(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152457
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20241018BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066664
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(72)【発明者】
【氏名】福田 好秀
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA21
5H770BA02
5H770CA06
5H770DA03
5H770DA41
5H770JA20W
5H770QA12
5H770QA16
5H770QA22
5H770QA25
5H770QA28
5H770QA33
(57)【要約】
【課題】小型化されたフィルタ装置を提供する。
【解決手段】フィルタ装置は、第1電気部品と第2電気部品の並び方向に貫通する貫通孔63を有する環状の磁性体コア60と、貫通孔を通るように延びているバスバー130、140と、を備える。バスバーは、第1電気接続部133、143と、第2電気接続部135、145と、連結部134、144と、を備える。第1電気接続部または第2電気接続部が貫通孔を通過し、貫通孔を通過している第1電気接続部または第2電気接続部の幅方向の占有幅が、貫通孔の幅方向の径よりも小さい。貫通孔を通過している第1電気接続部または第2電気接続部の厚さ方向の占有幅が、貫通孔の厚さ方向の径よりも小さい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電気部品(2)と第2電気部品(30)に電気的に接続され、前記第1電気部品と前記第2電気部品が並ぶ並び方向(DP)に関して前記第1電気部品と前記第2電気部品の間に設けられているフィルタ装置(90)であって、
前記並び方向に貫通する貫通孔(63)を有する環状の磁性体コア(60)と、
前記第1電気部品と前記第2電気部品とを電気的に接続するとともに前記貫通孔を通るように延びているバスバー(130、140)と、を備え、
前記バスバーは、
前記第1電気部品に接続されるとともに、前記並び方向に延びる第1電気接続部(133、143)と、
前記並び方向と自身の厚さ方向(TD)に直交する幅方向(WD)に関して前記第1電気接続部からずれた位置に設けられ、前記第2電気部品に接続されるとともに、前記並び方向に延びる第2電気接続部(135、145)と、
前記並び方向に関して、前記第1電気接続部と前記第2電気接続部とをつなぐ連結部(134、144)と、を備え、
前記第1電気接続部または前記第2電気接続部が前記貫通孔を通過し、
前記貫通孔を通過している前記第1電気接続部または前記第2電気接続部の前記幅方向の占有幅が、前記貫通孔の前記幅方向の径よりも小さく、
前記貫通孔を通過している前記第1電気接続部または前記第2電気接続部の前記厚さ方向の占有幅が、前記貫通孔の前記厚さ方向の径よりも小さいフィルタ装置。
【請求項2】
前記厚さ方向から見て前記連結部は前記幅方向に延びている請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記磁性体コアの前記並び方向の投影領域に前記連結部が含まれている請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記バスバーを2つ備え、
2つの前記バスバーのうちの1つである第1バスバー(130)は、前記第1電気接続部である第1延長部(133)と、前記連結部である第2延長部(134)と、前記第2電気接続部である第3延長部(135)と、を有し、
2つの前記バスバーのうち残りの1つである第2バスバー(140)は、前記第1電気接続部である第4延長部(143)と、前記連結部である第5延長部(144)と、前記第2電気接続部である第6延長部(145)と、を有し、
前記第3延長部および前記第4延長部が前記貫通孔に通過しており、
前記第3延長部と前記第4延長部とが前記厚さ方向または前記幅方向に関して重なる請求項1~3のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記第3延長部と前記第4延長部とが前記厚さ方向に関して重なる態様で、前記第1バスバーと前記第2バスバーが配置され、
前記第1延長部と前記第4延長部とが前記幅方向で重なり、
前記第3延長部と前記第6延長部とが前記幅方向で重なる請求項4に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記第1延長部および前記第4延長部を固定する第1固定部(71)と、前記第3延長部および前記第6延長部を固定する第2固定部(73)と、を有するベース(70)をさらに備え、
前記第1延長部の前記厚さ方向の位置と前記第4延長部の前記厚さ方向の位置が等しく、かつ、前記第3延長部の前記厚さ方向の位置と前記第6延長部の前記厚さ方向の位置が等しくなるように、前記第2延長部と前記第5延長部が段差形状を有している請求項5に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記第2電気部品はYコンデンサであり、
前記Yコンデンサは、コンデンサ素子(31、32)と、前記コンデンサ素子および前記第3延長部に接続される第1コンデンサバスバー(41)と、前記コンデンサ素子および前記第6延長部に接続される第2コンデンサバスバー(42)と、前記コンデンサ素子とグラウンドとを接続するグラウンドバスバー(50)と、を有し、
前記第2固定部は、前記第3延長部および前記第1コンデンサバスバーを固定する第1バスバー側第2固定部(73A)と、前記第6延長部および前記第2コンデンサバスバーを固定する第2バスバー側第2固定部(73B)と、を有し、
前記ベースにおける、前記第1バスバー側第2固定部と、前記第2バスバー側第2固定部との間の部位に、前記グラウンドバスバーが接続されている請求項6に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記ベースは、前記磁性体コアを固定する磁性体固定部(72)と、前記Yコンデンサを固定するYコンデンサ固定部(74)と、をさらに備え、
前記磁性体コア、前記第1バスバー、前記第2バスバー、および、前記Yコンデンサのうちの1つにおける、前記並び方向または前記幅方向の投影領域と、前記磁性体コア、前記第1バスバー、前記第2バスバー、および、前記Yコンデンサのうちの別の1つにおける、前記並び方向または前記幅方向の投影領域と、が重なる領域に、前記ベースを外部に取り付けるための締結部材(81、82、83)の少なくとも一部が設けられている請求項7に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
前記第2延長部と前記第5延長部とが前記並び方向に離間しており、
前記第2延長部の前記並び方向の投影領域と、前記第5延長部の前記並び方向の投影領域とが重なる領域に、前記締結部材である第1締結部材とは異なる、前記磁性体コアを前記磁性体固定部に固定するための第2締結部材(80)が設けられている請求項8に記載のフィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の開示は、フィルタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のバスバーユニットは、磁性体コアと、バスバーと、を有する。磁性体コアは貫通孔を有する環状形成をしている。バスバーは、本体部と、交差部と、折り返し部と、を有している。本体部は貫通孔内に配置されている。交差部は、貫通孔の軸方向における一方側の貫通孔の外側において、軸方向と交差する方向に折り曲げられている。折り返し部は、磁性体コアの外側において軸方向における他方側に延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、本体部の端部にパワーコントロールユニットに接続される先端部が設けられている。折り返し部の端部に回転電機の各相端子に接続される先端部が設けられている。パワーコントロールユニットと回転電機の間にバスバーユニットが設けられている。パワーコントロールユニットと回転電機が並ぶ方向と貫通孔の軸方向とが直交している。バスバーが2つの先端部の間で磁性体コアの内面と下面と外面に沿うように延びている。したがって、上記特許文献1では、バスバーの体格が、交差部の延びる方向に大きくなりやすく、バスバーユニットが大型化する懸念があった。
【0005】
本開示の目的は、小型化されたフィルタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によるフィルタ装置は、
第1電気部品(2)と第2電気部品(30)に電気的に接続され、第1電気部品と第2電気部品が並ぶ並び方向(DP)に関して第1電気部品と第2電気部品の間に設けられているフィルタ装置(90)であって、
並び方向に貫通する貫通孔(63)を有する環状の磁性体コア(60)と、
第1電気部品と第2電気部品とを電気的に接続するとともに貫通孔を通るように延びているバスバー(130、140)と、を備え、
バスバーは、
第1電気部品に接続されるとともに、並び方向に延びる第1電気接続部(133、143)と、
並び方向と自身の厚さ方向(TD)に直交する幅方向(WD)に関して第1電気接続部からずれた位置に設けられ、第2電気部品に接続されるとともに、並び方向に延びる第2電気接続部(135、145)と、
並び方向に関して、第1電気接続部と第2電気接続部とをつなぐ連結部(134、144)と、を備え、
第1電気接続部または第2電気接続部が貫通孔を通過し、
貫通孔を通過している第1電気接続部または第2電気接続部の幅方向の占有幅が、貫通孔の幅方向の径よりも小さく、
貫通孔を通過している第1電気接続部または第2電気接続部の厚さ方向の占有幅が、貫通孔の厚さ方向の径よりも小さい。
【0007】
貫通孔(63)を通過している第1電気接続部(133、143)または第2電気接続部(135、145)が磁性体コア(60)の並び方向(DP)の投影領域内に配置されることとなる。これによれば幅方向(WD)に関して、バスバー(130、140)の体格が抑えられやすくフィルタ装置(90)を小型化可能である。
【0008】
なお、上記の括弧内の参照番号は、後述の実施形態に記載の構成との対応関係を示すものに過ぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】
図3に示すIV側から見たフィルタ装置の平面図である。
【
図5】
図3に示すV側から見たフィルタ装置の平面図である。
【
図6】
図3に示すVI側から見たフィルタ装置の平面図である。
【
図9】磁性体コアとバスバーとの配置の変形例を説明する斜視図である。
【
図10】磁性体コアとバスバーとの配置の変形例を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
【0011】
また、各実施形態で組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士、実施形態と変形例、および、変形例同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0012】
(第1実施形態)
<車載システム>
図1は、車載システム1に搭載される電気部品10の電気回路図である。車載システム1に、バッテリ2、モータジェネレータ4、および、電気部品10が搭載されている。車載システム1が搭載される車両は、エンジンの駆動力とモータジェネレータ4の駆動力とを切り替えて、及び/又は、組み合わせて走行可能なハイブリッド自動車である。エンジンとモータジェネレータ4とはギア装置を介して相互に連結されている。
【0013】
電気部品10は、インバータ11、制御回路基板15、平滑コンデンサ20、Yコンデンサ30、フィルタ装置90、P側配線110、N側配線120、および、連結バスバー150を有する。P側配線110はバッテリ2の正極に接続される導電部材である。N側配線120はバッテリ2の負極に接続される導電部材である。連結バスバー150は、インバータ11とモータジェネレータ4とを接続する導電部材である。
【0014】
インバータ11は、P側配線110とN側配線120に接続されている。インバータ11は、複数の半導体モジュール12を有する。半導体モジュール12はスイッチング素子13とダイオード13Aとを2つずつ有する。2つのスイッチング素子13は、P側配線110とN側配線120の間で直列接続されている。
【0015】
2つのスイッチング素子13のうち高電位側に設けられた1つのコレクタ電極にP側配線110につながるP側入力端子11Aが接続されている。2つのスイッチング素子13のうち低電位側に設けられた1つのエミッタに、N側配線120につながるN側入力端子11Bが接続されている。ダイオード13Aのアノードは対応するスイッチング素子13のエミッタに接続されている。ダイオード13Aのカソードは対応するスイッチング素子13のコレクタに接続されている。
【0016】
高電位側のスイッチング素子13のエミッタとN側のスイッチング素子13のコレクタに、モータジェネレータ4につながるモータ端子11Cが接続されている。複数のスイッチング素子13は、バッテリ2から供給される直流電力を、モータジェネレータ4が駆動可能な交流電力に変換する。電力変換された電力は連結バスバー150を介してモータジェネレータ4に供給される。
【0017】
制御回路基板15は、複数のスイッチング素子13をオンオフ制御する。制御回路基板15には複数のスイッチング素子13をオンオフ制御する制御回路が実装されている。複数のスイッチング素子13の接続端子11Dが制御回路基板15にはんだ接続されている。複数のスイッチング素子13の接続端子11Dが制御回路基板15に電気的に接続されている。
【0018】
平滑コンデンサ20は主として、バッテリ2から供給される直流電圧を平滑化する。平滑コンデンサ20はP側配線110とN側配線120に接続されている。平滑コンデンサ20はインバータ11に並列接続されている。P側配線110とN側配線120は、インバータ11と平滑コンデンサ20とバッテリ2とを電気的に接続している。
【0019】
フィルタ装置90は、磁性体コア60、ベース70、締結部材80、81、82、83、P側バスバー130、および、N側バスバー140を有する。P側バスバー130はP側配線110の一部である。P側バスバー130は第1バスバーと称される場合がある。N側バスバー140はN側配線120の一部である。N側バスバー140は第2バスバーと称される場合がある。P側バスバー130とN側バスバー140を合わせてPNバスバー130、140と称する場合がある。PNバスバー130、140に磁性体コア60が設けられている。
【0020】
磁性体コア60は、磁性体コア本体61と、係合部62を備えている。磁性体コア本体61は環状に形成されている。環状の磁性体コア本体61によって一方向に貫通する貫通孔63が区画されている。貫通孔63にP側バスバー130およびN側バスバー140が通されている。磁性体コア60は、PNバスバー130、140を流れる電流に起因するノイズ成分を取り除くことが可能である。そのために磁性体コア60を含む装置をフィルタ装置90と称する場合がある。磁性体コア本体61の主材料としては、フェライトや電磁鋼板、アモルファスなどがある。磁性体が絶縁部材によって封止されている。磁性体が絶縁部材に封止されて磁性体コア本体61が形成されている。
【0021】
係合部62は磁性体コア本体61の外周に設けられている。係合部62は一方向に直交する方向に関して磁性体コア本体61から遠ざかる態様で延びている。係合部62は磁性体コア本体61をベース70に取り付けるための係止部である。締結部材80によって係合部62がベース70に取り付けられることで磁性体コア本体61がベース70に固定されている。
【0022】
Yコンデンサ30は主として、インバータ11から漏れ出たノイズ成分を取り除く。Yコンデンサ30は、2つのコンデンサ素子31、32、2つのYコンデンサバスバー41、42、および、グラウンドバスバー50を有する。2つのコンデンサ素子31、32のうち、P側配線110側に設けられた1つをP側コンデンサ素子31と称する場合がある。2つのコンデンサ素子31、32のうちN側配線120側に設けられた1つをN側コンデンサ素子32と称する場合がある。
【0023】
2つのYコンデンサバスバー41、42のうち、P側コンデンサ素子31に接続される1つをP側Yコンデンサバスバー41と称する場合がある。P側Yコンデンサバスバー41は第1コンデンサバスバーと称される場合がある。P側Yコンデンサバスバー41は、P側コンデンサ素子31に接続されるP側第1バスバー端子41Aと、P側配線110に接続されるP側第2バスバー端子を有する。P側コンデンサ素子31がP側Yコンデンサバスバー41を介してP側配線110に電気的に接続されている。
【0024】
2つのYコンデンサバスバー41、42のうち、N側コンデンサ素子32に接続される1つをN側Yコンデンサバスバー42と称する場合がある。N側Yコンデンサバスバー42は第2コンデンサバスバーと称される場合がある。N側Yコンデンサバスバー42は、N側コンデンサ素子32に接続されるN側第1バスバー端子42Aと、N側配線120に接続されるN側第2バスバー端子を有する。N側コンデンサ素子32がN側Yコンデンサバスバー42を介してN側配線120に電気的に接続されている。
【0025】
グラウンドバスバー50は、P側コンデンサ素子31に接続されるP側GND端子と、N側コンデンサ素子32に接続されるN側GND端子と、ベース70を介してグラウンドに接続されるグラウンド接続端子53と、を有する。グラウンドバスバー50は、P側GND端子と、N側GND端子とグラウンド端子51とをつなぐように延びている。グラウンドバスバー50は、コンデンサ素子31、32に接続されるとともに、グラウンドに電気的に接続されている。
【0026】
グラウンドバスバー50は、ベース70を介してシャーシ等のボディグラウンドに電気的に接続されている。コンデンサ素子31、32は、インバータ11から漏れ出たノイズ成分を、グラウンドバスバー50を介してボディグラウンドに流すことで、インバータ11からノイズ成分を取り除いている。またコンデンサ素子31、32は、インバータ11から漏れ出すノイズ成分に限らず、PNバスバー130、140を流れるノイズ成分を取り除くことも可能である。
【0027】
図2はフィルタ装置90の分解斜視図である。
図3は、フィルタ装置90の平面図である。
図4は、
図3に示すIV側から見たフィルタ装置90の平面図である。
図5は、
図3に示すV側から見たフィルタ装置90の平面図である。
図6は、
図3に示すVI側から見たフィルタ装置90の平面図である。
図7は、バスバー130、140の変形例を説明する平面図である。PNバスバー130、140の厚さ方向を厚さ方向TDと称する場合がある。厚さ方向TDに直交する一方向を奥行方向DPと称する場合がある。厚さ方向TDと奥行方向DPに直交する一方向を幅方向WDと称する場合がある。厚さ方向TDと奥行方向DPと幅方向WDは互いに直交する3方向である。
【0028】
PNバスバー130、140はバッテリ2とYコンデンサ30とを電気的に接続している。PNバスバー130、140は一部が幅方向WDに折れ曲がりながら奥行方向DPに沿って延びている。PNバスバー130、140は1段の段差形状を有している。バッテリ2とYコンデンサ30は奥行方向DPに並んで配置されている。バッテリ2とYコンデンサ30とが並ぶ並び方向である奥行方向DPに関して、バッテリ2とYコンデンサ30の間にPNバスバー130、140が設けられている。なお、バッテリ2は第1電気部品と称される場合がある。Yコンデンサ30は第2電気部品と称される場合がある。
【0029】
PNバスバー130、140の奥行方向DPの一端にバッテリ2に接続される第1端子131、141が設けられている。PNバスバー130、140の奥行方向DPの他端にYコンデンサ30に接続される第2端子132、142が設けられている。P側バスバー130の第1端子をP側第1端子131と称する場合がある。P側バスバー130の第2端子をP側第2端子132と称する場合がある。
【0030】
<P側バスバー>
P側バスバー130は、第1延長部133、第2延長部134、および、第3延長部135を有する。第1延長部133と第3延長部135は幅方向WDに離れて配置されている。第1延長部133は第3延長部135よりも幅方向奥側WD+に設けられている。第3延長部135は第1延長部133よりも幅方向手前側WD-に設けられている。
【0031】
第1延長部133と第3延長部135は奥行方向DPに沿って延びている。第1延長部133は第3延長部135よりも奥行方向手前側DP-に設けられている。第3延長部135は第1延長部133よりも奥行方向奥側DP+に設けられている。第1延長部133の奥行方向手前側DP-の端にP側第1端子131が設けられている。第3延長部135の奥行方向奥側DP+の端にP側第2端子132が設けられている。
【0032】
第1延長部133におけるP側第1端子131とは反対側の端と、第3延長部135におけるP側第2端子132とは反対側の端とをつなぐように、第2延長部134が設けられている。第2延長部134は連結部と称される場合がある。奥行方向DPに関して、第2延長部133は第1延長部133と第3延長部135の間に設けられている。幅方向WDに関して、第2延長部133は第1延長部133と第3延長部135の間に設けられている。厚さ方向TDから見て第2延長部134は幅方向WDに沿って延びている。第1延長部133と第2延長部134とが成す角は直角または略直角である。第3延長部135と第2延長部134とが成す角は直角または略直角である。厚さ方向TDから見てP側バスバー130はクランク形状をしている。
【0033】
第2延長部134は連続する3つの延長片134A、134B、134Cを有している。3つの延長片134A、134B、134Cは、P側第1延長片134A、P側第2延長片134B、P側第3延長片134Cと称される場合がある。第1延長部133におけるP側第1端子131とは反対側の端に、P側第1延長片134Aが連なる。P側第1延長片134Aは第1延長部133から第3延長部135に向かって幅方向WDに延びている。
【0034】
また厚さ方向TDにおける第1延長部133の位置と、厚さ方向TDにおける第3延長部135の位置とが異なる。第3延長部135におけるP側第2端子132とは反対側の端に、P側第3延長片134Cが連なる。P側第3延長片134Cは第3延長部135から第1延長部133に向かって幅方向WDに延びている。
【0035】
そしてP側第1延長片134AとP側第3延長片134CをつなぐようにP側第2延長片134Bが設けられている。P側第2延長片134Bは厚さ方向TDに沿って延びている。P側第1延長片134Aと、P側第2延長片134Bと、P側第3延長片134Cと、が連続している。P側第1延長片134Aと、P側第2延長片134Bと、P側第3延長片134Cと、によって1段の段差形状が形成されている。段差形状の厚さ方向下方側TD-を下段と称する場合がある。段差形状の厚さ方向上側TD+を上段と称する場合がある。第1延長部133およびP側第1延長片134Aが下段側に設けられている。第3延長部135およびP側第3延長片134Cが上段側に設けられている。上段と下段をつなぐようにP側第2延長片134Bが設けられている。
【0036】
磁性体コア本体61は奥行方向DPのまわりに環状を成す環状形状をしている。磁性体コア本体61は環の内側に奥行方向DPに貫通する貫通孔63を有している。貫通孔63に第3延長部135が通されている。第3延長部135の幅方向WDの占有幅は、貫通孔63の幅方向の径よりも小さい。第3延長部135の厚さ方向TDの占有幅は、貫通孔63の厚さ方向TDの径よりも小さい。また第2延長部134は磁性体コア60の奥行方向DPの投影領域内に含まれている。
【0037】
第3延長部135の幅方向WDの占有幅とは、最も幅方向奥側DP+の点と最も幅方向手前側WD-の点との距離に等しい。第3延長部135の幅方向WDの占有幅とは第3延長部135の幅方向WDの体格と称する場合もある。第3延長部135の厚さ方向TDの占有幅とは、最も厚さ方向上方TD+の点と最も厚さ方向下方側TD-の点との距離に等しい。第3延長部135の厚さ方向TDの占有幅とは第3延長部135の厚さ方向TDの体格と称する場合もある。
【0038】
また第3延長部135における奥行方向DPの長さは、貫通孔63の奥行方向DPの長さよりも長い。第3延長部135における奥行方向DPの長さは、貫通孔63の幅方向WDおよび奥行方向DPの径よりも長い。第3延長部135における奥行方向DPの略中央に位置する部位に磁性体コア本体61が設けられている。貫通孔63に第3延長部135における奥行方向DPの略中央に位置する部位が通されている。
【0039】
第1実施形態において第3延長部135は奥行方向DPに沿うように一方向に延びている。しかしながら第3延長部135は奥行方向DPに沿うように一方向に延びていなくてもよい。例えば
図7に示すように第3延長部135が幅方向WDに湾曲しながら奥行方向DPに延びていてもよい。図示を省略するが第3延長部135が厚さ方向TDに湾曲しながら奥行方向DPに延びていてもよい。その場合においても、第3延長部135の幅方向WDの占有幅は、貫通孔63の幅方向の径よりも小さい。第3延長部135の厚さ方向TDの占有幅は、貫通孔63の厚さ方向TDの径よりも小さい
【0040】
<N側バスバー>
N側バスバー140は、第4延長部143、第5延長部144、および、第6延長部145を有する。第4延長部143と第6延長部145は幅方向WDに離れて配置されている。第4延長部143は第6延長部145よりも幅方向手前側WD-に設けられている。第6延長部145は第4延長部143よりも幅方向奥側DP+に設けられている。
【0041】
第4延長部143と第6延長部145は奥行方向DPに沿って延びている。第4延長部143は第6延長部145よりも奥行方向手前側DP-に設けられている。第6延長部145は第4延長部143よりも奥行方向奥側DP+に設けられている。第4延長部143の奥行方向手前側DP-の端にN側第1端子141が設けられている。第6延長部145の奥行方向奥側DP+の端にN側第2端子142が設けられている。
【0042】
第4延長部143におけるN側第1端子141とは反対側の端と、第6延長部145におけるN側第2端子142とは反対側の端とをつなぐように、第5延長部144が設けられている。第5延長部144は連結部と称される場合がある。奥行方向DPに関して、第5延長部144は第4延長部143と第6延長部145の間に設けられている。幅方向WDに関して、第5延長部144は第4延長部143と第6延長部145の間に設けられている。厚さ方向TDから見て第5延長部144は幅方向WDに沿って延びている。第4延長部143と第5延長部144とが成す角は直角または略直角である。第6延長部145と第5延長部144とが成す角は直角または略直角である。厚さ方向TDから見てN側バスバー140はクランク形状をしている。
【0043】
第5延長部144は連続する3つの延長片144A、144B、144Cを有している。3つの延長片144A、144B、144Cは、N側第1延長片144A、N側第2延長片144B、N側第3延長片144Cと称される場合がある。第4延長部143におけるN側第1端子141とは反対側の端に、N側第1延長片144Aが連なる。N側第1延長片144Aは第4延長部143から第6延長部145に向かって幅方向WDに延びている。
【0044】
また厚さ方向TDにおける第4延長部143の位置と、厚さ方向TDにおける第6延長部145の位置とが異なる。第6延長部145におけるN側第2端子142とは反対側の端に、N側第3延長片144Cが連なる。N側第3延長片144Cは第6延長部145から第4延長部143に向かって幅方向WDに延びている。
【0045】
そしてN側第1延長片144AとN側第3延長片144CをつなぐようにN側第2延長片144Bが設けられている。N側第2延長片144Bは厚さ方向TDに沿って延びている。N側第1延長片144Aと、N側第2延長片144Bと、N側第3延長片144Cと、が連続している。N側第1延長片144Aと、N側第2延長片144Bと、N側第3延長片144Cと、によって1段の段差形状が形成されている。第4延長部143およびN側第1延長片144Aが下段側に設けられている。第6延長部145およびN側第3延長片144Cが上段側に設けられている。上段と下段をつなぐようにN側第2延長片144Bが設けられている。
【0046】
上記したように磁性体コア本体61は環の内側に奥行方向DPに貫通する貫通孔63を有している。貫通孔63に第4延長部143が通されている。第4延長部143の幅方向WDの占有幅は、貫通孔63の幅方向の径よりも小さい。第4延長部143の厚さ方向TDの占有幅は、貫通孔63の厚さ方向TDの径よりも小さい。第5延長部144は磁性体コア60の奥行方向DPの投影領域内に含まれている。
【0047】
第4延長部143の幅方向WDの占有幅とは、最も幅方向奥側DP+の点と最も幅方向手前側WD-の点との距離に等しい。第4延長部143の幅方向WDの占有幅とは第4延長部143の幅方向WDの体格と称する場合もある。第4延長部143の厚さ方向TDの占有幅とは、最も厚さ方向上方TD+の点と最も厚さ方向下方側TD-の点との距離に等しい。第4延長部143の厚さ方向TDの占有幅とは第4延長部143の厚さ方向TDの体格と称する場合もある。
【0048】
第1実施形態において第4延長部143は奥行方向DPに沿うように一方向に延びている。しかしながら第4延長部143は奥行方向DPに沿うように一方向に延びていなくてもよい。例えば第4延長部143が幅方向WDに湾曲しながら奥行方向DPに延びていてもよい。第4延長部143が厚さ方向TDに湾曲しながら奥行方向DPに延びていてもよい。その場合においても、第4延長部143の幅方向WDの占有幅は、貫通孔63の幅方向の径よりも小さい。第4延長部143の厚さ方向TDの占有幅は、貫通孔63の厚さ方向TDの径よりも小さい。
【0049】
また第4延長部143における奥行方向DPの長さは、貫通孔63の奥行方向DPの長さよりも長い。第4延長部143における奥行方向DPの長さは、貫通孔63の幅方向WDおよび奥行方向DPの径よりも長い。第4延長部143における奥行方向DPの略中央に位置する部位に磁性体コア本体61が設けられている。貫通孔63に第4延長部143における奥行方向DPの略中央に位置する部位が通されている。
【0050】
第1実施形態において第4延長部143は奥行方向DPに沿うように一方向に延びている。しかしながら第4延長部143は奥行方向DPに沿うように一方向に延びていなくてもよい。例えば第4延長部143が幅方向WDに湾曲しながら奥行方向DPに延びていてもよい。第4延長部143が厚さ方向TDに湾曲しながら奥行方向DPに延びていてもよい。その場合においても、第4延長部143の幅方向WDの占有幅は、貫通孔63の幅方向の径よりも小さい。第4延長部143の厚さ方向TDの占有幅は、貫通孔63の厚さ方向TDの径よりも小さい。
【0051】
<P側バスバーとN側バスバー>
奥行方向DPに関して第1端子131、141と第2端子132、142の中心点を通り幅方向WDに延びる軸を仮想軸AXとする。仮想軸AXまわりにP側バスバー130を180°回転したものがN側バスバー140である。言い換えればP側バスバー130を裏返したものがN側バスバー140である。P側バスバー130とN側バスバー140は同一形状であって互いに裏返しの関係にある。P側バスバー130における第1延長部133と、N側バスバー140における第6延長部145とが同一形状である。P側バスバー130における第2延長部134と、N側バスバー140における第5延長部144とが同一形状である。P側バスバー130における第3延長部135と、N側バスバー140における第4延長部143とが同一形状である。
【0052】
P側バスバー130において幅方向手前側WD-に第3延長部135が設けられている。P側バスバー130において幅方向奥側WD+に第1延長部133が設けられている。N側バスバー140において幅方向手前側WD-に第4延長部143が設けられている。N側バスバー140において幅方向奥側WD+に第6延長部145が設けられている。厚さ方向TDに関して第3延長部135と第4延長部143が重なる。第3延長部135が第4延長部143よりも厚さ方向上側TD+に設けられている。第1延長部132の厚さ方向TDの位置と第4延長部143の厚さ方向TDの位置とが等しい。第1延長部133と第4延長部143とが絶縁性を保持可能な距離以上、幅方向WDに離れて設けられている。第1延長部133と第4延長部143とが幅方向WDに関して重なる。第3延長部135の厚さ方向TDの位置と第6延長部145の厚さ方向TDの位置とが等しい。第3延長部135と第6延長部145とが絶縁性を保持可能な距離以上、幅方向WDに離れて設けられている。第3延長部135と第6延長部145とが幅方向WDに関して重なる。
【0053】
幅方向奥側WD+から幅方向手前側WD-に向かって、第2延長部134が厚さ方向下方側TD-から厚さ方向上方TD+に1段持ち上がるように段差状に延びている。P側第2延長片134Bが第4延長部143と幅方向WDで重なる。P側第2延長片134Bが第4延長部143よりも幅方向奥側WD+に設けられている。P側第3延長片134Cが第4延長部143と厚さ方向TDで重なる。P側第3延長片134Cが第4延長部143よりも厚さ方向上方TD+に設けられている。
【0054】
同様に幅方向手前側WD-から幅方向奥側WD+に向かって、第5延長部144が厚さ方向下方側TD-から厚さ方向上方TD+に1段持ち上がるように段差状に延びている。N側第1延長片144Aが第3延長部135と厚さ方向TDで重なる。N側第2延長片144Bが第3延長部135と幅方向WDで重なる。N側第1延長片144Aが第3延長部135よりも厚さ方向下方側TD-に設けられている。
【0055】
またP側第1延長片134AとN側第3延長片144Cとが奥行方向DPに離れて設けられている。P側第1延長片134AとN側第3延長片144Cとの離間距離は、磁性体コア本体61の奥行方向DPの厚さよりも大きい。P側第1延長片134AとN側第3延長片144Cとの間に磁性体コア本体61が設けられている。磁性体コア本体61の貫通孔63に第3延長部135および第4延長部143が通されている。磁性体コア本体61が第3延長部135および第4延長部143を囲むように奥行方向DP周りに環状に延びている。磁性体コア本体61における幅方向奥側WD+の外周に係合部62が設けられている。係合部62は磁性体コア本体61から遠ざかるように幅方向奥側WD+に延びている。
【0056】
P側バスバー130、N側バスバー140、磁性体コア60、および、Yコンデンサ30がベース70に固定されている。ベース70は例えばパワーモジュールを収納する筐体などに固定される。ベース70は、第1端子固定部71、磁性体固定部72、第2端子固定部73、および、Yコンデンサ固定部74、土台75を有する。土台75は厚さ方向TDに厚さの薄い板状形状をしている。第1端子固定部71、磁性体固定部72、第2端子固定部73、および、Yコンデンサ固定部74は、土台75から厚さ方向上方TD+に向かって突出している。第1端子固定部71は第1固定部と称される場合がある。第2端子固定部73は第2固定部と称される場合がある。
【0057】
第1端子固定部71はP側第1端子131およびN側第1端子141が固定される被固定部である。第1端子固定部71にはP側第1端子131とN側第1端子141を固定する締結部材80を通すための孔が個々に形成されている。締結部材80を介してP側第1端子131とN側第1端子141が第1端子固定部71に固定されている。2つの孔の距離は、第1延長部133と第4延長部143との離間距離に等しい。なお、第1延長部133および第4延長部143は第1電気部品に相当するバッテリ2に接続される部位であるから第1電気接続部と称される場合がある。
【0058】
磁性体固定部72は磁性体コア本体61の一部を収納するとともに係合部62が固定される。磁性体固定部72は、磁性体コア本体61の厚さ方向下方側TD-側の部位を収納する収納部72Aと、係合部62が固定される被固定部72Bを有している。被固定部72Bに係合部62を固定する締結部材80を通すための孔が形成されている。締結部材80を介して被固定部に係合部62が固定されている。係合部62は、第2延長部134の奥行方向DPの投影領域と、第5延長部144の奥行方向DPの投影領域とが重なる領域において締結部材80を介して被固定部72Bに固定されている。
【0059】
第2端子固定部73は、P側第2端子固定部73Aと、N側第2端子固定部73Bを有する。P側第2端子固定部73AはP側第2端子132が固定される被固定部である。P側第2端子固定部73Aは第1バスバー側第2固定部と称される場合がある。P側第2端子固定部73AにはP側第2端子132を固定する締結部材80を通すための孔が形成されている。締結部材80を介してP側第2端子132がP側第2端子固定部73Aに固定されている。
【0060】
N側第2端子固定部73BはN側第2端子142が固定される被固定部である。N側第2端子固定部73Bは第2バスバー側第2固定部と称される場合がある。N側第2端子固定部73BにはN側第2端子142を固定する締結部材80を通すための孔が形成されている。締結部材80を介してN側第2端子142がN側第2端子固定部73Bに固定されている。なお、第3延長部135および第6延長部145は第2電気部品に相当するYコンデンサ30に接続される部位であるから第2電気接続部と称される場合がある。
【0061】
Yコンデンサ固定部74にはN側第2端子固定部73Bを固定する締結部材80を通すための孔が形成されている。締結部材80を介してN側第2端子142がN側第2端子固定部73Bに固定されている。P側第2端子固定部73AとN側第2端子固定部73Bが幅方向WDに離れて配置されている。P側第2端子固定部73AとN側第2端子固定部73Bとの距離は、第3延長部135と第6延長部145との離間距離に等しい。Yコンデンサ固定部74は奥行方向DPに関してN側第2端子固定部73Bに重なるように設けられている。
【0062】
Yコンデンサ固定部74はYコンデンサ30が固定される被固定部である。Yコンデンサ固定部74にはYコンデンサ30を固定する締結部材80を通すための孔が形成されている。締結部材80を介してYコンデンサ30がYコンデンサ固定部74に固定されている。
【0063】
4つの固定部71~74は、奥行方向手前側DP-から奥行方向奥側DP+に向かって、第1端子固定部71、磁性体固定部72、第2端子固定部73、Yコンデンサ固定部74の順に配置されている。第1端子固定部71と磁性体固定部72とが、第2延長部134の幅程度、奥行方向DPに離れて配置されている。磁性体固定部72と第2端子固定部73とが、第5延長部144の幅程度、奥行方向DPに離れて配置されている。また第1端子固定部71の上端面の厚さ方向TDの位置と、第2端子固定部73の上端面の厚さ方向TDの位置とは異なる。第1端子固定部71の上端面の厚さ方向TDの位置は第1延長部133および第4延長部143を固定可能な位置である。第2端子固定部73の上端面の厚さ方向TDの位置は第3延長部135および第6延長部145を固定可能な位置である。第1端子固定部71の上端面は、第2端子固定部73の上端面よりも厚さ方向下方側TD-に設けられている。第2端子固定部73の上端面は、第1端子固定部71の上端面よりも厚さ方向上方TD+に設けられている。
【0064】
P側バスバー130の第3延長部135が磁性体コア本体61の貫通孔63に通されている。第1端子固定部71と磁性体固定部72の間に第2延長部134が通されている。第2延長部134は磁性体コア本体61と奥行方向DPに関して重なる。P側第1端子131が第1端子固定部71に固定されている。P側第2端子132がP側第2端子固定部73Aに固定されている。
【0065】
N側バスバー140の第4延長部143が磁性体コア本体61の貫通孔63に通されている。磁性体固定部72と第2端子固定部73の間に第5延長部144が通されている。第5延長部144は磁性体コア本体61と奥行方向DPに関して重なる。N側第1端子141が第1端子固定部71に固定されている。N側第2端子142がN側第2端子固定部73Bに固定されている。
【0066】
Yコンデンサ30はYコンデンサ固定部74に幅方向WDで隣接する態様で設けられている。Yコンデンサ30はコンデンサ素子31、32、コンデンサバスバー41、42、および、グラウンドバスバー50の他に、コンデンサケース33を有する。コンデンサケース33は、これらを収納する収納部34と、Yコンデンサ固定部74に固定される係合部35を有する。締結部材80を介して係合部35がYコンデンサ固定部74に固定されている。
【0067】
収納部34の奥行方向手前側DP-から、コンデンサバスバー41、42の一部、および、グラウンドバスバー50の一部が露出している。収納部34からP側第1バスバー端子41A、N側第1バスバー端子42A、グラウンド端子51が露出している。P側第1バスバー端子41AとN側第1バスバー端子42Aは幅方向WDに離れて配置されている。P側第1バスバー端子41AはN側第1バスバー端子42Aよりも幅方向手前側WD-に設けられている。幅方向WDに関してP側第1バスバー端子41AとN側第1バスバー端子42Aの間にグラウンド端子51が設けられている。
【0068】
P側第2端子固定部73AにP側第2端子132とP側第1バスバー端子41Aが締結部材80で共締めされている。P側第2端子132とP側第1バスバー端子41Aとが締結部材80で電気的および機械的に接続されている。N側第2端子固定部73BにN側第2端子142とN側第1バスバー端子42Aが共締めされている。N側第2端子142とN側第2端子固定部73Bとが電気的および機械的に接続されている。
【0069】
また土台75におけるP側第2端子固定部73AとN側第2端子固定部73Bの間の部位に、締結部材80を介してボディグラウンドに接続可能なグラウンド端子固定部52が設けられている。グラウンド端子固定部52にグラウンド端子51が締結部材80を介して電気的および機械的に接続されている。P側コンデンサ素子31およびN側コンデンサ素子32がグラウンドに電気的に接続される。
【0070】
さらに土台75にはベース70をパワーモジュールの筐体などに取り付けるための締結部材81、82、83が取り付けられている。締結部材81は第2延長部134の幅方向WDの投影領域と磁性体コア本体61の奥行方向DPの投影領域とが重なる領域に設けられている。締結部材82は第3延長部135の奥行方向DPの投影領域とYコンデンサ30の幅方向WDの投影領域とが重なる領域に設けられている。締結部材83が磁性体コア本体61および第5延長部144の幅方向WDの投影領域と係合部35の奥行方向DPの投影領域とが重なる領域に設けられている。
【0071】
なお、締結部材81、82、83と締結部80は区別して称される場合がある。締結部材81、82、83は第1締結部材と称される場合がある。締結部80は第2締結部材と称される場合がある。
【0072】
<フィルタ装置の製造方法>
次にフィルタ装置90の製造方法を説明する。まずベース70を準備する。次に磁性体固定部72の収納部72Aに磁性体コア本体61を配置する。次に奥行方向奥側DP+から奥行方向手前側DP-に向かって第4延長部143を貫通孔63に奥行方向DPに沿って挿入する。次に、奥行方向手前側DP-から奥行方向奥側DP+に向かって第3延長部135を貫通孔63に奥行方向DPに沿って挿入する。第3延長部135が第4延長部143に厚さ方向上方TD+で重なるように第3延長部135を貫通孔63に奥行方向DPに沿って挿入する。
【0073】
なお、第4延長部143と第3延長部135の貫通孔63への挿入順番はこれに限定されない。第3延長部135が第4延長部143よりも先に貫通孔63へ挿入されてもよい。その場合、第4延長部143が第3延長部135に厚さ方向下方側TD-で重なるように第4延長部143を貫通孔63に奥行方向DPに沿って挿入する。
【0074】
次にYコンデンサ30をYコンデンサ固定部74に固定する。第1バスバー端子41A、42Aが第2端子132、142に厚さ方向TDで重なる、かつ、グラウンド端子51がグラウンド端子固定部52に厚さ方向TDで重なるように、Yコンデンサ30をYコンデンサ固定部74に固定する。対応する第1バスバー端子41A、42Aと第2端子132、142とを締結部材80で固定する。グラウンド端子固定部52にグラウンド端子51を締結部材80で固定する。そしてベース70をパワーモジュールなどの筐体に締結部材81、82、83で固定する。
【0075】
<作用効果>
フィルタ装置90はバッテリ2とYコンデンサ30に電気的に接続されている。バッテリ2とYコンデンサ30とは奥行方向DPに関して並んでいる。奥行方向DPに関してバッテリ2とYコンデンサ30の間にフィルタ装置90が設けられている。フィルタ装置90は磁性体コア60、および、バスバー130、140を有する。磁性体コア60の磁性体コア本体61は奥行方向DPに沿う軸まわりに環状に形成されている。環状の磁性体コア本体61によって奥行方向DPに貫通する貫通孔63が区画されている。バスバー130は、第1延長部133、第2延長部134、および、第3延長部135を有する。N側バスバー140は、第4延長部143、第5延長部144、および、第6延長部145を有する。
【0076】
第1延長部133および第4延長部143は、バッテリ2に接続されるとともに、奥行方向DPに沿って延びている。第3延長部135および第6延長部145は、Yコンデンサ30に接続されるとともに、奥行方向DPに沿って延びている。第2延長部134は、第1延長部133と第3延長部135とを繋いでいる。第5延長部144は、第4延長部143と第6延長部145とを繋いでいる。P側バスバー130において第3延長部135が貫通孔63を通過している。N側バスバー140において第4延長部143が貫通孔63を通過している。
【0077】
貫通孔63を通過している第3延長部135または第4延長部143の幅方向WDの占有幅は、貫通孔63の幅方向の径よりも小さい。貫通孔63を通過している第3延長部135または第4延長部143の厚さ方向TDの占有幅は、貫通孔63の厚さ方向TDの径よりも小さい。磁性体コア60の奥行方向DPの投影領域内に、貫通孔63を通過している第3延長部135または第4延長部143が配置される。これによればバスバー130、140の体格が抑えられやすくフィルタ装置90を小型化可能である。
【0078】
また製造時においては、第3延長部135または第4延長部143を貫通孔63に奥行方向DPに沿って挿入する。上記したように第3延長部135または第4延長部143の幅方向WDおよび厚さ方向TDの占有幅は、貫通孔63の幅方向WDおよび厚さ方向TDの径よりも大きい。そのために貫通孔63に第3延長部135または第4延長部143を組付者がひねることなくスムーズに通すことができる。組付け性が容易なフィルタ装置90を提供可能になる。
【0079】
また厚さ方向TDから見て第2延長部134および第5延長部144は幅方向WDに延びている。第1延長部133と第2延長部134、および、第2延長部134と第3延長部135とが略直角となる。第4延長部143と第5延長部144、および、第5延長部144と第6延長部145とが略直角となる。対応する延長部間の角度が略直角でなく湾曲しながら連なる場合と比較してバスバー130、140の奥行方向DPの体格が増大することが抑制される。さらに第2延長部134、および、第5延長部144は磁性体コア60の奥行方向DPの投影領域内に含まれている。バスバー130、140が幅方向WDに体格が増大することが抑制される。フィルタ装置90の体格が増大することが抑制できる。
【0080】
バスバー130、140はP側バスバー130とN側バスバー140を有する。P側バスバー130の第3延長部135、および、N側バスバー140の第4延長部143が貫通孔63に通過している。第3延長部135と第4延長部143とが厚さ方向TDに関して重なる。これによれば、第3延長部135と第4延長部143とが厚さ方向TDに関して重なっていない形態と比較して、幅方向WDに貫通孔63の径が小さい磁性体コア60を適用できる。フィルタ装置90の体格を小型化できる。
【0081】
P側バスバー130の第3延長部135とN側バスバー140の第4延長部143とが厚さ方向TDに関して重なる態様で、P側バスバー130とN側バスバー140が配置されている。第1延長部133のP側第1端子131と第4延長部143のN側第1端子141とが幅方向WDで重なる。第3延長部135のP側第2端子132と第6延長部145のN側第2端子142とが幅方向WDで重なる。N側バスバー140は、P側バスバー130を仮想軸AXまわりに180度回転させた形状と同一形状をしている。P側バスバー130とN側バスバー140とは表裏反対の関係にあるために、P側バスバー130とN側バスバー140の設計を共通化できる。第3延長部135と第4延長部143が厚さ方向TDで重なり、端子同士が幅方向WDで重なるためにバスバー130、140の占める占有体積が増大することが抑制される。
【0082】
第2延長部134は、厚さ方向下方側TD-から厚さ方向上方TD+に1段持ち上がる段差形状を有している。第2延長部134は、厚さ方向下方側TD-から厚さ方向上方TD+に1段持ち上がるように段差形状を有している。ベース70は、第1延長部133におけるP側第1端子131と第4延長部143におけるN側第1端子141を固定する第1端子固定部71を有している。
【0083】
またベース70は、第3延長部135におけるP側第2端子132と第6延長部145におけるN側第2端子142を固定する第2端子固定部73を有している。第1延長部133の厚さ方向TDの位置と第4延長部143の厚さ方向TDの位置とが等しい。第3延長部135の厚さ方向TDの位置と第6延長部145の厚さ方向TDの位置とが等しい。これによれば、P側第1端子131とN側第1端子141の厚さ方向TDの位置が等しいために、P側第1端子131およびN側第1端子141が第1端子固定部71に固定されやすくなる。P側第2端子132とN側第2端子142の厚さ方向TDの位置が等しいために、P側第2端子132とN側第2端子142が第2端子固定部73に固定されやすくなる。バスバー130、140とベース70との組付け性が向上する。
【0084】
Yコンデンサ30は、コンデンサ素子31、32と、P側Yコンデンサバスバー41と、N側Yコンデンサバスバー42と、グラウンドバスバー50と、を有する。P側Yコンデンサバスバー41は、第3延長部135のP側第2端子132に接続されるP側第1バスバー端子41Aを有する。N側Yコンデンサバスバー42は、第6延長部145のN側第2端子142に接続されるN側第1バスバー端子42Aを有する。グラウンドバスバー50は、コンデンサ素子31、32とグラウンドとを接続している。またグラウンドバスバー50は、コンデンサ素子31、32に接続される端とは別の端にグラウンドに接続されるグラウンド端子51を有する。
【0085】
第2端子固定部73は、P側第2端子固定部73AとN側第2端子固定部73Bを有する。またベース70はさらに、P側第2端子固定部73Aと、N側第2端子固定部73Bとの間に、グラウンド端子51を固定するグラウンド端子固定部52を有する。P側第2端子固定部73AとN側第2端子固定部73Bとは、P側第2端子132とN側第2端子142が絶縁性を維持可能な程度離れている。P側第2端子固定部73AとN側第2端子固定部73Bの間の隙間は、設計上、必要な隙間である。
【0086】
この隙間にグラウンド端子固定部52が設けられている。そのために隙間をデッドスペースとすることがなくなる。デッドスペースを活用できるため、ベース70におけるこの隙間以外の部位に、グラウンド端子51を固定するための部位を確保する必要がなくなる。これによればフィルタ装置90の体格が増大することが抑制される。
【0087】
フィルタ装置90は、ベース70を外部に取り付けるための複数の締結部材80を有する。さらにベース70は、磁性体コア60を固定する磁性体固定部72と、Yコンデンサ30を固定するYコンデンサ固定部74と、をさらに有する。磁性体コア60、バスバー130、140、および、Yコンデンサ30の1つの幅方向WDまたは奥行方向DPの投影領域と第1の投影領域とする。磁性体コア60、バスバー130、140、および、Yコンデンサ30の別の1つの幅方向WDまたは奥行方向DPの投影領域を第2の投影領域とする。第1の投影領域と第2の投影領域と、が重なる領域に、締結部材81、82、83の少なくとも一部が設けられている。これによれば、ベース70に締結部材81、82、83を固定するための部位を上に説明した領域以外のスペースに確保する必要がなくなる。そのためにフィルタ装置90の体格が増大することが抑制される。
【0088】
第2延長部134と第5延長部144とが奥行方向DPに離れている。第2延長部134の奥行方向DPの投影領域と、第5延長部144の奥行方向DPの投影領域とが重なる領域に、磁性体コア60を磁性体固定部72に固定するための締結部材80が設けられている。第2延長部134と第5延長部144の間の隙間は、設計上、必要な隙間である。この隙間に磁性体固定部72が設けられている。そのために隙間をデッドスペースとすることがなくなる。デッドスペースを活用できるため、ベース70におけるこの隙間以外の部位に、磁性体固定部72を固定するためのスペースを確保する必要がなくなる。
【0089】
(その他の実施形態)
図8は、バスバー130、140の変形例を説明する平面図である。
図9は、磁性体コア60とバスバー130、140との配置の変形例を説明する斜視図である。
図10は、磁性体コア60とバスバー130、140との配置の変形例を説明する斜視図である。
【0090】
第1実施形態においては、P側バスバー130とN側バスバー140は同一形状であって互いに裏返しの関係にある形態について説明した。しかしながらP側バスバー130とN側バスバー140は同一形状でなくてもよい。P側バスバー130とN側バスバー140の一部の形状が異なっていても良い。一例として、P側第1端子131とN側第2端子142とが奥行方向DPに少なくとも一部が重なる態様で、第5延長部144の幅方向WDの長さが第2延長部134の幅方向の長さよりも長い形状であっても良い。
【0091】
第1実施形態においては、第3延長部135と第4延長部143が厚さ方向TDで重なりつつ貫通孔63に通されている形態について説明した。しかしながら第3延長部135と第4延長部143が厚さ方向TDで重なりつつ貫通孔63に通されていなくてもよい。一例として、第3延長部135と第4延長部143が幅方向WDで重なりつつ貫通孔63に通されていても良い。
図9に示すように第3延長部135の主面と第4延長部143の主面とが幅方向WDで重なりつつ貫通孔63に通されていても良い。
図10に示すように第3延長部135の側面と第4延長部143の側面とが幅方向WDで重なりつつ貫通孔63に通されていても良い。
【0092】
また第1実施形態においては貫通孔63に、P側バスバー130の第3延長部135と、N側バスバー140の第4延長部143の両方が通されている形態について説明した。しかしながら貫通孔63にP側バスバー130またはN側バスバー140のうちの1つのみが通されていても良い。P側バスバー130のみが貫通孔63に通される場合は、第3延長部135が貫通孔63に通されることとなる。N側バスバー140のみが貫通孔63に通される場合は、第4延長部143が貫通孔63に通されることとなる。
【0093】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範ちゅうや思想範囲に入るものである。
【0094】
(技術的思想の開示)
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
【0095】
(技術的思想1)
第1電気部品(2)と第2電気部品(30)に電気的に接続され、前記第1電気部品と前記第2電気部品が並ぶ並び方向(DP)に関して前記第1電気部品と前記第2電気部品の間に設けられているフィルタ装置(90)であって、
前記並び方向に貫通する貫通孔(63)を有する環状の磁性体コア(60)と、
前記第1電気部品と前記第2電気部品とを電気的に接続するとともに前記貫通孔を通るように延びているバスバー(130、140)と、を備え、
前記バスバーは、
前記第1電気部品に接続されるとともに、前記並び方向に延びる第1電気接続部(133、143)と、
前記並び方向と自身の厚さ方向(TD)に直交する幅方向(WD)に関して前記第1電気接続部からずれた位置に設けられ、前記第2電気部品に接続されるとともに、前記並び方向に延びる第2電気接続部(135、145)と、
前記並び方向に関して、前記第1電気接続部と前記第2電気接続部とをつなぐ連結部(134、144)と、を備え、
前記第1電気接続部または前記第2電気接続部が前記貫通孔を通過し、
前記貫通孔を通過している前記第1電気接続部または前記第2電気接続部の前記幅方向の占有幅が、前記貫通孔の前記幅方向の径よりも小さく、
前記貫通孔を通過している前記第1電気接続部または前記第2電気接続部の前記厚さ方向の占有幅が、前記貫通孔の前記厚さ方向の径よりも小さいフィルタ装置。
【0096】
(技術的思想2)
前記厚さ方向から見て前記連結部は前記幅方向に延びている技術的思想1に記載のフィルタ装置。
【0097】
(技術的思想3)
前記磁性体コアの前記並び方向の投影領域に前記連結部が含まれている技術的思想1または2に記載のフィルタ装置。
【0098】
(技術的思想4)
前記バスバーを2つ備え、
2つの前記バスバーのうちの1つである第1バスバー(130)は、前記第1電気接続部である第1延長部(133)と、前記連結部である第2延長部(134)と、前記第2電気接続部である第3延長部(135)と、を有し、
2つの前記バスバーのうち残りの1つである第2バスバー(140)は、前記第1電気接続部である第4延長部(143)と、前記連結部である第5延長部(144)と、前記第2電気接続部である第6延長部(145)と、を有し、
前記第3延長部および前記第4延長部が前記貫通孔に通過しており、
前記第3延長部と前記第4延長部とが前記厚さ方向または前記幅方向に関して重なる技術的思想1~3のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【0099】
(技術的思想5)
前記第3延長部と前記第4延長部とが前記厚さ方向に関して重なる態様で、前記第1バスバーと前記第2バスバーが配置され、
前記第1延長部と前記第4延長部とが前記幅方向で重なり、
前記第3延長部と前記第6延長部とが前記幅方向で重なる技術的思想4に記載のフィルタ装置。
【0100】
(技術的思想6)
前記第1延長部および前記第4延長部を固定する第1固定部(71)と、前記第3延長部および前記第6延長部を固定する第2固定部(73)と、を有するベース(70)をさらに備え、
前記第1延長部の前記厚さ方向の位置と前記第4延長部の前記厚さ方向の位置が等しく、かつ、前記第3延長部の前記厚さ方向の位置と前記第6延長部の前記厚さ方向の位置が等しくなるように、前記第2延長部と前記第5延長部が段差形状を有している技術的思想4または5に記載のフィルタ装置。
【0101】
(技術的思想7)
前記第2電気部品はYコンデンサであり、
前記Yコンデンサは、コンデンサ素子(31、32)と、前記コンデンサ素子および前記第3延長部に接続される第1コンデンサバスバー(41)と、前記コンデンサ素子および前記第6延長部に接続される第2コンデンサバスバー(42)と、前記コンデンサ素子とグラウンドとを接続するグラウンドバスバー(50)と、を有し、
前記第2固定部は、前記第3延長部および前記第1コンデンサバスバーを固定する第1バスバー側第2固定部(73A)と、前記第6延長部および前記第2コンデンサバスバーを固定する第2バスバー側第2固定部(73B)と、を有し、
前記ベースにおける、前記第1バスバー側第2固定部と、前記第2バスバー側第2固定部との間の部位に、前記グラウンドバスバーが接続されている技術的思想6に記載のフィルタ装置。
【0102】
(技術的思想8)
前記ベースは、前記磁性体コアを固定する磁性体固定部(72)と、前記Yコンデンサを固定するYコンデンサ固定部(74)と、をさらに備え、
前記磁性体コア、前記第1バスバー、前記第2バスバー、および、前記Yコンデンサのうちの1つにおける、前記並び方向または前記幅方向の投影領域と、前記磁性体コア、前記第1バスバー、前記第2バスバー、および、前記Yコンデンサのうちの別の1つにおける、前記並び方向または前記幅方向の投影領域と、が重なる領域に、前記ベースを外部に取り付けるための締結部材(81、82、83)の少なくとも一部が設けられている技術的思想4~7のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【0103】
(技術的思想9)
前記第2延長部と前記第5延長部とが前記並び方向に離間しており、
前記第2延長部の前記並び方向の投影領域と、前記第5延長部の前記並び方向の投影領域とが重なる領域に、前記締結部材である第1締結部材とは異なる、前記磁性体コアを前記磁性体固定部に固定するための第2締結部材(80)が設けられている技術的思想8に記載のフィルタ装置。
【符号の説明】
【0104】
130 第1バスバー、 133 第1電気接続部、 133 第1延長部、 134 連結部、 134 第2延長部、 135 第3延長部、
140 バスバー、 140 第2バスバー、 143 第1電気接続部、 143 第4延長部、 144 連結部、 144 第5延長部、 145 第6延長部、
2 第1電気部品、 30 第2電気部品、 31、32 コンデンサ素子、 41 第1コンデンサバスバー、 42 第2コンデンサバスバー、 50 グラウンドバスバー、
60 磁性体コア、 63 貫通孔、 70 ベース、 71 第1固定部、 72 磁性体固定部、 73 第2固定部、 73A 第1バスバー側第2固定部、 73B 第2バスバー側第2固定部、 74 Yコンデンサ固定部、 80 第2締結部材、 81、82、83 締結部材、 90 フィルタ装置、 TD 厚さ方向、 WD 幅方向、 DP 並び方向