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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152157
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/646 20150101AFI20241018BHJP
   B64U 80/70 20230101ALI20241018BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20241018BHJP
   B64U 10/17 20230101ALI20241018BHJP
   E05D 15/10 20060101ALI20241018BHJP
   E01F 3/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
E05F15/646
B64U80/70
B64U10/13
B64U10/17
E05D15/10
E01F3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066191
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】小野 右季
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼我 隆之
【テーマコード(参考)】
2E034
2E052
【Fターム(参考)】
2E034GA01
2E034GB15
2E052AA02
2E052AA09
2E052CA06
2E052DA04
2E052DB04
2E052EA12
2E052EA13
2E052EB01
2E052EC01
(57)【要約】
【課題】内部と外部を仕切る仕切板に対し垂直に通る開口を全開及び全閉することができ、仕切板の内側に梁等があっても全閉時に扉の外面をその周囲の外面と面一にできる開閉装置を提供する。
【解決手段】開閉装置10が、仕切板P(水平床3)に対し垂直に通る開口4の内面に近接して位置する扉12と、仕切板Pの内側に設けられた駆動装置20と、を備え、開口4を全開及び全閉する。駆動装置20は、開口を全開する全開位置FOと開口を全閉する全閉位置FCとの間で扉12を移動する。全閉動作において、全開位置FOから開口の真下まで扉12を水平移動し、次いで扉12を全閉位置FCまで鉛直に上昇させる。全開動作において、全閉位置FCから扉12を鉛直に下降させ、次いで全開位置FOまで扉12を水平移動する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部と外部を仕切る仕切板に対し垂直に通る開口を全開及び全閉する開閉装置であって、
外縁が前記開口の内面に近接して位置する扉と、
前記仕切板の内側に設けられた駆動装置と、を備え、
前記駆動装置は、前記開口を全開する全開位置と前記開口を全閉する全閉位置との間で前記扉を移動し、
前記全閉位置において、前記扉の扉外面は前記仕切板の仕切外面と面一に位置し、
全閉動作において、前記全開位置から前記開口に対し垂直方向の内方位置まで前記扉を前記仕切外面に対し平行に移動し、次いで前記扉を前記全閉位置まで前記開口に対し垂直方向外方に移動し、
全開動作において、前記全閉位置から前記扉を前記開口に対し垂直方向内方に移動し、次いで前記全開位置まで前記扉を前記仕切外面に対し平行に移動する、開閉装置。
【請求項2】
前記仕切板は、上面が水平な水平床であり、
前記全閉位置において、前記扉の上面は前記水平床の上面と同一高さに位置し、
前記全閉動作において、前記全開位置から前記開口の真下まで前記扉を水平移動し、次いで前記扉を前記全閉位置まで鉛直に上昇させ、
前記全開動作において、前記全閉位置から前記扉を鉛直に下降させ、次いで前記全開位置まで前記扉を水平移動する、請求項1の開閉装置。
【請求項3】
前記仕切板は、外面が鉛直な鉛直壁であり、
前記全閉動作において、前記全開位置から前記開口と同一高さまで前記扉を昇降し、次いで前記扉を前記全閉位置まで水平移動させ、
前記全開動作において、前記全閉位置から前記扉を内方へ水平移動させ、次いで前記全開位置まで前記扉を昇降する、請求項1の開閉装置。
【請求項4】
平面視で前記開口の中心Oに対し、前記水平移動の方向をX方向、これに直交する水平方向をY方向と定義し、
前記駆動装置は、
前記扉の下方に固定され、Y方向の両側に固定された1対の扉支持部材と、
床下の開口両側の対称位置に設けられ前記扉支持部材を移動する1対の駆動機構と、
1対の前記駆動機構を同期駆動する同期駆動装置と、を有する、請求項2に記載の開閉装置。
【請求項5】
前記扉支持部材は、前記開口の外側までY方向に延びかつX方向に間隔を隔てた1対の水平支持棒を有し、
前記駆動機構は、
前記水平床の下方に固定され、1対の前記水平支持棒をX方向と鉛直方向にそれぞれ案内するL型案内溝を有するガイド部材と、
X方向に1対の前記水平支持棒と同じ間隔を隔てて位置し、前記ガイド部材に対しX方向に移動可能に設けられ、1対の前記水平支持棒を鉛直面内でそれぞれ斜めに案内する傾斜案内溝を有するドライブプレートと、を有する、請求項4に記載の開閉装置。
【請求項6】
前記ドライブプレートは、前記傾斜案内溝の上端部と連通し前記傾斜案内溝の傾斜方向に水平に延びる水平案内溝を有する、請求項5に記載の開閉装置。
【請求項7】
1対の前記水平支持棒は、前記扉の上面から使用状態において同一高さに設定されおり、
前記ガイド部材は、前記水平支持棒の一方をX方向と鉛直方向に案内する第1L型案内溝を有する第1ガイドプレートと、前記水平支持棒の他方をX方向と鉛直方向に案内する第2L型案内溝を有する第2ガイドプレートと、を有する、請求項5に記載の開閉装置。
【請求項8】
前記開口の中心に近い側の前側支持棒が遠い側の後側支持棒より、前記扉の上面から使用状態において低く設定されており、
前記ガイド部材は、前記水平支持棒の一方をX方向と鉛直方向に案内する第1L型案内溝と前記水平支持棒の他方をX方向と鉛直方向に案内する第2L型案内溝を有する単一の第1ガイドプレートからなり、
前記第1L型案内溝に対し前記第2L型案内溝の水平溝は、下方に位置する、請求項5に記載の開閉装置。
【請求項9】
前記水平支持棒の先端部近傍に軸心を中心に自由回転可能に取り付けられ、前記L型案内溝に嵌合する外側ローラと、
前記水平支持棒の前記外側ローラより内側に軸心を中心に自由回転可能に取り付けられ、前記傾斜案内溝に嵌合する内側ローラと、を有する、請求項7又は8に記載の開閉装置。
【請求項10】
前記同期駆動装置は、
1本の駆動軸と2本の従動軸からなり、1対の前記ガイド部材のX方向両端部の同一高さにそれぞれ回転可能に支持され、Y方向に水平に延びる同期軸と、
1対の前記ガイド部材の外側においてX方向に間隔を隔てて対向する1対のプーリの間にエンドレスにかけわたされている1対のタイミングベルトと、
前記ガイド部材の一端に固定されており、前記駆動軸を回転駆動する駆動モータと、
1対の前記タイミングベルトの下側水平部分と前記ドライブプレートの下端部分とを連結する1対のベルト連結金具と、を有する、請求項5に記載の開閉装置。
【請求項11】
前記駆動軸と前記従動軸は、前記開口を間に挟んでそのX方向の外側に位置し、
前記従動軸は、前記ガイド部材のY方向の内面より外側に位置する、請求項10に記載の開閉装置。
【請求項12】
前記駆動軸は、前記開口から離れた前記ガイド部材のX方向の外方端部に位置し、
前記従動軸は、前記開口の近傍であって、前記ガイド部材のY方向の内面より外側に位置する、請求項10に記載の開閉装置。
【請求項13】
前記同期駆動装置は、
前記全閉位置において1対の前記ドライブプレートを前記開口の真下から離れた位置で連結するプレート連結金具と、
前記プレート連結金具のX方向の外方に固定され、前記プレート連結金具をX方向に駆動する単一の直動装置と、を有する、請求項5に記載の開閉装置。
【請求項14】
前記同期駆動装置は、
前記開口のY方向外側に設置され、1対の前記ドライブプレートをX方向にそれぞれ単独に駆動する1対の直動装置と、
1対の前記直動装置を同期制御する同期制御装置と、を有する、請求項5に記載の開閉装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部と外部を仕切る仕切板に対し垂直に通る開口を全開及び全閉する開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水平面を鉛直に通る開口を全開及び全閉する開閉装置は、例えばドローンポートに用いられる。
ドローンポートとは、小型の無人ヘリコプターの一種であるドローンが離着陸する基地を意味する。ドローンポートにおいて、ドローンが離着陸する離着陸面を鉛直に通る開口を設け、この開口を全開及び全閉する開閉装置を備えることがある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-46110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の「ドローンポート」には、以下の記載がある。
「ドローンポートは、貫通孔を開閉可能な閉鎖扉とこれを駆動する開閉駆動装置とを備える。
この例で、閉鎖扉は貫通孔を全開する全開位置と全閉する全閉位置との間で水平移動する。また、開閉駆動装置は、例えばラックとピニオン、直動シリンダ、等であり、閉鎖扉を全開位置と全閉位置との間で移動する。
貫通孔を全閉する全閉位置において、閉鎖扉は貫通孔の外縁部との間を液密にシールし、雨水が貫通孔から内部に流入しないようになっている。」
【0005】
しかし、特許文献1の手段には、以下の問題点があった。
特許文献1の閉鎖扉は、ドローンが離着陸する離着陸面(水平面)の下方に位置し、全開位置と全閉位置との間で水平移動する。そのため、離着陸面の下に梁等がある場合、閉鎖扉の上面はドローン支持面よりも梁高以上の下方に位置し、ドローン支持面に大きな段差が発生する。
離着陸面に段差があるとドローンの着陸の際に引っかかるなどの支障が発生する。そのため、開口を全閉する扉の上面を離着陸面と同一高さにすることが要望されていた。
【0006】
また、特許文献1の閉鎖扉と貫通孔(開口)の外縁部との間を液密にシールするシール部材は、閉鎖扉の水平移動の大部分において例えば離着陸面の床下と摺動するため短時間で消耗し耐久性に乏しい。このシール部材が損傷すると内部に保管した荷物が雨水でダメージを受ける可能性がある。
そのため、開口を全閉する扉と開口の内面との隙間を十分小さく設定でき、かつその間のシール部材の耐久性を高めることが要望されていた。
【0007】
また、ドローンポートにおいては、離着陸面の真下に搬送装置を設け、離着陸面上のドロ-ンと搬送装置との間で荷物を鉛直に昇降させて受け渡すことがある。
そのため、離着陸面と搬送装置の高低差を可能な限り小さくすることが要望されていた。
【0008】
本発明は上述した要望を満たすために創案されたものである。すなわち、本発明の第1の目的は、内部と外部を仕切る仕切板に対し垂直に通る開口を全開及び全閉することができ、仕切板の内側に梁等があっても全閉時に扉の外面をその周囲の外面と面一にできる開閉装置を提供することにある。
また、第2の目的は、全閉時に扉と開口の内面との隙間を十分小さくでき、シール部材の耐久性を高め、かつ、開閉機構の必要厚さを小さく設定できる開閉装置を提供することにある。
さらに第3の目的は、開口の全開及び全閉に必要となるアクチュエータ数が少なく、かつ制御が容易な開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、内部と外部を仕切る仕切板に対し垂直に通る開口を全開及び全閉する開閉装置であって、
外縁が前記開口の内面に近接して位置する扉と、
前記仕切板の内側に設けられた駆動装置と、を備え、
前記駆動装置は、前記開口を全開する全開位置と前記開口を全閉する全閉位置との間で前記扉を移動し、
前記全閉位置において、前記扉の扉外面は前記仕切板の仕切外面と面一に位置し、
全閉動作において、前記全開位置から前記開口に対し垂直方向の内方位置まで前記扉を前記仕切外面に対し平行に移動し、次いで前記扉を前記全閉位置まで前記開口に対し垂直方向外方に移動し、
全開動作において、前記全閉位置から前記扉を前記開口に対し垂直方向内方に移動し、次いで前記全開位置まで前記扉を前記仕切外面に対し平行に移動する、開閉装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、仕切板の内側に設けられた駆動装置が、開口を全開する全開位置と開口を全閉する全閉位置との間で扉を移動するので、仕切板に対し垂直に通る開口を全開及び全閉することができる。
【0011】
また、全閉動作において扉を全閉位置まで開口に対し垂直方向外方に移動し、全開動作において全閉位置から扉を開口に対し垂直方向内方に移動するので、仕切板の内側に梁等があっても全閉時に扉の外面をその周囲の外面と面一にできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による開閉装置を備えたドローンポートの説明図である。
図2】第1実施形態の開閉装置の説明図である。
図3】扉支持部材の説明図である。
図4】駆動機構の説明図である。
図5】第1実施形態の開閉装置の作動説明図である。
図6】第2実施形態の開閉装置の説明図である。
図7】第3実施形態の開閉装置の説明図である。
図8】第3実施形態の開閉装置の作動説明図である。
図9】第4実施形態の開閉装置の説明図である。
図10】開閉機構の比較図である。
図11】第5実施形態の開閉装置の説明図である。
図12】第6、第7実施形態の開閉装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0014】
図1は、本発明による開閉装置10を備えたドローンポート100の説明図であり、(A)は上面図、(B)は上面図から内部と外部を仕切る仕切板Pを除去した平面図である。
この例において、仕切板Pは、上面が水平な水平床3である。
【0015】
図1(A)において、ドローンポート100の上面はドローン(図示せず)が離着陸する離着陸面2である。離着陸面2は、水平床3で構成され、その一部に開口4を有する。開口4は、仕切板Pに対し垂直(この例では水平床3を鉛直)に通るように形成されている。
この例において、開口4は正方形であるが、長方形でもその他の形状であってもよい。
【0016】
以下、開口4の中心Oに対し、互いに直交する水平方向をX方向及びY方向と定義する。
また、説明のためX方向の中心Oに近い側を「前」、遠い側を「後」とし、後方向から中心Oを見たときのY方向の右側を「右」、左側を「左」とする。
【0017】
水平床3は、水平面内で互いに直交する複数の梁5で支持されている。
また、開口4は1対のX方向梁5aと、1対のY方向梁5bの間に設けられている。X方向梁5aとY方向梁5bの上面は、同一平面に構成され、水平床3を支持する。
【0018】
図1(B)において、本発明による開閉装置10は、X方向梁5aとY方向梁5bの下面に固定されている。開閉装置10は、開口4を全開及び全閉する装置である。
【0019】
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態の開閉装置10の説明図であり、(A)は上面図、(B)は(A)のB-B矢視図である。
この図において、開閉装置10は、扉12と駆動装置20を備える。
【0020】
扉12は、平面視で外縁が開口4の内面に近接して位置する。
駆動装置20は、仕切板Pの内側(この例では水平床3の下方)に設けられ、1対の扉支持部材22と、1対の駆動機構26と、同期駆動装置30とを有する。
1対の扉支持部材22と1対の駆動機構26は、開口4の中心Oを通りX方向に延びる鉛直面(図のB-B線)に対し、対称に設けられている。
【0021】
図3は、扉支持部材22の説明図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
この図において、1対の扉支持部材22は、扉12の下方であってY方向の両側に固定されている。
この例で扉支持部材22は、それぞれ2本の水平支持棒23を有する。
【0022】
以下、開口4の中心Oに近い側の水平支持棒23を「前側支持棒23a」、遠い側の水平支持棒23を「後側支持棒23b」と呼ぶ。
この例で、後側支持棒23bは前側支持棒23aよりも長く設定されている。
【0023】
2本の水平支持棒23は、互いに平行に位置し、かつ扉12の上面から使用状態において同一高さに設定されている。
また、水平支持棒23の先端部近傍に外側ローラ24aが、その内側に内側ローラ24bが、それぞれ軸心を中心に自由回転可能に取り付けられている。
外側ローラ24aは、後述するL型案内溝28に嵌合し、内側ローラ24bは、後述する傾斜案内溝29aに嵌合する。
外側ローラ24aと内側ローラ24bはそれぞれ鍔付きローラであるのがよいが、鉛直面(図2のB-B線)に対し対称位置の一方を鍔無しにしてもよい。
【0024】
図4は、駆動機構26の説明図であり、(A)は駆動機構26のみの図2(B)のB-B矢視図、(B)は、駆動機構26の構成図である。
1対の駆動機構26は、床下の開口両側の対称位置に設けられ扉支持部材22を移動する機能を有する。
【0025】
図4(B)において、駆動機構26は、ガイド部材27とドライブプレート29を有する。
【0026】
ガイド部材27は、この例では、第1ガイドプレート27Aと第2ガイドプレート27Bからなる。
ガイド部材27は、水平床3の下方に固定され、1対の水平支持棒23をX方向の水平方向と鉛直方向にそれぞれ案内するL型案内溝28を有する。
L型案内溝28は、この例では、第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bからなる。
【0027】
第1ガイドプレート27Aは、水平支持棒23の一方(この例で後側支持棒23b)の外側ローラ24aをX方向の水平方向と鉛直方向に案内する第1L型案内溝28aを有する。
第1L型案内溝28aは、後側支持棒23bの外側ローラ24aを水平方向から鉛直方向まで連続して案内するように構成されている。第1L型案内溝28aの水平溝と鉛直溝の交叉部は、外側ローラ24aを円滑に案内する円弧面に構成されている。
【0028】
第2ガイドプレート27Bは、水平支持棒23の他方(この例で前側支持棒23a)の外側ローラ24aをX方向の水平方向と鉛直方向に案内する第2L型案内溝28bを有する。
第2L型案内溝28bは、前側支持棒23aの外側ローラ24aを水平方向から鉛直方向まで連続して案内するように構成されている。第2L型案内溝28bの水平溝と鉛直溝の交叉部も、外側ローラ24aを円滑に案内する円弧面に構成されている。
また、第2ガイドプレート27Bは、第1L型案内溝28aの鉛直溝に重なる位置に、水平支持棒23が通る鉛直溝28cを有している。
【0029】
さらに第2ガイドプレート27Bはその下部内側にX方向に水平に延びるリニアガイド25を有する。リニアガイド25は、ドライブプレート29をX方向に水平移動可能に案内する。
【0030】
上述した第1ガイドプレート27Aと第2ガイドプレート27Bは、第1ガイドプレート27Aを外側にし、その間に一定の隙間を隔てて重ねて固定されている。この隙間は、外側ローラ24aの鍔の厚さより大きく設定されている。
【0031】
ドライブプレート29は、1対の傾斜案内溝29aを有する。1対の傾斜案内溝29aは、X方向に1対の水平支持棒23と同じ間隔を隔てて位置し、1対の水平支持棒23の内側ローラ24bを鉛直面内でそれぞれ斜めに移動可能に案内する。傾斜案内溝29aの傾斜角度は、水平に対し45°~70°(好ましくは60°)に設定されている。
ドライブプレート29は、第2ガイドプレート27Bのリニアガイド25により、ガイド部材27に対しX方向に水平移動可能に設けられ、1対の傾斜案内溝29aが同一高さに位置するように構成されている。
【0032】
図2において、同期駆動装置30は、1対の駆動機構26を同期駆動する。
同期駆動装置30は、同期軸32、1対のタイミングベルト34、及び駆動モータ36を有する。
【0033】
同期軸32は、この例では、1本の駆動軸32aと2本の従動軸32bである。駆動軸32aと従動軸32bは、1対のガイド部材27(この例では第1ガイドプレート27A)のX方向両端部の同一高さにそれぞれ回転可能に支持され、Y方向に水平に延びる。また、駆動軸32aと従動軸32bには、1対のガイド部材27の外側においてそれぞれタイミングベルト用のプーリ33が固定されている。
【0034】
この例において、駆動軸32aと従動軸32bは、開口4を間に挟んでそのX方向の外側に位置し、従動軸32bは、ガイド部材27のY方向の内面より外側に位置する。
【0035】
1対のタイミングベルト34は、1対のガイド部材27の外側においてX方向に間隔を隔てて対向する1対のプーリ33の間にエンドレスにかけわたされている。
【0036】
駆動モータ36は、ガイド部材27の一端(この例で右端部)に固定されており、駆動軸32aを回転駆動するようになっている。
【0037】
1対のタイミングベルト34は、プーリ33の下端を結ぶ水平部分の高さがガイド部材27の下端と同一又はそれより下方に設定されている。
同期駆動装置30は、さらに、1対のタイミングベルト34の下側水平部分とドライブプレート29の下端部分とを連結する1対のベルト連結金具38を有する。
【0038】
上述した同期駆動装置30の構成により、駆動モータ36により駆動軸32aを回転駆動することで、1対のタイミングベルト34を同期して駆動し、1対のベルト連結金具38を介して1対のドライブプレート29を同期してX方向の前後に移動させることができる。
【0039】
図5は、第1実施形態の開閉装置10の作動説明図である。この図において、(A)は全閉位置FC、(B)は昇降下端位置、(C)は全開位置FOを示している。
【0040】
(全閉位置)
図5(A)の全閉位置FCにおいて、扉12の扉外面は仕切板Pの仕切外面と面一に位置する。すなわちこの例では、扉12は開口4の内側に位置し、扉12の上面は水平床3の上面(離着陸面2)と同一高さに位置する。
扉12の下方に固定された水平支持棒23の2組(4つ)の内側ローラ24bは、ドライブプレート29の2対の傾斜案内溝29aの内側の上部に嵌合している。
この構成により、2対の傾斜案内溝29aを介して2組(4つ)の内側ローラ24bを同一高さに保持し、扉12の上面を水平に保持することができる。
また、この位置において、水平支持棒23の2組(4つ)の外側ローラ24a(図示せず)は、第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bの鉛直部分の内側上部に嵌合している。
【0041】
(全開位置)
図5(C)の全開位置FOにおいて、扉12は開口4からX方向の後方に離れた水平床3の下方に位置し、扉12の上面は梁5の下端より下方に位置する。
扉12の下方に固定された水平支持棒23の2組(4つ)の内側ローラ24bは、ドライブプレート29の2対の傾斜案内溝29aの内側の下部に嵌合している。
この構成においても、2対の傾斜案内溝29aを介して2組(4つ)の内側ローラ24bを同一高さに保持し、扉12の上面を水平に保持することができる。
また、この位置において、水平支持棒23の2組(4つ)の外側ローラ24a(図示せず)は、第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bの水平部分の内側に嵌合している。
【0042】
図5(A)と図5(C)において、ドライブプレート29の高さは同一であり、上述したように、駆動モータ36により駆動軸32aを回転駆動することで、1対のベルト連結金具38を介して1対のドライブプレート29を同期してX方向の前後に移動させることができる。
【0043】
(昇降下端位置)
図5(B)の昇降下端位置において、扉12は開口4の内側の真下に位置し、扉12の上面は離着陸面2の高さから下方に離れて位置する。
扉12の下方に固定された水平支持棒23の2組(4つ)の内側ローラ24bは、ドライブプレート29の2対の傾斜案内溝29aの内側の下部に嵌合している。
この構成においても、2対の傾斜案内溝29aを介して2組(4つ)の内側ローラ24bを同一高さに保持し、扉12の上面を水平に保持することができる。
また、この位置において、水平支持棒23の2組(4つ)の外側ローラ24a(図示せず)は、第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bの水平部分と鉛直部分の交叉部の内側に嵌合している。
【0044】
駆動装置20は、開口を全開する全開位置FOと開口を全閉する全閉位置FCとの間で扉12を移動する。
【0045】
(全閉動作)
駆動機構26により1対のドライブプレート29を同期して全開位置FO(図5(C))からX方向前方に水平移動させると、L型案内溝28の水平部分と傾斜案内溝29aに案内されて、開口真下の昇降下端位置(図5(B))まで扉12が水平移動する。この水平移動中は、外側ローラ24aは、第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bの水平部分のみを移動可能に案内されている。
【0046】
次いで1対のドライブプレート29を同期してX方向前方にさらに移動させると、昇降下端位置(図5(B))からL型案内溝28の鉛直部分と傾斜案内溝29aとに案内されて、扉12が全閉位置FC(図5(A))まで鉛直に上昇する。この鉛直上昇中は、X方向前方側には第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bの水平部分が無いので、外側ローラ24aは、第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bの鉛直部分のみを移動可能に案内されている。
【0047】
(全開動作)
駆動機構26により1対のドライブプレート29を同期して全閉位置FC(図5(A))からX方向後方に水平移動させると、L型案内溝28の鉛直部分と傾斜案内溝29aとに案内されて、開口真下の昇降下端位置(図5(B))まで扉12が鉛直に下降する。この鉛直下降中は、外側ローラ24aは、第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bの鉛直部分のみを移動可能に案内されている
【0048】
次いで1対のドライブプレート29を同期してX方向後方にさらに移動させると、第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bの水平部分と傾斜案内溝29aに案内されて、全開位置FO(図5(C))まで扉12が水平移動する。この水平移動中は、昇降下端位置より下方に第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bの鉛直部分が無いので、外側ローラ24aは、第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bの水平部分のみを移動可能に案内されている。
【0049】
上述したように、開閉装置10は、全開動作において、全閉位置FCから扉12を鉛直に下降させ、次いで全開位置FOまで扉12を水平移動し、全開動作において、全閉位置FCから扉12を鉛直に下降させ、次いで全開位置FOまで扉12を水平移動する。
すなわち、開閉装置10は、全開位置FOから開口4に対し垂直方向の内方位置まで扉12を仕切外面に対し平行に移動し、次いで扉12を全閉位置FCまで開口4に対し垂直方向外方に移動する。また、全開動作において、全閉位置FCから扉12を開口4に対し垂直方向内方に移動し、次いで全開位置FOまで扉12を仕切外面に対し平行に移動する。
【0050】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態の開閉装置10の説明図である。この図において、(A)はドライブプレート29の側面図、(B)は全閉位置FCの開閉装置10の側面図である。
以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0051】
図6(A)において、ドライブプレート29は、傾斜案内溝29aの上端部と連通し傾斜案内溝29aの傾斜方向に水平に延びる水平案内溝29bを有する。傾斜案内溝29aの傾斜溝と水平案内溝29bの交叉部は、内側ローラ24bを円滑に案内する円弧面に構成されている。
【0052】
図6(B)の全閉位置FCにおいて、扉12の下方に固定された水平支持棒23の2組(4つ)の内側ローラ24bは、ドライブプレート29の2対の水平案内溝29bに嵌合している。
この構成により、全閉位置FCにおいて、扉12の上部から外力が作用しても、2組(4つ)の内側ローラ24bを2対の水平案内溝29bで支持するので、扉12を全閉位置FCに保持することができる。
【0053】
扉12の全閉動作と全開動作は、ドライブプレート29を水平案内溝29bの長さ分だけ余分に移動する点を除き、第1実施形態と同様である。
【0054】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態の開閉装置10の説明図である。この図において、(A)は図4(A)と同様の駆動機構26のみの側面図、(B)は駆動機構26の構成図、(C)は図3(B)と同様の扉支持部材22の側面図である。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0055】
図7(B)において、ガイド部材27は、この例では、単一の第1ガイドプレート27Aのみからなる。
L型案内溝28は、第1ガイドプレート27Aに設けれた第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bからなる。
また、第1L型案内溝28aに対し第2L型案内溝28bの水平溝は、下方に位置する。
【0056】
図7(B)において、ドライブプレート29の前側の傾斜案内溝29aが後側の傾斜案内溝29aより低く設定されている。この高さの差は、第1L型案内溝28aに対し第2L型案内溝28bの水平溝の高低差と同じである。
【0057】
図7(C)において、前側支持棒23aが後側支持棒23bより、扉12の上面から使用状態において低く設定されている。この高さの差は、第1L型案内溝28aに対し第2L型案内溝28bの水平溝の高低差と同じである。
また、この例では、前側支持棒23aと後側支持棒23bの長さは同じであり、それぞれの同一位置に外側ローラ24aと内側ローラ24bが軸心を中心に自由回転可能に取り付けられている。
【0058】
図8は、第3実施形態の開閉装置10の作動説明図である。この図において、(A)は全閉位置FC、(B)は昇降下端位置、(C)は全開位置FOを示している。
【0059】
(全閉位置)
図8(A)の全閉位置FCにおいて、扉12は開口4の内側に位置し、扉12の上面は離着陸面2の高さに位置する。
(全開位置)
図8(C)の全開位置FOにおいて、扉12は開口4からX方向の後方に離れた水平床3の下方に位置し、扉12の上面は梁5の下端より下方に離れて位置する。
(昇降下端位置)
図8(B)の昇降下端位置において、扉12は開口4の内側に位置し、扉12の上面は離着陸面2の高さから下方に離れて位置する。
図8(A)(B)(C)において、2つの内側ローラ24b及び2つ傾斜案内溝29aの高さが相違する点を除き、第1実施形態と同じである。
この構成により、すべての位置において、2対の傾斜案内溝29aを介して2組(4つ)の内側ローラ24bを同一高さに保持し、扉12の上面を水平に保持することができる。
【0060】
(全閉動作)
駆動機構26により1対のドライブプレート29を同期して全開位置FO(図8(C))からX方向前方に水平移動させると、L型案内溝28の水平部分と傾斜案内溝29aに案内されて、開口真下の昇降下端位置(図8(B))まで扉が水平移動する。
次いで1対のドライブプレート29を同期してX方向前方にさらに移動させると、昇降下端位置(図8(B))から第1L型案内溝28aと第2L型案内溝28bの鉛直部分と傾斜案内溝29aとに案内されて、扉12が全閉位置FC(図8(A))まで鉛直に上昇する。
【0061】
(全開動作)
駆動機構26により1対のドライブプレート29を同期して全閉位置FC(図8(A))からX方向後方に水平移動させると、L型案内溝28の鉛直部分と傾斜案内溝29aとに案内されて、開口真下の昇降下端位置(図8(B))まで扉が鉛直に下降する。
次いで1対のドライブプレート29を同期してX方向後方にさらに移動させると、L型案内溝28の水平部分と傾斜案内溝29aに案内されて、全開位置FO(図8(C))まで扉12が水平移動する。
【0062】
従って、全閉動作と全開動作は、第1実施形態と同様である。
【0063】
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態の開閉装置10の説明図である。この図は、水平床3を除去した図2(A)と同様の上面図である。
この図において、扉12は、開口4の中心Oを通るY方向の中心線で分割された2つの半扉12aからなる。
2つの半扉12aは、中心Oを通るY方向の中心線に対し対称に配置された1対の開閉装置10によりそれぞれ開閉駆動される。
【0064】
1対の同期駆動装置30の駆動軸32a及び駆動モータ36は、第1実施形態と相違し外側(中心Oから離れた位置)に設けられている。すなわち、この例において、駆動軸32aは、開口4から離れたガイド部材27のX方向の外方端部に位置する。また、従動軸32bは、開口4の近傍(中心Oよりそれぞれの駆動軸側)であって、ガイド部材27のY方向の内面より外側に位置する、
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0065】
上述した第4実施形態の構成により、1対の駆動モータ36により1対の駆動軸32aをそれぞれ回転駆動することで、2つの半扉12aを互いに反対方向に移動させて、開口4を全開又は全閉することができる。
なおそれぞれの開閉装置10の動作は、第1実施形態と同様である。
【0066】
図10は、開閉機構の比較図であり、(A)は本発明の開閉装置10、(B)(C)は従来例の模式図である。
【0067】
図10(A)において、開閉装置10は、全閉動作において、全開位置FOから開口4の真下まで扉12を水平移動し、次いで扉12を全閉位置FCまで鉛直に上昇させる。また、全開動作において、全閉位置FCから扉12を鉛直に下降させ、次いで全開位置FOまで扉を水平移動する。
扉12の昇降距離の必要量は、水平床3の厚さtと梁5の高さhの和+隙間αである。例えば、t=10mm、h=55mm、α=5mmの場合、必要昇降距離は、70mmである。
開閉機構の必要高さH1は、この例で、水平床3の上面から、ベルト連結金具38の下端までであり、扉12の大きさにかかわらず、扉12の昇降距離の約2~3倍であり、上述の例で、約140~210mmである。
【0068】
本発明の開閉装置10は、扉12を全閉位置FCまで鉛直に上昇させるので、全閉時の扉12の外周面と開口4の内周面との隙間を十分小さく設定できる。また、この図に示すように、開口部の外縁下面と扉12の外縁上面との間でシール部材14を上下方向に挟むことにより、シール部材14の耐久性を高めることができる。
【0069】
なおシール構造はこの例に限定されず、その他の周知の構造であってもよい。
例えば、扉12の外周面又は開口4の内周面に、その間の隙間を埋めるシール部材14を固定してもよい。この場合、扉12と開口4との間をシールするシール部材14の摺動長さが短いので、その消耗が少なく耐久性を高めることができる。
【0070】
図10(B)は、水平軸を有する丁番7(蝶番)を用いて扉12を旋回させて開閉する開閉機構である。
この場合、開閉機構の必要高さH2は、丁番7の位置から扉12の外端までの距離以上となり、この例では、図10(A)の2倍以上となる。
【0071】
図10(C)は、扉12を水平移動させて開閉する開閉機構である。
特許文献1はこの例であり、扉12の移動範囲に梁5を設けることができない。また、扉12の上面は梁5がない場合でも水平床3の板厚以上の下方に位置し、開口位置の水平床3に大きな段差が発生する。
また、扉12と貫通孔(開口)の外縁部との間を液密にシールするシール部材14が、扉12の水平移動の大部分において例えば水平床3の下面と摺動するため短時間で消耗し耐久性に乏しい。
【0072】
上述したように、本発明の開閉装置10は、従来の開閉機構と比較した場合、開口を全閉する扉12と開口4の内面との隙間を十分小さく設定でき、かつその間のシール部材14の耐久性を高めることができる。
また開口4の大きさが大きい場合でも、開閉機構の必要高さH1を小さく設定して、離着陸面2と搬送装置の高低差を小さくできる。
【0073】
上述した本発明の実施形態によれば、仕切板Pの内側(水平床3の下方)に設けられた駆動装置20が、開口4を全開する全開位置FOと開口4を全閉する全閉位置FCとの間で扉12を移動する。これにより、仕切板Pに対し垂直(水平面を鉛直)に通る開口4を全開及び全閉することができる。
【0074】
また、全閉動作において扉12を全閉位置FCまで鉛直に上昇させ、全開動作において全閉位置FCから扉12を鉛直に下降させるので、水平面(例えば離着陸面2)の下に梁等があっても全閉時に扉12の上面をその周囲の水平床上面(離着陸面2)と同一高さにできる。
すなわち、全閉動作において扉12を全閉位置FCまで開口に対し垂直方向外方に移動し、全開動作において全閉位置FCから扉12を開口4に対し垂直方向内方に移動するので、仕切板Pの内側に梁等があっても全閉時に扉12の外面をその周囲の外面と面一にできる。
【0075】
また、上述した構成によれば、1対のドライブプレート29を同期して単一のX方向に前進又は後退させるだけで、全開位置FOと全閉位置FCとの間で扉12を移動することができる。なお、全開位置FOと全閉位置FCは、周知のリミットスイッチ(図示せず)に検出し、ドライブプレート29を停止することができる。
従って、簡単な制御で、全開位置FOと全閉位置FCとの間で扉12を移動することができる。
【0076】
また、上述した構成によれば、同期駆動装置30により単一の駆動モータ36で1対のドライブプレート29を同期して単一のX方向に前進又は後退させることができる。
従って、単一のアクチュエータで、全開位置FOと全閉位置FCとの間で扉12を移動することができる。
【0077】
図11は、第5実施形態の開閉装置の説明図である。この例で、(A)は仕切板Pを除去した正面図、(B)は(A)のB-B矢視図である。
この実施形態は図2の第1実施形態を外面が鉛直な鉛直壁に用いる例である。以下、図2の第1実施形態との相違点を説明する。
【0078】
この例で、図示しない仕切板Pが、外面が鉛直な鉛直壁である点を除き、第1実施形態と同一の構成を有する。
すなわち、図2における前後を上下と読み替え、全閉動作において、全開位置FOから開口4と同一高さまで扉12を昇降(この例では上昇)し、次いで扉12を全閉位置FCまで外方に水平移動させる。また、全開動作において、全閉位置FCから扉12を内方へ水平移動させ、次いで全開位置FOまで扉12を昇降(この例では下降)する。
【0079】
上述した第5実施形態の構成により、開口4を全閉する扉12と開口4の内面との隙間を十分小さく設定でき、かつその間のシール部材14の耐久性を高めることができるので、台風等の強風時の猛烈な風雨から内部の荷物を守ることができる。
【0080】
図12は、第6,7実施形態の開閉装置であり、図8の第3実施形態の開閉装置と同様の構成を有する。以下、第3実施形態との相違点を説明する。
第6,7実施形態の開閉装置は、第3実施形態と同期駆動装置30のみが相違する。
【0081】
第6,7実施形態の同期駆動装置30は、第3実施形態の駆動軸32a、従動軸32b、プーリ33、タイミングベルト34、駆動モータ36、及びベルト連結金具38が省略されている。
【0082】
図12(A)は第6実施形態の開閉装置であり、同期駆動装置30としてプレート連結金具40と単一の直動装置42を有する。
プレート連結金具40は、全閉位置FCにおいて1対のドライブプレート29を開口4の真下から離れた位置で連結する。
単一の直動装置42は、プレート連結金具40のX方向の外方(図で左方)に固定され、プレート連結金具40をX方向に駆動する。直動装置42は、電動シリンダ、油圧シリンダ又は空圧シリンダであるのがよい。
【0083】
第6実施形態の構成により、単一の直動装置42でプレート連結金具40を介して1対のドライブプレート29を同期して単一のX方向に前進又は後退させることができる。
【0084】
図12(B)は第7実施形態の開閉装置であり、同期駆動装置30として1対の直動装置42と、同期制御装置44を有する。
直動装置42は、図12(A)と同様の電動シリンダ、油圧シリンダ又は空圧シリンダである。1対の直動装置42は、この例では、図12(A)と反対側の開口4のY方向外側に設置され、シリンダ連結金具41を介して1対のドライブプレート29に直接連結され、1対のドライブプレート29をX方向にそれぞれ単独に駆動する。
同期制御装置44は、1対の直動装置42を同期制御する。
【0085】
第7実施形態の構成により、1対の直動装置42で1対のドライブプレート29を同期して単一のX方向に前進又は後退させることができる。
またこの構成は、直動装置42を1対(2本)必要とするが、それぞれ開口4のY方向外側に設置されるため、直動装置42のX方向の飛び出しを小さくできる。
【0086】
なお、上述した実施形態をドローンポート100について説明したが、本発明はドローンポートに限定されるものではない。
例えば、水平床3を鉛直に通る開口4を全開及び全閉する限りで、機械式駐車装置を構成する可動床の開閉装置としても用いることができる。
【0087】
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0088】
FC 全閉位置、FO 全開位置、O 開口の中心、P 仕切板、
2 離着陸面、3 水平床、4 開口、5 梁、5a X方向梁、5b Y方向梁、
10 開閉装置、12 扉、12a 半扉、14 シール部材、
20 駆動装置、22 扉支持部材、23 水平支持棒、23a 前側支持棒、
23b 後側支持棒、24a 外側ローラ、24b 内側ローラ、
25 リニアガイド、26 駆動機構、27 ガイド部材、
27A 第1ガイドプレート、27B 第2ガイドプレート、28 L型案内溝、
28a 第1L型案内溝、28b 第2L型案内溝、28c 鉛直溝、
29 ドライブプレート、29a 傾斜案内溝、29b 水平案内溝、
30 同期駆動装置、32 同期軸、32a 駆動軸、32b 従動軸、
33 プーリ、34 タイミングベルト、36 駆動モータ、38 ベルト連結金具、
40 プレート連結金具、41 シリンダ連結金具、42 直動装置、
44 同期制御装置、100 ドローンポート

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12