(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152308
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】車載器及び割引サービスの適用時間情報通知プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20241018BHJP
【FI】
G07B15/00 M
G07B15/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066423
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】永田 篤史
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA05
3E127CA13
3E127CA18
3E127CA37
3E127CA47
3E127CA51
3E127DA20
3E127DA21
3E127EA03
3E127EA21
3E127EA33
(57)【要約】
【課題】利用者が一時退出割引サービスを利用する場合に、割引サービスの適用時間に関する時間情報を利用者に適切に通知する。
【解決手段】車載器1は、自動料金収受システムの一時退出割引サービスに対応する。車載器は、有料道路の退出ゲートの路側機及び有料道路外の一時退出割引サービスの対象施設の路側機と通信する通信部3と、通信部と退出ゲートの路側機との通信に応じて車両が退出ゲートを通過した時刻を退出時刻として記憶する退出時刻記憶部2aと、規定時間を取得する規定時間取得部2bと、規定時間を記憶する規定時間記憶部2cと、少なくとも退出時刻と割引サービスの適用時間とに基づいたサービスの適用時間に関する時間情報を算出する時間情報算出部2eと、時間情報を通知部から通知させる通知制御部2fと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動料金収受システムの一時退出割引サービスに対応する車載器(1,21)であって、
有料道路の退出ゲートの路側機及び有料道路外の一時退出割引サービスの対象施設の路側機と通信する通信部(3)と、
前記通信部と前記退出ゲートの路側機との通信に応じて車両が退出ゲートを通過した時刻を退出時刻として記憶する退出時刻記憶部(2a,22a)と、
予め定められている規定時間を取得する規定時間取得部(2b,22b)と、
前記規定時間を記憶する規定時間記憶部(2c,22c)と、
少なくとも前記退出時刻と前記規定時間とに基づいて割引サービスの適用時間に関する時間情報を算出する時間情報算出部(2e,22e)と、
前記時間情報を通知部から通知させる通知制御部(2f、22f)と、を備える車載器。
【請求項2】
自器が保持する時刻を自器時刻として取得する自器時刻取得部(2d)を備え、
前記時間情報算出部は、前記時間情報として、前記退出時刻に前記規定時間を加えた時刻から前記自器時刻を差し引いた残り適用時間を算出する請求項1に記載した車載器(1)。
【請求項3】
外部機器が保持する時刻を外部機器時刻として取得する外部機器時刻取得部(22d)を備え、
前記時間情報算出部は、前記時間情報として、前記退出時刻に前記規定時間を加えた時刻から前記外部機器時刻を差し引いた時間である残り適用時間を算出する請求項1に記載した車載器(21)。
【請求項4】
前記時間情報算出部は、前記時間情報として、前記退出時刻に前記規定時間を加えた適用可能時刻を算出する請求項1に記載した車載器。
【請求項5】
時間情報算出部は、前記時間情報を、前記退出時刻及び前記規定時間が記憶された後であって機器電源が最初にオンからオフへ切り替わったタイミングで算出する請求項1に記載した車載器。
【請求項6】
時間情報算出部は、前記時間情報を、前記退出時刻及び前記規定時間が記憶された後であって機器電源が最初にオンからオフへ切り替わったタイミングで算出する請求項1に記載した車載器。
【請求項7】
自動料金収受システムの一時退出割引サービスに対応し、有料道路の退出ゲートの路側機及び有料道路外の一時退出割引サービスの対象施設の路側機と通信する通信部を備える車載器(1,21)の制御部(2,22)に、
前記通信部と前記退出ゲートの路側機との通信に応じて車両が退出ゲートを通過した時刻を退出時刻として記憶する退出時刻記憶手順と、
予め定められている規定時間を取得する規定時間取得手順と、
前記規定時間を記憶する規定時間記憶手順と、
少なくとも前記退出時刻と前記規定時間とに基づいて割引サービスの適用時間に関する時間情報を算出する時間情報算出手順と、
前記時間情報を通知部から通知させる通知制御手順と、を実行させる割引サービスの適用時間情報通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器及び割引サービスの適用時間情報通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路における渋滞緩和の一つの手段として、自動料金収受システム(以下、ETC(Electronic Toll Collection)システムと称する)が実用化されている。ETCは登録商標である。ETCシステムは、車両に搭載されているETC車載器と、料金所の各車線に設置されている路側機とが通信を行うことで、進入ゲート及び退出ゲートをノンストップで通過しながら料金収受を可能としている。
【0003】
近年では、利用者へのサービスの一つとして、一時退出割引サービス(以下、割引サービスと称する場合がある)が実用化されている。一時退出割引サービスとは、車両が有料道路のインターチェンジから一旦退出して予め指定されている割引サービスの対象施設に立ち寄り、予め定められている規定時間内に同一のインターチェンジから有料道路へ再進入した場合に、有料道路から退出しなかったと見做なすことで、インターチェンジから退出せずに施設に立ち寄らなかった場合の料金を適用するサービスである。
【0004】
従来、利用者においては、割引サービスを利用する場合に、割引サービスの適用時間に関する時間情報を確認することができなかった。その一方、利用者によっては、割引サービスの適用時間に関する時間情報を確認したい要求がある場合もあり得る。例えば特許文献1には、ETC車載器とナビゲーションシステムとが連携し、車両が有料道路から一旦退出してから有料道路へ再進入しなければならない時間に基づいて施設の表示態様を変更する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成では、施設の表示態様を変更するに過ぎず、割引サービスの適用時間に関する時間情報を確認したいという利用者の要求に応じることはできない。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者が一時退出割引サービスを利用する場合に、割引サービスの適用時間に関する時間情報を利用者に適切に通知することができる車載器及び割引サービスの適用時間情報通知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、自動料金収受システムの一時退出割引サービスに対応する。通信部(3)は、有料道路の退出ゲートの路側機及び有料道路外の一時退出割引サービスの対象施設の路側機と通信する。退出時刻記憶部(2a,22a)は、前記通信部と前記退出ゲートの路側機との通信に応じて車両が退出ゲートを通過した時刻を退出時刻として記憶する。規定時間取得部(2b,22b)は、予め定められている規定時間を取得する。規定時間記憶部(2c,22c)は、前記規定時間を記憶する。時間情報算出部(2e,22e)は、少なくとも前記退出時刻と前記規定時間とに基づいて割引サービスの適用時間に関する時間情報を算出する。通知制御部(2f、22f)は、前記時間情報を通知部から通知させる。
【0009】
少なくとも車両が退出ゲートを通過した時刻である退出時刻と予め定められている規定時間とに基づいて割引サービスの適用時間に関する時間情報を算出し、その算出した時間情報を通知するようにした。利用者が一時退出割引サービスを利用する場合に、割引サービスの適用時間に関する時間情報を利用者に適切に通知することができる。利用者は、割引サービスの適用時間に関する時間情報を確認することができ、これ以降の行動計画に有効に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、複数の実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す各実施形態において、先行する実施形態で説明した内容に対応する部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略することがある。
【0012】
(第1実施形態)
第1実施形態について
図1から
図7を参照して説明する。ETC車載器1(車載器に相当する)は、ETC2.0に対応し、一時退出割引サービスに対応する。即ち、
図2に示すように、ETC車載器1を搭載した車両Aが有料道路のインターチェンジから一旦退出して予め指定されているサービスの対象施設に立ち寄り、予め定められている規定時間内に同一のインターチェンジから有料道路へ再進入した場合に、有料道路から退出しなかったと見做なすことで、インターチェンジから退出せずに施設に立ち寄らなかった場合の料金を適用する。
【0013】
この場合、車両Aが有料道路からの退出時にETC車載器1が退出ゲートの路側機51とETC通信し、車両Aが施設への進入時にETC車載器1が施設の路側機52とITS(Intelligent Transport Systems)通信し、車両Aが有料道路への進入時にETC車載器1が進入ゲートの路側機53とETC通信する。料金収受を管理する管理センターでは、車載器1の通信履歴を記録し、規定時間内に同一のインターチェンジから有料道路へ再進入したか否かを判定する。規定時間内に再進入していれば、インターチェンジから退出せずに施設に立ち寄らなかった場合の料金を適用し、規定時間を超過して再進入していれば、インターチェンジから退出して再進入した場合の料金を適用する。尚、規定時間は、ETC車載器1に予め登録されていても良いし、施設の路側機52から受信されるダウンリンク情報から抽出されても良い。
【0014】
図1に示すように、ETC車載器1は、GNSS(Global Navigation Satellite System)による測位機能を有する発話型の車載器であり、制御部2と、通信部3と、GNSS測位部4と、カードIF部5と、操作受付部6と、表示部7と、音声出力部8、Bluetooth(以下、BTと称する)9とを備える。Bluetoothは登録商標である。通信部3及びGNSS測位部4はアンテナ10を共用する。
【0015】
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びI/O(Input/Output)等を有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。制御部2は、非遷移的実体的記憶媒体に格納されている制御プログラムを実行することで当該制御プログラムに対応する処理を実行し、ETC車載器1の動作全般を制御する。
【0016】
通信部3は、アンテナ10により受信された受信信号に対して増幅、周波数変換、復調及びA/D変換等の処理を行い、受信信号から抽出したデータを制御部2へ出力する。通信部3は、制御部2から入力したデータに対してD/A変換、変調、周波数変換及び増幅等の処理を行い、データを格納した送信信号をアンテナ10へ出力する。尚、通信部3は、周波数変換、変調及び復調の処理を、DSRC(Dedicated Short Range Communications)の通信規格に準拠して行う。通信部3は、上記した処理により通信圏内にある路側機との信号の送受信を制御する。
【0017】
GNSS測位部4は、天空を周回するGNSS衛星から送信されたGNSS信号がアンテナ10により受信されると、その受信されたGNSS信号から各種パラメータを演算して測位し、測位結果を車両位置情報として制御部2へ出力する。GNSS測位部4から制御部2へ出力される測位結果には車両位置情報に加えて時刻情報も含まれる。
【0018】
カードIF部5は、ETC用のICカード11が脱着可能に挿入されるカードスロットを含み、ICカード11が正常に挿入されることで当該ICカード11と物理的及び電気的に接続される。ICカード11は、課金を行うための認証情報や課金の履歴情報のデータを記憶可能な電子カードであり、いわゆるETCカードと称される場合がある。カードIF部5は、ICカード11が正常に挿入されると、ICカード11に記録されているデータを当該ICカード11から読み出すと共に、データを当該ICカード11へ書き込む。
【0019】
ICカード11は、CPU、RAM、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等を有し、制御部2からカードIF部5を介して読み出しコマンドや書き込みコマンド等を入力することに応じてEEPROMからのデータの読み出しやEEPROMへのデータの書き込み等を行う。
【0020】
操作受付部6は、利用者の操作を受け付けて検知すると、その操作内容を示す操作検知信号を制御部2へ出力する。
【0021】
表示部7は、例えばLEDである。制御部2は、表示指示信号を表示部7へ出力し、表示指示信号にしたがって表示部7を点灯又は点滅させる。制御部2は、例えばICカード11の挿入が正常である場合には表示部7を緑点灯させ、ICカード11の挿入が異常である場合には表示部7を赤点灯させる。
【0022】
音声出力部8は、例えばスピーカである。制御部2は、音声出力指示信号を音声出力部8へ出力し、音声出力指示信号にしたがって音声を音声出力部8から出力させる。制御部2は、例えばICカード11の挿入が正常である場合にはICカード11の挿入が正常であることを示す音声メッセージを音声出力部8から出力させ、ICカード11の挿入が異常である場合にはICカード11の挿入が異常であることを示す音声メッセージを音声出力部8から出力させる。
【0023】
BT通信部9は、BTの通信規格に準拠し、BT通信圏内に存在するスマートフォン等の携帯情報端末12との信号の送受信を制御する。尚、ETC車載器1と携帯情報端末12との通信は、BT通信に限らず、例えばWiFi通信等の他の通信規格に準拠する通信であっても良い。WiFiは登録商標である。
【0024】
制御部2は、退出時刻記憶部2aと、規定時間取得部2bと、規定時間記憶部2cと、自器時刻取得部2dと、時間情報算出部2eと、通知制御部2fとを有する。これらの各部2a~2fは、割引サービスの適用時間情報通知プログラムを構成する。
退出時刻記憶部2aは、通信部3と退出ゲートの路側機とのETC通信に応じて車両が退出ゲートを通過した時刻を退出時刻として記憶する。
【0025】
割引サービスの対象施設の路側機から送信されるダウンリンク情報には、規定時間を示すコード情報が格納されており、規定時間取得部2bは、割引サービスの対象施設の路側機から送信されたダウンリンク情報が通信部3により受信されると、その受信されたダウンリンク情報からコード情報を特定することで規定時間を取得する。
【0026】
規定時間記憶部2cは、規定時間が規定時間取得部2bにより取得されると、その取得された規定時間を記憶する。自器時刻取得部2dは、GNSS測位部4から入力する測位結果に含まれる時刻情報により示される時刻を自器時刻として取得する。
【0027】
時間情報算出部2eは、上記した退出時刻、規定時間及び自器時刻に基づいて割引サービスの適用時間に関する時間情報として残り適用時間及び適用可能時刻を算出する。時間情報算出部2eは、残り適用時間及び適用可能時刻をそれぞれ以下の計算式にしたがって算出する。
残り適用時間=退出時刻+規定時間-自器時刻
適用可能時刻=退出時刻+規定時間
【0028】
通知制御部2fは、割引サービスの適用時間に関する時間情報が時間情報算出部2eにより算出されると、ETC車載器1と携帯情報端末12とが通信可能な状況であれば、その算出された割引サービスの適用時間に関する時間情報を車載器電源のオンオフの切り替えタイミングで携帯情報端末12に表示させる。この場合、車載器電源のオンオフの切り替えは、例えばエンジン自動車であればイグニッション(IG)電源のオンオフの切り替えに連動し、電気自動車であればEV(Electric Vehicle)システムのオンオフの切り替えに連動する。即ち、通知制御部2fは、割引サービスの適用時間に関する時間情報を利用者が降車するタイミングや乗車したタイミングで携帯情報端末12に表示させる。
【0029】
次に、上記した構成の作用について
図3から
図7を参照して説明する。尚、ここでは、車両が有料道路のインターチェンジから一旦退出して予め指定されている割引サービスの対象施設に立ち寄ることを前提として説明する。
【0030】
ETC車載器1において、制御部2は、車両が退出ゲートを通過したか否かを判定する(S1)。制御部2は、通信部3と退出ゲートの路側機とのETC通信が成立し、車両が退出ゲートを通過したと判定すると(S1:YES)、その時点の時刻を退出時刻として記憶する(S2、退出時刻記憶手順に相当する)。制御部2は、退出時刻を記憶すると、車両が割引サービスの対象施設へ進入したか否かを判定する(S3)。
【0031】
制御部2は、通信部3と割引サービスの対象施設の路側機とのITS通信が成立し、車両が割引サービスの対象施設へ進入したと判定すると(S3:YES)、割引サービスの対象施設の路側機から送信されたダウンリンク情報からコード情報を特定し、その特定したコード情報から規定時間を取得し(S4、規定時間取得手順に相当する)、その取得した規定時間を記憶する(S5、規定時間記憶手順に相当する)。制御部2は、規定時間を記憶すると、車載器電源のオンからオフへの切り替えを待機する(S6)。
【0032】
制御部2は、車載器電源がオンからオフへ切り替わったと判定すると(S6:YES)、割引サービスの適用時間に関する時間情報を算出し(S7、時間情報算出手順に相当する)、その算出した時間情報を携帯情報端末12に表示させる(S8、通知制御手順に相当する)。制御部2は、残り適用時間を算出する場合、例えば退出時刻が「12:05」、規定時間が「3時間」、自器時刻が「12:15」であれば、残り適用時間として「2時間50分」を算出し、
図4に示すように、その算出した残り適用時間を携帯情報端末12の表示部13に表示させる。制御部2は、適用可能時刻を算出する場合、例えば退出時刻が「12:05」、規定時間が「3時間」、自器時刻が「12:15」であれば、残り適用時間として「15:05」を算出し、
図5に示すように、その算出した適用可能時刻を携帯情報端末12の表示部13に表示させる。即ち、利用者は、降車するタイミングで携帯情報端末12に表示される残り適用時間や適用可能時刻を確認することができ、施設での行動計画に有効に役立てることができる。
【0033】
制御部2は、車載器電源のオフからオンへの切り替えを待機する(S9)。制御部2は、車載器電源がオフからオンへ切り替わったと判定すると(S9:YES)、サービスの適用時間に関する時間情報を算出し(S10、時間情報算出手順に相当する)、その算出した時間情報を携帯情報端末12に表示させる(S11、通知制御手順に相当する)。制御部2は、残り適用時間を算出する場合、例えば退出時刻が「12:05」、規定時間が「3時間」、自器時刻が「15:00」であり、即ち、利用者が降車してから「2時間45分」が経過していれば、残り適用時間として「0時間05分」を算出し、
図6に示すように、その算出した残り適用時間を携帯情報端末12の表示部13に表示させる。制御部2は、適用可能時刻を算出する場合は、車載器電源のオンからオフへの切り替え時と同様であり、
図7に示すように、その算出した適用可能時刻を携帯情報端末12の表示部13に表示させる。即ち、利用者は、乗車したタイミングで携帯情報端末12に表示される残り適用時間や適用可能時刻を確認することができ、割引サービスを受けるために進入ゲートを通過するまでの余裕度を確認することができる。
【0034】
以上は、割引サービスの適用時間に関する時間情報を携帯情報端末12の表示部13に表示させる構成を例示したが、割引サービスの適用時間に関する時間情報を示す音声メッセージを音声出力部8から出力させても良い。又、表示による通知と音声メッセージの出力による通知とを併用しても良い。利用者によっては携帯情報端末12の表示部13を確認する動作が煩わしいと感じる場合もあり、割引サービスの適用時間に関する時間情報を示す音声メッセージを出力させることで、携帯情報端末12の表示部13を確認する動作を不要とすることができる。又、利用者が乗車して直ぐに運転を開始する場合を想定すると、利用者が運転中に割引サービスの適用時間に関する時間情報を携帯情報端末12の表示部13に表示させる構成では、利用者の目線が車両前方から外れることになり、好ましくない。一方、サービスの適用時間に関する時間情報を示す音声メッセージを音声出力部8から出力させる構成では、利用者の目線が車両前方から外れることなく通知することができる。
【0035】
以上に説明したように第1実施形態によれば、以下に示す作用効果を得ることができる。ETC車載器1において、車両が退出ゲートを通過した時刻である退出時刻と予め定められている規定時間とに基づいて割引サービスの適用時間に関する時間情報を算出し、その算出した時間情報を通知するようにした。利用者が割引サービスを利用する場合に、割引サービスの適用時間に関する時間情報を利用者に適切に通知することができる。利用者は、割引サービスの適用時間に関する時間情報を確認することができ、これ以降の行動計画に有効に役立てることができる。
【0036】
携帯情報端末12と連携し、割引サービスの適用時間に関する時間情報を携帯情報端末12に表示させることで、利用者が降車して車両から離れた後でも利用者が携帯情報端末12を携帯していれば適切に通知することができる。
【0037】
割引サービスの適用時間に関する時間情報として、退出時刻に規定時間を加えた時刻から自器時刻を差し引いた残り適用時間を算出するようにした。割引サービスの残り適用時間を利用者に適切に通知することができる。
【0038】
割引サービスの適用時間に関する時間情報として、退出時刻に規定時間を加えた適用可能時刻を算出するようにした。割引サービスの適用可能時刻を利用者に適切に通知することができる。
【0039】
割引サービスの適用時間に関する時間情報を、退出時刻及び規定時間が記憶された後であって車載器電源が最初にオンからオフへ切り替わったタイミングで算出するようにした。割引サービスの適用時間に関する時間情報を利用者が降車するタイミングで通知することができる。
【0040】
割引サービスの適用時間に関する時間情報を、退出時刻及び規定時間が記憶された後であって車載器電源が最初にオフからオンへ切り替わったタイミングで算出するようにした。割引サービスの適用時間に関する時間情報を利用者が乗車したタイミングで通知することができる。
【0041】
(第2実施形態)
第2実施形態について
図8から
図12を参照して説明する。第2実施形態は、ナビゲーションシステムと連携する構成である。
【0042】
図8に示すように、ETC車載器21は、ナビゲーションシステムと連携するナビ連携型の車載器であり、制御部22と、通信部3と、GNSS測位部4と、カードIF部5と、操作受付部6と、表示部7と、音声出力部8と、ナビIF部23とを備える。通信部3及びGNSS測位部4はアンテナ10を共用する。
【0043】
制御部22は、第1実施形態で説明した制御部2と同様に、マイクロコンピュータを主体として構成されている。制御部22は、非遷移的実体的記憶媒体に格納されている制御プログラムを実行することで当該制御プログラムに対応する処理を実行し、ETC車載器21の動作全般を制御する。
【0044】
ナビIF部23は、USBケーブル24を介してナビゲーションシステム25にデータ通信可能に接続され、ナビゲーションシステム25と各種データを送受信する。ナビゲーションシステム25は、例えばGNSS信号から各種パラメータを演算して測位する機能、GNSS信号に基づいた測位結果をGセンサの検知結果等により補正する機能、車両位置に対応する地図データを特定する機能、利用者の操作を受け付けて目的地を設定する機能、車両位置から目的地までの経路を計算する機能、車両位置から目的地までの所要時間を計算する機能、経路にしたがって車両を誘導する機能等、周知のナビゲーションに関与する機能を有する。
【0045】
制御部22は、退出時刻記憶部22aと、規定時間取得部22bと、規定時間記憶部22cと、外部機器時刻取得部22dと、時間情報算出部22eと、通知制御部22fとを有する。これらの各部22a~22fは、割引サービスの適用時間情報通知プログラムを構成する。退出時刻記憶部22a、規定時間取得部22b、規定時間記憶部22c、通知制御部22fは、それぞれ退出時刻記憶部2a、規定時間取得部2b、規定時間記憶部2c、通知制御部2fと同等である。
【0046】
外部機器時刻取得部22dは、ナビゲーションシステム25で計測する時刻をナビ時刻として取得する。
【0047】
時間情報算出部22eは、上記した退出時刻、規定時間及びナビ時刻に基づいて割引サービスの適用時間に関する時間情報として残り適用時間及び適用可能時刻を算出する。時間情報算出部22eは、残り適用時間及び適用可能時刻をそれぞれ以下の計算式にしたがって算出する。
残り適用時間=退出時刻+規定時間-ナビ時刻
適用可能時刻=退出時刻+規定時間
【0048】
制御部22は、車載器電源がオンからオフへ切り替わったと判定すると、割引サービスの適用時間に関する時間情報を算出し、その算出した時間情報をナビゲーションシステム25に表示させる。制御部22は、残り適用時間を算出する場合、例えば退出時刻が「12:05」、規定時間が「3時間」、ナビ時刻が「12:15」であれば、残り適用時間として「2時間50分」を算出し、
図9に示すように、その算出した残り適用時間をナビゲーションシステム25の表示装置26の表示部27にポップアップ表示させる。制御部22は、適用可能時刻を算出する場合、例えば退出時刻が「12:05」、規定時間が「3時間」、ナビ時刻が「12:15」であれば、残り適用時間として「15:05」を算出し、
図10に示すように、その算出した適用可能時刻をナビゲーションシステム25の表示装置26の表示部27にポップアップ表示させる。
【0049】
制御部22は、車載器電源がオフからオンへ切り替わったと判定すると、サービスの適用時間に関する時間情報を算出し、その算出した時間情報をナビゲーションシステム25に表示させる。制御部22は、残り適用時間を算出する場合、例えば退出時刻が「12:05」、規定時間が「3時間」、ナビ時刻が「15:00」であり、即ち、利用者が降車してから「2時間45分」が経過していれば、残り適用時間として「0時間05分」を算出し、
図11に示すように、その算出した残り適用時間をナビゲーションシステム25の表示装置26の表示部27にポップアップ表示させる。制御部2は、適用可能時刻を算出する場合は、車載器電源のオンからオフへの切り替え時と同様であり、
図12に示すように、その算出した適用可能時刻をナビゲーションシステム25の表示装置26の表示部27にポップアップ表示させる。
【0050】
以上に説明したように第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができ、利用者が割引サービスを利用する場合に、割引サービスの適用時間に関する時間情報を利用者に適切に通知することができる。
【0051】
ナビゲーションシステム25と連携し、ナビ時刻を利用することで、計時機能を有さないETC車載器でも対応することができる。
【0052】
(その他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、更には、それらに一要素のみ、それ以上、或いはそれ以下を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0053】
第1実施形態と第2実施形態とを併用し、割引サービスの適用時間に関する時間情報を携帯情報端末12に表示させる構成と、割引サービスの適用時間に関する時間情報をナビゲーションシステム25に表示させる構成とを併用しても良い。又、利用者が何れかを選択可能にしても良い。
【0054】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータソフトウェアにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにソフトウェアされたプロセッサ及びメモリを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。或いは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によりプロセッサを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。若しくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにソフトウェアされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路により構成されたプロセッサとの組み合わせに基づいて構成された一つ以上の専用コンピュータにより実現されても良い。又、コンピュータソフトウェアは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていても良い。
【符号の説明】
【0055】
図面中、1,21はETC車載器、2,12は制御部、3は通信部、2a,22aは退出時刻記憶部、2b,22bは規定時間取得部、2c,22cは規定時間記憶部、2dは自器時刻取得部、22dは外部機器時刻取得部、2e,22eは時間情報算出部、2f、22fは通知制御部である。