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特開2024-152348容器詰食品、食品用容器、及び、容器詰食品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152348
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】容器詰食品、食品用容器、及び、容器詰食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/00 20160101AFI20241018BHJP
   B65D 1/36 20060101ALI20241018BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20241018BHJP
   A23L 7/10 20160101ALN20241018BHJP
【FI】
A23L5/00 G
B65D1/36
B65D85/50 100
A23L7/10 F
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066491
(22)【出願日】2023-04-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】502038989
【氏名又は名称】ベスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】門谷 直樹
(72)【発明者】
【氏名】高茂 功
(72)【発明者】
【氏名】砂田 緑
【テーマコード(参考)】
3E033
3E035
4B023
4B035
【Fターム(参考)】
3E033AA10
3E033BA16
3E033CA18
3E033DA08
3E033DD02
3E033EA02
3E033FA04
3E033GA03
3E035AA10
3E035BA02
3E035BC02
3E035BD02
3E035CA07
3E035DA01
4B023LE16
4B023LP19
4B035LC16
4B035LE11
4B035LG34
4B035LP46
4B035LT16
(57)【要約】
【課題】所望の形状に押し固められた食品を容易に提供することが可能な構造の容器詰食品、食品用容器、及び、容器詰食品の製造方法を提供する。
【解決手段】容器詰食品400は、第1食材と、第2食材と、を含む食品200を個別に収容する1つ以上のポケット30を有する容器本体100と、ポケット30に収容されている食品200と、容器本体100におけるポケット30の開口32の周囲全周に対して密着し、ポケット30の開口32を閉塞しているフィルム300と、を備え、フィルム300とポケット30の内面31との間が真空となっていて、フィルム300が容器本体100におけるポケット30の周囲に対して密着しているとともに、フィルム300が食品200をポケット30の内面31に対して押圧している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1食材と、前記第1食材と一体化された前記第1食材とは異種の食材である第2食材と、を含む食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体と、
前記ポケットに収容されている前記食品と、
前記容器本体における前記ポケットの開口の周囲全周に対して密着し、前記ポケットの前記開口を閉塞しているフィルムと、
を備え、
前記フィルムと前記ポケットの内面との間が真空となっていて、前記フィルムが前記容器本体における前記ポケットの周囲に対して密着しているとともに、前記フィルムが前記食品を前記ポケットの内面に対して押圧している容器詰食品。
【請求項2】
前記容器本体は複数の前記ポケットを有し、
前記容器本体は、隣り合う前記ポケットどうしの間において直線状に延在する直線状延在部を有し、
前記直線状延在部に対して前記フィルムが密着している請求項1に記載の容器詰食品。
【請求項3】
前記ポケットは、平面視矩形状に形成されており、
平面視において、前記ポケットの少なくとも一辺に沿って前記直線状延在部が配置されている請求項2に記載の容器詰食品。
【請求項4】
前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記直線状延在部は、前記フランジ部の一部分に対して平行に延在している請求項2又は3に記載の容器詰食品。
【請求項5】
前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記直線状延在部は、前記フランジ部の各部に対して斜めに延在している請求項2又は3に記載の容器詰食品。
【請求項6】
前記ポケットの少なくとも底部は、下方に向けて弧状の凸形状に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項7】
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部と、前記フランジ部よりも内側に位置しているとともに前記フランジ部よりも低段に配置されている低段部と、を有し、
前記低段部に対して前記フィルムが密着している請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項8】
前記ポケットは、
当該ポケットの周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している周縁傾斜部と、
前記周縁傾斜部の内周縁から当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部と、
を有し、
前記中央傾斜部は半球状に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項9】
前記ポケットは、
当該ポケットの周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している周縁傾斜部と、
前記周縁傾斜部の内周縁から当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部と、
を有し、
前記中央傾斜部は前記周縁傾斜部よりも急傾斜となっている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項10】
前記ポケットは、平面視矩形状に形成されており、
平面視において、前記周縁傾斜部は、前記ポケットの四辺に沿ってそれぞれ直線状に延在している4つの直線部を含む請求項8又は9に記載の容器詰食品。
【請求項11】
前記周縁傾斜部は、前記4つの直線部のうち隣り合う前記直線部どうしの角部から前記ポケットの中央に向けて下り傾斜している4つの角傾斜部を含み、
前記角傾斜部は、前記ポケットの対角線に沿って延在する谷部を有する請求項10に記載の容器詰食品。
【請求項12】
前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記4つの直線部の各々は、前記フランジ部の一部分ずつに対して平行に延在している請求項10に記載の容器詰食品。
【請求項13】
前記第2食材は前記ポケットの底面に密着しており、
前記第1食材は前記第2食材と前記フィルムとの間に配置されていて前記フィルムに対して密着している請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項14】
前記食品は寿司である請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項15】
前記容器本体は、圧空成形又は真空成形により作製されている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項16】
食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体を備え、
前記容器本体は、前記ポケットの開口の周囲全周に、フィルムが密着する領域を有する食品用容器。
【請求項17】
第1食材と、前記第1食材と一体化された前記第1食材とは異種の食材である第2食材と、を含む食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体を準備する工程と、
前記ポケットに前記食品を配置する工程と、
前記容器本体と前記ポケット内の食品とを加熱されたフィルムで覆い、前記フィルムと前記容器本体及び前記食品との間を真空引きし、前記フィルムによって前記食品を前記ポケットの内面に対して押圧するとともに前記容器本体における前記ポケットの開口の周囲全周に対して前記フィルムを密着させる工程と、
を備える容器詰食品の製造方法。
【請求項18】
前記ポケットに前記食品を配置する工程では、前記ポケットからはみ出す量の前記食品を前記ポケットに配置する請求項17に記載の容器詰食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器詰食品、食品用容器、及び、容器詰食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1食材(同文献には、米と記載)と、第1食材と一体化された第1食材とは異種の食材である第2食材(同文献には、魚と記載)と、を含む食品を収容するフィルム(同文献には、プラスチック製の袋と記載)と、を備え、
フィルムと食品との間を真空引きすることにより、フィルムによって食品を押圧している容器詰食品(同文献には、加工食品と記載)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-249565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者等の検討によれば、特許文献1の容器詰食品では、所望の形状に押し固められた食品を提供するための構造について、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、所望の形状に押し固められた食品を容易に提供することが可能な容器詰食品、食品用容器、及び、容器詰食品の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1食材と、前記第1食材と一体化された前記第1食材とは異種の食材である第2食材と、を含む食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体と、
前記ポケットに収容されている前記食品と、
前記容器本体における前記ポケットの開口の周囲全周に対して密着し、前記ポケットの前記開口を閉塞しているフィルムと、
を備え、
前記フィルムと前記ポケットの内面との間が真空となっていて、前記フィルムが前記容器本体における前記ポケットの周囲に対して密着しているとともに、前記フィルムが前記食品を前記ポケットの内面に対して押圧している容器詰食品が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体を備え、
前記容器本体は、前記ポケットの開口の周囲全周に、フィルムが密着する領域を有する食品用容器が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、第1食材と、前記第1食材と一体化された前記第1食材とは異種の食材である第2食材と、を含む食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体を準備する工程と、
前記ポケットに前記食品を配置する工程と、
前記容器本体と前記ポケット内の食品とを加熱されたフィルムで覆い、前記フィルムと前記容器本体及び前記食品との間を真空引きし、前記フィルムによって前記食品を前記ポケットの内面に対して押圧するとともに前記容器本体における前記ポケットの開口の周囲全周に対して前記フィルムを密着させる工程と、
を備える容器詰食品の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所望の形状に押し固められた食品を容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る容器詰食品の平面図である。
図2】第1実施形態に係る容器詰食品の底面図である。
図3図1に示すA-A線に沿った断面図である。
図4】第1実施形態における容器本体の平面図である。
図5】第1実施形態における容器本体の斜視図である。
図6図4に示すA-A線に沿った断面図である。
図7】第1実施形態におけるポケット及びその周辺構造の部分拡大の平面図である。
図8図8(a)及び図8(b)は第1実施形態におけるポケット及びその周辺構造の部分拡大図あり、このうち図8(a)は図6の部分拡大図であり、図8(b)はポケットの対角線に沿った断面図である。
図9図9(a)、図9(b)、図9(c)、図9(d)及び図9(e)は第1実施形態におけるポケットから食品を取り出す際の動作の一例を説明するための模式図であり、このうち図9(a)、図9(b)及び図9(c)はポケットの側面図であり、図9(d)及び図9(e)はポケットの平面図である。
図10図10(a)、図10(b)及び図10(c)は第1実施形態に係る容器詰食品の製造方法の一連の流れを説明するための図である。
図11】第2実施形態における容器本体の平面図である。
図12図11に示すA-A線に沿った断面図である。
図13】第2実施形態に係る容器詰食品の断面図であり、図11に示すA-A線に沿った断面を示す。
図14】第3実施形態における容器本体の平面図である。
図15図14に示すA-A線に沿った断面図である。
図16】第3実施形態に係る容器詰食品の断面図であり、図14に示すA-A線に沿った断面を示す。
図17】第4実施形態における容器本体の平面図である。
図18図17に示すA-A線に沿った断面図である。
図19】第4実施形態の変形例における容器本体の平面図である。
図20図20(a)及び図20(b)は、実施例1における容器本体の撮影画像であり、このうち図20(a)は容器本体を捻る前の状態を示し、図20(b)は容器本体を捻った状態を示す。
図21】実施例2に係る容器詰食品の撮影画像であり、容器本体を底面側から斜めに視た状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態について、図1から図21を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
なお、以下では、容器詰食品400の各構成要素の位置関係などを説明するに際し、図3における上側を、上側又は上方などと称し、その反対側を下側又は下方などと称する。また、内方又は内側とは、容器本体100の中心側であり、外方又は外側とは、容器本体100の中心側とは反対側である。しかし、これらの方向の規定は便宜的なものであり、容器詰食品400の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
【0012】
〔第1実施形態〕
先ず、図1から図10(c)を用いて第1実施形態を説明する。
図1から図3に示すように、本実施形態に係る容器詰食品400は、第1食材(本実施形態の場合、後述するシャリ玉220)と、第1食材と一体化された第1食材とは異種の食材である第2食材(本実施形態の場合、後述する寿司ネタ240)と、を含む食品200を個別に収容する1つ以上のポケット30を有する容器本体100(図4から図6参照)と、ポケット30に収容されている食品200と、容器本体100におけるポケット30の開口32の周囲全周に対して密着し、ポケット30の開口32を閉塞しているフィルム300と、を備えている。
そして、フィルム300とポケット30の内面31との間が真空となっていて、フィルム300が容器本体100におけるポケット30の周囲に対して密着しているとともに、フィルム300が食品200をポケット30の内面31に対して押圧している。
なお、ここで、「真空」とは、負圧と同義である。
【0013】
本実施形態によれば、フィルム300が容器本体100におけるポケット30の周囲に対して密着しているとともに、フィルム300が食品200をポケット30の内面31に対して押圧している。
このため、第1食材と第2食材とを含む食品200は、フィルム300とポケット30の内面31との間で当該ポケット30の内面31の形状に押し固められている。よって、所望の形状に押し固められた食品200を容易に提供することができる。
より詳細には、本実施形態の場合、一例として、第1食材は、塊状の米飯により構成されている。そして、食品200において、第1食材の米粒どうしが良好に密着し塊状となっており、更には第1食材と第2食材とが互いに密着して一体化している(1つの塊状となっている)。
また、例えば、容器詰食品400は、食品200が容器本体100に収容された状態のまま流通する。このため、使用者(消費者)によって容器本体100から取り出されるまでは、食品200はポケット30及びフィルム300によって保護されている。このため、例えば、輸送時や陳列時に外部からの衝撃によって食品200が変形してしまうこともより確実に抑制できる。
【0014】
先ず、容器本体100について、より詳細に説明する。
容器本体100(食品用容器)は、上述のように、食品200を個別に収容する1つ以上のポケット30を有する容器本体100を備え、容器本体100は、ポケット30の開口32の周囲全周に、フィルム300が密着する領域を有する。
このため、ポケット30内に食品200を収容した状態で、ポケット30の開口32の周囲全周に、フィルム300を密着させることによって、上述のようにポケット30の内面31とフィルム300との間で食品200を良好に押し固めることができる。よって、所望の形状に押し固められた食品200を、より確実に提供することができる。
【0015】
図4及び図5に示すように、容器本体100は、例えば、平面視矩形状に形成されている。そして、容器本体100は、当該容器本体100の外形線に沿って配置されているフランジ部12を有する。本実施形態の場合、容器本体100の平面形状は、一例として、略長方形状となっており、フランジ部12の平面形状は、互いに平行な一対の長辺と、互いに平行な一対の短辺と、を含む角丸の略矩形環状となっている。また、フランジ部12の角部15は、丸みを帯びた形状になっている。ただし、フランジ部12の角部15は、直角となっていてもよい。
なお、本発明において、容器本体100の平面形状は略長方形状に限定されず、例えば、正方形状などのその他の多角形状であってもよい。更には、容器本体100の平面形状は、例えば、内方(容器本体100の中心側)又は外方(容器本体100の中心側とは反対側)に向けて凸の円弧状の辺を含む形状であってもよく、正円形状や楕円形状などであってもよい。
【0016】
図4図5又は図6に示すように、容器本体100は、例えば、上述のポケット30及びフランジ部12と、フランジ部12よりも内側に位置しているとともにフランジ部12よりも低段に配置されている低段部20と、フランジ部12の内周縁と低段部20の外周縁との間の段差に形成されている周壁部16と、を有する。
フランジ部12は、例えば、平面視において、角丸の略矩形環状に形成されている主部12aと、主部12aから外方(容器本体100の中心側とは反対側)に向けて階段状に下方に変位している段差部12bと、を含む。主部12aは、例えば、略平坦に形成されている。
低段部20は、複数のポケット30(詳細後述)どうしを接続しているとともに、当該複数のポケット30と周壁部16ひいてはフランジ部12との間を接続している。低段部20の全体は、略平坦に形成されているとともに、水平に配置されている。
本実施形態の場合、低段部20に対してフィルム300が密着している。
周壁部16は、例えば、低段部20の外周縁から上方に起立している。そして、周壁部16は、低段部20の外周囲を360度囲んでいる。
【0017】
本実施形態の場合、容器本体100は複数(例えば、6つ)のポケット30を有する。ただし、本発明において、容器本体100が有するポケット30の数は特に限定されず、1つでもよいし、7つ以上でもよい。
複数のポケット30の各々は、例えば、互いに同一形状及び同一寸法に設定されている。ただし、本発明はこの例に限定されず、複数のポケット30の各々は、互いに異なる形状に設定されていてもよいし、互いに異なる寸法に設定されていてもよい。
【0018】
図4に示すように、複数のポケット30の各々は、平面視矩形状に形成されている。より詳細には、ポケット30の平面形状は、例えば、略正方形状となっており、当該ポケット30の外形線は、フランジ部12の長辺に対して平行な一対の辺と、フランジ部12の短辺に対して平行な一対の辺と、を含む。
なお、本発明において、ポケット30の平面形状は略正方形状に限定されず、例えば、後述するように長方形状などのその他の多角形状であってもよい。更には、容器本体100の平面形状は、例えば、内方又は外方(容器本体100の中心側又はその反対側)に向けて凸の円弧状の辺を含む形状であってもよく、正円形状や楕円形状などであってもよい。
【0019】
ここで、本実施形態の場合、容器本体100は、隣り合うポケット30どうしの間において直線状に延在する直線状延在部22を有する。
これにより、隣り合うポケット30どうしの間において構造的強度を適度に確保することができる。よって、使用者は、容器本体100を捻ることによって、ポケット30の一部分を直線状に保ったまま当該ポケット30を変形させることができる。このため、ポケット30の変形に伴って当該ポケット30の内面31と食品200との間に隙間を生じさせ、食品200をより容易に押し出すことができる。
また、直線状延在部22に対してフィルム300が密着している。
これにより、隣り合うポケット30どうしの間の部分に対してもフィルム300が密着するようにできるので、より確実に、食品200を、フィルム300とポケット30の内面31との間で当該ポケット30の内面31の形状に押し固めることができる。
【0020】
また、平面視において、ポケット30の少なくとも一辺に沿って直線状延在部22が配置されている。
これにより、ポケット30の外周囲の少なくとも一部分(ポケット30の少なくとも一辺に沿う部分)の構造的強度を適度に確保することができる。よって、使用者は、容器本体100を捻る際に、ポケット30の少なくとも一辺の形状を保ったまま当該ポケット30を変形させることができるので、当該変形に伴って食品200をポケット30からより容易に押し出すことができる。
【0021】
平面視において、直線状延在部22は、例えば、フランジ部12の一部分に対して平行に延在している。
これにより、例えば、使用者が、フランジ部12の互いに平行に延在する2つの辺(一対の長辺又は一対の短辺)を把持して、この2つの辺の間の部分を捻るようにして容器本体100に対して力を加えることによって、ポケット30の辺の形状を保ったままポケット30を変形させることができる。よって、ポケット30の変形に伴って食品200を当該ポケット30から一層容易に押し出すことができる。
【0022】
本実施形態の場合、低段部20の一部分が直線状延在部22を構成している。
より詳細には、図4に示すように、平面視において、複数のポケット30の各々は、例えば、フランジ部12の内周縁の内側の領域において、互いに等間隔に離間して配置されている。そして、低段部20は、平面視において、フランジ部12と各ポケット30とを接続している周縁部21と、隣り合うポケット30どうしを接続している複数の直線状延在部22と、を含む。
一例として、複数のポケット30は、平面視において、容器本体100の長手方向及び短手方向にそれぞれ複数列(例えば、当該長手方向に3列、短手方向に2列)の正方格子状に配置されている。ただし、本発明において、複数のポケット30の配列は特に限定されず、千鳥状やランダム状等であってもよい。
そして、複数の直線状延在部22の各々は、容器本体100の長手方向及び短手方向の双方において、複数のポケット30どうしを接続している。
より詳細には、複数の直線状延在部22は、例えば、フランジ部12の長辺に対して平行な方向に延在している複数の第1直線状延在部22aと、フランジ部12の短辺に対して平行な方向に延在している複数の第2直線状延在部22bと、を含む。
複数の第1直線状延在部22aの各々は、例えば、容器本体100の短手方向において、隣り合うポケット30どうしの間隙にそれぞれ配置されている。そして、複数の第1直線状延在部22aの各々は、低段部20において、個々のポケット30の一辺に沿ってそれぞれ延在している部分である。本実施形態の場合、容器本体100は、3つの第1直線状延在部22aを有する。
複数の第2直線状延在部22bの各々は、例えば、容器本体100の長手方向において、隣り合うポケット30どうしの間隙にそれぞれ配置されている。そして、複数の第2直線状延在部22bの各々は、低段部20において、個々のポケット30の一辺に沿ってそれぞれ延在している部分である。本実施形態の場合、容器本体100は、4つの第2直線状延在部22bを有する。
周縁部21は、平面視において、角丸の略矩形環状に形成されており、当該周縁部21の内周縁の内側に、複数のポケット30と、複数の直線状延在部22と、が収まっている。
周縁部21は、フランジ部12の一対の長辺に沿って(すなわち容器本体100の長手方向に沿って)それぞれ直線状に延在している部分と、フランジ部12の一対の短辺に沿って(すなわち容器本体100の短手方向に沿って)それぞれ直線状に延在している部分と、を含む。
周縁部21の上面と、複数の直線状延在部22の各々の上面とは、互いに面一に配置されている。すなわち、低段部20の上面の全体が、平坦に形成されている。
そして、図4に示すように、周縁部21における直線状に延在している部分と、第1直線状延在部22aと、第2直線状延在部22bと、によって、各ポケット30の四辺が囲まれている。
このため、各ポケット30は、当該ポケット30の四辺が直線状となった状態を維持しながら変形することができる。
より詳細には、複数列(長手方向に3列、短手方向に2列)の正方格子状に配置されている複数のポケット30のうち、長手方向における中央に配置されている2つのポケット30の四辺は、例えば、1つの第1直線状延在部22aと、2つの第2直線状延在部22bと、周縁部21における長手方向に沿って直線状に延在している部分と、によって囲まれている。また、長手方向において、これら2つのポケット30の両側に配置されている4つのポケット30の四辺は、例えば、1つの第1直線状延在部22aと、1つの第2直線状延在部22bと、周縁部21における長手方向に沿って直線状に延在している部分と、周縁部21における短手方向に沿って直線状に延在している部分と、によって囲まれている。
【0023】
ここで、図6図8(a)及び図8(b)に示すように、ポケット30の少なくとも底部34は、例えば、下方に向けて弧状の凸形状に形成されている。
これにより、ポケット30内に収容された食品200を、弧状の凸形状に成形することができる。このため、後述するように、例えば、手鞠寿司としての食品200を成形することができる。
【0024】
より詳細には、ポケット30(本実施形態の場合、複数のポケット30の各々)は、例えば、当該ポケット30の周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケット30の中央に向けて下り傾斜している周縁傾斜部41と、周縁傾斜部41の内周縁から当該ポケット30の中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部51と、を有する。
そして、中央傾斜部51は半球状に形成されている。すなわち、平面視において、中央傾斜部51は略円形状に形成されている。そして、食品200は、主として中央傾斜部51内に収容される。
これにより、手鞠寿司としての食品200を容易に成形することができる。
【0025】
また、図8(a)及び図8(b)に示すように、中央傾斜部51は周縁傾斜部41よりも急傾斜となっている。
これにより、中央傾斜部51の深さを十分に確保し、中央傾斜部51の容量を大きくすることができる。よって、十分な量の食品200をポケット30に収容することができる。
また、フィルム300が周縁傾斜部41に対してより密着しやすい構成とすることができる。
【0026】
また、図7に示すように、平面視において、周縁傾斜部41は、例えば、ポケット30の四辺に沿ってそれぞれ直線状に延在している4つの直線部43を含む。
これにより、中央傾斜部51の周囲を、平面視矩形環状の補強枠(4つの直線部43)が囲んでいる構成とすることができる。このため、図9(a)に示す状態から、図9(b)及び図9(c)に示すように、周縁傾斜部41をポケット30の対角線501(又は対角線502)に沿って2つ折りとなるように変形させることができる。これにより、中央傾斜部51は、当該平面視矩形環状の補強枠(4つの直線部43)の2つの対角線(本実施形態の場合、ポケット30の対角線501、502が相当)のうち、一方の対角線の延在方向に間延びし、他方の対角線の延在方向において縮むように変形することができる(図9(e)参照)。よって、食品200の形状を良好に保持しつつも、中央傾斜部51ひいてはポケット30から食品200をより容易に押し出すことができる。
なお、図9(a)及び図9(b)は、中央傾斜部51を対角線501の方向に視た状態を示す模式図であり、図9(c)は、中央傾斜部51を対角線502の方向に視た状態を示す模式図である。また、図9(d)及び図9(e)は、中央傾斜部51の模式的な平面図である。そして、図9(d)は、図9(a)に示す状態の中央傾斜部51の平面図であり、図9(e)は、図9(b)及び図9(c)に示す状態の中央傾斜部51の平面図である。
【0027】
周縁傾斜部41は、4つの直線部43のうち隣り合う直線部43どうしの角部44からポケット30の中央C1に向けて下り傾斜している4つの角傾斜部46を含む。
そして、図8(b)に示すように、角傾斜部46は、ポケット30の対角線501、502(図7参照)に沿って延在する谷部48、49を有する。なお、ここでいう谷部48(又は谷部49)とは、平面視において対角線501(又は対角線502)に対して直交する鉛直面で切断した断面において、角傾斜部46の最も深い部分である。
このため、図9(a)に示す状態から、図9(b)に示すように、谷部48(又は谷部49)を折り曲げ線として、周縁傾斜部41をポケット30の対角線501(又は対角線502)に沿って2つ折りとなるように変形させることが容易となる。これにより、上述のように、中央傾斜部51は、当該平面視矩形環状の補強枠(4つの直線部43)の2つの対角線(ポケット30の対角線501、502が相当)のうち、一方の対角線の延在方向に間延びし、他方の対角線の延在方向において縮むように変形することができる(図9(e)参照)。よって、食品200の形状を良好に保持しつつも、中央傾斜部51ひいてはポケット30から食品200をより容易に押し出すことができる。
【0028】
平面視において、4つの直線部43の各々は、フランジ部12の一部分ずつに対して平行に延在している。
これにより、使用者が、フランジ部12の互いに平行に延在する2つの辺(一対の長辺又は一対の短辺)を把持して、この2つ辺の間の部分を捻るようにして容器本体100に対して力を加えることによって、谷部48(又は谷部49)を折り曲げ線として、角傾斜部46をポケット30の対角線501(又は対角線502)に沿って2つ折りとなるように変形させることがより容易となる。
【0029】
本実施形態の場合、半球状の中央傾斜部51の下端部が、ポケット30の底部34を構成しており、周縁傾斜部41の外周縁が、ポケット30の開口32を構成している。
より詳細には、平面視において、周縁傾斜部41は、例えば、略正方形状に形成されており、4つの直線部43が、それぞれ周縁傾斜部41の四辺を構成している。
周縁傾斜部41の4つの直線部43のうち、2つの直線部43は、フランジ部12の長辺に対して平行に延在しており、残り2つの直線部43は、フランジ部12の短辺に対して平行に延在している。また、隣り合う直線部43どうしの角部44は、例えば、丸みを帯びた形状となっている。ただし、例えば、角部44は、直角形状となっていてもよい。
図7に示すように、角部44の曲率半径は、例えば、フランジ部12の角部15の曲率半径よりも小さい。これにより、隣り合う直線部43どうしの角部44の構造的強度を良好に確保することができるので、中央傾斜部51に対して変形する力を良好に付与することができる。
直線部43の各々は、例えば、それぞれ平板状に形成されている。
また、図7に示すように、平面視において、中央傾斜部51の外形線は、略円形状に形成されており、周縁傾斜部41の内周縁の内側に収まっている。そして、平面視において、中央傾斜部51は、4つの直線部43の集合体に対して内接している。より詳細には、平面視において、当該中央傾斜部51の外形線の一部分は、4つの直線部43の中央部(延在方向における中央部)に内接している。また、平面視において、中央傾斜部51の中心の位置は、ポケット30の中心の位置と一致している。そして、平面視において、4つの直線部43の内周縁と、中央傾斜部51の外形線と、の間には4つの間隙が形成されており、これら4つの間隙をそれぞれ埋めるようにして上記の4つの角傾斜部46が配置されている。すなわち、本実施形態の場合、平面視において、中央傾斜部51の開口の周囲を囲むようにして、4つの角傾斜部46が配置されている。
4つの角傾斜部46の各々は、例えば、平面視において、略直角二等辺三角形状に形成されており、略二等辺三角形状の2つの等辺は隣り合う直線部43どうしに沿って延在しているとともに、略二等辺三角形状の頂点を含む角部は、上記角部44の内周縁に沿って配置されている。そして、谷部48、49は、平面視において、角部44からポケット30の中央C1に向けて、当該二等辺三角形状を二等分する方向に延在している。
更には、4つの角傾斜部46の各々は、例えば、下方に向けて凸の略三角錐状に形成されている。そして、角傾斜部46の谷部48、49は、三角錐が有する斜辺のうちの一辺を構成しており、ポケット30の中央C1(中央傾斜部51の中心)に向けて下り傾斜している。
また、図5及び図6に示すように、中央傾斜部51の開口(上縁)は、下方から4つの直線部43の中央部に向けて凸の4つの円弧状の部分(以下、円弧部53)を含む。そして、4つの円弧部53は、それぞれ対応する角傾斜部46の内周縁に沿って延在している。
【0030】
次に、食品200についてより詳細に説明する。
図3に示すように、第1食材と一体化された第1食材とは異種の食材である第2食材はポケット30の底面31bに密着しており、第1食材は第2食材とフィルム300との間に配置されていてフィルム300に対して密着している。
このような構成によれば、ポケット30の内面31とフィルム300との間で、第1食材と第2食材とを互いに良好に密着させ、一体化させることができる。よって、より確実に、第1食材と第2食材とが1つの塊状となった状態を維持したまま、当該食品200を容器本体100から取り出すことができる。
【0031】
本実施形態の場合、一例として、食品200は寿司である。
より詳細には、第1食材は、塊状の酢飯により構成されたシャリ玉220である。シャリ玉220の形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、図1及び図3に示すような略球状であり、食品200は手鞠寿司である。ただし、本発明において、シャリ玉220の形状は特に限定されず、例えば、後述する第3実施形態等のように、一方向に長尺な略直方体状であってもよい。
なお、図3に示す例では、シャリ玉220のフィルム300側の部分が略平坦状になっているが、本発明はこの例に限定されず、シャリ玉220のフィルム300側の部分は、例えば、上方に向けて半球状に凸の形状となっていてもよい。
第2食材は、所望の形状に成形された寿司ネタ240を少なくとも含む部分である。より詳細には、本実施形態の場合、ポケット30の底面31bに対して、寿司ネタ240に加えてシャリ玉220の一部分も密着して第2食材の一部を構成していてもよい。もしくは、ポケット30の底面31bに対して、寿司ネタ240が全面的に敷き詰められており、シャリ玉220は当該底面31bに対して非接触となっていてもよい。
寿司ネタ240としては、特に限定されず、例えば、鮪や鮭などの魚類を薄くスライスした切り身や、海老や貝などのその他の海鮮類や卵焼きを一口大にカットしたもの等が挙げられる。
本実施形態の場合、上述のようにフィルム300が食品200(シャリ玉220及び寿司ネタ240)をポケット30の内面31に対して押圧しているので、寿司ネタ240とシャリ玉220とが良好に一体化された寿司を容易に得ることができる。
なお、本発明において、食品200は寿司に限定されず、例えば、おにぎりやサンドイッチなど、2つ以上の異種の食材どうしを塊状に押し固めることによって得られる食品であればよい。この場合、食品200において、第2食材が第1食材(米飯の塊やパンなど)によって包まれていてもよいし、第2食材が2つの第1食材どうしの間で挟まれていてもよい。
【0032】
図3に示すように、本実施形態の場合、ポケット30の底面31bは、中央傾斜部51の内面が構成しており、寿司ネタ240は、当該中央傾斜部51の内面に沿って配置されている。また、本実施形態の場合、シャリ玉220は、主として中央傾斜部51の内部に収容されている。なお、本発明において、シャリ玉220を含む食品200の全体は、平面視において、図1に示すように中央傾斜部51の外形線の内側に収まっていてもよいし、当該中央傾斜部51の外形線の外側にはみ出していてもよい。ただし、食品200の全体は、平面視において、ポケット30の開口32の内側に収まっていることが好ましい。
ここで、図1において、容器本体100におけるフィルム300が密着する領域をハッチングで示している。また、図1において、フィルム300の図示を省略している。
本実施形態の場合、平面視略矩形状の1枚のフィルム300が、フランジ部12の主部12aの上面の全体、周壁部16の内面、低段部20の上面の全体(周縁部21及び直線状延在部22)、及びポケット30の内面31における食品200の非配置領域に対して密着されている。このようにして、フィルム300は、容器本体100におけるポケット30の周囲、更には食品200の表面(食品200におけるポケット30から露出している部分)に対して密着している。より詳細には、フィルム300は、平面視において、食品200の外周囲を360度囲んだ状態で、容器本体100における食品200の外周囲に対して密着している。また、ポケット30内において、フィルム300は、低段部20よりも下側の部分(例えば、周縁傾斜部41の内面)に対して密着しているので、当該フィルム300によって、中央傾斜部51内の食品200をより良好に押圧することができる。
【0033】
一例として、容器本体100は、例えば、圧空成形又は真空成形により作製されている。
容器本体100は、例えば、可撓性樹脂材料によって一体成形されている。より詳細には、容器本体100を構成する可撓性樹脂材料は、容器本体100自体がその形状を保持するとともに、ポケット30に収容される食品200を保護できる程度の剛性を有しているが、使用者の手によって変形(弾性変形)させることが可能な程度の可撓性を有する。
このような構成によれば、上述のように容器本体100を捻り、ポケット30から食品200を押し出すことが容易となる。また、容器本体100の適度な構造的強度も確保することができるので、食品200をポケット30の内面31に押しつけることによって、当該食品200をポケット30の形状に良好に押し固めることができる。更には、輸送や陳列の際に、外部からの衝撃によって食品200が変形してしまうことを抑制できる。
可撓性樹脂材料としては、特に限定されないが、ポリプロピレンであることが挙げられる。
また容器本体100を構成している樹脂材料は、例えば、透明性(可視光透過性)を有することが好ましい。このようにすることによって、例えば、寿司ネタ240が透けて見えているポケット30の底部34側を上側(図2に示す状態)として陳列又は保管することによって、シャリ玉220と寿司ネタ240とのうち寿司ネタ240が使用者から視認可能となる。このため、視覚的に購買意欲を促進することができるとともに、どのポケット30にどのような寿司ネタ240の寿司が収容されているか容易に把握することができる。ただし、陳列又は保管する際の容器詰食品400の向きはこの例に限定されず、例えば、フィルム300側が上側となっていてもよい。
【0034】
容器本体100から寿司(食品200)を取り出す際には、寿司が含む汁などの液体がポケット30から垂れてしまわないように、容器詰食品400のフィルム300側が上側となる状態(図3に示す状態)でフィルム300を容器本体100から剥離する。そして、図9(a)及び図9(b)に示すように、ポケット30の開口32側が下側となる状態で、容器本体100を捻り、ポケット30から寿司を押し出す。
より詳細には、本実施形態の場合、谷部48(又は谷部49)を折り曲げ線として、周縁傾斜部41をポケット30の対角線501(又は対角線502)に沿って2つ折りとなるように変形させる。これにより、中央傾斜部51は、当該平面視矩形環状の補強枠(4つの直線部43)の2つの対角線(ポケットの対角線501、502が相当)のうち、一方の対角線の延在方向に間延びし、他方の対角線の延在方向において縮むように変形することができる(図9(e)参照)。そして、中央傾斜部51の内部に収容されている寿司(食品200)は、容器本体100から容易に押し出される。このような方法によれば、例えば、食品200を容器本体100から取り出す際に、使用者が指などでポケット30の底部34を押圧する場合と比較して、食品200の形状をより確実に保ちながら取り出すことができる。
なお、図3等に示すように、フィルム300には、例えば、容器本体100に対して密着していない摘まみ部320が形成されていてもよい。フィルム300を容器本体100から剥離する際には、使用者は、片方の手で容器本体100を把持しつつ、もう片方の手で摘まみ部320を引っ張ることによって、フィルム300を容器本体100から容易に引き剥がすことができる。
【0035】
以下、本実施形態に係る容器詰食品400の製造方法(以下、本方法と称する場合がある)を用いて、寿司(例えば、手鞠寿司)を製造する際の一連の工程の一例を説明する。
本方法は、食品200を個別に収容する1つ以上のポケット30を有する容器本体100を準備する工程と、ポケット30に食品200を配置する工程と、容器本体100におけるポケット30の開口32の周囲全周に対してフィルム300を密着させる工程と、をこの順に行う。
【0036】
先ず、容器本体100を準備する工程では、容器本体100は、例えば、圧空成形又は真空成形により作製する。この際、上述のように、容器本体100は、例えば、可撓性を有する透明な樹脂材料によって作製されることが好ましい。
【0037】
次に、ポケット30に食品200を配置する工程では、図10(a)に示す状態から、図10(b)に示すように、容器本体100の一のポケット30に対して、シャリ玉220及び寿司ネタ240をそれぞれ1つずつ配置する。
なお、シャリ玉220は、予め米飯を塊状(例えば、略球状の塊)に成形したものをポケット30に配置してもよいし、成形される前の米飯を半球状のポケット30に詰めることによって、塊状に成形してもよい。
本実施形態の場合、一例として、鈴茂器工株式会社製のシャリ玉製造機を用いて、シャリ玉220を予め成形する。
寿司ネタ240としては、例えば、予め所望の形状(切り身など)に成形したものを用いる。また、寿司ネタ240は、例えば、半冷凍状態のものを用いる。
ここで、図10(b)に示すように、ポケット30からはみ出す量の食品200をポケット30に配置することが好ましい。なお、ここで、ポケット30からはみ出す量の食品200とは、食品200が、少なくともポケット30の開口32から上方にはみ出している状態を意味している。
このような構成によれば、食品200の十分な体積を確保できるので、次のフィルム300を密着させる工程において、当該フィルム300により食品200を十分に押し固めることができる。
【0038】
次に、フィルム300を密着させる工程では、先ず、容器本体100とポケット30内の食品200とを加熱されたフィルム300で覆う。続いて、フィルム300と容器本体100及び食品200との間を真空引きする。これにより、図10(c)に示すように、フィルム300によって食品200をポケット30の内面31に対して押圧するとともに容器本体100におけるポケット30の開口32の周囲全周に対してフィルム300を密着させる。
より詳細には、本実施形態の場合、一例として、容器詰食品400は、スキンパック包装体である。なお、ここでいう「スキンパック(スキン包装)」とは、トレー(本実施形態の場合、容器本体100)の上に食品200を配置し、その上に加熱したフィルム300を被せ、チャンバー内で真空引きすることで、フィルム300を食品200に密着させる包装を意味する。より詳細には、フィルム300と、容器本体100におけるフィルム300が密着する領域(図1に示すハッチングの領域)と、が互いに密着する。
このようなスキンパックを用いて、硬質な押し型ではなくフィルム300を使用して食品200を押圧するため、米粒やパンなどが押し潰されて食品200の食感が損なわれることを抑制しつつ、当該フィルム300により良好に食品200を押し固めることができる。
【0039】
フィルム300を密着させる工程(上記のスキンパック)は、例えば、トレーシーラーを用いて行う。トレーシーラーとしては、全自動タイプトレーシーラー(QX‐775FLEX)(株式会社イシダ製)を用いることが出来る。
真空引きの際の真空度は、例えば、1mbar以上50mbar以下であることが好ましく、より好ましくは、8mbar以上30mbar以下である。
フィルム300の加熱温度及び加熱シールの温度は、例えば、110℃以上160℃以下が好ましく、より好ましくは130℃以上150℃以下である。
フィルム300は、例えば、熱可塑性樹脂によって構成されており、例えば、1又は複数の樹脂層を含む。
フィルム300の厚みは、50μm以上300μm以下であることが好ましく、より好ましくは70μm以上200μm以下である。
このようなフィルム300として、例えば、住友ベークライト株式会社製のスミライト(登録商標)CEL9830を用いることができる。
【0040】
このようにして、本実施形態に係る容器詰食品400(手鞠寿司)が得られる。
【0041】
本方法では、例えば、フィルム300を密着させる工程の後、容器詰食品400を冷凍する工程が更に行われてもよい。この場合は、例えば、容器詰食品400(手鞠寿司)を不図示の冷凍装置によって冷凍する。より詳細には、一例として、液体急速冷凍装置にて、-35℃のアルコールに容器詰食品400を浸漬し、30分間冷却を行なう。
これにより、冷凍された容器詰食品400が得られる。そして、冷凍された状態で容器詰食品400は、流通及び販売される。
【0042】
このように、本方法は、第1食材(シャリ玉220)と、第1食材と一体化された第1食材とは異種の食材である第2食材(寿司ネタ240)と、を含む食品200を個別に収容する1つ以上のポケット30を有する容器本体100を準備する工程と、ポケット30に食品200を配置する工程と、容器本体100とポケット30内の食品200とを加熱されたフィルム300で覆い、フィルム300と容器本体100及び食品200との間を真空引きし、フィルム300によって食品200をポケット30の内面31に対して押圧するとともに容器本体100におけるポケット30の開口32の周囲全周に対してフィルム300を密着させる工程と、を備えている。
そして、本方法によれば、より容易に食品200(第1食材と第2食材)を所望の形状に押し固めることができる。
また、容器本体100が複数のポケット30を備えている場合、一度に複数の食品200を所望の形状に押し固めることができるので、効率良く食品200を生産することができる。
【0043】
〔第2実施形態〕
次に、図11から図13を用いて第2実施形態を説明する。
本実施形態に係る容器詰食品400は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る容器詰食品400と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る容器詰食品400と同様に構成されている。
【0044】
図11図12及び図13に示すように、本実施形態の場合も、第1実施形態と同様に、複数のポケット30の各々は、当該ポケット30の周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケット30の中央C1に向けて下り傾斜している周縁傾斜部41と、周縁傾斜部41の内周縁から当該ポケット30の中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部51と、を有する。
ただし、本実施形態の場合、周縁傾斜部41は、第1実施形態とは異なり、4つの角傾斜部46(4つの直線部43及び谷部48、49)を有していない。
このような構成の場合であっても、フィルム300が食品200をポケット30の内面31に対して押圧しているので、食品200は、フィルム300とポケット30の内面31との間で当該ポケット30の内面31の形状に押し固められている。よって、所望の形状に押し固められた食品200を容易に提供することができる。
なお、本実施形態に係る容器本体100は、上記の点の他は、第1実施形態に係る容器本体100と同様に構成されている。
【0045】
〔第3実施形態〕
次に、図14から図16を用いて第3実施形態を説明する。
本実施形態に係る容器詰食品400は、以下に説明する点で、上記の第1、2実施形態に係る容器詰食品400と相違しており、その他の点では、上記の第1、2実施形態に係る容器詰食品400と同様に構成されている。
【0046】
図14から図16に示すように、本実施形態の場合、複数のポケット30の各々は、平面視において、容器本体100の短手方向において長尺な略長方形状に形成されている。
このような構成によれば、食品200が寿司である場合、例えば、当該食品200を略直方体形状に押し固められた押し寿司とすることができる。
【0047】
平面視において、複数のポケット30は、例えば、容器本体100の長手方向において、等間隔に並んで配置されている。
図14及び図15に示すように、本実施形態の場合、第1実施形態とは異なり、複数のポケット30の底部34は、平坦な平板状に形成されている。
より詳細には、ポケット30は、ポケット30の周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケット30の中央に向けて下り傾斜している周壁部38と、ポケット30の底部34を構成している平板部36と、を備えている。
周壁部38は、平面視において、略矩形環状に形成されている。
平板部36は、平面視略長方形状に形成されており、当該平板部36の外周縁は、周縁傾斜部41の内周縁と接続されている。
【0048】
なお、本実施形態の場合も、隣り合うポケット30どうしの間には、フランジ部12の一部分に対して平行に延在している直線状延在部22が配置されている。ただし、本実施形態の場合、容器本体100は、フランジ部12の短辺に沿って延在する2つの直線状延在部22を有する。そして、直線状延在部22は、各ポケット30の長辺に沿って延在している。
また、本実施形態の場合も、周縁部21における直線状に延在している部分と、直線状延在部22とによって、各ポケット30の四辺が囲まれている。
このため、各ポケット30は、当該ポケット30の四辺が直線状となった状態を維持しながら変形することができる。
【0049】
〔第4実施形態〕
次に、図17及び図18を用いて第4実施形態を説明する。
本実施形態に係る容器詰食品400は、以下に説明する点で、上記の第3実施形態に係る容器詰食品400と相違しており、その他の点では、上記の第3実施形態に係る容器詰食品400と同様に構成されている。
【0050】
図17及び図18に示すように、本実施形態の場合も、第3実施形態と同様に、複数のポケット30の各々は、平面視において、一方向(本実施形態の場合、容器本体100の長手方向)に長尺な略長方形状に形成されており、ポケット30の周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケット30の中央に向けて下り傾斜している周壁部38と、ポケット30の底部34を構成している平板部36と、を備えている。
ただし、図17に示すように、複数のポケット30は、容器本体100の長手方向及び短手方向にそれぞれ複数列(例えば、当該長手方向に3列、短手方向に3列)の正方格子状に配置されている。そして、低段部20は、フランジ部12の長辺に対して平行な方向に延在している複数の第1直線状延在部22aと、フランジ部12の短辺に対して平行な方向に延在している複数の第2直線状延在部22bと、を含む。
このため、ポケット30の対角線に沿って容器本体100を捻ることによって、ポケット30の内面31と食品200との間に隙間を生じさせ、ポケット30から食品200を容易に取り出すことができる。
【0051】
また、本実施形態の場合、第3実施形態と比較して、各ポケット30の外形寸法はより小さい寸法に設定されており、これらのポケット30の平面形状は、容器本体100の長手方向において長尺な略長方形状となっており、4つの角部はそれぞれ丸みを帯びた形状となっている。
【0052】
<第4実施形態の変形例>
次に、図19を用いて第4実施形態の変形例を説明する。
本変形例に係る容器詰食品400は、以下に説明する点で、上記の第4実施形態に係る容器詰食品400と相違しており、その他の点では、上記の第4実施形態に係る容器詰食品400と同様に構成されている。
【0053】
図19に示すように、本変形例の場合、平面視において、直線状延在部22は、フランジ部12の各部に対して斜めに延在している。
より詳細には、本変形例の場合も、複数のポケット30は、容器本体100の長手方向及び短手方向にそれぞれ複数列(例えば、当該長手方向に4列、短手方向に2列)に配置されている。ただし、第4実施形態とは異なり、本変形例の場合、各ポケット30の長手方向は、平面視において、フランジ部12の長辺と短辺との双方に対して斜めに傾斜している。なお、隣り合うポケット30の長手方向は、互いに平行となっているとともに、隣り合うポケット30の短手方向も、互いに平行となっている。
そして、本変形例の場合、低段部20において、容器本体100の長手方向において隣り合うポケット30どうしの間の部分が、それぞれ直線状延在部22を構成している。このため、各直線状延在部22は、フランジ部12の長辺と短辺との双方に対して斜めに延在している。
【0054】
本変形例の場合も、ポケット30の対角線に沿って容器本体100を捻ることによって、ポケット30の内面31と食品200との間に隙間を生じさせ、ポケット30から食品200を容易に取り出すことができる。
更には、各ポケット30が斜めに配置されているので、見栄えよく食品200を配置することができる。
【0055】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0056】
例えば、上記の第1~第4実施形態及び第4実施形態の変形例においては、各ポケット30が互いに同一形状及び同一寸法に形成されている例を説明したが、本発明において、容器本体100が複数のポケット30を有している場合、各ポケット30は、互いに異なる形状に形成されていてもよい。この場合、容器本体100は、第1~第4実施形態及び第4実施形態の変形例における各ポケット30のうち、いずれか2つ以上のポケット30を有していてもよい。
【0057】
また、例えば、上記の第1~第4実施形態及び第4実施形態の変形例においては、食品200が2つの食材(第1食材、第2食材)からなる例を説明した。すなわち、食品200が、第1食材と第2食材との2層構造である例を説明した。ただし、本発明は、この例に限らず、食品200は、例えば、3層以上の層構造であってもよい。この場合、食品200は、複数の第1食材及び複数の第2食材を含んでいてもよいし、第1食材と第2食材とは異種の1又は複数の食材を更に含んでいてもよい。
【実施例0058】
以下、図20(a)、図20(b)及び図21を用いて実施例1、2を説明する。ただし、本発明は以下の実施例1、2に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
【0059】
先ず、実施例1では、図20(a)及び図20(b)に示すように、上記の第1実施形態において説明した容器本体100と同様に構成されている容器本体100のサンプル(以下、サンプル1)を成形した。
そして、図20(a)は、成形したサンプル1のフランジ部12を把持した状態を示す。より詳細には、ポケット30の開口32側が下側に位置した状態で、フランジ部12における一方の短辺側の部位を一方の手で把持し、フランジ部12における他方の短辺側の部位を他方の手で把持している。そしてこの状態から、図20(b)に示すように、フランジ部12の一対の短辺どうしの間の部分を捻るようにしてサンプル1に対して力を加える。これにより、ポケット30は、当該ポケットが有する2つの対角線のうち、一方の対角線の延在方向に間延びし、他方の対角線の延在方向において縮むように変形することができる。よって、ポケット30の内部に収容される食品200を、サンプル1(容器本体100)から容易に押し出すことができる。
なお、容器本体100の把持方法は上記の例に限定されず、例えば、フランジ部12における一方の長辺側の部位を一方の手で把持し、フランジ部12における他方の長辺側の部位を他方の手で把持してもよい。
【0060】
また、実施例2では、図21に示すように、第3実施形態において説明した容器本体100と同様に構成されている容器本体100と、第1実施形態において説明した容器詰食品400の製造方法と、を用いて、押し寿司として容器詰食品400のサンプル(以下、サンプル2)を製造した。
図21に示すように、サンプル2の容器本体100は、透明性(可視光透過性)を有している。このため、ポケット30の底部34側から、寿司ネタ240含む食品200が視認可能となっている。よって、上述のように、容器本体100によって食品200を良好に保護しつつも、視覚的に購買意欲を促進することができるとともに、どのポケット30にどのような寿司ネタ240の寿司が収容されているか容易に把握することができる。
また、図21に示すように、ポケット30内において、食品200(第1食材と第2食材)は、当該ポケット30の形状(略直方体形状)に良好に押し固められている。このため、容器本体100から食品200を取り出した後も、食品200はこの略直方体形状を良好に維持することができる。すなわち、本発明によれば、シャリ玉220と寿司ネタ240とを押し寿司として良好且つ容易に押し固めることができる。
【0061】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)第1食材と、前記第1食材と一体化された前記第1食材とは異種の食材である第2食材と、を含む食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体と、
前記ポケットに収容されている前記食品と、
前記容器本体における前記ポケットの開口の周囲全周に対して密着し、前記ポケットの前記開口を閉塞しているフィルムと、
を備え、
前記フィルムと前記ポケットの内面との間が真空となっていて、前記フィルムが前記容器本体における前記ポケットの周囲に対して密着しているとともに、前記フィルムが前記食品を前記ポケットの内面に対して押圧している容器詰食品。
(2)前記容器本体は複数の前記ポケットを有し、
前記容器本体は、隣り合う前記ポケットどうしの間において直線状に延在する直線状延在部を有し、
前記直線状延在部に対して前記フィルムが密着している(1)に記載の容器詰食品。
(3)前記ポケットは、平面視矩形状に形成されており、
平面視において、前記ポケットの少なくとも一辺に沿って前記直線状延在部が配置されている(2)に記載の容器詰食品。
(4)前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記直線状延在部は、前記フランジ部の一部分に対して平行に延在している(2)又は(3)に記載の容器詰食品。
(5)前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記直線状延在部は、前記フランジ部の各部に対して斜めに延在している(2)から(4)のいずれか一つに記載の容器詰食品。
(6)前記ポケットの少なくとも底部は、下方に向けて弧状の凸形状に形成されている(1)から(5)のいずれか1つに記載の容器詰食品。
(7)前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部と、前記フランジ部よりも内側に位置しているとともに前記フランジ部よりも低段に配置されている低段部と、を有し、
前記低段部に対して前記フィルムが密着している(1)から(6)のいずれか一つに記載の容器詰食品。
(8)前記ポケットは、
当該ポケットの周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している周縁傾斜部と、
前記周縁傾斜部の内周縁から当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部と、
を有し、
前記中央傾斜部は半球状に形成されている(1)から(7)のいずれか一つに記載の容器詰食品。
(9)前記ポケットは、
当該ポケットの周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している周縁傾斜部と、
前記周縁傾斜部の内周縁から当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部と、
を有し、
前記中央傾斜部は前記周縁傾斜部よりも急傾斜となっている(1)から(8)のいずれか一つに記載の容器詰食品。
(10)前記ポケットは、平面視矩形状に形成されており、
平面視において、前記周縁傾斜部は、前記ポケットの四辺に沿ってそれぞれ直線状に延在している4つの直線部を含む(8)又は(9)に記載の容器詰食品。
(11)前記周縁傾斜部は、前記4つの直線部のうち隣り合う前記直線部どうしの角部から前記ポケットの中央に向けて下り傾斜している4つの角傾斜部を含み、
前記角傾斜部は、前記ポケットの対角線に沿って延在する谷部を有する(10)に記載の容器詰食品。
(12)前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記4つの直線部の各々は、前記フランジ部の一部分ずつに対して平行に延在している(10)又は(11)に記載の容器詰食品。
(13)前記第2食材は前記ポケットの底面に密着しており、
前記第1食材は前記第2食材と前記フィルムとの間に配置されていて前記フィルムに対して密着している(1)から(12)のいずれか一つに記載の容器詰食品。
(14)前記食品は寿司である(1)から(13)のいずれか一つに記載の容器詰食品。
(15)前記容器本体は、圧空成形又は真空成形により作製されている(1)から(14)のいずれか一つに記載の容器詰食品。
(16)食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体を備え、
前記容器本体は、前記ポケットの開口の周囲全周に、フィルムが密着する領域を有する食品用容器。
(17)第1食材と、前記第1食材と一体化された前記第1食材とは異種の食材である第2食材と、を含む食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体を準備する工程と、
前記ポケットに前記食品を配置する工程と、
前記容器本体と前記ポケット内の食品とを加熱されたフィルムで覆い、前記フィルムと前記容器本体及び前記食品との間を真空引きし、前記フィルムによって前記食品を前記ポケットの内面に対して押圧するとともに前記容器本体における前記ポケットの開口の周囲全周に対して前記フィルムを密着させる工程と、
を備える容器詰食品の製造方法。
(18)前記ポケットに前記食品を配置する工程では、前記ポケットからはみ出す量の前記食品を前記ポケットに配置する(17)に記載の容器詰食品の製造方法。
【符号の説明】
【0062】
12 フランジ部
12a 主部
12b 段差部
15 角部
16 周壁部
20 低段部
21 周縁部
22 直線状延在部
22a 第1直線状延在部
22b 第2直線状延在部
30 ポケット
31 内面
31b 底面
32 開口
34 底部
36 平板部
38 周壁部
41 周縁傾斜部
43 直線部
44 角部
46 角傾斜部
48、49 谷部
51 中央傾斜部
53 円弧部
100 容器本体
200 食品
220 シャリ玉(第1食材)
240 寿司ネタ(第2食材)
300 フィルム
320 摘まみ部
400 容器詰食品
501、502 ポケットの対角線
C1 ポケットの中央
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2023-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1食材と、前記第1食材と一体化された前記第1食材とは異種の食材である第2食材
と、を含む食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体と、
前記ポケットに収容されている前記食品と、
前記容器本体における前記ポケットの開口の周囲全周に対して密着し、前記ポケットの前記開口を閉塞しているフィルムと、
を備え、
前記容器本体は、真空引きの際に当該容器本体の形状を保持できる程度の剛性を有し、
前記第1食材及び前記第2食材の各々が、前記ポケットの内部に収容されるとともに、平面視において、前記ポケットの前記開口の内側に収まっており、
前記フィルムと前記ポケットの内面との間が真空となっていて、
前記フィルムが前記容器本体における前記ポケットの周囲と、前記ポケットの前記内面における前記食品の非配置領域と、に対してそれぞれ密着しているとともに、前記フィルムが前記食品を前記ポケットの前記内面の底面及び側面の各々に対して押圧している容器詰食品。
【請求項2】
前記容器本体は複数の前記ポケットを有し、
前記容器本体は、隣り合う前記ポケットどうしの間において直線状に延在する直線状延在部を有し、
前記直線状延在部に対して前記フィルムが密着している請求項1に記載の容器詰食品。
【請求項3】
前記ポケットは、平面視矩形状に形成されており、
平面視において、前記ポケットの少なくとも一辺に沿って前記直線状延在部が配置されている請求項2に記載の容器詰食品。
【請求項4】
前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記直線状延在部は、前記フランジ部の一部分に対して平行に延在している請求項2又は3に記載の容器詰食品。
【請求項5】
前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記直線状延在部は、前記フランジ部の各部に対して斜めに延在している請求項2又は3に記載の容器詰食品。
【請求項6】
前記ポケットの少なくとも底部は、下方に向けて弧状の凸形状に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項7】
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部と、前記フランジ部よりも内側に位置しているとともに前記フランジ部よりも低段に配置されている低段部と、を有し、
前記低段部に対して前記フィルムが密着している請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項8】
前記ポケットは、
当該ポケットの周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している周縁傾斜部と、
前記周縁傾斜部の内周縁から当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部と、
を有し、
前記中央傾斜部は半球状に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項9】
前記ポケットは、
当該ポケットの周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している周縁傾斜部と、
前記周縁傾斜部の内周縁から当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部と、
を有し、
前記中央傾斜部は前記周縁傾斜部よりも急傾斜となっている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項10】
前記ポケットは、平面視矩形状に形成されており、
当該ポケットの周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している周縁傾斜部と、前記周縁傾斜部の内周縁から当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部と、を有し、
平面視において、前記周縁傾斜部は、前記ポケットの四辺に沿ってそれぞれ直線状に延在している4つの直線部を含む請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項11】
前記周縁傾斜部は、前記4つの直線部のうち隣り合う前記直線部どうしの角部から前記ポケットの中央に向けて下り傾斜している4つの角傾斜部を含み、
前記角傾斜部は、前記ポケットの対角線に沿って延在する谷部を有する請求項10に記載の容器詰食品。
【請求項12】
前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記4つの直線部の各々は、前記フランジ部の一部分ずつに対して平行に延在している請求項10に記載の容器詰食品。
【請求項13】
前記第2食材は前記ポケットの底面に密着しており、
前記第1食材は前記第2食材と前記フィルムとの間に配置されていて前記フィルムに対して密着している請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項14】
前記第2食材は前記ポケットの底面に密着しており、
前記第1食材は前記第2食材と前記フィルムとの間に配置されていて前記フィルムに対して密着している容器詰食品であって、
前記食品は寿司であり、
前記第2食材は寿司ネタであり、
前記第1食材はシャリ玉である請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項15】
前記容器本体は、圧空成形又は真空成形により作製されている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項16】
第1食材と、前記第1食材と一体化された前記第1食材とは異種の食材である第2食材
と、を含む食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有するとともに、真空引きの際に当該容器本体の形状を保持できる程度の剛性を有する容器本体を準備する工程と、
前記第1食材及び前記第2食材の各々が、前記ポケットの内部に収容されるとともに、平面視において前記ポケットの開口の内側に収まるように当該ポケットに前記食品を配置する工程と、
前記容器本体と前記ポケット内の食品とを加熱されたフィルムで覆い、前記フィルムと
前記容器本体及び前記食品との間を真空引きし、前記フィルムによって前記食品を前記ポケットの内面の底面及び側面の各々に対して押圧するとともに前記容器本体における前記ポケットの前記開口の周囲全周と、前記ポケットの前記内面における前記食品の非配置領域と、に対して前記フィルムをそれぞれ密着させる工程と、
を備える容器詰食品の製造方法。
【請求項17】
前記ポケットに前記食品を配置する工程では、前記ポケットからはみ出す量の前記食品を前記ポケットに配置する請求項1に記載の容器詰食品の製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1食材と、前記第1食材と一体化された前記第1食材とは異種の食材である第2食材と、を含む食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体と、
前記ポケットに収容されている前記食品と、
前記容器本体における前記ポケットの開口の周囲全周に対して密着し、前記ポケットの前記開口を閉塞しているフィルムと、
を備え、
前記容器本体は、真空引きの際に当該容器本体の形状を保持できる程度の剛性を有し、
前記第1食材及び前記第2食材の各々が、前記ポケットの内部に収容されるとともに、平面視において、前記ポケットの前記開口の内側に収まっており、
前記フィルムと前記ポケットの内面との間が真空となっていて、
前記フィルムが、前記容器本体における前記ポケットの周囲と、前記ポケットの前記内面における前記食品の非配置領域と、に対してそれぞれ密着しているとともに、前記フィルムが前記食品を前記ポケットの前記内面の底面及び側面の各々に対して押圧している容器詰食品。
【請求項2】
前記容器本体は複数の前記ポケットを有し、
前記容器本体は、隣り合う前記ポケットどうしの間において直線状に延在する直線状延在部を有し、
前記直線状延在部に対して前記フィルムが密着している請求項1に記載の容器詰食品。
【請求項3】
前記ポケットは、平面視矩形状に形成されており、
平面視において、前記ポケットの少なくとも一辺に沿って前記直線状延在部が配置されている請求項2に記載の容器詰食品。
【請求項4】
前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記直線状延在部は、前記フランジ部の一部分に対して平行に延在している請求項2又は3に記載の容器詰食品。
【請求項5】
前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記直線状延在部は、前記フランジ部の各部に対して斜めに延在している請求項2又は3に記載の容器詰食品。
【請求項6】
前記ポケットの少なくとも底部は、下方に向けて弧状の凸形状に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項7】
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部と、前記フランジ部よりも内側に位置しているとともに前記フランジ部よりも低段に配置されている低段部と、を有し、
前記低段部に対して前記フィルムが密着している請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項8】
前記ポケットは、
当該ポケットの周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している周縁傾斜部と、
前記周縁傾斜部の内周縁から当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部と、
を有し、
前記中央傾斜部は半球状に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項9】
前記ポケットは、
当該ポケットの周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している周縁傾斜部と、
前記周縁傾斜部の内周縁から当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部と、
を有し、
前記中央傾斜部は前記周縁傾斜部よりも急傾斜となっている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項10】
前記ポケットは、平面視矩形状に形成されており、
当該ポケットの周縁部に周回状に形成されていて、当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している周縁傾斜部と、前記周縁傾斜部の内周縁から当該ポケットの中央に向けて下り傾斜している中央傾斜部と、を有し、
平面視において、前記周縁傾斜部は、前記ポケットの四辺に沿ってそれぞれ直線状に延在している4つの直線部を含む請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項11】
前記周縁傾斜部は、前記4つの直線部のうち隣り合う前記直線部どうしの角部から前記ポケットの中央に向けて下り傾斜している4つの角傾斜部を含み、
前記角傾斜部は、前記ポケットの対角線に沿って延在する谷部を有する請求項10に記載の容器詰食品。
【請求項12】
前記容器本体は、平面視矩形状に形成されており、
前記容器本体は、当該容器本体の外形線に沿って配置されているフランジ部を有し、
平面視において、前記4つの直線部の各々は、前記フランジ部の一部分ずつに対して平行に延在している請求項10に記載の容器詰食品。
【請求項13】
前記第2食材は前記ポケットの底面に密着しており、
前記第1食材は前記第2食材と前記フィルムとの間に配置されていて前記フィルムに対して密着している請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項14】
前記第2食材は前記ポケットの底面に密着しており、
前記第1食材は前記第2食材と前記フィルムとの間に配置されていて前記フィルムに対して密着している容器詰食品であって、
前記食品は寿司であり、
前記第2食材は寿司ネタであり、
前記第1食材はシャリ玉である請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項15】
前記容器本体は、圧空成形又は真空成形により作製されている請求項1から3のいずれか一項に記載の容器詰食品。
【請求項16】
第1食材と、前記第1食材と一体化された前記第1食材とは異種の食材である第2食材と、を含む食品を個別に収容する1つ以上のポケットを有する容器本体であって、真空引きの際に当該容器本体の形状を保持できる程度の剛性を有する容器本体を準備する工程と、
前記第1食材及び前記第2食材の各々が、前記ポケットの内部に収容されるとともに、平面視において前記ポケットの開口の内側に収まるように当該ポケットに前記食品を配置する工程と、
前記容器本体と前記ポケット内の食品とを加熱されたフィルムで覆い、前記フィルムと前記容器本体及び前記食品との間を真空引きし、前記フィルムによって前記食品を前記ポケットの内面の底面及び側面の各々に対して押圧するとともに、前記容器本体における前記ポケットの前記開口の周囲全周と、前記ポケットの前記内面における前記食品の非配置領域と、に対して前記フィルムをそれぞれ密着させる工程と、
を備える容器詰食品の製造方法。
【請求項17】
前記ポケットに前記食品を配置する工程では、前記ポケットからはみ出す量の前記食品を前記ポケットに配置する請求項16に記載の容器詰食品の製造方法。