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特開2024-152375情報処理システムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152375
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q30/0207 372
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066527
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000310
【氏名又は名称】株式会社アシックス
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】神谷 遼
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】使用済の商品の回収を促進するための技術を提供する。
【解決手段】情報処理システム10は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、ユーザが取得した商品を識別するための商品識別情報とを対応付ける保有登録情報を記録する保有登録管理部24と、ユーザが使用する端末から取得される、商品の使用に関する使用履歴情報を記録する使用履歴管理部26と、ユーザから商品を回収したことを示す回収情報を取得する回収管理部28と、回収情報の取得を条件として、商品の保有登録情報および使用履歴情報に応じてユーザに付与される特典を示す特典情報を生成する特典管理部32と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記ユーザが取得した商品を識別するための商品識別情報とを対応付ける保有登録情報を記録する保有登録管理部と、
前記ユーザが使用する端末から取得される、前記商品の使用に関する使用履歴情報を記録する使用履歴管理部と、
前記ユーザから前記商品を回収したことを示す回収情報を取得する回収管理部と、
前記回収情報の取得を条件として、前記商品の保有登録情報および使用履歴情報に応じて前記ユーザに付与される特典を示す特典情報を生成する特典管理部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記商品の保有登録情報および使用履歴情報に基づく所定条件の充足を契機に、前記ユーザが使用する端末に、前記商品の回収を前記ユーザに依頼するための通知情報を生成する通知部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記商品の保有登録情報および使用履歴情報に基づく所定条件の充足を契機に、前記ユーザが使用する端末に、前記商品の使用履歴情報の提供を前記ユーザに依頼するための通知情報を生成する通知部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ユーザから回収した後の前記商品の状況に関する事後情報を取得する事後管理部と、
前記商品の事後情報に基づく所定条件の充足を契機に、前記ユーザが使用する端末に、前記商品の再使用または再生利用に関する通知情報を生成する通知部と、
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記商品は、前記ユーザによって着用される、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記使用履歴情報は、前記商品の使用日時、使用量、劣化度および外観の少なくとも一つを示す情報を含み、
前記特典管理部は、前記商品の保有登録情報および使用履歴情報に基づいて算出される前記商品の保有期間、使用回数、総使用量および劣化度の少なくとも一つに基づいて、前記特典情報を生成する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記特典管理部は、前記ユーザから前記商品である第1商品を回収したことを示す回収情報の取得と、前記ユーザが前記第1商品とは別の第2商品を取得したことを示す保有登録情報の記録とを条件として、前記特典情報を生成する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記特典管理部は、前記ユーザから前記商品である第1商品を回収したことを示す回収情報の取得を条件として、前記ユーザに前記特典である第1特典を付与する特典情報を生成し、
前記特典管理部は、前記ユーザから前記第1商品を回収したことを示す回収情報の取得と、前記ユーザが前記第1商品とは別の第2商品を取得したことを示す保有登録情報の記録とを条件として、前記ユーザに前記第1特典とは別の第2特典を付与する特典情報を生成する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記特典管理部は、複数のユーザから所定数以上の商品を回収したことを示す複数の回収情報の取得を条件として、前記複数のユーザのそれぞれに付与される特典を示す複数の特典情報を生成する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記ユーザが取得した商品を識別するための商品識別情報とを対応付ける保有登録情報を記録するステップと、
前記ユーザが使用する端末から取得される、前記商品の使用に関する使用履歴情報を記録するステップと、
前記ユーザから前記商品を回収したことを示す回収情報を取得するステップと、
前記回収情報の取得を条件として、前記商品の保有登録情報および使用履歴情報に応じて前記ユーザに付与される特典を示す特典情報を生成するステップと、
を情報処理システムが実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、使用済の商品の再使用(リユース)や再生利用(リサイクル)を積極化する取り組みがなされている。例えば、衣服などの使用済の商品を回収する際に特典を付与することにより、商品の回収を促進するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-184614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の先行技術では、回収サービスを知っているユーザにしか働きかけることができない。商品を使用する多数のユーザからの商品回収を促進できることが好ましい。
【0005】
本発明は、こうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用済の商品の回収を促進するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の情報処理システムは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、ユーザが取得した商品を識別するための商品識別情報とを対応付ける保有登録情報を記録する保有登録管理部と、ユーザが使用する端末から取得される、商品の使用に関する使用履歴情報を記録する使用履歴管理部と、ユーザから商品を回収したことを示す回収情報を取得する回収管理部と、回収情報の取得を条件として、商品の保有登録情報および使用履歴情報に応じてユーザに付与される特典を示す特典情報を生成する特典管理部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様は、情報処理方法である。この方法は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、ユーザが取得した商品を識別するための商品識別情報とを対応付ける保有登録情報を記録するステップと、ユーザが使用する端末から取得される、商品の使用に関する使用履歴情報を記録するステップと、ユーザから商品を回収したことを示す回収情報を取得するステップと、回収情報の取得を条件として、商品の保有登録情報および使用履歴情報に応じてユーザに付与される特典を示す特典情報を生成するステップと、を情報処理システムが実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のある態様によれば、使用済の商品の回収を促進するための技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】商品の再生利用を促進する方法の一例を模式的に示す図である。
図2】情報処理システムの機能構成を模式的に示すブロック図である。
図3】商品を収容する箱の一例を模式的に示す図である。
図4】ユーザ端末の表示画面の一例を模式的に示す図である。
図5】情報処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の概要を説明する。本発明は、商品の長期利用および再生利用を促進する仕組みを提供するための情報処理システムに関する。商品の一例は、衣服や靴などのユーザが着用するアパレル商品であるが、これに限られるものではない。近年、商品をリサイクル可能またはリサイクル容易な材料で製造し、回収した商品から生成される再生原料を利用して新たな商品を製造することにより、環境負荷の少ない商品を継続的に提供する取り組みがなされている。このような取り組みを促進させるためには、ユーザにリサイクル可能な商品であることを認知してもらうとともに、ユーザが商品を大切に使用した後にユーザから商品を確実に回収することが必要である。
【0011】
本発明では、ユーザと商品を対応付けて情報処理システムに登録し、ユーザによる商品の使用に関する使用履歴情報を情報処理システムで収集する。収集された使用履歴情報に応じてユーザに商品の回収を提案することにより、商品の回収率を向上させる。例えば、ユーザによって十分に使い尽くされた商品の回収によるリサイクルの促進や、ユーザによる使用頻度が少ない商品の回収によるリユースの促進を実現する。また、商品の回収時に使用履歴情報に応じた特典を付与することにより、例えば、商品を大切に使用するユーザに対してより大きな特典の付与を可能にし、商品の長期利用を促進する。さらに、商品回収に協力するユーザに対し、リサイクル可能な特定の商品の購入を条件として特典を付与可能とすることにより、リサイクルの好循環を促進する。
【0012】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態、変形例では、同一または同等の構成要素には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0013】
図1は、商品100の再生利用を促進する方法の一例を模式的に示す図である。図1は、商品100が靴である場合を示す。商品100は、再生可能な原材料を用いて製造されている。ユーザ110は、商品100を取得(例えば購入)し(S100)、商品100を使用する(S102)。ユーザ110は、ユーザ110が使用するスマートフォンなどのユーザ端末112において商品100を登録する。ユーザ端末112は、商品100の使用量(例えば走行距離)を取得し、画面に表示する。ユーザ110によって商品100が十分に使用された後、使用済の商品102はリサイクルのために回収される(S104)。使用済の商品102は、例えば、箱114に収容した状態でリサイクルのための回収拠点に配送される。箱114は、リサイクルを受け付ける店舗などに設置される回収ボックスであってもよい。
【0014】
回収された商品102は、例えば、原材料別に第1部品(例えばアッパー)104と第2部品(例えばソール)106に分離され(S106)、部品ごとに再生拠点116にて再生処理がなされる(S108)。例えば、第1部品(例えばアッパー)104から再生原料(原料糸)108が再生され、再生原料108を用いて新しい商品100が製造される(S110)。S100~S110のステップを繰り返し実行することにより、商品100のリサイクルが循環する。なお、ステップS106にて使用済の商品102を複数の部品に分離するのではなく、ステップS104の回収前に商品102を複数の部品に分離し、部品別に回収がなされてもよい。
【0015】
ステップS104にて使用済の商品102が回収されると、ユーザ110に第1特典120が付与され、例えば、ユーザ端末112に第1特典120の付与が通知される(S120)。また、ユーザ110が再生可能な新たな商品100を購入すると(S122)、ユーザ110に第2特典122が付与され、例えば、ユーザ端末112に第2特典122の付与が通知される(S124)。第1特典120および第2特典122は、商品の購入に使用したり、植林や寄付などの慈善事業に使用したり、イベントの参加券として使用したりすることができる。使用済の商品102の回収を条件として第1特典120を付与することにより、ユーザ110から使用済の商品102の回収を促進できる。また、再生可能な商品100の購入を条件として第2特典122を付与することにより、ユーザ110に再生可能な商品100の購入を促すことができる。これにより、商品100のリサイクルを循環させる動機付けをユーザ110に与えることができ、商品100のリサイクルの循環を促進できる。
【0016】
図2は、情報処理システム10の機能構成を模式的に示すブロック図である。情報処理システム10は、情報処理装置12と、ユーザ端末14と、事業者端末16とを備える。情報処理装置12は、ネットワーク18を介してユーザ端末14および事業者端末16と接続する。
【0017】
情報処理装置12は、商品の提供、回収および再生利用を担う事業者が運営するプラットフォームを提供するための情報処理を実行する。情報処理装置12は、汎用のサーバ装置などで構成される。
【0018】
ユーザ端末14は、商品を使用するユーザが使用する端末であり、ユーザが保有するパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォンなどである。
【0019】
事業者端末16は、商品の提供、回収または再生利用を担う事業者の従業員が使用する端末であり、パーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォンなどである。事業者端末16は、商品の販売店舗に設置される店舗端末であってもよいし、商品の配送や回収を担う物流事業者が使用する端末であってもよい。事業者端末16は、商業施設や公共施設などに設置され、商品の回収を受け付ける回収装置であってもよい。
【0020】
本明細書のブロック図で示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0021】
図2に示される複数の機能ブロックの機能は、1台のコンピュータにより実行されてもよく、複数台のコンピュータにより分散して実行されてもよい。図2に示す複数の機能ブロックの機能が複数台のコンピュータにより分散して実行される場合、それら複数台のコンピュータは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットを含む通信網を介してデータを送受信してもよい。
【0022】
情報処理装置12は、ユーザ情報管理部20と、商品情報管理部22と、保有登録管理部24と、使用履歴管理部26と、回収管理部28と、事後管理部30と、特典管理部32と、認証管理部34と、通知部36と、通信部38とを備える。
【0023】
ユーザ情報管理部20は、商品を使用するユーザに関する情報(ユーザ情報ともいう)を記憶し、管理する。ユーザ情報管理部20は、例えば、ユーザ端末14から取得する情報に基づいてユーザ情報を生成する。ユーザ情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報(例えばユーザID)をキーとして、ユーザの氏名、生年月日、住所、身体情報、趣味嗜好といった情報を含む。身体情報は、ユーザの身長や体重、商品を着用する身体部位(例えば足)のサイズや形状の情報(例えば、足長や足囲などの足形情報)などを含む。
【0024】
商品情報管理部22は、ユーザに提供される商品に関する情報(商品情報ともいう)を記憶し、管理する。商品情報は、商品を識別するための商品識別情報(例えば商品ID)をキーとして、商品名、商品種別、商品画像、商品説明といった情報を含む。商品識別情報は、商品単位で付与される商品番号を含んでもよいし、商品のロット単位で付与される商品ロット番号を含んでもよいし、商品の個体単位で付与される商品個体番号を含んでもよい。商品識別情報は、商品を構成する複数の部品に付与される複数の部品番号を含んでもよい。商品識別情報は、商品を構成する部品のロット単位で付与される部品ロット番号を含んでもよいし、商品を構成する部品の個体単位で付与される部品個体番号を含んでもよい。例えば、商品が靴である場合、左靴と右靴のそれぞれに別個の商品識別情報が付与されてもよいし、靴のアッパー部品とソール部品のそれぞれに別個の商品識別情報が付与されてもよい。商品識別情報は、バーコード、二次元コードまたは無線タグなどによって商品や商品を構成する部品に付与されてもよいし、商品を収容する箱などに付与されてもよい。商品がリユースされる場合、リユース前の商品識別情報がそのまま使用されてもよいし、リユース前とは異なる商品識別情報がリユース後の商品に付与されてもよい。
【0025】
図3は、商品を収容する箱124の一例を模式的に示す図である。図3の例において、商品は靴である。箱124には、商品識別情報として二次元コード126が付与されている。箱124には、商品がリサイクル可能であることを示す説明図128が付与されている。図3の例では、靴のアッパーとソールを分離することにより、靴のリサイクルが可能であることが示されている。箱124に商品のリサイクルに関する説明図128を付与することにより、ユーザに対してリサイクルの動機付けを効果的に与えることができる。
【0026】
保有登録管理部24は、ユーザと、ユーザが取得した商品とを対応付ける保有登録情報を記憶し、管理する。保有登録情報は、ユーザ識別情報と、商品識別情報と、登録日時とを含む。保有登録情報は、例えば、商品を取得したユーザがユーザ端末14にて保有登録処理を実行することにより生成される。保有登録情報は、ユーザによる商品の購入時または配送時に生成されてもよい。例えば、ユーザが店舗で商品を購入した場合、店舗で使用される事業者端末16にて読み込まれるユーザ識別情報および商品識別情報に基づいて保有登録情報が生成されてもよい。ユーザがオンライン店舗で商品を購入した場合、商品をユーザに出荷する配送拠点で使用する事業者端末16で読み込まれるユーザ識別情報および商品識別情報に基づいて保有登録情報が生成されてもよい。商品がリユースされる場合、保有登録情報が書き換えされ、ユーザ識別情報と商品識別情報の対応関係が更新される。
【0027】
使用履歴管理部26は、ユーザ端末14から取得される商品の使用に関する使用履歴情報を記憶し、管理する。使用履歴情報は、商品の使用日時、使用量、劣化度および外観の少なくとも一つを示す情報を含む。商品の使用量は、商品が靴の場合、歩数、歩行距離、走行距離、歩行時間、走行時間などを含む。商品の使用量は、商品が衣服の場合、着用時間や着用回数、洗濯回数などを含む。商品の劣化度は、商品の摩耗、損耗、汚れなどの発生箇所や発生量に関する情報を含む。商品の外観は、商品を撮像した画像などである。使用履歴情報は、ユーザがユーザ端末14を操作することによって生成されてもよいし、ユーザ端末14にインストールされるアプリケーションなどによって生成されてもよい。例えば、商品が靴の場合、ユーザ端末14にインストールされるランニングログアプリによって靴を着用するユーザの走行距離や走行時間が生成されてもよい。ユーザの身長や体重といった身体情報に基づいて商品の使用時における負荷を考慮してもよく、例えば、ユーザの身体情報に基づいて商品の使用量や劣化度が算出(または補正)されてもよい。その他、商品に装着されるセンサにて計測される情報がユーザ端末14によって取得され、センサから取得される情報に基づいて使用履歴情報が生成されてもよい。使用履歴情報は、例えば、ユーザが商品を使用するたびに生成される。
【0028】
回収管理部28は、ユーザが使用した商品の回収に関する回収情報を記憶し、管理する。回収情報は、例えば、ユーザ識別情報と、商品識別情報と、回収日時とを含む。回収情報は、事業者端末16にて生成される。ユーザが商品を店舗に持ち込む場合、店舗で使用される事業者端末16にてユーザ識別情報および商品識別情報を読み込むことにより回収情報が生成される。ユーザが商品を事業者に送付する場合、商品回収を受け付ける回収拠点にて使用される事業者端末16にてユーザ識別情報および商品識別情報を読み込むことにより回収情報が生成される。回収情報は、ユーザ端末14にて生成されてもよい。例えば、イベント会場などに商品の回収ボックスを設置し、回収ボックスに付与された二次元コードをユーザ端末14にて読み込むことにより、回収情報が生成されてもよい。
【0029】
事後管理部30は、ユーザから回収した後の商品の状況に関する事後情報を記憶し、管理する。事後情報は、リサイクル情報またはリユース情報を含む。リサイクル情報は、ユーザから回収された商品から再生原料が生成される場合における事後情報である。リサイクル情報は、再生原料を生成する工程(分別工程、粉砕工程、原料化工程)の進捗状況や、再生原料から生成される再生商品に関する情報を含んでもよい。リユース情報は、ユーザから回収された商品が別のユーザに中古品として譲渡され、別のユーザが再使用する場合における事後情報である。リユース情報は、別のユーザのユーザ識別情報や使用履歴情報などを含んでもよい。事後情報は、リサイクルやリユースによって削減可能となったCO排出量といった環境負荷低減の貢献量を示す情報を含んでもよい。
【0030】
特典管理部32は、商品の回収に協力したユーザに付与される特典を示す特典情報を生成する。特典管理部32は、例えば、ユーザから商品が回収されたことを示す回収情報の取得を条件として、特典情報を生成する。ユーザに付与される特典は、特に限定されないが、例えば、商品購入に使用可能なポイントや割引券、特別な商品の購入や特別なイベントへの参加が可能となる招待券などである。ユーザに付与される特典は、商品の修理点検費用が無料または割引となるクーポン券であってもよい。この場合、回収された商品は、修理点検後にユーザに返却されてもよい。ユーザに付与される特典は、植林や寄付といった慈善活動に使用可能なポイントであってもよい。ユーザに付与される特典は、環境負荷低減への貢献量を示すデジタルバッジであってもよく、貢献量に応じてランクアップするステータスであってもよい。
【0031】
特典管理部32は、ユーザから回収された商品の保有登録情報および使用履歴情報に応じて特典情報を生成する。特典管理部32は、商品の保有登録情報に基づいて、ユーザによる商品の保有期間を算出し、保有期間の長さに応じて特典情報を生成してもよい。特典管理部32は、例えば、商品の保有期間が所定以上(例えば2年以上)である場合に特典情報を生成し、商品の保有期間が所定未満である場合には特典情報を生成しなくてもよい。特典管理部32は、例えば、商品の保有期間が長いほどユーザにとって利益の大きい特典情報を生成してもよい。これにより、一つの商品を長期間にわたって大切に使用したユーザにより大きな特典を付与することができ、商品の長期利用を促進することができる。
【0032】
特典管理部32は、商品の使用履歴情報に基づいて、商品の使用回数、総使用量および劣化度の少なくとも一つを算出し、これらの大きさに応じて特典情報を生成してもよい。特典管理部32は、回収された商品の商品識別情報に紐付く使用履歴情報の個数をカウントすることにより商品の使用回数を算出してもよい。特典管理部32は、回収された商品の商品識別情報に紐付く使用履歴情報に含まれる使用量を合計することにより商品の総使用量を算出してもよい。特典管理部32は、回収された商品の商品識別情報に紐付く使用履歴情報に含まれる劣化度または外観を示す情報に基づいて、回収時点の商品の劣化度を算出してもよい。特典管理部32は、商品の使用回数、総使用量および劣化度の少なくとも一つが所定以上である場合に特典情報を生成し、そうでない場合には特典情報を生成しなくてもよい。特典管理部32は、例えば、商品の使用回数が所定以上(例えば50回以上)である場合に特典情報を生成してもよい。特典管理部32は、例えば、商品の総使用量が所定以上(例えば走行距離が500km以上)である場合に特典情報を生成してもよい。特典管理部32は、例えば、商品の劣化度が所定以上(例えばソールの摩耗量が所定値以上)である場合に特典情報を生成してもよい。特典管理部32は、ユーザの身体情報にさらに基づいて特典情報を生成してもよく、身体情報に応じて特典付与の条件とする所定値を重み付けしてもよい。特典管理部32は、ユーザによる身体情報の入力に応じて特典を付与してもよい。特典管理部32は、ユーザによる身体情報の入力頻度に応じて、例えば定期的な確認入力や身体情報の変化に伴う更新入力の頻度に応じて、特典付与の条件とする所定値を重みづけしてもよい。特典管理部32は、商品の使用回数、総使用量および劣化度の少なくとも一つが多いほどユーザにとって利益の大きい特典情報を生成してもよく、使用回数、総使用量および劣化度の少なくとも一つの大きさに応じて付与される特典の内容を段階的に変化させてもよい。これにより、使い尽くされた商品の回収を促し、ヘビーユーザによる商品の買い換えを促進できる。
【0033】
特典管理部32は、商品が複数のユーザによってリユースされる場合、複数のユーザに紐付く商品の保有登録情報および使用履歴情報に基づいて、商品の保有期間、使用回数、総使用量または劣化度を算出してもよい。例えば、第1ユーザが保有登録した商品が回収され、その商品を第2ユーザが取得して保有登録した場合、第2ユーザから商品を回収する際に第2ユーザに付与される特典は、第2ユーザの保有登録情報および使用履歴情報のみならず、第1ユーザの保有登録情報および使用履歴情報が考慮されてもよい。これにより、中古品(リユース品)を大切に利用する第2ユーザに対してより大きな特典を付与することができ、リユースを活性化させるとともに、リユース品の回収を促進することができる。
【0034】
特典管理部32は、ユーザ識別情報に紐付く回収情報に基づいて、商品の回収回数をカウントし、回収回数が多いほどユーザにとって利益の大きい特典情報を生成してもよい。特典管理部32は、リサイクル可能またはリサイクル容易な特定商品が回収された場合や、特定商品の回収回数が所定数以上である場合に、ユーザにとって利益の大きい特典情報を生成してもよい。これにより、リサイクル可能な特定商品の購入および回収を促進することができ、リサイクルの好循環を促進することができる。
【0035】
特典管理部32は、商品の回収に協力するユーザが新たな商品を購入したことを条件として、特典情報を生成してもよい。特典管理部32は、例えば、ユーザから第1商品を回収したことを示す回収情報の取得と、同じユーザが第1商品とは別の第2商品を取得したことを示す保有登録情報の記録とを条件として特典情報を生成してもよい。第1商品の回収タイミングと第2商品の取得タイミングの時系列は問わず、第1商品の回収後に第2商品が取得されてもよいし、第2商品の取得後に第1商品が回収されてもよい。なお、第1商品の回収タイミングと第2商品の取得タイミングが所定期間内(例えば1ヶ月以内)であることを条件として特典情報を生成してもよい。これにより、第1商品から第2商品への買い換えを促進するとともに、使用済の第1商品の回収を促進することができる。
【0036】
特典管理部32は、商品の回収に関連して複数の特典情報を生成してもよい。特典管理部32は、例えば、第1商品の回収を条件としてユーザに第1特典を付与する特典情報を生成し、第1商品の回収後の第2商品の取得を条件としてユーザに第1特典とは別の第2特典を付与する特典情報を生成してもよい。特典管理部32は、第2商品がリサイクル可能またはリサイクル容易な特定商品であることをさらに条件として、ユーザに第2特典を付与する特典情報を生成してもよい。これにより、リサイクル可能またはリサイクル容易な特定商品への買い換えを促進するとともに、使用済の第1商品の回収を促進することができる。
【0037】
特典管理部32は、商品の所有期間、使用回数、総使用量および劣化度が少ない場合、リユース目的で別のユーザに譲渡するための商品の買取価格に相当する特典を付与する特典情報を生成してもよい。例えば、ユーザと商品の親和性が低く、ユーザが商品をほとんど使用していないような場合に特典を付与して商品を回収することにより、リユースを活性化させることができ、商品の有効利用を促進することができる。
【0038】
特典管理部32は、複数のユーザに紐付く複数の回収情報に基づいて、複数のユーザのそれぞれに付与される特典を示す複数の特典情報を生成してもよい。例えば、チャリティイベントなどに参加する複数のユーザから所定数以上の商品が回収されたことを示す複数の回収情報の取得を条件として、イベントに参加する複数のユーザの全員に特典を付与してもよい。チャリティイベントの具体例は、「リサイクル可能な1000個の第1商品の回収によって再生される第2商品を寄付しよう」といったものであり、第1商品の回収数が1000個に達したことを条件に第1商品の回収に協力したユーザに特典が付与される。ユーザ参加型のイベントを開催することで、イベントに参加する楽しさをユーザに提供するとともに、使用済の第1商品の回収を促進することができる。
【0039】
特典管理部32は、商品の回収を条件として、商品を回収した事業者に付与される特典情報を生成してもよい。例えば、商品を回収する店舗を運営する事業者に向けて特典が付与されてもよい。事業者に特典を付与可能とすることにより、店舗における商品回収を促進することができる。
【0040】
認証管理部34は、ユーザから回収された商品を中古品として販売する際に商品に付与する認証情報を生成する。認証情報は、回収時点での商品の状態を示す情報であり、事業者による認証を受けた情報である。認証情報は、例えば、商品の保有登録日、商品の使用回数、総使用量および劣化度の少なくとも一つを含む。認証情報は、商品の保有登録情報および使用履歴情報に基づいて生成できる。商品が複数のユーザによって所有される場合、複数のユーザに紐付く保有登録情報および使用履歴情報に基づいて認証情報が生成されてもよい。このような認証情報を生成して商品に付与することにより、中古品である商品の品質を保証することができる。
【0041】
通知部36は、ユーザ端末14に通知する通知情報を生成する。通知部36は、保有登録情報および使用履歴情報に基づく所定条件の充足を契機に、商品の回収をユーザに依頼するための通知情報を生成する。通知部36は、例えば、商品の回収による特典付与が可能となる所定条件の充足を契機に、商品の回収をユーザに依頼するための通知情報を生成してもよい。特典付与が可能となる所定条件の一例は、商品の保有期間が所定値以上(例えば2年以上)、商品の使用回数が所定値以上(例えば50回以上)、商品の総使用量が所定値以上(例えば走行距離が500km以上)、商品の劣化度が所定値以上(例えばソールの摩耗量が5mm以上)などである。特典付与が可能となる所定条件は、ユーザの身体情報(例えば身長や体重)に応じて重み付けがなされてもよい。例えば、身長や体重が大きいほど商品の劣化度が大きくなることを考慮し、所定条件の充足タイミングが早くなるようにしてもよい。通知部36は、商品の回収によってユーザに付与可能な特典に関する通知情報を生成してもよい。付与可能な特典とともに商品の回収をユーザに依頼することにより、使用済の商品の回収を促進することができる。通知部36は、商品の修理点検が受けられる特典に関する通知情報を生成してもよい。通知部36は、ユーザにほとんど使用されていない商品について、商品の買取価格に相当する特典付与が可能であることを示す通知情報を生成してもよい。
【0042】
通知部36は、保有登録情報および使用履歴情報に基づく所定条件の充足を契機に、商品の使用履歴情報の提供をユーザに依頼するための通知情報を生成してもよい。例えば、商品の保有期間が特定値に達することを契機に通知情報を生成してもよいし、商品の使用回数、総使用量または劣化度が特定値に達することを契機に通知情報を生成してもよい。特定値は、例えば、商品の回収による特典付与が可能となる所定値よりも小さい値に設定される。例えば、保有期間を条件とする場合、保有期間が1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年に達することを契機に通知情報を生成してもよい。例えば、商品の総使用量を条件とする場合、走行距離が50km、100km、200km、300kmに達することを契機に通知情報を生成してもよい。ユーザの身体情報(例えば身長や体重)に応じて、通知情報の生成の条件となる特定値の重み付けがなされてもよい。例えば、身長や体重が大きいほど商品の劣化度が大きくなることを考慮し、身長や体重が大きいほど通知タイミングが早くなるようにしてもよい。
【0043】
通知部36は、ユーザによる商品の点検を依頼する通知情報を生成してもよい。例えば、ユーザが商品を高頻度で使用しており、複数の使用履歴情報が蓄積されている場合、「商品の不具合や劣化の状況を教えてください」「商品の外観を撮影してください」といった商品の現時点での状況の入力を依頼する通知情報を生成してもよい。一方、ユーザが商品を一定期間使用しておらず、使用履歴情報の蓄積数が少ない場合、「商品を使ってみませんか」「久しぶりに走ってみませんか」といった商品の使用を依頼する通知情報を生成してもよい。これにより、ユーザの商品に対する愛着度を高め、将来におけるユーザからの商品回収の協力を促進することができる。また、商品の使用に伴う商品の劣化状況の詳細を収集することができ、商品開発に役立てることができる。特に、ユーザの身体情報に応じた使用量や劣化度を収集することができるため、商品の使用状況をより精緻に分析することができる。
【0044】
通知部36は、事後情報に基づく所定条件の充足を契機に、商品の再使用または再生利用に関する通知情報を生成する。通知部36は、例えば、リサイクル情報またはリユース情報の取得や更新を契機に通知情報を生成してもよい。通知部36は、例えば、リサイクルの進捗に応じて、現在の進捗状況(分別、粉砕、原料化、再生)を示す情報やリサイクル工程を撮像した動画をユーザ端末14にて再生するための情報を含む通知情報を生成してもよい。通知部36は、例えば、リユースの進捗に応じて、現在の進捗状況(取得、使用、回収)や別のユーザの属性情報や使用履歴情報などを含む通知情報を生成してもよい。
【0045】
通信部38は、ネットワーク18を介して情報を受信および送信する。通信部38は、ユーザ端末14からユーザ情報、保有登録情報、使用履歴情報などを受信する。通信部38は、事業者端末16から保有登録情報、回収情報、事後情報などを受信する。通信部38は、ユーザ端末14に通知情報や特典情報を送信する。通信部38は、事業者端末16に特典情報を送信してもよい。
【0046】
つづいて、ユーザ端末14について説明する。ユーザ端末14は、通信部40と、表示操作部42と、読取部44と、制御部46と、記憶部48とを備える。
【0047】
通信部40は、ネットワーク18を介して情報処理装置12と通信する。通信部40は、例えば、ユーザ端末14に入力される情報を情報処理装置12に送信し、ユーザ端末14に表示する情報を情報処理装置12から受信する。
【0048】
表示操作部42は、例えば、タッチパネル式のディスプレイで構成され、ユーザ端末14を動作させるための画面表示および入力操作を実現する。表示操作部42は、表示部と操作部が別々に構成されてもよく、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどで構成される表示部と、ジョイスティックやボタンなどで構成される操作部とを有してもよい。
【0049】
読取部44は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの二次元画像センサを備え、撮像画像を生成する。読取部44は、例えば、商品の外観を撮像して商品画像を生成する。読取部44は、商品や箱などに付与されるバーコードや二次元コードを読み取って商品識別情報を生成してもよい。読取部44は、商品や箱などに付与される無線タグを読み取るための無線通信装置を備え、無線タグを読み取って商品識別情報を生成してもよい。
【0050】
制御部46は、通信部40、表示操作部42および読取部44の動作を制御する。制御部46は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサを備え、記憶部48に記憶されるプログラムにしたがって動作する。
【0051】
記憶部48は、制御部46の動作に用いられるプログラムやデータを記憶する。記憶部48は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリを備える。
【0052】
制御部46は、ユーザによる商品の保有登録処理を実行するための操作画面を表示操作部42に表示させる。ユーザは、表示操作部42を通じてユーザ識別情報を入力してログインする。ユーザは、商品または商品の箱に付与されるバーコードや二次元コード、無線タグを読取部44を用いて読み取ることで商品識別情報を取得する。ユーザは、商品識別情報を示す記号や番号などを操作画面に入力してもよい。制御部46は、ユーザ識別情報と商品識別情報とを対応付けた保有登録情報を通信部40を介して情報処理装置12に送信する。
【0053】
制御部46は、ユーザによる商品の使用履歴情報を提供するための操作画面を表示操作部42に表示させる。ユーザは、例えば、表示操作部42を通じて使用する商品を選択する。ユーザは、商品などに付与されるバーコードや二次元コード、無線タグを読取部44を用いて読み取ることにより、使用する商品を選択してもよい。ユーザは、操作画面を通じて商品の使用日時、使用量または劣化度を入力してもよい。ユーザは、読取部44を用いて商品を撮像することにより商品の外観を示す画像を取得してもよい。制御部46は、ユーザ端末14に設けられる計時手段から時刻情報を取得して使用日時や着用時間を特定してもよい。制御部46は、ユーザ端末14または商品に設けられる各種センサの計測結果を取得して商品の使用量を特定してもよい。例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)などの位置センサの計測結果から商品を着用するユーザの走行距離を特定してもよいし、加速度センサの計測結果からユーザの走行歩数を特定してもよい。制御部46は、商品の外観画像から商品の劣化度を特定してもよい。制御部46は、ユーザ識別情報と、商品識別情報と、商品の使用日時、使用量、劣化度および外観の少なくとも一つを示す情報とを含む使用履歴情報を通信部40を介して情報処理装置12に送信する。
【0054】
制御部46は、情報処理装置12から通信部40を介して通知情報を受信した場合、通知情報を表示操作部42に表示させる。制御部46は、情報処理装置12から送信される通知情報に基づいて、商品回収や使用情報提供をユーザに依頼するメッセージやポップアップを表示操作部42に表示させる。商品回収を依頼する場合、商品回収の方法や手順、近隣の回収店舗や回収装置の設置場所を示す案内画面を表示操作部42に表示させてもよい。商品回収を依頼する場合、回収によって得られる特典を表示操作部42に表示させてもよい。制御部46は、情報処理装置12から通信部40を介して特典情報を受信した場合、特典情報を表示操作部42に表示させる。
【0055】
図4は、ユーザ端末14の表示画面の一例を模式的に示す図である。画面上方には、ユーザが使用する商品の商品画像130と、商品名や商品識別情報を示す文字132とが表示される。商品画像130には、リサイクル可能な商品であることを模式的に示す回転矢印134が付与されている。画面中央には、商品の使用量を示す「総距離53km」の文字136と、プログレスバー138とが表示される。プログレスバー138は、特典付与が可能となる走行距離500kmまでの進捗度を示す。プログレスバー138の右端には、走行距離500kmの達成を条件として付与可能な特典を示す特典画像140が表示される。画面下部には、新しい商品の購入や使用済の商品の回収のための画面に遷移するための「シューズを替える」のボタン142が表示される。画面の上部には、商品の外観を撮像するための読取部44を起動するためのカメラボタン144が表示される。
【0056】
つづいて、事業者端末16について説明する。事業者端末16は、通信部50と、表示操作部52と、読取部54と、制御部56と、記憶部58とを備える。事業者端末16は、事業者向けのプログラムが記憶部58に記憶され、制御部56によって事業者向けのプログラムが実行される点を除いて、ユーザ端末14と同様に構成されてもよい。
【0057】
制御部56は、ユーザから回収した商品を登録するための回収登録処理を実行するための操作画面を表示操作部52に表示させる。事業者端末16が店舗端末である場合、店舗の従業員は、店舗に来店したユーザのユーザ端末14に表示されるバーコードや二次元コードを読取部54を用いて読み取ることによりユーザ識別情報を取得する。ユーザ識別情報は、店舗に来店したユーザが事業者端末16に直接入力してもよい。店舗の従業員は、ユーザが店舗に持参する商品または箱に付与されるバーコード、二次元コードまたは無線タグを読取部54を用いて読み取ることにより商品識別情報を取得する。
【0058】
事業者端末16が回収拠点にて使用される端末の場合、回収拠点の従業員は、商品の箱に貼付される配送伝票などに付与されるバーコードや二次元コードを読取部54を用いて読み取ることによりユーザ識別情報および商品識別情報の少なくとも一方を取得する。回収拠点の従業員は、商品に付与されるバーコード、二次元コードまたは無線タグを読取部54を用いて読み取ることにより商品識別情報を取得してもよい。
【0059】
制御部56は、取得したユーザ識別情報および商品識別情報の組み合わせが保有登録管理部24に記憶される保有登録情報に一致するかを情報処理装置12に照会する。制御部56は、取得した識別情報が保有登録情報と一致する場合、ユーザから商品を回収したことを示す回収情報を生成し、通信部50を介して情報処理装置12に回収情報を送信する。
【0060】
制御部56は、商品の回収を条件に生成される特典情報を受信し、特典情報を表示操作部52に表示させてもよい。制御部56は、受信した特典情報をプリンタなどに出力して特典が記載されたクーポン券などを印刷してもよい。例えば、事業者端末16が店舗端末である場合、商品の回収のために店舗に来店したユーザにクーポン券を渡すことができる。制御部56は、店舗に来店したユーザのユーザ端末14に特典情報を読み取らせるためのバーコードや二次元コードを表示操作部52に表示させてもよい。
【0061】
図5は、情報処理システム10の動作の一例を示すフローチャートである。ユーザ端末14は、ユーザ識別情報および商品識別情報を取得し、ユーザ識別情報と商品識別情報を対応付けた保有登録情報を情報処理装置12に送信する(S10)。情報処理装置12は、ユーザ端末14から取得した保有登録情報を記録する(S12)。ユーザ端末14は、ユーザによる商品の使用に関する使用履歴情報を情報処理装置12に送信する(S14)。情報処理装置12は、ユーザ端末14から取得した使用履歴情報を記録する(S16)。情報処理装置12は、保有登録情報および使用履歴情報に基づく所定条件が充足された場合(S18のY)、通知情報を生成してユーザ端末14に送信する(S20)。ユーザ端末14は、情報処理装置12から取得した通知情報を表示する(S22)。情報処理装置12は、保有登録情報および使用履歴情報に基づく所定条件が充足されない場合(S18のN)、S20の処理をスキップする。S14~S22の処理は、ユーザによる商品の使用に応じて繰り返し実行される。S20にて生成される通知情報は、使用履歴情報の提供をユーザに依頼する通知情報であってもよいし、商品の回収をユーザに依頼する通知情報であってもよい。
【0062】
事業者がユーザから商品を回収する場合、事業者端末16は、ユーザ識別情報および商品識別情報を読み取る(S24)。事業者端末16は、取得したユーザ識別情報および商品識別情報の組み合わせを情報処理装置12に送信する(S26)。情報処理装置12は、ユーザ識別情報および商品識別情報の組み合わせが保有登録情報に一致するか否かの照会結果をユーザ端末14に送信する(S28)。保有登録と一致していれば(S30のY)、事業者端末16は回収登録処理を実行し、ユーザから商品を回収したことを示す回収情報を情報処理装置12に送信する(S32)。保有登録と一致していない場合(S30のN)、S32の処理がスキップされる。情報処理装置12は、事業者端末16から取得した回収情報を記録し(S34)、特典情報を生成する(S36)。情報処理装置12は、特典情報をユーザ端末14に通知する(S38)。ユーザ端末14は、情報処理装置12から取得した特典情報をユーザ端末14に表示する(S40)。
【0063】
上述の実施形態において、ブロックチェーン技術を用いて保有登録情報、使用履歴情報および特典情報を生成してもよい。例えば、特典付与の条件をスマートコントラクトとして実装し、スマートコントラクトにて定められる保有登録情報、使用履歴情報および回収情報に関する所定条件が充足された場合に、ユーザや事業者に特典が付与されてもよい。この場合、付与される特典は、暗号資産であってもよい。また、商品識別情報としてNFT(Non-Fungible Token)を利用してもよい。
【0064】
上述の実施形態は、上述の方法を実現するための機能をコンピュータに実現させるためのプログラムであってもよいし、プログラムを格納する記録媒体であってもよい。このようなプログラムを格納する記録媒体は、非一時的(non-transitory)かつ有形(tangible)なコンピュータ読み取り可能(computer readable)である記録媒体(storage medium)であってもよく、不揮発性メモリ、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、または、光学ディスクなどの光学記録媒体であってもよい。
【0065】
以上、本発明について実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。また、上述した実施形態を一般化すると以下の態様が得られる。
【0066】
〔態様1〕
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記ユーザが取得した商品を識別するための商品識別情報とを対応付ける保有登録情報を記録する保有登録管理部と、
前記ユーザが使用する端末から取得される、前記商品の使用に関する使用履歴情報を記録する使用履歴管理部と、
前記ユーザから前記商品を回収したことを示す回収情報を取得する回収管理部と、
前記回収情報の取得を条件として、前記商品の保有登録情報および使用履歴情報に応じて前記ユーザに付与される特典を示す特典情報を生成する特典管理部と、
を備える情報処理システム。
【0067】
〔態様2〕
前記商品の保有登録情報および使用履歴情報に基づく所定条件の充足を契機に、前記ユーザが使用する端末に、前記商品の回収を前記ユーザに依頼するための通知情報を生成する通知部をさらに備える、
態様1に記載の情報処理システム。
【0068】
〔態様3〕
前記商品の保有登録情報および使用履歴情報に基づく所定条件の充足を契機に、前記ユーザが使用する端末に、前記商品の使用履歴情報の提供を前記ユーザに依頼するための通知情報を生成する通知部をさらに備える、
態様1または態様2に記載の情報処理システム。
【0069】
〔態様4〕
前記ユーザから回収した後の前記商品の状況に関する事後情報を取得する事後管理部と、
前記商品の事後情報に基づく所定条件の充足を契機に、前記ユーザが使用する端末に、前記商品の再使用または再生利用に関する通知情報を生成する通知部と、
をさらに備える、態様1から3のいずれかに記載の情報処理システム。
【0070】
〔態様5〕
前記商品は、前記ユーザによって着用される、
態様1から4のいずれかに記載の情報処理システム。
【0071】
〔態様6〕
前記使用履歴情報は、前記商品の使用日時、使用量、劣化度および外観の少なくとも一つを示す情報を含み、
前記特典管理部は、前記商品の保有登録情報および使用履歴情報に基づいて算出される前記商品の保有期間、使用回数、総使用量および劣化度の少なくとも一つに基づいて、前記特典情報を生成する、
態様1から5のいずれかに記載の情報処理システム。
【0072】
〔態様7〕
前記特典管理部は、前記ユーザから前記商品である第1商品を回収したことを示す回収情報の取得と、前記ユーザが前記第1商品とは別の第2商品を取得したことを示す保有登録情報の記録とを条件として、前記特典情報を生成する、
態様1から6のいずれかに記載の情報処理システム。
【0073】
〔態様8〕
前記特典管理部は、前記ユーザから前記商品である第1商品を回収したことを示す回収情報の取得を条件として、前記ユーザに前記特典である第1特典を付与する特典情報を生成し、
前記特典管理部は、前記ユーザから前記第1商品を回収したことを示す回収情報の取得と、前記ユーザが前記第1商品とは別の第2商品を取得したことを示す保有登録情報の記録とを条件として、前記ユーザに前記第1特典とは別の第2特典を付与する特典情報を生成する、
態様1から6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0074】
〔態様9〕
前記特典管理部は、複数のユーザから所定数以上の商品を回収したことを示す複数の回収情報の取得を条件として、前記複数のユーザのそれぞれに付与される特典を示す複数の特典情報を生成する、
態様1から8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0075】
〔態様10〕
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、前記ユーザが取得した商品を識別するための商品識別情報とを対応付ける保有登録情報を記録するステップと、
前記ユーザが使用する端末から取得される、前記商品の使用に関する使用履歴情報を記録するステップと、
前記ユーザから前記商品を回収したことを示す回収情報を取得するステップと、
前記回収情報の取得を条件として、前記商品の保有登録情報および使用履歴情報に応じて前記ユーザに付与される特典を示す特典情報を生成するステップと、
を情報処理システムが実行する情報処理方法。
【0076】
〔態様11〕
態様10に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【0077】
〔態様12〕
態様11に記載のプログラムを格納する非一時的な記録媒体。
【符号の説明】
【0078】
10…情報処理システム、12…情報処理装置、14…ユーザ端末、16…事業者端末、20…ユーザ情報管理部、22…商品情報管理部、24…保有登録管理部、26…使用履歴管理部、28…回収管理部、30…事後管理部、32…特典管理部、34…認証管理部、36…通知部。
図1
図2
図3
図4
図5