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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152363
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20241018BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G02F1/1368
G02F1/133 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066510
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】冨永 真克
【テーマコード(参考)】
2H192
2H193
【Fターム(参考)】
2H192AA24
2H192BB13
2H192BB53
2H192BB73
2H192BC31
2H192CC14
2H192CC24
2H192CC33
2H192CC62
2H192DA12
2H192DA24
2H192EA22
2H192EA43
2H192FB02
2H192FB03
2H192FB05
2H192FB22
2H192FB42
2H192GA31
2H192GB33
2H192JA06
2H192JA13
2H192JA33
2H193ZA04
2H193ZC39
2H193ZE02
2H193ZJ02
2H193ZQ16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】データ線の本数の削減及び残像感の抑制が可能であり、かつ、各画素の充電時間を充分に確保することができる表示パネルを提供する。
【解決手段】縦方向及び横方向に配置された複数の画素と、複数の画素電極と、共通電極と、上記横方向に延びる第1、第2、第3及び第4のゲート線と、上記縦方向に延びる第1、第2のデータ線及び共通線とを備え、上記複数の画素は、第1の画素電極を有する第1の画素と、上記第1の画素に対して上記横方向に隣接し、第2の画素電極を有する第2の画素とを含み、上記第3のゲート線は上記第1及び上記第2の画素電極に重畳して配置され、上記共通線は上記第1及び上記第2の画素電極の間に配置され、更に、上記第1の画素電極、上記共通線及び上記第3のゲート線に接続された第1のスイッチング素子と、上記第2の画素電極、上記共通線及び上記第3のゲート線に接続された第2のスイッチング素子と、を備える表示パネル。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向及び横方向にマトリクス状に配置された複数の画素と、
前記複数の画素にそれぞれ対応して設けられた複数の画素電極と、
前記複数の画素電極との間でそれぞれ電界を発生させる共通電極と、
前記横方向に延びる第1のゲート線、第2のゲート線、第3のゲート線及び第4のゲート線と、
前記縦方向に延びる第1のデータ線、第2のデータ線及び共通線と、を備え、
前記複数の画素は、第1の画素と、前記第1の画素に対して前記横方向に隣接する第2の画素と、を含み、
前記複数の画素電極は、前記第1の画素に対応する第1の画素電極と、前記第2の画素に対応する第2の画素電極と、を含み、
前記第1のゲート線及び前記第4のゲート線は、前記縦方向において前記第1の画素電極の一方の側に配置され、
前記第2のゲート線は、前記縦方向において前記第1の画素電極の他方の側に配置され、
前記第3のゲート線は、前記第1のゲート線と前記第2のゲート線との間において、前記第1の画素電極及び前記第2の画素電極に重畳して配置され、
前記共通線は、前記第1の画素電極と前記第2の画素電極との間に配置され、
前記第1のデータ線は、前記横方向において前記第1の画素電極に対して前記第2の画素電極とは反対側に隣接する画素電極と、前記第1の画素電極との間に配置され、
前記第2のデータ線は、前記横方向において前記第2の画素電極に対して前記第1の画素電極とは反対側に隣接する画素電極と、前記第2の画素電極との間に配置され、
更に、
前記第1の画素電極、前記共通線、及び、前記第3のゲート線に接続された第1のスイッチング素子と、
前記第2の画素電極、前記共通線、及び、前記第3のゲート線に接続された第2のスイッチング素子と、を備えることを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記第1の画素電極、前記第1のデータ線、及び、前記第1のゲート線に接続された第3のスイッチング素子と、
前記第2の画素電極、前記第2のデータ線、及び、前記第2のゲート線に接続された第4のスイッチング素子と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1のスイッチング素子の平面視の面積、及び、前記第2のスイッチング素子の平面視の面積は、それぞれ、
前記第3のスイッチング素子の平面視の面積、及び、前記第4のスイッチング素子の平面視の面積と同じ大きさ以下であることを特徴とする請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1のスイッチング素子の平面視の面積、及び、前記第2のスイッチング素子の平面視の面積は、それぞれ、
前記第3のスイッチング素子の平面視の面積、及び、前記第4のスイッチング素子の平面視の面積よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第1のスイッチング素子のチャネル幅、及び、前記第2のスイッチング素子のチャネル幅は、それぞれ、
前記第3のスイッチング素子のチャネル幅、及び、前記第4のスイッチング素子のチャネル幅と同じ大きさ以下であることを特徴とする請求項2に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1のスイッチング素子のチャネル幅、及び、前記第2のスイッチング素子のチャネル幅は、それぞれ、
前記第3のスイッチング素子のチャネル幅、及び、前記第4のスイッチング素子のチャネル幅よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第1のゲート線と前記第4のゲート線は、前記第1の画素電極の前記縦方向における前記一方の側に隣接する画素電極と、前記第1の画素電極との間に配置され、
前記第2のゲート線は、前記第1の画素電極の前記縦方向における前記他方の側に隣接する画素電極と、前記第1の画素電極との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1の画素電極と前記共通電極の少なくとも一方は屈曲部を含むスリットを備え、
平面視において、前記第3のゲート線は前記屈曲部と重畳することを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記共通線は、グランド信号が供給されるグランド配線に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記共通線は、前記共通電極と接続されていることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項11】
更に、
前記共通電極が分割された電極であるタッチパネル電極を備え、
前記共通線は、前記タッチパネル電極に接続され、タッチパネル配線として機能することを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第1のゲート線及び前記第4のゲート線の間に、前記共通線と前記共通電極とが接続されるコンタクトホールを備えることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記縦方向における前記画素電極の長さをDとするとき、
前記縦方向における、前記第3のゲート線、前記第1のスイッチング素子、及び、前記第2のスイッチング素子と、前記画素電極の端部との距離は、それぞれ、D/3以上、2D/3以下であることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記第1のゲート線、前記第2のゲート線及び前記第4のゲート線を駆動する第1のゲートドライバと、
前記第3のゲート線を駆動する第2のゲートドライバと、を有し、
前記第1のゲートドライバは、前記横方向において一方の側に配置され、
前記第2のゲートドライバは、前記横方向において他方の側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記横方向に延び、前記第1の画素電極の前記縦方向における前記一方の側に隣接する画素電極と重畳する第5のゲート線を備え、
前記第1のゲート線、前記第2のゲート線及び前記第4のゲート線を駆動する第1のゲートドライバと、
前記第3のゲート線及び前記第5のゲート線を駆動する第2のゲートドライバと、を有し、
前記第3のゲート線に対して前記第2のゲートドライバから入力される信号が高電位になる期間と、前記第5のゲート線に対して前記第2のゲートドライバから入力される信号が高電位になる期間とが、少なくとも一部の期間で重なっていることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記第3のゲート線に対して入力される前記信号と、前記第5のゲート線に対して入力される前記信号とは同じ信号であることを特徴とする請求項15に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記横方向に延び、前記第1の画素電極の前記縦方向における前記一方の側に隣接する画素電極と重畳する第5のゲート線を備え、
前記第1のゲート線、前記第2のゲート線及び前記第4のゲート線を駆動する第1のゲートドライバと、
前記第3のゲート線及び前記第5のゲート線を駆動する第2のゲートドライバと、を有し、
前記第3のゲート線に対して前記第2のゲートドライバから入力される信号が高電位になる期間と、前記第5のゲート線に対して前記第2のゲートドライバから入力される信号が高電位になる期間とは重ならないことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項18】
更に、
前記第1のゲート線、前記第2のゲート線及び前記第4のゲート線を駆動する第1のゲートドライバと、
前記第3のゲート線を駆動する第2のゲートドライバと、を有し、
前記第1のゲートドライバは、1フレーム期間内の第1の期間において、前記第1のゲート線、前記第2のゲート線及び前記第4のゲート線を駆動し、各画素に対して、各画素の1/2以上の面積の画像信号を書き込み、
前記1フレーム期間の前記第1の期間に続く第2の期間において、前記第2のゲートドライバは、前記第3のゲート線を駆動し、各画素に対して、グランド信号又は共通電極信号を書き込むことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、映像(動画像および静止画像)を表示する表示パネルとして、液晶パネルや有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro-Luminescence)パネル等の様々な表示パネルが広く用いられている。
【0003】
例えば、液晶パネルは、表示のために液晶組成物を利用する表示パネルである。その代表的な表示方式は、スイッチング素子を備えるアレイ基板とカラーフィルタを備えるカラーフィルタ基板との間に液晶組成物を封入した液晶パネルに対してバックライトから光を照射し、液晶組成物に電圧を印加して液晶分子の配向を変化させることにより、液晶パネルを透過する光の量を制御するものである。このような液晶パネルは、薄型、軽量及び低消費電力といった特長を有することから、テレビジョン、スマートフォン、タブレット端末、カーナビゲーション等の電子機器に利用されている。液晶パネルに関する技術として、例えば、特許文献1~9が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-127917号公報
【特許文献2】特開2001-42282号公報
【特許文献3】特開2001-331156号公報
【特許文献4】特開2003-108087号公報
【特許文献5】特開2004-318072号公報
【特許文献6】特開2005-326809号公報
【特許文献7】特開2008-203627号公報
【特許文献8】特表2016-532160号公報
【特許文献9】特開2012-103343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図16は、デュアルゲート構造を有する表示パネルの一例を示す平面模式図である。図16に示すデュアルゲート構造を有する表示パネル1Rは、表示領域1AAにおいて縦方向DR1及び横方向DR2にマトリクス状に配置された画素1Pと、縦方向DR1に隣接する画素1Pの間に配置され、横方向DR2に延びる第1のゲート線100G1及び第2のゲート線100G2と、横方向DR2に隣接する画素1Pの間に配置され、縦方向DR1に延びるデータ線100Sと、を備える。データ線100Sは、横方向DR2に隣接する2個の画素1P毎に1本ずつ配置されている。
【0006】
第1のゲート線100G1及び第2のゲート線100G2と、データ線100Sとの交点には、それぞれ、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)100Tが配置されている。なお、図16には、表示パネル1Rが備えるブラックマトリクス層のパターンエッジ2Bが示されている。
【0007】
近年の集積回路(IC:Integrated Circuit)不足からICの価格が高騰し、COG(Chip On Glass)チップのコストが上昇している。この対策として、パネル設計のレイアウトを図16に示すデュアルゲート構造にすることが考えられる。デュアルゲート構造は、ある1つの画素行に対応して2本のゲート線が配置される構造であり、このような態様とすることにより、データ線の本数を1/2に削減することができ、パネルに搭載するCOGチップ(ソースドライバ)の数を削減することができる。
【0008】
ここで、ゲートドライバの回路は、近年、アレイ基板の製造工程において、表示領域に配置される薄膜トランジスタと同じ製膜材料を用いて、基板上にモノリシックに形成される(このようなゲートドライバの回路をゲートドライバモノリシック(GDM)回路と呼ぶ)。そのため、データ線の本数を少なくする方が、ドライバのIC数削減の観点から、パネル原価低減には効果的である。一方で、ゲート線の本数が2倍になるため、各画素への書き込み時間は通常の構造(シングルゲート構造、すなわち、図16において、縦方向DR1に隣接する画素1Pの間にゲート線が1本のみ配置される構造)の1/2程度になるという課題が生じる。
【0009】
ところで、ゲーミングモニターでは、動画表示がメインとなる。この動画を見る時に、人の目は今の画面と前の画面の両方を認識してしまい、残像感が生じる。この対策として、画像と画像の間に黒表示を挿入する技術がある。この技術を実施すると残像感(表示品位)が改善する。この技術では、パネル周波数が2倍となるため、各画素への書き込み時間が通常の構造(シングルゲート構造)1/2程度となる。
【0010】
ここで、上述したデータ線の本数の削減と残像感の両者を改善しようとすると、各画素への画像信号の書き込み時間は通常の構造(シングルゲート構造)の1/4程度となる。更に、近年、ゲーミングモニターでは120Hz、166Hz、240Hz等の高周波の仕様が要求される。そのため、各画素の充電時間を確保することが困難である。
【0011】
上記特許文献1~9には、データ線の本数の削減及び残像感の抑制が可能であり、かつ、各画素の充電時間を充分に確保することができる表示パネルは開示されていない。
【0012】
本発明は上記現状に鑑みてなされたものであり、データ線の本数の削減及び残像感の抑制が可能であり、かつ、各画素の充電時間を充分に確保することができる表示パネルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)本発明の一実施形態は、縦方向及び横方向にマトリクス状に配置された複数の画素と、上記複数の画素にそれぞれ対応して設けられた複数の画素電極と、上記複数の画素電極との間でそれぞれ電界を発生させる共通電極と、上記横方向に延びる第1のゲート線、第2のゲート線、第3のゲート線及び第4のゲート線と、上記縦方向に延びる第1のデータ線、第2のデータ線及び共通線と、を備え、上記複数の画素は、第1の画素と、上記第1の画素に対して上記横方向に隣接する第2の画素と、を含み、上記複数の画素電極は、上記第1の画素に対応する第1の画素電極と、上記第2の画素に対応する第2の画素電極と、を含み、上記第1のゲート線及び上記第4のゲート線は、上記縦方向において上記第1の画素電極の一方の側に配置され、上記第2のゲート線は、上記縦方向において上記第1の画素電極の他方の側に配置され、上記第3のゲート線は、上記第1のゲート線と上記第2のゲート線との間において、上記第1の画素電極及び上記第2の画素電極に重畳して配置され、上記共通線は、上記第1の画素電極と上記第2の画素電極との間に配置され、上記第1のデータ線は、上記横方向において上記第1の画素電極に対して上記第2の画素電極とは反対側に隣接する画素電極と、上記第1の画素電極との間に配置され、上記第2のデータ線は、上記横方向において上記第2の画素電極に対して上記第1の画素電極とは反対側に隣接する画素電極と、上記第2の画素電極との間に配置され、更に、上記第1の画素電極、上記共通線、及び、上記第3のゲート線に接続された第1のスイッチング素子と、上記第2の画素電極、上記共通線、及び、上記第3のゲート線に接続された第2のスイッチング素子と、を備える表示パネル。
【0014】
(2)また、本発明のある実施形態は、上記(1)の構成に加え、上記第1の画素電極、上記第1のデータ線、及び、上記第1のゲート線に接続された第3のスイッチング素子と、上記第2の画素電極、上記第2のデータ線、及び、上記第2のゲート線に接続された第4のスイッチング素子と、を更に備える、表示パネル。
【0015】
(3)また、本発明のある実施形態は、上記(2)の構成に加え、上記第1のスイッチング素子の平面視の面積、及び、上記第2のスイッチング素子の平面視の面積は、それぞれ、上記第3のスイッチング素子の平面視の面積、及び、上記第4のスイッチング素子の平面視の面積と同じ大きさ以下である、表示パネル。
【0016】
(4)また、本発明のある実施形態は、上記(3)の構成に加え、上記第1のスイッチング素子の平面視の面積、及び、上記第2のスイッチング素子の平面視の面積は、それぞれ、上記第3のスイッチング素子の平面視の面積、及び、上記第4のスイッチング素子の平面視の面積よりも小さい、表示パネル。
【0017】
(5)また、本発明のある実施形態は、上記(2)の構成に加え、上記第1のスイッチング素子のチャネル幅、及び、上記第2のスイッチング素子のチャネル幅は、それぞれ、上記第3のスイッチング素子のチャネル幅、及び、上記第4のスイッチング素子のチャネル幅と同じ大きさ以下である、表示パネル。
【0018】
(6)また、本発明のある実施形態は、上記(5)の構成に加え、上記第1のスイッチング素子のチャネル幅、及び、上記第2のスイッチング素子のチャネル幅は、それぞれ、上記第3のスイッチング素子のチャネル幅、及び、上記第4のスイッチング素子のチャネル幅よりも小さい、表示パネル。
【0019】
(7)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)又は上記(6)の構成に加え、上記第1のゲート線と上記第4のゲート線は、上記第1の画素電極の上記縦方向における上記一方の側に隣接する画素電極と、上記第1の画素電極との間に配置され、上記第2のゲート線は、上記第1の画素電極の上記縦方向における上記他方の側に隣接する画素電極と、上記第1の画素電極との間に配置される、表示パネル。
【0020】
(8)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)又は上記(7)の構成に加え、上記第1の画素電極と上記共通電極の少なくとも一方は屈曲部を含むスリットを備え、平面視において、上記第3のゲート線は上記屈曲部と重畳する、表示パネル。
【0021】
(9)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)、上記(7)又は上記(8)の構成に加え、上記共通線は、グランド信号が供給されるグランド配線に接続されている、表示パネル。
【0022】
(10)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)、上記(7)又は上記(8)の構成に加え、上記共通線は、上記共通電極と接続されている、表示パネル。
【0023】
(11)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)、上記(7)、上記(8)、又は上記(10)の構成に加え、更に、上記共通電極が分割された電極であるタッチパネル電極を備え、上記共通線は、上記タッチパネル電極に接続され、タッチパネル配線として機能する、表示パネル。
【0024】
(12)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)、上記(7)、上記(8)、上記(10)又は上記(11)の構成に加え、上記第1のゲート線及び上記第4のゲート線の間に、上記共通線と上記共通電極とが接続されるコンタクトホールを備える、表示パネル。
【0025】
(13)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)、上記(7)、上記(8)、上記(9)、上記(10)、上記(11)又は上記(12)の構成に加え、上記縦方向における上記画素電極の長さをDとするとき、上記縦方向における、上記第3のゲート線、上記第1のスイッチング素子、及び、上記第2のスイッチング素子と、上記画素電極の端部との距離は、それぞれ、D/3以上、2D/3以下である、表示パネル。
【0026】
(14)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)、上記(7)、上記(8)、上記(9)、上記(10)、上記(11)、上記(12)又は上記(13)の構成に加え、上記第1のゲート線、上記第2のゲート線及び上記第4のゲート線を駆動する第1のゲートドライバと、上記第3のゲート線を駆動する第2のゲートドライバと、を有し、上記第1のゲートドライバは、上記横方向において一方の側に配置され、上記第2のゲートドライバは、上記横方向において他方の側に配置される、表示パネル
【0027】
(15)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)、上記(7)、上記(8)、上記(9)、上記(10)、上記(11)、上記(12)、上記(13)又は上記(14)の構成に加え、上記横方向に延び、上記第1の画素電極の上記縦方向における上記一方の側に隣接する画素電極と重畳する第5のゲート線を備え、上記第1のゲート線、上記第2のゲート線及び上記第4のゲート線を駆動する第1のゲートドライバと、上記第3のゲート線及び上記第5のゲート線を駆動する第2のゲートドライバと、を有し、上記第3のゲート線に対して上記第2のゲートドライバから入力される信号が高電位になる期間と、上記第5のゲート線に対して上記第2のゲートドライバから入力される信号が高電位になる期間とが、少なくとも一部の期間で重なっている、表示パネル。
【0028】
(16)また、本発明のある実施形態は、上記(15)の構成に加え、上記第3のゲート線に対して入力される上記信号と、上記第5のゲート線に対して入力される上記信号とは同じ信号である、表示パネル。
【0029】
(17)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)、上記(7)、上記(8)、上記(9)、上記(10)、上記(11)、上記(12)、上記(13)又は上記(14)の構成に加え、上記横方向に延び、上記第1の画素電極の上記縦方向における上記一方の側に隣接する画素電極と重畳する第5のゲート線を備え、上記第1のゲート線、上記第2のゲート線及び上記第4のゲート線を駆動する第1のゲートドライバと、上記第3のゲート線及び上記第5のゲート線を駆動する第2のゲートドライバと、を有し、上記第3のゲート線に対して上記第2のゲートドライバから入力される信号が高電位になる期間と、上記第5のゲート線に対して上記第2のゲートドライバから入力される信号が高電位になる期間とは重ならない、表示パネル。
【0030】
(18)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)、上記(7)、上記(8)、上記(9)、上記(10)、上記(11)、上記(12)、上記(13)、上記(14)、上記(15)、上記(16)又は上記(17)の構成に加え、更に、上記第1のゲート線、上記第2のゲート線及び上記第4のゲート線を駆動する第1のゲートドライバと、上記第3のゲート線を駆動する第2のゲートドライバと、を有し、上記第1のゲートドライバは、1フレーム期間内の第1の期間において、上記第1のゲート線、上記第2のゲート線及び上記第4のゲート線を駆動し、各画素に対して、各画素の1/2以上の面積の画像信号を書き込み、上記1フレーム期間の上記第1の期間に続く第2の期間において、上記第2のゲートドライバは、上記第3のゲート線を駆動し、各画素に対して、グランド信号又は共通電極信号を書き込む、表示パネル。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、データ線の本数の削減及び残像感の抑制が可能であり、かつ、各画素の充電時間を充分に確保することができる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】実施形態1の表示パネルの平面模式図である。
図2】実施形態1の表示パネルの回路図である。
図3】実施形態1の表示パネル全体を示す平面模式図の一例である。
図4図1中のX1-X2線に沿った実施形態1の表示パネルの断面模式図である。
図5図1中のY1-Y2線に沿った実施形態1の表示パネルの断面模式図である。
図6】従来のデュアルゲート構造を有する表示パネルの表示方法について説明する図である。
図7】実施形態1の表示パネルの表示方法について説明する図である。
図8】実施形態1の表示パネルにおいて、互いに隣接する2本の第3のゲート線のVghのタイミングを重ねない場合について説明する模式図である。
図9】互いに隣接する2本の第3のゲート線のVghのタイミングを重ねる場合について説明する模式図である。
図10】互いに隣接する2本の第3のゲート線を同時に駆動する場合について説明する模式図である。
図11】実施形態1の表示パネルが備える画素電極のパターンの一例を示す平面模式図である。
図12】実施形態2の表示パネルの平面模式図である。
図13図12中のZ1-Z2線に沿った実施形態2の表示パネルの断面模式図である。
図14】実施形態3の表示パネル全体を示す平面模式図の一例である。
図15】実施形態3の表示パネルの平面模式図である。
図16】デュアルゲート構造を有する表示パネルの一例を示す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[用語の定義]
本明細書中、縦方向及び横方向とは、単に表示パネルの画面(表示面)内の直交する二方向を区別するための便宜的な名称であり、表示パネルの使用状態における縦及び横とは直接関係しない。マトリクス状に配置された複数の画素が並ぶ一方の方向を縦方向とするとき、該方向に対して垂直な方向を横方向という。
【0034】
本明細書中、観察面側とは、表示パネルの画面(表示面)に対してより近い側を意味し、背面側とは、表示パネルの画面(表示面)に対してより遠い側を意味する。
【0035】
本明細書中、方位とは、対象となる方向を表示パネルの画面上に射影したときの方向を意味し、基準となる方位との間のなす角度(方位角)で表現される。ここで、基準となる方位(0°)は、表示パネルの画面の水平右方向に設定される。方位角は、反時計回りを正の角度、時計回りを負の角度とする。反時計回り及び時計回りは、いずれも表示パネルの画面を観察面側(正面)から見たときの回転方向を表す。また、角度は、表示パネルを平面視した状態で測定された値を表し、2つの直線(軸、方向及び稜線を含む)が互いに直交するとは、表示パネルを平面視した状態で直交することを意味する。
【0036】
本明細書中、2つの軸が直交するとは、両者のなす角度が90°±3°であることを意味し、好ましくは90°±1°、より好ましくは90°±0.5°、特に好ましくは90°(完全に直交)であることを意味する。2つの軸が平行であるとは、両者のなす角度が0°±3°であることを意味し、好ましくは0°±1°、より好ましくは0°±0.5°、特に好ましくは0°(完全に平行)であることを意味する。
【0037】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に記載された内容に限定されるものではなく、本発明の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。なお、以下の説明において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して適宜用い、その繰り返しの説明は適宜省略する。本発明の各態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよい。
【0038】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の表示パネルの平面模式図である。図2は、実施形態1の表示パネルの回路図である。本実施形態の表示パネル1は、図1及び図2に示すように、縦方向DR1及び横方向DR2にマトリクス状に配置された複数の画素1Pと、複数の画素1Pにそれぞれ対応して設けられた複数の画素電極100PXと、複数の画素電極100PXとの間でそれぞれ電界を発生させる共通電極100CMと、横方向DR2に延びる第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2及び第4のゲート線100G4と、縦方向DR1に延びる第1のデータ線100S1及び第2のデータ線100S2と、を備える。複数の画素1Pは、第1の画素1P1と、第1の画素1P1に対して横方向DR2に隣接する第2の画素1P2と、を含む。複数の画素電極100PXは、第1の画素1P1に対応する第1の画素電極100PX1と、第2の画素1P2に対応する第2の画素電極100PX2と、を含む。第1のゲート線100G1及び第4のゲート線100G4は、縦方向DR1において第1の画素電極100PX1の一方の側DR11に配置され、第2のゲート線100G2は、縦方向DR1において第1の画素電極100PX1の他方の側DR12に配置される。第1のデータ線100S1は、横方向DR2において第1の画素電極100PX1に対して第2の画素電極100PX2とは反対側に隣接する画素電極100PX11と、第1の画素電極100PX1との間に配置される。第2のデータ線100S2は、横方向DR2において第2の画素電極100PX2に対して第1の画素電極100PX1とは反対側に隣接する画素電極100PX21と、第2の画素電極100PX2との間に配置される。
【0039】
このような態様とすることにより、デュアルゲート構造を実現することが可能となり、データ線の本数を通常の構造(シングルゲート構造)の1/2に削減することができる。その結果、表示パネルに搭載するソースドライバのCOGチップの数を削減することができ、コスト削減を実現することができる。なお、本明細書において「重畳するとは、平面視において重畳することをいう。また、表示領域1AAは、画素部又は表示部ともいう。
【0040】
更に、本実施形態では、データ線の本数を削減することで、COGチップを実装する部分や、データ線がCOGチップから引き出されて表示領域に至るまでの部分を配置する面積を小さくすることができるため、表示パネルの外形を縮小することができる。
【0041】
近年のIC不足からICの価格が高騰し、COGチップのコストが上昇している。この対策として、本実施形態では、パネル設計のレイアウトをデュアルゲート構造にすることにより、データ線100Sの本数をシングルゲート構造の1/2にすることができ、パネルに搭載するCOGチップ(ソースドライバ)の数の削減が可能となる。ここで、ゲートドライバについては、上記のGDM回路で形成しているので、データ線の本数を少なくする方が、ドライバIC数削減の観点から、パネル原価低減には効果的である。
【0042】
ここで、ゲーミングモニターでは動画表示がメインとなる。この動画を見る際に、人の目は今の画面と前の画面の両方を認識してしまい、残像感が生じる。この対策として、画像と画像の間に黒表示を挿入する技術があり、これを実施すると残像感(表示品位)が改善する。当該技術では、パネル周波数が2倍となるため、各画素への書き込み時間が1/2程度となる。
【0043】
デュアルゲート構造によるデータ線の本数の削減と黒表示挿入による残像感の改善との両方を実施すると、各画素への画像信号書き込み時間が1/4程度になる。更に、近年、ゲーミング用モニターは、120Hz、166Hz、240Hz等の高周波の仕様が要求されるため、サブ画素の充電時間を確保することが困難になる。本実施形態の表示パネル1は、この課題を以下の通り改善することができる。
【0044】
すなわち、本実施形態の表示パネル1は、更に、横方向DR2に延びる第3のゲート線100G3と、縦方向DR1に延びる共通線100Cと、を備える。第3のゲート線100G3は、第1のゲート線100G1と第2のゲート線100G2との間において、第1の画素電極100PX1及び第2の画素電極100PX2に重畳して配置される。共通線100Cは、第1の画素電極100PX1と第2の画素電極100PX2との間に配置される。表示パネル1は、更に、第1の画素電極100PX1、共通線100C、及び、第3のゲート線100G3に接続された第1のスイッチング素子100U1と、第2の画素電極100PX2、共通線100C、及び、第3のゲート線100G3に接続された第2のスイッチング素子100U2と、を備える。なお、共通線100Cは、例えば、グランド(GND)と接続されてグランド信号(GND信号)が入力される、又は、共通電極100CMと接続されて共通電極100CMに入力される信号(共通電極信号、COM信号ともいう。)と同一の信号が入力される。そのため、例えば、表示領域1AAの外側の1本の幹配線に対して、並列にすべての共通線100Cを接続できる。
【0045】
このような構成を有する本実施形態の表示パネル1を、例えば、次のように駆動することができる。画像信号については、従来の技術と同様に、本実施形態の表示パネル1に対してプログレッシブ方式で、例えば画面の一番上から下方向に向かって順次書き込んでいく。画面の1/2(上半分)もしくはそれ以上の領域の画像信号を書き込んだ時点から、第3のゲート線100G3を駆動して、第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2をオン状態とすることにより、画面の一番上から下方向に向かって画素1PにGND又はCOM信号(以下、GND又はCOM信号を「黒信号」と総称する)を順次書き込んでいく。その結果、ノーマリーブラックの場合は、黒表示となるため、画面に黒を書き込むことができる。画像信号と黒信号の切り替えタイミングについては、第3のゲート線100G3にHigh信号(Vgh)を入力するタイミングを変えることで、適宜設定することができる。
【0046】
なお、図2における液晶容量Clcは、画素電極100PXと、共通電極100CMとの間で、少なくとも液晶層を介して形成される容量を表す。補助容量Ccom1(蓄積容量ともいう)は、画素電極100PXと、共通電極100CMとの間で、液晶層を介さずに、無機絶縁層等を介して形成される容量を表し、液晶容量Clcと並列に配置される。補助容量Ccom1は、第1のスイッチング素子100U1や第2のスイッチング素子100U2がオフ状態のときに、第1のスイッチング素子100U1や第2のスイッチング素子100U2からの電荷漏れ等に起因して画素電極100PXの電位が変動することを抑制するために設けられる。
【0047】
このような態様とすることにより、画像信号と黒信号とを1フレーム内で同時に書き込むことが可能となるため、各画素1Pへの書き込み時間は、デュアルゲート構造を採用した場合と同様、通常の構造(シングルゲート構造)の1/2程度を確保しつつ、残像感の改善をすることができる。
【0048】
一方、上記特許文献1では、画像信号書き込み用のゲート線、データ線、トランジスタに加えて、黒信号書込み用のゲート線、データ線、トランジスタを配置し、残像対策用の黒信号書込みを行う。パネル周波数は、デュアルゲート構造ではない通常のシングルゲート構造で黒信号書込みが無い場合の駆動と同じとなる。
【0049】
このように、特許文献1の液晶表示装置は、シングルゲート構造を有し、単純にゲート線及びデータ線を2倍にしている。そのため、表示領域内の配線本数が多い。より具体的には、黒信号書込み用のデータ線を各画素列につき1本ずつ配置している。また、デュアルゲート構造については開示されておらず、パネル原価や表示パネルの外形縮小についての課題がある。
【0050】
このように、特許文献1は、黒信号書込み用のデータ線(本実施形態の共通線100Cに相当)を各画素列につき1本配置する構成を有している。仮に、この構成をデュアルゲート構造に、そのまま適用した場合、開口率低下やゲート線の負荷増加等の懸念がある。一方で、本実施形態の表示パネル1が備える共通線100Cは、データ線(第1のデータ線100S1及び第2のデータ線100S2)の不在領域に、2画素列につき1本のみ配置しており、開口率低下等を抑制できる。
【0051】
なお、デュアルゲート構造については上記特許文献9に開示されている。特許文献9における共通信号配線52が、本実施形態の共通線100Cに相当すると考えられる。ここで、特許文献1は、1本のゲート線につき、黒信号書込み用のゲート線(本実施形態の第3のゲート線100G3に相当)が1本配置された構成であると言える。この観点から、特許文献9(各画素行につき2本のゲート線が配置される構成)に対して、特許文献1を適用した場合、黒信号書込み用のゲート線が各画素行につき2本配置される構成となり得る。一方、本実施形態の第3のゲート線100G3は、各画素行の中央部分に1本のみ配置されている。更に、当該第3のゲート線100G3に対して、2つの黒信号書込み用のトランジスタ(第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2)が隣接して配置される。そのため、本実施形態の表示パネル1は、特許文献1と特許文献9とを単純に組み合わせた構成とは異なる。以下、本実施形態の表示パネルについて詳細を説明する。
【0052】
図3は、実施形態1の表示パネル全体を示す平面模式図の一例である。図4は、図1中のX1-X2線に沿った実施形態1の表示パネルの断面模式図である。図5は、図1中のY1-Y2線に沿った実施形態1の表示パネルの断面模式図である。
【0053】
図3図5に示すように、本実施形態の表示パネル1は、第1の基板100と、第1の基板100に対向して配置された第2の基板200と、第1の基板100及び第2の基板200に挟持された液晶層300と、を備える。表示パネル1は、例えば、背面側から観察面側に向かって順に、第1の基板100と、液晶層300と、第2の基板200と、を備える。
【0054】
第1の基板100は、背面側から観察面側に向かって順に、支持基板110と、第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2、第3のゲート線100G3及び第4のゲート線100G4が配置されるゲート配線層100GLと、ゲート絶縁膜120と、第1のデータ線100S1、第2のデータ線100S2及び共通線100Cが配置されるデータ配線層100SLと、第1の絶縁膜130と、第2の絶縁膜140と、共通電極100CMと、第3の絶縁膜150と、画素電極100PXと、を備える。ここで、第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2、第3のゲート線100G3及び第4のゲート線100G4は、単にゲート線100Gともいう。また、第1のデータ線100S1及び第2のデータ線100S2は、単にデータ線100Sともいう。
【0055】
図3図5に示すように、第2の基板200は、観察面側から背面側に向かって順に、支持基板210と、カラーフィルタ層221及びブラックマトリクス層222と、オーバーコート層230と、を順に備える。第2の基板200は、カラーフィルタ(CF:Color Filter)基板ともいう。
【0056】
液晶層300は、液晶分子を含有する。第1の基板100と液晶層300との間には、第1の配向膜41が設けられており、第2の基板200と液晶層300との間には、第2の配向膜42が設けられている。
【0057】
更に、第1の基板100の背面側には第1の偏光板11PLが配置され、第2の基板200の観察面側には第2の偏光板12PLが配置される。
【0058】
支持基板110及び210は、透明基板であることが好ましく、例えば、ガラス基板、プラスチック基板等が挙げられる。
【0059】
ゲート配線層100GL及びデータ配線層100SLは、例えば、銅、チタン、アルミニウム、モリブデン、タングステン等の金属、又は、それらの合金の、単層又は複数層である。第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2、第3のゲート線100G3、第4のゲート線100G4、第1のデータ線100S1、第2のデータ線100S2、共通線100C、第1のスイッチング素子100U1、第2のスイッチング素子100U2、第3のスイッチング素子100T1及び第4のスイッチング素子100T2を構成する各種配線及び電極は、スパッタリング法等により、銅、チタン、アルミニウム、モリブデン、タングステン等の金属、又は、それらの合金を、単層又は複数層で成膜し、続いて、フォトリソグラフィ法等でパターニングを行うことで形成することができる。これら各種配線及び電極は、同じ層に形成されるものについては、それぞれ同じ材料を用いることで製造が効率化される。
【0060】
ゲート絶縁膜120は、例えば、無機絶縁膜である。無機絶縁膜としては、例えば、窒化珪素(SiNx)、酸化珪素(SiO)等の無機膜(比誘電率ε=5~7)や、それらの積層膜を用いることができる。
【0061】
第1の絶縁膜130、第2の絶縁膜140及び第3の絶縁膜150は、例えば、無機絶縁膜、有機絶縁膜、又は、上記有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層体である。無機絶縁膜としては、例えば、窒化珪素(SiNx)、酸化珪素(SiO)等の無機膜(比誘電率ε=4~8)や、それらの積層膜を用いることができる。有機絶縁膜としては、例えば、感光性アクリル樹脂等の比誘電率の小さい有機膜(比誘電率ε=2~4)や、それらの積層膜を用いることができる。
【0062】
第1の絶縁膜130及び第3の絶縁膜150は、無機絶縁膜であることが好ましい。第2の絶縁膜140は、有機絶縁膜であることが好ましく、第2の絶縁膜140の厚さは第3の絶縁膜150の厚さよりも厚いことが好ましい。
【0063】
共通電極100CMは、画素1Pの境界に関わらず、画素電極100PXとドレイン電極との接続部(コンタクトホール)等の特定部分を除いて、ほぼ一面に形成された電極である。共通電極100CMに対しては一定値に保たれた共通信号が供給され、共通電極100CMは一定の電位に保たれる。
【0064】
画素電極100PXは、画素1P毎に配置された電極である。画素電極100PXは、TFTが備える半導体層を介して対応するデータ線100S及び共通線100Cと電気的に接続されている。画素電極100PXは、対応するスイッチング素子(TFT)を介して供給されるデータ信号又は黒信号に応じた電位に設定される。
【0065】
図4に示すように、画素電極100PXには、互いに平行な複数のスリット100PXSが設けられている。スリット100PXSは、液晶分子の初期配向方位に対して傾斜して設けられることが好ましい。液晶分子の初期配向方位に対して画素電極100PXに設けられたスリット100PXSに角度を持たせることで、液晶分子を一定方向へ回転させることができ、電圧制御によって液晶分子の配向を制御することが可能となっている。
【0066】
共通電極100CM及び画素電極100PXは、透明電極であることが好ましい。共通電極100CM及び画素電極100PXの材料としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等が挙げられる。
【0067】
カラーフィルタ層221は、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ及び青色カラーフィルタが面内に並べられ、ブラックマトリクス層222で区画された構成を有する。赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ及び青色カラーフィルタは、例えば、顔料を含有する透明樹脂で構成されている。通常、すべての画素に赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ及び青色カラーフィルタの組み合わせが配置され、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ及び青色カラーフィルタを透過する色光の量を制御しつつ混色させることで各画素において所望の色が得られる。なお、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ及び青色カラーフィルタの厚さは同一でなくてもよい。すなわち、カラーフィルタ層221の液晶層300側の表面は平坦でなくてもよい。
【0068】
ブラックマトリクス層222は、カラーフィルタ層221に設けられた各色カラーフィルタを区画するように格子状に配置されている。図1には、表示パネル1が備えるブラックマトリクス層222のパターンエッジ2Bが示されている。ブラックマトリクス層222の材料は、遮光性を有するものである限り特に限定されないが、黒色顔料を含有した樹脂材料、又は、遮光性を有する金属材料が好適に用いられる。ブラックマトリクス層222は、例えば、黒色顔料を含む感光性樹脂を塗布して成膜し、露光及び現像等を行うフォトリソグラフィ法により形成される。
【0069】
オーバーコート層230は、第2の基板200の液晶層300側の面を平坦化するものであり、例えば、有機膜(誘電率ε=3~4)を用いることができる。オーバーコート層230は、例えば、光硬化性の樹脂を塗布し、紫外線照射及び焼成を行うことにより形成される。
【0070】
液晶層300は、液晶分子を含有し、一対の電極を構成する共通電極100CM及び画素電極100PXの間に印加された電圧により液晶層300内に発生する電界に応じて液晶分子の配向が変化することにより、光の透過量を制御するものである。液晶層300中の液晶分子は、一対の電極間に電圧が印加されていない状態(電圧無印加時)では第1の配向膜41及び第2の配向膜42の規制力によって配向し、一対の電極間に電圧が印加された状態(電圧印加時)では液晶層300内に発生した電界に応じて回転する。
【0071】
上記液晶分子は、下記式で定義される誘電率異方性(Δε)が正の値を有するものであってもよく、負の値を有するものであってもよい。なお、正の誘電率異方性を有する液晶分子はポジ型液晶ともいい、負の誘電率異方性を有する液晶分子はネガ型液晶ともいう。なお、液晶分子の長軸方向が遅相軸の方向となる。
Δε=(長軸方向の誘電率)-(短軸方向の誘電率)
【0072】
第1の配向膜41及び第2の配向膜42は、液晶層300における液晶分子の配向を制御する機能を有し、液晶層300への印加電圧が閾値電圧未満(電圧無印加を含む)のときには、主に配向膜の働きによって液晶層中の液晶分子の配向が制御される。
【0073】
配向膜の材料としては、ポリイミドを主鎖に有するポリマー、ポリアミック酸を主鎖に有するポリマー、ポリシロキサンを主鎖に有するポリマー等の液晶表示パネルの分野で一般的な材料を用いることができる。配向膜は配向膜材料を塗布することによって形成することができ、上記塗布方法は特に限定されず、例えば、フレキソ印刷、インクジェット塗布等を用いることができる。
【0074】
配向膜は、液晶分子を膜面に対して略水平に配向させる水平配向膜である。また、配向膜は、光官能基を有し、かつ配向処理として光配向処理が施された光配向膜であってもよいし、配向処理としてラビング処理が施されたラビング配向膜であってもよい。
【0075】
水平配向膜は、液晶層への電圧無印加時(液晶層への印加電圧が閾値電圧未満である場合)に、画素領域において、液晶層中の液晶分子を水平配向膜の表面に対して水平方向に配向させる機能を有する。ここで、液晶分子が水平配向膜の表面に対して水平方向に配向するとは、液晶分子のプレチルト角が、水平配向膜の表面に対して0°以上、5°以下であることを意味し、好ましくは0°以上、2°以下、より好ましくは0°以上、1°以下であることを意味する。
【0076】
なお、配向膜に施される配向処理の方法としては、配向膜表面をローラー等で擦るラビング法が従来広く用いられてきた。これに対して、近年では、ラビング法に代わる配向処理の方法として、配向膜表面に光を照射する光配向法が広く展開されつつある。光配向法によれば、配向膜の表面に接触することなく配向処理を実施できるので、ラビング処理と異なり、配向処理中における汚れ、ごみ等の発生を抑制することができるという利点がある。
【0077】
第1の偏光板11PL及び第2の偏光板12PLは直線偏光板であることが好ましい。第1の偏光板11PL及び第2の偏光板12PLとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムにヨウ素錯体(又は染料)等の異方性材料を、染色及び吸着させてから延伸配向させた偏光子(吸収型偏光板)等を用いることができる。なお、通常は、機械強度や耐湿熱性を確保するために、PVAフィルムの両側にトリアセチルセルロース(TAC)フィルム等の保護フィルムをラミネートして実用に供される。
【0078】
第1の偏光板11PLの偏光軸と第2の偏光板12PLの偏光軸とは、直交することが好ましい。このような構成によれば、第1の偏光板11PLと第2の偏光板12PLとがクロスニコルに配置されるため、電圧無印加時に、良好な黒表示状態を実現することができる。
【0079】
表示パネル1は、更に、第2の基板200と第2の偏光板12PLとの間に、導電層20を備えていてもよい。
【0080】
導電層20は、導電性を有する層である。導電層20は、帯電防止の機能を有する。導電層20のシート抵抗は、例えば1.0×102Ω/□以上、1.0×103Ω/□以下である。導電層20の膜厚は例えば15~30nmである。
【0081】
ここで、動作モードがFFS(IPS)モードの場合、液晶層に電界を付与するための画素電極及び共通電極が共にアレイ基板(第1の基板)側に配置されていてCF基板(第2の基板)側には配置されない構成となっている。このため、CF基板は、アレイ基板に比べると、表面に帯電(チャージアップ)が生じて電荷が溜まり易く、また溜まった電荷の影響によって液晶層の液晶分子の配向状態が乱され、結果として表示不良が生じる可能性がある。
【0082】
一方、本実施形態の表示パネル1は、CF基板(第2の基板200)の外面側(観察面側)に導電層20を有し、当該導電層20は、所定の接続部材を介してグランドに電気的に接続されている。このような態様とすることにより、CF基板の表面にチャージされる電荷をグランドへ逃がすことができるため、表面に帯電が生じ難くなる。その結果、液晶層300に含まれる液晶分子の配向状態に乱れが生じ難くなり、表示不良が生じ難くなる。
【0083】
導電層20は、CF基板(第2の基板200)の外面(観察面側の面)におけるほぼ全域にわたってベタ状に設けられている。第2の基板200の外面(観察面側の面)におけるほぼ全域とは、第2の基板200の外面の面積の90%以上、100%以下であることをいい、95%以上、100%以下であることが好ましい。
【0084】
導電層20は、透明導電膜を含むことが好ましく、透明導電膜からなることがより好ましい。透明電極膜は、例えばITOなどの透明電極材料からなる。
【0085】
本実施形態の配向方式は、FFS(Fringe Field Switching)モードであり、横電界を利用して画面を表示する。本実施形態の表示パネル1は、面状の共通電極100CM上に、第3の絶縁膜150を介して、スリット100PXSが設けられた画素電極100PXを配置する態様について説明するが、共通電極100CM及び画素電極100PXの配置は入れ替わっていてもよい。その場合、各画素領域を占めるように形成された面状の画素電極100PX上に、第3の絶縁膜150を介して、スリットが設けられた共通電極100CMが配置される。
【0086】
表示パネル1の配向方式は、FFSモードに限定されない。表示パネル1の配向方式は、例えば、FFSモードと同様に横電界を利用して画面を表示するIPS(In-Plane Switching)モードであってもよい。表示パネル1がIPSモードである場合、表示パネル1が備える画素電極100PX及び共通電極100CMはそれぞれ櫛歯電極であり、櫛歯電極である画素電極100PX及び櫛歯電極である共通電極100CMが、互いに櫛歯が嵌合し合うように、同一の電極層に設けられている。
【0087】
また、表示パネル1の配向方式は横電界を利用して画面を表示するモードに限定されず、例えば、縦電界を利用して画面を表示するVA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モードであってもよい。表示パネル1がVAモード又はTNモードである場合、第1の基板100は、各画素領域を占めるように形成された面状の画素電極100PXを備え、第2の基板200は、面状の共通電極100CMを備える。
【0088】
表示パネル1がVAモードである場合、配向膜として、液晶分子を膜面に対して略垂直に配向させる垂直配向膜を用いる。垂直配向膜は、液晶層への電圧無印加時(液晶層への印加電圧が閾値電圧未満である場合)に、画素領域において、液晶層中の液晶分子を垂直配向膜の表面に対して垂直方向に配向させる機能を有する。ここで、液晶分子が垂直配向膜の表面に対して垂直方向に配向するとは、液晶分子のプレチルト角が、垂直配向膜の表面に対して86°以上、90°以下であることを意味し、好ましくは87°以上、89°以下、より好ましくは87.5°以上、89°以下であることを意味する。液晶分子のプレチルト角は、液晶層への電圧無印加時に、液晶分子の長軸が各基板の主面に対して傾斜する角度を意味する。
【0089】
以下、第1の基板100についてより詳細に説明する。
【0090】
図1に示すように、第1のゲート線100G1及び第4のゲート線100G4は、縦方向DR1において第1の画素電極100PX1の一方の側DR11に配置され、第2のゲート線100G2は、縦方向DR1において第1の画素電極100PX1の他方の側DR12に配置される。
【0091】
ここで、ゲート線が縦方向DR1において第1の画素電極100PX1の一方の側DR11に配置されるとは、平面視において、ゲート線が第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における一方の側DR11であって、第1の画素電極100PX1と重畳しない領域に配置される、又は、平面視において、ゲート線が第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における一方の側DR11の端部領域と重畳することを意味する。第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における一方の側DR11の端部領域とは、第1の画素電極100PX1の縦方向DR1の長さをDとしたとき、縦方向DR1において第1の画素電極の一方の側DR11の端部から長さD/3までの領域をいう。
【0092】
同様に、ゲート線が縦方向において第1の画素電極100PX1の他方の側DR12に配置されるとは、平面視において、ゲート線が第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における他方の側DR12であって、第1の画素電極100PX1と重畳しない領域に配置される、又は、平面視において、ゲート線が第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における他方の側DR12の端部領域と重畳することを意味する。第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における他方の側DR12の端部領域とは、第1の画素電極100PX1の縦方向DR1の長さをDとしたとき、縦方向DR1において第1の画素電極の他方の側DR12の端部から長さD/3までの領域をいう。
【0093】
ゲート線が縦方向において第1の画素電極100PX1の一方(又は他方)の側に配置される場合、当該ゲート線は、平面視において、第1の画素電極100PX1と重畳しなくてもよいし、当該ゲート線の縦方向DR1の幅の一部が第1の画素電極100PX1の端部領域と重畳していてもよいし、当該ゲート線の縦方向DR1の幅全体が第1の画素電極100PX1の端部領域と重畳していてもよい。
【0094】
第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2、及び、第4のゲート線100G4の少なくとも1つは、平面視において、第1の画素電極100PX1と重畳しない領域に配置されることが好ましい。このような態様とすることにより、液晶容量Clcと補助容量Ccom1とが大きくなることが抑制され、より短い充電時間でも良好な表示品位を得ることができる。更に、ゲート線と第1の画素電極100PX1との間に他の電極が介在しない構成においては、ゲート線と画素電極との間で形成される寄生容量を小さくすることが可能となり、最適対向電圧のずれを小さくすることができる。
【0095】
液晶表示装置では、各画素電極に対して、正極性の画像信号と負極性の画像信号とを交互に書き込むが、スイッチング素子をオン状態(ゲート線にVghが入力された状態)にして各画像信号を書き込んだ後、スイッチング素子をオフ状態(ゲート線にVglが入力された状態)に変化するとき、スイッチング素子のゲート電極とドレイン電極との間で形成される寄生容量や、ゲート線と画素電極との間で形成される寄生容量に起因して、画素電極の電位が変動する。このとき、正極性の画像信号を書き込んだときの画素電極と共通電極との間の電位差(電圧)と、負極性の画像信号を書き込んだときの画素電極と共通電極との間の電位差(電圧)と、が異なると、正極性の書き込み時に液晶層に印加される電圧と、負極性の書き込み時に液晶層に印加される電圧と、が異なることによって、フリッカ等の表示不良が生じる場合がある。このような電圧差が大きくならないように、画像信号や共通電極の電位は、各画素の寄生容量を考慮して予め調整されており、電圧差が最も小さくなる(理想的には0Vになる)共通電極の電位を最適対向電圧と呼ぶ。最適対向電圧は、各画素の寄生容量の大きさ(例えば、ゲート線と画素電極との間で形成される寄生容量や液晶容量Clc等)やゲート線に供給される信号によって変動し、理想的な最適対向電圧に対して、実際の共通電極の電位とでは差(ずれ)が生じる場合がある。
【0096】
例えば、第1のゲート線100G1と第4のゲート線100G4は、第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における一方の側DR11に隣接する画素電極100PX1Aと、第1の画素電極100PX1との間に配置され、第2のゲート線100G2は、第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における他方の側DR12に隣接する画素電極100PX1Bと、第1の画素電極100PX1との間に配置される。このような態様とすることにより、寄生容量を効果的に小さくすることが可能となり、最適対向電圧のずれを効果的に小さくすることができる。また、液晶容量Clcと補助容量Ccom1とが大きくなることが抑制され、より短い充電時間でも良好な表示品位を得ることができる。ここで、ゲート線が2つの画素電極の間に配置されるとは、平面視において、ゲート線が当該2つの画素電極のいずれにも重畳しないことをいう。
【0097】
第1のゲート線100G1及び第4のゲート線100G4の少なくとも1つは、平面視において、第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における一方の側DR11の端部領域と重畳することも好ましい。このような態様とすることにより、開口率(反射型表示パネルの場合は反射率)を高めることができる。
【0098】
第2のゲート線100G2は、平面視において、第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における他方の側DR12の端部領域と重畳することも好ましい。このような態様とすることにより、開口率(反射型表示パネルの場合は反射率)を高めることができる。
【0099】
第3のゲート線100G3は、第1のゲート線100G1と第2のゲート線100G2との間において、第1の画素電極100PX1及び第2の画素電極100PX2に重畳して配置される。第3のゲート線100G3は、第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2及び第4のゲート線100G4から離間して配置されることが好ましい。具体的には、縦方向DR1における画素電極100PXの長さをDとするとき、縦方向DR1における、第3のゲート線100G3と画素電極100PXの端部との距離は、D/3以上、2D/3以下あることが好ましい。このような態様とすることにより、第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2及び第4のゲート線100G4のいずれか一方のみが、第3のゲート線100G3からの寄生容量の影響を大きく受けることが避けられ、良好な表示品位を得ることができる。
【0100】
第3のゲート線100G3、第1のスイッチング素子100U1、及び、第2のスイッチング素子100U2は、それぞれ、第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2及び第4のゲート線100G4から離間して配置されることが好ましい。具体的には、縦方向DR1における画素電極100PXの長さをDとするとき、縦方向DR1における、第3のゲート線100G3、第1のスイッチング素子100U1、及び、第2のスイッチング素子100U2と、画素電極100PXの端部との距離は、それぞれ、D/3以上、2D/3以下あることが好ましい。このような態様とすることにより、第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2及び第4のゲート線100G4のいずれか一方のみが、第3のゲート線100G3、第1のスイッチング素子100U1、及び、第2のスイッチング素子100U2からの寄生容量の影響を大きく受けることが避けられ、良好な表示品位を得ることができる。
【0101】
共通線100Cは、第1の画素電極100PX1と第2の画素電極100PX2との間に配置される。共通線100Cは、共通線100Cと第1の画素電極100PX1との間で生じる容量と、共通線100Cと第2の画素電極100PX2との間で生じる容量と、が略同じになるように配置されることが好ましい。具体的には、共通線100Cの中心線から第1の画素電極100PX1の横方向DR2の縁部までの距離と、共通線100Cの中心線から第2の画素電極100PX2の横方向DR2の縁部までの距離とが同じであることが好ましい。更に、製造工程での線幅や位置ずれが生じることを考慮すると、第1の画素電極100PX1及び第2の画素電極100PX2に重畳しないことが好ましい。
【0102】
第1のデータ線100S1は、横方向DR2において第1の画素電極100PX1に対して第2の画素電極100PX2とは反対側に隣接する画素電極100PX11と、第1の画素電極100PX1との間に配置される。第1のデータ線100S1は、第1の画素電極100PX1及び画素電極100PX11に重畳しないことが好ましい。
【0103】
第2のデータ線100S2は、横方向DR2において第2の画素電極100PX2に対して第1の画素電極100PX1とは反対側に隣接する画素電極100PX21と、第2の画素電極100PX2との間に配置される。第2のデータ線100S2は、第2の画素電極100PX2及び画素電極100PX21に重畳しないことが好ましい。
【0104】
図1に示すように、表示パネル1(具体的には、第1の基板100)は、第1の画素電極100PX1、第1のデータ線100S1、及び、第1のゲート線100G1に接続された第3のスイッチング素子100T1と、第2の画素電極100PX2、第2のデータ線100S2、及び、第2のゲート線100G2に接続された第4のスイッチング素子100T2と、を更に備える。
【0105】
第1のスイッチング素子100U1、第2のスイッチング素子100U2、第3のスイッチング素子100T1及び第4のスイッチング素子100T2は、例えば、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)である。
【0106】
本実施形態の表示パネル1では、第3のスイッチング素子100T1を介して第1のデータ線100S1の信号を第1の画素電極100PX1に充電し、第1の画素電極100PX1と共通電極100CMとの間の電位差(電圧)を、液晶層300に含まれる液晶分子に印加する。同様に、本実施形態の表示パネル1では、第4のスイッチング素子100T2を介して第2のデータ線100S2の信号を第2の画素電極100PX2に充電し、第2の画素電極100PX2と共通電極100CMとの間の電位差(電圧)を、液晶層300に含まれる液晶分子に印加する。第1の基板100は、TFT基板ともいう。
【0107】
図5に示すように、第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2は、半導体層30A、対応する共通線100Cの一部であるソース電極30B、対応する画素電極100PXと接続されたドレイン電極30C、及び、対応する第3のゲート線100G3の一部であるゲート電極30Dからなる三端子スイッチである。
【0108】
第3のスイッチング素子100T1及び第4のスイッチング素子100T2は、半導体層30A、対応するデータ線100Sの一部であるソース電極30B、対応する画素電極100PXと接続されたドレイン電極30C、及び、対応するゲート線100Gの一部であるゲート電極30Dからなる三端子スイッチである。
【0109】
第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2、第3のゲート線100G3及び第4のゲート線100G4は、第1の基板100上であって、かつ、表示領域1AAの周囲に設けられた額縁領域1NAにモノリシックに形成された駆動回路(ゲートドライバモノリシック(GMD)回路)から引き出されている。具体的には、図3に示すように、第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2及び第4のゲート線100G4を駆動する第1のゲートドライバ10G1と、第3のゲート線100G3を駆動する第2のゲートドライバ10G2と、を有し、第1のゲートドライバ10G1は、横方向DR2において一方の側DR21(画面に向かって右側)に配置され、第2のゲートドライバ10G2は、横方向DR2において他方の側DR22(画面に向かって左側)に配置される。このような態様とすることにより、額縁サイズを従来の技術と同等にすることができる。第1のゲートドライバ10G1及び第2のゲートドライバ10G2は、第1の基板100上にモノリシックに形成された駆動回路(ゲートドライバモノリシック(GDM)回路)で形成されている。
【0110】
表示パネル1は、第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2及び第4のゲート線100G4を駆動する第1のゲートドライバ10G1と、第3のゲート線100G3を駆動する第2のゲートドライバ10G2と、を有し、第1のゲートドライバ10G1は、1フレーム期間内の第1の期間において、表示領域の一番上の画素行から一番下の画素行に向けて、第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2及び第4のゲート線100G4を駆動し、表示領域1AAの1/2以上の面積に対応する画素1Pに対して画像信号を書き込み、上記1フレーム期間の上記第1の期間に続く第2の期間において、第2のゲートドライバ10G2は、第3のゲート線100G3を表示領域の一番上の画素行から一番下の画素行に向けて駆動し、各画素1Pに対して、グランド信号又は共通電極信号を書き込む。このような態様とすることにより、黒表示を効果的に挿入することが可能となり、残像感をより抑制することができる。
【0111】
データ線(ソースライン)100Sは、ICドライバーチップ10Sから引き出されている。ICドライバーチップ10Sは、第1の基板100の端子領域1NXに設けられ、かつ、フレキシブルプリント基板端子10Fに接続されている。なお、端子領域1NXは、額縁領域1NAのうち、表示領域に対して縦方向DR1における他方の側DR12(画面に向かって下側)に位置する部分である。
【0112】
表示パネル1は、共通電極100CMに接続された共通配線100CMLを備える。共通配線100CMLは、額縁領域1NAに表示領域1AAを囲むように配置されている。共通配線100CMLは、具体的には、フレキシブルプリント基板端子10Fに接続され、端子領域1NXから表示領域1AAの周辺(額縁領域1NA)まで、ゲート配線層100GL又はデータ配線層100SLに設けられ、ここから、表示領域1AAに向かって引き出されている。
【0113】
フレキシブルプリント基板端子10Fには、フレキシブルプリント基板の一端が接続され、フレキシブルプリント基板の他端には回路基板が接続される。回路基板からフレキシブルプリント基板を介して、ICドライバーチップ10Sを制御する信号や共通信号等が第1の基板100に供給される。
【0114】
共通線100Cは、グランド信号が供給されるグランド配線に接続されていることが好ましい。すなわち、共通線100Cは、グランド電位に設定されることが好ましい。このような態様とすることにより、黒表示を効果的に挿入することが可能となり、残像感をより抑制することができる。
【0115】
共通線100Cは、共通電極100CMと接続されていることも好ましい。すなわち、共通線100Cは、共通電極100CMと同電位に設定されることも好ましい。このような態様とすることにより、黒表示を効果的に挿入することが可能となり、残像感をより抑制することができる。
【0116】
共通線100Cは、額縁領域1NAに設けられた共通配線100CMLから表示領域1AAに向かって引き出された配線であることが好ましい。このような態様とすることにより、共通線100Cを共通電極100CMと同電位に設定することが可能となり、黒表示を効果的に挿入することが可能となり、残像感をより抑制することができる。
【0117】
共通線100CをGNDとするか、COM信号とするかについては、データ線100Sに入力される画像信号によって適宜選択することが好ましい。例えば、画像信号の振幅の基準となる電位がGNDであって、画像信号を基にして設定された最適対向電圧をCOM信号として入力する場合を考える。画像信号を基にして設定された最適対向電圧と、黒信号を基にして設定された最適対向電圧と、では差が無いことが好ましいが、もし、共通線100CにCOM信号を入力すると、黒信号(COM信号)を基にして設定された最適対向電圧は、画像信号を基にして設定された最適対向電圧から、各画素の寄生容量に起因する画素電極の電位変動分だけずれることになる。具体的には、黒表示の電圧(理想的には例えば0V)からずれた電圧が液晶層に印加される。そのため、共通線100CにGND(0V)を入力することが望ましい場合がある。
【0118】
一方で、画像信号の振幅の基準となる電位がGNDとは大きく異なる電位である場合、例えば、画像信号の振幅の基準となる電位がGNDに対して正極側(例えば+5V)である場合は、共通線100CにCOM信号を入力することが望ましい場合がある。共通線100CにCOM信号を入力した場合、最適対向電圧のずれは生じるが、そのずれの大きさはGND(0V)を入力する場合よりも小さく、より黒電圧に近い電圧を液晶層に印加できる場合もある。また、この共通線100Cは、共通電極100CMの表示領域1AA内での抵抗分布を低減するための配線にも利用できる。
【0119】
なお、共通線100Cには、GNDや共通信号以外の信号を入力してもよい。例えば、第3のゲート線100G3がVghからVglへ変化する際に、トランジスタ(第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2)のゲート-ドレイン間容量等に起因して、画素電極電位が変動するが、その変動量を考慮した信号を入力してもよい。この場合、共通線100Cに入力する追加の信号及びその引き出し線が必要となるが、最適対向電圧とのずれをより小さくできるメリットがある。
【0120】
また、第3のゲート線100G3をスキャンしない(Low信号(Vgl)を入力したまま)の状態とすることにより、黒画像の書き込みを無くすこともできる。
【0121】
第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2は、隣接して配置されることが好ましく、共通線100Cを介して横方向DR2に互いに隣接して配置されることがより好ましい。このような態様とすることにより、第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2を離間させて配置するよりも、トランジスタの遮光に必要なブラックマトリスの大きさを小さくすることができ、開口率の低下を抑制できる。
【0122】
第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2の大きさ(チャネル長Lが同じ場合のチャネル幅Wの長さ)は、第3のスイッチング素子100T1及び第4のスイッチング素子100T2と概ね同じであるか、第3のスイッチング素子100T1及び第4のスイッチング素子100T2よりも小さくすることができる。
【0123】
すなわち、第1のスイッチング素子100U1と第3のスイッチング素子100T1とのチャネル長Lが同じである場合、第1のスイッチング素子100U1のチャネル幅Wの長さは、第3のスイッチング素子100T1のチャネル幅Wの長さ以下とすることができる。また、第2のスイッチング素子100U2と第4のスイッチング素子100T2とのチャネル長Lが同じである場合、第2のスイッチング素子100U2のチャネル幅Wの長さは、第4のスイッチング素子100T2のチャネル幅Wの長さ以下とすることができる。
【0124】
デュアルゲート構造では、ある1つの画素行の画像信号書き込みに2本のゲート線(第1のゲート線100G1及び第2のゲート線100G2)を使用しており、この2本のゲート線がVglになるタイミングを少なくとも異ならせる必要がある。ここで、本実施形態の第3のゲート線100G3は、1本で1つの画素行の全ての画素1Pへの書き込みを制御するため、第3のゲート線100G3のVgh期間を、第1のゲート線100G1のVgh期間及び第2のゲート線100G2のVgh期間の合計の長さだけ確保することができる。そのため、第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2は、それぞれ、第3のスイッチング素子100T1及び第4のスイッチング素子100T2より小さくすることができる。
【0125】
具体的には、第1のスイッチング素子100U1の平面視の面積、及び、第2のスイッチング素子100U2の平面視の面積は、それぞれ、第3のスイッチング素子100T1の平面視の面積、及び、第4のスイッチング素子100T2の平面視の面積と同じ大きさ以下であることが好ましい。
【0126】
第1のスイッチング素子100U1の平面視の面積、及び、第2のスイッチング素子100U2の平面視の面積は、それぞれ、第3のスイッチング素子100T1の平面視の面積、及び、第4のスイッチング素子100T2の平面視の面積よりも小さいことがより好ましい。
【0127】
第1のスイッチング素子100U1のチャネル幅、及び、第2のスイッチング素子100U2のチャネル幅は、それぞれ、第3のスイッチング素子100T1のチャネル幅、及び、第4のスイッチング素子100T2のチャネル幅と同じ大きさ以下であることが好ましい。
【0128】
第1のスイッチング素子100U1のチャネル幅、及び、第2のスイッチング素子100U2のチャネル幅は、それぞれ、第3のスイッチング素子100T1のチャネル幅、及び、第4のスイッチング素子100T2のチャネル幅よりも小さいことがより好ましい。
【0129】
図6は、従来のデュアルゲート構造を有する表示パネルの表示方法について説明する図である。従来のデュアルゲート構造としては、例えば、図16に示す構造が挙げられる。図7は、実施形態1の表示パネルの表示方法について説明する図である。図6に示すように、従来のデュアルゲート構造を有する表示パネルは、1フレーム毎に画像表示と黒表示とを繰り返している。すなわち、表示領域の一番上の画素行から一番下の画素行まで順次、各画素行の画素1Pに画像表示を書き込んだ後に、表示領域の一番上の画素行から一番下の画素行まで順次、各画素行の画素1Pに黒信号を書き込み、その後再び、表示領域の一番上の画素行から一番下の画素行まで順次、画像表示を書き込み、以降繰り返す。
【0130】
一方、本実施形態の表示パネル1は、例えば、図7に示すように、表示領域の一番上の画素行から順次、画像表示を書き込み、表示領域の1/2以上の面積に対応する画素に対する画像信号の書き込みが終了した後に、表示領域の一番上の画素行から一番下の画素行まで順次、黒信号を書き込む。更に、ある画素行の画素1Pと、ある画素行に隣接する画素行の画素1Pに、第3のゲート線100G3を用いて連続して定電位の同じ信号(GND信号、COM信号)を書き込み、黒画面を挿入することができる。本実施形態の表示パネル1では、ある画素行の画素1Pに対して、あるフレームの画像信号を書き込んだ後、黒書き込みをしてから、次のフレームの画像信号を書き込むので、1フレーム毎に黒書き込みを行わない表示方法より薄膜トランジスタ100Tを小さくすることができる。
【0131】
黒画面の挿入方法としては、例えば、互いに隣接する2本の第3のゲート線のVghのタイミングを重ねずに黒画面を挿入する方法(図8)、互いに隣接する2本の第3のゲート線のVghのタイミングを重ねて黒画面を挿入する方法(図9)、及び、互いに隣接する2本の第3のゲート線を同時に駆動して黒画面を挿入する方法(図10)が挙げられる。なお、図8図10に記載される+と-の符号は各画素に書き込まれた信号の極性を示しており、図8図10は、いずれも列毎に極性が異なるカラム反転駆動の例を示している。
【0132】
図8は、実施形態1の表示パネルにおいて、互いに隣接する2本の第3のゲート線のVghのタイミングを重ねない場合について説明する模式図である。
【0133】
図8の(1)は、あるフレームにおいて、表示領域1AAの一番上から半分までの領域に対応する画素に画像信号を書き込んだ状態を示している。なお、表示領域1AAの半分から下の領域に対応する画素は、あるフレームの前のフレームで書き込まれた黒信号を保持している状態である。
【0134】
図8の(2)は、黒信号が保持されている領域((1)の表示領域1AAの半分から下の領域)の一番上の画素行のうちの第1のゲート線100G1に対応する画素に対して、第1のゲート線100G1によって、画像信号が書き込まれた状態である。このとき、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する第3のゲート線100G3がVglからVghへ変化し、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する全ての画素に対して、黒信号が書き込まれているが、第1のゲート線100G1による画像信号の書き込みが完了した時点(第1のゲート線100G1がVghからVglへ変化した時点)では、第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みが完了はしていない(第3のゲート線100G3はVghのままである)。
【0135】
図8の(3)は、(2)で画像信号を書き込んだ画素行のうちの第2のゲート線100G2に対応する画素に対して、第2のゲート線100G2によって画素像信号が書き込まれた状態である。このとき、第3のゲート線100G3がVghからVglへ変化し、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する全ての画素に対して、第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みが完了する。
【0136】
図8の(4)は、(3)の表示領域1AAの半分より下において黒信号が保持されている領域の一番上の画素行のうちの第1のゲート線100G1に対応する画素に対して、第1のゲート線100G1によって、画像信号が書き込まれた状態である。このとき、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3がVglからVghへ変化し、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する全ての画素に対して黒信号が書き込まれているが、第1のゲート線100G1による画像信号の書き込みが完了した時点(第1のゲート線100G1がVghからVglへ変化した時点)では、第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みが完了はしていない(第3のゲート線100G3はVghのままである)。
【0137】
図8の(5)は、(4)で画像信号を書き込んだ画素行のうちの第2のゲート線100G2に対応する画素に対して、第2のゲート線100G2によって画像信号が書き込まれた状態である。このとき、第3のゲート線100G3がVghからVglへ変化し、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する全ての画素に対して、第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みが完了する。以降、同様の繰り返しが行われる。
【0138】
すなわち、図2図3及び図8に示すように、横方向DR2に延び、第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における一方の側DR11に隣接する画素電極100PX1Aと重畳する第5のゲート線100G5を備え、第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2及び第4のゲート線100G4を駆動する第1のゲートドライバ10G1と、第3のゲート線100G3線及び第5のゲート線100G5を駆動する第2のゲートドライバ10G2と、を有し、第3のゲート線100G3に対して第2のゲートドライバ10G2から入力される信号が高電位になる期間と、第5のゲート線100G5に対して第2のゲートドライバ10G2から入力される信号が高電位になる期間とは重ならない。
【0139】
ある画素行のすべての画素に黒信号を書き込むときの書き込み時間は、ある画素とは別の画素行の第1のゲート線100G1に対応する画素に対する画素信号の書き込み時間と第2のゲート線100G2に対応する画素に対する画素信号の書き込み時間とを合算した時間を確保できるので、第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2の大きさを、第3のスイッチング素子100T1及び第4のスイッチング素子100T2よりも小さくすることができる。
【0140】
図9は、互いに隣接する2本の第3のゲート線のVghのタイミングを重ねる場合について説明する模式図である。
【0141】
図9の(1)は、あるフレームにおいて、表示領域1AAの一番上から2番目の画素行から上から半分までの領域に対応する画素に画像信号を書き込んだ状態を示している。なお、表示領域1AAの半分から下の領域に対応する画素は、あるフレームの前のフレームで書き込まれた黒信号を保持している状態である。更に、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する第3のゲート線100G3はVghとなっており、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する全ての画素に対して、黒信号が書き込まれているが、この時点では第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みが完了はしていない(第3のゲート線100G3はVghのままである)。
【0142】
図9の(2)は、黒信号が保持されている領域((1)の表示領域1AAの半分から下の領域)の一番上の画素行のうちの第1のゲート線100G1に対応する画素に対して、第1のゲート線100G1によって、画像信号が書き込まれた状態である。このとき、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3がVglからVghへ変化し、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する全ての画素に対して、黒信号が書き込まれている。なお、第1のゲート線100G1による画像信号の書き込みが完了した時点(第1のゲート線100G1がVghからVglへ変化した時点)では、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する第3のゲート線100G3および、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みは完了していない(第3のゲート線100G3は、それぞれVghのままである)。
【0143】
図9の(3)は、(2)で画像信号を書き込んだ画素行のうちの第2のゲート線100G2に対応する画素に対して、第2のゲート線100G2によって画素像信号が書き込まれた状態である。このとき、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する第3のゲート線100G3がVghからVglへ変化し、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する全ての画素に対して、第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みが完了するが、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みは完了していない。
【0144】
図9の(4)は、(3)の表示領域1AAの半分より下において黒信号が保持されている領域の一番上の画素行のうちの第1のゲート線100G1に対応する画素に対して、第1のゲート線100G1によって、画像信号が書き込まれた状態である。このとき、表示領域1AAの一番上から3行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3がVglからVghへ変化し、表示領域1AAの一番上から3行目の画素行に対応する全ての画素に対して黒信号が書き込まれている。なお、第1のゲート線100G1による画像信号の書き込みが完了した時点(第1のゲート線100G1がVghからVglへ変化した時点)では、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3および、表示領域1AAの一番上から3行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みは完了していない(第3のゲート線100G3は、それぞれVghのままである)。
【0145】
図9の(5)は、(4)で画像信号を書き込んだ画素行のうちの第2のゲート線100G2に対応する画素に対して、第2のゲート線100G2によって画像信号が書き込まれた状態である。このとき、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3がVghからVglへ変化し、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する全ての画素に対して、第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みが完了するが、表示領域1AAの一番上から3行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みは完了していない。以降、同様の繰り返しが行われる。
【0146】
すなわち、横方向DR2に延び、第1の画素電極100PX1の縦方向DR1における一方の側DR11に隣接する画素電極100PX1Aと重畳する第5のゲート線100G5を備え、第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2及び第4のゲート線100G4を駆動する第1のゲートドライバ10G1と、第3のゲート線100G3及び第5のゲート線100G5を駆動する第2のゲートドライバ10G2と、を有し、第3のゲート線100G3に対して第2のゲートドライバ10G2から入力される信号が高電位になる期間と、第5のゲート線100G5に対して第2のゲートドライバから入力される信号が高電位になる期間と、が、少なくとも一部の期間で重なっている。
【0147】
ある画素行のすべての画素に黒信号を書き込むときの書き込み時間は、ある画素とは別の画素行であって互いに隣接する2つの画素行の第1のゲート線100G1に対応する画素に対する画素信号の書き込み時間と第2のゲート線100G2に画素対応する画素に対する画素信号の書き込み時間とを合算した時間を確保できる。また、ある画素行のすべての画素に黒信号を書き込む期間と、ある画素行に隣接する画素行のすべての画素に黒信号を書き込む期間と、が少なくとも一部の期間で重なっているため、図8の場合と比較して、第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2の大きさを、第3のスイッチング素子100T1及び第4のスイッチング素子100T2よりも更に小さくすることができる。
【0148】
図10は、互いに隣接する2本の第3のゲート線を同時に駆動する場合について説明する模式図である。
【0149】
図10の(1)は、あるフレームにおいて、表示領域1AAの一番上から半分までの領域に対応する画素に画像信号を書き込んだ状態を示している。なお、表示領域1AAの半分から下の領域に対応する画素は、あるフレームの前のフレームで書き込まれた黒信号を保持している状態である。
【0150】
図10の(2)は、黒信号が保持されている領域((1)の表示領域1AAの半分から下の領域)の一番上の画素行のうちの第1のゲート線100G1に対応する画素に対して、第1のゲート線100G1によって、画像信号が書き込まれた状態である。このとき、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する第3のゲート線100G3と、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3と、が同時にVglからVghへ変化し、表示領域1AAの一番上の画素行と2行目の画素行とに対応する全ての画素に対して、黒信号が書き込まれているが、第1のゲート線100G1による画像信号の書き込みが完了した時点(第1のゲート線100G1がVghからVglへ変化した時点)では、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する第3のゲート線100G3および、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みが完了はしていない(第3のゲート線100G3はそれぞれVghのままである)。
【0151】
図10の(3)は、(2)で画像信号を書き込んだ画素行のうちの第2のゲート線100G2に対応する画素に対して、第2のゲート線100G2によって画素像信号が書き込まれた状態である。このときも、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する第3のゲート線100G3および、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みは完了していない(第3のゲート線100G3はそれぞれVghのままである)。
【0152】
図10の(4)は、(3)の表示領域1AAの半分より下において黒信号が保持されている領域の一番上の画素行のうちの第1のゲート線100G1に対応する画素に対して、第1のゲート線100G1によって、画像信号が書き込まれた状態である。このときも、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する第3のゲート線100G3および、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みは完了していない(第3のゲート線100G3はそれぞれVghのままである)。
【0153】
図10の(5)は、(4)で画像信号を書き込んだ画素行のうちの第2のゲート線100G2に対応する画素に対して、第2のゲート線100G2によって画像信号が書き込まれた状態である。このとき、表示領域1AAの一番上の画素行に対応する第3のゲート線100G3と、表示領域1AAの一番上から2行目の画素行に対応する第3のゲート線100G3と、が同時にVghからVglへ変化し、表示領域1AAの一番上の画素行と2行目の画素行とに対応する全ての画素に対して、第3のゲート線100G3による黒信号の書き込みが完了する。以降この繰り返しが行われる。
【0154】
すなわち、第3のゲート線100G3に対して入力される上記信号と、第5のゲート線100G5に対して入力される上記信号とは同じ信号である。
【0155】
ある画素行とある画素行に隣接する画素行のすべての画素に黒信号を書き込むときの書き込み時間は、ある画素行とある画素行に隣接する画素行とは別の画素行であって、互いに隣接する2つの画素行の第1のゲート線100G1に対応する画素に対する画素信号の書き込み時間と第2のゲート線100G2に対応する画素に対する画素信号、及び、その下の第1のゲート線100G1と第2のゲート線100G2による画素の書き込み時間とを合算した時間を確保できるので、図9の場合と比較して、第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2の大きさを、第3のスイッチング素子100T1及び第4のスイッチング素子100T2よりも更に小さくすることができる。なお、図10に示すように、複数の第3のゲート線100G3(例えば、隣接する2本の第3のゲート線100G3)を同じタイミングで駆動する場合、複数の第3のゲート線100G3が互いに接続されていてもよい。
【0156】
図11は、実施形態1の表示パネルが備える画素電極のパターンの一例を示す平面模式図である。図11は、FFSモードである本実施形態の表示パネルの電極構造の一例である。
【0157】
第1の画素電極100PX1と共通電極100CMの少なくとも一方(本実施形態では第1の画素電極100PX1)は屈曲部100PXAを含むスリット100PXSを備える。このような態様とすることにより、当該領域(屈曲部100PXA)において液晶分子の配向方向を変えることができ、視角特性の改善(全方位からの画面の見え方の差の抑制)ができる。なお、データ線100Sのパターンを、画素1Pと同様の形状とすることにより、開口率の低下を抑制することができる。
【0158】
また、平面視において、第3のゲート線100G3は屈曲部100PXAと重畳する。屈曲部100PXAは、液晶分子の配向方向が異なる領域の境界となるため、他の領域と比べると暗くなる。ここに第3のゲート線100G3を配置することにより、第3のゲート線100G3が無い場合より透過率は減少するが、その減少幅をより小さくすることが可能となる。
【0159】
また、平面視において、第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2は、屈曲部100PXAと重畳する。屈曲部100PXAは、液晶分子の配向方向が異なる領域の境界となるため、他の領域と比べると暗くなる。ここに第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2を配置することにより、第1のスイッチング素子100U1及び第2のスイッチング素子100U2が無い場合より透過率は減少するが、その減少幅をより小さくすることが可能となる。
【0160】
(実施形態2)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態1と重複する内容については説明を省略する。本実施形態は、共通電極と共通線とが所定の領域で結合していることを除いて、実施形態1と実質的に同じである。
【0161】
図12は、実施形態2の表示パネルの平面模式図である。図13は、図12中のZ1-Z2線に沿った実施形態2の表示パネルの断面模式図である。図12及び図13に示すように、本実施形態の表示パネル1は、縦方向DR1に隣接する画素電極(例えば画素電極100PX1及び画素電極100PX1A)の間に配置された第1のゲート線100G1及び第4のゲート線100G4の間に、共通線100Cと共通電極100CMとが接続されるコンタクトホール100CHを備える。このような態様とすることにより、共通線100Cに入力される信号を共通電極信号とすることが可能となる。また、第1のゲート線100G1と第4のゲート線100G4との間にコンタクトホール100CHを備えることにより共通電極信号の遅延を抑えることが可能となり、表示品位が改善される。
【0162】
(実施形態3)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態1と重複する内容については説明を省略する。本実施形態は、タッチセンサを内蔵していることを除いて、実施形態1と実質的に同じである。
【0163】
図14は、実施形態3の表示パネル全体を示す平面模式図の一例である。図15は、実施形態3の表示パネルの平面模式図である。図14及び図15に示すように、本実施形態の表示パネル1は、共通電極100CMが分割された電極であるタッチパネル電極100TPXを備え、共通線100Cは、タッチパネル電極100TPXに接続され、タッチパネル配線100TPとして機能する。このような態様とすることにより、タッチセンサを内蔵した表示パネル1を実現することができる。
【0164】
より具体的には、本実施形態の表示パネル1は、複数のタッチパネル電極100TPXを備え、複数のタッチパネル電極100TPXは、表示領域1AAにタイル状(マトリクス状)に設けられている。各共通線100Cは、複数のタッチパネル電極100TPXのいずれか1つに接続され、タッチパネル配線100TPとして機能する。共通線100C(タッチパネル配線100TP)は、ソースドライバに接続される。
【0165】
タッチパネル電極100TPXは、各画素1Pに表示用の信号である表示信号(画像信号)が書き込まれる書き込み期間の間は共通電極として画素基準電位(共通電圧)に設定され、表示信号が書き込まれない(ゲートスキャンが行われない)センシング期間はタッチパネル電極として機能する。センシング期間中は、センシング用の信号が、ソースドライバからタッチパネル配線100TPを経由してタッチパネル電極100TPXへ入力される。センシング用の信号としては、例えば、各タッチパネル電極100TPXにおける静電容量の変化を検出するために印加されるパルス信号であるタッチ信号が挙げられる。
【0166】
このように、本実施形態の表示パネル1はタッチセンサ内蔵型の表示パネル(フルインセルパネル)である。タッチパネル電極(タッチセンサ用電極ともいう)は、例えば数mm角(2mm~5mm)の矩形の電極(タッチ検出電極)である。タッチパネル電極100TPXは、表示領域1AAにおいてマトリクス状に配列されている。IPS方式やFFS方式など横電界を利用した液晶表示パネルの場合、タッチパネル電極100TPXは、(画素電極100PXに対向する)共通電極100CMとしての機能を持たせることができる。このとき、タッチパネル電極100TPX(共通電極100CM)上の画素電極100PXには、横電界を生じさせるためのスリット(例えば数μm幅)が設けられることが好ましい。
【0167】
なお、本実施形態は、静電容量方式のタッチセンサの検出方式として「自己容量方式」の例を示したが、「相互容量方式」でも同様の効果が得られる。本実施形態では、実施形態1及び実施形態2の共通線100Cの役割をタッチパネル配線100TPが担っている。よって、タッチパネル配線100TP(共通線100C)には、例えば、COM信号が入力される。
【0168】
図15に示すように、本実施形態の表示パネル1は、縦方向DR1に隣接する画素電極(例えば画素電極100PX1及び画素電極100PX1A)の間に配置された第1のゲート線100G1及び第4のゲート線100G4の間に、タッチパネル配線100TPとして機能する共通線100Cと、タッチパネル電極100TPXとして機能する共通電極100CMとが接続されるコンタクトホール100CHTを備える。すなわち、実施形態2と同様に第1のゲート線100G1と第4のゲート線100G4との間に、透明電極である共通電極100CM(タッチパネル電極100TPX)と共通線100C(タッチパネル配線100TP)とが接続されるコンタクトホール100CHTが設けられている。このような態様とすることにより、共通電極100CM(タッチパネル電極100TPX)は、表示画像を表示しているときは共通電極として機能し、タッチパネル信号を検出する時はセンサ電極として機能する。
【0169】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の効果を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0170】
(実施例1)
本例の表示パネルは、上記実施形態1の表示パネルに対応する。本例の表示パネル1は、
縦方向DR1及び横方向DR2にマトリクス状に配置された複数の画素1Pと、複数の画素1Pにそれぞれ対応して設けられた複数の画素電極100PXと、複数の画素電極100PXとの間でそれぞれ電界を発生させる共通電極100CMと、横方向DR2に延びる第1のゲート線100G1、第2のゲート線100G2、第3のゲート線100G3及び第4のゲート線100G4と、縦方向DR1に延びる第1のデータ線100S1、第2のデータ線100S2及び共通線100Cと、を備える。複数の画素1Pは、第1の画素1P1と、第1の画素1P1に対して横方向DR2に隣接する第2の画素1P2と、を含み、
複数の画素電極100PXは、第1の画素1P1に対応する第1の画素電極100PX1と、第2の画素1P2に対応する第2の画素電極100PX2と、を含む。第1のゲート線100G1及び第4のゲート線100G4は、縦方向DR1において第1の画素電極100PX1の一方の側DR11に配置され、第2のゲート線100G2は、縦方向DR1において第1の画素電極100PX1の他方の側DR12に配置される。第3のゲート線100G3は、第1のゲート線100G1と第2のゲート線100G2との間において、第1の画素電極100PX1及び第2の画素電極100PX2に重畳して配置される。共通線100Cは、第1の画素電極100PX1と第2の画素電極100PX2との間に配置される。第1のデータ線100S1は、横方向DR2において第1の画素電極100PX1に対して第2の画素電極100PX2とは反対側に隣接する画素電極100PX11と、第1の画素電極100PX1との間に配置され、第2のデータ線100S2は、横方向DR2において第2の画素電極100PX2に対して第1の画素電極100PX1とは反対側に隣接する画素電極100PX21と、第2の画素電極100PX2との間に配置される。更に、第1の画素電極100PX1、共通線100C、及び、第3のゲート線100G3に接続された第1のスイッチング素子100U1と、第2の画素電極100PX2、共通線100C、及び、第3のゲート線100G3に接続された第2のスイッチング素子100U2と、を備える。本例の表示パネル1は、データ線の本数の削減及び残像感の抑制が可能であり、かつ、各画素の充電時間を充分に確保することができる。
【0171】
(実施例2)
本例の表示パネルは、上記実施形態2の表示パネルに対応する。本例の表示パネル1は、縦方向DR1に隣接する画素電極(例えば画素電極100PX1及び画素電極100PX1A)の間に配置された第1のゲート線100G1及び第4のゲート線100G4の間に、共通線100Cと共通電極100CMとが接続されるコンタクトホール100CHを備える。本例の表示パネル1もまた、データ線の本数の削減及び残像感の抑制が可能であり、かつ、各画素の充電時間を充分に確保することができる。本例の表示パネル1は、更に、共通線100Cに入力される信号を共通電極信号とすることが可能である。また、本例の表示パネル1は、共通電極信号の遅延を抑えることが可能となり、表示品位が改善される。また、本例の表示パネル1は、開口率の低下を抑えることができる。
【0172】
(実施例3)
本例の表示パネルは、上記実施形態3の表示パネルに対応する。本例の表示パネル1は、共通電極100CMが分割された電極であるタッチパネル電極100TPXを備え、共通線100Cは、タッチパネル電極100TPXに接続され、タッチパネル配線100TPとして機能する。本例の表示パネル1もまた、データ線の本数の削減及び残像感の抑制が可能であり、かつ、各画素の充電時間を充分に確保することができる。本例の表示パネル1は、更に、共通線100Cをタッチパネル配線100TPとして機能させることが可能であり、タッチセンサ内蔵型の表示パネルを実現することができる。
【0173】
以上に示した本発明の各態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0174】
1、1R:表示パネル
1AA:表示領域
1NA:額縁領域
1NX:端子領域
1P、1P1、1P2:画素
2B:ブラックマトリクス層のパターンエッジ
10F:フレキシブルプリント基板端子
10G1、10G2:ゲートドライバ
10S:ICドライバーチップ
11PL、12PL:偏光板
20:導電層
30A:半導体層
30B:ソース電極
30C:ドレイン電極
30D:ゲート電極
41、42:配向膜
100:第1の基板(TFT基板)
100C:共通線
100CH、100CHT:コンタクトホール
100CM:共通電極
100CML:共通配線
100G、100G1、100G2、100G3、100G4、100G5:ゲート線
100GL:ゲート配線層
100S、100S1、100S2:データ線
100SL:データ配線層
100T、100T1、100T2、100U1、100U2:スイッチング素子
100TP:タッチパネル配線
100TPX:タッチパネル電極
100PX、100PX1、100PX11、100PX1A、100PX1B、100PX2、100PX21:画素電極
100PXA:屈曲部
100PXS:スリット
110、210:支持基板
120:ゲート絶縁膜
130、140、150:絶縁膜
200:第2の基板(CF基板)
221:カラーフィルタ層
222:ブラックマトリクス層
230:オーバーコート層
300:液晶層
Clc:液晶容量
Ccom1:補助容量
DR1:縦方向
DR2:横方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16