IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

特開2024-152206画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラム
<>
  • 特開-画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラム 図1
  • 特開-画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラム 図2
  • 特開-画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラム 図3
  • 特開-画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラム 図4
  • 特開-画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152206
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/14 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
G03G21/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066256
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 亜土夢
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270KA04
2H270KA32
2H270LC11
2H270LC12
2H270LC13
2H270LC14
2H270LD15
2H270MC01
2H270MC48
2H270MC53
2H270MC55
2H270MD20
2H270MD26
2H270MD27
2H270MD29
2H270MH06
2H270MH09
2H270MH12
2H270NE14
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】画像先行印字において給紙に失敗した場合に、記録媒体の排出時間が長くなることを抑制する。
【解決手段】画像形成装置100は、画像形成部40と、給紙部20と、給紙部20と画像形成部40との間の記録媒体Pの搬送経路上に設けられ、記録媒体Pを検知する第1検知部71と、搬送経路上であって、第1検知部71よりも記録媒体Pの搬送方向の下流側に設けられ、記録媒体Pを検知する第2検知部72とを備える。画像形成部40は、記録媒体Pが第1検知部71によって検知される前に画像形成動作を開始する。画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、記録媒体Pが第2検知部72によって検知されない場合に、画像形成部40は、画像を中間転写材上から除去するクリーニング動作を実行し、記録媒体Pが第1検知部71によって検知された後に画像形成動作を再開する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を中間転写材上に形成する画像形成動作を行い、当該画像を当該中間転写材から記録媒体に転写する画像形成部と、
前記記録媒体を前記画像形成部に供給するための給紙動作を行う給紙部と、
前記給紙部と前記画像形成部との間の前記記録媒体の搬送経路上に設けられ、前記記録媒体を検知する第1検知部と、
前記搬送経路上であって、前記第1検知部よりも前記記録媒体の搬送方向の下流側に設けられ、前記記録媒体を検知する第2検知部とを備え、
前記画像形成部は、前記記録媒体が前記第1検知部によって検知される前に前記画像形成動作を開始し、
前記画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されない場合に、前記画像形成部は、前記画像を前記中間転写材上から除去するクリーニング動作を実行し、前記記録媒体が前記第1検知部によって検知された後に前記画像形成動作を再開する、画像形成装置。
【請求項2】
前記クリーニング動作が実行されるとともに、前記記録媒体が前記第1検知部によって検知された後に、前記画像形成部は前記画像形成動作を再開する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されず、かつ、前記記録媒体が前記第1検知部によって既に検知されている場合には、前記画像形成部は、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知される前に前記画像形成動作を再開する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されず、かつ、前記記録媒体が前記第1検知部によってまだ検知されていない場合には、前記給紙部は前記給紙動作のリトライを行い、
前記画像形成部は、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知された後に前記画像形成動作を再開する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1タイミングにおいて前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されない場合に、前記給紙部は前記給紙動作のリトライを行い、
前記画像形成装置は、前記給紙部により前記給紙動作のリトライが所定回数行われたが、前記第2検知部によって前記記録媒体が検知されない場合に、搬送ジャムと判断する制御部をさらに備える、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記クリーニング動作が完了するまで、前記画像形成部は前記画像形成動作を停止し、前記給紙部は前記給紙動作を停止する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されず、かつ、前記記録媒体が前記第1検知部によってまだ検知されていない場合には、前記給紙部は前記給紙動作のリトライを行い、
前記給紙動作のリトライの後の第2タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されず、かつ、前記記録媒体が前記第1検知部によって既に検知されている場合には、前記画像形成部は、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知される前に前記画像形成動作を再開する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置で行われる画像形成方法であって、
前記画像形成装置は、
画像を中間転写材上に形成する画像形成動作を行い、当該画像を当該中間転写材から記録媒体に転写する画像形成部と、
前記記録媒体を前記画像形成部に供給するための給紙動作を行う給紙部と、
前記給紙部と前記画像形成部との間の前記記録媒体の搬送経路上に設けられ、前記記録媒体を検知する第1検知部と、
前記搬送経路上であって、前記第1検知部よりも前記記録媒体の搬送方向の下流側に設けられ、前記記録媒体を検知する第2検知部とを備え、
前記画像形成方法は、
前記記録媒体が前記第1検知部によって検知される前に前記画像形成動作を開始することと、
前記画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されない場合に、前記画像を前記中間転写材上から除去するクリーニング動作を実行し、前記記録媒体が前記第1検知部によって検知された後に前記画像形成動作を再開することとを備える、画像形成方法。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成方法をコンピューターに実行させる、画像形成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置、画像形成方法、および画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の動作態様には、給紙に成功した後、画像形成動作を開始する給紙先行印字と、画像形成動作を開始してから所定時間が経過した後に給紙動作を開始する画像先行印字とがある。画像形成動作とは、画像を中間転写材上に形成することである。画像形成動作により形成された画像は転写位置まで運ばれ、転写位置において中間転写材から記録媒体に転写される。
【0003】
給紙先行印字では、給紙に成功したことにより画像形成動作が開始される。そのため、給紙先行印字では、画像が転写位置へ到達するタイミングに合わせて記録媒体を転写位置へ搬送することはできるが、印刷ジョブが開始されてから記録媒体が排出されるまでの排出時間は長くなる。一方、画像先行印字では、給紙動作が開始される前から画像形成動作が開始される。そのため、画像先行印字では、記録媒体の排出時間を短縮することができる。しかしながら、画像先行印字では、給紙に失敗した場合に、転写位置への記録媒体の到達が画像の転写位置への到達タイミングに間に合わない。
【0004】
このような画像先行印字における課題に対し、特開2003-316215号公報および特開2008-52257号公報には、給紙に失敗した場合に、給紙先行印字に切り替えて、画像形成動作を再開することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-316215号公報
【特許文献2】特開2008-52257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1または2に開示される方法によれば、給紙に失敗した場合には、給紙先行印字で画像形成動作が再開される。そのため、特許文献1または2に開示される方法によれば、転写位置への記録媒体の到達を画像の転写位置への到達タイミングに間に合わせることはできるが、記録媒体の排出時間は長くなる。
【0007】
本開示は、画像先行印字において給紙に失敗した場合に、記録媒体の排出時間が長くなることを抑制することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のある局面に従う画像形成装置は、画像を中間転写材上に形成する画像形成動作を行い、当該画像を当該中間転写材から記録媒体に転写する画像形成部と、記録媒体を画像形成部に供給するための給紙動作を行う給紙部と、給紙部と画像形成部との間の記録媒体の搬送経路上に設けられ、記録媒体を検知する第1検知部と、搬送経路上であって、第1検知部よりも記録媒体の搬送方向の下流側に設けられ、記録媒体を検知する第2検知部とを備える。画像形成部は、記録媒体が第1検知部によって検知される前に画像形成動作を開始する。画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、記録媒体が第2検知部によって検知されない場合に、画像形成部は、画像を中間転写材上から除去するクリーニング動作を実行し、記録媒体が第1検知部によって検知された後に画像形成動作を再開する。
【0009】
好ましくは、クリーニング動作が実行されるとともに、記録媒体が第1検知部によって検知された後に、画像形成部は画像形成動作を再開する。
【0010】
好ましくは、第1タイミングにおいて、記録媒体が第2検知部によって検知されず、かつ、記録媒体が第1検知部によって既に検知されている場合には、画像形成部は、記録媒体が第2検知部によって検知される前に画像形成動作を再開する。
【0011】
好ましくは、第1タイミングにおいて、記録媒体が第2検知部によって検知されず、かつ、記録媒体が第1検知部によってまだ検知されていない場合には、給紙部は給紙動作のリトライを行う。画像形成部は、記録媒体が第2検知部によって検知された後に画像形成動作を再開する。
【0012】
好ましくは、第1タイミングにおいて記録媒体が第2検知部によって検知されない場合に、給紙部は給紙動作のリトライを行う。画像形成装置は、給紙部により給紙動作のリトライが所定回数行われたが、第2検知部によって記録媒体が検知されない場合に、搬送ジャムと判断する制御部をさらに備える。
【0013】
好ましくは、クリーニング動作が完了するまで、画像形成部は画像形成動作を停止し、給紙部は給紙動作を停止する。
【0014】
好ましくは、第1タイミングにおいて、記録媒体が第2検知部によって検知されず、かつ、記録媒体が第1検知部によってまだ検知されていない場合には、給紙部は給紙動作のリトライを行う。給紙動作のリトライの後の第2タイミングにおいて、記録媒体が第2検知部によって検知されず、かつ、記録媒体が第1検知部によって既に検知されている場合には、画像形成部は、記録媒体が第2検知部によって検知される前に画像形成動作を再開する。
【0015】
本開示の他の局面に従う画像形成方法は、画像形成装置で行われる画像形成方法である。画像形成装置は、画像を中間転写材上に形成する画像形成動作を行い、当該画像を当該中間転写材から記録媒体に転写する画像形成部と、記録媒体を画像形成部に供給するための給紙動作を行う給紙部と、給紙部と画像形成部との間の記録媒体の搬送経路上に設けられ、記録媒体を検知する第1検知部と、搬送経路上であって、第1検知部よりも記録媒体の搬送方向の下流側に設けられ、記録媒体を検知する第2検知部とを備える。画像形成方法は、記録媒体が第1検知部によって検知される前に画像形成動作を開始することと、画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、記録媒体が第2検知部によって検知されない場合に、画像を中間転写材上から除去するクリーニング動作を実行し、記録媒体が第1検知部によって検知された後に画像形成動作を再開することとを備える。
【0016】
本開示の他の局面に従う画像形成プログラムは、上述の画像形成方法をコンピューターに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、画像先行印字において給紙に失敗した場合に、記録媒体の排出時間が長くなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施の形態における画像形成装置の一例を示す図である。
図2】本実施の形態における画像形成装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図3】本実施の形態における画像形成装置の給紙および画像形成に関する処理の手順の第1の部分を示すフローチャートである。
図4】本実施の形態における画像形成装置の給紙および画像形成に関する処理の手順の第2の部分を示すフローチャートである。
図5】本実施の形態における画像形成装置の給紙および画像形成に関する処理の手順の第3の部分を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本開示に従う実施の形態および変形例について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される実施の形態および変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0020】
[実施の形態]
<A.画像形成装置の構成>
図1および図2を参照して、本実施の形態における画像形成装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態における画像形成装置の一例を示す図である。図2は、本実施の形態における画像形成装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0021】
図1および図2を参照して、本実施の形態における画像形成装置100は、カラータンデム方式で、用紙Pに画像を形成する。用紙Pは、本開示における「記録媒体」の一例である。
【0022】
画像形成装置100は、制御部10と、給紙部20と、レジスト部30と、画像形成部40と、定着部50と、排紙部60と、給紙センサー71と、タイミングセンサー72と、排紙センサー73と、操作パネル80と、通信インターフェイス90とを備える。制御部10と、給紙部20と、レジスト部30と、画像形成部40と、定着部50と、排紙部60と、給紙センサー71と、タイミングセンサー72と、排紙センサー73と、操作パネル80と、通信インターフェイス90とは、バス99で接続されている。
【0023】
制御部10は、プロセッサー11、メモリー12、およびストレージ13を含む。プロセッサー11は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro-Processing Unit)などで構成される。メモリー12は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成される。ストレージ13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはフラッシュメモリーなどの不揮発性記憶装置で構成される。
【0024】
ストレージ13は、プログラム131を記憶する。プログラム131は、画像形成装置100を制御するためのコンピューター読取可能な命令を含む。プログラム131は、本開示における「画像形成プログラム」を含む。プロセッサー11はプログラム131を実行することで、画像形成装置100の各部を制御し、本実施の形態に従う各種処理を実現する。
【0025】
プログラム131は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う画像形成装置100の趣旨を逸脱するものではない。また、プログラム131によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウエアによって実現されてもよい。
【0026】
給紙部20は、給紙カセット21と、給紙ローラー22と、給紙ローラー22に対応付けられた給紙モーター23と、給紙モーター23を駆動するドライバー24とを含む。給紙カセット21は、用紙Pを複数収容している。給紙ローラー22は、給紙モーター23の駆動に伴って回転する。給紙部20は、用紙Pを画像形成部40に供給するための給紙動作を行う。給紙動作とは、用紙Pを1枚ずつ搬送経路Rへ送り出してレジスト部30へ搬送することである。給紙モーター23の駆動に伴って給紙ローラー22が回転することにより、給紙動作が開始される。給紙動作により、用紙Pはレジスト部30まで搬送され、レジスト部30で停止する。
【0027】
レジスト部30は、タイミングローラー32と、タイミングローラー32に対応付けられたタイミングモーター33と、タイミングモーター33を駆動するドライバー34とを含む。タイミングローラー32は、タイミングモーター33の駆動に伴って回転する。レジスト部30は、画像形成部40への用紙Pの搬送タイミングを調整する。より具体的には、用紙Pはタイミングローラー32に押し当てられて斜行補正された後、一旦停止する。その後、画像形成部40で作成中の画像と同期したタイミングでタイミングモーター33が駆動する。より具体的には、後述する作像部42によって転写ベルト41上に形成されたトナー像が転写位置44に到達するタイミングで、用紙Pが転写位置44へ到達するようにタイミングモーター33が駆動する。タイミングモーター33の駆動に伴ってタイミングローラー32が回転することにより、用紙Pが転写位置44へ搬送される。
【0028】
画像形成部40は、トナーを用いて用紙Pに画像データに基づく画像を形成する。画像形成部40は、転写ベルト41と、作像部42Yと、作像部42Mと、作像部42Cと、作像部42Kと、転写ローラー43と、電圧源45と、クリーニング装置46とを含む。転写ベルト41は、複数のローラーの周りに架け渡されており、矢印Aの方向に走行する。
【0029】
作像部42Yと、作像部42Mと、作像部42Cと、作像部42Kとは、転写ベルト41の走行方向に沿って直列に配置されている。転写ベルト41は、本開示における「中間転写材」の一例である。作像部42Yは、イエローのトナー像を転写ベルト41上に形成する。作像部42Mは、マゼンタのトナー像を転写ベルト41上に形成する。作像部42Cは、シアンのトナー像を転写ベルト41上に形成する。作像部42Kは、ブラックのトナー像を転写ベルト41上に形成する。以下の説明において、作像部42Y、作像部42M、作像部42C、および作像部42Kを区別しない場合には、「作像部42」と称する。
【0030】
作像部42Yは、感光体1Yと、感光体1Yを帯電する帯電装置2Yと、感光体1Yをイエローの画像データに基づいて露光する露光装置3Yと、イエローのトナーを感光体1Yに供給する現像装置4Yと、感光体1Y上に形成されたイエローのトナー像を転写ベルト41に転写するための転写ローラー5Yとを含む。
【0031】
作像部42Mは、感光体1Mと、感光体1Mを帯電する帯電装置2Mと、感光体1Mをマゼンタの画像データに基づいて露光する露光装置3Mと、マゼンタのトナーを感光体1Mに供給する現像装置4Mと、感光体1M上に形成されたマゼンタのトナー像を転写ベルト41に転写するための転写ローラー5Mとを含む。
【0032】
作像部42Cは、感光体1Cと、感光体1Cを帯電する帯電装置2Cと、感光体1Cをシアンの画像データに基づいて露光する露光装置3Cと、シアンのトナーを感光体1Cに供給する現像装置4Cと、感光体1C上に形成されたシアンのトナー像を転写ベルト41に転写するための転写ローラー5Cとを含む。
【0033】
作像部42Kは、感光体1Kと、感光体1Kを帯電する帯電装置2Kと、感光体1Kをブラックの画像データに基づいて露光する露光装置3Kと、ブラックのトナーを感光体1Kに供給する現像装置4Kと、感光体1K上に形成されたブラックのトナー像を転写ベルト41に転写するための転写ローラー5Kとを含む。
【0034】
以下の説明において、感光体1Yと、感光体1Mと、感光体1Cと、感光体1Kとを区別しない場合には、「感光体1」と称する。以下の説明において、帯電装置2Yと、帯電装置2Mと、帯電装置2Cと、帯電装置2Kとを区別しない場合には、「帯電装置2」と称する。以下の説明において、露光装置3Yと、露光装置3Mと、露光装置3Cと、露光装置3Kとを区別しない場合には、「露光装置3」と称する。以下の説明において、現像装置4Yと、現像装置4Mと、現像装置4Cと、現像装置4Kとを区別しない場合には、「現像装置4」と称する。以下の説明において、転写ローラー5Yと、転写ローラー5Mと、転写ローラー5Cと、転写ローラー5Kとを区別しない場合には、「転写ローラー5」と称する。
【0035】
感光体1は、回転可能に構成されている。プロセッサー11から画像形成動作の開始指令を受信した画像形成部40では、画像(トナー像)を転写ベルト41上に形成する画像形成動作が作像部42により行われる。
【0036】
より具体的には、まず、帯電装置2Yが感光体1Yを帯電する。次いで、露光装置3Yがイエローの画像データに基づいて感光体1Yを露光する。次いで、現像装置4Yがイエローのトナーを感光体1Yに供給する。これにより、イエローのトナー像が感光体1Y上に形成される。次いで、イエローのトナー像が感光体1Yと転写ベルト41との間に形成されるニップ部を通過するときに、トナーの極性とは逆極性のバイアスが電圧源45によって転写ローラー5Yへ加えられる。これにより、イエローのトナー像が感光体1Yから転写ベルト41へ転写され、イエローのトナー像が転写ベルト41上に形成される。
【0037】
次いで、作像部42Mがマゼンタのトナー像を感光体1M上に形成し、転写ベルト41上のトナー像に重なるようにマゼンタのトナー像を感光体1Mから転写ベルト41へ転写する。次いで、作像部42Cがシアンのトナー像を感光体1C上に形成し、転写ベルト41上のトナー像に重なるようにシアンのトナー像を感光体1Cから転写ベルト41へ転写する。最後に、作像部42Kがブラックのトナー像を感光体1K上に形成し、転写ベルト41上のトナー像に重なるようにブラックのトナー像を感光体1Kから転写ベルト41へ転写する。
【0038】
これにより、転写ベルト41上に画像データに基づくトナー像が形成される。なお、感光体1へのトナー像の形成方法、および、当該トナー像の感光体1から転写ベルト41への転写方法は、作像部42Y、作像部42M、作像部42C、および作像部42Kで同じである。
【0039】
用紙Pが転写ベルト41と転写ローラー43との間に形成されるニップ部(転写位置44)を通過するときに、トナーの極性とは逆極性のバイアスが電圧源45によって転写ローラー43へ加えられる。これにより、トナー像が転写ベルト41から用紙Pに転写され、用紙Pに画像が形成される。
【0040】
クリーニング装置46は、転写ベルト41の画像が形成される面をクリーニングする。クリーニング装置46は、転写位置44よりも転写ベルト41の走行方向の下流側に設けられる。クリーニング装置46は、クリーニングブレード46aと、クリーニングブレード46aにより回収された廃トナーを収容する廃トナーボックス46bとを含む。
【0041】
後述するように、画像形成部40は、プロセッサー11から画像形成動作の停止指令とクリーニング動作の開始指令とを受信する場合がある。画像形成部40は、プロセッサー11から画像形成動作の停止指令とクリーニング動作の開始指令とを受信した場合には、画像形成動作を停止するとともに、画像(トナー像)を転写ベルト41上から除去するクリーニング動作を実行する。より具体的には、作像部42は、画像形成動作を停止し、電圧源45は、トナーの極性と同じ極性のバイアスを転写ローラー43へ加える。これにより、トナー像は転写位置44を通過するときに転写ローラー43へ転写されることなく転写ベルト41上に残留する。その後、トナー像は、クリーニング装置46によって転写ベルト41上から除去される。
【0042】
定着部50は、定着ローラー52と加圧ローラー53とを含む。定着部50は、トナー像が転写された用紙Pを加熱および加圧して用紙Pにトナー像を定着させる。
【0043】
排紙部60は、排紙ローラー62と、排紙ローラー62に対応付けられた排紙モーター63と、排紙モーター63を駆動するドライバー64とを含む。排紙ローラー62は、排紙モーター63の駆動に伴って回転し、トナー像が定着した用紙Pをトレイ95に排出する。
【0044】
給紙センサー71は、本開示における「第1検知部」の一例である。給紙センサー71は、給紙部20と画像形成部40との間の用紙Pの搬送経路R上に設けられ、用紙Pを検知する。給紙センサー71は、用紙Pを検知した場合には、用紙Pを検知したことを示すON信号をプロセッサー11に出力する。
【0045】
タイミングセンサー72は、本開示における「第2検知部」の一例である。タイミングセンサー72は、搬送経路R上であって、給紙センサー71よりも用紙Pの搬送方向の下流側に設けられ、用紙Pを検知する。より具体的には、タイミングセンサー72は、搬送経路R上であって、給紙センサー71とレジスト部30との間に設けられる。タイミングセンサー72は、用紙Pを検知した場合には、用紙Pを検知したことを示すON信号をプロセッサー11に出力する。
【0046】
給紙センサー71は、タイミングセンサー72よりも用紙Pの搬送方向の上流側において用紙Pの通過有無を検知するためのセンサーである。タイミングセンサー72は、給紙部20が給紙に成功したか否かを判定するためのセンサーである。
【0047】
排紙センサー73は、搬送経路R上であって、定着部50と排紙部60との間に設けられ、用紙Pを検知する。排紙センサー73は、用紙Pを検知した場合には、用紙Pを検知したことを示すON信号をプロセッサー11に出力する。
【0048】
操作パネル80は、入力部81と表示部82とを含む。入力部81は、ユーザーの操作を受け付け、当該操作を操作信号に変換してプロセッサー11に出力する。入力部81は、例えばタッチパッドである。表示部82は、画像形成装置100の動作ステータスや処理結果等の各種情報を表示する。表示部82は、例えば、液晶ディスプレイである。操作パネル80では、入力部81が表示部82に重ねられて配置されている。
【0049】
通信インターフェイス90は、外部装置500と情報の送受信を行う。一例として、プロセッサー11は、通信インターフェイス90を介して、外部装置500から画像データを受信する。
【0050】
<B.給紙および画像形成に関する処理>
図3図5を参照して、画像形成装置100の給紙および画像形成に関する処理について説明する。図3は、本実施の形態における画像形成装置の給紙および画像形成に関する処理の手順の第1の部分を示すフローチャートである。図4は、本実施の形態における画像形成装置の給紙および画像形成に関する処理の手順の第2の部分を示すフローチャートである。図5は、本実施の形態における画像形成装置の給紙および画像形成に関する処理の手順の第3の部分を示すフローチャートである。
【0051】
ステップS1において、プロセッサー11は、画像形成動作を開始するタイミングであるか否かを判定する。プロセッサー11は、プリントジョブの実行開始指示を受信した場合に、画像形成動作を開始するタイミングであると判定する。画像形成動作を開始するタイミングである場合には(ステップS1においてYES)、プロセッサー11はステップS2へ処理を移行する。一方、画像形成動作を開始するタイミングではない場合には(ステップS1においてNO)、プロセッサー11はステップS1を繰り返す。
【0052】
ステップS2において、プロセッサー11は、画像形成部40に対し、画像形成動作の開始指令を出力する。これにより、作像部42は、画像形成動作を開始する。画像形成動作の開始時点において、給紙動作はまだ開始されていない。すなわち、画像形成部40は、用紙Pが給紙センサー71によって検知される前に画像形成動作を開始する。給紙に成功する前に(用紙Pがタイミングセンサー72によって検知される前に)画像形成動作が開始されることから、画像先行印字といえる。
【0053】
ステップS3において、プロセッサー11は、給紙動作を開始するタイミングであるか否かを判定する。画像形成動作が開始されてから第1の所定時間が経過した場合に、プロセッサー11は、給紙動作を開始するタイミングであると判定する。給紙動作を開始するタイミングである場合には(ステップS3においてYES)、プロセッサー11はステップS4へ処理を移行する。一方、給紙動作を開始するタイミングではない場合には(ステップS3においてNO)、プロセッサー11はステップS3を繰り返す。
【0054】
ステップS4において、プロセッサー11は、給紙部20に対し、給紙動作の開始指令を出力する。これにより、給紙モーター23が駆動して、給紙ローラー22が回転することから、給紙動作が開始される。給紙動作が正常な場合には、用紙Pはレジスト部30まで搬送される。
【0055】
ステップS5において、プロセッサー11は、給紙に成功したか否かを判定する。給紙部20による給紙動作が開始されてから第2の所定時間以内にタイミングセンサー72が用紙Pを検知した場合に、プロセッサー11は、給紙に成功したと判定する。すなわち、画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知された場合に、プロセッサー11は、給紙に成功したと判定する。一方、画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知されない場合に、プロセッサー11は、給紙に成功しなかったと判定する。給紙に成功した場合には(ステップS5においてYES)、プロセッサー11はステップS15へ処理を移行する。一方、給紙に成功しなかった場合には(ステップS5においてNO)、プロセッサー11はステップS6へ処理を移行する。
【0056】
ステップS6において、プロセッサー11は、画像形成部40に対し、画像形成動作の停止指令とクリーニング動作の開始指令とを出力し、給紙部20に対し、給紙動作の停止指令を出力する。これにより、画像形成部40は画像形成動作を停止するとともに、クリーニング動作を開始する。また、給紙部20は、給紙動作を停止する。
【0057】
ステップS7において、プロセッサー11は、クリーニング動作が完了したか否かを判定する。クリーニング動作が完了した場合には(ステップS7においてYES)、プロセッサー11はステップS8へ処理を移行する。一方、クリーニング動作が完了していない場合には(ステップS7においてNO)、プロセッサー11はステップS7を繰り返す。ステップS7の処理により、クリーニング動作が完了するまで、ステップS8以降の処理は開始されない。したがって、クリーニング動作が完了するまで、画像形成部40は画像形成動作を停止し、給紙部20は給紙動作を停止する。
【0058】
ステップS8において、プロセッサー11は、用紙Pが給紙センサー71によって検知されているか否かを判定する。プロセッサー11は、給紙センサー71からON信号を受信している場合には、用紙Pが給紙センサー71によって検知されていると判定する。用紙Pが給紙センサー71によって検知されている場合には(ステップS8においてYES)、プロセッサー11はステップS9へ処理を移行する。一方、用紙Pが給紙センサー71によって検知されていない場合には(ステップS8においてNO)、プロセッサー11はステップS18へ処理を移行する。
【0059】
ステップS9において、プロセッサー11は、画像形成部40に対し、画像形成動作の再開指令を出力する。これにより、作像部42は、画像形成動作を再開する。ステップS6にて、トナー像が転写ベルト41上から除去されているので、作像部42は、画像形成動作を最初からやり直す。
【0060】
すなわち、画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知されない場合には(ステップS5においてNO)、画像形成部40は、クリーニング動作を実行し(ステップS6)、用紙Pが給紙センサー71によって検知された後に画像形成動作を再開する(ステップS9)。本実施の形態においては、クリーニング動作が実行されるとともに、用紙Pが給紙センサー71によって検知された後に、画像形成部40は画像形成動作を再開する。すなわち、クリーニング動作が完了したタイミングでステップS8が実施される。一般的に、クリーニング動作は短時間で行われる。そのため、ステップS5にて給紙に成功しなかったと判定されてからステップS8にて用紙Pが給紙センサー71によって検知されるまでの間に、ユーザーによるジャム紙を取り除く作業は発生しない。ステップS9の時点において、用紙Pは給紙センサー71によって検知されているが、タイミングセンサー72によっては検知されていない。したがって、画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知されず、かつ、用紙Pが給紙センサー71によって既に検知されている場合には(ステップS8においてYES)、画像形成部40は、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知される前に画像形成動作を再開する(ステップS9)。給紙に成功する前に(用紙Pがタイミングセンサー72によって検知される前に)画像形成動作が再開されることから、画像先行印字といえる。
【0061】
ステップS10において、プロセッサー11は、給紙動作のリトライを行うタイミングであるか否かを判定する。画像形成動作が再開されてから第1の所定時間が経過した場合に、プロセッサー11は、給紙動作のリトライを行うタイミングであると判定する。給紙動作のリトライを行うタイミングである場合には(ステップS10においてYES)、プロセッサー11はステップS11へ処理を移行する。一方、給紙動作のリトライを行うタイミングではない場合には(ステップS10においてNO)、プロセッサー11はステップS10を繰り返す。
【0062】
ステップS11において、プロセッサー11は、給紙部20に対し、給紙動作のリトライ指令を出力する。これにより、給紙モーター23が再び駆動して、給紙ローラー22が回転することから、給紙動作のリトライが行われる。すなわち、画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて用紙Pがタイミングセンサー72によって検知されない場合には(ステップS5においてNO)、給紙部20は給紙動作のリトライを行う(ステップS11)。給紙動作のリトライが正常な場合には、用紙Pはレジスト部30まで搬送される。
【0063】
ステップS12において、プロセッサー11は、給紙に成功したか否かを判定する。給紙部20による給紙動作のリトライが開始されてから第2の所定時間以内にタイミングセンサー72が用紙Pを検知した場合に、プロセッサー11は、給紙に成功したと判定する。すなわち、画像形成動作の再開後の第1タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知された場合に、プロセッサー11は、給紙に成功したと判定する。給紙に成功した場合には(ステップS12においてYES)、プロセッサー11はステップS15へ処理を移行する。一方、給紙に成功しなかった場合には(ステップS12においてNO)、プロセッサー11はステップS13へ処理を移行する。
【0064】
ステップS13において、プロセッサー11は、給紙動作のリトライが2回行われたか否かを判定する。給紙動作のリトライが2回行われた場合には(ステップS13においてYES)、プロセッサー11はステップS14へ処理を移行する。一方、給紙動作のリトライが2回行われていない場合には(ステップS13においてNO)、プロセッサー11はステップS6へ処理を移行する。
【0065】
ステップS14において、プロセッサー11は、搬送ジャムと判断し、表示部82に対し、搬送ジャムの通知指令を出力する。すなわち、給紙部20により給紙動作のリトライが所定回数行われたが、タイミングセンサー72によって用紙Pが検知されない場合には(ステップS13においてYES)、制御部10は、搬送ジャムと判断し、表示部82に対し、搬送ジャムの通知指令を出力する。これにより、表示部82は、搬送ジャムの発生を通知するメッセージを表示する。
【0066】
ステップS15において、プロセッサー11は、レジスト部30に対し、用紙Pの搬送停止指令を出力する。これにより、タイミングモーター33が停止した状態に維持されることから、タイミングローラー32もまた停止した状態に維持されるため、用紙Pの搬送が停止する。
【0067】
ステップS16において、プロセッサー11は、用紙Pの搬送を再開するタイミングであるか否かを判定する。作像部42による転写ベルト41へのトナー像の形成が完了した場合に、プロセッサー11は、用紙Pの搬送を再開するタイミングであると判定する。用紙Pの搬送を再開するタイミングである場合には(ステップS16においてYES)、プロセッサー11はステップS17へ処理を移行する。一方、用紙Pの搬送を再開するタイミングではない場合には(ステップS16においてNO)、プロセッサー11はステップS16を繰り返す。
【0068】
ステップS17において、プロセッサー11は、レジスト部30に対し、用紙Pの搬送再開の指令を出力する。これにより、タイミングモーター33が駆動して、タイミングローラー32が回転することから、用紙Pが転写位置44へ搬送される。
【0069】
ステップS18において、プロセッサー11は、給紙部20に対し、給紙動作のリトライ指令を出力する。これにより、給紙モーター23が再び駆動して、給紙ローラー22が回転することから、給紙動作のリトライが行われる。すなわち、画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知されず、かつ、用紙Pが給紙センサー71によってまだ検知されていない場合には(ステップS8においてNO)、給紙部20は給紙動作のリトライを行う(ステップS18)。給紙動作のリトライが正常な場合には、用紙Pはレジスト部30まで搬送される。
【0070】
ステップS19において、プロセッサー11は、給紙に成功したか否かを判定する。給紙部20による給紙動作のリトライが開始されてから第2の所定時間以内にタイミングセンサー72が用紙Pを検知した場合に、プロセッサー11は、給紙に成功したと判定する。すなわち、給紙動作のリトライの後の第2タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知された場合に、プロセッサー11は、給紙に成功したと判定する。給紙に成功した場合には(ステップS19においてYES)、プロセッサー11はステップS23へ処理を移行する。一方、給紙に成功しなかった場合には(ステップS19においてNO)、プロセッサー11はステップS20へ処理を移行する。
【0071】
ステップS20において、プロセッサー11は、給紙部20に対し、給紙動作の停止指令を出力する。これにより、給紙モーター23の駆動が停止して、給紙ローラー22が停止することから、給紙動作が停止する。
【0072】
ステップS21において、プロセッサー11は、給紙動作のリトライが2回行われたか否かを判定する。給紙動作のリトライが2回行われた場合には(ステップS21においてYES)、プロセッサー11はステップS22へ処理を移行する。一方、給紙動作のリトライが2回行われていない場合には(ステップS21においてNO)、プロセッサー11はステップS8へ処理を移行する。
【0073】
画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知されず、かつ、用紙Pが給紙センサー71によってまだ検知されていない場合には(ステップS8においてNO)、給紙部20が給紙動作のリトライを行い(ステップS18)、給紙動作のリトライの後の第2タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知されず(ステップS19においてNO)、かつ、給紙動作のリトライが所定回数行われておらず(ステップS21においてNO)、かつ、用紙Pが給紙センサー71によって既に検知されている場合には(ステップS8においてYES)、プロセッサー11はステップS9へ処理を移行する。したがって、画像形成部40は、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知される前に画像形成動作を再開する(ステップS9)。給紙に成功する前に(用紙Pがタイミングセンサー72によって検知される前に)画像形成動作が開始されることから、画像先行印字といえる。
【0074】
ステップS22において、プロセッサー11は、搬送ジャムと判断し、表示部82に対し、搬送ジャムの通知指令を出力する。すなわち、給紙部20により給紙動作のリトライが所定回数行われたが、タイミングセンサー72によって用紙Pが検知されない場合には(ステップS21においてYES)、制御部10は、搬送ジャムと判断し、表示部82に対し、搬送ジャムの通知指令を出力する。これにより、表示部82は、搬送ジャムの発生を通知するメッセージを表示する。
【0075】
ステップS23において、プロセッサー11は、レジスト部30に対し、用紙Pの搬送停止指令を出力する。これにより、タイミングモーター33が停止した状態に維持されることから、タイミングローラー32もまた停止した状態に維持されるため、用紙Pの搬送が停止する。
【0076】
ステップS24において、プロセッサー11は、画像形成部40に対し、画像形成動作の再開指令を出力する。これにより、作像部42は、画像形成動作を再開する。ステップS6にて、トナー像が転写ベルト41上から除去されているので、作像部42は、画像形成動作を最初からやり直す。
【0077】
画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知されず、かつ、用紙Pが給紙センサー71によってまだ検知されていない場合には(ステップS8においてNO)、給紙部20は給紙動作のリトライを行い(ステップS18)、画像形成部40は、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知された後に画像形成動作を再開する(ステップS24)。より具体的には、画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知されず、かつ、用紙Pが給紙センサー71によってまだ検知されていない場合には(ステップS8においてNO)、給紙部20は、給紙動作のリトライを行い(ステップS18)、画像形成部40は、給紙動作のリトライの後の第2タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知された場合には、画像形成動作を再開する(ステップS24)。給紙に成功した後に(用紙Pがタイミングセンサー72によって検知された後に)画像形成動作が開始されることから、給紙先行印字といえる。
【0078】
なお、ステップS24の時点において、用紙Pはタイミングセンサー72によって検知されているので、用紙Pは給紙センサー71によっても検知されている。したがって、画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、用紙Pがタイミングセンサー72によって検知されない場合には(ステップS5においてNO)、画像形成部40は、クリーニング動作を実行し(ステップS6)、用紙Pが給紙センサー71によって検知された後に画像形成動作を再開する(ステップS24)。
【0079】
ステップS25において、プロセッサー11は、用紙Pの搬送を再開するタイミングであるか否かを判定する。作像部42による転写ベルト41へのトナー像の形成が完了した場合に、プロセッサー11は、用紙Pの搬送を再開するタイミングであると判定する。用紙Pの搬送を再開するタイミングである場合には(ステップS25においてYES)、プロセッサー11はステップS26へ処理を移行する。一方、用紙Pの搬送を再開するタイミングではない場合には(ステップS25においてNO)、プロセッサー11はステップS25を繰り返す。
【0080】
ステップS26において、プロセッサー11は、レジスト部30に対し、用紙Pの搬送再開の指令を出力する。これにより、タイミングモーター33が駆動して、タイミングローラー32が回転することから、用紙Pが転写位置44へ搬送される。ステップS14、S17、S22、またはS26の後、給紙および画像形成に関する処理が終了する。
【0081】
上述の給紙および画像形成に関する処理から分かるように、画像先行印字で画像形成動作を開始したが、給紙に失敗した場合には、プロセッサー11は、給紙部20と画像形成部40との間に設けられる2つのセンサー(給紙センサー71およびタイミングセンサー72)の検知結果に基づいて、画像形成動作の再開方法を給紙先行印字と画像先行印字とのいずれにするのかを決定する。
【0082】
なお、上述の給紙および画像形成に関する処理では、給紙動作のリトライが2回行われた場合に(ステップS13またはS21においてYES)、プロセッサー11は搬送ジャムと判断したが、搬送ジャムか否かを判断するための給紙動作のリトライ回数は2回に限られない。搬送ジャムか否かを判断するための給紙動作のリトライ回数は、所定回数であればよい。
【0083】
このように、本実施の形態における画像形成装置100は、画像先行印字で画像形成動作を開始したが、給紙に失敗した場合に、画像を転写ベルト41上から除去するクリーニング動作を実行し、用紙Pが給紙センサー71によって検知された後に画像形成動作を再開する。より具体的には、本実施の形態における画像形成装置100は、給紙部20と画像形成部40との間に、給紙センサー71とタイミングセンサー72との2つのセンサーを備え、当該2つのセンサーの検知結果に基づいて、画像形成動作の再開方法を給紙先行印字と画像先行印字とのいずれにするのかを決定する。2つのセンサーの検知結果より、用紙Pの挙動(用紙Pの搬送経路R内での位置)を把握することができる。すなわち、本実施の形態における画像形成装置100は、用紙Pの挙動に応じて、画像形成動作の再開方法を給紙先行印字と画像先行印字とのいずれにするのかを決定する。したがって、本実施の形態における画像形成装置100は、画像先行印字において給紙に失敗した場合に一律に給紙先行印字に切り替えて画像形成動作を再開する従来の画像形成装置(特許文献1または2に開示される装置)よりも、印刷ジョブが開始されてから用紙Pがトレイ95に排出されるまでの排出時間が長くなることを抑制することができる。
【0084】
また、本実施の形態における画像形成装置100は、給紙センサー71よりも用紙Pの搬送方向の下流側に設けられるタイミングセンサー72を用いて給紙に成功したか否かを判定する。そのため、本実施の形態における画像形成装置100では、用紙Pが給紙センサー71とタイミングセンサー72との間で停止した場合に、用紙Pが停止していることに気づくことができる。これに対し、特許文献1に開示される装置は、給紙機構において用紙のピックに成功したか否かに応じて給紙に成功したか否かを判定する。特許文献2に開示される装置は、給紙センサーによって給紙に成功したか否かを判定する。そのため、特許文献1または2に開示される装置では、給紙機構または給紙センサーよりも用紙の搬送方向の下流側で用紙が停止した場合に、用紙が停止していることに気づくことができず、転写位置44に用紙Pが到達していないにも関わらず、画像を中間転写材から用紙に転写する転写動作が実行されて、転写ローラーが汚れてしまう。転写ローラーが汚れている状態で次の転写動作が行われた場合には、用紙の裏面(転写ローラーと接する面)が汚れてしまう。
【0085】
これに対し、本実施の形態における画像形成装置100では、給紙センサー71よりも用紙Pの搬送方向の下流側に設けられるタイミングセンサー72を用いて給紙に成功したか否かが判定される。そのため、本実施の形態における画像形成装置100では、用紙Pが給紙センサー71とタイミングセンサー72との間で停止した場合に、用紙Pが停止していることに気づくことができる。これにより、本実施の形態における画像形成装置100では、転写位置44に用紙Pが到達していないにも関わらず、画像を転写ベルト41から用紙Pに転写する転写動作が実行されることを抑制することができる。そのため、本実施の形態における画像形成装置100では、転写ローラー43が汚れにくく、次の転写動作により用紙が汚れることを抑制することができる。
【0086】
したがって、本実施の形態における画像形成装置100は、転写位置44に用紙Pが到達していないにも関わらず、画像を転写ベルト41から用紙Pに転写する転写動作が実行されることを抑制できるとともに、印刷ジョブが開始されてから用紙Pがトレイ95に排出されるまでの排出時間が長くなることを抑制することができる。
【0087】
[付記]
上述した実施の形態および変形例は、以下のような技術思想を含む。
【0088】
[構成1]
画像を中間転写材上に形成する画像形成動作を行い、当該画像を当該中間転写材から記録媒体に転写する画像形成部と、
前記記録媒体を前記画像形成部に供給するための給紙動作を行う給紙部と、
前記給紙部と前記画像形成部との間の前記記録媒体の搬送経路上に設けられ、前記記録媒体を検知する第1検知部と、
前記搬送経路上であって、前記第1検知部よりも前記記録媒体の搬送方向の下流側に設けられ、前記記録媒体を検知する第2検知部とを備え、
前記画像形成部は、前記記録媒体が前記第1検知部によって検知される前に前記画像形成動作を開始し、
前記画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されない場合に、前記画像形成部は、前記画像を前記中間転写材上から除去するクリーニング動作を実行し、前記記録媒体が前記第1検知部によって検知された後に前記画像形成動作を再開する、画像形成装置。
【0089】
[構成2]
前記クリーニング動作が実行されるとともに、前記記録媒体が前記第1検知部によって検知された後に、前記画像形成部は前記画像形成動作を再開する、構成1に記載の画像形成装置。
【0090】
[構成3]
前記第1タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されず、かつ、前記記録媒体が前記第1検知部によって既に検知されている場合には、前記画像形成部は、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知される前に前記画像形成動作を再開する、構成1または2に記載の画像形成装置。
【0091】
[構成4]
前記第1タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されず、かつ、前記記録媒体が前記第1検知部によってまだ検知されていない場合には、前記給紙部は前記給紙動作のリトライを行い、
前記画像形成部は、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知された後に前記画像形成動作を再開する、構成1または2に記載の画像形成装置。
【0092】
[構成5]
前記第1タイミングにおいて前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されない場合に、前記給紙部は前記給紙動作のリトライを行い、
前記画像形成装置は、前記給紙部により前記給紙動作のリトライが所定回数行われたが、前記第2検知部によって前記記録媒体が検知されない場合に、搬送ジャムと判断する制御部をさらに備える、構成1~4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0093】
[構成6]
前記クリーニング動作が完了するまで、前記画像形成部は前記画像形成動作を停止し、前記給紙部は前記給紙動作を停止する、構成1~5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0094】
[構成7]
前記第1タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されず、かつ、前記記録媒体が前記第1検知部によってまだ検知されていない場合には、前記給紙部は前記給紙動作のリトライを行い、
前記給紙動作のリトライの後の第2タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されず、かつ、前記記録媒体が前記第1検知部によって既に検知されている場合には、前記画像形成部は、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知される前に前記画像形成動作を再開する、構成1または2に記載の画像形成装置。
【0095】
[構成8]
画像形成装置で行われる画像形成方法であって、
前記画像形成装置は、
画像を中間転写材上に形成する画像形成動作を行い、当該画像を当該中間転写材から記録媒体に転写する画像形成部と、
前記記録媒体を前記画像形成部に供給するための給紙動作を行う給紙部と、
前記給紙部と前記画像形成部との間の前記記録媒体の搬送経路上に設けられ、前記記録媒体を検知する第1検知部と、
前記搬送経路上であって、前記第1検知部よりも前記記録媒体の搬送方向の下流側に設けられ、前記記録媒体を検知する第2検知部とを備え、
前記画像形成方法は、
前記記録媒体が前記第1検知部によって検知される前に前記画像形成動作を開始することと、
前記画像形成動作の開始後の第1タイミングにおいて、前記記録媒体が前記第2検知部によって検知されない場合に、前記画像を前記中間転写材上から除去するクリーニング動作を実行し、前記記録媒体が前記第1検知部によって検知された後に前記画像形成動作を再開することとを備える、画像形成方法。
【0096】
[構成9]
構成8に記載の画像形成方法をコンピューターに実行させる、画像形成プログラム。
【0097】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0098】
1,1C,1K,1M,1Y 感光体、2,2C,2K,2M,2Y 帯電装置、3,3C,3K,3M,3Y 露光装置、4,4C,4K,4M,4Y 現像装置、5,5C,5K,5M,5Y,43 転写ローラー、10 制御部、11 プロセッサー、12 メモリー、13 ストレージ、20 給紙部、21 給紙カセット、22 給紙ローラー、23 給紙モーター、24,34,64 ドライバー、30 レジスト部、32 タイミングローラー、33 タイミングモーター、40 画像形成部、41 転写ベルト、42,42C,42K,42M,42Y 作像部、44 転写位置、45 電圧源、46 クリーニング装置、46a クリーニングブレード、46b 廃トナーボックス、50 定着部、52 定着ローラー、53 加圧ローラー、60 排紙部、62 排紙ローラー、63 排紙モーター、71 給紙センサー、72 タイミングセンサー、73 排紙センサー、80 操作パネル、81 入力部、82 表示部、90 通信インターフェイス、95 トレイ、99 バス、100 画像形成装置、131 プログラム、500 外部装置、A 矢印、P 用紙、R 搬送経路。
図1
図2
図3
図4
図5