(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152297
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】鉛筆又は化粧料の軸体
(51)【国際特許分類】
B43K 19/14 20060101AFI20241018BHJP
B43K 19/02 20060101ALI20241018BHJP
A61K 8/00 20060101ALI20241018BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20241018BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20241018BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20241018BHJP
A61K 8/98 20060101ALI20241018BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20241018BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20241018BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241018BHJP
A45D 40/20 20060101ALI20241018BHJP
【ＦＩ】
B43K19/14
B43K19/02 Z
A61K8/00
A61Q1/10
A61K8/19
A61K8/92
A61K8/98
A61K8/73
A61K8/31
A61K8/37
A45D40/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023066409
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】久保 亮太
【テーマコード（参考）】
4C083
【Ｆターム（参考）】
4C083AA081
4C083AA082
4C083AA121
4C083AA122
4C083AA161
4C083AA162
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC352
4C083AD262
4C083AD512
4C083CC14
4C083DD11
4C083DD21
(57)【要約】
【課題】従来の木軸と同様の易削り性、落下耐性、耐水性を有し、環境に対して負荷が少なく、しかも、塗装を行わずに、切削断面を含めた外観を任意の色とすることができる鉛筆芯（色鉛筆芯を含む）の軸体、または、アイライナー、アイブロウ、アイシャドウなどの棒状化粧料などの化粧料の軸体などを提供する。
【解決手段】 本発明の鉛筆又は化粧料の軸体は、鉛筆芯又は棒状化粧料を軸体材料組成物により被覆してなる鉛筆又は化粧料の軸体であって、前記軸体材料組成物が、少なくとも自然由来の体質材と自然由来の結合材と顔料とを含有することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】 本発明の鉛筆又は化粧料の軸体は、鉛筆芯又は棒状化粧料を軸体材料組成物により被覆してなる鉛筆又は化粧料の軸体であって、前記軸体材料組成物が、少なくとも自然由来の体質材と自然由来の結合材と顔料とを含有することを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛筆芯又は棒状化粧料を軸体材料組成物により被覆してなる鉛筆又は化粧料の軸体であって、前記軸体材料組成物が、少なくとも自然由来の体質材と自然由来の結合材と顔料とを含有することを特徴とする鉛筆又は化粧料の軸体。
【請求項2】
前記軸体材料組成物は自然由来指数（水を含まない）が７５％以上であることを特徴とする請求項１記載の鉛筆又は化粧料の軸体。
【請求項3】
少なくとも、鉛筆芯と、該鉛筆芯を被覆成形してなる軸体とを備えた鉛筆であって、前記軸体が請求項１又は２に記載の軸体であることを特徴とする鉛筆。
【請求項4】
少なくとも、棒状化粧料と、該棒状化粧料を被覆成形してなる軸体とを備えた棒状化粧品であって、前記軸体が請求項１又は２に記載の軸体であることを特徴とする棒状化粧品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の木軸と同様の易削り性、落下耐性、耐水性を有し、環境に対して負荷が少なく、しかも、塗装を行わずに、切削断面を含めた外観を任意の色とすることができる鉛筆芯又は化粧料の軸体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉛筆や棒状化粧料などの軸体として、使用者に良好な感触を与える天然木材、特に米国産のレッドシダーなどの天然木材が、柔らかくナイフや鉛筆削りで削るのが容易であるなどの理由により用いられている。
ところで、近年では森林伐採などの乱伐により減少しつつあり、このような状況から環境破壊の問題が注目され、レッドシダーなどもその入手が困難等となり、代替材料の開発が行われている。
また、上記天然木材を用いた軸体は、着色する場合には、天然木材自体に染料を含む液を含浸することで着色する方法と、軸体を形成した後に、表面に塗料を塗布する方法が一般的であるが、前者では含浸時にかかるエネルギーが大きいこと、染料廃液が生じることで、環境負荷が高く、後者では鉛筆芯や棒状化粧料を露出させるための切削時の断面は、通常の木材色のままとなるものであった。
ところで、近年では森林伐採などの乱伐により減少しつつあり、このような状況から環境破壊の問題が注目され、レッドシダーなどもその入手が困難等となり、代替材料の開発が行われている。
また、上記天然木材を用いた軸体は、着色する場合には、天然木材自体に染料を含む液を含浸することで着色する方法と、軸体を形成した後に、表面に塗料を塗布する方法が一般的であるが、前者では含浸時にかかるエネルギーが大きいこと、染料廃液が生じることで、環境負荷が高く、後者では鉛筆芯や棒状化粧料を露出させるための切削時の断面は、通常の木材色のままとなるものであった。
【0003】
従来において、鉛筆や棒状化粧料などの軸体の代替材料の技術やこれらの軸体を着色する技術として、例えば、下記１）～７）の各技術などが知られている。
１） 古新聞紙、パルプ木片、鋸屑、その他植物繊維質物質に苛性ソーダ又は同効の可溶性物質を加え水にて煮沸溶解して液状となしこれを板状に成形して乾燥し、次に酢酸セルロース、ステアリン、ラッカー、ユリヤ樹脂などの一種又は数種を内部まで均一に浸透せしめ適宜加圧して板状となすことを特徴とする鉛筆軸用板状物の製造法（例えば、特許文献１参照）、
１） 古新聞紙、パルプ木片、鋸屑、その他植物繊維質物質に苛性ソーダ又は同効の可溶性物質を加え水にて煮沸溶解して液状となしこれを板状に成形して乾燥し、次に酢酸セルロース、ステアリン、ラッカー、ユリヤ樹脂などの一種又は数種を内部まで均一に浸透せしめ適宜加圧して板状となすことを特徴とする鉛筆軸用板状物の製造法（例えば、特許文献１参照）、
【0004】
２） 熱可塑性樹脂と潤滑剤及び黒鉛あるいは顔料を含んだ芯材の棒状外周面に、軸方向に沿って凸条及び凹条を交互に連続して一体的に形成し、該芯材の外側には該石材の凹凸面に密着する如くして熱可塑性樹脂とセルロース繊維質及び発泡剤を含んだ軸材を形成し、かつ該軸材中のセルロース繊維質の一部が芯材の棒状外周面の凹凸部に喰い込み状に混入するようにしたことを特徴とする鉛筆（例えば、特許文献２参照）、
【0005】
３） 鉛筆削りで削っても全く支障なく、しかも、この軸が加工性に優れていることから安価に製造し得る、鉛筆を提供するために、磨砕処理が施されてなるセルロース系微粉粒が樹脂に混合され、混合物が押出もしくは射出成形により成形され、さらにこの成形体が鉛筆の軸状に形成されて得られた軸中に、芯が挿通された鉛筆（例えば、特許文献３参照）、
【0006】
４） 実質的に棒状の複合体を、ポリマーを可塑化しそれを連続する芯の上に押出すことにより得られる少なくとも１つのポリマーにより周囲を囲まれた芯から製造する方法であって、少なくとも１つのリグニンに基づく天然ポリマーを用い、天然の油および／またはろうに基づく滑り剤を、可塑化されたポリマーに、押出し前または押出し中に添加することを特徴とする、方法、更に、天然繊維を可塑化されたポリマーに対し押出し前または押出し中に添加する方法、該方法が書くための道具、たとえば鉛筆または色鉛筆などを製造するためもの、化粧品用の鉛筆を製造するためもの、塗料を塗布されることなどによりコーティングされる複合体（例えば、特許文献４参照）、
【0007】
５） 少なくとも１種類のポリマー結合材、少なくとも１種類の有機充填材、少なくとも１種類の無機充填材、少なくとも１種類の相溶化剤、少なくとも１種類のワックス、少なくとも１種類の着色顔料、および少なくとも１種類の添加剤、からなる木軸鉛筆用の木材代替材料であって、前記少なくとも１種類の相溶化剤が、前記少なくとも１種類のポリマー結合材と前記少なくとも１種類の有機充填材の化学的結合を形成し、前記少なくとも１種類の相溶化剤と前記少なくとも１種類のワックスの比が１：２～１：６の範囲になっており、有機充填材と無機充填材の合計が８０重量％以下である、木材代替材料（例えば、特許文献５参照）、
【0008】
６） 鉛筆の軸として用いられる剛性ファイバーボードであって、該ファイバーボードが天然繊維、合成繊維およびそれらの混合物より成る群から選ばれる繊維、結合剤、充填剤、潤滑剤および防水剤を含むファイバーボード、前記天然繊維が、木材パルプ、リンター、デニム繊維、新聞紙、ダンボール箱、クラフト紙袋、漂白紙、クラフト紙、木綿くずおよびそれらの混合物より成る群から選ばれる源から得られるセルロース繊維である点、結合剤が、熱硬化性樹脂結合剤および水溶性ガムならびにそれらの混合物より成る群から選ばれるものや、前記水溶性ガムがグアーゴム、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースならびにそれらの混合物より成る群から選ばれるもの、充填剤が、パーライト、バーミキュライト、ガラスミクロバブルおよびそれらの混合物より成る群から選ばれる無機微粒子物質である点、さらに、少なくとも１つの染料を含む点などのファイバーボード、マーキング芯および芯を包む軸を含む鉛筆において、該軸が、繊維、結合剤、充填剤、潤滑剤および防水剤を含むファイバーボードから成形される鉛筆（例えば、特許文献６参照）、
【0009】
７） 木軸に代わる合成軸として優れた剛性、切削性、耐油脂浸透性等の物理的特性と、良好な使用感とを有し、しかも廃棄後に分解し易く、低熱量で燃焼でき、焼却時に有害物質を発生しない生分解性鉛筆型化粧品用合成軸およびその製造方法を提供するために、同一澱粉分子の反応性水酸基の水素を短鎖アシル基および長鎖アシル基で置換した澱粉エステルと、補強用フィラーとからなる生分解性熱可塑性材料を基材として成形される、中空筒状の生分解性鉛筆型化粧品用合成軸（例えば、特許文献７参照）、
などが知られている。
などが知られている。
【0010】
しかしながら、上記特許文献１では、植物繊維質物質を煮沸溶解する必要があり、上記特許文献２～５では熱可塑性もしくは熱硬化性の樹脂を用いるため、着色時ないしは成形時ないしは硬化時に加熱することが必須となっていることから、環境に対して負荷が未だ多いという課題があるのが現状である。また、上記特許文献６及び７は、天然繊維や澱粉エステルとなどを用いたものであるが、未だ環境に対して負荷が多いという課題があり、しかも、切削断面を含めた外観の美的処理も未だ十分といえないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特公昭３７－２７２８号公報（特許請求の範囲等）
【特許文献2】特開昭６０－２０４３９９号公報（特許請求の範囲等）
【特許文献3】特開平６－２５５２９６号公報（特許請求の範囲等）
【特許文献4】特表２００２－５２９２７３号公報（特許請求の範囲等）
【特許文献5】特表２０１１－５２８０４６号公報（特許請求の範囲等）
【特許文献6】特開平５－９６８９９号公報（特許請求の範囲等）
【特許文献7】特開２００１－１９２５０２号公報（特許請求の範囲等）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記従来の課題等について解消しようとするものであり、従来の木軸と同様の易削り性、落下耐性、耐水性を有し、環境に対して負荷が少なく、しかも、塗装を行わずに、切削断面を含めた外観を任意の色とすることができる鉛筆芯又は化粧料の軸体などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記従来の課題について鋭意検討した結果、鉛筆芯又は棒状化粧料を軸体材料組成物により被覆してなる鉛筆又は化粧料の軸体であって、前記軸体材料組成物が、少なくとも特定物性の体質材と結合材と顔料とを含有することにより、上記目的の鉛筆又は化粧料の軸体が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0014】
すなわち、本発明の鉛筆又は化粧料の軸体は、鉛筆芯又は棒状化粧料を軸体材料組成物により被覆してなる鉛筆又は化粧料の軸体であって、前記軸体材料組成物が、少なくとも自然由来の体質材と自然由来の結合材と顔料とを含有することを特徴とする。
前記軸体材料組成物は自然由来指数（水を含まない）が７５％以上であることが好ましい。
本発明の鉛筆は、少なくとも、鉛筆芯と、該鉛筆芯を被覆成形してなる軸体とを備えた鉛筆であって、前記軸体が上記構成の軸体であることを特徴とし、また、本発明の棒状化粧品は、少なくとも、棒状化粧料と、該棒状化粧料を被覆成形してなる軸体とを備えた棒状化粧品であって、前記軸体が上記構成の軸体であることを特徴とする。
前記軸体材料組成物は自然由来指数（水を含まない）が７５％以上であることが好ましい。
本発明の鉛筆は、少なくとも、鉛筆芯と、該鉛筆芯を被覆成形してなる軸体とを備えた鉛筆であって、前記軸体が上記構成の軸体であることを特徴とし、また、本発明の棒状化粧品は、少なくとも、棒状化粧料と、該棒状化粧料を被覆成形してなる軸体とを備えた棒状化粧品であって、前記軸体が上記構成の軸体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来の木軸と同様の易削り性、落下耐性、耐水性を有し、環境に対して負荷が少なく、しかも、塗装を行わずに、切削断面を含めた外観を任意の色とすることができる鉛筆芯又は化粧料の軸体、並びに、この軸体を備えた鉛筆、棒状化粧品などを提供することができる。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるものである。上述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるものである。上述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。但し、本発明の技術的範囲は下記で詳述する実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。また、本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識（設計事項、自明事項を含む）に基づいて実施することができる。
【0017】
本発明の鉛筆又は化粧料の軸体は、鉛筆芯又は棒状化粧料を軸体材料組成物により被覆してなる鉛筆又は化粧料の軸体であって、前記軸体材料組成物が、少なくとも自然由来の体質材と自然由来の結合材と顔料とを含有することを特徴とするものである。
【0018】
本発明に用いる自然由来の体質材としては、自然由来の木材などから得られる、おが屑や木粉、粉末セルロース、または、自然由来の無機粉体などを挙げることができる。
用いることができるおが屑としては、広葉樹材由来のものも針葉樹材由来のものも用いられ、特に限定されない。本発明で用いられるおが屑の具体的な樹種としては、スギ、マツ、カラマツ、アカマツ、トドマツ、ヒノキ、ブナ、トチ、コナラ、ミズナラ、ナラ、シナノキ、カンバ、ハルニレ、ラワン、ベイツガ等が挙げられる。特に、スギ、ヒノキ辺材、ブナ、トチ、ミズナラなどが好適に用いられる。また、これらの木材を製造する際に発生する廃棄物を有効利用してもよい。更に、これらのおが屑は、少なくとも１種（１種であっても、２種以上を組み合わせ、以下同様）を用いることができる。
おがくずの大きさは、分散性、成形性の点などから、平均粒径が１０メッシュ以上であることが望ましく、更には粉砕にかかるエネルギーコストの点などから２００メッシュ以下の範囲内のものを用いることが望ましい。
用いることができるおが屑としては、広葉樹材由来のものも針葉樹材由来のものも用いられ、特に限定されない。本発明で用いられるおが屑の具体的な樹種としては、スギ、マツ、カラマツ、アカマツ、トドマツ、ヒノキ、ブナ、トチ、コナラ、ミズナラ、ナラ、シナノキ、カンバ、ハルニレ、ラワン、ベイツガ等が挙げられる。特に、スギ、ヒノキ辺材、ブナ、トチ、ミズナラなどが好適に用いられる。また、これらの木材を製造する際に発生する廃棄物を有効利用してもよい。更に、これらのおが屑は、少なくとも１種（１種であっても、２種以上を組み合わせ、以下同様）を用いることができる。
おがくずの大きさは、分散性、成形性の点などから、平均粒径が１０メッシュ以上であることが望ましく、更には粉砕にかかるエネルギーコストの点などから２００メッシュ以下の範囲内のものを用いることが望ましい。
【0019】
用いることができる木粉としては、例えば、上述のおが屑で例示した各樹種から得られる木粉、上記おが屑や廃木材から得られる木粉や、サンダー粉等の少なくとも１種を用いることができる。また、分散性、成形性をより向上させるためには、木粉の平均粒径の上限としては、例えば２０００μｍ以下が好ましく、下限としては、例えば１００μｍ以上が好ましいが、ミクロフィブリル化したファイバー状のものであってもよい。なお、本発明における平均粒径は、レーザー回析・散乱法に準じて測定した値とすることができる。
【0020】
用いることができる粉末セルロースとしては、自然由来の植物のセルロース繊維を微粉砕して得られたセルロース粉末が好ましく、その平均粒子径は１００μｍ以下、好ましくは１０～５０μｍの範囲のものが好ましい。粉末セルロースとしては、例えば、精選パルプを酸加水分解した後に得られる未分解残渣を精製・乾燥し、粉砕・篩い分けするといった方法により製造される一定の粒径分布を有する結晶性セルロース粉末を用いてもよいし、商品名「ＫＣフロック」（日本製紙ケミカル社製）、商品名「セオラス」（旭化成ケミカルズ社製）、商品名「アビセル」（ＦＭＣ社製）などの市販品を用いてもよい。
【0021】
用いることができる自然由来の無機粉体としては、タルク、炭酸カルシウム、ハンタイト（ハント石）、カオリン、セリサイト、ベントナイト、酸化チタンなどの少なくとも１種を用いることができる。
これらの無機粉体の平均粒径の上限としては、例えば５０μｍ以下が好ましく、下限としては、例えば１μｍが好ましい。
これらの無機粉体の平均粒径の上限としては、例えば５０μｍ以下が好ましく、下限としては、例えば１μｍが好ましい。
【0022】
これらの自然由来の体質材の含有量は、軸体材料組成物全量に対して、好ましくは、６０～９０質量％、更に好ましくは、７０～８０質量％とすることが望ましい。この自然由来の体質材の含有量を６０質量％以上とすることにより、使用可能な切削性となり、９０質量％以下とすることにより、使用可能な強度とすることができる。
また、これら自然由来の体質材のうち、無機粉体が占める割合は６０質量％以下であることにより、軸体の落下耐性を向上し、鉛筆又は化粧料とした場合に、鉛筆芯又は棒状化粧料の内部での破損を防ぐことが可能となる。
また、これら自然由来の体質材のうち、無機粉体が占める割合は６０質量％以下であることにより、軸体の落下耐性を向上し、鉛筆又は化粧料とした場合に、鉛筆芯又は棒状化粧料の内部での破損を防ぐことが可能となる。
【0023】
本発明に用いる自然由来の結合材としては、セルロース繊維（ナノファイバー含む）、メチルセルロース又はその塩、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ヒドロキシメチルプロピルセルロース又はその塩、酢酸セルロース又はその塩、アルギン酸ナトリウムなどの、少なくとも１種を用いることができる。上記各セルロースの塩としては、ナトリウム、アンモニウム、カルシウムなどを挙げられる。
これらの結合材は水溶性であることが好ましく、更には耐水性を付与する点から、カルボキシメチルセルロースアンモニウムであることが好ましい。
これらの結合材は水溶性であることが好ましく、更には耐水性を付与する点から、カルボキシメチルセルロースアンモニウムであることが好ましい。
【0024】
これらの自然由来の結合材の含有量は、軸体材料組成物全量に対して、好ましくは、１０～４０質量％、更に好ましくは、２０～３０質量％とすることが望ましい。
この自然由来の結合材の含有量を１０質量％以上とすることにより、使用可能な強度となり、４０質量％以下とすることにより、使用可能な切削性とすることができる。
この自然由来の結合材の含有量を１０質量％以上とすることにより、使用可能な強度となり、４０質量％以下とすることにより、使用可能な切削性とすることができる。
【0025】
本発明における軸体材料組成物には、上記自然由来の体質材、自然由来の結合材の他、本発明の効果を更に発揮せしめる点、耐水性を付与する点から、前記結合材を架橋する架橋剤などを更に含有することができる。
前記結合材を架橋する架橋剤としては、結合材をエステル架橋するカルボン酸基を有するものが好ましく、具体的には、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ポリアクリル酸などを挙げられる。
これらの架橋剤の含有量は、軸体材料組成物全量に対して、耐水性発現の点、吸湿による強度低下を抑制する点、材料の変色を抑制する点から、好ましくは、０．１～５質量％、更に好ましくは、０．５～２質量％とすることが望ましい。
前記結合材を架橋する架橋剤としては、結合材をエステル架橋するカルボン酸基を有するものが好ましく、具体的には、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、ポリアクリル酸などを挙げられる。
これらの架橋剤の含有量は、軸体材料組成物全量に対して、耐水性発現の点、吸湿による強度低下を抑制する点、材料の変色を抑制する点から、好ましくは、０．１～５質量％、更に好ましくは、０．５～２質量％とすることが望ましい。
【0026】
本発明に用いる顔料としては、無機顔料、有機顔料を挙げることができる。本発明では、上記自然由来の体質材、自然由来の結合材等を用いて環境に対して負荷が少ない鉛筆又は化粧料の軸体を形成するものであるので、顔料も環境に対して負荷が少ない顔料を用いることが好ましい。従って、顔料を含有した樹脂粒子顔料、白色系プラスチック顔料、中空樹脂粒子、熱変色性顔料、光変色性粒子等、およびこれらの複合粒子などの使用は好ましくない。
【0027】
用いることができる無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、亜鉛華、べんがら、アルミニウム、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ粉、リトポン等の少なくとも１種が挙げられる。
【0028】
用いることができる有機顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。より具体的には、Ｃ．Ｉ．ピグメントブルー１５、Ｃ．Ｉ．ピグメントブルー１７、Ｃ．Ｉ．ピグメントブルー２７、Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド５、Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド２２、Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド３８、Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド４８、Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド４９、Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド５３、Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド５７、Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド８１、Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド１０４、Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド１４６、Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド２４５、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー１、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー３、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー１２、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー１３、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー１４、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー１７、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー３４、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー５５、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー７４、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー９５、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー１６６、Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー１６７、Ｃ．Ｉ．ピグメントオレンジ５、Ｃ．Ｉ．ピグメントオレンジ１３、Ｃ．Ｉ．ピグメントオレンジ１６、Ｃ．Ｉ．ピグメントバイオレット１、Ｃ．Ｉ．ピグメントバイオレット３、Ｃ．Ｉ．ピグメントバイオレット１９、Ｃ．Ｉ．ピグメントバイオレット２３、Ｃ．Ｉ．ピグメントバイオレット５０、Ｃ．Ｉ．ピグメントグリーン７等の少なくとも１種が挙げられる。
こられの顔料の中で、耐光性の点、耐熱性の点から、無機顔料、特には鉄黒、酸化鉄黄、べんがら、酸化チタン等の使用が望ましい。
また、これらの顔料の平均粒子径は、強度低下を防ぐ点、十分な着色力を発現せしめる点から、０．１～２μｍが望ましい。
本発明（実施例等含む）において、「平均粒子径」は、粒度分析計〔マイクロトラックＨＲＡ９３２０－Ｘ１００（日機装社製）〕にて、測定したＤ５０の値である。
こられの顔料の中で、耐光性の点、耐熱性の点から、無機顔料、特には鉄黒、酸化鉄黄、べんがら、酸化チタン等の使用が望ましい。
また、これらの顔料の平均粒子径は、強度低下を防ぐ点、十分な着色力を発現せしめる点から、０．１～２μｍが望ましい。
本発明（実施例等含む）において、「平均粒子径」は、粒度分析計〔マイクロトラックＨＲＡ９３２０－Ｘ１００（日機装社製）〕にて、測定したＤ５０の値である。
【0029】
これらの顔料の含有量は、軸体材料組成物全量に対して、強度低下を生じない点、良好な発色を得る点から、好ましくは、０．２～５質量％、更に好ましくは、０．５～２質量％とすることが望ましい。
更に、本発明の軸体材料組成物には、上記自然由来の体質材、自然由来の結合材、架橋剤、顔料の他、必要に応じて、抗菌剤や防腐剤、香料などを適宜含有することができる。
更に、本発明の軸体材料組成物には、上記自然由来の体質材、自然由来の結合材、架橋剤、顔料の他、必要に応じて、抗菌剤や防腐剤、香料などを適宜含有することができる。
【0030】
これらの軸体材料組成物は、本発明の効果を更に発揮せしめる点、環境に対する負荷の点から、自然由来指数（水を含まない）７５％以上であることが好ましい。
この「自然由来指数（水を含まない）」とは、ＩＳＯ １６１２８に係る指数表示をいい、この自然由来指数（水を含まない）が７５％以上、更に好ましくは、８５％以上とすることにより、更に、環境に対して負荷がきわめて少ない、鉛筆芯又は化粧料の軸体が得られることとなる。
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）を７５％以上とすることは、前述した自然由来の体質材、自然由来の結合材、顔料を適宜選択して達成することができる。
この「自然由来指数（水を含まない）」とは、ＩＳＯ １６１２８に係る指数表示をいい、この自然由来指数（水を含まない）が７５％以上、更に好ましくは、８５％以上とすることにより、更に、環境に対して負荷がきわめて少ない、鉛筆芯又は化粧料の軸体が得られることとなる。
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）を７５％以上とすることは、前述した自然由来の体質材、自然由来の結合材、顔料を適宜選択して達成することができる。
【0031】
本発明の鉛筆又は化粧料の軸体は、上述の自然由来の体質材、天然由来の結合材、顔料などから構成される配合組成物を、例えば、ヘンシェルミキサー、プラネタリミキサー、ニーダーなどの混練機などを用いて乾式混合した後、水分率が４０～８０％となるように水（精製水、蒸溜水など）を加え混練を行い、スラリーを得、このスラリーを更に加温、脱気などを行いながら混練を行い、水分率を３０～６０％程度とした粘土状の混合物を得、この混合物を押出成形機などを用いて、所定径のダイスを用いて被覆する鉛筆芯や化粧料の外周に上記材料を被覆し、乾燥することにより、鉛筆、化粧料が得られることとなる。または、混練物を押出成形機などを用いて所定径のダイス、もしくはＴダイなどを用いて、丸棒、もしくは板状に成形し、乾燥することで得る成形体を作製し、これらを加工して鉛筆芯や化粧料を挿入する方法により、鉛筆、化粧料を得ることもできる。なお、押出成形などの際のプレス圧力、含水率、天然由来の体質材及び結合材などの組み合わせにより、幅広く軸体の物性を制御できるため、求める軸体の質感、強度、成形性、切削断面を含めた外観の色彩性などを満足できる鉛筆又は化粧料に好適な軸体が得られることとなる。
【0032】
本発明において、上記軸体材料組成物により被覆する鉛筆芯の組成、形態などは、特に限定されず、焼成鉛筆芯（焼成色鉛筆芯を含む）や、非焼成鉛筆芯（非焼成色鉛筆芯を含む）などを挙げることができる。焼成鉛筆芯としては、例えば、黒鉛などの着色成分、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン、ポリビニルアルコール、アクリルアミド樹脂、塩素化パラフィン樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、ブチルゴムなどの有機結合材、フタル酸エステルなどの可塑剤、メチルエチルケトン、水などの溶剤、ステアリン酸塩などの安定剤、ステアリン酸などの滑剤、カーボンブラックなどの充填材などの材料を混合して、分散、混練して、細線状に押出成形したものを焼成温度まで熱処理を施して得られた芯体に、シリコーン油、流動パラフィン、スピンドル油、スクワラン、α－オレフィンオリゴマーなどの油状物やワックス類を含浸させた焼成鉛筆芯などが挙げられる。
【0033】
また、上記軸体材料組成物により被覆する棒状化粧料の組成、形態なども、特に限定されず、アイライナー、アイブロウ、リップライナー、コンシーラーペンシル、アイシャドウペンシルなどの用途に用いられる各配合組成、例えば、結合材として油脂、ロウ、脂肪酸、炭化水素等のワックス類や粘土類と、着色剤及び体質材を混練し、棒状に成形して得られる化粧料などが挙げられ、これらは焼成型の棒状化粧料や、非焼成型の棒状化粧料などであってもよいものである。
【0034】
このように構成される本発明の鉛筆芯又は化粧料の軸体は、従来の木軸と同様の易削り性や落下耐性、耐水性を有し、切削断面を含めた外観を任意の色とすることができ、環境に対して負荷が少なく、従来の鉛筆、化粧料の成形の際に用いている成形機などを改良することなく使用することができるので、容易に製造することができる鉛筆芯又は化粧料の軸体が得られることとなる。
【0035】
本発明の鉛筆は、少なくとも、上述した鉛筆芯を被覆成形してなる軸体が上記構成の軸体であることを特徴とし、また、本発明の棒状化粧品は、少なくとも、上述した棒状化粧料を被覆成形してなる軸体が上記構成の軸体であることを特徴とするものである。
本発明では、鉛筆芯、棒状化粧料を、任意の形状、例えば、断面形状が円形状（楕円を含む）、三角形状や六角形状などの多角形形状、管形状などに成形可能であるため、被覆成形、切削加工などの種々の加工方法により、各形状等の鉛筆、棒状化粧品とすることができる。
本発明では、鉛筆芯、棒状化粧料を、任意の形状、例えば、断面形状が円形状（楕円を含む）、三角形状や六角形状などの多角形形状、管形状などに成形可能であるため、被覆成形、切削加工などの種々の加工方法により、各形状等の鉛筆、棒状化粧品とすることができる。
【実施例0036】
以下に本発明を実施例、比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例１～９及び比較例１～３の鉛筆芯は、下記製法により得た鉛筆芯を用いた。
黒鉛６０質量％、粘土４０質量％を混合ヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率４０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を３０％程度とした粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径２．５ｍｍのダイスにて成形し、この成形体を６０℃環境下にて乾燥した後、８００～１４００℃で、１２～２４時間焼成し、直径２．０ｍｍの芯体を得た。得られた芯体に、α－オレフィンオリゴマーを含浸させ、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯を得た。
実施例１～９及び比較例１～３の鉛筆芯は、下記製法により得た鉛筆芯を用いた。
黒鉛６０質量％、粘土４０質量％を混合ヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率４０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を３０％程度とした粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径２．５ｍｍのダイスにて成形し、この成形体を６０℃環境下にて乾燥した後、８００～１４００℃で、１２～２４時間焼成し、直径２．０ｍｍの芯体を得た。得られた芯体に、α－オレフィンオリゴマーを含浸させ、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯を得た。
【0037】
（実施例１）
スギ木材おが屑（１６メッシュ） ６９質量％
黒酸化鉄 １質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム ３０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９１．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。
得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。
この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が黒色の鉛筆を得た。
スギ木材おが屑（１６メッシュ） ６９質量％
黒酸化鉄 １質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム ３０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９１．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。
得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。
この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が黒色の鉛筆を得た。
【0038】
（実施例２）
ハント石粉末（平均粒径２μｍ） ８９質量％
黒酸化鉄 １質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９９．０％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。
得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。
この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、外観が黒色の鉛筆を得た。
ハント石粉末（平均粒径２μｍ） ８９質量％
黒酸化鉄 １質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９９．０％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。
得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。
この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、外観が黒色の鉛筆を得た。
【0039】
（実施例３）
タルク（平均粒径８μｍ） ２９質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
黒酸化鉄 １質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９６．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が黒色の鉛筆を得た。
タルク（平均粒径８μｍ） ２９質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
黒酸化鉄 １質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９６．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が黒色の鉛筆を得た。
【0040】
（実施例４）
タルク（平均粒径８μｍ） ２８．５質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド２４５ １．５質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９７．０％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を５０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が赤色の鉛筆を得た。
タルク（平均粒径８μｍ） ２８．５質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド２４５ １．５質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９７．０％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を５０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が赤色の鉛筆を得た。
【0041】
（実施例５）
タルク（平均粒径８μｍ） ２８質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
酸化鉄黄 ２質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９５．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が黄色の鉛筆を得た。
タルク（平均粒径８μｍ） ２８質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
酸化鉄黄 ２質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９５．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が黄色の鉛筆を得た。
【0042】
（実施例６）
タルク（平均粒径８μｍ） ２８質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー３ ０．５質量％
Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド２２ ０．４質量％
弁柄 １．１質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９５．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が茶色の鉛筆を得た。
タルク（平均粒径８μｍ） ２８質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
Ｃ．Ｉ．ピグメントイエロー３ ０．５質量％
Ｃ．Ｉ．ピグメントレッド２２ ０．４質量％
弁柄 １．１質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９５．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が茶色の鉛筆を得た。
【0043】
（実施例７）
タルク（平均粒径８μｍ） ２９質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
酸化鉄黒 １質量％
カルボキシメチルセルロースナトリウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９４．１％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように５％コハク酸水溶液を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥した後、１８０℃にて加熱して結合材を架橋し、外観が黒色の鉛筆を得た。
タルク（平均粒径８μｍ） ２９質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
酸化鉄黒 １質量％
カルボキシメチルセルロースナトリウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９４．１％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように５％コハク酸水溶液を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥した後、１８０℃にて加熱して結合材を架橋し、外観が黒色の鉛筆を得た。
【0044】
（実施例８）
タルク（平均粒径８μｍ） ２９質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
酸化鉄黒 １質量％
メチルセルロース １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９６．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、外観が黒色の鉛筆を得た。
タルク（平均粒径８μｍ） ２９質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
酸化鉄黒 １質量％
メチルセルロース １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９６．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、外観が黒色の鉛筆を得た。
【0045】
（実施例９）
タルク（平均粒径８μｍ） ２９質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
黒酸化鉄 １質量％
メチルセルロース １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）９４．１％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように５％コハク酸水溶液を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥した後、１８０℃にて加熱して結合材を架橋し、外観が黒色の鉛筆を得た。
タルク（平均粒径８μｍ） ２９質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
黒酸化鉄 １質量％
メチルセルロース １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）９４．１％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように５％コハク酸水溶液を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥した後、１８０℃にて加熱して結合材を架橋し、外観が黒色の鉛筆を得た。
【0046】
（実施例１０）
〈固形化粧料の調製〉
ミツロウ ２０部
オゾケライト １０部
マイクロクリスタリンワックス １０部
カルナバロウ ８部
ワセリン ７部
ラノリン ５部
流動パラフィン ７部
ミリスチン酸イソプロピル ４部
上記の配合材料を溶解し、これに鉄黒１０部と弁柄１９部を加えて、撹拌、分散後にミキサーで混練、室温まで冷却した後、押出成形機により２．０ｍｍの茶褐色の固形化粧料を得た。
〈固形化粧料の調製〉
ミツロウ ２０部
オゾケライト １０部
マイクロクリスタリンワックス １０部
カルナバロウ ８部
ワセリン ７部
ラノリン ５部
流動パラフィン ７部
ミリスチン酸イソプロピル ４部
上記の配合材料を溶解し、これに鉄黒１０部と弁柄１９部を加えて、撹拌、分散後にミキサーで混練、室温まで冷却した後、押出成形機により２．０ｍｍの茶褐色の固形化粧料を得た。
【0047】
タルク（平均粒径８μｍ） ２９質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
黒酸化鉄 １質量％
メチルセルロース １０質量％
上記の軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）９６．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるよう精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、上記の直径２．０ｍｍの固形化粧料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、外観が黒色の棒状化粧品を得た。
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
黒酸化鉄 １質量％
メチルセルロース １０質量％
上記の軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）９６．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるよう精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、上記の直径２．０ｍｍの固形化粧料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、外観が黒色の棒状化粧品を得た。
【0048】
（比較例１）
鉛筆（重量比２％のパラフィンワックス含浸処理が施されたインセンスシダー板材を切削加工し、上記直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯を被覆した鉛筆。軸体表面には酸化鉄黒を含む塗料を用いて着色がなされている。）
鉛筆（重量比２％のパラフィンワックス含浸処理が施されたインセンスシダー板材を切削加工し、上記直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯を被覆した鉛筆。軸体表面には酸化鉄黒を含む塗料を用いて着色がなされている。）
【0049】
（比較例２）
公知の再生天然素材を使用した鉛筆であり、結合材としては熱可塑性樹脂を使用しているため、非自然由来の素材が使用され、軸体表面を、着色材を含む熱可塑性樹脂で被覆している。軸体は下記組成からなり、自然由来指数は７０．０％である。
ポリプロピレン（ＰＰ） ２０質量％
木粉 ７０質重量％
無水マレイン酸がグラフトしたポリプロピレン １質重量％
アミドワックス ３質重量％
ステアリン酸 １質重量％
窒化ホウ素 ５質重量％
公知の再生天然素材を使用した鉛筆であり、結合材としては熱可塑性樹脂を使用しているため、非自然由来の素材が使用され、軸体表面を、着色材を含む熱可塑性樹脂で被覆している。軸体は下記組成からなり、自然由来指数は７０．０％である。
ポリプロピレン（ＰＰ） ２０質量％
木粉 ７０質重量％
無水マレイン酸がグラフトしたポリプロピレン １質重量％
アミドワックス ３質重量％
ステアリン酸 １質重量％
窒化ホウ素 ５質重量％
【0050】
（比較例３）
タルク（平均粒径８μｍ） ３０質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９７．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が白色の鉛筆を得た。
タルク（平均粒径８μｍ） ３０質量％
セルロース粉末（平均粒径４５μｍ） ６０質量％
カルボキシメチルセルロースアンモニウム １０質量％
この軸体材料組成物の自然由来指数（水を含まない）は９７．５％であった。
上記配合組成物をヘンシェルミキサーで乾式混合した後、水分率５０％となるように精製水を加え混練を行った。得られたスラリーを加温、脱気を行いながら混練を行い、水分率を４０％程度とした、粘土状の混合物を得た。これを油圧プランジャー式押出成形機を用いて、直径９．０ｍｍのダイスにて、直径２．０ｍｍ、硬度ＨＢの鉛筆芯外周に材料を被覆した。この成形体を６０℃環境下にて乾燥し、１８０℃にて加熱して結合材を非水溶化し、外観が白色の鉛筆を得た。
【0051】
上記で得られた実施例１～１０及び比較例１～３の鉛筆、棒状化粧品について、自然由来指数、下記評価方法により、易削り性、切削断面を含めた外観性について評価した。
これらの結果を下記表１に示す。
これらの結果を下記表１に示す。
【0052】
（自然由来指数）
実施例１～１０及び比較例１～３の軸体の自然由来指数（水を含まない）は芯を除いた軸材に配合した原料の重量比より、ＩＳＯ １６１２８に定義された、自然原料および自然由来原料中の自然由来部分の、水を含まない重量を用いて組成比を百分率で算出することにより求められる。この値が高いほど、動物や植物由来の材料比率が高く、石油由来材料の使用量が少ないことから、環境への負荷が小さいと示すことができる。
実施例１～１０及び比較例１～３の軸体の自然由来指数（水を含まない）は芯を除いた軸材に配合した原料の重量比より、ＩＳＯ １６１２８に定義された、自然原料および自然由来原料中の自然由来部分の、水を含まない重量を用いて組成比を百分率で算出することにより求められる。この値が高いほど、動物や植物由来の材料比率が高く、石油由来材料の使用量が少ないことから、環境への負荷が小さいと示すことができる。
【0053】
（易削り性の評価方法）
実施例１～１０及び比較例１～３の鉛筆、棒状化粧品について、鉛筆削りを利用して先端を直径２ｍｍに整えた後、回転モーメント測定装置に連結した固定治具に設置された鉛筆削りを使用して、鉛筆削りと反対側を手で回転させ、芯が尖るまで切削を行った。この間の回転モーメントのピーク値を測定し、下記評価基準で易削り性（切削性）の評価とした。この値が０．１Ｎ未満であれば容易に切削可能であり、０．２Ｎ・ｍを超えると硬く、切削が難しいと言える。
評価基準：
○：容易に削れる（０．１Ｎ・ｍ未満）
△：削れる（０．１Ｎ・ｍ以上０．２Ｎ・ｍ未満）
×：削りにくい（０．２Ｎ・ｍ以上）
実施例１～１０及び比較例１～３の鉛筆、棒状化粧品について、鉛筆削りを利用して先端を直径２ｍｍに整えた後、回転モーメント測定装置に連結した固定治具に設置された鉛筆削りを使用して、鉛筆削りと反対側を手で回転させ、芯が尖るまで切削を行った。この間の回転モーメントのピーク値を測定し、下記評価基準で易削り性（切削性）の評価とした。この値が０．１Ｎ未満であれば容易に切削可能であり、０．２Ｎ・ｍを超えると硬く、切削が難しいと言える。
評価基準：
○：容易に削れる（０．１Ｎ・ｍ未満）
△：削れる（０．１Ｎ・ｍ以上０．２Ｎ・ｍ未満）
×：削りにくい（０．２Ｎ・ｍ以上）
【0054】
（切削断面を含めた外観性の評価方法）
実施例１～１０及び比較例１～３の鉛筆、棒状化粧品について、鉛筆削りを使用して切断面を露出させ、軸体と切断面の色を観察し、下記評価基準で切削断面を含めた外観性を評価した。
評価基準：
○：軸体と切断面の両方が、任意の色となっている
△：軸体表面は任意の色であるが、切断面は着色されていない
×：着色されておらず、任意の色となっていない
実施例１～１０及び比較例１～３の鉛筆、棒状化粧品について、鉛筆削りを使用して切断面を露出させ、軸体と切断面の色を観察し、下記評価基準で切削断面を含めた外観性を評価した。
評価基準：
○：軸体と切断面の両方が、任意の色となっている
△：軸体表面は任意の色であるが、切断面は着色されていない
×：着色されておらず、任意の色となっていない
【0055】
【表1】
【0056】
上記表１の評価結果を考察すると、本発明の範囲内である実施例１～１０は、従来の比較例１～３と同様の、易削り性を有しながら、環境に対して負荷が少なく、切削断面を含めた外観を任意の色とすることが容易にできることが確認できた。また、実施例１、３～１０では、高い自然由来指数を維持しながら、体質材中の無機粉体比率を６０％以下とすることにより、コンクリート床へ７５ｃｍの高さから１０回の自由落下を行い評価したところ、鉛筆又は化粧料本体、及び鉛筆芯又は棒状化粧料に破損は見られず、十分な落下耐性を有することを確認した。更に、実施例１、３～７、９における、自然由来の結合材として、カルボキシメチルセルロースアンモニウムを用いることにより非水溶化、または、エステル架橋するカルボン酸基を有する架橋剤により架橋したものでは、耐水性（精製水中に製造した鉛筆を２４時間浸漬後の耐水性）を評価したところ、崩壊しないことが確認され、十分な耐水性を発揮できることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0057】
鉛筆芯（色鉛筆芯を含む）や、アイライナー、アイブロウ、アイシャドウなどの棒状化粧料などに好適な鉛筆又は化粧料の軸体などが得られる。