(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152379
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/22 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066534
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】松本 佑太
(72)【発明者】
【氏名】兼石 友宏
(72)【発明者】
【氏名】守谷 幸次
(72)【発明者】
【氏名】岩田 理乙
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA00
5H605BB05
5H605CC02
5H605CC06
5H605DD09
5H605EC01
5H605EC04
5H605EC05
5H605EC08
5H605GG04
(57)【要約】
【課題】配線部材に要するスペースの削減を図ることができるアクチュエータを提供する。
【解決手段】中空部26と、中空部26に挿通される第1配線部材22Aを接続可能な第1接続部材30Aと、を備えるアクチュエータであって、第1配線部材22Aは、中空部26に挿通される第1配線36Aと、第1配線36Aの一端部に設けられ第1接続部材30Aと接続可能な第1被接続部38Aと、を備え、第1接続部材30Aは、第1被接続部38Aから軸方向に対して斜め且つ径方向内側に第1配線36Aが延びるように第1配線部材22Aと接続可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部と、前記中空部に挿通される第1配線部材を接続可能な第1接続部材と、を備えるアクチュエータであって、
前記第1配線部材は、前記中空部に挿通される第1配線と、第1配線の一端部に設けられ前記第1接続部材と接続可能な第1被接続部と、を備え、
前記第1接続部材は、前記第1被接続部から軸方向に対して斜め且つ径方向内側に前記第1配線が延びるように前記第1配線部材と接続可能であるアクチュエータ。
【請求項2】
第2配線部材が接続される第2接続部材を備え、
前記第2配線部材は、第2配線と、前記第2配線の端部に設けられ前記第2接続部材と接続される第2被接続部と、を備え、
前記第2接続部材は、前記第2被接続部から軸方向に対して斜め且つ径方向外側に前記第2配線が延びるように前記第2配線部材と接続可能である請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記第1接続部材は、異なる極性の対の第1端子を備え、
前記第2接続部材は、異なる極性の対の第2端子を備え、
前記対の第1端子のそれぞれは、前記対の第2端子のうちの同じ極性の第2端子に電気的に繋がれている請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
中空部と、前記中空部に挿通される第1配線部材を接続可能な第1接続部を有する第1接続部材と、を備えるアクチュエータであって、
前記第1接続部の向きを変更可能な変更機構を備えるアクチュエータ。
【請求項5】
前記変更機構は、前記中空部の軸方向と直交する面内において前記第1接続部の向きを変更可能である請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
ドライバ側接続部を有するドライバ基板と、
配線部材を接続可能な接続部材が搭載されるインターフェース基板と、を備え、
前記インターフェース基板は、前記ドライバ側接続部と接続されるインターフェース側接続部を有する請求項1または4に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記ドライバ側接続部と前記インターフェース側接続部とは中継配線部材を介して接続される請求項6に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記第1配線部材を含む配線体を前記中空部の端部又は前記端部の近傍において保持する配線保持部材を備える請求項1または4に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記配線保持部材は、前記中空部の端部内に嵌め込まれることで前記配線体を把持する請求項8に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、中空部を備えるアクチュエータを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アクチュエータは、その中空部に挿通される配線部材を接続可能な接続部材を備える場合がある。本願発明者は、このような配線部材に要するスペースの削減を図るうえで、従来技術に関して改良の余地があるとの認識を得た。
【0005】
本開示の目的の1つは、配線部材に要するスペースの削減を図ることができるアクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある態様のアクチュエータは、中空部と、前記中空部に挿通される第1配線部材を接続可能な第1接続部材と、を備えるアクチュエータであって、前記第1配線部材は、前記中空部に挿通される第1配線と、第1配線の一端部に設けられ前記第1接続部材と接続可能な第1被接続部と、を備え、前記第1接続部材は、前記第1被接続部から軸方向に対して斜め且つ径方向内側に前記第1配線が延びるように前記第1配線部材と接続可能である。
【0007】
本開示の他の態様のアクチュエータは、中空部と、前記中空部に挿通される第1配線部材を接続可能な第1接続部を有する第1接続部材と、を備えるアクチュエータであって、前記第1接続部の向きを変更可能な変更機構を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、配線部材に要するスペースの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態のアクチュエータを模式的に示す部分断面側面図である。
【
図2】第1実施形態のアクチュエータの使用状態を軸方向から見た図である。
【
図3】第1実施形態の各配線部材を模式的に示す配線図である。
【
図4】第1実施形態の各接続部材を軸方向から見た模式図である。
【
図5】第1実施形態の第1接続部材を模式的に示す側面断面図である。
【
図6】第1実施形態の第2接続部材を模式的に示す側面断面図である。
【
図7】
図7(A)は、第2-1実施形態の径方向内向きの第1接続部材を軸方向から見た図であり、
図7(B)は、
図7(A)の側面断面図であり、
図7(C)は、径方向外向きの第1接続部材の側面断面図である。
【
図8】
図8(A)は、第2-2実施形態の径方向内向きの第1接続部材を模式的に示す側面断面図であり、
図8(B)は、径方向外向きの第1接続部材を模式的に示す側面断面図である。
【
図9】第3-1実施形態の配線保持部材を模式的に示す側面断面図である。
【
図10】第3-1実施形態の配線保持部材を模式的に示す分解斜視図である。
【
図11】
図11(A)は、第3-2実施形態の配線保持部材を模式的に示す軸方向断面図であり、
図11(B)は、第3-3実施形態の配線保持部材を模式的に示す軸方向断面図である。
【
図12】
図12(A)は、第3-4実施形態の配線保持部材を模式的に示す側面断面図であり、
図12(B)は、その軸方向断面図である。
【
図13】
図13(A)は、第3-5実施形態の配線保持部材を模式的に示す側面断面図であり、
図13(B)は、その軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示のアクチュエータを実施するための実施形態を説明する。同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。
【0011】
図1を参照する。アクチュエータ10Aは、駆動装置12と、駆動装置12から出力される動力を減速する減速装置14と、減速装置14の一部として設けられる出力部材16と、駆動装置12及び減速装置14の一部として設けられるハウジング18と、を備える。
【0012】
駆動装置12は、電動モータを例に説明するが、その具体例は特に限定されず、ギヤモータ、エンジン等でもよい。減速装置14は、例えば、歯車、トラクションドライブ、チェーン、ベルト等の伝動要素を用いて動力を伝達する。減速装置14として歯車装置を用いる場合、その具体例は特に限定されず、単純遊星歯車装置、偏心揺動型歯車装置(センタークランク型、振り分け型等)、撓み噛合型歯車装置(シルクハット型、カップ型、筒型等)、直交軸歯車装置、平行軸歯車装置等でもよい。出力部材16は、減速装置14を経由して駆動装置12から伝達される動力(ここでは回転動力)を外部に出力する。
【0013】
ハウジング18は、アクチュエータ10Aの種々の内部部品を収容する。内部部品は、例えば、駆動装置12のステータ及びロータ、減速装置14の減速機構、出力部材16等である。ハウジング18は、駆動装置12の一部となる第1ハウジング部材18aと、減速装置14の一部となる第2ハウジング部材18bと、第1ハウジング部材18aに対して第2ハウジング部材18bとは反対側に設けられるカバー18cと、を備える。カバー18cは、後述するインターフェース基板92をカバーしている。
【0014】
図2、
図3を参照する。アクチュエータ10Aは、例えば、多関節ロボットの関節部に組み込まれる。ここでは、多関節ロボットの第1関節部に組み込まれる第1アクチュエータ10Aと、多関節ロボットにおいて第1関節部と隣り合う第2関節部に組み込まれる第2アクチュエータ10Bとを示す。アクチュエータ10A、10Bは、関節部において連結される隣り合うロボット部材(アーム部材)の一方を他方に対して回転させるように駆動する。以下、第1アクチュエータ10Aに着目して種々の特徴を説明する。また、アクチュエータ10Aの用途は多関節ロボットに限定されない各種ロボット(産業用ロボット、サービスロボット等)の他、各種産業機械(工作機械、建設機械等)、輸送機器(コンベア、車両等)等の各種機械に用いられてもよい。
【0015】
アクチュエータ10Aは、アクチュエータ10Aとは別に設けられる少なくとも一つの配線部材22A~22Dと組み合わせて用いられる。本実施形態の配線部材22A~22Dは、電源ラインを構成する二つの電源用配線部材22A、22Bと、通信ラインを構成する二つの通信用配線部材22C、22Dと、を含む。配線部材22A~22Dは、アクチュエータ10Aの外部にある外部機器とアクチュエータ10Aの接続に用いられる。外部機器は、例えば、電源装置、情報処理装置、他のアクチュエータ等となる。
【0016】
二つの電源用配線部材22A、22Bは、入力用電源ラインを構成する第1配線部材22Aと、出力用電源ラインを構成する第2配線部材22Bを含む。入力用電源ラインを経由して電源装置側から第1アクチュエータ10Aに電力が供給され、出力用電源ラインを経由して第1アクチュエータ10Aから第2アクチュエータ10Bに電力が出力される。本実施形態の第1配線部材22Aは、正極及び負極のそれぞれに対応して計2個存在する。第2配線部材22Bも同様に計2個存在する。
【0017】
二つの通信用配線部材22C、22Dは、入力用通信ラインを構成する第3配線部材22Cと、出力用通信ラインを構成する第4配線部材22Dとを含む。入力用通信ラインを経由して情報処理装置側から第1アクチュエータ10Aに情報が入力され、出力用通信ラインを経由して第1アクチュエータ10Aから第2アクチュエータ10Bに情報が出力される。情報処理装置は、例えば、多関節ロボットに用いられる複数のアクチュエータを統括的に制御する上位制御装置であり、各アクチュエータを制御するための制御指令が情報として伝送される。
【0018】
第1、第3配線部材22A、22Cは、アクチュエータ10Aの後述する中空部26に挿通される。第2、第4配線部材22B、22Dは、アクチュエータ10Aの中空部26に挿通されず、その外部空間に配置される。
【0019】
図2、
図4を参照する。アクチュエータ10Aは、中空部26と、配線部材22A~22Dと接続可能な接続部材30A~30Dと、接続部材30A~30Dが固定される第1被固定部材32と、を備える。
【0020】
接続部材30A~30Dは、第1配線部材22Aと接続可能な第1接続部材30Aと、第2配線部材22Bと接続可能な第2接続部材30Bと、を含む。この他に、接続部材30A~30Dは、第3配線部材22Cと接続可能な第3接続部材30Cと、第4配線部材22Dと接続可能な第4接続部材30Dとを含む。本実施形態の接続部材30A~30Dは、カバー18cに形成される開口部18f(
図1参照)を通して外部空間に露出する。
【0021】
第1被固定部材32は後述するインターフェース基板92である。第1被固定部材32は、ハウジング18に他部材を介して固定される。第1被固定部材32の具体例は特に限定されず、例えば、ハウジング18等でもよい。
【0022】
図5を参照する。中空部26は、本実施形態において、出力部材16と一体回転可能な回転軸34の内側に設けられる。中空部26の具体例は特に限定されず、例えば、ハウジング18等に設けられていてもよい。中空部26は、一方向に長く延びて貫通するように設けられる。以下、中空部26の長手方向を軸方向といい、中空部26の中心線C26を円中心とする半径方向及び円周方向を単に径方向、周方向という。また、第1配線部材22Aは、中空部26の軸方向一側の一端部26aから引き出されており、その引き出された箇所が第1接続部材30Aに接続される。以下、この軸方向一側(
図5の紙面上側)を軸方向外側といい、それとは軸方向反対側(
図5の紙面下側)を軸方向内側という。
【0023】
第1配線部材22Aは、アクチュエータ10Aの中空部26に挿通される第1配線36Aと、第1配線36Aの一端部36Aaに設けられ第1接続部材30Aと接続可能な第1被接続部38Aと、を備える。
【0024】
第1配線36Aは、導電性を持つ導体40と、導体40を被覆する絶縁層42とを備える。導体40は、単線、撚線等により構成される。第1配線36Aには、アクチュエータ10Aの中空部26から引き出された部分に軸方向に折り返すように曲がる折り返し部が設けられる。この折り返し部には、第1接続部材30Aに対して軸方向外側に間隔を空けた箇所にある第1内曲げ始め位置46Aから軸方向内側に向けて曲がりつつ第1被接続部38Aまで延びる第1内曲げ区間48Aが設けられる。この第1内曲げ始め位置46Aは、第1被接続部38Aに向かって、第1配線36Aの中心線C36と直交する面が軸方向と平行になってから軸方向に対して傾斜し始める位置をいう。この第1内曲げ区間48Aには、第1被接続部38Aに向かって曲がる第1曲げ部分50Aと、第1被接続部38Aに向かってストレートに延びる第1ストレート部分52Aとが設けられる。
【0025】
本実施形態の第1被接続部38Aは、第1配線36Aの端部そのものにより構成される。これを実現するうえで、本実施形態の第1配線36Aの端部には、絶縁層42から導体40が露出した導体露出部が設けられ、その導体露出部が第1被接続部38Aを構成する。
【0026】
本実施形態の第1接続部材30Aはねじなし式端子台等の端子台である。第1接続部材30Aは、第1被固定部材32に固定される第1ベース部材54Aと、第1ベース部材54Aに設けられ第1配線部材22Aの第1被接続部38Aが接続される第1接続部56Aと、第1ベース部材54Aに支持され第1接続部56Aに接続された第1配線部材22Aと電気的に繋がる第1端子58Aと、を備える。本実施形態の第1接続部材30Aは、第1ベース部材54A、第1接続部56A、第1端子58Aを単位とする第1ユニット部品60Aを二つ備える(
図4も参照)。個々の第1ユニット部品60Aに個別の第1配線部材22Aが接続される。
【0027】
本実施形態の第1ベース部材54Aには傾斜面62が設けられる。傾斜面62は、第1ベース部材54Aの外側面に設けられ、径方向内側に向かって軸方向内側に向かうように傾斜している。傾斜面62には第1配線部材22Aが挿入される配線挿入孔64が形成される。配線挿入孔64は、入口側に向かって軸方向に対して斜めかつ径方向内側に延びている。
【0028】
端子台を構成する第1接続部材30Aの第1接続部56Aは、第1配線部材22Aの第1被接続部38Aを押圧する押圧部材66と、押圧部材66により押圧された第1被接続部38Aを受ける受け部68と、を備える。押圧部材66は、例えば、板バネ部材、ねじ等により構成される。本実施形態の押圧部材66は、自身の弾性変形に起因する復元力により、受け部68に向けて第1被接続部38Aを押圧する押圧部66aを備える。受け部68は、第1ベース部材54Aの一部又は第1端子58Aにより構成される。ここでは、押圧部材66が第1端子58Aを兼ねており、押圧部材66は受け部68となる第1ベース部材54Aの一部に向けて第1被接続部38Aを押圧する例を示す。この他にも、第1端子58Aが押圧部材66とは別体であり、押圧部材66は、受け部68となる第1端子58Aに向けて第1被接続部38Aを押圧してもよい。
【0029】
第1被接続部38Aは、押圧部材66により押圧されることで、第1接続部材30Aの第1接続部56Aにより接続される。このように第1接続部56Aは、接続相手となる第1配線部材22Aの第1被接続部38Aと接触することで、その第1被接続部38Aの位置を保持する。第1配線部材22Aは、第1端子58Aを経由してアクチュエータ10Aの電気部品(後述する制御部94等)に電気的に繋がれる。
【0030】
なお、第1ベース部材54Aにはドライバー等の工具を挿入するための工具挿入孔70が形成される。工具挿入孔70に挿入される工具により押圧部材66の押圧部66aを押圧することで、押圧部材66による第1配線部材22Aに対する押圧を解除して、第1配線部材22Aを第1接続部材30Aから分離可能となる。
【0031】
ここで、第1接続部材30Aは、第1配線部材22Aの第1被接続部38Aから軸方向に対して斜め且つ径方向内側に第1配線36Aが延びるように第1配線部材22Aと接続可能である。この第1配線36Aは、第1被接続部38Aから軸方向外側に延びる。このように延びる第1配線36Aの一部は前述した第1内曲げ区間48Aを構成する。第1配線36Aには、第1配線36Aの第1内曲げ始め位置46Aから第1被接続部38Aまでの範囲で軸方向に沿って延びる部分が設けられていない。このように第1配線部材22Aを第1接続部材30Aに接続するうえで、第1配線36Aの一部となる第1被接続部38Aは、軸方向に対して斜めにした状態で第1接続部材30Aに接続される。また、第1接続部材30Aが配線挿入孔64を備える場合、このように第1配線部材22Aを第1接続部材30Aに接続するうえで、その配線挿入孔64に対して第1配線36Aが軸方向に対して斜めに挿入される。
【0032】
以上のアクチュエータ10Aの効果を説明する。第1接続部材30Aには、通常、第1配線部材22Aの第1被接続部38Aから第1配線36Aが軸方向に沿って延びるように第1配線部材22Aが接続される。この場合、第1配線36Aの第1内曲げ区間48Aにおいて、第1配線36Aを90°分曲げる必要がある。言い換えると、第1配線36Aの第1内曲げ区間48Aで90°分の角度範囲の第1曲げ部分50Aが第1配線36Aに必要となる。このため、第1配線36Aの第1内曲げ区間48Aや、それより第1配線36Aの他端側に連続する部分に要する軸方向スペースが余計に大きくなる。
【0033】
(A)ここで、本実施形態の第1接続部材30Aは、第1配線部材22Aの第1被接続部38Aから第1配線36Aが軸方向に対して斜めに延びるように第1配線部材22Aと接続される。よって、第1配線36Aの第1内曲げ区間48Aに必要な第1配線36Aの第1曲げ部分50Aの角度範囲を90°よりも小さくできる。このため、第1配線部材22Aの第1被接続部38Aから軸方向に沿って第1配線36Aが延びる場合と比べ、第1配線36Aの第1内曲げ区間48Aや、それより他端側に連続する部分に要する軸方向スペースを削減でき、省スペース化に有利となる。このとき、第1曲げ部分50Aの角度範囲を小さくした分、第1配線部材22Aの第1内曲げ始め位置46Aを第1被固定部材32に近づけることで、第1内曲げ区間48A等に要する軸方向スペースを削減できる。
【0034】
次に、
図6を参照して、第1実施形態のアクチュエータ10Aの他の特徴の説明に移る。第2配線部材22Bは、第2配線36Bと、第2配線36Bの一端部36Baに設けられ第2接続部材30Bに接続される第2被接続部38Bと、を備える。本実施形態の第2配線36Bには、第1接続部材30Aに対して径方向外側かつ軸方向外側にずれた箇所にある第2内曲げ始め位置46Bから軸方向内側に向けて曲がりつつ第2被接続部38Bまで延びる第2内曲げ区間48Bが設けられる。この第2内曲げ区間48Bには、第2被接続部38Bに向かって曲がる第2曲げ部分50Bと、第2被接続部38Bに向かってストレートに延びる第2ストレート部分52Bとが設けられる。本実施形態の第2配線36Bには、第2内曲げ区間48よりも第2配線36Bの他端側に連続する区間として、第1被固定部材32に対して軸方向外側において、軸方向と直交する面(以下、軸方向直交面という)と平行に延びる平行区間72が設けられる。
図2の例では、第2配線36Bは、第2内曲げ区間48B及び平行区間72において、第2配線36Bの他端側に向かって周方向に曲がるように設けられる。
図6では、説明の便宜のため、軸方向に沿って切断した断面に沿って第2配線36Bが平行に延びるものとして示す。
【0035】
本実施形態の第2接続部材30Bは、第1接続部材30Aと同様、ねじなし式端子台等の端子台である。第2接続部材30Bは、第2ベース部材54Bと、第2接続部56Bと、第2端子58Bとを備える。本実施形態の第2接続部材30Bは、第2ベース部材54B、第2接続部56B、第2端子58Bを単位とする第2ユニット部品60Bを複数備える(
図4も参照)。第2配線部材22Bと第2接続部材30Bの機能、構成要素は、接続対象が第1配線部材22A及び第1接続部材30Aから第2配線部材22B及び第2接続部材30Bに替わる他は、第1配線部材22Aと第1接続部材30Aと共通である。このため、共通する構成要素(傾斜面62等)には同一の符号を付し、重複する説明を省略するとともに、ここでは相違点を中心に説明する。
【0036】
第2ベース部材54Bの傾斜面62は、径方向外側に向かって軸方向内側に向かうように傾斜している。配線挿入孔64は、入口側に向かって軸方向に対して斜めかつ径方向外側に延びている。
【0037】
第2接続部材30Bは、第2配線部材22Bの第2被接続部38Bから軸方向に対して斜めかつ径方向外側に第2配線36Bが延びるように第2配線部材22Bと接続可能である。第2配線36Bは、第2被接続部38Bから軸方向外側に延びている。このように延びる第2配線36Bの一部は前述した第2内曲げ区間48Bを構成する。これにより、本実施形態においても、第1接続部材30Aと同様、第2配線36Bの第2内曲げ始め位置46Bから第2被接続部38Bまでの第2内曲げ区間48Bに必要な第2配線36Bの第2曲げ部分50Bの角度範囲を90°よりも小さくできる。このため、第2配線部材22Bの第2被接続部38Bから軸方向に沿って第2配線36Bが延びる場合と比べ、第2配線36Bの第2内曲げ区間48Bや、それより他端側に連続する部分に要する軸方向スペースを削減でき、省スペース化に有利となる。
【0038】
図4を参照する。電源用配線部材22A、22Bと、それらに接続される接続部材30A、30Bとは電源ラインを構成する。電源ラインを構成する各接続部材30A、30Bは、異なる極性の端子58A、58Bを備える。詳しくは、第1接続部材30Aは、二つの第1ユニット部品60A毎に第1端子58Aを備えることで、異なる極性の対となる第1端子58A(+)、58A(-)を備える。対の第1端子58A(+)、58A(-)は、互いに異なる極性の第1正極端子58A(+)と第1負極端子58A(-)を含む。第2配線部材22Bは、二つの第2ユニット部品60B毎に第2端子58Bを備えることで、異なる極性の対となる第2端子58B(+)、58B(-)を備える。対の第2端子58B(+)、58B(-)は、互いに異なる極性の第2正極端子58B(+)と第2負極端子58B(-)とを含む。
【0039】
対の第1端子58A(+)、58A(-)のそれぞれは、個別の端子間配線80(+)、80(-)により、対の第2端子58B(+)、58B(-)のうちの同じ極性の第2端子58B(+)、58B(-)に電気的に繋がれる。詳しくは、第1正極端子58A(+)は、第1端子間配線80(+)により第2正極端子58B(+)に電気的に繋がれ、第1負極端子58A(-)は、第2端子間配線80(-)により第2負極端子58B(-)に電気的に繋がれる。また、対の第1端子58Aのそれぞれと対の第2端子58Bのそれぞれとは、アクチュエータ10Aに搭載される共通の電気部品(後述する制御部94等)に電気的に繋がれる。
【0040】
これにより、対の第1端子58A及び対の第2端子58Bのうちの一方を入力用電源ラインの一部とし、それらのうちの他方を出力用電源ラインの一部として利用できる。例えば、本実施形態のように対の第1端子58Aを入力用電源ラインとする場合、対の第1端子58Aを経由して電源装置側から電気部品(制御部94等)に電力が入力される。この場合、出力用電源ラインとなる対の第2端子58Bを経由して第1アクチュエータ10Aから第2アクチュエータ10Bに電力が出力される。この場合、入力用電源ライン(第1配線部材22A、第1端子58A等)→端子間配線80→出力用電源ライン(第2配線部材22B、第2端子58B等)を経由するよう電力が伝送される。対の第2端子58Bを入力用電源ライン、対の第1端子58Aを出力用電源ラインとする場合、この逆の流れで電力が伝送される。また、この場合、対の第2端子58Bを経由して電源装置側から電気部品(制御部94等)に電力が入力される。
【0041】
このように、対の第1端子58A(+)、58A(-)のそれぞれを、対の第2端子58B(+)、58(-)のうちの同じ極性のものに電気的に繋ぐことで、いずれか一方を入力用電源ライン、他方を出力用電源ラインとして利用できる。このような機能の実現に寄与する第1接続部材30A、第2接続部材30Bは、前述のように、第1配線部材22A、第2配線部材22Bに要する軸方向スペースを削減するための工夫を講じている。よって、このような機能を実現しつつ省スペース化できる点で有利となる。
【0042】
図3を参照する。アクチュエータ10Aは、ドライバ基板90と、インターフェース基板92と、を備える。ドライバ基板90及びインターフェース基板92は、ハウジング18に収容され、不図示の他部材を介してハウジング18に固定される。
【0043】
ドライバ基板90には、ドライバIC等からなる制御部94が実装される。制御部94は、電源装置から供給される電力を用いて駆動電力を生成し、これを用いて駆動装置12を駆動することで、駆動装置12を制御する。ドライバ基板90には、エンコーダ用のセンサが搭載されてもよい。この場合、駆動装置12の回転動力を出力する駆動軸及び/又は出力部材16の回転をセンサにより検出し、その検出結果に基づいて、駆動装置12を制御してもよい。この他にも、制御部94は、アクチュエータ10Aに搭載される他の電気部品(例えば、ブレーキ機構等)を制御してもよい。
【0044】
インターフェース基板92は、外部機器とアクチュエータ10Aを接続するための外部インターフェースとして機能する。インターフェース基板92には、配線部材22A~22Dを接続するための少なくとも一つの接続部材30A~30Dが搭載される。本実施形態の接続部材30A~30Dは、電源ラインを構成する電源用接続部材30A、30Bと、通信ラインを構成する通信用接続部材30C、30Dとを含む。電源用接続部材30A、30Bは、前述した第1配線部材22Aが接続される第1接続部材30Aと、第2配線部材22Bが接続される第2接続部材30Bとを含む。通信用接続部材30C、30Dは、前述した第3配線部材22Cが接続される第3接続部材30Cと、第4配線部材22Dが接続される第4接続部材30Dとを含む。本実施形態において、電源用接続部材30A、30Bは端子台により構成され、通信用接続部材30C、30Dはコネクタにより構成されるが、その具体例は特に限定されない。
【0045】
ドライバ基板90は、ドライバ側接続部96を備え、インターフェース基板92は、ドライバ側接続部96と接続されるインターフェース側接続部98を備える。本実施形態のドライバ側接続部96とインターフェース側接続部98は、中継配線部材100を介して接続される。これを実現するうえで、ドライバ側接続部96、インターフェース側接続部98は、例えば、各基板90、92に設けられる導体パターン(スルーホール、ランド等)の他、端子(タブ端子等)、コネクタ等により構成されてもよい。中継配線部材100は、はんだ、端子(圧着端子、圧接端子等)、コネクタ等によりドライバ側接続部96、インターフェース側接続部98に接続される。この他にも、ドライバ側接続部96とインターフェース側接続部98は、互いに着脱可能なコネクタ等により構成され、中継配線部材100を介さずに直接に接続されていてもよい。
【0046】
ドライバ側接続部96、インターフェース側接続部98、中継配線部材100を単位とする要素を接続ユニット102A~102Cという。本実施形態の接続ユニット102A~102Cは、入力電源ライン(第1配線部材22A)に対応する第1接続ユニット102Aと、入力用通信ライン(第3配線部材22C)に対応する第2接続ユニット102Bと、出力用通信ライン(第4配線部材22D)に対応する第3接続ユニット102Cとを含む。
【0047】
入力用電源ライン(ここでは第1配線部材22A)を経由してアクチュエータ10Aに入力される電力は、インターフェース基板92、第1接続ユニット102A、ドライバ基板90を経由してアクチュエータ10Aの各電気部品に供給される。ここでは、電気部品が制御部94のみである例を示すが、これに限定されず、ブレーキ機構、センサ等を含んでいてもよい。なお、入力用電源ライン(第1配線部材22A)から出力用電源ライン(ここでは第2配線部材22B)に出力される電力は、前述の端子間配線80を経由しており、第1接続ユニット102A、ドライバ基板90を経由していない。
【0048】
また、入力用通信ライン(ここでは第3配線部材22C)を経由してアクチュエータ10Aに入力される情報は、インターフェース基板92、第2接続ユニット102B、ドライバ基板90を経由してアクチュエータ10Aの制御部94に伝送される。また、アクチュエータ10Aに入力された情報は、制御部94からドライバ基板90,第3接続ユニット102C、インターフェース基板92を経由したうえで、出力用通信ライン(ここでは第4配線部材22D)を経由して第2アクチュエータ10Bに出力される。
【0049】
以上の特徴に関する効果を説明する。アクチュエータ10Aにドライバ基板90を組み込む場合、通常、ドライバ基板90と外部機器を電気的に繋ぐため、ドライバ基板90のドライバ側接続部96に配線部材が接続される。既存のドライバ基板90を用いる場合、通常、ドライバ側接続部96のレイアウトに関する自由度が低くなる。このため、既存のドライバ基板90に配線部材を接続する場合、そのドライバ側接続部96のレイアウトによって、配線部材の配線経路や、それに関連するアクチュエータ10Aの構造に関する設計自由度が大きく制限されてしまう。
【0050】
そこで、本実施形態のアクチュエータ10Aは、ドライバ基板90の他に、配線部材22A~22Dを接続可能な接続部材30A~30Dが搭載されるインターフェース基板92を備えている。よって、ドライバ基板90のドライバ側接続部96ではなく、インターフェース基板92の接続部材30A~30Dに配線部材22A~22Dを接続することで、ドライバ基板90と外部機器を電気的に繋げるようになる。このため、ドライバ側接続部96のレイアウトの影響を受けることなく、配線部材22A~22Dが接続される接続部材30A~30Dのレイアウト(位置、形状、大きさ等)を自由に設計できるようになる。ひいては、配線部材22A~22Dの配線経路や、それに関連するアクチュエータ10Aの構造に関する設計自由度が高くなり、利便性を高めることができる。特に、既存のドライバ基板90を用いる場合に、このような効果を得られる点で有利である。
【0051】
ドライバ側接続部96とインターフェース側接続部98とは中継配線部材100を介して接続される。よって、ドライバ側接続部96とインターフェース側接続部98を直接接続する場合と比べ、ドライバ基板90に対するインターフェース基板92の位置の自由度が高くなる。ひいては、配線部材22A~22Dの配線経路等の設計自由度を更に高めることができる。
【0052】
(第2-1実施形態)次に、第2-1、第2-2実施形態のアクチュエータ10Aを説明する。以降の実施形態では、前述の実施形態で説明した構成要素(例えば、インターフェース基板92等)のうち、以下において説明していない構成要素は、前述した内容を適用してもよい。なお、第2-1、第2-2実施形態では、第1配線36Aの延びる方向に関して、第1実施形態とは異なる例を説明するが、第1実施形態と同じ内容が適用されてもよい。
【0053】
図7(A)~(C)を参照する。アクチュエータ10Aは、前述した第1接続部材30Aと、第1接続部材30Aの第1接続部56Aの向きを変更可能な変更機構110を備える。第1接続部材30Aは、前述した第1ベース部材54A、第1接続部56A(詳細は図示せず)、第1端子58A(図示せず)を備える。本実施形態の第1接続部材30Aには、前述した第1配線部材22A、第2配線部材22Bの何れかを接続可能となる。以下、これらと関連する構成要素(配線36A、36B、被接続部38A、38B)を区別せずに総称して説明する場合がある。これらを総称するときは、これらを区別するために記載していた、冒頭の「第1、第2」、末尾の「A、B」を省略する。例えば、第1配線部材22A、第2配線部材22Bを総称するときは、単に配線部材22と記載する。
【0054】
変更機構110は、第1接続部材30Aの第1接続部56Aの向きを変更することで、第1接続部材30Aに接続される配線部材22の配線延出方向Daを変更可能となる。ここでの配線延出方向Daとは、配線部材22の被接続部38から配線36が延び出る方向をいう。第1接続部56Aの向きと配線延出方向Daは一致する。本実施形態の変更機構110は、第1接続部材30A全体の向きを変更可能に第1接続部材30Aを第1被固定部材32に固定している。これを実現するうえで、本実施形態の変更機構110は、第1接続部材30Aを第1被固定部材32に回転中心線C30A回りに回転可能に固定している。この他にも、変更機構110は、第1接続部材30Aに組み込まれたうえで、第1接続部材30Aの一部の向きは変えることなく第1接続部56Aの向きを変更可能であってもよい。
【0055】
本実施形態の変更機構110は、第1接続部材30A及び第1被固定部材32の一方(ここでは第1接続部材30A)に設けられた嵌合凸部112と、それらの他方(ここでは被固定部材32)に設けられ嵌合凸部112が嵌め込まれる嵌合凹部114と、第1接続部材30Aを軸方向内側に付勢するバネ等の付勢部材116と、を備える。本実施形態の回転中心線C30Aは、嵌合凸部112を通り軸方向と平行となる。ここでは、第1被固定部材32と一体に設けられる他部材118と第1接続部材30Aを付勢部材116が連結する例を示す。付勢部材116は、第1接続部材30Aを軸方向内側に付勢できていればよく、その具体的な位置の他、他部材への固定態様は特に限定されない。
【0056】
第1接続部材30Aは、軸方向外側への外力を付与することで付勢部材116の付勢力に抗して第1被固定部材32に対して引き上げ可能である。このように第1接続部材30Aを軸方向外側に引き上げることで、嵌合凸部112と嵌合凹部114との嵌合を解除可能である。このうえで、第1接続部材30Aを回転中心線C30A周りに回転させることで、軸方向直交面内において、第1接続部材30Aの第1接続部56Aの向きを変更可能となる。この後、第1接続部材30Aへ付与した外力を解除することで、付勢部材116の付勢力により第1接続部材30Aが軸方向内側に引き戻され、嵌合凸部112と嵌合凹部114が再び嵌合される。これにより、その変更後の第1接続部56Aの向きで静止した状態が維持される。
【0057】
本実施形態の変更機構110は、軸方向直交面内において第1接続部56Aの向きを変更可能である。本実施形態の変更機構110は、径方向内向きの状態(
図7(B)参照)と、径方向外向きの状態(
図7(C)参照)とのいずれかとなるように、第1接続部56Aの向きを変更可能である。本実施形態の変更機構110は、第1接続部56Aの向きを、径方向内向きの状態と径方向外向きの状態との間で変更するとき、第1接続部材30Aを回転中心線C30A周りに180度回転させる。
【0058】
なお、本実施形態の変更機構110は、回転中心線C30A周りでの第1接続部材30Aの回転を拘束することで、変更機構110により変更した第1接続部56Aの向きに固定可能に構成される。これを実現するうえで、本実施形態では嵌合凸部112と嵌合凹部114が、第1接続部56Aがとり得る向きのそれぞれにあるときに、嵌合凸部112が嵌合凹部114内に嵌め込まれることで、回転中心線C30R周りでの第1接続部材30Aの回転を拘束可能な形状である。これを実現できる形状として、嵌合凸部112と嵌合凹部114は、例えば、矩形断面、多角形断面、楕円断面等により構成されてもよい。
【0059】
(B1)以上のアクチュエータ10Aによれば、変更機構110により第1接続部材30Aの第1接続部56Aの向きを変更できる。よって、第1接続部材30Aに接続される配線部材22に要するスペースができるだけ削減できるよう、第1接続部56Aの向きを変更することで、その配線部材22に要するスペースを削減できる。
【0060】
例えば、第1接続部材30Aに第1配線部材22Aが接続される場合、第1接続部56Aを径方向内向きとすることで、第1接続部56Aを径方向外向きとする場合よりも、第1配線部材22Aの配線経路を短くでき、その第1配線部材22Aに要するスペースを削減できる。この場合、第1接続部56Aを径方向外向きとすると、第1配線36Aに第1被接続部38Aに向かって径方向外側から径方向内側に折り返す折り返し部を余計に設ける必要があり、その分、第1配線部材22Aの配線経路が長くなる。また、第1接続部材30Aに第2配線部材22Bが接続される場合、第1接続部56Aを径方向外向きとすることで、第1接続部56Aを径方向内向きとする場合よりも、第2配線部材22Bの配線経路を短くでき、その第2配線部材22Bに要するスペースを削減できる。この場合、第1接続部56Aを径方向外向きとすると、第2配線36Bに第2被接続部38Bに向かって径方向内側から径方向外側に折り返す折り返し部を余計に設ける必要があり、その分、第2配線部材22Bの配線経路が長くなる。
【0061】
なお、第1配線部材22Aの第1配線36Aの一部は、第1接続部材30Aに対して径方向内側にずれた箇所から第1接続部材30Aに向けて延びるように設けられる。また、第2配線36Bの一部は、第1接続部材30Aに対して径方向外側にずれた箇所から第1接続部材30Aに向けて延びるように設けられる。
【0062】
ここでの変更機構110は、径方向内向きと径方向外向きとの二段階の向きに、第1接続部56Aの向きを段階的に変更可能である例を説明した。変更機構110は、第1接続部56Aの向きを軸方向直交面内で二段階以上の段階的に変更可能、又は、無段階に変更可能であってもよい。この場合、軸方向から見て、アクチュエータ10Aの中空部26から引き出されてから第1接続部材30Aまでの第1配線部材22Aの配線経路をできるだけ真っ直ぐとなるように第1接続部56Aの向きを変更することで、前述の(B1)と同様に、その第1配線部材22Aに要するスペースを削減できる。
【0063】
この他にも、変更機構110は、軸方向に対する第1接続部56Aの向き(配線延出方向Da)の角度を変更可能であってもよい。これにより、軸方向に対する第1接続部56Aの向きの角度が90°に近づくほど、前述の(B1)と同様、第1接続部56Aに接続される第1配線部材22Aに要するスペース(軸方向スペース)を削減できる。
【0064】
このように、変更機構110によって、第1接続部56Aの向きを軸方向直交面内で変更したり、軸方向に対する第1接続部56の向きの角度を変更可能にすることで、それに接続される第1配線部材22Aに要するスペースの削減を図ることができる。
【0065】
(B2)変更機構110は、軸方向直交面内において第1接続部56Aの向きを変更可能である。よって、径方向内向き及び径方向外向きのいずれかに、第1接続部材30Aの第1接続部56Aの向きを変更可能となる。このため、第1接続部材30Aに第1配線部材22Aが接続される場合は、第1接続部56Aを径方向内向きとすることで、その配線経路を短くできる。また、第1接続部材30Aに第2配線部材22Bが接続される場合は、第1接続部56Aを径方向外向きとすることで、その配線経路を短くできる。ひいては、第1接続部材30Aに第1配線部材22A、第2配線部材22Bの何れを接続する場合も、それに合わせて第1接続部56Aの向きを変更することで、その配線経路を短くすることができる。
【0066】
第2-2実施形態を説明する。
図8(A)、
図8(B)を参照する。ここでは、第2A実施形態で説明した変更機構110の変形例を説明する。本実施形態の変更機構110はヒンジ機構である。変更機構110は、第1被固定部材32に固定されるヒンジベース120と、回転中心線C30A周りに回転可能に第1接続部材30Aをヒンジベース120に取り付けるヒンジ軸122と、を備える。本実施形態の回転中心線C30Aは、軸方向に直交する面と平行な一方向周りとなる。
【0067】
本実施形態の変更機構110も、第2-1実施形態と同様、軸方向直交面内において第1接続部56Aの向きを変更可能である。本実施形態の変更機構110も、第2-1実施形態と同様、径方向内向きの状態(
図8(A)参照)と、径方向外向きの状態(
図8(B)参照)とのいずれかとなるように、第1接続部56Aの向きを変更可能である。本実施形態の変更機構110は、第1接続部56Aの向きを、径方向内向きの状態と径方向外向きの状態との間で変更するとき、第1接続部材30Aを回転中心線C30A周りに180度回転させる。本実施形態においても、前述の(B1)、(B2)と同様の効果を得ることができる。
【0068】
なお、第2-1、第2-2実施形態のいずれにおいても、第1接続部材30Aの第1端子58Aは、例えば、第1被固定部材32となるインターフェース基板92の導体パターン等の導通部を介して電気部品と電気的に繋がれる。いずれの場合も、第1接続部材30Aが回転中心線C30A周りに回転する前後で、第1配線部材22Aの第1端子58A(不図示)と導通部との導通が維持されるように構成される。これを実現するうえで、例えば、第1接続部材30Aと一体に回転する箇所(例えば、嵌合凸部112、ヒンジ軸122)と、その回転を受ける箇所(例えば、嵌合凹部114、ヒンジベース120)に回転接続用コネクタを設け、その回転前後で第1端子58Aと導通部との導通が維持されるようにしてもよい。
【0069】
ここまで変更機構110は、第1接続部材30Aに適用される例を説明したが、第2接続部材30B~第4接続部材30Dに同様の構成が適用されてもよい。
【0070】
次に、第3-1~第3-5実施形態のアクチュエータ10Aを説明する。以降の実施形態では、前述の各実施形態で説明した構成要素(例えば、配線の延びる向き、インターフェース基板92、変更機構110等)のうち、以下において説明していない構成要素は、前述した内容を適用してもよい。
【0071】
図9、
図10を参照する。ここでは、アクチュエータ10Aの中空部26の一部が回転軸34の他に、カバー18cにも設けられる例を示す。中空部26は、軸方向に並ぶ回転軸34及びカバー18cの内側に形成される。
【0072】
アクチュエータ10Aは、アクチュエータ10Aの中空部26に挿通される配線体130と組み合わせて用いられる。配線体130は、少なくとも一つの配線部材22A、22Cを含んでいる。本実施形態の配線体130は、第1配線部材22Aと第3配線部材22Cとを含んでいるが、配線部材の個数は特に限定されない。配線体130が複数の配線部材22A、22Cを含む場合、配線体130は、任意の構成として、複数の配線部材22A、22Cを被覆する被覆チューブ132を備えてもよい。
【0073】
アクチュエータ10Aの中空部26を挿通される配線体130は、通常、接続部材30A、30C以外の箇所ではアクチュエータ10Aに固定されていない。このため、外部機器、アクチュエータ10Aの動作により両者の相対位置が変化するときに、配線体130の中間部が大きく動くことで、ねじれ、屈曲等の異常変形を起こし、配線部材22A、22Cの断線の恐れがある。
【0074】
そこで、第3-1~第3-5実施形態のアクチュエータ10Aは、アクチュエータ10Aの中空部26を挿通される配線体130を保持する配線保持部材134を備えている。よって、接続部材30A、30C以外の箇所でアクチュエータ10Aに配線体130を固定しない場合と比べ、配線保持部材134によって配線体130の中間部の大きな動きが抑えられ、配線体130の異常変形を抑制できる。
【0075】
ここで、接続部材30A、30Cとの接続箇所からアクチュエータ10A等への固定箇所まで連続する配線体130の配線経路を配線体130の可動区間という。この接続部材30A、30Cとの接続箇所に連続する配線体130の可動区間は、アクチュエータ10Aに対して自由に動くことのできる区間となる。この配線体130の可動区間が短くなるほど、この可動区間が動いたときに、接続部材30A、30Cとの接続箇所への負荷の増大を抑制でき、接続部材30A、30Cからの配線部材22A、22Cの外れを回避するうえで有利となる。本実施形態のような配線保持部材134を用いることで、アクチュエータ10Aの外部にある他部材に配線体130を固定する場合と比べ、接続部材30A、30Cとの接続箇所に連続する配線体130の可動区間を短くできる。よって、接続部材30A、30Cとの接続箇所への負荷の増大を抑制できる点で有利となる。
【0076】
また、第5-1~第5-5実施形態の配線保持部材134は、アクチュエータ10Aの中空部26の端部又は端部の近傍において配線体130を保持している。よって、アクチュエータ10Aの中空部26の他端部よりも外部機器側に大きく離れた箇所で配線体130をアクチュエータ10Aに固定する場合と比べ、接続部材30A、30Cとの接続箇所に連続する配線体130の可動区間を短くできる点で有利となる。特に、このような観点から、配線保持部材134は、アクチュエータ10Aの中空部26の一端部26a又は一端部26aの近傍において配線体130を保持できると好ましい。
【0077】
以下、第3-1~第3-5実施形態の配線保持部材134の詳細な特徴を説明する。まず、第3-1実施形態の配線保持部材134の特徴から説明する。配線保持部材134は、配線体130の中間部を把持することで配線体130の中間部を保持する保持部136を備える。配線体130の中間部とは、接続部材30A、30C又は外部機器に接続される配線部材22A、22Cの両端部の間の部位(配線部材22A、22Cの両端部以外の部位)をいう。本実施形態の保持部136は、アクチュエータ10Aの中空部26の中心線C26を取り囲むように配置される。ここでの中心線C26は、中空部26の内側に存在する中心線の他に、その線を中空部26の外側で軸方向に沿って延長した延長線も含まれる。
【0078】
本実施形態の保持部136は筒状部材138により構成される。本実施形態の筒状部材138は、筒状部材138を周方向に分割した一対の分割部分140により構成される。本実施形態の保持部136は、少なくとも一部が弾性体142により構成され、弾性体142の弾性変形に起因する復元力を用いて配線体130を把持する。本実施形態の保持部136は、その全体が弾性体142により構成される。弾性体142は、例えば、ゴム等を用いて構成される。
【0079】
本実施形態の保持部136は、周方向に対向する対の対向端部136aを備える。本実施形態では、一対の分割部分140それぞれの周方向両側の周方向端部により対向端部136aが構成され、計2組の対の対向端部136aが設けられる。本実施形態の対の対向端部136aは、軸方向から見て一部が重なるように設けられる。これを実現するうえで、本実施形態の対の対向端部136aそれぞれの周方向端面は、軸方向に向かって周方向位置が周方向の同じ側に段階的に変化する階段状に形成される。この他にも、これを実現するうえで、後述する第3-4実施形態のように、対の対向端部136aそれぞれの周方向端面は、軸方向に向かって周方向の同じ側に斜めに延びるように形成されてもよい。これにより、対の対向端部136a間の間隔を狭めるとき、対の対向端部136a間に配線体130が挟まると、その間隔を狭めにくくなり、両者の間に配線体130が挟まったことを把握し易くなる。
【0080】
配線保持部材134は、アクチュエータ10Aの一部となる第2被固定部材143に固定される。本実施形態の第2被固定部材143は、中空部26の一端部26aを構成するカバー18cである。第2被固定部材143には、中空部26の一端部26aにおいて配線保持部材134を収容する収容部144が設けられる。収容部144は、第2被固定部材143の外面部において軸方向内側に凹む凹部として設けられる。収容部144には配線保持部材134を軸方向に位置決めするための段部146が設けられる。配線保持部材134の保持部136は収容部144内に嵌め込まれる。このとき、保持部136(弾性体142)は、自身の弾性変形を伴い収容部144内に嵌め込まれ、その弾性変形に起因する復元力により第2被固定部材143に固定されるとともに配線体130を把持する。これにより、配線保持部材134を中空部26内に嵌め込むだけで、配線体130をしっかりと把持できる。
【0081】
本実施形態のアクチュエータ10Aは、配線保持部材134を軸方向外側から押さえる押さえ部材148を備える。押さえ部材148は、収容部144内からの配線保持部材134の軸方向外側への脱落を阻止する。押さえ部材148は、ネジ等の固定具により第2被固定部材143に固定される。押さえ部材148には、配線体130を挿通するための軸方向に貫通する貫通孔148aが形成される。このような押さえ部材148を用いる場合、第2被固定部材143の外面部に軸方向内側に凹む座ぐり部を設け、その座ぐり部に押さえ部材148を収容してもよい。これにより、第2被固定部材143の外面部から軸方向外側に押さえ部材148も大きく突き出ない構造にすることができる。
【0082】
図11(A)を参照して、第3-2実施形態の配線保持部材134を説明する。本実施形態の保持部136も、第3-1実施形態と同様、筒状部材138により構成される。本実施形態の保持部136は、筒状部材138を周方向に分断する切り込み150が形成された単一部分により構成される。このように、一対の分割部分140又は切り込み150を形成した単一部分により保持部136を構成することで、保持部136の内側に配線体130を配置し易くなる。
【0083】
図11(B)を参照して、第3-3実施形態の配線保持部材134を説明する。本実施形態の保持部136も、第3-1実施形態と同様、筒状部材138により構成される。筒状部材138は、第3-2実施形態と同様、切り込み150が形成された単一部分により構成される。本実施形態の切り込み150は、筒状部材138の中心線から延びる半径線L1に対して、径方向外側に向かって周方向一側(ここでは反時計回り)に斜めとなるように延びている。これにより、筒状部材138の周方向一側部分138aの外側に周方向他側部分138bを径方向に重ねた状態で、筒状部材138を中空部26内に嵌め込むことができる。この筒状部材138の周方向両側部分138a、138bを径方向に重ねた箇所の周方向長さを調整することで、配線体130の大きさに合わせて、保持部136における配線体130を把持する把持箇所の大きさを調整可能となる。
【0084】
以上の第3-1~第3-3実施形態の配線保持部材134は、アクチュエータ10Aの中空部26の一端部26aに固定される。これを実現するうえで、これら実施形態の配線保持部材134は、その一端部26aに設けられた収容部144内に自身の弾性変形を伴い嵌め込まれる。これを実現するうえで、第3-2、第3-3実施形態においても、第3-1実施形態と同様の押さえ部材148が用いられてもよい。
【0085】
第3-1~第3-3実施形態のように、中空部26に収容部144を設ける場合、収容部144の内周面又は配線保持部材134の外周面(保持部136の外周面)のいずれかに軸方向内側に向かうに連れて縮径するテーパー部を設けてもよい。これにより、弾性体142の潰れ度合いを軸方向内側に向かうほど大きくでき、配線保持部材134による配線体130の保持力が高くなる。
【0086】
図12(A)、
図12(B)を参照して、第3-4実施形態の配線保持部材134を説明する。第3-4実施形態の配線保持部材134は、第2被固定部材143に固定される板状の固定部150と、固定部150から軸方向外側に立ち上がる保持部136と、を備える。本実施形態の配線保持部材134は、一対の分割部品152により構成される。一対の分割部品152のそれぞれは、個別の固定部150の他に、保持部136を構成する前述の分割部分140を備える。
【0087】
本実施形態の保持部136は、第3-1実施形態と同様、筒状部材138により構成される。筒状部材138は、第3-1実施形態と同様、一対の分割部分140により構成される。本実施形態の保持部136は、配線体130との接触箇所を構成する弾性体142と、その弾性体142が接着等により固定されるベース体154を備える。ベース体154は、弾性体142よりも硬質な硬質素材(例えば、金属、樹脂等)を用いて構成される。
【0088】
このように配線保持部材134は、固定部150から立ち上がる保持部136を備える。よって、アクチュエータ10Aの中空部26の一端部26aから引き出された配線体130を、その中空部26の一端部26aの近傍、かつ、その一端部26aの軸方向延長上において、保持部136により保持できる。ここでの「近傍」とは、例えば、アクチュエータ10Aの中空部26から引き出された配線体130の引出部分のうちの中空部26寄りの末端部を保持できる箇所をいう。
【0089】
第3-4実施形態の分割部品152の固定部150は、ねじ等の固定具により第2被固定部材143に固定される。固定部150には、固定具の軸部を挿通するための通し穴156が形成される。一対の分割部品152のうちの一方の分割部品152の通し穴156は、一対の分割部品152が対向する対向方向Dbに沿って延びる長孔である。これにより、一対の分割部品152の対向方向Dbでの間隔を調整可能となり、配線体130の大きさに合わせて、保持部136における配線体130を把持する把持箇所の大きさを調整可能となる。
【0090】
保持部136における対の対向端部136aは、軸方向から見て一部が重なるように設けられる。これを実現するうえで、本実施形態の対の対向端部136aそれぞれの周方向端面は、軸方向に向かって周方向の同じ側に斜めに延びるように形成される。この他にも、第3-1実施形態のような階段状に形成されてもよい。これにより、第3-1実施形態と同様、対の対向端部136a間に配線体130が狭まったときに、そのことを把握し易くなる。また、本実施形態のように、中空部26内に配線保持部材134の保持部136を嵌め込まない場合、対の対向端部136a間から保持部136内の配線体130を抜け難くすることができる。
【0091】
図13(A)、
図13(B)を参照して、第3-5実施形態の配線保持部材134を説明する。本実施形態の配線保持部材134は、第3-4実施形態と同様、固定部150と保持部136を備える。本実施形態の配線保持部材134は、第3-4実施形態のような分割部品152に替えて,単数部品により構成される。本実施形態の保持部136は、前述した筒状部材138に替えて、バンド部材160により構成される。バンド部材160は、周方向一側部分160aと周方向他側部分160bを結合することで、配線体130を把持する把持箇所を設けることができる。バンド部材160は、周方向一側部分160aにおける周方向他側部分160bとの結合箇所を周方向に変更可能であり、それにより、把持箇所の周方向長さを調整可能である。これを実現するための具体例は特に限定されず、バンド部材160を結束バンドにより構成したり、後述する複数の第1結合部162と第2結合部164を用いてもよいし、
【0092】
本実施形態のバンド部材160は、バンド部材160の周方向一側部分160aに設けられ周方向に間隔を空けて設けられた複数の第1結合部162と、バンド部材160の周方向他側部分160bに設けられ周方向に間隔を空けて設けられた複数の第2結合部164とを備える。第1結合部162及び第2結合部164の一方は凸部であり、他方は凸部と嵌合することで結合可能な凹部である。複数の第1結合部162のなかから、第2結合部164と結合される第1結合部162を変更することで、周方向一側部分160aにおける周方向他側部分160bとの結合箇所を周方向に変更可能となる。
【0093】
次に、ここまで説明した各構成要素の変形形態を説明する。
【0094】
各配線部材22A~22Dは、アクチュエータ10Aと外部機器を接続していればよく、その具体的な用途は特に限定されない。この一例として、第1、第2配線部材22A、22Bは電源ラインを構成する例を説明したが、この他にも、通信ライン等を構成していてもよい。また、実施形態では、第1配線部材22Aが入力用電源ライン、第2配線部材22Bが出力用電源ラインである場合を説明したが、その逆であってもよい。また、電源ラインを構成する配線部材は、主電源ラインを構成する第1、第2配線部材22A、22Bに加えて、補助電源ラインを構成する配線部材を含んでいてもよい。補助電源ラインは、例えば、補助電源装置からアクチュエータ10Aに搭載されるエンコーダ等への補助電力の供給に用いられる。この場合、ドライバ基板90とインターフェース基板92を接続する接続ユニットとして、主電源ライン及び補助電源ラインに対応する接続ユニットが含まれていてもよい。
【0095】
第1実施形態の被接続部38A、38Bは、配線36A、36Bそのものにより構成される例を説明した。これに替えて、被接続部38Aは、配線36A、36Bの一端部に設けられ、接続部材30A、30Bに接続される端部部材により構成されてもよい。端部部材は、例えば、コネクタの他、圧着端子、圧接端子等の端子により構成される。この場合、(A)の効果との関係では、被接続部38A、38Bとなる端部部材から配線36A、36Bが斜めかつ径方向内側に延びるように、接続部材30A、30Bが配線部材22A、22Bと接続されていればよい。また、接続部材30A、30Bは、ねじ無し式端子台、ねじ式端子台等の端子台の他に、コネクタにより構成されてもよい。
【0096】
(B1)、(B2)の効果との関係では、第1接続部材30Aは、第1配線部材22Aの第1被接続部38Aから軸方向に沿って第1配線36Aが延びるように第1配線部材22Aと接続可能であってもよい。
【0097】
アクチュエータ10Aは、第2配線部材22B及び第2接続部材30Bを備えていなくともよい。第2接続部材30Bは、第2配線部材22Bの第2被接続部38Bから軸方向に沿って第2配線36Bが延びるように第2配線部材22Bと接続可能であってもよい。第1接続部材30Aの第1端子58Aと第2接続部材30Bの第2端子58Bは同じ極性同士で電気的に接続されていなくともよい。
【0098】
アクチュエータ10Aは、インターフェース基板92を備えずに、ドライバ基板90のドライバ側接続部96に配線部材22A~22Dを接続してもよい。ドライバ側接続部96とインターフェース側接続部98とは直接接続されていてもよい。
【0099】
配線保持部材134は、配線体130を保持できていればよく、そのための具体例は実施形態の内容に限定されない。配線保持部材134は、アクチュエータ10Aの中空部26の一端部26aの他にも、中空部26の他端部又は他端部の近傍において配線体130を保持していてもよい。
【0100】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0101】
以上の構成要素の任意の組み合わせも有効である。例えば、実施形態に対して他の実施形態の任意の説明事項を組み合わせてもよいし、変形形態に対して実施形態及び他の変形形態の任意の説明事項を組み合わせてもよい。実施形態において単数部材により構成された構成要素は複数部材で構成されてもよい。同様に、実施形態において複数部材により構成された構成要素は単数部材で構成されてもよい。
【符号の説明】
【0102】
10A…アクチュエータ、22A…第1配線部材、22B…第2配線部材、26…中空部、26a…一端部、30A…第1接続部材、30B…第2接続部材、36A…第1配線、36B…第2配線、38A…第1被接続部、38B…第2被接続部、56A…第1接続部、58A…第1端子、58B…第2端子、90…ドライバ基板、92…インターフェース基板、96…ドライバ側接続部、98…インターフェース側接続部、100…中継配線部材、110…変更機構、130…配線体、134…配線保持部材。