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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152259
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】電線保持機構および照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20241018BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20241018BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20241018BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241018BHJP
【FI】
F21V23/00 160
F21S8/04 110
F21V23/06
F21V23/00 140
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066339
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 時雄
(72)【発明者】
【氏名】前田 哲志
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014BA04
3K014HA03
(57)【要約】
【課題】ケーブルが抜け止めされる電線保持機構および照明装置を提供する。
【解決手段】電線保持機構は、照明装置の器具本体の上面に取り付けられた制御装置と、制御装置に接続されたケーブルと、の接続部分を上方から覆い、制御装置に固定されるカバー上部と、カバー上部の端部からカバー上部と交差する方向に延び、器具本体に固定されるカバー端部と、を備え、カバー端部に、制御装置に接続されたケーブルが通過し、器具本体との間でケーブルを押圧して保持する保持部が形成されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置の器具本体の上面に取り付けられた制御装置と、前記制御装置に接続されたケーブルと、の接続部分を上方から覆い、前記制御装置に固定されるカバー上部と、
前記カバー上部の端部から前記カバー上部と交差する方向に延び、前記器具本体に固定されるカバー端部と、
を備え、
前記カバー端部に、前記制御装置に接続された前記ケーブルが通過し、前記器具本体との間で前記ケーブルを押圧して保持する保持部が形成されている
電線保持機構。
【請求項2】
前記保持部には、前記カバー端部の延びる方向と交差する方向に折り曲げられた折り曲げ部が形成されている
請求項1に記載の電線保持機構。
【請求項3】
前記カバー端部は、前記器具本体に、着脱可能に固定されている
請求項1又は2に記載の電線保持機構。
【請求項4】
前記ケーブルは、PoE仕様である
請求項1又は2に記載の電線保持機構。
【請求項5】
器具と、
前記器具に取り付けられる灯具と、
前記器具に固定された請求項1又は2に記載の電線保持機構と、
を備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電線保持機構および照明装置に関し、特に、ケーブルの接続部分を保持する電線保持機構および照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、変位規制部材を用いることによって、コネクタハウジングに差し込まれたLANケーブルの端子モジュールが抜け止めされる技術が開示されている。特許文献1に記載されている技術によれば、コネクタハウジング又は端子モジュールのいずれか一方に設けられた変位規制部材が、他方に係止されることで、端子ユニットの変位が規制され、端子モジュールがコネクタハウジングから抜けることが防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6988446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている技術は、ケーブルの先端の端子モジュールの形状に合わせた専用の変位規制部材を準備する必要があり、経済性の面で課題がある。
【0005】
本開示は、ケーブルの先端の形状による制約を受けずに、ケーブルが抜け止めされる電線保持機構および照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る電線保持機構は、照明装置の器具本体の上面に取り付けられた制御装置と、前記制御装置に接続されたケーブルと、の接続部分を上方から覆い、前記制御装置に固定されるカバー上部と、前記カバー上部の端部から前記カバー上部と交差する方向に延び、前記器具本体に固定されるカバー端部と、を備え、前記カバー端部に、前記制御装置に接続された前記ケーブルが通過し、前記器具本体との間で前記ケーブルを押圧して保持する保持部が形成されているものである。
【0007】
また、本開示に係る照明装置は、器具と、前記器具に取り付けられる灯具と、前記器具に固定された上記の電線保持機構と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る電線保持機構および照明装置によれば、カバー端部に形成された保持部により、制御装置に接続されたケーブルが器具本体との間で挟み込まれる。このため、ケーブルの先端の形状による制約を受けずに、ケーブルを制御装置から抜けないように保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態に係る照明装置を有する照明システムを示す斜視図である。
図2】本開示の実施の形態に係る照明装置を下方から見た分解斜視図である。
図3】本開示の実施の形態に係る照明装置を上方から見た分解斜視図である。
図4】本開示の実施の形態に係る照明装置の制御装置を上方から見た分解斜視図である。
図5】本開示の実施の形態に係る照明装置における第2外郭の部分拡大図である。
図6】本開示の実施の形態に係る照明装置の制御装置の部分拡大図である。
図7】本開示の実施の形態に係る電線カバーの拡大斜視図である。
図8】本開示の実施の形態に係る電線カバーが取り付けられる前の断面図である。
図9】本開示の実施の形態に係る電線カバーが取り付けられた状態の断面図である。
図10】本開示の実施の形態の変形例1に係る照明装置の部分断面図である。
図11】本開示の実施の形態の変形例2に係る照明装置の部分断面図である。
図12】本開示の実施の形態の変形例3に係る照明装置の部分断面図である。
図13】本開示の実施の形態の変形例4に係る照明装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、明細書全文に示す構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。更に、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0011】
実施の形態.
<照明装置1>
図1は、本開示の実施の形態に係る照明装置1を有する照明システムを示す斜視図である。図2は、本開示の実施の形態に係る照明装置1を下方から見た分解斜視図である。図1及び図2に示すように、照明装置1は、いわゆるシステム天井に設置される照明装置1の一例である。
【0012】
照明装置1は、システム天井が備えるバー部材9に取り付けられた状態で使用される。照明装置1は、バー部材9に固定される器具2及び器具2に着脱自在に装着される複数の灯具3を備えている。本実施の形態では、長尺状に形成された2つの灯具3が間隔をあけて配置されており、2つの灯具3の間にはプレート4が装着できるように構成されている。図示は省略するが、プレート4には、センサ、カメラといった機器類を設置することができ、設備プレートとも称される。以下の説明では、灯具3の長手方向は、長手方向Xとし、灯具3の短手方向は、短手方向Yとする。また、長手方向X及び短手方向Yと直交する方向は、例えば、高さ方向Zとし、方向Z1が上方向であり、方向Z2が下方向である。
【0013】
照明装置1は、灯具3を覆うように器具2に対して着脱自在に取り付けられる遮光板5を備えている。遮光板5は、ルーバとも称される。
【0014】
照明装置1は、制御装置6及び点灯装置7を備えている。制御装置6には、照明装置1の外部から外部電力及び外部制御信号が入力される。また、制御装置6は、外部電力と、制御信号とを点灯装置7に出力する。制御信号は、例えば、灯具3に対する点灯電力の供給又は遮断、或いは灯具3に供給される点灯電力を調整するための信号である。点灯装置7は、外部電力及び制御信号が入力されるとともに、灯具3を点灯させるための点灯電力を出力する。制御装置6は、制御装置外郭61を備えている。制御装置外郭61は、制御装置ケースとも称することができる。
【0015】
<器具2>
器具2は、2つの器具本体20及び2つの器具本体20を接続するための2つの接続具26を備えている。器具本体20は、長尺矩形状の天面部21及び天面部21の長手方向Xに沿った側方に一体に形成された2つの側面部22からなる。天面部21には、空調用の吸込口として機能する通気穴23(図3参照)が形成されている。接続具26は、器具本体20の長手方向Xにおける端部に形成される開口部を塞ぐように器具本体20に取り付けられる。
【0016】
2つの接続具26は、器具本体20の長手方向Xにおける両端部に配置される。2つの接続具26が2つの器具本体20を接続した状態で、器具2は一体の構成となる。2つの接続具26には、器具2をバー部材9に固定するための器具固定具27が設けられている。
【0017】
器具本体20と接続具26の一部とによって囲まれた空間は、灯具3が装着される灯具装着領域28である。灯具装着領域28は、器具本体20の天面部21、一対の側面部22、及び、一対の接続具26の一部によって形成されている。
【0018】
<灯具3>
灯具3は、台座30と、台座30に取り付けられるカバー34と、を備えている。図示は省略するが、台座30の一面の側には、光源部が配置されている。光源部は、例えば、長尺状の基板の一面に発光素子である面実装タイプの発光ダイオードであるLEDが実装されたものである。発光素子であるLEDは面実装タイプのものに限定されず、砲弾タイプのものでもよいし、COBタイプ、つまり、チップオンボードタイプのものでもよい。光源部の構成はLEDを使用したものに限定されず、例えば、有機EL、量子ドットといった他の発光素子を採用することもでき、発光素子の種類によっては基板を用いない構成であってもよい。
【0019】
カバー34は、台座30に取り付けられた状態で光源部を覆う。カバー34は、透光性を有しており、LEDから発せられた光を透過する。なお、カバー34は拡散性、又は、波長弁別性といった光学特性を有する物であってもよい。カバー34には、照明装置1に要求される特性に応じて種々の仕様が選択される。
【0020】
台座30は、LEDの動作熱を放散させる放熱部、つまり、ヒートシンクとしての機能を併せ持つ。また、台座30における光源部が配置された一面の側は、少なくとも、LEDから発せられた光、カバー34の内面で反射した光、又は、カバー34を透過した光を照射空間側に反射させる反射部としての機能を併せ持つ。反射部は、リフレクタとも称される。
【0021】
灯具3は、器具2における灯具装着領域28に配置される。図示は省略するが、灯具3には、器具2に形成された被係合部と係り合う係合部が形成されており、係合部と被係合部とが係り合うことによって、灯具3は器具2に装着されて取り付けられる。そして、係合部と被係合部とが係り合う状態を解除することによって、灯具3は器具2から取り外される。なお、灯具3は、所謂直管ランプ、例えば、直管蛍光ランプ、又は、直管LEDランプの態様であってもよい。
【0022】
<遮光板5>
遮光板5は、灯具3から照射される光を和らげる効果を奏する。遮光板5は、灯具装着領域28における灯具3より下方で、灯具3の下側に配置される。遮光板5は、金属製の板材に折り曲げ等の加工を施して形成されてもよいし、樹脂材料、セラミックなどを用いて成形されていてもよい。
【0023】
<点灯装置7>
点灯装置7は、点灯電力を生成する点灯回路を構成する点灯回路部品が実装されるとともに、点灯回路部品を接続するための回路パターンが敷設された点灯回路基板70、及び、点灯回路基板70を覆う点灯装置外郭71を備えている。点灯装置7の点灯回路基板70は、電気絶縁性の材料を用いて形成された保護シートによって覆われてもよい。
【0024】
点灯回路基板70には、入力端として、電力入力端子と制御信号入力端子とが配置されている。点灯装置外郭71は、例えば、金属製の板材に折り曲げ等の加工を施して形成されている。点灯装置外郭71は、点灯装置7の動作熱を放散させたり、或いは、延焼(類焼)を防止したりする目的を踏まえると、金属製であることが好ましいが、金属以外の他の不燃性の材料を用いてもよい。不燃性の材料としては、例えば、セラミック、又は、ガラスがある。
【0025】
点灯装置7は、2つの器具本体20のうち一方の器具本体20に取り付けられている。点灯装置7は、天面部21における通気穴23(図3参照)が形成されていない部分に取り付けられている。点灯装置7には、点灯装置外郭71が固定されている。点灯装置外郭71は、天面部21に設けられたネジ213(図8参照)とネジ213に螺着されるナット214とを用いて、天面部21の下面に固定されている。
【0026】
点灯装置7は、例えば、器具本体20の天面部21を間にして、制御装置6と反対側に配置されている。このように配置することによって、制御装置6の出力端から点灯装置7の入力端までの距離が短縮され、両者を電気的に接続するための配線部材の使用量を抑制することができる。これによって、環境保全効果、材料コスト削減効果、及び、電力或いは制御信号の伝送ロスの低減効果が得られる。
【0027】
なお、点灯装置7と、器具本体20の天面部21との間には、不燃性の補助部材が配置されていてもよい。補助部材により、点灯装置7の動作熱を放散すること、延焼を防止すること、又は、類焼を防止することができる。
【0028】
<制御装置6>
図3は、本開示の実施の形態に係る照明装置1を上方から見た分解斜視図である。図4は、本開示の実施の形態に係る照明装置1の制御装置6を上方から見た分解斜視図である。図3及び図4に示すように、制御装置6は、2つの器具本体20のうち一方の器具本体20に取り付けられている。制御装置6は、天面部21における通気穴23が形成されていない部分に取り付けられている。本実施の形態において、少なくとも、2つの器具本体20のうち一方の器具本体20における天面部21には、上面210より外側に切り起こし加工が施された2つの係止部212が設けられている。係止部212は、例えば、係止片又は係止爪である。また、本実施の形態において、少なくとも、2つの器具本体20のうち一方の器具本体20における天面部21には、上面210より外側に突出するようにネジ213が設けられている。
【0029】
制御装置6は、制御装置外郭61と、電気絶縁性の材料を用いて形成された保護シート68と、により覆われた制御回路基板60を備えている。制御回路基板60には、入力端として、複合端子64が配置されている。制御回路基板60は、外部電力を伝達する電力回路と、外部制御信号に基づいて点灯電力を調整するための制御信号を生成する制御回路と、を有する。複合端子64は、照明装置1の外部から外部電力が入力される電力端子と、照明装置1の外部との間で制御信号の送受を行う制御端子と、が複合化された端子である。本実施の形態において、複合端子64は、LANコネクタを構成するLANハウジングである。
【0030】
本実施の形態において、複合端子64は、金属製のカバーである外郭641で覆われている。シールドカバーとなる外郭641は、制御回路基板60における基準電位、例えば、制御回路のGND、又は、電力回路のGNDと接続されている。
【0031】
LANハウジングである複合端子64の差込口640には、例えば、LANケーブル96の先端に取り付けられたLANプラグ97が着脱自在に接続される。複合端子64は、LANプラグ97が差し込まれる差込口640を外側に向けて、制御回路基板60の端部に配置されている。制御回路基板60に設けられた複合端子64と、LANケーブル96に取り付けられたLANプラグ97との接続部分は、電線カバー8により覆われている。電線カバー8は、電線保持機構の一例である。
【0032】
制御回路基板60には、出力端として、電力出力端子65と制御信号出力端子66とが配置されている。電力出力端子65及び制御信号出力端子66は、接続電線29によって、点灯回路基板70の電力入力端子及び制御信号入力端子とそれぞれ電気的に接続される。本実施の形態において、電力出力端子65及び制御信号出力端子66は、制御回路基板60における複合端子64とは反対側の端部に配置されている。
【0033】
制御回路基板60には、制御対象の照明装置1を指定するためのアドレスを設定するスイッチ67が設けられてもよい。この際、保護シート68によってスイッチ67が塞がれないようにして、制御装置6の外部からスイッチ67を操作できるようにしてもよい。
【0034】
なお、本実施の形態において、制御回路基板60はスイッチ67が設けられる部分である基板32が積層される構成となっているが、制御回路基板60の構成は限定されない。また、制御装置6は、点灯装置7と一体化された構成であってもよい。
【0035】
制御装置外郭61は、保護シート68に覆われた制御回路基板60が取り付けられる第1外郭610、及び、これらと接続電線29を覆う第2外郭620を有している。第1外郭610は、第1ケース、又は、ボトムケースと称されてもよく、第2外郭620は、第2ケース、又は、アッパーケースと称されてもよい。
【0036】
制御装置外郭61は、金属材料を用いて形成されている。制御装置外郭61は、導電性を有する材料を用いて形成されている。本実施の形態において、第1外郭610、及び、第2外郭620は、いずれも、金属製の板材に折り曲げ等の加工を施して形成されている。ただし、他の加工方法が用いられていてもよく、他の加工方法を排除するものではない。
【0037】
第1外郭610は、長尺矩形状のケース下部611及びケース下部611の長手方向Xに沿った側方に一体に形成された2つのケース内側部615からなる。
【0038】
ケース下部611には、4つの基板載置部612が設けられている。基板載置部612は、ケース下部611の内側に向かい、且つ、上側に向かって施された切り起こし加工により形成されている。基板載置部612は、サドル部と称されてもよい。基板載置部612は、切り起こされた状態でケース下部611に近い載置部下部613と、載置部下部613よりも上方に一部を突出させた載置部上部614と、を有する。
【0039】
4つの基板載置部612は、切り起こされた状態において、載置部下部613の高さ寸法が等しくなっている。載置部下部613の高さ寸法は、ケース下部611の上面である内面から、載置部下部613の上縁部であって上辺部までの距離である。
【0040】
載置部下部613は、基板載置部612が切り起こされた状態において、上縁部が制御回路基板60の下面と当接している。載置部下部613の上縁部が制御回路基板60の下面と当接していることで、第1外郭610の上下方向における制御回路基板60の設置位置が決定されるとともに、制御回路基板60の下方への移動、つまり、下向きの移動が規制される。
【0041】
4つの基板載置部612は、載置部上部614の高さ寸法が、制御回路基板60の厚さ寸法よりも大きくなっている。載置部上部614の高さ寸法は、載置部下部613の上縁部であって上辺部から、載置部上部614の先端部までの距離である。
【0042】
載置部上部614は、基板載置部612が切り起こされた状態で、制御回路基板60の長手方向Xにおける端面と向き合っている。載置部上部614が、制御回路基板60の長手方向Xにおける端面と向き合っていることで、第1外郭610の長手方向Xにおいて制御回路基板60が設置される位置が決定されるとともに、制御回路基板60の長手方向Xの移動が規制される。
【0043】
2つのケース内側部615には、互いに近付く向きに切り起こし加工が施された一組以上の基板保持部616が形成されている。基板保持部616は、ケース内側部615における、基板載置部612に載置された制御回路基板60より上方に形成されている。基板載置部612に載置された制御回路基板60は、基板保持部616が切り起こされると、基板載置部612の載置部下部613と基板保持部616との間に挟まれる。このため、制御回路基板60は、第1外郭610における上方への移動、つまり、上向きの移動が規制される。
【0044】
ケース内側部615には、外側に向かって切り起こし加工が施され、後述する第2外郭620のケース外側部625に設けられた係合孔626と係合する係合片617が設けられている。係合片617は、2つのケース内側部615のうちの少なくとも一方に設けられていればよい。
【0045】
第1外郭610は、長手方向Xにおける一方の端部が、器具本体20の天面部21に設けられた係止部212に引掛けられた状態で、長手方向Xにおける他方の端部が、天面部21の上面210に固定されている。第1外郭610の長手方向Xにおける他方の端部は、天面部21に設けられたネジ213に螺着されるナット214によって固定されている。
【0046】
図5は、本開示の実施の形態に係る照明装置1における第2外郭620の部分拡大図である。図5に示すように、第2外郭620は、長尺矩形状のケース上部621、ケース外側部625、ケース第1端部630、ケース第2端部637、及び、端部固定部638により構成されている。第2外郭620は、保護シート68に覆われた制御回路基板60、制御回路基板60が取り付けられる第1外郭610、及び、接続電線29を覆っている。
【0047】
ケース外側部625は、ケース上部621の長手方向Xに沿った両方の側方に一体に形成されている。ケース外側部625の一方の下端には、側部固定部628が外側に延伸するように一体に形成されている。ケース第1端部630は、ケース上部621の長手方向Xにおける一端側に形成されている。ケース第2端部637は、ケース上部621の長手方向Xにおける他端側に形成されている。端部固定部638は、ケース第2端部637の下端から外側に延伸するように一体に形成されている。
【0048】
ケース上部621には、後述する電線カバー8を器具2に取り付ける際の位置決め部となる位置決め突起622が設けられている。位置決め突起622は、例えば、位置決めネジである。制御回路基板60にスイッチ67が設けられている場合には、例えば、ケース上部621にスイッチ67を操作するための操作孔623を設けてもよい。スイッチ67は、制御対象の照明装置1を指定するためのアドレスを設定するために設けられている。
【0049】
ケース外側部625は、第1外郭610の2つのケース内側部615の外側に配置される。ケース外側部625の他方には、第1外郭610のケース内側部615に設けられた係合片617が係合する係合孔626が設けられている。係合孔626は、2つのケース内側部615の少なくとも一方に設けられた係合片617に係合されればよい。
【0050】
側部固定部628及び端部固定部638は、器具本体20の天面部21に固定される部分である。側部固定部628及び端部固定部638には、それぞれ、ネジ213(図8参照)が挿通される挿通孔であるネジ挿通部822が設けられている。
【0051】
ケース第1端部630は、制御装置6の入力端である複合端子64の差込口640を塞がないように、複合端子64の差込口640を除いた第1外郭610、及び、保護シート68に覆われた制御回路基板60の一端側を覆っている。ケース第2端部637は、第1外郭610、保護シート68に覆われた制御回路基板60の一端側、及び、接続電線29を覆っている。
【0052】
ケース第1端部630には、制御装置6の入力端である複合端子64の差込口640を塞がないように、切欠部631が設けられている。ケース第1端部630の切欠部631における端縁部の一部には、ケース第1端部630の内側に向かって突出する突出部632(図8参照)が設けられている。
【0053】
突出部632は、弾性、つまり、バネ性を有している。本実施の形態において、突出部632は、切欠部631における端縁部の一部をケース第2端部637に向かって屈曲させた屈曲部として形成されている。突出部632は、導電性を有している。突出部632は、複合端子64の外郭641の上面に接しており、制御回路基板60と接地導通の関係が保たれている。これによって、制御装置6において、照明装置1の外部から侵入する外来ノイズなどの外乱による損傷、又は、動作上の不具合が発生することが抑制されている。
【0054】
ケース第1端部630は、第2外郭620が天面部21の上面210に固定されている状態で、第1外郭610に設けられた載置部上部614の先端部よりも下側まで延伸している。ケース第1端部630の下端は、制御回路基板60と向き合っている。
【0055】
図6は、本開示の実施の形態に係る照明装置1の制御装置6の部分拡大図である。図6に示すように、LANケーブル96のLANプラグ97は、制御装置6に設けられた複合端子64の差込口640に差し込まれ、複合端子64とLANケーブル96とが接続された状態となる。
【0056】
複合端子64が搭載されている制御回路基板60は、制御回路基板60が載置される載置部上部614により長手方向Xへの移動が規制されている。このため、複合端子64の差込口640にLANケーブル96のLANプラグ97が差し込まれた状態で、LANケーブル96に対して抜去方向P或いは抜去方向Pよりも斜め上方へ応力を加えても、制御回路基板60が載置部上部614を乗り越えることがない。抜去方向Pは、例えば、長手方向Xであって、LANケーブル96のLANプラグ97が引き抜き方向である。その結果、制御回路基板60が制御装置外郭61から外れることが防止される。
【0057】
ケース第1端部630に設けられた突出部632は、第1外郭610が天面部21の上面210に固定されている状態で、複合端子64のカバーである外郭641の上面と接触している。このため、接地経路が確保され、制御装置6に対するノイズの影響を抑制することができる。つまり、制御装置6が、制御装置6の外部から侵入するノイズから保護される。
【0058】
このような接地経路の構成は、特に、制御回路基板60の有効面積が小さい場合などに有効である。また、ネジなどの接続部材を用いる必要がないので、材料コスト、組み立てコストを抑制する効果も得られる。なお、突出部632は、複合端子64の外郭641の側面と接触するようにしてもよい。
【0059】
図7は、本開示の実施の形態に係る電線カバー8の拡大斜視図である。図7に示すように、電線カバー8は、長尺矩形状のカバー上部80と、カバー上部80の長手方向Xにおける一端側に設けられたカバー端部82と、を有する。本実施の形態において、電線カバー8は、例えば、金属製の板材に折り曲げ等の加工を施して形成されているが、他の加工方法を排除するものではない。電線カバー8は、金属材料以外の材料、例えば、樹脂材料、セラミック、又は、ガラスを用いて形成されてもよい。
【0060】
カバー上部80は、制御回路基板60に設けられた複合端子64と、LANケーブル96に取り付けられたLANプラグ97との接続部分の上方に配置されている。カバー上部80は、複合端子64と、LANプラグ97との接続部分を上方から覆っている。カバー上部80は、制御装置外郭61のケース上部621に固定される部分である。カバー上部80の長手方向Xにおける他端側は、開放されている。カバー上部80の長手方向Xにおける他端側には、位置決め溝800が形成されている。位置決め溝800の他端側は、開放されている。位置決め溝800の他端側には、ケース上部621に設けられた位置決め突起622が挿入され、係り合う。カバー上部80の長手方向Xに沿った側方には、カバー側部81が、カバー上部80と一体に形成されている。
【0061】
カバー端部82は、カバー上部80の一端側からカバー上部80と交差する方向に延びる。カバー端部82には、カバー固定部821と、保持部820とが形成されている。
【0062】
カバー固定部821は、器具本体20の天面部21に固定される部分である。カバー固定部821は、カバー端部82の下端に設けられている。カバー固定部821は、カバー端部82の下端の一部から長手方向Xにおける外側に屈曲されて形成されている。
【0063】
カバー固定部821には、ネジ83が挿通されるネジ挿通部822が設けられている。ネジ挿通部822にネジ83が挿通され、締め付けられることで、カバー固定部821が、器具本体20の天面部21に固定される。ネジ83は、例えば、指で締め付けることができ、着脱が容易なつまみネジである。ネジ挿通部822は、ネジ挿通孔とも称される。
【0064】
保持部820は、カバー端部82の下端の先端部分であって、切り欠かれた形状の部分である。保持部820は、カバー端部82の下端であって、カバー上部80からの遠位端に形成されている。保持部820は、カバー端部82の下端において、カバー固定部821が設けられていない部分に形成されている。
【0065】
保持部820は、LANケーブル96のケーブル本体98を通過させるとともに、ケーブル本体98を保持する。保持部820は、カバー端部82のカバー固定部821が器具本体20の天面部21に固定された状態において、器具本体20の天面部21との間でケーブル本体98を押圧して挟み込む。
【0066】
保持部820は、周縁の内側の少なくとも一部において、保持部820に保持されたケーブル本体98に接し、ケーブル本体98を押圧する。保持部820の周縁は、カバー端部82の端面がカバー上部80に向かう方向に湾曲した半円形状に形成されている。
【0067】
保持部820の形状は、周縁の内側の少なくとも一部において、保持部820に保持されたケーブル本体98に接し、ケーブル本体98を押圧することができればよく、半円形状は限定されない。保持部820の周縁は、例えば、カバー端部82の端面がカバー上部80に向かい切り欠かれた切り欠き形状としてもよい。保持部820の周縁は、カバー端部82の端面がカバー上部80と平行に延びる矩形状に形成されていてもよい。
【0068】
保持部820の周縁の少なくとも一部には、カバー端部82の外側に向かって折り曲げられた曲げ部820a(図9参照)が形成されているとよい。曲げ部820aにより、保持部820に保持されたケーブル本体98が押圧される。
【0069】
曲げ部820aは、ケーブル本体98が保持部820に保持された状態において、ケーブル本体98に接する。保持部820に保持されたケーブル本体98は、曲げ部820aによりカバー端部82の板厚方向における寸法よりも大きい寸法に渡り押圧される。
【0070】
曲げ部820aにより、保持部820がケーブル本体98に接する寸法がカバー端部82の板厚寸法よりも長くなることで、ケーブル本体98に加わる応力が分散される。その結果、LANケーブル96のケーブル本体98が、保持部820により挟持されることによるキズ、又は、擦れなどの損傷を受け難くなる。
【0071】
図8は、本開示の実施の形態に係る電線カバー8が取り付けられる前の断面図である。図9は、本開示の実施の形態に係る電線カバー8が取り付けられた状態の断面図である。図8及び図9に示すように、電線カバー8は、2つの器具本体20のうち一方の器具本体20、すなわち、制御装置6が取り付けられている器具本体20に対して着脱可能に固定されており、着脱自在になっている。
【0072】
電線カバー8が器具本体20に取り付けられる際には、LANケーブル96のケーブル本体98が保持部820に挟み込まれ、ケーブル本体98が仮保持される。ケーブル本体98が仮保持された状態では、カバー上部80の長手方向Xにおける一端側のネジ83は締め付けられておらず、電線カバー8がかぶせられただけの状態である。カバー上部80の長手方向Xにおける他端側に形成された位置決め溝800には、位置決めネジである位置決め突起622が係り合い、第2外郭620のケース上部621に締め込まれる。これにより、電線カバー8の他端側が制御装置6に固定される。ケーブル本体98が仮保持された状態では、位置決め突起622とケーブル径とにより、電線カバー8の高さ方向Zの動きが規制されている。
【0073】
電線カバー8は、カバー上部80の長手方向Xにおける一端側のネジ83がカバー固定部821のネジ挿通部822に挿通された状態でスタッドナット215に締め込まれることによって、器具本体20に固定される。スタッドナット215は、本実施の形態において、少なくとも、2つの器具本体20のうち一方の器具本体20における天面部21に取り付けられている。ネジ83は、例えば、指で締め付けることができ、着脱が容易なつまみネジである。
【0074】
器具本体20に取り付けられた電線カバー8は、複合端子64の少なくとも差込口640を覆い、保護する。器具本体20に取り付けられた電線カバー8は、LANハウジングである複合端子64に接続された状態のLANケーブル96が複合端子64から抜けることを防止し、LANケーブル96と複合端子64との接続を維持する。なお、器具本体20に取り付けられた電線カバー8は、スイッチ67を覆い、外部からスイッチ67を操作できないようにして、スイッチ67で設定された設定値を維持できる構成としてもよい。
【0075】
LANケーブル96のケーブル本体98は、電線カバー8が器具本体20に取り付けられた状態において、保持部820と器具本体20の天面部21との間に挟み込まれており、保持部820と天面部21とから押圧力を受けている。ケーブル本体98に作用する押圧力は、照明装置1が施工されている際に想定されるLANケーブル96に加わる張力より大きく、例えば、100[N]よりも大きい。
【0076】
LANケーブル96のケーブル本体98は、電線カバー8が器具本体20に取り付けられた状態において、被覆部分が変形する程度の押圧力を受ける。また、LANケーブル96のケーブル本体98は、電線カバー8が器具本体20に取り付けられた状態で、被覆部分が損傷しない程度の押圧力を受ける。このように、LANケーブル96は、電線カバー8により器具本体20との間で保持されるため、LANケーブル96のLANプラグ97の形状を問わず、照明装置1に対する張力の影響を受けないように取り付けることができる。
【0077】
押圧力は、例えば、LANケーブル96の径、又は、カバー端部82の形状により調整することができる。複合端子64と、LANプラグ97とが接続された状態において、規格上では、100[N]の張力に耐えることができる。このため、制御回路基板60と、複合端子64とを接続しているケーブル本体98に作用する張力は、100[N]に達しないようにすることが望ましい。
【0078】
従って、ケーブル本体98に作用する押圧力は、100[N]よりも大きくなるように、LANケーブル96の径、又は、カバー端部82の保持部820の形状が調整される。これにより、ケーブル本体98が制御回路基板60から抜けることが防止され、照明装置1において不具合が生じることが抑制できる。
【0079】
電線カバー8が器具本体20から取り外される際には、カバー固定部821のネジ83が取り外されるとともに、カバー上部80の位置決め溝800に係合している位置決めネジである位置決め突起622が緩められるか、又は、取り外される。これにより、LANケーブル96のケーブル本体98が電線カバー8からの押圧力を受けなくなり、ケーブル本体98を、制御装置6から取り外すことができる。
【0080】
照明装置1の組み立て工程においては、電線カバー8が器具2に取り付けられており、照明装置1が出荷される際には、器具2に取り付けられた状態である。照明装置1が施工される際には、電線カバー8が器具2から取り外され、LANケーブル96のLANプラグ97が、LANハウジングである複合端子64の差込口640に差し込まれて、LANケーブル96が制御装置6に接続される。そして、電線カバー8の保持部820により、LANケーブル96のケーブル本体98が挟み込まれて保持されることで、照明装置1の施工が完了する。なお、施工に係る上記の作業においては、その全て或いは一部が、照明装置1をシステム天井が備えるバー部材9に取り付ける前、途中、又は、後のいずれに実施されてもよい。
【0081】
本開示の本実施の形態において、制御装置6およびLANケーブル96は、例えば、所謂PoE(Power over Ethernet;IEEE 802.3af、IEEE 802.3at、又は、IEEE 802.3bt等)に対応した仕様である。なお、制御装置6およびLANケーブル96は、所謂PoEに対応した仕様に限定されるものではない。
【0082】
また、制御装置6と点灯装置7とは、異なる器具本体20に取り付けられてもよい。制御装置6の出力から点灯装置7の入力までの距離を短くできない場合でも、器具2の重量が一方の器具本体20に偏ることがなくなり、良好な重量バランスを得ることができるので、施工性が向上する。
【0083】
照明装置1には、プレート4に代えて灯具3が着脱自在に装着され、遮光板5が着脱自在に取り付けられていてもよい。つまり、照明装置1は、3つの灯具3および遮光板5を備えるものであってもよい。また、照明装置1は、1つの灯具3および遮光板5を備えるものを排除するものではない。照明装置1には、遮光板5に代えて透光性のカバーが取り付けられていてもよい。
【0084】
照明装置1は、システム天井に設置され、システム天井を構成する設備機器としての照明装置1を例示しているが、これに限定されるものではなく、本開示は、LANケーブル96が接続可能なあらゆる機器類に採用可能である。
【0085】
<変形例1>
図10は、本開示の実施の形態の変形例1に係る照明装置1の部分断面図である。図10に示すように、突出部632は、複合端子64の外郭641の一方の側面、又は、両方の側面に接していてもよい。突出部632は、制御装置外郭61を構成しているケース第1端部630からケース第1端部630の内側に向かって突出した部分である。
【0086】
突出部632が設けられていることにより、制御回路基板60と接地導通との関係が保たれ、照明装置1の外部から侵入する外来ノイズなどの外乱により、制御装置6に損傷又は動作上の不具合が発生することが抑制される。突出部632が、複合端子64の外郭641の側面に接するようにすることで、接触抵抗、つまり、インピーダンスが低下し、突出部632による効果が向上する。なお、突出部632は、ケース第1端部630とは別体の導電性の部材が、ケース第1端部630の内側に取り付けられた構成であってもよい。
【0087】
<変形例2>
図11は、本開示の実施の形態の変形例2に係る照明装置1の部分断面図である。図11に示すように、カバー端部82に設けられた保持部820には、周縁の少なくとも一部が、カバー端部82の内側に向って屈曲された曲げ部820aが形成されていてもよい。
【0088】
これによって、保持部820がケーブル本体98と、カバー端部82の板厚寸法より長い寸法に渡り接するため、ケーブル本体98に加わる応力が分散される。この結果、LANケーブル96のケーブル本体98が、保持部820によって保持されることでキズ、又は、擦れなどの損傷を受け難くなる。
【0089】
また、ケーブル本体98に対して、カバー端部82の外側へ向いた、カバー端部82が抜け去る向きの力が加わった場合に、曲げ部820aの先端が、弾性変形するケーブル本体98の被覆に引っ掛かる。これにより、ケーブル本体98が移動することを規制することができる。
【0090】
<変形例3>
図12は、本開示の実施の形態の変形例3に係る照明装置1の部分断面図である。図12に示すように、カバー端部82に設けられた保持部820は、周縁が屈曲されておらず、まっすぐにのびており、保持部820とケーブル本体98との間に、保護部材84が配置されている。保護部材84は、弾性を有しており、保持部820からの押圧力を受けて弾性変形する。
【0091】
これにより、ケーブル本体98に加わる応力が緩和され、LANケーブル96のケーブル本体98が、保持部820により保持され、キズ、又は、擦れなどの損傷を受け難くなる。保護部材84は、ケーブル本体98、又は、保持部820のいずれかに対して貼り付けられるなどして固定されていてもよい。
【0092】
<変形例4>
図13は、本開示の実施の形態の変形例4に係る照明装置1の部分断面図である。図13に示すように、器具2の天面部21には、上方に突出する一対の突状部216が設けられている。
【0093】
一対の突状部216は、電線カバー8が器具2の天面部21に取り付けられた状態において、カバー端部82に設けられた保持部820が間に位置するように設けられている。LANケーブル96のケーブル本体98は、保持部820に加えて一対の突状部216により押圧される。保持部820に加え、一対の突状部216によっても、LANケーブル96のケーブル本体98の移動を規制する効果を得ることができる。
【0094】
以上説明した、本開示の実施の形態に係る電線カバー8によれば、カバー端部82に形成された保持部820にLANケーブル96のケーブル本体98が通過し、その状態で、保持部820により押圧され、ケーブル本体98が器具本体20との間で保持される。制御装置6の制御回路基板60に設けられた複合端子64に接続されたLANケーブル96は、保持部820において器具本体20との間で挟み込まれる。このため、LANケーブル96が挿入されるLANプラグ97などの形状による制約を受けずに、LANケーブル96を制御装置6から抜けないように固定することができる。
【0095】
また、保持部820には、カバー端部82の延びる方向と交差する方向に折り曲げられた曲げ部820aが形成されており、曲げ部820aにより、カバー端部82の板厚方向の寸法よりも大きい寸法に渡り、LANケーブル96を押圧することができる。
【0096】
また、カバー端部82は、器具本体20に着脱可能に固定されており、照明装置1が出荷される際に器具本体20に固定された状態の電線カバー8を、照明装置1の施工時に照明装置1から取り外すことができる。この状態で、LANケーブル96を固定する作業が行われた後、電線カバー8が固定されるため、照明装置1を施工する際の作業性を向上することができる。
【0097】
また、制御装置6およびLANケーブル96は、例えば、PoEに対応した仕様であるが、これに限定されるものではない。
【0098】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0099】
(付記1)
照明装置の器具本体の上面に取り付けられた制御装置と、前記制御装置に接続されたケーブルと、の接続部分を上方から覆い、前記制御装置に固定されるカバー上部と、
前記カバー上部の端部から前記カバー上部と交差する方向に延び、前記器具本体に固定されるカバー端部と、
を備え、
前記カバー端部に、前記制御装置に接続された前記ケーブルが通過し、前記器具本体との間で前記ケーブルを押圧して保持する保持部が形成されている
電線保持機構。
(付記2)
前記保持部には、前記カバー端部の延びる方向と交差する方向に折り曲げられた折り曲げ部が形成されている
付記1に記載の電線保持機構。
(付記3)
前記カバー端部は、前記器具本体に、着脱可能に固定されている
付記1又は2に記載の電線保持機構。
(付記4)
前記ケーブルは、PoE仕様である
付記1~3のいずれか一つに記載の電線保持機構。
(付記5)
器具と、
前記器具に取り付けられる灯具と、
前記器具に固定された付記1~4のいずれか一つに記載の電線保持機構と、
を備えた照明装置。
【符号の説明】
【0100】
1 照明装置、2 器具、3 灯具、4 プレート、5 遮光板、6 制御装置、7 点灯装置、8 電線カバー、9 バー部材、20 器具本体、21 天面部、22 側面部、23 通気穴、26 接続具、27 器具固定具、28 灯具装着領域、29 接続電線、30 台座、32 基板、34 カバー、60 制御回路基板、61 制御装置外郭、64 複合端子、65 電力出力端子、66 制御信号出力端子、67 スイッチ、68 保護シート、70 点灯回路基板、71 点灯装置外郭、80 カバー上部、81 カバー側部、82 カバー端部、83 ネジ、84 保護部材、96 LANケーブル、97 LANプラグ、98 ケーブル本体、210 上面、212 係止部、213 ネジ、214 ナット、215 スタッドナット、216 突状部、610 第1外郭、611 ケース下部、612 基板載置部、613 載置部下部、614 載置部上部、615 ケース内側部、616 基板保持部、617 係合片、620 第2外郭、621 ケース上部、622 位置決め突起、623 操作孔、625 ケース外側部、626 係合孔、628 側部固定部、630 ケース第1端部、631 切欠部、632 突出部、637 ケース第2端部、638 端部固定部、640 差込口、641 外郭、800 位置決め溝、820 保持部、820a 曲げ部、821 カバー固定部、822 ネジ挿通部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13