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特開2024-152101契約管理プログラム、情報処理装置、製造方法、情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152101
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】契約管理プログラム、情報処理装置、製造方法、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066049
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】505392916
【氏名又は名称】弁護士ドットコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 卓司
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC22
5L050CC22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】契約文書の契約単位毎の存続状況を確認できる契約管理プログラム、情報処理装置、製造方法及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】ネットワークを介して接続されたサーバ及び複数のユーザ端末を備えるシステム1において、サーバの制御部は、契約に関する契約文書を記憶する契約作成部と、複数のユーザから記憶した契約文書に対する承認操作を受け付けることにより、複数のユーザが契約文書を承認したことを記憶する契約確認部と、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる、権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の契約単位ごとの期限を特定し、記憶している契約文書に含まれる複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示する一覧提示部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、記憶部とを備え、コンピュータにユーザ間の電子的な契約手続きを記憶させるための契約管理プログラムであって、
前記プロセッサが、
契約に関する契約文書を記憶する契約記憶ステップと、
複数のユーザから前記契約記憶ステップにおいて記憶された前記契約文書に対する承認操作を受け付けることにより、前記複数のユーザが前記契約文書を承認したことを記憶する契約承認ステップと、
前記契約記憶ステップにおいて記憶された前記契約文書に含まれる、権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の契約単位ごとの期限を特定する期限特定ステップと、
前記契約記憶ステップにおいて記憶された前記契約文書に含まれる前記複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示する存続提示ステップと、
を実行する契約管理プログラム。
【請求項2】
権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の前記契約単位は、前記契約文書に含まれる条項または条文である、
請求項1記載の契約管理プログラム。
【請求項3】
前記プロセッサが、
前記契約記憶ステップにおいて記憶された複数の契約文書のうち、契約文書の期限が終了した所定の契約文書を特定する契約特定ステップと、
を実行し、
前記期限特定ステップは、前記契約特定ステップにおいて特定した前記契約文書の契約単位ごとの前記期限を特定するステップであり、
前記存続提示ステップは、前記契約特定ステップにおいて特定した前記契約文書に含まれる前記複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示するステップである、
請求項1記載の契約管理プログラム。
【請求項4】
前記期限特定ステップは、前記契約記憶ステップにおいて記憶された前記契約文書の期限が終了したことを検知したことに応じて、前記複数の契約単位ごとの前記期限を特定するステップである、
請求項3記載の契約管理プログラム。
【請求項5】
前記プロセッサが、
前記期限特定ステップにおいて前記複数の契約単位ごとに特定した前記期限に基づき、前記契約文書の期限が終了した後に存続する契約単位がある場合に、契約終了後も存続する1または複数の契約単位があることを示す情報を通知する終了通知ステップと、
を実行する請求項4記載の契約管理プログラム。
【請求項6】
前記終了通知ステップは、契約終了後も存続する前記1または複数の契約単位を特定する情報を通知するステップを含む、
請求項5記載の契約管理プログラム。
【請求項7】
前記存続提示ステップは、
前記期限特定ステップにおいて特定した前記複数の契約単位ごとの期限に基づき、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを特定するステップと、
前記複数の契約単位のそれぞれを、特定された前記存続しているか否かを示す情報と関連付けて提示するステップと、
を含む、
請求項1記載の契約管理プログラム。
【請求項8】
前記存続提示ステップは、前記複数の契約単位のうち、存続している契約単位を識別可能な態様で提示するステップを含む、
請求項1記載の契約管理プログラム。
【請求項9】
前記存続提示ステップは、前記複数の契約単位と、当該複数の契約単位の期限とを関連付けて提示するステップである、
請求項1記載の契約管理プログラム。
【請求項10】
前記プロセッサが、
前記契約記憶ステップにおいて記憶された複数の契約文書のうち、契約文書の期限が終了しており、かつ、契約文書に含まれる契約単位の少なくとも一部が存続している1または複数の所定の契約文書を特定する契約特定ステップと、
前記契約特定ステップにおいて特定した前記1または複数の所定の契約文書を提示する契約一覧ステップと、
を実行する請求項1記載の契約管理プログラム。
【請求項11】
前記契約一覧ステップは、前記1または複数の所定の契約文書ごとに、当該契約文書に含まれる存続している契約単位を関連付けて提示するステップである、
請求項10記載の契約管理プログラム。
【請求項12】
前記契約一覧ステップは、前記1または複数の所定の契約文書の契約当事者ごとに、前記1または複数の所定の契約文書を提示するステップである、
請求項10記載の契約管理プログラム。
【請求項13】
前記存続提示ステップは、第1ユーザに対して、前記複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示するステップであり、
前記プロセッサが、
前記第1ユーザから、前記存続提示ステップにおいて提示した存続していることを示す情報と関連付けて提示した1または複数の契約単位の全てまたは少なくとも一部の選択を受け付ける単位選択ステップと、
前記単位選択ステップにおいて前記第1ユーザにより選択された前記1または複数の契約単位に基づき、当該1または複数の契約単位を終了させるための合意書を作成する合意書作成ステップと、
を実行する請求項1記載の契約管理プログラム。
【請求項14】
前記存続提示ステップは、第2ユーザに対して、前記複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示するステップであり、
前記単位選択ステップは、前記第1ユーザから、前記存続提示ステップにおいて提示した存続していることを示す情報と関連付けて提示した1または複数の契約単位の全てまたは少なくとも一部の選択を受け付けるステップであり、
前記合意書作成ステップは、前記単位選択ステップにおいて前記第1ユーザにより選択された1または複数の契約単位、および、前記第2ユーザにより選択された1または複数の契約単位に基づき、1または複数の契約単位を終了させるための合意書を作成するステップであり、
前記第1ユーザおよび前記第2ユーザは、前記契約文書の異なる契約当事者に関連付けられたユーザである、
請求項13記載の契約管理プログラム。
【請求項15】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、
前記プロセッサが、
契約に関する契約文書を記憶する契約記憶ステップと、
複数のユーザから前記契約記憶ステップにおいて記憶された前記契約文書に対する承認操作を受け付けることにより、前記複数のユーザが前記契約文書を承認したことを記憶する契約承認ステップと、
前記契約記憶ステップにおいて記憶された前記契約文書に含まれる、権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の契約単位ごとの期限を特定する期限特定ステップと、
前記契約記憶ステップにおいて記憶された前記契約文書に含まれる前記複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示する存続提示ステップと、
情報処理装置。
【請求項16】
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置を含む情報処理システムの製造方法であって、
前記情報処理装置に、請求項1から14のいずれか記載の契約管理プログラムを提供することを含む、
情報処理システムの製造方法。
【請求項17】
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記コンピュータが、
契約に関する契約文書を記憶する契約記憶ステップと、
複数のユーザから前記契約記憶ステップにおいて記憶された前記契約文書に対する承認操作を受け付けることにより、前記複数のユーザが前記契約文書を承認したことを記憶する契約承認ステップと、
前記契約記憶ステップにおいて記憶された前記契約文書に含まれる、権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の契約単位ごとの期限を特定する期限特定ステップと、
前記契約記憶ステップにおいて記憶された前記契約文書に含まれる前記複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示する存続提示ステップと、
情報処理方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、契約管理プログラム、情報処理装置、製造方法、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ技術の発達および普及に伴い、これまでは紙媒体が利用されていた書類が電子化されつつある。例えば、当事者の署名および押印が必要となる契約書といった書類も、電子データで管理することが考えられている。
特許文献1には、作成者端末、確認者端末および契約書管理サーバからなるデジタル契約に関する情報処理システムが開示されている。
特許文献2には、契約書の内容に基づいて組織の契約状況を提示する情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-10096号
【特許文献2】特開2020-190905号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のユーザ間の電子的な契約手続きにおいて、契約文書の条項、条文等の契約単位ごとの存続状況を確認できないという課題がある。
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、契約文書の契約単位ごとの存続状況を確認できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
プロセッサと、記憶部とを備え、コンピュータにユーザ間の電子的な契約手続きを記憶させるための契約管理プログラムであって、プロセッサが、契約に関する契約文書を記憶する契約記憶ステップと、複数のユーザから契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に対する承認操作を受け付けることにより、複数のユーザが契約文書を承認したことを記憶する契約承認ステップと、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる、権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の契約単位ごとの期限を特定する期限特定ステップと、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示する存続提示ステップと、を実行する契約管理プログラム。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、契約文書の契約単位ごとに存続状況を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】システム1の機能構成を示すブロック図である。
図2】サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3】第1ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
図4】第2ユーザ端末30の機能構成を示すブロック図である。
図5】ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
図6】グループテーブル1013のデータ構造を示す図である。
図7】書類テーブル1014のデータ構造を示す図である。
図8】確認テーブル1015のデータ構造を示す図である。
図9】入力項目テーブル1016のデータ構造を示す図である。
図10】契約書グループテーブル1017のデータ構造を示す図である。
図11】条項テーブル1018のデータ構造を示す図である。
図12】契約書作成処理の動作を示すフローチャートである。
図13】契約書確認処理の動作を示すフローチャートである。
図14】一覧提示処理の動作を示すフローチャートである。
図15】契約書作成処理の動作を示す画面例である。
図16】第2ユーザ端末30に通知される確認依頼メッセージを示す画面例である。
図17】契約書確認処理の動作を示す画面例である。
図18】第1ユーザ端末20に通知される締結完了メッセージを示す画面例である。
図19】契約書確認処理における権利義務情報、条項抽出処理を説明する図である。
図20】一覧提示処理の動作を示す第一画面例である。
図21】一覧提示処理の動作を示す第二画面例である。
図22】一覧提示処理において作成される合意書を示す画面例である。
図23】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0009】
<システム1の構成>
本開示におけるシステム1は、複数のユーザ間において締結された契約情報を記憶、管理するサービスを実現するための情報処理システムである。
システム1は、ネットワークNを介して接続された、サーバ10、第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30の情報処理装置を備える。
図1は、システム1の機能構成を示すブロック図である。
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図3は、第1ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
図4は、第2ユーザ端末30の機能構成を示すブロック図である。
【0010】
各情報処理装置は演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータにより構成されている。コンピュータの基本ハードウェア構成および、当該ハードウェア構成により実現されるコンピュータの基本機能構成は後述する。サーバ10、第1ユーザ端末20、第2ユーザ端末30のそれぞれについて、後述するコンピュータの基本ハードウェア構成およびコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0011】
<サーバ10の構成>
サーバ10は、複数のユーザ間において電子的な契約締結サービスを提供する情報処理装置である。サーバ10は、複数のユーザ間において締結された契約情報を記憶、管理するサービスを提供する情報処理装置である。
サーバ10は、記憶部101、制御部104を備える。
【0012】
<サーバ10の記憶部101の構成>
サーバ10の記憶部101は、アプリケーションプログラム1011、ユーザテーブル1012、グループテーブル1013、書類テーブル1014、確認テーブル1015、入力項目テーブル1016、契約書グループテーブル1017、条項テーブル1018を備える。
【0013】
アプリケーションプログラム1011は、サーバ10の制御部104を各機能ユニットとして機能させるためのプログラムである。
【0014】
ユーザテーブル1012は、サービスを利用する会員ユーザ(以下、ユーザ)の情報を記憶し管理するテーブルである。ユーザは、サービスの利用登録を行うことで、当該ユーザの情報がユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶される。
これにより、ユーザは本開示にかかるサービスを利用できるようになる。なお、本開示においてサービスを利用するユーザは、必ずしもユーザテーブル1012に登録されている必要はない。
ユーザテーブル1012は、ユーザIDを主キーとして、ユーザID、ユーザ名、メールアドレス、グループID、承認権限のカラムを有するテーブルである。
図5は、ユーザテーブル1012のデータ構造を示す図である。
【0015】
ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。ユーザ識別情報は、ユーザごとにユニークな値が設定されている項目である。
ユーザ名は、ユーザの氏名を記憶する項目である。ユーザ名は、氏名ではなく、ニックネームなど任意の文字列を設定しても良い。
メールアドレスは、ユーザのメールアドレスを記憶する項目である。
グループIDは、ユーザが所属するグループのグループ識別情報を記憶する項目である。グループは、後述するグループテーブル1013により定義され、ユーザは、複数のグループに所属するものとしても構わない。
承認権限は、ユーザの承認締結に関する権限情報を記憶する項目である。契約締結を承認する権限(承認権限)を有するユーザには、Trueなど契約締結を承認する権限を有する情報が記憶される。一方、契約締結を承認する権限を有さないユーザには、False、ブランク、ヌル値など契約締結を承認する権限を有さない情報が記憶される。
契約情報に応じて承認権限を設定できる構成としても良い。例えば、ユーザAは、特定の契約情報Aに対して承認権限を有するが、特定の契約情報Bに対して承認権限を有さない構成としても良い。
秘密保持契約、共同研究契約、請負契約などの契約情報の種別(契約情報種別)に応じて承認権限を設定できる構成としても良い。例えば、ユーザAは、秘密保持契約に対して承認権限を有するが、請負契約に対しては承認権限を有さない構成としても良い。
その他、ユーザの所属部署、役所などに応じて複数段階(レベル、ランク)の権限情報を記憶する構成としても良い。例えば、派遣社員などはC、一般社員はB、管理職はA、役員はSという情報を承認権限の項目に記憶し、契約情報の契約種別情報、契約金額などに応じて、所定のランク以上(例えば、秘密保持契約はA以上など)の承認権限を有するユーザのみ契約締結を承認することができる構成としても良い。
【0016】
グループテーブル1013は、ユーザが所属するグループに関する情報(グループ情報)を記憶し、管理するテーブルである。グループは、法人、会社、サークル、団体、会社内の部署など、ユーザが所属する任意のグループを定義することができる。
グループテーブル1013は、グループIDを主キーとして、グループID、グループ名、管理者IDのカラムを有するテーブルである。
図6は、グループテーブル1013のデータ構造を示す図である。
【0017】
グループIDは、グループを識別するためのグループ識別情報を記憶する項目である。グループ識別情報は、グループごとにユニークな値が設定されている項目である。
グループ名は、グループの名称を記憶する項目である。グループ名は、任意の文字列を設定することができる。
管理者IDは、グループにおいて管理者権限を有するユーザのユーザ識別情報を記憶する項目である。管理者権限を有するユーザは、組織などのグループにおいて所定以上の地位や権限などを有するユーザを任意に定めて設定することができる。
【0018】
書類テーブル1014は、作成者と受信者との間で取り交わされる電子契約に関する情報(契約情報)を記憶し、管理するためのテーブルである。
書類テーブル1014は、書類IDを主キーとして、書類ID、書類データ、作成者ID、当事者データ、契約期限のカラムを有するテーブルである。
図7は、書類テーブル1014のデータ構造を示す図である。
【0019】
書類IDは、契約情報を識別するための書類識別情報を記憶する項目である。書類識別情報は、契約情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
書類データは、契約締結にかかる契約文書の契約情報(バイナリまたはテキストデータ)を記憶する項目である。具体的に、書類データは、PDF(Portable Document Format)、Word、XML(ExtenSible Markup Language)などの任意のデータ形式のデータが含まれる。
作成者ID、契約情報の作成者であるユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶する項目である。
当事者データは、契約情報に関する契約当事者の氏名、会社名、組織名等の情報を記憶する項目である。具体的に、当事者データには、契約情報の締結相手先となる契約当事者の氏名、会社名、組織名等または当該当事者を特定するための文字列等が記憶される。
契約期限は、契約情報の存続状態を示す情報を記憶する項目である。具体的に、契約期限は、契約情報の有効期限または存続期限を示す日時を記憶する。契約期限は、契約情報が有効となる契約開始日を含んでも良い。契約期限は、契約情報の満了日、終了日、解約日の少なくともいずれか1つを含む。
【0020】
確認テーブル1015は、契約情報の確認者となるユーザのメールアドレスを含む情報(確認者情報)を記憶し、管理するテーブルである。
確認テーブル1015は、書類ID、確認順序、確認者メールアドレス、確認フラグ、言語データ、アクセスコード、日時のカラムを有するテーブルである。
図8は、確認テーブル1015のデータ構造を示す図である。
【0021】
書類IDは、確認者により確認対象となる契約情報の書類識別情報を記憶する項目である。
確認順序は、確認者により契約情報が確認される際の確認順序に関する情報を記憶する項目である。作成者により記憶された契約情報は、確認順序の順番に確認者に回覧され、確認が行われる。
確認者メールアドレスは、契約情報の確認者のメールアドレスを記憶する項目である。確認者のメールアドレスは、本開示にかかるサービスの利用にあたり予めユーザ登録を行う必要はない。つまり、確認者メールアドレスは、ユーザテーブル1012に含まれている必要はない。
確認フラグは、確認者による契約情報の確認手続きの完了有無を識別するための確認識別情報を記憶する項目である。確認者により契約情報の確認が完了すると、確認フラグの項目にTrueの値などの確認が完了したことを示す情報が記憶される。
言語データは、確認者の言語に関する情報(言語情報)を記憶する項目である。
アクセスコードは、確認者に対して設定されたアクセスコードを記憶する項目である。
日時は、確認者による契約情報の確認手続きが行われた日時を記憶する項目である。具体的には、確認識別情報が確認フラグの項目に記憶された日時が記憶される。
【0022】
入力項目テーブル1016は、電子契約情報に関連付けられた入力項目に関する情報(入力項目情報)を記憶し、管理するテーブルである。
入力項目テーブル1016は、入力項目ID、書類ID、入力者ID、入力データ、入力規則、日時のカラムを有するテーブルである。
図9は、入力項目テーブル1016のデータ構造を示す図である。
【0023】
入力項目IDは、入力項目を識別するための入力項目識別情報を記憶する項目である。
書類IDは、入力項目が関連付けられる電子契約情報の書類識別情報を記憶する項目である。
入力者IDは、入力項目に対して入力データを入力した入力者のユーザ識別情報またはメールアドレスを記憶する項目である。具体的に、入力者IDには、作成者ID、作成者IDにより特定されるユーザのメールアドレス、確認者メールアドレスなどが記憶される。
入力データは、入力者により入力項目に入力された入力データを記憶する項目である。
入力規則は、入力項目の入力規則に関する入力規則情報を記憶する項目である。入力規則としては、日付(date)、日時(datetime)、文字列(text)、数値(integer)などのデータ型のほか、文字列であれば文字数、文字列の正規表現など任意の入力項目の入力規則に関する入力規則情報を記憶することができる。
日時は、入力者により入力項目に入力データが入力された日時を記憶する項目である。
【0024】
契約書グループテーブル1017は、契約書グループに関する情報(契約書グループ情報)を記憶し管理するためのテーブルである。契約情報は、契約情報を管理するための1または複数のキャビネット(分類情報)と関連づけられて記憶され、管理することができる。情報処理サービスに応じて、キャビネットは、グループ、タグ、ラベル等と呼ばれることがある。
契約書グループテーブル1017は、書類ID、キャビネットIDのカラムを有するテーブルである。
図10は、契約書グループテーブル1017のデータ構造を示す図である。
【0025】
書類IDは、契約情報を識別するための書類識別情報を記憶する項目である。
キャビネットIDは、キャビネットを識別するためのキャビネット識別情報を記憶する。キャビネットIDは、契約情報を管理、分類するための分類情報である。
【0026】
条項テーブル1018は、契約情報に含まれる書類データから抽出された条項に関する情報(条項情報)を記憶し管理するためのテーブルである。本開示においては書類データに含まれる契約が規定された契約情報から条項が条項単位で抽出され条項テーブル1018に記憶される。
条項テーブル1018は、条項IDを主キーとして、書類ID、条項ID、条文見出し、条項種別、条項データ、条項期限のカラムを有するテーブルである。
図11は、条項テーブル1018のデータ構造を示す図である。
【0027】
書類IDは、条項情報を抽出する抽出元の書類識別情報を記憶する項目である。
条項IDは、条項を識別するための条項識別情報を記憶する項目である。条項識別情報は、条項情報ごとにユニークな値が設定されている項目である。
条文見出しは、条項の条文見出しに関する情報(条文見出情報)を記憶する項目である。例えば、条文見出しには、秘密保持、損害賠償、契約解除、原状回復などの文字列が記憶される。
条項種別は、条項の種別に関する情報(条項種別情報)を記憶する項目である。例えば、条項種別には、権利、義務といった条項が契約当事者に課している内容に関する情報が含まれる。具体的には、契約当事者に関する当事者データに基づき、当事者ごとに課されている権利、義務に関する情報が含まれる。
条項種別は、秘密保持義務、損害賠償義務、契約解除義務、原状回復義務などの、契約当事者が有する具体的な権利、義務に関する内容を含んでも良い。また、不図示のテーブルにおいて条項種別ごとに定義された条項種別IDなどの条項種別識別情報が記憶される構成としても良い。契約情報から抽出された条項情報は、条項種別により分類され記憶し、管理される。
条項種別を参照することにより、条項ごと、契約当事者ごとにどのような権利、義務が課されているのか確認することができる。
条項データは、契約情報に含まれる書類データから抽出された条項に関する情報が記憶される項目である。具体的に、条項データには、契約情報に含まれる条項に含まれる文字列が記憶される。
条項期限は、契約情報に含まれる複数の条項情報ごとの存続状態を示す情報を記憶する項目である。具体的に、条項期限は、条項情報の有効期限または存続期限を示す日時を記憶する。条項期限は、条項情報が有効となる開始日を含んでも良い。条項期限は、条項情報の満了日、終了日、解約日の少なくともいずれか1つを含む。
例えば、個別の契約情報が終了後も当事者が権利又は義務を保持し続ける(存続する)条項には、納入した製品・サービスの品質担保(瑕疵担保・製造物責任条項)、業務委託契約の中の秘密保持条項、競合避止義務、損害賠償義務等がある。
【0028】
<サーバ10の制御部104の構成>
サーバ10の制御部104は、ユーザ登録制御部1041、契約作成部1042、契約確認部1043、一覧提示部1044を備える。制御部104は、記憶部101に記憶されたアプリケーションプログラム1011を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0029】
ユーザ登録制御部1041は、本開示に係るサービスの利用を希望するユーザの情報をユーザテーブル1012に記憶する処理を行う。
ユーザテーブル1012に記憶される情報は、ユーザが任意の情報処理端末からサービス提供者が運営するウェブページなどを開き、所定の入力フォームに情報を入力しサーバ10へ送信する。ユーザ登録制御部1041は、受信した情報をユーザテーブル1012の新しいレコードに記憶し、ユーザ登録が完了する。これにより、ユーザテーブル1012に記憶されたユーザはサービスを利用することができるようになる。
ユーザ登録制御部1041によるユーザ情報のユーザテーブル1012への登録に先立ち、サービス提供者は所定の審査を行いユーザによるサービス利用可否を制限しても良い。
ユーザIDは、ユーザを識別できる任意の文字列または数字で良く、ユーザが希望する任意の文字列または数字、もしくはユーザ登録制御部1041が自動的に任意の文字列または数字を設定しても良い。
【0030】
契約作成部1042は、契約書作成処理を実行する。詳細は後述する。
【0031】
契約確認部1043は、契約書確認処理を実行する。詳細は後述する。
【0032】
一覧提示部1044は、一覧提示処理を実行する。詳細は後述する。
【0033】
<第1ユーザ端末20の構成>
第1ユーザ端末20は、サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。第1ユーザ端末20は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよいし、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
第1ユーザ端末20は、記憶部201、制御部204、入力装置206、出力装置208を備える。
【0034】
<第1ユーザ端末20の記憶部201の構成>
第1ユーザ端末20の記憶部201は、第1ユーザID2011、アプリケーションプログラム2012を備える。
【0035】
第1ユーザID2011はユーザのアカウントIDである。ユーザは、第1ユーザ端末20から第1ユーザID2011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、第1ユーザID2011に基づきユーザを識別し、本開示にかかるサービスをユーザに対して提供する。なお、第1ユーザID2011には、第1ユーザ端末20を利用しているユーザを識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
【0036】
アプリケーションプログラム2012は、記憶部201に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。
アプリケーションプログラム2012は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
アプリケーションプログラム2012は、第1ユーザ端末20に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0037】
<第1ユーザ端末20の制御部204の構成>
第1ユーザ端末20の制御部204は、入力制御部2041、出力制御部2042を備える。制御部204は、記憶部201に記憶されたアプリケーションプログラム2012を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0038】
<第1ユーザ端末20の入力装置206の構成>
第1ユーザ端末20の入力装置206は、カメラ2061、マイク2062、位置情報センサ2063、モーションセンサ2064、タッチデバイス2065を備える。
【0039】
<第1ユーザ端末20の出力装置208の構成>
第1ユーザ端末20の出力装置208は、ディスプレイ2081、スピーカ2082を備える。
【0040】
<第2ユーザ端末30の構成>
第2ユーザ端末30は、サービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。第2ユーザ端末30は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであってもよいし、スマートフォン、タブレット等の携帯端末でもよい。また、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
第2ユーザ端末30は、記憶部301、制御部304、入力装置306、出力装置308を備える。
【0041】
<第2ユーザ端末30の記憶部301の構成>
第2ユーザ端末30の記憶部301は、第2ユーザID3011、アプリケーションプログラム3012を備える。
【0042】
第2ユーザID3011はユーザのアカウントIDである。ユーザは、第2ユーザ端末30から第2ユーザID3011を、サーバ10へ送信する。サーバ10は、第2ユーザID3011に基づきユーザを識別し、本開示にかかるサービスをユーザに対して提供する。なお、第2ユーザID3011には、第2ユーザ端末30を利用しているユーザを識別するにあたりサーバ10から一時的に付与されるセッションIDなどの情報を含む。
【0043】
アプリケーションプログラム3012は、記憶部301に予め記憶されていても良いし、通信IFを介してサービス提供者が運営するウェブサーバ等からダウンロードする構成としても良い。
アプリケーションプログラム3012は、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションを含む。
アプリケーションプログラム3012は、第2ユーザ端末30に記憶されているウェブブラウザアプリケーション上で実行されるJavaScript(登録商標)などのインタープリター型プログラミング言語を含む。
【0044】
<第2ユーザ端末30の制御部304の構成>
第2ユーザ端末30の制御部304は、入力制御部3041、出力制御部3042を備える。制御部304は、記憶部301に記憶されたアプリケーションプログラム3012を実行することにより、各機能ユニットが実現される。
【0045】
<第2ユーザ端末30の入力装置306の構成>
第2ユーザ端末30の入力装置306は、カメラ3061、マイク3062、位置情報センサ3063、モーションセンサ3064、キーボード3065を備える。
【0046】
<第2ユーザ端末30の出力装置308の構成>
第2ユーザ端末30の出力装置308は、ディスプレイ3081、スピーカ3082を備える。
【0047】
<システム1の動作>
以下、システム1の各処理について説明する。
図12は、契約書作成処理の動作を示すフローチャートである。
図13は、契約書確認処理の動作を示すフローチャートである。
図14は、一覧提示処理の動作を示すフローチャートである。
図15は、契約書作成処理の動作を示す画面例である。
図16は、第2ユーザ端末30に通知される確認依頼メッセージを示す画面例である。
図17は、契約書確認処理の動作を示す画面例である。
図18は、第1ユーザ端末20に通知される締結完了メッセージを示す画面例である。
図19は、契約書確認処理における権利義務情報、条項抽出処理を説明する図である。
図20は、一覧提示処理の動作を示す第一画面例である。
図21は、一覧提示処理の動作を示す第二画面例である。
図22は、一覧提示処理において作成される合意書を示す画面例である。
【0048】
本開示において、サーバ10における契約書作成処理、契約書確認処理を以下に説明する。
【0049】
<契約書作成処理>
契約書作成処理は、作成者が電子契約情報を作成し、確認者に対して送信する処理である。
【0050】
図15は、契約書作成処理の動作を示す画面例である。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示される、契約情報を作成するための画面50には、現在の契約情報の作成状況を示すステータス510、入力項目を指定するためのボタン521、522、523、契約情報表示エリア530、書類データ531、入力項目532、533、534、送信ボタン540が表示される。
【0051】
<契約書作成処理の概要>
契約書作成処理は、作成者が電子契約情報を作成し、電子契約情報の宛先となる確認者を設定し、電子契約情報に対する入力項目を設定し、入力項目に対する入力規則を設定し、作成者から入力項目に対する入力データを受け付け、設定した確認者に対して電子契約情報を送付する一連の処理である。
【0052】
<契約書作成処理の詳細>
以下に、契約書作成処理の詳細を説明する。
ステップS101において、サーバ10の契約作成部1042は、作成者から確認者との間で契約締結の対象となる契約情報(契約文書)を受け付ける。契約作成部1042は、契約に関する契約情報を記憶する契約記憶ステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、契約書に関する書類データを含む契約情報を作成する。書類データは、PDF(Portable Document Format)、Word、XML(ExtenSible Markup Language)などの任意のデータ形式の書類データを契約情報に含めることができる。
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、作成した書類データ、第1ユーザID2011をサーバ10へ送信する。サーバ10の契約作成部1042は、受信した第1ユーザID2011、書類データを受け付け、それぞれ、書類テーブル1014の新たなレコードの作成者ID、書類データの項目に記憶する。これにより、サーバ10の契約作成部1042は、新たな契約情報を書類テーブル1014に記憶する。
【0053】
契約記憶ステップは、契約情報を、契約情報の存続状態に関する存続情報と関連付けて記憶するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の契約作成部1042は、書類テーブル1014に記憶された新たな契約情報に書類データで規定される契約情報の有効期限または存続期限を示す日時(存続情報)を関連付けて記憶する。これにより、書類テーブル1014に記憶される新たな契約情報が、契約情報の存続状態に関する存続情報と関連付けて記憶される。その他、存続状態に関する存続情報は、契約の途中終了、解約、失効などの場合には、終了日、解約日を契約情報に関連付けて記憶しても良い。
【0054】
サーバ10の契約作成部1042は、契約情報を、契約情報の存続状態に関する存続情報と関連付けて記憶するステップを実行する。
【0055】
ステップS102において、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、契約情報の確認者(受信者)となるユーザを選択し特定する。本開示において、第1ユーザは、受信者として第2ユーザを選択し特定するものとする。
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、確認者となる第2ユーザのメールアドレスを入力し、サーバ10へ送信する。サーバ10の契約作成部1042は、受信したメールアドレス、ステップS101において作成し、記憶した契約情報の書類IDを、それぞれ確認テーブル1015の確認者メールアドレス、書類IDの項目に記憶し、契約情報と第2ユーザのメールアドレスとを関連付けて記憶する。なお、第1ユーザは、第2ユーザの言語、アクセスコードを設定し、第2ユーザのメールアドレスと関連付けて記憶しても良い。
このとき、確認テーブル1015の確認順序の項目には1の値を記憶する。ステップS102において、第1ユーザは、複数の確認者となるユーザを選択し設定できるものとしても良い。この場合、選択順序に応じて、確認者となるユーザの確認順序の項目の値が1つずつインクリメントされ記憶される。これにより、後述する契約書確認処理における確認者の回覧順序が設定される。なお、回覧順序の設定は必須ではない。
【0056】
ステップS103において、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、契約情報に対する入力項目を設定する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、ステップS101において作成し、記憶した契約情報に対して複数の入力項目を設定する。入力項目は、印鑑データを押印する押印欄、署名データなどのテキストデータを入力する入力欄、チェック項目を選択できるチェックボックス欄、日付を入力する日付欄など任意の入力項目を設定することができる。
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作し、入力項目を追加するリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の契約作成部1042は、リクエストを受信すると、契約情報の書類IDを、入力項目テーブル1016の新たなレコードの書類IDに記憶する。これにより、新たに追加された入力項目情報が、契約情報と関連付けられ記憶される。なお、第1ユーザは、複数の入力項目情報を、契約情報と関連づけ記憶することができる。
【0057】
ステップS104において、第1ユーザは、追加するそれぞれの入力項目に対して入力規則を設定する。第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、ステップS103において設定した入力項目情報ごとの入力規則を指定し、サーバ10へ送信する。サーバ10の契約作成部1042は、受信した入力規則を、入力項目テーブル1016のそれぞれの入力項目情報のレコードの入力規則の項目に記憶する。これにより、入力項目ごとの入力規則を設定することができる。
【0058】
ステップS105において、サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザが入力した複数の入力項目に対する入力データを受け付ける。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206などを操作することにより、ステップS104において設定した入力項目ごとに入力データを入力する。例えば、第1ユーザは、管理番号が設定された入力項目に、自身が所属するグループにおける整理番号などの契約情報を管理するための番号の入力データを入力しても良い。第1ユーザは、契約締結日が設定された入力項目に、当該契約情報の契約締結日の日付の入力データを入力しても良い。第1ユーザは、入力項目への入力データの入力が完了したら、サーバ10へ入力項目ごとの入力項目ID、入力データを送信する。
サーバ10の契約作成部1042は、入力項目ごとの入力項目ID、入力データを受信し、受け付ける。サーバ10の契約作成部1042は、受信した入力項目IDで特定される入力項目テーブル1016の入力項目情報の入力データの項目に、受信した入力データを記憶する。これにより、第1ユーザが入力した入力データが、入力項目テーブル1016に記憶される。
【0059】
サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザから、第2ユーザに対して契約情報に対する契約締結を依頼する指示を受け付ける。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作し、契約情報を作成するための画面50に、表示された送信ボタン540を押下することにより、契約情報を送信するリクエストをサーバ10へ送信する。
【0060】
ステップS106において、サーバ10の契約作成部1042は、第1ユーザから契約情報の確認依頼が送信されたことを通知するメッセージを第2ユーザへ送信する。具体的に、サーバ10の契約作成部1042は、確認テーブル1015の確認順序の項目を検索し、確認順序の項目に記憶された値が最も小さい最初の確認者となるユーザ(第1確認ユーザ)を特定する。本開示において第1確認ユーザは、一例として、第2ユーザとする。サーバ10の契約作成部1042は、第2ユーザのメールアドレスへ、第1ユーザから契約情報の確認依頼が送信されたことを通知するメッセージをメールなどの連絡手段にて送信する。
第2ユーザへ通知するメッセージには、契約情報を特定するための書類IDを含むURL(Uniform ReSource Locator)の情報を含める。URLは、書類IDを直接含んでも良いし、書類IDに対し任意の暗号化を行った文字列、その他、不図示のテーブルを参照して書類IDを特定可能な文字列などの情報を含んでも良い。また、URLには第2ユーザを特定するための情報を含めても良い。例えば、第2ユーザが本開示にかかるサービスにユーザ登録していない場合には、URLに第2ユーザを特定するための情報を含める必要がある。
【0061】
第1ユーザは、第2ユーザに対してアクセスコードを設定した場合は、別途メールなどの手段によりアクセスコードを第2ユーザに対して伝える。これにより、第2ユーザへ通知されるメッセージが第三者に取得された場合においても、第三者はアクセスコードを入手しない限り契約書確認処理を実行することができない。
【0062】
図16は、第2ユーザ端末30に通知されるメッセージを示す画面例である。第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示される、メッセージ画面60には、メッセージ61、契約情報を特定するための書類IDを含むURL62の情報が含まれる。
【0063】
<変形例>
第1ユーザは、ステップS102において複数の確認者を選択し設定する場合には、複数の確認者のそれぞれに対して、ステップS103において異なる入力項目情報をそれぞれに独立して設定できる構成としても構わない。例えば、第1ユーザが、確認者として第2ユーザ、第9ユーザの2人のユーザを設定する場合に、契約開始日、契約終了日の入力項目を第2ユーザに対して設定し、契約締結日の入力項目を第9ユーザに対して設定しても良い。この場合、後述する契約書確認処理において、第2ユーザは、契約開始日、契約終了日の入力項目に対して入力データを入力できるが、契約締結日の入力項目に対しては入力データを入力することができない。一方、第9ユーザは、契約開始日、契約終了日の入力項目に対して入力データを入力できないが、契約締結日の入力項目に対しては入力データを入力することができる。1つの入力項目情報に対して、複数の確認者を重複して選択し設定できる構成としても構わない。
【0064】
契約情報を作成するための画面50には、描画オブジェクトとして入力項目532、533、534が描画される。入力項目532、533には、割当として、入力項目を入力することが選択し設定されたユーザのユーザ識別情報「USER-B」、入力項目の種別として「テキスト」という項目が描画されている。押印に関する入力項目534には、割当として、押印することが選択し設定されたユーザのユーザ識別情報「USER-C」、入力項目の種別として「印」という項目が描画されている。
【0065】
その他、本開示においては各ステップにおいて契約情報、各種入力情報がサーバ10の各種テーブルに記憶される構成を一例として開示したがそれに限られない。例えば、ステップS106の送信ステップにおいて、契約情報、作成者により入力された各種入力情報がまとめてサーバ10の各種テーブルに記憶される構成としても構わない。
【0066】
<契約書確認処理>
契約書確認処理は、確認者が、作成者から受信した電子契約情報の内容を確認する処理である。
【0067】
<契約書確認処理の概要>
契約書確認処理は、確認者からのアクセスを受け付け、契約情報を表示する確認画面を確認者に対して提示し、確認者から入力項目に対する入力データを受け付け、確認者から契約情報の確認に関するデータを受け付け、契約情報および契約単位ごとの期限を特定し契約情報および契約単位と関連付けて記憶する。
る一連の処理である。
【0068】
<契約書確認処理の詳細>
ステップS301において、確認者となる第2ユーザは、第2ユーザ端末30の入力装置306などを操作して受信したメッセージに記載されたURLを選択することにより、第2ユーザ端末30のブラウザアプリケーションにより当該URLにより指定されたウェブページを開くことができる。これにより、第2ユーザ端末30は、契約書確認処理を実行させるためのリクエストをサーバ10へ送信する。
【0069】
確認テーブル1015の第2ユーザのレコードにアクセスコードの項目が記憶されている場合には、第2ユーザに対してアクセスコードの入力を要求し、当該入力されたアクセスコードと確認テーブル1015の第2ユーザのレコードに記憶されたアクセスコードとを照合することにより、第2ユーザに対する認証処理を実行することができる。
具体的に、サーバ10は、アクセスコードを認証するための入力画面を第2ユーザ端末30へ送信する。第2ユーザは、第2ユーザ端末30の入力装置306を操作し、アクセスコードを入力しサーバ10へ送信する。サーバ10の契約確認部1043は、受信したアクセスコードと、確認テーブル1015の第2ユーザのレコードに記憶されたアクセスコードとが一致するか否かを判定し、一致する場合は契約書確認処理を継続する。一方、一致しない場合には、契約書確認処理を中止する。なお、アクセスコードによる認証処理は省略しても構わない。
【0070】
サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに含まれる書類IDに基づき、書類テーブル1014の書類IDの項目を検索し、契約情報を取得する。サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに含まれる書類IDに基づき、確認テーブル1015の書類IDの項目を検索し、確認者情報を取得する。サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに含まれる書類IDに基づき、入力項目テーブル1016の書類IDの項目を検索し、契約情報に関連づけられた入力項目情報を取得する。
【0071】
ステップS302において、サーバ10の契約確認部1043は、第2ユーザを特定し、第2ユーザの承認権限情報を取得する。第2ユーザは、第2ユーザ端末30から受信したリクエストに含まれる第2ユーザID3011に基づき特定しても良いし、URLに含まれる第2ユーザを識別するための識別情報に基づき特定しても良い。第2ユーザが本開示にかかるサービスにユーザ登録していない場合には、URLから第2ユーザを特定する必要がある。例えば、URLには第2ユーザを特定する情報として第2ユーザのメールアドレス、ユーザIDなどが含まれていても良い。
【0072】
サーバ10の契約確認部1043は、特定された第2ユーザのユーザ識別情報に基づき、ユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索し、第2ユーザの承認権限の項目を取得する。なお、本開示において、第2ユーザの承認権限はユーザテーブル1012に記憶される構成としたが、第2ユーザの承認権限は第2ユーザが所属するグループごとに記憶されていても良いし、契約情報ごと、契約情報種別ごとに記憶されても構わない。サーバ10の契約確認部1043は、対象となる契約情報に対し、第2ユーザの承認権限情報を取得する。
また、第2ユーザが本開示にかかるサービスにユーザ登録していない場合は、第2ユーザを、承認権限を有さないユーザとみなして処理を実行しても良い。
【0073】
ステップS303において、サーバ10の契約確認部1043は、取得した契約情報、確認者情報(第2ユーザを特定する情報)、入力項目情報、確認者の承認権限情報に基づき、確認画面を生成し第2ユーザ端末30に送信する。
【0074】
具体的に、第2ユーザ端末30のディスプレイ3081は、第2ユーザに対して、契約情報を承認する操作を受け付ける確認画面を提示する。第2ユーザは、第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示された契約情報を確認し承認する。
なお、第2ユーザに提示される確認画面は、確認テーブル1015の第2ユーザのレコードの言語データの項目に記憶された言語情報に基づき、確認者に対して指定された言語表記で第2ユーザに対して提示する構成としても良い。
【0075】
図17は、契約書確認処理の動作を示す確認画面の画面例である。第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示される、契約情報を承認するための確認画面70には、現在の契約情報の作成状況を示すステータス710、契約情報表示エリア730、書類データ731、入力項目732、733、734、735、736、同意ボタン740が表示される。
【0076】
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、ステップS302において取得した第2ユーザの承認権限情報に、契約締結を承認する権限を有する情報が記憶されている場合は、第2ユーザが受け付けた契約情報の契約締結を承認することができるユーザと判定し、第2ユーザに対して確認画面を提示しステップS304に進む。
【0077】
一方、第2ユーザが、受け付けた契約情報の契約締結を承認することができないユーザである場合は、契約書確認処理を終了する。
【0078】
ステップS304において、サーバ10の契約確認部1043は、契約情報の1または複数の入力項目に対する入力を受け付ける。
具体的に、第2ユーザは、第2ユーザ端末30の入力装置306などを操作し、契約情報に設定された入力項目732、733、734、735に対し入力データを入力する。なお、本開示においては入力項目736に対しては、第2ユーザによる入力が割当られていないため、第2ユーザは入力データを入力できないことが視覚的に識別可能に表示される。
【0079】
ステップS305において、サーバ10の契約確認部1043は、複数のユーザから契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に対する承認操作を受け付けることにより、複数のユーザが契約文書を承認したことを記憶する契約承認ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、第2ユーザから、第1ユーザから受け付けた契約情報の契約締結に同意し承認する指示を受け付ける。第2ユーザ(確認者)が複数設定されている場合は、複数の第2ユーザから、契約情報の契約締結に同意し承認する指示を受け付ける。
第2ユーザは、第2ユーザ端末30のディスプレイ3081に表示された契約情報および入力データを確認し、内容に同意また承諾する場合には、第2ユーザ端末30の入力装置306などを操作し、契約情報を確認するための確認画面70に、表示された同意ボタン740を押下することにより、書類ID、第2ユーザを特定する情報、ステップS305において入力した入力項目ごとの入力データを含むリクエストをサーバ10へ送信する処理を実行させる。第2ユーザを特定する情報は、第2ユーザID3011でも構わない。
サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに基づき第2ユーザが契約情報を確認したことを示す情報を記憶する。具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、受信した書類ID、第2ユーザを特定する情報に基づき、確認テーブル1015を検索し、当該レコードの確認フラグの項目にTrueの値を記憶する。例えば、第2ユーザを特定する情報がメールアドレスである場合には、確認テーブル1015の書類ID、確認者メールアドレスの項目を検索し、当該レコードの確認フラグの項目にTrueの値を記憶する。第2ユーザを特定する情報がユーザ識別情報である場合には、ユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索することにより特定される第2ユーザのメールアドレスに基づき、確認テーブル1015の書類ID、確認者メールアドレスの項目を検索し、当該レコードの確認フラグの項目にTrueの値を記憶する。
サーバ10の契約確認部1043は、受信した入力データを、当該入力データと関連付けられた入力項目IDで特定される入力項目テーブル1016の入力データの項目に記憶する。これにより、ステップS305において、第2ユーザにより入力された入力データが、入力項目テーブル1016の入力項目情報として記憶される。
【0080】
サーバ10の契約確認部1043は、すべての承認権限を有する確認者による契約書確認処理が実行されたことを判定する。具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、確認テーブル1015において、承認権限を有する確認者のレコードの確認フラグにTrueの値が記憶されている場合に、すべての承認権限を有する確認者による契約書確認処理が実行されたと判定する。つまり、承認権限を有さない確認者のレコードの確認フラグの値は無視して判定を行う。
サーバ10の契約確認部1043は、すべての承認権限を有する確認者による契約書確認処理が実行されると、ステップS306に進む。
【0081】
<条項抽出処理>
図19は、権利義務情報、条項を抽出する処理を説明する図である。
本開示において、書類データD20は、秘密保持契約書に関する契約条件が既定された契約情報に関する書類データである。書類データD20は、契約の当事者D21、D22、複数の条項D201、D202、条文見出しD2011、D2021、条文D2012、D2022を含む。
【0082】
ステップS306において、サーバ10の契約確認部1043は、契約の当事者に関する1または複数の当事者情報を特定し、特定した1または複数の当事者情報を契約情報と関連づけて記憶する当事者記憶ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、ステップS301において受信した書類IDに基づき、書類テーブル1014の書類IDの項目を検索し、書類データ、作成者IDを取得する。サーバ10の契約確認部1043は、ステップS301において受信した書類IDに基づき、確認テーブル1015の書類IDを検索し、確認者メールアドレスの項目を取得する。
サーバ10の契約確認部1043は、取得した書類データ、作成者ID、確認者メールアドレスに基づき契約情報に関する契約当事者の情報を特定する。具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、書類データを解析し、書類データに含まれる契約締結の当事者D21、D22に記載された個人氏名、会社名、組織名等の文字列を認識し当事者情報として特定する。文字列の認識は、公知のパターンマッチング、機械学習、深層学習、人工知能モデルを用いることができる。
サーバ10の契約確認部1043は、作成者ID、確認者メールアドレスなど、契約情報の作成者および確認者を特定する情報に基づき、契約当事者を特定しても構わない。例えば、作成者および確認者のメールアドレスのドメイン名に基づき、不図示のテーブル等を参照して、作成者および確認者が所属する会社、組織の会社名、組織名等の文字列を当事者情報として特定しても良い。
【0083】
ステップS306において、契約確認部1043は、契約記憶ステップにおいて記憶した契約情報から、契約に含まれる権利または義務に関する1または複数の権利義務情報を抽出する抽出ステップを実行する。抽出ステップは、契約情報から、契約に含まれる1または複数の条項を抽出するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、取得した書類データに基づき、書類データに含まれる複数の条項D201、D202、条文見出しD2011、D2021を抽出する。なお、サーバ10の契約確認部1043は、条項単位で抽出する必要はなく、書類データに含まれる契約が規定された契約情報から権利または義務(権利義務情報)単位で複数の条項をまとめて、または、1の条項の一部を抽出する構成としても良い。また、条項は条、項、号などの任意の区分け単位(契約単位)で抽出する構成としても構わない。
サーバ10の契約確認部1043は、条項D201、D202、条文見出しD2011、D2021等に基づき、条項D201、D202の条項種別を特定する。例えば、条項D201の条項種別として「定義条項」、D202の条項種別として「秘密保持義務」といった、条項の種別を特定する。
【0084】
ステップS306において、当事者記憶ステップは、抽出ステップにおいて抽出した1または複数の権利義務情報のそれぞれを、特定した1または複数の当事者情報と関連付けて記憶するステップを実行する。当事者記憶ステップは、抽出ステップにおいて抽出した1または複数の条項のそれぞれを、特定した1または複数の当事者情報と関連付けて記憶するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、ステップS301において受信した書類ID、抽出した条文見出しD2011、D2021、条項種別、条項D201、D202を、それぞれ、条項テーブル1018の書類ID、条文見出し、条項種別、条項データの項目に記憶する。なお、条項IDは自動的にインクリメントされて採番される。
なお、サーバ10の契約確認部1043は、条項の代わりに任意の権利義務情報を条項テーブル1018に記憶する構成としても構わない。
これにより、抽出した1または複数の条項、権利義務情報は、それぞれ、書類IDを介して書類テーブル1014の当事者データと関連付けて記憶される。
【0085】
なお、本開示において条項抽出処理は契約書確認処理において実行される構成としたがそれに限られない。契約書作成処理のステップS101において、契約情報をアップロードしたタイミング、その他、契約書作成処理の実行後の任意のタイミング、契約書確認処理の実行後の任意のタイミングで実行される構成としても構わない。
【0086】
<期限特定処理>
ステップS306において、サーバ10の一覧提示部1044は、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる、権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の契約単位ごとの期限を特定する期限特定ステップを実行しても良い。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、契約情報に含まれる有効期限、残存条項に関する規定を解析することにより、契約情報の期限、条項、条文等の契約単位ごとの期限を特定する。一般的、契約情報の期限は年月日等により特定される。条項、条文等の期限は、契約情報の期限等を参照して、「契約終了後、5年以内」などと特定されることが多い。なお、契約情報の期限、契約単位ごとの期限は、年月日により特定される必要はなく、他の期限等を参照して特定しても良い。
また、契約情報の期限、契約単位ごとの期限は、サーバ10の一覧提示部1044による解析によらず、ユーザによる第1ユーザ端末20の入力装置206に対する入力操作に基づき特定しても良い。例えば、ユーザが、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、所定の入力画面に契約情報の期限、契約単位ごとの期限を入力するものとしても良い。サーバ10の一覧提示部1044は、第1ユーザ端末20から契約情報の期限、契約単位ごとの期限を受信し、特定しても良い。
【0087】
サーバ10の一覧提示部1044は、特定した契約情報の期限を、確認テーブル1015の書類IDに基づき特定されるレコードの、契約期限の項目に記憶する。サーバ10の一覧提示部1044は、特定した契約単位ごとの期限を、書類IDおよび条文IDに基づき特定されるレコードの、条項期限の項目に記憶する。これにより、契約情報、条項情報ごとに期限を設定することができる。
【0088】
<期限特定処理の第1変形例>
期限特定処理は、契約書確認処理の中において必ずしも実行される必要はない。例えば、契約書作成処理において契約情報を受け付けたタイミング(ステップS101)で実行しても良い。また、契約書作成処理のステップS105等において第1ユーザの第1ユーザ端末20の入力装置206に対する入力操作により契約期限、条項期限の入力を受け付けることにより特定しても良い。具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、契約期限、条項ごとの条項期限を入力する構成としても良い。
【0089】
<期限特定処理の第2変形例>
期限特定処理は、契約書作成処理、契約書確認処理以外の任意のタイミングで実行されても良い。期限特定ステップは、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書の期限が終了したことを検知したことに応じて、複数の契約単位ごとの期限を特定するステップを実行しても良い。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、定期的に書類テーブル1014に記憶されている複数の契約情報の契約期限を確認し、契約期限が現在日時よりも前となった(契約が終了した)ことを検知し、その際に、期限特定処理を実行することにより、条項期限を特定し、記憶する構成としても良い。サーバ10の一覧提示部1044は、書類テーブル1014に記憶されている複数の契約情報の契約期限が訪れたタイミングで、自動的に期限特定処理を実行することにより、条項期限を特定し、記憶する構成としても良い。
【0090】
サーバ10の契約確認部1043は、すべての承認権限を有する確認者による契約書確認処理が実行されると、契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを第1ユーザへ送信する。なお、同様に、サーバ10の契約確認部1043は、契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを第2ユーザへ送信しても良い。
【0091】
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、第1ユーザのメールアドレスへ、第2ユーザが契約情報の確認を完了したことを通知するメッセージをメールなどの連絡手段にて送信する。つまり、第1ユーザに対して、第2ユーザにより契約締結の承認がなされたことを通知する。これにより、第1ユーザは、第2ユーザとの間で契約締結が完了したことを知ることができる。
第1ユーザへ通知するメッセージには、契約情報を特定するための書類IDを含むエンドポイントであるURLの情報を含めても良い。
【0092】
図18は、第1ユーザ端末20に通知されるメッセージを示す画面例である。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示される、メッセージ画面80には、メッセージ81、契約情報を特定するための書類IDを含むURL82の情報が含まれる。
【0093】
同様に、サーバ10の契約確認部1043は、不図示のチャットサービス等を用いて、第2ユーザが契約情報の確認を完了したことを通知するメッセージに、第1ユーザへのメンションを含めて送信しても良い。つまり、第1ユーザに対して、チャットサービスを介して、第2ユーザにより契約締結の承認がなされたことを通知する。これにより、第1ユーザは、第2ユーザとの間で契約締結が完了したことを知ることができる。
第1ユーザへ通知するメッセージには、契約情報を特定するための書類IDを含むエンドポイントであるURLの情報を含めても良い。
【0094】
第1ユーザは、第1ユーザ端末20のブラウザアプリケーションにより、受信したメッセージに含まれるURLにより指定されたウェブページを開くことができる。第1ユーザ端末20は、契約情報を参照し、照会するためのリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の契約確認部1043は、契約情報を参照し、照会するためのウェブページを生成し第1ユーザ端末20へ送信する。第1ユーザは、第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示された、ウェブページ画面から、契約情報に含まれる書類データをダウンロード等により取得することができる。
【0095】
サーバ10の契約確認部1043は、複数のユーザが確認者として設定されている場合には、最後に契約書確認処理を実行したユーザ以外の確認者にかかるユーザへ契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを送信しても良い。これにより、確認者にかかるユーザも、すべての確認者により契約書確認処理の実行が完了したことの通知を受けることができる。
また、サーバ10の契約確認部1043は、複数の確認者が所属するグループにおいて管理者に相当する権限を有するユーザへ契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを送信しても良い。
なお、メッセージは、メール、チャットサービス等を介して送信しても良い。
これにより、確認者にかかるユーザが所属するグループにおける管理者が、契約書確認処理の実行が完了したことの通知を受けることができる。
【0096】
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、ユーザIDまたはメールアドレスに基づきユーザテーブル1012の、ユーザIDまたはメールアドレスの項目を検索することにより、グループIDの項目を取得する。サーバ10の契約確認部1043は、取得したグループIDの項目に基づき、グループテーブル1013のグループIDの項目を検索し、管理者IDの項目を取得し、管理者IDに基づき、管理者に相当する権限を有するユーザをユーザテーブル1012のユーザIDを検索することにより特定し、契約書確認処理が完了したことを通知するメッセージを送信する。
【0097】
<電子署名処理>
ステップS305に、電子署名処理を含めても良い。サーバ10の契約確認部1043は、ステップS305において第2ユーザから受け付けた契約締結を承認する指示に応じて、第1ユーザから受け付けた契約情報に、契約情報の契約締結が承認されたことを示す電子署名を付与して記憶する。
具体的に、サーバ10の契約確認部1043は、受信したリクエストに基づき、契約情報に対し、電子署名を付与し記憶する。サーバ10の契約確認部1043は、書類IDに基づき、書類テーブル1014の書類IDの項目を検索し、契約情報を取得する。
サーバ10の契約確認部1043は、取得した契約情報に電子署名を付与し、書類テーブル1014の書類データの項目に記憶する。なお、サーバ10の契約確認部1043は、電子署名を付与した契約情報により書類データの項目を更新(上書き)しても良いし、電子署名付与前の契約情報を別途不図示の記憶装置に記憶しても構わない。
サーバ10の契約確認部1043は、電子署名に、書類ID、第1ユーザのメールアドレス、第2ユーザのメールアドレス、承認日時、確認日時、承認日時の認証方法、確認日時の認証方法、入力項目ごとの入力データの値、第1ユーザ、第2ユーザの同意(承認)、タイムスタンプなどのいずれかの情報を含めても良い。
これにより、サーバ10の契約確認部1043は、契約情報に第2ユーザが契約情報の契約締結を承認したことを示す電子署名を付与して記憶する。契約情報に対する第三者によるなりすましや改ざんを防ぐことができる。
【0098】
<一覧提示処理>
一覧提示処理は、契約の当事者に関する当事者情報のそれぞれに対して、当該当事者情報に関連付けられた1または複数の契約情報を提示する処理である。
【0099】
<一覧提示処理の概要>
一覧提示処理は、1または複数の契約情報を照会する情報(照会情報)を受け付け、照会情報に基づき契約情報および条項情報を取得し、取得した契約情報および条項情報を、契約期限、条項期限と関連付けてユーザに提示する一連の処理である。
【0100】
<一覧提示処理の詳細>
以下に、一覧提示処理の詳細を説明する。
本開示においては、一例として第1ユーザ端末20を用いた一覧提示処理を説明するが、一覧提示処理は第2ユーザ端末30の他、任意の情報処理端末から実行できる構成としても構わない。また、第1ユーザ、第2ユーザ以外の任意のユーザが実行可能な構成としても構わない。
【0101】
ステップS501において、サーバ10の一覧提示部1044は、照会情報を受け付ける。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作し、ブラウザアプリケーション等を実行し、一覧提示処理を実行するためのウェブページ(一覧提示ページ)のURL等を入力することにより一覧提示ページを開く。第1ユーザ端末20の制御部204は、一覧提示ページを開くための第1ユーザID2011を含むリクエストをサーバ10へ送信する。
【0102】
ステップS502において、サーバ10の一覧提示部1044は、第1ユーザが作成者または確認者として関与した複数の契約情報に対応する複数の書類IDを取得する。具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、第1ユーザIDに基づき書類テーブル1014の作成者IDの項目を検索し書類IDを取得する。サーバ10の一覧提示部1044は、第1ユーザIDに基づきユーザテーブル1012のユーザIDの項目を検索しメールアドレス(第1メールアドレス)を取得する。サーバ10の一覧提示部1044は、第1メールアドレスに基づき、確認テーブル1015の確認者メールアドレスの項目を検索し、書類IDの項目を取得する。
なお、サーバ10の一覧提示部1044は、第1ユーザが所属するグループの他のユーザが手続きに関与した契約情報などの、第1ユーザが関係する任意の契約情報の書類IDを含めるものとしても良い。
サーバ10の一覧提示部1044は、取得した1または複数の書類IDに基づき、書類テーブル1014の書類IDの項目を検索し、書類データ、当事者データ、契約期限を含む契約情報を取得し、特定する。
【0103】
ステップS502において、サーバ10の一覧提示部1044は、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる、権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の契約単位ごとの期限を特定する期限特定ステップを実行する。期限特定ステップは、契約特定ステップにおいて特定した契約文書の契約単位ごとの期限を特定するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、取得した1または複数の書類IDに基づき、条項テーブル1018の書類IDの項目を検索し、条項ID、条文見出し、条項種別、条項データ条項期限を含む条項情報を取得し、特定する。
【0104】
なお、本開示において契約書確認処理のステップS306において実行した期限特定処理に基づき特定された契約期限、条項期限を取得する構成としたが、これに限られない。例えば、このタイミングで、期限特定処理を実行することにより、契約期限、条項期限を特定し、記憶する構成としても良い。
【0105】
ステップS502において、サーバ10の一覧提示部1044は、契約記憶ステップにおいて記憶された複数の契約文書のうち、契約文書の期限が終了した所定の契約文書を特定する契約特定ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、取得した第1ユーザが関与した複数の契約情報の契約期限のそれぞれを、現在日時と比較し、契約期限が現在日時よりも前の(契約が終了している)ものを特定し、契約期限が現在日時以後の(契約が存続している)ものを除外して複数の契約情報を特定しても良い。
つまり、一覧提示処理の対象となる契約情報は、契約が存続中の契約情報を除外し、契約が終了した契約情報のみとしても良い。一般に、残存条項の存続状態を確認する必要があるのは終了した契約のみであることが多いからである。
【0106】
ステップS502において、サーバ10の一覧提示部1044は、契約記憶ステップにおいて記憶された複数の契約文書のうち、契約文書の期限が終了しており、かつ、契約文書に含まれる契約単位の少なくとも一部が存続している1または複数の所定の契約文書を特定する契約特定ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、取得した第1ユーザが関与した複数の契約情報に関連付けられた複数の条項期限のそれぞれを、現在日時と比較し、条項期限が現在日時以後(条項が残存している)ものを特定し、条項期限が現在日時よりも前の(条項が終了している)ものを除外して複数の契約情報を特定しても良い。この場合、1の契約情報に複数の条項情報が関連付けられている場合において、少なくとも1の条項期限が現在日時以後(条項が残存している)ものを特定し、それ以外のものを除外して複数の契約情報を特定しても良い。
契約が終了した契約情報のうち、少なくとも一部の残存条項を有する契約情報を特定したいためである。また、契約が終了した契約情報のうち、残存条項を有さない契約情報については改めて契約の存続状況を確認する必要性が乏しいためである。
【0107】
ステップS503において、サーバ10の一覧提示部1044は、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる複数の契約単位と、複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示する存続提示ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、リクエストを受信すると一覧提示ページを生成し第1ユーザ端末20へ送信する。第1ユーザ端末20の制御部204は、一覧提示ページを第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示し、提示する。
【0108】
図20は、一覧提示処理における一覧提示画面の画面例である。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081には、一覧提示ページD3が表示される。一覧提示ページD3は、一覧提示画面D30を含む。
【0109】
ステップS503において、サーバ10の一覧提示部1044は、契約特定ステップにおいて特定した1または複数の所定の契約文書を提示する契約一覧ステップを実行する。契約一覧ステップは、1または複数の所定の契約文書の契約当事者ごとに、1または複数の所定の契約文書を提示するステップを実行する。
具体的に、一覧提示画面D30は、当事者データに基づき特定される契約情報を締結する際の相手方当事者の会社名D311、D312を含む。つまり、サーバ10の一覧提示部1044は、会社名D311、D312ごとにグルーピングして契約情報D321、D322を提示する。なお、会社名D311、D312の右側に設けられた括弧内の数字は、会社名D311、D312の会社と締結している契約の件数(レコード数)を示す。なお、相手方当事者は会社とは限らず、締結相手の個人としても良い。
一覧提示画面D30は、B社と締結している契約情報D321、C社と締結している契約情報D322を含む。なお、サーバ10の一覧提示部1044は、会社名D311、D312ごとにグルーピングして契約情報D321、D322を提示する必要は必ずしもない。例えば、サーバ10の一覧提示部1044は、契約情報に関連付けられた作成者ID、確認者メールアドレスに基づき特定される、契約手続に関与した他のユーザごとにグルーピングして契約情報D321、D322を提示しても良い。
【0110】
ステップS503において、契約一覧ステップは、1または複数の所定の契約文書ごとに、契約文書に含まれる存続している契約単位を関連付けて提示するステップを実行する。存続提示ステップは、契約特定ステップにおいて特定した契約文書に含まれる複数の契約単位と、複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示するステップを実行する。
具体的に、契約情報D321、D322は、契約情報に含まれる条項情報のうち、残存している条項情報の条項名、条項番号、条文見出し等を示す残存条項D3211、D3212、D3213、D3221、D3222を含む。これにより、第1ユーザは、提示された契約情報D321、D322のそれぞれについて、どの契約条項が残存しているか否かを確認することができる。なお、残存条項D3211、D3212、D3213、D3221、D3222は、契約情報に関連付けられた条項名を含むタグとして提示しても良い。
【0111】
第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、複数の契約情報D321、D322から所定の契約情報を選択する。具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、契約名に設けられたリンクをクリックする。具体的に、第1ユーザは、残存条項も含めて契約関係が完全に終了(お互いに権利義務が残存していないこと)を双方で確認(合意)するための合意書を確認する対象の契約情報を選択する。
第1ユーザ端末20の制御部204は、合意書作成ページを開くための第1ユーザID2011を含むリクエストをサーバ10へ送信する。
サーバ10は、リクエストを受信すると合意書作成ページを生成し第1ユーザ端末20へ送信する。第1ユーザ端末20の制御部204は、合意書作成ページを第1ユーザ端末20のディスプレイ2081に表示し、提示する。
【0112】
図21は、合意書作成処理における合意書作成画面の画面例である。第1ユーザ端末20のディスプレイ2081には、合意書作成ページD4が表示される。合意書作成ページD4は、合意書作成画面D40を含む。合意書作成画面D40は、対象となる契約情報に含まれる複数の条項を一覧表示した条項情報D41、合意書作成ボタンD42を含む。条項情報D41は、条項番号、条項名、状態を含む。
【0113】
ステップS504において、存続提示ステップは、期限特定ステップにおいて特定した複数の契約単位ごとの期限に基づき、複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを特定するステップと、複数の契約単位のそれぞれを、特定された存続しているか否かを示す情報と関連付けて提示するステップと、を含む。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、合意書作成画面D40において、残存している条項については残存していることを示す文字列D4111、D4112である「残存」を、それぞれの条項情報と関連付けて提示する。また残存している条項情報には、チェックボックスD4101、D4102が関連付けて表示される。なお、文字列D4111、D4112は、条項情報と関連付けられた「残存」等の文字列を含むタグ等で提示しても良い。なお、文字列D4111、D4112は、「ただし、~終了後もN年間は存続する」等の、存続条項に関する文字列を含む構成としても良い。
これにより、第1ユーザは、複数の条項情報のうち、どの条項情報が残存しているのかを一目で確認することができる。
【0114】
ステップS504において、存続提示ステップは、複数の契約単位のうち、存続している契約単位を識別可能な態様で提示するステップを含む。
具体的に、第1ユーザ端末20の制御部204は、残存している条項(図21の例では、第4条、第6条)の条項名、背景色を赤色等の他の条項情報とは異なる色で表示したり、太字、下線、アイコン等を付与して任意の装飾態様により描画しても良い。これにより、契約文書の契約単位ごとに存続しているか否かを視覚的に直感的に確認することができる。
【0115】
ステップS504において、存続提示ステップは、複数の契約単位と、複数の契約単位の期限とを関連付けて提示するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、合意書作成画面D40において、残存している条項については当該契約条項が残存する年月日を示す残存期限D4121、D4122が関連付けて表示される。なお、残存期限が定められていない場合は「無期限」等の、残存期限が定められていないことを示す情報が表示される。
【0116】
ステップS504において、サーバ10の一覧提示部1044は、第1ユーザから、存続提示ステップにおいて提示した存続していることを示す情報と関連付けて提示した1または複数の契約単位の全てまたは少なくとも一部の選択を受け付ける単位選択ステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、チェックボックスD4101、D4102を選択することができる。具体的に、第1ユーザは、チェックボックスD4101、D4102を選択することにより、契約関係を終了させる条項情報を選択することができる。通常、契約が終了した場合には、残存条項も含めて全ての契約関係を終了させることが一般的であるため、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、すべてのチェックボックスD4101、D4102・・・をチェックする。
【0117】
ステップS505において、サーバ10の一覧提示部1044は、単位選択ステップにおいて第1ユーザにより選択された1または複数の契約単位に基づき、1または複数の契約単位を終了させるための合意書を作成する合意書作成ステップを実行する。
具体的に、第1ユーザは、第1ユーザ端末20の入力装置206を操作することにより、合意書作成ボタンD42を押下する。第1ユーザ端末20の制御部204は、条項情報D41のうち、チェックボックスD4101、D4102が選択された条項情報の条項IDを含む、合意書を作成するためのリクエストをサーバ10へ送信する。サーバ10の一覧提示部1044は、リクエストを受信すると第2ユーザに対して、第1ユーザが残存条項も含めて契約関係を完全に終了させるための合意書の作成を希望していることを示すメッセージを送信する。メッセージは、第2ユーザが合意書作成画面D40を表示するためのURLが含まれる。メッセージは、メールまたは任意のチャットサービス等を介して送信しても良い。
【0118】
第2ユーザは、第2ユーザ端末30の入力装置306を操作することにより、ブラウザアプリケーションによりURLを開く。第2ユーザ端末30のディスプレイ3081は、図21に示す合意書作成ページD4を表示する。つまり、第2ユーザも、第2ユーザ端末30のディスプレイ3081を介して、条項情報D41を確認することができる。第2ユーザも、第1ユーザと同様に、第2ユーザ端末30の入力装置306を操作することにより、チェックボックスD4101、D4102を選択する。なお、合意書作成画面D40は、第1ユーザにより選択された条項情報を第2ユーザに対して提示しても良い。その他、第2ユーザに提示される合意書作成画面D40は、ステップS505において第1ユーザに提示される合意書作成画面D40と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第2ユーザは、第1ユーザが選択した条項情報、残存していることを示す文字列D4111、D4112等を参考に、契約関係を終了させる条項情報を選択する。第2ユーザは、第2ユーザ端末30の入力装置306を操作することにより、合意書作成ボタンD42を押下する。第2ユーザ端末30の制御部304は、合意書を作成するためのリクエストをサーバ10へ送信する。
【0119】
ステップS505において、合意書作成ステップは、単位選択ステップにおいて第1ユーザにより選択された1または複数の契約単位、および、第2ユーザにより選択された1または複数の契約単位に基づき、1または複数の契約単位を終了させるための合意書を作成するステップを実行する。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、第1ユーザおよび第2ユーザから、合意書を作成するためのリクエストを受信すると、合意書にかかる文書を作成する。サーバ10の一覧提示部1044は、作成した合意書を含むメッセージをメールまたは任意のチャットサービスを介して、第1ユーザおよび第2ユーザへ送信する。
【0120】
図22は、一覧提示処理において作成される合意書D50の例である。合意書D50は、第1ユーザおよび第2ユーザにより選択された1または複数の契約単位を特定する条項の条項名D501、D502・・・を含んでも良い。また、合意書D50が含む条項名D501、D502は、第1ユーザおよび第2ユーザの両方が選択した条項情報である必要は必ずしもなく、一方のみにより選択した条項情報であっても良い。また、合意書D50は、条項情報を含む必要は必ずしもなく、契約情報の残存条項も含めて終了することを規定した文書であっても良い。例えば、「●●契約書の、すべての残存条項は終了したことに合意する。」としても良い。また、サーバ10の一覧提示部1044は、合意書に添付書類として、書類IDに基づき特定される契約情報、契約文書を含めても良い。
【0121】
本開示においては、第1ユーザおよび第2ユーザが合意書作成ボタンD42を押下したことをもって、残存条項も含めて契約関係が完全に終了したことを双方で合意する構成としたがそれに限られない。例えば、作成した合意書を対象とする契約文書として、契約書作成処理および契約書確認処理を改めて実行する構成としても良い。この場合、終了対象の契約書の作成者および確認者を、確認者とする契約書作成処理および契約書確認処理を実行する構成としても良い。これにより、終了対象の契約書に関与したユーザによる合意書に対する合意を電子的に記憶することができる。
これにより、契約文書に含まれる権利義務が残存している一部の契約単位を終了させるための合意書を容易に作成することができる。
【0122】
<変形例1>
本開示において、一覧提示処理は第1ユーザによる第1ユーザ端末20の操作に応じて実行される構成を一例として開示したがそれに限定されない。
【0123】
サーバ10の一覧提示部1044は、期限特定ステップにおいて複数の契約単位ごとに特定した期限に基づき、契約文書の期限が終了した後に存続する契約単位がある場合に、契約終了後も存続する1または複数の契約単位があることを示す情報を通知する終了通知ステップを実行する。
具体的に、サーバ10の一覧提示部1044は、定期的に書類テーブル1014に記憶されている複数の契約情報の契約期限を確認し、契約期限が現在日時よりも前となった(契約が終了した)ことを検知し、その際に、期限特定処理を実行することにより、条項期限を特定し、記憶する構成としても良い。サーバ10の一覧提示部1044は、書類テーブル1014に記憶されている複数の契約情報の契約期限が訪れたタイミングで、自動的に期限特定処理を実行することにより、条項期限を特定し、記憶する構成としても良い。
そして、サーバ10の一覧提示部1044は、契約期限および条項期限に基づき、契約期限が現在日時よりも前(契約が終了している)、かつ、少なくとも一部の条項期限が現在日時以後(条項が残存している)である場合には、当該契約情報を特定する情報を含むメッセージを契約情報に関係するユーザに対して送信する。例えば、契約情報の作成者、確認者、その他、当該、作成者、関係者が所属するグループの管理者等のユーザに対してメールまたは任意のチャットサービス等を介してメッセージを送信する。
【0124】
終了通知ステップは、契約終了後も存続する1または複数の契約単位を特定する情報を通知するステップを含む。
具体的に、メッセージは、残存している条項情報を特定する条項名、条文見出し、条項種別、条項データ等の条項情報を含んでも良い。また、ユーザへの通知は、アラート等により画面に提示しても良い。これにより、ユーザは通知内容からどのような残存条項があるかを容易に確認することができる。
【0125】
<コンピュータの基本ハードウェア構成>
図23は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信IF991(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス921により相互に電気的に接続される。
【0126】
プロセッサ901とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ901は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0127】
主記憶装置902とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0128】
補助記憶装置903とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0129】
通信IF991とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0130】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0131】
<コンピュータ90の基本機能構成>
コンピュータ90の基本ハードウェア構成(図23)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0132】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0133】
制御部は、プロセッサ901が補助記憶装置903に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0134】
記憶部は、主記憶装置902、補助記憶装置903により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0135】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブル、マスタと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、マスタ、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル、マスタ同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブル、各マスタにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶された特定のテーブル、マスタにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
また、記憶部に、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶させることにより、本開示にかかる情報処理装置、情報処理システムが製造されたものとして捉えることができる。
【0136】
なお、本開示におけるデータベース、マスタは、情報が構造的に規定された任意のデータ構造体(リスト、辞書、連想配列、オブジェクトなど)を含み得る。データ構造体には、データと、任意のプログラミング言語により記述された関数、クラス、メソッドなどを組み合わせることにより、データ構造体と見なし得るデータも含むものとする。
【0137】
通信部は、通信IF991により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0138】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0139】
(付記1)
プロセッサと、記憶部とを備え、コンピュータにユーザ間の電子的な契約手続きを記憶させるための契約管理プログラムであって、プロセッサが、契約に関する契約文書を記憶する契約記憶ステップ(S101)と、複数のユーザから契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に対する承認操作を受け付けることにより、複数のユーザが契約文書を承認したことを記憶する契約承認ステップ(S305)と、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる、権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の契約単位ごとの期限を特定する期限特定ステップ(S502)と、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示する存続提示ステップ(S503)と、を実行する契約管理プログラム。
これにより、契約文書の契約単位ごとに存続しているか否かを確認することができる。具体的に、契約文書の契約単位ごとに存続状況を確認することができる。
【0140】
(付記2)
権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の契約単位は、契約文書に含まれる条項または条文である、付記1記載の契約管理プログラム。
これにより、契約文書の条項または条文ごとに存続しているか否かを確認することができる。具体的に、契約文書の条項または条文ごとに存続状況を確認することができる。
【0141】
(付記3)
プロセッサが、契約記憶ステップにおいて記憶された複数の契約文書のうち、契約文書の期限が終了した所定の契約文書を特定する契約特定ステップ(S502)と、を実行し、期限特定ステップ(S502)は、契約特定ステップにおいて特定した契約文書の契約単位ごとの期限を特定するステップであり、存続提示ステップ(S503)は、契約特定ステップにおいて特定した契約文書に含まれる複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示するステップである、付記1記載の契約管理プログラム。
これにより、終了した契約文書においても、契約文書の契約単位ごとに存続しているか否かを確認することができる。
【0142】
(付記4)
期限特定ステップ(S502)は、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書の期限が終了したことを検知したことに応じて、複数の契約単位ごとの期限を特定するステップである、付記3記載の契約管理プログラム。
契約単位ごとの期限は、例えば「契約終了後5年以内は有効である」といった文言により規定されており、契約文書が終了しない限り定まらないことが多い。契約文書が終了したタイミングで、契約単位ごとの期限と特定することにより、より正確に契約単位ごとの期限を特定することができる。
【0143】
(付記5)
プロセッサが、期限特定ステップにおいて複数の契約単位ごとに特定した期限に基づき、契約文書の期限が終了した後に存続する契約単位がある場合に、契約終了後も存続する1または複数の契約単位があることを示す情報を通知する終了通知ステップ(S503)と、を実行する付記4記載の契約管理プログラム。
これにより、契約文書が終了した後に残存条項がある契約文書が存在する場合に、ユーザは通知を受けることができる。
【0144】
(付記6)
終了通知ステップ(S503)は、契約終了後も存続する1または複数の契約単位を特定する情報を通知するステップを含む、付記5記載の契約管理プログラム。
これにより、ユーザは通知内容からどのような残存条項があるかを容易に確認することができる。
【0145】
(付記7)
存続提示ステップ(S503)は、期限特定ステップにおいて特定した複数の契約単位ごとの期限に基づき、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを特定するステップと、複数の契約単位のそれぞれを、特定された存続しているか否かを示す情報と関連付けて提示するステップと、を含む、付記1記載の契約管理プログラム。
これにより、契約文書の契約単位ごとに存続しているか否かを確認することができる。具体的に、契約文書の契約単位ごとに存続状況を確認することができる。
【0146】
(付記8)
存続提示ステップ(S504)は、複数の契約単位のうち、存続している契約単位を識別可能な態様で提示するステップを含む、付記1記載の契約管理プログラム。
これにより、契約文書の契約単位ごとに存続しているか否かを視覚的に直感的に確認することができる。
【0147】
(付記9)
存続提示ステップ(S504)は、複数の契約単位と、当該複数の契約単位の期限とを関連付けて提示するステップである、付記1記載の契約管理プログラム。
これにより、契約文書の契約単位ごとの期限を直感的に確認することができる。
【0148】
(付記10)
プロセッサが、契約記憶ステップにおいて記憶された複数の契約文書のうち、契約文書の期限が終了しており、かつ、契約文書に含まれる契約単位の少なくとも一部が存続している1または複数の所定の契約文書を特定する契約特定ステップ(S502)と、契約特定ステップにおいて特定した1または複数の所定の契約文書を提示する契約一覧ステップ(S503)と、を実行する付記1記載の契約管理プログラム。
これにより、契約文書の期限が終了しているものの、契約文書に含まれる一部の契約単位が存続している所定の契約文書を一覧して確認することができる。
【0149】
(付記11)
契約一覧ステップ(S503)は、1または複数の所定の契約文書ごとに、当該契約文書に含まれる存続している契約単位を関連付けて提示するステップである、付記10記載の契約管理プログラム。
これにより、契約文書の期限が終了しているものの、契約文書に含まれる一部の契約単位が存続している所定の契約文書について、どの契約単位が存続しているのかを一覧して確認することができる。
【0150】
(付記12)
契約一覧ステップ(S503)は、1または複数の所定の契約文書の契約当事者ごとに、1または複数の所定の契約文書を提示するステップである、付記10記載の契約管理プログラム。
これにより、契約文書の期限が終了しているものの、契約文書に含まれる一部の契約単位が存続している所定の契約文書を、契約相手方などの契約当事者ごとに一覧して確認することができる。
【0151】
(付記13)
存続提示ステップ(S504)は、第1ユーザに対して、複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示するステップであり、プロセッサが、第1ユーザから、存続提示ステップにおいて提示した存続していることを示す情報と関連付けて提示した1または複数の契約単位の全てまたは少なくとも一部の選択を受け付ける単位選択ステップ(S504)と、単位選択ステップにおいて第1ユーザにより選択された1または複数の契約単位に基づき、当該1または複数の契約単位を終了させるための合意書を作成する合意書作成ステップ(S505)と、を実行する付記1記載の契約管理プログラム。
これにより、契約文書に含まれる権利義務が残存している一部の契約単位を終了させるための合意書を容易に作成することができる。
【0152】
(付記14)
存続提示ステップ(S504)は、第2ユーザに対して、複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示するステップであり、単位選択ステップ(S504)は、第1ユーザから、存続提示ステップにおいて提示した存続していることを示す情報と関連付けて提示した1または複数の契約単位の全てまたは少なくとも一部の選択を受け付けるステップであり、合意書作成ステップ(S505)は、単位選択ステップにおいて第1ユーザにより選択された1または複数の契約単位、および、第2ユーザにより選択された1または複数の契約単位に基づき、1または複数の契約単位を終了させるための合意書を作成するステップであり、第1ユーザおよび第2ユーザは、契約文書の異なる契約当事者に関連付けられたユーザである、付記13記載の契約管理プログラム。
これにより、契約文書に含まれる権利義務が残存している一部の契約単位を終了させるための合意書を、契約当事者同士の合意形成を行いつつ作成することができる。
【0153】
(付記15)
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置であって、プロセッサが、契約に関する契約文書を記憶する契約記憶ステップ(S101)と、複数のユーザから契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に対する承認操作を受け付けることにより、複数のユーザが契約文書を承認したことを記憶する契約承認ステップ(S305)と、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる、権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の契約単位ごとの期限を特定する期限特定ステップ(S502)と、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示する存続提示ステップ(S503)と、情報処理装置。
これにより、契約文書の契約単位ごとに存続しているか否かを確認することができる。具体的に、契約文書の契約単位ごとに存続状況を確認することができる。
【0154】
(付記16)
プロセッサと、記憶部とを備える情報処理装置を含む情報処理システムの製造方法であって、情報処理装置に、付記1から14のいずれか記載の契約管理プログラムを提供することを含む、情報処理システムの製造方法。
これにより、契約文書の契約単位ごとに存続しているか否かを確認することができる。具体的に、契約文書の契約単位ごとに存続状況を確認することができる。
【0155】
(付記17)
プロセッサと、記憶部とを備えるコンピュータにより実行される情報処理方法であって、コンピュータが、契約に関する契約文書を記憶する契約記憶ステップ(S101)と、複数のユーザから契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に対する承認操作を受け付けることにより、複数のユーザが契約文書を承認したことを記憶する契約承認ステップ(S305)と、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる、権利および義務のいずれかを少なくとも規定する複数の契約単位ごとの期限を特定する期限特定ステップ(S502)と、契約記憶ステップにおいて記憶された契約文書に含まれる複数の契約単位と、当該複数の契約単位のそれぞれが存続しているか否かを示す情報とを関連付けて提示する存続提示ステップ(S503)と、情報処理方法。
これにより、契約文書の契約単位ごとに存続しているか否かを確認することができる。具体的に、契約文書の契約単位ごとに存続状況を確認することができる。
【符号の説明】
【0156】
1 システム、10 サーバ、101 記憶部、104 制御部、106 入力装置、108 出力装置、20 第1ユーザ端末、201 記憶部、204 制御部、206 入力装置、208 出力装置、30 第2ユーザ端末、301 記憶部、304 制御部、306 入力装置、308 出力装置


図1
図2
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図4
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