19a~19cは、各リール20a~20cを回転させる。ステッピングモータ19a~19cは、4相のステッピングモータである。各ステッピングモータ19a~19cは、ロータと、第1相のコイル、第2相のコイル、第3相のコイルおよび第4相のコイルを有するステータとを備えている。各ステッピングモータ19a~19cは、一のコイルをオンにする1相励磁パルスを供給するステップと、一のコイルおよび隣接する他のコイルをオンにする2相励磁パルスを供給するステップとを交互に繰り返す1-2相励磁により、励磁パルスの1ステップ更新により半ステップ角(2ステップ更新により1ステップ角)ずつ変位し、504ステップ更新(252ステップ角の変位)で、各リール20a~20cを一回転させている。ステッピングモータ19a~19cは、1ステップ角が約1.43°、励磁パルスを1ステップ更新する割込み時間tが1.49msとなっている。また、各インデックスセンサ21a~21cは、各リール20a~20cの内側に取り付けられた半円帯状のインデックスのエッジを検知する。そして、このインデックスセンサ21a~21cによる検知情報に基づいて、リール20a~20cの回転および停止に係る制御等が行われる。
【0016】
上扉12aの略中央には、演出装置としての液晶ディスプレイ(表示手段)13が設けられている。液晶ディスプレイ13には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(演出画像)が表示される。また、下扉12bには、演出装置としてのスピーカ(音出力手段)14が設けられている。スピーカ14からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の演出音(音楽、効果音、音声等)が出力される。なお、スピーカ14は上扉12aにも設けられていてもよい。また、前扉12には、報知や演出などを行うためのランプ(照明装置、照明手段、外周ランプ)38が設けられている。なお、演出装置として、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などが設けられていてもよい。
【0017】
また、上扉12aには表示窓16が設けられている。表示窓16(後述する第1表示領域13a)の奥には、リールユニットが、その一部が表示窓16を介して視認可能となるように配置されている。各リール20a~20cは、外周面が一定の間隔で20コマ(20の領域)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配置されている。換言すると、各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されている。また、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を介して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態では、第1リール20aの上段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されている。
【0018】
本実施形態では、1回の遊技に関して必要な遊技価値の数(規定数、規定枚数)が、3枚に設定されており、規定数の遊技価値が投入されると、有効ラインが有効化される。遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。すなわち、リール20a~20cが停止したときに表示窓16を介して表示される図柄の組合せによって当選役が入賞したか否かが表示される。有効ラインは、当選役の入賞を判定するためのラインということができる。
【0019】
液晶ディスプレイ13は、リール20a~20cを備えるリールユニットの前方側に配置されている。液晶ディスプレイ13は、その表示面に所定の表示(表示物)を表示させることにより、演出を実行可能となっている。表示物(オブジェクト)とは、例えば、人物、動物、乗り物、建造物、自然物(例えば岩、木など)、文字、背景、模様、図柄、その他の液晶ディスプレイ13上に表示されるもの(画像)のことをいう。
液晶ディスプレイ13は、表示領域として、正面(前方)から見た場合にリール20a~20cと重畳しない表示領域であるリール外表示領域(第2表示領域13b)と、正面(前方)から見た場合にリール20a~20cと重畳する表示領域であるリール前表示領域(第1表示領域13a)と、を有している。第2表示領域13bは、第1表示領域13aを囲むように形成されている。液晶ディスプレイ13は、透過型の液晶ディスプレイとなっており、第1表示領域13a(透過領域)の後方にある部材を視認可能な状態とすることができるようになっている。第1表示領域13aは、透明な状態と表示物(演出画像)を表示した状態とを含む複数の状態を有している。第1表示領域13aが透明な状態においては、リール20a~20cの図柄が視認可能な状態となる。また、第1表示領域13aが表示物(演出画像)を表示した状態においては、リール20a~20cの前方に演出画像が表示される。なお、第1表示領域13aが表示物を表示した状態において、リール20a~20cの図柄は視認可能(視認容易)となっていてもよく、視認不可能(視認困難)となっていてもよい。このように第1表示領域13aは、リール20a~20cの図柄が視認可能で、かつ演出用の画像を表示可能な領域となっている。
図1では、第1表示領域13aが3つの区切られた領域からなっているものとしたが、これに限らず、横長の1つの長方形状の領域であってもよい。
【0020】
第2表示領域13bは、液晶ディスプレイ13の表示領域のうち、第1表示領域13aを除いた部分となっている。第2表示領域13bは、演出用の画像を表示可能となっている。また、第2表示領域13bと第1表示領域13aとにわたって一つのまとまりのある画像を表示することも可能となっている。なお、第2表示領域13bは、透明な状態を有さず、後方にある部材を透過させて視認可能とすることはできないようになっている。
なお、液晶ディスプレイ13は透過型の液晶ディスプレイでなくてもよく、リール20a~20cが、液晶ディスプレイ13(第1表示領域13a)を介して視認されるものでなくてもよい。表示窓16が透明なパネル(表示物の表示ができない)に設けられていて、その表示窓16を介してリール20a~20cが視認されるようになっていてもよい。
【0021】
各リール20a~20cの外周面には、
図2に示すように、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」、ベル図柄A「BLA」、ベル図柄B「BLB」、リプレイ図柄「RP」、青BAR図柄「青BAR」、赤BAR図柄「赤BAR」、赤7図柄「赤7」、特殊図柄A「SPA」および特殊図柄B「SPB」、の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0022】
図1において、図示を省略しているが、表示窓16の下方には、遊技情報表示部が設けられている。遊技情報表示部は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、1回の遊技における遊技価値の払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。遊技情報表示部は、第1メイン表示器、第2メイン表示器およびサブ表示器を備えている。また、遊技情報表示部は、有利区間表示器を備えていてもよい。
【0023】
下扉12b(の操作部設置台)には、遊技価値をベット(投入)する際に操作されるベットボタン23、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させる際に操作されるストップボタン(停止操作手段)26(26a,26b,26c)、演出を進行させる際等に操作される演出ボタン(演出操作手段)25、等が設けられている。なお、ベットボタン23として、3枚(規定枚数)の遊技価値をベットする際に操作されるMAXベットボタン(第1ベットボタン)と、1枚の遊技価値をベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)と、が設けられていてもよい。
【0024】
演出ボタン25は、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作される。演出ボタン25は、押下操作可能に形成されており、押下されると、例えば液晶ディスプレイ13に表示される演出画像の態様が変化する。演出ボタン25を設け、所定の契機でその操作を有効にすることで、遊技者の遊技への参加意識を高めるとともに、遊技の興趣を向上させることができる。演出ボタン25は、例えば、遊技者にとって有利な状態に移行することを期待させる演出の実行中に操作が有効な状態となり、その操作を指示する画像が液晶ディスプレイ13に表示される。そして、演出ボタン25が操作されると、遊技の結果(例えば有利な状態へ移行するか否か)が報知される。なお、演出ボタン25は、ボタン状に限らず、レバー状等であってもよく、遊技者の操作を検知可能に構成されていればよい。
【0025】
また、下扉12bには、ドアキーシリンダ69が設けられている。ドアキーをドアキーシリンダ69に挿入することで下扉12b(前扉12)を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ69に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、下扉12bの解錠が行えるようになっている。なお、ドアキーシリンダ69に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作を行うことができるようになっていてもよい。
【0026】
また、下扉12bには、下パネル91が設けられている。下パネル91の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源から照射される光によって下パネル91が背後から照らされるようになっている。
【0027】
遊技機10の側方(右側方)には、
図3に示すように、遊技価値を貸し出す装置としての専用ユニット(遊技価値貸出装置、遊技メダル貸出装置、所定の装置)200が設けられている。また、専用ユニット200の前面には、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口201、カード(遊技価値管理媒体)を挿入/排出可能なカード挿入/排出口202、貸出ボタン(貸出操作手段)203、再プレイボタン(貸出操作手段)204およびカード返却ボタン205等が設けられている。カードは、遊技者の所有する遊技価値数を管理するのに用いられる。換言すると、カードによって、遊技者の所有する遊技価値数が把握可能となっている。また、カードは、プリペイド残高を記憶可能になっていてもよい。なお、カードによる遊技価値数の管理は、遊技価値数をカード自体に記憶することにより行われてもよく、遊技価値数は遊技場等に設置された所定の管理装置等に記憶しておき、当該管理装置等に記憶された遊技価値数とカードに記憶された識別情報(遊技者のIDや各カード固有の識別番号等)とを紐づけておくことなどにより行われてもよい。
【0028】
専用ユニット200では、貸出ボタン203に対する操作(押下操作)が遊技価値を遊技機10に転送する貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられる。貸出ボタン203が押下されると、紙幣挿入口201に挿入された紙幣あるいはカードにプリペイド残高として記憶されている記憶値等を消費して、所定数(例えば50枚)の遊技価値が遊技機10にクレジットされるようになっている。また、専用ユニット200では、再プレイボタン204に対する操作(押下操作)が遊技価値を遊技機10に転送する貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられる。再プレイボタン204が押下されると、カードによって管理されている遊技者の所有する遊技価値(カードに紐づけられている遊技価値)を消費して、所定数(例えば50枚)の遊技価値が遊技機10にクレジットされるようになっている。すなわち、本実施形態では、貸出操作手段としての貸出ボタン203または再プレイボタン204に対する操作が、貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられ、貸出操作に基づいて、専用ユニット200から遊技機10に所定数の遊技価値が転送(貸出)されるようになっている。
【0029】
図1に示すように、下扉12bには、遊技メダル数表示装置(遊技価値数表示装置、遊技価値数表示器)211と、計数ボタン212と、精算ボタン218と、が設けられている。遊技メダル数表示装置211と計数ボタン212は、下扉12bの側方(右側)に設けられている。専用ユニット200での貸出操作に基づき、遊技機10では、所定数の遊技価値に相当する値がクレジット(記憶手段60における遊技価値数記憶領域66(クレジット記憶領域)の記憶値)に設定される。遊技価値数記憶領域66の記憶値は、クレジット数(貯留数、所持数)ということもできる。クレジット数(遊技に使用可能な遊技メダル数)は、遊技メダル数表示装置211に表示される。遊技メダル数表示装置211は、5桁(または6桁)の7セグメント表示器を有しており、当該7セグメント表示器によって、クレジット数が表示されるようになっている。なお、遊技機10では、クレジット数の上限は、例えば、遊技メダル数表示装置211に表示可能な値の範囲内で設定されていてもよい。遊技機10では、遊技価値がクレジット記憶された状態でベットボタン23が操作されると、規定数を限度として、クレジット記憶された遊技価値が投入状態に設定される。
【0030】
後述する遊技価値数制御手段55(
図4)は、遊技価値数記憶領域66に記憶される遊技価値の数に関する制御を行う。なお、遊技価値数記憶領域66は、メイン制御手段31の記憶手段60ではなく、遊技価値数制御手段55の記憶手段(メモリ58)に設けられていてもよい。遊技価値数制御手段55は、所定の役(小役)が入賞し、所定数の遊技価値が付与されることに基づき、当該所定数分、クレジット数を増加させる。また、遊技価値数制御手段55は、遊技の開始に際し遊技価値を投入する操作(ベットボタン23の操作)が行われると、投入された遊技価値数分、クレジット数を減少させる。遊技メダル数表示装置211には、所持数(クレジット数)からベット数が減算された値が表示される。
【0031】
また、遊技価値数制御手段55は、専用ユニット200から遊技機10に転送される遊技価値を受信する制御を行う。遊技価値数制御手段55は、専用ユニット200から遊技機10に遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、クレジット数を増加させる。また、遊技価値数制御手段55は、遊技機10から専用ユニット200に遊技価値を転送する制御を行う。遊技価値数制御手段55は、遊技機10から専用ユニット200に遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、クレジット数を減少させる。また、遊技価値数制御手段55は、クレジット記憶された遊技価値の数(クレジット数)を遊技メダル数表示装置211に表示させ、クレジット数の増減に従って遊技メダル数表示装置211の表示内容を変化させる。
【0032】
計数ボタン212は、所定数のクレジット(クレジット数の全部または一部)に相当する値を示す情報(クレジット)を専用ユニット200へ送信(返却、転送)する際に操作されるボタンである。計数ボタン212は押圧部(操作部)を備えており、押圧部が押下操作可能に形成されている。遊技者が遊技を終了する場合等に、計数操作(返却操作)としての計数ボタン212に対する操作(押下操作)に基づき、クレジットされた遊技価値を遊技機10から専用ユニット200へ転送することが可能となっている。そして、遊技価値を専用ユニット200へ転送後にカード返却ボタン205(
図3)に対する操作(押下操作)が行われると、遊技者の所有する遊技価値数を把握可能とするカードが専用ユニット200(カード挿入/排出口202)から排出される。
【0033】
上述のとおり、専用ユニット200での貸出操作に基づき所定数の遊技価値(遊技メダル)が、遊技機10に付与される(クレジット数が加算される)。次に、ベットボタン23が操作されると、規定数を限度として遊技価値が投入状態に設定され、投入状態に設定された遊技価値数(遊技メダル数)に相当する値が、クレジット数から減算される。すなわち、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技価値数が減少する。
【0034】
規定数の遊技価値が投入状態に設定されると、スタートレバー24の操作が有効な状態、すなわち遊技を開始可能な状態となる。次に、有効化されたスタートレバー24に対する遊技開始操作が行われると、各リール20a~20cの回転が開始される。次に、リールの回転速度が所定の速度まで上昇して定常回転状態となると、ストップボタン26a~26cの操作が有効な状態となる。次に、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、対応するリールの回転が停止する。次に、すべてのリール20a~20cの回転が停止すると、遊技の結果に応じて、所定数の遊技価値を付与する(クレジットに加算する)処理や、遊技価値を新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理(リプレイ処理)等が行なわれ、1回の遊技(1遊技)が終了する。また、計数ボタン212が操作されると、所定数のクレジット(遊技メダル)が専用ユニット200へ送信(返却)される。そして、専用ユニット200においてカード返却操作が行われると、所定の情報が記憶されたカードが、専用ユニット200から排出される。
【0035】
なお、遊技機10において遊技価値が投入状態(ベット)に設定されている状態で、精算ボタン218を操作(押下)すると、投入された遊技価値がクレジットに返却される。精算ボタン218は、ベットボタン23の操作により投入された(投入状態に設定された)遊技価値をクレジット(遊技価値数記憶領域66)に返却する際に操作されるボタンとなっている。換言すると、精算ボタン218の操作に基づき、投入状態に設定された遊技価値をクレジットに返却する処理(投入返却処理)が実行される。投入返却処理は、遊技価値の投入状態の設定が解消され、投入状態に設定されていた遊技価値数に相当する値が、クレジット数(遊技価値数記憶領域66の記憶値)に加算される処理である。投入状態に設定されている遊技価値が存在する状態で精算ボタン218が操作されると、それに基づき遊技価値がクレジットに返却され(戻され)、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技メダル数が増加することとなる。
【0036】
図4に示すように、遊技機10と専用ユニット200とは、遊技球等貸出装置接続端子板90を介して接続されている。遊技球等貸出装置接続端子板90は、遊技機10と専用ユニット200とを接続するための接続端子板である。遊技機10は、遊技の進行を制御するメイン制御手段(主制御基板)31、遊技の進行に応じた演出を制御するサブ制御手段(副制御基板)32、遊技価値の数に関する制御を行う遊技価値数制御手段(遊技価値数制御基板)55、等を備えている。なお、本実施形態では、遊技価値数制御手段55は、メイン制御手段31とは別に設けられているものとするが、遊技価値数制御手段55はメイン制御手段31と一体的に形成されていてもよい。
【0037】
メイン制御手段31には、設定変更キーシリンダや設定変更ボタン等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや設定変更ボタンは、例えば、電源ユニット等の、他の部分に設けられていてもよい。設定変更キーシリンダ(設定キースイッチ)は、OFF状態とON状態との2つの状態を有している。換言すると、OFF状態とON状態とを切り替え可能となっている。設定変更キーシリンダは、設定キーを挿入可能に形成されている。設定変更キーシリンダは、初期状態ではOFF状態となっている。挿入された設定キーが初期位置から時計回りに90度回転されると、設定変更キーシリンダの状態がOFF状態からON状態に切り替わる。設定変更キーシリンダの状態がON状態となる位置から初期位置となるように設定キーが反時計回りに90度回転されると、ON状態からOFF状態に切り替わるようになっている。また、設定変更ボタンは、押下操作が可能となっている。
【0038】
メイン制御手段31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御手段32は、メイン制御手段31から送られてくる信号や演出ボタン25等の入力手段からの入力信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13やスピーカ14等の演出装置の制御を行う。
【0039】
また、メイン制御手段31とサブ制御手段32とは電気的に接続されており、メイン制御手段31からサブ制御手段32へは遊技状態を示す情報等、各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御手段32からメイン制御手段31へは情報を送信できないようになっている。また、メイン制御手段31やサブ制御手段32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0040】
メイン制御手段31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60(主記憶手段、メインメモリ)と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。また、サブ制御手段32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段(サブメモリ)72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0041】
演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0042】
投入受付手段40は、遊技ごとに遊技価値の投入を受け付けて、規定数の遊技価値が投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。投入受付手段40は、遊技価値がクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされた遊技価値を投入状態に設定する。なお、本実施形態では、有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0043】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有する遊技価値を新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、遊技価値の投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされた遊技価値を投入状態に設定しないようにする。
【0044】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0045】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数の遊技価値の付与を受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、遊技価値を新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技価値を使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0046】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、
図5に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0047】
図5に示すように、本実施形態では、小役として、小役1~小役45が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして、「小役ALL」、「中配当ALL」、「1枚ALL」、「打順ベルA1」~「打順ベルA8」、「打順ベルC1」~「打順ベルC8」、「打順ベルD1」~「打順ベルD4」、「弱スイカ」、「強チェ」、「弱チェ」、「共通1枚A」、「共通1枚B」および「1枚1」~「1枚4」が用意されている。また、小役1~小役8、小役13~小役16は入賞すると15枚の遊技価値が付与される15枚役となっている。また、小役9~小役12、小役39は入賞すると3枚の遊技価値が付与される3枚役となっている。また、小役17~小役20は入賞すると10枚の遊技価値が付与される10枚役となっている。また、小役21~小役38、小役40、小役41、小役43、小役45は入賞すると1枚の遊技価値が付与される1枚役となっている。また、小役42、小役44は入賞すると8枚の遊技価値が付与される8枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」、「打順ベルC1」~「打順ベルC8」および「打順ベルD1」~「打順ベルD4」をまとめて打順ベルと呼ぶことがある。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」をまとめて打順ベルA(目押し打順ベル、12択ベル)と呼び、当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC8」をまとめて打順ベルCと呼び、当選エリア「打順ベルD1」~「打順ベルD4」をまとめて打順ベルDと呼ぶことがある。
【0048】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役45)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「中配当ALL」は、小役9~小役12、小役39が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役21~小役38、小役40、小役41、小役43、小役45が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」は、1種類の15枚役と、1種類の3枚役と、複数種類の1枚役と、が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC8」は、1種類の10枚役と、複数種類の1枚役と、が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベルD1」~「打順ベルD4」は、1種類の15枚役と、複数種類の1枚役と、が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「弱スイカ」は、複数種類の8枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強チェ」は、1枚役(小役40)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「弱チェ」は、3枚役(小役39)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚1」~「1枚4」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0049】
また、本実施形態では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ12が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「択リプ1」~「択リプ8」、「択リプ11」~「択リプ14」、「択リプ21」~「択リプ22」、「揃いリプ」、「通常リプ1」、「チャンス目」、「強スイカ」および「通常リプ2」が用意されている。
【0050】
当選エリア「択リプ1」~「択リプ8」、「択リプ11」~「択リプ14」、「択リプ21」~「択リプ22」、「揃いリプ」、「通常リプ1」、「チャンス目」、「強スイカ」および「通常リプ2」は、複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0051】
また、本実施形態では、ボーナスとして、ビッグボーナス(RBB:特別役)が用意されている。また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「共通1枚A」、「共通1枚B」および「1枚1」~「1枚4」は、ビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「共通1枚A」、「共通1枚B」および「1枚1」~「1枚4」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようになっている。
なお、本実施形態では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0052】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0053】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図5では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「中配当ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」、「打順ベルC1」~「打順ベルC8」、「打順ベルD1」~「打順ベルD4」、「弱スイカ」、「択リプ1」~「択リプ8」、「択リプ11」~「択リプ14」、「択リプ21」~「択リプ22」、「揃いリプ」、「通常リプ1」、「チャンス目」、「強スイカ」、「通常リプ2」、「強チェ」、「弱チェ」、「共通1枚A」、「共通1枚B」および「1枚1」~「1枚4」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0054】
また、本実施形態では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0055】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0056】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0057】
また、遊技機10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0058】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、遊技機10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態で遊技機10の電源が投入されると、設定変更手段47は、遊技機10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっている。本実施形態では、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように、内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいて遊技機10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→設定3→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。本実施形態では、設定変更モードにおいて第1メイン表示器に選択中の設定値が表示されるようになっている。なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0059】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、遊技機10を遊技モードで起動する。本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。メイン制御手段31は、設定確認手段を備えていてもよい。設定確認手段は、電源が投入された状態における遊技モードにおいて、設定変更キーシリンダに設定キーが挿入され、設定キーが初期位置から時計回りに90度だけ回転されると、遊技機(遊技機10)を遊技モードから設定確認モードへ移行させ、液晶ディスプレイ13や遊技情報表示部等を介して現在の設定値を報知する処理(設定報知処理)を行う。設定確認モードでは、液晶ディスプレイ13に設定確認モードである旨を報知する画像(例えば「設定参照中」という文字)が表示される。また、設定確認モードでは、遊技情報表示部における第1メイン表示器に、現在設定されている設定値が表示される。設定確認モードでは現在の設定値を参照(報知)することはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。また、設定確認モードでは設定値を参照することはできるが、設定値の変更を行うことはできないようになっている。
【0060】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御手段32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御手段31から送信されると、サブ制御手段32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0061】
リール制御手段43は、メイン制御手段31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0062】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。遊技機10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0063】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また、打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0064】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。また、「打順1」と「打順2」とをまとめて「左押し」と呼び、「打順3」と「打順4」とをまとめて「中押し」と呼び、「打順5」と「打順6」とをまとめて「右押し」と呼ぶことがある。また、「中押し」と「右押し」とをまとめて「変則押し」と呼ぶことがある。
【0065】
また、本実施形態では、第1リール20a~第3リール20cについて、ストップボタン26a~26cが操作された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。また、各ストップボタン26a~26cの操作時点から各リール20a~20cが停止するまでに最大で4コマ分(4図柄分)リールが回転可能となっている。そして、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cの外周面上において、当選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が、停止操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)内に位置する場合に、当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上に表示されるように、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを停止させる制御を行う。換言すると、リール制御手段43は、停止操作が行われたストップボタン26a~26cに対応するリール20a~20cを、停止操作が行われた時点で有効ライン上に位置している図柄から4個隣にある図柄までのいずれかの図柄が有効ライン上に表示されるように停止させる。
【0066】
また、ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を示す図柄組合せを構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0067】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める方法(個数優先制御)と、遊技価値の払出数に応じて優先順位を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める個数優先制御を実行する場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置(図柄)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。遊技価値の払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める枚数優先制御を実行する場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づく遊技価値の払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。なお、遊技価値の払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0068】
図6は、RBB内部中状態において打順ベルが当選した場合における、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。打順ベルには、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。
【0069】
「打順ベルA1」~「打順ベルA8」(打順ベルA、目押し打順ベル)の各当選エリアは、1通りの第1正解打順と、1通りの第2正解打順と、4通りの不正解打順とが定められている。第1正解打順と第2正解打順とでは、最初に停止させるべきリール(最初に停止操作するべきストップボタン)が同一となっている。
【0070】
「打順ベルA1」~「打順ベルA8」の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解操作態様(特定操作態様)で操作がされると正解小役(15枚役または3枚役)が入賞し得るようになっており、正解操作態様とは異なる操作態様(不正解操作態様)で操作がされると正解小役(15枚役または3枚役)が入賞せず、1枚役が入賞し得るようになっている。正解小役は、1遊技に対してベットされる遊技価値以上の遊技価値が獲得可能な小役となっている。また、失敗小役(後述する)は、1遊技に対してベットされる遊技価値未満の遊技価値が獲得可能な小役となっている。本実施形態では、打順ベルAが当選した際における正解操作態様には、15枚役を入賞させることが可能な第1正解操作態様と、3枚役を入賞させることが可能な操作態様を第2正解操作態様と、がある。
【0071】
RBB内部中状態において「打順ベルA1」~「打順ベルA8」のうちのいずれかの当選エリアが当選した場合に、第1正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、15枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度(優先順位)が最も高くなるように優先度が求められ、第2正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、3枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められ、不正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、1枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。
【0072】
打順ベルAのうち、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA4」は、第1正解操作態様で停止操作がされた場合、すなわち第1正解打順で操作がされ、かつ特定のタイミング(正解押下タイミング)で所定の停止操作(第1停止操作)がされた場合、換言すると、第1正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリールにおける特定の図柄(第1特定図柄:青BAR図柄「青BAR」)が含まれる所定範囲内の図柄(例えば
図2で「青」と示した図柄番号0~9のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている(15枚役の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示される停止態様でリール20a~20cが停止するようになっている)。換言すると、第1正解打順で操作をし、かつ、第1特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。
【0073】
打順ベルAのうち、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA4」は、第2正解操作態様で停止操作がされた場合、すなわち(1)第1正解打順で操作がされ、かつ前記特定のタイミングとは異なるタイミング(不正解押下タイミング)で所定の停止操作(第1停止操作)がされた場合、すなわち第1正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリールにおける特定の図柄(第1特定図柄)が含まれない所定範囲内の図柄(例えば
図2で「赤」と示した図柄番号10~19のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、あるいは(2)第2正解打順で操作がされた場合、3枚役が入賞するようになっている。本実施形態において「第2正解操作態様」には、第1正解打順で操作したが第1停止操作のタイミングが不適切であった(目押しに失敗した)態様と、第2正解打順で操作した態様と、がある。
【0074】
打順ベルAのうち、当選エリア「打順ベルA5」~「打順ベルA8」は、第1正解操作態様で停止操作がされた場合、すなわち第1正解打順で操作がされ、かつ特定のタイミング(正解押下タイミング)で所定の停止操作(第1停止操作)がされた場合、換言すると、第1正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリールにおける特定の図柄(第2特定図柄:赤BAR図柄「赤BAR」)が含まれる所定範囲内の図柄(例えば
図2で「赤」と示した図柄番号10~19のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、15枚役が入賞するようになっている。換言すると、第1正解打順で操作をし、かつ、第2特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、15枚役を入賞させることが可能となっている。
【0075】
打順ベルAのうち、当選エリア「打順ベルA5」~「打順ベルA8」は、第2正解操作態様で停止操作がされた場合、すなわち(1)第1正解打順で操作がされ、かつ前記特定のタイミングとは異なるタイミング(不正解押下タイミング)で所定の停止操作(第1停止操作)がされた場合、すなわち第1正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリールにおける特定の図柄(第2特定図柄)が含まれない所定範囲内の図柄(例えば
図2で「青」と示した図柄番号0~9のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合、あるいは(2)第2正解打順で操作がされた場合、3枚役が入賞するようになっている。
【0076】
当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」は、不正解操作態様で停止操作がされた場合、すなわち不正解打順で操作がされた場合、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0077】
当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA4」は、互いに異なる打順が正解打順(第1正解打順および第2正解打順)に設定されている。また、当選エリア「打順ベルA5」~「打順ベルA8」は、互いに異なる打順が正解打順(第1正解打順および第2正解打順)に設定されている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA4」と、当選エリア「打順ベルA5」~「打順ベルA8」とでは、第1正解打順で操作を行う際における、15枚役の入賞を可能とする停止操作(第1停止操作)のタイミングが異なっている。
【0078】
また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA8」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順(第1正解打順および第2正解打順)に設定されており、打順1および打順2は正解打順に設定されていない。なお、
図6における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば「1枚(1/4)」という表記は、1/4の確率で1枚役が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0079】
「打順ベルC1」~「打順ベルC8」(打順ベルC)の各当選エリアは、正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順となっている。「打順ベルC1」~「打順ベルC8」の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順(正解操作態様)で操作がされると10枚役(正解小役)が入賞するようになっており、正解操作態様とは異なる操作態様(不正解操作態様、不正解打順)で操作がされると正解小役(10枚役)が入賞せず、1枚役が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの当選エリアが当選した場合に、正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、10枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められ、不正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、1枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。
【0080】
当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC8」は、正解操作態様で操作がされると、10枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC8」は、不正解操作態様で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0081】
上述のとおり、打順ベルAは、第1正解操作態様で操作がされた場合、すなわち第1正解打順で操作がされ、かつ特定のタイミング(正解押下タイミング)で所定の停止操作(第1停止操作)がされた場合、15枚役が入賞する。一方、打順ベルCは、正解操作態様(正解打順)で停止操作がされた場合、10枚役が入賞する。打順ベルC当選時の正解操作態様は、打順ベルA当選時における第1正解操作態様と異なり、ストップボタン26の押下タイミングに関わらず正解小役を入賞させることが可能となっている。
【0082】
当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC4」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「打順ベルC5」~「打順ベルC8」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。また、当選エリア「打順ベルC1」~「打順ベルC8」は、打順3から打順6のいずれかが正解打順に設定されており、打順1および打順2は正解打順に設定されていない。
【0083】
また、「打順ベルC1」~「打順ベルC4」の各当選エリアは、一般中状態において当選したときには、RBB内部中状態であれば10枚役が入賞する打順(正解打順)で停止操作がされても10枚役は入賞せず、1枚役が入賞するようになっている。
【0084】
「打順ベルD1」~「打順ベルD4」(打順ベルD)の各当選エリアは、正解打順は2通りに定められており、他の4通りの打順は不正解打順となっている。具体的には、打順1および打順2が正解打順となっており、打順3~打順6が不正解打順となっている。「打順ベルD1」~「打順ベルD4」の各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順(正解操作態様)で操作がされると15枚役(正解小役)が入賞するようになっており、正解操作態様とは異なる操作態様(不正解操作態様、不正解打順)で操作がされると正解小役(15枚役)が入賞せず、1枚役が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの当選エリアが当選した場合に、正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、15枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められ、不正解操作態様でストップボタン26a~26cが押下されると、1枚役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。
【0085】
当選エリア「打順ベルD1」~「打順ベルD4」は、正解操作態様で操作がされると、15枚役が入賞するようになっている。また、当選エリア「打順ベルD1」~「打順ベルD4」は、不正解操作態様で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0086】
当選エリア「打順ベルD1」~「打順ベルD4」は、同じ打順(打順1および打順2)が正解打順に設定されており、同じ打順(打順3~打順6)が不正解打順に設定されている。
【0087】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。本実施形態における有効ライン上に表示される図柄組合せと入賞となる役(小役)との対応関係を
図7、
図8および
図9に示す。
図7に示すように、例えば、第1リール20aの上段にスイカ図柄「WM」が停止し、第2リール20bの中段にベル図柄A「BLA」が停止し、第3リール20cの下段にリプレイ図柄「RP」が停止した場合には、小役1が入賞となる。
【0088】
メイン制御手段31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理(遊技価値付与処理)を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0089】
ここで、払出処理(遊技価値付与処理)は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数の遊技価値を付与する処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて遊技価値の付与数を決定し、決定された付与数の遊技価値を付与する。具体的には、払出制御手段45は、決定された遊技価値の付与数を示す情報を、遊技価値数制御手段55に送信し、遊技価値数制御手段55にクレジット加算処理を実行させる。遊技価値数制御手段55は、遊技価値数記憶領域66の記憶値(クレジット数)に、当該付与数を加算する処理(クレジット加算処理)を行う。
【0090】
本実施形態では、小役1~小役8、小役13~小役16に入賞すると15枚の遊技価値が付与され、小役9~小役12、小役39に入賞すると3枚の遊技価値が付与され、小役17~小役20に入賞すると10枚の遊技価値が付与され、小役21~小役38、小役40、小役41、小役43、小役45に入賞すると1枚の遊技価値が付与され、小役42、小役44に入賞すると8枚の遊技価値が付与されるようになっている。15枚役は、10枚役、8枚役、3枚役および1枚役よりも配当の大きい役となっている。1枚役は、15枚役、10枚役、8枚役および3枚役よりも配当の小さい役となっている。15枚役、10枚役、8枚役は、入賞した場合に、1遊技に対しベットされる遊技価値よりも多数の遊技価値を獲得できる役(遊技の開始に必要となる遊技価値の投入数よりも入賞した場合の遊技価値の付与数が大きい役)ということができる。また、15枚役、10枚役、8枚役、3枚役は、入賞した場合に、1遊技に対しベットされる遊技価値以上の遊技価値を獲得できる役ということができる。また、1枚役は、入賞した場合に1遊技に対しベットされる遊技価値以下の(よりも少ない)数の遊技価値を獲得できる役ということができる。
【0091】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技価値の投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分の遊技価値を自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入された遊技価値の数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、遊技価値を追加投入することはできないようになっている。
【0092】
遊技状態制御手段49は、
図10に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0093】
また、上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0094】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「中配当ALL」および「1枚ALL」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0095】
RBB内部中状態(第1遊技状態)は、内部抽選でビッグボーナス(特別役)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「中配当ALL」および「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0096】
RBB作動中状態(第2遊技状態)は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「中配当ALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において付与された遊技価値の合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数を超える遊技価値が付与されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件が遊技価値の付与数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またRBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0097】
図4に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、例えば打順ベルが当選した場合に、正解打順(正解操作態様)を報知して所定の役(正解小役)の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が指示演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、指示演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。なお、指示演出を行う場合には、遊技情報表示部の7セグメント表示器にも指示演出で報知される操作態様に対応する表示(情報)が表示される。
【0098】
遊技区間制御手段80は、
図11に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間の終了条件が成立すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0099】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づき、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0100】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に1回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「4000」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させてもよい。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が4000回に設定されていて、有利区間において4000回を超える遊技が連続して行なわれないようになっていてもよい。なお、本実施形態では、有利区間での遊技回数が所定回数(例えば4000回)に達したことに基づいて、有利区間の終了条件が成立しないようになっている。
【0101】
遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値を遊技価値の差枚数によって更新し、遊技価値の付与数に相当する値(例えば15枚の遊技価値の付与があった場合には「15」とし、いずれの役も入賞せずに遊技価値の付与がなかった場合には「0」とする)から遊技に使用された遊技価値の投入数に相当する値(例えば3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。
本実施形態では、差枚数カウンタ64の記憶値は有利区間移行時(有利区間開始時)の初期値「0」を下回ることがあるように制御される。例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずに遊技価値の払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回る。本実施形態では、有利区間において獲得可能な遊技価値数には上限値が設定されていて、有利区間移行時(有利区間開始時)を基準として、当該基準からの遊技価値の増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了する(有利区間の終了条件が成立する)ようになっている。なお、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当する遊技価値の払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際の遊技価値の投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当する遊技価値の投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0102】
有利区間表示器は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。なお、有利区間表示器は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0103】
演出状態制御手段81は、
図11に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態、第1CZ演出状態、第1AT演出状態、第2CZ演出状態および第2AT演出状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0104】
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のとおり特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に移行させる。
【0105】
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。また、通常演出状態は、CZ演出状態(第1CZ演出状態および第2CZ演出状態)やAT演出状態(第1AT演出状態および第2AT演出状態)に比べて、指示演出が実行される頻度が低く、指示演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている(遊技価値の獲得に対する期待値が低くなっている)。
【0106】
通常演出状態では、特典付与手段82は、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に基づき、第1CZ演出状態への移行可否を決定する抽選(第1CZ抽選)を行う。通常演出状態において、第1CZ抽選に当選した場合、演出状態制御手段81は、演出状態を第1CZ演出状態へ移行させる。なお、例えば、通常演出状態における遊技回数に上限(いわゆる天井)を設定し、通常演出状態において所定回数(例えば500回)の遊技が実行されると、演出状態制御手段81が、演出状態を第1CZ演出状態へ移行させることとしてもよい。
【0107】
第1CZ演出状態(第1チャンス演出状態)において、所定の条件が達成されると、特典付与手段82は、遊技者にとって有利な特典としての第1AT演出状態への移行の権利を付与するようになっている。そして、第1AT演出状態への移行の権利が付与されたことに基づき、演出状態制御手段81は、演出状態を第1AT演出状態へ移行させる。すなわち、第1CZ演出状態において、演出状態制御手段81は、所定の契機で演出状態を第1AT演出状態に移行させ得る。例えば、第1CZ演出状態において、特典付与手段82が内部抽選の結果に基づき(例えば所定の役(当選エリア)の当選に基づき)第1AT演出状態への移行可否を決定する抽選(第1AT抽選)を行い、第1AT抽選に当選した場合に、所定の条件が達成されたものとし、第1AT演出状態への移行の権利を付与することとしてもよい。
【0108】
演出状態制御手段81は、第1CZ演出状態の終了条件が成立すると(例えば第1CZ演出状態において所定回数の遊技が行われると)、第1CZ演出状態を終了させる。演出状態制御手段81は、第1CZ演出状態の終了時に第1AT演出状態への移行の権利が付与されているか否かを判定し、当該権利が付与されている場合、演出状態を第1AT演出状態へ移行させる。一方、当該権利が付与されていない場合、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、第1CZ演出状態の終了時に、演出状態を通常演出状態へ移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)場合があってもよい。
【0109】
本実施形態では、第1CZ演出状態において指示演出が実行され得るが、AT演出状態(第1AT演出状態および第2AT演出状態)に比べて、指示演出が実行される頻度は低くなっている。なお、指示演出が実行される頻度が低いとは、指示演出が全く行われない場合を含むものであってもよい。
【0110】
第1AT演出状態において、指示機能制御手段51は、所定の当選エリア(打順ベル)の当選に基づき、正解操作態様を報知する指示演出の実行を決定する。指示演出の実行が決定されると、演出制御手段100は指示演出を実行する。なお、第1AT演出状態において実行される指示演出の詳細については後述する。演出制御手段100は、正解操作態様を報知して、所定の役(正解小役)の入賞を補助する指示演出を、液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる。指示演出で報知された正解操作態様に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると、所定の役(正解小役)が入賞し得る。
【0111】
第1AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられた第1AT終了判定カウンタ67の記憶値に基づいて管理されている。指示機能制御手段51は、演出状態が第1AT演出状態へ移行する場合に、第1AT終了判定カウンタ67に設定する値を決定する。換言すると、指示機能制御手段51は、演出状態が第1AT演出状態へ移行する場合に、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる。さらに換言すると、指示機能制御手段51は、演出状態が第1AT演出状態へ移行する場合に、第1AT終了判定カウンタ67に、第1AT演出状態の継続期間に係る値を設定する。
【0112】
指示機能制御手段51は、第1AT演出状態における遊技の進行に応じて、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値を減少させる。そして、演出状態制御手段81は、第1AT演出状態において第1AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達すると、第1AT演出状態の終了条件が成立したとして、第1AT演出状態を終了させる。
【0113】
本実施形態では、指示機能制御手段51は、第1AT演出状態へ移行する場合に、第1AT終了判定カウンタ67に、第1AT演出状態において実行可能な遊技回数に相当する値(例えば50)を設定する。指示機能制御手段51は、第1AT演出状態において1回の遊技が行われる毎に、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値から、1回分の遊技に相当する値「1」を減算する処理を行う。演出状態制御手段81は、第1AT演出状態において第1AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達すると、第1AT演出状態の終了条件が成立したとし、第1AT演出状態を終了させる。
【0114】
なお、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値は、例えば、第1AT演出状態において獲得可能な遊技価値の付与数を表すものとしてもよく、実行可能な第1AT演出状態のセット数(第1ATセット数)を表すものとしてもよく、第1AT演出状態において実行可能な指示演出の回数(ナビ回数)を表すものとしてもよい。換言すると、第1AT演出状態が開始される場合に、第1AT終了判定カウンタ67に獲得可能な遊技価値の付与数や、第1ATセット数や、ナビ回数等を設定するとともに、第1AT演出状態において、遊技価値が付与される毎、1セットの第1AT演出状態が行われる毎あるいは指示演出が行われる毎等の、所定契機で第1AT終了判定カウンタ67の記憶値を更新し、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値に達したことに基づいて、第1AT演出状態を終了させることとしてもよい。
【0115】
特典付与手段82は、第1AT演出状態において、所定契機で第1AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させるか否か決定する(第1AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選の結果に基づいて第1AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させてもよい。
【0116】
第1AT演出状態において、所定の条件が達成されると、特典付与手段82は、遊技者にとって有利な特典としての第2CZ演出状態への移行の権利を付与するようになっている。詳細は後述するが本実施形態では、第1AT演出状態よりも遊技者にとって有利な第2AT演出状態が設けられており、第2CZ演出状態では、当該第2AT演出状態への移行可否が決定される。第2AT演出状態への移行の権利が付与され得る第2CZ演出状態は、遊技者にとって有利な演出状態となっている。第1AT演出状態において第2CZ演出状態への移行の権利が付与された場合、演出状態制御手段81は、それに基づき演出状態を第2CZ演出状態へ移行させる。すなわち、第1AT演出状態において、演出状態制御手段81は、所定の契機で演出状態を第2CZ演出状態に移行させ得る。
【0117】
例えば、第1AT演出状態において、特典付与手段82が内部抽選の結果に基づき(例えば所定の役(当選エリア)の当選に基づき)第2CZ演出状態への移行可否を決定する抽選(第2CZ抽選)を行い、第2CZ抽選に当選した場合に、所定の条件が達成されたものとし、第2CZ演出状態への移行の権利が付与されてもよい。
【0118】
また、例えば、第1AT演出状態において複数の達成条件が達成された場合に、所定の条件が達成されたものとし、第2CZ演出状態への移行の権利が付与されてもよい。例えば、討伐対象のキャラクタと対戦する演出(バトル演出)が所定回数行われ、討伐したことが当該所定回数報知されると、第2CZ演出状態への移行が決定するものであってもよい。この場合、例えば、1つのバトル演出において討伐となるか否かは、対応する1つの達成条件が達成状態(達成条件を達成した状態)となっているか否かによって決まり、当該バトル演出が行われる遊技で実行される抽選(1つの達成条件を達成したか否かを決定する抽選)で当選すると当該達成条件が達成状態に設定されてもよい。また、この場合、当該抽選に当選し、1つの達成条件が達成状態に設定されると、第1AT演出状態の継続が決定し、当該抽選に当選しないと第1AT演出状態の終了が決定してもよい。第1AT演出状態において、最後の当該抽選に当選し、すべての達成条件が達成状態に設定されると、第2CZ演出状態への移行が決定するとしてもよい。
【0119】
演出状態制御手段81は、第1AT演出状態の終了時に第2CZ演出状態への移行の権利が付与されているか否かを判定し、当該権利が付与されている場合、演出状態を第2CZ演出状態へ移行させる。一方、当該権利が付与されていない場合、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、第1AT演出状態の終了時に、演出状態を通常演出状態へ移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)場合があってもよい。
【0120】
第2CZ演出状態において、所定の条件が達成されると、特典付与手段82は、遊技者にとって有利な特典としての第2AT演出状態への移行の権利を付与するようになっている。演出状態制御手段81は、第2AT演出状態への移行の権利が付与されたことに基づき、演出状態を第2AT演出状態へ移行させる。すなわち、第2CZ演出状態において、演出状態制御手段81は、所定の契機で演出状態を第2AT演出状態に移行させ得る。
【0121】
なお、本実施形態では、第2CZ演出状態において指示演出が実行され得るが、AT演出状態(第1AT演出状態および第2AT演出状態)に比べて、指示演出が実行される頻度が低くなっていてもよい。
【0122】
例えば、第2CZ演出状態において、特典付与手段82が内部抽選の結果に基づき(例えば所定の役(当選エリア)の当選に基づき)第2AT演出状態への移行可否を決定する抽選(第2AT抽選)を行い、第2AT抽選に当選した場合に、所定の条件が達成されたものとし、第2AT演出状態への移行の権利が付与されてもよい。
【0123】
また、例えば、第2CZ演出状態において、内部抽選の結果が所定の結果である場合に(例えばリプレイに係る所定の当選エリアに当選した場合に)、所定演出(狙え演出)が実行され、所定演出が実行された遊技で、所定の停止態様でリール20a~20cが停止した場合に、所定の条件が達成されたものとし、第2AT演出状態への移行の権利が付与されてもよい。所定演出は、特典としての第2AT演出状態への移行の権利の付与に関する演出であり、所定の操作態様で停止操作を行うことを指示する(促す)演出となっている。所定演出が実行された遊技で、所定の操作態様で停止操作を行うことで、所定の停止態様でリール20a~20cを停止させることが可能となっている。所定演出では、所定の操作態様で停止操作を行うことを指示する表示として、例えば、所定の押下順序でストップボタン26を押下することを指示する表示(例えば「順押し」という文字表示)と、リール20a~20cについて所定図柄(例えば赤BAR図柄「赤BAR」や青BAR図柄「青BAR」)が所定の表示位置に表示されるように所定のタイミングでストップボタン26を押下することを指示する表示と、が表示される。所定の操作態様で停止操作を行うとは、所定演出に係る表示に従い、所定の打順で、かつ所定のタイミングで停止操作を行う、ということができる。また、所定の停止態様とは、例えば、3つのリール20a~20cについて所定の表示位置(例えば中段)に所定図柄が表示され、3つの所定図柄が一列に揃う停止態様である。本実施形態では、所定の停止態様は、BAR図柄(赤BAR図柄「赤BAR」、青BAR図柄「青BAR」またはそれらの組合せ)が中段に一直線上に並んで表示される態様となっている。
【0124】
本実施形態では、第2AT演出状態への移行の権利が付与されることなく、第2CZ演出状態の終了条件が成立した場合(例えば第2CZ演出状態において所定回数の遊技が行われた場合)、演出状態制御手段81は、演出状態を第1AT演出状態へ移行させるようになっている。なお、第2AT演出状態への移行の権利が付与されることなく、第2CZ演出状態の終了条件が成立した場合に、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態や非有利区間演出状態へ移行させてもよい。
【0125】
第2AT演出状態において、指示機能制御手段51は、所定の当選エリア(打順ベル)の当選に基づき、正解操作態様を報知する指示演出の実行を決定する。指示演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、指示演出を実行する。なお、第2AT演出状態において実行される指示演出の詳細については後述する。
【0126】
第2AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられた第2AT終了判定カウンタ68の記憶値に基づいて管理されている。第2AT終了判定カウンタ68の記憶値の管理手法は、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値の管理手法と同様であるため、重複する説明を省略する。特典付与手段82は、第2AT演出状態において、所定契機で第2AT終了判定カウンタ68の記憶値を増加させるか否か決定する(第2AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選の結果に基づいて第2AT終了判定カウンタ68の記憶値を増加させてもよい。
【0127】
第2AT演出状態では、例えば、特典付与手段82が内部抽選の結果に基づき(例えば所定の役(当選エリア)の当選に基づき)第2CZ演出状態への移行可否を決定する抽選を行い、当該抽選に当選した場合に、第2CZ演出状態への移行の権利が付与される。演出状態制御手段81は、第2AT演出状態の終了条件が成立すると(例えば第2AT演出状態において所定回数の遊技が行われると)、第2AT演出状態を終了させる。演出状態制御手段81は、第2AT演出状態の終了時に第2CZ演出状態への移行の権利が付与されているか否かを判定し、当該権利が付与されている場合、演出状態を第2CZ演出状態へ移行させる。一方、演出状態制御手段81は、第2AT演出状態の終了時に第2CZ演出状態への移行の権利が付与されていない場合、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。このとき、遊技区間制御手段80は、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、第2AT演出状態の終了時に、演出状態を通常演出状態へ移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)場合があってもよい。
【0128】
本実施形態において、CZ演出状態(第1CZ演出状態および第2CZ演出状態)は、通常演出状態よりもAT演出状態(第1AT演出状態または第2AT演出状態)への移行の期待度が高く、通常演出状態よりも遊技者にとって有利な状態(演出状態)となっている。また、AT演出状態(第1AT演出状態および第2AT演出状態)は、通常演出状態やCZ演出状態に比べ、指示演出が実行される頻度が高く、通常演出状態やCZ演出状態に比べ、遊技者にとって有利な状態(演出状態)となっている。
【0129】
本実施形態において、通常演出状態からAT演出状態(第1AT演出状態または第2AT演出状態)へ直接移行することがあってもよい。例えば、通常演出状態での第1CZ抽選において、単に第1CZ演出状態への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態(第1AT演出状態または第2AT演出状態)に移行させるか、CZ演出状態(第1CZ演出状態または第2CZ演出状態)へ移行させるか、それとも通常演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。換言すると、AT抽選(第1AT抽選または第2AT抽選)や第2CZ抽選を通常演出状態において行ってもよい。
【0130】
また、本実施形態において、非有利区間演出状態からCZ演出状態(第1CZ演出状態または第2CZ演出状態)やAT演出状態(第1AT演出状態または第2AT演出状態)へ直接移行することがあってもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間(通常演出状態)への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態(第1AT演出状態または第2AT演出状態)に移行させるか、CZ演出状態(第1CZ演出状態または第2CZ演出状態)に移行させるか、通常演出状態へ移行させるか、それとも非有利区間演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。換言すると、CZ抽選(第1CZ抽選または第2CZ抽選)やAT抽選(第1AT抽選または第2AT抽選)を非有利区間演出状態において行ってもよい。
【0131】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がRBB内部中状態である場合にAT演出状態への移行を可能とし、一般中状態やRBB作動中状態においてはAT演出状態への移行を不可能としてもよい。換言すると、一般中状態やRBB作動中状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0132】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がRBB内部中状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するRBB作動中状態の終了後に一般中状態を経由して再びRBB内部中状態に移行するまでの間、AT演出状態を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞すると指示演出を止め、再びRBB内部中状態に移行すると指示演出を再開させるようにしてもよい。
【0133】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)、第1AT終了判定カウンタ67の記憶値、第2AT終了判定カウンタ68の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示機能(指示演出)に係る情報も初期化されるようになっている。
【0134】
本実施形態では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態(ボーナス内部中状態)である場合には、指示機能に係る抽選(例えばAT演出状態への移行に関する抽選)や、指示演出に関する特典(例えばAT演出状態への移行確率を上昇させる特典)の付与や、指示演出等の指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態(ボーナス作動中状態)である場合には、指示機能に係る抽選や、指示演出に関する特典の付与や、指示演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。
【0135】
本実施形態では、ボーナス内部中状態においては、内部抽選の結果に関わらず(かつ停止操作の態様に関わらず)ビッグボーナス(RBB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されることがないようにリール20a~20cの停止制御が実行されるようになっている。すなわち、本実施形態では、遊技状態が一度ボーナス内部中状態に設定されると、以降はボーナス内部中状態での遊技が継続するようになっている。このため、本実施形態では、基本的にボーナス内部中状態で遊技が行われるようになっている。以下では、基本的に遊技状態はボーナス内部中状態であることを前提として説明する。本実施形態では、一般中状態およびボーナス内部中状態では、当選エリア「打順ベル」のそれぞれについて15枚役(打順ベルCは10枚役)が互いに重複せずに当選するように設定する一方で、ボーナス作動中状態では、当選エリア「小役ALL」について15枚役(10枚役)が重複して当選するように設定している。そして、ボーナス作動中状態における当選エリア「小役ALL」の当選確率を、他の遊技状態における当選エリア「打順ベル」のそれぞれの当選確率よりも高く設定している。また、ボーナス作動中状態において当選エリア「小役ALL」に当選する確率を、他の遊技状態において当選エリア「打順ベル」のいずれかに当選する確率よりも低く設定している。そして、これによりボーナス作動中状態において15枚役(10枚役)の入賞が可能な機会を他の遊技状態に比べて減少させ、ボーナスが作動している状況における出玉率の期待値を低くしている。
【0136】
図4に示すように、サブ制御手段32は、演出サブ制御手段70と、サブメモリ(副記憶手段)72と、を備えている。演出サブ制御手段70は、サブメモリ72に記憶されている演出データに基づいて、液晶ディスプレイ13を用いて行う演出や、スピーカ14を用いて行う演出や、照明装置38を用いて行う演出に関する制御を行う。例えば、遊技価値の投入、ベットボタン23、スタートレバー24およびストップボタン26a~26cに対する操作や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生に応じて照明装置38を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ13の表示内容を変化させたり、スピーカ14から音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0137】
遊技において実行される演出の内容は、遊技状態、演出状態および内部抽選の結果等に対応してメイン制御手段31から送信されるコマンド(情報)に応じて、サブメモリ72に記憶されている演出抽選テーブルを用いて決定される。本実施形態では、サブメモリ72のROMに記憶されている画像データをサブメモリ72に設けられたイメージバッファに読み込んで、イメージバッファに読み込まれた画像データに基づく画像が液晶ディスプレイ13に出力(表示)される。また、サブメモリ72のROMに記憶されているサウンドデータをサブメモリ72に設けられたサウンドバッファに読み込んで、サウンドバッファに読み込まれたサウンドデータに基づく音がスピーカ14から出力される。
【0138】
ここで、本実施形態における第1AT演出状態および第2AT演出状態について説明する。第2AT演出状態(上位AT演出状態)は、第1AT演出状態(下位AT演出状態)よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。詳細は後述するが、第2AT演出状態は、第1AT演出状態に比べ、1遊技あたりの遊技価値の増加数の期待値(換言すると純増枚数)が高く(多く)設定されている。本実施形態では、第1AT演出状態と第2AT演出状態とでは、打順ベルA(目押し打順ベル)当選時に実行される、正解操作態様に関する指示演出の態様が異なっている。換言すると、打順ベルA当選時に実行される指示演出の態様が、AT演出状態の種類(第1AT演出状態であるか第2AT演出状態であるか)に応じて異なっている。
【0139】
まず、第2AT演出状態において、打順ベルA当選時に実行される指示演出について説明する。第2AT演出状態において、打順ベルAに当選し、指示演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、正解操作態様(第1正解操作態様)を報知する指示演出として第2ナビ演出(打順目押しナビ演出)を実行する。換言すると、第2AT演出状態において打順ベルAが当選した場合、演出制御手段100は、正解操作態様(第1正解操作態様)での停止操作を補助する(促す)第2ナビ演出を実行する。
【0140】
演出制御手段100は、
図12(a)に示すように、第1正解打順(を示す数字)を液晶ディスプレイ13に表示させるとともに、15枚役を入賞させるにあたって特定のタイミングで停止操作を行う必要がある所定のリール(本実施形態ではリール20bまたはリール20c)について、当該リールの所定の図柄(狙うべき図柄:特定のタイミングに対応する図柄)に対応する画像(図柄ナビ)を液晶ディスプレイ13に表示させ、第1正解操作態様を報知する。具体的には、演出制御手段100は、第1正解打順を液晶ディスプレイ13に表示させるとともに、15枚役の入賞を可能とする期間内(タイミング)において所定の表示位置(表示窓16を介して視認される表示位置)に表示される図柄を液晶ディスプレイ13に表示させ、第1正解操作態様を報知する。より具体的には、演出制御手段100は、第1正解打順の第1停止操作に係るリールについて、第1停止操作を行うべき期間内(タイミング)において所定の表示位置に表示される図柄に対応する画像を表示させる。また、演出制御手段100は、第1正解打順の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作を促す表示としての数字の「1」を表示させ、第1正解打順の第2停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に2番目の操作を促す表示としての数字の「2」を表示させ、第1正解打順の第3停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に3番目の操作を促す表示としての数字の「3」を表示させる。
【0141】
第2AT演出状態において、打順ベルAが当選した際に、第2ナビ演出で報知される第1正解操作態様に沿って(従って)ストップボタン26a~26cが押下されると必ず15枚役が入賞して15枚の遊技価値を獲得することができるようになっている。すなわち、第2ナビ演出の実行時においては、報知される第1正解打順で停止操作を行うとともに、第1停止操作を、液晶ディスプレイ13に表示される画像に対応する図柄が所定の表示位置に表示されているタイミング(正解押下タイミング)で行うことで、15枚の遊技価値を獲得することができるようになっている。
【0142】
図12(a)では、当選エリア「打順ベルA1」が当選しており、打順3(第1正解打順)で停止操作を行うとともに、リール20bについて図柄番号4番の青BAR図柄「青BAR」が所定の表示位置に表示されているタイミング(正解押下タイミング)で第1停止操作を行うことで、15枚役が入賞することを報知する演出が実行されている。なお、
図12(a)では、当選エリア「打順ベルA1」が当選しており、打順3で停止操作を行うとともに、リール20bについて図柄番号0~9番のいずれかの図柄が有効ライン上に表示されているタイミングで第1停止操作を行うことで、15枚役が入賞するようになっている。
【0143】
第2ナビ演出は、15枚役を入賞させるにあたって特定のタイミング(正解押下タイミング)で停止操作を行う必要がある所定のリールについて、当該特定のタイミングで停止操作を行った場合に、所定の表示位置に表示される図柄に対応する画像を液晶ディスプレイ13に表示させることにより、当該特定のタイミング(狙うべき図柄)を知らせるもの等であってもよい。例えば、
図12(b)に示すように、当選エリア「打順ベルA1」に当選した場合に、15枚役を入賞させるにあたって特定のタイミングで停止操作(第1停止操作)を行う必要があるリール20bについて、所定の表示位置に表示される図柄(青BAR図柄「青BAR」)に対応する画像を液晶ディスプレイ13に表示させ、特定のタイミングで停止操作を行う必要がない(いずれのタイミングで停止操作を行ってもよい)リール(リール20aおよびリール20c)について、第1正解打順(を示す数字)を液晶ディスプレイ13に表示させてもよい。
【0144】
次に、第1AT演出状態において、打順ベルA当選時に実行される指示演出について説明する。第1AT演出状態において、打順ベルAに当選し、指示演出の実行が決定されると、演出制御手段100は、正解操作態様の一部を報知する指示演出(第1ナビ演出)を実行する。なお、ここでの「正解操作態様の一部」は、第1正解操作態様の一部ということもでき、第2正解操作態様の一部ということもできる。
【0145】
第1AT演出状態において打順ベルAが当選した場合、演出制御手段100は、正解操作態様の一部の停止操作(第1停止操作)を補助する(促す)第1ナビ演出を実行する。第1ナビ演出では、最初に回転を停止させるリールに対応するストップボタン26、すなわち最初に(第1停止操作で)操作すべきストップボタン26が報知される。具体的には、正解操作態様の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作を促す表示がされる。
【0146】
演出制御手段100は、
図12(c)に示すように、正解操作態様の一部(正解操作態様に係る一部の操作)を報知する。演出制御手段100は、正解操作態様の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作を促す表示としての数字の「1」を表示させるとともに、残りの2つのストップボタン26に対応する位置に「?」(または「-」等)の文字(記号)を表示させる。
図12(c)では、当選エリア「打順ベルA1」が当選しており、ストップボタン26bについて第1停止操作を行い、その後、第1正解打順(打順3)で操作された場合には15枚役または3枚役が入賞し、第2正解打順(打順4)で操作された場合には3枚役が入賞する。
【0147】
第1AT演出状態において当選エリア「打順ベルA1」(打順ベルA)が当選した際に、第1ナビ演出に沿ってストップボタン26a~26cが押下された場合、第1正解操作態様で操作がされ15枚役が入賞する場合と、第2正解操作態様で操作がされ3枚役が入賞する場合と、がある。具体的には、(1)特定のタイミング(正解押下タイミング)で第1停止操作が行われ、かつ第1正解打順で操作がされ15枚役が入賞する場合と、(2)前記特定のタイミングとは異なるタイミング(不正解押下タイミング)で第1停止操作が行われ、かつ第1正解打順で操作されて3枚役が入賞する場合と、(3)第2正解打順で操作され、3枚役が入賞する場合と、がある。このため、第1AT演出状態では、打順ベルA(目押し打順ベル)当選時に15枚役が入賞する確率が、3枚役が入賞する確率よりも低くなっている。換言すると、第1AT演出状態では、打順ベルA当選時に3枚役が入賞する確率が、15枚役が入賞する確率よりも高くなっている。
【0148】
これにより、第1AT演出状態は、第2AT演出状態に比べ、1遊技あたりの遊技価値の増加数の期待値(純増枚数)が低くなっている。換言すると、第2AT演出状態は、第1AT演出状態に比べ、1遊技あたりの遊技価値の増加数の期待値(純増枚数)が高くなっている。本実施形態では、第1AT演出状態(低純増期間)の純増枚数は2.3枚となっており、第2AT演出状態(高純増期間)の純増枚数は4.0枚となっている。なお、純増枚数は、1遊技あたりの遊技価値の付与数の期待値から、1遊技あたりの遊技価値の投入数の期待値を減算することにより算出される。また、当該算出には、リプレイの入賞が考慮されるが、リプレイの入賞は例えば、リプレイの入賞をその遊技における投入数と同じ数の遊技価値の付与として算出してもよく、次回の遊技における投入数が「0」になるものとして算出してもよい。
【0149】
ここで、第1ナビ演出と第2ナビ演出とを比較すると、第2ナビ演出は、第1ナビ演出に比べ、15枚役(正解小役)を入賞させることが容易となっている。したがって、第2ナビ演出は、第1ナビ演出に比べ、遊技者にとって有利な演出と言うことができる。本実施形態では、第1AT演出状態において打順ベルAに当選した場合に第1ナビ演出が実行され、第2AT演出状態において打順ベルAに当選した場合に第2ナビ演出が実行されるようになっているが、各演出状態において打順ベルAに当選した場合に必ず各演出が実行されるようになっていてもよく、各演出が実行されない場合が存在するようになっていてもよい。また、第1AT演出状態において打順ベルAに当選した場合に第2ナビ演出が実行され得るようになっていてもよく、第2AT演出状態において打順ベルAに当選した場合に第1ナビ演出が実行され得るようになっていてもよい。
【0150】
次に、第1AT演出状態および第2AT演出状態において、打順ベルCに当選した場合に実行される指示演出について説明する。第1AT演出状態および第2AT演出状態において打順ベルCに当選し、指示演出の実行が決定された場合、演出制御手段100は、正解操作態様(正解打順)を報知する指示演出として第3ナビ演出を実行する。換言すると、第1AT演出状態であっても第2AT演出状態であっても、打順ベルCに当選した場合には、正解操作態様に関する同じ(共通の)第3ナビ演出が実行される。打順ベルCに当選した場合、演出制御手段100は、正解操作態様(正解打順)での停止操作を補助する(促す)第3ナビ演出を実行する。
【0151】
演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に正解操作態様(正解打順)を表示させる。演出制御手段100は、
図12(d)に示すように、正解打順の第1停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に1番目の操作を促す表示としての数字の「1」を表示させ、正解打順の第2停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に2番目の操作を促す表示としての数字の「2」を表示させ、正解打順の第3停止操作に係るストップボタン26に対応する位置に3番目の操作を促す表示としての数字の「3」を表示させる。なお、
図12(d)では、当選エリア「打順ベルC1」が当選しており、打順3での停止操作が正解操作態様(正解打順)であることが報知されている。
【0152】
第3ナビ演出が実行された場合、第3ナビ演出において報知される通りに停止操作が行われると、必ず10枚役が入賞するようになっている。打順ベルCは、正解操作態様で停止操作が行われた場合、各停止操作のタイミングにかかわらず必ず10枚役が入賞するように構成されている。
【0153】
(デモ演出)
演出制御手段100は、遊技者が遊技を行っていない状態が所定時間(例えば60秒)にわたって継続した場合(遊技者が遊技機に対して所定の操作を入力せずに所定時間が経過した場合)に、デモ移行条件が成立したものとする。演出制御手段100は、デモ移行条件が成立したと判定すると、デモ演出(待機状態演出)を演出装置に実行させる。このデモ演出は、遊技者の興味を惹き付け得るものとなっている。
【0154】
演出制御手段100は、デモ演出として、デモ画像(演出画像)を液晶ディスプレイ13(の表示面)に表示させることが可能である。デモ画像は、例えば、遊技機で展開される話のストーリー説明やキャラクタの説明(紹介)等、その遊技機に関するムービー(動画)となっている。本実施形態では、デモ画像は約60秒のムービーとなっていて、キャラクタの紹介を含む映像となっている。演出制御手段100は、例えば、デモ演出の前半における所定のタイミングで(デモ演出の開始時に)(デモ画像の表示前に)、メーカー名表示を所定時間にわたって表示させ、その表示の終了後、遊技機10の機種名表示(機種タイトル)を所定時間にわたって表示させてもよい。また、演出制御手段100は、例えばデモ演出の後半における所定のタイミングで(デモ演出の最後に)(デモ画像の表示後に)、遊技の始め方や遊技の終わり方等の遊技機の操作(機能)に関する説明表示を所定時間にわたって表示させてもよい。一連(一回)のデモ演出が終了すると、デモ演出は再び最初から実行される(ループされる)ようになっている。
【0155】
演出制御手段100は、デモ演出の実行中に、デモ画像(ムービー)の表示が終了すると、
図13に示す、背景Bと、ロゴ表示L1と、補足説明表示Eと、のめり込み防止表示Nと、を所定時間(例えば約3秒)にわたって液晶ディスプレイ13(画像表示手段)に表示させる。本実施形態では、ロゴ表示L1、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nは、所定の状況(デモ演出の実行中)(デモ演出中であって、背景が白色となっている状況)において、同時に表示され得るようになっている。また、背景Bは、単色となっており、本実施形態では白色となっている。背景Bを白色とし、比較的シンプルな表示とすることで、ロゴ表示L1、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nが、より目立つ(強い印象を与える)ようになっている。なお、背景Bは、白以外の色であってもよい。
また、本実施形態では、デモ画像(ムービー)の後に、
図13に示す、ロゴ表示L1、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nが表示されるものとしたが、これに限らず、デモ画像(ムービー)の前に、ロゴ表示L1、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nが所定時間(例えば約3秒)にわたって表示されるように構成されていてもよい。
【0156】
(のめり込み防止表示N)
のめり込み防止表示N(第3画像表示)は、リール20a~20cの上方(直上)であって、画面の略中央部に表示される。のめり込み防止表示Nは、左右方向に長尺な(横長の)長方形状となっている。のめり込み防止表示Nは、遊技者に対する注意喚起表示の1つであって、遊技者が遊技にのめり込み過ぎてしまうことを防止するための表示であり、「のめり込みに注意しましょう。パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」という文字を含む表示となっている。のめり込み防止表示Nは、二段表記となっていて、上段は、赤く塗り潰された長方形状の領域に「のめり込みに注意しましょう。」という白抜き文字が表示され、下段は、赤枠の内側の白色領域に「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」という文字が赤文字で表示されている。なお、下段の文字サイズは、上段の文字サイズよりも大きくなっている。
【0157】
のめり込み防止表示Nは、赤色部分が占める割合が比較的大きいため、赤色であるということができる。のめり込み防止表示Nの上方に、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが表示される。のめり込み防止表示Nの色(色彩)は、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色と異なっている。
【0158】
(ロゴ表示L1)
ロゴ表示L1(第1画像表示)は、遊技機がスマートパチスロット(登録商標)であることを示す(報知する)表示となっている。換言すると、ロゴ表示L1は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数(付与)される仕様の遊技機(特定遊技機)であることを報知する表示となっている。さらに換言すると、ロゴ表示L1は、遊技媒体としての遊技メダル(物理的な(実物の)遊技メダル)を用いることなく遊技を行うことが可能な遊技機であることを示す表示となっている。
【0159】
ロゴ表示L1は、紫色部分と白色部分とを有しており、紫色部分の占める割合が比較的大きくなっている。このため、ロゴ表示L1は、紫色であるということができる。紫色部分についてRGB値は、R145、G72、B151となっている。また、白色部分についてRGB値は、R255、G255、B255となっている。ロゴ表示L1は、スマスロ(登録商標)という文字を含む表示となっており、当該文字は白抜き文字(縁が紫色の白抜き文字)となっている。ロゴ表示L1は、液晶ディスプレイ13の中央(左右方向中央)に表示される。
【0160】
(補足説明表示E)
補足説明表示E(第2画像表示)は、ロゴ表示L1の下方であって、のめり込み防止表示Nの上方に表示される。換言すると、補足説明表示Eは、ロゴ表示L1と、のめり込み防止表示Nの間に表示される。補足説明表示Eは、左右方向に長尺な(横長の)長方形状となっている。補足説明表示Eの左右方向の幅は、のめり込み防止表示Nの左右方向の幅と同一または略同一となっている。略同一とは、例えば差が約5mm以内であることをいう。換言すると、補足説明表示Eとのめり込み防止表示Nは、横幅が同じ(略同じ)となっている。補足説明表示Eとのめり込み防止表示Nの幅を揃えることで、統一感のある見た目を実現できる(見た目を美しくすることができる)。なお、補足説明表示Eは、一段表記となっていて、補足説明表示Eの上下方向の幅は、のめり込み防止表示Nの上下方向の幅よりも小さくなっている。
【0161】
補足説明表示Eは、例えば「計数(CREDIT精算)忘れ及びカードの取り忘れや盗難にはご注意ください。」という文字を含む表示となっている。補足説明表示Eは、スマスロ(登録商標)に関する表示となっていて、遊技者に対する注意喚起表示の1つということができる。また、補足説明表示Eは、紫色となっている。具体的には、紫色の枠の内側の白色領域に、紫色の文字が表示されている。補足説明表示Eは、ロゴ表示L1と同じ色(配色)となっている。換言すると、補足説明表示Eとロゴ表示L1は、色(色合い)が同じようになっている(色合いを同じようにしている)。このように補足説明表示Eの色を、ロゴ表示L1の色と同じ色とすることで、一体感が生まれ、補足説明表示Eがロゴ表示L1(すなわちスマスロ(登録商標))に関する表示であることを、遊技者にとってわかりやすい(認識しやすい)ものとすることができる。
【0162】
ここで、ロゴ表示L1と補足説明表示Eとの距離(最短距離)を第1距離とし、ロゴ表示L1とのめり込み防止表示Nとの距離(最短距離)を第2距離とする。第1距離は、第2距離よりも小さくなっている。補足説明表示Eは、ロゴ表示L1により近い位置に設けられている。このため、補足説明表示Eがロゴ表示L1(すなわちスマスロ(登録商標))に関する表示であることを、遊技者にとってわかりやすい(認識しやすい)ものとすることができる。また、遊技者は、表示を上から順に読む傾向があることから、ロゴ表示L1および補足説明表示Eをのめり込み防止表示Nよりも上側に表示することで、スマスロ(登録商標)特有の注意事項を遊技者に認識されやすいようにすることができる。
【0163】
本実施形態では、補足説明表示Eにおける文字のフォントを、のめり込み防止表示Nにおける文字のフォントと、全く同一としていない。換言すると、補足説明表示Eの文字のフォントを、のめり込み防止表示Nの文字のフォントと異なるものとしている。フォントには、文字サイズ(垂直比率、水平比率)が含まれる。これにより、遊技者は、補足説明表示Eとのめり込み防止表示Nを、より区別して把握することができる。
【0164】
本実施形態では、デモ演出において、ロゴ表示L1と、補足説明表示Eと、のめり込み防止表示Nとは、同じタイミングで表示が開始され、同じタイミングで表示が終了するようになっている。換言すると、ロゴ表示L1、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nの表示時間(表示期間)は、同じ長さとなっている(ずれがない)。
ただし、のめり込み防止表示Nの表示タイミングと、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの表示タイミングと、は、ずれていてもよい(異なるタイミングで表示されてもよい)。例えば、デモ演出中に、まず、白背景とともにのめり込み防止表示Nが所定時間(3秒)にわたって表示され、当該表示の終了後、白背景とともに、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが所定時間(3秒)にわたって表示されるように構成されていてもよい。ただし、そのように表示タイミングにずれがあるように構成した場合(すなわち注意喚起表示の表示時間をより長くした場合)、相対的にデモ演出中におけるデモ画像(ムービー)の表示時間が減少してしまう。換言すると、遊技者の興味を惹き付け得るムービーの表示時間が減少してしまう。本実施形態では、のめり込み防止表示Nとともに(同時に)、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが表示されるように構成している。このため、ムービーの表示時間の減少を抑制できるという効果を奏する。
【0165】
本実施形態では、ロゴ表示L1および補足説明表示Eは、デモ演出の実行中(待機状態中)にのみ表示されるようになっている。一方、のめり込み防止表示Nは、デモ演出の実行中以外の場面でも表示され得るようになっている。例えば、所定の演出状態としてのAT演出状態(第1AT演出状態または第2AT演出状態)の最後の遊技において、所定の契機で(最後のストップボタンの押下の開放が検知されたことを契機とし)、のめり込み防止表示Nが所定時間にわたって表示されるようになっている。この場合、例えば、のめり込み防止表示Nは画面の右上に表示される。また、この場合、デモ演出中とは異なり、背景は例えば、キャラクタや風景等を含んでいてもよく、単色(白色)となっていなくてもよい。また、のめり込み防止表示Nは、他の表示(例えば、一連のAT演出状態での遊技価値の獲得枚数(リザルト)を示す表示)とともに表示されてもよい。
なお、AT演出状態の最後の遊技において、前記所定の契機で、のめり込み防止表示Nとともに補足説明表示Eが表示されるように構成されていてもよい。この場合、遊技を終える可能性がある遊技者に対し、のめり込みに対する注意喚起と、計数忘れやカードの取り忘れに関する注意喚起と、を行うことができる。
【0166】
(変形例1)
補足説明表示Eは、
図14(a)に示すように、紫色の枠の内側に、「遊技メダルの取り忘れにご注意ください」という文字表示と、計数ボタン212を模した画像と、が表示されるものであってもよい。当該文字表示は、縁が紫色の白抜き文字(ロゴ表示L1のスマスロ(登録商標)と同様の表記)となっている。そして、
図14(b)に示すように、デモ演出中に、白背景とともにのめり込み防止表示Nが所定時間(3秒)にわたって表示され、当該表示の終了後、白背景とともに、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが所定時間(3秒)にわたって表示されるように構成されていてもよい。
換言すると、本例では、背景が白色となっている状況で、ロゴ表示L1(第1画像表示)および補足説明表示E(第2画像表示)は、のめり込み防止表示N(第3画像表示)と、異なる期間で表示されるようになっている。
そして、背景が白色となっていて前記第1画像表示および前記第2画像表示が表示されている状況では、前記第1画像表示および前記第2画像表示以外に、メニュー画面に移行可能である旨を示唆するための表示や、音量調整が可能である旨を示唆するための表示が表示されていてもよい。
また、背景が白色となっていて前記第3画像表示が表示されている状況では、前記第3画像表示以外に、メニュー画面に移行可能である旨を示す表示や、音量調整が可能である旨を示す表示が表示されていてもよい。
また、本例におけるのめり込み防止表示Nは、青く塗り潰された長方形状の領域に白抜き文字で「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」と表示され、その下に「のめり込みに注意しましょう。」と青文字で表示されるものであってもよい。
【0167】
変形例1において、デモ演出中に、のめり込み防止表示N(第3画像表示)と、ロゴ表示L1(第1画像表示)と、補足説明表示E(第2画像表示)と、がそれぞれ異なる期間で表示されるようになっていてもよい。ここで、まず(1)白背景とともにのめり込み防止表示N(第3画像表示)が所定期間にわたって表示され、次に(2)白背景とともにロゴ表示L1(第1画像表示)が所定期間にわたって表示され、次に(3)黒背景とともに補足説明表示E(第2画像表示)が所定期間にわたって表示される構成について説明する。また、以下の変形例1の説明では、
図13において破線で囲む範囲を液晶ディスプレイ31における画面(表示画面、表示領域)とする。
【0168】
表示が開始される順番は、のめり込み防止表示N(第3画像表示)、ロゴ表示L1(第1画像表示)、補足説明表示E(第2画像表示)の順番となっている。ここで、第3画像表示が表示される期間を表示期間Xとし、表示期間Xが開始するタイミングをタイミングX1とし、表示期間Xが終了するタイミングをタイミングX2とする。また、第1画像表示が表示される期間を表示期間Yとし、表示期間Yが開始するタイミングをタイミングY1とし、表示期間Yが終了するタイミングをタイミングY2とする。また、第2画像表示が表示される期間を表示期間Zとし、表示期間Zが開始するタイミングをタイミングZ1とし、表示期間Zが終了するタイミングをタイミングZ2とする。表示期間X、表示期間Y、表示期間Zをそれぞれ「所定期間」と呼ぶ場合があるが、所定期間の長さは表示ごとに異なっていてもよく、同じ長さを含むものであってもよい。
【0169】
のめり込み防止表示N(第3画像表示)は、背景が白色となっている状況で、表示期間Xの間、画面の略中央部に表示される。また、ロゴ表示L1(第1画像表示)は、背景が白色となっている状況で、表示期間Yの間、画面の略中央部に表示される。第3画像表示および第1画像表示は、フェードインして表示開始され、フェードアウトして表示終了するようになっている。同様の手法により表示開始、表示終了することで、テンポ感が生じ、遊技者にとって見やすい表示とすることができる。
【0170】
タイミングY1は、タイミングX2よりも後となっている。すなわち、第3画像表示(のめり込み防止表示N)の表示期間Xにわたる表示が終了した後に、第1画像表示(ロゴ表示L1)の表示期間Yにわたる表示が開始されるようになっている。換言すると、第3画像表示と第1画像表示は、重複して表示される期間(重なって表示される期間)が存在しないようになっている。第3画像表示はのめり込み対する注意喚起表示であり、第1画像表示は遊技機がスマスロ(登録商標)であることを報知する表示であるため、両表示は関連性を有さない。
【0171】
一方、タイミングZ1は、タイミングY2よりも前となっている。すなわち、第1画像表示(ロゴ表示L1)の表示期間Yにわたる表示が終了する前に、第2画像表示(補足説明表示E)の表示期間Zにわたる表示が開始されるようになっている。換言すると、第1画像表示と第2画像表示は、重複して表示される期間(重なって表示される期間)が存在するようになっている。第1画像表示は遊技機がスマスロ(登録商標)であることを報知する表示であり、第2画像表示はスマスロ(登録商標)に関しての注意喚起表示であるため、両表示は関連性を有する。両表示が重なって表示される期間は、第1画像表示がフェードアウトし、第2画像表示がフェードインするようになっている。換言すると、両表示が重なって表示される期間は、少なくとも一方が半透明で表示されるようになっている。第1画像表示が表示されている状態から第2画像表示が表示される状態への移行は、瞬間的に切り替わるのではなく、徐々に切り替わるようになっている。
【0172】
本実施形態の遊技機は、
計数する際に操作される計数操作手段(例えば計数ボタン212)と、
画像表示手段(例えば液晶ディスプレイ13)と、
画像表示に関する制御を行う演出制御手段(例えば演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の演出の実行中に、第1画像表示と、第2画像表示と、第3画像表示と、を前記画像表示手段に表示させることが可能であり、
前記第1画像表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の特定遊技機であることを報知する表示(例えばロゴ表示L1)であり、
前記第2画像表示は、前記計数操作手段を模した画像を含む、前記特定遊技機に関しての注意喚起表示(例えば補足説明表示E)であり、
前記第3画像表示は、のめり込みに対する注意喚起表示(例えばのめり込み防止表示N)であり、
前記第3画像表示、前記第1画像表示、前記第2画像表示は、この順に表示が開始されるようになっており、
前記第3画像表示と前記第1画像表示が重なって表示される期間は設けられていないが、前記第1画像表示と前記第2画像表示が重なって表示される期間は設けられている。
【0173】
関連性を有さない表示(第3画像表示と第1画像表示)については互いに重なって表示される期間を設けない一方、関連性を有する表示(第1画像表示と第2画像表示)については互いに重なって表示される期間を設けることで、遊技者は、第1画像表示と第2画像表示が関連性を有することを把握しやすい。これにより、遊技者が理解しやすい表示を実現できる。
【0174】
なお、第2画像表示(補足説明表示E)の表示期間Zの表示が終了すると、デモ演出に係るムービー(の再生)が開始されるが、当該ムービーが開始される前に、まず白背景が所定期間表示され、次いで黒背景が所定期間表示されるようになっている。そして、黒背景が表示されている状態で、当該ムービーが開始されるようになっている。
【0175】
(第4画像表示)
デモ演出中であって、例えば、第3画像表示(のめり込み防止表示N)が表示されるよりも前に、第4画像表示が所定期間(表示期間Wとする)、画面の略中央部に表示されるようになっている。第4画像表示は、背景が白色となっている状況で表示されてもよい。第4画像表示は、遊技機(スロットマシン10)に関連する(製造する)メーカー(企業名)を報知する表示であり、例えば、メーカーのロゴ表示となっている。
【0176】
第4画像表示の表示期間Wは、約112フレーム(1フレームは約0.03秒)となっており、第3画像表示の表示期間X(約98フレーム)および第1画像表示の表示期間Y(約98フレーム)よりも長い期間となっている。第1画像表示(や第2画像表示)はスマスロ(登録商標)特有の表示であり、従来のスロットマシンでは表示させる必要がなかったものである。よって、スマスロ(登録商標)では、デモ演出中の表示物が増加しているが、そのように表示物が増えた場合であっても、第4画像表示の表示期間を相対的に長く確保することで、メーカー名(企業名)が埋もれてしまうことを抑制し、遊技者に対し、メーカー名(企業名)を強く印象付けることができる。
【0177】
なお、第3画像表示と第1画像表示の表示期間は同一または略同一となっている。略同一とは、両者の差が、一方の表示期間の約5%以下(例えば5フレーム以下)であることを指す。
【0178】
本実施形態の遊技機は、
画像表示手段(例えば液晶ディスプレイ13)と、
画像表示に関する制御を行う演出制御手段(例えば演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の演出の実行中に、第1画像表示と、第3画像表示と、第4画像表示と、を前記画像表示手段に表示させることが可能であり、
前記第1画像表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の特定遊技機であることを報知する表示(例えばロゴ表示L1)であり、
前記第3画像表示は、のめり込みに対する注意喚起表示(例えばのめり込み防止表示N)であり、
前記第4画像表示は、メーカーを報知する表示であり、
前記第4画像表示の表示期間は、前記第1画像表示の表示期間および前記第3画像表示の表示期間よりも長くなっており、
前記第1画像表示の表示期間と前記第3画像表示の表示期間は同一または略同一となっている。
【0179】
第4画像表示の表示期間が、第1画像表示の表示期間および第3画像表示の表示期間よりも長くなっているため、遊技者に対し、メーカーを報知する表示を強く印象付けることができる。また、第1画像表示の表示期間と第3画像表示の表示期間は同一または略同一となっているため、表示に一定のテンポが生じるようにすることができる。これにより、遊技者が理解しやすい表示を実現できる。
【0180】
なお、第4画像表示は、第3画像表示や第1画像表示と同様に、フェードインして表示が開始され、フェードアウトして表示が終了するようになっている。また、第4画像表示(メーカーロゴ表示)と第3画像表示(のめり込み防止表示N)は、関連性を有さない表示であり、重なって表示される期間は存在しないようになっている。
【0181】
第3画像表示と第1画像表示の表示期間の差(0を含む)を、第4画像表示と第3画像表示との表示期間の差(約14フレーム)よりも小さくすることで、表示のテンポが少し早くなるようになっている。
【0182】
また、第2画像表示の表示期間Zは、約139フレームとなっていて第4画像表示の表示期間よりも長くなっている。なお、表示期間Zは、他の表示(例えば第3画像表示)の表示期間の2倍未満の期間となっている。最も表示期間が長いものを最後に持ってくることで、生じたテンポ感を損なわずに最後に第2画像表示を表示させ、かつ遊技者が注意喚起表示を読む時間を確保することができる。
【0183】
(2種類の補足説明表示E)
第2画像表示(補足説明表示E)は、計数ボタン212を模した画像と、計数忘れに対する注意を喚起する文字(例えば「遊技終了時は計数ボタンを操作してクレジットを専用ユニットに転送してください」)と、を含んでいる。当該文字は、例えば白抜き文字となっている。本例では、第2画像表示として、表示態様(表示サイズを含む)の異なる2種類の第2画像表示(第2A画像表示および第2B画像表示)が設けられている。ロゴ表示L1が表示された後は、背景が黒色となっている状況で、第2B画像表示よりも表示サイズの大きい第2A画像表示が、所定期間(表示期間Z)の間、画面の略中央部に表示される。なお、第2A画像表示と第2B画像表示は表示サイズのみが異なるものであってもよく、表示サイズ以外にも異なる部分が存在していてもよい。
【0184】
のめり込み防止表示N(第3画像表示)とロゴ表示L1(第1画像表示)が表示される際は背景が白(白色系)となっているが、補足説明表示E(第2A画像表示)が表示される際は背景が黒(黒色系)となっている(文字を白としている)。補足説明表示E(第2A画像表示)を表示する際に背景を黒に切り替えることで、白背景を連続させる場合に比べて表示が切り替わった印象を強くすることができ、遊技者の注意を惹き付けることができる。
【0185】
第2A画像表示よりも表示サイズが小さい第2B画像表示は、画面の右下部に表示されるようになっている。のめり込み防止表示N(第3画像表示)が表示されている期間中(表示期間X)は、画面の右下部に第2B画像表示が表示されるようになっている。また、ロゴ表示L1(第1画像表示)が表示されている期間中(表示期間Y)は、画面の右下部に第2B画像表示が表示されるようになっている。また、ロゴ表示L1が表示された後、第2A画像表示が表示されると、第2B画像表示は表示されない状態(非表示)となるようになっている。そして、第2A画像表示が表示されない状態となると(第2A画像表示の表示期間Zにわたる表示が終了すると)、再び第2B画像表示が画面の右下部に表示されるようになっている。また、デモ演出に係るムービーが再生されている間、画面の右下部に第2B画像表示が表示されるようになっている。なお、デモ演出中において、第2A画像表示が表示されている期間以外の期間は、画面の右下部に第2B画像表示が表示されるようになっていてもよい。
【0186】
本実施形態の遊技機は、
計数する際に操作される計数操作手段(例えば計数ボタン212)と、
画像表示手段(例えば液晶ディスプレイ13)と、
画像表示に関する制御を行う演出制御手段(例えば演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の演出の実行中に、第1画像表示と、第2画像表示と、第3画像表示と、を前記画像表示手段に表示させることが可能であり、
前記第1画像表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の特定遊技機であることを報知する表示(例えばロゴ表示L1)であり、
前記第2画像表示は、前記計数操作手段を模した画像を含む、前記特定遊技機に関しての注意喚起表示(例えば補足説明表示E)であり、
前記第3画像表示は、のめり込みに対する注意喚起表示(例えばのめり込み防止表示N)であり、
前記第2画像表示には、第2A画像表示と、前記第2A画像表示よりも表示されるサイズが小さい第2B画像表示と、があり、
前記第3画像表示が表示されている期間中は、前記第2B画像表示が表示されるようになっており、
前記第1画像表示が表示されている期間中は、前記第2B画像表示が表示されるようになっており、
前記第2A画像表示が表示されると、前記第2B画像表示が表示されない状態となるようになっており、
前記第2A画像表示が表示されない状態となると、再び前記第2B画像表示が表示されるようになっている。
【0187】
第3画像表示が表示されている期間、第1画像表示が表示されている期間および第2A画像表示の表示が終了した後、に第2B画像表示が表示されるようになっている。第2B画像表示の表示期間をより長くすることで、計数操作手段(計数ボタン)を模した画像を含む第2B画像表示が、遊技者の目に留まりやすいようにすることができる。これにより、遊技者に対してより注意を喚起することができる。一方、表示サイズの大きい第2A画像表示が表示されている間、さらに第2B画像表示が表示される場合、同じ内容の表示が重複することとなり(画面上の情報量が多くなり)、遊技者にとって紛らわしいという問題が生じる。そこで、第2A画像表示が表示されている間は、第2B画像表示は表示されないようにすることで、かかる問題が生じるのを抑制できる。これにより、遊技者が理解しやすい表示を実現できる。
【0188】
本実施形態の遊技機は、計数する際に操作される計数操作手段(計数ボタン212)と、計数される遊技価値数を表示する遊技価値数表示手段(遊技メダル数表示装置211)と、を有する計数手段(計数ボタンユニット213)を備えている。また、遊技機の傍ら(右側)に専用ユニット200が設けられている。第2B画像表示は、専用ユニット200側で、かつ計数手段(計数ボタンユニット213)の鉛直方向(鉛直上方)となる位置に表示されるようになっている。
なお、本例では、第2B画像表示が画面の右下部に表示されるものとしたが、第2B画像表示は、計数手段(計数ボタンユニット213)の鉛直方向となる位置に表示されていればよく、画面の右下部でなくてもよい。
【0189】
本実施形態の遊技機は、
計数する際に操作される計数操作手段(例えば計数ボタン212)と、計数される遊技価値数を表示する遊技価値数表示手段(例えば遊技メダル数表示装置211)と、を有する計数手段(例えば計数ボタンユニット213)と、
画像表示手段(例えば液晶ディスプレイ13)と、
画像表示に関する制御を行う演出制御手段(例えば演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の演出の実行中に、第1画像表示と、第2画像表示と、を前記画像表示手段に表示させることが可能であり、
前記第1画像表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の特定遊技機であることを報知する表示(例えばロゴ表示L1)であり、
前記第2画像表示は、前記計数操作手段を模した画像を含む、前記特定遊技機に関しての注意喚起表示(例えば補足説明表示E)であり、
前記第2画像表示は、前記計数手段の鉛直方向となる位置に表示されるようになっている。
【0190】
第2画像表示(第2B画像表示)が計数操作手段(計数ボタン)を模した画像を含むものとすることで、第2画像表示(第2B画像表示)と計数操作手段(計数ボタン)が見た目の関連性を有するようにしている。また、第2画像表示(第2B画像表示)の表示位置を計数手段(計数ボタンユニット)の鉛直方向とすることで、第2画像表示(第2B画像表示)と計数手段が位置的にも関連性を有するようにしている。このようにすることで、遊技者が、計数操作手段の見た目、位置、機能等をより把握しやすくすることができる。換言すると、表示と表示に対応する操作手段との関係を、遊技者にとって理解しやすいものとすることができる。これにより、遊技者が理解しやすい表示を実現できる。
なお、第2画像表示の表示位置を画面の右下部とし、第2画像表示と計数手段を近付けることで、第2画像表示と計数手段との関係を、より理解しやすいものとすることができる。
【0191】
(遊技機説明表示)
ロゴ表示L1(第1画像表示)の表示の後に、補足説明表示E(第2A画像表示)を表示させる場合、両者を同時に(同じ期間)表示させる場合に比べて、ロゴ表示L1と補足説明表示Eとの関連性が薄いと認識されるおそれがある。そこで、第2A画像表示とともに、遊技機に関する説明表示(遊技機説明表示)が表示されるようになっている。遊技機説明表示とは、遊技機が遊技メダルを使用しない遊技機である旨を示す(説明する)表示であり、例えば「遊技メダルの投入口がなく、遊技メダルを使用しない遊技機です」という文字を含む。なお、ここでの遊技メダルは、電子的なものではなく物理的な(実物の)遊技メダルを意味する。
【0192】
本実施形態の遊技機は、
計数する際に操作される計数操作手段(例えば計数ボタン212)と、
画像表示手段(例えば液晶ディスプレイ13)と、
画像表示に関する制御を行う演出制御手段(例えば演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の演出の実行中に、第1画像表示と、第2画像表示と、を前記画像表示手段に表示させることが可能であり、
前記第1画像表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の特定遊技機であることを報知する表示(例えばロゴ表示L1)であり、
前記第2画像表示は、前記計数操作手段を模した画像を含む、前記特定遊技機に関しての注意喚起表示(例えば補足説明表示E)であり、
前記第1画像表示、前記第2画像表示は、この順に表示が開始されるようになっており、
前記第2画像表示が表示されている期間中、遊技機が遊技メダルを使用しない遊技機である旨を示す表示が表示されるようになっている。
【0193】
第2画像表示(第2A画像表示)とともに「遊技機が遊技メダルを使用しない遊技機である旨を示す表示」が表示されることで、遊技者は、遊技メダルを使用しない遊技機であることを理解でき、そのような仕様の遊技機であるからこそ、遊技を終了する際に計数操作手段(計数ボタン)を操作して計数しなければならないことを把握できる。また、遊技メダルを使用しない遊技機では計数忘れに注意しなければならないという知識を広めることができる。また、遊技者は、第1画像表示(ロゴ表示L1)を介して遊技メダルを使用しない遊技機であることを理解でき、次に表示される「遊技機が遊技メダルを使用しない遊技機である旨を示す表示」を介しても遊技メダルを使用しない遊技機であることを理解できる。このため、遊技者に対し、遊技メダルを使用しない遊技機であることをより長期間の間、報知できる。これにより、遊技者が理解しやすい表示を実現できる。
なお、
図22に示すスマパチ(登録商標)の場合、遊技機説明表示は、例えば「遊技球の排出口がなく、遊技球に触れることなく遊技を行う遊技機です。」となる。
【0194】
(変形例2)
補足説明表示Eは、
図15(a)に示すように、紫色で塗り潰された長方形状の領域に、文字表示(計数忘れ及びカードの取り忘れや盗難にはご注意ください。)が白抜き文字で表示されるものであってもよく、さらに、補足説明表示Eは、ロゴ表示L1と一体(連続)となっていてもよい。そして、
図15(b)に示すように、デモ演出中に、白背景とともにのめり込み防止表示Nが所定時間(3秒)にわたって表示され、当該表示の終了後、白背景とともに、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが所定時間(3秒)にわたって表示されるように構成されていてもよい。
換言すると、本例では、背景が白色となっている状況で、ロゴ表示L1(第1画像表示)および補足説明表示E(第2画像表示)は、のめり込み防止表示N(第3画像表示)と、異なる期間で表示されるようになっている。
そして、背景が白色となっていて前記第1画像表示および前記第2画像表示が表示されている状況では、前記第1画像表示および前記第2画像表示以外に表示されているものはない。
また、背景が白色となっていて前記第3画像表示が表示されている状況では、前記第3画像表示以外に表示されているものはない。
【0195】
(変形例3)
また、
図16に示すように、デモ演出中に、白背景とともに、ロゴ表示L1、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nが、同じ表示期間の間、表示され、かつ、のめり込み防止表示Nよりも下方に、ロゴ表示L1および補足説明表示Eが、左右に並べて表示されるものであってもよい。本例では、ロゴ表示L1が左側に表示され、補足説明表示Eが右側に表示されている。この場合であっても、ロゴ表示L1と補足説明表示Eとの距離(第1距離)は、ロゴ表示L1とのめり込み防止表示Nとの距離(第2距離)よりも小さくなっている。
本例では、背景が白色となっている状況で、ロゴ表示L1(第1画像表示)および補足説明表示E(第2画像表示)は、のめり込み防止表示N(第3画像表示)と、同じ期間で表示されている。
そして、背景が白色となっていて前記第1画像表示、前記第2画像表示および前記第3画像表示が表示されている状況では、前記第1画像表示、前記第2画像表示および前記第3画像表示以外に、遊技の進行ゲーム数(実行された遊技回数)を示す表示があってもよい。
また、本例では、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの左右方向の幅(両者の幅の合計と)と、のめり込み防止表示Nの左右方向の幅と、が同一または略同一となっている。換言すると、ロゴ表示L1の左端とのめり込み防止表示Nの左端とが揃っていて、補足説明表示Eの右端とのめり込み防止表示Nの右端とが揃っている。また、補足説明表示Eの文字表示を2段表記とし、ロゴ表示L1の上下方向の幅と補足説明表示Eの上下方向の幅とが同一または略同一となっている。さらに、のめり込み防止表示Nの上下方向の幅と、ロゴ表示L1(および補足説明表示E)の上下方向の幅とが同一または略同一となっている。このように構成することで、統一感のある表示を実現し、見た目を美しくすることができる。
【0196】
(パネルにおけるロゴ表示)
図17は、下パネル91を正面側から見た図である。本実施形態では、下パネル91の右上に、ロゴ表示L2(第2ロゴ表示)が表示されている。ロゴ表示L2は、ロゴ表示L1(第1ロゴ表示)と同様の表示であり、ロゴ表示L1と相似形となっていて、ロゴ表示L1とサイズ(大きさ、倍率、縮尺)が異なっている。本実施形態では、ロゴ表示L2は、ロゴ表示L1よりも表示サイズが小さくなっている。なお、ロゴ表示L1とロゴ表示L2は、同じ大きさであってもよく、ロゴ表示L2がロゴ表示L1よりも大きくなっていてもよい。
【0197】
ロゴ表示L2は、ロゴ表示L1と同じ色(紫色)となっている。換言すると、ロゴ表示L2とロゴ表示L1は、色(色合い)が同じようになっている(色合いを同じようにしている)。詳細は後述するが、ロゴ表示L2は、シート(フィルム)に印刷されて形成されており、紫色部分のCMYK値は、C50%、M80%、Y0%、K0%となっていて、白色部分のCMYK値は、C0%、M0%、Y0%、K0%となっている。
【0198】
なお、本実施形態では、下パネル91にロゴ表示L2が設けられているものとするが、これに限らず、例えば前扉12の上方や側方(側面)にパネル(上パネルやサイドパネル)が設けられている場合に、当該パネルにロゴ表示L2が設けられていてもよい。
【0199】
液晶ディスプレイ13に表示されるロゴ表示L1は、デモ演出中に所定時間にわたって表示されるものであった。換言すると、常時表示されるものではなかった。これに対し、ロゴ表示L2は、常に表示されるもの(常時表示)となっている。遊技者は、遊技機の外観に常に現れているロゴ表示L2を見て、当該遊技機がスマスロ(登録商標)であることを認識できる。換言すると、ロゴ表示L2が設けられていることで、遊技場において、スマスロ(登録商標)をより容易に見つけることができる。なお、ロゴ表示L2をパネルロゴ表示と称し、ロゴ表示L1を液晶ロゴ表示と称してもよい。遊技機10(すなわちスマスロ(登録商標))には、液晶のロゴ表示L1とパネルのロゴ表示L2の、少なくとも一方が表示されていればよい。
【0200】
液晶ディスプレイ13の表示面(画面)には、実行される演出等に応じて、様々な表示物が表示される。当該表示物には、キャラクタ、乗り物、背景(風景)、文字(数字、記号を含む)、模様等が含まれ、文字を含む表示には、例えば、上述のロゴ表示L1、補足説明表示E、のめり込み防止表示N等がある。上述のとおり、補足説明表示Eおよびのめり込み防止表示Nは、遊技者に対する注意喚起表示と言うことができる。なお、注意喚起表示は、後述するメッセージ表示に含まれるものとしてもよい。
【0201】
液晶ディスプレイ13において、ロゴ表示L1および補足説明表示Eは、上述のとおり紫色(同じ色)で表示されるため、補足説明表示Eがロゴ表示L1に関する表示であることを、遊技者は認識しやすい。また、ロゴ表示L1および補足説明表示Eは、のめり込み防止表示Nとは異なる色となっている。補足説明表示Eの色が、のめり込み防止表示Nの色と異なっているため、遊技者は、それぞれが異なる内容の注意喚起であることを、より認識しやすい。換言すると、遊技者は両者を区別して認識することができる。
【0202】
本実施形態では、ロゴ表示L1および補足説明表示Eは、少なくともデモ演出の実行中に液晶ディスプレイ13に表示される他の表示物とは異なる色となっている。換言すると、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色(紫色)は、デモ演出中に表示される他の表示物では使用されていない色となっている。このため、デモ演出中にロゴ表示L1および補足説明表示Eを表示させた際に遊技者に与える印象を、より強いものとすることができる。換言すると、ロゴ表示L1および補足説明表示Eを、より目立たせることができる。
【0203】
ここで、文字を含む表示(文字表示)であって、遊技者に対して所定の指示を行う表示を「メッセージ表示」と称する。メッセージ表示としては、エラーの発生を報知するエラー表示(エラー系のメッセージ表示)がある。遊技機において所定のエラーが発生した場合、当該エラーの発生を報知するエラー表示が液晶ディスプレイ13に表示される。エラー表示は、例えば、エラーの種類を示す文字(エラーコード)とともに「係員をお呼びください。」という文字が、黒色の背景に白抜き文字(白文字)で表示される。換言すると、エラー表示は、白色となっている。
【0204】
また、メッセージ表示としては、回転中のリールの停止を指示するリール回転中警告表示がある。リール回転中の状態が所定時間(例えば60秒)にわたって継続すると、リール回転中警告表示が液晶ディスプレイ13に表示される。リール回転中警告表示は、例えば、「リールを停止して下さい。」という文字が、白色の枠の内側の紺色領域に白抜き文字(白文字)で表示される。換言すると、リール回転中警告表示は、白色となっている。
【0205】
また、メッセージ表示に、例えば、左押し推奨表示が含まれてもよい。左押し推奨表示は、左押しが推奨される期間(例えば通常演出状態)が設定されている場合に、当該期間において変則押しで遊技が行われると表示される。左押し推奨表示は、例えば、白色の枠の内側の紺色領域に「左押し推奨です」という白抜き文字(白文字)が表示される。換言すると、左押し推奨表示は、白色となっている。
【0206】
なお、メッセージ表示に、打順ナビ演出に係る表示(例えば
図12の第3ナビ演出に係る表示)が含まれてもよい。当該表示は、例えば、白色や黄色等となっている。
【0207】
本実施形態では、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色(紫色)は、いずれのメッセージ表示(ロゴ表示L1および補足説明表示Eを除く他のメッセージ表示)の色とも異なっている。このようにロゴ表示L1および補足説明表示Eの色を、メッセージ表示(他のメッセージ表示)では使用されていない色とすることで、ロゴ表示L1および補足説明表示Eを表示させた際に、遊技者に対して強い印象を与えることができる。換言すると、ロゴ表示L1および補足説明表示Eを、より目立たせることができる。
【0208】
液晶ディスプレイ13に表示される文字を含む表示(文字表示)には、メッセージ表示以外に(遊技者に対して所定の指示を行わない表示として)、所定の演出状態(遊技状態)の開始を報知する表示、遊技に関する情報を報知する表示や、セリフ表示等がある。所定の演出状態の開始を報知する表示としては、例えば、AT演出状態の開始を報知する表示があり、「〇〇ボーナス」(〇〇は例えばキャラクタ名)という文字が、例えば白文字で表示される。また、遊技に関する情報を報知する表示としては、遊技回数(ゲーム数)を報知する表示や、獲得したポイント数(累積ポイント数)を報知する表示等があり、当該表示は、例えば白色や銀色等となっている。また、セリフ表示は、例えば、上述のバトル演出等においてキャラクタが発するセリフに対応しており、「勝負!」や「待った!」等のセリフが、例えば白文字で表示される。
【0209】
ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色(紫色)は、液晶ディスプレイ13に表示される他のすべての文字表示の色と異なっていてもよい。ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色を、他のすべての文字表示で使用されていない色とすることで、ロゴ表示L1および補足説明表示Eを表示させた際に、遊技者に対して強い印象を与えることができる。換言すると、ロゴ表示L1および補足説明表示Eを、より目立たせることができる。また、ロゴ表示L1および補足説明表示Eの色(紫色)は、液晶ディスプレイ13に表示される、他のすべての表示物の色と異なっていてもよい。
本実施形態では、スマスロ(登録商標)である遊技機10においてデモ演出が実行され、ロゴ表示L1、補足説明表示E、のめり込み防止表示Nが表示される場合について説明した。ただし、遊技機はこれに限らず、後述するスマパチ(登録商標)であるパチンコ遊技機1000(
図22)であってもよい。すなわち、パチンコ遊技機1000において、本実施形態のように、所定の状況で、ロゴ表示L1、補足説明表示E、のめり込み防止表示Nが、液晶ディスプレイに表示されるようになっていてもよい。その場合、ロゴ表示L1および補足説明表示Eは、色(色合い)が同じようになっていて(色合いを同じようにしていて)、両者の色は青色となっている。当該青色部分のRGB値は、R3、G110、B183となっている。ロゴ表示L1は、スマパチ(登録商標)という文字を含む表示となっており、当該文字は白抜き文字(縁が青色の白抜き文字)となっている。なお、ロゴ表示L1の白色部分のRGB値は、R255、G255、B255となっている。
【0210】
本実施形態の遊技機は、
画像表示手段(例えば液晶ディスプレイ13)と、
画像表示に関する制御行う演出制御手段(例えば演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の状況で、第1画像表示と、第2画像表示と、第3画像表示と、を前記画像表示手段に表示させることが可能であり、
前記第1画像表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の特定遊技機であることを報知する表示(例えばロゴ表示L1)であり、
前記第2画像表示は、前記特定遊技機に関する注意喚起表示(例えば補足説明表示E)であり、
前記第3画像表示は、のめり込みに対する注意喚起表示(例えばのめり込み防止表示N)であり、
前記第1画像表示と前記第2画像表示は、色が同じようになっている。
【0211】
前記第1画像表示と前記第2画像表示は、色が同じようになっているため、前記第2画像表示が前記第1画像表示と関連する表示であること、すなわち、前記第2画像表示が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の特定遊技機に関する注意喚起表示であることを、遊技者にとってわかりやすいもの(認識されやすいもの)とすることができる。換言すると、遊技者は、一見して、前記第2画像表示が前記第1画像表示に関連する表示であることを把握できる。これにより、所定の表示(前記第1画像表示および前記第2画像表示)に関して、遊技者の理解のしやすさを向上させることができる。
【0212】
また、本実施形態の遊技機では、前記第1画像表示および前記第2画像表示の色は、前記第3画像表示の色と異なっている。このため、遊技者は、特定遊技機に関する表示(前記第1画像表示および前記第2画像表示)と、のめり込みに対する注意喚起表示(前記第3画像表示)と、が異なる表示であることを、より認識しやすい。換言すると、遊技者は、両者を区別して認識することができる。
【0213】
また、本実施形態の遊技機では、前記第1画像表示、前記第2画像表示および前記第3画像表示は、背景が白色となっている状況で、同じ期間の間、表示される。このため、前記第1画像表示、前記第2画像表示および前記第3画像表示をより目立たせ、遊技者に、より認識されやすいものとすることができる。また、各表示の表示期間を同じ期間とせずに異なる期間とした場合における、演出画像等の他の表示の表示期間が減少してしまうという問題が生じるのを防ぐことができる。
【0214】
また、本実施形態の遊技機では、前記第2画像表示は、前記第3画像表示よりも前記第1画像表示の近くに表示される。このため、前記2画像表示が前記第1画像表示と関連する表示であることを、さらに認識されやすいものとすることができる。
【0215】
次に、下パネル91(パネルユニット)について説明する。
図18に示すように、下パネル91は、前パネル102と、シート110(デザインシート)と、後パネル103と、を備えている。シート110は、前パネル102と、後パネル103と、に挟まれる(挟持される)ようになっている。下パネル91は、枠体120に嵌められて(周辺部分を前方から枠体120に覆われて)、下扉12bに取り付けられる。枠体120は、有色の樹脂で形成されている。また、枠体120は、開口121を有しており、開口121を介して下パネル91が露出するようになっている。なお、図示を省略するが、下パネル91の後方に、スピーカ14が配置されている。下パネル91における、前方から見てスピーカ14と重なる位置には、複数の孔が設けられていてもよい。
【0216】
(シート110)
シート110は、透明な(透光性が高い)基材(フィルム)の裏面に、キャラクタ等の表示物が印刷されて形成された、シート状の部材(装飾部材)である。下パネル91の後方には複数のLED131(照明手段)(LED131が配置されたLED基板)が配置されており、LED131からの光がシート110(下パネル91)に照射されるようになっている。換言すると、シート110は発光(点灯)可能となっている。
【0217】
図17は、下パネル91を正面側から見た図であって、前パネル102の図示を省略している。シート110の右上部には、ロゴ表示L2(第1印刷表示)が印刷されている。下パネル91(シート110)にロゴ表示L2が表示されていることで、遊技者は、遊技機がスマスロ(登録商標)であることを外観から認識(識別)できる。
【0218】
ロゴ表示L2は、紫色部分と白色部分とで構成されている。ロゴ表示L2における紫色部分は、C50%、M80%、Y0%、K0%の配色の塗料が印刷されている。また、ロゴ表示L2おける白色部分は、C0%、M0%、Y0%、K0%の配色の塗料が印刷されている。ロゴ表示L2では、紫色部分が占める割合が比較的大きく、ロゴ表示L2は、紫色であるということができる。なお、当該紫色は、ロゴ表示L2における白色ではない部分の色(特定色)ということもできる。
【0219】
図17に示すように、ロゴ表示L2は、外周に沿って形成された(施された)白色の縁取り部W(白縁部W)を備えている。白縁部Wは、一定の幅となっており、例えば、約1.5mmの幅となっている。なお、ロゴ表示L2は、上下方向の幅が例えば約40mmとなっていて、左右方向の幅が例えば約50mmとなっている。
【0220】
シート110において、ロゴ表示L2の大きさ(面積)は、後述する機種名表示111の大きさや、背景112の大きさよりも相対的に小さくなっている。換言すると、シート110では、機種名表示111や背景112(キャラクタP)が、ロゴ表示L2よりも大きく表示されている。この場合に、ロゴ表示L2の視認性低下を抑制する必要がある。
【0221】
シート110には、機種名表示111(第2印刷表示)が印刷されている。機種名表示111は、遊技機10の機種名(「ABC」とする)に関する表示であって、文字を含む表示となっている。機種名表示111は、ロゴ表示L2と異なる色となっている。換言すると、機種名表示111では、紫色(特定色)が使用されていない。また、機種名表示111は、ロゴ表示L2と重ならない位置に設けられている(重なる部分を有していない)。本実施形態では、機種名表示111は、シート110の左側(左上部)に印刷されている。換言すると、機種名表示111とロゴ表示L2は、所定の距離を離して配置されている。所定の距離を確保することで、両者を区別して認識することが、より容易となる。
【0222】
シート110には、背景112(第3印刷表示)が印刷されている。背景112は、例えば、キャラクタや風景等の表示物を含む。背景112は、例えば機種名表示111を主要題材とした背景となっている。本実施形態では、背景112は、キャラクタPを含んでいる。背景112(キャラクタP)は、ロゴ表示L2と異なる色となっている。換言すると、背景112では、紫色(特定色)が使用されていない。本実施形態では、背景112(背景112の少なくとも一部)は、ロゴ表示L2と重なっていて(互いに重なる位置に設けられていて)、ロゴ表示L2が背景112よりも手前側に視認されるようになっている。本実施形態では、キャラクタPの髪の毛の部分とロゴ表示L2とが重なっている。なお、当該重なる部分を、キャラクタPの顔部分ではなく、キャラクタPの髪の毛の部分とすることで、キャラクタPの顔部分がロゴ表示L2に覆われて、キャラクタPの視認性が低下するのを抑制できる。
【0223】
図19は、シート110の、ロゴ表示L2を含む部分の概略断面図である。シート110の透明な基材113(フィルム)の裏側(裏面)には、ロゴ表示L2およびキャラクタP(髪の毛の部分)が印刷されている。ロゴ表示L2の紫色部分は、まずC50%が印刷され、その上にM80%が印刷されている。なお、「上」とは、より裏側(後方側)を指す。シート110は、最も裏側(最も上側)に、白色の層が全体に印刷(裏打ち印刷)されるようになっている。ロゴ表示L2における白色部分(白縁部Wを含む)は、白色の裏打ち印刷により形成されている。なお、白色の層が全体に印刷されるとは、完全に全体を覆うように印刷されるものに限らず、白色が部分的に印刷されない箇所(例えば周縁部分)があってもよい。換言すると、白色の層が略全体に印刷されるものであればよい。
【0224】
シート110の透明な基材113の裏側には、キャラクタPの髪の毛の部分を表す黒色部分が印刷されている。この黒色部分(背景112)は、ロゴ表示L2の範囲内には印刷されていない。換言すると、黒色部分(背景112)は、ロゴ表示L2の範囲内では印刷が除外されている。仮に、ロゴ表示L2の範囲内に背景112(キャラクタPの髪の毛の部分)が印刷されていた場合、換言すると、ロゴ表示L2の裏(上)に背景112が印刷されていた場合、LED131からの光が照射された際に(発光した際に)、背景112の色が混ざってしまうことにより、ロゴ表示L2の視認性が低下してしまうという問題が生じる。本実施形態のように、ロゴ表示L2の範囲内では背景112の印刷を除外することで、そのような視認性低下の問題が生じるのを防止できる。
【0225】
図17に戻る。背景112について、白縁部W(縁取り部)の外側であって、白縁部Wに隣接する部分には、白縁部Wと同色(白色)の部分(印刷部)が存在しないようになっている。同色の部分が存在しないことで、ロゴ表示L2の輪郭(境界)をより明確にし、はっきりさせることができる。また、白縁部W(白色部分)を設けることで、仮に、印刷のずれが生じた場合に、背景112(キャラクタPの髪の毛の部分)が、白縁部Wと重なったとしても、ロゴ表示L2の紫色部分と重なるのを抑制できる。よって、LED131からの光が照射された際に、当該紫色部分の視認性が低下するのを抑制できる。
【0226】
図19に示すように、シート110の裏面(背面)は、最も裏側に、白色の層が全体に印刷(裏打ち印刷)されるようになっている。また、ロゴ表示L2における白色部分(白縁部Wを含む)は、当該印刷により形成されている。例えば、ロゴ表示L2における白色部分が裏打ち印刷ではなく、部分的に白色を印刷する方法により形成されていた場合、当該印刷が施され、かつ、最後に裏打ち印刷が施されることとなる。換言すると、白色部分が二重に印刷されることとなる。本実施形態では、部分的な白色の印刷は省略し、裏打ち印刷によりロゴ表示L2における白色部分を形成している(裏打ち印刷を兼用している)。このため、印刷の工程を減らすことができ、シート110の生産効率の向上や、シート110の低コスト化を実現できる。
【0227】
また、裏打ち印刷により、ロゴ表示L2における紫色部分の裏側、背景112(キャラクタP)の裏側、機種名表示111の裏側などにも、白色の層(白色部分)が設けられている。当該白色を印刷することで、裏面(背面)側から光を照射した際に透けないようにすることができる。
【0228】
本実施形態では、下パネル91のシート110にロゴ表示L2、機種名表示111および背景112を設けた場合について説明したが、下パネル91のシート110に限らず他のパネル(上パネルやサイドパネル)のシートに、ロゴ表示L2、機種名表示111および背景112が設けられていてもよい。
【0229】
(変形例)
図20に示すように、シート110の右下部にロゴ表示L2が設けられ、かつ、ロゴ表示L2の周囲(例えば下方)に、補足説明表示Eが表示(印刷)されていてもよい。本例における補足説明表示Eは、紫色で塗り潰された長方形状の領域に「計数忘れ及びカードの取り忘れや盗難にはご注意ください。」という文字(白抜き文字)が表示されたものとなっている。補足説明表示Eは、紫色となっている。ロゴ表示L2と補足説明表示Eは、色(色合い)が同じようになっている(色合いを同じようにしている)。換言すると、補足説明表示Eは、シート110の右下部に設けられ、ロゴ表示L2と同じ色の印刷となっている。また、補足説明表示Eにおける白抜き文字は、ロゴ表示L2の縁取り部(白縁部)を含む白色の部分と同様に、シート110の全体に印刷された白色の層によって形成されている。
なお、本例では、ロゴ表示L2の周囲および補足説明表示Eの周囲に、外周に沿って黒色の縁取り(黒縁部)が形成されている。黒縁部の幅は、例えば約3~5mm程度となっている。黒縁部を設けることで、背景112との境界をより明確なものとし、ロゴ表示L2および補足説明表示Eを目立たせることができる。また、印刷ずれが生じた場合であっても、背景112とロゴ表示L2(補足説明表示E)とが重なりにくく、ロゴ表示L2(補足説明表示E)の視認性が低下するのを防ぐことができる。本例において、ロゴ表示L2は、外周に沿って形成された(施された)白色の縁取り部(白縁部)を備え、白縁部に隣接する部分(外側)は黒縁部となっていて、白縁部と同色(白色)の部分が存在しないようになっている。
また、ロゴ表示L2は、背景112のみならず、機種名表示111と重なるように表示されてもよい。この場合、機種名表示111よりも手前にロゴ表示L2が視認されるようになっている。また、ロゴ表示L2の範囲内に、背景111も機種名表示111も印刷されていないようになっている。
【0230】
本実施形態の遊技機は、
シート(例えばシート110)を備えるパネル(例えば下パネル91)と、
前記パネルに光を照射可能な照明手段(例えばLED131)と、を備え、
前記シートには、第1印刷表示(例えばロゴ表示L2)と、第2印刷表示(例えば機種名表示111)と、第3印刷表示(例えば背景112)と、が含まれ、
前記第1印刷表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示であり、
前記第2印刷表示は、遊技機の機種名に関する表示であり、
前記第3印刷表示は、背景であり、
前記第3印刷表示の手前に、前記第1印刷表示が視認されるようになっていて、
前記第1印刷表示の範囲内に、前記第3印刷表示が印刷されていない。
【0231】
仮に、前記第1印刷表示の範囲内に前記第3印刷表示が印刷されている場合、前記シートに前記照明手段からの光が照射された際に、前記第3印刷表示が妨げとなって(前記第3印刷表示の色が混ざって)、前記第1印刷表示の視認性が低下するという問題が生じ得る。本実施形態では、前記第1印刷表示の範囲内に、前記第3印刷表示が印刷されていない。このため、光が照射された際に前記第1印刷表示(所定の表示)の視認性が低下する、という問題が生じるのを防ぐことができる。
【0232】
また、本実施形態の遊技機では、前記第1印刷表示は、外周に沿って形成された縁取り部を備え、前記縁取り部の外側であって、前記縁取り部と隣接する部分には、前記縁取り部と同色の部分が存在していない。このため、前記第1印刷表示の輪郭(境界)をより明確にし、はっきりさせ、前記第1印刷表示を目立たせることができる。また、前記縁取り部を設けることで、印刷ずれが生じた場合に、前記第3印刷表示(背景)と、前記第1印刷表示における前記縁取り部よりも内側の部分と、が重なるのを抑制できる。これにより、光が照射された際における前記第1印刷表示の視認性が低下するのを防ぐことができる。
【0233】
また、本実施形態の遊技機では、前記第1印刷表示は、白色の部分を備え、前記白色の部分が、前記シートの全体に印刷された白色の層によって形成されている。仮に、前記第1印刷表示における前記白色の部分が、前記白色の層ではなく、部分的な白色の印刷により形成されている場合、当該印刷と、前記白色の層の印刷とが2重で施されることとなる。本実施形態では、当該印刷は施されず、前記白色の部分が、前記白色の層で形成されている。このため、印刷の工程を減らし、シートの生産効率を向上させることができ、シートの低コスト化を実現することができる。
【0234】
上述のとおり、下パネル91にロゴ表示L2が設けられているため、遊技者は、遊技機がスマスロ(登録商標)であることを外観から認識(識別)できる。下パネル91には、ロゴ表示L2の他に、機種名表示111や背景112が設けられていることから、ロゴ表示L2が目立たなくなるのを抑制する必要がある。換言すると、ロゴ表示L2が、より目立つようにする必要がある。以下、ロゴ表示L2という場合、ロゴ表示L2が、
図20で示した補足説明表示E(下パネル91の補足説明表示E)を含むものであってもよい。なお、
図20で説明した黒縁部は、当該ロゴ表示L2に含まれないものとする。
【0235】
図17を用いて説明する。ここで、ロゴ表示L2における紫色(白色ではない部分の色)を特定色とする。機種名表示111では、ロゴ表示L2に係る特定色(紫色)は使用されていない。換言すると、ロゴ表示L2は、機種名表示111では用いられていない色(配色)で印刷されている。ロゴ表示L2と機種名表示111は、ともに文字を含んでいるが、ロゴ表示L2を紫色とすることで、機種名表示111と区別させ、より目立たせることができる。これにより、ロゴ表示L2を、遊技者に認識されやすいものとすることができる。
【0236】
また、背景112では、ロゴ表示L2に係る特定色(紫色)は使用されていない。換言すると、ロゴ表示L2は、背景112では用いられていない色で印刷されている。ロゴ表示L2は、背景112の手前に視認されるもの(背景112と重なっているもの)であるが、ロゴ表示L2を紫色とすることで、背景112と区別させ、より目立たせることができる。これにより、ロゴ表示L2を、遊技者に認識されやすいものとすることができる。
【0237】
シート110において、ロゴ表示L2、機種名表示111、背景112以外のその他の表示が設けられていてもよい。本実施形態では、ロゴ表示L2を含む(ロゴ表示L2が設けられている)1つのシート110(下パネル91)の全体において、ロゴ表示L2以外の部分で、ロゴ表示L2に係る特定色(紫色)は使用されていない。換言すると、当該特定色は、ロゴ表示L2でのみ使用されている。つまり、ロゴ表示L2は、その他の表示(機種名表示111や背景112)では用いられていない配色で印刷されている。このため、ロゴ表示L2を、その他の表示(機種名表示111や背景112)と区別させ、より目立たせることができる(紛れてしまうのを抑制できる)。これにより、ロゴ表示L2を、遊技者に認識されやすいもの(遊技者を惹き付けやすいもの)とすることができる。
【0238】
遊技機10では、下パネル91の他に、上パネルやサイドパネルが設けられていてもよい。その場合、上パネルやサイドパネルもシートを備えている。当該特定色(紫色)は、遊技機に設けられているすべてのシートにおいて使用されておらず、ロゴ表示L2を含むシートにおいて、ロゴ表示L2でのみ使用されている色であってもよい。このように構成することで、ロゴ表示L2を、より目立つものとし、遊技者に認識されやすいものとすることができる。
【0239】
また、遊技機10は、外観を構成する樹脂製の意匠部材等を備えている。当該特定色(紫色)は、遊技機10の外観の全体において使用されておらず、ロゴ表示L2でのみ使用されている色であってもよい。
【0240】
図3に示すように、遊技機10の傍ら(右側)(右隣)にはカードユニット(所定の専用ユニット200)が配置されている。上述のとおり、遊技者は、専用ユニット200に対して、貸出操作やカード返却操作等を行うことができる。ロゴ表示L2をシート110における右側(右端側)に設けて、ロゴ表示L2の位置を専用ユニット200に近い位置とすることで、ロゴ表示L2が専用ユニット200と関連性を有するものであることを示すことができる。
【0241】
また、遊技機10は、計数ボタン212(計数操作手段)を備えており、遊技者は、クレジットを専用ユニット200に返却する(クレジットを計数する)際に計数ボタン212を操作(押下)する。遊技機10を前方(正面)から見た場合に、ロゴ表示L2は、計数ボタン212の鉛直方向(鉛直下方側、真下側、前方から見た場合の下方側)に設けられている。ロゴ表示L2をシート110における右側(右端側)に設け、かつ、ロゴ表示L2の位置を計数ボタン212の下方の位置とすることで、ロゴ表示L2が計数ボタン212と関連性を有するものであることを示すことができる。また、ロゴ表示L2と、計数ボタン212と、専用ユニット200と、が関連性を有するものであることを示すことができる。
また、遊技機10は、計数される遊技価値数を表示可能な遊技メダル数表示装置211(遊技価値(数)表示手段)を備えている。遊技メダル数表示装置211は、計数ボタン212の近傍に設けられており、クレジット数を表示可能な表示器となっている。ここで、計数ボタン212と遊技メダル数表示装置211とを備える構成を、計数ボタンユニット213(計数手段)とすると、ロゴ表示L2は、計数ボタンユニット213の鉛直方向(鉛直下方、鉛直方向における下方側)に設けられている。ロゴ表示L2と計数ボタンユニット213は、前方(手前)から見た場合に、鉛直方向に沿う仮想直線上に位置する位置関係となっている。
また、遊技メダル数表示装置211におけるセグメント式のLEDで表示されるクレジット数は、計数ボタンユニット213を正面視した場合に目視できるようになっており、平面視(上面視)した場合であっても目視できるようになっている(正面側から見た場合であっても、上方側から見た場合であっても視認できるようになっている)。これにより、遊技機の動画が撮影された際においても、十分な視認性を備えることができ、かつ遊技者が椅子から立ち上がって遊技を終了した際においても、十分な視認性を備えることができる。
【0242】
前パネル102(
図18)は、透明な(透光性を有する)樹脂で板状に形成されている。前パネル102は、シート110の前面(表面)を覆い、シート110を保護している。また、後パネル103(
図18)は、透明な(透光性を有する)樹脂で板状に形成されている。後パネル103は、シート110の後面(裏面)を覆い、シート110を保護している。また、後パネル103の裏側(後方側)には、複数のLED131が配置された基板(LED基板、バックライト基板)が設けられている。
【0243】
図21に示すように、前パネル102における前面には、シボ部102a(シボ加工部)が設けられている。シボ部102aは、前パネル102の外周(外縁)に沿って、前パネル102の縁部分(周縁部)に帯状に設けられている。シボ部102aは、外縁から内側に向かう所定距離dの範囲に設けられており、当該所定距離dは、例えば、約5mmとなっている。換言すると、シボ部102aの幅は、約5mmとなっている。なお、シボは、金型に細かい凹凸を設けることにより形成されているが、これに限らず、エッチングによる化学処理やサンドブラスト等により形成されてもよい。また、シボ部102aは、前パネル102の裏面側(背面側)に設けられているものであってもよい。
【0244】
前方から枠体120(
図18)の開口121を介して下パネル91を見た場合に、開口121の内側に、帯状のシボ部102a(約5mm)がはみ出る(現れる)ようになっている。シボ部102aの内縁と開口121は、相似形となっていて、シボ部102aの内縁の方が開口121よりも小さく(内側に)形成されている。
【0245】
前パネル102の厚さは、約3mmとなっている。開口121から内側にシボ部102aがはみ出す距離(約5mm)は、前パネル102の厚さ(約3mm)よりも大きくなっている。このため、遊技者が前パネル102を介して、遊技機10の内部を覗こうとした場合であっても、遊技機10の内部(内部機器)や、シート110の外縁(端部)を視認できないようになっている。換言すると、遊技者がシボ部102aに対して、所定の角度(約45°~60°)で覗き込んだ場合であっても、遊技機10の内部や、シート110の外縁が視認できないようになっている。
【0246】
前パネル102のシボ部102aは、シート110(
図17)の外縁部分と対向している(重なるようになっている)。
図21に示すように、シート110のロゴ表示L2は、前方から見て、前パネル102のシボ部102aと重ならない位置に設けられている。ロゴ表示L2の縁と、シボ部102a(の内縁)との距離(最短距離)は、例えば、約5mmとなっている。このため、ロゴ表示L2がシボ部102aに覆われて(隠れて、埋もれて)、ロゴ表示L2の視認性が低下するのを抑制できる。
【0247】
また、前パネル102にシボ部102aを設けることで、針金等の部材を挿入しにくいものとし、不正対策性能を向上させることができる。
【0248】
本実施形態の遊技機は、
シート(例えばシート110)を備えるパネル(例えば下パネル91)と、
前記パネルに光を照射可能な照明手段(例えばLED131)と、を備え、
前記シートには、第1印刷表示(例えばロゴ表示L2)と、第2印刷表示(例えば機種名表示111)と、第3印刷表示(例えば背景112)と、が含まれ、
前記第1印刷表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示であり、
前記第2印刷表示は、遊技機の機種名に関する表示であり、
前記第3印刷表示は、背景であり、
前記第1印刷表示における白色ではない部分の色を特定色とすると、
前記第2印刷表示では、前記特定色が使用されていない。
【0249】
前記第2印刷表示(機種名表示)では、前記第1印刷表示に係る前記特定色が使用されていない。このため、前記シートにおいて、前記第1印刷表示(遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示)を、より目立たせることができる。これにより、前記第1印刷表示(所定の表示)を、遊技者に、より認識されやすいものとすることができる。
【0250】
また、本実施形態の遊技機は、
シート(例えばシート110)を備えるパネル(例えば下パネル91)と、
前記パネルに光を照射可能な照明手段(例えばLED131)と、を備え、
前記シートには、第1印刷表示(例えばロゴ表示L2)と、第2印刷表示(例えば機種名表示111)と、第3印刷表示(例えば背景112)と、が含まれ、
前記第1印刷表示は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示であり、
前記第2印刷表示は、遊技機の機種名に関する表示であり、
前記第3印刷表示は、背景であり、
前記第3印刷表示の手前に、前記第1印刷表示が視認されるようになっていて、
前記第1印刷表示における白色ではない部分の色を特定色とすると、
前記第3印刷表示では、前記特定色が使用されていない。
【0251】
前記第3印刷表示(背景)の手前に前記第1印刷表示が視認されるようになっているが、前記第3印刷表示(背景)では、前記第1印刷表示に係る前記特定色が使用されていない。このため、前記シートにおいて、前記第1印刷表示(遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示)を、より目立たせることができる。これにより、前記第1印刷表示(所定の表示)を、遊技者に、より認識されやすいものとすることができる。
【0252】
また、本実施形態の遊技機は、計数する際に操作される計数操作手段(例えば計数ボタン212)と、計数される遊技価値数を表示する遊技価値数表示手段(例えば遊技メダル数表示装置111)と、を有する計数手段(例えば計数ボタンユニット213)を備え、前記第1印刷表示は、遊技機の傍らに配置される所定の専用ユニット(例えば専用ユニット200)側に設けられており、かつ前記第1印刷表示は、前記計数手段の鉛直方向に設けられている。このため、前記第1印刷表示(遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示)と、前記計数手段(計数ボタンユニット213)と、が互いに関連性を有していることを、遊技者に認識されやすいようにすることができる。
【0253】
また、本実施形態の遊技機は、前記シートの前側に配置される前パネル(例えば前パネル102)を備え、前記前パネルは、周縁部に形成されたシボ部(例えばシボ部102a)を備え、前方から見た場合に、前記第1印刷表示が、前記シボ部と重ならない位置に設けられている。このため、前記第1印刷表示(遊技上の利益が電子的に計数される仕様の遊技機であることを報知する表示)が前記シボ部に覆われ、前記第1印刷表示の視認性が低下するのを抑制できる。
【0254】
以上、本実施形態では、スマスロ(登録商標)である遊技機10を例にとり説明したが、本発明は、スマパチ(登録商標)であるパチンコ遊技機にも適用可能である。
図22に示すパチンコ遊技機1000は、スマートパチンコ(登録商標)である。パチンコ機1000では、電子的情報としての遊技価値が用いられ、遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりすることによって遊技が行われる。パチンコ遊技機1000は、遊技媒体としての遊技球(物理的な遊技球)を内部で循環させることで、遊技球に直接触らずに電子情報としての遊技価値を用い、遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりすることによって遊技を行うことが可能なパチンコ遊技機となっている。
【0255】
図22に示すようにパチンコ遊技機1000は、上パネル(上部パネル)500を備えている。上パネル500は、上述の下パネル91と同様に構成されており、シート510(
図23)を備えている。また、シート510は、上述のシート110と同様に形成されており、背面側から光が照射されるようになっている。シート510は、第1印刷表示(ロゴ表示L3)と、第2印刷表示(機種名表示111)と、第3印刷表示(背景112)と、を含んでいる。
【0256】
シート510において、第1印刷表示(ロゴ表示L3)と、第2印刷表示(機種名表示111)と、第3印刷表示(背景112)と、の関係は、上述のシート110における、第1印刷表示(ロゴ表示L1)と、第2印刷表示(機種名表示111)と、第3印刷表示(背景112)と、の関係と同様に構成されている。ただし、ロゴ表示L3がシート510における左側に設けられ、機種名表示111がシート510における右側に設けられている点が相違する。
図22に示すようにパチンコ遊技機1000の左側(傍ら)には、遊技者が貸出操作やカード返却操作等を行うカードユニット(専用ユニット201)が配置されている。ロゴ表示L3は、専用ユニット201側に設けられている。このため、ロゴ表示L3と専用ユニット201とが関連性を有するものであることを示すことができる。
【0257】
ロゴ表示L3(
図23)は、遊技機がスマートパチンコ(登録商標)であることを示す(報知する)表示となっている。換言すると、ロゴ表示L3は、遊技機が、遊技上の利益が電子的に計数(付与)される仕様の遊技機(特定遊技機)であることを報知する表示となっている。ロゴ表示L3は青色となっている。ロゴ表示L3は、青色部分と白色部分とを有しており、青色部分の占める割合が比較的大きく、ロゴ表示L3は、青色であるこということができる。なお、当該青色は、ロゴ表示L3における白色ではない部分の色(特定色)ということもできる。
【0258】
青色部分のCMYK値は、C85%、M50%、Y0%、K0%となっている。また、白色部分のCMYK値は、C0%、M0%、Y0%、K0%となっている。ロゴ表示L3はスマパチ(登録商標)という文字を含む表示となっており、当該文字は白抜き文字(縁が青色の白抜き文字)となっている。
【0259】
また、
図23に示すように、ロゴ表示L3は、外周に沿って形成された(施された)白色の縁取り部W(白縁部W)を備えている。白縁部Wは、一定の幅となっており、例えば、約1.5mmの幅となっている。なお、ロゴ表示L3は、上下方向の幅が例えば約42mmとなっていて、左右方向の幅が例えば約46mmとなっている。
図22において、符号Xで示した部分(前面扉の左側)には、図示を省略しているが、パチンコ遊技機1000における計数ボタンユニット(計数手段)が設けられている。計数手段は、計数操作手段(持玉を専用ユニット201に転送する際に操作する計数ボタン)と遊技価値(数)表示装置(遊技メダル数表示装置)とを備えている。ロゴ表示L3は、計数ボタンユニットの鉛直方向(鉛直上方、鉛直方向における上方側)に設けられている。ロゴ表示L3と計数ボタンユニットは、前方(手前)から見た場合に、鉛直方向に沿う仮想直線上に位置する位置関係となっている。ロゴ表示L3と計数ボタンユニットとが関連性を有することを示すことができる。また、計数ボタンユニットは、専用ユニット201側に設けられている。このため、計数ボタンと専用ユニット201とが関連性を有することを示すことができる。
【0260】
なお、
図20で示した例と同様に、ロゴ表示L3の下方に、補足説明表示Eが設けられていてもよい。また、単にロゴ表示L3という場合に、当該補足説明表示Eを含むもの(当該補足説明表示Eと一体となったもの)であってもよい。
【0261】
図22において、ロゴ表示L3と計数ボタンユニットは、専用ユニット201側とは反対側に設けられていてもよい。つまり、ロゴ表示L3と計数ボタンユニットが、前面扉のヒンジ側とは反対側であるラッチ側(換言すると、シリンダー側やハンドル側がある前面扉の右側)に設けられていてもよい。これにより、ロゴ表示L3と計数ボタンユニットとが専用ユニット201との関連性を有することを示す機能は低下するのものの、少なくともロゴ表示L3と計数ボタンユニットの関連性を有することを示す機能は維持できるとともに、管理者が前面扉を開放し遊技盤にアクセスをしながら又は管理者が前面扉と内枠の双方を開放し遊技機の背面に設けられた各種基板(例えば、主制御基板、副制御基板、払出制御基板等)を目視しながら、計数ボタンの操作を行い易くすることができる。
【0262】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0263】
(計数処理)
本実施形態では、計数ボタン212の操作態様として、短押し(500msec未満)と長押し(500msec以上)とがあり、短押しをした場合と長押しをした場合とで計数される遊技価値数が異なっている。
図24に示すフローチャートを用いて、遊技価値数制御手段55における計数ボタン212の操作に係る処理(計数処理)について説明する。遊技価値数制御手段55は、計数ボタン212から入力される信号(計数ボタン信号)の状態(信号状態)を監視している。計数ボタン212が操作されていない状態では、遊技価値数制御手段55に入力される信号(計数ボタン信号)はOFFとなり、計数ボタン212が操作されている状態では、遊技価値数制御手段55に入力される信号(計数ボタン信号)はONとなる。
【0264】
遊技価値数制御手段55は、計数ボタン信号のONからOFFへの変化を検出(OFFエッジを検出)した場合、あるいは計数ボタン信号のONを所定時間以上検出した場合に、所定数のクレジット(クレジット数の全部または一部)に相当する値を示す情報を専用ユニット200へ送信(転送)するとともに、遊技価値数記憶領域66(遊技価値数記憶領域)の記憶値から当該所定数に相当する値を減算する。換言すると、遊技価値数制御手段55は、計数ボタン212の操作に基づいて所定数の遊技価値を専用ユニット200に転送し、遊技価値数記憶領域66(遊技価値数記憶領域)の記憶値から当該所定数に相当する値を減算する。当該所定数の減算(クレジット数の減少)に伴い、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技価値数が減少する。
【0265】
計数処理においては、遊技価値数制御手段55は、まず、計数ボタン信号がONであるか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301において、計数ボタン信号がONであると判定した場合(ステップS301:YES)、特定条件を満たすか否かを判定する(ステップS302)。一方、ステップS301において、計数ボタン信号がONでないと判定した場合(ステップS301:NO)、ステップS301の処理を繰り返す。特定条件とは、計数ボタン信号のOFFエッジを検出し、計数ボタン信号のONの検出時間(ON検出時間)が500ms未満であるという条件(第1条件)、あるいは計数ボタン信号のON検出時間が500ms以上であるという条件(第2条件)である。
【0266】
ステップS302において、特定条件を満たすと判定した場合(ステップS302:YES)、遊技価値数制御手段55は、それが第1条件であるか否かを判定する(ステップS303)。一方、ステップS302において、特定条件を満たさないと判定した場合(ステップS302:NO)、ステップS301に戻る。
【0267】
ステップS303において、第1条件であると判定した場合(ステップS303:YES)、遊技価値数制御手段55は、クレジット数が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS304)。一方、ステップS303において、第1条件でない(すなわち第2条件である)と判定した場合(ステップS303:NO)、遊技価値数制御手段55は、クレジット数が「50」以上であるか否かを判定する(ステップS306)。
【0268】
ステップS304において、クレジット数が「1」以上であると判定した場合(ステップS304:YES)、遊技価値数制御手段55は、クレジット数「1」(クレジット数の一部に相当する値)を示す情報を専用ユニット200へ送信するとともに、クレジット数から「1」を減算する(ステップS305)。ステップS305の後、ステップS301に戻る。一方、ステップS304において、クレジット数が「1」未満であると判定した場合(ステップS304:NO)、ステップS301に戻る。
【0269】
ステップS306において、クレジット数が「50」以上であると判定した場合(ステップS306:YES)、遊技価値数制御手段55は、クレジット数「50」(クレジット数の一部)に相当する値を示す情報を専用ユニット200へ送信するとともに、クレジット数から「50」を減算する(ステップS307)。ステップS307の後、ステップS309へ進む。一方、ステップS306において、クレジット数が50未満であると判定した場合(ステップS306:NO)、遊技価値数制御手段55は、現在のクレジット数(例えば「30」、クレジット数の全部)に相当する値を示す情報を専用ユニット200へ送信するとともに、クレジット数を「0」にする(ステップS308)。ステップS308の後、ステップS301に戻る。なお、ステップS308では、現在のクレジット数が「0」となっている場合があり得るが、その場合にクレジット数「0」を示す情報を専用ユニット200へ送信するとともに、クレジット数から0を減算する処理が行われてもよく、そのような処理が行われなくてもよい。
【0270】
ステップS307を実行すると、遊技価値数制御手段55は、継続して計数ボタン信号のONが検出されているか否か判定する(ステップS309)。ステップS309において、継続して計数ボタン信号のONが検出されていると判定した場合(ステップS309:YES)、遊技価値数制御手段55は、ステップS307の処理が行われた後の計数ボタン信号のON検出時間が300msに到達したか否かを判定する(ステップS310)。一方、ステップS309において、継続して計数ボタン信号のONが検出されていないと判定された場合(ステップS309:NO)、ステップS301に戻る。
【0271】
ステップS310において、ステップS307の処理が行われた後の計数ボタン信号のON検出時間が300msに到達したと判定した場合(ステップS310:YES)、ステップS306へ進む。一方、ステップS310において、ステップS307の処理が行われた後の計数ボタン信号のON検出時間が300msに到達していないと判定した場合(ステップS310:NO)、ステップS309へ進む。
【0272】
次に、遊技メダル数表示装置211の表示の変化(クレジット数の変化)に伴いスピーカ14から出力される音について説明する。換言すると、専用ユニット200と遊技機10との間での遊技価値の転送に伴い出力される音について説明する。
【0273】
(第1効果音:貸出音)
専用ユニット200から遊技機10に遊技価値が転送される際には、演出制御手段100は、所定の音(貸出音)をスピーカ14に出力させる。このとき出力される音を第1効果音と呼ぶ。なお、第1効果音のデータは、サブメモリ72に記憶されており、演出制御手段100が、当該データを再生することで、第1効果音が出力される。
【0274】
第1効果音は、音の高さ(音高、音程)が上昇する効果音となっている。すなわち、第1効果音は、時間が進むにつれ、音高が徐々に(段階的に)上昇していく音となっている。なお、本実施形態においては、第1効果音は、出力開始から出力終了まで音高が常に上昇し続け、音高が下降する部分(時間帯)を含まないようになっているが、遊技者が聞いた際に音高が上昇していく効果音であると認識できるものであれば、一部に音高が下降する部分(時間帯)が含まれていてもよい。
【0275】
本実施形態では、専用ユニット200の貸出操作手段(貸出ボタン203または再プレイボタン204)が操作されると、専用ユニット200から遊技機10(遊技価値数制御手段55)へ、遊技価値の貸出に係る信号(貸出信号)が送信される。貸出信号には、例えば、転送される遊技価値の数等の情報が含まれていてもよい。貸出信号は、所定数の遊技価値を貸し出すことを報知する信号ともいえる。
【0276】
遊技価値数制御手段55は、貸出信号を受信すると、当該貸出信号に基づいて、遊技価値数記憶領域66(遊技価値数記憶領域)の記憶値を所定数(例えば「50」)増加させるとともに、遊技メダル数表示装置211の表示する遊技価値数を所定数(例えば「50」)増加させる。また、遊技価値数制御手段55は、貸出信号を受信すると、演出制御手段100にスピーカ14から第1効果音を出力させるように制御する。すなわち、本実施形態では、貸出操作手段の操作に基づいて、専用ユニット200から遊技機10に遊技価値が転送されると(貸し出されると)、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が増加するとともに、スピーカ14から第1効果音が出力されるようになっている。遊技者は、貸出の実行を、視覚的にも聴覚的にも確認(把握)することができる。
【0277】
本実施形態では、貸出操作手段を1回押下すると、所定数(例えば50枚)の遊技価値が専用ユニット200から遊技機10に転送されるようになっている。そして、貸出操作手段が1回押下されると、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技価値数が所定数(例えば「50」)増加するとともに、第1効果音が1回出力されるようになっている。
また、貸出操作手段を押下し続けた(長押しした)としても、専用ユニット200から遊技機10への遊技価値の転送は行われず、遊技メダル数表示装置211の表示の更新や、第1効果音の出力がされないようになっている。換言すると、貸出操作手段を1回押下し、当該押下操作に基づいて遊技価値の転送および第1効果音の出力がされる場合、当該押下を一度止め、再度貸出操作手段を押下することで、専用ユニット200から遊技機10への遊技価値の再度の転送が行われ、第1効果音の再度の出力がされるようになっている。
【0278】
(第2効果音:計数音)
遊技機10から専用ユニット200に遊技価値が転送される際には、演出制御手段100は、所定の音(計数音)をスピーカ14に出力させる。このとき出力される音を第2効果音と呼ぶ。なお、第2効果音のデータは、サブメモリ72に記憶されており、演出制御手段100が、当該データを再生することで、第2効果音が出力される。
【0279】
第2効果音は、音の高さ(音高、音程)が下降する効果音となっている。すなわち、第2効果音は、時間が進むにつれ、音高が徐々に(段階的に)下降していく音となっている。なお、本実施形態においては、第2効果音は、出力開始から出力終了まで音高が常に下降し続け、音高が上昇する部分(時間帯)を含まないようになっているが、遊技者が聞いた際に音高が下降していく効果音であると認識できるものであれば、一部に音高が上昇する部分(時間帯)が含まれていてもよい。
【0280】
遊技価値数制御手段55は、計数ボタン212が操作されると、計数処理を実行し、遊技価値数記憶領域66(遊技価値数記憶領域)の記憶値を減少させる。また、遊技価値数制御手段55は、計数ボタン212が操作されると、演出制御手段100にスピーカ24から第2効果音(計数音)を出力させるように制御する。すなわち、本実施形態では、計数ボタン212の操作に基づいて、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技価値数が減少するとともに、スピーカ14から第2効果音が出力されるようになっている。遊技者は、計数の実行を、視覚的にも聴覚的にも確認(把握)することができる。
【0281】
本実施形態では、計数ボタン212を押下し、所定時間(例えば800ms)以内に押下を止めると、所定数の遊技価値が遊技機10から専用ユニット200に転送されるとともに、第2効果音が1回出力されるようになっている。具体的には、500ms以内に押下を止めた場合(短押しした場合)、1枚の遊技価値が転送され、500ms以上経過後、800ms以内に押下を止めた場合(長押しした場合)、50枚の遊技価値が転送されるようになっている。すなわち、500ms以内に押下を止めた場合、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技価値数が「1」減少するとともに、第2効果音が1回出力されるようになっている。また、500ms以上経過後、800ms以内に押下を止めた場合、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技価値数が「50」減少するとともに、第2効果音が1回出力されるようになっている。
なお、500ms以上経過後、800ms以内に押下を止めた場合であって、クレジット数が50枚未満(かつ1枚以上)の場合、当該クレジット数と同数の遊技価値が転送されるようになっている。そして、この場合、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技価値数が「0」に減少するとともに、第2効果音が1回出力されるようになっている。
【0282】
なお、計数ボタンが2回連続して押下された場合等であって、1回目の押下に基づく第2効果音が出力されている間において2回目の押下がされ、当該2回目の押下に基づいて所定数の遊技価値が遊技機10から専用ユニット200に転送される場合に、当該転送に伴う(2回目の押下に基づく)第2効果音の出力がされることとしてもよく、されないこととしてもよい。例えば、1回目の押下に基づく第2効果音が出力されている間において2回目の押下がされた場合に、出力されている第2効果音(1回目の押下に基づく第2効果音)に上書きして、2回目の押下に基づく第2効果音の出力を行ってもよい。換言すると、1回目の押下に基づく第2効果音が出力されている間において2回目の押下がされた場合に、出力されている第2効果音(1回目の押下に基づく第2効果音)の出力(再生)を途中で止め、2回目の押下に基づいて第2効果音を最初から出力(再生)することとしてもよい。
【0283】
また、本実施形態では、計数ボタン212を押下し続けた場合(さらに長押しした場合)、所定時間(例えば300ms)が経過する毎に所定数(例えば50枚)の遊技価値が遊技機10から専用ユニット200に転送されるとともに、第2効果音がループ再生されるようになっている。すなわち、計数ボタン212を長押しした場合、所定数の遊技価値の転送が所定周期で繰り返されるとともに、第2効果音の出力が所定周期で繰り返されるようになっている。換言すると、計数ボタン212を長押しした場合、長押しした期間に応じた数の遊技価値が遊技機10から専用ユニット200に転送されるとともに、長押しした期間に応じた回数第2効果音が出力されるようになっている。
【0284】
なお、上述の第1効果音と第2効果音を逆としてもよい。すなわち、専用ユニット200から遊技機10に遊技価値が送信され、クレジット数が増加する場合に、音高が低下していく効果音がスピーカ14から出力され、遊技機10から専用ユニット200に遊技価値が送信され、クレジット数が減少する場合に、音高が上昇していく効果音がスピーカ14から出力されてもよい。
【0285】
(演出装置)
上述のとおり、演出制御手段100は、演出装置を介しての各種演出の実行を制御する。
図1に示すように、下扉12bの左右には演出装置としてのスピーカ14が設けられている。また、図示を省略しているが上扉12aの左右にもスピーカ14が設けられている。なお、遊技機10は、スピーカ14(音出力手段)としてのツイーター(右ツイーター、左ツイーター)や、ウーハー等をさらに備えていてもよい。
【0286】
また、
図1に示すように、前扉12には、演出装置としてのランプ38(演出ランプ)が設けられている。ランプ38は、前扉12の上部や左右等に複数設けられていて、発光色が単色(例えば白色)である単色ランプ(単色LED)と、発光色が複数色(例えば3色(赤、緑、青))であるRGBランプ(フルカラーLED)とがある。なお、ランプ38には、リール照明やリールバックライトも含まれる。単色ランプには、例えば、リールバックライトがある。また、RGBランプには、例えば、前扉12の上部等に設けられるランプがあり、RGBランプは遊技の結果等に応じた色(発光色)で点灯する。
なお、遊技機10は、演出装置としての可動体や可動役物(演出役物装置)をさらに備えていてもよい。
【0287】
演出制御手段100は、スピーカ14からの音の出力を制御し、複数(例えば、トラック1~トラック40の合計40個)のトラックを有している。トラックは、サブメモリ72の演出音記憶部(ROM)に記憶された各演出音(フレーズデータ)の再生の実行単位である。演出音記憶部には、例えば、一連の背景音楽(BGM)や、予告音、効果音、キャラクタのセリフ音等の演出音が記憶されている。演出制御手段100は、各トラックで再生される演出音(各トラックの出力)を出力可能となっている。また、演出制御手段100は、最大で40個の演出音を同時に再生することが可能となっている。
【0288】
図4に示すように、サブ制御手段32には、音量調整スイッチ73が設けられている。音量調整スイッチ73は、例えばつまみを備えるロータリースイッチとなっていて、つまみを回転させることで、音量(ボリューム)を0~9(10段階)のうちのいずれかの段階(大きさ)に設定可能となっている。本実施形態では、「0」が無音(消音)、「9」が最大音量となっている。
【0289】
演出制御手段100(演出サブ制御手段70)は、音量調整スイッチ73の設定値に応じて、スピーカ14の音量(スピーカ14から出力される音の音量)を調整(制御)することが可能となっている。また、演出サブ制御手段70は、トラック毎に音量を調整することが可能となっている。例えば、トラック1においてBGMを再生し、トラック2においてキャラクタのセリフ音を再生する場合に、トラック1で再生されるBGMの音量を第1の大きさとし、トラック2で再生されるキャラクタのセリフ音の音量を第2の大きさ(第1の大きさと異なる)とすることができる。
【0290】
なお、各トラックでの再生音(演出音)はアンプ(図示せず)に入力される。アンプは、入力された信号をデジタル信号からアナログ信号に変換する機能と、増幅器としての機能とを有し、入力された信号に基づいてスピーカ14を駆動し、スピーカ14から音(演出音)を出力させる。
【0291】
(デバイスチェック)
遊技機10では、作業者(遊技場の管理者、遊技場の店員)が、演出装置(デバイス)が正常に動作するか否かを確認するための動作確認(デバイスチェック)を行う場合がある。作業者は、遊技機10に対し後述する所定の操作(デバイスチェック実行操作)を入力すると、デバイスチェックを実行できるようになっている。換言すると、遊技機10は、デバイスチェック実行操作に基づいて、デバイスチェックモード(動作確認状態)に移行可能となっている。演出サブ制御手段70は、デバイスチェック実行操作に基づくデバイスチェックの実行指示(信号)を受信すると、予め定められたパターンで各演出装置に演出を実行させる(各演出装置を動作させる)。ここで、スピーカ14とランプ38を対象とするデバイスチェックを実行する場合について説明する。
【0292】
サブ制御手段32は、メンテナンススイッチ(図示せず)を備えている。(1)作業者(遊技場の店員)は、前扉12を開放し(ドア開放エラー中に)、デバイスチェック実行操作として、サブ制御手段32のメンテナンススイッチを押下してスタッフメニューを液晶ディスプレイ13に表示させ、前扉12に設けられている所定のボタン(例えば左右ボタン、十字キー)を操作(押下)して、スタッフメニューの中から「デバイスチェック」を選択し、所定のボタン(例えば決定ボタン)を操作(押下)する。これにより、デバイスチェックを実行(開始)させることができる。また、(2)作業者(遊技場の管理者)は、前扉12を開放し(ドア開放エラー中に)、デバイスチェック実行操作として、設定変更キーシリンダに設定キーを挿入し、設定キーを初期位置から時計回りに90度回転させて(必要な場合には設定変更ボタンを押下して)遊技機10を設定参照モード(設定確認モード)へ移行させ、サブ制御手段32のメンテナンススイッチを押下して管理者メニューを液晶ディスプレイ13に表示させ、前扉12に設けられている所定のボタン(例えば左右ボタン、十字キー)を操作(押下)して、管理者メニューの中から「デバイスチェック」を選択し、所定のボタン(例えば決定ボタン)を操作(押下)する。これにより、デバイスチェックを実行(開始)させることができる。なお、設定参照中のメンテナンススイッチの押下に限らず、設定変更中のメンテナンススイッチの押下で管理者メニューを表示可能となっていてもよい。
【0293】
作業者によるデバイスチェック実行操作に基づき、デバイスチェックの実行指示(信号)を受信すると、演出サブ制御手段70は、デバイスチェックを開始させる。
【0294】
演出サブ制御手段70は、デバイスチェックとして、ランプ38のうちの単色ランプ(全単色ランプ)については、所定時間(例えば1秒)点灯させた後、所定時間(例えば1秒)消灯させ、点灯と消灯とを繰り返し実行させる。また、ランプ38のうちのRGBランプ(全RGBランプ)については、所定時間(例えば1秒)赤色で点灯させ、次に所定時間(例えば1秒)緑色で点灯させ、次に所定時間(例えば1秒)青色で点灯させ、次に所定時間(例えば1秒)消灯させる。そして、「赤点灯」→「緑点灯」→「青点灯」→「消灯」という周期(サイクル)を繰り返し実行させる。
【0295】
演出サブ制御手段70は、デバイスチェックとして、スピーカ14については、スピーカごとに順番に所定の音声(特殊音声、チェック音声)を出力させる。例えば、
図25に示すように、まず、所定時間(例えば1秒)の間、無音(いずれのスピーカ14からも音を出力させず)とし、次に左上スピーカから「左上」という音声を所定時間(例えば2秒)出力させ、次に右上スピーカから「右上」という音声を所定時間(例えば2秒)出力させ、次に右下スピーカから「右下」という音声を所定時間(例えば2秒)出力させ、次に左下スピーカから「左下」という音声を所定時間(例えば2秒)出力させる。そして、「左上の出力」→「右上の出力」→「右下の出力」→「左下の出力」という周期(サイクル)を繰り返し実行させる。なお、スピーカ14としてのツイーターやウーハーが設けられている場合、上記4箇所のスピーカ14からの音(音声)の出力後、例えば、ウーハーから音(音声)を所定時間(例えば2秒)出力させ、次に左ツイーターから音(音声)を所定時間(例えば2秒)出力させ、次に右ツイーターから音(音声)を所定時間(例えば2秒)出力させるようになっていてもよい。
【0296】
(その他)
また、演出装置として可動役物(演出役物装置)が設けられている場合には、演出サブ制御手段70は、デバイスチェックとして、可動役物を所定の周期で(周期的に)動作(移動)させてもよい。また、演出ボタン25が振動可能に構成されている場合には、演出サブ制御手段70は、デバイスチェックとして、演出ボタン25を所定の周期で(周期的に)振動させてもよい。
【0297】
演出サブ制御手段70は、例えば、作業者による所定の操作(デバイスチェック終了操作、例えばメンテナンススイッチの再押下)に基づく信号の受信や、デバイスチェックの開始から所定時間が経過したこと等に基づいてデバイスチェックを終了させる。
【0298】
(デバイスチェック中の計数)
遊技機10は、デバイスチェック中に計数ボタン212が操作(押下)された場合であっても、計数処理(遊技価値に関する処理)を実行可能となっている。換言すると、デバイスチェック中であっても(前扉12が開放している状態であっても)、計数ボタン212の操作に基づき計数が行われ、遊技価値を専用ユニット200に転送(返却)できるようになっている。デバイスチェック中は、上述の特殊音声がスピーカ14から出力されることから(特殊音声を優先し)、デバイスチェック中は計数ボタン212の操作に基づく音(計数音)をスピーカ14から出力させない仕様とした場合、計数が実行されたにも関わらず、それに気付くことができないという事態が生じるおそれがある。例えば、作業者がデバイスチェック中に誤って計数ボタン212を押下してしまった場合、その押下に気付くことができず、デバイスチェックの実行中に遊技メダル数表示装置211の表示値が減少したかのように思い、違和感を抱くおそれがある。また、誤った操作でなくても、計数ボタン212を操作可能(計数処理を実行可能)であるにも関わらず、計数ボタン212を操作した際に計数音が出力されないことにより、作業者が違和感を抱くおそれがある。
【0299】
そのような事態の発生を防ぐため、本実施形態では、デバイスチェック中に計数ボタン212が押下された場合、それに基づき計数音がスピーカ14から出力されるようになっている。換言すると、デバイスチェック中であっても、計数音をスピーカ14から出力させることが可能となっている。このため、デバイスチェック中に計数ボタン212が押下された場合、計数音が出力されることにより、作業者は、計数ボタン212を押下したこと(計数を実行したこと)に気付くことができる。これにより、作業者が違和感を抱くおそれを低減できる。
【0300】
演出サブ制御手段70は、各トラックで再生される音を出力可能となっており、第1のトラックでデバイスチェックに係る音(音声)を再生し、第2のトラックで計数音に係る音を再生することができる。換言すると、演出サブ制御手段70は、デバイスチェックに係る音をスピーカ14から出力させるとともに(同時に)、計数音をスピーカ14から出力させることができる。
【0301】
(エラー)
図4に示すように、メイン制御手段31は、メインエラー検出手段86と、メインエラー管理手段87と、を備えている。メインエラー検出手段86は、各種センサの信号状態を監視し、エラー検出条件を満たしているかを判定し、エラー検出条件を満たしていることに基づき発生しているメインエラーを特定し、メインエラーを検出する。
【0302】
メインエラー検出手段86は、各種センサの信号状態に基づいて、メインエラーとして、
図27に示すように、バックアップエラー(E7)、ドア開放エラー(E8)、RWMエラー(EA)、設定値(異常)エラー(EC)、メダルオーバーエラー(EH)、貸出装置接続エラー(EL)、メダル数制御エラー(EP)、打ち止めエラー(EY)等を検出可能である。
【0303】
バックアップエラー(E7)は、電源投入時において、主制御RWMのバックアップ異常を検出したことに起因するエラーである。
ドア開放エラー(E8)は、ドア開閉スイッチ(前扉12(下扉12b)の開放中にONとなる)のON状態が所定時間(47.68ms)以上継続したことに起因するエラーである。
RWMエラー(EA)は、コールドスタート時において、値を正常に読み書きすることができないRWMを検出したことに起因するエラーである。
設定値エラー(EC)は、内部抽選時において、設定値が許容範囲外(設定1~設定6以外)であることに起因するエラーである。
メダルオーバーエラー(EH)は、クレジット(遊技メダル数)が所定の値(例えば16369)以上であることに起因するエラーである。
貸出装置接続エラー(EL)は、専用ユニット200(貸出ユニット)が未接続であることに起因するエラーである。
メダル数制御エラー(EP)は、メイン制御手段31とメダル数制御基板(遊技価値数制御手段55)との通信に異常が発生したことに起因するエラーである。
打ち止めエラー(EY)は、後述するMYカウンタ89の値が所定の値(19000)以上であることに起因するエラーである。
【0304】
メインエラー検出手段86は、所定のメインエラーを検出すると、記憶手段60(主記憶手段)に、対応するエラー検出フラグを設定する。メインエラー管理手段87は、記憶手段60にいずれかのエラー検出フラグが設定されると、エラーウェイト処理を行って所定の解除操作が行われるのを待機し、このエラーウェイト処理において、メインエラー検出手段86によって検出されたメインエラー(エラーコード)を、第1メイン表示器を介して報知するとともに、所定の解除操作が行われたことに基づいてエラー検出フラグ等をクリアする解除処理(エラー解除処理)を行う。各エラーには、エラーの種類に応じてエラーコードが割り当てられている。
【0305】
バックアップエラー(E7)、RWMエラー(EA)、設定値エラー(EC)および打ち止めエラー(EY)は、設定変更を行うことによりエラー復帰(解除)するようになっている。
ドア開放エラー(E8)は、前扉12(下扉12b)を閉塞後、所定時間(例えば約1.5秒)の経過でエラー復帰(解除)するようになっている。
貸出装置接続エラー(EL)は、専用ユニット200(貸出ユニット)との接続でエラー復帰(解除)するようになっている。
メダルオーバーエラー(EH)は、計数を行いクレジットが所定の値(16368)以下になるとエラー復帰(解除)するようになっている。
メダル数制御エラー(EP)は、電源再投入によりエラー復帰(解除)し得るようになっている。
【0306】
メインエラー管理手段87は、エラーウェイト処理において、復帰操作(解除操作)を受け付けて、記憶手段60に記憶されている検出フラグやタイマ(エラー管理タイマ)の計時情報等のエラー関連情報をクリア(消去)する解除処理(エラー解除処理)を行う。
【0307】
メイン制御手段31からサブ制御手段32への情報の送信は、シリアル通信によってコマンドを送信することによって実現されている。メイン制御手段31からサブ制御手段32へ送信されるコマンドに含まれる情報としては、設定値、遊技状態、遊技価値の投入数や払出数、内部抽選の結果、各種スイッチ等の信号状態、リールの停止制御の内容、入賞判定の結果および発生したメインエラーに関するもの等がある。
【0308】
メインエラーが発生した場合、メイン制御手段31が、エラー検出フラグが設定されているエラー種別に対応するエラー発生コマンドや、解除操作が行われたことを示すエラー解除コマンドを、サブ制御手段32に送信する。また、メイン制御手段31は、ドア開閉スイッチの信号状態が変化した場合、信号状態がOFF状態(前扉12が閉まっていることを示す信号状態)からON状態(前扉12が開いていることを示す信号状態)へ変化したことに基づきドア開コマンドを受信し、信号状態がON状態からOFF状態へ変化したことに基づきドア閉コマンドを受信する。
【0309】
図4に示すように、サブ制御手段32は、サブエラー検出手段74と、サブエラー管理手段75と、を備えている。サブエラー検出手段74は、メイン制御手段31から送信されたコマンドに基づき、所定のエラーの検出条件を満たしているか否かを判定し、エラー検出条件を満たしていると判定した場合にエラー(サブエラー)を特定し、サブエラーを検出してもよい。例えば、サブエラー検出手段74は、サブエラーとして上述のドア開放エラーを検出してもよい。また、サブエラー検出手段74は、サブエラーとして通信エラーを検出してもよい。通信エラーは、メイン制御手段31とサブ制御手段32との間の通信ケーブルの断線等による通信不良に起因するサブエラーであって、メイン制御手段31から定期的に送信される断線監視コマンドの受信から一定期間(例えば20ms)以上経過した場合に検出される。通信エラーは、電断復帰によるサブメモリ72の初期化のみによって復帰可能となっている。
【0310】
サブエラー検出手段74は、メイン制御手段31から送信されたエラー発生コマンドを受信すると、エラー発生コマンドによって特定されるメインエラーに対応するエラー検出フラグをサブメモリ72に設定する。また、サブエラー検出手段74は、サブエラーを検出すると、対応するエラー検出フラグをサブメモリ72に設定する。なお、サブエラー管理手段75は、サブメモリ72にサブエラーに対応するエラー検出フラグが設定されている場合、エラー検出フラグの種類に対応したエラーコードをサブ表示器に表示させる。
【0311】
サブエラー管理手段75は、サブメモリ72にエラー検出フラグが設定されると、報知対象のエラーを決定し、当該エラーに対応した演出態様で演出装置(液晶ディスプレイ13、ランプ38、スピーカ14)を制御しエラー報知処理(エラー報知演出)を行う。具体的には、サブエラー管理手段75は、エラー報知演出の実行を演出サブ制御手段70(演出制御手段100)に指示する。
【0312】
演出サブ制御手段70は、エラー報知演出として、エラーコード等を液晶ディスプレイ13に表示させるとともに、エラー音(エラーの発生を報知する音)をスピーカ14から出力させる。エラー音は、例えば、所定の警告音とともに「係員をお呼びください」という音声が出力されるものとなっている。なお、本実施形態において、エラーの報知という場合、各種演出装置を介して実行されるものに限らず、第1メイン表示器やサブ表示器を介して実行されるものが含まれてもよい。
【0313】
サブエラー管理手段75は、エラー報知処理において報知対象のエラーを報知するとともに、メイン制御手段31からエラー解除コマンドが送信されるのを待機し、エラーの復帰条件が成立したことに基づきサブメモリ72に設定されているエラー検出フラグ等をクリアして演出装置の状態を元に戻すエラー復帰処理(エラー解除処理)を行う。換言すると、サブエラー管理手段75は、エラーの復帰操作が行われたことに基づき、エラー復帰処理を行う(エラー報知演出を終了させる)。
【0314】
本実施形態では、サブ制御手段32からメイン制御手段31へは何らの情報も送信されないようになっており、サブエラーの発生がメイン制御手段31でのメインループ処理(メイン処理)の進行に影響を与えることはなく、メインエラーが発生していなければサブエラーが発生している状況でもメインループ処理(メイン処理)を続行可能となっている。メイン処理とは、メイン制御手段31が行う、遊技を進行させる処理である。なお、本実施形態において、サブエラーとして説明したエラーはメインエラーであってもよく、メインエラーとして説明したエラーはサブエラーであってもよい。
【0315】
上述のとおり、サブ制御手段32に設けられている音量調整スイッチ73のつまみを回転させることで、スピーカ14から出力される音の音量を0~9(10段階)のうちのいずれかの段階(大きさ)に設定することができる。ただし、エラー音については、遊技場の店員等への報知が必要な音であることから、音量調整スイッチ73の設定値に関わらず、所定の音量(「5」)以上の音量で出力されるようになっている。
図26に示すように、音量調整スイッチ73の設定値が「0」~「5」の場合、エラー音は音量「5」で出力されるようになっている。また、音量調整スイッチ73の設定値が「5」以上の場合、エラー音は当該設定値に応じた音量で出力されるようになっている。なお、エラー音の音量は、「5」以上の特定の音量(例えば「9」)で固定されているものであってもよい。本実施形態では、エラー(メインエラー)の発生中は遊技を行うことができないことから、当該エラー音の音量は、遊技を行うことができない状態における音量と言うこともできる。
【0316】
作業者はデバイスチェックを実行するために前扉12を開放する必要があり、それに基づきドア開放エラー(E8)に係るエラー音が出力されるが、本実施形態では、デバイスチェックが開始されると、デバイスチェックの実行中は、デバイスチェックに係る音(特殊音声)と計数音以外の音は、スピーカ14から出力されないようになっている。このため、デバイスチェックの実行中は、ドア開放エラーに係るエラー音は出力されないようになっている。また、デバイスチェック中は、例えば、BGM等の演出音も出力されないようになっている。
【0317】
本実施形態では、デバイスチェック中に計数音が出力される場合、計数音の音量は、エラー音の音量と同様に制御される。すなわち、計数音は、音量調整スイッチ73の設定値に関わらず、所定の音量「5」以上の音量で出力されるようになっている。これを、計数音が「遊技を行うことができない状態」(デバイスチェック中)に対応した音量で出力される、と称してもよい。このようにすることで、デバイスチェック中に計数音が出力される場合に、その音量が小さくて計数音が聞こえないという事態が生じるのを防ぐことができる。換言すると、計数ボタン212が押下されたことに、より確実に気付くことができる。
【0318】
なお、デバイスチェック中に計数音が出力される場合、計数音の音量は、音量調整スイッチ73の設定値に応じた(対応した)音量が設定されるようになっていてもよい。例えば、音量調整スイッチ73の設定値が「3」である場合、計数音の音量が「3」となってもよい。この場合、計数音が比較的大きな音で出力されることにより作業者が驚き、作業者に心理的な負担がかかるのを抑制できる。
【0319】
一方、デバイスチェックに係る音(特殊音声)の音量は、固定値であってもよく可変値(変動値)であってもよい。例えば、デバイスチェックに係る音の音量は、音量調整スイッチ73の設定値に関わらず、所定の音量(例えば固定値としての最大音量「9」)が設定されていてもよい。最大音量の場合、スピーカ14が正常に動作するか(音が出力されるか)否かのチェックがより容易となる。
【0320】
また、デバイスチェックに係る音(特殊音声)の音量は、音量調整スイッチ73の設定値に応じた音量が設定されるようになっていてもよい。この場合、作業者は、デバイスチェック中に音量調整スイッチ73のつまみを回転させることで、出力される音量を段階的に変更させ、各設定値において適切な音量で出力されているか否かをチェックできる。
【0321】
本実施形態に係る発明は、遊技を行う際に物理的なメダル(実物のメダル)を投入し、役の入賞によって物理的なメダルが払い出される従来のスロットマシンにも適用可能である。当該スロットマシンにおいては、精算ボタンが操作(押下)されると、精算処理(遊技価値に関する処理)が実行され、スロットマシンに電子的に貯留されたメダルや、ベットされているが遊技に使用されていないメダルが精算される。精算処理では、貯留(クレジット)またはベットのうちの少なくとも一方に設定されているメダルが精算される。具体的には、当該メダルが、メダル排出口を介して受皿に排出される。精算とは、遊技に使用するメダルを遊技者に返却することを意味する。演出制御手段100は、精算処理が実行されている間、「メダル精算中」と言う文字表示を液晶ディスプレイ13に表示させるとともに、所定の音(精算音)をスピーカ14から出力させる。
上述のデバイスチェック(動作確認)は、所定の操作としての、スロットマシン(遊技機)の電源スイッチをONにする操作(電源を投入する操作)が行われた場合に、毎回、実行されるものであってもよい。また、そのデバイスチェックの実行中に精算処理を実行可能であってもよい。そして、電源投入後(直後)のデバイスチェックが実行され、デバイスチェックに係る特殊音声が出力されている間に、精算ボタンが操作された場合に、精算音(精算ボタンの操作に対応する音)が出力されるようになっていてもよい。なお、ここでの「精算音」には、精算の完了を報知する音声(例えば「精算しました」)が含まれてもよい。
【0322】
また、上述の遊技機10(スマスロ(登録商標))において、電源投入後にデバイスチェックが実行されるようになっていてもよい。また、遊技機10(スマスロ(登録商標))において、精算ボタン218が操作されると、ベットをクレジットに返却する処理(投入返却処理、遊技価値に関する処理)が実行されるが、その際に精算ボタン218の操作に対応する音(効果音)が出力されるようになっていてもよい。そして、デバイスチェックに係る特殊音声が出力されている間に、精算ボタン218が操作された場合に、当該音が出力されるようになっていてもよい。
【0323】
また、スロットマシンにおいて、電源投入後のデバイスチェックの実行中に、スタートレバー24の操作に基づき遊技を行うことができてもよい。遊技の実行は、遊技価値が付与され得るものであるため、遊技価値に関する処理と言うことができる。そして、当該デバイスチェックに係る特殊音声が出力されている間に、スタートレバー24が操作された場合に、スタートレバー24の操作に対応する音が出力されるようになっていてもよい。スタートレバー24の操作に対応する音とは、当該操作に対応する効果音であってもよく、当該操作を契機として出力される演出音であってもよい。
【0324】
また、本実施形態に係る発明は、
図22に示したスマパチ(登録商標)であるパチンコ遊技機1000にも適用可能である。パチンコ遊技機1000において、計数ボタンを操作(押下)すると、持玉(遊技価値)が専用ユニット201に転送される。また、パチンコ遊技機1000では、所定の操作としての電源スイッチをONにする操作が実行されると、デバイスチェック(動作確認)が実行される。デバイスチェックが実行され、デバイスチェック中に計数ボタンが操作(押下)された場合、計数処理が実行されるとともに、計数音がスピーカから出力されるようになっていてもよい。換言すると、デバイスチェック中であっても、計数音をスピーカから出力させることが可能となっていてもよい。
【0325】
また、本実施形態に係る発明は、遊技を行う際に物理的な遊技球を使用し、所定の入賞口への遊技球の進入に基づき物理的な遊技球が受皿に払い出される従来のパチンコ遊技機にも適用可能である。パチンコ遊技機には、球貸ボタン(貸出操作手段)と返却ボタン(計数操作手段)とが設けられている。球貸ボタンを操作(押下)すると、所定数の遊技球(遊技価値)が受皿(上皿)に貸し出される。また、返却ボタンを操作(押下)すると、専用ユニットからカードが排出される。パチンコ遊技機の演出制御手段は、球貸ボタンの操作に基づく遊技価値の貸出や、返却ボタンの操作に基づく遊技価値の返却の処理が実行されている間、所定の音(球貸ボタンや返却ボタンの操作に対応する音)をスピーカから出力させてもよい。パチンコ遊技機では、所定の操作としての電源スイッチをONにする操作が実行されると、デバイスチェック(動作確認)が実行される。デバイスチェックが実行され、デバイスチェック中に返却ボタン(または球貸ボタン)が操作された場合に、返却ボタン(または球貸ボタン)の操作に対応する音が出力されるようになっていてもよい。
【0326】
本実施形態の遊技機は、
遊技価値に関する処理を実行する際に操作される操作手段(例えば計数ボタン212)と、
音を出力可能な音出力手段(例えばスピーカ14)と、
前記音出力手段からの音の出力を制御する演出制御手段(例えば演出制御手段100)と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の操作が行われたことに基づき動作確認を実行し、前記動作確認に係る音を前記音出力手段から出力させることが可能であり、
前記動作確認の実行中に前記操作手段が操作された場合には、前記操作手段の操作に対応する音を前記音出力手段から出力可能である。
【0327】
動作確認(デバイスチェック)が実行され、動作確認に係る音が出力されている状況であっても、遊技価値に関する処理を実行する際に操作される操作手段が操作された場合には、その操作手段の操作に対応する音が出力されるようになっている。このため、作業者は動作確認中に当該操作手段を操作してしまった場合、そのことに気付くことができる。また、遊技価値に関する処理が実行されるにも関わらず操作音が出力されない場合、作業者が違和感を抱く可能性があるが、本構成によればそのような可能性を低減できる。これにより、作業者が違和感を抱く可能性が低減された遊技機を提供できる。
【0328】
また、本実施形態の遊技機は、
エラーを検出可能なエラー検出手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記エラーが検出された場合には、前記エラーの発生を報知する音を所定の音量で前記音出力手段から出力させ、
前記動作確認の実行中に前記操作手段が操作された場合には、前記操作手段の操作に対応する音を前記所定の音量で出力させる。
【0329】
動作確認の実行中に操作手段の操作に対応する音を出力する場合、その音量をエラー音の音量と同じ音量とする。周囲への報知を要するエラー音は比較的大きな音量が設定されている。このため、当該操作手段の操作に対応する音を、エラー音と同程度に気付きやすい音とすることができる。
【0330】
また、本実施形態の遊技機は、
前記音出力手段から出力される音の音量を調整可能な音量調整手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記動作確認の実行中に前記操作手段が操作された場合には、前記操作手段の操作に対応する音を前記音量調整手段の設定に応じた音量で前記音出力手段から出力させる。
【0331】
動作確認の実行中に操作手段の操作に対応する音を出力する場合、その音量を音量調整手段の設定に応じた音量とする。音量調整手段により音量が小さく設定されている場合もあり、当該操作手段の操作に対応する音が、比較的大きな音量で出力される可能性を低くできる。このため、当該操作手段の操作に対応する音が大音量で出力され、作業者に心理的な負担がかかるのを抑制できる。
【0332】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態~第2の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0333】
図4に示すように、遊技価値数制御手段55は、遊技価値数制御エラー検出手段56と、遊技価値数制御エラー管理手段57と、メモリ58と、を備えている。遊技価値数制御エラー検出手段56は、メダル数制御エラーのエラー検出条件を満たしているかを判定し、当該エラー検出条件を満たしていることに基づき発生しているメダル数制御エラーを特定し、メダル数制御エラーを検出する。なお、当該メダル数制御エラーは、遊技価値数制御手段55で検出される(独自の)エラーであり、上述のメダル数制御エラー(EP)(メイン制御手段31で検出されるエラー)とは異なるエラーとなっている。また、図示を省略するが、遊技価値数制御手段55は、エラー解除スイッチと、遊技メダル数クリアスイッチと、エラー表示器(7セグメント表示器)と、を備えている。
【0334】
遊技価値数制御エラー検出手段56は、メダル数制御エラーとして、
図28に示すように、バックアップエラー2(7)、RWMエラー2(A)、貸出装置接続エラー2(L)、主制御通信エラー(P)、メーカーコードエラー(U)等を検出可能である。
【0335】
バックアップエラー2(7)は、メダル数制御RWMのバックアップ異常を検出したことに起因するエラーである。RWMエラー2(A)は、値を正常に読み書きすることができないRWMを検出したことに起因するエラーである。貸出装置接続エラー2(L)は、専用ユニット200が未接続であることに起因するエラーである。主制御通信エラー(P)は、メイン制御手段31との通信に異常が発生したことに起因するエラーである。メーカーコードエラー(U)は、メイン制御手段31と遊技価値数制御手段55との間で、メーカーコードが一致しないことに起因するエラーである。なお、遊技価値数制御手段55のRWMには、例えば、所持している遊技メダル数等の遊技に関する情報が記憶されている。
【0336】
遊技価値数制御エラー検出手段56は、所定のメダル数制御エラーを検出すると、メモリ58(記憶手段)に、対応するエラー検出フラグを設定する。なお、エラーを検出するとは、エラー検出に係る条件を満たすことを検出するものであってもよく、エラー検出フラグを設定するとは、エラー検出に係る条件を満たすことを示すフラグを設定するものであってもよい。
【0337】
遊技価値数制御エラー管理手段57は、メモリ58にいずれかのエラー検出フラグが設定されると、エラーウェイト処理を行って所定の解除操作が行われるのを待機する。また、遊技価値数制御エラー管理手段57は、エラーウェイト処理において、遊技価値数制御エラー検出手段56によって検出されたメダル数制御エラー(エラーコード)を、遊技価値数制御手段55上のエラー表示器(7セグメント表示器)に表示させて報知するとともに、所定の解除操作が行われたことに基づいてエラー検出フラグ等をクリアする解除処理(エラー解除処理)を行う。
【0338】
各メダル数制御エラーには、メダル数制御エラーの種類に応じてエラーコード(7、A、L、P、U)が割り当てられており、対応するエラーコードがエラー表示器に表示されるようになっている。作業者は、当該エラー表示器を確認することで、いずれの種類のメダル数制御エラーが発生しているかを特定できる。当該エラー表示器へのエラーコード(7、A、L、P、U)の表示は、所定のエラー検出フラグ(情報)がメモリ58に設定(記憶)されていることを示唆する処理(報知)と言うことができる。
【0339】
遊技価値数制御エラー管理手段57は、エラーウェイト処理において、復帰操作(解除操作)を受け付けて、メモリ58に記憶されているエラー検出フラグ等のエラー関連情報をクリア(消去)する解除処理(エラー解除処理)を行う。
【0340】
バックアップエラー2(7)およびRWMエラー2(A)は、遊技価値数制御手段55上のエラー解除スイッチを押下しながら電源再投入をすることでエラー復帰(解除)するようになっている。貸出装置接続エラー2(L)は、専用ユニット200(貸出ユニット)との接続でエラー復帰(解除)するようになっている。主制御通信エラー(P)は、電源の再投入でエラー復帰(解除)し得るようになっている。メーカーコードエラー(U)は、基板を交換し、メーカーコードを一致させることでエラー復帰(解除)するようになっている。
【0341】
遊技機10の電源が投入されると(電源投入後)、メイン制御手段31(メインCPU)は、起動コマンド(起動時コマンド)を遊技価値数制御基板55(メダル数制御CPU)に送信するようになっている。また、遊技価値数制御基板55は、起動コマンドを受信すると、それに対する返答コマンド(返信コマンド)をメイン制御手段31に送信するようになっている。メイン制御手段31のメインエラー検出手段86は、起動コマンドを遊技価値数制御基板55に送信した後、返答コマンドの受信が所定時間(107.28ms)以上にわたってなかった場合、メダル数制御エラー(EP)の検出条件を満たすと判定し、メダル数制御エラー(EP)(
図27参照)を検出するようになっている。メイン制御手段31(メインCPU)は、遊技価値数制御手段55(メダル数制御CPU)と、コマンド(起動コマンド、返信コマンド)を送受信し、通信の確立状態を判断している。
【0342】
なお、メイン制御手段31と遊技価値数制御手段55との間の通信ケーブルの断線が生じている場合には、遊技価値数制御手段55は起動コマンドを受信することができない。以下、遊技価値数制御手段55が起動コマンドを正常に受信できることを前提とし、説明する。
【0343】
遊技価値数制御手段55(制御手段)は、メイン制御手段31から起動コマンドを受信すると(受信した後に)、専用ユニット200(特定ユニット)との通信を開始する。換言すると、遊技価値数制御手段55は、起動コマンドの受信を契機として、専用ユニット200との通信を開始するようになっている。遊技価値数制御エラー検出手段56は、上述のとおりメダル数制御エラー(7、A、L、P、U)を検出可能であるが、当該メダル数制御エラーには、専用ユニット200との通信開始前に検出され得る(発生し得る)エラー(第1異常とする)と、専用ユニット200との通信開始後に検出され得る(発生し得る)エラー(第2異常とする)と、が含まれる。
【0344】
バックアップエラー2(7)は、第1異常(起動時エラー)であり、専用ユニット200との通信開始前に検出され得る。遊技価値数制御エラー検出手段56は、電源投入に伴い電源が供給されると、バックアップエラー2(7)の検出条件を満たしているか否かの判定を行う。遊技価値数制御エラー検出手段56は、メダル数制御RWMのバックアップ異常が検出された場合に、当該エラーの検出条件を満たすと判定する。バックアップエラー2(7)の検出に係る判定は、起動コマンドの受信を待たずに実行されると言うことができる。
【0345】
RWMエラー2(A)は、第1異常(起動時エラー)であり、専用ユニット200との通信開始前に検出され得る。遊技価値数制御エラー検出手段56は、電源投入に伴い電源が供給されると、RWMエラー2(A)の検出条件を満たしているか否かの判定を行う。遊技価値数制御エラー検出手段56は、値を正常に読み書きすることができないRWMを検出した場合に、当該エラーの検出条件を満たすと判定する。RWMエラー2(A)の検出に係る判定は、起動コマンドの受信を待たずに実行されると言うことができる。
【0346】
メーカーコードエラー(U)は第1異常(起動時エラー)であり、専用ユニット200との通信開始前に検出され得る。遊技価値数制御エラー検出手段56は、起動コマンドを受信すると、メーカーコードエラー(U)の検出条件を満たしているか否かの判定を行う。具体的には、起動コマンドに含まれるメーカーコマンド情報と、メモリ58に予め記憶されている遊技価値数制御手段55のメーカーコード情報とが一致するか否かを判定し、一致しない場合に当該エラーの検出条件を満たすと判定する。メーカーコードエラー(U)の検出に係る判定は、起動コマンドの受信後、遊技価値数制御手段55と専用ユニット200との通信が開始されるよりも前に実行されると言うことができる。
【0347】
主制御通信エラー(P)は第2異常であり、専用ユニット200との通信開始後に検出され得る。遊技価値数制御エラー検出手段56は、起動コマンドの受信後(専用ユニット200との通信開始後)、主制御通信エラー(P)の検出条件を満たしているか否かの判定を行う。遊技価値数制御エラー検出手段56は、例えば、メイン制御手段31から送信される所定の信号(通信許可信号)がOFF状態となって所定時間以上経過した場合や、メイン制御手段31から異常を示す情報を含むコマンドを受信した場合に、主制御通信エラー(P)の検出条件を満たすと判定する。主制御通信エラー(P)の検出に係る判定は、起動コマンドの受信後、遊技価値数制御手段55と専用ユニット200との通信が開始された後に実行されると言うことができる。
【0348】
貸出装置接続エラー2(L)は、メイン制御手段31から起動コマンドを受信し、専用ユニット200との通信を開始する際に検出され得るエラー(第3異常とする)である。遊技価値数制御エラー検出手段56は、起動コマンドを受信すると、貸出装置接続エラー2(L)の検出条件を満たしているか否かの判定を行う。遊技価値数制御エラー検出手段56は、専用ユニット200から所定の信号(接続信号、VL信号)を受信しているか否かを判定し、当該所定の信号を受信していない場合、貸出装置接続エラー2(L)の検出条件を満たすと判定する。当該所定の信号を受信していない場合には、専用ユニット200との通信は開始されない。一方、当該所定の信号を受信している場合には、専用ユニット200との通信が開始される。
なお、上記では遊技価値数制御エラー検出手段56は、所定の信号を受信していないことに基づき貸出装置接続エラー2(L)を検出するとしたが、次のように構成されていてもよい。遊技価値数制御エラー検出手段56は、起動コマンドの受信を契機として、特定の信号を専用ユニット200に出力する処理を開始し、特定の信号が専用ユニット200に送信されない状態が所定時間以上経過した場合に、貸出装置接続エラー2(L)を検出してもよい。
【0349】
なお、メーカーコードエラー(U)、主制御通信エラー(P)および貸出装置接続エラー2(L)は、起動コマンドを正常に受信しなければ検出できないエラーと言うことができる。
【0350】
第1異常(バックアップエラー2(7)、RWMエラー2(A)またはメーカーコードエラー(U))の検出条件を満たすと判定された場合、当該第1異常に対応するフラグ(第1情報とする)がメモリ58に記憶され、エラーウェイト処理が実行される。そして、当該第1異常が解除されるまで、遊技価値数制御手段55と専用ユニット200との通信が開始されない状態が継続される。この第1異常が検出されている状態(第1情報がメモリ58に記憶されている状況)では、遊技価値数制御手段55は、計数ボタン212が操作(押下)された場合であっても、計数ボタン212の押下に基づく処理(計数処理)を実行しないように制御する。換言すると、遊技価値数制御手段55は、計数ボタン212が操作された際、第1情報がメモリ58に記憶されている場合には、計数処理の実行を不可能とするように処理する。さらに換言すると、第1異常が検出されている状況では、計数を行うことはできないようになっている。
【0351】
第2異常(主制御通信エラー(P))の検出条件を満たすと判定された場合、当該第2異常に対応するフラグ(第2情報とする)がメモリ58に記憶され、エラーウェイト処理が実行されるが、このとき、遊技価値数制御手段55と専用ユニット200との通信はすでに開始された状態となっている。この第2異常が検出されている状態(第2情報がメモリ58に記憶されている状況)では、遊技価値数制御手段55は、計数ボタン212が操作(押下)された場合、計数ボタン212の押下に基づく処理(計数処理)を実行するように制御する。換言すると、遊技価値数制御手段55は、計数ボタン212が操作された際、第2情報がメモリ58に記憶されている場合には、計数処理の実行を可能とするように処理する。さらに換言すると、第2異常が検出されている状況では、計数を行うことができるようになっている。
【0352】
第3異常(貸出装置接続エラー2(L))の検出条件を満たすと判定された場合、第3異常に対応するフラグ(第3情報:専用ユニット200と遊技機10の間の通信の異常に対応する情報)がメモリ58に記憶され、エラーウェイト処理が実行される。このとき、遊技価値数制御手段55と専用ユニット200は通信できない状態となっている。この第3異常が検出されている状態(第3情報がメモリ58に記憶されている状況)では、遊技価値数制御手段55は、計数ボタン212が操作(押下)された場合であっても、計数ボタン212の押下に基づく処理(計数処理)を実行しないように制御する。換言すると、第3異常が検出されている状況では、計数を行うことはできないようになっている。
【0353】
本実施形態では、遊技価値数制御エラー検出手段56が、起動コマンドの受信後、第2異常と第3異常とを(重複して、同時に)検出することが起こり得る。遊技価値数制御手段55は、第2異常および第3異常が検出されている状況(第2情報および第3情報がメモリ58に記憶されている状況)では、計数ボタン212が操作(押下)された場合であっても、計数ボタン212の押下に基づく処理(計数処理)を実行しないように制御する。本実施形態では、第2異常が単独で検出されている状況では、計数ボタン212の押下に基づく計数を実行可能であるが、第2異常とともに第3異常が検出されている状況では、計数ボタン212の操作に基づく計数を実行できないようになっている。
【0354】
本実施形態において、所定のエラー(異常)に対応するフラグ(例えば第1情報)がメモリ58に設定されていることを、第1情報がメモリ58に記憶されていると称してもよい。
【0355】
本実施形態に係る発明は、
図22に示したスマパチ(登録商標)であるパチンコ遊技機1000にも適用可能である。パチンコ遊技機1000は、上述のメイン制御手段31に相当するメイン制御手段(主制御基板)、上述のサブ制御手段32に相当するサブ制御手段(副制御基板)、上述の遊技価値数制御手段55に相当する枠制御手段(枠制御基板)、上述の計数ボタン212に相当する計数ボタン、上述の遊技メダル数表示装置211に相当する遊技球数表示装置、等を備えている。当該遊技球数表示装置には、遊技に用いることが可能な遊技価値数(電子化された遊技球数)が表示される。枠制御手段は、計数ボタンの操作に基づく計数処理の実行を制御する。枠制御手段(遊技価値数制御手段)は、第1情報が記憶手段(メモリ)に記憶されている場合には、計数処理の実行を不可能とし、第2情報が記憶手段(メモリ)に記憶されている場合には、計数処理の実行を可能とする。また、枠制御手段は、第2情報とともに第3情報が記憶手段(メモリ)に記憶されている場合には、計数処理の実行を不可能とする。
【0356】
本実施形態の遊技機は、
遊技価値の貸出を行う特定ユニット(例えば専用ユニット200)と通信可能な遊技機であって、
計数処理の実行を制御する制御手段(例えば遊技価値数制御手段55)と、
記憶手段(例えばメモリ58)と、を備え、
前記記憶手段に記憶され得る情報として、第1情報と第2情報とがあり、
前記第1情報は、前記専用ユニットと遊技機が通信を開始する前に発生し得る異常に対応する情報であり、
前記第2情報は、前記専用ユニットと遊技機が通信を開始した後に発生し得る異常に対応する情報であり、
前記制御手段は、
前記第1情報が前記記憶手段に記憶されている場合には、前記計数処理の実行を不可能とし、
前記第2情報が前記記憶手段に記憶されている場合には、前記計数処理の実行を可能とする。
【0357】
異常が発生した場合であっても、第2情報(専用ユニットと遊技機が通信を開始した後に発生し得る異常に対応する情報)が記憶されている場合には計数処理を実行可能とする。異常が発生した場合であっても、その異常が所定の異常である場合には計数を可能とすることで、計数を実行可能な場面を増やすことができる。このため、遊技場等において計数を行い、次の作業等に進むことができる機会が増え、作業性を向上させることができる(ホール運用面での改善に繋がる)。
【0358】
また、本実施形態の遊技機において、
前記記憶手段に記憶され得る情報として、第3情報があり、
前記第3情報は、前記専用ユニットと遊技機の間の通信の異常に対応する情報であり、
前記制御手段は、
前記第2情報とともに前記第3情報が前記記憶手段に記憶されている場合には、前記計数処理の実行を不可能とする。
【0359】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態~第3の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0360】
上述のとおり、本実施形態の遊技機10では、所定の遊技で小役が入賞すると、所定数の遊技価値が払い出され(付与され)、クレジットに加算される(遊技価値数記憶領域66の値が増加する)。
【0361】
(EHエラー)
図27に示すメダルオーバーエラー(EH)は、クレジット(遊技メダル数、所持数)が所定の値(例えば16369)以上であることに起因するエラーである。メインエラー検出手段86は、遊技価値数記憶領域66(特定領域)の値(記憶値)が所定の値(16369)以上に達すると、メダルオーバーエラー(EH)の検出条件を満たすと判定し、メダルオーバーエラー(EH)を検出する。メインエラー管理手段87は、メインエラー検出手段86によってメダルオーバーエラー(EH)が検出されたことに基づき、例えば、当該遊技の第3停止操作の押下の開放を契機として、メダルオーバーエラー(EH)の発生を報知する演出を実行させる。具体的には、
図29(a)に示すように、エラー表示を液晶ディスプレイ13に表示させる。エラー表示には、所定の図形と、エラーコード(EH)と、「係員をお呼びください。」と言う文字と、が含まれる。また、エラー音がスピーカ14から出力される。エラー音には、警告音と、「係員をお呼びください。」という音声と、が含まれる。メダルオーバーエラー(EH)が検出されると、遊技機10は遊技を行うことができない状態に移行する。なお、メインエラー管理手段87は、具体的には、演出制御手段100(演出サブ制御手段70)に対して、エラー(メダルオーバーエラー)の発生を報知する演出の実行を指示する。メインエラー管理手段87や演出制御手段100は、報知制御手段と言うことができる。
【0362】
メインエラー管理手段87は、復帰操作としての計数(計数処理の実行)が行われ、遊技価値数記憶領域66の値が所定の値(16369)未満となると、メダルオーバーエラー(EH)を解除する処理を行い、メダルオーバーエラー(EH)の発生を報知する演出を終了させる。以下、復帰操作(解除操作)としての計数は、計数が行われて遊技価値数記憶領域66の値が所定の値(16369)未満となることを意味するものとする。
【0363】
(EYエラー)
図27に示す打ち止めエラー(EY)は、後述するMYカウンタ89(特定カウンタ)の値(記憶値)が所定の値(19000)以上であることに起因するエラーである。メイン制御手段31の記憶手段60のRAMにはMYカウンタ89(
図4)が設けられている。メインエラー検出手段86は、遊技停止に係る処理を実行するか否かを(コンプリート機能を作動させるか否かを)、MYカウンタ89の値に基づき管理している。メイン制御手段31は、設定変更後(電源投入後)、遊技が行われるごとにMYカウンタ89の値を遊技価値の差枚数によって更新する。具体的には、遊技価値の払出数(付与数)に相当する値(例えば、8枚の遊技価値の払い出しがあった場合には「8」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用された遊技価値の投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算し、当該遊技における差枚数を求める。そして、当該差枚数に相当する値を、MYカウンタ89の記憶値に加算する処理を行う。MYカウンタ89は、遊技が行われるごとに遊技価値の獲得に係る値と遊技価値の使用(遊技に使用された遊技価値の投入数)に係る値とに基づき算出された値(差枚数)によって値(記憶値)が更新されるカウンタ手段となっている。
なお、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当する遊技価値の払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際の遊技価値の投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当する遊技価値の投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0364】
設定変更後(電源投入後)の時点においてMYカウンタ89の記憶値は「0」となっている。メインエラー検出手段86は、MYカウンタ89の値が所定の値(19000)以上に達すると、打ち止めエラー(EY)の検出条件を満たすと判定し、打ち止めエラー(EY)を検出する。設定変更後(電源投入後)、遊技価値が最も減少したときを基準とし、当該基準からの遊技価値の増加数が「19000枚」を超えた場合に打ち止めエラー(EY)が検出されるようになっている。打ち止めエラー(EY)が検出されると、遊技機10は遊技を行うことができない状態(遊技停止状態)に移行する。
【0365】
メインエラー管理手段87は、メインエラー検出手段86によって打ち止めエラー(EY)が検出されたことに基づき、例えば、当該遊技の第3停止操作の押下の開放を契機として、打ち止めエラー(EY)の発生を報知する演出を実行させる。具体的には、
図29(b)に示すように、エラー表示を液晶ディスプレイ13に表示させる。エラー表示には、「コンプリート機能作動中」という文字と、「1日に払出可能な上限に達しました。本日は遊技終了です。」という文字と、が含まれる。また、エラー音がスピーカ14から出力される。エラー音は「1日に払出可能な上限に達しました。本日は遊技終了です。」という音声となっている。
【0366】
メインエラー管理手段87は、復帰操作(解除操作)としての設定変更が行われると、打ち止めエラー(EY)を解除する処理を行い、打ち止めエラー(EY)の発生を報知する演出を終了させる。なお、このとき、MYカウンタ89はリセットされて「0」となる。
【0367】
本実施形態では、メダルオーバーエラー(EH)が検出された場合と打ち止めエラー(EY)が検出された場合とで、実行される演出(エラー報知演出)の態様が異なっている。
【0368】
本実施形態の遊技機10では、所定の遊技で小役が入賞し、所定数の遊技価値が払い出された際に(1遊技終了時に)、遊技価値数記憶領域66の値(記憶値)が所定の値(16369)以上に達し、かつ、MYカウンタ89の値が所定の値(19000)以上に達することが起こり得る。メインエラー検出手段86は、所定の契機で、メダルオーバーエラー(EH)の検出条件を満たす(EHエラーを検出した)と判定し、当該エラーの検出条件を満たすことを示すフラグ(第1の情報:EHエラーフラグ)を記憶手段60に設定(記憶)するとともに、打ち止めエラー(EY)の検出条件を満たす(EYエラーを検出した)と判定し、当該エラーの検出条件を満たすことを示すフラグ(第2の情報:EYエラーフラグ)を記憶手段60に設定(記憶)する場合がある。以下、この場合を「特定状況」とする。
【0369】
特定状況では、メインエラー管理手段87は、メダルオーバーエラー(EH)の発生を報知する演出(第1の報知)を、打ち止めエラー(EY)の発生を報知する演出(第2の報知)よりも優先させ、演出制御手段100に実行させる。すなわち、特定状況では、第1の報知が実行され、第2の報知が実行されない。
なお、第1の報知は、メダルオーバーエラー(EH)に係るフラグ(第1の情報)が記憶手段60に設定(記憶)されていることを示唆する報知、ということができる。
また、第2の報知は、打ち止めエラー(EY)に係るフラグ(第2の情報)が記憶手段60に設定(記憶)されていることを示唆する報知、ということができる。
【0370】
特定状況でメダルオーバーエラー(EH)の発生を報知する演出が実行されている間に、メダルオーバーエラー(EH)の復帰操作(第1の解除操作:計数)が行われると、メインエラー管理手段87は、(1)メダルオーバーエラー(EH)の検出条件を満たすことを示すフラグをクリアし、メダルオーバーエラー(EH)から復帰(解除)させ(第1の報知を終了させ)、(2)打ち止めエラー(EY)の検出条件を満たすことを示すフラグが設定されていることに基づき、打ち止めエラー(EY)の発生を報知する演出を実行させる。
【0371】
そして、打ち止めエラー(EY)の発生を報知する演出が実行されている状況において、打ち止めエラー(EY)の復帰操作(第2の解除操作:設定変更)が行われると、メインエラー管理手段87は、打ち止めエラー(EY)の検出条件を満たすことを示すフラグをクリアし、打ち止めエラー(EY)から復帰(解除)させ、打ち止めエラー(EY)の発生を報知する演出を終了させる。
【0372】
上記では特定状況において、メダルオーバーエラー(EH)の復帰操作(第1の解除操作)が、打ち止めエラー(EY)の復帰操作(第2の解除操作)よりも先に行われた場合を示した。言い換えると、特定状況において、報知されているエラーに対する解除操作が、報知されていないエラーに対する解除操作よりも先に行われた場合を示した。次に、特定状況において、打ち止めエラー(EY)の復帰操作(第2の解除操作)が、メダルオーバーエラー(EH)の復帰操作(第1の解除操作)よりも先に行われた場合について説明する。つまり、特定状況において、報知されていない方のエラーに対する解除操作が、報知されているエラーに対する解除操作よりも先に行われた場合について説明する。
【0373】
特定状況でメダルオーバーエラー(EH)の発生を報知する演出が実行されている間に、打ち止めエラー(EY)の復帰操作(第2の解除操作:設定変更)が行われると、メインエラー管理手段87は、(1)打ち止めエラー(EY)の検出条件を満たすことを示すフラグをクリアし、打ち止めエラー(EY)から復帰させ、(2)メダルオーバーエラー(EH)の検出条件を満たすことを示すフラグが設定されていることに基づき、メダルオーバーエラー(EH)の発生を報知する演出を実行させる。設定変更が行われると、MYカウンタ89の記憶値はリセットされて0となるが、遊技価値数記憶領域66の記憶値はリセットされず、16369以上のままであるため、メダルオーバーエラー(EH)が報知される。
【0374】
そして、メダルオーバーエラー(EH)の発生を報知する演出が実行されている状況において、メダルオーバーエラー(EH)の復帰操作(第1の解除操作:計数)が行われると、メインエラー管理手段87は、メダルオーバーエラー(EH)の検出条件を満たすことを示すフラグをクリアし、メダルオーバーエラー(EH)から復帰させ、メダルオーバーエラー(EH)の発生を報知する演出を終了させる。
【0375】
このように特定状況において、打ち止めエラー(EY)の復帰操作(第2の解除操作)が先に行われ、その後にメダルオーバーエラー(EH)の復帰操作(第1の解除操作)が行われた場合、打ち止めエラー(EY)の発生を報知する演出(第2の報知)は実行されることなく、メダルオーバーエラー(EH)の発生を報知する演出(第1の報知)のみが実行される。
【0376】
第2の実施の形態で説明したスタッフメニューや管理者メニューには、エラー情報履歴が設けられている。作業者は、エラー情報履歴を参照することで、遊技機10で発生した直近の数件(例えば20件)のエラーを確認できるようになっている。上述のとおり、演出サブ制御手段70は、メインエラー管理手段87から送信される指示(情報)に基づきエラーを報知する演出を実行するが、このとき演出サブ制御手段70は、実行したエラー報知に係る情報をサブメモリ72に記憶させ、管理している。特定状況において第2の解除操作が先に行われ、その後に第1の解除操作が行われた場合、打ち止めエラー(EY)の発生を報知する演出(第2の報知)は実行されない。この場合、演出サブ制御手段70は、当該打ち止めエラー(EY)に係る情報をサブメモリ72に記憶しない。したがって、当該打ち止めエラー(EY)に係る情報はエラー情報履歴に反映されないようになっている。
【0377】
本実施形態に係る発明は、
図22に示したスマパチ(登録商標)であるパチンコ遊技機1000にも適用可能である。パチンコ遊技機1000は、上述のメイン制御手段31に相当するメイン制御手段(主制御基板)、上述のサブ制御手段32に相当するサブ制御手段(副制御基板)、上述の遊技価値数制御手段55に相当する枠制御手段(枠制御基板)、上述の計数ボタン212に相当する計数ボタン、上述の遊技メダル数表示装置211に相当する遊技球数表示装置、等を備えている。そして、報知制御手段(上述のメインエラー管理手段87や演出制御手段100に相当する)は、報知の実行を制御する。報知制御手段は、第1の情報が記憶手段(記憶手段60に相当する)に記憶されていることに基づき第1の情報が記憶されていることを示唆する第1の報知を実行し、第1の報知を実行している間に第1の解除操作(計数)が行われると、第1の報知を終了させ、第2の情報が記憶手段に記憶されていることに基づき第2の情報が記憶されていることを示唆する第2の報知を実行し、第2の報知を実行している間に第2の解除操作(設定変更)が行われると、第2の報知を終了させる。また、第1の情報および第2の情報が記憶手段に記憶されている特定状況では、第1の報知を実行して第2の報知を実行せず、前記特定状況において第1の報知を実行している間に、第2の解除操作が行われ、第2の解除操作の後に第1の解除操作が行われた場合には、第2の報知を実行せず、第1の報知を終了させる。
【0378】
本実施形態の遊技機は、
報知の実行を制御する報知制御手段(例えば演出制御手段100)と、
記憶手段(例えば記憶手段60)と、を備え、
前記記憶手段に記憶され得る情報として、第1の情報と第2の情報とがあり、
前記報知制御手段は、
前記第1の情報が前記記憶手段に記憶されていることに基づき前記第1の情報が記憶されていることを示唆する第1の報知を実行し、前記第1の報知を実行している間に第1の解除操作が行われると、前記第1の報知を終了させ、
前記第2の情報が前記記憶手段に記憶されていることに基づき前記第2の情報が記憶されていることを示唆する第2の報知を実行し、前記第2の報知を実行している間に第2の解除操作が行われると、前記第2の報知を終了させ、
前記第1の情報および前記第2の情報が前記記憶手段に記憶されている特定状況では、前記第1の報知を実行して前記第2の報知を実行せず、
前記特定状況において前記第1の報知を実行している間に、前記第2の解除操作が行われ、前記第2の解除操作の後に前記第1の解除操作が行われた場合、前記第2の報知を実行することなく、前記第1の報知を終了させる。
【0379】
第1の情報および第2の情報が記憶手段に記憶されている特定状況において第1の報知を実行している間に、第1の報知に対応する第1の解除操作ではなく第2の報知に対応する第2の解除操作が先に行われ、その後に第1の解除操作が行われたという事態(イレギュラーな事態)が生じた場合であっても、第2の報知は実行されず、第1の報知は終了する。換言すると、第1の解除操作がされたにも関わらず第1の報知が終了しないという事態や、第2の解除操作がされたにも関わらず第2の報知が実行されるという事態が生じない。このため、所定の報知とその解除操作との関係が適切に制御された遊技機を提供できる。
【0380】
本実施形態の遊技機において、
前記記憶手段は、特定領域と特定カウンタとを備え、
前記特定領域には、遊技に使用可能な遊技価値数に相当する値が記憶され、
前記特定カウンタは、遊技が行われるごとに遊技価値の獲得に係る値と遊技価値の使用に係る値とに基づき算出される値によって更新され、
前記第1の情報は、前記特定領域の値が所定値に達すると前記記憶手段に記憶され、
前記第2の情報は、前記特定カウンタの値が所定値に達すると前記記憶手段に記憶される。
【0381】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態~第4の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。本実施形態では、メイン制御手段31と遊技価値数制御手段55とをまとめて制御手段とする。
【0382】
上述のとおり、遊技機10では、遊技価値数記憶領域66の値(記憶値)が所定の値としての第1の値(16369)以上に達すると、メダルオーバーエラー(EH)が発生し、その発生の報知が実行されるようになっている(
図29(a))参照)。このとき、遊技機10は、遊技を行うことができない状態(遊技停止状態)となり、遊技場のスタッフが所定の操作(解除操作)を行う必要が生じる。そこで、メダルオーバーエラー(EH)の発生を抑制すべく、次の所持数警告が実行されるようになっている。
【0383】
(所持数警告)
所持数警告は、遊技者に対して計数の実行を促す(指示する)演出(報知)となっている。メインエラー検出手段86は、遊技価値数記憶領域66の値(記憶値)が所定の値としての第2の値(15000)以上に達すると、所持数警告の実行条件を満たすと判定する。なお、第2の値は、第1の値よりも小さい値が設定されており、本実施形態では、第1の値と第2の値の差は、1369となっている。メインエラー管理手段87は、メインエラー検出手段86によって所持数警告の実行条件を満たすと判定されたことに基づき、例えば、当該遊技の第3停止操作の押下の開放を契機として、所持数警告を実行させる。具体的には、演出制御手段100に、
図30に示す計数ボタン212の押下を促す表示(計数指示表示)を液晶ディスプレイ13に表示させる。なお、計数指示表示を表示させるとともに、所定の音(音声)をスピーカ14から出力させてもよい。メインエラー管理手段87や演出制御手段100は、報知制御手段と言うことができる。
【0384】
本実施形態では、遊技価値数記憶領域66の記憶値が第1の値(16369)以上に達するよりも手前の第2の値(15000)以上に達した時点で、所持数警告が実行されるようになっている。なお、所持数警告が実行された場合、メダルオーバーエラー(EH)が発生した場合とは異なり、遊技停止状態には移行せず、遊技機10において遊技を行うことはできるようになっている。
【0385】
(貸出の禁止)
このように遊技機10では遊技価値数記憶領域66の値が所定の値(15000)以上となると所持数警告が実行されるが、さらに、遊技機10では遊技価値数記憶領域66の値が所定の値(15000)以上となると、専用ユニット200での貸出操作(貸出ボタン203または再プレイボタン204に対する操作)に基づく専用ユニット200から遊技機10への所定数の遊技価値の転送(すなわち貸出)が実行されないようになっている。換言すると、専用ユニット200で貸出操作をしても遊技価値の貸出が受け付けられないようになっている。
【0386】
本実施形態では、オーバーエラー(EH)の発生を抑制するための処理として、所持数警告と貸出の禁止とが実行されるようになっている。仮に、遊技価値数記憶領域66の値が所定の値(15000)以上であるにも関わらず貸出が実行される場合、貸出が実行されることによりオーバーエラー(EH)が発生する確率がより高いものとなる。
【0387】
図31は、遊技機10と専用ユニット200(特定ユニット)との間における、「遊技機情報通知」、「計数通知」、「貸出通知」および「貸出受領結果応答」の通知タイミングを示したタイミングチャートである。
図31に示すように、
(1)遊技機10(遊技価値数制御手段55)は、起動完了から300msec(300msec以上、310msec以内)周期で、遊技機情報通知を専用ユニット200に送信する。遊技機情報通知は、遊技機10に関する情報を含む通知であり、例えば出玉情報等が含まれる。
【0388】
(2)遊技機10は、遊技機情報通知を送信してから100msec(90msec以上、100msec以内)で計数通知を専用ユニット200に送信する。計数通知は、何枚の(いくつの)遊技価値を計数するかを示す情報を含む通知である。前回の計数通知を送信した後、計数ボタン212の操作に基づく計数の実行指示を受け付けた場合、例えば50枚の遊技価値を計数すること示す計数通知が送信される。一方、前回の計数通知を送信した後、計数ボタン212の操作に基づく計数の実行指示を受け付けていない場合、0枚の遊技価値を計数すること示す計数通知が送信される。
【0389】
(3)専用ユニット200は、計数通知を受信してから170msec以内に貸出通知を遊技機10に送信する。貸出通知は、何枚の(いくつの)遊技価値を貸し出すかを示す情報を含む通知である。前回の貸出通知を送信した後、専用ユニット200での貸出操作に基づく貸出の実行指示を受け付けた場合、例えば50枚の遊技価値を貸し出すこと示す貸出通知が送信される。一方、前回の貸出通知を送信した後、専用ユニット200での貸出操作に基づく貸出の実行指示を受け付けていない場合、0枚の遊技価値を貸し出すこと示す貸出通知が送信される。
【0390】
(4)遊技機10は、貸出通知の受信完了後、10msec以内に貸出受領結果応答を専用ユニット200に通知(送信)する。貸出受領結果応答は、(3)の貸出通知に係る遊技価値の貸出を受け付けできるか否かを示す情報を含む通知である(詳細は後述する)。
なお、本実施形態では、遊技機10が貸出受領結果応答を通知してから、次の遊技機情報通知(n+1)を行うまでに20msec以上の時間が確保されるようになっている。
【0391】
遊技価値数制御手段55(メダル数制御CPU)は、
図32に示す貸出受付可否判定を行う。遊技価値数制御手段55は、貸出通知を受信したか否かを判定する(ステップS401)。ステップS401において、貸出通知を受信したと判定すると(ステップS401:YES)、遊技価値数制御手段55は、遊技価値数記憶領域66の記憶値が所定の値(しきい値15000)以上であるか否かを判定する(ステップS402)。一方、ステップS401において、貸出通知を受信していないと判定すると(ステップS401:NO)、遊技価値数制御手段55は、ステップS401の処理を繰り返す。
【0392】
ステップS402において、遊技価値数記憶領域66の記憶値が所定の値(しきい値15000)以上であると判定すると(ステップS402:YES)、遊技価値数制御手段55は、貸出を受け付けることはできないと決定し、貸出を受け付けることはできないことを意味する「異常」を示す貸出受領結果応答を、専用ユニット200に送信する(ステップS403)。一方、ステップS402において、遊技価値数記憶領域66の記憶値が所定の値(しきい値15000)未満であると判定すると(ステップS402:NO)、遊技価値数制御手段55は、貸出を受け付けることができると決定し、貸出を受け付けることができることを意味する「正常」を示す貸出受領結果応答を、専用ユニット200に送信する(ステップS404)。
【0393】
遊技価値数制御手段55は、「正常」を示す貸出受領結果応答を送信した場合、貸出通知に含まれる貸出数に相当する値を、遊技価値数記憶領域66の記憶値に加算する処理(貸出加算処理、第1の処理)を行う。例えば、当該貸出数に相当する値が「50」の場合、貸出加算処理が実行され、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技メダル数が「50」増加する。
なお、遊技価値数制御手段55は、ステップS402において、遊技価値数記憶領域66の記憶値が所定の値(しきい値15000)未満であると判定すると(ステップS402:NO)、貸出を受け付けることができると決定し、貸出通知に含まれる貸出数に相当する値を遊技価値数記憶領域66の記憶値に加算し、その後に「正常」を示す貸出受領結果応答を専用ユニット200に送信してもよい(ステップS404)。
【0394】
(精算ボタン218)
上述のとおり、ベットボタン23(投入操作手段)の操作に基づき遊技価値が投入状態(ベット)に設定されている状態で、精算ボタン218(遊技価値に関する所定の処理を実行する際に操作される操作手段、精算操作手段)が操作(押下)されると、投入された遊技価値(ベット)がクレジットに返却されるようになっている。ベット数(1枚~3枚掛け)はメイン制御手段31(メインCPU)が管理しており、メイン制御手段31は、精算ボタン218が操作されると、遊技価値の投入状態の設定を解消し、投入状態に設定されていた遊技価値数に相当する値(例えば「3」)を、クレジット数(遊技価値数記憶領域66の記憶値)に加算する処理(投入返却処理、第2の処理)を行う。投入返却処理が実行されると、遊技メダル数表示装置211に表示される遊技メダル数が増加する。
【0395】
ここで説明のため、遊技価値数記憶領域66の記憶値を「所持数」とする。また、所持数が15000(しきい値)未満であり、かつベット数が1以上であって、所持数とベット数の合計が15000以上となっている状況を特殊状況とする。遊技機10では、所持数が15000(しきい値)未満だが、所持数とベット数の合計が15000以上となり、合計で15000枚以上の遊技価値を所持しているという状況が生じ得る。以下、特殊状況を、所持数「14999」(枚)、ベット数「3」(枚)とする場合について説明する。
【0396】
特殊状況において、専用ユニット200で貸出操作(のみ)が行われた場合、遊技価値数制御手段55は、当該貸出操作に係る貸出通知(例えば50枚の遊技価値を貸し出すこと示す貸出通知)を受信すると、遊技価値数記憶領域66の記憶値が所定の値(しきい値15000)未満であると判定する(ステップS402:NO)ため、当該貸出通知に係る遊技価値の貸出を受け付け、貸出加算処理を行う。
【0397】
特殊状況において、精算ボタン218の操作(のみ)が行われた場合、メイン制御手段31は、当該操作の検出に基づき、ベット数「3」を遊技価値数記憶領域66の記憶値に加算する投入返却処理を行う。その結果、遊技価値数記憶領域66の記憶値は「15002」となる。
なお、遊技価値数記憶領域66の記憶値が「15002」となった後に貸出通知を受信した場合、遊技価値数制御手段55は、ステップS402において遊技価値数記憶領域66の記憶値が所定の値(しきい値15000)以上であると判定し(ステップS402:YES)、当該貸出通知に係る遊技価値の貸出を受け付けない。
【0398】
図31で示したように、遊技機10(遊技価値数制御手段55)は、約300msの周期で貸出通知を受信する。例えばn回目の貸出通知を受信した直後に専用ユニット200で貸出ボタン203が操作された場合、遊技機10(遊技価値数制御手段55)が、当該操作に係る貸出通知(n+1回目)を受信するまでには約300msの時間を要することとなる。なお、専用ユニット200で貸出ボタン203が操作されてから、遊技価値数制御手段55が当該操作に係る貸出通知を受信するまでに要する時間は、専用ユニット200の仕様に応じて変化してもよく、300ms以上であってもよい。
【0399】
一方、メイン制御手段31(メインCPU)は、各ボタンの操作やセンサによる検出等が有効化されてから無効化されるまでの間、一定間隔(例えば1.49ms)毎に、定期処理(タイマー割込み)を行い、入力ポートに入力される各入力信号によって示される各ボタンの操作状態や各センサによる検出状態等がOFF状態であるかON状態であるかを検出している。メイン制御手段31は、例えば、定期処理において、n-1回目(前回)の定期処理タイミングでOFF状態を検出し、その定期処理タイミングの後のn回目(今回)の定期処理タイミングでON状態を検出した場合に、このOFF状態からON状態への変化に基づき入力信号のONエッジを検出する。メイン制御手段31は、精算ボタン218から入力される信号(精算ボタン信号)の状態(信号状態)を監視している。精算ボタン218が操作(押下)されていない状態では、メイン制御手段31に入力される信号はOFF状態であり、精算ボタン218が操作(押下)されている状態では、メイン制御手段31に入力される信号はON状態となる。メイン制御手段31は、精算ボタン218の操作に基づくONエッジを検出すると、ベットをクレジットに返却する処理(投入返却処理)を実行する。したがって、メイン制御手段31が精算ボタン218の操作に基づくONエッジを検出する間隔(周期)は、遊技価値数制御手段55が貸出通知を受信する間隔(周期)よりも短くなっている。
【0400】
ここで、上述の特殊状況において、遊技機10で、専用ユニット200での貸出操作に基づく貸出通知の受信と、精算ボタン218の操作の検出と、が略同タイミングで発生した場合について説明する。略同タイミングで発生とは、所定期間(例えば約300ms)の間に、専用ユニット200での貸出操作に基づく貸出通知の受信と、精算ボタン218の操作の検出と、が発生することを指し、同一のタイミング(同時)を含むものであってもよい。
【0401】
遊技価値数記憶領域66の記憶値がしきい値未満の所定の値(14999)である状況(特殊状況)で、専用ユニット200での貸出操作に係る貸出通知(貸出に係る情報)の受信と、精算ボタン218の操作の検出と、が略同タイミングで発生した場合であって、当該貸出通知を受信したタイミングで遊技価値数記憶領域66の記憶値が「14999」となっている場合、貸出加算処理(例えば50を加算する処理)が実行される。このとき、遊技価値数記憶領域66の記憶値はしきい値以上の所定の値(例えば15049)となる。次いで、精算ボタン218の操作の検出に基づく投入返却処理(例えば3を返却する処理)が実行され、遊技価値数記憶領域66の記憶値はしきい値以上の所定の値(例えば15052)となる。
【0402】
遊技価値数記憶領域66の記憶値がしきい値未満の所定の値(14999)である状況(特殊状況)で、専用ユニット200での貸出操作に係る貸出通知(貸出に係る情報)の受信と、精算ボタン218の操作の検出と、が略同タイミングで発生した場合であって、当該貸出通知を受信したタイミングで遊技価値数記憶領域66の記憶値が「15002」となっている場合、すなわち精算ボタン218の操作の検出に基づく投入返却処理が先に実行され、遊技価値数記憶領域66の記憶値がしきい値以上となっている場合、貸出加算処理は実行されない。
【0403】
なお、遊技価値数記憶領域66の記憶値がしきい値未満の所定の値(例えば100とする)である状況で、専用ユニット200での貸出操作に係る貸出通知(貸出に係る情報)の受信と、精算ボタン218の操作の検出と、が略同タイミングで発生した場合であって、精算ボタン218の操作に基づく投入返却処理が先に実行されても遊技価値数記憶領域66の記憶値が当該しきい値以上となっていない場合(しきい値未満である場合)には、貸出加算処理も実行される。
【0404】
本実施形態の遊技機は、
遊技価値の貸出に係る制御を実行可能な特定ユニット(例えば専用ユニット200)と通信可能な遊技機であって、
遊技に使用可能な遊技価値数に相当する値を記憶可能な記憶手段(例えば遊技価値数記憶領域66)と、
遊技価値に関する所定の処理を実行する際に操作される操作手段(例えば精算ボタン218)と、
遊技価値に関する制御を行う制御手段(例えばメイン制御手段31、遊技価値数制御手段55)と、を備え、
前記貸出に係る情報の受信に基づき、前記記憶手段の値がしきい値未満であるか否かが判定され、前記しきい値未満である場合、貸出数に相当する値が前記記憶手段の値に加算される第1の処理が行われ、
前記操作手段の操作の検出に基づき、遊技価値の投入に基づいて設定された遊技価値の投入状態が解消され、前記投入状態に設定されていた遊技価値数に相当する値が前記記憶手段の値に加算される第2の処理が行われ、
前記記憶手段の値が前記しきい値未満である状況において、前記貸出に係る情報の受信と、前記操作手段の操作の検出と、が略同タイミングで発生した場合であって、前記第2の処理が先に実行されて前記記憶手段の値が前記しきい値以上となった場合、前記第1の処理が実行されない。
【0405】
記憶手段の値がしきい値未満である場合には、第1の処理が実行されるようになっているが、記憶手段の値がしきい値未満である状況において、貸出に係る情報の受信と、操作手段の操作の検出と、が略同タイミングで発生するという特殊な事態が発生した場合に、第1の処理の実行可否が適切に制御される必要がある。
本実施形態では、かかる特殊な事態が発生した状況において、操作手段の操作の検出に基づく第2の処理を先に実行し、記憶手段の値がしきい値以上となった場合には、第1の処理は実行されないように制御される。このため、特殊な事態が発生した場合に、記憶手段の値がしきい値以上であるにも関わらず、第1の処理が実行されるのを防ぐことができる。これにより、特殊な事態が生じた場合であっても、貸出に関する処理が適切に制御された遊技機を提供できる。
【0406】
また、本実施形態の遊技機は、
前記記憶手段の値が前記しきい値未満である状況において、前記貸出に係る情報の受信と、前記操作手段の操作の検出と、が略同タイミングで発生した場合であって、前記第1の処理が先に実行されて前記記憶手段の値が前記しきい値以上となった場合、前記第2の処理が実行される。
【0407】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態~第5の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0408】
上述のとおり、遊技機10では、MYカウンタ89の値(記憶値)が所定の値(19000)以上に達すると、打ち止めエラー(EY)が発生し、その発生(コンプリート機能の作動)の報知が実行されるようになっている(
図29(b))参照)。このとき、遊技機10は、遊技を行うことができない状態(遊技停止状態)となる。なお、MYカウンタ89は、上述のとおり遊技価値の差枚数によって更新されるようになっており、遊技が行われるごとに遊技価値の獲得に係る値と遊技価値の使用(遊技に使用された遊技価値の投入数)に係る値とに基づき算出された値(差枚数)によって値(記憶値)が更新されるカウンタ手段となっている。
【0409】
ところで、遊技機10等の遊技機に対しては型式試験が行われる。型式試験においては、規定の試験装置を用いることが知られており、遊技機から出力される信号を試験装置に入力し、試験装置から遊技機へ送信される信号によって遊技機を操作することで試射試験等の所定の試験が行われる。
【0410】
ここで、試験を行う場合における遊技機10(メイン制御手段31)と規定の試験装置(試射試験機300とする)との接続について説明する。
図33に示すように、メイン制御手段31は、試射試験時に用いる外部の第1インターフェース基板301を介して試射試験機300と接続可能となっている。また、メイン制御手段31は、試射試験時に用いる外部の第2インターフェース基板302を介して規定の試射試験機300と接続可能となっている。なお、本実施形態では、第2インターフェース基板302が用いられる場合について説明するが、第2インターフェース基板302の代わりに第3インターフェース基板が用いられるようになっていてもよい。
【0411】
メイン制御手段31は、第1インターフェース基板301や第2インターフェース基板302との接続を可能とするコネクタを有しており、当該コネクタを介して、第1インターフェース基板301や第2インターフェース基板302との間での信号の送信あるいは受信が可能となっている。なお、当該コネクタは、量産時には実装されないコネクタであってもよい。
【0412】
第1インターフェース基板301は、メイン制御手段31から出力される各リール20a~20cの回転および停止に関する信号等を、コネクタCN1またはコネクタCN2を介して試射試験機300に送信する。具体的には、各インデックスセンサ21a~21cからのリールインデックス信号、内部抽選で当選した役を識別可能とする信号(抽選で決定した条件装置の番号または当選エリア番号に対応した信号等)、遊技状態を識別可能とする信号、各ステッピングモータ19a~19cの励磁パルス信号等の、メイン制御手段31で検知しまたは決定する各種信号が、第1インターフェース基板301を介して、メイン制御手段31から試射試験機300に送られるようになっている。
【0413】
リールインデックス信号は、インデックスセンサ21a~21cの検知信号であり、第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cそれぞれの基準位置の通過を特定可能とする信号である。また、励磁パルス信号は、ステッピングモータ19a~19cの駆動信号であり、各リール20a~20cの駆動状況を特定可能とする信号である。試射試験機300では、第1インターフェース基板301を介して送られるリールインデックス信号や励磁パルス信号等に基づいて、回転中の各ステッピングモータ19a~19c(各リール20a~20c)の現在のステップ数等を把握することが可能となっている。
【0414】
第1インターフェース基板301は、試射試験機300から出力される各リール20a~20cの回転および停止を実行させる信号等を、コネクタCN3を介して受信し、メイン制御手段31に送信する。具体的には、メダルの投入操作に代替させる投入スイッチ信号、スタートレバー24に対する遊技開始操作に代替させるリールスタートスイッチ信号、各ストップボタン26a~26cに対する停止操作に代替させる左、中、右に対応した各ストップスイッチ信号等の、遊技機に対する操作に関する各種信号が、第1インターフェース基板301を介して、試射試験機300からメイン制御手段31に送られるようになっている。
【0415】
なお、試射試験機300からメイン制御手段31への投入スイッチ信号の送信は、ベットボタン23に対する押下操作と同様に、メダルの投入操作に該当する。また、試射試験機300からメイン制御手段31へのリールスタートスイッチ信号の送信は、スタートレバー24に対する押下操作と同様に、遊技開始操作に該当する。また、試射試験機300からメイン制御手段31への各ストップスイッチ信号の送信は、各ストップボタン26a~26cに対する押下操作と同様に、停止操作に該当する。
【0416】
また、本実施形態において、「信号が、所定の装置(手段)から所定の基板を介して所定の装置(手段)に送られる」とは、送信元の装置(手段)から出力された信号がそのままの形式で送信先の装置(手段)に入力される場合と、送信元の装置(手段)から出力された信号の一部または全体が基板等において変換されて送信先の装置(手段)に入力される場合との両方を含む。換言すると、送信元の装置(手段)から出力される信号によって伝達したい内容(情報)が送信先の装置(手段)に伝達されるものであればよい。
【0417】
第2インターフェース基板302は、メイン制御手段31から出力される遊技制御信号(試験用信号)を、コネクタCN4を介して試射試験機300に送信する。換言すると、試験用信号制御手段としてのメイン制御手段31から出力された遊技制御信号が、第2インターフェース基板302を介して試射試験機300に送られるようになっている。第2インターフェース基板302は、メイン制御手段31から受信した遊技制御信号を、試射試験機300が認識可能な形式に変換して試射試験機300に送信する。換言すると、第2インターフェース基板302は、CPU(制御部)を有しており、当該CPUが当該変換を行うようになっている。
【0418】
遊技機10(メイン制御手段31)と試射試験機300とを、第1インターフェース基板301および第2インターフェース基板302を用いて接続し、試射試験を実行している状態で、仮に、MYカウンタ89の値が所定の値(第1の値:19000)以上に達し、打ち止めエラー(EY)が発生した場合(コンプリート機能が作動した場合)、メイン制御手段31は遊技を停止するため、試射試験を進める(続ける)ことができない、という問題が生じる。打ち止めエラー(EY)の解除には設定変更が必要であり、仮に設定変更を行った場合、上述のとおり初期化手段48によって記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する処理(初期化処理)が実行される。したがって、設定変更を行った場合、例えば正確な出玉率を調べることができないという問題が生じる。
以下、そのような問題の発生を回避するための構成について説明する。
【0419】
(遊技中断信号)
本実施形態では、メイン制御手段31は、遊技中断要求を含む遊技制御信号(以下、遊技中断信号とする)を試射試験機300に送信可能となっている。メイン制御手段31は、遊技の進行に応じて値が更新されるMYカウンタ89(カウンタ手段)の値(記憶値)が所定の値(第2の値:18500)以上に達すると(MYカウンタ89の記憶値が所定の値(18500)以上であると判定すると)、遊技の中断を指示する(促す)信号としての遊技中断信号(所定の信号)を、第2インターフェース基板302を介して試射試験機300に送信する。第2の値は第1の値(上限)よりも小さくなっており、本実施形態では、第2の値は第1の値よりも「500」小さい値となっている。第2の値は、第1の値よりもMYカウンタ89の記憶値の初期値「0」に近い値となっている。
【0420】
試射試験機300は、遊技中断信号を受信したことに基づき、遊技の進行を中断する。換言すると、例えば、次遊技に係る信号(例えば投入スイッチ信号)をメイン制御手段31に送信しない。試験を行っている試験員は、かかる遊技の進行の中断が発生したことに基づき、コンプリート機能の作動を回避するための操作としての電断(遊技機10の電源の遮断、再投入)を行うことができる。電断を行うとMYカウンタ89の記憶値がリセットされる(0となる)ため、MYカウンタ89の記憶値が第1の値(19000)以上に達して打ち止めエラー(EY)が発生し、遊技が停止する(遊技停止状態に移行する)のを回避できる。換言すると、コンプリート機能の作動により試験を進めることができない状態となり、設定変更をする必要が生じるのを回避できる。試験員は、電断後、試験を再開することができる。
【0421】
なお、試射試験機300は、遊技中断信号を受信したことに基づき、遊技の進行を中断するのではなく、所定の報知(表示、音声の出力、ランプの点灯等)を行うようになっていてもよい。その場合、当該報知を確認した試験員は遊技の進行を中断する操作を行い、その後、遊技機10の電断を行う。
【0422】
本実施形態では、MYカウンタ89の記憶値が第1の値(19000)以上に到達する手前で、メイン制御手段31から遊技中断信号が出力され、試射試験機300が遊技を中断するようになっている。なお、遊技中断信号の出力とともに、遊技機10において、コンプリート機能の作動が近付いていることを示唆する演出(表示や音声の出力)が行われるようになっていてもよい。
【0423】
上述のとおり、メイン制御手段31は、MYカウンタ89の記憶値が第2の値(18500)以上であると判定すると、遊技中断信号を出力する。ここで、メイン制御手段31からの遊技中断信号の出力について、
図34を用いて説明する。
【0424】
(パターン1)
図34(a)に示すように、メイン制御手段31は、シリアルコマンドである遊技中断信号を、シリアル通信で第2インターフェース基板302に送信する。第2インターフェース基板302のCPUは、当該遊技中断信号を受信すると、試射試験機300が認識可能な形式(後述する)の遊技中断信号を試射試験機300に送信する(遊技を中断させる)。本実施形態の遊技機10は、このパターン1の手法で遊技中断信号を出力する。
【0425】
(パターン2)
図34(b)に示すように、メイン制御手段31は、複数のポート(出力ポート)を介して、遊技中断信号(所定のビット数の信号)を、パラレル通信で第2インターフェース基板302に送信してもよい。この場合、例えば、メイン制御手段31は、出力ポートの一部のビットをONにして遊技中断信号を出力する。第2インターフェース基板302のCPUは、当該遊技中断信号を受信し当該ONを確認すると、試射試験機300が認識可能な形式(後述する)の遊技中断信号を試射試験機300に送信する(遊技を中断せせる)。
【0426】
本実施形態では、遊技中断信号が第2インターフェース基板302のCPUに送信され、当該CPUが当該遊技中断信号を変換するものとしたが、当該遊技中断信号は当該CPUで変換されないものであってもよい。すなわち、第2インターフェース基板302のCPUを介さずに試射試験機300に送信されるものであってもよい。
【0427】
(パターン3)
図34(c)に示すように、メイン制御手段31は、複数のポート(出力ポート)を介して、遊技中断信号(所定のビット数の信号)を、パラレル通信で第2インターフェース基板302に送信し、第2インターフェース基板302は、当該遊技中断信号を変換することなく、試射試験機300に送信してもよい。この場合、例えば、メイン制御手段31は、出力ポートの一部のビットをONにして遊技中断信号を出力する。本パターンは、メイン制御手段31が、遊技中断信号を試射試験機300が認識可能な形式で送信する、と言うことができる。
【0428】
本実施形態において、メイン制御手段31の遊技中断信号の出力(に係る処理)は、第2インターフェース基板302に遊技中断信号を出力する処理(遊技を中断させる第1の処理)を実行させるための処理(第2の処理)と言うことができる。
【0429】
(CN4から出力される信号)
パターン1~パターン3のいずれにおいても、第2インターフェース基板302のコネクタCN4からは、遊技中断信号として5ビットの信号が出力される。当該5ビットの信号は、試射試験機300が認識可能な形式の信号と言うことができ、4ビットの信号(遊技中断要求を含む遊技制御信号)と1ビットの信号(遊技制御信号STB(ストローブ)信号)とからなる。遊技制御信号は4ビットとなっており、15種類(15通り)の情報を示すことが可能で、遊技中断要求を含む遊技制御信号は「0001」(1番)となっている。また、遊技制御信号STB信号は、情報出力時に一定時間ONとなる情報読み出し用の信号である。
【0430】
遊技機10(メイン制御手段31)が第2インターフェース基板302を介して試射試験機300と接続されている状態では、メイン制御手段31が、MYカウンタ89の記憶値が第2の値(18500)以上に達したと判定すると、遊技中断信号を(1回)出力し、遊技が中断する。このため、当該状態(試験を行っている状態)では、MYカウンタ89の記憶値が一度第2の値(18500)以上となった後、さらに遊技(遊技価値が付与されない遊技を含む)が行われ(遊技の進行に応じて)、MYカウンタ89の記憶値が減算されて第2の値(18500)未満となる可能性は比較的低い。
【0431】
例えば市場等において、遊技機10(メイン制御手段31)が第2インターフェース基板302を介して試射試験機300と接続されていない状態、すなわち、メイン制御手段31が第2インターフェース基板302(所定の特定制御手段)と接続されていない状態では、メイン制御手段31は、MYカウンタ89の記憶値が第2の値(18500)以上に達したと判定すると、遊技中断信号を第2インターフェース基板302に出力可能とする処理(特定処理)を実行する。特定処理は、第2インターフェース基板302が接続された状態であれば、遊技中断信号が出力される処理と言うことができる。本実施形態では、第2インターフェース基板302が接続されていない状態でも、メイン制御手段31において特定処理が実行されるようになっている。
【0432】
第2インターフェース基板302が接続されていない状態では、MYカウンタ89の記憶値が一度第2の値(18500)以上に達した後、さらに遊技(遊技価値が付与されない遊技を含む)が行われた結果、MYカウンタ89の記憶値が減算されて第2の値(18500)未満となり、さらに遊技の進行に応じて再び第2の値(18500)以上となる場合がある。換言すると、MYカウンタ89の記憶値は、一度第2の値(18500)以上に達した後、第1の値(19000)以上に達する前に、遊技の進行に応じて第2の値未満となり、遊技の進行に応じて再び第2の値以上に達する場合がある。
【0433】
メイン制御手段31は、第2インターフェース基板302(所定の特定制御手段)が接続されている状態では、MYカウンタ89の記憶値が一度第2の値(18500)以上に達したことに基づき、遊技中断信号の出力を開始し、それ以降も当該出力を継続する。換言すると、MYカウンタ89の記憶値が一度第2の値(18500)以上に達した後、当該記憶値が第2の値(18500)未満となった場合でも、遊技中断信号を出力し続ける。
【0434】
また、メイン制御手段31は、第2インターフェース基板302(所定の特定制御手段)が接続されていない状態では、MYカウンタ89の記憶値が一度第2の値(18500)以上に達したことに基づき、特定処理を開始し、それ以降も特定処理の実行を継続する。換言すると、MYカウンタ89の記憶値が一度第2の値(18500)以上に達した後、当該記憶値が第2の値(18500)未満となった場合でも、特定処理を実行し続ける。
【0435】
メイン制御手段31は、MYカウンタ89の記憶値が第1の値(19000)以上に達したことに基づき、遊技中断信号の出力(特定処理の実行)を終了させる。なお、メイン制御手段31は、MYカウンタ89の記憶値が第1の値(19000)以上に達しても遊技中断信号の出力(特定処理の実行)を継続してもよい。メイン制御手段31は、電断が行われると(MYカウンタ89の記憶値が0になると)、遊技中断信号の出力(特定処理の実行)を終了する。
【0436】
なお、メイン制御手段31は、第2インターフェース基板302(所定の特定制御手段)が接続されている状態において、MYカウンタ89の記憶値が一度第2の値(18500)以上に達した後、当該記憶値が第2の値(18500)以上となっている間(のみ)、遊技中断信号を出力するものであってもよい。また、メイン制御手段31は、当該記憶値が第2の値(18500)以上に達するごとに遊技中断信号を出力してもよい。
【0437】
また、メイン制御手段31は、第2インターフェース基板302(所定の特定制御手段)が接続されていない状態において、MYカウンタ89の記憶値が一度第2の値(18500)以上に達した後、当該記憶値が第2の値(18500)以上となっている間(のみ)、特定処理を実行するものであってもよい。また、メイン制御手段31は、当該記憶値が第2の値(18500)以上に達するごとに特定処理を実行してもよい。
【0438】
メイン制御手段31は、MYカウンタ89の記憶値が一度第2の値(18500)以上に達した後、第1の値(19000)以上に達するまでの期間は、少なくともMYカウンタ89の記憶値が第2の値(18500)以上となっている間(少なくともMYカウンタ89の記憶値が第2の値に達している間)、遊技中断信号(所定の信号)を出力する(特定処理を実行する)。
なお、本実施形態において、第1の値以上に達することを単に第1の値に達するとし、第2の値以上に達することを単に第2の値に達するとしてもよい。
【0439】
なお、本実施形態で示した遊技中断信号は、MYカウンタ89の記憶値が第2の値(18500)以上に達したこと以外の契機で送信(出力)され得るようになっていてもよい。例えば、次の特定の遊技の実行を契機として送信(出力)されるようになっていてもよい。当該特定の遊技では、遊技者の操作に基づいて、所定の期待値(例えば、所定の期間における出玉率の期待値や、AT演出状態の継続に関する期待値(いわゆる上乗せ数の期待値)等)が異なる複数のモードの中から所定のモードを選択可能となっている。換言すると、当該特定の遊技では、複数のモードの中から所定のモードを選択する演出(モード選択演出)が実行される。当該特定の遊技においてメイン制御手段31は、遊技中断信号を試射試験機300に送信する。そして、当該遊技中断信号に基づき遊技が中断されることで、試験員は、いずれのモードとするかを選択することができる。
【0440】
本実施形態の遊技機は、
外部の特定制御手段(例えば第2インターフェース基板302)と接続可能な遊技機であって、
遊技の進行を制御する制御手段(例えばメイン制御手段31)と、
遊技の進行に応じて値が更新されるカウンタ手段(例えばMYカウンタ89)と、を備え、
前記制御手段は、
前記カウンタ手段の値が第1の値に達した場合、遊技機を所定の状態とし、
前記特定制御手段と接続した状態で、前記カウンタ手段の値が前記第1の値よりも初期値に近い第2の値に達した場合、所定の信号を前記特定制御手段に出力し、
前記特定制御手段と接続していない状態で、前記カウンタ手段の値が前記第2の値に達した場合、前記所定の信号を前記特定制御手段に出力可能とする特定処理を実行し、前記カウンタ手段の値が一度前記第2の値に達した後、前記第1の値に達するまでの期間は、少なくとも前記カウンタ手段の値が前記第2の値に達している間、前記特定処理を実行する。
【0441】
カウンタ手段の記憶値は、一度第2の値に達した後、第1の値に達するまでの期間に、遊技の進行に応じて減算されて第2の値未満となり、その後再び第2の値に達する場合がある。仮に、カウンタ手段の記憶値が最初に第2の値に達した場合にのみ特定処理を実行する場合、カウンタ手段の記憶値が第2の値に達したのが最初であるか否か(最初であるか2回目以降であるか)の判定が必要となるため、処理が複雑となる。本実施形態では、カウンタ手段の記憶値が一度第2の値に達した後、第1の値に達するまでの期間において、少なくともカウンタ手段の記憶値が第2の値に達している間は特定処理を実行するようにしているため、当該判定は不要となり、処理を簡略化することができる。このため、プログラムを削減し、記憶手段の容量の圧迫を抑制できる。
【0442】
また、外部の特定制御手段と接続した状態では、カウンタ手段の記憶値が第1の値よりも初期値に近い第2の値に達した場合に、所定の信号が出力される。このため、カウンタ手段の記憶値が第1の値に達して遊技機が所定の状態となるよりも前に、当該所定の信号の出力に基づき対策を施すことができる。
【0443】
本実施形態では、MYカウンタ89の記憶値に基づく信号(遊技中断信号)の出力制御について説明したが、MYカウンタ89に限らず、他のカウンタ手段(遊技の進行に応じて値が更新されるカウンタ)に基づく信号(遊技中断信号)の出力制御であってもよい。カウンタ手段は、利益に関する値を管理するカウンタであってもよい。
【0444】
カウンタ手段は、例えば、AT演出状態の連続実行回数を示すAT連続数カウンタであってもよい。ここで、AT演出状態の連続実行回数の上限を第1の値とする。AT演出状態の連続実行回数が第1の値に達すると、最後のAT演出状態の終了をもって一連のAT演出状態が終了する。換言すると、遊技機は、AT演出状態が終了した状態となる。メイン制御手段31は、一連のAT演出状態における各AT演出状態の開始時にAT連続数カウンタの記憶値に「1」を加算する。なお、一連の(最初の)AT演出状態が開始する前にAT連続数カウンタの記憶値は「0」(初期値)となっている。
メイン制御手段31は、第2インターフェース基板302(所定の特定制御手段)が接続されている状態において、AT連続数カウンタの記憶値が、第1の値よりも小さい(初期値に近い)第2の値以上に達した場合に、遊技中断信号を出力する。
メイン制御手段31は、第2インターフェース基板302(所定の特定制御手段)が接続されていない状態において、AT連続数カウンタの記憶値が、第1の値よりも小さい(初期値に近い)第2の値以上に達した場合に、遊技中断信号を第2インターフェース基板302に出力可能とする処理(特定処理)を実行する。
メイン制御手段31は、AT連続数カウンタの記憶値が一度第2の値以上に達した後、第1の値以上に達するまでの期間は、少なくともAT連続数カウンタの記憶値が第2の値以上となっている間、遊技中断信号を出力する(特定処理を実行する)。
【0445】
カウンタ手段は、例えば、所定のAT演出状態における打順ナビ演出の実行回数を示すナビカウンタであってもよい。ここで、所定のAT演出状態における打順ナビ演出回数の上限を第1の値とする。打順ナビ演出回数が第1の値に達すると、当該AT演出状態が終了する。換言すると、遊技機は、当該AT演出状態が終了した状態となる。メイン制御手段31は、当該AT演出状態において打順ナビ演出が実行されるごとにナビカウンタの記憶値に「1」を加算する。なお、当該AT演出状態の開始時にナビカウンタの記憶値は「0」(初期値)となっている。
メイン制御手段31は、第2インターフェース基板302(所定の特定制御手段)が接続されている状態において、ナビカウンタの記憶値が、第1の値よりも小さい(初期値に近い)第2の値以上に達した場合に、遊技中断信号を出力する。
メイン制御手段31は、第2インターフェース基板302(所定の特定制御手段)が接続されていない状態において、ナビカウンタの記憶値が、第1の値よりも小さい(初期値に近い)第2の値以上に達した場合に、遊技中断信号を第2インターフェース基板302に出力可能とする処理(特定処理)を実行する。
メイン制御手段31は、ナビカウンタの記憶値が一度第2の値以上に達した後、第1の値以上に達するまでの期間は、少なくともナビカウンタの記憶値が第2の値以上となっている間、遊技中断信号を出力する(特定処理を実行する)。
【0446】
カウンタ手段は、例えば、所定の状態(演出状態、遊技状態)において所定の小役(またはリプレイ)が連続して入賞した回数を示す小役連カウンタであってもよい。ここで、所定の状態における所定の小役の連続入賞回数の上限を第1の値とする。当該小役の連続入賞回数が第1の値に達すると、例えば、所定の状態(遊技者にとって有利な演出状態)に移行したり、所定の状態が終了したり等する。メイン制御手段31は、当該所定の状態における遊技で当該小役が入賞すると小役連カウンタの記憶値に「1」を加算する。そして、次遊技でも当該小役が入賞すると小役連カウンタの記憶値に「1」を加算する処理を行い、当該小役の入賞が続く限り当該処理を繰り返す。一方、当該小役が入賞しなかった場合には、小役連カウンタの記憶値を「0」(初期値)にする。
メイン制御手段31は、第2インターフェース基板302(所定の特定制御手段)が接続されている状態において、小役連カウンタの記憶値が、第1の値よりも小さい(初期値に近い)第2の値以上に達した場合に、遊技中断信号を出力する。
メイン制御手段31は、第2インターフェース基板302(所定の特定制御手段)が接続されていない状態において、小役連カウンタの記憶値が、第1の値よりも小さい(初期値に近い)第2の値以上に達した場合に、遊技中断信号を第2インターフェース基板302に出力可能とする処理(特定処理)を実行する。
メイン制御手段31は、小役連カウンタの記憶値が一度第2の値以上に達した後、第1の値以上に達するまでの期間は、少なくとも小役連カウンタの記憶値が第2の値以上となっている間、遊技中断信号を出力する(特定処理を実行する)。
【0447】
また、本実施形態に係る発明は、遊技を行う際に物理的なメダル(実物のメダル)を投入し、役の入賞によって物理的なメダルが払い出される従来のスロットマシンにも適用可能である。当該スロットマシンは、MYカウンタを備え、MYカウンタの記憶値が第1の値(19000)以上に達すると、打ち止めエラー(EY)が発生し、遊技を行うことができない状態(遊技停止状態)となる。また、メイン制御手段は、第2インターフェース基板(所定の特定制御手段)が接続されている状態において、MYカウンタの記憶値が、第1の値よりも小さい(初期値0に近い)第2の値(18500)以上に達した場合に、遊技中断信号を出力する。また、メイン制御手段は、第2インターフェース基板(所定の特定制御手段)が接続されていない状態において、MYカウンタの記憶値が、第1の値よりも小さい(初期値0に近い)第2の値以上に達した場合に、遊技中断信号を第2インターフェース基板に出力可能とする処理(特定処理)を実行する。また、メイン制御手段は、MYカウンタの記憶値が一度第2の値以上に達した後、第1の値以上に達するまでの期間は、少なくともMYカウンタの記憶値が第2の値以上となっている間、遊技中断信号を出力する(特定処理を実行する)。
【0448】
また、本実施形態に係る発明は、
図22に示したスマパチ(登録商標)であるパチンコ遊技機1000にも適用可能である。パチンコ遊技機1000は、メイン制御手段31に相当するメイン制御手段(主制御基板)や遊技価値数制御手段55に相当する枠制御手段(枠制御基板)等の制御手段を備えている。また、本実施形態に係る発明は、遊技を行う際に物理的な遊技球を使用し、所定の入賞口への遊技球の進入に基づき物理的な遊技球が受皿に払い出される従来のパチンコ遊技機にも適用可能である。パチンコ遊技機(パチンコ遊技機1000)では、MYカウンタの記憶値は遊技価値の差球によって更新されるようになっており、MYカウンタの記憶値が第1の値(95000)以上に達すると、打ち止めエラーが発生し、遊技を行うことができない状態(遊技停止状態)となる。メイン制御手段は、第2インターフェース基板(所定の特定制御手段)が接続されている状態において、MYカウンタの記憶値が、第1の値(95000)よりも小さい(初期値0に近い)第2の値(90000)以上に達した場合に、遊技中断信号を出力する。また、メイン制御手段は、第2インターフェース基板(所定の特定制御手段)が接続されていない状態において、MYカウンタの記憶値が、第1の値(95000)よりも小さい(初期値0に近い)第2の値(90000)以上に達した場合に、遊技中断信号を第2インターフェース基板に出力可能とする処理(特定処理)を実行する。また、メイン制御手段は、MYカウンタの記憶値が一度第2の値以上に達した後、第1の値以上に達するまでの期間は、少なくともMYカウンタの記憶値が第2の値以上となっている間、遊技中断信号を出力する(特定処理を実行する)。
【0449】
本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。例えば、遊技機の制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した構成等は、他の遊技機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0450】
14 スピーカ(音出力手段)
100 演出制御手段
212 計数ボタン(操作手段)