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特開2024-152224データ処理装置、データ処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152224
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066288
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】512200217
【氏名又は名称】GO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 将洋
(72)【発明者】
【氏名】山田 洋介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 寛
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】使用済バッテリーを再利用先まで配送するためのコストを低減させる。
【解決手段】データ処理装置1は、複数の使用済バッテリーに関するバッテリー情報を取得するバッテリー情報取得部131と、複数のユーザからバッテリーの再利用の要求内容を示す要求情報を取得する要求情報取得部132と、バッテリー情報取得部131が取得した複数のバッテリー情報に対応する複数の使用済バッテリーそれぞれがある位置を示す第1位置情報と、要求情報取得部132が取得した複数の要求情報に対応する複数のユーザそれぞれがバッテリーを再利用する位置を示す第2位置情報と、を記憶する記憶部12と、第1位置情報が示す位置と第2位置情報が示す位置との関係に基づいて、複数の使用済バッテリーを再利用させる複数のユーザを決定する決定部133と、を有する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の使用済バッテリーに関するバッテリー情報を取得するバッテリー情報取得部と、
複数のユーザからバッテリーの再利用の要求内容を示す要求情報を取得する要求情報取得部と、
前記バッテリー情報取得部が取得した複数の前記バッテリー情報に対応する前記複数の使用済バッテリーそれぞれがある位置を示す第1位置情報と、前記要求情報取得部が取得した複数の前記要求情報に対応する前記複数のユーザそれぞれがバッテリーを再利用する位置を示す第2位置情報と、を記憶する記憶部と、
前記第1位置情報が示す位置と前記第2位置情報が示す位置との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定する決定部と、
を有するデータ処理装置。
【請求項2】
前記バッテリー情報は前記使用済バッテリーの状態を示し、
前記決定部は、前記使用済バッテリーの状態が所定の基準を満たす場合に、前記使用済バッテリーを回収することなく、前記第1位置情報と前記第2位置情報との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定し、前記使用済バッテリーの状態が所定の基準を満たさない場合に、前記使用済バッテリーが回収された後に複数の前記ユーザを決定する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記第1位置情報に基づいて特定される複数の場所それぞれにある前記使用済バッテリーの数と、前記第2位置情報に基づいて特定される複数の場所で必要とされる前記使用済バッテリーの数との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記バッテリー情報は、前記使用済バッテリーが使用されたエリアを示す使用エリア情報を含み、
前記決定部は、前記使用エリア情報が示すエリアにおける環境と前記第2位置情報が示す位置における環境との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記使用済バッテリーの状態と、前記使用済バッテリーを使用可能な用途との関係を示す判定用データを記憶し、
前記バッテリー情報は、前記使用済バッテリーの状態を示す状態情報を含み、
前記要求情報は、前記ユーザがバッテリーを再利用する用途を示す用途情報を含み、
前記決定部は、前記判定用データを参照することにより、前記状態情報が示す状態と前記用途情報が示す用途との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記使用済バッテリーにおいて劣化した部材と、前記使用済バッテリーを使用可能な用途との関係を示す判定用データを記憶し、
前記バッテリー情報は、前記使用済バッテリーの状態を示す状態情報を含み、
前記要求情報は、前記ユーザがバッテリーを再利用する用途を示す用途情報を含み、
前記決定部は、前記状態情報に基づいて、前記使用済バッテリーにおいて劣化した部材を特定し、前記判定用データにおける特定した部材と前記用途情報が示す用途との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記使用済バッテリーにおいて劣化した部材と、前記使用済バッテリーを使用可能な用途との関係を示す判定用データを記憶し、
前記要求情報は、前記ユーザがバッテリーを再利用する用途を示す用途情報を含み、
前記バッテリー情報取得部は、前記使用済バッテリーの改修により交換された部材を示す交換部材情報をさらに取得し、
前記決定部は、前記判定用データにおける前記交換部材情報が示す部材と前記用途情報が示す用途との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
複数の使用済バッテリーに関するバッテリー情報を取得するステップと、
複数のユーザからバッテリーの再利用の要求内容を示す要求情報を取得するステップと、
取得した複数の前記バッテリー情報に対応する前記複数の使用済バッテリーそれぞれがある位置を示す第1位置情報と、取得した複数の前記要求情報に対応する前記複数のユーザそれぞれがバッテリーを再利用する位置を示す第2位置情報と、を記憶する記憶部を参照することにより、前記第1位置情報が示す位置と前記第2位置情報が示す位置との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定するステップと、
を有するデータ処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
複数の使用済バッテリーに関するバッテリー情報を取得するステップと、
複数のユーザからバッテリーの再利用の要求内容を示す要求情報を取得するステップと、
取得した複数の前記バッテリー情報に対応する前記複数の使用済バッテリーそれぞれがある位置を示す第1位置情報と、取得した複数の前記要求情報に対応する前記複数のユーザそれぞれがバッテリーを再利用する位置を示す第2位置情報と、を記憶する記憶部を参照することにより、前記第1位置情報が示す位置と前記第2位置情報が示す位置との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、データ処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリーの再利用を支援するためのシステムが知られている。特許文献1には、バッテリーの劣化状態に応じてバッテリーの用途を決定するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2021/152826号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用済バッテリーがある場所と、バッテリーの再利用先の場所とが離れていると、使用済バッテリーを再利用先まで配送するためのコストが大きくなるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、使用済バッテリーを再利用先まで配送するためのコストを低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様のデータ処理装置は、複数の使用済バッテリーに関するバッテリー情報を取得するバッテリー情報取得部と、複数のユーザからバッテリーの再利用の要求内容を示す要求情報を取得する要求情報取得部と、前記バッテリー情報取得部が取得した複数の前記バッテリー情報に対応する前記複数の使用済バッテリーそれぞれがある位置を示す第1位置情報と、前記要求情報取得部が取得した複数の前記要求情報に対応する前記複数のユーザそれぞれがバッテリーを再利用する位置を示す第2位置情報と、を記憶する記憶部と、前記第1位置情報が示す位置と前記第2位置情報が示す位置との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定する決定部と、を有する。
【0007】
前記バッテリー情報は前記使用済バッテリーの状態を示し、前記決定部は、前記使用済バッテリーの状態が所定の基準を満たす場合に、前記使用済バッテリーを回収することなく、前記第1位置情報と前記第2位置情報との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定し、前記使用済バッテリーの状態が所定の基準を満たさない場合に、前記使用済バッテリーが回収された後に複数の前記ユーザを決定してもよい。
【0008】
前記決定部は、前記第1位置情報に基づいて特定される複数の場所それぞれにある前記使用済バッテリーの数と、前記第2位置情報に基づいて特定される複数の場所で必要とされる前記使用済バッテリーの数との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定してもよい。
【0009】
前記バッテリー情報は、前記使用済バッテリーが使用されたエリアを示す使用エリア情報を含み、前記決定部は、前記使用エリア情報が示すエリアにおける環境と前記第2位置情報が示す位置における環境との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記使用済バッテリーの状態と、前記使用済バッテリーを使用可能な用途との関係を示す判定用データを記憶し、前記バッテリー情報は、前記使用済バッテリーの状態を示す状態情報を含み、前記要求情報は、前記ユーザがバッテリーを再利用する用途を示す用途情報を含み、前記決定部は、前記判定用データを参照することにより、前記状態情報が示す状態と前記用途情報が示す用途との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定してもよい。
【0011】
前記記憶部は、前記使用済バッテリーにおいて劣化した部材と、前記使用済バッテリーを使用可能な用途との関係を示す判定用データを記憶し、前記バッテリー情報は、前記使用済バッテリーの状態を示す状態情報を含み、前記要求情報は、前記ユーザがバッテリーを再利用する用途を示す用途情報を含み、前記決定部は、前記状態情報に基づいて、前記使用済バッテリーにおいて劣化した部材を特定し、前記判定用データにおける特定した部材と前記用途情報が示す用途との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定してもよい。
【0012】
前記記憶部は、前記使用済バッテリーにおいて劣化した部材と、前記使用済バッテリーを使用可能な用途との関係を示す判定用データを記憶し、前記要求情報は、前記ユーザがバッテリーを再利用する用途を示す用途情報を含み、前記バッテリー情報取得部は、前記使用済バッテリーの改修により交換された部材を示す交換部材情報をさらに取得し、前記決定部は、前記判定用データにおける前記交換部材情報が示す部材と前記用途情報が示す用途との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様のデータ処理方法は、コンピュータが実行する、複数の使用済バッテリーに関するバッテリー情報を取得するステップと、複数のユーザからバッテリーの再利用の要求内容を示す要求情報を取得するステップと、取得した複数の前記バッテリー情報に対応する前記複数の使用済バッテリーそれぞれがある位置を示す第1位置情報と、取得した複数の前記要求情報に対応する前記複数のユーザそれぞれがバッテリーを再利用する位置を示す第2位置情報と、を記憶する記憶部を参照することにより、前記第1位置情報が示す位置と前記第2位置情報が示す位置との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定するステップと、を有する。
【0014】
本発明の第3の態様のプログラムは、コンピュータに、複数の使用済バッテリーに関するバッテリー情報を取得するステップと、複数のユーザからバッテリーの再利用の要求内容を示す要求情報を取得するステップと、取得した複数の前記バッテリー情報に対応する前記複数の使用済バッテリーそれぞれがある位置を示す第1位置情報と、取得した複数の前記要求情報に対応する前記複数のユーザそれぞれがバッテリーを再利用する位置を示す第2位置情報と、を記憶する記憶部を参照することにより、前記第1位置情報が示す位置と前記第2位置情報が示す位置との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定するステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、使用済バッテリーを再利用先まで配送するためのコストを低減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】データ処理システムSの概要を説明するための図である。
図2】データ処理装置1の構成を示す図である。
図3】記憶部12が記憶するバッテリー情報データベースの一例を示す図である。
図4】記憶部12が記憶する再利用ユーザデータベースの一例を示す図である。
図5】データ処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図6】決定部133が使用済バッテリーの処理の内容を決定する流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[データ処理システムSの概要]
図1は、データ処理システムSの概要を説明するための図である。データ処理システムSは、使用済バッテリーを再利用することを希望するユーザに、使用済バッテリーを効率良く提供できるようにするためのシステムである。
【0018】
データ処理システムSは、データ処理装置1と、複数の提供者端末2と、複数のユーザ端末3と、を有する。データ処理装置1は、例えば、使用済バッテリーを再利用させるための事業を運営する企業が管理するコンピュータであり、使用済バッテリーをどのユーザに提供するかを決定するための処理を実行する。
【0019】
使用済バッテリーは、例えば車両で使用された蓄電池であるが、個人又は法人が車両以外で使用した蓄電池であってもよい。図1においては、タクシーの事業者がバッテリーを使用し、使用済バッテリー(図1における△)が、各所のタクシー営業所に保管されている状態を示している。
【0020】
それぞれのタクシー営業所には提供者端末2が設置されており、提供者端末2は、使用済バッテリーそれぞれに関する情報(以下、「バッテリー情報」という)をデータ処理装置1に送信する。バッテリー情報は、使用済バッテリーの個数、種別、保管場所又は使用済バッテリーの状態等を含む情報である。バッテリーの状態は、例えば、バッテリーの開放端電圧、内部インピーダンス、電池容量、充放電効率、最大入出力電流又は満充電容量(SOH:State of Health)のように、バッテリーが使用されることにより変化する特性により表される。提供者端末2は、例えばコンピュータであるが、提供者端末2は、バッテリーの状態を測定する測定装置であってもよい。
【0021】
提供者端末2は、使用済バッテリーの保有者(図1の例ではタクシー営業所の担当者)から、使用済バッテリーの個数、種別、保管場所、使用済バッテリーの状態等のバッテリー情報の入力を受け付ける。バッテリー情報は、使用済バッテリーが使用されたエリアを示す使用エリア情報を含んでもよい。バッテリー情報は、バッテリーの状態を測定した結果を含んでもよい。
【0022】
提供者端末2は、入力された情報をデータ処理装置1に送信する。使用済バッテリーの状態を測定する機能を提供者端末2が有していてもよい。この場合、提供者端末2は、使用済バッテリーの保有者から入力された情報とともに、提供者端末2が測定したバッテリーの状態を示すバッテリー情報をデータ処理装置1に送信してもよい。
【0023】
ユーザ端末3は、使用済バッテリーの再利用を希望するユーザが使用する情報端末であり、例えばコンピュータ、タブレット又はスマートフォンである。ユーザ端末3は、データ処理装置1が提供するウェブサイトにアクセスすることにより、使用済バッテリーの再利用の申込画面を表示し、申込画面において再利用の要求を受け付ける。
【0024】
ユーザ端末3は、ユーザが使用済バッテリーを再利用する用途、希望個数、使用予定場所等の入力を受け付けて、入力された情報を含む再利用要求情報をデータ処理装置1に送信する。再利用を希望するユーザが使用済バッテリーを再利用する際の用途は任意であるが、例えば、車両での用途と、災害時の備品として使用されるように車両以外での用途とが想定される。使用済バッテリーが災害時の備品として使用される場合、使用済バッテリーは、避難施設に設置されたり、個人の住居に設置されたりする。
【0025】
データ処理装置1は、提供者端末2から受信したバッテリー情報と、ユーザ端末3から受信した再利用要求情報と、に基づいて、どの使用済バッテリーをどのユーザに提供するかを決定する。詳細については後述するが、データ処理装置1は、バッテリー情報が示す使用済バッテリーの保管場所、使用済バッテリーの状態、使用済バッテリーの個数等と、再利用要求情報が示す再利用の場所、再利用の用途、再利用で必要な個数、再利用したい期間等とに基づいて、どの使用済バッテリーをどのユーザに提供するかを決定する。データ処理装置1がこのように動作することで、使用済バッテリーをユーザに再利用してもらいつつ、使用済バッテリーを再利用先まで配送するためのコストを低減させることができる。
【0026】
[データ処理装置1の構成]
図2は、データ処理装置1の構成を示す図である。データ処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、バッテリー情報取得部131と、要求情報取得部132と、決定部133と、を有する。
【0027】
通信部11は、提供者端末2及びユーザ端末3との間でデータを送受信するための通信インターフェースを有する。通信部11は、提供者端末2から受信したバッテリー情報をバッテリー情報取得部131に入力する。通信部11は、ユーザ端末3から受信した再利用要求情報を要求情報取得部132に入力する。通信部11は、決定部133が決定した使用済バッテリーの提供先に関する情報を提供者端末2、ユーザ端末3又は使用済バッテリーの配送業者の少なくともいずれかに送信する。
【0028】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部12は、決定部133が使用済バッテリーの提供先を決定するために使用する各種のデータを記憶している。
【0029】
具体的には、記憶部12は、バッテリー情報取得部131が取得した複数のバッテリー情報に対応する複数の使用済バッテリーそれぞれがある位置を示す第1位置情報と、要求情報取得部132が取得した複数の再利用要求情報に対応する複数のユーザそれぞれがバッテリーを再利用する位置を示す第2位置情報と、を記憶する。より具体的には、記憶部12は、使用済バッテリーが保管されている拠点に関連付けて、提供者端末2から送信されたバッテリー情報を記憶する。また、記憶部12は、バッテリーの再利用を希望するユーザに関連付けて、ユーザ端末3から送信された再利用要求情報を記憶する。
【0030】
記憶部12は、使用済バッテリーの状態と、使用済バッテリーを使用可能な用途との関係を示す判定用データを記憶してもよい。判定用データは、例えば、使用済バッテリーのランク(例えばAランク、Bランク、Cランク)と、使用可能な用途(例えば車両用、災害備品用)とを関連付けたデータである。一例として、判定用データにおいては、Aランクの使用済バッテリーは車両用及び災害備品用の両方に使用可能であり、Bランクの使用済バッテリーは車両用に使用できず災害備品用に使用可能であり、Cランクの使用済バッテリーは車両用にも災害備品用にも使用できないとされる。ランクは、例えば、バッテリー情報取得部131が使用済バッテリーの状態を示す複数の測定結果と基準値とを比較することにより決定される。
【0031】
判定用データは、使用済バッテリーにおいて劣化した部材と、使用済バッテリーを使用可能な用途との関係を示すデータであってもよい。劣化した部材は、使用済バッテリーの状態を示す状態情報(例えば測定結果)に基づいて特定される、使用済バッテリーの特性が劣化している原因と考え得る部材である。劣化した部材は、使用済バッテリーの改修において交換された部材であってもよい。一例として、判定用データにおいては、劣化部材が電気的特性に影響をしない外装部材である場合、使用済バッテリーは車両用及び災害備品用の両方に使用可能であるとされ、劣化部材が電気的特性に影響する電解液又は電極である場合、使用済バッテリーは車両用に使用できず災害備品用に使用可能であるとされる。
【0032】
図3は、記憶部12が記憶するバッテリー情報データベースの一例を示す図である。図3に示すバッテリー情報データベースにおいては、使用済バッテリーが保管されている拠点の名称と、当該拠点の場所(住所)と、それぞれの拠点にある使用済バッテリーの在庫数とが関連付けられている。拠点名は、拠点を識別するための情報であってもよい。
【0033】
バッテリー情報データベースにおいては、図3に示すように、使用済バッテリーの状態のランクごとに在庫数が登録されていてもよい。図3において、Aランクは、改修をすることなく車両の用途にも災害備品としての用途にも使用できる良好な状態に対応する。Bランクは、改修をすることにより車両の用途又は災害備品としての用途の少なくともいずれかの用途に使用できる状態に対応する。Bランクには、バッテリー情報だけでは再利用の可否を判定できないという状態が含まれていてもよい。Cランクは、改修をしたとしても再利用できない状態に対応する。バッテリー情報データベースにおいては、使用済バッテリーに関連付けて、使用済バッテリーの状態の測定結果を示すデータが含まれていてもよい。
【0034】
図4は、記憶部12が記憶する再利用ユーザデータベースの一例を示す図である。図4に示す再利用ユーザデータベースにおいては、再利用を要求しているユーザIDと、ユーザが使用済バッテリーを再利用する場所と、用途別要求数とが関連付けられている。
【0035】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、バッテリー情報取得部131、要求情報取得部132及び決定部133として機能する。
【0036】
バッテリー情報取得部131は、通信部11を介して、複数の使用済バッテリーに関するバッテリー情報を提供者端末2から取得する。バッテリー情報取得部131は、取得したバッテリー情報に含まれる各種のデータをバッテリー情報データベースに登録する。バッテリー情報取得部131は、バッテリー情報に含まれている使用済バッテリーの状態を示す複数の測定結果と、記憶部12に記憶された基準値とを比較することにより、それぞれの使用済バッテリーのランクを決定し、決定したランクをバッテリー情報データベースに登録してもよい。
【0037】
バッテリー情報取得部131は、バッテリー情報に基づいて、使用済バッテリーを再利用可能な期間を算出してもよい。バッテリー情報取得部131は、例えば、バッテリーの状態と、再利用可能な期間とが関連付けられた判定用データを参照することにより、再利用可能な期間を算出する。判定用データにおいて、用途ごとにバッテリーの状態と再利用可能期間とが関連付けられており、バッテリー情報取得部131が、用途別の再利用可能期間を算出してもよい。
【0038】
要求情報取得部132は、通信部11を介して、複数のユーザからバッテリーの再利用の要求内容を示す再利用要求情報を取得する。再利用の要求内容は、例えば、バッテリーを再利用する場所、時期、用途、希望するバッテリーの種別の少なくともいずれかを含む。バッテリー情報取得部131は、取得した再利用要求情報に含まれる各種のデータを再利用ユーザデータベースに登録する。
【0039】
(位置の関係に基づく再利用ユーザの決定)
決定部133は、バッテリー情報データベースに登録されている第1位置情報が示す複数の使用済バッテリーそれぞれがある位置と、再利用ユーザデータベースに登録されている第2位置情報が示す複数のユーザそれぞれがバッテリーを再利用する位置との関係に基づいて、複数の使用済バッテリーを再利用させる複数のユーザを決定する。
【0040】
決定部133は、まず、バッテリー情報データベースに登録されている使用済バッテリーを選択し、当該使用済バッテリーがある位置を特定する。決定部133は、再利用ユーザデータベースに登録されている、提供される使用済バッテリーが決まっていない複数ユーザの位置のうち、特定した位置に最も近いユーザを特定する。決定部133は、特定したユーザを、選択した使用済バッテリーを再利用させるユーザに決定する。
【0041】
決定部133は、使用済バッテリーがある位置から所定の範囲内で使用済バッテリーを再利用する予定の複数のユーザを特定してもよい。この場合、決定部133は、使用済バッテリーがある位置とユーザが使用済バッテリーを再利用する位置との関係以外の要素(例えば、後述する用途、環境)にさらに基づいて、使用済バッテリーを提供する対象とするユーザを選択する。決定部133は、複数の使用済バッテリーそれぞれについて上記の処理を繰り返すことにより、複数の使用済バッテリーそれぞれが、できるだけ近い位置のユーザに提供されるように、複数の使用済バッテリーと複数のユーザとの組み合わせを決定する。
【0042】
決定部133は、各使用済バッテリーを再利用させるユーザを決定した場合、決定したユーザの住所に関する情報を、対応する使用済バッテリーを保管している拠点の提供者端末2に送信する。このような情報が提供者端末2に送信されることにより、使用済バッテリーを保管している拠点の担当者が、比較的近い位置にいるユーザに、使用済バッテリーを直接発送することができるので、使用済バッテリーを提供するユーザをランダムに決定する場合に比べて配送コストを下げることができる。
【0043】
(用途に基づく再利用ユーザの決定)
使用済バッテリーがある位置からの距離が同等のユーザが複数存在する場合がある。このような場合、決定部133は、位置以外の情報に基づいて、使用済バッテリーを提供するユーザを決定してもよい。一例として、決定部133は、判定用データを参照することにより、状態情報が示す状態と用途情報が示す用途との関係に基づいて、複数の使用済バッテリーを再利用させる複数のユーザを決定する。
【0044】
決定部133は、例えば、状態情報がAランクに相当することを示している場合、Aランクの使用済バッテリーを再利用できる用途である車両用又は災害備品用のいずれかを用途としているユーザを選択する。決定部133は、例えば、状態情報がBランクに相当することを示している場合、Bランクの使用済バッテリーを再利用できる用途である災害備品用を用途としているユーザを選択する。決定部133は、使用済バッテリーがある位置とユーザの位置とに基づいて、使用済バッテリーを提供するユーザを決定できなかったことを条件として、状態情報と用途情報とに基づいて、当該使用済バッテリーを提供するユーザを決定してもよい。
【0045】
(場所別の個数に基づく再利用ユーザの決定)
多数の場所にある多数の使用済バッテリーを、多数の場所にいる多数のユーザに配送する際に、少数の使用済バッテリーを個別にユーザに配送すると非効率である。そこで、決定部133は、第1位置情報に基づいて特定される複数の場所それぞれにある使用済バッテリーの数と、第2位置情報に基づいて特定される複数の場所で必要とされる使用済バッテリーの数との関係に基づいて、前記複数の使用済バッテリーを再利用させる複数の前記ユーザを決定してもよい。
【0046】
一例として、図4に示すユーザID003のユーザにAランクの使用済バッテリー5個を提供する必要があるとする。図3に示す使用済バッテリーがある拠点のうち、当該ユーザが使用済バッテリーを再利用する予定の埼玉県大宮市に最も近い拠点は、埼玉県さいたま市の第4営業所である。ただし、第4営業所にはAランクのバッテリーが3個しかない。このような場合に、決定部133が、第4営業所の使用済バッテリーをユーザID003のユーザに提供することを決定すると、他の拠点からも使用済バッテリーを当該ユーザに配送する必要が生じてしまう。
【0047】
そこで、決定部133は、第1拠点にある使用済バッテリーの数が、第1拠点に最も近い位置のユーザが必要とするバッテリーの数未満である場合に、第1拠点よりもユーザの位置から遠い他の拠点であり、ユーザの候補が必要とするバッテリーの数以上の使用済バッテリーがある第2拠点を選択してもよい。そして、決定部133は、選択した第2拠点にある使用済バッテリーを再利用させるユーザを、第1拠点に最も近い位置のユーザに決定する。決定部133がこのように動作することで、使用済バッテリーの配送回数を少なくすることができるので、配送効率が向上する。
【0048】
(劣化部材に基づく再利用ユーザの決定)
決定部133は、バッテリー情報取得部131が取得した状態情報に基づいて、使用済バッテリーにおいて劣化した部材を特定し、判定用データにおける特定した劣化部材と用途情報が示す用途との関係に基づいて、複数の使用済バッテリーを再利用させる複数のユーザを決定してもよい。決定部133は、例えば、記憶部12に記憶された、バッテリーの特性と劣化部材とが関連付けられた判定用データを参照することにより、状態情報が示す使用済バッテリーの特性に対応する劣化部材を特定する。当該判定用データは、使用済バッテリーの種別ごとに設けられていてもよい。
【0049】
決定部133は、例えば、劣化部材が電気的特性に影響をしない外装部材である場合、使用済バッテリーは車両用及び災害備品用の両方に使用可能であると判定し、車両用という用途を提示したユーザ及び災害備品用という用途を提示したユーザの両方のユーザを再利用させるユーザの候補とする。一方、決定部133は、劣化部材が電気的特性に影響する電解液又は電極である場合、災害備品用という用途を提示したユーザを再利用させるユーザの候補とする。決定部133がこのように動作することで、使用済バッテリーの部材の状態に適した用途で使用済バッテリーを再利用するユーザに、それぞれの用途において再利用が可能な使用済バッテリーを提供することが可能になる。
【0050】
(再利用可能期間に基づく再利用ユーザの決定)
決定部133は、バッテリー情報取得部131が算出した使用済バッテリーの再利用可能期間と、ユーザが再利用したいと考えている期間との関係に基づいてユーザを決定してもよい。決定部133は、例えば、使用済バッテリーの再利用可能期間よりも短い期間だけ再利用したいと考えているユーザを選択する。決定部133は、ユーザが使用済バッテリーを再利用する用途に対応する再利用可能期間よりも短い期間だけ当該用途に再利用したいと考えているユーザを選択してもよい。決定部133がこのように再利用期間に基づいてユーザを決定することで、ユーザが再利用する期間において使用済バッテリーを正常に使用できるようになる。
【0051】
(使用済バッテリーを改修する場合の処理)
ところで、使用済バッテリーの状態が悪く改修が必要な場合には、使用済バッテリーを保管している拠点からユーザに直接発送できないと考えられる。そこで、決定部133は、使用済バッテリーの状態が所定の基準を満たす場合に、使用済バッテリーを回収することなく、第1位置情報と第2位置情報との関係に基づいて、複数の使用済バッテリーを再利用させる複数のユーザを決定し、使用済バッテリーの状態が所定の基準を満たさない場合に、使用済バッテリーが回収された後に、複数のユーザを決定してもよい。
【0052】
図3に示したバッテリー情報データベースのように、使用済バッテリーがAランク、Bランク、Cランクに分類されている場合、Aランクの使用済バッテリーは、改修することなく再利用することができるという基準を満たし、Bランク及びCランクの使用済バッテリーは当該基準を満たさない。このような場合、決定部133は、Aランクに対応する使用済バッテリーについては、使用済バッテリーが保管されている拠点の位置と再利用を要求しているユーザの位置との関係に基づいて、使用済バッテリーを提供するユーザを決定する。決定部133は、Bランクに対応する使用済バッテリーについては、使用済バッテリーの改修作業が行われる場所(以下、「改修拠点」という場合がある)に移動させることを決定する。
【0053】
バッテリー情報取得部131は、使用済バッテリーが改修拠点に移動され、Bランクの使用済バッテリーが改修された後に、使用済バッテリーの状態を示すバッテリー情報を改修拠点の情報端末から取得してもよい。この場合、決定部133は、当該バッテリー情報に基づいて、改修された使用済バッテリーを再利用させるユーザを決定してもよい。
【0054】
バッテリー情報取得部131は、Bランクの使用済バッテリーが改修された後に、使用済バッテリーの改修により交換された部材を示す交換部材情報をさらに取得してもよい。この場合、決定部133は、判定用データにおける交換部材情報が示す部材と用途情報が示す用途との関係に基づいて、複数の使用済バッテリーを再利用させる複数のユーザを決定する。
【0055】
決定部133は、例えば、交換部材が電気的特性に影響をしない外装部材である場合、使用済バッテリーは車両用及び災害備品用の両方に使用可能であると判定し、車両用という用途を提示したユーザ及び災害備品用という用途を提示したユーザの両方のユーザを再利用させるユーザの候補とする。一方、決定部133は、交換部材が電気的特性に影響する電解液又は電極である場合、災害備品用という用途を提示したユーザを再利用させるユーザの候補とする。決定部133がこのように動作することで、部材と交換した使用済バッテリーの性能が新品のバッテリーよりも低いとしても、使用済バッテリーを有効活用しやすくなる。
【0056】
(使用環境に基づく再利用ユーザの決定)
バッテリーは、使用される環境によって劣化度合が変化し得る。そこで、決定部133は、バッテリー情報取得部131が取得した使用エリア情報が示すエリアにおける環境と要求情報取得部132が取得した第2位置情報が示す位置(すなわちユーザが使用済バッテリーを再利用する位置)における環境との関係に基づいて、複数の使用済バッテリーを再利用させる複数のユーザを決定してもよい。
【0057】
使用エリア情報が示すエリアにおける環境は、例えば、使用済バッテリーが使用されたエリアが寒冷地であるか、温暖地であるか、海に近いエリアであるかといった指標により表される。使用エリア情報に、使用済バッテリーが使用されている間の温度又は湿度と、当該温度又は湿度で使用された時間の累積値とが関連付けられており、使用エリア情報が示すエリアにおける環境は、当該累積値によって示されてもよい。使用済バッテリーを再利用する位置における環境は、例えば、ユーザが使用済バッテリーの再利用を希望するエリアが寒冷地であるか、温暖地であるか、海に近いエリアであるかといった指標により表される。
【0058】
決定部133は、使用エリア情報が示すエリアにおける環境と要求情報取得部132が取得した第2位置情報が示す位置における環境との差ができるだけ大きくなるように、使用済バッテリーを再利用させるユーザを決定してもよい。決定部133は、例えば、寒冷地で使用されていた使用済バッテリーを再利用するユーザを温暖地のユーザに決定し、温暖地で使用されていた使用済バッテリーを再利用するユーザを、寒冷地のユーザに決定する。決定部133は、海に近いエリア(すなわち塩害を受けやすいエリア)で使用されていた使用済バッテリーを再利用するユーザを、海から遠いエリアのユーザに決定してもよい。決定部133がこのように動作することで、使用済バッテリーが使用される環境が平準化されるので、使用済バッテリーの寿命が長くなる。
【0059】
(配送計画の作成)
決定部133は、以上のようなさまざまな方法により、複数の拠点にある多数の使用済バッテリーを、使用済バッテリーを再利用する多数のユーザ又は改修拠点に配送することを決定する。この場合、ある拠点からあるユーザまでの移動ルートの近くに、使用済バッテリーがある拠点、又は使用済バッテリーの提供を受けるユーザがいる場合、1台の車両が複数の拠点を経由して使用済バッテリーを回収し、複数のユーザに配送することが望ましい。
【0060】
そこで、決定部133は、使用済バッテリーを提供する複数の拠点と使用済バッテリーの提供を受ける複数のユーザとの組み合わせに基づいて、配送計画を作成してもよい。決定部133は、定期的(例えば1週間ごと)に、複数の使用済バッテリーを提供する複数のユーザを決定した上で配送計画を作成してもよい。決定部133がこのように配送計画を作成することで、多数の使用済バッテリーを効率良く多数のユーザに届けることができる。
【0061】
[データ処理装置1における処理の流れ]
図5は、データ処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。バッテリー情報取得部131は、使用済バッテリーが発生した拠点の担当者が提供者端末2において所定の情報を入力したことに応じて、提供者端末2からバッテリー情報を取得する(S11)。バッテリー情報取得部131は、取得したバッテリー情報に基づいて、記憶部12に記憶されたバッテリー情報データベースを更新する(S12)。
【0062】
また、要求情報取得部132は、使用済バッテリーの再利用を希望するユーザから再利用要求情報を取得する(S13)。要求情報取得部132は、取得した再利用要求情報に基づいて、記憶部12に記憶された再利用ユーザデータベースを更新する(S14)。S11及びS12の処理と、S13及びS14の処理の実行順序は任意である。
【0063】
決定部133は、使用済バッテリーの処理の内容を決定するべきタイミングになったか否かを判定する(S15)。決定部133は、例えば、定期的に使用済バッテリーの処理の内容を決定するために、所定の曜日又は所定の日が到来した場合に、使用済バッテリーの処理の内容を決定するべきタイミングであると判定する。決定部133は、処理の内容が決定されていない使用済バッテリーの数が閾値以上になったことに応じて、使用済バッテリーの処理の内容を決定するべきタイミングになったと判定してもよい。決定部133は、要求情報取得部132がユーザから再利用要求情報を取得した時点で、使用済バッテリーの処理の内容を決定するべきタイミングになったと判定してもよい。
【0064】
決定部133は、使用済バッテリーの処理の内容を決定するべきタイミングであると判定した場合(S15においてYES)、複数の使用済バッテリーそれぞれの処理の内容を決定する(S16)。決定部133が使用済バッテリーの処理の内容を決定するべきタイミングでないと判定した場合(S15においてNO)、S11に処理が戻る。処理の内容は、使用済バッテリーの提供先を決定したり、提供しないことを決定したりすることである。決定部133が処理の内容を決定する処理の流れの詳細は後述する。決定部133は、決定した処理の内容に基づいて、複数の使用済バッテリーの配送計画を作成する(S17)。
【0065】
決定部133は、決定した処理の内容を提供者端末2又はユーザ端末3の少なくともいずれかに通知する(S18)。決定部133は、例えば、使用済バッテリーを再利用するユーザの住所又は改修拠点の住所の少なくともいずれかを提供者端末2に通知する。決定部133は、通知した住所に使用済バッテリーを発送するための指示を提供者端末2に通知してもよい。
【0066】
また、決定部133は、再利用のためにユーザに提供される使用済バッテリーの個数をユーザ端末3に通知する。決定部133は、使用済バッテリーの提供元に関する情報をユーザ端末3に通知してもよい。決定部133は、使用済バッテリーを拠点からユーザまで配送する業者に配送計画を通知してもよい。
【0067】
図6は、決定部133が使用済バッテリーの処理の内容を決定する流れを示すフローチャートである。決定部133は、まず、処理の内容を決定する対象とする使用済バッテリーを選択する(S161)。続いて、決定部133は、バッテリー情報データベースを参照することにより、選択した使用済バッテリーの状態を特定する(S162)。
【0068】
決定部133が特定した使用済バッテリーの状態がAランクである場合(S163においてYES)、当該使用済バッテリーがある拠点から所定距離内のユーザがいるか否かを判定する(S164)。所定距離は、拠点からユーザに直接配送するメリットが生じる距離であり、例えば50kmである。所定距離は、使用済バッテリーがある拠点から改修拠点までの距離であってもよい。所定距離は、使用済バッテリーがある拠点から改修拠点までの走行距離と改修拠点からユーザの位置までの走行距離とを加算した距離であってもよい。
【0069】
使用済バッテリーがある拠点から所定距離内のユーザがいる場合(S164においてYES)、決定部133は、使用済バッテリーの配送先を当該ユーザに決定する(S165)。決定部133は、拠点から所定距離内のユーザが複数いる場合、距離以外の要素に基づいてユーザを選択する。使用済バッテリーがある拠点から所定距離内のユーザがいない場合(S164においてNO)、決定部133は、バッテリーの配送先を改修拠点に決定する(S167)。
【0070】
決定部133が特定した使用済バッテリーの状態がAランクでなく(S163においてNO)、Bランクである場合(S166においてYES)、決定部133は、使用済バッテリーの配送先を改修拠点に決定する(S167)。決定部133が特定した使用済バッテリーの状態がBランクでない場合(S166においてNO)、決定部133は、当該使用済バッテリーを配送対象外に決定する(S168)。
【0071】
[データ処理装置1による効果]
以上説明したとおり、データ処理装置1は、使用済バッテリーがある拠点の位置と使用済バッテリーを再利用したいと考えているユーザが使用済バッテリーを再利用する予定の位置との関係に基づいて、複数の使用済バッテリーを再利用させる複数のユーザを決定する。データ処理装置1がこのように動作することで、使用済バッテリーを再利用先まで配送するためのコストを低減させることができる。
【0072】
そして、データ処理装置1の処理により、多数の使用済バッテリーを多数のユーザが再利用しやすくなることで、従来は再利用されないまま廃棄されていた使用済バッテリーが再利用される確率が高まり、資源の有効活用が実現される。
【0073】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0074】
1 データ処理装置
2 提供者端末
3 ユーザ端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 バッテリー情報取得部
132 要求情報取得部
133 決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6