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特開2024-152299車両用部材群及び第一部材及び第二部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152299
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】車両用部材群及び第一部材及び第二部材
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066412
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山澤 英丈
(72)【発明者】
【氏名】高橋 洋一
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503FA01
5G503FA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両の充電若しくは放電に利用可能な制御部を備えた第一部材と、ケーブル保持部を備えた第二部材と、コネクタ保持部材を個別に用意する場合であっても、機器点数を抑制する車両用部材群を提供する。
【解決手段】車両用部材群は、車両への充電若しくは車両からの放電を制御する制御部を備えた第一部材1と、充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブルのケーブル本体部71を保持するために用いることが可能なケーブル保持部22を備えた第二部材2と、ケーブル本体部と車両とを接続するコネクタ部72を保持するために用いることが可能なコネクタ保持部材3、5と、を備え、コネクタ保持部材を、第一部材および第二部材の両方に対して着脱可能とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両への充電若しくは車両からの放電を制御する制御部を備えた第一部材と、充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブルのケーブル本体部を保持するために用いることが可能なケーブル保持部を備えた第二部材と、ケーブル本体部と車両とを接続するコネクタ部を保持するために用いることが可能なコネクタ保持部材と、を備えた車両用部材群であって、
コネクタ保持部材を、第一部材および第二部材の両方に対して着脱可能とした車両用部材群。
【請求項2】
第一部材は、コネクタ保持部材を取り付け可能な第一取付部を有し、
第二部材は、コネクタ保持部材を取り付け可能な第二取付部を有し、
コネクタ保持部材が取り付けられていない第一取付部若しくは第二取付部に対して取り付け可能な閉塞部材を備えた請求項1に記載の車両用部材群。
【請求項3】
閉塞部材は、情報を取得する機能を備えた請求項2に記載の車両用部材群。
【請求項4】
充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブルのケーブル本体部を保持可能なケーブル保持部材を備え、
前記ケーブル保持部材は、第一部材および第二部材の両方に対して着脱可能である請求項1から3の何れかに記載の車両用部材群。
【請求項5】
ケーブル保持部を備えた第二部材であって、
ケーブル本体部と車両とを接続するコネクタ部を保持するために用いることが可能なコネクタ保持部材と、前記コネクタ保持部材を着脱可能であるとともに車両への充電若しくは車両からの放電を制御する制御部を備えた第一部材と、を備える車両用部材群が有する前記コネクタ保持部材を着脱可能な第二部材。
【請求項6】
車両への充電若しくは車両からの放電を制御する制御部を備えた第一部材であって、
ケーブル本体部と車両とを接続するコネクタ部を保持するために用いることが可能なコネクタ保持部材と、前記コネクタ保持部材を着脱可能であるとともにケーブル保持部を備えた第二部材と、を備える車両用部材群が有する前記コネクタ保持部材を着脱可能な第一部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用部材群及び第一部材及び第二部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、充電制御部とコネクタ保持部材とケーブル保持部を備えた車両用充電装置が知られている。また、車両用充電装置そのものでないが、車両用充電装置に関連する製品も開発されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-121187号公報
【特許文献2】特開2016-201282号公報
【0004】
ところで、それらの製品は一部の機能が共通することがある。コストの観点からすると、共通する機能についてはパーツを兼用化することが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、車両の充電若しくは放電に利用可能な制御部を備えた第一部材と、ケーブル保持部を備えた第二部材と、コネクタ保持部材を個別に用意する場合であっても、機器点数を抑制できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、車両への充電若しくは車両からの放電を制御する制御部を備えた第一部材と、充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブルのケーブル本体部を保持するために用いることが可能なケーブル保持部を備えた第二部材と、ケーブル本体部と車両とを接続するコネクタ部を保持するために用いることが可能なコネクタ保持部材と、を備えた車両用部材群であってコネクタ部を保持するために用いることが可能なコネクタ保持部材を、第一部材および第二部材の両方に対して着脱可能とした車両用部材群とする。
【0007】
また、第一部材は、コネクタ保持部材を取り付け可能な第一取付部を有し、第二部材は、コネクタ保持部材を取り付け可能な第二取付部を有し、コネクタ保持部材が取り付けられていない第一取付部若しくは第二取付部に対して取り付け可能な閉塞部材を備えた構成とすることが好ましい。
【0008】
また、閉塞部材は、情報を取得する機能を備えた構成とすることが好ましい。
【0009】
また、充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブルのケーブル本体部を保持可能なケーブル保持部材を備え、前記ケーブル保持部材は、第一部材および第二部材の両方に対して着脱可能である構成とすることが好ましい。
【0010】
ケーブル保持部を備えた第二部材であって、ケーブル本体部と車両とを接続するコネクタ部を保持するために用いることが可能なコネクタ保持部材と、前記コネクタ保持部材を着脱可能であるとともに車両への充電若しくは車両からの放電を制御する制御部を備えた第一部材と、を備える車両用部材群が有する前記コネクタ保持部材を着脱可能な第二部材。
【0011】
車両への充電若しくは車両からの放電を制御する制御部を備えた第一部材であって、ケーブル本体部と車両とを接続するコネクタ部を保持するために用いることが可能なコネクタ保持部材と、前記コネクタ保持部材を着脱可能であるとともにケーブル保持部を備えた第二部材と、を備える車両用部材群が有する前記コネクタ保持部材を着脱可能な第一部材。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、車両の充電若しくは放電に利用可能な制御部を備えた第一部材と、ケーブル保持部を備えた第二部材と、コネクタ保持部材を個別に用意する場合であっても、機器点数を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の車両用部材群の部材を組み合わせて構成した構造物の例に対するケーブルの保持態様と、当該構造物を構成するために用いられた第一部材と、ケーブル保持部材と、コネクタ保持部材を分離した状態を示した図である。
図2】実施形態の車両用部材群の第一部材に対して閉塞部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
図3】実施形態の車両用部材群の部材を組み合わせて構成した構造物と、当該構造物を構成するために用いられた第二部材と、コネクタ保持部材を分離した状態を示した図である。
図4】実施形態の車両用部材群の部材を組み合わせて構成した構造物と、当該構造物を構成するために用いられた第二部材と、ケーブル保持部材と、コネクタ保持部材を分離した状態を示した図である。
図5】実施形態の車両用部材群の部材を組み合わせて構成した構造物の例に対するケーブルの保持態様を示す図である。ただし、第一部材にコネクタ保持部材が取り付けられ、第二部材に閉塞部材が取り付けられている。
図6】実施形態の車両用部材群の部材を組み合わせて構成した構造物の例に対するケーブルの保持態様を示す図である。ただし、第一部材にコネクタ保持部材が取り付けられ、第二部材に閉塞部材とケーブル保持部材が取り付けられている。
図7】実施形態の車両用部材群の部材を組み合わせて構成した構造物の例に対するケーブルの保持態様を示す図である。ただし、第一部材に閉塞部材が取り付けられ、第二部材にコネクタ保持部材が取り付けられている。
図8】実施形態の車両用部材群の部材を組み合わせて構成した構造物の例に対するケーブルの保持態様を示す図である。ただし、第一部材に閉塞部材が取り付けられ、第二部材にコネクタ保持部材とケーブル保持部材が取り付けられている。
図9】実施形態の車両用部材群の部材を組み合わせて構成した構造物の例に対するケーブルの保持態様を示す図である。ただし、第一部材に閉塞部材とケーブル保持部材が取り付けられ、第二部材にコネクタ保持部材が取り付けられている。
図10】実施形態の車両用部材群の部材を組み合わせて構成した構造物の例に対するケーブルの保持態様を示す図である。ただし、第一部材と第二部材の各々にコネクタ保持部材とケーブル保持部材が取り付けられている。
図11】実施形態の車両用部材群の部材を組み合わせて構成した構造物を取付スタンドに取り付けた例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に発明を実施するための形態を示す。本実施形態の車両用部材群は、車両への充電若しくは車両からの放電を制御する制御部を備えた第一部材1と、充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブル7のケーブル本体部71を保持するために用いることが可能なケーブル保持部22を備えた第二部材2と、ケーブル本体部71と車両とを接続するコネクタ部72を保持するために用いることが可能なコネクタ保持部材3と、を備えている。また、この車両用部材群は、コネクタ保持部材3を、第一部材1および第二部材2の両方に対して着脱可能としている。このため、車両の充電若しくは放電に利用可能な制御部を備えた第一部材1と、ケーブル保持部22を備えた第二部材2と、コネクタ保持部材3を個別に用意する場合であっても、機器点数を抑制することが可能となる。
【0015】
実施形態の車両用部材群は、車両への充電若しくは車両からの放電を制御する制御部を少なくとも備えた第一部材1と、充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブル7を保持するために用いることが可能なケーブル保持部22を少なくとも備えた第二部材2と、を備えており、車両への充電若しくは車両からの放電を行うために用いられる。
【0016】
第一部材1は、例えば車両用充電装置である。実施形態の第一部材1は、配電機器(ブレーカや端子台など)を備えている。この配電機器は、一次側に商用電源や分散電源などが接続され、二次側に充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブル7が接続される。また、実施形態の第一部材1は、車両への充電についての開始、終了、中断などの制御、若しくは、車両からの放電についての開始、終了、中断などの制御に用いられる制御部を備えている。
【0017】
実施形態においては、配電機器や制御部は第一部材1の筐体の内部に収納されている。また、実施形態においては、充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブル7は、筐体から出線されている。このケーブル7は、配電機器と接続される側の端部とは反対側の端部にコネクタ部72を備えている。
【0018】
コネクタ部72を、車両の充電口若しくは放電口に接続し、このコネクタ部72を介して、車両への充電若しくは車両からの放電が行われる。例えば、車両へ充電する場合には、1)商用電源や分散電源など、2)配電機器、3)ケーブル本体部71、4)コネクタ部72、5)車両、の順に通電される。車両から放電する場合には、例えば、これとは逆の順序で車両から配電機器まで電気が送られ、配電機器に接続される負荷機器やバッテリなどに向けて放電される。
【0019】
実施形態の車両用部材群は、車両への充電若しくは車両からの放電を行わない場合に、コネクタ部72を保持するために用いられるコネクタ保持部材3を備えている。図1に示す例では、コネクタ保持部材3は、第一部材1の前面下方に位置する第一取付部11に着脱可能に取り付けられる。実施形態においては、コネクタ保持部材3は、筐体の内側からネジ等(不図示)により取り付けられる。
【0020】
コネクタ保持部材3は、コネクタ部72が接続された状態で鎖錠することで、コネクタ部72が取り外されないようにするための鎖錠機構を有するものであってもよい。鎖錠機構としては、ダイヤル式や鍵式など、特定の作業者以外がコネクタ部72を取り外すことを妨げるものであれば如何なるものであってもよい。
【0021】
第一部材1に備えられた第一取付部11にコネクタ保持部材3が取り付けられていない場合には、第一取付部11に閉塞部材4を取り付けることにより、第一取付部11への水や粉塵の侵入を防ぐことが可能となる。図1及び図2に示すことから理解されるように、閉塞部材4は第一取付部11を覆うことができる部材で構成されるものとすればよい。例えば、シート状の部材であってもよい。ただし、閉塞部材4は第一部材1に対して機能を付加するものとするのが好ましい。特に、閉塞部材4は、情報を取得する機能を備えるようにするのが好ましい。
【0022】
また、第一部材1に対して付加される機能は、制御部の制御に関与する機能であることが好ましい。例えば認証機能である。より詳しくは、車両用充電装置を使用する場合に充電や放電が許可された者であることを認証するための機能である。
【0023】
認証を実施するためにカードリーダやカメラなどを用いることが例示できる。例えば、充電などが許可されたカード(会員登録がなされているものなど)や、専用のアプリケーションを備えた携帯端末などがカードリーダなどにかざされることにより、認証に関する情報を取得し認証機能を働かせるようにしてもよいし、カメラなどで撮影することで取得した車両のナンバープレートや利用者などに関する情報と、登録されたデータとを比較することで認証機能を働かせるようにしてもよい。
【0024】
なお、第一部材1に対して付加される機能は、制御部の制御に関連しない機能であってもよい。カメラなどで撮影することで取得した情報を用いた防犯機能や、第一部材1の内部若しくは第一部材1の外部の環境に関する情報を計測する計測機能などであってもよい。
【0025】
その一方で、閉塞部材4に情報を取得する機能を備えるようにするのではなく、第一取付部11の内部に情報を取得する機能を備えた機器である情報取得機器を収納し、閉塞部材4で第一取付部11を覆うことで、情報取得機器を水や粉塵から保護する構造としてもよい。このとき、充電などが許可されたカード(会員登録がなされているものなど)や専用アプリケーションを備えた携帯端末などが閉塞部材4にかざされることにより、情報取得機器であるカードリーダなどが、認証に関する情報を取得し認証機能を働かせるようにしてもよい。情報取得機器がカメラなどの場合には、閉塞部材4をガラスや透明樹脂などの透過性のある材料で形成することで、車両のナンバープレートや利用者などに関する情報を取得するようにしてもよい。
【0026】
第一部材1は、ケーブル本体部71を保持するケーブル保持部材5を着脱可能としてもよい。図1に示す例では、ケーブル保持部材5は、第一部材1の下部側に取り付けられている。この例のケーブル保持部材5は、ケーブル本体部71を掛けることができる凹み部を備えたものであるが、ケーブル保持部材5はこのような構成とは異なる態様も考えられる。なお、制御部を備えた第一部材1に対して、コネクタ保持部材3と、ケーブル保持部材5を取り付けるようにすれば、一通りの機能を一カ所に集約することができる。
【0027】
車両用部材群は、第一部材1とは別に、第二部材2を備えている。第二部材2は、少なくともケーブル保持部22を備えている。第二部材2は、例えば充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブル7のケーブル本体部71を保持するケーブルホルダである。図3に示すケーブル保持部22は、ケーブル本体部71を掛けることができる凹み部を備えたものであるが、ケーブル保持部22はこのような構成とは異なる態様も考えられる。
【0028】
図3に示す例では、第二部材2は、上部にケーブル保持部22を有し、かつ、前面にコネクタ保持部材3が取り付けられる第二取付部21を有する。コネクタ保持部材3は、第二部材2のケースの内側からコネクタ保持部材3に差し込まれたネジ等(不図示)を用いて第二取付部21に対して取り付けられるのが好ましい。第二取付部21にコネクタ保持部材3が取り付けられることで、第二部材2は、ケーブル本体部71とコネクタ部72の両方を保持することが可能となる。
【0029】
第一部材1と同様、第二部材2に対しても閉塞部材4を取り付けることができることは言うまでもない。第二部材2の第二取付部21に取り付けられる閉塞部材4は、第二部材2に対して機能を付加するものであることが好ましい。例えば、閉塞部材4は、防犯機能や、計測機能を働かすことができるものであることが好ましい。なお、閉塞部材4は第一部材1および第二部材2の両方に対して着脱可能とするのが好ましい。
【0030】
これらの記載から理解されるように、第一部材1は、コネクタ保持部材3を取り付け可能な第一取付部11を有するものとし、第二部材2は、コネクタ保持部材3を取り付け可能な第二取付部21を有するものとし、かつ、コネクタ保持部材3が取り付けられていない第一取付部11若しくは第二取付部21に対して取り付け可能な閉塞部材4を備えた構成とするのが好ましい。
【0031】
第二部材2は、ケーブル本体部71を保持可能なケーブル保持部材5を着脱可能としてもよい。図4に示す例では、ケーブル保持部材5は、第二部材2の下部に取り付けられている。この例では、第二部材2の上部にケーブル保持部22を有しており、さらに第二部材2の下部にケーブル保持部材5を取り付けている。このようにすることで、第二部材2の上部側と下部側に、ケーブル本体部71を保持可能な箇所を設けることが可能となる。
【0032】
これらの記載から理解されるように、充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブル7のケーブル本体部71を保持可能なケーブル保持部材5を備えることが好ましい。また、ケーブル保持部材5は、第一部材1および第二部材2の両方に対して着脱可能である構成とするのが好ましい。
【0033】
ところで、ケーブル7の保管に利用される部材(第一部材1など)と車両との様々な位置関係に対応可能とするために、ケーブル本体部71は、一般的に、長く形成されている。これは、ケーブル本体部71に、充電時にコネクタ部72を車両に接続する際に必要となる長さ部分(通常時利用部分)と、それ以上の長さからなる部分(余長部分)を確保しているからである。
【0034】
このような場合、ケーブル本体部71を保持可能な部分が複数備えられていることが好ましい。これは、ケーブル7を保持できる箇所が複数あれば、それぞれの役割を変えることができるからである。例えば、ケーブル本体部71の通常時利用部分については、第二部材2の下方に位置するケーブル保持部材5で保持するようにし、余長部分については、第二部材2の上部のケーブル保持部22に保持させるようにすることができる。
【0035】
つまり、ケーブル7を保持可能な箇所を複数設けておけば、ケーブル本体部71の通常時利用部分と余長部分を別の箇所に配置することが可能となり、給電などの作業時にケーブル本体部71の余長部分が取り外される可能性を抑制することが可能となる。一方、一カ所にケーブル本体部71の全てを保持させると、給電などの作業時に、ケーブル本体部71の余長部分もケーブル保持部22などから取り外される場合がある。この場合、使用後に余長部分についても保持させる手間がかかってしまう。
【0036】
次に車両用部材群に備えられた第一部材1と第二部材2の使用例について説明をする。
【実施例0037】
図5に示すことから理解されるように、実施例1においては、第一部材1に対してコネクタ保持部材3が取り付けられているが、ケーブル保持部材5は取り付けられていない。また、第二部材2に対しては、コネクタ保持部材3もケーブル保持部材5も取り付けられていない。このような例を採用するのは、車両用充放電装置となる第一部材1に対して車両や駐車スペースの距離が近い場合が適している。第一部材1の下方にケーブル保持部材5を設けるスペースがない場合などに、第二部材2を第一部材1の近傍に設ければ、充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブル7のケーブル本体部71の余長部分を第二部材2に保持させることができる。
【実施例0038】
図6に示すことから理解されるように、実施例2においては、第一部材1に対してコネクタ保持部材3が取り付けられているが、ケーブル保持部材5は取り付けられていない。また、第二部材2に対しては、コネクタ保持部材3が取り付けられていないが、ケーブル保持部材5は取り付けられている。このような例を採用するのは、実施例1と同様、車両用充放電装置となる第一部材1に対して車両や駐車スペースの距離が近い場合が適している。第一部材1の下方にケーブル保持部材5を設けるスペースがない場合などに、第二部材2を第一部材1の近傍に設ければ、充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブル7のケーブル本体部71の余長部分を第二部材2に保持させることができる。また、第二部材2にケーブル7を保持する個所を複数設けることで、余長部分のケーブル本体部71が保持されている分が取り外される可能性を抑制することが可能となる。
【実施例0039】
図7に示すことから理解されるように、実施例3においては、第一部材1に対しては、コネクタ保持部材3もケーブル保持部材5も取り付けられていない。また、第二部材2に対しては、コネクタ保持部材3が取り付けられているが、ケーブル保持部材5は取り付けられていない。このような例を採用するのは、第一部材1と車両や駐車スペースの距離が遠い場合が適している。車両や駐車スペースに近い場所に第二部材2を設けることで、充電時若しくは放電時に車両に接続されるケーブル7のコネクタ部72の取外しを容易にすることができる。
【実施例0040】
図8に示すことから理解されるように、実施例4においては、第一部材1に対しては、コネクタ保持部材3もケーブル保持部材5も取り付けられていない。また、第二部材2に対しては、コネクタ保持部材3もケーブル保持部材5も取り付けられている。このような例を採用するのは、実施例3と同様、第一部材1と車両や駐車スペースの距離が遠い場合が適している。車両や駐車スペースに近い方に第二部材2を設けることで、ケーブル7のコネクタ部72の取外しを容易にすることができる。また、第二部材2にケーブル7を保持する個所を複数設けることで、ケーブル本体部71の余長部分が取り外される可能性を抑制することが可能となる。
【実施例0041】
図9に示すことから理解されるように、実施例5においては、第一部材1に対して、コネクタ保持部材3が取り付けられていないが、ケーブル保持部材5は取り付けられている。また、第二部材2に対しては、コネクタ保持部材3が取り付けられているが、ケーブル保持部材5は取り付けられていない。このような例を採用するのは、第一部材1と車両や駐車スペースとの距離が遠い場合が適している。車両や駐車スペースに近い場所に第二部材2を設けることで、ケーブル7のコネクタ部72の取外しを容易にすることができる。また、ケーブル7を保持可能な箇所を複数設けることで、ケーブル本体部71の余長部分が取り外される可能性を抑制することが可能となる。特に、第一部材1と第二部材2の両方にケーブル7を保持する個所を設けているため、ケーブル本体部71の必要部分と余長部分の違いをより明確にすることができる。
【実施例0042】
図10に示すことから理解されるように、実施例6においては、第一部材1に対して、コネクタ保持部材3もケーブル保持部材5も取り付けられている。また、第二部材2に対しても、コネクタ保持部材3もケーブル保持部材5も取り付けられている。このような例を採用するのは、2つの駐車スペースの一方の駐車スペースの近傍に第一部材1を設け、もう一方の駐車スペースの近傍に第二部材2を設ける場合が適している。いずれの駐車スペースに駐車された場合であっても、車両に対してコネクタ部72を取り付ける場合などの作業の手間を省くことができる。
【実施例0043】
図11に示すことから理解されるように、実施例7においては、1つの取付スタンド8の正面に第一部材1、側面に第二部材2を取り付けている。なお、図示はしないが、第一部材1が取り付けられた面の反対側の面にもう一台の第一部材1を、第二部材2が取り付けられた面の反対側の面にもう一台の第二部材2を取り付けることも可能である。つまり、1つの取付スタンド8に対して、複数の第一部材1と第二部材2を取り付けるようにしてもよい。
【0044】
なお、車両の充電若しくは放電に利用可能な制御部を備えた第一部材1と、ケーブル保持部22を備えた第二部材2と、コネクタ保持部材3を個別に用意する場合であっても、機器点数を抑制できるようにするには、ケーブル保持部22を備えた第二部材2に関し、「ケーブル本体部71と車両とを接続するコネクタ部72を保持するために用いることが可能なコネクタ保持部材3と、前記コネクタ保持部材3を着脱可能であるとともに車両への充電若しくは車両からの放電を制御する制御部を備えた第一部材1と、を備える車両用部材群」が有する前記コネクタ保持部材3を着脱可能な構成とすることが考えられる。
【0045】
また、車両への充電若しくは車両からの放電を制御する制御部を備えた第一部材1に関し、「ケーブル本体部71と車両とを接続するコネクタ部72を保持するために用いることが可能なコネクタ保持部材3と、前記コネクタ保持部材3を着脱可能であるとともにケーブル保持部22を備えた第二部材2と、を備える車両用部材群」が有する前記コネクタ保持部材3を着脱可能な構成とすることも考えられる。
【0046】
なお、例えば第一部材1にコネクタ保持部材3が取り付けられている場合に、新たに第二部材2を用意し、第一部材1に取り付けられているコネクタ保持部材3を第二部材2に付け替えるようにしてもよい。この場合、コネクタ保持部材3の配置を変えることができる。この場合、第一部材1には閉塞部材4を取り付けるのが好ましい。また、閉塞部材4は第二部材2に取り付けられているものを第一部材1に付け替えるようにしてもよい。もちろん、第一部材1用に既に用意されている閉塞部材4を第一部材1に取り付けるようにしてもよい。
【0047】
この逆も可能なため、例えば第二部材2にコネクタ保持部材3が取り付けられている場合に、新たに第一部材1を用意し、第二部材2に取り付けられているコネクタ保持部材3を第一部材1に付け替えるようにしてもよい。この場合、第二部材2には閉塞部材4を取り付けるのが好ましい。また、閉塞部材4は第一部材1に取り付けられているものを第二部材2に付け替えるようにしてもよい。もちろん、第二部材2用に既に用意されている閉塞部材4を第二部材2に取り付けるようにしてもよい。
【0048】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、車両用部材群の部材を組み合わせて構成した構造物は、取付スタンドに取り付けるのではなく、壁面などに取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 第一部材
2 第二部材
3 コネクタ保持部材
4 閉塞部材
5 ケーブル保持部材
7 ケーブル
11 第一取付部
21 第二取付部
71 ケーブル本体部
72 コネクタ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11