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特開2024-152316ソーラーパネル検査用学習モデル作成方法、ソーラーパネル検査方法、ソーラーパネル検査用学習モデル作成装置およびソーラーパネル検査装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152316
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】ソーラーパネル検査用学習モデル作成方法、ソーラーパネル検査方法、ソーラーパネル検査用学習モデル作成装置およびソーラーパネル検査装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20241018BHJP
   G06T 7/12 20170101ALI20241018BHJP
【FI】
G06T7/00 350B
G06T7/00 640
G06T7/12
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066434
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】513087677
【氏名又は名称】PCIソリューションズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518209023
【氏名又は名称】日本グリーン電力開発株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】523114143
【氏名又は名称】データステップス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】古賀 淳也
(72)【発明者】
【氏名】野口 雅之
(72)【発明者】
【氏名】君塚 健太
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA03
5L096CA02
5L096DA01
5L096DA02
5L096EA12
5L096EA13
5L096EA35
5L096EA43
5L096FA05
5L096FA06
5L096FA12
5L096FA52
5L096FA54
5L096FA64
5L096FA69
5L096GA08
5L096GA19
5L096GA51
5L096GA55
5L096HA11
5L096JA11
5L096KA04
5L096MA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ソーラーパネルの異常の有無を検査するソーラーパネル検査用学習モデルを的確に作成するソーラーパネル検査用学習モデル作成方法およびソーラーパネル検査方法を提供する。
【解決手段】ソーラーファームにおいて、ソーラーアレイの撮像画像に基づいてソーラーパネルの4頂点を割り出し、4頂点に基づいて個々のソーラーパネルの可視光画像を切り出して、各ソーラーパネルの正規化画像を作成する。ソーラーパネル検査用学習モデル作成方法では、異常無しのソーラーパネルの正規化画像を入力画像に用いて、入力画像と出力画像との差分が小さくなるように未学習VAEモデル46に対し機械学習を実施する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象ソーラーパネルの可視光画像の入力画像に基づいて出力画像を生成するソーラーパネル検査用学習モデルの作成方法であって、
複数のソーラーパネルを含む元可視光画像に基づいて各ソーラーパネルの4頂点を割り出し、前記元可視光画像から前記4頂点に基づいて個々のソーラーパネルについての複数のパネル可視光画像を切り出し、各パネル可視光画像を正規化した複数の正規化画像を作成するステップと、
前記ソーラーパネル検査用学習モデルに対し、前記複数の正規化画像のうち異常無しのソーラーパネルの正規化画像を入力画像として入力し、前記入力画像と出力画像との差分が小さくなるように機械学習を実施して、前記ソーラーパネル検査用学習モデルを定義する重みパラメータを調整するステップと、
を備える、ソーラーパネル検査用学習モデル作成方法。
【請求項2】
前記4頂点の割り出しは、前記元可視光画像の二値化画像に基づいて行う、請求項1記載のソーラーパネル検査用学習モデル作成方法。
【請求項3】
前記割り出した4頂点は、
前記元可視光画像に対してサイズの異なる複数の平均化フィルタのそれぞれによる平均化処理により複数の平均化画像を生成し、
次に、各平均化画像に対して画素値についての複数の閾値のそれぞれによる二値化処理により前記二値化画像を複数生成し、
次に、前記複数の二値化画像の各々において、連続的または準連続的に配置されている低輝度画素群または高輝度画素群で囲まれた部分の輪郭を多角形として検出し、その多角形の頂点が4つである組を選択し、
前記選択した組の4頂点に基づいて決定する、請求項2記載のソーラーパネル検査用学習モデル作成方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のソーラーパネル検査用学習モデル作成方法と、
前記ソーラーパネル検査用学習モデルに対し、検査対象ソーラーパネルの入力画像を入力して出力画像を出力させる工程と、
前記入力画像と前記出力画像との差分に基づき前記検査対象ソーラーパネルについての異常状態を認識する工程と、
を備える、ソーラーパネル検査方法。
【請求項5】
前記異常状態の認識は、前記入力画像と前記出力画像との差分画像における各画素の差分輝度に基づくものである、請求項4記載のソーラーパネル検査方法。
【請求項6】
前記検査対象ソーラーパネルの可視光のパネル画像を含む撮像画像において前記パネル画像を内側に含みかつ前記パネル画像より広い四角形の角検出画像を設定する工程と、
各々が、前記角検出画像の4つの対応隅部に対応付けて設けられ、前記角検出画像の対応辺に沿う辺領域の輝度を低下させ該辺領域の内側に隣接する内側領域の輝度を増加させる計4個の角検出フィルタの各々を前記角検出画像に適用して4つのフィルタ処理画像を生成する工程と、
各フィルタ処理画像に対し適用された前記角検出フィルタに対応する隅部に頂点探索領域を設定し、該頂点探索領域における最高輝度のピクセルの位置に基づいて前記撮像画像からの前記パネル画像の切り出し用の頂点を検出する工程と、
を備える請求項4記載のソーラーパネル検査方法。
【請求項7】
検査対象ソーラーパネルの可視光画像の入力画像に基づいて出力画像を生成するソーラーパネル検査用学習モデルの作成装置であって、
複数のソーラーパネルを含む元可視光画像に基づいて各ソーラーパネルの4頂点を割り出し、前記元可視光画像から前記4頂点に基づいて個々のソーラーパネルについての複数のパネル可視光画像を切り出し、各パネル可視光画像を正規化した複数の正規化画像を作成する正規化画像作成部と、
前記ソーラーパネル検査用学習モデルに対し、前記複数の正規化画像のうち異常無しのソーラーパネルの正規化画像を入力画像として入力し、前記入力画像と出力画像との差分が小さくなるように機械学習を実施して、前記ソーラーパネル検査用学習モデルを定義する重みパラメータを調整するパラメータ調整部と、
を備える、ソーラーパネル検査用学習モデル作成装置。
【請求項8】
請求項7記載のソーラーパネル検査用学習モデル作成装置の前記ソーラーパネル検査用学習モデルと、
前記ソーラーパネル検査用学習モデルに対し、検査対象ソーラーパネルの入力画像を入力して出力画像を出力させるモデル制御部と、
前記入力画像と前記出力画像との差分に基づき前記検査対象ソーラーパネルについての異常状態を認識する認識部と、
を備える、ソーラーパネル検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AI(Artificial Intelligence/人工知能)を用いたソーラーパネル検査用学習モデル作成方法、ソーラーパネル検査方法、ソーラーパネル検査用学習モデル作成装置およびソーラーパネル検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化対策として太陽光発電が注目されている。太陽光発電では、複数のソーラーパネルを装備するソーラーアレイが所定のサイトに設置される。ソーラーパネルは、設置後、種々の異常が発生する。このような異常には、例えば、傷、割れ、汚れ、亀裂、さらには電柱や雑草による影などがある。これらの異常は、放置すると、ソーラーパネルの発電力の低下だけでなく、損傷の増大に繋がることもあるので、異常を監視し、異常が発見されたときには、速やかに対処する必要がある。
【0003】
特許文献1は、赤外線カメラを搭載した飛行体(例:ラジコンヘリコプター)をソーラーパネルの設置サイトの上空に飛ばして、赤外線カメラから地上のソーラーパネルを撮影し、その赤外線撮影画像に基づいてソーラーパネルのホットスポットの有無を調べるソーラーパネル故障診断システムを開示している。
【0004】
特許文献2は、照射部と受信部と演算部とを搭載した飛行体(例:ドローン)をソーラーパネルの設置サイトの上空に飛ばして、照射部から地上のソーラーパネルに向けて検査光を出射するとともに、ソーラーパネルからの反射光を受信部で受信し、演算装置で照射光光軸と反射光光軸との差分に基づいてソーラーパネルの破損の有無を検査する検査装置を開示する。
【0005】
特許文献3は、ソーラーパネル外観監視装置を開示する。この装置では、地上に設置された監視カメラでソーラーパネルに異物(例:飛来物やつる草)が無い状態で一定期間撮影したソーラーパネル画像群と、異物を一定期間撮影した異物画像群とに基づいて識別器を構築し、監視時は、監視カメラの撮影画像を識別器により検査して、ソーラーパネルにおける異物の存否を判断する。識別器には、例えばRandom Forestsが選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-146371号公報
【特許文献2】特開2019-100958号公報
【特許文献3】特開2016-205910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のソーラーパネル故障診断システムは、赤外線画像からソーラーパネルのホットポイントの異常の有無は検査できるものの、物理的な損傷や草木の成長による影などは目視の検査が必要となる。
【0008】
特許文献2の検査装置は、ソーラーパネルについて物理的な損傷や草木の成長による影などを検査できたとしても、複数のソーラーパネルを1つずつ狙いを定めて順番に検査光を照射していく必要があり、手間がかかるとともに、作業時間が長くなる。
【0009】
特許文献3のソーラーパネル外観監視装置は、識別器の構築のために、ソーラーパネルと異物とのそれぞれについて一定期間撮影した画像が必要となる。また、異物の種類は多いので、異物の種類別の画像を収集するために、手間がかかるとともに、ソーラーパネル自体の割れ目や曇りなどの、異物以外による異常の検出は困難である。
【0010】
一方、ソーラーパネルが異常であるか否かを機械学習の学習モデルに検査させる場合、訓練学習用にソーラーパネルの画像を収集する必要がある。ソーラーパネルは、一般にソーラーアレイに組み込まれているので、ソーラーアレイを空撮し、空撮画像から複数のソーラーパネルを切り出すのが能率的であるのは言うまでもない。しかしながら、特許文献1-3は、多数のソーラーパネルをまとめて撮影したソーラーアレイ画像等の元画像からソーラーパネルを個々に切り出す具体的な仕方についての開示や示唆はない。
【0011】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、ソーラーパネルの異常の有無を検査する的確なソーラーパネル検査用学習モデルを作成するーラーパネル検査用学習モデル作成方法、ソーラーパネル検査方法、ソーラーパネル検査用学習モデル作成装置およびソーラーパネル検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のソーラーパネル検査用学習モデル作成方法は、
検査対象ソーラーパネルの可視光画像の入力画像に基づいて出力画像を生成するソーラーパネル検査用学習モデルの作成方法であって、
複数のソーラーパネルを含む元可視光画像に基づいて各ソーラーパネルの4頂点を割り出し、前記元可視光画像から前記4頂点に基づいて個々のソーラーパネルについての複数のパネル可視光画像を切り出し、各パネル可視光画像を正規化した複数の正規化画像を作成するステップと、
前記ソーラーパネル検査用学習モデルに対し、前記複数の正規化画像のうち異常無しのソーラーパネルの正規化画像を入力画像として入力し、前記入力画像と出力画像との差分が小さくなるように機械学習を実施して、前記ソーラーパネル検査用学習モデルを定義する重みパラメータを調整するステップと、
を備える。
【0013】
本発明のソーラーパネル検査方法は、
前記ソーラーパネル検査用学習モデル作成方法と、
前記ソーラーパネル検査用学習モデルに対し、検査対象ソーラーパネルの入力画像を入力して出力画像を出力させる工程と、
前記入力画像と前記出力画像との差分に基づき前記検査対象ソーラーパネルについての異常状態を認識する工程と、
を備える。
【0014】
本発明のソーラーパネル検査用学習モデル作成装置は、
検査対象ソーラーパネルの可視光画像の入力画像に基づいて出力画像を生成するソーラーパネル検査用学習モデルの作成装置であって、
複数のソーラーパネルを含む元可視光画像に基づいて各ソーラーパネルの4頂点を割り出し、前記元可視光画像から前記4頂点に基づいて個々のソーラーパネルについての複数のパネル可視光画像を切り出し、各パネル可視光画像を正規化した複数の正規化画像を作成する正規化画像作成部と、
前記ソーラーパネル検査用学習モデルに対し、前記複数の正規化画像のうち異常無しのソーラーパネルの正規化画像を入力画像として入力し、前記入力画像と出力画像との差分が小さくなるように機械学習を実施して、前記ソーラーパネル検査用学習モデルを定義する重みパラメータを調整するパラメータ調整部と、
を備える。
【0015】
本発明のソーラーパネル検査装置は、
前記ソーラーパネル検査用学習モデル作成装置の前記ソーラーパネル検査用モデルと、
前記ソーラーパネル検査用学習モデルに対し、検査対象ソーラーパネルの入力画像を入力して出力画像を出力させるモデル制御部と、
前記入力画像と前記出力画像との差分に基づき前記検査対象ソーラーパネルについての異常状態を認識する認識部と、
を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明のソーラーパネル検査用学習モデル作成方法および装置、ならびにソーラーパネル検査方法および装置によれば、複数のソーラーパネルを含む元可視光画像に基づいて各ソーラーパネルの4頂点を割り出し、元可視光画像から4頂点に基づいて複数のパネル可視光画像を切り出して、正規化画像を作成する。これにより、1つの元画像から複数の訓練画像を支障なく効率的に収集することができる。そして、ソーラーパネル検査用学習モデルに対し、前記複数の正規化画像のうち異常無しのソーラーパネルの正規化画像を入力画像として入力し、入力画像と出力画像との差分が小さくなるように機械学習を実施して、ソーラーパネル検査用学習モデルを定義する重みパラメータを調整することにより適格なソーラーパネル検査用学習モデルを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】空撮によるソーラーパネルの撮影形態を示す図である。
図2】ソーラーパネル検査用学習モデル作成方法およびソーラーパネル検査方法の実施形態についての全体概略図である。
図3図2の可視光パネル検出の工程の詳細な説明図である。
図4A図3のパネル個別検出についてそれぞれ低高度からの空撮画像とその二値化画像との関係を示す図である。
図4B図3のパネル個別検出についてそれぞれ高高度からの空撮画像とその二値化画像との関係を示す図である。
図5】決定した4頂点に基づくパネル切り出しの工程の説明図である。
図6図2の学習プロセスの詳細な説明図である。
図7】未学習VAEモデルとその前後の処理部との詳細図である。
図8】学習済みVAEモデルの学習進度の説明図である。
図9】検査プロセスの説明図である。
図10】再学習システムの構成図である。
図11】ソーラーパネル検査方法における誤検出の発生についての説明図である。
図12】角検出フィルタについての説明図である。
図13図12の角検出画像において角探索範囲とされる左上隅部、右上隅部、左下隅部および右下隅部の拡大図である。
図14図12および図13の処理に続く処理の説明図である。
図15図11図14のノイズ除去処理を行わなかった未補正パネル画像と行った補正パネル画像との対比図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明は、実施形態に限定されないことは言うまでもない。全図を通して、共通の要素は、同一の符号を用いる。
【0019】
なお、各画像処理要素の入力、出力および中間出力を画像で説明しているが、各画像処理要素の具体的な処理対象は、画像そのものではなく画像に対応付けられたデータであることは言うまでもない。また、学習モデルを未学習、学習済みおよび再学習に3つに区別して呼んでいるが、同一の機械学習モデルを学習段階、実行段階および再学習段階を区別した呼び方であるに過ぎない。
【0020】
(ソーラーパネルの撮影)
図1は、空撮によるソーラーパネル14の撮影形態を示している。ソーラーファーム10には、多数のソーラーアレイ12が設置されるとともに、作業員等が各ソーラーアレイ12を点検および保守する際に通行する通路11がソーラーアレイ12間に確保されている。ドローン24は、可視光カメラ26を搭載し、ソーラーファーム10の上空を飛び回って、上空からソーラーファーム10内のソーラーアレイ12を撮影する。
【0021】
各ソーラーアレイ12は、典型的には、表面側を水平面に対して所定の傾斜角度で南空に向けて、水平方向に延在して配置されている。各ソーラーアレイ12の表面には、多数のソーラーパネル14が格子状の配列パターンで取り付けられ、太陽光発電を行っている。各ソーラーパネル14は、典型的には正方形または矩形の形状である。ソーラーアレイ12において隣接するソーラーパネル14の間の間隙16は、ソーラーアレイ12のボードパネル基板が露出したものである。各ソーラーパネル14は、複数のセル18を縦横の格子配列で有している。
【0022】
ドローン24の飛行中、可視光カメラ26により撮影されたソーラーアレイ12の撮像画像30(図3)の撮影データは、オンラインで例えば地上の遠隔操縦者の遠隔操縦器に送信されてもよいし、ドローン24が着陸した後、可視光カメラ26のメモリから回収されてもよい。なお、ドローン24または可視光カメラ26には、GPSが搭載されており、撮像画像30のメタ情報には、撮影日時の他に、GPSから取得した撮影位置の情報も含まれている。
【0023】
(方法/概略)
図2は、ソーラーパネル検査用学習モデル作成方法およびソーラーパネル検査方法の実施形態についての全体概略図である。STEP100は、可視光パネル(ソーラーパネル)検出の工程であり、ソーラーパネル検査用学習モデル作成方法およびソーラーパネル検査方法の両方に共通に適用される工程である。STEP200は、AI異常検出の工程であり、STEP210およびSTEP220から構成されている。ソーラーパネル検査用学習モデル作成方法には、STEP210が適用され、ソーラーパネル検査方法には、STEP220が適用される。
【0024】
(可視光パネル検出)
図3は、図2の可視光パネル検出の工程の詳細な説明図である。最初に、撮像画像30が準備される。
【0025】
実施形態の撮像画像30は、可視光カメラ26がソーラーファーム10の所定の高度から撮影した可視光の撮像画像(≠赤外線画像)である。所定の高度は、例えば地上から20~50mの範囲であり、望ましい高さは、撮像画像30から個々のソーラーパネル14の可視光画像としてのパネル画像を切り出す切り出し処理が円滑となる高さである。望ましい高さは、高度の外、天候、撮影時刻、地形およびその他の因子の影響を受ける。
【0026】
STEP100は、STEP110(パネル個別検出)およびその次のSTEP120(パネル切り出し)の2つのサブ工程から構成されている。STEP110では、撮像画像30上に複数のソーラーパネル14を区切る切り出し四角形36の4頂点はソーラーパネル14の4頂点に対応付けて設定される。撮像画像30における切り出し四角形36の4頂点の決め方の詳細は、図5で後述する。
【0027】
STEP120は、パネル切り出し工程であり、STEP121(切り出し)とSTEP122(射影変換)との2つのサブ工程を含む。STEP121では、STEP110で決めた切り出し四角形36(詳細には切り出し四角形36の4頂点)に基づき撮像画像30から個別パネル可視光画像38を切り出す。
【0028】
なお、図3では、個別パネル可視光画像38は、周輪郭のみを示し、具体的な中身の画像は省略している。ソーラーパネル14自体は矩形(正方形を含む。)であるものの、撮像画像30は、ソーラーパネル14を斜め上空から撮影しているので、生(未加工)の個別パネル可視光画像38は、矩形にならず、四角形である。
【0029】
STEP122では、個別パネル可視光画像38から射影変換により所定サイズ(例:1色の画素数で256×256)の正方形の射影変換画像40を作成する正規化を実施する。正規化された射影変換画像(適宜、「正規化画像」とも呼ぶことにする。)40では、ソーラーパネル14の正面視の縦横も揃えられる。すなわち、ソーラーパネル14の上辺、下辺、左辺および右辺は、それぞれ射影変換画像40の上辺、下辺、左辺および右辺となる。作成した複数の射影変換画像40は、保存フォルダ32に保存される。
【0030】
保存フォルダ32に保存された射影変換画像40は、未学習VAEモデル46(図6)および学習済みVAEモデル56(図9)の入力画像でもある。未学習VAEモデル46の入力画像は訓練画像として用いられるので、射影変換画像40は、多数、用意する必要がある。このため、通常、収集場所のソーラーファーム10は複数となる。
【0031】
ソーラーパネル14は、どのメーカーのものも矩形(正方形を含む。)であるものの、縦横の各寸法およびアスペクト比の他、色および内部構造(例:セル18)は、メーカーごとに相違している。しかしながら、射影変換画像40に正規化されることにより、未学習VAEモデル46(図6)および学習済みVAEモデル56(図9)の訓練画像および検査画像(検査対象のソーラーパネル14についての個別画像)としてメーカーおよび型式に関係なく適用することができる。
【0032】
実施形態では、個別パネル可視光画像38は、ドローン24の可視光カメラ26から撮影した撮像画像30から切り出したものとなっている。個別パネル可視光画像38は、作業員が地上でソーラーアレイ12を撮影した撮像画像から切り出したものであってもよい。個別パネル可視光画像38は、訓練画像として用いられてもよいし、検査画像として用いられてもよい。
【0033】
図4Aおよび図4Bは、図3のSTEP110(パネル個別検出)についてそれぞれ低高度(例:20m)および高高度(例:30m)からの空撮画像31a,31bとその二値化画像との関係を示している。
【0034】
なお、二値化画像は、カラーの撮像画像30を構成するピクセルの輝度に対して所定の閾値を設定し、輝度が該所定値以上であるピクセルは二値の一方(例:白)に変換し、輝度が該所定値未満であるピクセルは二値の他方(例:黒)に変換することにより生成される。一方、カラーの撮像画像30は、同一位置の輝度についてR(赤)、G(緑)およびB(青)の色別に計3個の情報を有している。実施形態における撮像画像30からの二値化画像は、ソーラーパネル14との色との相性を考慮して、Gの輝度のみに基づいて生成している。
【0035】
STEP121の切り出しは、具体的には、平均化フィルタと閾値(0~255)とにより処理される。この実施形態では、平均化フィルタは、ピクセル(画素)換算のサイズで0、3×3および5×5の3つが使用される。なお、サイズ0の平均化フィルタとは、平均化フィルタ処理を行わないことを意味する。サイズが大きい平均化フィルタが適用されるときほど、画像は滑らか(解像度が低下)に変換される。
【0036】
各ピクセルを白(0)および黒(255)へ二値化する方法は、値127を閾値とした二値化127と、周辺画素数を11×11とした適応的二値化手法に基づく二値化と、値127を閾値とした二値化に加え、サイズ5×5のフィルタによるオープニング処理との3つが使用される。したがって、空撮画像31a,31bの各々からは、3×3の計9つの二値化画像が生成される。
【0037】
図4Aおよび図4Bでは、空撮画像31a,31bに対する9つの二値化画像のうち、(a)平均化フィルタのサイズ=0かつ閾値=127(輝度が閾値以上は白、閾値未満は黒にそれぞれ変換)と、(b)平均化フィルタのサイズ=5×5かつ閾値=127との2つの二値化画像のみを示している。全体二値化画像33a1,33a2は、それぞれ空撮画像31aに対する(a)および(b)の処理で生成した二値化画像である。全体二値化画像33b1,33b2は、それぞれ空撮画像31bに対する(a)および(b)の処理による二値化画像である。右端の個別パネル二値化画像35a1,35a2,35b1,35b2は、その左側の全体二値化画像33a1,33a2,33b1,33b2のそれぞれの拡大画像である。
【0038】
二値化画像には、ソーラーパネル14の輪郭線(間隙16に対応する白筋線)とセル18の区画線(白筋線)とが現れる。なお、セル18は、黒っぽい色をしている。切り出し四角形36は、セル18の区画線ではなく、ソーラーパネル14の輪郭線から決定する必要がある。図4Aの低高度撮影の空撮画像31aでは、セル18の白筋線が消えている下段の個別パネル二値化画像35a2の方が切り出し四角形36を決定し易いので、個別パネル二値化画像35a2から切り出し四角形36が決定される。これに対し、図4Bの高高度撮影の空撮画像31bでは、上段の個別パネル二値化画像35b1から切り出し四角形36が決定される。なぜなら、下段の個別パネル二値化画像35b2は、ソーラーパネル14の輪郭線が消えており、切り出し四角形36を検出できないからである。
【0039】
切り出し四角形36は、各二値化画像における4頂点の組に基づいて決定される。切り出し四角形36の基になる4頂点の組の決定の仕方の詳細は次のとおりである。
【0040】
STEPa1:9とおりで処理して生成した二値化画像の各々において、低輝度群(例:黒)または高輝度群(例:白)で囲まれた部分の輪郭を多角形として検出し、その多角形の頂点が4つであるとき、その4頂点の組を全部集めた第1集合を生成する。
STEPa2:第1集合において重複する組は1つにまとめた第2集合を生成する。
【0041】
STEPa3:第2集合において、実物のソーラーパネル14の4頂点に対応する4頂点として妥当性のある4頂点の組のみを残した第3集合を生成する。なお、妥当性の有無の決める基準として、例えば、二値化画像上の4頂点のうちの2頂点間の長さやアスペクト比が現物のソーラーパネル14のそれらに整合することが挙げられる。
STEPa4:第3集合の各組の4頂点を、切り出し四角形36の4頂点として決定する。
【0042】
切り出し四角形36の基になる4頂点の組の決定の仕方についての上記の一例(以下、「例1」という。)以外の例は次のとおりである。
【0043】
例2:例1では、二値化画像(例:図4Aの元二値化画像33a1,33a2)から切り出し四角形36の4頂点を割り出している。これに対して、例2では、グレイスケール画像(例:カラーの可視光画像である空撮画像31aをモノクロ化した画像)から切り出し四角形36の4頂点を割り出す。すなわち、ソーラーアレイ12において、ソーラーパネル14の内側(複数のセル18から構成されている。)と外側(隣接するソーラーアレイ12間を区切る間隙16)とは、ある程度の色差または輝度差がある。したがって、グレイスケール画像においてソーラーパネル14が属する輝度範囲に含まれる領域を特定し、特定した領域に基づいて切り出し四角形36の4頂点を割り出すことができる。
【0044】
例3:例1の二値化画像は、可視光画像の空撮画像の輝度に所定の閾値を設定して白と黒の二値化画像を生成している。これに対し、例3では、微分によるエッジ化により二値化画像を作成する。エッジは、ソーラーパネル14やセル18の輪郭線に対応する。
【0045】
図5は、決定した4頂点に基づくSTEP120(パネル切り出し)の工程の説明図である。なお、図5では、撮像画像30から切り出す個別パネル可視光画像38は、ソーラーパネル14の異常39を有するものが選択されている。
【0046】
最初に、STEP110では、決定した4頂点Va,Vb,Vc,Vd(以下、「Va-Vd」と略記する。)に基づいて切り出し四角形36が決まる。次に、STEP121では、撮像画像30から切り出し四角形36の内側の画像として個別パネル可視光画像38を切り出す。なお、1つの個別パネル可視光画像38は、RGBの色別の計3個の画像の集合を意味する。
【0047】
最後に、STEP122の射影変換では、4頂点Va-Vdが正方形の4頂点となるように、個別パネル可視光画像38を変形して、ソーラーパネル14の正規化可視光画像としての射影変換画像40を得る。射影変換画像40の上下左右の各辺は、ソーラーパネル14の実際の上下左右の各辺に対応している。
【0048】
(学習プロセス)
図6は、図2のSTEP210(学習プロセス)の詳細な説明図である。STEP211は、STEP212(ピックアップ)とSTEP213(データセット化)との2つのサブ工程から構成されている。
【0049】
図2のSTEP100の処理後、保存フォルダ32には、多数の射影変換画像40が保存されている。射影変換画像40のほとんどは、正常パネル画像40aであるが、異常パネル画像40bもわずかではあるが、含まれている。作業者は、保存フォルダ32内の各射影変換画像40を目視して、正常パネル画像40aのみを訓練画像として拾い上げ(STEP212)、訓練画像のデータ形態である訓練データのデータセットを構築する(STEP213)。
【0050】
なお、保存フォルダ32の射影変換画像40の中から正常パネル画像40aのみを訓練画像として拾いあげる時の目視作業を一部機械化することができる。例えば、最初は、目視で保存フォルダ32の射影変換画像40を正常パネル画像40aであるか否かを判断し、正常パネル画像40aであると判断した射影変換画像40は、合格画像として蓄積する。そして、合格画像が所定数に達した後は、自動機械が、保存フォルダ32から自動的に新たに拾いあげた射影変換画像40と合格画像とのピクセルごとの輝度の差分について全ピクセルについての差分の合計値を所定の閾値と対比し、閾値未満であれば、当該射影変換画像40は、正常パネル画像40aであると自動判断するとともに、合格画像に追加する。
【0051】
こうして、機械が、合格画像を増やしつつ、保存フォルダ32内の射影変換画像40に対し次々に合否判断する。そして、目視作業は、機械が不合格の射影変換画像40に限定する。また、この時、目視作業で正常パネル画像40aであると判断した射影変換画像40は自動機械の合格画像に追加する。蓄積された合格画像が増えるに連れて、自動機械が合否を自動判断可能の対象となる射影変換画像40の枚数も増大していく。
【0052】
STEP213のデータセット(N,256,256,3)において、Nは訓練データの個数を意味し、256,256は各正常パネル画像40aのピクセル換算のサイズを意味し、3は各正常パネル画像40aのRGBのカラー数(=色数)を意味している。
【0053】
STEP215は、STEP216(前処理)と、STEP217(本処理)との2つのサブ工程から構成されている。STEP216では、前処理部44がN個の訓練データを1単位とするEpochにして、ミニバッチ法(バッチサイズは例えば32か64)により未学習VAEモデル46に学習させる。
【0054】
STEP217では、前処理部44からの訓練データにより未学習VAEモデル46に教師なし学習を行わせる。前処理部44および損失演算部48は、それぞれ未学習VAEモデル46の入力部および出力部でもある。
【0055】
図7は、未学習VAEモデル46とその前後の処理部との詳細図である。未学習VAEモデル46は、VAE(Variational Autoencoder/変分自己符号化器)から構成され、エンコーダ、Z空間(パラメータ生成部)およびデコーダを備えている。正常パネル画像40aのデータ形態である訓練データ52は、未学習VAEモデル46に入力される。生成画像54は、未学習VAEモデル46が正常パネル画像40aの入力データから生成した出力データの対応画像である。
【0056】
損失演算部48は、正常パネル画像40aを未学習VAEモデル46の出力の正解値として所定の損失関数の損失(例:平均二乗誤差)を減らすように、未学習VAEモデル46に訓練を行わせる。こうして、未学習VAEモデル46の各パラメータは勾配降下法によって更新されていく。なお、損失を減らすようにすることとは、後述の入力画像56iと出力画像56oとの差分を減らすことでもある。
【0057】
図8は、学習回数(epoch)ごとに学習途中の未学習VAEモデル46に段階的に取得し、同一の入力画像を入力した際の再構成画像(出力画像)を確認した結果を示す図である。横軸は学習回数(エポック数)を示している。未学習VAEモデル46の学習が進行するに連れて、生成画像54が正解としての正常パネル画像40aにしだいに近づいていくことが分かる。このことから、上記の学習方法によりパネル画像を生成するモデルを作成可能であることが視覚的に理解できる。
【0058】
(検査プロセス)
図9は、STEP220(検査プロセス)の説明図である。STEP220は、STEP221(画像生成)とSTEP222(後処理)との2つのサブ工程から構成されている。STEP221,222の処理は、それぞれ学習済みVAEモデル56および後処理部58により実施される。学習済みVAEモデル56および後処理部58は、検査部53を構成している。なお、図では、説明の便宜上、入力画像56i、出力画像56o、差分画像60dおよび判定画像62eの画像を示しているが、検査部53における実際の出力は、それら画像に対応するデータとなっている。
【0059】
学習済みVAEモデル56は、入力画像56iの入力に対し出力画像56oを出力する。差分解析部60は、入力画像56iと出力画像56oとの差分輝度の絶対値である差分画像60dを出力する。異常検出部62は、差分画像60dに基づいて検査対象のソーラーパネル14の異常についての判定結果である判定画像62eを出力する。
【0060】
学習済みVAEモデル56は、入力画像56iに対し、その入力画像56iが正常なソーラーパネル14のものである場合の画像(正常画像)を推論する。したがって、適切に訓練された学習モデルは、入力が正常画像である場合は入力画像56iに極めて近い出力画像56oを出力する一方、入力が異常画像である場合は、入力画像56iから異常箇所が除かれた画像に極めて近い出力画像56oを出力する。その場合、各ピクセルにおいて入力画像56iと出力画像56oとの差分輝度(厳密には絶対値)は、0(黒)または0に近い値になり、判定画像62eには、異常39eが出現しない。
【0061】
一方、検査対象のソーラーパネル14に異常39(図5)があると、入力画像56iには、異常39iが含まれる。しかしながら、学習済みVAEモデル56は、異常39iの有無に関係なく、入力画像56iから正常画像(正常なソーラーパネル14の画像)の出力画像56oを出力する。この結果、差分画像60dには、差分輝度の絶対値が所定値より大きいピクセルの領域が異常39dとして出現し、異常39dが所定の条件を充足するときは、判定画像62eにおいて異常単位区画39eとなる。
【0062】
(異常の判定方法/基本例)
異常検出部62が異常39eについて最終的にソーラーパネル14が異常であるか否かの判定方法の基本例は、次のとおりである。
STEPb1:異常検出部62は、差分画像60dを縦横共に等間隔の格子線で形状(例:正方形)および大きさ(サイズ)の等しい複数の単位区画(単位升目)に区画する。ここで、単位区画の総数はNaとする。
【0063】
STEPb2:差分画像60dにおいて単位区画ごとに、差分輝度値(差分輝度)が第1閾値以上であるピクセルの総数Maが第2閾値以上であるか否かを判定する。なお、差分画像60dにおける各ピクセルの輝度は、入力画像56iと出力画像56oとにおける対応ピクセル同士の輝度の差分の絶対値である。
【0064】
STEPb3:STEPb2の判定結果が肯定的であれば、当該単位区画は、異常区画と認定し、否定的であれば、正常区画と認定する。図9の判定画像62eにおいて、黒は正常区画であり、白は、異常区画であって、異常39eで示されている。
【0065】
STEPb4:異常区画の個数Nbを計数する。
STEPb5:Nbが第3閾値以上であれば、検査対象のソーラーパネル14は異常であると判定する。Nbが第3閾値未満であれば、検査対象のソーラーパネル14は正常であると判定する。なお、Nbに代えて、Nb/Naを第3閾値と対比して、検査対象のソーラーパネル14の正常および異常を判定することもできる。
【0066】
差分画像60全体で差分輝度値が第1閾値以上であるピクセルの総数Maが第2閾値以上であるか否かで検査対象のソーラーパネル14が異常であるか否かを判定するのではなく、上記のように、STEPb1-STEPb5の手順を踏む意義は次のとおりである。
【0067】
(a)ソーラーパネル14の異常の程度を単位区画の数として計数できる。すなわち、多数のソーラーパネル14を含むソーラーアレイ12が映し出されているオルソ画像上(検査結果表示アプリ画面の)で異常なソーラーパネル14の位置にピンを立てる際などに「異常単位区画数が:5以上のソーラーパネル14のみ表示」など異常の程度によって表示のフィルタリング(この場合、「5」は、第3閾値に相当し、第3閾値を適宜調整可能にしておく。)を行うことができる。
【0068】
(b)ソーラーパネル14の異常を抽象化することができる。すなわち、よりシンプルな方法で異常を表現しておくことで、別のパネル同士の異常形状類似度を推定することが容易にすることができる。
【0069】
(異常の判定方法/変形例)
異常の判定方法の変形例として次のものがある。
【0070】
(e1)基本例では、単位区画ごとに、差分輝度値(差分輝度)が第1閾値以上であるピクセルの総数Maが第2閾値以上であれば、当該単位区画は、異常区画と判定した。変形例では、単位区画ごとに、最高値からn(nは1以上の整数)番目の差分輝度値が第1閾値以上であれば、当該単位区画は、異常区画と判定する。さらに、単位区画ごとに、差分輝度値(差分輝度)の平均値が第1閾値以上であれば、当該単位区画は、異常区画と判定することにしてもよい。
【0071】
(e2)基本例では、差分画像60dを縦横が等間隔の格子線で単位区画に等分割しているが、単位区画を複数の群(各群に含まれる単位区画の個数は任意)に分ける。そして、群ごとに、差分輝度値(差分輝度)が第1閾値以上であるピクセルの総数Maと当該群の総ピクセル数Mbとの比Ma/Mbが第2閾値以上であれば、当該群は、異常群と判断する。最後に、異常群の個数Nbが第3閾値以上であれば、検査対象のソーラーパネル14は異常であると判定する。Nbが第3閾値未満であれば、検査対象のソーラーパネル14は正常であると判定する。また、群ごとにMaを変更することもできる。
【0072】
(e3)判定画像62eにおいて、差分輝度値が第1閾値以上であるピクセルが連続して隣接している領域、または不連続であっても不連続の距離がピクセル数換算で所定値m(mは2以上の整数)個以内に収まって集まっているピクセル同士の領域を異常領域と判断し、検査対象のソーラーパネル14全体で、当該異常領域の個数Nbが第3閾値以上であれば、検査対象のソーラーパネル14は異常であると判定する。Nbが第3閾値未満であれば、検査対象のソーラーパネル14は正常であると判定する。
【0073】
(e4)図9の検査プロセスでは、検査対象のソーラーパネル14の検査結果としての異常状態は、異常検出部62の出力としての判定画像62e、すなわちソーラーパネル14の具体的な異常ピクセルを示す画像表示で認識されるようになっている。異常状態の認識のその他の例としては、音声または文字や記号の表示によるアラート発生、または異常状態のソーラーパネル14のIDおよび検査日時に対応付けした異常記録をデータベースにストアすることがある。
【0074】
(再学習)
図10は、再学習システム64の構成図である。再学習システム64は、検査部53、空撮画像記憶部66、パネル検出器68、パネル画像成形器70、均一形状画像記憶部72、データ結合・表示部74および再学習部80を備えている。
【0075】
空撮画像記憶部66は、ドローン24が可視光カメラ26を使ってソーラーファーム10の上空を飛び回り、ソーラーファーム10内を上空から撮影した空撮画像を記憶している。ソーラーファーム10内の各ソーラーアレイ12は、少なくとも1以上の空撮画像に含まれているとともに、ソーラーファーム10内の各ソーラーパネル14の画像は、空撮画像記憶部66に記憶されている少なくとも1つの空撮画像に含まれている。なお、空撮画像記憶部66の空撮画像は、単一のソーラーファーム10のものに限定されず、複数のソーラーファーム10の空撮画像であってもよい。
【0076】
パネル検出器68は、STEP110(図2)のパネル個別検出を前述の4つの頂点Va-Vdに基づいて実施する装置である。パネル画像成形器70は、STEP120(図2)のパネル切り出しを実施する装置である。均一形状画像記憶部72は、保存フォルダ32のことを意味する。データ結合・表示部74は、誤検出ボタン78付きの追加訓練用データ取得部76を備えている。
【0077】
検査員は、後処理部58からの異常判定に対し、異常判定の基になっている入力画像56iを均一形状画像記憶部72から取り寄せるとともに、切り出し四角形36を規定する4つの頂点Va-Vdの情報をパネル検出器68から取り寄せて、さらに、それらをデータ結合・表示部74に表示させて後処理部58の異常判定を検証する。
【0078】
検査員が、入力画像56iだけでなく、4つの頂点Va-Vdの情報も知る利点は、例えば次のとおりである。
(a)4つの頂点Va-Vdの決定が不適切であるために、異常判定がなされていることがある(図11図15で後述)。
(b)4つの頂点Va-Vdは、撮像画像30における座標を示しているので、アプリ画面(図3の全体の撮像画像30のようなもの)上で検出対象のソーラパネル14を表示することができる。
(c)さらに、異常判定の結果と合わせて異常は赤枠、正常は緑枠など色分けすることでアプリ画面上でどこのパネルが異常なのかを簡単に確認することができる。
【0079】
検査員は、画像による目視検査により、入力画像56iに異常が見つからず、また、4つの頂点Va-Vdの決定に問題がないと判断したときは、学習済みVAEモデル56が当該入力画像56iに対して誤検出をしたとして、誤検出ボタン78を押下する。これにより、当該入力画像56iが再訓練用画像(厳密には、再訓練用画像データ)として再学習部80の訓練用データ82に送られる。こうして、訓練用データ82には、再訓練用訓練画像が蓄積される。
【0080】
なお、検査員による完全目視検査に代えて一部機械利用を図って、検査能率を高めることが可能である。例えば、前述のSTEPb2の第1閾値もしくは第2閾値、またはSTEPb4の第3閾値を所定量大きくしても、異常と判断される入力画像56iについては、目視検査から除外して、目視検査数を減らすことができる。一方、それらの閾値の少なくとも1つについて、所定量を低下させると、正常と判断される入力画像56iについて再検査要と判断して、そのような入力画像56iのみを目視検査の対象にして目視検査数を減らすことができる。
【0081】
再学習部80は、学習済みVAEモデル56を再訓練するために、学習済みVAEモデル56を再学習部80にコピーして、再学習VAEモデル84としてから、この再学習VAEモデル84に対し再訓練用の訓練画像で再学習させる。再学習後の再学習VAEモデル84は、新しい学習済みVAEモデル56として検査部53に移される。こうして、再学習前の古い学習済みVAEモデル56は、新しい学習済みVAEモデル56に置き換えられる。
【0082】
一般的に全ての統計モデルは運用開始後に時間とともに性能が落ちる。このため、学習済みVAEモデル56に対し、定期的に最新のデータによる再学習を行って、学習済みVAEモデル56を再学習VAEモデル84に置き換えることにより、性能低下を防止している。
【0083】
(誤検出)
図11は、ソーラーパネル検査方法における誤検出90の発生についての説明図である。図11の切り出し画像81は、誤検出90を引き起こすノイズ付きの切り出し画像の例として示している。なお、切り出し画像81は、ソーラーパネル検査方法において、撮像画像30内の検査対象のソーラーパネル14の個別パネル画像として撮像画像30から切り出した可視光画像であり、ソーラーパネル検査用学習モデル作成方法の個別パネル可視光画像38に対応している。
【0084】
切り出し画像81において余白縁部87が切り出し画像81の周縁部に存在するとき、判定画像62eにおいて誤検出90が生じる。余白縁部87は、説明の便宜上、「余白」と称するが、実際のカラーの切り出し画像81での色は、地面の色を反映して、黒っぽい色(輝度の低い領域)となっている。余白縁部87は、撮像画像30においてソーラーアレイ12の上辺より上側に見える地面である。発明者は、切り出し画像81の周縁部の余白縁部87が判定画像62eにおける誤検出90の誤検出の原因になっているという知見を得た。
【0085】
切り出し画像81では、余白縁部87が検査対象のソーラーパネル14のパネル画像85のパネル周線86と切り出し画像81の周縁88との間に存在している。余白縁部87の存在にもかかわらず、出力画像56oは、切り出し画像81に由来する入力画像56iが、余白縁部87を有しない入力画像56iに対応する画像(正常なソーラーパネル14の出力画像)となる。この結果、差分画像60dにおいて白横線89が生じて、白横線89は、差分解析部60eにおいて誤検出90を引き起こす。
【0086】
(パネル頂点の調整)
図12は、角検出画像83aに適用する角(かど)検出フィルタ96(角検出フィルタ96a,96b,96c,96dの総称)についての説明図である。角検出画像83aは、検査対象ソーラーパネルの可視光のパネル画像85を含む撮像画像30においてパネル画像85を内側に含みかつパネル画像85より少し広げた四角形の可視光画像として設定されている。なお、パネル画像85の調整前の4頂点の求め方は、図4Aおよび図4Bで前述したとおりである。
【0087】
角検出フィルタ96a,96b,96c,96dの各々は、それぞれ角検出画像83aの4つの対応隅部としての左上隅部101a、右上隅部101b、左下隅部101cおよび右下隅部101dの頂点検出に対応付けられている。そして、重みが正(例:”1”)の正方形領域(図において白の領域)と、該正方形領域に対してそれぞれ左上隅部101a、右上隅部101b、左下隅部101cおよび右下隅部101d側の2辺に沿って延在する重みが負(例::”-1”,”-2”)である辺領域(図において灰色がかった領域)とを有している。
【0088】
図示の角検出フィルタ96では、ピクセル換算で、s×s(7×7)であり、正方形領域のサイズはw×w(6×6)であり、辺領域のサイズは、幅×長さが1×7に設定されている。
【0089】
なお、角検出画像83aは、矩形ではなく、四角形であるのに対し、角検出フィルタ96は、正方形である。したがって、角検出フィルタ96を角検出画像83aに適用(空間フィルタリング)するときに、隅部において形状の不整合が生じる。しかしながら、不整合は高々7ピクセルであり、隅部における形状の相違は、撮像画像30上のソーラーパネル14が極端に傾いていない限りは問題になりにくい。逆にこのことが原因で頂点補正が正常に動作しない場合には、画像上のパネルがより傾かない状態で撮影するなど工夫することにより解消できる。
【0090】
角検出画像83aに対してそれぞれ角検出フィルタ96a,96b,96c,96dを画像フィルタとして空間フィルタリングすると、図12の下端部に横一列に示されているように、フィルタ処理画像83aa,83ab,83ac,83adが生成される。
【0091】
なお、角検出画像83aへの角検出フィルタ96の適用においては、角検出画像83aの頂点が所定輝度以上であるとき(明るいとき)は、すなわち黒っぽい余白縁部87が存在しない隅部(図示の例では左下隅部101cおよび右下隅部101d)に対して、角検出フィルタ96の適用することなく、したがって角検出画像83aからではなく、パネル画像85の頂点をソーラーパネル14の真の頂点として直ちに決定できる。
【0092】
図13は、図12の角検出画像83aにおいて角探索範囲とされる左上隅部101a、右上隅部101b、左下隅部101cおよび右下隅部101dの拡大図である。角検出画像83aにおいて、左上隅部101aおよび右上隅部101bには、余白縁部87(この余白縁部87は、ソーラーアレイ12の上辺より上の地面の撮像部分に相当する。)と共に左右方向に隣接する1つの隣接パネル画像92が部分的に含まれている。左下隅部101cおよび右下隅部101dには、余白縁部87(地面に相当するもの)は含まれていないが、左右方向および上下方向に隣接する計3つの隣接パネル画像92が部分的に含まれている。
【0093】
図12において、角探索範囲としての左上隅部101a、右上隅部101b、左下隅部101cおよび右下隅部101dの角探索では、それぞれ図11のフィルタ処理画像83aa,83ab,83ac,83adにおける左上隅部101a、右上隅部101b、左下隅部101cおよび右下隅部101dの画像部分が使用される。
【0094】
図14は、頂点探索処理についての説明図である。角検出画像83aには、左上隅部101a、右上隅部101b、左下隅部101cおよび右下隅部101dの計4つの角探索範囲があるが、図14では、そのうちの左上隅部101aについて説明する。他の3つの探索範囲における角探索も上隅部101aのものと同様である。
【0095】
図14は、左上隅部101aについて可視光画像としての角検出画像83aとフィルタ処理画像83aaとを対比して示している。縦線105および横線107は、角検出画像83aにおける補正頂点103pとフィルタ処理画像83aaにおける補正頂点103pとの対応関係を明瞭にするための単なる補助線である。
【0096】
角検出画像83aにおける無補正頂点103oは、図11の頂点補正無しの切り出し画像81から求めた頂点である。これに対して、左上隅用の角検出フィルタ96aの適用によりフィルタ処理画像83aaが生成され、次に、フィルタ処理画像83aaの隅部に矩形の左上隅部101aが頂点探索領域として設定される。そして、該頂点探索領域において最高輝度のピクセルの位置が補正頂点103pとされる。
【0097】
なお、無補正頂点103oは、角検出画像83aの生成および角検出フィルタ96の適用の頂点補正を行うことなく、パネル画像85から直接求めた頂点である。隅部に余白縁部87が存在していると、誤検出90の原因になる頂点が検出される。これに対し、頂点補正を行うことにより、無補正頂点103oを補正頂点103pに変更して、誤検出90の発生を防止することができる。
【0098】
図15は、図11図14の頂点補正処理を行わなかった未補正パネル画像38uaと行った補正パネル画像38vaとの対比図である。図15では、便宜上、モノクロ画像となっているが、実際には、未補正パネル画像38uaおよび補正パネル画像38vaは、共に、カラー画像である。未補正パネル画像38uaおよび補正パネル画像38va共に頂点Va-Vdにより決められる切り出し四角形36に基づいて撮像画像30から切り取られた画像である。
【0099】
図12の頂点補正処理では、角検出フィルタ96a,96b,96c,96dの各々が、角検出画像83aの4つの対応隅部としての左上隅部101a、右上隅部101b、左下隅部101c及び右下隅部101dにそれぞれ対応付けて設けられ、重みが正の正方形領域(例:”1”)と該正方形領域に対して対応隅部側の2辺に沿って延在しかつ重みが0か負(例:”-1”)である辺領域とを有している。角検出フィルタ96a,96b,96c,96dの狙いは、切り出し画像81の4頂点を機械的に角検出画像83aの頂点に決定してしまう誤りを回避しようとするものである。したがって、角検出フィルタ96a,96b,96c,96dの各々は、それに対応付けられている左上隅部101a、右上隅部101b、左下隅部101c及び右下隅部101dの各々の対応辺に沿う辺領域の輝度を低下させ該辺領域の内側に隣接する内側領域の輝度を増加させる処理をするものであれば、各角検出フィルタにおける重みの配分や辺領域及び内側領域のサイズは任意であるとともに、角検出フィルタごとに相違させることもできる。
【0100】
(補足および変形例)
実施形態では、機械学習手法としてVAE系列が用いられている。本発明の機械学習手法は、これに限定されず、例えば、GAN系列(AnoGAN)、Diffusion model、およびNormalizing Flow等を用いることができる。
【0101】
実施形態では、異常検出部62がソーラーパネル14を異常と判定する仕方についてSTEPb1-STEPb4を説明した。本発明では、当該仕方に限定されない。例えば、STEPb2-STEPb3に代えて、各単位区画ごとに、差分輝度の平均値(判定画像62eにおける各単位区画について、ピクセル全体の輝度合計/ピクセル総数)が別の閾値以上であるか否かを判定し、判定結果が肯定的であれば、当該単位区画は、異常区画と認定し、否定的であれば、正常区画と認定することもできる。
【0102】
さらには、差分輝度の平均値と別の閾値との比較を差分画像60d内の単位区画ごとに行うのではなく、差分画像60dの全体で実施してもよい。すなわち、差分画像60dの全体の差分輝度の平均値を求め、該平均値が別の閾値以上であるときには、検査対象のソーラーパネル14は異常状態であると認識するようにすることもできる。
【符号の説明】
【0103】
10・・・ソーラーファーム、12・・・ソーラーアレイ、14・・・ソーラーパネル、16・・・間隙、18・・・セル、26・・・可視光カメラ、30・・・撮像画像、35・・・個別パネル二値化画像、36・・・切り出し枠、38・・・個別パネル可視光画像、39・・・異常、40・・・射影変換画像、40a・・・正常パネル画像、40b・・・異常パネル画像、46・・・未学習VAEモデル、48・・・損失演算部、52・・・訓練データ、53・・・検査部、54・・・生成画像、56・・・学習済みVAEモデル、56i・・・入力画像、56o・・・出力画像、56ia・・・元入力画像、57・・・異常箇所、58・・・後処理部、60・・・差分解析部、60d・・・差分画像、62・・・異常検出部、62e・・・判定画像、64・・・再学習システム、76・・・追加訓練用データ取得部、78・・・誤検出ボタン、80・・・再学習部、82・・・訓練用データ、84・・・再学習VAEモデル、85・・・目的画像、86・・・パネル周線、87・・・余白縁部、88・・・周縁、89・・・白横線、90・・・誤検出、96・・・角検出フィルタ。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
各ピクセルを白(0)および黒(255)へ二値化する方法は、値127を閾値とした二値化と、周辺画素数を11×11とした適応的二値化手法に基づく二値化と、値127を閾値とした二値化に加え、サイズ5×5のフィルタによるオープニング処理との3つが使用される。したがって、空撮画像31a,31bの各々からは、3×3の計9つの二値化画像が生成される。