(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015213
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、および方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20240125BHJP
G06T 11/60 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H04N1/387
G06T11/60 100C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023205499
(22)【出願日】2023-12-05
(62)【分割の表示】P 2019178325の分割
【原出願日】2019-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】松石 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 直也
(57)【要約】
【課題】テンプレートに合成する画像として、ユーザの意向に沿った適切な画像を選択できるようにする。
【解決手段】ユーザに関連する複数の画像データを記憶する画像データ記憶部と、画像データ記憶部に記憶される画像データを使用して作成した1又は複数のアルバムの情報を記憶するアルバム情報記憶部と、複数の画像データの中から、1つ以上の画像データを選択する画像選択部と、選択した画像データをテンプレートに合成する画像合成部と、を備え、画像選択部は、複数の画像データの中から、1又は複数のアルバムに含まれる画像データを、画像データ記憶部に記憶されるその他の画像データよりも高い優先度で選択する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関連する複数の画像データを記憶する画像データ記憶部と、
前記画像データ記憶部に記憶される画像データを使用して作成した1又は複数のアルバムの情報を記憶するアルバム情報記憶部と、
前記複数の画像データの中から、1つ以上の画像データを選択する画像選択部と、
選択した画像データをテンプレートに合成する画像合成部と、を備え、
前記画像選択部は、
前記複数の画像データの中から、前記1又は複数のアルバムに含まれる画像データを、前記画像データ記憶部に記憶されるその他の画像データよりも高い優先度で選択する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
あらかじめ用意されたテンプレートに、ユーザが所有する写真を合成し、オリジナルのカードやプリントを作成するサービスが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、テンプレートに画像を挿入して合成画像を生成する合成画像生成装置において、テンプレートに挿入する画像の選択に際し、ユーザの表示回数が多いものや表示時間が長いものほど重要度が高い画像と推定して選択することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された方法では、表示回数や表示時間に基づいて画像を選択しているため、ユーザが本当に気に入っている画像や重要と考えている画像が選択されない場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、テンプレートに合成する画像として、ユーザの意向に沿った適切な画像を選択できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザに関連する複数の画像データを記憶する画像データ記憶部と、前記画像データ記憶部に記憶される画像データを使用して作成した1又は複数のアルバムの情報を記憶するアルバム情報記憶部と、前記複数の画像データの中から、1つ以上の画像データを選択する画像選択部と、選択した画像データをテンプレートに合成する画像合成部と、を備え、前記画像選択部は、前記複数の画像データの中から、前記1又は複数のアルバムに含まれる画像データを、前記画像データ記憶部に記憶されるその他の画像データよりも高い優先度で選択するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、テンプレートに合成する画像として、ユーザの意向に沿った適切な画像を選択できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態による、情報処理システム1の構成を示すブロック図。
【
図2】本発明の実施の形態による、サーバ10の機能構成を示すブロック図。
【
図3】本発明の実施の形態による、情報処理システム1による年賀状作成の流れを示すフローチャート。
【
図4】本発明の実施の形態による、情報処理システム1による画像選択の流れを示すフローチャート。
【
図5A】本発明の実施の形態による、年賀状のテンプレートを例示する図。
【
図5B】本発明の実施の形態による、ユーザ端末20に表示される年賀状画像を例示する図。
【
図6】本発明の実施の形態による、情報システム1による画像合成の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態
図1は、本発明の実施の形態による情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、サーバ(情報処理装置)10と、ユーザ端末20を含んでいる。サーバ10とユーザ端末20は、通信ネットワークにより接続されている。
【0011】
通信ネットワークは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0012】
サーバ10は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現する。サーバ10は、制御装置11と記憶装置12を備えている。制御装置11は、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。制御装置11は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。記憶装置12は、ハードディスクドライブ等である。
【0013】
図2は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置11のCPUによって実行される機能モジュールには、画像選択部111、テンプレート選択部112、画像合成部113、公開範囲設定部114、コメント登録部115、手動アルバム作成部116、自動アルバム作成部117が含まれる。
【0014】
また、記憶装置12は、画像データ記憶部121、アルバム情報記憶部122、テンプレート記憶部123を実装している。画像データ記憶部121には、ユーザに関連する複数のデジタル画像データが、ユーザを特定するユーザ情報(アカウント等)に紐づけて記憶されている。具体的には、ユーザがカメラやスマートフォン等で撮影した写真の画像が記憶されている。
【0015】
なお、各画像に対して公開範囲を設定したり、コメントを登録したりすることができる。公開範囲は、当該画像を閲覧する許可を与える範囲であり、登録者(撮影者)のみに限定したり、家族や特定のグループ内に限定したりすることができる。具体的には、ユーザが、ユーザ端末200に実装されたアルバム作成アプリを用いて画像データを登録する際に、所定の公開範囲を指定すると、サーバ10の公開範囲設定部114が、当該画像データに指定された公開範囲を設定する。
【0016】
また、サーバ10のコメント登録部115は、ユーザが画像データ記憶部121に記憶されている特定の画像データに対してコメントを登録すると、当該画像データに紐づけて、入力されたコメントを記憶する。なお、コメントの登録は、画像を登録したユーザだけでなく、家族や友人などが登録できるようにしてもよい。
【0017】
アルバム情報記憶部122には、画像データ記憶部121に記憶されている画像データを使用して作成された1以上のアルバムのデータがユーザ情報に紐づけて記憶されている。アルバムには、ユーザ自身が画像を選択して作成する手動アルバムと、サーバ10が画像データ記憶部121から画像データを選択して自動的に作成する自動アルバムがある。
【0018】
手動アルバムは、ユーザが、任意のタイミングで、ユーザ端末200に実装されたアルバム作成アプリを用いて作成することができる。具体的には、ユーザは、ユーザ端末200上で、画像データ記憶部121に記憶されている自身のユーザ情報に紐づけられた画像データを閲覧し、それらの画像データの中から、アルバムに含めたい1つまたは複数の画像(写真)を選択する。手動アルバム作成部116は、ユーザが指定した画像データを含むアルバムを作成し、ユーザ情報に紐づけてアルバム情報記憶部122に記憶する。1ユーザに紐づく手動アルバムは、複数記憶されていてもよい。また、ユーザは、作成済の手動アルバムに新たに画像データを追加したり、手動アルバムに含まれている1以上の画像データを削除したりすることもできる。また、作成済の手動アルバムはユーザ端末200で閲覧することができる。手動アルバムは、例えば、表紙と本体から構成されている。表紙には、例えばユーザが表紙用に指定した画像を用いるようにしてもよい。
【0019】
自動アルバムは、サーバ10が、所定のタイミング(例えば、1か月に1度)で自動的に作成するアルバムである。具体的には、自動アルバム作成部117は、画像データ記憶部121に記憶されている各ユーザに紐づいた画像データの中から、一定数の画像データを抽出し、当該ユーザの自動アルバムとしてアルバム情報記憶部122に記憶する。ユーザは、アルバム作成アプリを用いて、自身の自動アルバムを閲覧したり、自動アルバムに新たに画像データを追加したり、自動アルバムに含まれている1以上の画像データを削除したり編集することもできる。また、作成済の手動アルバムはユーザ端末200で閲覧することができる。自動アルバムは、手動アルバムと同様に、例えば表紙と本体から構成されている。
【0020】
テンプレート記憶部123には、年賀状の他、クリスマスカード、寒中見舞い、暑中見舞い等を作成するためのテンプレートのデータがそれぞれ複数種類記憶されている。各テンプレートには、画像データや図柄、文字等の配置(レイアウト)に関する情報が含まれている。文字については、あらかじめ定型文として設定されているものと、ユーザが編集できるテキストデータが含まれている。
【0021】
ユーザ端末20は、ユーザがサーバ10と連携して年賀状等の作成を行うための端末である。ユーザ端末20は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートPC(パーソナルコンピュータ)、携帯情報端末(PDA)、ウェアラブルデバイス、ゲーム専用機など、通信ネットワークを介してサーバ10と通信が可能な端末である。
【0022】
図1に示すように、ユーザ端末20は、プロセッサ21、キーボードやマウス、各種操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置22、液晶ディスプレイなどの表示装置23、通信ネットワークに接続するための通信インタフェース24、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源25を備えている。記憶資源25には、プロセッサ21が実行するコンピュータプログラムや各種データ、情報処理システム1のアルバム管理サービスや年賀状作成サービスを利用するためのコンピュータプログラム(専用アプリ)が記憶されている。
【0023】
次に、情報処理システム1による、年賀状作成の流れについて説明する。
図3は、情報処理システム1による年賀状作成の流れを示すフローチャートである。なお、本発明は、年賀状の作成に限らず、クリスマスカード、寒中見舞い、暑中見舞い等、各種のテンプレートを利用したカードなどの作成に適用することができる。
【0024】
ユーザが、ユーザ端末20を操作して、年賀状作成の専用アプリを起動すると(ステップS101)、サーバ10は、ユーザ端末20からユーザ情報を取得する(ステップS102)。ユーザ情報は、例えば、ユーザが専用アプリへのログイン時にアカウント情報として入力してもよいし、ユーザ端末20が専用アプリを介してサーバ10へ自動的に送信してもよい。
【0025】
サーバ10の画像選択部111は、画像データ記憶部121とアルバム情報記憶部122を参照し、取得したユーザ情報に紐づけて記憶されている画像データの中から、年賀状作成用にユーザに提示する1つ以上の画像データ(例えば20件)を選択する(ステップS103)。以下、S103の処理の詳細については
図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0026】
図4は、サーバ10による画像選択の流れを示すフローチャートである。サーバ10は、各テンプレートに対して設定された期間内に撮影された画像データを選択する。例えば、2020年用の年賀状を作成する場合には、撮影日が所定期間(例えば2019年1月1日~2019年12月31日)の画像を選択する。
【0027】
まず、画像選択部111は、アルバム情報記憶部122に当該ユーザ情報に紐づけられたアルバムが記憶されているか否か判断する(ステップS201)。なおS201では、画像選択部111は、上記の条件に加えて、所定期間に撮影された画像を含むアルバムが記憶されているか否かを判断するようにしてよい。アルバムが記憶されている場合には(ステップS201:YES)、手動アルバムが記憶されているか否かを判断する(ステップS202)。手動アルバムと自動アルバムの区別は、例えばファイル名やファイルの属性情報によって行うことができる。
【0028】
画像選択部111は、ユーザ情報に紐づいた手動アルバムが記憶されている場合には(ステップS202:YES)、手動アルバムの中から、一定数の画像データを選択する(ステップS203)。
画像選択部111は、ユーザに提示する全ての画像データを手動アルバムから選択してもよいし、そのうちの一部(例えば全体の所定割合)を選択するようにしてもよいが、手動アルバムが存在する場合には、手動アルバムからの選択数が最も多くなるように設定することとしてよい。
【0029】
また、ユーザ情報に紐づく手動アルバムが複数記憶されている場合には、それらの中で最も作成日が新しいアルバムに含まれる画像データを最も多く選択するようにしてもよい。また、1つの手動アルバムの中では、所定の領域(例えば表紙)に配置されている画像は、最優先で選択するようにしてもよい。
【0030】
ステップS203において画像選択部111により実行される画像データの選択処理の一例について以下説明する。画像選択部111は、対象となる手動アルバムに含まれる画像の各々について、アルバムにおける配置(レイアウト)に基づく評価V1、公開範囲に基づく評価V2、アルバムの作成日に基づく評価V3、コメントに基づく評価V4に基づいて、評価値を付与する。具体的には、手動アルバムに含まれる画像の各々の評価値Vを以下の(1)式で算出する。ここで、w1~w4は0以上の係数である。V=w1・V1+w2・V2+w3・V3+w4・V4 ・・・(1)
【0031】
なお、上記の例において、アルバムの配置に基づく評価は、例えば表紙に配置された画像が最大の値となるように設定され、表紙以外の配置は同一の値としてもよいし、配置ごとにそれぞれ異なる値に設定してもよい。
【0032】
公開範囲に基づく評価は、例えばユーザにより指定された公開範囲である場合には1、それ以外である場合には0としてよい。具体的には、公開範囲が家族や特定のグループに限定されているものは、年賀状に使用するのには適さないため「0」、公開範囲が制限なしの場合には「1」などのようにすることができる。
【0033】
アルバムの作成日に基づく評価は、例えばアルバムの作成日が新しいほど高くなるように設定することとしてよい。
【0034】
コメントに基づく評価は、例えば画像に登録されたコメントの数が多いほどユーザや家族にとって重要な画像である可能性が高いので、コメントの数が多いほど評価が高くなるように設定することとしてよい。
【0035】
そして、画像選択部111は、対象となる手動アルバムに含まれる画像の中から、評価値が閾値以上である画像を選択する。なお、画像選択部111は、評価値が閾値以上である画像が、選択の上限枚数を超える場合には、評価値が高い順に上限枚数の画像を選択することとする。
【0036】
次に、画像選択部111は、ステップS203で選択した画像が上限枚数(所定枚数)に達している場合には(ステップS204:YES)、ステップS103の処理を終了する。一方で、ステップS203で選択した画像が上限枚数(所定枚数)に達していない場合には(ステップS204:NO)、ステップS205に進む。
【0037】
次に、画像選択部111は、アルバム情報記憶部122に当該ユーザ情報に紐づけられた自動アルバムが記憶されているか否か判断する(ステップS205)。自動アルバムが記憶されている場合には(ステップS205:YES)、自動アルバムの中から、画像データを選択する(ステップS206)。自動アルバムについても、複数のアルバムが存在する場合には、作成部が新しいものの中から優先的に画像データを選択する。また、1つの自動アルバムの中では、表紙に配置されている画像を最優先に選択するようにしてもよい。また、自動アルバムの中に、ユーザ自身がアルバムを編集して追加した画像データが含まれている場合には、それらの画像を優先的に選択するようにしてもよい。
【0038】
ステップS206において画像選択部111により実行される画像データの選択処理についても、手動アルバムからの画像データの選択と同様の処理を実行することとしてよい。すなわち、画像選択部111は、対象となる自動アルバムに含まれる画像の各々について、アルバムにおける配置(レイアウト)に基づく評価V1、公開範囲に基づく評価V2、アルバムの作成日に基づく評価V3、コメントに基づく評価V4に基づいて、評価値を付与する。具体的には、手動アルバムに含まれる画像の各々の評価値Vを上記の(1)式で算出し、評価値が閾値以上である画像を選択するようにしてよい。なお、画像選択部111は、評価値が閾値以上である画像が、選択の第1残り枚数(上限枚数から手動アルバムから選択した画像の数を引いた数)を超える場合には、評価値が高い順に第1残り枚数の画像を選択することとする。
【0039】
次に、画像選択部111は、ステップS206で選択した画像が第1残り枚数(所定枚数)に達している場合には(ステップS207:YES)、ステップS103の処理を終了する。一方で、ステップS206で選択した画像が第1残り枚数(所定枚数)に達していない場合には(ステップS207:NO)、ステップS208に進む。
【0040】
画像選択部111は、上限枚数から、ステップS203及びステップS206で選択した画像の数を引いた第2残り枚数の画像を、ユーザに関連付けられた画像のうち、アルバム含まれておらず、所定期間内に撮影された画像の中から選択する(ステップS208)。
【0041】
例えば、画像選択部111は、ユーザに関連付けられた画像のうち、アルバムに含まれておらず、所定期間内に撮影された画像の各々について評価値を算出し、評価値の上位から順に第2残り枚数の画像を選択することとしてよい。ここで、各画像の評価値は、上記の式(1)において、w1及びw3を0として算出することとしてよい。
【0042】
画像の選択処理(
図3:ステップS103、
図4)が終了すると、テンプレート選択部112は、テンプレート記憶部123に記憶されているテンプレートの中から、年賀状用の1つまたは複数のテンプレートを選択する(
図3:ステップS104)。テンプレートは、例えば、その時点で人気のあるテンプレート(多くのユーザに最終的に選ばれたテンプレート)を選択するようにしてもよい。また、ステップS103で選択した画像データに適したパターンのテンプレートを選択するようにしてもよい。
【0043】
図5Aには、S104で選択されたテンプレートTの一例を示す。
図5Aに示されるように、テンプレートTには、背景画像Bと、背景画像の中に設けられた複数の画像合成領域A1~AN(Nは1以上の整数とし、本例ではN=4である)が含まれる。以下、画像合成領域A1~ANのうち任意の1つを指す場合には、画像合成領域Ai(iは1~Nのうちの任意の整数)とする。
【0044】
図5Aに示されるように、テンプレートTの画像合成領域Aiはそれぞれサイズが定められており、これにより合成に適した写真(画像)のサイズが異なる。例えば画像合成領域A1は縦長の領域であるため、横長の写真よりも縦長の写真の方が合成するのに適している。また、画像合成領域A2は円形の領域であるため、横長と縦長の写真のいずれも合成するのに適している。また、画像合成領域A3及びA4は、横長の領域であるため、縦長の写真よりも横長の写真の方が合成するのに適している。
【0045】
次に、サーバ10の画像合成部113は、選択した画像データを選択したテンプレートに合成する(ステップS105)。画像合成部113は、各画像データを、最も適したテンプレートに合成する。ステップS105の詳細については、
図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0046】
図6に示されるように、サーバ10は、ステップS104で選択したテンプレートのデータを取得する。本例においては、ステップS104では、
図5Aに示したテンプレートTが選択されたこととして、サーバ10は、テンプレートTのデータを取得する(ステップS301)。
図5Aに示されるようにテンプレートTには、画像合成領域A1~ANが含まれる。ここで画像合成領域Aiは優先度の順に並べることとしてよい。すなわち優先度が高い順からA1~ANとなるように設定することとしてよい。ここで優先度は、例えば画像サイズの大きい順に定めることとしてよい。
【0047】
次に、サーバ10は、変数iを1に初期化して(ステップS302)、ステップS103で選択した画像のうち、テンプレートTの合成対象として未だ割り当てていない画像の中から、画像合成領域Aiのサイズに基づいて、割当対象の画像を選択する(ステップS303)。例えば、サーバ10は、Aiが縦長のサイズである場合には、縦長の画像の中から、Aiへの割当対象の画像を選択することとしてよい。また例えば、サーバ10は、Aiが横長のサイズである場合には、横長の画像の中から、Aiへの割当対象の画像を選択することとしてよい。また例えば、Aiが円形等、縦長でも横長でもない場合には、サーバ10は、サイズの条件によらず、ステップS103において選択された画像のうち未割り当てのものから、Aiに割り当てる画像を選択することとしてもよい。なお、サーバ10は、Aiにサイズに基づく条件を満たす画像のうち、ステップS103において優先度(評価値)が最も高いものを選択することとしてもよい。
【0048】
次に、変数iがNに達してない場合には(ステップS304:NO)、サーバ10は、変数iに1を加算して(ステップS305)、ステップS303に戻り、処理を繰り返す。一方で、変数iがNに達している場合には(ステップS304:YES)、サーバ10は、テンプレートTの画像合成領域A1~ANのそれぞれに割り当てた画像を合成して(ステップS306)、合成画像(年賀状画像)を生成する。
【0049】
サーバ10は、各テンプレートに選択した画像データを合成した年賀状画像Iを、ユーザ端末20の表示装置23に表示する。
図5Bは、ユーザ端末20に表示される年賀状のパターンを例示する図である。
図5Bに示すように、領域A1~ANの形状や面積はテンプレートTによって異なるため、画像合成部113は、選択した画像データの中から、それぞれの領域Aiの形状に合った画像データを選択して合成するようにしてもよい。なお、
図5Bに示した例では、画像合成領域Aiに画像Pi(iは1~4の任意の整数)が合成されている。例えば、複数の人物が並んでいる画像の場合には、領域Aiの形状が横長のものに合成する等、写っている人物が全員収まるようなパターンを選択するようにしてもよい。なお、同じ選択画像を複数のテンプレートに合成するようにしてもよい。
【0050】
上記の例では、1つのテンプレートに対して、テンプレートに含まれる画像合成領域の各々について、ステップS103で選択した画像の中から合成する対象画像を選択し、テンプレートに対象画像を合成した合成画像を生成し提示する例を示した。なお、ステップS104で複数のテンプレートが選択された場合には、複数のテンプレートの各々に対して同様の処理を実行し、複数の合成画像を生成して、提示するようにしてよい。
【0051】
ステップS104で複数のテンプレートが選択され、複数の合成画像が提示された場合には、ユーザは、表示された年賀状のパターンの中から気に入ったパターンを選択し、年賀状として印刷することができる。
【0052】
なお、上記の例では、年賀状のテンプレートに選択した画像を合成したものを、ユーザ端末20に表示しているが、選択した画像とテンプレートを分けて表示し、ユーザが画像とテンプレートの組み合わせを指定できるようにしてもよい。
【0053】
また、上記の例では、画像選択の際には、テンプレートのパターン等を考慮していないが、テンプレートのパターンを考慮して画像を選択するようにしてもよい。具体的には、テンプレートの画像を合成する領域の形状に基づいて、当該形状に合った画像データを選択するようにしてもよい。具体的は、合成する領域に、画像に写っている全ての人物が収まるような画像データを選択するようにしてもよい。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザに関連付けて登録されている複数の画像データの中から、年賀状等に合成する画像の候補を選択してユーザに提示する際、予め作成されているアルバムに使用されているデータを優先して選択するようにした。これにより、ユーザが本当に気に入っている画像や、重要な画像など、適切な画像を選択することができる。
【0055】
[変形例]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、テンプレートに合成する候補の画像選択の処理は、
図4に示すフローチャートの例に限定されるものではない。例えば、サーバ10は、テンプレートに合成する候補の画像選択を、「手動アルバムの表紙(所定領域)に配される画像」、「自動アルバムの表紙(所定領域)に配される画像」、「手動アルバムの表紙以外に配される画像」、「自動アルバムの表紙以外に配される画像」の順の優先度で行っても構わない。
【0056】
また、画像データ記憶部121に記憶される画像データには、ユーザのお気に入り情報が付与可能であってもよい。ここで、ユーザのお気に入り情報は、指定した画像へのユーザの所定操作に基づいて付与されることとしてよい。そして、サーバ10は、テンプレートに合成する候補の画像選択を、ユーザのお気に入り情報が付与された画像データを、ユーザのお気に入り情報が付与されていない画像データよりも優先することとしてよい。例えば、サーバ10は、テンプレートに合成する候補の画像選択を、「手動アルバムに含まれるお気に入り画像」、「自動アルバムに含まれるお気に入り画像」、「手動アルバムに含まれるお気に入り以外の画像」、「自動アルバムに含まれるお気に入り以外の画像」の順の優先度で行ってもよい。また、サーバ10は、
図4のステップS208で、アルバムに含まれない画像から画像選択を行う際に、お気に入り画像を、お気に入り以外の画像よりも優先して選択するようにしてもよい。
【0057】
また、
図4に示すフローチャートでは、期間の条件をみたすアルバムが記憶されていない場合(ステップS201:No)と、選択した画像が所定枚数に達していない場合(ステップS207:No)には、アルバムに含まれない画像からも画像選択を行う(ステップS208)こととしたが、上記の場合において、ステップS208は実行しないこととしてもよい。
【0058】
また、上記の実施形態において、テンプレートの画像合成領域に合成する画像を選択する際に、
図6に示されるフローチャートでは、画像合成領域のサイズに基づいて、合成する画像を選択することとしたが、画像合成領域のサイズに基づいて、合成する画像を選択しなくてもよい。例えば、サーバ10は、画像合成領域に対して、ステップS103で選択した画像の中から所定の基準に基づいて選択した画像を割り当てるようにしてよい。具体的には、サーバ10は、画像の優先度が高い順、画像の撮影日時が新しい順、画像に付与されたコメント数が多い順等の基準に基づいて、画像合成領域に対して割り当てる画像を選択してよい。また、サーバ10は、ステップS103で選択した画像の中から、画像合成領域に対して割り当てる画像をランダムに決定してもよい。
【0059】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得る。ただし、本発明を以下に限定するものではない。
(付記1)
ユーザに関連する複数の画像データを記憶する画像データ記憶部と、
前記画像データ記憶部に記憶される画像データを使用して作成した1又は複数のアルバムの情報を記憶するアルバム情報記憶部と、
前記複数の画像データの中から、1つ以上の画像データを選択する画像選択部と、
選択した画像データをテンプレートに合成する画像合成部と、を備え、
前記画像選択部は、
前記複数の画像データの中から、前記1又は複数のアルバムに含まれる画像データを、前記画像データ記憶部に記憶されるその他の画像データよりも高い優先度で選択する情報処理装置。
上記構成によれば、ユーザの画像データを使用して作成したアルバムに含まれる画像は、ユーザが気に入っている画像や、印象に残っている画像である場合が多いため、テンプレートに合成する画像にユーザの意向に沿った適切な画像を選択できる可能性が高くなる。
【0060】
(付記2)
前記画像選択部は、
前記1又は複数のアルバムに含まれる画像データのうち前記ユーザにより選択された画像データ、前記1又は複数のアルバムに含まれる画像データのうち前記ユーザの選択によらない方法で選択された画像データ、いずれのアルバムにも含まれない画像データの順に定めた優先度で、画像データを選択する、付記1に記載の情報処理装置。
上記構成によればユーザ自身がアルバムに選択した画像を最も優先し、次に、システムがアルバム用に選択した画像を優先的に選択することにより、アルバムに含まれる画像のうち、ユーザの意向を最優先としてテンプレートに合成する画像を選択することができる。
【0061】
(付記3)
前記画像選択部は、
前記テンプレートに対して設定された期間内に撮影された画像データを選択する、付記1または2に記載の情報処理装置。
上記構成によれば、年賀状やクリスマスカードなど、利用する時期が限定されているテンプレートに対して適切な画像を選択することができる。
【0062】
(付記4)
前記画像選択部は、
前記テンプレートの画像を合成する領域の形状に基づいて、画像データを選択する、付記1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
上記構成によれば、テンプレートのパターンに合わせて、合成に適した画像を選択することができる。
【0063】
(付記5)
画像データ毎に、公開範囲の設定を受け付ける公開範囲設定部を備え、
前記画像選択部は、
前記複数の画像データの中から、特定の公開範囲が設定された画像データを優先して選択する、付記1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
上記構成によれば、家族内限定など、外部に公開したくない画像は選択されないようにすることができる。
【0064】
(付記6)
前記画像選択部は、
前記アルバムに含まれる画像データのうち、前記1又は複数のアルバムの所定の領域に配置された画像データを優先して選択する、付記1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
上記構成によれば、ユーザがアルバムに使用した画像の中でも、表紙等の特定の領域に配置した画像は特に気に入っているか、重要度が高いと考えられるので、最も適切な画像を優先的に選択することができる。
【0065】
(付記7)
前記画像選択部は、
前記1又は複数のアルバムのうち、作成日が新しいアルバムに含まれる画像データを優先して選択する、付記1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
上記構成によれば、新しく作成したアルバムには比較的新しい画像が含まれていると考えられるので、最近撮影した画像を選択することができる。
【0066】
(付記8)
前記1又は複数のアルバムに含まれる画像データ毎に、コメントの登録を受け付けるコメント登録部を備え、
前記画像選択部は、
登録されているコメントが所定の条件を満たす画像データを優先して選択する、付記1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
上記構成によれば、コメントが多い画像は、ユーザにとって思い出が多く、印象の強い画像と考えられるので、ユーザの思い入れの強い画像を選択することができる。
【0067】
(付記9)
前記複数の画像データにはそれぞれ、前記ユーザのお気に入り情報が付与可能であり、
前記画像選択部は、前記お気に入り情報が付与された画像データを、前記お気に入り情報が付与されていない画像データよりも高い優先度で選択する、付記1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
上記構成によれば、ユーザのお気に入りの画像を、お気に入りでない画像よりも優先して選択することができるため、ユーザの意向に沿った画像が、テンプレートに合成される可能性が高くなる。
【0068】
(付記10)
コンピュータを、
ユーザに関連する複数の画像データの中から、1つ以上の画像データを選択する画像選択部と、
選択した画像データをテンプレートに合成する画像合成部として機能させ、
前記画像選択部は、
前記複数の画像データの中から、1つ以上の画像データを使用して作成した1又は複数のアルバムに含まれる画像データを、その他の画像データよりも高い優先度で選択するプログラム。
上記構成によれば、ユーザの画像データを使用して作成したアルバムに含まれる画像は、ユーザが気に入っている画像や、印象に残っている画像である場合が多いため、テンプレートに合成する画像にユーザの意向に沿った適切な画像を選択できる可能性が高くなる。
【0069】
(付記11)
コンピュータが、ユーザに関連する複数の画像データの中から、1つ以上の画像データを選択する工程と、
前記コンピュータが、選択した画像データをテンプレートに合成する工程と、を含み、
前記画像データを選択する工程では、
前記複数の画像データの中から、1つ以上の画像データを使用して作成した1又は複数のアルバムに含まれる画像データを、その他の画像データよりも高い優先度で選択する方法。
上記構成によれば、ユーザの画像データを使用して作成したアルバムに含まれる画像は、ユーザが気に入っている画像や、印象に残っている画像である場合が多いため、テンプレートに合成する画像にユーザの意向に沿った適切な画像を選択できる可能性が高くなる。
【0070】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、1ステップとして記載されているステップを、複数ステップに分けて実行してもよいし、複数ステップに分けて記載されているものを、1ステップとして把握することもできる。
【符号の説明】
【0071】
1…情報処理システム10…サーバ11…制御装置12…記憶装置20…ユーザ端末21…プロセッサ22…入力装置23…表示装置24…通信インタフェース25…記憶資源111…画像選択部112…テンプレート選択部113…画像合成部114…公開範囲設定部115…コメント登録部116…手動アルバム作成部117…自動アルバム作成部121…画像データ記憶部122…アルバム情報記憶部123…テンプレート記憶部
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
ユーザに関連する複数の画像データ毎に、公開範囲の設定を受け付け、
前記複数の画像データのうち所定のアルバムに含まれる画像データの中から所定の条件を満たす画像データを選択し、選択した画像データの数が所定数に達していない場合には、前記所定のアルバムに含まれない画像データの中から前記所定数に達するまで公開範囲に基づく評価に応じて画像データを選択し、
選択した前記所定数の画像データをテンプレートに合成する、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサが、ユーザに関連する複数の画像データ毎に、公開範囲の設定を受け付け、
プロセッサが、前記複数の画像データのうち所定のアルバムに含まれる画像データの中から所定の条件を満たす画像データを選択し、選択した画像データの数が所定数に達していない場合には、前記所定のアルバムに含まれない画像データの中から前記所定数に達するまで公開範囲に基づく評価に応じて画像データを選択し、
プロセッサが、選択した前記所定数の画像データをテンプレートに合成する、
情報処理方法。
【請求項3】
ユーザに関連する複数の画像データ毎に、公開範囲の設定を受け付け、
前記複数の画像データのうち所定のアルバムに含まれる画像データの中から所定の条件を満たす画像データを選択し、選択した画像データの数が所定数に達していない場合には、前記所定のアルバムに含まれない画像データの中から前記所定数に達するまで公開範囲に基づく評価に応じて画像データを選択し、
選択した前記所定数の画像データをテンプレートに合成する、
処理をプロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項4】
サーバと端末とを備え、
前記サーバは、
ユーザに関連する複数の画像データ毎に、前記ユーザの端末から公開範囲の設定を受け付け、
前記複数の画像データのうち所定のアルバムに含まれる画像データの中から所定の条件を満たす画像データを選択し、選択した画像データの数が所定数に達していない場合には、前記所定のアルバムに含まれない画像データの中から前記所定数に達するまで公開範囲に基づく評価に応じて画像データを選択し、
選択した前記所定数の画像データをテンプレートに合成する、
システム。