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特開2024-152133スペーサー、蒸気回収装置及び加熱装置ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152133
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】スペーサー、蒸気回収装置及び加熱装置ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24C 1/00 20060101AFI20241018BHJP
   F24C 15/20 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
F24C1/00 310D
F24C1/00 330Z
F24C15/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066130
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】相馬 直幸
(57)【要約】
【課題】意匠性を向上させつつ、蒸気回収装置における蒸気の凝縮効率の向上を図ること。
【解決手段】側方に扉110を有する加熱装置100と、加熱装置100に設置された状態で側方側に蒸気Sを回収する本体開口部221Aを有する蒸気回収装置200と、の間に介在されるスペーサー1であって、スペーサー1は、側方側に連通口2を有する。これにより、加熱装置100と蒸気回収装置200との間に形成される隙間G1を覆って両者を接続する部材等が正面から視認し難くなり意匠性の向上が図れる。また、連通口2は、フード部230と連通し、外部の空気Aがフード部230を通じて本体開口部221Aに流れる過程で蒸気S2を冷却できるため、蒸気Sの凝縮効率の向上が図れる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側方に扉を有する加熱装置と、
前記加熱装置に設置された状態で前記側方側に蒸気を回収する本体開口部を有する蒸気回収装置と、の間に介在されるスペーサーであって、
前記スペーサーは、前記側方側に連通口を有する、スペーサー。
【請求項2】
側方に扉を有する加熱装置と、
前記加熱装置に設置された状態で前記側方側に蒸気を回収する本体開口部を有する蒸気回収装置と、の間に介在されるスペーサーであって、
前記スペーサーは、
前記加熱装置と前記蒸気回収装置との間に形成される隙間の少なくとも正面側の一部を覆う被覆部と、
前記側方側に連通口と、を有する、スペーサー。
【請求項3】
前記スペーサーは、前記加熱装置の蒸気排出口と、蒸気の流入を行う前記蒸気回収装置の接続口とを連通させる接続機構を有する、請求項1又は2に記載のスペーサー。
【請求項4】
前記接続機構は、前記蒸気排出口の開口面の図心と前記接続口の開口面の図心が前記加熱装置と前記蒸気回収装置の隣接方向に対して垂直な方向で一致しない状態において、両者を連通させる接続調整部を有する、請求項3に記載のスペーサー。
【請求項5】
前記接続機構は、前記蒸気排出口の開口面の図心と前記接続口の開口面の図心が前記加熱装置と前記蒸気回収装置の隣接方向に対して垂直な方向で一致しない状態において、両者を連通させるように可動する可動部を有する、請求項3に記載のスペーサー。
【請求項6】
前記接続機構は、前記蒸気排出口から流入した蒸気を予備冷却する予備冷却部を有する、請求項3に記載のスペーサー。
【請求項7】
前記予備冷却部は、前記予備冷却部内の結露水を排出方向下流側に案内する傾斜部を有する、請求項6に記載のスペーサー。
【請求項8】
前記傾斜部は、下面側に配置された第1傾斜部と、天面側に配置された第2傾斜部と、を含む、請求項7に記載のスペーサー。
【請求項9】
前記予備冷却部は、前記予備冷却部内の結露水を集合させる集合部を有する、請求項6に記載のスペーサー。
【請求項10】
前記スペーサーは、前記加熱装置に対する前記蒸気回収装置の設置距離を調整する調整機構を有する、請求項1又は2に記載のスペーサー。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の前記スペーサーを有する、蒸気回収装置。
【請求項12】
前記蒸気回収装置のフード部は、前記スペーサーの前記連通口の少なくとも一部を覆う、請求項11に記載の蒸気回収装置。
【請求項13】
前記蒸気回収装置のフード部の正面端は、前記蒸気回収装置を前記加熱装置に設置した状態で前記加熱装置の正面端よりも後退している、請求項11に記載の蒸気回収装置。
【請求項14】
前記蒸気回収装置は、前記蒸気回収装置のフード部で発生した結露水の落下位置を規制する規制構造を有する、請求項11に記載の蒸気回収装置。
【請求項15】
請求項11に記載の前記蒸気回収装置と、
前記加熱装置と、を有する、加熱装置ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スペーサー、蒸気回収装置及び加熱装置ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
水蒸気を使用して食材を調理するスチームコンベクションオーブン(以下、加熱装置と称する)が知られている。加熱装置は、食材を水蒸気と熱風で加熱して調理するものである。加熱装置には、調理によって発生した水蒸気や熱風を排出する蒸気排出口が、装置の天面に設けられている。
【0003】
調理中に加熱装置の蒸気排出口から排出される蒸気、又は調理後に加熱装置の扉開放によって排出される蒸気は、厨房空間に排出されるため、加熱装置は換気設備の直下、あるいは近傍に配置されることが望ましい。しかしながら、厨房環境によっては、このような場所に加熱装置を設置できない場合がある。このとき、排出される蒸気によって、施設の天井等において結露を発生させてしまい、厨房環境を悪化させてしまうという問題がある。このため、蒸気を回収することが求められている。
【0004】
これに関連して、例えば下記の特許文献1には、調理器本体の上方に排気処理装置(蒸気回収装置)が配置された加熱調理器(加熱装置)が開示されている。特許文献1の加熱調理器は、連結筒により排気処理装置と調理器本体の加熱庫とが連通していること、また調理器本体の開閉扉の上方には、排気処理装置の排気用開口が設けられ、加熱庫の開閉扉を開放して半開状態にある開閉扉の間隙から漏出する高温蒸気を吸入することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-314825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の加熱調理器は、調理機本体に排気処理装置を載置した状態において、調理器本体と排気処理装置とが離隔して隙間が形成されているため、両者を連結する連結筒が正面側から視認され易く意匠性に劣る。
【0007】
また、上記の排気処理装置は、蒸気を排気処理装置の中に取り込んで蒸気を冷却するように構成されている。しかし、加熱庫の開閉扉の直上に排気用開口が形成された排気処理装置では、加熱庫から漏出した蒸気が直ぐに排気用開口に流入することとなり、蒸気の漏出量によっては十分に凝縮されない可能性があり、改善の余地がある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、意匠性を向上させつつ、蒸気回収装置における蒸気の凝縮効率の向上が図れるスペーサー、蒸気回収装置及び加熱装置ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、下記(1)~(15)の何れか1つによって達成される。
【0010】
(1)側方に扉を有する加熱装置と、前記側方に蒸気を回収する本体開口部を有する蒸気回収装置と、の間に介在されるスペーサーであって、前記スペーサーは、前記側方に連通口を有する。
【0011】
(2)側方に扉を有する加熱装置と、前記側方に蒸気を回収する本体開口部を有する蒸気回収装置と、の間に介在されるスペーサーであって、前記スペーサーは、前記加熱装置と前記蒸気回収装置との間に形成される隙間の少なくとも正面側の一部を覆う被覆部と、前記側方に連通口と、を有する、スペーサー。
【0012】
(3)前記スペーサーは、前記加熱装置の蒸気排出口と、蒸気の流入を行う前記蒸気回収装置の接続口とを連通させる接続機構を有する、上記(1)又は(2)に記載のスペーサー。
【0013】
(4)前記接続機構は、前記蒸気排出口の開口面の図心と前記接続口の開口面の図心が前記加熱装置と前記蒸気回収装置の隣接方向に対して垂直な方向で一致しない状態において、両者を連通させる接続調整部を有する、上記(3)に記載のスペーサー。
【0014】
(5)前記接続機構は、前記蒸気排出口の開口面の図心と前記接続口の開口面の図心が前記加熱装置と前記蒸気回収装置の隣接方向に対して垂直な方向で一致しない状態において、両者を連通させるように可動する可動部を有する、上記(3)又は(4)に記載のスペーサー。
【0015】
(6)前記接続機構は、前記蒸気排出口から流入した蒸気を予備冷却する予備冷却部を有する、上記(3)~(5)の何れか1つに記載のスペーサー。
【0016】
(7)前記予備冷却部は、前記予備冷却部内の結露水を排出方向下流側に案内する傾斜部を有する、上記(6)に記載のスペーサー。
【0017】
(8)前記傾斜部は、下面側に配置された第1傾斜部と、天面側に配置された第2傾斜部と、を含む、上記(7)に記載のスペーサー。
【0018】
(9)前記予備冷却部は、前記予備冷却部内の結露水を集合させる集合部を有する、上記(6)~(8)の何れか1つに記載のスペーサー。
【0019】
(10)前記スペーサーは、前記加熱装置に対する前記蒸気回収装置の設置距離を調整する調整機構を有する、上記(1)~(9)の何れか1つに記載のスペーサー。
【0020】
(11)上記(1)~(10)の何れか1つに記載のスペーサーを有する、蒸気回収装置。
【0021】
(12)前記蒸気回収装置のフード部は、前記スペーサーの前記連通口の少なくとも一部を覆う、上記(11)に記載の蒸気回収装置。
【0022】
(13)前記蒸気回収装置のフード部の正面端は、前記蒸気回収装置を前記加熱装置に設置した状態で前記加熱装置の正面端よりも後退している、上記(12)に記載の蒸気回収装置。
【0023】
(14)前記蒸気回収装置は、前記蒸気回収装置のフード部で発生した結露水の落下位置を規制する規制構造を有する、上記(12)に記載の蒸気回収装置。
【0024】
(15)上記(11)~(13)の何れか一つに記載の蒸気回収装置と、前記加熱装置と、を有する、加熱装置ユニット。
【発明の効果】
【0025】
上記のように構成されたスペーサーによれば、加熱装置と蒸気回収装置との間に介在することで、加熱装置と蒸気回収装置とを接続する構造が正面側から視認され難くなり、意匠性が向上する。また、スペーサーは、連通口を有するため、加熱装置の扉を開放した際に漏出する蒸気を本体開口部に流入する前に冷却して凝縮を促進させることができる。したがって、スペーサーは、加熱装置から漏出した蒸気の凝縮効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1実施形態に係る加熱装置ユニットを正面側から視た斜視図である。
図2】第1実施形態に係る加熱装置ユニットを背面側から視た斜視図である。
図3】第1実施形態に係る加熱装置ユニットの正面図である。
図4】第1実施形態に係る加熱装置ユニットの背面図である。
図5】第1実施形態に係る加熱装置ユニットを背面側から視た組立前の分解斜視図である。
図6】第1実施形態に係る加熱装置ユニットのスペーサーの設置状態を示す平面図である。
図7】第1実施形態に係るスペーサーと蒸気回収装置とを底面側から視た斜視図である。
図8】第1実施形態に係るスペーサーの正面側から視た斜視図である。
図9】第1実施形態に係る加熱装置ユニットの側方から視た部分断面図である。
図10】第1実施形態に係る予備冷却部の内部構造を説明するための図である。
図11】第1実施形態に係る予備冷却部の断面図である。
図12】第1実施形態に係る予備冷却部の内部構造を説明するための図である。
図13】第1実施形態に係る接続機構の可動部による接続機構の可動前後の状態を示す図である。
図14】第2実施形態に係る加熱装置ユニットを正面側から視た斜視図である。
図15】第2実施形態に係る加熱装置ユニットの側面図である。
図16】第2実施形態に係る加熱装置ユニットの側方から視た部分断面図である。
図17】第2実施形態に係る予備冷却部の内部構造を説明するための図である。
図18】第2実施形態に係る予備冷却部の断面図である。
図19】第3実施形態に係る接続機構の可動部による可動前の状態を示す図である。
図20】第3実施形態に係る接続機構の可動部の移動後の状態を示す図である。
図21】第3実施形態に係る接続機構の可動部において、図20に示した移動位置より更に移動した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0028】
以下の各実施形態の説明において、加熱装置100の扉110を正面から視て左右方向をX方向と称し、加熱装置ユニット300の奥行方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する(図1参照)。
【0029】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る加熱装置ユニット300について説明する。
【0030】
図1は、本発明の第1実施形態に係る加熱装置ユニットを正面側から視た斜視図である。図2は、第1実施形態に係る加熱装置ユニットを背面側から視た斜視図である。図3は、第1実施形態に係る加熱装置ユニットの正面図である。図4は、第1実施形態に係る加熱装置ユニットの背面図である。図5は、第1実施形態に係る加熱装置ユニットを背面側から視た組立前の分解斜視図である。図6は、第1実施形態に係る加熱装置ユニットのスペーサーの設置状態を示す平面図である。図7は、第1実施形態に係るスペーサーと蒸気回収装置とを底面側から視た斜視図である。図8は、第1実施形態に係るスペーサーの正面側から視た斜視図である。図9は、第1実施形態に係る加熱装置ユニットの側方から視た部分断面図である。図10は、第1実施形態に係る予備冷却部の内部構造を説明するための図である。図11は、第1実施形態に係る予備冷却部の断面図である。図12は、第1実施形態に係る予備冷却部の内部構造を説明するための図である。図13は、第1実施形態に係る接続機構の可動部による接続機構の可動前後の状態を示す図である。
【0031】
加熱装置ユニット300は、図1に示すように、加熱装置100と、蒸気回収装置200と、スペーサー1と、を有する。スペーサー1は、加熱装置100と蒸気回収装置200との間に隣接配置される。
【0032】
加熱装置ユニット300は、図1に示すように、加熱装置100の上に蒸気回収装置200が配置され、加熱装置100と蒸気回収装置200との間にスペーサー1介在して配置される。したがって、加熱装置ユニット300は、加熱装置100と蒸気回収装置200が上下方向(Z方向)にスペーサー1を介して隣り合うように配置される。なお、加熱装置ユニット300において、加熱装置100と蒸気回収装置200の配置位置は、上下方向に限らず、左右方向(X方向)に配置してもよい。
【0033】
<加熱装置>
加熱装置100は、食材を水蒸気と熱風で加熱して調理するものである。加熱装置100は、開閉自在な扉110と、調理によって発生した水蒸気や熱風を排出する蒸気排出口120(図9参照)と、を有する。蒸気排出口120は、蒸気回収装置200の接続口250(図5参照)と、接続機構30を介して接続される。
【0034】
扉110は、加熱装置ユニット300の正面側の開口部101に設けられる。蒸気排出口120は、加熱装置100の天面に設けられる。
【0035】
加熱装置100内での調理中に発生する蒸気Sにおいて、加熱装置100内の蒸気S1は、蒸気排出口120及び接続口250を介して、後述する蒸気凝縮部240(図9参照)に流入する。また、加熱装置100の調理後において、扉110の開放により外部に排出される加熱装置100内の蒸気S2(図9参照)は、開口部101からZ方向のプラス側に移動して、後述するフード部230に捕集される。
【0036】
<蒸気回収装置>
蒸気回収装置200は、図1又は図9に示すように、筐体本体210と、筐体胴部220のY方向の手前側(正面側)に隣り合うように配置されるフード部230と、蒸気Sを冷却して凝縮する蒸気凝縮部240と、加熱装置100の蒸気排出口120と連通する接続口250と、を有する。以下、各構成について説明する。
【0037】
〈筐体本体〉
筐体本体210は、図1図5に示すように、蒸気凝縮部240を収容する筐体胴部220を有する。筐体胴部220の内部には、加熱装置100から流入する蒸気Sを凝縮する蒸気凝縮部240が設けられる。
【0038】
〈筐体胴部〉
筐体胴部220は、図1図5に示すように、正面側、背面側、天面側、底面側、及び左右側面側がそれぞれ略矩形状のパネルで覆われている。
【0039】
正面側のパネル221には、図9に示すように、筐体本体210の周囲の外部の空気Aを吸気する吸気部を構成する本体開口部221Aが形成されている。
【0040】
パネル221の近傍には、図9に示すように、外部の空気A及び加熱装置100から排出される蒸気Sの混合を促進する混合部260が設けられる。混合部260は、本体開口部221A付近に配置される。混合部260において、蒸気Sは、外部の空気Aと混合されることによって温度が低下し、冷却され凝縮する。
【0041】
筐体胴部220の天面には、図1等に示すように、吸気された外部の空気Aを排気する排気部222が設けられる。排気部222から排気される空気は、蒸気凝縮部240における凝縮、混合部260における混合等を経た空気であるため、施設の天井等に結露を生じさせ難い。
【0042】
筐体胴部220の底面には、傾斜パネルが配置されている。傾斜パネルは、接続口250に向かって下り勾配を有するため、筐体胴部220内で生じた結露水を排水できる。筐体胴部220内で生じた結露水は、接続口250の方向へ流れた後、接続機構30に流入し、最終的に接続機構30から蒸気排出口120を通って加熱装置100に排出される。
【0043】
筐体胴部220の内部には、加熱装置100の蒸気排出口120から排出される蒸気S1、扉110を開放した際に漏出する蒸気S2、第一吸気口232及び第二吸気口233から外部の空気Aをそれぞれ吸引する不図示の送風機が設けられる。送風機は、蒸気Sの吸気及び凝縮後の空気を排気する際に使用される。
【0044】
〈フード部〉
フード部230は、図9に示すように、外部の空気Aを吸気する吸気部を構成する吸気口231を有し、吸気口231から取り込まれた外部の空気Aが流入する。フード部230は、蒸気回収装置200の筐体胴部220の高さ方向(Z方向)で若干長く、蒸気回収装置200の筐体胴部220の底面を超えて下方に延在する下方部分はスペーサー1の正面被覆部21と正面視において(Y方向において)一部が重なる。フード部230の下方部分は、スペーサー1の連通口2の少なくとも一部を覆う。フード部230は、筐体胴部220に固定される。フード部230の筐体胴部220に対する固定方法は、特に限定されない。
【0045】
吸気口231は、図7に示すように、フード部230の上方に設けられる第一吸気口232と、第一吸気口232とは異なる方向から外部の空気Aを流入させる第二吸気口233と、を有する。
【0046】
第一吸気口232は、フード部230の上方で主に外部の空気Aを吸気する。第一吸気口232で吸気された外部の空気Aは、本体開口部221Aに流入する。
【0047】
第二吸気口233は、加熱装置100に設置された状態で、加熱装置100の近い位置に設けられる。具体的には、第二吸気口233は、図7に示すように、フード部230のZ方向のマイナス側であって、加熱装置100の扉110側に開口して配置される。そのため、第二吸気口233は、扉110を開放した際に漏出する蒸気S2を吸気することができる。
【0048】
第一吸気口232には、比較的温度が低い蒸気Sが流入し、第二吸気口233には、比較的温度が高い蒸気Sが流入する。そのため、フード部230内部の空間においては、温度の異なる外部の空気A及び蒸気Sがまだらに存在する状態となり、このまだらに分布する外部の空気及び蒸気が本体開口部221A近傍の混合部260において混合される。したがって、混合部260では、外部の空気A及び蒸気Sの混合がより促進される。
【0049】
加熱装置100において調理が行われた後に、扉110を開放することによって、扉110から漏出した蒸気S2は、第一吸気口232及び第二吸気口233を介して、フード部230内の吸気部に流入する。
【0050】
フード部230の正面端は、図1に示すように、加熱装置100の正面端よりも後退して配置される。これにより、フード部230内で蒸気Sが凝縮して結露水が発生した場合でも、結露水は、フード部230から加熱装置100の扉110の天面に流れるため、加熱装置100の扉110の天面より下方に流れ落ちることを防止できる。なお、加熱装置100の天面に結露水が流れ落ちた場合、前記天面に排水用の溝や排水路等の排水構造を設けることで、加熱装置100の天面に滞留することなく排水できる。
【0051】
なお、結露水が加熱装置100の扉110の天面より下方に流れ落ちることを防止する方法として、結露水の落下位置を規制する規制構造を採用することができる。規制構造の一例としては、フード部230下端部の少なくとも一部を内側に曲げ、結露水の落下位置を加熱装置100の扉110の正面端よりも背面側に流れ落ちるように結露水の流れ方向をガイドする構造が挙げられる。
【0052】
〈蒸気凝縮部〉
蒸気凝縮部240は、図9に示すように、筐体胴部220内の空間に配され、調理中に加熱装置100の蒸気排出口120から排出される蒸気S1を凝縮する。
【0053】
蒸気凝縮部240の蒸気凝縮構造については特に制限されず、筐体胴部220内に流入した蒸気Sを冷却して凝縮可能な機能を有する構造であればよい。蒸気凝縮部240は、一例として、筐体胴部220内の空間に配され、冷却ファンにより外部の空気Aが供給される冷却ダクトが挙げられる。筐体胴部220内の蒸気Sはこの冷却ダクトに接触することで結露する。また、筐体胴部220内の空間に、例えばY方向に隣り合う複数のバッフル板をZ方向に位置ずれするように蛇行状配置した蒸気通路部を設け、蒸気S1が蒸気通路部を通過する過程でバッフル板に衝突させて蒸気S1に含まれる湯気等を慣性衝突により捕集する構造等が挙げられる。また、この構造において、蒸気通路部の出口端を、第一吸気口232及び第二吸気口233の下流に接続すれば、蒸気通路部を流れる蒸気S1についても、混合部260において外部の空気Aと混合されて冷却できる。
【0054】
〈接続口〉
接続口250は、図5図9に示すように、筐体胴部220の底面(傾斜パネル)に貫通して形成される円形の孔であり、スペーサー1の接続機構30の第2接続部32と接続する。これにより、接続口250は、接続機構30を介して加熱装置100の蒸気排出口120と連通する。接続口250は、その周囲を略矩形状ボックス状のガイド部材で包囲して構成され、このガイド部材と略同形状のスペーサー1の第2接続部32のガイド部36とが嵌合する。加熱装置100から排出される蒸気S1は、接続機構30を介して蒸気回収装置の接続口250に流入し、筐体胴部220内の蒸気凝縮部240へと流れることになる。
【0055】
<スペーサー>
スペーサー1は、図1に示すように、加熱装置100と蒸気回収装置200との間に介在して配置され、加熱装置100の側方側(扉110側)に連通口2を有する。連通口2は、少なくとも蒸気回収装置200の正面側(本体開口部221A側)と連通する構成であればよく、図8に示す貫通孔25のような孔形状でもよいし、後述の第2実施形態で示すようなフード部230の内方につながる空間(隙間G2)でもよい。スペーサー1は、加熱装置100の天面に蒸気回収装置200を載置する際の固定台として機能する。スペーサー1と蒸気回収装置200は、固定用ねじによりねじ止めされる。スペーサー1と加熱装置100との間及び/又はスペーサー1と蒸気回収装置200との間には、必要に応じて設置安定性や稼働時の振動防止を低減する緩衝材等の介在部材を配置することもできる。
【0056】
スペーサー1は、図6又は図8に示すように、載置部10と、側面の少なくとも一部を囲う被覆部20と、加熱装置100と蒸気回収装置200を連通可能に接続する接続機構30と、を有する。スペーサー1は、図1に示すように、角部近傍に配置される固定部40により加熱装置100に固定できる。固定部40は、クランク形状をなす留め具であり、加熱装置100に対しねじ止めされる。
【0057】
〈載置部〉
載置部10は、図1図4に示すように、蒸気回収装置200が設置可能なサイズで形成され、蒸気回収装置200が設置される面状の部分である。加熱装置ユニット300において、蒸気回収装置200は、スペーサー1の載置部10の上に載置される。
【0058】
〈被覆部〉
被覆部20は、図8に示すように、スペーサー1の側面を覆う板材である。被覆部20は、スペーサー1の高さ方向(Z方向のプラス側)に延在するため、加熱装置100と蒸気回収装置200との間に形成される設置時の隙間G1(図2参照)を覆うことができる。被覆部20は、加熱装置100と蒸気回収装置200との間に形成される隙間G1の少なくとも正面側の一部を覆うように設けることができる。
【0059】
被覆部20は、図8に示すように、正面側に設けられる正面被覆部21と、正面側から視て右側に設けられる右側面被覆部22と、正面側から視て左側に設けられる左側面被覆部23と、を有する。被覆部20は、少なくとも正面被覆部21を設けることで、加熱装置100と蒸気回収装置200との間の隙間G1の少なくとも正面側の一部を覆うことができる。そのため、スペーサー1は、加熱装置100と蒸気回収装置200との間に存在し得る構成部品(例えば接続機構30等)を正面から視認し難くする目隠し効果を奏する。したがって、スペーサー1を有する加熱装置ユニット300は、意匠性が向上する。
【0060】
スペーサー1は、背面側に被覆部20を設けていないため、背面に開口部11が形成される。そのため、スペーサー1は、開口部11からスペーサー1の内方に外部の空気Aを流入させることができる(図9参照)。
【0061】
正面被覆部21には、図8に示すように、複数の貫通孔25が設けられている。
【0062】
貫通孔25は、図8に示すようにX方向に延びる長孔であり、X方向及びZ方向に沿って所定間隔を空けて複数配置される。貫通孔25は、フード部230の内方空間と連通する連通口2として機能する。そのため、開口部11から流入する外部の空気Aは、図9に示すように、貫通孔25を通過し、正面被覆部21の壁面近傍及び蒸気回収装置200の筐体胴部220正面側の壁面近傍に沿って進み、フード部230の内方空間を通って本体開口部221Aに流入する。このように、スペーサー1は、外部の空気Aの流れ方向を、貫通孔25→本体開口部221Aとすることで、フード部230の内方空間を通過する蒸気S2に対して外部の空気Aを当てて好適に冷却できる。また、貫通孔25は、フード部230の幅方向(X方向)に亘って形成されている(例えば、加熱装置100の扉110により閉塞される加熱庫の幅をカバーする程度に形成されている)。これにより扉110を開放した際に漏出した蒸気S2はフード部230によって漏れ少なく捕集され、捕集された蒸気S2に対して幅方向(X方向)にわたって外部の空気Aを当て、一定の冷却をした後に本体開口部221Aに誘導できる。なお、貫通孔25の形状、形成数、配置間隔等は、加熱装置ユニット300の各装置の構成や使用環境等に応じて任意に設定可能である。また、スペーサー1は、正面被覆部21に沿って本体開口部221Aへ向かう過程で外部の空気Aにより蒸気S2の一定の冷却を行う構成であればよいため、例えば蒸気回収装置200がフード部230を有さない構成であっても同様の効果を奏することができる。
【0063】
〈接続機構〉
接続機構30は、図9図12に示すように、加熱装置100の蒸気排出口120と蒸気回収装置200の接続口250とを連通して接続するための予備冷却部33を有する。
【0064】
接続機構30は、加熱装置100の蒸気排出口120に接続される第1接続部31と、蒸気回収装置200の接続口250に接続される第2接続部32とを有し、加熱装置100の蒸気排出口120と蒸気回収装置200の接続口250を連通させる。第1接続部31及び第2接続部32は、予備冷却部33に形成される。
【0065】
〈第1接続部〉
第1接続部31は、図9に示すように、加熱装置100の蒸気排出口120と接続する。第1接続部31は、図11に示すように、予備冷却部33の下面に形成される開口(孔)である。第1接続部31の開口形状は、図10に示すような円形に限らず、多角形等の他の形状でもよい。第1接続部31は、開口面の図心が蒸気排出口120の図心と加熱装置100と蒸気回収装置200の隣接方向に対して垂直な方向(X-Y平面に沿う方向)で略一致した状態で蒸気排出口120に接続される。第1接続部31を経由して加熱装置100から排出される蒸気S1は、予備冷却部33に流入する。また、予備冷却部33内で凝縮した結露水及び蒸気回収装置200から予備冷却部33に流入する結露水は、第1接続部31を経由して加熱装置100に流出する。
【0066】
〈第2接続部〉
第2接続部32は、図9に示すように、蒸気回収装置200の接続口250と接続する。第2接続部32は、図8に示すように、予備冷却部33の天面に形成される開口(孔)である。第2接続部32の開口形状は、図8に示すような円形に限らず、多角形等の他の形状でもよい。第2接続部32は、開口面の図心と予備冷却部33の接続口250の図心とが加熱装置100と蒸気回収装置200の隣接方向に対して垂直な方向(X-Y平面に沿う方向)で略一致した状態で接続口250に接続される。第1接続部31を経由して加熱装置100から排出される蒸気S1は、予備冷却部33に流入する。また、予備冷却部33内で凝縮した結露水及び蒸気回収装置200から予備冷却部33に流入する結露水は、第1接続部31を経由して加熱装置100に流出する。
【0067】
〈予備冷却部〉
予備冷却部33は、図10に示すように、箱状の多面体をなし、内部に蒸気S1が冷却可能な内部空間33Aを有する。そのため、予備冷却部33に流入した蒸気S1は、予備冷却部33で一定の冷却が行われた後、蒸気回収装置200に流入する。予備冷却部33は、外部の空気Aが流れる部分に配置されるため、外部の空気Aにより予備冷却部33の外周板が冷やされ、予備冷却部33の内方を通過する蒸気S1がこの外周板に接触して熱交換される。また、予備冷却部33は、図6に示すように載置部10の縦横寸法の略1/3程度の縦横寸法を有する箱形状であるため、十分な熱交換面積が確保できる。
【0068】
予備冷却部33に形成される第1接続部31と第2接続部32は、それぞれの接続対象となる蒸気排出口120及び接続口250と接続可能な位置に形成される。例えば、図6に示すように、平面視において、蒸気排出口120の開口面の図心と接続口250の開口面の図心が加熱装置100と蒸気回収装置200の隣接方向に対して垂直な方向(X-Y平面に沿う方向)で一致しない場合、第1接続部31と第2接続部32は、それぞれの接続対象となる蒸気排出口120及び接続口250と接続可能な位置に形成される。そのため、予備冷却部33は、蒸気排出口120の開口面の図心と接続口250の開口面の図心が加熱装置100と蒸気回収装置200の隣接方向に対して垂直な方向(X-Y平面に沿う方向)で一致しない状態において、両者を連通させる接続調整部として機能する。ここで、加熱装置100と蒸気回収装置200の「隣接方向」とは、加熱装置100に対する蒸気回収装置200の設置方向に依存し、例えば図3におけるZ方向(上下方向)である。また、加熱装置100に対する蒸気回収装置200の設置位置がX方向(左右方向)の場合は、隣接方向はX方向(左右方向)となる。なお、蒸気排出口120の開口面は、第1接続部31と接続される側に形成されている開口の開口面であり、接続口250の開口面は、第2接続部32と接続される側に形成されている開口の開口面である。したがって、例えば図9に示すように設置された加熱装置100の蒸気排出部が筒状部材であった場合、蒸気排出口120の開口面は、蒸気排出部における第1接続部31と接続される上側の開口の開口面となる。
【0069】
このように、接続機構30は、第1接続部31及び第2接続部32が形成された予備冷却部33を有するため、蒸気排出口120の開口面の図心と接続口250の開口面の図心が加熱装置100と蒸気回収装置200の隣接方向に対して垂直な方向で一致しない状態において、両者を連通して接続することができる。ここで、「図心が一致しない状態」とは、詳細には蒸気排出口120と接続口250を接続する際に、真直な配管による接続が困難な状態を意味し、蒸気排出口120の開口面の図心と接続口250の開口面の図心が芯ずれしている状態や蒸気排出口120と接続口250が隣接方向に対して垂直な方向で重ならずに異なる位置にある状態を含んでいる。
【0070】
予備冷却部33は、内部に結露水を排出方向下流側に案内する傾斜部34を有する。排出方向下流側には、結露水の排出部としても機能する蒸気排出口120に接続される第1接続部31が配置される。
【0071】
〈傾斜部〉
傾斜部34は、図10図12に示すように、予備冷却部33の下面側に配置される第1傾斜部34Aと、予備冷却部33の天面側に配置される第2傾斜部34Bと、第2傾斜部34Bの下流側に配置される第3傾斜部34Cと、を有する。
【0072】
第1傾斜部34Aは、X方向のマイナス側に下り勾配となるように排出方向下流側に向かって傾斜して配置される。結露水の排出先となる蒸気排出口120と接続される第1接続口は、図10においてX方向のマイナス側に配置される。そのため、第1傾斜部34Aは、第2接続部32から流入する結露水及び予備冷却部33内で凝縮し左右側面を伝って下面側に流れた結露水を排出方向下流側となる第1接続部31に案内することができる。なお、第1傾斜部34Aは、予備冷却部33の下面として機能するが、予備冷却部33の下面とは別構成にして前記下面の上方に配置してもよい。
【0073】
第2傾斜部34Bは、予備冷却部33の天面より下方であって、X方向のマイナス側に下り勾配となるように排出方向下流側に向かって傾斜して配置される。ここで、第2傾斜部34Bが傾斜せずに例えば水平に配置される場合、第1接続部31から吹き上がってくる蒸気Sは、第2傾斜部34Bの、第1接続部31の直上位置付近で結露して滞留し易い。しかし、第2傾斜部34Bは、第1傾斜部34Aと同様、X方向のマイナス側に下り勾配となるように排出方向下流側に向かって傾斜して配置されるので、予備冷却部33の天面側で凝縮した結露水を排出方向下流側となる第1接続部31の方向(X方向のマイナス側)に案内することができる。
【0074】
第3傾斜部34Cは、Y方向のマイナス側に下り勾配となるように排出方向下流側に向かって傾斜して配置される。第3傾斜部34Cは、第2傾斜部34Bを伝って流れる結露水の流れ方向を変換して排出方向下流側となる第1接続部31に案内する。
【0075】
このように、予備冷却部33は、傾斜部34を備えることで予備冷却部33内の結露水を排出先となる蒸気排出口120に向けて案内することができる。そのため、結露水は、予備冷却部33内に滞留することなく蒸気排出口120を通じて外部に排出される。
【0076】
〈可動部〉
接続機構30は、蒸気排出口120の開口面の図心と接続口250の開口面の図心が加熱装置100と蒸気回収装置200の隣接方向に対して垂直な方向で一致しない状態において、両者と接続可能な位置に移動する可動部35を有する。
【0077】
可動部35は、図13に示すように、接続機構30の予備冷却部33を回動可能に軸支する回動軸で構成することができる。可動部35は、接続機構30とスペーサー1に対して接続機構30を回動可能に軸支する回動軸等の回動部材で構成される。図13に示すように、接続機構30は、可動部35により初期位置から正面側や背面側に向きを変更する他、可動部35の回動可能範囲で無段階に任意の向きに変更できる。これにより、接続機構30は、蒸気排出口120と接続口250が加熱装置100と蒸気回収装置200の隣接方向に対して垂直な方向で一致しない状態において、蒸気排出口120及び接続口250の位置に合わせて柔軟に位置調整することができる。
【0078】
なお、可動部35は、第1接続部31と蒸気排出口120及び第2接続部32と接続口250が共に接続可能な位置まで接続機構30を移動する構成を有していればよく、例えば可動式アームのような可動部材や後述する第3実施形態に示すスライド機構60のような構成としてもよい。
【0079】
接続機構30の形態は、前述したように予備冷却部33と、予備冷却部33に連通する第1接続部31及び第2接続部32を有する構成に限らず、蒸気排出口120と接続口250とを連通可能に接続し、かつ内部を通過する蒸気S1に対する一定の冷却効果が得られる形態であればよい。また、接続機構30は、蒸気排出口120の開口面の図心と接続口250の開口面の図心が加熱装置100と蒸気回収装置200の隣接方向に対して垂直な方向で一致する状態の場合に蒸気排出口120と接続口250を連通可能に接続する形態も含まれる。接続機構30の他の形態としては、例えば蒸気排出口120と接続口250との間に接続される配管(伸縮自在な蛇腹状の配管も含む)とすることもできる。
【0080】
〈ガイド部〉
ガイド部36は、予備冷却部33の天面に設けられる第2接続部32の周囲に設けられる。ガイド部36は、予備冷却部33の天面からZ方向に立ち上がり、第2接続部32の周囲を囲う壁部材で構成される。ガイド部36は、予備冷却部33を通じて流入出する蒸気S1や結露水の外部への漏出が防止できる。なお、ガイド部36は、第1接続部31の周囲を囲うように予備冷却部33の下面に別途設けてもよい。
【0081】
[蒸気回収方法]
次に、加熱装置ユニット300における蒸気回収方法について説明する。以下、調理中に加熱装置100の蒸気排出口120から排出される蒸気S1及び調理後に扉110を開放した際に排出される蒸気S2の回収方法について、それぞれ説明する。
【0082】
調理中において、加熱装置100の蒸気排出口120から排出される蒸気S1は、蒸気排出口120から接続機構30に流入する。接続機構30に流入した蒸気S1は、接続機構30内を通過する際、一部が冷却され、第2接続部32を通じて蒸気回収装置200に流入する。蒸気回収装置200に流入した蒸気S1は、蒸気凝縮部240で冷却され、更に混合部260で外部の空気Aと混合されて冷却され、蒸気回収装置200の排気部222から排気される。
【0083】
調理中又は調理後において扉110を開放した際に排出される蒸気S2は、フード部230の吸気口231において捕集される。その後、蒸気S2は、混合部260において、外部の空気Aと混合されて冷却され、蒸気回収装置200の排気部222から排気される。
【0084】
また、加熱装置100の扉110の開放は、通常、小開放して高温蒸気を排出後、食材を取り出すための開放が行われる。このため高温蒸気は加熱装置100から広範囲に放出されるというよりも、小開放により生じた狭い領域を通じて放出される。このため狭い領域を通過する蒸気を効果的に冷却することが求められる。そこで、本発明では、貫通孔25によって扉110直上で冷却用の外気を供給した後、本体開口部221Aに到達するまでに蒸気S1と外部の空気Aが混合される混合部260を設け、蒸気と外気がコアンダ効果で筐体胴部220の閉塞面を進むことで混合冷却が行われて、冷却効果を高めている。
【0085】
次に、本発明の変形例となる第2実施形態に係る加熱装置ユニット400、第3実施形態に係る加熱装置ユニット500について説明する。
【0086】
なお、以下の各形態の説明では、主に前述した第1実施形態との相違点について説明し、第1実施形態と同等の機能を有する構成要件については同一又は関連する符号を付して詳細な説明を省略し、特に言及しない。また、構成、部材、及び使用方法等については、第1実施形態と同様のものとしてよい。更に、各実施形態で示した構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲の中で必要な構成を適宜選択して他の実施形態に組み込んで実施することもできる。
【0087】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る加熱装置ユニット400について説明する。
【0088】
図14は、第2実施形態に係る加熱装置ユニットを正面側から視た斜視図である。図15は、第2実施形態に係る加熱装置ユニットの側面図である。図16は、第2実施形態に係る加熱装置ユニットの側方から視た部分断面図である。図17は、第2実施形態に係る予備冷却部の内部構造を説明するための図である。図18は、第2実施形態に係る予備冷却部の断面図である。
【0089】
第2実施形態の加熱装置ユニット400は、図14図15に示すように、第1実施形態と同様、スペーサー1と、加熱装置100と、蒸気回収装置200と、を有する。
【0090】
第2実施形態の加熱装置ユニット400は、蒸気回収装置のフード部230の構成及び接続機構30の構成が第1実施形態と相違する。以下、相違点について説明する。
【0091】
第2実施形態の蒸気回収装置200のフード部230は、図15に示すように、下端がスペーサー1の下端と略一致する位置まで延長される。すなわち、フード部230は、正面視において、スペーサー1の正面被覆部21を覆うように配置される。これにより、フード部230は、スペーサー1の正面側を覆って化粧板としての機能を果たすと共に、扉110を開放した際に漏出する蒸気S2を好適に捕集することができる。
【0092】
第2実施形態において、スペーサー1の正面被覆部21は、貫通孔25を形成しない平板である。しかしながら、スペーサー1は、調整機構50を備えている。これにより、スペーサー1と加熱装置100との間には、図15に示すように、調整機構50による距離調整に伴い若干の隙間G2が形成される。隙間G2は、スペーサー1の下端まで延在するフード部230の第二吸気口233と連通するため、第2実施形態のスペーサー1は、調整機構50により形成された隙間G2を連通口2として利用している。スペーサー1は、図16に示すように、外部の空気Aを隙間G2から正面被覆部21の表面に沿うようにフード部230の第二吸気口233から流入する。加熱装置100の扉110を開放した際に漏出する蒸気S2は、正面被覆部21に沿う外部の空気Aの流れに沿って本体開口部221Aへと流れる。なお、第2実施形態のスペーサー1は、調整機構50によりスペーサー1と加熱装置100との間に隙間G2が形成できるため、背面側に被覆部20を設けた構成としても一定の冷却効果を発揮できる。
【0093】
第2実施形態のスペーサー1は、加熱装置100に対する設置距離を調整する調整機構50を備える。
【0094】
〈調整機構〉
調整機構50は、スペーサー1の四隅近傍にそれぞれ配置され、加熱装置100に対する蒸気回収装置200の設置距離を調整する際に使用する。調整機構50は、脚部51と、脚部51から延在する軸部52と、を有する。
【0095】
脚部51は、円盤状の板材であり、加熱装置100の天面に形成された位置ずれ防止の機能と設置位置の目印機能を兼ねる設置用凹部130に載置される。
【0096】
軸部52は、脚部51から延在する軸部材であり、スペーサー1に形成される係合孔(図示せず)に挿入した状態でナットにより固定される。調整機構50は、係合孔に対する軸部52の挿入量を調整した状態で固定することで、スペーサー1の設置距離が調整可能となる。軸部52の固定方法は、ナットによるねじ式の固定方法に限定されず、係合孔に挿入した軸部52の位置固定が可能な構成であればよい。
【0097】
第2実施形態のスペーサー1は、調整機構50を備えることで、水平出しが容易となり、加熱装置100に対して蒸気回収装置200を安定して設置することができる。また、調整機構50は、予備冷却部33に流入した結露水及び予備冷却部33内で凝縮した結露水を、排出方向下流側に流れ易くなるように傾き調整することもできる。
【0098】
第2実施形態の接続機構30は、図17図18に示すように、集合部37と、流入防止壁38と、排水部39と、を有する。
【0099】
〈集合部〉
集合部37は、予備冷却部33内の結露水を一時的に集合させる。集合部37は、第1接続部31の周囲おいて予備冷却部33の下面から一段下がった側壁部で囲われた凹状部分である。第1接続部31は、集合部37の底面に形成される。集合部37は、傾斜部34に沿って流れる結露水が一時的に集合(貯留)される。貯留された結露水は、排水部39を通じて外部に排出される。
【0100】
〈流入防止壁〉
流入防止壁38は、集合部37に集合した結露水の蒸気排出口120への流れ込みを防止する。流入防止壁38は、第1接続部31の開口全周を覆ってZ方向に延びるように立設される円筒部材である。流入防止壁38は、集合部37に貯留される結露水が第1接続部31を通じて蒸気排出口120に流れ込まないように隔てることが可能な高さを有する。そのため、流入防止壁38は、少なくとも集合部37の高さ以上の高さで形成するのが好ましい。
【0101】
〈排水部〉
排水部39は、集合部37に集合した結露水を外部に排出する際に使用される。排水部39は、接続機構30の外周面から突出する筒部材で構成され、この筒部材に排水ホース等を接続することで、予備冷却部33内の結露水を外部に排出することができる。
【0102】
このように、第2実施形態の接続機構30は、結露水を集合させる集合部37を有するため、傾斜部34に沿って排出方向下流側に流れる結露水を一時的に集合部37に集合させた後、排水部39を通じて外部に排出することができる。また、第1接続部31には、集合部37に集合した結露水の流入を防止する流入防止壁38が形成されるため、第1接続部31から加熱装置100に結露水が流入するのを防止できる。
【0103】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る加熱装置ユニット500について説明する。
【0104】
図19は、第3実施形態に係る接続機構の可動部の可動前の状態を示す図である。図20図21は、第3実施形態に係る接続機構の可動部の可動後の状態を示す図である。なお、説明の便宜上、図19図21において、加熱装置100及び蒸気回収装置200は図示を省略している。
【0105】
第3実施形態の接続機構30は、第1接続部31及び第2接続部32の接続位置を柔軟に調整可能とする可動部35の形態が他の実施形態と相違する。
【0106】
第3実施形態の可動部35は、接続機構30の予備冷却部33の下面として機能し、予備冷却部33の長手方向(X方向)にスライド移動可能に構成した第1移動部35Aと、第1接続部31が形成され、第1接続部31を第1移動部35Aの移動方向と交差する方向にスライド移動可能にする第2移動部35Bと、で構成される。
【0107】
第1移動部35Aは、予備冷却部33の下面として機能し、予備冷却部33の長手方向(X方向)に沿って延在する。第1移動部35Aは、側方に設けられたスライド溝351Aの長さ分だけ自由にスライド移動できる。第1移動部35Aは、図19に示した位置を初期位置としたとき、図20図21に示すように予備冷却部33の長手方向に沿って移動することができる。
【0108】
第1移動部35Aは、第2接続部32と接続口250が接続した状態で第1接続部31と蒸気排出口120とが接続可能な位置までスライド移動した後、予備冷却部33の下端部にスライド溝351Aを介してねじ止め等により固定保持する。
【0109】
第2移動部35Bは、第1接続部31が形成され、第1移動部35Aの下面に対し第1移動部35Aのスライド方向と交差する方向に延在する。第2移動部35Bは、側方に設けられたスライド溝351Bの長さ分だけ自由にスライド移動できる。第2移動部35Bは、図19に示した位置を初期位置としたとき、図20図21に示すように予備冷却部33の短手方向(Y方向)に沿って移動することができる。
【0110】
第2移動部35Bは、第2接続部32と接続口250が接続した状態で第1接続部31と蒸気排出口120とが接続可能な位置までスライド移動した後、予備冷却部33の下端部にスライド溝351Aを介してねじ止め等により固定保持する。
【0111】
第1移動部35Aと第2移動部35Bは、加熱装置100の蒸気排出口120の位置と蒸気回収装置200の接続口250の位置に合わせて事前に位置調整される。第3実施形態の加熱装置ユニット500では、第1移動部35A及び第2移動部35Bによる位置調整が完了したスペーサー1を加熱装置100に載置し、その後、スペーサー1に蒸気回収装置200を載置して設置が完了する。なお、第1移動部35Aと第2移動部35Bは、加熱装置100に蒸気回収装置200を設置し、接続機構30の第2接続部32と接続口250とが接続した状態で何れか一方を位置合わせした後、他方を移動させて位置調整することもできる。
【0112】
このように、第3実施形態の接続機構30は、可動部35として第1移動部35Aと第2移動部35Bを備えているため、加熱装置100に蒸気回収装置200を設置する際、加熱装置100の蒸気排出口120の位置に合わせて第1接続部31を柔軟に位置調整することができる。加熱装置100の蒸気排出口120の形成位置は、製造メーカや品番等により異なることが多いが、このような場合であっても接続機構30を介して加熱装置100と蒸気回収装置200とを連通した状態で接続することができる。
【0113】
なお、第3実施形態の接続機構30は、第1実施形態で説明した可動部35の回転軸による回転機能を付与し、回転移動とスライド移動の双方の移動により加熱装置100及び蒸気回収装置200との接続位置を調整することもできる。
【0114】
以上説明したように、本実施形態に係るスペーサー1は、側方に扉110を有する加熱装置100と、加熱装置100に設置された状態で側方側に蒸気Sを回収する本体開口部221Aを有する蒸気回収装置200と、の間に介在され、側方側に連通口2を有する。このような構成より、スペーサー1を加熱装置100と蒸気回収装置200との間に介在することで、加熱装置100と蒸気回収装置200とを接続する構造(接続機構30等)が正面側から視認され難くなり、意匠性が向上する。また、スペーサー1は、連通口2を有するため、加熱装置100の扉110を開放した際に漏出する蒸気Sを本体開口部221Aに流入する前に冷却して凝縮を促進させることができる。したがって、スペーサー1は、加熱装置100から漏出した蒸気Sの凝縮効率を向上させることができる。
【0115】
また、本実施形態に係るスペーサー1は、側方に扉110を有する加熱装置100と、加熱装置100に設置された状態で側方側に蒸気Sを回収する本体開口部221Aを有する蒸気回収装置200と、の間に介在され、加熱装置100と蒸気回収装置200との間に形成される隙間G1の少なくとも正面側の一部を覆う被覆部20と、側方側に連通口2と、を有する。このような構成により、加熱装置100と蒸気回収装置200との間にスペーサー1を介在させた場合、加熱装置100と蒸気回収装置200とを接続する構造(接続機構30等)が正面側から視認され難くなり、意匠性の向上が図れる。また、スペーサー1は、連通口2を有するため、加熱装置100の扉110を開放した際に漏出する蒸気S2を、フード部230を通じて本体開口部221Aに流入する前に冷却して凝縮を促進させることができる。更に、連通口2を通過した外部の空気Aは、被覆部20に沿って本体開口部221Aに流れるため、加熱装置100の扉110を開放した際に漏出する蒸気S2は、スペーサー1の被覆部20に沿って外部の空気Aと共に、本体開口部221Aへ効果的に導くことができる。
【0116】
また、スペーサー1は、加熱装置100の蒸気排出口120と、蒸気Sの流入を行う蒸気回収装置200の接続口250とを連通させる接続機構30を有する。このような構成より、加熱装置100の蒸気排出口120と、蒸気回収装置200の接続口250とが接続可能となるため、様々なタイプの加熱装置100に対応可能となり汎用性を高めることができる。
【0117】
また、接続機構30は、蒸気排出口120の開口面の図心と接続口250の開口面の図心が加熱装置100と蒸気回収装置200の隣接方向に対して垂直な方向で一致しない状態において、両者を連通させる接続調整部(例えば、第1接続部31及び第2接続部32を有する予備冷却部33)を有する。一般的に、加熱装置100の蒸気排出口120の形成位置は、製造メーカや機種によって異なることが多い。接続機構30は、蒸気排出口120と接続する第1接続部31及び接続口250と接続する第2接続部32を有する予備冷却部33が接続調整部として機能するため、蒸気排出口120と接続口250を連通した状態で接続することができる。
【0118】
また、接続機構30は、蒸気排出口120の開口面の図心と接続口250の開口面の図心が加熱装置100と蒸気回収装置200の隣接方向に対して垂直な方向で一致しない状態において、両者を連通させるように可動する可動部35を有する。加熱装置100に蒸気回収装置200を設置する際、加熱装置100に形成された蒸気排出口120の位置と、蒸気回収装置200の接続口250の位置によっては、接続機構30の設置位置では接続できない場合も想定され得る。しかしながら、接続機構30は、可動部35を有するため、蒸気排出口120と接続口250に接続可能な位置まで接続機構30を移動できるため、汎用性が高く接続調整も容易に行える。
【0119】
また、接続機構30は、蒸気排出口120から流入した蒸気Sを予備冷却する予備冷却部33を有する。このような構成より、蒸気Sが加熱装置100から蒸気回収装置200に流入する過程で、予備冷却部33を通過する際に一定の冷却が行われるため、凝縮が促進されると共に蒸気回収装置200への流入温度も下げることができるので、蒸気凝縮部240の構造等の内部機構を複雑化せずとも蒸気Sを凝縮することができる。
【0120】
また、予備冷却部33は、予備冷却部33内の結露水を排出方向下流側に案内する傾斜部34を有する。このような構成より、予備冷却部33内の結露水を排出先となる蒸気排出口120や集合部37に向けて案内できるので、予備冷却部33内に結露水が滞留することなく外部に排出できる。
【0121】
また、傾斜部34は、下面側に配置された第1傾斜部34Aと、天面側に配置された第2傾斜部34Bと、を含む。このような構成より、第1傾斜部34Aは、第2接続部32から流入する結露水及び予備冷却部33内で凝縮し左右側面を伝って下面側に流れた結露水を、第2傾斜部34Bは、予備冷却部33の天面側で凝縮した結露水を排出方向下流側へと案内できるので、予備冷却部33内に結露水が効果的に排出することできる。蒸気排出口120から排出される蒸気S1は、第2傾斜部34Bの傾斜面に沿って第2接続部32へ流れるため、予備冷却部33の天面パネルに当たって滞留しない。
【0122】
また、予備冷却部33は、予備冷却部33内の結露水を集合させる集合部37を有する。このような構成より、結露水を排水部39から排出する際、結露水を集合部37に集合させることで、排水部39から効率的に排出させることができる。
【0123】
また、スペーサー1は、加熱装置100に対する蒸気回収装置200の設置距離を調整する調整機構50を有する。このような構成により、水平出しが容易となり蒸気回収装置200を安定して設置することができると共に、予備冷却部33に流入した結露水及び予備冷却部33内で凝縮した結露水を排出方向下流側に流れ易くなるように傾き調整することができる。
【0124】
また、スペーサー1を有する蒸気回収装置200のフード部230は、スペーサー1の連通口2の少なくとも一部を覆う。このような構成より、フード部230は、スペーサー1の正面側を覆って化粧板としての機能を果たすと共に、扉110を開放した際に漏出する蒸気S1を好適に補修することができる。
【0125】
また、蒸気回収装置200のフード部230の正面端は、蒸気回収装置200を加熱装置100に設置した状態で加熱装置100の正面端よりも後退している。このような構成より、フード部230内で蒸気Sが凝縮して結露水が発生した場合でも加熱装置100の天面より下方に流れ落ちることを防止できる。
【0126】
また、蒸気回収装置200は、蒸気回収装置200のフード部230で発生した結露水の落下位置を規制する規制構造を有する。このような構成より、フード部230内で蒸気Sが凝縮して結露水が発生した場合でも加熱装置100の天面より下方に流れ落ちることを防止できる。
【符号の説明】
【0127】
1 スペーサー、
2 連通口、
10 載置部、
11 開口部、
20 被覆部、
30 接続機構、
31 第1接続部、
32 第2接続部、
33 予備冷却部(33A 内部空間)、
34 傾斜部、
34A 第1傾斜部、
34B 第2傾斜部、
34C 第3傾斜部、
35 可動部、
35A 第1移動部(351A スライド溝)、
35B 第2移動部(351B スライド溝)、
36 ガイド部、
37 集合部、
38 流入防止壁、
39 排水部、
40 固定部、
50 調整機構、
51 脚部、
52 軸部、
100 加熱装置、
110 扉、
120 蒸気排出口、
130 設置用凹部、
200 蒸気回収装置、
210 筐体本体、
220 筐体胴部、
221A 本体開口部、
222 排気部、
230 フード部、
231 吸気口、
232 第一吸気口、
233 第二吸気口、
240 蒸気凝縮部、
250 接続部、
300、400、500 加熱装置ユニット、
A 外部の空気、
G1、G2 隙間、
S、S1、S2 蒸気。
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