(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152389
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】飲料製造装置および飲料の製造方法
(51)【国際特許分類】
A47J 43/044 20060101AFI20241018BHJP
A47J 43/07 20060101ALI20241018BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A47J43/044
A47J43/07
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066547
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】竹内 志郎
【テーマコード(参考)】
3E082
4B053
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB04
3E082CC03
3E082FF09
4B053AA01
4B053BA02
4B053BC01
4B053BE03
4B053BL08
(57)【要約】
【課題】飲料用原料同士が固まって大きくなった場合にも、飲料を製造することが可能な飲料製造装置および飲料の製造方法を提供する。
【解決手段】この飲料製造装置100では、攪拌時に、容器載置部1または攪拌部2のうち少なくとも一方を、回転軸2aの周方向または半径方向の少なくとも一方に移動させて、攪拌位置を変更する移動機構と、移動機構を制御する制御部4とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料用原料の入った容器が載置される容器載置部と、
上下方向に沿って延びる回転軸線回りに回転される回転軸と、前記回転軸の下端に設けられ、前記回転軸の回転に伴って回転する刃部と、前記回転軸を回転させる駆動部と、を含む、前記容器内の前記飲料用原料を攪拌する攪拌部と、
攪拌時に、前記容器載置部または前記攪拌部のうち少なくとも一方を、前記回転軸の周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させて、攪拌位置を変更する移動機構と、
前記移動機構を制御する制御部と、を備える、飲料製造装置。
【請求項2】
前記制御部は、攪拌時において、前記飲料用原料を攪拌できずに前記刃部の回転が停止した場合に、前記移動機構を制御して、前記容器載置部または前記攪拌部のうち少なくとも一方を、前記回転軸の周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させることにより、攪拌位置を変更させる制御を行う、請求項1に記載の飲料製造装置。
【請求項3】
前記攪拌部は、攪拌開始時に、攪拌位置として、上下方向において前記容器の中心と重なる位置に前記回転軸が位置し、
前記制御部は、攪拌時において、前記飲料用原料を攪拌できずに前記刃部の回転が停止した場合に、前記移動機構を制御して、前記容器載置部または前記攪拌部のうち少なくとも一方を、前記回転軸の周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させることにより、前記回転軸を上下方向において前記容器の中心と重なる位置から前記回転軸を移動させて、攪拌位置を変更させる制御を行う、請求項1に記載の飲料製造装置。
【請求項4】
前記容器は、上下方向において側面が傾斜しており、
前記制御部は、攪拌時に前記攪拌部の回転が停止した上下方向の停止位置に応じて、前記容器載置部または前記攪拌部のうち少なくとも一方を、前記回転軸の半径方向の外側に相対移動させる移動量を変化させる制御を行う、請求項1に記載の飲料製造装置。
【請求項5】
前記制御部は、攪拌時に前記攪拌部の回転が停止した場合に、前記移動機構を制御して、前記容器載置部または前記攪拌部のうち少なくとも一方を、前記回転軸の半径方向外側に相対移動させることにより、攪拌位置を変更させる制御を行うとともに、前記容器載置部または前記攪拌部のうち少なくとも一方を、前記回転軸の半径方向外側に相対移動させた後に前記攪拌部の回転が停止した状態になった場合に、前記移動機構を制御して、前記容器載置部または前記攪拌部のうち少なくとも一方を前記回転軸の周方向に相対移動させることにより、攪拌位置を変更させる制御を行う、請求項1に記載の飲料製造装置。
【請求項6】
前記移動機構は、前記容器載置部に前記容器を載置する場合に、攪拌位置から載置位置まで前記容器載置部を前記回転軸の半径方向外側に直線移動させる直線移動機構を含み、
前記制御部は、攪拌時に前記直線移動機構を制御して、前記容器載置部を前記回転軸の半径方向外側に直線移動させることにより、攪拌位置を変更させる制御を行う、請求項1に記載の飲料製造装置。
【請求項7】
前記制御部は、攪拌時に、前記移動機構を制御して、前記容器載置部または前記攪拌部のうち少なくとも一方を、前記回転軸の周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させることにより、攪拌位置を変更する制御を複数回行った後に、前記攪拌部の回転が停止した状態になった場合に、前記攪拌部による前記飲料用原料の攪拌を中止させる制御を行う、請求項1に記載の飲料製造装置。
【請求項8】
攪拌部を上下方向に移動させて、飲料用原料を攪拌する工程と、
前記飲料用原料を攪拌できずに前記攪拌部の回転が停止した場合に、容器載置部または前記攪拌部のうち少なくとも一方を、前記攪拌部の回転軸の周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させて、攪拌位置を変更する工程と、を備える、飲料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料製造装置および飲料の製造方法に関し、特に、飲料用原料を攪拌して飲料を製造する攪拌部を備える飲料製造装置および飲料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料用原料を攪拌して飲料を製造する攪拌部を備える飲料製造装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、容器保持部と攪拌部とを備える飲料製造装置が開示されている。特許文献1の攪拌部は、回転軸部と、回転駆動モータと、回転軸部の先端部に設けられる刃部とを含む。特許文献1の飲料製造装置では、容器保持部に保持された容器内の凍った状態の野菜および果物と、氷とを含む飲料用原料を攪拌部の刃部が破砕することにより、飲料が製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には開示されていないが、飲料用原料の一部が一度解凍されて、再冷凍された場合に飲料用原料同士が結合して大きな塊となる場合がある。そのため、飲料用原料同士が結合して攪拌部の刃部よりも大きい塊になった場合に、刃部が大きな塊に接触して回転しにくくなり、飲料用原料を破砕することが困難になる場合がある。この結果、飲料用原料同士が固まって大きくなった場合に、飲料を製造できないという問題点がある。
【0006】
上記課題を解決するために、この発明の1つの目的は、飲料用原料同士が固まって大きくなった場合にも、飲料を製造することが可能な飲料製造装置および飲料の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による飲料製造装置は、飲料用原料の入った容器が載置される容器載置部と、上下方向に沿って延びる回転軸線回りに回転される回転軸と、回転軸の下端に設けられ、回転軸の回転に伴って回転する刃部と、回転軸を回転させる駆動部と、を含む、容器内の飲料用原料を攪拌する攪拌部と、攪拌時に、容器載置部または攪拌部のうち少なくとも一方を、回転軸の周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させて、攪拌位置を変更する移動機構と、移動機構を制御する制御部と、を備える。
【0008】
この発明の第1の局面による飲料製造装置は、上記のように、攪拌時に、容器載置部または攪拌部のうち少なくとも一方を、回転軸の周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させて、攪拌位置を変更する移動機構を備えている。ここで、飲料用原料が再冷凍された場合、容器の側面側よりも飲料用原料が密集する容器の中央付近が固まりやすくなり、容器の中央付近で飲料用原料同士が結合した大きな塊が形成されやすい。そのため、上記のように構成することにより、移動機構によって攪拌位置を容器の中央付近から側面側に変更することができるため、飲料用原料の塊の側面に刃部を接触させることができる。この結果、側面側から徐々に破砕することができるため、飲料用原料同士が固まって大きくなった場合にも、飲料を製造することができる。
【0009】
上記第1の局面による飲料製造装置において、好ましくは、制御部は、攪拌時において、飲料用原料を攪拌できずに刃部の回転が停止した場合に、移動機構を制御して、容器載置部または攪拌部のうち少なくとも一方を、回転軸の周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させることにより、攪拌位置を変更させる制御を行う。このように構成すれば、移動機構により、攪拌することが可能な攪拌位置に攪拌部を移動させることができるため、飲料用原料の攪拌を再開することができる。また、飲料用原料を攪拌できずに刃部の回転が停止した場合は、攪拌部の駆動部に過度の負荷が掛かるため、移動機構により飲料用原料を攪拌することが可能な位置に攪拌位置を変更することにより、攪拌部の刃部が飲料用原料を破砕することができる。この結果、攪拌部の駆動部に過度の負荷が掛かることを抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面による飲料製造装置において、好ましくは、攪拌部は、攪拌開始時に、攪拌位置として、上下方向において容器の中心と重なる位置に回転軸が位置し、制御部は、攪拌時において、飲料用原料を攪拌できずに刃部の回転が停止した場合に、移動機構を制御して、容器載置部または攪拌部のうち少なくとも一方を、回転軸の周方向または半径方向外側の少なくとも一方に相対移動させることにより、回転軸を上下方向において容器の中心と重なる位置から回転軸を移動させて、攪拌位置を変更させる制御を行う。このように構成すれば、攪拌開始時は、上下方向において容器の中心と重なる位置が攪拌位置であるため、刃部の周囲に飲料用原料が配置された状態にすることができるため、容器内の飲料用原料と攪拌部の刃部とが接触する接触面積を増やすことができる。また、飲料用原料同士が結合して大きな塊が形成される場合は、飲料用原料が密集する容器の中央付近において飲料用原料同士が固まり、塊が形成されやすい。そのため、飲料用原料を攪拌できずに刃部の回転が停止した場合に、移動機構により回転軸を上下方向において容器の中心と重なる位置から回転軸が移動し、攪拌位置が変更されることにより、攪拌部の刃部が、飲料用原料の中央部分に比べて溶けやすく柔らかくなりやすい飲料用原料の側面側から破砕しながら、飲料用原料の製造を再開することができる。
【0011】
上記第1の局面による飲料製造装置において、好ましくは、容器は、上下方向において側面が傾斜しており、制御部は、攪拌時に攪拌部の回転が停止した上下方向の停止位置に応じて、容器載置部または攪拌部のうち少なくとも一方を、回転軸の半径方向の外側に相対移動させる移動量を変化させる制御を行う。ここで、容器の側面が下方に傾斜している場合に、上方と下方とで同じ移動量で容器載置部に対して攪拌部を回転軸の半径方向の外側に相対移動させて、攪拌部を下降させると、容器の側面と攪拌部の刃部との間の距離が徐々に短くなり、最終的に容器の側面に攪拌部の刃部が接触するおそれがある。そのため、制御部が、攪拌時に攪拌部の回転が停止した上下方向の停止位置に応じて移動量を決定することにより、容器の側面と攪拌部の刃部との間の距離を所定間隔以上に保つことができる。この結果、攪拌部と、容器の側面との接触を抑制することができる。
【0012】
上記第1の局面による飲料製造装置において、好ましくは、制御部は、攪拌時に攪拌部の回転が停止した場合に、移動機構を制御して、容器載置部または攪拌部のうち少なくとも一方を、回転軸の半径方向外側に相対移動させることにより、攪拌位置を変更させる制御を行うとともに、容器載置部または攪拌部のうち少なくとも一方を、回転軸の半径方向外側に相対移動させた後に攪拌部の回転が停止した状態になった場合に、移動機構を制御して、容器載置部または攪拌部のうち少なくとも一方を回転軸の周方向に相対移動させることにより、攪拌位置を変更させる制御を行う。このように構成すれば、飲料用原料が固まりやすい容器の中央から攪拌位置を回転軸の半径方向外側に移動させることによって、飲料用原料の外側側面から破砕することができる。また、容器載置部に対して攪拌部を回転軸の半径方向外側に相対移動させた後に攪拌部の回転が停止した状態になった場合に、移動機構によって容器載置部に対して攪拌部を回転軸の周方向に相対移動させることにより、外側に位置する飲料用原料の中から破砕することが可能な飲料用原料を選択して、破砕しやすくすることができる。この結果、攪拌部の回転が停止した状態を解消しやすくすることができるため、攪拌部の駆動部に掛かる過度な負荷を軽減することができる。
【0013】
上記第1の局面による飲料製造装置において、好ましくは、移動機構は、容器載置部に容器を載置する場合に、攪拌位置から載置位置まで容器載置部を回転軸の半径方向外側に直線移動させる直線移動機構を含み、制御部は、攪拌時に直線移動機構を制御して、容器載置部を回転軸の半径方向外側に直線移動させることにより、攪拌位置を変更させる制御を行う。このように構成すれば、攪拌前に飲料用原料が入った容器を容器載置部に載置するために、飲料製造装置の内部から外部近傍に容器載置部を移動させる直線移動機構を攪拌時にも用いることにより、容器載置部に容器を載置する場合と、攪拌時とにおいて用いられる直線移動機構を各々設ける必要がないため、飲料製造装置の構成が複雑になることを抑制することができる。
【0014】
上記第1の局面による飲料製造装置において、好ましくは、制御部は、攪拌時に、移動機構を制御して、容器載置部または攪拌部のうち少なくとも一方を、回転軸の周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させることにより、攪拌位置を変更する制御を複数回行った後に、攪拌部の回転が停止した状態になった場合に、攪拌部による飲料用原料の攪拌を中止させる制御を行う。このように構成すれば、攪拌位置を変更する制御を複数回行った後に、攪拌部の回転が停止した状態になった場合は、飲料用原料を攪拌することが困難な状況であり、攪拌部の駆動部に過度な負荷が掛かる。そのため、飲料用原料の攪拌を中止して、攪拌部の駆動部を停止させることにより、駆動部に過度な負荷が掛かることを抑制することができる。
【0015】
上記第2の局面による飲料の製造方法は、攪拌部を上下方向に移動させて、飲料用原料を攪拌する工程と、飲料用原料を攪拌できずに攪拌部の回転が停止した場合に、容器載置部または攪拌部のうち少なくとも一方を、攪拌部の回転軸の周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させて、攪拌位置を変更する工程と、を備える。
【0016】
この発明の第2の局面による飲料の製造方法では、上記のように、飲料用原料を攪拌できずに攪拌部の回転が停止した場合に、攪拌時に、容器載置部または攪拌部のうち少なくとも一方を、攪拌部の回転軸の周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させて、攪拌位置を変更する工程を備えている。ここで、再冷凍された場合、容器の側面側よりも飲料用原料が密集する中央付近が固まりやすくなり、飲料用原料同士が結合した大きな塊が形成されやすい。そのため、上記のような工程を備えることにより、移動機構によって攪拌位置を容器の中央付近から外側に変更することができるため、飲料用原料の塊の側面に刃部を接触させることができる。この結果、側面側から徐々に破砕することができるため、飲料用原料同士が固まって大きくなった場合にも、飲料を製造することができる方法を提供できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、飲料用原料同士が固まって大きくなった場合にも、飲料を製造することが可能な飲料製造装置および飲料の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態による飲料製造装置の構成を示す図であり、
図1Aは斜視図、
図1Bは正面図である。
【
図2】第1実施形態による飲料製造装置の構成を示す、
図1BのII-II線に沿った断面図である。
【
図3】第1実施形態による飲料製造装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】メモリに保存された第1テーブルおよび第2テーブルの一例である。
【
図6】容器載置部に対して攪拌部を相対移動させる移動量の決定を説明するための図である。
【
図7】攪拌時の攪拌部と容器との位置を説明するための図である。
【
図8】攪拌時の攪拌部と容器との位置を説明するための図である。
【
図9】飲料製造時における制御のフローチャートである。
【
図10】
図9の飲料製造時における制御のフローチャートの続きである。
【
図11】第1実施形態における攪拌位置変更処理のフローチャートである。
【
図12】
図11の攪拌位置変更処理のフローチャートの続きである。
【
図13】第2実施形態による飲料製造装置の構成を示す、
図1BのII-II線に沿った断面図である。
【
図14】第2実施形態による飲料製造装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1~
図8を参照して、第1実施形態による飲料製造装置100の構成について説明する。
【0021】
図1に示すように、飲料製造装置100は、容器5内の固形の飲料用原料を破砕し、液状(粘性のある液状)の飲料を製造する装置である。飲料用原料は、たとえば、野菜または果物を凍らせた凍結物を含む。また、飲料は、たとえば、凍結した野菜および果物を攪拌して製造されたスムージなどを含む。
【0022】
飲料製造装置100は、たとえば、コンビニエンスストアなどの店舗に配置され、店舗の顧客などの利用者により利用される。飲料用原料を収容した容器5は、冷凍庫内に保存される。また、保存のときに容器5は、上部の開口部を覆う包装材が設けられている。包装材を開封することにより、容器5の上部の開口部が開放される。利用者は、容器5内に飲料用原料が収容された状態で、容器5を飲料製造装置100に配置し、飲料製造開始の操作を行う。飲料製造開始の操作は、たとえば、図示しない操作部による入力でもよく、図示しないセンサまたは撮影部により容器5に印字または貼付された情報コードを読み込むことにより入力を受け付けてもよい。飲料製造開始の操作が行われると、飲料製造装置100は、容器5内の飲料用原料を攪拌し、破砕して飲料を製造する。ここで、飲料製造装置100において、利用者が位置する側を前側(Y1側)とし、その反対側を後側(Y2側)とし、前後方向をY方向とする。また、水平方向において前後方向と直交する方向を左右方向(X方向)とし、前後方向および左右方向に直交する方向を上下方向(Z方向)とする。
【0023】
図1に示すように、飲料製造装置100は、装置本体10を備える。装置本体10は、直方体の形状を有している。装置本体10の正面側の上方(Z1側)には表示部11が設けられているとともに、下方(Z2側)には扉部12が設けられている。
【0024】
図2に示すように、飲料製造装置100は、装置本体10内に、容器載置部1と、攪拌部2と、蓋部3と、制御部4とを備える。なお、
図2では、便宜上、制御部4を装置本体10の外部に記載している。
【0025】
容器載置部1は、容器5が載置される。容器載置部1は、洗浄用容器9とともにトレイ8の上面に配置される。容器載置部1は、洗浄用容器9よりも正面側(Y1側)に配置される。
【0026】
図2および
図3に示すように、容器載置部1は、直線移動機構1aと、左右方向移動機構1bと、容器回転機構1cとを含む。直線移動機構1aは、容器載置部1を前後方向(Y方向)に移動させる。具体的には、直線移動機構1aは、容器載置部1に容器5を載置する場合に、攪拌部2の直下に容器載置部1が位置する攪拌位置から扉部12の近傍に容器載置部1が位置する載置位置まで前方(Y1方向)に容器載置部1を直線移動させる。また、容器載置部1に容器5が載置された後は、載置位置から攪拌位置まで後方(Y2方向)に容器載置部1を直線移動させる。なお、載置位置は、飲料製造装置100が操作を受け付けていない場合の容器載置部1の初期位置でもある。直線移動機構1aは、トレイ8の下方に配置される。直線移動機構1aにより、容器載置部1と洗浄用容器9とが一体的に前後方向に移動される。直線移動機構1aは、たとえば、ラックアンドピニオン機構である。また、直線移動機構1aは、攪拌時に、載置位置と、攪拌位置との間を所定の距離ずつ移動可能に構成されている。なお、直線移動機構1aと、左右方向移動機構1bと、容器回転機構1cとは、特許請求の範囲に記載した「移動機構」の一例である。
【0027】
左右方向移動機構1bは、攪拌時に、攪拌部2に対して容器載置部1を左右方向(X方向)に相対移動させる。左右方向移動機構1bは、トレイ8の背面側または底面側に配置される。そのため、左右方向移動機構1bにより、容器載置部1と洗浄用容器9とが一体的に左右方向に移動される。直線移動機構1aは、たとえば、ラックアンドピニオン機構である。また、左右方向移動機構1bは、所定の距離ずつ移動可能に構成されている。
【0028】
容器回転機構1cは、攪拌時に、容器載置部1を攪拌部2の回転軸2aの周方向に回転させる。容器回転機構1cは、容器載置部1とトレイ8との間に配置される。容器回転機構1cは、たとえば、歯車と複数のモータとを含み、モータが歯車を回転させることにより容器載置部1を回転させる。
【0029】
図2および
図3に示すように、攪拌部2は、容器載置部1に載置された容器5内の飲料用原料を攪拌することにより飲料を製造するように構成されている。攪拌部2は、回転軸2aと、刃部2bと、駆動部2cと、台座部2dと、上下方向移動機構2eとを含む。
【0030】
回転軸2aは、上端側に設けられた駆動部2cにより回転軸線α回りに回転するように構成されている。回転軸2aの下端に、刃部2bが設けられている。そのため、回転軸2aの回転に伴って刃部2bが回転する。これにより、容器5内の飲料用原料が破砕されながら、攪拌される。なお、攪拌部2の回転軸2aの半径方向とは、X方向とY方向とを含む。さらに、攪拌部2の回転軸2aの周方向とは、Z方向に延びる回転軸線αを中心に回転する方向である。駆動部2cは、モータを含む。
【0031】
駆動部2cは、台座部2dに載置されている。台座部2dは、上下方向移動機構2eと接続されているため、上下方向移動機構2eが上下方向に移動することにより、台座部2dが上下方向(Z方向)に移動する。台座部2dがZ2方向に下降することにより、台座部2dの下方に設けられたばね部20が収縮し、回転軸2aおよび刃部2bが下降する。また、台座部2dがZ1方向に上昇することにより、ばね部20が伸長し、回転軸2aおよび刃部2bが上昇する。上下方向移動機構2eは、たとえば、すべりねじである。上下方向移動機構2eは、回転軸2aおよび刃部2bと、蓋部3とを上下方向に移動させる。上下方向移動機構2eにより蓋部3が下降し、容器5の開口部を塞いだ後は、上下方向移動機構2eは、回転軸2aおよび刃部2bを下降させる。
【0032】
蓋部3は、本体部3aと、支持部3bとを含む。本体部3aは、攪拌部2とともに上下方向(Z方向)に移動する。本体部3aが下降することにより、容器載置部1に載置された容器5の開口部を塞ぐ。支持部3bは、上下方向移動機構2eの下端に取り付けられているため、上下方向移動機構2eの移動に伴って支持部3bが上下方向に移動し、支持部3bの下面に取り付けられた本体部3aが上下方向に移動する。
【0033】
本体部3aは、攪拌部2を挿入するための貫通孔が設けられている。また、貫通孔は、攪拌部2が移動可能なように回転軸2aの直径よりも大きく構成されている。また、攪拌部2の本体部3aには、気密性を維持するための気密封止材が取り付けられており、容器5内の飲料等が外部に飛散しないように構成されている。
【0034】
図2および
図3に示すように、制御部4は、CPU(Central Processing Unit)4aとメモリ4bとを含む。CPU4aは、直線移動機構1aと、左右方向移動機構1bと、容器回転機構1cと、駆動部2cと、上下方向移動機構2eとの動作を制御するように構成されている。また、CPU4aは、表示部11に表示させる制御と、扉部12の開閉と、貯水タンク6から容器載置部1および洗浄用容器9への液体(水)の供給とを制御する。
【0035】
図3および
図4に示すように、メモリ4bは、CPU4aで行う制御の動作プログラムが記憶されている。また、
図4(A)に示すように、メモリ4bは、攪拌時に上下方向移動機構2eを制御して攪拌部2を下降させる下降位置に関する第1テーブルが記憶されている。また、
図4(B)に示すように、容器載置部1に対して攪拌部2を回転軸2aの半径方向に相対移動させる移動量に関する第2テーブルが記憶されている。また、メモリ4bには、攪拌時の攪拌部2の上下方向の位置毎の攪拌時間および駆動部2cの回転数が記憶されている。
【0036】
図4(A)に示す第1テーブルは、
図5に示す攪拌位置A1からA6までの各位置に攪拌部2を停止させるためのテーブルであり、攪拌開始位置から半径方向外側に向かう距離z1~z6が各々記憶されている。CPU4aは、第1テーブルの攪拌開始位置からの距離に応じて、攪拌部2を上下方向に移動させる。なお、第1テーブルは、下降に加えて、上昇する際にも用いられる。たとえば、攪拌位置A3の位置から、攪拌位置A2の位置に上昇させて攪拌した後、攪拌位置A4の位置に移動させて攪拌する場合に用いられる。
【0037】
図4(B)に示すように、第2テーブルは、
図5に示す攪拌位置A1からA6までの各位置において、攪拌部2の回転が停止した場合に、容器載置部1に対して攪拌部2を移動させるためのテーブルであり、攪拌位置A1からA6までの各位置に対して、異なる移動量d1~d6が設定されている。移動量は、容器5の中心Cから回転軸2aの半径方向外側に移動する距離であり、攪拌位置が下方に行くにつれて小さくなる。移動量が異なるのは、容器5の側面が傾斜しており、移動量を一定にすると下方で容器5の側面に攪拌部2が接触するからである。
【0038】
図6に基づいて、容器載置部1に対して攪拌部2を移動させる移動量の算出方法を説明する。容器5の底面の半径をaとし、攪拌部2の刃部2bの半径をbとし、攪拌部2の回転が停止した位置の上下方向の高さをcとし、移動量をdとし、容器5の側面の外側の傾斜角度をθとして、移動量d=(a-b)+(c÷tanθ)を満たすように移動量が設定される。なお、移動量dは、容器5の側面との一定の距離を保つように設定される。
【0039】
図5に示すように、容器5は、上下方向(Z方向)において、側面が傾斜している。本実施形態では、容器5は、側面が下方に向かうにつれて、中心Cに近づくように傾斜する。容器5は、底面が円形形状の円錐台形状である。容器5は、上部に開口部を有し、内部に飲料用原料が入れられる。
【0040】
図2に示すように、装置本体10内には、貯水タンク6と、貯水タンク6から容器5および洗浄用容器9に水を供給するための導水管7とが設けられている。導水管7は、貯水タンク6と容器5とを接続する第1導水管7aと、貯水タンク6と洗浄用容器9とを接続する第2導水管7bとを含む。飲料製造時は、第1導水管7aによって水(または湯)が供給される。なお、飲料製造時に、牛乳および豆乳などの水以外の液体を供給する場合は、貯水タンク6とは別に供給タンクと、供給管とを設けてもよい。
【0041】
洗浄用容器9は、攪拌部2の刃部2bを洗浄するための容器である。攪拌部2の刃部2bを洗浄する際は、洗浄用容器9の開口部を蓋部3が覆う。また、貯水タンク6から洗浄用容器9内に水が供給されている状態で、攪拌部2が洗浄用容器9内で回転することにより刃部2bが洗浄される。また、洗浄用容器9内の下方には、排水孔が設けられており、排水孔から洗浄後の水が排水タンク30に排水される。
【0042】
図2に示すように、表示部11は、飲料製造装置100に関する情報を表示する。また、表示部11は、タッチパネルを含み、利用者の操作を受け付けてもよい。
【0043】
扉部12は、制御部4によって開閉状態を制御される。扉部12は、表示部11を含む装置本体10の正面からY1側に突出している。そのため、扉部12の突出した部分の内部に容器載置部1が移動することにより、扉部12が開状態の場合に、容器載置部1に容器5を上方から載置することができる。
【0044】
(攪拌時の制御)
図7および
図8に基づいて攪拌時の制御について説明する。
図7および
図8では、第1段階では蓋部3を破線で示すとともに、攪拌部2を簡略化して記載している。
【0045】
攪拌開始時の第1段階として、攪拌部2は、容器5の上方に位置している。第1段階は、攪拌部2および蓋部3が下降して、蓋部3が容器5の開口部を覆った状態である。この時、攪拌部2は、蓋部3の内部に位置している。第1段階の容器5よりも上方に攪拌部2が位置している状態が、攪拌開始位置である。攪拌部2は、攪拌開始位置とは、上下方向において容器5の中心Cと重なる位置に回転軸2aが位置している攪拌位置である。
【0046】
第2段階では、制御部4は、攪拌部2の上下方向移動機構2eを制御して攪拌部2を上下方向に移動させるとともに、駆動部2cを制御して回転軸2aおよび刃部2bを回転させて、飲料用原料を破砕しながら攪拌して飲料を製造する。具体的には、制御部4は、まず、第1テーブルに基づいて、攪拌部2の上下方向移動機構2eを制御して攪拌部2(回転軸2a)を所定距離だけ下降させる。次に、制御部4は、上下方向移動機構2eを停止させて、攪拌部2の下降を停止させる。そして、制御部4は、駆動部2cを制御して、攪拌部2を所定時間回転させて、刃部2bにより飲料用原料を粉砕しながら、攪拌する。飲料用原料を攪拌することが可能な場合は、第2段階の動作を繰り返す。また、制御部4は、攪拌部2の上下方向移動機構2eを制御して攪拌部2を下降する制御を行った後、上昇させる制御を行い、さらに攪拌部2を下降させる制御も行う。これらの制御を行いながら、容器5の底面近傍まで攪拌部2を下降させて、飲料用原料を攪拌する。これにより、飲料が製造される。なお、制御部4は、攪拌部2を上下方向に移動させるたびに、攪拌位置をメモリ4bに記憶させる。飲料が正常に製造された場合は、攪拌部2の上下方向移動機構2eを制御して攪拌部2を開始位置まで上昇させ、その後、攪拌部2と蓋部3とを初期位置まで上昇させる。初期位置とは、攪拌開始の指令がない、待機中の位置である。
【0047】
第3段階は、攪拌部2(刃部2b)が飲料用原料を攪拌することができず、攪拌部2の回転が停止した状態を示す。攪拌部2の回転が停止したことは、駆動部2cに設けられたエンコーダのパルス数によって制御部4が取得する。エンコーダは、1回転する毎に4パルスを発生させる。パルスが検知できない場合に、制御部4は、攪拌部2の回転が停止したことを取得する。
【0048】
図8に示すように、第4段階として、制御部4は、上下方向移動機構2eを制御して、メモリ4bに記憶された飲料用原料が攪拌できた最後の攪拌位置まで攪拌部2を上昇させる。最後の位置とは、攪拌部2の回転が停止した攪拌位置の直前の攪拌位置である。
【0049】
第5段階として、制御部4は、直線移動機構1aおよび左右方向移動機構1bの少なくとも一方を制御して、容器載置部1を回転軸2aの半径方向(X方向またはY方向)に移動させて、容器載置部1に対して攪拌部2を回転軸2aの半径方向外側に相対移動させる。これにより、回転軸2aを上下方向において容器5の中心Cと重なる位置から回転軸2aを移動させて、攪拌位置を変更させる。
【0050】
このとき、制御部4は、攪拌時に攪拌部2の回転が停止した上下方向の停止位置に応じて、容器載置部1に対して攪拌部2を回転軸2aの半径方向の外側に相対移動させる移動量を変化させる制御を行う。
【0051】
図8に示すように、第5段階において容器載置部1を所定の移動量で移動させた後、第6段階では、制御部4は、攪拌部2の回転が停止した位置に攪拌部2を下降させて飲料用原料を攪拌する。このとき、攪拌部2の回転が停止した状態になったか否かに関わらず、第7段階に進む。
【0052】
第7段階として、制御部4は、容器回転機構1cを制御して容器5を回転させて、容器載置部1に対して攪拌部2を回転軸2aの周方向に相対移動させる。そして、攪拌部2を下降させて、飲料用原料を攪拌する。そして、第6段階と第7段階を繰り返して、容器5を360度以上回転させたあと、制御部4は、飲料用原料を攪拌しながら容器5の底面近傍まで攪拌部2を下降させる。
【0053】
第7段階により、攪拌位置を変更した後も、攪拌部2の回転が停止する場合、制御部4は、攪拌部2による飲料用原料の攪拌を中止させる制御を行う。このとき、制御部4は、表示部11に販売中止などの情報を表示させる制御を行ってもよい。
【0054】
(飲料の製造)
図9および
図10に基づいて、飲料の製造時における制御部4(CPU4a)の制御について説明する。
【0055】
まず、制御部4は、飲料製造開始の操作を受け付ける。飲料製造開始の操作を受け付けることにより、制御部4は、扉部12を開状態にする。そして、制御部4は、容器載置部1に容器5が載置されたことにより、直線移動機構1aを制御して容器載置部1を攪拌位置に移動させる。また、制御部4は、扉部12を閉状態にする。そしてステップS1として、リトライフラグをリセットする(リトライフラグ=0にする)。リトライフラグとは、後述するように攪拌部の回転が停止した場合で、かつ、攪拌位置を変更する処理を行った場合に立てられるフラグである。なお、リトライフラグが立っていない場合は、このステップを行わなくてもよい。
【0056】
ステップS2では、制御部4は、上下方向移動機構2eを制御して攪拌部2と蓋部3とを容器5の開口部まで下降させる。そして、蓋部3が、容器5の開口部を塞いだ状態で攪拌部2を攪拌開始位置まで下降させて飲料用原料の攪拌を開始する。
【0057】
ステップS3では、制御部4は、下降させた攪拌部2の上下方向の位置をメモリ4bに記憶する。なお、現在の攪拌部2の上下方向の位置を記憶するのは、攪拌部2の下降が停止された時点でもよく、停止した位置での攪拌が終了した時点でもよい。
【0058】
ステップS4では、ステップS3で記憶された攪拌部2の上下方向の位置が下限位置か否かで進むステップが異なる。下限位置とは、攪拌を終了する位置である。また、下限位置は、攪拌部2をそれよりも下降させた場合に、容器5の底面と接触する可能性がある位置である。
【0059】
ステップS4で、下限位置の場合(YESの場合)、ステップS5として、制御部4は、攪拌調理を正常に終了する。ステップS4で、下限位置の場合(NOの場合)、ステップS6に進む。ステップS5では、制御部4は、上下方向移動機構2eを制御して、攪拌部2を攪拌開始位置まで上昇させた後、攪拌部2と蓋部3とを初期位置まで上昇させる。なお、制御部4は、上下方向移動機構2eを制御して、攪拌部2を攪拌開始位置まで上昇させた後、駆動部2cを回転させて、刃部2bに付着した飲料用原料または飲料を容器5内に落下させてもよい。
【0060】
ステップS6では、制御部4は、駆動部2cの回転を開始する。制御部4は、メモリ4bに記憶された所定の回転数で、駆動部2cを駆動させる。なお、ステップS6は、攪拌がすでに行われている場合は、駆動部2cの回転を継続させる。
【0061】
ステップS7では、制御部4は、メモリ4bに記憶された第1テーブルを読み出す。そして、ステップS8では、読み出した第1テーブルに基づいて、制御部4は、上下方向移動機構2eを制御して、攪拌部2を停止位置まで下降させる。
【0062】
ステップS9では、制御部4は、攪拌部2の下降が完了したか否かで進むステップが異なる。攪拌部2の下降が完了していない場合は、ステップS9を繰り返し、所定の下降量に達した場合は、攪拌部2の下降を停止して、ステップS10に進む。下降が完了したか否かは、たとえば、第1テーブルに設定された移動量に達したことで取得される。
【0063】
ステップS10では、制御部4は、駆動部2cの駆動と同時に攪拌タイマを開始する。攪拌タイマは、駆動部2cを駆動している時間を測定するタイマであり、所定の回転数で駆動部2cが所定時間回転したことを検知するために用いられる。所定時間は、予めメモリ4bに記憶されている。
【0064】
ステップS11では、飲料用原料を攪拌できずに攪拌部2の回転が停止したか否かで進むステップが異なる。停止した場合は、ステップS14に進み、停止していない場合は、ステップS12に進む。ステップS12では、攪拌タイムアップになったか否かで進むステップが異なる。攪拌タイムアップとは、攪拌タイマで測定した時間が所定時間になったことを意味する。攪拌タイムアップになった場合は、ステップS13に進み、攪拌タイムアップになっていない場合は、ステップS11に戻る。ステップS13では、リトライフラグをリセットする(リトライフラグ=0にする)。なお、リトライフラグが立っていない場合は、このステップを行わなくてもよい。飲料用原料を攪拌できずに攪拌部2の回転が停止しない場合、ステップS3からステップS13までを継続し、ステップS4で攪拌部2の上下位置が下限になるまで、攪拌部2の下降と、攪拌部2に飲料用原料の攪拌とを行う。なお、
図9では、省略しているが、攪拌部2の上下位置が下限になるまでの間に、飲料用原料を攪拌できずに攪拌部2の回転が停止しなくとも、制御部4は、上下方向移動機構2eを制御して、攪拌部2を上昇させる場合もある。
【0065】
図10に示すように、ステップS14では、リトライフラグ=1であるか(リトライフラグが立っているか)否かで進むステップが異なる。リトライフラグ=1である(リトライフラグが立っている)場合は、ステップS21に進み、攪拌調理異常終了する。ステップS14でYES(リトライフラグ=1)となる場合は、攪拌位置変更処理を行っても、攪拌部2の回転が停止する状態である。リトライフラグ=1でない(リトライフラグが立っていない)場合は、ステップS15に進む。ステップS15では、制御部4は、攪拌タイマを停止する。そして、ステップS16では、駆動部2cの駆動を停止させる。
【0066】
ステップS17では、制御部4は、上下方向移動機構2eを制御して、攪拌部2を最後に攪拌が可能であった攪拌位置まで上昇させる。最後に攪拌が可能であった攪拌位置とは、メモリ4bに記憶された現在の攪拌位置の直前(ひとつ前)の攪拌位置である。
【0067】
ステップS18では、攪拌部2が、最後に攪拌が可能であった攪拌位置まで上昇したか否かにより進むステップが異なる。最後に攪拌が可能であった攪拌位置まで上昇した場合は、ステップS19に進み、上昇していない場合は、上昇が完了するまでステップS18を繰り返す。
【0068】
ステップS19では、制御部4は、攪拌位置変更処理を行う。攪拌位置変更処理の詳細は後述する。ステップS20では、リトライフラグ=1にする(リトライフラグを立てる)。そして、ステップS6に戻り、攪拌部2の回転の停止が起きた攪拌位置から攪拌を開始する。
【0069】
図11および
図12に基づいて、攪拌位置変更処理について説明する。ステップS31では、制御部4は、容器5の回転カウンタを0にする。回転カウンタは、容器回転機構1cによる容器5の回転数を測定するものであり、回転されていない状態を0度とする。回転カウンタは、たとえば、エンコーダである。
【0070】
ステップS32では、制御部4は、メモリ4bから第2テーブルを読み出す。具体的には、制御部4は、攪拌部2の回転が停止した攪拌位置に対応した、容器載置部1に対して攪拌部2を相対移動させる移動量を読み出す。
【0071】
ステップS33では、ステップS32で読み出した移動量に基づいて、容器載置部1と攪拌部2とのうち少なくとも一方を相対移動させる。制御部4は、直線移動機構1aまたは左右方向移動機構1bを制御して、容器5を回転軸2aの半径方向に移動させる。ステップS34では、容器5の回転軸2aの半径方向への移動が完了したか否かで進むステップが異なる。移動が完了した場合は、ステップS35に進み、完了していない場合は、ステップS34を繰り返す。
【0072】
ステップS35では、制御部4は、駆動部2cを制御して、駆動部2cの回転を開始させる。そしてステップS36で、上下方向移動機構2eを制御して、攪拌部2の回転が停止した位置まで攪拌部2を下降させる。
【0073】
ステップS37では、攪拌部2の下降が完了したか否かで進むステップが異なる。下降が完了した場合は、ステップS38に進み、完了していない場合は、ステップS37を繰り返す。
【0074】
ステップS38では、制御部4は、攪拌タイマを開始する。攪拌タイマは、ステップS10と同じである。ステップS39では、飲料用原料を攪拌できずに攪拌部2の回転が停止したか否かで進むステップが異なる。停止した場合は、ステップS41に進み、停止していない場合は、ステップS40に進む。
【0075】
ステップS40では、攪拌タイムアップになったか否かで進むステップが異なる。攪拌タイムアップになった場合は、ステップS41に進み、攪拌タイムアップになっていない場合は、ステップS39に戻る。
【0076】
ステップS41では、制御部4は、駆動部2cを制御して、駆動部2cの回転を停止させる。そして、ステップS42では、制御部4は、上下方向移動機構2eを制御して、攪拌部2を上昇させる。
【0077】
ステップS43では、攪拌部2の上昇が完了したか否かで進むステップが異なる。上昇が完了した場合は、ステップS44に進み、完了していない場合は、ステップS43を繰り返す。
【0078】
ステップS44では、容器5に取り付けられた容器回転カウンタが360度以上か否かで進むステップが異なる。360度以上の場合はステップS45に進み、360度未満の場合は、ステップS47に進む。360度以上に設定されているのは、後述するステップS47をn回繰り返した場合に、所定角度x度×nが360度を超える場合があるためである。
【0079】
ステップS45では、制御部4は、直線移動機構1aまたは左右方向移動機構1bを制御して、容器5を回転軸2aの半径方向内側に移動させて、攪拌部2が容器5の中央に位置する(上下方向において容器5の中央と並ぶ)ように容器5を回転軸2aの半径方向内側に移動させる。そして、ステップS46に進み、攪拌位置変更処理正常終了として制御を終了する。これにより、
図10に示すステップS20に進む。
【0080】
ステップS47では、容器回転機構1cを制御して容器5を所定角度(x度)回転させる。所定角度(x度)は、好ましくは、制御のしやすさから、複数回繰り返した場合にちょうど360度になる角度であり、たとえば、90度以下に設定される。90度以下であれば、60度、45度、または30度であってもよい。ステップS48では、制御部4は、容器回転カウンタに回転させた角度(x度)を加えて、メモリ4bに記憶する。ステップS49では、容器5の回転が完了したか否かで進むステップが異なる。容器5の所定角度の回転を完了させた場合は、ステップS35に進み、完了させていない場合はステップS49を繰り返す。そして、ステップS44で、回転カウンタが360以上になるまで、ステップS35からステップS49を繰り返し行い、回転カウンタが360以上になった時点で攪拌位置変更処理を終了する。なお、ステップS39で、攪拌部2の回転が停止した場合も、ステップS44で回転カウンタが360以上になるまで、ステップS35からステップS49を繰り返し行う。
【0081】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0082】
第1実施形態では、上記のように、攪拌時に、容器載置部1または攪拌部2のうち少なくとも一方を、回転軸2aの周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させて、攪拌位置を変更する直線移動機構1a、左右方向移動機構1bおよび容器回転機構1cを備えている。ここで、飲料用原料が再冷凍された場合、容器5の側面側よりも飲料用原料が密集する容器5の中央付近が固まりやすくなり、容器5の中央付近で飲料用原料同士が結合した大きな塊が形成されやすい。そのため、上記のように構成することにより、直線移動機構1a、左右方向移動機構1bまたは容器回転機構1cによって攪拌位置を容器5の中央付近から側面側に変更することができるため、飲料用原料の塊の側面に刃部2bを接触させることができる。この結果、側面側から徐々に破砕することができるため、飲料用原料同士が固まって大きくなった場合にも、飲料を製造することができる。
【0083】
また、第1実施形態では、上記のように、制御部4は、攪拌時において、飲料用原料を攪拌できずに刃部2bの回転が停止した場合に、直線移動機構1a、左右方向移動機構1bまたは容器回転機構1cを制御して、容器載置部1または攪拌部2のうち少なくとも一方を、回転軸2aの周方向または半径方向の少なくとも一方に相対移動させることにより、攪拌位置を変更させる制御を行う。これにより、直線移動機構1aにより飲料用原料が軟らかく、攪拌することが可能な攪拌位置に攪拌部2を移動させることができるため、飲料用原料の攪拌を再開することができる。また、飲料用原料を攪拌できずに刃部2bの回転が停止した場合は、攪拌部2の駆動部2cに過度の負荷が掛かるため、直線移動機構1a、左右方向移動機構1bおよび容器回転機構1cにより飲料用原料を攪拌することが可能な位置に攪拌位置を変更することにより、攪拌部2の刃部2bが飲料用原料を破砕することができる。この結果、攪拌部2の駆動部2cに過度の負荷が掛かることを抑制することができる。
【0084】
また、第1実施形態では、上記のように、攪拌部2は、攪拌開始時に、攪拌位置として、上下方向において容器5の中心Cと重なる位置に回転軸2aが位置し、制御部4は、攪拌時において、飲料用原料を攪拌できずに刃部2bの回転が停止した場合に、直線移動機構1a、左右方向移動機構1bまたは容器回転機構1cを制御して、容器載置部1または攪拌部2のうち少なくとも一方を、回転軸2aの周方向または半径方向外側の少なくとも一方に相対移動させることにより、回転軸2aを上下方向において容器5の中心Cと重なる位置から回転軸2aを移動させて、攪拌位置を変更させる制御を行う。これにより、攪拌開始時は、上下方向において容器5の中心Cと重なる位置が攪拌位置であるため、刃部2bの周囲に飲料用原料が配置された状態にすることができるため、容器5内の飲料用原料と攪拌部2の刃部2bとが接触する接触面積を増やすことができる。また、飲料用原料同士が結合して大きな塊が形成される場合は、飲料用原料が密集する容器5の中心付近において飲料用原料同士が固まり、塊が形成されやすい。そのため、飲料用原料を攪拌できずに刃部2bの回転が停止した場合に、直線移動機構1a、左右方向移動機構1bまたは容器回転機構1cにより回転軸2aを上下方向において容器5の中心Cと重なる位置から回転軸2aが移動し、攪拌位置が変更されることにより、攪拌部2の刃部2bが飲料用原料の塊の外側側面から破砕しながら、飲料用原料の製造を再開することができる。
【0085】
また、第1実施形態では、上記のように、容器5は、上下方向において側面が傾斜しており、制御部4は、攪拌時に攪拌部2の回転が停止した上下方向の停止位置に応じて、容器載置部1または攪拌部2のうち少なくとも一方を、回転軸2aの半径方向の外側に相対移動させる移動量を変化させる制御を行う。ここで、容器5の側面が下方に傾斜している場合に、上方と下方とで同じ移動量で容器載置部1に対して攪拌部2を回転軸2aの半径方向の外側に相対移動させて、攪拌部2を下降させると、容器5の側面と攪拌部2の刃部2bとの間の距離が徐々に短くなり、最終的に容器5の側面に攪拌部2の刃部2bが接触するおそれがある。そのため、制御部4が、攪拌時に攪拌部2の回転が停止した上下方向の停止位置に応じて移動量を決定することにより、容器5の側面と攪拌部2の刃部2bとの間の距離を所定間隔以上保つことができる。この結果、攪拌部2と、容器5との接触を抑制することができる。
【0086】
また、第1実施形態では、上記のように、移動機構は、容器載置部1に容器5を載置する場合に、攪拌位置から載置位置まで容器載置部1を回転軸2aの半径方向外側に直線移動させる直線移動機構1aを含み、制御部4は、攪拌時に直線移動機構1aを制御して、容器載置部1を回転軸2aの半径方向外側に直線移動させることにより、攪拌位置を変更させる制御を行う。これにより、攪拌前に飲料用原料が入った容器5を容器載置部1に載置するために、飲料製造装置100の内部から外部近傍に容器載置部1を移動させる直線移動機構1aを攪拌時にも用いることにより、容器載置部1に容器5を載置する場合と、攪拌時とにおいて用いられる直線移動機構1aを各々設ける必要がないため、飲料製造装置100の構成が複雑になることを抑制することができる。
【0087】
[第2実施形態]
次に、
図1、
図4~
図14を参照して、本発明の第2実施形態による飲料製造装置100の構成について説明する。第2実施形態では、移動機構は、攪拌時に攪拌部2を水平方向に移動させる。
【0088】
図13および
図14に示すように、攪拌部2は、攪拌部回転機構2fと、水平方向移動機構2gとを含む。なお、攪拌部回転機構2fと、水平方向移動機構2gとは、特許請求の範囲に記載した「移動機構」の一例である。
【0089】
攪拌部回転機構2fは、回転軸2aの周方向に攪拌部2を回転させるように構成されている。攪拌部回転機構2fは、台座部2dに取り付けられ、台座部2dを回転させることにより、攪拌部2を回転させる。攪拌部回転機構2fは、たとえば、歯車と複数のモータとを含み、モータが歯車を回転させることにより攪拌部2を回転させる。
【0090】
水平方向移動機構2gは、攪拌部2をX方向およびY方向に移動させて、攪拌部2を容器載置部1に対して相対移動させる。水平方向移動機構2gは、台座部2dに取り付けられる。水平方向移動機構2gは、たとえば、X方向に移動させるラックアンドピニオン機構と、Y方向に移動させるラックアンドピニオン機構とを含む。
【0091】
制御部4のCPU4aは、攪拌部回転機構2fと、水平方向移動機構2gとの動作を制御するように構成されている。
【0092】
(攪拌時の制御)
図7および
図8に基づいて攪拌時の制御について説明する。なお、第1段階から第4段階までは、第1実施形態と同じである。
【0093】
第5段階として、制御部4は、水平方向移動機構2gを制御して攪拌部2を回転軸2aの半径方向(X方向またはY方向)に移動させて、容器載置部1に対して攪拌部2を回転軸2aの半径方向外側に相対移動させる。これにより、回転軸2aを上下方向において容器5の中心Cと重なる位置から回転軸2aを移動させて、攪拌位置を変更させる。
【0094】
図7に示すように、第5段階において攪拌部2を所定の移動量で移動させた後、第6段階では、制御部4は、攪拌部2の回転が停止した位置に攪拌部2を下降させて飲料用原料を攪拌する。
【0095】
図8に示すように、第5段階において攪拌部2を所定の移動量で移動させた後、第6段階では、制御部4は、攪拌部2の回転が停止した位置に攪拌部2を下降させて飲料用原料を攪拌する。
【0096】
第7段階として、制御部4は、攪拌部回転機構2fを制御して攪拌部2を回転させて、容器載置部1に対して攪拌部2を回転軸2aの周方向に相対移動させる。
【0097】
(攪拌位置変更処理)
図11および
図12に基づいて、攪拌位置変更処理について説明する。なお、第1実施形態と同じステップは説明を省略する。
【0098】
第2実施形態では、ステップS31の回転カウンタは、回転軸2aではなく攪拌部2全体の回転をカウントする回転カウンタである。ステップS31では、回転カウンタ=0にする。
【0099】
ステップS33では、ステップS32で読み出した移動量に基づいて、水平方向移動機構2gを制御して、攪拌部2を回転軸2aの半径方向に移動させる。ステップS34では、攪拌部2が、回転軸2aの半径方向に移動したか否かで進むステップが異なる。移動が完了した場合は、ステップS35に進み、完了していない場合は、ステップS34を繰り返す。
【0100】
ステップS44では、攪拌部2全体の回転カウンタが360度以上か否かで進むステップが異なる。360度以上の場合はステップS45に進み、360度未満の場合は、ステップS47に進む。ステップS45では、水平方向移動機構2gを制御して、攪拌部2が容器5の中央に位置する(上下方向において容器5の中央と並ぶ)ように、攪拌部2を回転軸2aの半径方向内側に移動させる。
【0101】
ステップS47では、攪拌部回転機構2fを制御して攪拌部2全体を所定角度回転させる。所定角度については第1実施形態と同じである。ステップS48では、攪拌部回転カウンタに回転させた角度を加えて、メモリ4bに記憶する。ステップS49では、攪拌部2全体の回転が完了したか否かで進むステップが異なる。攪拌部2全体の所定角度の回転を完了させた場合は、ステップS35に進み、完了させていない場合はステップS49を繰り返す。
【0102】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0103】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記のように、攪拌時に、容器載置部1または攪拌部2のうち少なくとも一方を、回転軸2aの周方向または半径方向の少なくとも一方に移動させて、攪拌位置を変更する攪拌部回転機構2fおよび水平方向移動機構2gを備えている。ここで、飲料用原料が再冷凍された場合、容器5の側面側よりも飲料用原料が密集する容器5の中央付近が固まりやすくなり、容器5の中央付近で飲料用原料同士が結合した大きな塊が形成されやすい。そのため、上記のように構成することにより、攪拌部回転機構2fまたは水平方向移動機構2gによって攪拌位置を容器5の中央付近から側面側に変更することができるため、飲料用原料の塊の側面に刃部2bを接触させることができる。この結果、外側から徐々に破砕することができるため、飲料用原料同士が固まって大きくなった場合にも、飲料を製造することができる。
【0104】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0105】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0106】
たとえば、上記第1実施形態および第2実施形態では、攪拌時に、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの周方向に相対移動させる移動機構と、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの半径方向に相対移動させる移動機構とを備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、攪拌時に、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの周方向に相対移動させる移動機構と、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの半径方向に相対移動させる移動機構とのうち一方だけを備えていてもよい。
【0107】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、攪拌時に、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの半径方向に相対移動させる移動機構は、X方向およびY方向に移動するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、攪拌時に、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの半径方向に相対移動させる移動機構は、X方向およびY方向のうちいずれか一方だけに移動するように構成されていてもよい。
【0108】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、容器5の側面が上下方向に傾斜している円錐台形状である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、容器5の側面が傾斜していない円筒形状でもよい。
【0109】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、容器5は、円形形状の底面を有する円錐台形状である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、容器5は、四角形形状の底面を有する四角錘台形状または四角柱形状であってもよい。
【0110】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、メモリ4bに第2テーブルが記憶されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、メモリ4bに第2テーブルが記憶されておらず、CPU4aが、攪拌位置に応じて移動量を演算して、移動量を変更してもよい。
【0111】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、容器載置部1に対して攪拌部2を回転軸2aの半径方向に相対移動させる移動量が攪拌位置に応じて異なる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、容器5の側面が傾斜していない場合は、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの半径方向に相対移動させる移動量を一定にしてもよい。
【0112】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、容器載置部1および容器5と、攪拌部2とのうちいずれか一方を移動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、容器載置部1および容器5と、攪拌部2とを各々移動させてもよい。この場合、第1実施形態と第2実施形態とを合わせた構成となり、容器載置部1の移動方向と攪拌部2の移動方向とは互いに逆となる。また、攪拌部2が停止した際の攪拌位置変更処理として、攪拌部2または容器載置部1のうち一方を半径方向に移動させるとともに、攪拌部2または容器載置部1のうち他方を周方向に移動させてもよい。
【0113】
また、第1実施形態および第2実施形態では、攪拌時に、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの半径方向に相対移動させる制御の後に、攪拌時に、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの周方向に相対移動させる制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。攪拌時に、容器載置部1または攪拌部2のうち少なくとの一方を回転軸2aの周方向に相対移動させる制御を行った後に、攪拌時に、容器載置部1または攪拌部2のうち少なくとも一方を回転軸2aの半径方向に相対移動させる制御を行ってもよい。
【0114】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、攪拌時に、攪拌部2の回転が停止した場合に、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの半径方向に相対移動させた後、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの周方向に相対移動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、攪拌時に、攪拌部2の回転が停止した場合に、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの半径方向に相対移動させた後、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの周方向に相対移動させなくてもよい。
【0115】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、攪拌時に、攪拌部2の回転が停止した場合に、容器載置部1または攪拌部2を回転軸2aの周方向に相対移動させる場合、1回転させた(回転カウンタが360以上になった)場合に、攪拌位置変更処理が正常に終了したと判断する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、攪拌時に、攪拌部2の回転が停止した場合に、容器載置部1または攪拌部2の少なくとも一方を回転軸2aの周方向に相対移動させる場合、回転カウンタが360度未満の数字をカウントしたときに攪拌位置変更処理が正常に終了したと判断してもよい。
【0116】
また、第1実施形態では、容器載置部1を攪拌位置と載置位置との間において移動させる直線移動機構1aを用いて、攪拌時に容器載置部1を攪拌部2に対して相対移動させる例を示したが、本発明はこれに限られない。容器載置部1を攪拌位置と載置位置との間において移動させる直線移動機構1aとは別の移動機構を設けて、攪拌時に容器載置部1に対して攪拌部2を相対移動させてもよい。
【0117】
また、第1実施形態および第2実施形態では、攪拌位置を変更する制御を行い、容器5または攪拌部2が360度以上回転した場合に、攪拌部2が容器5の中央に位置するように移動させる制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、この制御を行わずに、容器5の中央に近づけながら攪拌部2を下降させてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 容器載置部
1a 直線移動機構(移動機構)
1b 左右方向移動機構(移動機構)
1c 容器回転機構(移動機構)
2 攪拌部
2a 回転軸
2b 刃部
2c 駆動部
2e 上下方向移動機構
2f 攪拌部回転機構(移動機構)
2g 水平方向移動機構(移動機構)
4 制御部
5 容器
100、200 飲料製造装置