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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152408
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】縦型ブラインド
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/36 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
E06B9/36 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066590
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 理恵
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 公利
(57)【要約】      (修正有)
【課題】第2ルーバーのフック収容部の端部が第1ルーバーに引っ掛かることを防止する技術を提供する。
【解決手段】ヘッドレールの長手方向に沿って吊り下げられる複数の第1ルーバー220A、複数の第1ルーバー220Aのうち2つの第1ルーバー220Aの長手方向に挟まれるよう配される複数の第2ルーバー220B、を備え、第1ルーバー220Aは鉛直軸周りに回転する回転力が回転力伝達機構により伝達され、第2ルーバー220Bは鉛直軸周り一方側への回転力が常時付勢される縦型ブラインドであって、第2ルーバー220Bの上端部において、第2ルーバー220Bの幅方向両端部を被覆するカバー3を備え、カバー3の両端部には、第2ルーバー220Bの厚み方向において付勢により第1ルーバー220Aと当接する側に、カバー3の端部側ほどカバー3の厚みが小さくなるよう傾斜端面が形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドレールの長手方向に沿って吊り下げられる複数の第1ルーバーと、それぞれが該複数の第1ルーバーのうち2つの第1ルーバーに長手方向に挟まれるように配される複数の第2ルーバーとを備え、前記複数の第1ルーバーは鉛直軸周りに回転する回転力が回転力伝達機構により伝達され、前記複数の第2ルーバーは鉛直軸周り一方側への回転力が常時付勢される縦型ブラインドであって、
少なくとも1つの前記第2ルーバーの上端部において、該第2ルーバーの幅方向両端部を被覆するカバーを備え、
前記カバーの両端部のそれぞれには、前記第2ルーバーの厚み方向において前記付勢によって前記第1ルーバーと当接する側において、前記カバーの端部側ほど前記カバーの厚みが小さくなるように前記第2ルーバーの幅方向を向く仮想線に対して傾斜する傾斜端面が形成されることを特徴とする縦型ブラインド。
【請求項2】
前記傾斜端面は、前記複数の第1ルーバーの幅方向が前記長手方向及び鉛直方向に直交する前後方向を向く状態における前記長手方向を向く仮想線に対する前記複数の第2ルーバーの傾斜角度以下の角度だけ前記第2ルーバーの幅方向を向く仮想線に対して傾斜することを特徴とする請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項3】
前記カバーの両端部のそれぞれには、前記第2ルーバーの厚み方向両側のそれぞれに前記傾斜端面が前記第2ルーバーの幅方向を向く仮想線に対して対称に形成されることを特徴とする請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項4】
前記カバーの両端部のそれぞれには、前記2つの傾斜端面が成す頂点部を丸めたR面であるR状端面が形成されることを特徴とする請求項3に記載の縦型ブラインド。
【請求項5】
前記複数の第2ルーバーは、それぞれ、前記第2ルーバーと略同等の幅に形成され、ヘッドレールの長手方向に沿って配される吊り下げ部により吊り下げ支持可能な被吊り下げ部が設けられたルーバーフックを上端部に有することを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の縦型ブラインド。
【請求項6】
前記複数の第2ルーバーは、それぞれ、該第2ルーバーの上端部が下方に折り曲げられて前記ルーバーフックを収容可能に筒状に形成される収容部を有し、
前記カバーは、少なくとも前記収容部の幅方向両端部を被覆することを特徴とする請求項5に記載の縦型ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、複数のルーバーを備える縦型ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の縦型ブラインドとして、特許文献1に示されるものが知られている。この縦型ブラインドでは、ヘッドレール内を移動可能に配列され、それぞれがルーバーを鉛直軸周りに回転可能に吊り下げる複数のキャリアのうち、1つおきのキャリア(第1キャリア)のみに回転力を伝達する回転伝達機構が設けられ、回転伝達機構が設けられていないキャリア(第2キャリア)にルーバーを鉛直軸回りの所定の回転方向に常時付勢する付勢手段が設けられる。
【0003】
このような縦型ブラインドによれば、第2キャリアに吊り下げられたルーバーが、両隣の第1キャリアに吊り下げられたルーバー同士の隙間を塞ぐ状態を保持できるため、ルーバー間の遮蔽性を維持しながら第1キャリアに吊り下げられたルーバーを回転操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-140952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した縦型ブラインドは、ルーバーをキャリアに吊り下げるためのルーバーフックを備えている。ルーバーフックは、ルーバーの上端部を下方に折り返して筒状に形成されたフック収容部に収容されることによってルーバーに取り付けられるのが一般的である。しかし、このような構成の場合、第2ルーバーのフック収容部における幅方向端部が第1ルーバーに引っ掛かり、第1ルーバー及び第2ルーバーの回転が妨げられることがある。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、第2ルーバーのフック収容部の端部が第1ルーバーに引っ掛かることを防止することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、ヘッドレールの長手方向に沿って吊り下げられる複数の第1ルーバーと、それぞれが該複数の第1ルーバーのうち2つの第1ルーバーに長手方向に挟まれるように配される複数の第2ルーバーとを備え、前記複数の第1ルーバーは鉛直軸周りに回転する回転力が回転力伝達機構により伝達され、前記複数の第2ルーバーは鉛直軸周り一方側への回転力が常時付勢される縦型ブラインドであって、少なくとも1つの前記第2ルーバーの上端部において、該第2ルーバーの幅方向両端部を被覆するカバーを備え、前記カバーの両端部のそれぞれには、前記第2ルーバーの厚み方向において前記付勢によって前記第1ルーバーと当接する側において、前記カバーの端部側ほど前記カバーの厚みが小さくなるように前記第2ルーバーの幅方向を向く仮想線に対して傾斜する傾斜端面が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第2ルーバーのフック収容部の端部が第1ルーバーに引っ掛かることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る縦型ブラインドの構成を示す正面図である。
図2】第1実施形態に係る第1ルーバー及び第2ルーバーの構成を示す正面図である。
図3】第1実施形態に係る、ルーバーに装着されるカバーを示す正面図である。
図4】第1実施形態に係る、斜め上方から見たカバーを示す斜視図である。
図5】第1実施形態に係る、斜め下方から見たカバーを示す斜視図である。
図6】第1実施形態に係る全開状態にある縦型ブラインドを示す概略平面図である。
図7】第1実施形態に係る移行状態にある縦型ブラインドを示す概略平面図である。
図8】第1実施形態に係る全閉状態にある縦型ブラインドを示す概略平面図である。
図9】第1実施形態に係るカバーの2つの傾斜端面が成す傾斜角度を示す底面図である。
図10】比較例に係るカバーのR状端面を示す底面図である。
図11】第1実施形態に係るカバーの端部と比較例に係る端部との対比を示す概略平面図である。
図12】比較例に係る縦型ブラインドにおける間隙を示す概略平面図である。
図13】第1実施形態に係る縦型ブラインドにおける間隙を示す概略平面図である。
図14】比較例に係る縦型ブラインドが全開状態にある際に入射する直射光を示す図である。
図15】第1実施形態に係る縦型ブラインドが全開状態にある際に入射する直射光を示す図である。
図16】第2実施形態に係るカバーの構成を示す斜視図である。
図17】第2実施形態に係る第2ルーバーに装着されたカバーを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態においては、縦型ブラインドが設けられた際の室内側の面を正面、室外側の面を背面、正面と背面とからなる方向を前後方向、前後方向及び上下方向(鉛直方向)に直交する方向を左右方向と称して説明を行う。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
<第1実施形態>
(縦型ブラインドの構成)
第1実施形態に係る縦型ブラインドの構成について説明する。図1は、本実施形態に係る縦型ブラインドの構成を示す正面図である。図2は、本実施形態に係る第1ルーバー及び第2ルーバーの構成を示す正面図である。図3は、本実施形態に係る、ルーバーに装着されるカバーを示す正面図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る縦型ブラインド1は、ヘッドレール2、複数の第1キャリア210A、複数の第2キャリア210B、複数の第1ルーバー220A、複数の第2ルーバー220B、2つのマスターキャリア200、2つの操作キャリア230、2つの操作バトン240、2つのスペーサ250、チルトロッド290、複数のカバー3を備える。
【0013】
ヘッドレール2は、一方向に延在する長尺の略方形状に形成され、縦型ブラインド1の構成要素の一部を収容する内部空間を画成する。ヘッドレール2は、図示しない複数のブラケットを介して、その長手方向が左右方向を向くように室内の窓面などに設置される。ヘッドレール2の内部空間には、複数の第1キャリア210A、複数の第2キャリア210B、2つのマスターキャリア200、2つの操作キャリア230、2つのスペーサ250、チルトロッド290が収容される。
【0014】
ヘッドレール2の内部空間は、収容された複数の第1キャリア210A、複数の第2キャリア210B、2つのマスターキャリア200のそれぞれの一部が下方から外部に突出するように形成される。チルトロッド290は、長尺に形成された駆動軸であり、軸方向に伸びる複数のスプライン溝が外周に形成される。チルトロッド290は、長手方向が左右方向を向くようにヘッドレール2内に回転可能に支持される。複数の第1キャリア210A、複数の第2キャリア210B、2つのマスターキャリア200、2つの操作キャリア230は、左右方向、即ち軸方向に移動可能にチルトロッド290に軸支される。
【0015】
操作キャリア230は、第1キャリア210A、第2キャリア210B、マスターキャリア200に対して左右方向外方側に位置するようにチルトロッド290に軸支される。操作キャリア230は、チルトロッド290と連結された軸部の回転をチルトロッド290に伝達するように構成される。縦型ブラインド1の操作者は、操作バトン240の下端部を把持して操作バトン240を回転させることによって、操作キャリア230を介してチルトロッド290を回転させることができる。ここでは、このような機構を回転力伝達機構と称する。
【0016】
マスターキャリア200は、第1キャリア210A、第2キャリア210Bに対して左右方向外方側に位置するようにチルトロッド290に軸支される。マスターキャリア200は、第1ルーバー220Aを吊り下げ支持するとともに上下方向を向く軸周りに回転可能に設けられた軸部(吊り下げ部)を有し、この軸部にチルトロッド290の回転を伝達可能に構成される。マスターキャリア200は、スペーサ250により左右方向に隣接する操作キャリア230と左右方向に所定距離の間隔を空けて連結される。
【0017】
第1キャリア210A及び第2キャリア210Bは、マスターキャリア200に対して左右方向内方側に位置するようにチルトロッド290に軸支される。第1キャリア210A及び第2キャリア210Bは、図2に示すように、いずれも上下方向を向く軸周りに回転可能に設けられた軸部211(吊り下げ部)を有する。第1キャリア210Aは、その軸部211にチルトロッド290の回転を伝達可能に構成され、第1キャリア210Aの軸部211には第1ルーバー220Aが吊り下げ支持される。第2キャリア210Bは、その軸部211に一回転方向を向く回転力を常時付勢するように構成され、第2キャリア210Bの軸部211には第2ルーバー220Bが吊り下げ支持される。第1キャリア210Aと第2キャリア210Bは左右方向に交互に並ぶように配され、第2キャリア210Bはマスターキャリア200と隣接するように配される。
【0018】
第1ルーバー220A及び第2ルーバー220Bは、いずれも一方向に長尺な方形に形成された可撓性を有する部材であり、本実施形態においては布である。第1ルーバー220Aは、光透過性を有さない布からなり、第2ルーバー220Bは、光透過性を有する布からなる。マスターキャリア200、第1キャリア210A、第2キャリア210Bの配列によって、第1ルーバー220Aと第2ルーバー220Bは左右方向に交互に並ぶように配される。なお、以降の説明において、第1ルーバー220Aと第2ルーバー220Bとを区別せず、互いに共通する構成について説明する場合は、これらを総称してルーバー220と称する。
【0019】
図2図3に示すように、ルーバー220は、上端部が下方に折り返されて筒状に形成された収容部221を有し、収容部221にはルーバーフック222が収容される。ルーバーフック222は、ルーバー220の幅と略同等の幅に形成され、可撓性を有するルーバー220を方形状に保つ。また、ルーバーフック222の幅方向中央には、下端部が鈎状に形成された軸部211(図2参照)により吊り下げ支持可能に形成された被吊り下げ部222Hが形成される。収容部221の上端部の幅方向中央には、内部に収容されたルーバーフック222の被吊り下げ部222Hを外部に露出させる切り欠き221Nが形成される。
【0020】
(カバーの構成)
第1実施形態に係るカバーの構成について説明する。図4図5は、それぞれ、本実施形態に係る、斜め上方、斜め下方から見たカバーを示す斜視図である。
【0021】
図4図5に示すように、本実施形態に係るカバー3は、少なくともルーバー220よりも摩擦係数が低い素材、例えば透明又は半透明のポリカーボネート等のプラスチックで構成され、全体として、底面に開口32が形成された被覆空間を画成する幅方向に長尺な略立方形状に形成された部材である。被覆空間は、収容部221を被覆可能な空間であり、具体的には、カバー3は、被覆空間の高さ、幅、厚みが、少なくとも収容部221の高さ、幅、厚み以上となるように形成される。カバー3を透明又は半透明とすることで、ルーバー220に装着したときに被覆空間に収容したルーバー220を視認でき、カバー3を装着することによる意匠性の低下を抑制している。
【0022】
カバー3の上端部の幅方向中央、即ちルーバーフック222の被吊り下げ部222Hに対応する位置には、被吊り下げ部222Hを被覆空間の外部に露出させる露出孔31が形成される。露出孔31は、厚み方向に対向する2つの壁部のそれぞれを切り欠くように形成された孔である。
【0023】
カバー3の幅方向両端部のそれぞれには、2つの傾斜端面33と1つのR状端面34とが形成される。2つの傾斜端面33は、それぞれ、高さ方向略全域に亘って形成され、カバー3の幅方向内方側に向かって漸時厚みが大きくなるように傾斜する傾斜面である。R状端面34は、高さ方向全域に亘って形成され、2つの傾斜端面33が成す頂点部を丸めたR面である。なお、カバー3の成形加工を容易にするため、カバー3の幅方向両端部にはR状端面34を形成するようにすることが望ましい。
【0024】
(縦型ブラインドの動作)
第1実施形態に係るカバーが装着された縦型ブラインドの動作について説明する。図6図7図8は、それぞれ、本実施形態に係る全開状態、移行状態、全閉状態にある縦型ブラインドを示す概略平面図である。
【0025】
図6に示すように、縦型ブラインド1が全開状態にある場合、第2ルーバー220Bの幅未満の間隔を空けて左右方向に配された複数の第1ルーバー220Aの幅方向が前後方向を向く。第2ルーバー220Bは、図6中反時計回りに常時付勢されており、幅方向一端部(図6中右側端部)が隣接する2つの第1ルーバー220Aのうち一方に当接し、幅方向他端部(図6中左側端部)が隣接する他方の第1ルーバー220Aに当接する。全開状態においては、透過性を有する第2ルーバー220Bが2つの第1ルーバー220A間を閉塞しているため、第2ルーバー220Bを介して拡散光が室内に入射する。
【0026】
図7に示すように、複数の第1ルーバー220Aが図7中反時計回りに回転されると、図8に示すように、縦型ブラインド1が全閉状態となる。全閉状態においては、隣り合う第1ルーバー220Aの幅方向端部が前後方向に重なり、室内へ入射する光量が低減される。仮に第2ルーバー220Bにカバー3が装着されていない場合、全開状態から全閉状態またはその逆に至る移行状態において、第2ルーバー220Bの両端部は、隣接する2つの第1ルーバー220Aの面上を摺動する。この際、2枚の膜状部材が重なり合う第2ルーバー220Bの収容部221の両端部が2つの第1ルーバー220Aの面に引っ掛かることとなる。
【0027】
一方、本実施形態に係るカバー3によれば、第2ルーバー220Bの収容部221の両端部を少なくとも第2ルーバー220Bの素材よりも摩擦係数が低い素材で被覆することにより、第2ルーバー220Bの引っ掛かりを防止することができる。また、R状端面34によれば、第1ルーバー220Aとの接触面の摩擦係数がより低減される。
【0028】
(傾斜端面による効果)
第1実施形態に係るカバーの傾斜端面による効果について比較例を参照して説明する。図9は、本実施形態に係るカバーの2つの傾斜端面が成す傾斜角度を示す底面図である。図10は、比較例に係るカバーのR状端面を示す底面図である。図11は、本実施形態に係るカバーの端部と比較例に係る端部との対比を示す概略平面図である。図12図13は、それぞれ、比較例、本実施形態に係る縦型ブラインドにおける間隙を示す概略平面図である。図14図15は、それぞれ、比較例、本実施形態に係る縦型ブラインドが全開状態にある際に入射する直射光を示す図である。
【0029】
図9に示すように、カバー3の幅方向両端部のそれぞれにおいて、2つの傾斜端面33は、約80°の角を成すように形成される。つまり、2つの傾斜端面33のそれぞれは、カバー3の幅方向を向く仮想線に対して約40°傾斜する。一方、図10に示す比較例に係るカバー9は、幅方向両端部のそれぞれにR状端面90のみが形成される点が本実施形態に係るカバー3とは異なる。R状端面90は、幅方向両端部のそれぞれを全体的に丸めたR面である。 図11に示すように、2つの傾斜端面33は、カバー3の高さ方向から見た場合、厚み方向全域に亘って丸められたR状端面90よりも内方側で直線を成す。
【0030】
図12に示すように、複数の第2ルーバー220Bのそれぞれにカバー9が装着された縦型ブラインド1が全開状態にある場合、複数の第2ルーバー220Bのそれぞれは、左右方向を向く仮想線に対して約42°傾斜するように回転される。この際、第2ルーバー220Bの幅方向一端とこの一端に接する第1ルーバー220Aとの間隙は1.8mmとなる。また、第2ルーバー220Bの幅方向他端とこの他端に接する第1ルーバー220Aとの間隙は、収容部221の厚みにより4.5mmとなる。
【0031】
一方、図13に示すように、複数の第2ルーバー220Bのそれぞれにカバー3が装着された縦型ブラインド1は、全開状態にある場合、複数の第2ルーバー220Bのそれぞれは、左右方向を向く仮想線に対して、傾斜端面33がR状端面90よりも内方に位置することにより1°程度小さくなり、約41°傾斜するように回転される。この際、第1ルーバー220Aに接する傾斜端面33の傾斜角度40°が第2ルーバー220Bの傾斜角度41°以下となっているため、第1ルーバー220Aの面内方向と傾斜端面33とが略平行する。なお、本実施形態においては傾斜端面33の傾斜角度が第2ルーバー220Bの傾斜角度未満である約40°となっている。
【0032】
このような傾斜端面33が第1ルーバー220Aと接することによって、第2ルーバー220Bの幅方向一端とこの一端に接する第1ルーバー220Aとの間隙は、比較例では1.8mmであるのに対して1.2mmに短縮される。また、第2ルーバー220Bの幅方向他端とこの他端に接する第1ルーバー220Aとの間隙は、比較例では4.5mmであるのに対して3.9mmに短縮される。
【0033】
縦型ブラインド1が全閉状態にある場合の第1ルーバー220Aと第2ルーバー220Bとの間隙を小さくすることによって、グレアを生じさせるような直射光の室内への入射量を低減させることができる。図14に示すような比較例に係る縦型ブラインド1における直射光の入射量と比較して、本実施形態に係る縦型ブラインド1における直射光の入射量は図15に示すように小さくなる。
【0034】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るカバーについて説明する。図16は、本実施形態に係るカバーの構成を示す斜視図である。図17は、本実施形態に係る第2ルーバーに装着されたカバーを示す正面図である。
【0035】
図16に示すように、本実施形態に係るカバー4は、収容部221の幅方向両端部のそれぞれを被覆する2つのカバー部材4A,4Bにより構成される点が第1実施形態に係るカバー3とは異なる。2つのカバー部材4A,4Bは、それぞれ、全体として、幅方向一端側面から底面に亘って開口42が形成された被覆空間を画成する略立方形状に形成された部材である。
【0036】
被覆空間は、少なくとも収容部221の一端部を高さ方向全域に亘って被覆可能な空間である。具体的には、2つのカバー部材4A,4Bは、それぞれ、被覆空間の高さ、厚みが、少なくとも収容部221の高さ、厚み以上となるように形成される。2つのカバー部材4A,4Bは、それぞれ、開口42が形成される幅方向一端とは逆側の他端に、カバー3と同様に2つの傾斜端面33と、1つのR状端面34とが形成される。
【0037】
図17に示すように、2つのカバー部材4A,4Bは、第2ルーバー220Bの収容部221の両端部のそれぞれが開口42から被覆空間に挿入されることによって第2ルーバー220Bに装着される。2つのカバー部材4A,4Bによれば、ルーバーフック222の被吊り下げ部222Hが形成される幅方向中央部が被覆空間に被覆されないため、カバー4には被吊り下げ部222Hを外部に露出させる露出孔31が形成されない。
【0038】
このように、カバー4は、収容部221を全体的に被覆するものでなくとも良く、少なくとも収容部221の両端部を被覆するものであれば良い。なお、本実施形態において、カバー4は収容部221の両端部を高さ方向全域に亘って被覆するが、収容部221の両端部の一部を被覆するものであっても良い。
【0039】
上述した2つの実施形態において、カバー3,4は、厚さ方向両側に2つの傾斜端面33が形成されるものとしたが、厚さ方向片側のみに傾斜端面33が形成されるものであっても良い。また、複数の第1ルーバー220A及び複数の第2ルーバー220Bをヘッドレールの長手方向に沿って移動可能に設けられるものとしたが、複数の第1ルーバー220A及び複数の第2ルーバー220Bは、ヘッドレールの長手方向に沿って吊り下げられ、鉛直軸周りに回転可能に設けられたものであれば良い。
【0040】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0041】
1 縦型ブラインド
2 ヘッドレール
220A 第1ルーバー
220B 第2ルーバー
221 収容部
222 ルーバーフック
3,4 カバー
33 傾斜端面
34 R状端面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17