(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152429
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】リンク機構および延伸機
(51)【国際特許分類】
B29C 55/20 20060101AFI20241018BHJP
B29C 55/16 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B29C55/20
B29C55/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066614
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 柾紀
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 一郎
【テーマコード(参考)】
4F210
【Fターム(参考)】
4F210AJ08
4F210QA02
4F210QC07
4F210QL02
4F210QL05
4F210QL06
4F210QL16
(57)【要約】
【課題】リンク機構に用いられている軸受の寿命を延ばすことが望まれる。
【解決手段】一実施の形態のリンク機構は、レールホルダ31を有する。レールホルダ31は、ローラ保持部40と、上面に開口部63が設けられ、回転しながらレール14に沿って移動するガイドローラ60と、一端側がローラ保持部40に固定され、他端側が開口部63を通してガイドローラ60に挿入されたローラシャフト51,52と、ガイドローラ60の内部に設けられ、ガイドローラ60をローラシャフト51,52に対して回転自在に支持する軸受53,54と、を有する。そして、ガイドローラ60の開口部63の全域がローラ保持部40によって覆われている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂膜を引き延ばす延伸機に用いられるリンク機構であって、
一対のレールホルダと、
前記一対のレールホルダに跨るベース部材と、
前記ベース部材の一端に設けられ、前記樹脂膜を把持するクリップと、を有し、
それぞれの前記レールホルダは、
ローラ保持部と、
前記ローラ保持部と対向する上面に開口部が設けられ、回転しながらレールに沿って移動するガイドローラと、
一端側が前記ローラ保持部に固定され、他端側が前記開口部を通して前記ガイドローラに挿入されたシャフトと、
前記ガイドローラの内部に設けられ、前記ガイドローラを前記シャフトに対して回転自在に支持する軸受と、を有し、
前記ガイドローラの前記開口部の全域が前記ローラ保持部によって覆われているリンク機構。
【請求項2】
樹脂膜を引き延ばす延伸機に用いられるリンク機構であって、
一対のレールホルダと、
前記一対のレールホルダに跨るベース部材と、
前記ベース部材の一端に設けられ、前記樹脂膜を把持するクリップと、を有し、
それぞれの前記レールホルダは、
ローラ保持部と、
前記ローラ保持部と対向する上面に開口部が設けられ、回転しながらレールに沿って移動するガイドローラと、
一端側が前記ローラ保持部に固定され、他端側が前記開口部を通して前記ガイドローラに挿入されたシャフトと、
前記ガイドローラの内部に設けられ、前記ガイドローラを前記シャフトに対して回転自在に支持する軸受と、
前記ローラ保持部と前記ガイドローラとの間に配置され、前記開口部を覆うカバー部材と、を有し、
前記ローラ保持部と対向する前記カバー部材の一面に、前記ローラ保持部に形成されている溝に入り込む環状の第1凸部が形成され、
前記ガイドローラと対向する前記カバー部材の他の一面に、前記ガイドローラの前記開口部に入り込む環状の第2凸部が形成されているリンク機構。
【請求項3】
請求項2に記載のリンク機構において、
中心が同一で直径が異なる2つの前記溝が前記ローラ保持部に形成され、
前記カバー部材に形成されている前記第1凸部には、一方の前記溝に入り込む大径凸部と、他方の前記溝に入り込む小径凸部とが含まれるリンク機構。
【請求項4】
樹脂膜を引き延ばす延伸機に用いられるリンク機構であって、
一対のレールホルダと、
前記一対のレールホルダに跨るベース部材と、
前記ベース部材の一端に設けられ、前記樹脂膜を把持するクリップと、を有し、
それぞれの前記レールホルダは、
ローラ保持部と、
前記ローラ保持部と対向する上面に開口部が設けられ、回転しながらレールに沿って移動するガイドローラと、
一端側が前記ローラ保持部に固定され、他端側が前記開口部を通して前記ガイドローラに挿入されたシャフトと、
前記ガイドローラの内部に設けられ、前記ガイドローラを前記シャフトに対して回転自在に支持する軸受と、
前記ローラ保持部と前記ガイドローラとの間に配置され、前記開口部を覆うカバー部材と、を有し、
前記カバー部材の一面は、前記ガイドローラの前記上面と対向する前記ローラ保持部の底面に接しており、
前記カバー部材の前記一面と反対側の他の一面は、前記開口部の周囲で前記ガイドローラの前記上面に接しているリンク機構。
【請求項5】
樹脂膜を引き延ばす延伸機に用いられるリンク機構であって、
一対のレールホルダと、
前記一対のレールホルダに跨るベース部材と、
前記ベース部材の一端に設けられ、前記樹脂膜を把持するクリップと、を有し、
それぞれの前記レールホルダは、
ローラ保持部と、
前記ローラ保持部と対向する上面に開口部が設けられ、回転しながらレールに沿って移動するガイドローラと、
一端側が前記ローラ保持部に固定され、他端側が前記開口部を通して前記ガイドローラに挿入されたシャフトと、
前記ガイドローラの内部に設けられ、前記ガイドローラを前記シャフトに対して回転自在に支持する軸受と、
前記ローラ保持部と前記ガイドローラとの間に配置され、前記開口部を覆うカバー部材と、を有し、
前記カバー部材には、前記ガイドローラの上に重なる第1カバー部材と、前記第1カバー部材の上に重なる第2カバー部材とが含まれるリンク機構。
【請求項6】
請求項5に記載のリンク機構において、
前記第1カバー部材には、前記ガイドローラの前記開口部に入り込む環状の凸部が形成され、
前記第2カバー部材は、前記第1カバー部材の少なくとも一部を収容する環状の凹部が形成されているリンク機構。
【請求項7】
樹脂膜を引き延ばす延伸機に用いられるリンク機構であって、
一対のレールホルダと、
前記一対のレールホルダに跨るベース部材と、
前記ベース部材の一端に設けられ、前記樹脂膜を把持するクリップと、を有し、
それぞれの前記レールホルダは、
ローラ保持部と、
前記ローラ保持部と対向する上面に開口部が設けられ、回転しながらレールに沿って移動するガイドローラと、
一端側が前記ローラ保持部に固定され、他端側が前記開口部を通して前記ガイドローラに挿入されたシャフトと、
前記ガイドローラの内部に設けられ、前記ガイドローラを前記シャフトに対して回転自在に支持する軸受と、
前記ローラ保持部に装着され、前記開口部を覆うカバー部材と、を有し、
前記ガイドローラの前記開口部の一部の領域が前記ローラ保持部によって覆われ、前記ガイドローラの前記開口部の残りの領域が前記カバー部材によって覆われているリンク機構。
【請求項8】
樹脂膜を引き延ばす延伸機であって、
一対のレールホルダと、前記一対のレールホルダに跨るベース部材と、前記ベース部材の一端に設けられ、前記樹脂膜を把持するクリップと、を含む複数のリンク機構を備え、
それぞれの前記リンク機構の前記レールホルダは、
ローラ保持部と、
前記ローラ保持部と対向する上面に開口部が設けられ、回転しながらレールに沿って移動するガイドローラと、
一端側が前記ローラ保持部に固定され、他端側が前記開口部を通して前記ガイドローラに挿入されたシャフトと、
前記ガイドローラの内部に設けられ、前記ガイドローラを前記シャフトに対して回転自在に支持する軸受と、を有し、
前記ガイドローラの前記開口部の全域が前記ローラ保持部によって覆われている延伸機。
【請求項9】
樹脂膜を引き延ばす延伸機であって、
一対のレールホルダと、前記一対のレールホルダに跨るベース部材と、前記ベース部材の一端に設けられ、前記樹脂膜を把持するクリップと、を含む複数のリンク機構を備え、
それぞれの前記リンク機構の前記レールホルダは、
ローラ保持部と、
前記ローラ保持部と対向する上面に開口部が設けられ、回転しながらレールに沿って移動するガイドローラと、
一端側が前記ローラ保持部に固定され、他端側が前記開口部を通して前記ガイドローラに挿入されたシャフトと、
前記ガイドローラの内部に設けられ、前記ガイドローラを前記シャフトに対して回転自在に支持する軸受と、
前記ローラ保持部と前記ガイドローラとの間に配置され、前記開口部を覆うカバー部材と、を有し、
前記ローラ保持部と対向する前記カバー部材の一面に、前記ローラ保持部に形成されている溝に入り込む環状の第1凸部が形成され、
前記ガイドローラと対向する前記カバー部材の他の一面に、前記ガイドローラの前記開口部に入り込む環状の第2凸部が形成されている延伸機。
【請求項10】
樹脂膜を引き延ばす延伸機であって、
一対のレールホルダと、前記一対のレールホルダに跨るベース部材と、前記ベース部材の一端に設けられ、前記樹脂膜を把持するクリップと、を含む複数のリンク機構を備え、
それぞれの前記リンク機構の前記レールホルダは、
ローラ保持部と、
前記ローラ保持部と対向する上面に開口部が設けられ、回転しながらレールに沿って移動するガイドローラと、
一端側が前記ローラ保持部に固定され、他端側が前記開口部を通して前記ガイドローラに挿入されたシャフトと、
前記ガイドローラの内部に設けられ、前記ガイドローラを前記シャフトに対して回転自在に支持する軸受と、
前記ローラ保持部に装着され、前記開口部を覆うカバー部材と、を有し、
前記ガイドローラの前記開口部の一部の領域が前記ローラ保持部によって覆われ、前記ガイドローラの前記開口部の残りの領域が前記カバー部材によって覆われている延伸機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リンク機構および延伸機に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜(例えば、樹脂シート又は樹脂フィルム)を搬送しながら縦方向や横方向に引き延ばす延伸機が知られている。特許文献1には、シート状物の縦延伸と横延伸とを行う同時二軸延伸機が記載されている。特許文献1に記載されている同時二軸延伸機は、無端リンク装置を有している。無端リンク装置は、レールおよびレールに沿って移動する複数の等長リンク装置から構成されており、それぞれの等長リンク装置は、レール上を転がりながら移動するローラを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
延伸機のメンテナンス間隔を長くしたり、メンテナンス頻度を少なくしたりするために、リンク機構に用いられている軸受の寿命を延ばすことが望まれる。
【0005】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態によれば、リンク機構は一対のレールホルダを有し、それぞれのレールホルダは、ローラ保持部と、ローラ保持部と対向する上面に開口部が設けられ、回転しながらレールに沿って移動するガイドローラと、一端側がローラ保持部に固定され、他端側が開口部を通してガイドローラに挿入されたシャフトと、ガイドローラの内部に設けられ、ガイドローラをシャフトに対して回転自在に支持する軸受と、を有する。そして、ガイドローラの開口部の全域がローラ保持部によって覆われる。
【発明の効果】
【0007】
一実施の形態によれば、リンク機構に用いられている軸受の寿命が延長され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施の形態に係る薄膜製造システムの構成を示す模式図である。
【
図2】一実施の形態に係る延伸機の構成を示す模式図である。
【
図3】一実施の形態に係る延伸機の構成を示す他の模式図である。
【
図4A】一実施の形態に係るリンク機構およびレールの一部を模式的に示す平面図である。
【
図4B】一実施の形態に係るリンク機構およびレールの一部を模式的に示す他の平面図である。
【
図5】一実施の形態に係るリンク機構の斜視図である。
【
図6】一実施の形態に係るリンク機構の断面図である。
【
図7】一実施の形態に係る外側レールホルダが備えるガイドローラ及びその周辺の構造を示す拡大断面図である。
【
図8A】一実施の形態に係るカバー部材の平面図である。
【
図8B】一実施の形態に係るカバー部材の断面図である。
【
図8C】一実施の形態に係るカバー部材の底面図である。
【
図9】一実施の形態に係るカバー部材の装着状態を示す分解斜視図である。
【
図10】一実施の形態に係るレールホルダの平面図である。
【
図11】一実施の形態でリンクピッチが最小になったときの複数のリンク機構を示す平面図である。
【
図12】他の一実施の形態に係るレールホルダが備えるガイドローラ及びその周辺の構造を示す拡大断面図である。
【
図13】他の一実施の形態に係るカバー部材の装着状態を示す分解斜視図である。
【
図14】他の一実施の形態に係るレールホルダが備えるガイドローラ及びその周辺の構造を示す拡大断面図である。
【
図15】他の一実施の形態に係るカバー部材の装着状態を示す分解斜視図である。
【
図16】他の一実施の形態に係るレールホルダが備えるガイドローラ及びその周辺の構造を示す拡大断面図である。
【
図17】他の一実施の形態に係るカバー部材の装着状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するために参照する全ての図面において、同一または実質的に同一の機能を有する機器や部材には同一の符号を付す。また、一度説明した機器や部材については、原則として繰り返しの説明は行わない。
【0010】
(第1実施形態)
<薄膜製造システムの構成>
図1は、本実施の形態に係る薄膜製造システム1の構成を示す模式図である。薄膜製造システム1は、押出装置(押出機、混練押出機)2,Tダイ3,原反冷却装置4,延伸機5,引き取り装置6,巻き取り装置7を有している。
【0011】
本実施の形態に係る薄膜製造システム1では、次のようなプロセスによって樹脂膜が製造される。まず、押出装置2に原料が供給される。より特定的には、押出装置2の原料供給部(原料投入口,ホッパ)2aに、樹脂材料(例えば、ペレット状の熱可塑性樹脂材料)が供給される。
【0012】
押出装置2に供給された原料は、混練(混合)されながら搬送される。より特定的には、押出装置2に供給された原料は、押出装置2が備えるスクリューの回転によって前方へ送られながら溶融され、かつ、混練される。
【0013】
押出装置2によって混練された原料(混練物)は、Tダイ3に送り込まれる。Tダイ3に送り込まれた混練物は、Tダイ3を通過し、Tダイ3のスリットから原反冷却装置4に向けて押し出される。混練物は、Tダイ3を通過することにより、所望の形状(ここでは、フィルム形状)に成形される。
【0014】
混練物は、Tダイ3から原反冷却装置4に向けて連続的に押し出される。Tダイ3から押し出された混練物は、原反冷却装置4によって冷却されて樹脂膜8となる。その後、樹脂膜8は延伸機5に供給される。
【0015】
延伸機5に供給された樹脂膜8は、延伸機5によってMD方向およびTD方向に延伸される。延伸機5によって延伸処理(引き伸ばし処理)が施された樹脂膜8は、引き取り装置6を介して巻き取り装置7に搬送され、巻き取り装置7に巻き取られる。巻き取り装置7に巻き取られた樹脂膜8は、必要に応じて切断される。
【0016】
薄膜製造システム1は、上記のようなプロセスによって樹脂膜8を製造する。もっとも、薄膜製造システム1は、製造する樹脂膜の特性などに応じて種々の変更が可能である。例えば、
図1に示されている引き取り装置6の近傍に抽出槽が設置され、樹脂膜8に含まれる可塑剤(例えば、パラフィン)が除去される実施の形態もある。
【0017】
薄膜製造システム1を構成している延伸機5は、樹脂膜8をMD方向に搬送しながら、その樹脂膜8をMD方向およびTD方向に引き延ばす。言い換えれば、MD(Machine Direction)方向は、樹脂膜8の搬送方向である。また、TD(Transverse Direction)方向は、樹脂膜8の搬送方向と交差する方向である。そこで、以下の説明では、MD方向を“搬送方向”または“縦方向”と呼び、TD方向を“横方向”と呼ぶ場合がある。
【0018】
MD方向(搬送方向,縦方向)とTD方向(横方向)とは、互いに交差する方向であり、より特定的には、互いに直交する方向である。つまり、延伸機5は、樹脂膜8を搬送しながら、その樹脂膜8を互いに交差する二方向に同時に延伸させることが可能な延伸機であり、一般的に“同時二軸延伸機”と呼ばれる。
【0019】
<延伸機>
次に、延伸機5についてより詳しく説明する。
図2,
図3は、本実施の形態に係る延伸機5の構成を示す模式図である。延伸機5は、一対のリンク装置10を有している。一対のリンク装置10は、平面視において互いに離間している。以下の説明では、一対のリンク装置10の一方を“リンク装置10R”と呼び、一対のリンク装置10の他方を“リンク装置10L”と呼んで区別する場合がある。もっとも、かかる区別は説明の便宜上の区別に過ぎない。
【0020】
図2,
図3では、リンク装置10Rは、搬送方向(MD方向)に対して右側(R側)に配置されており、リンク装置10Lは、搬送方向(MD方向)に対して左側(L側)に配置されている。また、リンク装置10Rとリンク装置10Lとは、TD方向に離間しており、樹脂膜8を挟んで対向している。
【0021】
樹脂膜8は、リンク装置10Rとリンク装置10Lとの間のスペースをMD方向に搬送される。別の見方をすると、対向するリンク装置10Rとリンク装置10Lとの間のスペースは、樹脂膜8を搬送するための搬送路として利用される。
【0022】
図3を参照する。延伸機5は、搬送方向(MD方向)に沿って3つの領域20A,20B,20Cに分けられる。領域20Aは予熱領域(プレヒート領域)であり、領域20Bは延伸領域であり、領域20Cは熱固定領域である。予熱領域20A,延伸領域20B,熱固定領域20Cは、この順で搬送方向(MD方向)に並んでいる。
【0023】
図2,
図3中に「IN」と表示されている部分は、延伸機5における樹脂膜8の入口であって、予熱領域20Aに位置している。また、
図2,
図3中に「OUT」と表示されている部分は、延伸機5における樹脂膜8の出口であって、熱固定領域20Cに位置している。そして、樹脂膜8の入口がある予熱領域20Aと樹脂膜8の出口がある熱固定領域20Cとの間に、延伸処理が行われる延伸領域20Bが位置している。
【0024】
熱処理部9が予熱領域20Aの一部,延伸領域20Bの全部および熱固定領域20Cの一部を覆っている。また、熱処理部9は、リンク装置10R,10Lの中央部を覆っており、リンク装置10R,10Lによって搬送される樹脂膜8を加熱する。本実施の形態の熱処理部9は、樹脂膜8を所望の温度に加熱可能なオーブンによって構成されている。樹脂膜8は、リンク装置10R,10Lに把持された状態で、熱処理部9としてのオーブンの庫内を通過する。
【0025】
<リンク装置>
リンク装置10R,10Lのそれぞれは、無端チェーンを構成するように連結された複数のリンク機構11を備えており、それぞれのリンク機構11は、樹脂膜8を把持するクリップ12を備えている。樹脂膜8は、リンク装置10Rを構成しているリンク機構11のクリップ12と、リンク装置10Lを構成しているリンク機構11のクリップ12と、によって保持される。すなわち、樹脂膜8の一側(右側/R側)は、リンク装置10Rが備える複数のクリップ12によって把持され、樹脂膜8の他側(左側/L側)は、リンク装置10Lが備える複数のクリップ12によって把持される。
【0026】
リンク装置10R,10Lのそれぞれは、複数のリンク機構11に加えて、支持台(ベッド)の上に配置された一対のレール13,14を備えている。それぞれのリンク装置10R,10Lのレール13は、それぞれのリンク装置10R,10Lのレール14の内側に配置されている。言い換えれば、それぞれのリンク装置10R,10Lのレール14は、それぞれのリンク装置10R,10Lのレール13の外側に配置されている。
【0027】
そこで、レール13は“内側レール”と呼ばれ、レール14は“外側レール”と呼ばれることがある。また、レール13は“基準レール”や“SPレール”と呼ばれ、レール14は“MDレール”と呼ばれることもある。
【0028】
それぞれのリンク装置10R,10Lが備えるレール13,14は、連結された複数本の部分レールによって構成されており、予熱領域20A,延伸領域20B,熱固定領域20Cを巡る環状に形成されている。より特定的には、レール13,14は、樹脂膜8の入口がある予熱領域20Aと樹脂膜8の出口がある熱固定領域20Cとで折り返されて環状の走行路を形成している。
【0029】
リンク装置10Rのレール13の内側に、3つのスプロケット19a,19b,19cが設けられている。同様に、リンク装置10Lのレール13の内側に、3つのスプロケット19a,19b,19cが設けられている。
【0030】
それぞれのリンク装置10R,10Lのスプロケット19a,19bは、予熱領域20Aに配置されており、それぞれのリンク装置10R,10Lのスプロケット19cは、熱固定領域20Cに配置されている。もっとも、スプロケット19a,19bは、予熱領域20Aの一部を覆っている熱処理部9の外に位置している。また、スプロケット19cは、熱固定領域20Cの一部を覆っている熱処理部9の外に位置している。つまり、それぞれのリンク装置10R,10Lのスプロケット19a,19b,19cは、オーブンの庫外に配置されている。
【0031】
リンク装置10R,10Lが備える複数のリンク機構11は、それぞれのレール13,14の上に配置され、それぞれのレール13,14に沿って移動する。つまり、リンク機構11は、レール13,14上を走行する。
【0032】
より特定的には、リンク装置10Rのスプロケット19a,19b,19cが回転すると、リンク装置10Rの複数のリンク機構11に駆動力が働き、それらリンク機構11がレール13,14上を移動(走行)する。また、リンク装置10Lのスプロケット19a,19b,19cが回転すると、リンク装置10Lの複数のリンク機構11に駆動力が働き、それらリンク機構11がレール13,14上を移動(走行)する。
【0033】
つまり、リンク装置10R,10Lが備えるレール13,14は、複数のリンク機構11を移動(走行)させるためのガイドレールである。
【0034】
以下の説明では、
図3に示されているリンク装置10R,10Lのそれぞれについて、樹脂膜8と対向する側を“膜側”と呼び、膜側と反対側を“リターン側”と呼ぶ場合がある。つまり、樹脂膜8を把持した複数のリンク機構11が入口(IN)から出口(OUT)に向かって移動する側(サイド)が膜側である。一方、膜側の反対に位置し、樹脂膜8を把持していない複数のリンク機構11が出口(OUT)から入口(IN)に向かって移動する側(サイド)がリターン側である。
【0035】
互いに隣り合うリンク機構11の間のピッチ(“リンクピッチ”と呼ばれることもある。)は、レール13とレール14との間隔(離間距離)に応じて変化する。言い換えれば、レール13とレール14との離間距離を調整することにより、隣り合うリンク機構11の間のピッチを調整することができる。
【0036】
図4A,
図4Bは、リンク機構11及びレール13,14の一部を模式的に示す平面図である。
図4A,
図Bに示されるように、レール13,14の離間距離L1が小さくなるほど、隣り合うリンク機構11が成す角度が大きくなり、隣り合うリンク機構11の間のピッチP1が大きくなる。一方、レール13,14の離間距離L1が大きくなるほど、隣り合うリンク機構11が成す角度が小さくなり、隣り合うリンク機構11の間のピッチP1が小さくなる。
【0037】
既述のとおり、それぞれのリンク機構11は、樹脂膜8を把持するクリップ12を備えている。よって、隣り合うリンク機構11の間のピッチP1の増減に応じて、隣り合うクリップ12の間のピッチP2も増減する。具体的には、レール13,14の離間距離L1が減少すると、リンク機構11のピッチP1が増大し、リンク機構11のピッチP1が増大すると、クリップ12のピッチP2も増大する(
図4A→
図4B)。一方、レール13,14の離間距離L1が増大すると、リンク機構11のピッチP1が減少し、リンク機構11のピッチP1が減少すると、クリップ12のピッチP2も減少する(
図4B→
図4A)。
【0038】
なお、複数のリンク機構11は、それぞれがクリップ12を備えている。よって、隣り合う2つのリンク機構11の間のピッチP1と、それらリンク機構11が備える2つのクリップ12の間のピッチP2とは、同一である。すなわち、
図4A,
図4Bにおいて、P1=P2が成り立つ。
【0039】
<延伸機の動作>
図1に示される原反冷却装置4から延伸機5に供給された樹脂膜8は、延伸機5の入口でリンク装置10R,10Lに保持される。より特定的には、樹脂膜8は、
図2,
図3に示されるリンク装置10R,10Lのリンク機構11が備えるクリップ12によって把持される。具体的には、樹脂膜8の幅方向一側がリンク装置10Rを構成しているリンク機構11が備えるクリップ12によって把持され、樹脂膜8の幅方向他側がリンク装置10Lを構成しているリンク機構11が備えるクリップ12によって把持される。
【0040】
幅方向両側がクリップ12によって把持された樹脂膜8は、リンク機構11の移動に伴って、延伸機5の入口から出口に向かって搬送され、予熱領域20A,延伸領域20B,熱固定領域20Cをこの順で通過する。樹脂膜8は、延伸領域20Bを通過する過程でMD方向およびTD方向に引き伸ばされる。その後、引き伸ばされた樹脂膜8は、熱固定領域20Cを経て出口に到達し、クリップ12から外される。クリップ12から外された樹脂膜8は、引き取り装置6に搬送され、引き取り装置6から巻き取り装置7に搬送される。
【0041】
図3に示されるように、予熱領域20Aでは、リンク装置10Rのレール13,14とリンク装置10Lのレール13,14との間の間隔(TD方向の離間距離)L2は、ほぼ一定である。従って、予熱領域20Aでは、樹脂膜8の幅(TD方向の寸法)は変化せず、一定のままである。
【0042】
予熱領域20Aでは、リンク装置10Rの膜側におけるレール13とレール14との間の間隔(離間距離)L1は、ほぼ一定である。このため、予熱領域20Aでは、リンク装置10Rの膜側におけるリンク機構11のピッチP1はほぼ一定であり、従って、リンク装置10Rの膜側におけるクリップ12のピッチP2もほぼ一定である。また、予熱領域20Aでは、リンク装置10Lの膜側おけるレール13とレール14との間の間隔(離間距離)L1は、ほぼ一定である。このため、予熱領域20Aでは、リンク装置10Lの膜側におけるリンク機構11のピッチP1はほぼ一定であり、従って、リンク装置10Lの膜側におけるクリップ12のピッチP2もほぼ一定である。従って、予熱領域20Aでは、樹脂膜8の長さ(MD方向の寸法)は変化せず、一定のままである。
【0043】
つまり、予熱領域20Aでは、樹脂膜8は、TD方向にもMD方向にも引き伸ばされない。別の見方をすると、予熱領域20Aでは、樹脂膜8に対するTD方向の延伸処理も、MD方向の延伸処理も行われない。
【0044】
延伸領域20Bでは、搬送方向(MD方向)に進むに従って、リンク装置10Rのレール13,14とリンク装置10Lのレール13,14との間の間隔(TD方向の離間距離)L2が徐々に大きくなっている。このため、延伸領域20Bでは、樹脂膜8は、搬送方向(MD方向)に進むに従ってTD方向に引っ張られて引き伸ばされる。言い換えれば、延伸領域20Bでは、搬送方向(MD方向)に進むに従って、樹脂膜8の幅(TD方向の寸法)が徐々に大きくなる。
【0045】
また、延伸領域20Bでは、搬送方向(MD方向)に進むに従って、リンク装置10Rの膜側におけるレール13とレール14との間の間隔(離間距離)L1は、徐々に小さくなっており、また、リンク装置10Lの膜側におけるレール13とレール14との間の間隔(離間距離)L1も、徐々に小さくなっている。このため、延伸領域20Bでは、搬送方向(MD方向)に進むに従って、リンク装置10Rの膜側におけるリンク機構11のピッチP1が徐々に大きくなり、それに従ってリンク装置10Rの膜側におけるクリップ12のピッチP2も徐々に大きくなる。また、延伸領域20Bでは、搬送方向(MD方向)に進むに従って、リンク装置10Lの膜側におけるリンク機構11のピッチP1が徐々に大きくなり、それに従ってリンク装置10Lの膜側におけるクリップ12のピッチP2も徐々に大きくなる。この結果、延伸領域20Bでは、樹脂膜8は、搬送方向(MD方向)に進むに従ってMD方向に引っ張られて引き伸ばされる。
【0046】
つまり、延伸領域20Bでは、樹脂膜8は、TD方向およびMD方向に引き伸ばされる。別の見方をすると、延伸領域20Bでは、樹脂膜8に対して、TD方向の延伸処理およびMD方向の延伸処理が行われる。
【0047】
熱固定領域20Cでは、リンク装置10Rのレール13,14とリンク装置10Lのレール13,14との間の間隔(TD方向の離間距離)L2は、ほぼ一定である。
【0048】
また、熱固定領域20Cでは、リンク装置10Rの膜側におけるレール13とレール14との間の間隔(離間距離)L1は、ほぼ一定である。このため、熱固定領域20Cでは、リンク装置10Rの膜側におけるリンク機構11のピッチP1はほぼ一定であり、従って、リンク装置10Rの膜側におけるクリップ12のピッチP2もほぼ一定である。同様に、熱固定領域20Cでは、リンク装置10Lの膜側おけるレール13とレール14との間の間隔(離間距離)L1は、ほぼ一定である。このため、熱固定領域20Cでは、リンク装置10Lの膜側におけるリンク機構11のピッチP1もほぼ一定であり、従って、リンク装置10Lの膜側におけるクリップ12のピッチP2もほぼ一定である。
【0049】
従って、熱固定領域20Cでは、樹脂膜8は、TD方向にもMD方向にも引き伸ばされない。別の見方をすると、熱固定領域20Cでは、樹脂膜8に対するTD方向の延伸処理も、MD方向の延伸処理も行われない。
【0050】
<リンク機構の構成>
図5は、リンク装置10を構成する複数のリンク機構11の1つを示す斜視図である。
図6は、
図5に示されるリンク機構11の断面図である。
【0051】
リンク機構11は、クリップ12に加えて、リンクプレート30を備えている。また、リンク機構11は、一対のレールホルダ31を備えている。より特定的には、リンク機構11は、外側レールホルダ31a及び内側レールホルダ31bを備えている。外側レールホルダ31aと内側レールホルダ31bとは、これらに跨るベース部材32を介して連結されている。なお、
図6では、リンクプレート30の図示が省略されている。
【0052】
外側レールホルダ31aは、レール14上に配置され、レール14に沿って移動(走行)する。一方、内側レールホルダ31bは、レール13上に配置され、レール13に沿って移動(走行)する。
【0053】
<レールホルダ>
それぞれのレールホルダ31は、ローラ保持部40と、ローラ保持部40の長手方向中央に設けられたシャフト41と、を有する。外側レールホルダ31aのローラ保持部40は、レール14上に配置されており、レール14を横断している。この結果、外側レールホルダ31aのローラ保持部40の長手方向一側は、レール14の外側に突出し、長手方向他側は、レール14の内側(レール13と対向する側)に突出している。
【0054】
一方、内側レールホルダ31bのローラ保持部40は、レール13上に配置されており、レール13を横断している。この結果、内側レールホルダ31bのローラ保持部40の長手方向一側は、レール13の外側(レール14と対向する側)に突出し、長手方向他側は、レール13の内側に突出している。
【0055】
外側レールホルダ31aのシャフト41は、リンクプレート30及びベース部材32の長手方向一端側(基端側)を貫通している。別の見方をすると、リンクプレート30及びベース部材32の基端側は、外側レールホルダ31aのシャフト41によって回転可能に連結されている。
【0056】
一方、内側レールホルダ31bのシャフト41は、ベース部材32の長手方向他端側(先端側)を貫通して当該ベース部材32から突出している。ベース部材32から突出している内側レールホルダ31bのシャフト41は、隣接する他のリンク機構11のリンクプレート30の長手方向一端側(先端側)を貫通している。別の見方をすると、1つのリンク機構11のベース部材32の先端側と、隣接する他の1つのリンク機構11のリンクプレート30の先端側とは、内側レールホルダ31bのシャフト41によって回転可能に連結されている。
【0057】
言い換えれば、外側レールホルダ31aのシャフト41は、リンクプレート30及びベース部材32の基端側の回転軸である。また、内側レールホルダ31bのシャフト41は、リンクプレート30及びベース部材32の先端側の回転軸である。
【0058】
<クリップ>
クリップ12は、それぞれのリンク機構11のベース部材32の基端側に設けられている。クリップ12は、本体部12a,把持部12b,バネ部12cなどを有している。本体部12aは、ベース部材32の基端側に固定されている。把持部12bは、本体部12aに上下動可能に取り付けられている。バネ部12cは、把持部12bが下方に向かって動作するように、把持部12bを付勢している。バネ部12cの付勢によって把持部12bが下方に向かって動作すると、本体部12aと把持部12bとの間に樹脂膜8が挟まれる。つまり、クリップ12によって樹脂膜8が把持される。一方、バネ部12cの付勢に抗して把持部12bが上方に向かって動作すると、樹脂膜8の把持が解除される。
【0059】
<ローラ保持部>
それぞれのレールホルダ31のローラ保持部40は、ベース部材32の下方に突出しているシャフト41の下端に、回転可能に取り付けられている。より特定的には、それぞれのローラ保持部40は、シャフト41の下端に軸受を介して取り付けられている。
【0060】
既述のとおり、外側レールホルダ31aのローラ保持部40は、レール14を横断してレール14の両側に突出している。一方、内側レールホルダ31bのローラ保持部40は、レール13を横断してレール13の両側に突出している。
【0061】
レール14の外側に突出している外側レールホルダ31aのローラ保持部40の一側には、シャフト(ローラシャフト)51が設けられている。また、レール14の内側に突出している外側レールホルダ31aのローラ保持部40の他側には、他のシャフト(他のローラシャフト)52が設けられている。それぞれのローラシャフト51,52の一端側(上端側)は、外側レールホルダ31aのローラ保持部40に固定されている。より特定的には、それぞれのローラシャフト51,52の上端側は、ローラ保持部40に設けられている取付け孔に圧入されている。
【0062】
同様に、レール13の外側に突出している内側レールホルダ31bのローラ保持部40の一側には、シャフト(ローラシャフト)51が設けられている。また、レール13の内側に突出している内側レールホルダ31bのローラ保持部40の他側には、他のシャフト(他のローラシャフト)52が設けられている。それぞれのローラシャフト51,52の一端側(上端側)は、内側レールホルダ31bのローラ保持部40に固定されている。より特定的には、それぞれのローラシャフト51,52の上端側は、ローラ保持部40に設けられている取付け孔に圧入されている。
【0063】
<ガイドローラの概要>
外側レールホルダ31aは、レール14に沿って移動する複数の金属製のガイドローラを備えており、内側レールホルダ31bは、レール13に沿って移動する複数の金属製のガイドローラを備えている。
【0064】
より特定的には、外側レールホルダ31aのローラ保持部40の下方に、レール14を挟んで対向する一対のガイドローラ61,62が回転可能に設けられている。同様に、内側レールホルダ31bのローラ保持部40の下方に、レール13を挟んで対向する一対のガイドローラ61,62が回転可能に設けられている。なお、以下の説明では、ガイドローラ61,62を特に区別しない場合、これらを“ガイドローラ60”と総称する場合がある。
【0065】
外側レールホルダ31aが備えるガイドローラ61は、一端側(上端側)がローラ保持部40に固定されているローラシャフト51の他端側(下端側)に回転可能に取り付けられている。外側レールホルダ31aが備えるガイドローラ62は、一端側(上端側)がローラ保持部40に固定されているローラシャフト52の他端側(下端側)に回転可能に取り付けられている。
【0066】
つまり、外側レールホルダ31aが備える2つのガイドローラ60は、ローラ保持部40によって回転可能に保持されている。そして、これら2つのガイドローラ60は、レール14に接触し、かつ、回転しながらレール14に沿って移動する。
【0067】
内側レールホルダ31bが備えるガイドローラ61は、一端側(上端側)がローラ保持部40に固定されているローラシャフト51の他端側(下端側)に回転可能に取り付けられている。内側レールホルダ31bが備えるガイドローラ62は、一端側(上端側)がローラ保持部40に固定されているローラシャフト52の他端側(下端側)に回転可能に取り付けられている。
【0068】
つまり、内側レールホルダ31bが備える2つのガイドローラ60は、ローラ保持部40によって回転可能に保持されている。そして、これら2つのガイドローラ60は、レール13に接触し、かつ、回転しながらレール13に沿って移動する。
【0069】
<ガイドローラの詳細>
それぞれのガイドローラ60の形状,構造,寸法などは共通である。そこで、外側レールホルダ31aが備えるガイドローラ60(ガイドローラ61,62)の形状,構造などについてより詳細に説明することにより、内側レールホルダ31bが備えるガイドローラ60(ガイドローラ61,62)の形状,構造などについても明らかにする。
【0070】
図7は、外側レールホルダ31aが備えるガイドローラ60及びその周辺の構造を示す拡大断面図である。
【0071】
ガイドローラ60は、軸方向両端が開口した筒形の形状を有している。より特定的には、ローラ保持部40の底面と対向するガイドローラ60の上面には開口部63が設けられている。また、ガイドローラ60の下面にも開口部64が設けられている。さらに、開口部63の周囲にはフランジ65が設けられている。つまり、ガイドローラ60は、両端が開口した鍔付きローラである。
【0072】
ローラシャフト51の下端側は、ガイドローラ61の開口部63を通して当該ガイドローラ61内に挿入されている。同様に、ローラシャフト52の下端側は、ガイドローラ62の開口部63を通して当該ガイドローラ62内に挿入されている。
【0073】
さらに、ローラシャフト51の下部は、ガイドローラ61内に収容されている軸受53,54に挿入され、ローラシャフト52の下部は、ガイドローラ62内に収容されている軸受53,54に挿入されている。この結果、ガイドローラ61は、ローラシャフト51に対して回転自在に支持され、ガイドローラ62は、ローラシャフト52に対して回転自在に支持されている。
【0074】
軸受53,54は、ローラシャフト51,52の下部が挿入されている内輪と、内輪を取り囲む外輪と、内輪と外輪との間に配置された複数の転動体(ボール)とを有する転がり軸受(ボールベアリング)である。
【0075】
軸受53,54の内輪と外輪との間の隙間にはグリース等の潤滑剤が封入されている。また、軸受53,54は、潤滑剤が封入されている内輪と外輪との間の隙間を覆う環状のシール部材を備えている。もっとも、それぞれのシール部材の外縁は軸受53,54の外輪に接している一方、内縁は軸受53,54の内輪に接していない。つまり、軸受53,54はシールベアリングであり、より特定的には、非接触式シールベアリングである。
【0076】
<カバー部材>
既述のとおり、ガイドローラ61,62は、レール13,14に接触しながら移動する。そこで、レール13,14の摩耗を抑制するために、レール13,14の表面に油膜が形成される。また、延伸機5に供給される樹脂膜8が油分を含んでいる場合がある。例えば、リチウムイオン2次電池のセパレータに用いられる樹脂膜は、可塑剤(流動パラフィンやパラフィンワックス等の不揮発性溶媒)を含んでいる。
【0077】
このため、レール13,14の表面から滴下した油分や樹脂膜8から滲み出た油分がリンク機構11の各部を伝ってガイドローラ61,62に到達する虞がある。例えば、樹脂膜8から滲み出してローラ保持部40に付着した油分がローラ保持部40の表面を伝ってガイドローラ60上に滴下し、開口部63からガイドローラ60の内部に侵入する虞がある。
【0078】
本件発明者らの検討によると、ガイドローラ60の内部に侵入した油分は、軸受53,54に封入されている潤滑剤を漏洩させる一因となる。別の見方をすると、ガイドローラ60の内部に侵入した油分は、軸受53,54の潤滑不足を生じさせ、軸受53,54の寿命を低下させる一因となる。
【0079】
そこで、本実施の形態のリンク機構11には、ガイドローラ60内部への油分の侵入を防止するカバー部材70が設けられている。より特定的には、それぞれのレールホルダ31に、2つのカバー部材70が設けられている。
【0080】
図8Aはカバー部材70の平面図、
図8Bはカバー部材70の断面図、
図8Cはカバー部材70の底面図である。
【0081】
それぞれのカバー部材70は、環状のフランジ部71と、フランジ部71の径方向内側に形成された3つの環状の凸部72,73,74とを含んでいる。凸部72は、3つの凸部の中で最も外径が大きい凸部であって、カバー部材70の上面に形成されている。凸部73は、3つの凸部の中で最も外径が小さい凸部であり、カバー部材70の上面であって、かつ、凸部72の内側に形成されている。凸部74は、外径が凸部72よりも小さく、凸部73よりも大きな凸部であって、カバー部材70の下面に形成されている。
【0082】
つまり、カバー部材70の上面には2つの凸部(凸部72,73)が形成されており、カバー部材70の下面には1つの凸部(凸部74)が形成されている。別の見方をすると、カバー部材70の上面には凸部が二重に形成されている。
【0083】
以下の説明では、凸部72を“上側大径凸部72”と呼び、凸部73を“上側小径凸部73”と呼ぶ場合がある。また、凸部74を“下側凸部74”と呼ぶ場合がある。
【0084】
図9は、カバー部材70の装着状態を示す分解斜視図である。カバー部材70は、ローラ保持部40とガイドローラ60との間に配置され、これらの間の隙間を埋めているとともに、ガイドローラ60の開口部63を覆っている。なお、ローラシャフト51,52の下端側は、それぞれのカバー部材70の中央を貫通し、それぞれの開口部63を通じてガイドローラ61,62の内部に進入している。
【0085】
より特定的には、
図7に示されるように、カバー部材70のフランジ部71は、ローラ保持部40の底面とガイドローラ60の上面とに挟まれている。また、カバー部材70の上側大径凸部72は、ローラ保持部40の底面に形成されている溝42に入り込んでおり、上側小径凸部73は、ローラ保持部40の底面に形成されている他の溝43に入り込んでいる。別の見方をすると、上側大径凸部72は溝42に嵌め込まれており、上側小径凸部73は他の溝43に嵌め込まれている。
【0086】
なお、溝42と溝43とは、中心が同一で直径が異なる環状溝である。言い換えれば、溝42と溝43とは、直径が異なる同心円の円周に沿って形成されている。
【0087】
カバー部材70の下側凸部74は、ガイドローラ60の開口部63に入り込んでいる。より特定的には、下側凸部74は、開口部63の環状領域(ローラシャフト51,52の周囲の領域)に入り込んでいる。別の見方をすると、下側凸部74は、開口部63の環状領域に嵌め込まれている。
【0088】
この結果、ガイドローラ60の開口部63は、カバー部材70によって覆われ、かつ、囲まれている。より特定的には、開口部63は、上側小径凸部73及び下側凸部74を含むカバー部材70の内周部によって覆われ、かつ、フランジ部71及び上側大径凸部72を含むカバー部材70の外周部によって囲まれている。なお、
図7には示されていない内側レールホルダ31bにおいても、それぞれのガイドローラ60の開口部63がカバー部材70によって覆われ、かつ、囲まれている。
【0089】
ここで、溝42及び溝43に入り込んでいる上側大径凸部72及び上側小径凸部73は、中心が同一で直径が異なる環状凸部である。この結果、ローラ保持部40とガイドローラ60との間には、二重の環状壁が形成されている。よって、油分がローラ保持部40の底面とガイドローラ60の上面との間の隙間に侵入したとしても、その油分が開口部63に到達する可能性は極めて低い。
【0090】
例えば、
図7に示されているローラ保持部40の側面を伝ってカバー部材70のフランジ部71の上に滴下した油分が開口部63に到達するためには、外側環状壁である上側大径凸部72を乗り越えた後に、内側環状壁である上側小径凸部73をも乗り越えなくてはならない。
【0091】
加えて、本実施の形態では、ローラ保持部40の両側部がガイドローラ61,62の開口部63の周囲に張り出している。
図10は、
図7に示されている外側レールホルダ31aの平面図である。ガイドローラ61の開口部63は、当該開口部63の周囲に張り出しているローラ保持部40の一側部によってその全域が覆われ、ガイドローラ62の開口部63は、当該開口部63の周囲に張り出しているローラ保持部40の他側部によってその全域が覆われている。
【0092】
したがって、油分がローラ保持部40の側面を伝って直にガイドローラ60の開口部63に到達することはない。言い換えれば、ローラ保持部40の側面を伝った油分は、必ずカバー部材70のフランジ部71の上に滴下する。しかし、フランジ部71の上に滴下した油分が二重の環状壁によって行く手を阻まれ、開口部63に到達し得ないことは既述のとおりである。
【0093】
もっとも、それぞれのローラ保持部40の両側部は、リンクピッチが最小になっても互いに干渉しない形状および大きさを有している。
図11は、隣り合うリンク機構11の間のピッチP1が最小になったときの複数のリンク機構11を示す平面図である。図示されているように、隣り合うリンク機構11のローラ保持部40は、ピッチP1が最小になっても互いに接触しない。
【0094】
つまり、それぞれのローラ保持部40は、ガイドローラ61,62の開口部63の全域を覆うことが可能な形状および大きさであって、かつ、ピッチP1が最小になったときにも隣接するローラ保持部40と接触しない形状および大きさを有している。
【0095】
本実施の形態では、ガイドローラ60の下面に設けられている開口部64にキャップ66が装着されている(
図7参照)。言い換えれば、ガイドローラ60の開口部64は、キャップ66によって塞がれている。したがって、開口部64からガイドローラ60内に油分が侵入することもない。
【0096】
つまり、本実施の形態では、ガイドローラ60の上面に設けられている開口部63がローラ保持部40及びカバー部材70によって二重に塞がれ、ガイドローラ60の下面に設けられている開口部64がキャップ66によって塞がれている。なお、キャップ66は、開口部64の内周面にねじ結合されている。
【0097】
(第2実施形態)
次に、他の一実施の形態に係る延伸機について説明する。もっとも、本実施の形態に係る延伸機は、第1実施形態に係る延伸機5と同一の基本構成を有している。そこで、第1実施形態に係る延伸機5と同一または実質的に同一の構成については説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する
本実施の形態に係る延伸機にも複数のリンク機構を含むリンク装置が用いられている。さらに、それぞれのリンク機構は、第1実施形態に係るリンク機構11と同じく、レールホルダ31やガイドローラ60等を有している。
【0098】
図12は、本実施の形態に係るリンク機構のレールホルダ31が備えるガイドローラ60及びその周辺の構造を示す拡大断面図である。
【0099】
図12に示されるように、ローラ保持部40とガイドローラ60との間に、ガイドローラ60の開口部63を覆うカバー部材80が設けられている。
【0100】
図13は、カバー部材80の装着状態を示す分解斜視図である。一方のカバー部材80は、ローラ保持部40の一側部とガイドローラ61との間に配置されてガイドローラ61の開口部63を覆っている。他方のカバー部材80は、ローラ保持部40の他側部とガイドローラ62との間に配置されてガイドローラ62の開口部63を覆っている。
【0101】
それぞれのカバー部材80は、フランジ部81及び凸部82を備えている。凸部82は環状であって、フランジ部81の内側に設けられている。また、凸部82は、フランジ部81の内縁から下方に向かって突出している。
【0102】
カバー部材80の一面は、ガイドローラ60の上面と対向しているローラ保持部40の底面に接している。また、カバー部材80の他の一面は、ローラ保持部40の底面と対向しているガイドローラ60の上面に接している。より特定的には、カバー部材80のフランジ部81の下面がガイドローラ60のフランジ部65の上面に接している。別の見方をすると、フランジ部81の下面は、開口部63の周囲でガイドローラ60の上面に接している。
【0103】
さらに、カバー部材80の凸部82は、ガイドローラ60の開口部63に入り込んでいる。別の見方をすると、カバー部材80の凸部82は、ガイドローラ60の開口部63に嵌め込まれている。
【0104】
この結果、ガイドローラ60の開口部63は、カバー部材80によって囲まれ、かつ、覆われている。より特定的には、開口部63は、カバー部材80のフランジ部81によって囲まれており、かつ、カバー部材80の凸部82によって塞がれている。
【0105】
(第3実施形態)
次に、他の一実施の形態に係る延伸機について説明する。もっとも、本実施の形態に係る延伸機は、第1実施形態に係る延伸機5と同一の基本構成を有している。そこで、第1実施形態に係る延伸機5と同一または実質的に同一の構成については説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する
本実施の形態に係る延伸機にも複数のリンク機構を含むリンク装置が用いられている。さらに、それぞれのリンク機構は、第1実施形態に係るリンク機構11と同じく、レールホルダ31やガイドローラ60等などを有している。
【0106】
図14は、本実施の形態に係るリンク機構のレールホルダ31が備えるガイドローラ60及びその周辺の構造を示す拡大断面図である。
【0107】
図14に示されるように、ローラ保持部40とガイドローラ60との間に、ガイドローラ60の開口部63を覆うカバー部材90が設けられている。それぞれのカバー部材90は、一組のカバー部材91及びカバー部材92によって構成されている。
【0108】
各組のカバー部材91,92は上下に重なっている。より特定的には、カバー部材91は、ガイドローラ60の上に重なり、カバー部材92は、カバー部材91の上に重なっている。
【0109】
図15は、カバー部材90の装着状態を示す分解斜視図である。一方のカバー部材90は、ローラ保持部40の一側部とガイドローラ61との間に配置されてガイドローラ61の開口部63を覆っている。他方のカバー部材90は、ローラ保持部40の他側部とガイドローラ62との間に配置されてガイドローラ62の開口部63を覆っている。
【0110】
より特定的には、それぞれのカバー部材91は、ガイドローラ60の上に配置されて開口部63を覆っている。それぞれのカバー部材92は、カバー部材91の上に配置されてカバー部材91を覆うとともに、カバー部材91とローラ保持部40との間の隙間を埋めている。
【0111】
それぞれのカバー部材91には、フランジ部91a及び凸部91bが設けられている。凸部91bは環状であって、フランジ部91aの内側に設けられている。また、凸部91bは、フランジ部91aの内縁から下方に向かって突出しており、ガイドローラ60の開口部63に入り込んでいる。
【0112】
それぞれのカバー部材92の一面(下面)には、カバー部材91の少なくとも一部を収容する環状の凹部92aが設けられている。また、それぞれのカバー部材92の他の一面(上面)には、窪み92bが設けられている。
【0113】
窪み92bは、ローラ保持部40の側部と実質的に同一の形状を有している。ローラ保持部40の一側部は、ガイドローラ61の開口部63を覆っているカバー部材90(カバー部材92)の窪み92bに嵌っている。また、ローラ保持部40の他側部は、ガイドローラ62の開口部63を覆っているカバー部材90(カバー部材92)の窪み92bに嵌っている。
【0114】
この結果、カバー部材90の一面(上面)は、ローラ保持部40の底面に接している。より特定的には、カバー部材92の窪み92bの底面がローラ保持部40の側部の底面に接している。
【0115】
また、カバー部材90の他の一面(下面)は、ガイドローラ60の上面に接している。より特定的には、少なくともカバー部材91のフランジ部91aの下面がガイドローラ60のフランジ65の上面に接している。
【0116】
なお、カバー部材92はローラ保持部40に固定されているが、カバー部材92とカバー部材91とは互いに固定されていない。そして、凸部91bが開口部63に嵌め込まれているカバー部材91は、ガイドローラ60と一緒に回転する。
【0117】
(第4実施形態)
次に、他の一実施の形態に係る延伸機について説明する。もっとも、本実施の形態に係る延伸機は、第1実施形態に係る延伸機5と同一の基本構成を有している。そこで、第1実施形態に係る延伸機5と同一または実質的に同一の構成については説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する
本実施の形態に係る延伸機にも複数のリンク機構を含むリンク装置が用いられている。さらに、それぞれのリンク機構は、第1実施形態に係るリンク機構11と同じく、レールホルダ31やガイドローラ60等を有している。
【0118】
図16は、本実施の形態に係るリンク機構のレールホルダ31が備えるガイドローラ60及びその周辺の構造を示す拡大断面図である。本実施の形態では、ローラ保持部40にカバー部材100が装着されている。
【0119】
図17は、カバー部材100の装着状態を示す分解斜視図である。カバー部材100は、ローラ保持部40に被せられ、ローラ保持部40の全体を一括して覆っている。ここで、カバー部材100の外形は、第1実施形態に係るローラ保持部40の外形と同一または略同一である(
図9参照)。つまり、カバー部材100が装着された本実施の形態のローラ保持部40は、第1実施形態のローラ保持部40と実質的に同一の形状を有する。
【0120】
既述のとおり、第1実施形態のローラ保持部40は、ガイドローラ60の開口部63の全域を覆うことが可能な形状を有している。よって、カバー部材100が装着された本実施の形態のローラ保持部40も、ガイドローラ60の開口部63の全域を覆うことが可能である。
【0121】
もっとも、本実施の形態では、ガイドローラ60の開口部63の一部の領域がローラ保持部40の側部によって覆われ、ガイドローラ60の開口部63の残りの領域がカバー部材100の側部によって覆われる。つまり、本実施の形態では、ローラ保持部40とカバー部材100とが協働して開口部63の全域を覆う。
【0122】
なお、カバー部材100には、シャフト41やローラシャフト51,52を避ける開口部が形成されている。また、カバー部材100は、ローラ保持部40の両側部をそれぞれ覆う2つのカバー部材に分割してもよい。また、カバー部材100は、ローラ保持部40に固定してもよく、固定しなくてもよい。ただし、カバー部材100を2つに分割した場合には、それぞれのカバー部材をローラ保持部40に着脱可能に固定することが好ましい。
【0123】
これまでに説明した全ての実施の形態において、ガイドローラ60の開口部63は、その全域が覆われている。したがって、ガイドローラ60内への油分の侵入が確実に防止または抑制される。この結果、軸受53,54の潤滑不足の発生が回避され、軸受53,54の寿命が延長される。さらに、軸受53,54の寿命延長は、リンク機構11,リンク装置10及び延伸機5のメンテナンス間隔の延長やメンテナンス頻度の低減に繋がる。
【0124】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態および実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態または実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0125】
上記各実施の形態のローラ保持部とカバー部材とは、適宜に組み合わせることができる。カバー部材の素材は特に限定されないが、ゴムや樹脂によって形成することが好ましい。
【符号の説明】
【0126】
1:薄膜製造システム
2:押出装置
3:Tダイ
4:原反冷却装置
5:延伸機
6:引き取り装置
7:巻き取り装置
8:樹脂膜
9:熱処理部
10,10R,10L:リンク装置
11:リンク機構
12:クリップ
12a:本体部
12b:把持部
12c:バネ部
13,14:レール
19a,19b,19c:スプロケット
20A:予熱領域
20B:延伸領域
20C:熱固定領域
30:リンクプレート
31:レールホルダ
31a:外側レールホルダ
31b:内側レールホルダ
32:ベース部材
40:ローラ保持部
41:シャフト
42,43:溝
51,52:シャフト(ローラシャフト)
53,54:軸受
60,61,62:ガイドローラ
63,64:開口部
65:フランジ
66:キャップ
70,80,90,91,92,100:カバー部材
71:フランジ部
72:凸部(上側大径凸部)
73:凸部(上側小径凸部)
74:凸部(下側凸部)
81:フランジ部
82:凸部
91a:フランジ部
91b:凸部
92a:凹部
92b:窪み
L1,L2:離間距離
P1,P2:ピッチ