(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152324
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】収納ケース
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/22 20060101AFI20241018BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H01Q1/22 Z
G06K7/10 164
G06K7/10 224
G06K7/10 264
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066449
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 渉
【テーマコード(参考)】
5J047
【Fターム(参考)】
5J047AA02
5J047BG08
5J047BG10
5J047EF00
(57)【要約】
【課題】無線タグの読取精度の低下を抑制することができる収納ケースを提供する。
【解決手段】実施形態の収納ケースは、無線タグを読み取るための電波を放射するアンテナを収納する収納ケースであって、前記アンテナにより前記無線タグの読取領域が形成される側に、空洞を含む板状の部品、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグを読み取るための電波を放射するアンテナを収納する収納ケースであって、
前記アンテナにより前記無線タグの読取領域が形成される側に、空洞を含む板状の部品、
を備える収納ケース。
【請求項2】
前記部品は、前記無線タグが付された物体が載置され、当該物体を支持する支持部により、前記空洞を形成する、
請求項1に記載の収納ケース。
【請求項3】
前記部品は、筒状に形成された前記支持部を複数有する、
請求項2に記載の収納ケース。
【請求項4】
前記部品は、板状に形成された前記支持部を複数有する、
請求項2に記載の収納ケース。
【請求項5】
前記部品は、気泡状に形成された前記支持部を複数有する、
請求項2に記載の収納ケース。
【請求項6】
前記部品は、表面の全部又は一部がシートに覆われている、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RF(Radio Frequency)タグなどの無線タグに記憶された情報を読み取る読取装置が知られている。また、読取装置は、載置台に載置された物体に付された無線タグを読み取る。そして、載置台は、木材や、アクリル等の樹脂系材料などの比較的に比誘電率が高い材料により形成されている。
【0003】
ここで、読取装置と無線タグとのアンテナは、寸法が1/2波長になるように設計されている。そして、読取装置と無線タグとは、共振周波数が一致するように設計されている。
【0004】
しかしながら、無線タグは、比誘電率が高い物体の近傍に無線タグが配置されていると、波長短縮が起こり信号の電気長が長くなってしまう。すなわち、無線タグは、共振周波数が低い方にシフトしてしまう。その結果、載置台に近接した位置に無線タグが配置されると、読取装置は、無線タグの読取精度が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる収納ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の収納ケースは、無線タグを読み取るための電波を放射するアンテナを収納する収納ケースであって、前記アンテナにより前記無線タグの読取領域が形成される側に、空洞を含む板状の部品、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る読取システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、買い物カゴが載置された読取部の外観の一例を示す正面図である。
【
図3】
図3は、読取部の外観の一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1支持板及び第2支持板を取り外した状態の読取部の外観の一例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、支持板の外観の一例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、支持板の断面の一例を示す断面図である。
【
図8】
図8は、無線タグが載置された支持板の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係る支持板の一例を示す断面図である。
【
図10】
図10は、第3の実施形態に係る支持板の一例を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、無線タグが載置された支持板の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第4の実施形態に係る支持板の一例を示す断面図である。
【
図14】
図14は、第5の実施形態に係る支持板の一例を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、第6の実施形態に係る支持板の一例を示す断面図である。
【
図16】
図16は、第7の実施形態に係る読取部の一例を示す断面図である。
【
図17】
図17は、第8の実施形態に係る読取部の一例を示す断面図である。
【
図18】
図18は、第9の実施形態に係る読取部の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、収納ケースの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、収納ケースの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る読取システム1の一例を示す図である。読取システム1は、読取部10と、POS(Point Of Sales)端末20とを備える。そして、POS端末20と、読取部10とは、通信可能に接続される。
【0010】
POS端末20は、読取部10に対してRFタグなどの無線タグを読み取らせる。例えば、POS端末20は、読取部10に無線タグを読み取らせることにより、無線タグが付された商品の商品情報を取得する。そして、POS端末20は、取得した商品情報に基づいて、販売対象の商品を登録する商品登録を実行する。なお、POS端末20は、無線タグの読み取りに限らず、無線タグに対する書き込みを実行してもよい。
【0011】
読取部10は、POS端末20による制御に基づいて、載置された無線タグを読み取る読取装置である。
【0012】
図2は、買い物カゴ2が載置された読取部10の外観の一例を示す正面図である。読取部10は、POS端末20による制御に基づいて、買い物カゴ2に入れられた商品に付された無線タグを読み取る。また、読取部10は、買い物カゴ2に入れられた商品に付された無線タグに限らず、読取部10に載置された商品に付された無線タグも読み取る。
【0013】
さらに詳しくは、読取部10は、買い物カゴ2や商品が載置される載置部11と、載置部11の側方に第1側壁部12を備える。載置部11は、箱型に形成された台座である。そして、載置部11は、第1アンテナ141及び第2アンテナ142を内部に有する。
【0014】
第1側壁部12は、載置部11の側方に配置された側壁である。また、第1側壁部12は、載置部11に載置された買い物カゴ2と略同じ高さを有する。そして、第1側壁部12は、第3アンテナ143を内部に有する。
【0015】
本実施形態において、載置部11の短手方向をX軸方向とし、載置部11の長手方向をZ軸方向とする。また、載置部11に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0016】
図3は、読取部10の外観の一例を示す斜視図である。読取部10は、無線タグを読み取るための電波を放射するアンテナを収納する収納ケース110を有する。なお、収納ケース110は、アンテナに限らず、電子回路などの他の部品を収納していてもよい。収納ケース110は、載置部11の一面を覆う第1支持板131と、載置部11の第1支持板131以外の面を覆う第1ボックス111と、第1側壁部12の一面を覆う第1支持板131と、第1側壁部12の第1支持板131以外の面を覆う第2ボックス121と、を有する。
【0017】
第1支持板131は、載置部11において、買い物カゴ2や商品が載置される面に配置される。言い換えると、第1支持板131は、無線タグの読取領域が形成される側の面に配置される。
【0018】
第2支持板132は、第1側壁部12において、買い物カゴ2や商品が載置される面に配置される。言い換えると、第2支持板132は、無線タグの読取領域が形成される側の面に配置される。
【0019】
第1支持板131と第1支持板131とは、同一の材料により形成された板状の部品である。以下、第1支持板131と第1支持板131とを区別しない場合には、支持板130と称する。
【0020】
図4は、第1支持板131及び第2支持板132を取り外した状態の読取部10の外観の一例を示す斜視図である。
図5は、読取部10の一例を示す断面図である。載置部11は、第1アンテナ141と第2アンテナ142とを第1支持板131の内側に備える。第1アンテナ141と第2アンテナ142とは、載置部11の長手方向、つまりZ軸方向に並べて配置される。そして、載置部11は、第1アンテナ141により無線タグの第1読取領域R1と、第2アンテナ142により無線タグの第2読取領域R2と、が形成される側に、空洞を含む板状の第1支持板131を備える。また、第1側壁部12は、第3アンテナ143を第1支持板131の内側に備える。そして、第1側壁部12は、第3アンテナ143により無線タグの第3読取領域R3が形成される側に、空洞を含む板状の第1支持板131を備える。
【0021】
第1アンテナ141は、Y軸方向であって第1支持板131側に電波を放射することにより第1読取領域R1を形成する。第2アンテナ142は、Y軸方向であって第1支持板131側に電波を放射することにより第2読取領域R2を形成する。第3アンテナ143は、Z軸方向であって第1支持板131側に電波を放射することにより第3読取領域R3を形成する。
【0022】
次に、支持板130について詳細に説明する。
【0023】
図6は、支持板130の外観の一例を示す斜視図である。支持板130は、アクリル樹脂や、木材などの比較的に比誘電率が低い材料により形成される。支持板130は、無線タグが付された商品などの物体を支持する支持部1301を有する。支持板130は、無線タグが付された商品などの物体が載置され、当該物体を支持する支持部1301により、空洞を形成する。支持板130は、支持部1301により物体を支持することで無線タグに接触しない、及び近接しない空洞を形成する。
【0024】
ここで、無線タグは、空中に配置された場合に、読取精度が低下しないことが分かっている。そこで、支持板130は、空洞を形成することにより、無線タグの読取精度の低下を抑制する。
【0025】
支持板130は、筒状に形成された支持部1301を複数有する。例えば、支持部1301は、六角形の筒状に形成された柱である。支持板130は、六角形の筒状に形成された支持部1301が隙間なく複数並べられた板である。すなわち、支持板130は、ハニカム構造の板である。そして、支持板130は、支持部1301を複数並べて配置されることで格子状の板に形成される。なお、支持部1301は、六角形に限らず、六角形以外の多角形であってもよいし、円形であってもよい。さらに、
図6に示す支持板130は、支持部1301が隙間なく並べられているが、支持部1301と支持部1301との間には隙間が設けられていてもよい。そして、買い物カゴ2や商品が載置された場合に、支持部1301は、買い物カゴ2や商品を支持する。
【0026】
図7は、支持板130の断面の一例を示す断面図である。
図7に示す断面図は、支持板130の長手方向の略中央の断面である。そして、支持板130は、六角形の筒状の支持部1301により形成されているため、多くの空洞を有する。
【0027】
図8は、無線タグが載置された支持板130の一例を示す図である。
図8に示す第1無線タグ31は、Z軸方向と略平行に配置される。また、第2無線タグ32は、Z軸方向と略平行に配置される。第1無線タグ31及び第2無線タグ32は、支持板130に載置された場合、一面にアクリル樹脂が設けられた板に載置される場合と比べて、支持板130と接触、又は近接している部分は少ない。したがって、無線タグは、波長短縮が起こり難くなり、共振周波数のシフトが起こり難くなる。すなわち、読取部10は、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。
【0028】
以上のように、第1の実施形態に係る読取部10は、無線タグを読み取るための電波を放射する第1アンテナ141、第2アンテナ142、及び第3アンテナ143を収納する収納ケース110を有する。そして、収納ケース110は、第1読取領域R1、第2読取領域R2、及び第3読取領域R3が形成される側に、六角形の筒状の支持部1301を有する支持板130を有する。支持板130は、無線タグを支持し、空中に配置する。これにより、無線タグは、比誘電率が高い材料から遠ざかるため、読取精度の低下が抑制される。したがって、収納ケース110は、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る支持板130aの一例を示す断面図である。
図9に示す支持板130aは、隙間なく並べられた六角形の筒状の支持部1301とシート1302とを備える。隙間なく並べられた六角形の筒状の支持部1301は、シート1302に覆われている。すなわち、支持板130aは、表面の全部又は一部がシート1302に覆われている。例えば、支持板130aは、シート1302が貼り付けられている。
【0030】
例えば、シート1302は、略1ミリメートルの厚さを有する。また、シート1302は、比較的に比誘電率が低い材料により形成される。例えば、シート1302は、アクリル樹脂により形成されてもよいし、布により形成されてもよいし、他の材料により形成されてもよい。
【0031】
ここで、支持部1301は、六角形の筒状に形成されている。支持板130aは、シート1302が貼り付けられることにより、筒状の孔を塞ぐことができる。したがって、シート1302は、筒状の孔に物体が入り込んでしまうことを防止することができる。さらに、支持板130aは、シート1302により表面の強度を向上させることができる。
【0032】
以上のように、第2の実施形態に係る支持板130aは、表面の全部又は一部がシート1302に覆われている。したがって、支持板130aは、筒状に形成された支持部1301の孔に物体が入り込んでしまうことを防止することができる。さらに、支持板130aは、シート1302により表面の強度を向上させることができる。
【0033】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態に係る支持板130bの一例を示す斜視図である。支持板130bは、板状に形成された支持部1301bを複数有する。そして、支持板130bは、支持部1301bを複数並べて配置することにより形成される。
【0034】
図11は、支持板130bの断面の一例を示す断面図である。
図11に示す断面図は、支持板130bの長手方向の略中央の断面である。そして、支持板130bは、板状の支持部1301bにより形成されているため、多くの空洞を有する。
【0035】
図12は、無線タグが載置された支持板130bの一例を示す図である。
図12に示す第1無線タグ31は、Z軸方向と略平行に配置される。また、第2無線タグ32は、Z軸方向と略平行に配置される。
【0036】
第1無線タグ31は、支持板130bに載置された場合、アクリル樹脂の板に載置される場合と比べて、支持板130bと接触、又は近接している部分は少ない。したがって、第1無線タグ31は、波長短縮が起こり難くなり、共振周波数のシフトが起こり難くなる。すなわち、読取部10は、第1無線タグ31の読取精度の低下を抑制することができる。
【0037】
一方、第2無線タグ32は、略全体が支持部1301bと接触している。そのため、第2無線タグ32は、波長短縮が起こり、読取精度が低下してしまう可能性が有る。しかしながら、これは、無線タグと、支持部1301bとが平行に配置された場合に発生する。すなわち、無線タグと、支持部1301bとが平行ではない場合、無線タグと、支持部1301bとが接触する部分は、一部となる。このような場合、無線タグは、波長短縮が起こり難くなり、共振周波数のシフトが起こり難くなる。すなわち、読取部10は、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。
【0038】
したがって、読取部10は、無線タグと、支持部1301bとが平行に配置された場合に読取精度が低下してしまう可能性はあるが、これ以外の場合には、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。
【0039】
以上のように、第3の実施形態に係る支持板130bは、板状に形成された支持部1301bを複数有する。この場合においても、支持板130bは、無線タグを支持し、空中に配置する。これにより、無線タグは、比誘電率が高い材料から遠ざかるため、読取精度の低下が抑制される。したがって、収納ケース110は、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。
【0040】
(第4の実施形態)
図13は、第4の実施形態に係る支持板130bの一例を示す断面図である。
図13に示す支持板130bは、複数並べられた板状の支持部1301bとシート1302cとを備える。複数並べられた板状の支持部1301bは、シート1302に覆われている。すなわち、支持板130bは、表面の全部又は一部がシート1302cに覆われている。例えば、支持板130bは、シート1302cが貼り付けられている。
【0041】
例えば、シート1302cは、略1ミリメートルの厚さを有する。また、シート1302cは、比較的に比誘電率が低い材料により形成される。例えば、シート1302cは、アクリル樹脂により形成されてもよいし、布により形成されてもよいし、他の材料により形成されてもよい。
【0042】
ここで、支持部1301bは、板状に形成されている。支持板130bは、シート1302cが貼り付けられることにより、板と板との間の隙間を塞ぐことができる。したがって、支持部1301bは、隙間に物体が入り込んでしまうことを防止することができる。さらに、支持部1301bは、シート1302cにより表面の強度を向上させることができる。
【0043】
以上のように、第4の実施形態に係る支持板130bは、表面の全部又は一部がシート1302cに覆われている。したがって、支持板130bは、板状に形成された支持部1301bが並べられた間に物体が入り込んでしまうことを防止することができる。さらに、支持板130bは、シート1302cにより表面の強度を向上させることができる。
【0044】
(第5の実施形態)
図14は、第5の実施形態に係る支持板130dの一例を示す斜視図である。支持板130dは、気泡状に形成された支持部1301dを複数有する。すなわち、支持板130dは、気泡による空洞を複数有する。例えば、支持板130dは、発泡成形された気泡などの支持部1301dを有する。具体的には、支持板130dは、発泡スチロールや発泡ウレタンなどにより形成される。または、支持板130dは、ビニールなどを重ね合わせることにより形成された気泡などの支持部1301dを有していてもよい。具体的には、支持板130dは、エアークッションにより形成されてもよい。
【0045】
支持板130dは、気泡などの支持部1301dによる空洞を複数有する。したがって、無線タグは、支持板130dされた場合に、波長短縮が起こり難くなり、共振周波数のシフトが起こり難くなる。すなわち、読取部10は、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。
【0046】
以上のように、第5の実施形態に係る支持板130dは、気泡などの支持部1301dによる空洞を複数有する。これにより、無線タグは、近傍に配置された比誘電率が高い材料が少なくなるため、読取精度の低下が抑制される。したがって、収納ケース110は、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。
【0047】
(第6の実施形態)
図15は、第6の実施形態に係る支持板130eの一例を示す断面図である。
図15に示す支持板130eは、気泡状に形成された支持部1301dとシート1302dとを備える。支持板130eは、表面の全部又は一部がシート1302dに覆われている。例えば、支持板130eは、シート1302dが貼り付けられている。
【0048】
例えば、シート1302dは、略1ミリメートルの厚さを有する。また、シート1302dは、比較的に比誘電率が低い材料により形成される。例えば、シート1302dは、アクリル樹脂により形成されてもよいし、布により形成されてもよいし、他の材料により形成されてもよい。シート1302dは、表面の強度を向上させることができる。
【0049】
以上のように、第6の実施形態に係る支持板130eは、表面の全部又は一部がシート1302dに覆われている。したがって、支持板130eは、気泡状により形成された支持部1301dの孔に物体が入り込んでしまうことを防止することができる。さらに、支持板130eは、シート1302dにより表面の強度を向上させることができる。
【0050】
(第7の実施形態)
図16は、第7の実施形態に係る読取部10fの一例を示す断面図である。読取部10fは、第1の実施形態に係る読取部10fの第1側壁部12を有していない。
【0051】
言い換えると、読取部10fは、収納ケース110fに覆われた載置部11を有する。また、載置部11は、第1アンテナ141を有し、第2アンテナ142を有していない。また、載置部11は、第1支持板131を有する。そして、第1アンテナ141は、第1読取領域R1を形成する。
【0052】
なお、読取部10fは、第1の実施形態に係る支持板130に限らず、第2の実施形態に係る支持板130aを有していてもよいし、第3の実施形態に係る支持板130bを有していてもよいし、第4の実施形態に係る支持板130cを有していてもよいし、第5の実施形態に係る支持板130dを有していてもよいし、第6の実施形態に係る支持板130eを有していてもよい。
【0053】
以上のように、第7の実施形態に係る読取部10fは、第1側壁部12を有していない。この場合においても、無線タグは、支持板130に支持された場合に、波長短縮が起こり難くなり、共振周波数のシフトが起こり難くなる。すなわち、読取部10fは、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。
【0054】
(第8の実施形態)
図17は、第8の実施形態に係る読取部10gの一例を示す断面図である。読取部10gは、載置部11と、第1側壁部12gとを有する。
【0055】
第1側壁部12gは、第1の実施形態における第3アンテナ143を有していない。しかし、第1側壁部12gは、第2支持板132を有する。第1側壁部12gは、第2支持板132を有することにより、無線タグに接触すること、及び近接することを抑制することができる。したがって、無線タグは、波長短縮が起こり難くなり、共振周波数のシフトが起こり難くなる。すなわち、読取部10gは、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。
【0056】
なお、読取部10fは、第1の実施形態に係る支持板130に限らず、第2の実施形態に係る支持板130aを有していてもよいし、第3の実施形態に係る支持板130bを有していてもよいし、第4の実施形態に係る支持板130cを有していてもよいし、第5の実施形態に係る支持板130dを有していてもよいし、第6の実施形態に係る支持板130eを有していてもよい。
【0057】
以上のように、第8の実施形態に係る読取部10gは、第1側壁部12gにアンテナを有していない。この場合においても、無線タグは、支持板130に支持された場合に、波長短縮が起こり難くなり、共振周波数のシフトが起こり難くなる。すなわち、読取部10gは、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。
【0058】
(第9の実施形態)
図18は、第9の実施形態に係る読取部10hの一例を示す断面図である。読取部10hは、載置部11と、第1側壁部12と、第2側壁部13とを有する。
【0059】
第2側壁部13は、載置部11を挟んで、第1側壁部12の反対側に設けられる。また、第2側壁部13は、第2側壁部13の一面を覆う第3支持板133と、第2側壁部13の第3支持板133以外の面を覆う第3ボックス151と、を有する。そして、第2側壁部13は、第3支持板133と、第3ボックス151との内部に、第4アンテナ144を有する。第4アンテナ144は、Y軸方向であって第3支持板133側に電波を放射することにより第4読取領域R4を形成する。
【0060】
さらに詳しくは、第3支持板133は、第2支持板132と対向するように配置される。また、第3支持板133は、第1支持板131及び第2支持板132と同一の材料により形成された板状の部材である。すなわち、第3支持板133は、第1の実施形態の支持板130と同一であってもよいし、第2の実施形態の支持板130aと同一であってもよいし、第3の実施形態の支持板130bと同一であってもよいし、第4の実施形態の支持板130cと同一であってもよいし、第5の実施形態の支持板130dと同一であってもよいし、第6の実施形態の支持板130eと同一であってもよい。以下、第1支持板131と第2支持板132と第3支持板133とを区別しない場合には、支持板130と称する。
【0061】
読取部10hは、載置部11に買い物カゴ2や商品が載置された場合、載置部11、第1側壁部12、及び第2側壁部13の3方向から無線タグを読み取る。したがって、読取部10hは、無線タグの読み取り漏れを抑制することができる。
【0062】
さらに、無線タグは、支持板130された場合に、波長短縮が起こり難くなり、共振周波数のシフトが起こり難くなる。すなわち、読取部10hは、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。また、載置部11は、第1側壁部12及び第2側壁部13に限らず、さらに多くの側壁部に囲われても負い。
【0063】
以上のように、第9の実施形態に係る読取部10hは、載置部11、第1側壁部12、及び第2側壁部13を備える。この場合においても、無線タグは、支持板130に支持された場合に、波長短縮が起こり難くなり、共振周波数のシフトが起こり難くなる。すなわち、読取部10hは、無線タグの読取精度の低下を抑制することができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 読取システム
2 買い物カゴ
10、10f、10g、10h 読取部
11 載置部
12、12g 第1側壁部
13 第2側壁部
20 POS(Point Of Sales)端末
31 第1無線タグ
32 第2無線タグ
110、110f 収納ケース
111 第1ボックス
121 第2ボックス
130、130a、130b、130c、130d、130e 支持板
131 第1支持板
132 第2支持板
133 第3支持板
141 第1アンテナ
142 第2アンテナ
143 第3アンテナ
151 第3ボックス
1301、1301b、1301d 支持部
1302、1302c、1302d シート
R1 第1読取領域
R2 第2読取領域
R3 第3読取領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】