IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カネカの特許一覧

<>
  • 特開-吸着ハンド 図1
  • 特開-吸着ハンド 図2
  • 特開-吸着ハンド 図3
  • 特開-吸着ハンド 図4
  • 特開-吸着ハンド 図5
  • 特開-吸着ハンド 図6
  • 特開-吸着ハンド 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152407
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】吸着ハンド
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
B25J15/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066589
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】居村 真人
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707DS01
3C707FS01
3C707FT06
3C707FT11
3C707FU01
3C707NS28
(57)【要約】
【課題】搬送対象物を安定して吸着することができる新たな吸着ハンドを提供する。
【解決手段】搬送対象物を吸着する吸着部材31と、吸着部材31が接続されており長手方向に延在している内腔320を有する筒状部材32と、筒状部材32を支持している支持部材33と、第1アーム部41と第2アーム部42とを有しており第1アーム部41と第2アーム部42の間の幅が筒状部材32の最大外径よりも小さくなるように構成されているストッパー40と、を有しており、ストッパー40が、支持部材33に対する筒状部材32の中心軸32Cを軸とする筒状部材32の回転を防止するように構成されている吸着ハンド30。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物を吸着する吸着部材と、
前記吸着部材が接続されており長手方向に延在している内腔を有する筒状部材と、
前記筒状部材を支持している支持部材と、
第1アーム部と、前記第1アーム部とは異なる位置に配置されている第2アーム部と、を有しており、前記第1アーム部と前記第2アーム部の間の幅が前記筒状部材の最大外径よりも小さくなるように構成されているストッパーと、を有しており、
前記ストッパーが、前記支持部材に対する前記筒状部材の中心軸を軸とする前記筒状部材の回転を防止するように構成されている吸着ハンド。
【請求項2】
前記ストッパーの前記第1アーム部および前記第2アーム部は、前記筒状部材に当接している請求項1に記載の吸着ハンド。
【請求項3】
前記ストッパーは、前記第1アーム部および前記第2アーム部が接続されている接続部を有している請求項2に記載の吸着ハンド。
【請求項4】
前記ストッパーの接続部は、前記筒状部材に当接していない請求項3に記載の吸着ハンド。
【請求項5】
前記ストッパーの接続部は前記支持部材に固定されている請求項3または4に記載の吸着ハンド。
【請求項6】
前記筒状部材のうち前記第1アーム部および前記第2アーム部と当接している部分の前記長手方向に垂直な断面における外形は多角形状である請求項2~4のいずれか一項に記載の吸着ハンド。
【請求項7】
前記筒状部材は、前記長手方向の端である第1端と、前記長手方向の端であって前記第1端とは異なる位置に存在している第2端と、を有しており、
前記第1端は開口しており、
前記第2端は閉塞している請求項6に記載の吸着ハンド。
【請求項8】
前記支持部材には、前記筒状部材の第1端部が貫通する孔が形成されており、
前記筒状部材のうち前記支持部材の孔に配置されている部分の前記長手方向に垂直な断面における外形は円形状である請求項7に記載の吸着ハンド。
【請求項9】
前記支持部材は、天井部と、前記天井部下に配置されている側部とを有しており、
前記支持部材の側部に前記筒状部材の第1端部が貫通する孔が形成されている請求項8に記載の吸着ハンド。
【請求項10】
前記吸着部材は前記筒状部材の下部に接続されている請求項1~4のいずれか一項に記載の吸着ハンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着ハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送対象物は、様々な方法で搬送され得る。搬送対象物を搬送する主体の例として、特許文献1には、基板の層をピックアップし、移動し、解放するように構成されたエンドエフェクタを含んでいるロボットワークステーションについて記載されている。エンドエフェクタは、第1および第2の支持部材と、第1および第2のクロス部材と、第1および第2のピックアップおよびリリース部材と、を含む。ロボットワークステーションは、エンドエフェクタを移動させることができるロボットマニピュレータを含む。第1および第2のピックアップおよびリリース部材はチューブと接続されており、チューブによって第1および第2のピックアップおよびリリース部材に真空空気圧が提供される。これによって、基板(または他のアイテム)との間で真空シールが形成され、第1および第2のピックアップおよびリリース部材は基板をピックアップできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/125597号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているロボットワークステーションは、未だ改善の余地があった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送対象物を安定して吸着することができる新たな吸着ハンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決できた本発明の吸着ハンドとは、以下の通りである。
[1] 搬送対象物を吸着する吸着部材と、
前記吸着部材が接続されており長手方向に延在している内腔を有する筒状部材と、
前記筒状部材を支持している支持部材と、
第1アーム部と、前記第1アーム部とは異なる位置に配置されている第2アーム部と、を有しており、前記第1アーム部と前記第2アーム部の間の幅が前記筒状部材の最大外径よりも小さくなるように構成されているストッパーと、を有しており、
前記ストッパーが、前記支持部材に対する前記筒状部材の中心軸を軸とする前記筒状部材の回転を防止するように構成されている吸着ハンド。
【0007】
吸着ハンドは、第1アーム部と第2アーム部の間の幅が筒状部材の最大外径よりも小さくなるように構成されているストッパーを有している。これにより、支持部材に対する筒状部材の中心軸を軸とする筒状部材の回転を防止することができるため、吸着部材が搬送対象物を安定して吸着することができる。
【0008】
本発明の吸着ハンドは、以下の[2]~[10]のいずれかであることが好ましい。
[2] 前記ストッパーの前記第1アーム部および前記第2アーム部は、前記筒状部材に当接している[1]に記載の吸着ハンド。
[3] 前記ストッパーは、前記第1アーム部および前記第2アーム部が接続されている接続部を有している[2]に記載の吸着ハンド。
[4] 前記ストッパーの接続部は、前記筒状部材に当接していない[3]に記載の吸着ハンド。
[5] 前記ストッパーの接続部は前記支持部材に固定されている[3]または[4]に記載の吸着ハンド。
[6] 前記筒状部材のうち前記第1アーム部および前記第2アーム部と当接している部分の前記長手方向に垂直な断面における外形は多角形状である[2]~[5]のいずれか一項に記載の吸着ハンド。
[7] 前記筒状部材は、前記長手方向の端である第1端と、前記長手方向の端であって前記第1端とは異なる位置に存在している第2端と、を有しており、
前記第1端は開口しており、
前記第2端は閉塞している[1]~[6]のいずれか一項に記載の吸着ハンド。
[8] 前記支持部材には、前記筒状部材の第1端部が貫通する孔が形成されており、
前記筒状部材のうち前記支持部材の孔に配置されている部分の前記長手方向に垂直な断面における外形は円形状である[7]に記載の吸着ハンド。
[9] 前記支持部材は、天井部と、前記天井部下に配置されている側部とを有しており、
前記支持部材の側部に前記筒状部材の第1端部が貫通する孔が形成されている[8]に記載の吸着ハンド。
[10] 前記吸着部材は前記筒状部材の下部に接続されている[1]~[9]のいずれか一項に記載の吸着ハンド。
【発明の効果】
【0009】
本発明の吸着ハンドは、第1アーム部と第2アーム部の間の幅が筒状部材の最大外径よりも小さくなるように構成されているストッパーを有している。これにより、支持部材に対する筒状部材の中心軸を軸とする筒状部材の回転を防止することができるため、吸着部材が搬送対象物を安定して吸着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る吸着ハンドの一例を示す斜視図を表す。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る吸着ハンドの一例を示す平面図を表す。
図3図3は、図2に示す吸着ハンドのIII-III線における断面図を表す。
図4図4は、図3に示す吸着ハンドに設けられている筒状部材のIV-IV線における断面図を表す。
図5図5は、図3に示す吸着ハンドに設けられている筒状部材のV-V線における断面図を表す。
図6図6は、本発明の実施の形態に係る吸着ハンドの一例を示す斜視図を表す。
図7図7は、図2に示す吸着ハンドのVII-VII線における切断部端面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に関して、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明はもとより図示例に限定されることはなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。各図において、便宜上、ハッチングや符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図を参照するものとする。また、図面における種々部品の寸法は、本発明の特徴を理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0012】
本発明の吸着ハンドは、搬送対象物を吸着する吸着部材と、吸着部材が接続されており長手方向に延在している内腔を有する筒状部材と、筒状部材を支持している支持部材と、第1アーム部と、第1アーム部とは異なる位置に配置されている第2アーム部と、を有しており、第1アーム部と第2アーム部の間の幅が筒状部材の最大外径よりも小さくなるように構成されているストッパーと、を有しており、ストッパーが、支持部材に対する筒状部材の中心軸を軸とする筒状部材の回転を防止するように構成されている点に要旨を有する。
【0013】
図1図7を参照して本発明の実施の形態に係る吸着ハンドについて説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る吸着ハンドの一例を示す斜視図を表す。図2は、本発明の実施の形態に係る吸着ハンドの一例を示す平面図を表す。図3は、図2に示す吸着ハンドのIII-III線における断面図を表す。図4は、図3に示す吸着ハンドに設けられている筒状部材のIV-IV線における断面図を表す。図5は、図3に示す吸着ハンドに設けられている筒状部材のV-V線における断面図を表す。図4および図5では、筒状部材の長手方向に垂直な断面を表している。図6は、本発明の実施の形態に係る吸着ハンドの一例を示す斜視図を表す。図7は、図2に示す吸着ハンドのVII-VII線における切断部端面図を表す。本図面においては、水平方向をx、鉛直方向をyで示している。
【0015】
本明細書内において、上方とは鉛直方向のうちの上側に向かう方向のことを指し、下方とは鉛直方向のうちの下側に向かう方向のことを指す。各部材の上部とは各部材のうちの上方側半分を指し、各部材の下部とは各部材のうちの下方側半分を指す。各部材の上端とは各部材のうち鉛直方向において最も上に位置している端である。各部材の下端とは各部材のうち鉛直方向において最も下に位置している端である。
【0016】
図1図7に示すように、吸着ハンド30は、吸着部材31と、筒状部材32と、支持部材33と、ストッパー40と、を有する。
【0017】
図1に示すように、吸着部材31は、搬送対象物10を吸着する。搬送対象物10は、吸着部材31によって吸着されることによって搬送される。
【0018】
図3に示すように、筒状部材32は、吸着部材31が接続されている部材である。筒状部材32は、長手方向に延在している内腔320を有する。図3では、筒状部材32の長手方向と水平方向xが同じ方向である態様を示している。
【0019】
図3に示すように、支持部材33は、筒状部材32を支持している部材である。
【0020】
図2図3図7に示すように、ストッパー40は、第1アーム部41と、第1アーム部41とは異なる位置に配置されている第2アーム部42と、を有している。第1アーム部41と第2アーム部42の間の幅40Wは、筒状部材32の最大外径32Rよりも小さくなるように構成されている。ストッパー40は、支持部材33に対する筒状部材32の中心軸32Cを軸とする筒状部材32の回転を防止するように構成されている。
【0021】
図7に示すように、筒状部材32の最大外径32Rは、筒状部材32の長手方向に垂直な断面において、最も長い長さのことを指す。最大外径32Rは、筒状部材32のうち第1アーム部41と第2アーム部42の間に位置する部分における筒状部材32の長手方向に垂直な断面において、最も長い長さを有する部分の長さであることが好ましい。
【0022】
吸着ハンド30は、第1アーム部41と第2アーム部42の間の幅40Wが筒状部材32の最大外径32Rよりも小さくなるように構成されているストッパー40を有している。これにより、支持部材33に対する筒状部材32の中心軸32Cを軸とする筒状部材32の回転を防止することができるため、吸着部材31が搬送対象物10を安定して吸着することができる。
【0023】
吸着ハンド30に、吸着部材31は一つのみ設けられていてもよいし、複数設けられていてもよい。吸着部材31の形状は、特に限定されないが、例えば、多角柱状、多角錐状、多角錐台状、円柱状、円錐状、円錐台状、半球状や板状など、種々の形状にすることができる。
【0024】
吸着部材31を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、合成樹脂、天然樹脂、金属、またはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0025】
吸着部材31は、搬送対象物10を吸着することができる構成であればよい。例えば、図1図3に示すように、吸着部材31は外部のエアを吸引する孔310を有しており、その吸引力によって搬送対象物10を吸着するものであってもよい。吸着部材31は可撓性を有する材料で構成されていることが好ましく、例えば、シリコン樹脂やゴム等のエラストマーで構成されていることが好ましい。これにより、吸着部材31による搬送対象物10の吸着性を向上させやすくすることができる。
【0026】
吸着部材31がエアの吸引によって搬送対象物10を吸着するもので、吸着部材31がそれぞれエアを吸引するための孔310を有しているような場合は、当該エアが通過するための流路が吸着ハンド30に形成されていてもよい。例えば、図3に示すように、筒状部材32の内腔320と吸着部材31の孔310とが連通していることが好ましい。これにより、筒状部材32を介して吸着部材31に吸着力を付与することができる。
【0027】
筒状部材32の形状は、例えば、円筒状、角筒状、またはこれらの組み合わせ、などが挙げられる。
【0028】
筒状部材32は、吸着ハンド30に1つのみ設けられていてもよいし、2つ以上設けられていてもよい。
【0029】
筒状部材32を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、合成樹脂、天然樹脂、金属、またはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0030】
図3に示すように、筒状部材32は、水平方向xに延在していることが好ましい。これにより、吸着部材31をより多く筒状部材32の下部に設けやすくなる。
【0031】
図3に示すように、吸着部材31は筒状部材32の下部に接続されていることが好ましい。これにより、吸着部材31で搬送対象物10を吸引した後に搬送対象物10を吊り下げやすくなるので、搬送中に搬送対象物10を落下させにくくすることができる。
【0032】
ストッパー40を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、合成樹脂、天然樹脂、金属、またはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0033】
ストッパー40は、支持部材33に対する筒状部材32の中心軸32Cを軸とする筒状部材32の回転を防止するように構成されていればよい。
【0034】
図6図7に示すように、第1アーム部41と第2アーム部42の間に筒状部材32が配置されていることが好ましい。これにより、支持部材33に対する筒状部材32の中心軸32Cを軸とする筒状部材32の回転を防止しやすくすることができる。
【0035】
ストッパー40の第1アーム部41および第2アーム部42は、筒状部材32に当接していることが好ましい。これにより、支持部材33に対する筒状部材32の中心軸32Cを軸とする筒状部材32のわずかな回転をも防止しやすくすることができる。なお、ストッパー40の第1アーム部41および第2アーム部42は、筒状部材32に当接していなくてもよい。第1アーム部41および第2アーム部42が筒状部材32に当接していない場合であっても、時間の経過とともに筒状部材32が中心軸32Cを軸に回転することで、第1アーム部41および第2アーム部42が筒状部材32に当接するようになる。これにより、支持部材33に対する筒状部材32の中心軸32Cを軸とする筒状部材32の回転を防止しやすくすることができる。
【0036】
図6に示すように、第1アーム部41と第2アーム部42は、棒状、多角柱状などの形状であることが好ましい。また、第1アーム部41と第2アーム部42は、それぞれ所定の方向に延在していることが好ましい。第1アーム部41と第2アーム部42は、湾曲している部分を有していてもよし、直線状であってもよい。
【0037】
図7に示すように、第1アーム部41の延在方向と第2アーム部42の延在方向は同じであってもよい。図示しないが、第1アーム部41の延在方向と第2アーム部42の延在方向は異なっていてもよい。いずれの場合であっても、第1アーム部41と第2アーム部42の間の幅40Wが筒状部材32の最大外径32Rよりも小さくなるように構成されていることにより、支持部材33に対する筒状部材32の中心軸32Cを軸とする筒状部材32の回転を防止することができる。第1アーム部41の延在方向と第2アーム部42の延在方向は水平方向xと平行な方向であってもよい。
【0038】
ストッパー40は、第1アーム部41および第2アーム部42が接続されている接続部43を有していることが好ましい。これにより、第1アーム部41に対する第2アーム部42の位置を所定の位置に固定しやすくすることができるため、支持部材33に対する筒状部材32の中心軸32Cを軸とする筒状部材32の回転を防止しやすくなる。
【0039】
接続部43は、板状、多角柱状、円柱状などにすることができる。
【0040】
ストッパー40の接続部43は、筒状部材32に当接していなくてもよい。ストッパー40の接続部43が筒状部材32に当接していないことにより、筒状部材32や接続部43が摩耗してしまうのを防ぐことができる。なお、ストッパー40の接続部43は、筒状部材32に当接していてもよい。ストッパー40の接続部43が筒状部材32に当接していることにより、支持部材33に対する筒状部材32の中心軸32Cを軸とする筒状部材32の回転を防止しやすくすることができる。
【0041】
支持部材33を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、合成樹脂、天然樹脂、金属、またはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0042】
支持部材33は、筒状部材32を1つのみ支持していてもよいし、2つ以上支持していてもよい。
【0043】
ストッパー40の接続部43は支持部材33に固定されていることが好ましい。この場合、ストッパー40の第1アーム部41と第2アーム部42は支持部材33に対して互いに固定されていないことが好ましい。
【0044】
ストッパー40と支持部材33の固定は、例えば、図2図6図7に示すように、固定部材44によって行うことができる。ストッパー40は、固定部材44を中心に支持部材33に対して回転可能であることが好ましい。ストッパー40は、固定部材44を中心に支持部材33に対して回転しないものであっても構わない。
【0045】
支持部材33は、外面から内部に向かってねじが切られている雌ねじ部を有していてもよい。固定部材44は、外面にネジが切られている雄ねじ部を有していてもよい。これにより、固定部材44の雄ねじ部を支持部材33の雌ねじ部に挿入することで固定部材44と支持部材33を接続することができ、ストッパー40と支持部材33とを固定することができる。
【0046】
図3図5に示すように、筒状部材32のうち第1アーム部41および第2アーム部42と当接している部分の筒状部材32の長手方向に垂直な断面における外形は多角形状であることが好ましい。図5では、筒状部材32の長手方向に垂直な断面であって、筒状部材32のうち第1アーム部41および第2アーム部42と当接している部分の断面を示している。ここでは、当該断面における筒状部材32の外形が六角形状である態様を示しているが、当該断面における外形は四角形状であってもよいし、五角形状であってもよいし、七角形状であってもよいし、八角形状であってもよい。これにより、第1アーム部41と第2アーム部42の間の幅40Wが筒状部材32の最大外径32Rよりも小さくなるように構成しやすくなる。
【0047】
図3に示すように、筒状部材32は、長手方向の端である第1端321と、長手方向の端であって第1端321とは異なる位置に存在している第2端322と、を有していてもよい。筒状部材32の第1端321は開口しており、第2端322は閉塞していることが好ましい。これにより、筒状部材32において、第1端321側に向かってエアを吸引しやすくなる。
【0048】
図3図4に示すように、支持部材33には、筒状部材32の第1端部が貫通する孔330が形成されており、筒状部材32のうち支持部材33の孔330に配置されている部分の筒状部材32の長手方向に垂直な断面における外形は円形状であることが好ましい。図4では、筒状部材32の長手方向に垂直な断面であって、筒状部材32のうち支持部材33の孔330に配置されている部分の断面を示している。ここでは、当該断面における外形が円形状である態様を示している。なお、円形には、正円形、楕円形、卵形などが含まれるものとする。筒状部材32のうち支持部材33の孔330に配置されている部分全てが上記断面形状を有していてもよい。筒状部材32のうち支持部材33の孔330に配置されている部分の一部のみが上記断面形状を有していてもよい。これにより、筒状部材32を支持部材33の孔330に挿入しやすくすることができる。
【0049】
筒状部材32の第1端321と第2端322は、長手方向において最も端に位置している。端部とは、端の周辺部分を含む。即ち、第1端部とは第1端321の周辺部分を含み、第2端部とは第2端322の周辺部分を含む。
【0050】
図3図6に示すように、支持部材33は、天井部331と、天井部331下に配置されている側部332とを有していてもよい。支持部材33の側部332に筒状部材32の第1端部が貫通する孔330が形成されていてもよい。これにより、後述する樹脂チューブ34を筒状部材32の第1端321に接続しやすくすることができる。
【0051】
支持部材33は、孔330に面している内面にねじが切られている雌ねじ部を有していてもよい。筒状部材32は、筒状部材32のうち孔330に配置される部分の外面にネジが切られている雄ねじ部を有していてもよい。これにより、筒状部材32の雄ねじ部を支持部材33の雌ねじ部に挿入することで筒状部材32と支持部材33を接続することができる。
【0052】
支持部材33が有している天井部331と側部332は、図1図3に示すように板状であってもよい。
【0053】
図2図3に示すように、吸着ハンド30は、筒状部材32の第1端321と接続されている樹脂チューブ34を有していてもよい。樹脂チューブ34の内腔と筒状部材32の内腔320とが連通していることが好ましい。これにより、吸着部材31は、筒状部材32と樹脂チューブ34を介してエアを吸引しやすくなる。
【0054】
樹脂チューブ34は、例えば押出成形によって製造することができる。樹脂チューブ34は単層または複数層から構成することができる。樹脂チューブ34はその長手方向または周方向の一部が単層から構成されており、他部が複数層から構成されていてもよい。樹脂チューブ34は、合成樹脂、天然樹脂、またはこれらの組み合わせから構成されることができる。
【0055】
搬送対象物10は、特に限定されるものではないが、例えば、ラベルや包装体などが挙げられる。包装体とは、物品を包装するための入れものである。包装体としては、袋状、または、箱状のものなどが挙げられる。また、搬送対象物10は、物品が包装体に入れられているものであってもよい。より具体的には、搬送対象物10は、包装体と該包装体に入れられている医療用具を含む医療用具包装体であってもよい。包装体に入れられている医療用具は、特に限定されるものではないが、例えば、シリンジ、カテーテル、メス、縫合糸などが挙げられる。
【0056】
包装体を構成する材料としては、例えば、紙や不織布、フィルムなどが挙げられる。紙には段ボールなどの板紙が含まれる。
【0057】
図1に示すように、搬送対象物10は、容器20内に配置されていてもよい。
【0058】
図1に示すように、容器20は、底部21と底部21上に位置している側部22と側部22上に位置している天井部24を有していてもよい。容器20の側部22には開口部23が形成されていてもよい。吸着ハンド30の吸着部材31は、開口部23から容器20内に挿入され、搬送対象物10を吸着することが好ましい。このとき、吸着ハンド30を水平方向xに移動させることによって吸着部材31が開口部23から容器20内に挿入されることがより好ましい。これにより、搬送対象物10よりも上に存在している空間が比較的狭い容器20内であっても、吸着ハンド30の吸着部材31を容器20内に挿入しやすくすることができる。また、吸着部材31が容器20内に挿入される際には、樹脂チューブ34は容器20内に挿入されないことが好ましい。比較的剛性の低い樹脂で構成されている樹脂チューブ34が容器20内に挿入されると、樹脂チューブ34が容器20内で意図しない方向に折れ曲がったりすることで、搬送対象物10に接触してしまうことがある。そして、樹脂チューブ34が搬送対象物10に接触することによって、搬送対象物10の位置がずれたり、搬送対象物10が落下したりすることがある。しかしながら、吸着部材31が容器20内に挿入される際に樹脂チューブ34が容器20内に挿入されないことにより、樹脂チューブ34が容器20内で意図しない方向に折れ曲がることを防止できる。これにより、樹脂チューブ34が搬送対象物10に接触することによって、搬送対象物10の位置がずれたり、搬送対象物10が落下したりするのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0059】
10:搬送対象物
20:容器
21:底部
22:側部
23:開口部
24:天井部
30:吸着ハンド
31:吸着部材
32:筒状部材
32C:中心軸
320:内腔
32R:最大外径
321:第1端
322:第2端
33:支持部材
330:孔
331:天井部
332:側部
34:樹脂チューブ
40:ストッパー
41:第1アーム部
42:第2アーム部
40W:幅
43:接続部
44:ねじ
x:水平方向
y:鉛直方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7