IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電気工業株式会社の特許一覧

特開2024-152190解約要因分析システムおよび解約要因分析方法
<>
  • 特開-解約要因分析システムおよび解約要因分析方法 図1
  • 特開-解約要因分析システムおよび解約要因分析方法 図2
  • 特開-解約要因分析システムおよび解約要因分析方法 図3
  • 特開-解約要因分析システムおよび解約要因分析方法 図4
  • 特開-解約要因分析システムおよび解約要因分析方法 図5
  • 特開-解約要因分析システムおよび解約要因分析方法 図6
  • 特開-解約要因分析システムおよび解約要因分析方法 図7
  • 特開-解約要因分析システムおよび解約要因分析方法 図8
  • 特開-解約要因分析システムおよび解約要因分析方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152190
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】解約要因分析システムおよび解約要因分析方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q30/0201
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066233
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】本家 裕介
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB02
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】コンテンツの受信契約の解約要因に関するより高い精度の分析結果を得る。
【解決手段】解約要因分析システムは、受信契約に基づいて、複数のユーザ宅の各々に設置されたコンテンツ受信装置へコンテンツを送信するコンテンツ送信装置と、複数の前記コンテンツ受信装置の各々の動作状態を示す動作データを取得し、取得した前記動作データに基づいて、前記受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析し、前記解約要因の分析結果を出力する分析装置とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信契約に基づいて、複数のユーザ宅の各々に設置されたコンテンツ受信装置へコンテンツを送信するコンテンツ送信装置と、
複数の前記コンテンツ受信装置の各々の動作状態を示す動作データを取得し、取得した前記動作データに基づいて、前記受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析し、前記解約要因の分析結果を出力する分析装置とを備える、解約要因分析システム。
【請求項2】
前記分析装置は、前記動作データに基づいて、解約される可能性のある前記受信契約を予測し、前記受信契約の予測結果をさらに出力する、請求項1に記載の解約要因分析システム。
【請求項3】
前記解約要因分析システムは、
複数の前記コンテンツ送信装置を備え、
前記分析装置は、前記コンテンツ送信装置ごとに、前記解約要因を分析して前記分析結果を出力する、請求項1または請求項2に記載の解約要因分析システム。
【請求項4】
前記分析装置は、前記動作データに基づいて、前記複数のコンテンツ受信装置を、前記受信契約を解約した前記ユーザ宅に設置された前記コンテンツ受信装置である解約受信装置と、前記受信契約を解約していない前記ユーザ宅に設置された前記コンテンツ受信装置である契約受信装置とに分類し、
前記分析装置は、前記解約受信装置に対応する前記動作データおよび前記契約受信装置に対応する前記動作データを学習データとして用いた機械学習法により、前記分析結果を取得する、請求項1または請求項2に記載の解約要因分析システム。
【請求項5】
前記分析装置は、前記コンテンツの受信エラーに関する情報、前記コンテンツを受信するためのアプリケーションソフトウェアの利用時間を示す情報、および前記コンテンツの保存に用いられる記録媒体の認証エラーに関する情報のうちの少なくともいずれか1つを含む前記動作データを取得する、請求項1または請求項2に記載の解約要因分析システム。
【請求項6】
コンテンツ送信装置および分析装置を備える解約要因分析システムにおける解約要因分析方法であって、
前記コンテンツ送信装置が、受信契約に基づいて、複数のユーザ宅の各々に設置されたコンテンツ受信装置へコンテンツを送信するステップと、
前記分析装置が、複数の前記コンテンツ受信装置の各々の動作状態を示す動作データを取得し、取得した前記動作データに基づいて、前記受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析し、前記解約要因の分析結果を出力するステップとを含む、解約要因分析方法。
【請求項7】
受信契約を締結した複数のユーザ宅の各々にコンテンツ受信装置を設置するステップと、
前記受信契約に基づいて、複数の前記コンテンツ受信装置へコンテンツを送信するステップと、
前記複数のコンテンツ受信装置の各々の動作状態を示す動作データに基づく、前記受信契約の解約に寄与する要因の分析結果を取得するステップとを含む、解約要因分析方法。
【請求項8】
受信契約に基づいて送信されるコンテンツを受信する複数のコンテンツ受信装置の、各々の動作状態を示す動作データを取得するステップと、
取得した前記動作データに基づいて、前記受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析するステップと、
前記解約要因の分析結果を出力するステップとを含む、解約要因分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、解約要因分析システムおよび解約要因分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツをテレビジョン装置で視聴するために用いられる装置として、STB(Set Top Box)等のコンテンツ受信装置が知られている。コンテンツ受信装置は、受信契約に基づいて送信されるコンテンツを受信し、受信したコンテンツをテレビジョン装置において再生する。コンテンツを配信する事業者は、受信契約の解約率を低減するために、ユーザの満足度を高めるための取り組みを行っている。
【0003】
たとえば、非特許文献1には、ユーザのアンケート結果に基づくNPS(Net Promoter Score)を用いて、チャーンを予測する技術が開示されている。
【0004】
また、たとえば、非特許文献2には、機械学習における分析アルゴリズムとして、LightGBM(Gradient Boosting Machine)が開示されている。LightGBMを用いることにより、たとえば受信契約の解約に寄与した要因を分析することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】”NPSとチャーン”、[online]、[令和5年3月10日検索]、インターネット〈URL:https://www.questionpro.com/experience-journal/ja/nps%E3%81%A8%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%B3/〉
【非特許文献2】”LightGBM”、[online]、[令和5年3月10日検索]、インターネット〈URL:https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/light_gbm〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1および2に記載の技術を超えて、コンテンツの受信契約の解約要因に関するより高い精度の分析結果を得ることが可能な技術が望まれる。
【0007】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、コンテンツの受信契約の解約要因に関するより高い精度の分析結果を得ることが可能な解約要因分析システムおよび解約要因分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の解約要因分析システムは、受信契約に基づいて、複数のユーザ宅の各々に設置されたコンテンツ受信装置へコンテンツを送信するコンテンツ送信装置と、複数の前記コンテンツ受信装置の各々の動作状態を示す動作データを取得し、取得した前記動作データに基づいて、前記受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析し、前記解約要因の分析結果を出力する分析装置とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コンテンツの受信契約の解約要因に関するより高い精度の分析結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の実施の形態に係る解約要因分析システムの構成を示す図である。
図2図2は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ受信装置の構成の概要を示す図である。
図3図3は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ受信装置の詳細な構成を示す図である。
図4図4は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ受信装置における処理部の詳細な構成を示す図である。
図5図5は、本開示の実施の形態に係る分析装置の構成の一例を示す図である。
図6図6は、本開示の実施の形態に係る分析装置におけるデータ成形部により生成される動作データBD2の一例を示す図である。
図7図7は、本開示の実施の形態に係る分析装置における処理部により生成される散布図の一例を示す図である。
図8図8は、本開示の実施の形態に係る分析装置における処理部により生成される散布図の他の例を示す図である。
図9図9は、本開示の実施の形態に係る解約要因分析システムにおける解約要因分析のシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0012】
(1)本開示の実施の形態に係る解約要因分析システムは、受信契約に基づいて、複数のユーザ宅の各々に設置されたコンテンツ受信装置へコンテンツを送信するコンテンツ送信装置と、複数の前記コンテンツ受信装置の各々の動作状態を示す動作データを取得し、取得した前記動作データに基づいて、前記受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析し、前記解約要因の分析結果を出力する分析装置とを備える。
【0013】
このように、コンテンツ受信装置の動作状態を示す動作データに基づいて解約要因を分析する構成により、たとえばユーザのアンケート結果に基づいて解約要因を分析する構成と比べて、ユーザの恣意が排除された客観的な動作データに基づいて解約要因を分析することができるので、解約要因をより正確に分析することができる。したがって、コンテンツの受信契約の解約要因に関するより高い精度の分析結果を得ることができる。
【0014】
(2)上記(1)において、前記分析装置は、前記動作データに基づいて、解約される可能性のある前記受信契約を予測し、前記受信契約の予測結果をさらに出力してもよい。
【0015】
このような構成により、解約要因の分析結果、および解約される可能性のある受信契約の予測結果に基づいて、ユーザが受信契約の解約を決定する前に、受信契約を維持するための対策を実施することができるので、受信契約の解約率を低減することができる。
【0016】
(3)上記(1)または(2)において、前記解約要因分析システムは、複数の前記コンテンツ送信装置を備えてもよく、前記分析装置は、前記コンテンツ送信装置ごとに、前記解約要因を分析して前記分析結果を出力してもよい。
【0017】
このような構成により、たとえば、あるコンテンツ送信装置が設けられた事業者において受信契約の解約率の低下に寄与しているサービス等を、他のコンテンツ送信装置が設けられた他の事業者において導入することができる。
【0018】
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記分析装置は、前記動作データに基づいて、前記複数のコンテンツ受信装置を、前記受信契約を解約した前記ユーザ宅に設置された前記コンテンツ受信装置である解約受信装置と、前記受信契約を解約していない前記ユーザ宅に設置された前記コンテンツ受信装置である契約受信装置とに分類してもよく、前記分析装置は、前記解約受信装置に対応する前記動作データおよび前記契約受信装置に対応する前記動作データを学習データとして用いた機械学習法により、前記分析結果を取得してもよい。
【0019】
このような構成により、動作データを用いた教師あり学習により、高い学習精度で機械学習を行うことができる。
【0020】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記分析装置は、前記コンテンツの受信エラーに関する情報、前記コンテンツを受信するためのアプリケーションソフトウェアの利用時間を示す情報、および前記コンテンツの保存に用いられる記録媒体の認証エラーに関する情報のうちの少なくともいずれか1つを含む前記動作データを取得してもよい。
【0021】
このような構成により、受信契約の解約予測への寄与度の高い特徴量を用いて、解約要因をより高い精度で分析することができる。
【0022】
(6)本開示の実施の形態に係る解約要因分析方法は、コンテンツ送信装置および分析装置を備える解約要因分析システムにおける解約要因分析方法であって、前記コンテンツ送信装置が、受信契約に基づいて、複数のユーザ宅の各々に設置されたコンテンツ受信装置へコンテンツを送信するステップと、前記分析装置が、複数の前記コンテンツ受信装置の各々の動作状態を示す動作データを取得し、取得した前記動作データに基づいて、前記受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析し、前記解約要因の分析結果を出力するステップとを含む。
【0023】
このように、コンテンツ受信装置の動作状態を示す動作データに基づいて解約要因を分析する方法により、たとえばユーザのアンケート結果に基づいて解約要因を分析する方法と比べて、ユーザの恣意が排除された客観的な動作データに基づいて解約要因を分析することができるので、解約要因をより正確に分析することができる。したがって、コンテンツの受信契約の解約要因に関するより高い精度の分析結果を得ることができる。
【0024】
(7)本開示の実施の形態に係る解約要因分析方法は、受信契約を締結した複数のユーザ宅の各々にコンテンツ受信装置を設置するステップと、前記受信契約に基づいて、複数の前記コンテンツ受信装置へコンテンツを送信するステップと、前記複数のコンテンツ受信装置の各々の動作状態を示す動作データに基づく、前記受信契約の解約に寄与する要因の分析結果を取得するステップとを含む。
【0025】
このように、コンテンツ受信装置の動作状態を示す動作データに基づく、受信契約の解約要因の分析結果を取得する方法により、たとえばユーザのアンケート結果に基づく分析結果を取得する方法と比べて、ユーザの恣意が排除された客観的な動作データに基づく分析結果を取得することができる。したがって、コンテンツの受信契約の解約要因に関するより高い精度の分析結果を得ることができる。
【0026】
(8)本開示の実施の形態に係る解約要因分析方法は、受信契約に基づいて送信されるコンテンツを受信する複数のコンテンツ受信装置の、各々の動作状態を示す動作データを取得するステップと、取得した前記動作データに基づいて、前記受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析するステップと、前記解約要因の分析結果を出力するステップとを含む。
【0027】
このように、コンテンツ受信装置の動作状態を示す動作データに基づいて解約要因を分析する方法により、たとえばユーザのアンケート結果に基づいて解約要因を分析する方法と比べて、ユーザの恣意が排除された客観的な動作データに基づいて解約要因を分析することができるので、解約要因をより正確に分析することができる。したがって、コンテンツの受信契約の解約要因に関するより高い精度の分析結果を得ることができる。
【0028】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0029】
[構成および基本動作]
図1は、本開示の実施の形態に係る解約要因分析システムの構成を示す図である。図1を参照して、解約要因分析システム201、コンテンツ送信装置10A,10Bと、複数のコンテンツ受信装置11Aと、複数のコンテンツ受信装置11Bと、分析装置101とを備える。以下、コンテンツ送信装置10A,10Bの各々をコンテンツ送信装置10とも称し、コンテンツ受信装置11A,11Bの各々をコンテンツ受信装置11とも称する。
【0030】
たとえば、コンテンツ送信装置10Aはケーブルテレビ事業者Caの局舎20Aに設けられ、コンテンツ送信装置10Bはケーブルテレビ事業者Cbの局舎20Bに設けられる。ケーブルテレビ事業者Ca,Cbは、たとえば互いに異なる地域において、番組等のコンテンツを配信する事業者である。
【0031】
たとえば、コンテンツ受信装置11Aは、ケーブルテレビ事業者Caとの間でコンテンツの受信契約を締結したユーザのユーザ宅に設置され、コンテンツ受信装置11Bは、ケーブルテレビ事業者Cbとの間でコンテンツの受信契約を締結したユーザのユーザ宅に設置される。コンテンツ受信装置11は、ユーザ宅において、たとえばHDMI(登録商標)ケーブルを介して表示装置12に接続される。
【0032】
コンテンツ送信装置10Aは、ケーブルテレビ事業者Caとユーザとの受信契約に基づいて、複数のユーザ宅の各々に設置されたコンテンツ受信装置11Aへコンテンツを送信する。より詳細には、コンテンツ送信装置10Aは、ケーブルテレビ事業者Caとユーザとの間で締結された受信契約を示す契約情報に基づいて、コンテンツを含むストリームを、IP網およびケーブルテレビ網等のネットワーク51A経由でコンテンツ受信装置11Aへ送信する。
【0033】
コンテンツ送信装置10Bは、ケーブルテレビ事業者Cbとユーザとの受信契約に基づいて、複数のユーザ宅の各々に設置されたコンテンツ受信装置11Bへコンテンツを送信する。より詳細には、コンテンツ送信装置10Bは、ケーブルテレビ事業者Cbとユーザとの間で締結された受信契約を示す契約情報に基づいて、コンテンツを含むストリームを、IP網およびケーブルテレビ網等のネットワーク51B経由でコンテンツ受信装置11Bへ送信する。以下、ネットワーク51A,51Bの各々をネットワーク51とも称する。
【0034】
ストリームは、たとえば音声情報、映像情報、EPG(Electronic Program Guide)情報、字幕情報およびSI(Service Information)等を含む。
【0035】
コンテンツ受信装置11は、たとえばSTBである。コンテンツ受信装置11は、対応のコンテンツ送信装置10からコンテンツを受信する。コンテンツ受信装置11は、デジタル放送によるコンテンツ、およびVOD(Video On Demand)等のIP放送によるコンテンツを受信し、受信したコンテンツの録画および再生を行うことが可能である。コンテンツ受信装置11Aは、ネットワーク51A経由でコンテンツ送信装置10Aからストリームを受信し、当該コンテンツ受信装置11Aに接続される表示装置12においてコンテンツを再生する。コンテンツ受信装置11Bは、ネットワーク51B経由でコンテンツ送信装置10Bからストリームを受信し、当該コンテンツ受信装置11Bに接続される表示装置12においてコンテンツを再生する。
【0036】
表示装置12は、たとえばテレビジョン装置である。表示装置12は、コンテンツ受信装置11により再生されたコンテンツを画面に表示する。
【0037】
分析装置101は、たとえばクラウドサーバである。なお、分析装置101は、単体のサーバであってもよい。分析装置101は、複数のコンテンツ受信装置11Aとネットワーク51Aを介して通信可能であり、たとえば各コンテンツ受信装置11Aから各種情報を受信する。また、分析装置101は、複数のコンテンツ受信装置11Bとネットワーク51Bを介して通信可能であり、たとえば各コンテンツ受信装置11Bから各種情報を受信する。
【0038】
<コンテンツ受信装置>
図2は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ受信装置の構成の概要を示す図である。解約要因分析システム201における複数のコンテンツ受信装置11は、同じ構成であるため、以下では1つのコンテンツ受信装置11の構成について説明する。図2を参照して、コンテンツ受信装置11は、受信部111と、処理部112と、記憶部113とを備える。受信部111および処理部112の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。記憶部113は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。
【0039】
受信部111は、ネットワーク51経由でコンテンツ送信装置10からコンテンツを受信し、受信したコンテンツを処理部112へ出力する。
【0040】
処理部112は、受信部111から受けたコンテンツに関する情報を記憶部113に保存する。また、処理部112は、コンテンツを出力する処理を行う。より詳細には、処理部112は、たとえば、記憶部113に保存した情報等を用いてコンテンツを再生する処理を行い、得られた映像情報および音声情報等を表示装置12へ送信する。また、処理部112は、分析装置101とネットワーク51を介して情報のやり取りを行う。
【0041】
図3は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ受信装置の詳細な構成を示す図である。図3を参照して、コンテンツ受信装置11は、リモコン信号受信部1111と、コンテンツ受信部1112と、消去部1121と、録画部1122と、録画予約部1123と、視聴部1124と、録画再生部1125と、録画DB1131と、番組情報DB1132と、予約管理DB1133とを備える。また、コンテンツ受信装置11は、たとえばUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して、記録媒体の一例であるHDD(Hard Disk Drive)14と接続される。HDD14は、コンテンツの保存に用いられる。
【0042】
リモコン信号受信部1111およびコンテンツ受信部1112は、図2に示す受信部111に含まれる。消去部1121、録画部1122、録画予約部1123、視聴部1124および録画再生部1125は、図2に示す処理部112に含まれる。録画DB1131、番組情報DB1132および予約管理DB1133は、図2に示す記憶部113に保存されている。
【0043】
録画DB1131は、録画番組のデータベースである。録画DB1131には、各番組の、コンテンツファイル名、タイトル、ジャンル、開始時間、終了時間、およびコンテンツ長等が登録される。
【0044】
番組情報DB1132は、番組のデータベースである。番組情報DB1132には、番組情報として、コンテンツ受信部1112によってストリームから取得されたイベント情報テーブル(EIT)、およびEITなどを用いて作成されるEPGに基づく番組表が登録される。コンテンツ受信部1112によってEITが定期的に取得されることにより、番組情報DB1132は定期的に更新される。
【0045】
予約管理DB1133は、予約番組のデータベースである。予約管理DB1133には、各番組の、タイトル、番組開始時間および番組終了時間等が登録される。
【0046】
リモコン信号受信部1111は、リモコン15におけるリモコン操作部151からリモコン信号を受信し、受信したリモコン信号に含まれる、ユーザの操作を示す操作情報を消去部1121、録画部1122、録画予約部1123、視聴部1124および録画再生部1125へ出力する。
【0047】
コンテンツ受信部1112は、コンテンツを受信する。より詳細には、コンテンツ受信部1112は、コンテンツを含む放送信号、またはコンテンツを含むIPパケットをネットワーク51経由でコンテンツ送信装置10から受信する。コンテンツ受信部1112は、受信したコンテンツに関する情報を記憶部113に保存する。
【0048】
録画予約部1123は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、番組情報DB1132に登録されている番組表を参照し、操作情報の示す番組に関する情報を予約管理DB1133に登録する。
【0049】
録画予約部1123は、予約管理DB1133を参照し、当該番組の開始時間に従って録画部1122へ録画指示を出力する。
【0050】
録画部1122は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、操作情報の示すコンテンツを録画する。また、録画部1122は、録画予約部1123から受けた録画指示に従い、録画指示の示すコンテンツを録画する。より詳細には、録画部1122は、操作情報または録画指示に従ってコンテンツ受信部1112を制御することにより、操作情報または録画指示の示すコンテンツを取得し、取得したコンテンツに関する情報をコンテンツファイルとしてHDD14に保存するとともに、当該コンテンツに関する録画情報を録画DB1131に登録する。
【0051】
視聴部1124は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従ってコンテンツ受信部1112を制御することにより、操作情報の示すコンテンツを取得し、取得したコンテンツを再生する処理を行い、得られた映像情報および音声情報等を表示装置12へ送信する。
【0052】
録画再生部1125は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、HDD14から操作情報の示すコンテンツに対応するコンテンツファイルを取得する。そして、録画再生部1125は、取得したコンテンツファイルに含まれる情報等を用いてコンテンツを再生する処理を行い、得られた映像情報および音声情報等を表示装置12へ送信する。
【0053】
消去部1121は、リモコン信号受信部1111から受けた操作情報に従い、操作情報の示すコンテンツに対応するコンテンツファイルをHDD14から消去するとともに、当該コンテンツに関する録画情報を録画DB1131から消去する。
【0054】
図4は、本開示の実施の形態に係るコンテンツ受信装置における処理部の詳細な構成を示す図である。図4を参照して、コンテンツ受信装置11における処理部112は、動作情報生成部1127と、送信処理部1128とを含む。
【0055】
動作情報生成部1127は、定期的または不定期に、コンテンツ受信装置11の動作状態を示す動作情報を生成する。動作情報生成部1127は、動作情報として、コンテンツ受信装置11の起動状態および起動要因を示す情報、コンテンツ受信部1112によるコンテンツの受信処理の状態を示す情報、録画部1122によるHDD14の認証結果を示す情報、録画部1122によるコンテンツの録画処理の状態を示す情報、コンテンツ受信装置11におけるソフトウェアの更新処理の状態を示す情報、コンテンツ受信装置11におけるコンテンツを受信するためのアプリケーションソフトウェアASの使用状態を示す情報、コンテンツ受信装置11の温度を示す情報、コンテンツ受信装置11における冷却用ファンの動作状態を示す情報、およびコンテンツ受信装置11におけるエラーの検知状態を示す情報のうちの少なくともいずれか1つを取得する。
【0056】
たとえば、動作情報生成部1127は、コンテンツ受信部1112によるコンテンツの受信処理の状態を示す情報として、コンテンツの受信品質を示す受信品質情報を生成する。また、たとえば、動作情報生成部1127は、アプリケーションソフトウェアASの使用状態を示す情報として、アプリケーションソフトウェアASの利用時間Tuを示すアプリ情報を生成する。また、たとえば、動作情報生成部1127は、録画部1122によるHDD14の認証結果を示す情報として、HDD14の認証エラーに関する認証エラー情報を生成する。
【0057】
より詳細には、動作情報生成部1127は、コンテンツ受信部1112を監視することにより、たとえばコンテンツを含む放送信号のC/N(Carrier to Noise)値を取得する。動作情報生成部1127は、取得したC/N値、当該C/N値の取得時刻、および当該コンテンツが属するチャンネルを示す受信品質情報を生成し、生成した受信品質情報を記憶部113に保存する。なお、動作情報生成部1127は、C/N値の代わりに、BER(Bit Error Rate)または放送信号の受信レベルを含む受信品質情報を生成してもよい。
【0058】
また、動作情報生成部1127は、コンテンツ受信部1112を監視することにより、アプリケーションソフトウェアASの利用時間Tuおよび当該コンテンツが属するチャンネルを示すアプリ情報を生成し、生成したアプリ情報を記憶部113に保存する。
【0059】
また、動作情報生成部1127は、録画部1122によるHDD14の認証エラーを検知した場合、認証エラーの検知時刻を含む認証エラー情報を生成し、生成した認証エラー情報を記憶部113に保存する。
【0060】
送信処理部1128は、動作情報生成部1127により生成された動作情報を分析装置101へ送信する。たとえば、送信処理部1128は、所定の送信周期Ptに従う送信タイミングにおいて、未送信の動作情報を記憶部113から取得し、取得した動作情報およびコンテンツ受信装置11のIDを含む動作データBD1をネットワーク51経由で分析装置101へ送信する。送信周期Ptは、たとえば1日である。
【0061】
<分析装置>
図5は、本開示の実施の形態に係る分析装置の構成の一例を示す図である。図5を参照して、分析装置101は、取得部21と、データ成形部22と、処理部23と、記憶部24とを備える。取得部21、データ成形部22および処理部23は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)およびDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサにより実現される。記憶部24は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。
【0062】
取得部21は、複数のコンテンツ受信装置11の各々の動作状態を示す動作データBD1を取得する。より詳細には、取得部21は、解約要因分析システム201における各コンテンツ受信装置11からネットワーク51経由で動作データBD1を受信し、受信した動作データBD1を記憶部24に保存する。
【0063】
データ成形部22は、取得部21により複数のコンテンツ受信装置11から受信された動作データBD1を成形することにより、当該複数のコンテンツ受信装置11の各々の動作状態を示す動作データBD2を生成する。より詳細には、データ成形部22は、取得部21により記憶部24にコンテンツ受信装置11の動作データBD1が保存されると、当該動作データBD1に基づいて、当該コンテンツ受信装置11における所定長の集計期間Taごとのイベントの発生回数、および当該コンテンツ受信装置11の温度を示す動作データBD2を生成し、生成した動作データBD2を記憶部24に保存する。集計期間Taは、1時間であってもよいし、1日であってもよい。
【0064】
図6は、本開示の実施の形態に係る分析装置におけるデータ成形部により生成される動作データBD2の一例を示す図である。図6を参照して、たとえば、データ成形部22は、コンテンツの受信エラーに関する情報を含む動作データBD2を生成する。より詳細には、データ成形部22は、コンテンツ受信装置11の動作データBD1に含まれる受信品質情報が示すC/N値が、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses)の規格値に基づく閾値Th1未満である場合、当該コンテンツ受信装置11において、当該C/N値の取得時刻にC/Nエラーが発生したと判断する。そして、データ成形部22は、当該コンテンツ受信装置11のIDと、当該取得時刻が属する集計期間Taと、C/Nエラーの発生回数との対応関係を示す動作データBD2を生成して記憶部24に保存する。C/Nエラーは、コンテンツの受信エラーの一例である。なお、データ成形部22は、C/Nエラーの発生回数を、C/Nエラーが発生したときに受信されていたコンテンツの属するチャンネルごとに細分化した動作データBD2を作成してもよい。これにより、処理部23による後述する解約要因の分析においてより精度の高い分析結果を得ることができる。
【0065】
また、たとえば、データ成形部22は、アプリケーションソフトウェアASの利用時間Tuを示す情報を含む動作データBD2を生成する。より詳細には、データ成形部22は、コンテンツ受信装置11の動作データBD1に含まれるアプリ情報に基づいて、当該コンテンツ受信装置11のIDと、集計期間Taと、当該集計期間TaにおけるアプリケーションソフトウェアASの利用時間Tuとの対応関係を示す動作データBD2を生成して記憶部24に保存する。なお、データ成形部22は、利用時間Tuを、アプリケーションソフトウェアASを用いて受信されたコンテンツの属するチャンネルごとに細分化した動作データBD2を作成してもよい。これにより、処理部23による後述する解約要因の分析においてより精度の高い分析結果を得ることができる。
【0066】
また、たとえば、データ成形部22は、HDD14の認証エラーに関する情報を含む動作データBD2を生成する。より詳細には、データ成形部22は、コンテンツ受信装置11の動作データBD1に含まれる認証エラー情報に基づいて、当該コンテンツ受信装置11のIDと、集計期間Taと、当該集計期間Taにおける認証エラーの発生回数との対応関係を示す動作データBD2を生成して記憶部24に保存する。
【0067】
また、たとえば、データ成形部22は、イベントの発生回数として、冷却用ファンにおける異常の発生回数、コンテンツ受信装置11における温度異常の発生回数、エラーイベントの発生回数、起動要因ごとの起動回数、録画予約が正常に動作した回数、および録画予約が正常に動作しなかった回数のうちの少なくともいずれか1つを示す動作データBD2を生成する。
【0068】
(解約要因の分析)
処理部23は、所定の分析周期Paに従う分析タイミングにおいて、データ成形部22により生成された動作データBD2に基づいて、受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析する。そして、処理部23は、解約要因の分析結果を出力する。分析周期Paは、たとえば1か月である。
【0069】
たとえば、処理部23は、動作データBD2に基づいて、複数のコンテンツ受信装置11を、受信契約を解約したユーザ宅に設置されたコンテンツ受信装置11である解約受信装置と、受信契約を解約していないユーザ宅に設置されたコンテンツ受信装置11である契約受信装置とに分類する。
【0070】
より詳細には、処理部23は、解約要因分析システム201における各コンテンツ受信装置11のうちの、たとえば分析タイミングの直近の1か月間において取得部21により受信された動作データBD1の送信元のコンテンツ受信装置11を契約受信装置に分類する。一方、処理部23は、解約要因分析システム201における各コンテンツ受信装置11のうちの、契約受信装置以外のコンテンツ受信装置11を解約受信装置に分類する。すなわち、処理部23は、分析タイミングの直近の1か月間において動作データBD1の送信を行わなかったコンテンツ受信装置11を解約受信装置に分類する。
【0071】
処理部23は、解約受信装置に対応する動作データBD2および契約受信装置に対応する動作データBD2を学習データとして用いた機械学習法により、解約要因の分析結果を生成する。
【0072】
より詳細には、処理部23は、記憶部24における複数の動作データBD2のうちの、解約受信装置からの動作データBD1の到来が途絶えた日の1か月前から、当該日までの分析対象期間における当該解約受信装置に対応する動作データBD2である動作データBD2aと、当該分析対象期間における契約受信装置に対応する動作データBD2である動作データBD2bとを抽出する。たとえば、処理部23は、解約受信装置に対応する動作データBD2aと、解約受信装置の数と同数の契約受信装置に対応する動作データBD2bとを抽出する。
【0073】
処理部23は、抽出した動作データBD2a,BD2bを学習データとして用いて、LightGBM(Light Gradient Boosting Machine)に従う機械学習を行うことにより、解約予測モデルMdを生成する。解約予測モデルMdは、動作データBD2の入力に対して、当該動作データBD2に対応するコンテンツ受信装置11の受信契約が所定期間内において解約されるか否かの予測結果を出力する2値分類モデルである。
【0074】
図7は、本開示の実施の形態に係る分析装置における処理部により生成される散布図の一例を示す図である。図7において、横軸は、アプリケーションソフトウェアASの利用時間Tu[秒]であり、縦軸は、SHAP(SHapley Additive exPlanations)値V1である。SHAP値V1は、解約予測モデルMdによる受信契約の解約予測に対する利用時間Tuの寄与度を示す値である。
【0075】
図7を参照して、処理部23は、解約予測モデルMdを生成すると、当該解約予測モデルMdの生成において学習データとして用いた動作データBD2a,BD2bが示す利用時間Tuと、SHAP値V1との対応関係を示す散布図S1を生成する。たとえば、処理部23は、生成した散布図S1を図示しない表示装置に表示する処理を行う。
【0076】
また、処理部23は、散布図S1の回帰直線L1において、SHAP値V1がゼロとなるときの利用時間TuFを特定する。散布図S1および回帰直線L1は、利用時間Tuが利用時間TuFよりも短いコンテンツ受信装置11のユーザは受信契約を解約する可能性が高いことを示す。処理部23は、解約要因の分析結果として、散布図S1および利用時間TuFを含む分析データD1を生成する。
【0077】
図8は、本開示の実施の形態に係る分析装置における処理部により生成される散布図の他の例を示す図である。図8において、横軸は、単位時間当たりにおけるC/Nエラーの発生率Re[%]であり、縦軸は、SHAP値V2である。SHAP値V2は、解約予測モデルMdによる受信契約の解約予測に対する発生率Reの寄与度を示す値である。たとえば、発生率Reが解約予測モデルMdの出力に与える影響は、HDD14の認証エラーの発生回数が解約予測モデルMdの出力に与える影響よりも大きい。
【0078】
図8を参照して、処理部23は、解約予測モデルMdを生成すると、学習データとして用いた動作データBD2a,BD2bが示す発生率Reと、SHAP値V2との対応関係を示す散布図S2を生成する。たとえば、処理部23は、生成した散布図S2を図示しない表示装置に表示する処理を行う。
【0079】
また、処理部23は、散布図S2の回帰曲線L2において、SHAP値V2がゼロとなるときの発生率ReFを特定する。散布図S2および回帰曲線L2は、発生率Reが発生率ReFよりも高いコンテンツ受信装置11のユーザは受信契約を解約する可能性が高いことを示す。処理部23は、解約要因の分析結果として、散布図S2および発生率ReFを含む分析データD2を生成する。
【0080】
処理部23は、分析周期Paごとに、動作データBD2a,BD2bを学習データとして用いて、LightGBMに従う機械学習を行うことにより、解約予測モデルMdを更新する。なお、処理部23は、解約予測モデルMdの更新を行わない構成であってもよい。
【0081】
たとえば、処理部23は、コンテンツ送信装置10ごとに解約要因を分析して分析結果を出力する。
【0082】
より詳細には、処理部23は、記憶部24から複数のコンテンツ受信装置11Aの動作データBD2a,BD2bを抽出し、抽出した動作データBD2a,BD2bを用いて、ケーブルテレビ事業者Ca向けの解約予測モデルMdである解約予測モデルMdaを生成する。そして、処理部23は、学習データとして用いた動作データBD2a,BD2bが示す利用時間Tuと、SHAP値V1との対応関係を示す散布図S1である散布図S1aを生成し、散布図S1aの回帰直線L1においてSHAP値V1がゼロとなるときの利用時間Tuである利用時間TuFaを特定する。また、処理部23は、学習データとして用いた動作データBD2a,BD2bが示す発生率Reと、SHAP値V2との対応関係を示す散布図S2である散布図S2aを生成し、散布図S2aの回帰曲線L2においてSHAP値V2がゼロとなるときの発生率ReFである発生率ReFaを特定する。処理部23は、散布図S1aおよび利用時間TuFaを含む分析データD1a、ならびに散布図S2aおよび発生率ReFaを含む分析データD2aを生成し、生成した分析データD1a,D2aをケーブルテレビ事業者Caへ送信する。
【0083】
また、処理部23は、記憶部24から複数のコンテンツ受信装置11Bの動作データBD2a,BD2bを抽出し、抽出した動作データBD2a,BD2bを用いて、ケーブルテレビ事業者Cb向けの解約予測モデルMdである解約予測モデルMdbを生成する。そして、処理部23は、学習データとして用いた動作データBD2a,BD2bが示す利用時間Tuと、SHAP値V1との対応関係を示す散布図S1である散布図S1bを生成し、散布図S1bの回帰直線L1においてSHAP値V1がゼロとなるときの利用時間Tuである利用時間TuFbを特定する。また、処理部23は、学習データとして用いた動作データBD2a,BD2bが示す発生率Reと、SHAP値V2との対応関係を示す散布図S2である散布図S2bを生成し、散布図S2bの回帰曲線L2においてSHAP値V2がゼロとなるときの発生率ReFである発生率ReFbを特定する。処理部23は、散布図S1bおよび利用時間TuFbを含む分析データD1b、および散布図S2bおよび発生率ReFbを含む分析データD2bを生成し、生成した分析データD1b,D2bをケーブルテレビ事業者Caへ送信する。
【0084】
たとえば、処理部23は、コンテンツ送信装置10ごとに解約要因の分析を行うことにより、ケーブルテレビ事業者Caにおいて導入していないサービス等がケーブルテレビ事業者Cbにおける受信契約の解約率の低下に寄与していると判断した場合、当該サービスを示す情報を分析結果としてケーブルテレビ事業者Caへ送信する。これにより、当該サービス等をケーブルテレビ事業者Caにおいて導入することができる。
【0085】
(解約予測)
処理部23は、動作データBDに基づいて、解約される可能性のある受信契約を予測する。すなわち、処理部23は、現在から所定期間内に解約が予測される受信契約を検知する。
【0086】
より詳細には、処理部23は、解約予測モデルMdaの生成後、データ成形部22により複数のコンテンツ受信装置11Aの動作データBD2が記憶部24に保存されると、当該動作データBD2を解約予測モデルMdaに入力データとして与えることにより、所定期間内に受信契約が解約されるコンテンツ受信装置11Aの予測結果を取得する。処理部23は、取得した予測結果をケーブルテレビ事業者Caへ送信する。
【0087】
ケーブルテレビ事業者Caの管理者は、分析装置101から受信した分析結果および予測結果に基づいて、当該予測結果が示す受信契約を維持するための対策を実施する。より詳細には、ケーブルテレビ事業者Caの管理者は、当該コンテンツ受信装置11Aのユーザの満足度を高めるためのアプリケーションソフトウェアをリリースしたり、HDD14の交換を促すメッセージを当該コンテンツ受信装置11Aのユーザへ通知したり、当該コンテンツ受信装置11AにおけるC/N値を高めるための対策を施したりする。
【0088】
また、処理部23は、解約予測モデルMdbの生成後、データ成形部22により複数のコンテンツ受信装置11Bの動作データBD2が記憶部24に保存されると、当該動作データBD2を解約予測モデルMdbに入力データとして与えることにより、所定期間内に受信契約が解約されるコンテンツ受信装置11Bの予測結果を取得する。処理部23は、取得した予測結果をケーブルテレビ事業者Cbへ送信する。
【0089】
ケーブルテレビ事業者Cbの管理者は、分析装置101から受信した分析結果および予測結果に基づいて、たとえば上述のような、当該予測結果が示す受信契約を維持するための対策を実施する。
【0090】
[動作の流れ]
図9は、本開示の実施の形態に係る解約要因分析システムにおける解約要因分析のシーケンスの一例を示す図である。
【0091】
図9を参照して、まず、解約要因分析システム201では、受信契約を締結した複数のユーザ宅の各々にコンテンツ受信装置11を設置する。より詳細には、ケーブルテレビ事業者Caは、受信契約を締結した複数のユーザ宅の各々にコンテンツ受信装置11Aを設置する。また、ケーブルテレビ事業者Cbは、受信契約を締結した複数のユーザ宅の各々にコンテンツ受信装置11Bを設置する(ステップS11)。
【0092】
次に、解約要因分析システム201では、ケーブルテレビ事業者Ca,Cbとユーザとの受信契約に基づいて、ユーザ宅に設置されたコンテンツ受信装置11A,11Bへコンテンツを送信する。より詳細には、ケーブルテレビ事業者Caの局舎20Aに設けられたコンテンツ送信装置10Aは、ケーブルテレビ事業者Caとユーザとの間で締結された受信契約を示す契約情報に基づいて、コンテンツを含むストリームをネットワーク51A経由でコンテンツ受信装置11Aへ送信する。また、ケーブルテレビ事業者Cbの局舎20Bに設けられたコンテンツ送信装置10Bは、ケーブルテレビ事業者Cbとユーザとの間で締結された受信契約を示す契約情報に基づいて、コンテンツを含むストリームをネットワーク51B経由でコンテンツ受信装置11Bへ送信する(ステップS12)。
【0093】
次に、コンテンツ受信装置11は、送信周期Ptに従う送信タイミングにおいて、動作データBD1を分析装置101へ送信する(ステップS13)。
【0094】
次に、分析装置101は、複数のコンテンツ受信装置11から受信した動作データBD1を成形することにより、複数のコンテンツ受信装置11の各々の動作状態を示す動作データBD2を生成する(ステップS14)。
【0095】
次に、分析装置101は、分析周期Paに従う分析タイミングにおいて、動作データBD2に基づいて、複数のコンテンツ受信装置11を、解約受信装置と契約受信装置とに分類する(ステップS15)。
【0096】
次に、分析装置101は、分析周期Paに従う分析タイミングにおいて、動作データBD2に基づいて、受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析する。より詳細には、分析装置101は、分析対象期間における解約受信装置に対応する動作データBD2aと、当該分析対象期間における契約受信装置に対応する動作データBD2bとを抽出し、抽出した動作データBD2a,BD2bを学習データとして用いて解約予測モデルMda,Mdbを生成する。また、分析装置101は、分析結果を示す分析データD1a,D2a,D1b,D2bを生成する(ステップS16)。
【0097】
次に、分析装置101は、解約要因の分析結果を出力する。より詳細には、分析装置101は、分析データD1a,D2aをケーブルテレビ事業者Caへ送信する。また、分析装置101は、分析データD1b,D2bをケーブルテレビ事業者Cbへ送信する(ステップS17)。
【0098】
次に、分析装置101は、解約予測を行う。より詳細には、分析装置101は、解約予測モデルMdaの作成後に新たに生成した動作データBD2を解約予測モデルMdaに入力データとして与えることにより、所定期間内に受信契約が解約されるコンテンツ受信装置11Aの予測結果を取得する。また、分析装置101は、解約予測モデルMdbの作成後に新たに生成した動作データBD2を解約予測モデルMdbに入力データとして与えることにより、所定期間内に受信契約が解約されるコンテンツ受信装置11Bの予測結果を取得する(ステップS18)。
【0099】
次に、分析装置101は、解約予測の予測結果を出力する。より詳細には、分析装置101は、所定期間内に受信契約が解約されるコンテンツ受信装置11Aの予測結果をケーブルテレビ事業者Caへ送信する。また、分析装置101は、所定期間内に受信契約が解約されるコンテンツ受信装置11Bの予測結果をケーブルテレビ事業者Cbへ送信する(ステップS19)。
【0100】
次に、ケーブルテレビ事業者Ca,Cbの管理者は、分析装置101から受信した分析結果および予測結果に基づいて、当該予測結果が示す受信契約を維持するための対策を実施する(ステップS20)。
【0101】
なお、本開示の実施の形態に係る分析装置101では、処理部23は、受信契約の解約要因の分析に加えて、解約予測を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部23は、解約予測を行わない構成であってもよい。
【0102】
また、本開示の実施の形態に係る分析装置101では、処理部23は、コンテンツ送信装置10ごとに解約要因を分析して分析結果を出力する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部23は、複数のコンテンツ受信装置11A,11Bの動作データBD2a,BD2bを用いて、ケーブルテレビ事業者Ca,Cbに共通の解約予測モデルMdおよび分析データD1,D2を生成する構成であってもよい。この場合、処理部23は、複数のコンテンツ受信装置11Aの動作データBD2を当該解約予測モデルMdに入力データとして与えることにより、所定期間内に受信契約が解約されるコンテンツ受信装置11Aの予測結果を取得する。また、処理部23は、複数のコンテンツ受信装置11Bの動作データBD2を当該解約予測モデルMdに入力データとして与えることにより、所定期間内に受信契約が解約されるコンテンツ受信装置11Bの予測結果を取得する。
【0103】
また、本開示の実施の形態に係る分析装置101では、処理部23は、複数のコンテンツ受信装置11を解約受信装置と契約受信装置とに分類し、解約受信装置に対応する動作データBD2および契約受信装置に対応する動作データBD2を学習データとして用いた機械学習法により、解約要因の分析結果を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部23は、複数のコンテンツ受信装置11を解約受信装置と契約受信装置とに分類することなく、複数のコンテンツ受信装置11の動作データBD2を学習データとして用いた機械学習法により、解約要因の分析結果を生成する構成であってもよい。すなわち、処理部23は、教師なし学習により、解約要因の分析結果を生成する構成であってもよい
【0104】
また、本開示の実施の形態に係る分析装置101では、処理部23は、コンテンツの受信エラーに関する情報、アプリケーションソフトウェアASの利用時間Tuを示す情報、およびHDD14の認証エラーに関する情報を含む動作データBD2を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部23は、コンテンツの受信エラーに関する情報、アプリケーションソフトウェアASの利用時間Tuを示す情報、およびHDD14の認証エラーに関する情報の一部または全部を含まない動作データBD2を生成する構成であってもよい。
【0105】
また、本開示の実施の形態に係る分析装置101は、データ成形部22を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。分析装置101は、データ成形部22を備えない構成であってもよい。この場合、処理部23は、動作データBD2の代わりに、動作データBD1に基づいて、解約要因を分析する。
【0106】
ところで、コンテンツの受信契約の解約要因に関するより高い精度の分析結果を得ることが可能な技術が望まれる。
【0107】
たとえば、受信契約を継続しているユーザおよび受信契約を解約したユーザに対してアンケートを行い、アンケート結果に基づいて解約要因を分析することが考えられる。しかしながら、アンケート結果には回答者の恣意が入り込み、正確なアンケート結果が得られない場合がある。具体的には、解約するつもりのないユーザからは、サービスの質の向上を求める内容のアンケート結果が得られる一方で、既に解約したユーザおよび解約する予定のユーザから得られるアンケート結果は、当該ユーザの行動および思考とは乖離する傾向がある。したがって、アンケート結果に基づいて解約要因に関する高い精度の分析結果を得ることは困難である。アンケート結果を用いることなく、解約要因に関するより高い精度の分析結果を得ることが可能な技術が望まれる。
【0108】
これに対して、本開示の実施の形態に係る解約要因分析システム201では、コンテンツ送信装置10は、受信契約に基づいて、複数のユーザ宅の各々に設置されたコンテンツ受信装置11へコンテンツを送信する。分析装置101は、複数のコンテンツ受信装置11の各々の動作状態を示す動作データBD2を取得し、取得した動作データBD2に基づいて、受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析し、解約要因の分析結果を出力する。
【0109】
このように、コンテンツ受信装置11の動作状態を示す動作データBD2に基づいて解約要因を分析する構成により、たとえばユーザのアンケート結果に基づいて解約要因を分析する構成と比べて、ユーザの恣意が排除された客観的な動作データBD2に基づいて解約要因を分析することができるので、解約要因をより正確に分析することができる。したがって、コンテンツの受信契約の解約要因に関するより高い精度の分析結果を得ることができる。
【0110】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0111】
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。上記処理回路は、上記1または複数のプロセッサに加え、1または複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路等で構成されてもよい。上記1または複数のメモリは、上記各処理を上記1または複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1または複数のプロセッサは、上記1または複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお、物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。たとえば、物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、WAN (Wide Area Network)、およびインターネット等のネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置等から上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされても構わないし、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、および半導体メモリ等の記録媒体に格納された状態で流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされても構わない。
【0112】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
受信契約に基づいて、複数のユーザ宅の各々に設置されたコンテンツ受信装置へコンテンツを送信するコンテンツ送信装置と、
複数の前記コンテンツ受信装置の各々の動作状態を示す動作データを取得し、取得した前記動作データに基づいて、前記受信契約の解約に寄与する要因である解約要因を分析し、前記解約要因の分析結果を出力する分析装置とを備え、
前記分析装置は、前記動作データに基づいて、前記動作データの入力に対して、前記コンテンツ受信装置の前記受信契約が所定期間内において解約されるか否かの予測結果を出力する2値分類モデルを生成する、解約要因分析システム。
【符号の説明】
【0113】
10,10A,10B コンテンツ送信装置
11,11A,11B コンテンツ受信装置
12 表示装置
14 HDD(記録媒体)
15 リモコン
20A,20B 局舎
21 取得部
22 データ成形部
23 処理部
24 記憶部
51,51A,51B ネットワーク
101 分析装置
111 受信部
112 処理部
113 記憶部
151 リモコン操作部
201 解約要因分析システム。
1111 リモコン信号受信部
1112 コンテンツ受信部
1121 消去部
1122 録画部
1123 録画予約部
1124 視聴部
1125 録画再生部
1127 動作情報生成部
1128 送信処理部
1131 録画DB
1132 番組情報DB
1133 予約管理DB
BD2 動作データ
S1,S2 散布図
L1 回帰直線
L2 回帰曲線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9