(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152307
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】車載器及び割引サービスの適用対象通知プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20241018BHJP
【FI】
G07B15/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066422
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】小川 侑介
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA15
3E127BA06
3E127CA13
3E127CA18
3E127DA21
3E127EA03
3E127EA21
3E127FA18
3E127FB08
(57)【要約】
【課題】利用者が一時退出割引サービスを利用した場合に、割引サービスが適用されたか否かを利用者に速やかに通知する。
【解決手段】車載器1は、自動料金収受システムの一時退出割引サービスに対応する。車載器は、有料道路の退出ゲートの路側機及び進入ゲートの路側機とゲート間通信すると共に、有料道路外の一時退出割引サービスの対象施設の路側機と施設間通信する通信部3と、通信部の通信状況に応じて一時退出割引サービスの適用対象であるか否かを判定する適用対象判定部2bと、適用対象判定部の判定結果を通知部から通知させる通知制御部2cと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動料金収受システムの一時退出割引サービスに対応する車載器(1,11,21,31)であって、
有料道路の退出ゲートの路側機及び進入ゲートの路側機とゲート間通信すると共に、有料道路外の一時退出割引サービスの対象施設の路側機と施設間通信する通信部(3)と、
前記通信部の通信状況に応じて一時退出割引サービスの適用対象であるか否かを判定する適用対象判定部(2b,12d,22e,32c)と、
前記適用対象判定部の判定結果を通知部から通知させる通知制御部(2c,12e,22f,32d)と、を備える車載器。
【請求項2】
前記退出ゲートの路側機、前記進入ゲートの路側機及び前記対象施設の路側機をそれぞれ識別する路側機IDを記憶する路側機ID記憶部(2a)を備え、
前記適用対象判定部(2b)は、今回のゲート間通信の通信相手である前記進入ゲートの路側機の路側機ID、前回の施設間通信の通信相手である前記対象施設の路側機の路側機ID及び前回のゲート間通信の通信相手である前記退出ゲートの路側機の路側機IDの組み合わせに基づいて一時退出割引サービスの適用対象であるか否かを判定する請求項1に記載した車載器(1)。
【請求項3】
前記通信部による通信種別を判定する通信種別判定部(12a)と、
道路種別を含む道路情報を取得する道路情報取得部(12b)と、
前記道路情報取得部により取得された道路情報の道路種別を判定する道路種別判定部(12c)と、を備え、
前記適用対象判定部(12d)は、前記通信種別判定部の判定結果及び前記道路種別判定部の判定結果に基づいて一時退出割引サービスの適用対象であるか否かを判定する請求項1に記載した車載器(11)。
【請求項4】
前記通信部による通信種別を判定する通信種別判定部(22a)と、
車両位置を示す車両位置情報を取得する車両位置情報取得部(22b)と、
前記対象施設の位置を示す施設位置情報を記憶する施設位置情報記憶部(22c)と、
前記車両位置情報と前記施設位置情報との比較結果により前記対象施設と通信エリアであるか否かを判定する通信エリア判定部(22d)と、を備え、
前記適用対象判定部(22e)は、前記通信種別判定部の判定結果及び前記通信エリア判定部の判定結果に基づいて一時退出割引サービスの適用対象であるか否かを判定する請求項1に記載した車載器(21)。
【請求項5】
前記通信部による通信種別を判定する通信種別判定部(32a)と、
前記施設の路側機から受信されたダウンリンク情報に当該施設が一時退出割引サービスの対象施設であることを示す種別コードが含まれているか否かを判定する種別コード判定部(32b)と、を備え、
前記適用対象判定部(32c)は、前記通信種別判定部の判定結果及び前記種別コード判定部の判定結果に基づいて一時退出割引サービスの適用対象であるか否かを判定する請求項1に記載した車載器(31)。
【請求項6】
自動料金収受システムの一時退出割引サービスに対応し、有料道路の退出ゲートの路側機及び進入ゲートの路側機とゲート間通信すると共に、有料道路外の一時退出割引サービスの対象施設の路側機と施設間通信する通信部を備える車載器(1,11,21,31)の制御部(2,12,22,32)に、
前記通信部の通信状況に応じて一時退出割引サービスの適用対象であるか否かを判定する適用対象判定手順と、
前記適用対象判定部の判定結果を通知部から通知させる通知制御手順と、を実行させる割引サービスの適用対象通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器及び割引サービスの適用対象通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路における渋滞緩和の一つの手段として、自動料金収受システム(以下、ETC(Electronic Toll Collection)システムと称する)が実用化されている。ETCは登録商標である。ETCシステムは、車両に搭載されているETC車載器と、料金所の各車線に設置されている路側機とが通信を行うことで、進入ゲート及び退出ゲートをノンストップで通過しながら料金収受を可能としている。
【0003】
近年では、利用者へのサービスの一つとして、一時退出割引サービス(以下、割引サービスと称する場合がある)が実用化されている。一時退出割引サービスとは、車両が有料道路のインターチェンジから一旦退出して予め指定されている割引サービスの対象施設に立ち寄り、予め定められている規定時間内に同一のインターチェンジから有料道路へ再進入した場合に、有料道路から退出しなかったと見做なすことで、インターチェンジから退出せずに施設に立ち寄らなかった場合の料金を適用するサービスである。
【0004】
従来、利用者においては、割引サービスを利用した場合に、割引サービスが適用されたことを請求書が届いたり電子記録がWebサイト上に公開されたりするまで確認することができなかった。その一方、利用者によっては、割引サービスが適用されたことを速やかに確認したい要求がある場合もあり得る。例えば特許文献1には、車両が有料道路のインターチェンジから一旦退出して予め指定されている割引サービスの対象施設に立ち寄った場合に、退出ゲートに配置されているデータ処理装置と、施設に配置されているデータ処理装置とが通信を行うことで、車両が当該施設を利用するために有料道路から一旦退出した履歴を記録する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成では、車両が施設を利用するために有料道路から一旦退出した履歴を記録するに過ぎず、割引サービスが適用されたことを速やかに確認したいという利用者の要求に応じることはできない。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者が一時退出割引サービスを利用した場合に、割引サービスが適用されたか否かを利用者に速やかに通知することができる車載器及び割引サービスの適用対象通知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、自動料金収受システムの一時退出割引サービスに対応する。通信部(3)は、有料道路の退出ゲートの路側機及び進入ゲートの路側機とゲート間通信すると共に、有料道路外の一時退出割引サービスの対象施設の路側機と施設間通信する。適用対象判定部(2b,12d,22e,32c)は、前記通信部の通信状況に応じて一時退出割引サービスの適用対象であるか否かを判定する。通知制御部(2c,12e,22f,32d)は、前記適用対象判定部の判定結果を通知部から通知させる。
【0009】
有料道路の退出ゲートの路側機及び進入ゲートの路側機と車載器とのゲート間通信の通信状況、有料道路外の一時退出割引サービスの対象施設の路側機と車載器との施設間通信の通信状況に応じて一時退出割引サービスの適用対象であるか否かを判定し、その判定結果を通知するようにした。一時退出割引サービスの適用対象であるか否かの判定結果を車載器から通知することで、利用者が一時退出割引サービスを利用した場合に、割引サービスが適用されたか否かを利用者に速やかに通知することができる。利用者は、請求書が届いたり電子記録がWebサイト上に公開されたりするのを待機することなく、割引サービスが適用されたか否かを速やかに確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す各実施形態において、先行する実施形態で説明した内容に対応する部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略することがある。
【0012】
(第1実施形態)
第1実施形態について
図1から
図4を参照して説明する。ETC車載器1(車載器に相当する)は、ETC2.0に対応し、一時退出割引サービスに対応する。即ち、
図2に示すように、ETC車載器1を搭載した車両Aが有料道路のインターチェンジから一旦退出して予め指定されているサービスの対象施設に立ち寄り、予め定められている規定時間内に同一のインターチェンジから有料道路へ再進入した場合に、有料道路から退出しなかったと見做なすことで、インターチェンジから退出せずに施設に立ち寄らなかった場合の料金を適用する。
【0013】
この場合、車両Aが有料道路からの退出時にETC車載器1が退出ゲートの路側機51とETC通信(ゲート間通信に相当する)し、車両Aが施設への進入時にETC車載器1が施設の路側機52とITS(Intelligent Transport Systems)通信(施設間通信に相当する)し、車両Aが有料道路への進入時にETC車載器1が進入ゲートの路側機53とETC通信する。料金収受を管理する管理センターでは、車載器1の通信履歴を記録し、規定時間内に同一のインターチェンジから有料道路へ再進入したか否かを判定する。規定時間内に再進入していれば、インターチェンジから退出せずに施設に立ち寄らなかった場合の料金を適用し、規定時間を超過して再進入していれば、インターチェンジから退出して再進入した場合の料金を適用する。尚、規定時間は、ETC車載器1に予め登録されていても良いし、施設の路側機52から受信されるダウンリンク情報から抽出されても良い。
【0014】
図1に示すように、ETC車載器1は、GNSS(Global Navigation Satellite System)による測位機能を有する発話型の車載器であり、制御部2と、通信部3と、GNSS測位部4と、カードIF部5と、操作受付部6と、表示部7と、音声出力部8とを備える。通信部3及びGNSS測位部4はアンテナ9を共用する。
【0015】
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びI/O(Input/Output)等を有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。制御部2は、非遷移的実体的記憶媒体に格納されている制御プログラムを実行することで当該制御プログラムに対応する処理を実行し、ETC車載器1の動作全般を制御する。
【0016】
通信部3は、アンテナ9により受信された受信信号に対して増幅、周波数変換、復調及びA/D変換等の処理を行い、受信信号から抽出したデータを制御部2へ出力する。通信部3は、制御部2から入力したデータに対してD/A変換、変調、周波数変換及び増幅等の処理を行い、データを格納した送信信号をアンテナ9へ出力する。尚、通信部3は、周波数変換、変調及び復調の処理を、DSRC(Dedicated Short Range Communications)の通信規格に準拠して行う。通信部3は、上記した処理により通信圏内に存在する路側機との信号の送受信を制御する。
【0017】
GNSS測位部4は、天空を周回するGNSS衛星から送信されたGNSS信号がアンテナ9により受信されると、その受信されたGNSS信号から各種パラメータを演算して測位し、測位結果を車両位置情報として制御部2へ出力する。
【0018】
カードIF部5は、ETC用のICカード10が脱着可能に挿入されるカードスロットを含み、ICカード10が正常に挿入されることで当該ICカード10と物理的及び電気的に接続される。ICカード10は、課金を行うための認証情報や課金の履歴情報のデータを記憶可能な電子カードであり、いわゆるETCカードと称される場合がある。カードIF部5は、ICカード10が正常に挿入されると、ICカード10に記録されているデータを当該ICカード10から読み出すと共に、データを当該ICカード10へ書き込む。
【0019】
ICカード10は、CPU、RAM、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等を有し、制御部2からカードIF部5を介して読み出しコマンドや書き込みコマンド等を入力することに応じてEEPROMからのデータの読み出しやEEPROMへのデータの書き込み等を行う。
【0020】
操作受付部6は、利用者の操作を受け付けて検知すると、その操作内容を示す操作検知信号を制御部2へ出力する。
【0021】
表示部7は、例えばLEDである。制御部2は、表示指示信号を表示部7へ出力し、表示指示信号にしたがって表示部7を点灯又は点滅させる。制御部2は、例えばICカード10の挿入が正常である場合には表示部7を緑点灯させ、ICカード10の挿入が異常である場合には表示部7を赤点灯させる。
【0022】
音声出力部8は、例えばスピーカである。制御部2は、音声出力指示信号を音声出力部8へ出力し、音声出力指示信号にしたがって音声を音声出力部8から出力させる。制御部2は、例えばICカード10の挿入が正常である場合にはICカード10の挿入が正常であることを示す音声メッセージを音声出力部8から出力させ、ICカード10の挿入が異常である場合にはICカード10の挿入が異常であることを示す音声メッセージを音声出力部8から出力させる。
【0023】
制御部2は、路側機ID記憶部2aと、適用対象判定部2bと、通知制御部2cとを有する。これらの各部2a~2cは、割引サービスの適用対象通知プログラムを構成する。
【0024】
路側機ID記憶部2aは、路側機IDテーブルを保持している。路側機IDテーブルは、
図3に示すように、施設名、施設所在地、インターチェンジ名、退出ゲートの路側機ID、進入ゲートの路側機ID及び割引サービスの対象施設の路側機IDの対応付けをレコード単位とするテーブルである。退出ゲートの路側機ID、進入ゲートの路側機ID及び割引サービスの対象施設の路側機IDは、それぞれ固有なビーコンIDであり、割引サービスに対応するIDの組み合わせである。これらの3個のIDが揃い、且つ規定時間内の条件を満たした場合に、割引サービスが適用される。
【0025】
適用対象判定部2bは、今回のETC通信の通信相手である進入ゲートの路側機の路側機ID、前回のITS通信の通信相手である施設の路側機の路側機ID及び前回のETC通信の通信相手である退出ゲートの路側機の路側機IDの組み合わせに基づいて割引サービスの適用対象であるか否かを判定する。即ち、適用対象判定部2bは、3個のIDが揃い、且つ規定時間内の条件を満たした場合に、割引サービスの適用対象であることを特定する。適用対象判定部2bは、3個のIDが揃わなかった、又は3個のIDが揃ったが規定時間内の条件を満たさなかった場合に、割引サービスの適用対象でなく適用非対象であることを特定する。
【0026】
通知判定部2cは、割引サービスが適用されたか否かが適用対象判定部2bにより判定されると、その判定結果を車両が進入ゲートを通過した直後に音声出力部8から出力させる。通知判定部2cは、割引サービスの適用対象であることが特定されると、例えば「割引サービスが適用されました」という音声メッセージを出力させる。
【0027】
次に、上記した構成の作用について
図4を参照して説明する。
ETC車載器1において、制御部2は、車両が進入ゲートを通過したか否かを監視している。制御部2は、通信部3の通信状態やGNSS測位部4から入力する位置情報等に基づいて車両が進入ゲートを通過したと判定すると、適用対象通知処理を開始する。
【0028】
制御部2は、適用対象通知処理を開始すると、今回の進入ゲートを通過したことに伴うETC通信の通信相手である進入ゲートの路側機IDが路側機IDテーブルに登録されている何れかの進入ゲートの路側機IDと一致するか否かを判定する(S1)。制御部2は、両社が一致しないと判定すると(S1:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S8)、適用対象通知処理を終了する。
【0029】
制御部2は、両者が一致すると判定すると(S1:YES)、前回のITS通信の通信相手である施設の路側機IDが路側機IDテーブルに登録されており、且つ上記した進入ゲートの路側機IDと同一レコードであるか否かを判定する(S2)。制御部2は、路側機IDテーブルに登録されていない、又は登録されているが同一レコードでないと判定すると(S2:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S8)、適用対象通知処理を終了する。
【0030】
制御部2は、登録されており、且つ同一レコードであると判定すると(S2:YES)、前回のETC通信の通信相手である退出ゲートの路側機IDが路側機IDテーブルに登録されており、且つ上記した進入ゲートの路側機ID及び施設の路側機IDと同一レコードであるか否かを判定する(S3)。制御部2は、路側機IDテーブルに登録されていない、又は登録されているが同一レコードでないと判定すると(S3:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S8)、適用対象通知処理を終了する。
【0031】
制御部2は、登録されており、且つ同一レコードであると判定すると(S3:YES)、車両が退出ゲートを通過した時刻から進入ゲートを通過した時刻までの経過時間を一時退出時間として算出する(S4)。制御部2は、一時退出時間と規定時間とを照合し、一時退出時間が規定時間内であるか否かを判定する(S5)。
【0032】
制御部2は、一時退出時間が規定時間内であると判定すると(S5:YES)、割引サービスの適用対象であることを特定し(S6)、割引サービスが適用されたことを示す例えば「割引サービスが適用されました」という音声メッセージを出力させ(S7)、適用対象通知処理を終了する。
【0033】
制御部2は、一時退出時間が規定時間内でなく規定時間を超過していると判定すると(S5:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S8)、適用対象通知処理を終了する。上記した適用対象通知処理では、ステップS1~S5が適用対象判定手順に相当し、ステップS7が通知制御手順に相当する。
【0034】
図3の例示では、制御部2は、通信部3の通信履歴により例えば進入ゲートの路側機IDが「aaa2222」、割引サービスの対象施設の路側機IDが「AAA5555」、退出ゲートの路側機IDが「aaa1111」が遡って連続したと判定し、一時退出時間が規定時間内であると判定すると、割引サービスの適用対象であることを特定し、割引サービスが適用されたことを示す音声メッセージを出力させる。
【0035】
制御部2は、通信部3の通信履歴により例えば進入ゲートの路側機IDが「aaa2222」、割引サービスの対象施設の路側機IDが「AAA5555」、退出ゲートの路側機IDが「aaa1111」が遡って連続したと判定しても、一時退出時間が規定時間を超過していると判定すると、割引サービスの適用非対象であることを特定する。
【0036】
制御部2は、通信部3の通信履歴により例えば進入ゲートの路側機IDが「aaa2222」、割引サービスの対象施設の路側機IDが「AAA5555」が遡って連続したと判定しても、直近の退出ゲートの路側機IDが「aaa1111」以外であると判定すると、割引サービスの適用非対象であることを特定する。
【0037】
以上は、割引サービスの適用非対象であることを特定すると、音声メッセージを出力させない構成を例示したが、割引サービスが適用されなかったことを示す例えば「割引サービスが適用されませんでした」という音声メッセージを出力させても良い。又、ステップS1,S2,S3で「NO」の場合に音声メッセージを出力させず、ステップS4で「NO」の場合に割引サービスが適用されなかったことを示す音声メッセージを出力させても良い。その場合、一時退出時間が規定時間を超過したことが原因であるので、その原因を示す「一時退出時間が規定時間を超過したため、割引サービスが適用されませんでした」という音声メッセージを出力させても良い。
【0038】
割引サービスの適用可否の音声メッセージを出力させるタイミングは、トリップの期間中やトリップの終了直後の何れでも良い。例えばエンジン自動車ではイグニッションがオフされるまでの期間中やイグニッションがオフされた直後の何れでも良い。例えば電気自動車ではEV(Electric Vehicle)システムがオフされるまでの期間中やEVシステムがオフされた直後の何れでも良い。即ち、利用者においては進入ゲートを通過した後に本線へ合流する運転操作を行う場合があり、音声メッセージを出力させるタイミングによっては運転操作への注意を妨げる虞があるので、本線へ合流した後に音声メッセージを出力させても良い。又、利用者が降車するときに音声メッセージを出力させても良い。
【0039】
又、割引サービスの適用可否の判定結果を音声メッセージとして出力させることに限らず、ETC車載器1がスマートフォン等の携帯情報端末と連携する機能を有する場合であれば、割引サービスの適用可否の判定結果を利用者が降車した後に携帯情報端末から出力させても良い。更に、割引サービスの適用可否の判定結果の出力可否を利用者が選択可能としても良い。
【0040】
以上に説明したように第1実施形態によれば、以下に示す作用効果を得ることができる。ETC車載器1において、有料道路の退出ゲートの路側機及び進入ゲートの路側機とのETC通信の通信状況、有料道路外の割引サービスの対象施設の路側機とのITS通信の通信状況に応じて割引サービスの適用対象であるか否かを判定し、その判定結果を通知するようにした。割引サービスの適用対象であるか否かの判定結果をETC車載器1から通知することで、利用者が割引サービスを利用した場合に、割引サービスが適用されたか否かを利用者に速やかに通知することができる。利用者は、請求書が届いたり電子記録がWebサイト上に公開されたりするのを待機することなく、割引サービスが適用されたか否かを速やかに確認することができる。
【0041】
今回のETC通信の通信相手である進入ゲートの路側機の路側機ID、前回のITS通信の通信相手である対象施設の路側機の路側機ID及び前回のET通信の通信相手である退出ゲートの路側機の路側機IDの組み合わせに基づいて割引サービスの適用対象であるか否かを判定するようにした。予め割引サービスに該当する路側機IDを路側機IDテーブルに登録しておくことで実現することができる。新規な通信仕様を追加する必要なく、既存のETC通信及びITS通信で得られる情報を使用することで実現することができる。
【0042】
(第2実施形態)
第2実施形態について
図5から
図7を参照して説明する。第2実施形態は、ナビゲーションシステムと連携する構成である。
図5に示すように、ETC車載器11は、ナビゲーションシステムと連携するナビ連携型の車載器であり、制御部12と、通信部3と、GNSS測位部4と、カードIF部5と、操作受付部6と、表示部7と、音声出力部8と、ナビIF部13とを備える。通信部3及びGNSS測位部4はアンテナ9を共用する。
【0043】
制御部12は、第1実施形態で説明した制御部2と同様に、マイクロコンピュータを主体として構成されている。制御部12は、非遷移的実体的記憶媒体に格納されている制御プログラムを実行することで当該制御プログラムに対応する処理を実行し、ETC車載器11の動作全般を制御する。
【0044】
ナビIF部13は、USBケーブル14を介してナビゲーションシステム15にデータ通信可能に接続され、ナビゲーションシステム15と各種データを送受信する。ナビゲーションシステム15は、例えばGNSS信号から各種パラメータを演算して測位する機能、GNSS信号に基づいた測位結果をGセンサの検知結果等により補正する機能、車両位置に対応する地図データを特定する機能、利用者の操作を受け付けて目的地を設定する機能、車両位置から目的地までの経路を計算する機能、車両位置から目的地までの所要時間を計算する機能、経路にしたがって車両を誘導する機能等、周知のナビゲーションに関与する機能を有する。ナビゲーションシステム15で利用される地図データには、道路種別を含む道路情報が含まれている。
【0045】
制御部12は、通信種別判定部12aと、道路情報取得部12bと、道路種別判定部12cと、適用対象判定部12dと、通知制御部12eとを有する。これらの各部12a~12eは、割引サービスの適用対象通知プログラムを構成する。
【0046】
通信種別判定部12aは、通信部3による通信種別を判定する。即ち、通信種別判定部12aは、通信部3の通信相手が退出ゲートの路側機又は進入ゲートの路側機である通信をETC通信と判定し、通信部3の通信相手が割引サービスの対象施設の路側機である通信をITS通信と判定する。
【0047】
道路情報取得部12bは、地図データに含まれる道路情報をナビゲーションシステム15から取得し、車両走行中の道路情報を取得する。道路種別判定部12cは、ナビゲーションシステム15から道路情報が道路情報取得部12bにより取得されると、その取得された道路情報に含まれる道路種別を取得し、車両走行中の道路の道路種別を判定する。即ち、道路種別判定部12cは、車両走行中の道路の道路種別として、例えば都市間高速道路、都市高速道路、一般道路、その他の何れかであるかを判定する。
【0048】
適用対象判定部12dは、通信種別が通信種別判定部12aにより判定され、道路種別が道路種別判定部12cにより判定されると、それらの判定結果に基づいて割引サービスの適用対象であるか否かを判定する。即ち、適用対象判定部12dは、
図6に示すように、今回の通信種別がETC通信であり、道路種別が有料道路であり、前回の通信種別がITS通信であり、道路種別が有料道路以外の道路であり、前々回の通信種別がETC通信であり、道路種別が有料道路であると、割引サービスの適用対象であることを特定する。
【0049】
通知判定部12eは、割引サービスが適用されたか否かが適用対象判定部12dにより判定されると、その判定結果を車両が進入ゲートを通過した直後に音声出力部8から出力させる。
【0050】
次に、上記した構成の作用について
図7を参照して説明する。
制御部12は、適用対象通知処理を開始すると、今回の通信種別がETC通信であり、且つ道路種別が有料道路であるか否かを判定する(S11)。制御部12は、今回の通信種別がETC通信でない、又は道路種別が有料道路でないと判定すると(S11:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S18)、適用対象通知処理を終了する。
【0051】
制御部12は、今回の通信種別がETC通信であり、且つ道路種別が有料道路であると判定すると(S11:YES)、前回の通信種別がITS通信であり、且つ道路種別が有料道路以外の道路であるか否かを判定する(S12)。制御部12は、前回の通信種別がITS通信でない、又は道路種別が有料道路以外の道路でないと判定すると(S12:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S18)、適用対象通知処理を終了する。
【0052】
制御部12は、前回の通信種別がITS通信であり、且つ道路種別が有料道路以外の道路であると判定すると(S12:YES)、前々回の通信種別がETC通信であり、且つ道路種別が有料道路であるか否かを判定する(S13)。制御部12は、前々回の通信種別がETC通信でない、又は道路種別が有料道路でないと判定すると(S13:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S18)、適用対象通知処理を終了する。
【0053】
制御部12は、前々回の通信種別がETC通信であり、且つ道路種別が有料道路であると判定すると(S13:YES)、車両が退出ゲートを通過した時刻から進入ゲートを通過した時刻までの経過時間を一時退出時間として算出する(S14)。制御部12は、一時退出時間と規定時間とを照合し、一時退出時間が規定時間内であるか否かを判定する(S15)。
【0054】
制御部12は、一時退出時間が規定時間内であると判定すると(S15:YES)、割引サービスの適用対象であることを特定し(S16)、割引サービスが適用されたことを示す音声メッセージを出力させ(S17)、適用対象通知処理を終了する。
【0055】
制御部12は、一時退出時間が規定時間内でなく規定時間を超過していると判定すると(S15:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S18)、適用対象通知処理を終了する。上記した適用対象通知処理では、ステップS11~S15が適用対象判定手順に相当し、ステップS17が通知制御手順に相当する。
【0056】
尚、ナビゲーションシステム15と連携することから、割引サービスの適用対象であるか否かの判定結果を音声出力部8から出力させると同時に、ナビゲーションシステム15の表示装置に表示させても良い。割引サービスの適用対象であるか否かの判定結果を音声出力部8から出力させず、ナビゲーションシステム15の表示装置に表示させても良い。
【0057】
以上に説明したように第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができ、割引サービスの適用対象であるか否かの判定結果をETC車載器11から通知することで、利用者が割引サービスを利用した場合に、割引サービスが適用されたか否かを利用者に速やかに通知することができる。
【0058】
通信種別の判定結果及び道路種別の判定結果に基づいて割引サービスの適用対象であるか否かを判定するようにした。ナビゲーションシステム15と連携し、道路種別を含む道路情報をナビゲーションシステム15から取得することで実現することができる。第1実施形態で説明した路側機IDテーブルを用意する必要なく、既存のナビゲーションシステム15で得られる情報を使用することで実現することができる。
【0059】
(第3実施形態)
第3実施形態について
図8から
図10を参照して説明する。第3実施形態は、対象施設の位置情報を利用する構成である。
図8に示すように、ETC車載器21は、GNSSによる測位機能を有する発話型の車載器であり、制御部22と、通信部3と、GNSS測位部4と、カードIF部5と、操作受付部6と、表示部7と、音声出力部8とを備える。通信部3及びGNSS測位部4はアンテナ9を共用する。
【0060】
制御部22は、第1実施形態で説明した制御部2と同様に、マイクロコンピュータを主体として構成されている。制御部22は、非遷移的実体的記憶媒体に格納されている制御プログラムを実行することで当該制御プログラムに対応する処理を実行し、ETC車載器21の動作全般を制御する。
【0061】
制御部22は、通信種別判定部22aと、車両位置情報取得部22bと、施設位置情報記憶部22cと、通信エリア判定部22dと、適用対象判定部22eと、通知制御部22fとを有する。これらの各部22a~22fは、割引サービスの適用対象通知プログラムを構成する。
【0062】
通信種別判定部22aは、第2実施形態で説明した通信種別判定部12aと同様に、通信部3による通信種別を判定する。即ち、通信種別判定部22aは、通信部3の通信相手が退出ゲートの路側機又は進入ゲートの路側機である通信をETC通信と判定し、通信部3の通信相手が割引サービスの対象施設の路側機である通信をITS通信と判定する。
【0063】
車両位置情報取得部22bは、車両位置を示す車両位置情報をGNSS測位部4から取得する。施設位置情報記憶部22cは、割引サービスの対象施設の位置を示す施設位置情報を記憶する。通信エリア判定部22dは、車両位置情報が車両位置情報取得部22bにより取得されると、その取得された車両位置情報と施設位置情報とを照合し、割引サービスの対象施設の通信エリアであるか否かを判定する。通信エリア判定部22dは、車両位置情報により示される車両位置と施設位置情報により示される施設位置との距離差を閾値と照合し、距離差が閾値以下であるか否かを判定する。通信エリア判定部22dは、距離差が閾値以下であると判定すると、割引サービスの対象施設の通信エリアであると判定する。通信エリア判定部22dは、距離差が閾値以下でないと判定すると、割引サービスの対象施設以外の施設の通信エリアであると判定する。
【0064】
適用対象判定部22eは、通信種別が通信種別判定部22aにより判定され、割引サービスの対象施設とのITS通信であるか否かが通信エリア判定部22dにより判定されると、それらの判定結果に基づいて割引サービスの適用対象であるか否かを判定する。即ち、適用対象判定部12dは、
図9に示すように、今回の通信種別がETC通信であり、前回の通信種別がITS通信であり、割引サービスの対象施設の通信エリアであり、前々回の通信種別がETC通信であると、割引サービスの適用対象であることを特定する。
【0065】
通知判定部22fは、割引サービスが適用されたか否かが適用対象判定部22eにより判定されると、その判定結果を車両が進入ゲートを通過した直後に音声出力部8から出力させる。
【0066】
次に、上記した構成の作用について
図10を参照して説明する。
制御部22は、適用対象通知処理を開始すると、今回の通信種別がETC通信であるか否かを判定する(S21)。制御部22は、今回の通信種別がETC通信でないと判定すると(S21:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S28)、適用対象通知処理を終了する。
【0067】
制御部22は、今回の通信種別がETC通信であると判定すると(S21:YES)、前回の通信種別がITS通信であり、且つ割引サービスの対象施設の通信エリアであるか否かを判定する(S22)。制御部22は、前回の通信種別がITS通信でない、又は割引サービスの対象施設の通信エリアでないと判定すると(S22:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S28)、適用対象通知処理を終了する。
【0068】
制御部22は、前回の通信種別がITS通信であり、且つ割引サービスの対象施設の通信エリアであると判定すると(S22:YES)、前々回の通信種別がETC通信であるか否かを判定する(S23)。制御部22は、前々回の通信種別がETC通信でないと判定すると(S23:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S28)、適用対象通知処理を終了する。
【0069】
制御部22は、前々回の通信種別がETC通信であると判定すると(S23:YES)、車両が退出ゲートを通過した時刻から進入ゲートを通過した時刻までの経過時間を一時退出時間として算出する(S24)。制御部22は、一時退出時間と規定時間とを照合し、一時退出時間が規定時間内であるか否かを判定する(S25)。
【0070】
制御部22は、一時退出時間が規定時間内であると判定すると(S25:YES)、割引サービスの適用対象であることを特定し(S26)、割引サービスが適用されたことを示す音声メッセージを出力させ(S27)、適用対象通知処理を終了する。
【0071】
制御部22は、一時退出時間が規定時間内でなく規定時間を超過していると判定すると(S25:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S28)、適用対象通知処理を終了する。上記した適用対象通知処理では、ステップS21~S25が適用対象判定手順に相当し、ステップS27が通知制御手順に相当する。
【0072】
以上に説明したように第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができ、割引サービスの適用対象であるか否かの判定結果をETC車載器21から通知することで、利用者が割引サービスを利用した場合に、割引サービスが適用されたか否かを利用者に速やかに通知することができる。
【0073】
通信種別の判定結果及び割引サービスの対象施設の通信エリアに基づいて割引サービスの適用対象であるか否かを判定するようにした。ナビゲーションシステム15と連携する必要なく、第1実施形態で説明した路側機IDテーブルを用意する必要なく、GNSS測位部4の測位結果を利用することで実現することができる。第2実施形態で説明したナビゲーションシステム15と連携する構成であれば、車両位置情報をナビゲーションシステム15から取得し、その取得した車両位置情報を使用しても良い。
【0074】
(第4実施形態)
第4実施形態について
図11から
図13を参照して説明する。第4実施形態は、施設の路側機から送信されるダウンリンク情報に当該施設が割引サービスの対象施設であることを示す種別コードが含まれていることを利用する構成である。
図11に示すように、ETC車載器31は、GNSSによる測位機能を有する発話型の車載器であり、制御部32と、通信部3と、GNSS測位部4と、カードIF部5と、操作受付部6と、表示部7と、音声出力部8とを備える。通信部3及びGNSS測位部4はアンテナ9を共用する。
【0075】
制御部32は、第1実施形態で説明した制御部2と同様に、マイクロコンピュータを主体として構成されている。制御部32は、非遷移的実体的記憶媒体に格納されている制御プログラムを実行することで当該制御プログラムに対応する処理を実行し、ETC車載器21の動作全般を制御する。
【0076】
制御部32は、通信種別判定部32aと、種別コード判定部32bと、適用対象判定部32cと、通知制御部32dとを有する。これらの各部32a~32dは、割引サービスの適用対象通知プログラムを構成する。
【0077】
通信種別判定部32aは、第2実施形態で説明した通信種別判定部12aと同様に、通信部3による通信種別を判定する。即ち、通信種別判定部32aは、通信部3の通信相手が退出ゲートの路側機又は進入ゲートの路側機である通信をETC通信と判定し、通信部3の通信相手が割引サービスの対象施設の路側機である通信をITS通信と判定する。
【0078】
種別コード判定部32bは、施設の路側機から受信されたダウンリンク情報に当該施設が割引サービスの対象施設であることを示す種別コードが含まれているか否かを判定する。割引サービスの対象施設の路側機から送信されるダウンリンク情報には当該施設が割引サービスの対象施設であることを示す種別コードが含まれるが、割引サービスの対象でない施設の路側機から送信されるダウンリンク情報には種別コードが含まれない。
【0079】
適用対象判定部32cは、通信種別が通信種別判定部32aにより判定され、ダウンリンク情報に当該施設が割引サービスの対象施設であることを示す種別コードが含まれているか否かが種別コード判定部32bにより判定されると、それらの判定結果に基づいて割引サービスの適用対象であるか否かを判定する。即ち、適用対象判定部32cは、
図12に示すように、今回の通信種別がETC通信であり、前回の通信種別がITS通信であり、ダウンリンク情報に種別コードが含まれており、前々回の通信種別がETC通信であると、割引サービスが適用されたと判定する。
【0080】
通知判定部22fは、割引サービスが適用されたか否かが適用対象判定部22eにより判定されると、その判定結果を車両が進入ゲートを通過した直後に音声出力部8から出力させる。
【0081】
次に、上記した構成の作用について
図13を参照して説明する。
制御部32は、適用対象通知処理を開始すると、今回の通信種別がETC通信であるか否かを判定する(S31)。制御部32は、今回の通信種別がETC通信でないと判定すると(S31:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S38)、適用対象通知処理を終了する。
【0082】
制御部32は、今回の通信種別がETC通信であると判定すると(S31:YES)、前回の通信種別がITS通信であり、且つ施設の路側機からITS通信により受信されたダウンリンク情報に種別コードが含まれているか否かを判定する(S32)。制御部32は、前回の通信種別がITS通信でない、又はダウンリンク情報に種別コードが含まれていないと判定すると(S32:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S38)、適用対象通知処理を終了する。
【0083】
制御部32は、前回の通信種別がITS通信であり、且つダウンリンク情報に種別コードが含まれていると判定すると(S32:YES)、前々回の通信種別がETC通信であるか否かを判定する(S33)。制御部32は、前々回の通信種別がETC通信でないと判定すると(S33:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S38)、適用対象通知処理を終了する。
【0084】
制御部32は、前々回の通信種別がETC通信であると判定すると(S33:YES)、車両が退出ゲートを通過した時刻から進入ゲートを通過した時刻までの経過時間を一時退出時間として算出する(S34)。制御部32は、一時退出時間と規定時間とを照合し、一時退出時間が規定時間内であるか否かを判定する(S35)。
【0085】
制御部32は、一時退出時間が規定時間内であると判定すると(S35:YES)、割引サービスの適用対象であることを特定し(S36)、割引サービスが適用されたことを示す音声メッセージを出力させ(S37)、適用対象通知処理を終了する。
【0086】
制御部32は、一時退出時間が規定時間内でなく規定時間を超過していると判定すると(S35:NO)、割引サービスの適用非対象であることを特定し(S38)、適用対象通知処理を終了する。上記した適用対象通知処理では、ステップS31~S35が適用対象判定手順に相当し、ステップS37が通知制御手順に相当する。
【0087】
以上に説明したように第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができ、割引サービスの適用対象であるか否かの判定結果をETC車載器21から通知することで、利用者が割引サービスを利用した場合に、割引サービスが適用されたか否かを利用者に速やかに通知することができる。
【0088】
通信種別の判定結果及びダウンリンク情報に含まれている種別コードに基づいて割引サービスの適用対象であるか否かを判定するようにした。ナビゲーションシステム15と連携する必要なく、第1実施形態で説明した路側機IDテーブルを用意する必要なく、路側機から送信されるダウンリンク情報を利用することで実現することができる。
【0089】
(その他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、更には、それらに一要素のみ、それ以上、或いはそれ以下を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0090】
複数の実施形態のうち幾つかを併用して割引サービスの適用対象であるか否かを判定しても良い。例えば第1実施形態と第2実施形態とを併用し、路側機IDの組み合わせに基づいて割引サービスの適用対象であるか否かを判定する構成と、通信種別の判定結果及び道路種別の判定結果に基づいて割引サービスの適用対象であるか否かを判定する構成とを併用しても良い。
【0091】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータソフトウェアにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにソフトウェアされたプロセッサ及びメモリを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。或いは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によりプロセッサを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。若しくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにソフトウェアされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路により構成されたプロセッサとの組み合わせに基づいて構成された一つ以上の専用コンピュータにより実現されても良い。又、コンピュータソフトウェアは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていても良い。
【符号の説明】
【0092】
図面中、1,11,21,31はETC車載器、2,12,22,32は制御部、3は通信部、2aは路側機ID記憶部、12aは通信種別判定部、12bは道路情報取得部、12cは道路種別判定部、22aは通信種別判定部、22bは車両位置情報取得部、22cは施設位置情報記憶部、22dは通信エリア判定部、32aは通信種別判定部、32bは種別コード判定部、2b,12d,22e,32cは適用対象判定部、2c,12e,22f,32dは通知制御部である。