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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152358
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】配膳車の集中運転管理システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 39/02 20060101AFI20241018BHJP
   A47B 31/00 20060101ALI20241018BHJP
   A47B 31/02 20060101ALI20241018BHJP
   A47J 27/14 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A47J39/02
A47B31/00 H
A47B31/02 B
A47B31/02 D
A47B31/02 A
A47J27/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066505
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】504288627
【氏名又は名称】株式会社井上製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121418
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 修
(72)【発明者】
【氏名】井上 茂
【テーマコード(参考)】
4B054
4B066
【Fターム(参考)】
4B054AA16
4B054CE19
4B054CH02
4B054CH12
4B066AA05
4B066AB01
4B066AB10
4B066BC20
(57)【要約】
【課題】 複数の配膳車に対して、効率的且つ安全性の高い集中的な運転管理が実行できるようにする。
【解決手段】 運転管理に関する各種の画面表示を行う画面表示部(6007)と、該運転管理装置(5002)に接続されている複数の配膳車(5001)を検出する配膳車検出手段(6001)と、検出された配膳車の一覧を表示する一覧表示手段(6002)と、該一覧表示手段(6002)で表示された配膳車(5001)のうちの調理設定を行う配膳車(5001)を指定する配膳車指定手段(6003)と、指定した配膳車(5001)の調理設定を行う調理設定手段(6004)と、複数の配膳車の運転設定を一括して行う一括予約設定手段(6005)と、各配膳車(5001)ごとの運転設定を個別に行う個別予約設定手段(6006)を備えている。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品が入ったホテルパンまたはトレイが多段に収容されるホテルパン/トレイ収容室を有する複数の配膳車と、これら配膳車とネットワークで接続された運転管理装置とで構成される配膳車の集中運転管理システムであって、前記運転管理装置は少なくとも、運転管理に関する各種の画面表示を行う画面表示部と、該運転管理装置に接続されている複数の配膳車を検出する配膳車検出手段と、検出された配膳車の一覧を表示する一覧表示手段と、該一覧表示手段で表示された配膳車のうちの調理設定を行う配膳車を指定する配膳車指定手段と、指定した配膳車の調理設定を行う調理設定手段と、複数の配膳車の運転設定を一括して行う一括予約設定手段と、各配膳車ごとの運転設定を個別に行う個別予約設定手段を備えており、前記各配膳車は、前記運転管理装置から送信された予約設定を受け付ける予約設定受付手段と、受け付けた予約設定に基づいて調理を実行する調理制御部を有する、配膳車の集中運転管理システム。
【請求項2】
調理設定手段が少なくとも、ホテルパン/トレイ収容室の加熱温度、加熱時間および保温温度、並びに冷却温度を設定することを特徴とする、請求項1記載の配膳車の集中運転管理システム。
【請求項3】
調理設定手段が更に、蒸気供給による仕上温度、仕上時間および蒸気開始温度を設定することを特徴とする、請求項2記載の配膳車の集中運転管理システム。
【請求項4】
一覧表示手段が少なくとも、配膳車の正常/異常の運転状況を表示することを特徴とする、請求項1~請求項3のうちのいずれか一項記載の配膳車の集中運転管理システム。
【請求項5】
一覧表示手段が更に、配膳車の加熱運転モード、保温運転モードおよび冷却運転モードに係る運転モードを表示することを特徴とする、請求項4記載の配膳車の集中運転管理システム。
【請求項6】
一覧表示手段が更に、配膳車のホテルパン/トレイ収容室の温度を表示することを特徴とする、請求項5記載の配膳車の集中運転管理システム。
【請求項7】
一覧表示手段が更に、配膳車の運転開始時刻および/または運転終了時刻を表示することを特徴とする、請求項6記載の配膳車の集中運転管理システム。
【請求項8】
一括予約設定手段が、各配膳車内に収容されるホテルパンまたはトレイの数に応じて加熱開始時刻を補正する補正手段を具備する、請求項2記載の配膳車の集中運転管理システム。
【請求項9】
調理制御部が、ヒータを制御するヒータ制御部と、蒸気発生装置を制御する蒸気制御部と、冷却装置を制御する冷却制御部と、ホテルパン/トレイ収容室内の温度を検知する温度検知手段と、運転時間を管理する時間管理部と、受け付けた予約設定の運転情報を記憶する運転情報記憶部と、運転を実行する運転演算処理部を有する、請求項記載の配膳車の集中運転管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や老人ホーム等の介護施設において給食を提供する際に用いられる複数の配膳車の集中運転管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の調理器の運転を制御するシステムとして、食器を配膳トレイに載せた状態で加熱する加熱調理器と、該加熱調理器によって食後の食器を再加熱させる再加熱制御部と、該再加熱制御部により再加熱されたか否かを示す再加熱情報を出力する出力部とを有し、前記加熱調理器は、前記食器の温度を検知する温度センサを含み、前記再加熱制御部は、前記温度センサにより検知された温度が既定温度以上となっている時間を既定継続時間以上となるように再加熱させるという構成のものが知られている。
【0003】
また、前記システムの他、板状体上の所定の位置に載置される複数の食器を前記板状体下かつ各前記食器に対応させて配置される電磁誘導コイルが発する電磁波を利用して前記各食器を電磁誘導加熱して前記各食器内に配置される食材の調理を行う複数の調理機と、該調理機と通信ネットワークを介して接続され前記調理機の調理制御を行う調理制御装置と、を含む遠隔調理システムであって、前記調理制御装置が、食事被提供者に提供する複数の料理の組み合わせである食事の内容と、前記食事の調理を行うときに、前記電磁誘導コイルに流す電流の大きさを時系列情報として規定する加熱制御規則を識別する加熱制御規則識別情報と、を対応付けて記憶する第1記憶手段と、ユーザーの操作に基づき、前記食事の内容及び前記食事の調理を行わせる前記調理機を識別する調理機識別情報を受け付ける第1受付手段と、前記食事の内容と対応付けられる前記加熱制御規則識別情報を前記第1記憶手段から抽出する第1抽出手段と、前記第1受付手段が受け付けた前記調理機識別情報で識別される前記調理機に対し、前記第1抽出手段が抽出した前記加熱制御規則識別情報を通知する通知手段と、を有し、前記第1受付手段が受け付けた調理機識別情報で識別される調理機が、前記加熱制御規則識別情報と、前記加熱制御規則識別情報で識別される前記加熱制御規則と、を対応付けて記憶する第2記憶手段と、前記通知手段による通知に含まれる前記加熱制御規則識別情報を受け付ける第2受付手段と、前記第2受付手段が受け付けた前記加熱制御規則識別情報と対応付けられる前記加熱制御規則を前記第2記憶手段から抽出する第2抽出手段と、前記第2抽出手段が抽出した前記加熱制御規則に基づいて、前記調理機の所定位置に設置される前記板状体下に配置される前記電磁誘導コイルに電流を流すことによって前記板状体上の前記食器を電磁誘導加熱して前記食事の調理を行う調理手段とを有する遠隔調理システムも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-26856号公報
【特許文献2】特許6456982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来例のうち、前者は、食事の調理から食後の食器及び食べ残した食材の殺菌処理までを効率的に行うために、各調理器の再加熱温度を既定の温度以上で既定の継続時間以上に維持することを目的としたものであって、その対象が複数の調理器ではあるものの、各調理器ごとの温度管理の具体的な手法が構築されたものではなかった。
【0006】
また、後者のシステムでは、加熱調理を行う複数の調理機が識別情報によって識別されて食事の内容に応じた電磁誘導コイルによる加熱が実施されるものの、これに要するステップが複雑であるため、実際の運用面で困難性を伴うものであった。
【0007】
本発明の目的は、簡単且つ確実に複数の配膳車に対して、一括または個別に運転制御が行える運転管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明は、食品が入ったホテルパンまたはトレイが多段に収容されるホテルパン/トレイ収容室を有する複数の配膳車と、これら配膳車とネットワークで接続された運転管理装置とで構成される配膳車の集中運転管理システムであって、前記運転管理装置は少なくとも、運転管理に関する各種の画面表示を行う画面表示部と、該運転管理装置に接続されている複数の配膳車を検出する配膳車検出手段と、検出された配膳車の一覧を表示する一覧表示手段と、該一覧表示手段で表示された配膳車のうちの調理設定を行う配膳車を指定する配膳車指定手段と、指定した配膳車の調理設定を行う調理設定手段と、複数の配膳車の運転設定を一括して行う一括予約設定手段と、各配膳車ごとの運転設定を個別に行う個別予約設定手段を備えており、前記各配膳車は、前記運転管理装置から送信された予約設定を受け付ける予約設定受付手段と、受け付けた予約設定に基づいて調理を実行する調理制御部を有する配膳車の集中運転管理システムである。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記調理設定手段が少なくとも、ホテルパン/トレイ収容室の加熱温度、加熱時間および保温温度、並びに冷却温度を設定することを特徴とする請求項1記載の配膳車の集中運転管理システムである。
【0010】
請求項3記載の本発明は、前記調理設定手段が更に、蒸気供給による仕上温度、仕上時間および蒸気開始温度を設定することを特徴とする請求項2記載の配膳車の集中運転管理システムである。
【0011】
請求項4記載の本発明は、前記一覧表示手段が少なくとも、配膳車の正常/異常の運転状況を表示することを特徴とする請求項1~請求項3のうちのいずれか一項記載の配膳車の集中運転管理システムである。
【0012】
請求項5記載の本発明は、前記一覧表示手段が更に、配膳車の加熱運転モード、保温運転モードおよび冷却運転モードに係る運転モードを表示することを特徴とする請求項4記載の配膳車の集中運転管理システムである。
【0013】
請求項6記載の本発明は、前記一覧表示手段が更に、配膳車のホテルパン/トレイ収容室の温度を表示することを特徴とする請求項5記載の配膳車の集中運転管理システムである。
【0014】
請求項7記載の本発明は、一覧表示手段が更に、配膳車の運転開始時刻および/または運転終了時刻を表示することを特徴とする請求項6記載の配膳車の集中運転管理システムである。
【0015】
請求項8記載の本発明は、前記一括予約設定手段が、各配膳車内に収容されるホテルパンまたはトレイの数に応じて加熱開始時刻を補正する補正手段を具備する請求項2記載の配膳車の集中運転管理システムである。
【0016】
請求項9記載の本発明は、前記調理制御部が、ヒータを制御するヒータ制御部と、蒸気発生装置を制御する蒸気制御部と、冷却装置を制御する冷却制御部と、ホテルパン収容室内の温度を検知する温度検知手段と、運転時間を管理する時間管理部と、受け付けた予約設定の運転情報を記憶する運転情報記憶部と、運転を実行する運転演算処理部を有する、請求項記載の配膳車の集中運転管理システムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る配膳車の集中運転管理システムによれば、運転管理装置に接続された複数の配膳車を簡単且つ確実に管理して適切な運転が行える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る蒸気加熱式温冷庫の斜視図である。
図2】同実施形態に係る配膳車を構成する配膳車本体とカートの両方の扉を開いた状態の正面図である。
図3図2の配膳車からカートを出した状態の配膳車本体の正面図である。
図4】同実施形態に係る配膳車の縦断面図である。
図5】実施形態に係る配膳車の集中運転管理システムの概要を示す全体図である。
図6】実施形態に係る運転管理装置の機能ブロック図である。
図7】同実施形態における配膳車の機能ブロックである。
図8】同実施形態に係る運転管理装置の画面表示部における表示一覧のテーブル表示である。
図9】同実施形態での機体検索を行う際のテーブル表示である。
図10】一覧表示を実行した場合のテーブル表示である。
図11】調理設定を実行する場合のテーブル表示である。
図12】一括予約設定を行う際のテーブル表示である。
図13】個別予約設定を行う際のテーブル表示である。
図14】本発明の蒸気加熱式温冷庫の他の実施形態を示す正面図である。
図15】更に他の実施形態に係る蒸気加熱配膳車の正面図である。
図16】同実施形態に係る配膳車の扉開放状態の正面図である。
図17】同実施形態に係る配膳車の扉開放状態であって、カートを出した形態の正面図である。
図18】同実施形態に係る配膳車で、図10に対応するテーブル表示である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。また、本発明において、「水蒸気」は、設定温度によって、飽和水蒸気であったり、未飽和の水蒸気であったり、或いは過熱水蒸気(過熱蒸気)の場合もある。
【0020】
なお、本発明の温冷庫において、前後、左右および上下は、図2を基準とし、前とは図2の図紙面の表側方向を指し、後とは同裏側方向を意味する。また、左とは図2の左側方向を指し、右とは同右側方向を意味する。更に、上とは図2の上側方向を指し、下とは同下側方向を意味する。
【0021】
先ず、図1図4に示すように、先ず配膳車形態の蒸気加熱式温冷庫の実施形態について説明すると、本発明に係る配膳車1は、内部にカート収容室9を有する配膳車本体10と、該配膳車本体10の前記カート収容室9内に収容される配膳カート5とで構成され、前記配膳車本体10は、カート5内のホテルパン収容室40に収容される食品を加熱するためのヒータ35、同食品を冷却するための冷却装置5および蒸気を供給する蒸気発生装置6を備えている。
【0022】
前記カート収容室9は、前面に開口部9aを有し、開口部9aに対して、前記カート収容室9の一側壁前縁の上下部分にそれぞれ設けられたヒンジ3を介して本体扉2が開閉自在に取り付けられており、該本体扉2の内面には該本体扉2を気密に閉止させるためのパッキン2aが方形枠状に貼着されている。
【0023】
また、前記配膳車本体10は、その下底面の四隅に移動用の本体キャスター4が取り付けられて、移動自在となされている。
【0024】
更に、図3に示すように、配膳車本体10のカート収容室9の後壁9bにおいて、その左側には過熱蒸気等の加熱媒体が送入される加熱媒体送入口13が上下方向に列設され、またカート収容室9の後壁9bの下部には加熱媒体を吸い込む吸入口14が設けられている。更に、カート収容室9の後壁9bにおける右寄り中段部分から下方には冷気が送入される冷気送入口16が設けられ、カート収容室9の後壁9bの上部には冷気が吸い込まれる冷気吸込口15が設けられている。
【0025】
前記配膳カート5は、上下壁17・18および左右壁19・20を有し、前後側部に開口部5bを有する仕切り壁のないカート本体5aを備え、内部はホテルパン収容室40となされ、前記カート本体5aの前記開口部5bに対して、前記左壁19前縁の上下側部分にそれぞれ設けられたヒンジ(図示せず)を介してカート扉6が開閉自在に設けられ、また前記カート本体5aの下壁18の下面四隅にはカートキャスター7が取り付けられている。
【0026】
そして、本実施形態では、前記配膳カート5のホテルパン収容室40の左右壁19・20に、互いに同一高さとなされた左右一対のカート内ステイ8が上下方向に所定間隔をあけて設けられている。
【0027】
前述した構造の左右一対のカート内ステイ8上にホテルパン11やトレイ12が載置され得る。そして、各段の左右一対のカート内ステイ8にそれぞれホテルパン11またはトレイ12を載置することで、これらが配膳カート5のホテルパン収容室40内に多段に収容され得る。
【0028】
以上要するに、本実施形態に係る配膳車によれば、配膳カート5内に、ホテルパン11だけを多段に収容したり、トレイ12だけを多段に収容したり、或いはホテルパン11とトレイ12の両方を収容することもできる。そして、配膳車本体10の後壁9bから蒸気や冷気を供給することで、前記ホテルパン11やトレイ12に載置された調理済食品を冷蔵したり、温蔵することができ、該温蔵による食品の再加熱後においては、配膳車本体10の本体扉2を開けると共に、配膳カート5のカート扉6を閉めて、該配膳カート5を病院や介護施設内の配膳場所まで移動させて入院患者や入所者に給食を提供することができる。なお、配膳カート5のカート扉6は、配膳カート5の前後にヒンジ(図示せず)を介してそれぞれ取り付けられており、配膳カート5を配膳車本体10内に収容する際には、各カート扉6を開けた状態で収容する。
【0029】
図4に示すように、本実施形態では、配膳車本体10の後部におけるダクト27内に前記ヒータ35が配置され、その下方のファン26の下側に蒸気発生装置6が設置されており、また配膳車本体10の上部に冷却装置5が設けられている。そして、前記ファン26によって、冷気および所定温度の蒸気がホテルパン収容室40内に供給される。
【0030】
図5に示すように、本実施形態に係る配膳車の集中運転管理システムは、食品が入った前記ホテルパン11が多段に収容される前記ホテルパン収容室40を有する複数の配膳車(5001)と、これら配膳車(5001)とネットワークで接続された運転管理装置(5002)とで構成される。
【0031】
なお、前記ネットワークは、通常、有線または無線のLANによって構成されるが、他のネットワーク構成であっても良い。
【0032】
そして、図6に示すように、前記運転管理装置(5002)は少なくとも、運転管理に関する各種の画面表示を行う画面表示部(6007)と、該運転管理装置(5002)に接続されている複数の配膳車(5001)を検出する配膳車検出手段(6001)と、検出された配膳車の一覧を表示する一覧表示手段(6002)と、該一覧表示手段(6002)で表示された配膳車(5001)のうちの調理設定を行う配膳車(5001)を指定する配膳車指定手段(6003)と、指定した配膳車(5001)の調理設定を行う調理設定手段(6004)と、複数の配膳車の運転設定を一括して行う一括予約設定手段(6005)と、各配膳車(5001)ごとの運転設定を個別に行う個別予約設定手段(6006)を備えている。
【0033】
前記配膳車検出手段(6001)は、前述した通り、運転管理装置(5002)に接続されている複数の配膳車(5001)を検出する機能を有するものであり、通常、電気回路で実現される。
【0034】
前記一覧表示手段(6002)は、通常、ソフトウェアで実現されるが、ハードウエア(回路)で構成しても良い。
【0035】
前記配膳車指定手段(6003)は、前述した通り、一覧表示手段(6002)で表示された配膳車(5001)のうちの調理設定を行う配膳車(5001)を指定する機能を有するものであり、通常、電気回路で実現される。
【0036】
前記調理設定手段(6004)は、前述した通り、指定した配膳車(5001)の調理設定を行う機能を有するものであり、
【0037】
また、図7に示すように、前記各配膳車(5001)は、前記運転管理装置(5002)から送信された予約設定を受け付ける予約設定受付手段(7001)と、受け付けた予約設定に基づいて調理を実行する調理制御部(7002)を有する。
【0038】
そして、前記調理制御部(7002)は、本実施形態では、ヒータを制御するヒータ制御部(7003)と、前記蒸気発生装置6を制御する蒸気制御部(7004)と、前記冷却装置5を制御する冷却制御部(7005)と、ホテルパン収容室40内の温度を検知する温度検知手段(7006)と、運転時間を管理する時間管理部(7007)と、受け付けた予約設定の運転情報を記憶する運転情報記憶部(7008)と、運転を実行する運転演算処理部(7009)を有する。
【0039】
前記画面表示部(6007)は、ディスプレイと表示内容に係るソフトウェアによって実現され、運転管理装置(5002)における前記各手段(6001)~(6006)に関する各種の画面表示を行うものである。
【0040】
そして、図8に示すように、前記画面表示部(6007)における表示の一例を示すと、前記配膳車検出手段(6001)による機体検出を実行するための機体検出タブ(8001)と、検出された配膳車(5001)の一覧を表示する前記一覧表示手段(6002)の実行に係る一覧表示タブ(8002)と、前記調理設定手段(6004)による調理設定を選択するための調理設定タブ(8003)と、前記一括予約設定手段(6005)を行うための一括予約設定タブ(8004)と、前記個別予約設定手段(6006)を行うための個別予約設定タブ(8005)等を表示する。
【0041】
前記配膳車検出手段(6001)は、前記の通り、通常、ハードウェア(回路)で実現されるが、ソフトウェアで実現しても良い。
【0042】
そして、図9に示すように、本実施形態では、配膳車検出手段(6001)で検出された機体(配膳車)名(A1)が画面左端の上下方向に列設表示され、より詳細には機体名(配膳車名)と、IPアドレス等が表示される。
【0043】
また、図10に示すように、前記一覧表示タブ(8002)を選択した場合、前記各機体名=配膳車名(A1)の他、各機体名ごとの正常/異常の運転状況(A2)、加熱/保温/冷却等の運転モード(A3)、ホテルパン収容室40の温度(A4)、各機体名ごとの運転開始時刻(A5)、運転終了時刻(A6)等が表示される。
【0044】
図11に示すように、前記調理設定タブ(8003)を選択した場合、ホテルパン収容室40の加熱温度、加熱時間、保温温度、蒸気供給制御による仕上温度、仕上時間および蒸気供給開始温度等の調理設定入力表示テーブル(1101)が表示され、該調理設定入力表示テーブル(1101)に前記各項目を入力することで調理設定が行われる。
【0045】
図12に示すように、一括予約設定タブ(8004)を選択した場合、一括予約設定が行われる機体名(A1)の右側に運転の開始時刻および終了時刻、加熱時間、仕上時間等等を入力するための一括予約設置テーブル(1001)が表示され、該一括予約設置テーブル(1001)に前記各項目を入力する。
【0046】
図13に示すように、個別予約設定タブ(8005)を選択した場合、曜日と、朝食、昼食、夕食の種類を記載した個別予約設定テーブル(1301)が表示されて、予約したい曜日の朝食、昼食、夕食の欄を指定して各給食の予約設定時刻を指定する。
【0047】
図14に示すように、本実施形態に係る蒸気加熱式温冷庫21は、前述した配膳車本体10と配膳カート5とからなる二台構成の配膳車1ではなく、全体が一体構成の温冷庫であって、下部39には据え置きのための脚体31を備え、内部は前記実施形態と同様に、ホテルパン収容室40となされ、ヒンジ29を介して扉2が開閉自在となされ、前側が開口部32となされている。
【0048】
また、当該蒸気加熱式温冷庫21の上部33に前述した運転表示入力部(5001)が設けられ、左右壁34・37の内面に前述したステイ38が取り付けられている。
【0049】
本実施形態に係る蒸気加熱式温冷庫21は、前述した実施形態と同様に、蒸気加熱式温冷庫21の後部に、図4に示すように、冷却装置5、蒸気発生装置6、ダクト27およびファン25を備え、ホテルパ収容室40の後壁9bから蒸気や冷気が供給される構造となされている。
【0050】
すなわち、本体B10の両側壁19L・20Rにカート内ステイ8が設けられ、該カート内ステイ8に上にホテルパン11やトレイ12が載置される構造となされている。
【0051】
次に、前述した本発明に係る運転管理システムが適用される他の配膳車の実施形態について説明する。
【0052】
図15図17および図4に示すように、本実施形態に係る蒸気加熱式温冷配膳車の基本構造について説明すると、蒸気加熱式温冷配膳車1は、カート収容室4を有する配膳車本体2と、該配膳車本体2の前記カート収容室4に収容されるカート3とで構成され、該カート3は御飯が入った飯茶碗RWや主菜、副菜等が入った食器MWが載置されたトレイTを多段に収容するトレイ収容室40を備え、該トレイ収容室40内の上下方向に列設された仕切り壁部材15を挟んで、その一側が冷却と蒸気加熱を行う温冷室40A、同他側が冷却のみ行う冷室40Bとなされており、前記配膳車本体2には前記カート3の温冷室40Aおよび冷室40B内に冷気を供給する冷却装置5と、前記カートの温冷室40Aを加熱するヒータ35と、前記温冷室40Aに蒸気を供給する蒸気発生装置6が設けられている。また、前記配膳車本体2の上部には、後述する運転表示入力部(5001)が設けられている。
【0053】
配膳車本体2のカート収容室4は、上下壁7・8と左右壁9・11と後壁12と前側に形成されたカート出入口部10を備え、カート出入口部10の両側縁には左右一対の本体扉13が取り付けられている。またカート収容室4の下壁8の外面四隅にはキャスター14と脚体30がそれぞれ取り付けられており、下壁8における左右壁9・11寄り部分にはカート3のキャスター16が進入するキャスター進入用開口部17が所定間隔をあけて形成されている。
【0054】
本実施形態に係るカート収容型配膳車1は、要するに、その配膳車本体2のカート収容室4内に、トレイTを多段に配置したカート3全体がそのまま収容され、カート出入口部10の本体扉13を閉めて、冷却装置5、ヒータ35および蒸気発生装置6により、カート3内の各トレイT上に載せられた食器RW・MW内の食品を冷蔵したり、加熱したり、蒸気を供給したりするものである。
【0055】
カート3は、前記の通り、内部がトレイ収容室40となされたものであって、上下壁3a・3bと、左右壁3c・3dと、配膳車本体2の冷却装置5からの冷気および蒸気発生装置6からの水蒸気が流入する連通開口部3eと、トレイTが出し入れされるトレイ出入口部3fと、トレイ出入口部3fおよび連通開口部3eを開閉する左右一対のカート扉(図示せず)を備えている。
【0056】
図2に示すように、カート3内の略幅中央部分には、前後方向に伸びる多数の仕切壁部材15が上下方向に列設され、上下に隣り合う仕切壁部材15間のトレイ通路に前記トレイTが差し込まれて該トレイTが各仕切壁部材15間に挟み止められる。
【0057】
なお、図中16は前記の通り、カート3の下壁3bの外面四隅に取り付けられたキャスターを示す。
【0058】
配膳車本体2のカート収容室4の後壁12において、その左寄り部分には上下方向に多数の蒸気噴出口19が列設され、また最下部の蒸気噴出口19から内方には外形が円形の蒸気吸込口21が形成されており、また後壁12における蒸気吸込口21の上方には多数の冷気噴出口22Aと多数の冷気吸入口23Aとが上下方向にそれぞれ二列で列設され、更にそれらの右側にも多数の冷気噴出口22Bと多数の冷気吸入口23Bとが上下方向にそれぞれ列設されている。
【0059】
配膳車本体2のカート収容室4の後壁12は、二枚の扉52A・52Bによって構成されている。
【0060】
そして、図4に示すように、カート収容室4の後壁12の後側には、水蒸気や冷気が通る個別のダクト27が設けられている。
【0061】
また、前記ダクト27内には、水蒸気を加熱するための加熱コイルからなる前記ヒータ35が配置されており、これによって、水蒸気が加熱される。また、ダクト27の下部に設置されたファン26によって、送風が行われる。
【0062】
また、図18に示すように、一覧表示テーブルでは、前記加熱される温冷室40Aの温室温度と冷室40Bの冷室温度が表示される。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係る運転管理システムによれば、複数の配膳車の運転管理が簡単且つ確実に行えるため、配膳車の分野で幅広い利用が期待できる。
【符号の説明】
【0064】
1 蒸気加熱式温冷配膳車
2 配膳車本体
3 カート
4 カート収容室
5 冷却装置
6 蒸気発生装置
35 ヒータ
40 ホテルパン収容室
図1
図2
図3
図4
図5
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