(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152250
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20241018BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G03G21/00 510
B41J29/38 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066324
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 元啓
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】吉村 薫子
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2H270LA67
2H270LA90
2H270LD08
2H270LD14
2H270MA40
2H270MB27
2H270MH03
2H270NB02
2H270NB09
2H270PA53
2H270RA10
2H270RB01
2H270RC03
2H270RC04
2H270RC09
2H270RC16
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZD01
(57)【要約】
【課題】ユーザーの作業効率の低下を抑える。
【解決手段】画像形成装置1は、トナーを用いて用紙に画像を形成する。画像形成装置1は、筐体4と、トナーコンテナ7とを備える。筐体4は、用紙に画像を形成する。トナーコンテナ7は、筐体4に対して取り外し可能に装着され、トナーが収容される。トナーコンテナ7は、固有の識別情報J1を有する。筐体4は、取得部21と、判定部201と、校正部22と、記憶部300とを含む。取得部21は、トナーコンテナ7の識別情報J1を取得する。判定部201は、識別情報J1に基づいて、トナーコンテナ7が交換されたか否かを判定する。校正部22は、筐体4の校正を行う。記憶部300は、画像を形成する際の各種設定を示す設定情報C1を記憶する。トナーコンテナ7が交換されると、校正部22は、設定情報C1に応じて、筐体4の校正を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料を用いて用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
用紙に画像を形成する装置本体と、
前記装置本体に対して取り外し可能に装着され、前記塗料が収容される収容体と
を備え、
前記収容体は、固有の識別情報を有し、
前記装置本体は、
前記収容体の前記識別情報を取得する取得部と、
前記識別情報に基づいて、前記収容体が交換されたか否かを判定する判定部と、
前記装置本体の校正を行う校正部と、
画像を形成する際の各種設定を示す設定情報を記憶する記憶部と
を含み、
前記収容体が交換されると、前記校正部は、前記設定情報に応じて、前記装置本体の校正を行う、画像形成装置。
【請求項2】
前記設定情報は、前記装置本体による画像形成の速度を複数段階で示す項目を含み、
前記設定情報において、前記速度が所定の段階未満に設定されている場合、前記校正部は、前記装置本体の校正を行う、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記設定情報は、前記装置本体によって形成される前記画像の画質を複数段階で示す項目を含み、
前記設定情報において、前記画質が所定の段階以上に設定されている場合、前記校正部は、前記装置本体の校正を行う、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記識別情報に基づいて、前記収容体が第1製品であるか第2製品であるかを判定し、
前記収容体の交換前及び交換後で、前記第1製品と前記第2製品とが入れ替わっている場合、前記校正部は、前記装置本体の校正を行う、請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体は、所定のイベントを検出する検出部を更に含み、
前記所定のイベントが検出されると、前記校正部は、前記装置本体の校正を行う、請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙にトナー画像を印刷する画像形成装置は、トナーコンテナを備える。トナーコンテナには、トナーが収容されている。このような画像形成装置では、トナーコンテナ内のトナー残量がエンプティ(即ち空の状態)のトナー残量になると、トナーコンテナを新品のトナーコンテナに交換する必要がある。このため、トナーコンテナは、装置本体に対して取り外し可能に装着されている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の画像形成装置では、画像形成装置に装着されているトナーコンテナ等の色材カートリッジが純正品であるか否かを判定し、色材カートリッジが純正品ではない場合には、ユーザーにより指定された画像をプリントさせるとともに画像形成装置のメンテナンス動作を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の画像形成装置では、純正品ではない色材カートリッジが装着されていると、画像をプリントさせる度にメンテナンス動作が実行され、ユーザーの作業効率が低下してしまう。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザーの作業効率の低下を抑えることが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、塗料を用いて用紙に画像を形成する。画像形成装置は、装置本体と、収容体とを備える。装置本体は、用紙に画像を形成する。前記収容体は、前記装置本体に対して取り外し可能に装着され、前記塗料が収容される。前記収容体は、固有の識別情報を有する。前記装置本体は、取得部と、判定部と、校正部と、記憶部とを含む。前記取得部は、前記収容体の前記識別情報を取得する。前記判定部は、前記識別情報に基づいて、前記収容体が交換されたか否かを判定する。前記校正部は、前記装置本体の校正を行う。前記記憶部は、画像を形成する際の各種設定を示す設定情報を記憶する。前記収容体が交換されると、前記校正部は、前記設定情報に応じて、前記装置本体の校正を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザーの作業効率の低下を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【
図3】本実施形態に係る校正方法を示すフローチャートである。
【
図4】本実施形態に係る校正方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【0012】
本実施形態に係る画像形成装置1は、塗料の一例であるトナーを用いて用紙に画像を形成する。画像形成装置1は、筐体4(装置本体)と、複数のトナーコンテナ7とを備える。筐体4は、給紙カセット5と、画像形成部9と、定着部11と、排紙トレイ13と、給紙ローラー14と、搬送ローラー対15と、排紙ローラー対16と、複数のトナー残量センサー17と、複数のロック機構18と、操作パネル19と、制御部20とを含む。
【0013】
給紙カセット5、複数のトナーコンテナ7、画像形成部9、定着部11、給紙ローラー14、搬送ローラー対15、排紙ローラー対16、複数のトナー残量センサー17、複数のロック機構18、及び、制御部20は、筐体4の内部に配置される。操作パネル19は、例えば、筐体4の外面に配置される。排紙トレイ13は、例えば、筐体4の上面に配置される。
【0014】
給紙カセット5は、画像形成部9に用紙Pを供給する。給紙カセット5には、複数枚の用紙Pが積載されて収容される。給紙カセット5に収容された複数の用紙Pは、給紙ローラー14によって1枚ずつ繰り出される。そして、繰り出された用紙Pは、搬送ローラー対15によって画像形成部9に搬送される。
【0015】
複数のトナーコンテナ7の各々は、複数色(例えばY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック))のトナーの各々を収容し、収容したトナーを画像形成部9に供給する。トナーコンテナ7は収容体の一例である。各トナーコンテナ7は、筐体4に対して取り外し可能に装着される。以後、各色Y,M,C,Kの各々のトナーを収容したトナーコンテナ7をそれぞれ、トナーコンテナ7Y,7M,7C,7Kとも記載する。
【0016】
複数のトナー残量センサー17の各々は、複数のトナーコンテナ7の各々に対応する。各トナー残量センサー17は、対応するトナーコンテナ7内のトナー残量を検出する。各トナー残量センサー17は、例えば透磁率センサーであり、トナーコンテナ7内のトナーの透磁率を検出することで、トナーコンテナ7内のトナー残量を検出する。以後、各トナーコンテナ7Y,7M,7C,7Kに対応する各トナー残量センサー17をそれぞれ、トナー残量センサー17Y,17M,17C,17Kとも記載する。
【0017】
なお、本実施形態では、各トナー残量センサー17は、筐体4に配置されるが、対応するトナーコンテナ7に配置されてもよい。
【0018】
複数のロック機構18の各々は、複数のトナーコンテナ7の各々に対応する。各ロック機構18は、対応するトナーコンテナを筐体4にロック解除可能にロックする。このロックによって、トナーコンテナ7は、筐体4から取り外されることが規制される。以後、各トナーコンテナ7Y,7M,7C,7Kに対応する各ロック機構18をそれぞれ、ロック機構18Y,18M,18C,18Kとも記載する。
【0019】
画像形成部9は、トナーを用いて、画像データが表す画像を用紙Pに形成する。画像形成部9は、複数の画像形成ユニット91と、中間転写ベルト92と、駆動ローラー93と、従動ローラー94と、二次転写ローラー95と、濃度センサー96とを備える。
【0020】
複数の画像形成ユニット91の各々は、複数のトナーコンテナ7の各々に対応する。各画像形成ユニット91には、対応するトナーコンテナ7からトナーが供給される。各画像形成ユニット91は、画像データに基づいて、各色のトナー像を中間転写ベルト92の表面に形成する。各色のトナー像は、中間転写ベルト92上で重ねられる。その結果、中間転写ベルト92の表面には、カラーのトナー像が形成される。
【0021】
各画像形成ユニット91は、感光体ドラム91aと、帯電装置91bと、露光装置91cと、現像装置91dと、一次転写ローラー91fと、クリーニング装置91gとを備える。
【0022】
感光体ドラム91aは、その表面に感光層を有する。帯電装置91bは、感光体ドラム91aの表面を所定電位に均一に帯電させる。露光装置91cは、帯電された感光体ドラム91aの表面にレーザー光を照射する。この結果、感光体ドラム91aの表面に、画像データが表す画像に対応する静電潜像が形成される。現像装置91dは、トナーを用いて、感光体ドラム91aの表面の静電潜像をトナー像として現像する。
【0023】
一次転写ローラー91fは、感光体ドラム91aの表面のトナー像を中間転写ベルト92の表面に転写する。一次転写ローラー91fは、中間転写ベルト92を介して感光体ドラム91aと圧接する。この圧接による圧接領域は、一次転写ニップ領域を形成する。一次転写ローラー91fの表面には、一次転写電圧が印加される。その結果、感光体ドラム91aの表面のトナー像は、一次転写ニップ領域を通過したときに、一次転写ローラー91fの静電引力によって中間転写ベルト92に転写される。クリーニング装置91gは、転写後の感光体ドラム91aの表面の残留トナーを除去する。
【0024】
中間転写ベルト92は、その表面のカラートナー像を、二次転写ローラー95に搬送する。中間転写ベルト92は、無端ベルトであり、駆動ローラー93と従動ローラー94とによって張架されて支持される。中間転写ベルト92は、駆動ローラー93の回転駆動によって周回移動される。この結果、中間転写ベルト92の表面のトナー像は、二次転写ローラー95に搬送される。
【0025】
二次転写ローラー95は、中間転写ベルト92の表面のトナー像を用紙Pに転写する。二次転写ローラー95は、中間転写ベルト92を介して駆動ローラー93と圧接する。この圧接による圧接領域は、二次転写ニップ領域を形成する。二次転写ローラー95には、二次転写電圧が印加される。この結果、中間転写ベルト92の表面のトナー像が、用紙Pと共に、二次転写ニップ領域を通過すると、二次転写ローラー95の静電引力によって、トナー像が用紙Pに転写される。
【0026】
濃度センサー96は、各画像形成ユニット91よりも下流側において中間転写ベルト92に対向して配置されており、中間転写ベルト92に形成されたトナー像の濃度を測定する。なお、濃度センサー96は、感光体ドラム91a上のトナー像の濃度を測定するものでもよく、また、用紙P上に定着されたトナー像の濃度を測定するものでもよい。
【0027】
定着部11は、用紙Pを加熱及び加圧することで、用紙Pに転写されたトナー像を定着させる。この結果、用紙Pに画像が形成される。画像が形成された用紙Pは、排紙ローラー対16によって排紙トレイ13に排出される。
【0028】
操作パネル19には、画像形成装置1を操作するための各種の操作が入力される。各種の操作には、ロック解除操作が含まれる。ロック解除操作は、各トナーコンテナ7に対する各ロック機構18のロックを解除するための操作である。
【0029】
操作パネル19は、例えばタッチパネルであり、表示部19aと、操作入力部19bとを備える。
【0030】
表示部19aは、例えば液晶表示装置であり、操作入力画面を表示する。操作入力画面は、各種の操作を入力するための画面である。操作入力部19bは、例えばタッチセンサーであり、表示部19aに対するタッチ位置を検出する。タッチ位置は、使用者が、表示部19aの画面をタッチ操作した位置である。従って、使用者は、表示部19aに表示された操作入力画面に対してタッチ操作することで、操作入力が可能である。
【0031】
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー200と、半導体メモリー及びHDD(Hard Disk Drive)等の記憶部300とを備える。記憶部300は、制御プログラムを記憶している。プロセッサー200は、制御プログラムを実行することによって、画像形成装置1の各部(複数のトナーコンテナ7、画像形成部9、定着部11、給紙ローラー14、搬送ローラー対15、排紙ローラー対16、ロック機構18及び操作パネル19)を制御する。なお、制御部20の構成については、
図2を参照して後述する。
【0032】
例えば、制御部20は、複数のトナー残量センサー17の各々が検出したトナー残量に基づいて、ロック機構18を制御する。具体的には、制御部20は、複数のトナー残量センサー17の各々が検出したトナー残量が閾値以上であるか否かを判定する。制御部20は、検出したトナー残量が閾値(エンプティ)以上である場合は、トナー残量センサー17に対応するロック機構18がトナーコンテナ7を筐体4にロックするように、ロック機構18を制御する。ここで、エンプティは、閾値の一例であり、トナーコンテナ7が空の状態に相当する値である。
【0033】
他方、制御部20は、複数のトナー残量センサー17の各々が検出したトナー残量がエンプティ未満である場合は、操作パネル19に入力されたロック解除操作に応じて、トナー残量センサー17に対応するロック機構18のロックが解除されるように、ロック機構18を制御する。
【0034】
従って、トナーコンテナ7内のトナー残量がエンプティ未満のトナー残量である場合は、操作パネル19にロック解除操作を入力することで、トナーコンテナ7に対するロック機構18のロックを解除することができる。この結果、必要に応じて、トナーコンテナ7を新規のトナーコンテナに交換することができる。
【0035】
以上のように、画像形成装置1によれば、トナーが沢山残っているトナーコンテナ7の交換を規制しつつ、トナーコンテナ内のトナー残量がエンプティ未満のトナー残量であるときは、必要に応じてトナーコンテナ7を交換することが可能である。
【0036】
次に、
図3を参照して、制御部20の構成について説明する。
図3は、制御部20の構成図である。
【0037】
制御部20は、取得部21と、校正部22と、検出部23と、判定部201と、表示制御部202と、ロック制御部203とを備える。詳細には、プロセッサー200が制御プログラムを実行することによって、制御部20が、取得部21、校正部22、検出部23、判定部201、表示制御部202及びロック制御部203として機能する。
【0038】
例えば、判定部201は、複数のトナー残量センサー17の各々に対し、トナー残量センサー17が検出したトナー残量がエンプティ以上であるか否かを判定する。
【0039】
表示制御部202は、表示部19aの表示を制御する。表示制御部202は、トナー残量センサー17が検出したトナー残量がエンプティ未満であると判定部201が判定した場合は、ロック解除用の操作入力画面を表示部19aに表示する。ロック解除用の操作入力画面は、トナー残量センサー17に対応するロック機構18のロックを解除するロック解除操作を入力するための画面である。
【0040】
従って、トナーコンテナ7が空である場合は、ロック解除用の操作入力画面に対してロック解除操作を入力することで、トナーコンテナ7に対するロック機構18のロックを解除することが可能である。
【0041】
他方、表示制御部202は、トナー残量センサー17が検出したトナー残量がエンプティ以上であると判定部201が判定した場合は、ロック解除用の操作入力画面を表示部19aに表示しない。ロック解除用の操作入力画面は、トナー残量センサー17に対応するロック機構18のロックを解除するためのロック解除操作を入力するための画面である。
【0042】
従って、トナーコンテナ7内のトナー残量が空ではない場合は、トナーコンテナ7に対するロック機構18のロックを解除するための操作入力画面が表示されないため、トナーコンテナ7に対するロック機構18のロックを解除することができない。
【0043】
ロック制御部203は、複数のロック機構18を制御する。詳しくは、ロック制御部203は、トナー残量センサー17が検出したトナー残量がエンプティ以上であると判定部201が判定した場合は、トナー残量センサー17に対応するロック機構18がトナーコンテナ7を筐体4にロックするように、ロック機構18を制御する。
【0044】
また、ロック制御部203は、表示部19aに表示されたロック解除用の操作入力画面にロック解除操作が入力されたときは、ロック機構18のロックが解除されるように、ロック機構18を制御する。従って、対応するトナーコンテナ7を新品のトナーコンテナに交換することが可能になる。
【0045】
他方、ロック制御部203は、ロック解除用の操作入力画面にロック解除操作が入力されないときは、ロック機構18がトナーコンテナ7をロックするように、ロック機構18を制御する。従って、ロック解除操作が入力されないロック機構18に対応するトナーコンテナ7は、ロックされたままであるため、新品のトナーコンテナに交換することはできない。
【0046】
ロックが解除されたトナーコンテナ7が筐体4から取り外され、新品のトナーコンテナ7が筐体4に装着されると、トナー残量センサー17は、新品のトナーコンテナ7内のトナー残量を検出する。判定部201は、トナー残量センサー17が検出したトナー残量がエンプティ以上であるか否かを判定する。トナー残量センサー17が検出したトナー残量がエンプティ以上であると判定部201が判定した場合は、ロック制御部203は、トナー残量センサー17に対応するロック機構18がトナーコンテナ7を筐体4にロックするように、ロック機構18を制御する。
【0047】
本実施形態において、トナーコンテナ7は、ROM(Read Only Memory)等の記憶装置を備える。トナーコンテナ7が筐体4に装着(ロック)されると、トナーコンテナ7のROMと制御部20とが導通し、制御部20がROMに記憶された情報を読み出すことが可能になる。
【0048】
トナーコンテナ7のROMには、トナーコンテナ7を示す型番及びロット番号等の識別情報J1が記憶されている。トナーコンテナ7が筐体4に装着(ロック)されると、取得部21は、トナーコンテナ7のROMから識別情報J1を読み出して取得する。
【0049】
判定部201は、識別情報J1に基づいて、トナーコンテナ7が交換されたか否かを判定する。具体的には、判定部201は、識別情報J1と記憶部300に記憶済みの識別情報とを照合する。記憶部300に識別情報が記憶されていないか、記憶部300に記憶済みの識別情報が識別情報J1と異なる場合、判定部201は、トナーコンテナ7が交換されたと判定する。判定部201による判定の後、取得部21は、識別情報J1を記憶部300に記憶させる。
【0050】
一方、記憶部300に記憶済みの識別情報が識別情報J1と同じである場合、判定部201は、トナーコンテナ7が交換されていないと判定する。判定部201による判定の後、取得部21は、識別情報J1を記憶部300に記憶させる。
【0051】
トナーコンテナ7が交換されたと判定部201が判定すると、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行うか否かを決定する。キャリブレーションは、筐体4(装置本体)の校正の一例である。
【0052】
校正部22は、記憶部300に記憶された設定情報C1を参照し、設定情報C1の示す用紙に画像を形成する際の各種設定に応じて、画像形成装置1のキャリブレーションを行うか否かを決定する。
【0053】
例えば、設定情報C1には、筐体4による画像形成の速度を複数段階で示す項目、又は筐体4によって用紙に形成される画像の画質を複数段階で示す項目を含む。具体的には、設定情報C1には、筐体4における画像形成の速度と画質とを「最高速」、「高速」、「普通」又は「きれい」の4段階で示す「印刷品質設定」が含まれる。「印刷品質設定」において、「最高速」ほど画像形成の速度が速くなる一方、画質が低下する。対して、「きれい」ほど画質が向上する一方、画像形成の速度が遅くなる。
【0054】
本実施形態において、「印刷品質設定」が「普通」又は「きれい」(以下、画質重視設定とも記載することがある。)に設定されている場合、つまり、画質が所定の段階以上に設定されている場合、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行うと決定する。言い換えると、「印刷品質設定」が「最高速」又は「高速」(以下、スピード重視設定とも記載することがある。)に設定されていない場合、つまり、画像形成の速度が所定の段階未満に設定されている場合、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行うと決定する。
【0055】
一方、「印刷品質設定」が「最高速」又は「高速」に設定されている場合、つまり、画像形成の速度が所定の段階以上に設定されている場合、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行わないと決定する。言い換えると、「印刷品質設定」が「普通」又は「きれい」に設定されていない場合、つまり、画質が所定の段階未満に設定されている場合、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行わないと決定する。
【0056】
このように、トナーコンテナ7の交換時に、「印刷品質設定」が画質重視設定に設定されている場合に、画像形成装置1の校正を行うことで、トナーコンテナ7の交換による画質の変化を抑えることができる。また、「印刷品質設定」がスピード重視設定に設定されている場合には、画像形成装置1の校正を行わないため、画像形成にかかる処理時間が短くなり、ユーザーの作業効率の低下を抑えることができる。
【0057】
校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行うと決定すると、所定の電圧が現像装置91dに印加されるように制御する。所定の電圧が印加された現像装置91dは、トナー像を現像する。濃度センサー96は、現像装置91dによって現像されたトナー像の濃度を測定する。
【0058】
制御部20は、濃度センサー96によって測定されたトナー像の濃度を取得し、トナー像の濃度が所定の濃度以上である場合、キャリブレーション結果が正常であると判定する。一方、制御部20は、トナー像の濃度が所定の濃度未満である場合、キャリブレーション結果が異常であると判定する。
【0059】
また、本実施形態において、判定部201は、取得部21によって取得された識別情報J1に基づいて、筐体4に装着されたトナーコンテナ7が適正な管理下にある製品(以下、純正品)であるか管理外の製品(以下、非純正品)であるかを判定する。純正品は、第1製品の一例であり、非純正品は、第2製品の一例である。例えば、記憶部300には、型番と純正品との対応関係を示す純正品リストが記憶されている。判定部201は、記憶部300の純正品リストを参照し、識別情報J1に含まれる型番が記憶部300の純正品リストに含まれている場合、識別情報J1を有するトナーコンテナ7が純正品であると判定する。一方、識別情報J1に含まれる型番が記憶部300の純正品リストに含まれていない場合、判定部201は、識別情報J1を有するトナーコンテナ7が非純正品であると判定する。取得部21は、トナーコンテナ7が純正品であるか非純正品であるかを示す判定結果R1を識別情報J1に含めて記憶部300に記憶させる。
【0060】
更に、判定部201は、トナーコンテナ7が交換されたか否かを判定する際、トナーコンテナ7の交換前及び交換後で、純正品と非純正品とが入れ替わっているか否かを判定する。具体的には、判定部201は、筐体4に装着されたトナーコンテナ7が純正品であるか非純正品であるかの判定結果R1と、記憶部300に記憶されている識別情報に含まれる判定結果とを比較する。判定結果R1と、記憶部300に記憶されている識別情報に含まれる判定結果とが一致する場合、判定部201は、トナーコンテナ7の交換前及び交換後において、いずれも純正品が装着されたか、又はいずれも非純正品が装着されたと判定する。つまり、判定部201は、トナーコンテナ7の交換前及び交換後において、純正品と非純正品とが入れ替わっていないと判定する。トナーコンテナ7の交換前及び交換後において、純正品と非純正品とが入れ替わっていない場合、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行わないと決定する。
【0061】
一方、判定結果R1と、記憶部300に記憶されている識別情報に含まれる判定結果とが一致しない場合、判定部201は、トナーコンテナ7の交換の際、純正品から非純正品へ交換されたか、又は非純正品から純正品へ交換されたと判定する。つまり、判定部201は、トナーコンテナ7の交換前及び交換後において、純正品と非純正品とが入れ替わったと判定する。トナーコンテナ7の交換前及び交換後において、純正品と非純正品とが入れ替わった場合、校正部22は、設定情報C1に応じて、画像形成装置1のキャリブレーションを行うか否かを決定する。
【0062】
つまり、本実施形態において、トナーコンテナ7の種類が変化した場合に、画像形成装置1のキャリブレーションを行われる。このように、トナー像の濃度が変化する可能性が高い状況においてのみ校正を実行することで、ユーザーの作業効率の低下を抑えることができる。
【0063】
なお、本実施形態において、トナーコンテナ7が交換された場合に限らず、画像形成装置1のキャリブレーションが行われてもよい。例えば、検出部23(制御部20)が給紙カセット5、画像形成部9、定着部11、排紙トレイ13、給紙ローラー14、搬送ローラー対15、排紙ローラー対16、複数のトナー残量センサー17、及び複数のロック機構18等の画像形成装置1の異常を検知した場合、検出部23(制御部20)が画像形成装置1の異常の解消を検知した場合、又は、検出部23(制御部20)が割り込み印刷の指示を受け付けた場合、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行うと決定する。画像形成装置1の異常、画像形成装置1の異常の解消、及び割り込み印刷の指示は、検出部23が検出するイベントの一例である。したがって、画像形成装置1の状況に応じて、適切な校正を行うことができる。
【0064】
次に、
図3及び
図4を参照して、本実施形態に係る校正方法について説明する。
図3及び
図4は、本実施形態に係る校正方法を示すフローチャートである。
図4は、
図3の続きである。
【0065】
トナーコンテナ7が筐体4に装着されると(ステップS11)、取得部21は、トナーコンテナ7から識別情報J1を取得する(ステップS12)。
【0066】
判定部201は、取得部21によって取得された識別情報J1と、記憶部300に記憶されている識別情報とを比較する(ステップS13)。識別情報J1と記憶部300に記憶されている識別情報とが一致する場合(ステップS13でNo)、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行わない(ステップS19)。処理は、ステップS20に進む。
【0067】
一方、識別情報J1と記憶部300に記憶されている識別情報とが異なる場合(ステップS13でYes)、判定部201は、トナーコンテナ7が交換されたと判定する(ステップS14)。
【0068】
判定部201は、取得部21によって取得された識別情報J1と、記憶部300の純正品リストとに基づいて、筐体4に装着されたトナーコンテナ7が純正品であるか非純正品であるかを判定する(ステップS15)。
【0069】
判定部201は、トナーコンテナ7が純正品であるか非純正品であるかを示す判定結果R1と、記憶部300に記憶されている識別情報に含まれる判定結果とを比較する(ステップS16)。判定結果R1と記憶部300に記憶されている識別情報に含まれる判定結果とが一致する場合(ステップS16でNo)、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行わない(ステップS19)。処理は、ステップS20に進む。
【0070】
一方、判定結果R1と記憶部300に記憶されている識別情報に含まれる判定結果とが一致しない場合(ステップS16でYes)、つまり、判定結果R1と記憶部300に記憶されている識別情報に含まれる判定結果とが一致する場合、校正部22は、記憶部300に記憶された設定情報C1を参照する(ステップS17)。
【0071】
設定情報C1が画質重視設定に設定されている場合(ステップS17でYes)、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行う(ステップS18)。処理は、ステップS20に進む。
【0072】
一方、設定情報C1がスピード重視設定に設定されている場合(ステップS17でNo)、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行わない(ステップS19)。処理は、ステップS20に進む。
【0073】
検出部23がイベントを検出すると(ステップS20でYes)、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行う(ステップS22)。一方、検出部23がイベントを検出せず(ステップS20でNo)、制御部20がロック機構18のロック解除を検出すると(ステップS21でYes)、トナーコンテナ7の筐体4への装着を待機する(ステップS11)。
【0074】
また、検出部23がイベントを検出せず、更に、制御部20がロック機構18のロック解除を検出しない場合(ステップS21でNo)、校正部22は、画像形成装置1のキャリブレーションを行わず(ステップS19)、処理がステップS20に進む。
【0075】
本実施形態において、濃度センサー96によって測定されたトナー像の濃度をキャリブレーション結果として用いる構成としたが、トナー像の濃度以外の要素をキャリブレーション結果として用いる構成であってもよい。
【0076】
本実施形態において、校正は、キャリブレーションに限らず、例えば、トナー像の濃度ムラ調整、トナー吐出量調整等でもよい。
【0077】
本実施形態において、画像形成装置1は、トナーを用いて用紙に画像を形成する構成としたが、トナー以外にインクを用いて用紙に画像を形成してもよい。
【0078】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0079】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 :画像形成装置
4 :筐体
7、7C、7K、7M、7Y :トナーコンテナ
17、17C、17K、17M、17Y :トナー残量センサー
18、18C、18K、18M、18Y :ロック機構
20 :制御部
21 :取得部
22 :構成部
23 :検出部
201 :判定部
203 :ロック制御部