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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152439
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】形材接合構造体及び形材ユニット
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/968 20060101AFI20241018BHJP
   E06B 9/01 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
E06B3/968 B
E06B3/968 A
E06B9/01 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066630
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 隆
(72)【発明者】
【氏名】野崎 吉紀
(72)【発明者】
【氏名】舟山 典希
【テーマコード(参考)】
2E020
2E035
【Fターム(参考)】
2E020AB06
2E035BA01
2E035CB03
2E035DC02
(57)【要約】
【課題】製造作業の煩雑化を招来することなく製造コストの低減を図る。
【解決手段】縦枠20を介して横枠10のビスホール32にネジ部材Sを螺合することにより横枠10及び縦枠20が互いに接合された枠体1であって、横枠10には、長手に沿って延在した横枠基板部11に装着孔40が設けられ、ビスホール32は、装着孔40を介して横枠基板部11に装着されるアタッチメント30に設けられ、アタッチメント30において装着孔40に挿入される係合板部33には、横枠基板部11の一方の端部側に位置した内壁面40aに係合される先端側係合部34と、横枠基板部11の他方の端部側に位置した内壁面40bに対向する基端面33bとが設けられ、先端側係合部34が装着孔40に係合した状態で基端面33bが装着孔40の内壁面40bに係合することにより、横枠基板部11の他方の端部側へのアタッチメント30の相対移動が制限される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の形材と、前記第1の形材の一方の端面に当接する第2の形材と、前記第1の形材の一方の端部に設けられた螺合用筒状部とを備え、前記第2の形材を介して前記螺合用筒状部にネジ部材を螺合することにより前記第1の形材及び前記第2の形材が互いに接合された形材接合構造体であって、
前記第1の形材には、長手に沿って延在した形材基板部に装着孔が設けられ、
前記螺合用筒状部は、前記装着孔を介して前記形材基板部に装着されるアタッチメントに設けられ、
前記アタッチメントにおいて前記装着孔に挿入される部分には、前記形材基板部の一方の端部側に位置した開口縁部に係合される第1の係合部と、前記形材基板部の他方の端部側に位置した開口縁部に対向する第2の係合部とが設けられ、
前記第1の係合部が前記装着孔の前記開口縁部に係合した状態で前記第2の係合部が前記装着孔の前記開口縁部に係合することにより、前記形材基板部の他方の端部側への前記アタッチメントの相対移動が制限されることを特徴とする形材接合構造体。
【請求項2】
前記アタッチメントは、前記装着孔に装着不可となる大きさを有した平板状を成し、一方の表面に前記螺合用筒状部が設けられたアタッチメント基板を有し、
前記アタッチメント基板の他方の表面に前記第1の係合部及び前記第2の係合部が前記装着孔に挿入可能となるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の形材接合構造体。
【請求項3】
前記アタッチメントには、前記アタッチメント基板の他方の表面から突出するように係合板部が設けられ、前記係合板部の一方の端部に前記第1の係合部が設けられ、かつ前記係合板部の他方の端部に前記第2の係合部が設けられ、
前記アタッチメント基板と前記係合板部との境界線となる部分には、折り曲げ用の凹溝が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の形材接合構造体。
【請求項4】
前記アタッチメントには、前記アタッチメント基板の他方の表面から突出するように係合板部が設けられ、
前記係合板部は、基端部側おいて前記装着孔に嵌合可能となる寸法に構成した狭幅部と、突出端部側において前記装着孔よりも大きな寸法に構成した幅広部とを有し、
前記形材基板部には、前記幅広部が挿入可能となる挿入孔が設けられ、
前記挿入孔及び前記装着孔は、互いの間において前記狭幅部の移動が可能となるように相互に連続されていることを特徴とする請求項2に記載の形材接合構造体。
【請求項5】
前記アタッチメント基板には、前記他方の表面に互いに個別となる支持係合体及び弾性係合片が設けられ、
前記支持係合体に前記第1の係合部が設けられているとともに、前記弾性係合片に前記第2の係合部が設けられ、
前記弾性係合片の突出端部には、前記装着孔に挿通された状態で前記形材基板部の開口縁部に係合する係合用顎部が設けられ、
前記支持係合体は、前記螺合用筒状部の軸方向に沿った寸法が前記弾性係合片よりも大きく構成されていることを特徴とする請求項2に記載の形材接合構造体。
【請求項6】
前記アタッチメントには、前記アタッチメント基板の他方の表面から突出するように係合板部が設けられ、前記係合板部の一方の端部に前記第1の係合部が設けられ、かつ前記係合板部の他方の端部に前記第2の係合部が設けられ、
前記係合板部において前記第2の係合部に近接した部分には、突出縁部から変形用切欠が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の形材接合構造体。
【請求項7】
前記第1の係合部には、前記アタッチメント基板から離隔するに従って前記形材基板部の一方の端部側に向けて延在した傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の形材接合構造体。
【請求項8】
前記アタッチメント基板には、前記第1の係合部が前記螺合用筒状部の軸心に直交する方向に複数並設され、
前記形材基板部には、前記第1の係合部に対応して前記装着孔が複数並設されていることを特徴とする請求項2に記載の形材接合構造体。
【請求項9】
長手に沿って延在した形材基板部を有する形材と、
前記形材基板部の一方の端部に装着されるアタッチメントとを有し、
前記アタッチメントには、他の形材との連結用のネジ部材が螺合可能な螺合用筒状部が設けられた形材ユニットであって、
前記形材基板部には、前記アタッチメントを装着する装着孔が設けられ、
前記アタッチメントにおいて前記装着孔に挿入される部分には、前記形材基板部の一方の端部側に位置した開口縁部に係合される第1の係合部と、前記形材基板部の他方の端部側に位置した開口縁部に対向する第2の係合部とが設けられ、
前記第1の係合部が前記装着孔の開口縁部に係合した状態で前記第2の係合部が前記装着孔の前記開口縁部に係合することにより、前記形材基板部の他方の端部側への前記アタッチメントの相対移動が制限されることを特徴とする形材ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形材接合構造体及び形材ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
建具の枠体や障子の框体、あるいはテラス屋根やカーポート等のように、横材と縦材とを適宜接合することによって構成される形材接合構造体では、例えば横材の端部にビスホールと称される螺合用筒状部が設けられており、縦材を介して螺合用筒状部にネジ部材を螺合することによって2つの形材が連結されている。この種の形材接合構造体では、製造コストを抑えるため、螺合用筒状部が設けられたアタッチメントを形材の端部に設けるようにしたものも提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-1482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1では、ネジ部材によってアタッチメントを形材に固定する方法及びアタッチメントに設けた押え片で形材を挟持する方法が具体的に開示されている。これらいずれの方法においても、例えば縦材を介して横材の螺合用筒状部にネジ部材を螺合すれば、アタッチメントを介して縦材に対する横材の離隔する方向への移動が阻止されるため、形材接合構造体を構成することが可能となる。
【0005】
しかしながら、ネジ部材によってアタッチメントを形材に固定する方法では、部品点数が増えるとともにネジ部材を螺合する作業が増えるため、製造作業が煩雑化する事態を招来する懸念がある。一方、アタッチメントに設けた押え片で形材を挟持する方法では、ネジ部材が不要であるため、上述の問題を招来するおそれはない。しかしながら、ネジ部材の先端部が螺合用筒状部に当接した場合、ネジ部材が螺合用筒状部に螺合する以前に横材に対してアタッチメントが後退する事態が発生し、ネジ部材を螺合用筒状部に螺合することが困難となるばかりか、横材からアタッチメントが脱落するおそれもある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、製造作業の煩雑化を招来することなく製造コストの低減を図ることのできる形材接合構造体及び形材ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る形材接合構造体は、第1の形材と、前記第1の形材の一方の端面に当接する第2の形材と、前記第1の形材の一方の端部に設けられた螺合用筒状部とを備え、前記第2の形材を介して前記螺合用筒状部にネジ部材を螺合することにより前記第1の形材及び前記第2の形材が互いに接合された形材接合構造体であって、前記第1の形材には、長手に沿って延在した形材基板部に装着孔が設けられ、前記螺合用筒状部は、前記装着孔を介して前記形材基板部に装着されるアタッチメントに設けられ、前記アタッチメントにおいて前記装着孔に挿入される部分には、前記形材基板部の一方の端部側に位置した開口縁部に係合される第1の係合部と、前記形材基板部の他方の端部側に位置した開口縁部に対向する第2の係合部とが設けられ、前記第1の係合部が前記装着孔の前記開口縁部に係合した状態で前記第2の係合部が前記装着孔の前記開口縁部に係合することにより、前記形材基板部の他方の端部側への前記アタッチメントの相対移動が制限されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る形材ユニットは、長手に沿って延在した形材基板部を有する形材と、前記形材基板部の一方の端部に装着されるアタッチメントとを有し、前記アタッチメントには、他の形材との連結用のネジ部材が螺合可能な螺合用筒状部が設けられた形材ユニットであって、前記形材基板部には、前記アタッチメントを装着する装着孔が設けられ、前記アタッチメントにおいて前記装着孔に挿入される部分には、前記形材基板部の一方の端部側に位置した開口縁部に係合される第1の係合部と、前記形材基板部の他方の端部側に位置した開口縁部に対向する第2の係合部とが設けられ、前記第1の係合部が前記装着孔の開口縁部に係合した状態で前記第2の係合部が前記装着孔の前記開口縁部に係合することにより、前記形材基板部の他方の端部側への前記アタッチメントの相対移動が制限されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アタッチメントを装着孔に挿入すれば、第1の係合部及び第2の係合部を介してアタッチメントを形材基板部に装着することができるため、ネジ部材が不要となる。しかも、第2の係合部が装着孔の開口縁部に係合することでアタッチメントが他方の端部側に移動することが制限されるため、ネジ部材を螺合する際にアタッチメントが後退したり、脱落することがなく、製造作業が煩雑化する事態を招来するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態1である形材接合構造体を示す姿図である。
図2図1に示した形材接合構造体の要部を示すもので、(a)は形材とアタッチメントの分解斜視図、(b)は形材にアタッチメントを装着してユニット化した状態の斜視図である。
図3図1に示した形材接合構造体の要部を示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の側面断面図である。
図4図1に示した形材接合構造体に適用するアタッチメントを示すもので、(a)は正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の側面図である。
図5】変形例である形材接合構造体の要部を示すもので、(a)は形材とアタッチメントの分解斜視図、(b)は形材にアタッチメントを装着してユニット化した状態の斜視図である。
図6図5に示した変形例である形材接合構造体の要部を示すもので、(a)はアタッチメントの正面図、(b)は形材にアタッチメントを装着してユニット化した状態の断面正面図である。
図7】本発明の実施の形態2である形材接合構造体の要部を示すもので、(a)は形材とアタッチメントの分解斜視図、(b)は形材にアタッチメントを装着してユニット化した状態の斜視図である。
図8図7に示した形材接合構造体の要部を示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の側面断面図である。
図9図7に示した形材接合構造体に適用するアタッチメントを示すもので、(a)は正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の側面図である。
図10図7に示した形材接合構造体の要部を示すもので、(a)は形材にアタッチメントを装着する直前の断面図、(b)は形材の装着孔に対して先に第1の係合部を挿入した状態の断面図である。
図11】本発明の実施の形態3である形材接合構造体の要部を示すもので、(a)は形材とアタッチメントの分解斜視図、(b)は形材にアタッチメントを装着してユニット化した状態の斜視図である。
図12図11に示した形材接合構造体の要部を示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の側面断面図である。
図13図11に示した形材接合構造体に適用するアタッチメントを示すもので、(a)は正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の側面図である。
図14】本発明の実施の形態4である形材接合構造体の要部を示すもので、(a)は形材とアタッチメントの分解斜視図、(b)は形材にアタッチメントを装着してユニット化した状態の斜視図である。
図15図14に示した形材接合構造体の要部を示すもので、(a)は断面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の側面断面図である。
図16図14に示した形材接合構造体に適用するアタッチメントを示すもので、(a)は正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(a)の側面図である。
図17図14に示した形材接合構造体において形材にアタッチメントを装着する手順を示したもので、(a)は形材の平面図、(b)は形材の挿入孔にアタッチメントの係合板部を挿入した状態を示す平面図、(c)は挿入孔に挿入したアタッチメントの係合板部を装着孔に移動させる途中の状態を示す平面図である。
図18】本発明の実施の形態5である形材接合構造体の要部を示すもので、(a)は形材とアタッチメントの分解斜視図、(b)は形材にアタッチメントを装着してユニット化した状態の斜視図である。
図19図18に示した形材接合構造体において形材にアタッチメントを装着する手順を示したもので、(a)は形材の平面図、(b)は形材の挿入孔にアタッチメントの係合板部を挿入した状態を示す平面図、(c)は挿入孔に挿入したアタッチメントの係合板部を装着孔に移動させた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る形材接合構造体及び形材ユニットの好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1である形材接合構造体を示すものである。ここで例示する形材接合構造体は、建具において上枠や下枠等の横枠(第1の形材)10と、縦枠(第2の形材)20とを相互に接合することによって構成した枠体(形材接合構造体)1である。横枠10は、長手に沿って延在する平板状の横枠基板部(形材基板部)11を有したものであり、縦枠20は、長手に沿って延在する平板状の縦枠基板部21を有したものである。図示の例では、横枠基板部11の小口端面11aに縦枠基板部21の内周側となる側面を当接した状態で縦枠基板部21から横枠基板部11のビスホール(螺合用筒状部)32にネジ部材Sを螺合することにより横枠10と縦枠20とが互いに接合してある。ビスホール32は、筒状を成すもので、横枠10とは別体のアタッチメント30の一部として構成してあり、アタッチメント30を介して横枠基板部11の内周側となる表面に設けてある。以下、アタッチメント30の構成について詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明する。
【0013】
アタッチメント30は、図2図4に示すように、アタッチメント基板31、ビスホール32、2枚の係合板部33を有したもので、例えばアルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材に対して、適宜プレスせん断加工や切削加工を施すことによって一体に構成してある。
【0014】
アタッチメント基板31は、外形が長方形の平板状を成すものである。アタッチメント基板31の短手となる幅寸法は、横枠基板部11よりも小さく、かつビスホール32の外径よりも大きくなるように構成してある。
【0015】
ビスホール32は、周壁の一部が切欠32aによって開放した略円筒状を成すものである。このビスホール32は、中心孔32bの軸心が長手に沿う状態でアタッチメント基板31の一方の表面31aにおいて幅方向の中央となる部分に設けてある。ビスホール32の軸心に沿った寸法は、アタッチメント基板31の長手に沿った寸法と同一であり、螺合するネジ部材Sの寸法よりも大きく設定してある。ビスホール32の切欠32aは、軸心から切欠32aの中心を通過する仮想の平面がアタッチメント基板31とほぼ直交し、かつ仮想の平面とアタッチメント基板31との交線からほぼ180°ずれた位置に開口している。
【0016】
2枚の係合板部33は、アタッチメント基板31の他方の表面31bに対してほぼ直交し、かつアタッチメント基板31の長手に沿って延在した平板状を成すもので、アタッチメント基板31の表面31bにおいて幅方向のほぼ中心となる軸線を挟んで互いに等距離となる位置に配設してある。図示の例では、アタッチメント基板31の両側縁部にそれぞれ同一の形状を有した係合板部33を設けるようにしている。アタッチメント基板31の長手に沿った係合板部33の寸法、換言すればビスホール32の軸心に沿った係合板部33の寸法は、アタッチメント基板31のほぼ3/4程度に設定してある。
【0017】
アタッチメント基板31の一端(以下、先端という)側に位置する係合板部33の端面(以下、区別する場合に先端面33aという)には先端側係合部(第1の係合部)34が設けてある。先端側係合部34は、係合板部33の先端面33aにおいてアタッチメント基板31の表面31bから離隔した部分に係合用突部34aを設けることによって構成してある。係合用突部34aとアタッチメント基板31の表面31bとの間には、横枠基板部11の板厚に相当する距離が確保してある。係合用突部34aにおいてアタッチメント基板31の表面31bに近接する部分には、係合用傾斜面34bが設けてある。係合用傾斜面34bは、アタッチメント基板31の表面31bから離隔するに従って漸次アタッチメント基板31の先端側に突出するように傾斜したものである。
【0018】
一方、係合板部33においてアタッチメント基板31の他端(以下、基端という)側に位置する部分には、アタッチメント基板31に対して直交する端面(第2の係合部であり、以下、区別する場合に基端面33bという)に挿入ガイド面33cが設けてあるとともに、突出端面に変形用切欠33dが設けてある。挿入ガイド面33cは、アタッチメント基板31の表面31bから離隔するに従って漸次アタッチメント基板31の先端側に向けて傾斜したものである。アタッチメント基板31の表面31bと挿入ガイド面33cとの間には、横枠基板部11の板厚よりも大きな距離が確保してある。変形用切欠33dは、係合板部33においてアタッチメント基板31の長手に沿った寸法を小さくすることで、基端部側に位置する部分を先端側に向けて弾性的に変形させるためのものである。図示の例では、係合板部33の突出端面からアタッチメント基板31の表面31bに向けてほぼ直交する方向に延在した後、先端側に向けて漸次外周側となるように延在した略三角状に変形用切欠33dを設けることにより、係合板部33の基端部側に弾性変形部33eを構成している。
【0019】
上記のように構成したアタッチメント30は、横枠基板部11の小口側端部に2つの装着孔40を形成し、横枠基板部11の内周側となる表面からそれぞれの装着孔40に係合板部33を装着することによって横枠基板部11に取り付けられ、横枠10とともにユニット化された状態となる。
【0020】
すなわち、予め横枠基板部11には、短手のほぼ中心となる軸線上から等距離となる位置にそれぞれ装着孔40を形成しておく。装着孔40は、係合板部33の板厚よりもわずかに幅の大きな四角形状の貫通孔であり、横枠基板部11の長手に沿って長孔となるように形成してある。装着孔40の相互間隔は、係合板部33の相互間距離とほぼ等しい。装着孔40の長手に沿った寸法は、係合板部33の先端面33aから基端面33bまでの寸法とほぼ等しい。装着孔40を設ける位置は、横枠基板部11の小口端面11aと装着孔40において小口端面11a側に位置する内壁面40aとの間の距離が、係合板部33の先端面33aとアタッチメント基板31の先端面31cとの間の距離とほぼ等しくなるように設定してある。
【0021】
上述の装着孔40にアタッチメント30を装着するには、先に装着孔40に係合板部33の先端側係合部34を挿入し、その後、係合板部33の基端側に設けた弾性変形部33eを装着孔40に挿入すれば良い。すなわち、装着孔40に係合板部33の先端側係合部34を挿入した状態で弾性変形部33eを装着孔40に挿入するようにアタッチメント30を回転させると、弾性変形部33eに形成した挿入ガイド面33cが装着孔40の開口縁部に当接する。この状態からアタッチメント30を横枠基板部11に近接する方向に押圧すると、挿入ガイド面33cの傾斜作用により弾性変形部33eが先端部側に向けて適宜弾性的に変形し、弾性変形部33eをガイドとして横枠基板部11に係合板部33を圧入して貫通させることができる。
【0022】
係合板部33が横枠基板部11を貫通した後においては、アタッチメント基板31が横枠基板部11の内周側となる表面に当接した状態で、係合板部33の先端側係合部34が横枠基板部11の外周側となる表面に係合するとともに、係合板部33の基端面33bが装着孔40において小口端面11aから遠い側の内壁面40bに押圧された状態となる。このとき、先端側係合部34の係合用突部34aに係合用傾斜面34bが設けてあるため、横枠基板部11の板厚が多少大きく構成されていた場合にも、先端側係合部34を確実に係合させることが可能である。これにより、アタッチメント30に設けたビスホール32が横枠基板部11の内周側において小口端面11aに開口した状態に維持される。ビスホール32の端面32cは、横枠基板部11の小口端面11aとほぼ一致している。従って、横枠10の小口端面11aを縦枠20に当接した状態で縦枠基板部21を介してビスホール32にネジ部材Sを螺合させれば、横枠10と縦枠20とを互いに接合することができる。
【0023】
ここで、上述の建具によれば、係合板部33の先端側係合部34が装着孔40の内壁面40aに係合するため、ネジ部材Sを螺合することによってアタッチメント30とともに横枠10が縦枠20の縦枠基板部21に接合された状態が維持される。しかも、ネジ部材Sを螺合する以前の状態においては、アタッチメント30に設けた係合板部33の基端面33bが装着孔40において横枠基板部11の小口端面11aから離隔した側の内壁面40bに当接している。このため、ネジ部材Sを螺合する際に仮にネジ部材Sの先端部がビスホール32の端面32cに当接したとしても、アタッチメント30が縦枠20から離隔する方向に後退したり、横枠基板部11から脱落する事態を招来するおそれがない。加えて、アタッチメント基板31に2枚の係合板部33が設けてあるため、ビスホール32にネジ部材Sを螺合する際に、ドライバ等の工具で回転させる力が加えられた場合にも、横枠基板部11にアタッチメント基板31が当接した状態を維持することができ、横枠基板部11に対してアタッチメント30が回転してしまうような事態を招来するおそれもない。これらの結果、アタッチメント30を適用することで製造コストの低減を図ることができるとともに、製造作業を容易化することが可能となる。
【0024】
なお、上述した実施の形態1では、係合板部33の基端面33bを装着孔40に圧入して内壁面40bに当接させるようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5図6に示す変形例のように、係合板部33の基端面33bにおいて横枠基板部11に対応する位置に凹部33fを形成し、この凹部33fを装着孔40の内壁面40bに対向させるようにすることも可能である。弾性変形部33eの基端面33bにおいて凹部33fよりも突出する部分は、横枠基板部11の外周側となる表面に係合した状態となる。この変形例においても、ネジ部材Sを螺合する際にアタッチメント30が縦枠20から離隔する方向に後退したり、横枠基板部11から脱落する事態を招来するおそれがないため、アタッチメント30を適用することで製造コストの低減を図ることができるとともに、製造作業を容易化することが可能となる。
【0025】
(実施の形態2)
図7図8は、本発明の実施の形態2である形材接合構造体を示すものである。ここで例示する形材接合構造体は、実施の形態1と同様、建具において上枠や下枠等の横枠10と、縦枠20とを相互に接合することによって構成した枠体1であり、実施の形態1とはアタッチメントの構成及び横枠10への装着状態が異なっている。以下、実施の形態1と異なる構成について主に説明し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0026】
アタッチメント130は、図7図9に示すように、アタッチメント基板31、ビスホール32、支持係合体133、弾性係合片134を有したもので、例えばアルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材に対して、適宜プレスせん断加工や切削加工を施すことによって一体に構成してある。アタッチメント基板31及びビスホール32については実施の形態1と同様である。
【0027】
支持係合体133及び弾性係合片134は、それぞれアタッチメント基板31の他方の表面31bにおいて幅方向のほぼ中心となる軸線上に互いに並設してある。これら支持係合体133及び弾性係合片134は、アタッチメント基板31の短手に沿った方向の寸法が互いにほぼ等しく、かつアタッチメント基板31の表面31bからの突出寸法も互いにほぼ等しい。以下においては便宜上、アタッチメント基板31の長手において支持係合体133を設けた側を先端とし、弾性係合片134を設けた側を基端と称する。
【0028】
支持係合体133は、アタッチメント基板31の表面31bに対してほぼ直交し、かつアタッチメント基板31の長手に沿って延在した平板状を成すもので、アタッチメント基板31の表面31bにおいて長手方向のほぼ中心となる部分に設けてある。図示の例では、アタッチメント基板31の長手に沿った寸法、換言すればビスホール32の軸心に沿った寸法が、アタッチメント基板31のほぼ1/2程度となる長さを有した支持係合体133を設けるようにしている。
【0029】
弾性係合片134は、アタッチメント基板31の基端部からほぼ直交するように延在したもので、支持係合体133に比較して容易に弾性的に変形することが可能となるように構成してある。図示の例では、縦横の寸法がほぼ等しい四角形断面の柱状となるように弾性係合片134が構成してある。この弾性係合片134は、支持係合体133に対して近接離反する方向に弾性的に変形することが可能である。
【0030】
支持係合体133において弾性係合片134に対向する端面(以下、区別する場合に対向端面133aという)は、アタッチメント基板31の表面31bに対してほぼ直交する方向に沿った平坦面となるように形成してある。対向端面133aの突出端部には面取りが施してある。弾性係合片134において支持係合体133に対向する側面(以下、区別する場合に対向側面134aという)は、アタッチメント基板31の表面31bに対してほぼ直交する方向に沿った平坦面となるように形成してある。
【0031】
一方、アタッチメント基板31の外周側に臨む支持係合体133の端面(以下、区別する場合に外周端面133bという)には先端側係合部(第1の係合部)135が設けてあり、アタッチメント基板31の外周側に臨む弾性係合片134の側面(以下、区別する場合に外周側面134bという)には基端側係合部(第2の係合部)136が設けてある。先端側係合部135は、支持係合体133の外周端面133bにおいてアタッチメント基板31の表面31bから離隔した部分に係合用突部134cを設けることによって構成してある。係合用突部134cとアタッチメント基板31の表面31bとの間には、横枠基板部11の板厚に相当する距離が確保してある。係合用突部134cにおいてアタッチメント基板31の表面31bに近接する部分には、係合用傾斜面134dが設けてある。係合用傾斜面134dは、アタッチメント基板31の表面31bから離隔するに従って漸次アタッチメント基板31の先端側に突出するように傾斜したものである。基端側係合部136は、弾性係合片134の外周側面134bにおいてアタッチメント基板31の表面31bから離隔した部分に係合用顎部136aを設けることによって構成してある。係合用顎部136aとアタッチメント基板31の表面31bとの間には、横枠基板部11の板厚に相当する距離が確保してある。係合用顎部136aは、弾性係合片134の外周側面134bから突出したもので、内周斜面136b及び外周斜面136cを有している。内周斜面136bは、係合用顎部136aにおいてアタッチメント基板31の表面31bに近接した側に設けたもので、アタッチメント基板31の表面31bから離隔するに従って漸次基端側に突出するように傾斜している。外周斜面136cは、係合用顎部136aにおいてアタッチメント基板31の表面31bから離隔した側に設けたもので、アタッチメント基板31の表面31bに近接するに従って漸次基端側に突出するように傾斜している。外周斜面136cの外周端位置は、対向側面134aからの距離が、外周側面134bと対向側面134aとの相互間距離よりも小さくなるように設定してある。
【0032】
上記のように構成したアタッチメント130は、横枠基板部11の小口側端部に2対の装着孔141,142を形成し、横枠基板部11の内周側となる表面からそれぞれの装着孔141,142に支持係合体133及び弾性係合片134を装着することによって横枠基板部11に取り付けられ、横枠10とともにユニット化された状態となる。すなわち、予め横枠基板部11には、短手のほぼ中心となる軸線上に支持係合体133が挿入可能となる第1係合用装着孔141と、弾性係合片134が挿入可能となる第2係合用装着孔142とを形成しておく。
【0033】
第1係合用装着孔141は、支持係合体133の板厚よりもわずかに幅の大きな四角形状の貫通孔であり、横枠基板部11の長手に沿って長孔となるように形成してある。第1係合用装着孔141の長手に沿った寸法は、支持係合体133の対向端面133aから係合用突部134cまでの寸法よりも大きい。第1係合用装着孔141を設ける位置は、横枠基板部11の小口端面11aと第1係合用装着孔141において小口端面11a側に位置する内壁面(以下、第1係合用装着孔141の先端側内壁面141aという)との間の距離が、支持係合体133の外周端面133bとアタッチメント基板31の先端面31cとの間の距離とほぼ等しくなるように設定してある。
【0034】
第2係合用装着孔142は、弾性係合片134の板厚よりもわずかに幅の大きな四角形状の貫通孔であり、第1係合用装着孔141の長手に沿った延長上に形成してある。第2係合用装着孔142の長手に沿った寸法は、弾性係合片134の対向側面134aから係合用顎部136aまでの寸法よりも大きい。第2係合用装着孔142を設ける位置は、第2係合用装着孔142において横枠基板部11の小口端面11aから遠い側の内壁面(以下、第2係合用装着孔142の基端側内壁面142aという)と第1係合用装着孔141の先端側内壁面141aとの間の距離が、支持係合体133の外周端面133bと弾性係合片134の外周側面134bとの間の距離とほぼ等しくなるように設定してある。
【0035】
上述の第1係合用装着孔141及び第2係合用装着孔142にアタッチメント130を装着するには、図10に示すように、先に第1係合用装着孔141に支持係合体133を挿入し、その後、第2係合用装着孔142に弾性係合片134を挿入すれば、横枠基板部11に対してアタッチメント130をスナップインすることができる。すなわち、第1係合用装着孔141に支持係合体133の係合用突部134cを挿入した状態で弾性係合片134を第2係合用装着孔142に挿入するようにアタッチメント130を回転させると、弾性係合片134に形成した外周斜面136cが第2係合用装着孔142の開口縁部に当接する。この状態からアタッチメント130を横枠基板部11に近接する方向に押圧すると、外周斜面136cの傾斜作用により弾性係合片134が支持係合体133に近接する方向に向けて適宜弾性的に変形し、横枠基板部11に対して係合用顎部136aを貫通させることができる。
【0036】
係合用顎部136aが横枠基板部11を貫通した後においては、弾性係合片134が元の形状に復帰する方向に変形し、アタッチメント基板31が横枠基板部11の内周側となる表面に当接した状態で、支持係合体133の先端側係合部135及び弾性係合片134の基端側係合部136がそれぞれ横枠基板部11の外周側となる表面に係合することになる。このとき、先端側係合部135の係合用突部134cに係合用傾斜面134dが設けてあるとともに、弾性係合片134の基端側係合部136に内周斜面136bが設けてあるため、横枠基板部11の板厚が多少大きく構成されていた場合にも、先端側係合部135及び基端側係合部136を確実に係合させることが可能である。これにより、アタッチメント130に設けたビスホール32が横枠基板部11の内周側において小口端面11aに開口した状態に維持される。ビスホール32の端面32cは、横枠基板部11の小口端面11aとほぼ一致している。従って、横枠10の小口端面11aを縦枠20に当接した状態で縦枠基板部21を介してビスホール32にネジ部材Sを螺合させれば、横枠10と縦枠20とを互いに接合することができる。
【0037】
ここで、上述の建具によれば、支持係合体133の先端側係合部135が第1係合用装着孔141の先端側内壁面141aに係合するため、ネジ部材Sを螺合することによってアタッチメント130とともに縦枠20が横枠10に接合された状態が維持される。しかも、ネジ部材Sを螺合する以前の状態においては、アタッチメント130に設けた弾性係合片134の基端側係合部136が第2係合用装着孔142において横枠基板部11の小口端面11aから離隔した側の基端側内壁面142aに係合している。このため、ネジ部材Sを螺合する際に仮にネジ部材Sの先端部がビスホール32の端面32cに当接したとしても、アタッチメント130が縦枠20から離隔する方向に後退したり、横枠基板部11から脱落する事態を招来するおそれがなく、製造作業を容易化した上で製造コストの低減を図ることが可能となる。
【0038】
(実施の形態3)
図11図12は、本発明の実施の形態3である形材接合構造体を示すものである。ここで例示する形材接合構造体は、実施の形態1と同様、建具において上枠や下枠等の横枠10と、縦枠20とを相互に接合することによって構成した枠体1であり、実施の形態1とはアタッチメントの構成及び横枠10への装着状態が異なっている。以下、実施の形態1と異なる構成について主に説明し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0039】
アタッチメント230は、図11図13に示すように、アタッチメント基板31、ビスホール32、2枚の係合板部233を有したもので、例えばアルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材に対して、適宜プレスせん断加工や切削加工を施すことによって一体に構成してある。アタッチメント基板31及びビスホール32については実施の形態1と同様である。
【0040】
2枚の係合板部233は、アタッチメント基板31の他方の表面31bに対してほぼ直交し、かつアタッチメント基板31の長手に沿って延在した平板状を成すもので、アタッチメント基板31の表面31bにおいて幅方向のほぼ中心となる軸線を挟んで互いに等距離となる位置に配設してある。図示の例では、アタッチメント基板31の両側縁部にそれぞれ同一の形状を有した係合板部233を設けるようにしている。
【0041】
アタッチメント基板31の一端(以下、先端という)側に位置する係合板部233の端面(以下、区別する場合に先端面233aという)には、先端側係合部(第1の係合部)234が設けてあり、アタッチメント基板31の他端(以下、基端という)側に位置する係合板部233の端面(以下、区別する場合に基端面233bという)には、基端側係合部(第2の係合部)235が設けてある。
【0042】
先端側係合部234は、係合板部233の先端面233aにおいてアタッチメント基板31の表面31bから離隔した部分に係合用突部234aを設けることによって構成してある。係合用突部234aとアタッチメント基板31の表面31bとの間には、横枠基板部11の板厚に相当する距離が確保してある。係合用突部234aは、係合板部233の先端面233aから突出したもので、内周斜面234b及び外周斜面234cを有している。内周斜面234bは、係合用突部234aにおいてアタッチメント基板31の表面31bに近接した側に設けたもので、アタッチメント基板31の表面31bから離隔するに従って漸次先端側に突出するように傾斜している。外周斜面234cは、係合用突部234aにおいてアタッチメント基板31の表面31bから離隔した側に設けたもので、アタッチメント基板31の表面31bに近接するに従って漸次先端側に突出するように傾斜している。
【0043】
基端側係合部235は、係合板部233の基端面233bにおいてアタッチメント基板31の表面31bから離隔した部分に係合用突部235aを設けることによって構成してある。係合用突部235aとアタッチメント基板31の表面31bとの間には、横枠基板部11の板厚に相当する距離が確保してある。係合用突部235aは、係合板部233の基端面233bから突出したもので、内周斜面235b及び外周斜面235cを有している。内周斜面235bは、係合用突部235aにおいてアタッチメント基板31の表面31bに近接した側に設けたもので、アタッチメント基板31の表面31bから離隔するに従って漸次基端側に突出するように傾斜している。外周斜面235cは、係合用突部235aにおいてアタッチメント基板31の表面31bから離隔した側に設けたもので、アタッチメント基板31の表面31bに近接するに従って漸次基端側に突出するように傾斜している。
【0044】
先端側係合部234に設けた内周斜面234bの内周端位置と、基端側係合部235に設けた内周斜面235bの内周端位置との間の距離は、先端側係合部234に設けた外周斜面234cの外周端位置と、基端側係合部235に設けた外周斜面235cの外周端位置との間の距離よりも大きく設定してある。
【0045】
また、2つの係合板部233には、アタッチメント基板31の表面31bとの境界となる部分に凹溝236が設けてある。凹溝236は、アタッチメント基板31に対して2つの係合板部233をそれぞれ互いに離反する方向に向けて折り曲げる際の作業を容易化するためのもので、互いに外側となる表面側に設けてある。
【0046】
上記のように構成したアタッチメント230は、横枠基板部11の小口側端部に2つの装着孔240を形成し、横枠基板部11の内周側となる表面からそれぞれの装着孔240に係合板部233を装着することによって横枠基板部11に取り付けられ、横枠10とともにユニット化された状態となる。
【0047】
すなわち、予め横枠基板部11には、短手のほぼ中心となる軸線上から等距離となる位置にそれぞれ装着孔240を形成しておく。装着孔240は、係合板部233の板厚よりもわずかに幅の大きな四角形状の貫通孔であり、横枠基板部11の長手に沿って長孔となるように形成してある。装着孔240の相互間隔は、係合板部233の相互間隔とほぼ等しい。装着孔240において先端側内壁面240aから基端側内壁面240bまでの長手に沿った寸法は、係合板部233の先端面233aから基端面233bまでの寸法よりもわずかに大きく、かつ係合用突部234aから係合用突部235aまでの寸法よりもわずかに小さく設定してある。装着孔240を設ける位置は、横枠基板部11の小口端面11aと装着孔240の先端側内壁面240aとの間の距離が、係合板部233の先端面233aとアタッチメント基板31の先端面31cとの間の距離とほぼ等しくなるように設定してある。
【0048】
上述したように、係合板部233には、それぞれ外周斜面234c,235cが設けてある。従って、装着孔240の長手に沿った寸法に対して係合用突部234aから係合用突部235aまでの寸法がわずかに大きく設定してあるものの、外周斜面234c,235cをガイドとすることで、係合板部233を装着孔240に挿入する作業が煩雑化するおそれはない。係合用突部234a,235aが横枠基板部11を貫通した後においては、アタッチメント基板31が横枠基板部11の内周側となる表面に当接した状態で、先端側係合部234及び基端側係合部235がそれぞれ横枠基板部11の外周側となる表面に係合することになる。このとき、係合板部233に内周斜面234b,235bが設けてあるため、横枠基板部11の板厚が多少大きく構成されていた場合にも、先端側係合部234及び基端側係合部235を確実に係合させることが可能である。これにより、アタッチメント230に設けたビスホール32が横枠基板部11の内周側において小口端面11aに開口した状態に維持される。ビスホール32の端面32cは、横枠基板部11の小口端面11aとほぼ一致している。従って、横枠10の小口端面11aを縦枠20に当接した状態で縦枠基板部21を介してビスホール32にネジ部材Sを螺合させれば、横枠10と縦枠20とを互いに接合することができる。さらに、実施の形態3のアタッチメント230においては、係合板部233に設けた凹溝236が折れ線となる状態で、図11図12に示すように、横枠基板部11を貫通した後に係合板部233を互いに離反する方向に向けて折り曲げるようにしている。
【0049】
ここで、上述の建具によれば、係合板部233の先端側係合部234が装着孔240の先端側内壁面240aに係合するため、ネジ部材Sを螺合することによってアタッチメント230とともに横枠10が縦枠20の縦枠基板部21に接合された状態が維持される。しかも、ネジ部材Sを螺合する以前の状態においては、アタッチメント230に設けた係合板部233の基端側係合部235が装着孔240の基端側内壁面240bに係合している。このため、ネジ部材Sを螺合する際に仮にネジ部材Sの先端部がビスホール32の端面32cに当接したとしても、アタッチメント230が縦枠20から離隔する方向に後退したり、横枠基板部11から脱落する事態を招来するおそれがない。加えて、アタッチメント基板31に2枚の係合板部233が設けてあるため、ビスホール32にネジ部材Sを螺合する際に、ドライバ等の工具で回転させる力が加えられた場合にも、横枠基板部11にアタッチメント基板31が当接した状態を維持することができ、横枠基板部11に対してアタッチメント230が回転してしまうような事態を招来するおそれもない。さらに、実施の形態3においては、係合板部233が折り曲げてあるため、アタッチメント基板31との間に横枠基板部11を挟んだ状態とすることができ、先端面233aからの係合用突部234aの突出寸法及び基端面233bからの係合用突部235aの突出寸法をそれぞれ小さく設定した場合にも、横枠基板部11からのアタッチメント230の脱落をより確実に防止することができる。さらに、アタッチメント230と横枠基板部11との間に作用する摩擦力により、アタッチメント230が横枠基板部11に対して長手方向に相対移動する事態をより確実に防止することが可能となる。これらの結果、アタッチメント230を適用することで製造コストの低減を図ることができるとともに、製造作業を容易化することが可能となる。
【0050】
なお、上述した実施の形態3では、係合板部233を互いに離反する方向に折り曲げるようにしているが、例えば係合板部233の互いに内側となる表面側に凹溝を設け、係合板部233を互いに近接する方向に折り曲げても良い。
【0051】
(実施の形態4)
図14図15は、本発明の実施の形態4である形材接合構造体を示すものである。ここで例示する形材接合構造体は、実施の形態1と同様、建具において上枠や下枠等の横枠10と、縦枠20とを相互に接合することによって構成した枠体1であり、実施の形態1とはアタッチメントの構成及び横枠10への装着状態が異なっている。以下、実施の形態1と異なる構成について主に説明し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0052】
アタッチメント330は、図14図17に示すように、アタッチメント基板31、ビスホール32、2枚の係合板部333を有したもので、例えばアルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材に対して、適宜プレスせん断加工や切削加工を施すことによって一体に構成してある。アタッチメント基板31及びビスホール32については実施の形態1と同様である。
【0053】
2枚の係合板部333は、アタッチメント基板31の他方の表面31bに対してほぼ直交し、かつアタッチメント基板31の長手に沿って延在した平板状を成すもので、アタッチメント基板31の表面31bにおいて幅方向のほぼ中心となる軸線を挟んで互いに等距離となる位置に配設してある。図示の例では、アタッチメント基板31の両側縁部にそれぞれ同一の形状を有した係合板部333を設けるようにしている。
【0054】
アタッチメント基板31の一端(以下、先端という)側に位置する係合板部333の端面(以下、区別する場合に先端面333aという)には、先端側係合部(第1の係合部)334が設けてあり、アタッチメント基板31の他端(以下、基端という)側に位置する係合板部333の端面(以下、区別する場合に基端面333bという)には、基端側係合部(第2の係合部)335が設けてある。
【0055】
先端側係合部334は、係合板部333の先端面333aにおいてアタッチメント基板31の表面31bから離隔した部分に係合用突部334aを設けることによって構成してある。係合用突部334aとアタッチメント基板31の表面31bとの間には、横枠基板部11の板厚に相当する距離が確保してある。係合用突部334aは、係合板部333の先端面333aから突出したもので、内周斜面334bを有している。内周斜面334bは、係合用突部334aにおいてアタッチメント基板31の表面31bに近接した側に設けたもので、アタッチメント基板31の表面31bから離隔するに従って漸次先端側に突出するように傾斜している。
【0056】
基端側係合部335は、係合板部333の基端面333bにおいてアタッチメント基板31の表面31bから離隔した部分に係合用突部335aを設けることによって構成してある。係合用突部335aとアタッチメント基板31の表面31bとの間には、横枠基板部11の板厚に相当する距離が確保してある。係合用突部335aは、係合板部333の基端面333bから突出したもので、内周斜面335bを有している。内周斜面335bは、係合用突部335aにおいてアタッチメント基板31の表面31bに近接した側に設けたもので、アタッチメント基板31の表面31bから離隔するに従って漸次基端側に突出するように傾斜している。
【0057】
上記のように構成したアタッチメント330は、横枠基板部11の小口側端部に2対の装着孔340及び挿入孔341を形成し、横枠基板部11の内周側となる表面からそれぞれの挿入孔341を介して装着孔340に係合板部333を装着することによって横枠基板部11に取り付けられ、横枠10とともにユニット化された状態となる。
【0058】
すなわち、予め横枠基板部11には、短手のほぼ中心となる軸線上から等距離となる位置にそれぞれ装着孔340を形成しておく。装着孔340は、係合板部333の板厚よりもわずかに幅の大きな四角形状の貫通孔であり、横枠基板部11の長手に沿って長孔となるように形成してある。装着孔340の相互間隔は、係合板部333の相互間隔とほぼ等しい。装着孔340において先端側内壁面340aから基端側内壁面340bまでの長手に沿った寸法は、係合板部333の先端面333aから基端面333bまでの寸法よりもわずかに大きく、かつ係合用突部334aから係合用突部335aまでの寸法よりも小さく設定してある。装着孔340を設ける位置は、横枠基板部11の小口端面11aと装着孔340の先端側内壁面340aとの間の距離が、係合板部333の先端面333aとアタッチメント基板31の先端面31cとの間の距離とほぼ等しくなるように設定してある。
【0059】
挿入孔341は、それぞれの装着孔340の先端側に位置する端部から同一方向に向けて傾斜するように延在したものである。挿入孔341は、係合板部333の板厚よりもわずかに幅の大きな四角形状の貫通孔である。挿入孔341の相互間隔は、係合板部333の相互間隔とほぼ等しい。挿入孔341において先端側内壁面341aから基端側内壁面341bまでの長手に沿った寸法は、係合板部333の係合用突部334aから係合用突部335aまでの寸法よりもわずかに大きく設定してある。従って、図17(b)に示すように、横枠基板部11に対してアタッチメント330を傾斜させ、係合板部333を挿入孔341に合致させれば、そのまま係合板部333を挿入孔341に挿入することができる。
【0060】
係合用突部334a,335aが横枠基板部11を貫通した後においては、アタッチメント基板31が横枠基板部11の内周側となる表面に当接した状態で、先端側係合部334及び基端側係合部335がそれぞれ横枠基板部11の外周側となる表面を超えた位置となる。この状態からは、係合用突部334a,335aが横枠基板部11に干渉することなくアタッチメント基板31の面方向に沿う状態で、アタッチメント330を横枠基板部11に対して回転させることができる。従って、図17(c)に示すように、アタッチメント330を小口端部側にスライドさせながら回転させれば、係合板部333を装着孔340に配置することができ、アタッチメント基板31が横枠基板部11の内周側となる表面に当接した状態で、先端側係合部334及び基端側係合部335がそれぞれ横枠基板部11の外周側となる表面に係合することになる。これにより、アタッチメント330に設けたビスホール32が横枠基板部11の内周側において小口端面11aに開口した状態に維持される。ビスホール32の端面32cは、横枠基板部11の小口端面11aとほぼ一致している。従って、横枠10の小口端面11aを縦枠20に当接した状態で縦枠20基板部21を介してビスホール32にネジ部材Sを螺合させれば、横枠10と縦枠20とを互いに接合することができる。
【0061】
(実施の形態5)
図18図19は、本発明の実施の形態5である形材接合構造体を示すものである。ここで例示する形材接合構造体は、実施の形態4の変形例であり、実施の形態4とはアタッチメント330が共通で、横枠基板部に設けた装着及び挿入孔の構成のみが異なっている。以下、実施の形態4と異なる構成について主に説明し、実施の形態4と同様の構成については同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0062】
実施の形態5の装着孔350A,350Bは、横枠基板部11において短手のほぼ中心となる軸線上から等距離となる位置にそれぞれ予め形成しておく。装着孔350A,350Bは、係合板部333の板厚よりもわずかに幅の大きな貫通孔であり、横枠基板部11の長手に沿って長孔となるように形成してある。図中の上方に形成した装着孔(以下、区別する場合に第1装着孔350Aという)では、先端側内壁面351aが横枠基板部11の長手に対して傾斜する一方、基端側内壁面351bが横枠基板部11の長手に対してほぼ直交している。図19中の下方に形成した装着孔(以下、区別する場合に第2装着孔350Bという)では、先端側内壁面352aが横枠基板部11の長手に対してほぼ直交する一方、基端側内壁面352bが横枠基板部11の長手に対して傾斜している。第1装着孔350Aの先端側内壁面351aと第2装着孔350Bの基端側内壁面352bとは、互いにほぼ平行となるように延在している。装着孔350A,350Bの相互間隔は、係合板部333の相互間隔とほぼ等しい。第1装着孔350Aの先端側内壁面351aから基端側内壁面351bまでの長手に沿った寸法及び第2装着孔350Bの先端側内壁面352aから基端側内壁面352bまでの長手に沿った寸法は、それぞれ係合板部333の先端面333aから基端面333bまでの寸法よりもわずかに大きく、かつ係合用突部334aから係合用突部335aまでの寸法よりも小さく設定してある。装着孔350A,350Bを設ける位置は、横枠基板部11の小口端面11aと第2装着孔350Bの先端側内壁面352aとの間の距離が、係合板部333の先端面333aとアタッチメント基板31の先端面31cとの間の距離とほぼ等しくなるように設定してある。
【0063】
挿入孔342Aは、係合板部333の先端側内壁面343aから基端側内壁面343bまでの長手に沿った寸法よりも大きな長孔状の貫通孔であり、挿入孔342Bは、係合板部333の先端側内壁面344aから基端側内壁面344bまでの長手に沿った寸法よりも大きな長孔状の貫通孔であり、それぞれの装着孔350A,350Bに対して互いに同一方向に傾斜するように設けてある。図示の例では、装着孔350A,350Bの中心部と挿入孔342A,342Bの中心部とがそれぞれ交差するように挿入孔342A,342Bが設けてある。挿入孔342A,342Bの相互間隔は、係合板部333の相互間隔とほぼ等しい。
【0064】
上述の横枠10に対しては、図19(b)に示すように、横枠基板部11に対してアタッチメント330を傾斜させ、係合板部333を挿入孔342A,342Bに合致させれば、そのまま2つの係合板部333をそれぞれ挿入孔342A,342Bに挿入することができる。
【0065】
係合用突部334a,335aが横枠基板部11を貫通した後においては、アタッチメント基板31が横枠基板部11の内周側となる表面に当接した状態で、先端側係合部334及び基端側係合部335がそれぞれ横枠基板部11の外周側となる表面を超えた位置となる。この状態からは、係合用突部334a,335aが横枠基板部11に干渉することなくアタッチメント基板31の面方向に沿う状態でアタッチメント330を横枠基板部11に対して回転させることができる。従って、図19(c)に示すように、アタッチメント330を回転させれば、係合板部333を装着孔350A,350Bに配置することができ、アタッチメント基板31が横枠基板部11の内周側となる表面に当接した状態で、先端側係合部334及び基端側係合部335がそれぞれ横枠基板部11の外周側となる表面に係合することになる。これにより、アタッチメント330に設けたビスホール32が横枠基板部11の内周側において小口端面11aに開口した状態に維持される。ビスホール32の端面32cは、横枠基板部11の小口端面11aとほぼ一致している。従って、横枠10の小口端面11aを縦枠20に当接した状態で縦枠基板部21を介してビスホール32にネジ部材Sを螺合させれば、横枠10と縦枠20とを互いに接合することができる。
【0066】
なお、装着孔と挿入孔とは、実施の形態4及び実施の形態5で示した形態以外で互いに連続していても良い。但し、装着孔の先端側内壁面及び基端側内壁面が存在していることが好ましい。この場合、アタッチメントに係合板部が複数設けられていれば、一方の装着孔に先端側内壁面及び基端側内壁面がともに存在している必要はなく、一方の装着孔に先端側内壁面が存在し、他方の装着孔に基端側内壁面が存在していれば十分である。
【0067】
また、上述した実施の形態では、形材接合構造体として枠体1を例示しているが、本発明はこれに限定されず、障子を構成する框体、あるいはテラス屋根やカーポート等の屋外構造物にも適用することが可能である。また、横枠10、つまり水平方向に延在する形材にアタッチメントを装着するようにしているが、縦枠20や支柱等、鉛直方向に沿って延在する形材にアタッチメントを設けるようにしても良い。
【0068】
さらに、上述した実施の形態では、アタッチメントに設けた係合板部33,233,333や支持係合体133及び弾性係合片134を形材基板部の装着孔に装着するようにしているため、装着孔の寸法を小さくすることができ、形材の強度低下を防止することができるが、本発明はこれに限定されず、螺合用筒状部を装着孔に装着するように構成することも可能である。
【0069】
以上のように、本発明に係る形材接合構造体は、第1の形材と、前記第1の形材の一方の端面に当接する第2の形材と、前記第1の形材の一方の端部に設けられた螺合用筒状部とを備え、前記第2の形材を介して前記螺合用筒状部にネジ部材を螺合することにより前記第1の形材及び前記第2の形材が互いに接合された形材接合構造体であって、前記第1の形材には、長手に沿って延在した形材基板部に装着孔が設けられ、前記螺合用筒状部は、前記装着孔を介して前記形材基板部に装着されるアタッチメントに設けられ、前記アタッチメントにおいて前記装着孔に挿入される部分には、前記形材基板部の一方の端部側に位置した開口縁部に係合される第1の係合部と、前記形材基板部の他方の端部側に位置した開口縁部に対向する第2の係合部とが設けられ、前記第1の係合部が前記装着孔の前記開口縁部に係合した状態で前記第2の係合部が前記装着孔の前記開口縁部に係合することにより、前記形材基板部の他方の端部側への前記アタッチメントの相対移動が制限されることを特徴としている。
この発明によれば、アタッチメントを装着孔に挿入すれば、第1の係合部及び第2の係合部を介してアタッチメントを形材基板部に装着することができるため、ネジ部材が不要となる。しかも、第2の係合部が装着孔の開口縁部に係合することでアタッチメントが他方の端部側に移動することが制限されるため、ネジ部材を螺合する際にアタッチメントが後退したり、脱落することがなく、製造作業が煩雑化する事態を招来するおそれがない。形材基板部の装着孔に挿入する部分は、螺合用筒状部であっても良いし、螺合用筒状部とは別に専用の第1の係合部及び第2の係合部をアタッチメントに設けてこれらを装着孔に挿入するように構成しても良い。
【0070】
また本発明は、上述した形材接合構造体において、前記アタッチメントは、前記装着孔に装着不可となる大きさを有した平板状を成し、一方の表面に前記螺合用筒状部が設けられたアタッチメント基板を有し、前記アタッチメント基板の他方の表面に前記第1の係合部及び前記第2の係合部が前記装着孔に挿入可能となるように設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、形材基板部に設ける装着孔を小さく抑えることができ、形材の強度の点で有利となる。
【0071】
また本発明は、上述した形材接合構造体において、前記アタッチメントには、前記アタッチメント基板の他方の表面から突出するように係合板部が設けられ、前記係合板部の一方の端部に前記第1の係合部が設けられ、かつ前記係合板部の他方の端部に前記第2の係合部が設けられ、前記アタッチメント基板と前記係合板部との境界線となる部分には、折り曲げ用の凹溝が形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、係合板部を装着孔に挿入した状態で凹溝を介して係合板部を折り曲げることにより、形材基板部からアタッチメントの脱落を防止することができる。従って、第1の係合部及び第2の係合部は、形材基板部に対するアタッチメントの相対移動を制限する程度の寸法に構成すれば良く、また弾性変形する部分を設ける必要がない。従って、アタッチメントの形状を単純化した上で、形材基板部への装着作業を容易化することができる。
【0072】
また本発明は、上述した形材接合構造体において、前記アタッチメントには、前記アタッチメント基板の他方の表面から突出するように係合板部が設けられ、前記係合板部は、基端部側おいて前記装着孔に嵌合可能となる寸法に構成した狭幅部と、突出端部側において前記装着孔よりも大きな寸法に構成した幅広部とを有し、前記形材基板部には、前記幅広部が挿入可能となる挿入孔が設けられ、前記挿入孔及び前記装着孔は、互いの間において前記狭幅部の移動が可能となるように相互に連続されていることを特徴としている。
この発明によれば、挿入孔に係合板部を挿入した後、狭幅部を装着孔に移動させることでアタッチメントを形材基板部に装着することができる。
【0073】
また本発明は、上述した形材接合構造体において、前記アタッチメント基板には、前記他方の表面に互いに個別となる支持係合体及び弾性係合片が設けられ、前記支持係合体に前記第1の係合部が設けられているとともに、前記弾性係合片に前記第2の係合部が設けられ、前記弾性係合片の突出端部には、前記装着孔に挿通された状態で前記形材基板部の開口縁部に係合する係合用顎部が設けられ、前記支持係合体は、前記螺合用筒状部の軸方向に沿った寸法が前記弾性係合片よりも大きく構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、形材基板部に設ける装着孔も個別にできるため、装着孔を一層小さくすることができる。但し、装着孔は1つでも構わない。また弾性係合片を変形させることでアタッチメントを装着孔にスナップインすることができ、アタッチメントを形材に設ける作業が容易、かつ確実となる。さらに支持係合体の強度を確保することができる。
【0074】
また本発明は、上述した形材接合構造体において、前記アタッチメントには、前記アタッチメント基板の他方の表面から突出するように係合板部が設けられ、前記係合板部の一方の端部に前記第1の係合部が設けられ、かつ前記係合板部の他方の端部に前記第2の係合部が設けられ、前記係合板部において前記第2の係合部に近接した部分には、突出縁部から変形用切欠が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、形材基板部に装着孔を1つ設ければ良いため、装着孔を設ける際の加工作業が容易となる。また第2の係合部を撓めることができ、装着孔に係合板部を装着する作業が容易となる。
【0075】
また本発明は、上述した形材接合構造体において、前記第1の係合部には、前記アタッチメント基板から離隔するに従って前記形材基板部の一方の端部側に向けて延在した傾斜面が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、形材基板部の板厚に誤差があった場合にも第1の係合部を確実に係合させることが可能となる。
【0076】
また本発明は、上述した形材接合構造体において、前記アタッチメント基板には、前記第1の係合部が前記螺合用筒状部の軸心に直交する方向に複数並設され、前記形材基板部には、前記第1の係合部に対応して前記装着孔が複数並設されていることを特徴としている。
この発明によれば、ネジ部材を螺合する際に形材基板部に対してアタッチメントが回転する事態をより確実に防止することが可能となる。第2の係合部については、第1の係合部と同様に複数設けても良いし1つであっても構わない。
【0077】
また、本発明に係る形材ユニットは、長手に沿って延在した形材基板部を有する形材と、前記形材基板部の一方の端部に装着されるアタッチメントとを有し、前記アタッチメントには、他の形材との連結用のネジ部材が螺合可能な螺合用筒状部が設けられた形材ユニットであって、前記形材基板部には、前記アタッチメントを装着する装着孔が設けられ、前記アタッチメントにおいて前記装着孔に挿入される部分には、前記形材基板部の一方の端部側に位置した開口縁部に係合される第1の係合部と、前記形材基板部の他方の端部側に位置した開口縁部に対向する第2の係合部とが設けられ、前記第1の係合部が前記装着孔の開口縁部に係合した状態で前記第2の係合部が前記装着孔の前記開口縁部に係合することにより、前記形材基板部の他方の端部側への前記アタッチメントの相対移動が制限されることを特徴としている。
この発明によれば、アタッチメントを装着孔に挿入すれば、第1の係合部及び第2の係合部を介してアタッチメントを形材基板部に装着することができるため、ネジ部材が不要となる。しかも、第2の係合部が装着孔の開口縁部に係合することでアタッチメントが他方の端部側に移動することが制限されるため、ネジ部材を螺合する際にアタッチメントが後退したり、脱落することがなく、製造作業が煩雑化する事態を招来するおそれがない。形材基板部の装着孔に挿入する部分は、螺合用筒状部であっても良いし、螺合用筒状部とは別に専用の第2の係合部及び第1の係合部をアタッチメントに設けてこれらを装着孔に挿入するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0078】
1 枠体、10 横枠、11 横枠基板部、11a 小口端面、20 縦枠、30 アタッチメント、31 アタッチメント基板、31a 表面、31b 表面、32 ビスホール、32a 切欠、32b 中心孔、33 係合板部、33a 先端面、33b 基端面、33c 挿入ガイド面、33d 変形用切欠、33e 弾性変形部、33f 凹部、34 先端側係合部、34a 係合用突部、34b 係合用傾斜面、40 装着孔、40a 内壁面、40b 内壁面、130 アタッチメント、133 支持係合体、133a 対向端面、133b 外周端面、134 弾性係合片、134a 対向側面、134b 外周側面、134c 係合用突部、134d 係合用傾斜面、135 先端側係合部、136 基端側係合部、136a 係合用顎部、136b 内周斜面、136c 外周斜面、141 第1係合用装着孔、141a 先端側内壁面、142 第2係合用装着孔、142a 基端側内壁面、230 アタッチメント、233 係合板部、233a 先端面、233b 基端面、234 先端側係合部、234a,235a 係合用突部、234b,235b 内周斜面、234c,235c 外周斜面、235 基端側係合部、236 凹溝、240 装着孔、240a 先端側内壁面、240b 基端側内壁面、330 アタッチメント、333 係合板部、333a 先端面、333b 基端面、334 先端側係合部、334a,335a 係合用突部、334b,335a 内周斜面、335 基端側係合部、335b 内周斜面、340 装着孔、340a 先端側内壁面、340b 基端側内壁面、341 挿入孔、341a 先端側内壁面、341b 基端側内壁面、342A,342B 挿入孔、343a 先端側内壁面、343b 基端側内壁面、344a 先端側内壁面、344b 基端側内壁面、350A,350B 装着孔、351a 先端側内壁面、351b 基端側内壁面、352a 先端側内壁面、352b 基端側内壁面、S ネジ部材
図1
図2
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図8
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図10
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