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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152135
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】屋外構造物
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/343 20060101AFI20241018BHJP
   E04H 6/02 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
E04B1/343 V
E04H6/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066132
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠 翔旭
(72)【発明者】
【氏名】永田 幸自
(57)【要約】
【課題】照明装置からの光の隙間を抑制することができる屋外構造物を提供する。
【解決手段】屋外構造物は、照明装置を備える屋外構造物であって、前記照明装置は、それぞれの長手方向に沿って順に並べられた複数の細長い棒状の照明デバイスを備え、隣接する前記照明デバイスでは、互いの一部同士が前記長手方向に直交する方向に対してオーバーラップしている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置を備える屋外構造物であって、
前記照明装置は、それぞれの長手方向に沿って順に並べられた複数の細長い棒状の照明デバイスを備え、
隣接する前記照明デバイスでは、互いの一部同士が前記長手方向に直交する方向に対してオーバーラップしている
ことを特徴とする屋外構造物。
【請求項2】
請求項1に記載の屋外構造物であって、
前記照明デバイスは、光を照射する照射面を一面に有し、
前記一面側から見た場合に、前記隣接する照明デバイスの照射面が連続して配置されている
ことを特徴とする屋外構造物。
【請求項3】
請求項2に記載の屋外構造物であって、
前記照射面は、前記照明デバイスの上面に設けられ、
前記隣接する照明デバイスは、互いの一部同士が上下にオーバーラップした状態で配置され、
前記照明装置は、さらに、前記上下にオーバーラップした照明デバイスのうち、下段の照明デバイスの一部を上から跨ぐように設けられ、上段の照明デバイスの載置台となるアタッチメント部材を備える
ことを特徴とする屋外構造物。
【請求項4】
請求項3に記載の屋外構造物であって、
前記照明装置は、3本以上の前記照明デバイスを備えると共に、前記下段の照明デバイスと前記上段の照明デバイスとが交互に並べられ、
前記アタッチメント部材は、相互間に前記上段の照明デバイスを介して配置された2本の前記下段の照明デバイスの一部を同時に跨いで配置されることで、該2本の前記下段の照明デバイスの上に1本の前記上段の照明デバイスを配置している
ことを特徴とする屋外構造物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の屋外構造物であって、
互いに連接された複数の屋根材と、
前記屋根材の連接方向に延在し、前記屋根材の端部を支持する枠材と、
をさらに備え、
前記枠材は、その長手方向に延在し、前記屋根材よりも下方に設けられたヒレ部を有し、
前記照明装置は、前記ヒレ部の上面側に配置され、前記屋根材の下面に向けて光を照射する
ことを特徴とする屋外構造物。
【請求項6】
請求項5に記載の屋外構造物であって、
さらに、前記ヒレ部の上面側に配置された前記照明装置の側面を覆う目隠し部材を備える
ことを特徴とする屋外構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーポートやテラス屋根等として用いることができる屋外構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばカーポートやテラス屋根等として用いられる屋外構造物は、照明装置が設けられることがある。特許文献1には、屋根の長手方向に沿ってスポットライト状の間接照明装置を一定間隔で並べた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6888199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構成は、照明装置がスポットライトのように取り付けられているため、光が点々と途切れ途切れに照射され、照明が無い隙間部分は暗くなってしまう。そこで仮にスポットライト同士の間隔を狭くしたとしても、相互間の繋ぎ目に隙間ができることは避けられず、この部分が目立ってしまう懸念がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、照明装置からの光の繋ぎ目が目立つことを抑制することができる屋外構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る屋外構造物は、照明装置を備える屋外構造物であって、前記照明装置は、それぞれの長手方向に沿って順に並べられた複数の細長い棒状の照明デバイスを備え、隣接する前記照明デバイスでは、互いの一部同士が前記長手方向に直交する方向に対してオーバーラップしている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の上記態様によれば、照明装置からの光の繋ぎ目が目立つことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る屋外構造物の側面図である。
図2】屋外構造物の正面図である。
図3】屋根の側面断面図である。
図4】照明装置の側面図である。
図5】照明装置の模式的な正面図である。
図6】変形例に係る照明装置の模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る屋外構造物についての好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1及び図2に示すように、本実施形態の屋外構造物10は、カーポートやテラス屋根等として用いられる屋外構造物である。屋外構造物10は、屋根12と、一対の柱14,15と、一対の梁16,17と、照明装置18と、フェンス19とを備える。
【0011】
以下、図2に示すように屋外構造物10を柱14,15側とは反対側から見た方向を正面とし、正面から見て手前側を前、奥側を後、上方を上、下方を下、左方を左、右方を右、と呼んで説明する。これらの各方向の呼び方は説明の便宜上のものであり、各方向は屋外構造物10の用途、設置状況、又は利用者の視点位置等によって当然に変化し得る。また、屋外構造物10の設置姿勢等によっては各構成要素が前後、左右、上下の各方向から多少傾いた姿勢で設置される場合も当然あるが、この場合も含めて本出願では前後、左右、上下と呼んで説明している。
【0012】
図1図3に示すように、屋根12は、複数の屋根材20と、屋根材20の周囲を囲む屋根枠22とを備える。照明装置18は屋根材20の下面側で屋根枠22に支持されている。屋根12は、前から後に向かって次第に下に傾斜した水勾配を有する。水勾配の前後は逆でもよいし、少なくとも屋根枠22は水平に設置されてもよい。
【0013】
各屋根材20は、隣接する幅方向(左右方向)の縁部同士が互いに連結部24で連結され、これにより左右方向に連接されている。各屋根材20は、長手方向(前後方向)の端部20a,20bがそれぞれ屋根枠22にねじ止めされる。
【0014】
屋根枠22は、前枠26と、後枠27と、左右の側枠28,29とを有する。各枠26~29は、例えばアルミニウム等の金属で形成された押出形材である。
【0015】
前枠26及び後枠27は、屋根材20の連接方向(左右方向)に沿って延在する枠材であり、互いに平行している。後枠27は前枠26よりも低位置にあり、これにより屋根12の水勾配を形成している。本実施形態の場合、前枠26及び後枠27は同一の断面形状を有し、前後対称に設置されている。前枠26は、各屋根材20の前側の端部20aを支持する支持面26aを有する(図3参照)。屋根材20は支持面26aに上から載置され、支持面26aにねじ30で固定される。同様に後枠27は、各屋根材20の後側の端部20bが上から載置され、ねじ30で固定される支持面27aを有する。
【0016】
各枠26,27には、屋根枠22の枠内側(後側)を向いて横向きに突出し、屋根材20の下方に位置するヒレ部32,33が設けられている。前枠26のヒレ部32は、枠内側を向いた上下方向に沿う壁面26bの下部から後向きに突出している。後枠27のヒレ部33は、枠内側を向いた上下方向に沿う壁面27bの下部から前向きに突出している。照明装置18は、各枠26,27のヒレ部32,33の上面側にそれぞれ設けられるが、その構成や設置構造についての詳細は後述する。
【0017】
側枠28,29は、後下がりで前後方向に沿って延在した枠材であり、左右方向で互いに平行している。側枠28,29は、前枠26の左右端部と後枠27の左右端部との間を連結している。さらに側枠28,29は、左右の端に配置された屋根材20の側部を支持している。
【0018】
柱14,15は、例えばステンレスやアルミニウム等で形成された角筒状の支柱部材であり、下端部が地面Gに固定される。一方の柱14は、上端部で後枠27及び一方の梁16を支持している。他方の柱15は、上端部で後枠27及び他方の梁17を支持している。
【0019】
梁16,17は、例えばステンレスやアルミニウム等で形成された角筒状の部材であり、前上がりで前後方向に沿って延在している。梁16,17は、前端部の上面に前枠26の下面がねじ34で固定され、後端部の上面に後枠27の下面がねじ34を用いて固定される(図3参照)。柱14,15の上端部には、例えば上向きに開口した溝状部が設けられ、この溝状部に梁16,17が挿入され、互いに締結される。図3中の参照符号35は、梁16(17)の前端小口を覆うキャップである。梁16,17の前端下面には補助柱36を設置し、屋根12の支持強度を高めることもできる(図1参照)。補助柱36は省略されてもよい。図2及び図3では補助柱36の図示を省略している。
【0020】
フェンス19は、屋外構造物10の後面に設置される目隠しである。フェンス19は、格子38と、複数本の柱39及び柱14,15とで構成されている。
【0021】
格子38は、例えば横向きに延在する帯状の板材38aを上下に複数枚並べて面格子を形成したものである。板材38aは、例えば木製、樹脂製、又は金属製である。格子38は、縦格子やメッシュ構造等で構成してもよい。柱39は、例えばステンレスやアルミニウム等で形成された角筒状の部材であり、下端部が地面Gに固定される。柱39は、屋外構造物10の構造部材である柱14,15と互い違いになるように3本設けられている。
【0022】
格子38は、左右方向に並んだ各柱14,15,39を跨ぐように左右方向に延在し、各柱14,15,39の正面側に支持されている。柱14,15,39と格子38とは、例えば柱14,15,39の側面と格子38の後面との間を連結する断面L字状の取付桟40で連結されている。柱39は省略し、柱14,15のみで格子38を支持してもよい。フェンス19は柱14,15とは別体で自律的に設置されてもよい。フェンス19は省略されてもよい。
【0023】
次に、照明装置18の構成例及びその設置構造について説明する。
【0024】
図3に示すように、照明装置18は、前枠26及び後枠27にそれぞれ設けられる。本実施形態の場合、前枠26及び後枠27にそれぞれ設けられた照明装置18は、互いに前後対称である以外は同一又は同様な構成でよい。そこで、図4図6の図示も含め、以下では後枠27に設置される照明装置18を代表的に説明し、前枠26に設置される照明装置18についての説明は省略する。照明装置18は、前枠26及び後枠27の一方のみに設けられてもよい。
【0025】
図2図5に示すように、照明装置18は、複数の照明デバイス42と、ブラケット44と、アタッチメント部材46とを備える。
【0026】
各照明デバイス42は、細長い棒状に形成され、上を向いた一面(照射面42c)から長手方向に沿って延びたライン状の光を照射可能なラインライトである。照明デバイス42は、例えば細長い棒状に形成され、上面が照射面42cを形成する乳白色等の半透明プレートで形成されたケーシングを有し、ケーシング内にその長手方向に沿って複数の発光チップを並べた構成である。発光チップは、例えばLED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)である。これにより照明デバイス42は、その長手方向に沿って延びた照射面42cから細長いライン状のシームレスな光を照射することができる。照明デバイス42の長さは限定されないが、例えば700mm~1500mm程度である。
【0027】
各照明デバイス42は、それぞれの長手方向(本実施形態では左右方向)に沿って順に並べられ、互いの一部同士がアタッチメント部材46を用いて上下にオーバーラップしている。これにより照明装置18は、平面視において各照明デバイス42の照射面42cが連続して配置され、全体として1本のライン状を成す。具体的には、照明デバイス42の左端部42aは、その左側に隣接する他の照明デバイス42の右端部42bと上下にオーバーラップして配置される。照明デバイス42の右端部42bは、その右側に隣接する他の照明デバイス42の左端部42aと上下にオーバーラップして配置される。この際、各照明デバイス42は、下段の照明デバイス42(以下、「下照明デバイス42」と呼ぶこともある。)と、上段の照明デバイス42(以下、「上照明デバイス42」と呼ぶこともある。)とが交互に並んでいる(図2及び図5参照)。以下、隣接する照明デバイス42同士が互いにオーバーラップした部分をラップ部48と呼ぶ。
【0028】
従って、照明装置18は、ライン状に並んだ複数の照明デバイス42からの光が連続し、照明デバイス42の並び数だけ延びた細長いライン状のシームレスな光を照射することができる。照明デバイス42の設置本数は限定されないが、少なくとも2本以上とされる。図2では5本の場合を例示しているため、その全長は3500mm~7500mm程度となる。なお、照明デバイス42の長手方向でのラップ部48の距離は、照明装置18の全長と各照明デバイス42の長さ及び設置本数等を考慮して適宜調整することができる。
【0029】
このような照明装置18が設置される後枠27のヒレ部33は、図4に示すように、壁面27bの最下部から前方に突出するように設けられ、上方に起立した屈曲片33bが先端に形成されることで略L字状を成している。これによりヒレ部33の上面33a側には、壁面27bと屈曲片33bとの間で上向きに開口する溝部33cが形成される。前枠26のヒレ部32は図4に示すヒレ部33と前後対称構造でよい(図2参照)。
【0030】
ブラケット44は、照明デバイス42及びアタッチメント部材46を後枠27に支持する部材である。ブラケット44は、固定板44aと、底板44bと、一対の脚部44cと、起立板44dと、2つの係合片44e,44fとを有する。ブラケット44は、例えばアルミニウム等の金属や樹脂の押出形材であり、断面略J字状に形成されている。ブラケット44は、照明装置18の全長に亘って延在するものでもよいし(図5参照)、アタッチメント部材46と略同一の長さのピース部品を複数並べて用いてもよい。
【0031】
固定板44aは、上下左右方向に沿って起立した板部であり、壁面27bに対してねじ50で固定される。固定板44aは、照明デバイス42及びアタッチメント部材46と壁面27bとの間に配置される。底板44bは、左右前後方向に沿う板部であり、固定板44aの下部から直交方向に突出している。底板44bの上面は、照明デバイス42及びアタッチメント部材46の設置面となる。一対の脚部44cは、底板44bの前後端部から下方に突出し、その先端がヒレ部33の上面33aに当接する。これにより底板44bは、ヒレ部33の上面33aから脚部44cの高さ分だけ浮き上がった位置に設置される。
【0032】
起立板44dは、底板44bの固定板44a側とは逆側の端部から上方に突出しており、途中がヒレ部33の屈曲片33bの先端を回り込むようにクランクしている。起立板44dは、上下左右方向に沿って起立した板部であり、固定板44aよりも多少高さが低い。これにより固定板44aと起立板44dとの間には、底板44bを底面とする上向きに開口する溝状部が形成されている。この溝状部は、照明デバイス42及びアタッチメント部材46の収容スペースとなる。起立板44dの高さは、上下2段に配置された照明デバイス42の側面よりも高いことが好ましい(図4参照)。これにより起立板44dは、照明デバイス42の側面を覆い隠す目隠し部材として機能し、照明デバイス42が屋外構造物10の外観上に露出することを防止する。ヒレ部33の屈曲片33bの高さが十分に高く、屈曲片33b自体が目隠し部材として機能する場合、ブラケット44は起立板44dを省略した構成としてもよい。
【0033】
係合片44e,44fは、アタッチメント部材46を係合する部分である。係合片44eは、固定板44aの下部であって、底板44bよりも僅かに上から横向きに突出した突出片である。係合片44fは、起立板44dよりも僅かに固定板44a側となる位置で、底板44bの上面から突出した突出片である。ブラケット44は省略してもよく、この場合はアタッチメント部材46を直接的に壁面27b及びヒレ部33に対して固定すればよい。
【0034】
アタッチメント部材46は、照明デバイス42を上下2段に配置すると共に、各照明デバイス42を長手方向及び上下方向に位置決めするものである。図4及び図5に示すように、アタッチメント部材46は、ブラケット44に装着される断面略コ字状(略逆U字状)の部材であり、例えばアルミニウム等の金属や樹脂の押出形材である。アタッチメント部材46は、載置板46aと、一対の脚部46b,46cとを有する。アタッチメント部材46は、下照明デバイス42を上から跨ぐように配置され、上照明デバイス42の載置台となる。
【0035】
載置板46aは、左右前後方向に沿う板部であり、下照明デバイス42の照射面42cの一部(端部42a又は42b)を覆うように配置される。載置板46aの上面は、上照明デバイス42の載置面となる。上照明デバイス42は、例えば略U字状に形成された板ばね52で保持される。上照明デバイス42は、この板ばね52がアタッチメント部材46にねじ54で固定されることで載置板46aに固定される。下照明デバイス42も同様に板ばね52で保持され、この板ばね52がブラケット44の底板44bにねじ55で固定されることでブラケット44に固定される。
【0036】
脚部46bは、載置板46aの後端部から下向きに突出し、先端が係合片44eに係合される。脚部46cは、載置板46aの前端部から下向きに突出し、先端が係合片44fに係合される。脚部46b,46cの高さは、下照明デバイス42の高さよりも高い。これによりアタッチメント部材46は、下照明デバイス42を上から跨ぐように設けることができる。
【0037】
本実施形態のアタッチメント部材46は、2つのラップ部48で兼用される。上記したように照明装置18は下照明デバイス42と上照明デバイス42とが交互に並べられている。図5に示すように、アタッチメント部材46は、相互間に上照明デバイス42を介して左右に配置された2本の下照明デバイス42,42のうち、一方の下照明デバイス42の右端部42bと他方の下照明デバイス42の左端部42aとを同時に跨ぐように配置される。そして、1本の上照明デバイス42が、2本の下照明デバイス42,42を跨ぐアタッチメント部材46の載置板46a上に配置される。
【0038】
このように照明装置18は、例えば照明デバイス42が3本の場合はアタッチメント部材46を1つ用い、照明デバイス42が5本の場合はアタッチメント部材46を2つ用いる構成となる。従って、アタッチメント部材46の長手方向の長さは、上照明デバイス42の長さと同等程度であることが好ましい。これにより本実施形態では、アタッチメント部材46の部品点数を最小限に抑え、部品コストを低減している。なお、照明装置18の全長は、下照明デバイス42のアタッチメント部材46の下側への挿入距離を変更することで容易に調整できる。
【0039】
ここで、後枠27に対する照明装置18の設置方法の一手順を説明する。
【0040】
先ず、ヒレ部33の溝部33cにブラケット44を嵌合し、ねじ50で壁面27bに固定する。そうするとブラケット44は、脚部44cによって底板44bが上面33aから底上げされた位置に配置される。これにより底板44bの上に設置される照明デバイス42が雨水等の排水で濡れることが抑制される。また、ブラケット44の起立板44dがヒレ部33の屈曲片33bの上に重ねて配置され、屈曲片33bの高さが実質的に延長される。これにより上下2段に配置される照明デバイス42の側面が起立板44dで目隠しされ、照明デバイス42が目立ちにくくなる。
【0041】
次に、下照明デバイス42を所定間隔毎に底板44bの上面に並べ、それぞれねじ55で固定する。続いて、所定間隔を設けて並べた下照明デバイス42の端部42b,42aを同時に跨ぐようにアタッチメント部材46を適宜設置し、脚部46b,46cを係合片44e,44fに係合させる。最後に、各アタッチメント部材46の載置板46aに上照明デバイス42を載置し、ねじ54で固定する。これにより照明装置18の後枠27に対する設置作業が完了する。前枠26側の照明装置18もこのような後枠27側の照明装置18と同様な手順で設置できる。
【0042】
この場合、本実施形態の屋外構造物10は、それぞれの長手方向に沿って順に並べられた複数の細長い棒状の照明デバイス42を有する照明装置18を備える。そして、隣接する照明デバイス42,42では、互いの一部同士が長手方向に直交する方向(図4では上下方向)に対してオーバーラップしている。つまり照明装置18は、照明デバイス42同士が互いにオーバーラップしながら長手方向に沿って順に並べられる。このため、隣接する照明デバイス42が照射する光の繋ぎ目が目立たず、相互間に隙間が形成されることを抑制できる。従って、照明装置18は、全体としてシームレスな光を照射することができ、点灯時の意匠性が向上する。
【0043】
すなわち、一般的な棒状の照明デバイスは、強度や取扱性の問題から、その長さは1500mm程度までに限られている。一方、例えばカーポートは左右長さが5000mm以上ある。このため、1本の照明デバイスでは、カーポートの枠材の全長に配置することはできない。また、棒状の照明デバイスは、単にライン状に並べただけでは、隣接する照明デバイス間の隙間や位置ずれによって照明欠損を生じ、特にLEDのような指向性の高い照明ではこの問題が顕著となる。この点、本実施形態の照明装置18は、複数の照明デバイス42を並べて配置しつつ、相互間にラップ部48を設けたことで、光の隙間を減らし、品質のよい照明(間接照明)の構築が可能となる。
【0044】
特に、図4及び図5に示す照明装置18は、アタッチメント部材46を介して隣接する照明デバイス42同士をオーバーラップさせることで、互いの照射面42cを長手方向に沿って連続して配置できる。このため、照明装置18は、照明デバイス42がLEDのような指向性の高い照明である場合であっても、照射面42cからの光を途切れることなく1本のライン状に連続させることができる。さらにアタッチメント部材46を介して照明デバイス42を並べることで、照明装置18はその全長の調整が容易となる。このため、屋根12のサイズ毎の専用の全長を有する照明装置18の設定が不要となり、汎用性が向上し、製品コストを低減できる。
【0045】
当該屋外構造物10では、屋根材20を支持する枠材である前枠26及び後枠27がその長手方向に延在するヒレ部32,33を有する。そして、アタッチメント部材46は枠材に固定され、照明装置18は屋根材20の下方にあるヒレ部32,33の上面側に配置される。このため屋外構造物10は、屋根材20を下方から見上げた際に照明装置18がヒレ部32,33で隠され、照明装置18が外観上に露出しない。また各照明デバイス42からの光は、屋根材20の下面に光が照射されることで間接照明として高い意匠性を獲得できる。特に、本実施形態では、ヒレ部33の屈曲片33bの高さをブラケット44の起立板44dで補完しているため、上下2段重ねの照明デバイス42の側面を確実に覆うことができる。このため、照明装置18が外観上から一層見えにくく、また屋根材20の下面に光が照射されることで点灯時の意匠性が一層向上する。
【0046】
なお、アタッチメント部材46を介してオーバーラップさせた照明デバイス42は、照射面42cが上方を向いた姿勢以外であってもよく、例えば各照射面42cが斜め上方を向いた姿勢や横を向いた姿勢等としてもよい。
【0047】
図6に示すように、屋外構造物10は、照明装置18に代えて、照明デバイス42を上下ではなく左右に互い違いに配置した照明装置18Aを用いてもよい。照明装置18Aは、アタッチメント部材46を用いず、ブラケット44の底板44bの上面に照明デバイス42を並べたものである。照明装置18Aにおいて、隣接する照明デバイス42同士は、互いの一部(端部42a,42b)同士が長手方向に直交する方向(前後方向)に対してオーバーラップし、これによりラップ部48を構成している。
【0048】
このような照明装置18Aを備える屋外構造物10においても、隣接する照明デバイス42が長手方向に沿って連続するため、光に繋ぎ目ができることを抑制できる。但し、照明装置18Aは、隣接する照明デバイス42からの光が多少前後に位置ずれする。このため、照明装置18Aの各照明デバイス42からの光は波状のラインとなる点で、1本のライン状を成す照明装置18よりも意匠性は劣る。しかしながら照明装置18Aは、照明デバイス42が平面方向にオーバーラップしていることで高さ寸法を抑えることができるため、高さの低いスペースにも容易に設置できるという利点がある。
【0049】
以上のように、本発明の一態様に係る屋外構造物は、照明装置を備える屋外構造物であって、前記照明装置は、それぞれの長手方向に沿って順に並べられた複数の細長い棒状の照明デバイスを備え、隣接する前記照明デバイスでは、互いの一部同士が前記長手方向に直交する方向に対してオーバーラップしている。このような構成によれば、隣接する照明デバイス間で光の繋ぎ目が目立つことを抑制することができる。
【0050】
前記照明デバイスは、光を照射する照射面を一面に有し、前記一面側から見た場合に、前記隣接する照明デバイスの照射面が連続して配置された構成としてもよい。そうすると、各照明デバイスからの光が1本のライン状に形成されるため、意匠性が向上する。
【0051】
前記照射面は、前記照明デバイスの上面に設けられ、前記隣接する照明デバイスは、互いの一部同士が上下にオーバーラップした状態で配置され、前記照明装置は、さらに、前記上下にオーバーラップした照明デバイスのうち、下段の照明デバイスの一部を上から跨ぐように設けられ、上段の照明デバイスの載置台となるアタッチメント部材を備える構成としてもよい。そうすると、隣接する照明デバイス間で光の繋ぎ目が目立つことを一層抑制することができる。
【0052】
前記照明装置は、3本以上の前記照明デバイスを備えると共に、前記下段の照明デバイスと前記上段の照明デバイスとが交互に並べられ、前記アタッチメント部材は、相互間に前記上段の照明デバイスを介して配置された2本の前記下段の照明デバイスの一部を同時に跨いで配置されることで、該2本の前記下段の照明デバイスの上に1本の前記上段の照明デバイスを配置した構成としてもよい。そうすると、アタッチメント部材の部品点数を抑え、部品コストを低減することができる。
【0053】
互いに連接された複数の屋根材と、前記屋根材の連接方向に延在し、前記屋根材の端部を支持する枠材と、をさらに備え、前記枠材は、その長手方向に延在し、前記屋根材よりも下方に設けられたヒレ部を有し、前記照明装置は、前記ヒレ部の上面側に配置され、前記屋根材の下面に向けて光を照射する構成としてもよい。そうすると、屋根材を下方から見上げた際に照明装置がヒレ部で隠されるため、照明装置によって屋外構造物の外観品質が低下することを抑制できる。また、各照明デバイスからの光が屋根材の下面に反射することで、シームレスな間接照明が構築され、点灯時の意匠性が一層向上する。
【0054】
さらに、前記ヒレ部の上面側に配置された前記照明装置の側面を覆う目隠し部材を備える構成としてもよい。そうすると、照明装置によって屋外構造物の外観品質が低下することを一層抑制できる。
【0055】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【符号の説明】
【0056】
10 屋外構造物、12 屋根、18,18A 照明装置、20 屋根材、22 屋根枠、26 前枠、27 後枠、32,33 ヒレ部、42 照明デバイス、44 ブラケット、46 アタッチメント部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6