IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立オートモティブシステムズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電気機器 図1
  • 特開-電気機器 図2
  • 特開-電気機器 図3
  • 特開-電気機器 図4
  • 特開-電気機器 図5
  • 特開-電気機器 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152463
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】電気機器
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20241018BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H05K7/14 K
H05K7/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066677
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 隆
【テーマコード(参考)】
5E348
5H770
【Fターム(参考)】
5E348AA17
5E348AA28
5E348AA30
5E348AA31
5E348EF26
5H770AA21
5H770PA11
5H770PA42
5H770QA02
5H770QA06
5H770QA12
5H770QA22
5H770QA28
(57)【要約】
【課題】部品点数を低減可能な電気機器を提供する。
【解決手段】電気機器は、LVコネクタ125とモータコントロール基板122とを接続するフレキシブルプリント基板126を備える。フレキシブルプリント基板126は、表面側に設けられて一端がLVコネクタ125に接続される第1配線と、裏面側に設けられて一端がLVコネクタ125に接続される第2配線と、第1配線の他端が配設されてモータコントロール基板122のFPCコネクタ121aに接続される第1の端子部と、第2配線の他端が配設されてモータコントロール基板122のFPCコネクタ121bに接続される第2の端子部と、を有している。第1および第2の端子部はフレキシブルプリント基板126の延在方向に並んで配置されている。第2の端子部は第1の端子部とLVコネクタ125との間に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御回路が搭載された回路基板と、
前記回路基板を収容する筐体と、
前記筐体に取り付けられる外部コネクタと、
前記外部コネクタから前記回路基板まで延在し、前記外部コネクタと前記回路基板とを接続する可撓性のフレキシブルプリント基板と、を備え、
前記フレキシブルプリント基板は、
前記フレキシブルプリント基板の一方の面に設けられ、一端が前記外部コネクタに接続される第1配線と、
前記フレキシブルプリント基板の他方の面に設けられ、一端が前記外部コネクタに接続される第2配線と、
前記第1配線の他端が配設され、前記回路基板の第1コネクタに接続される第1接続部と、
前記第2配線の他端が配設され、前記回路基板の第2コネクタに接続される第2接続部と、を有し、
前記第1接続部および前記第2接続部は前記フレキシブルプリント基板の延在方向に並んで配置され、かつ、前記第2接続部は前記第1接続部と前記外部コネクタとの間に配置されている、電気機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電気機器において、
前記第1配線は、データ信号を伝達する配線であり、
前記第2配線は、電力を供給する配線である電気機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電気機器において、
前記回路基板は、少なくとも前記制御回路に電力を供給するための電源回路を有し、
前記第1配線は前記制御回路に接続され、
前記第2配線は前記電源回路に接続される電気機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電気機器において、
前記第2配線は、前記第1配線よりも配線幅が広い電気機器。
【請求項5】
請求項1に記載の電気機器において、
前記フレキシブルプリント基板は、前記第1接続部と前記外部コネクタとの間に開口部を有し、
前記フレキシブルプリント基板における前記開口部を囲む基板領域は、前記開口部に対して前記延在方向であって前記外部コネクタの側に位置する延在方向領域と、前記開口部に対して前記延在方向と直交する基板幅方向に位置する側方領域とを有し、
前記第2接続部は、前記延在方向領域の開口側端部に設けられ、
前記第1配線は、前記側方領域を経由して前記第1接続部に至る、電気機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電気機器において、
前記第1接続部は、前記フレキシブルプリント基板の前記延在方向の端部に設けられて前記第1配線が接続される端子を有し、前記第1コネクタの接続挿入口に挿入されて該第1コネクタに接続され、
前記第2接続部は、前記開口側端部に設けられて前記第2配線が接続される端子を有し、前記第2コネクタの接続挿入口に挿入されて該第2コネクタに接続される、電気機器。
【請求項7】
請求項1に記載の電気機器において、
前記第1配線および前記第2配線は、半田付けにより前記外部コネクタと接続される電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御回路が搭載された電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
制御回路が搭載された電気機器の一例として、車両駆動用モータを制御する電力変換装置がある(例えば、特許文献1参照)。このような車両搭載の電力変換装置では、高機能化に伴って、車両側の多くの外部信号との協調制御が必要となる。一方で、小型化のニーズを満たすために、配線材のスペース効率の向上を図る必要がある。
【0003】
特許文献1に記載の電力変換装置では、外部からの各種信号を筐体に内蔵された制御回路基板に伝送するコネクタは、上下に重ねられて配置された第1フレキシブルプリント基板と第2フレキシブルプリント基板とにより、制御回路基板に接続されている。そのような構成とすることにより、フレキシブルプリント基板が筐体の幅方向に大きく広がるのを抑制して、電力変換装置の小型化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5622659号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フレキシブルプリント基板を上下に重ねるように配置しているので、部品点数が増えてしまうという課題があった。
【0006】
本発明は、部品点数を低減可能な電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による電気機器は、制御回路が搭載された回路基板と、前記回路基板を収容する筐体と、前記筐体に取り付けられる外部コネクタと、前記外部コネクタから前記回路基板まで延在し、前記外部コネクタと前記回路基板とを接続する可撓性のフレキシブルプリント基板と、を備え、前記フレキシブルプリント基板は、前記フレキシブルプリント基板の一方の面に設けられ、一端が前記外部コネクタに接続される第1配線と、前記フレキシブルプリント基板の他方の面に設けられ、一端が前記外部コネクタに接続される第2配線と、前記第1配線の他端が配設され、前記回路基板の第1コネクタに接続される第1接続部と、前記第2配線の他端が配設され、前記回路基板の第2コネクタに接続される第2接続部と、を有し、前記第1接続部および前記第2接続部は前記フレキシブルプリント基板の延在方向に並んで配置され、かつ、前記第2接続部は前記第1接続部と前記外部コネクタとの間に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品点数を低減可能な電気機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、電力変換装置の斜視図である。
図2図2は、電力変換装置の各構成を示す分解斜視図である。
図3図3は、モータコントロール基板の各構成と、LVコネクタおよびフレキシブルプリント基板との関係を示す図である。
図4図4は、フレキシブルプリント基板の表面側の配線パターンを示す図である。
図5図5は、フレキシブルプリント基板の裏面側の配線パターンを示す図である。
図6図6は、LVコネクタに半田付け固定されたフレキシブルプリント基板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1図6を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、実質的に同一又は類似の構成には同一の符号を付し、説明が重複する場合には、その説明を省略する場合がある。本発明の実施形態に係る電気機器においては、電動車両等に搭載される電力変換装置を例に挙げて説明する。また、本実施形態の電気機器は、電力変換装置に限られず、筐体に設けられた外部コネクタと筐体内の回路基板とをフレキシブルプリント基板を用いて接続する構成を有するものであれば、種々の電気機器に適用可能である。
【0011】
図1は、電力変換装置100の斜視図である。図1では、電力変換装置100の上カバー123を外した状態を示した。電力変換装置100は、電気部品が収納されるケース106を有する。上カバー123をケース106にボルト固定することで、ケース106の上部開口が上カバー123によって塞がれる。ケース106の側面には、DCコネクタ124およびLVコネクタ125が設けられている。LVコネクタ125は、フレキシブルプリント基板126によってケース106内に設けられたモータコントロール基板122に接続される。
【0012】
LVコネクタ125は、フレキシブルプリント基板126の一端に半田付け固定されている。可撓性のフレキシブルプリント基板126は、基板面が垂直になるようにLVコネクタ125に固定され、途中からモータコントロール基板122の方向に折り曲げられる。折り曲げられたフレキシブルプリント基板126は、モータコントロール基板122に設けられたFPCコネクタ121a,121bに接続される。このように曲げ自由度の高いフレキシブルプリント基板126を用いることで、わずかな隙間を利用してLVコネクタ125とモータコントロール基板122とを接続することができる。
【0013】
図2は、電力変換装置100の各構成を示す分解斜視図である。パワー半導体素子を有する電力変換モジュールであるパワー半導体モジュール107は、直流電流を交流電流に変換するインバータ回路を有する。パワー半導体モジュール107は、冷却流路が形成されたケース106に配置されている。ケース106の底面側には、冷却流路の底面側開口を封止する下カバー111がネジ固定される。ケース106の側面には、冷却流路を流れる冷媒を供給および排出するための一対のパイプ112が設けられている。
【0014】
パワー半導体モジュール107には、モールドバスバー101を介して直流電力が供給される。モールドバスバー101は、金属製のバスバーとバスバーを絶縁するためのモールド材とにより構成され、ケース106に保持されている。モールドバスバー101は、平滑用コンデンサ117とパワー半導体モジュール107とを電気的に接続する。モールドバスバー101の各バスバーには、コアレスAC電流センサ105が設けられている。
【0015】
モールドバスバー101の上方には、ゲートドライバ基板102が対向配置されている。ゲートドライバ基板102は金属ベース103の下面に組付けられている。金属ベース103はケース106により保持される。金属ベース103の上方にはモータコントロール基板122が配置されている。このように、ゲートドライバ基板102とモータコントロール基板122との間に金属ベース103を配置することで、基板間の絶縁性を確保している。
【0016】
ケース106の側面に設けられたDCコネクタ124は、ケース内のモールドバスバー101と接続される。また、図1に示したように、ケース106の側面に設けられたLVコネクタ125は、フレキシブルプリント基板126を介してモータコントロール基板122に設けられたFPCコネクタ121a,121bに接続される。
【0017】
図3は、モータコントロール基板122の各構成と、LVコネクタ125およびフレキシブルプリント基板126との関係を示す図である。LVコネクタ125は、車両側の制御装置200に接続される。LVコネクタ125には複数のコネクタピンが設けられており、通信用、センサ用、電源用、GND用、オイルポンプ用、ETRモータ用等のコネクタピンがそれぞれ設けられている。後述するように、フレキシブルプリント基板126は、許容電流値の比較的小さなデータ通信系の第1配線301と、許容電流値が比較的大きな電力供給系の第2配線302とを備える。通信用およびセンサ用のコネクタピンは、フレキシブルプリント基板126の第1配線301に接続される。電源用、GND用、オイルポンプ用、ETRモータ用のコネクタピンは、フレキシブルプリント基板126の第2配線302に接続される。
【0018】
フレキシブルプリント基板126の第1配線301は、モータコントロール基板122に設けられたFPCコネクタ121aに接続される。一方、第2配線302は、モータコントロール基板122に設けられたFPCコネクタ121bに接続される。図3において、制御回路Aを構成する電子部品は、フレキシブルプリント基板126の破線Cよりも図示上側の領域に配置され、FPCコネクタ121aを介して第1配線301に接続される。一方、制御回路Aや他の電気機器に電力を供給するための電源回路Bを構成する電子部品は、破線Cよりも下側の領域に配置され、FPCコネクタ121bを介して第2配線302に接続される。
【0019】
通信用のコネクタピンのラインに関しては、車両側からのCAN通信をCANドライバで受けて、マイコン201に必要な制御を行わせる。車両側への送受信はサージフィルタ(S/F)を通す。センサ用のコネクタピンのラインに関しては、レゾルバで電動車両の動力源である走行用モータを制御する為の回転角センサ信号に対して、必要な位置補正をマイコン201にて行わせる。車両側への送受信はサージフィルタ(S/F)を通す。
【0020】
電源用のコネクタピンのラインに関しては、IGN(イグニッション)からのON/OFFにより、電源が起動する。なお、ダイオードを配置して、車両側への逆流を防止する。車両側への送受信はサージフィルタ(S/F)を通す。IGN、CAN、マイコン201からの出力をORゲートに入力して、必要な信号を送信する。GND用のコネクタピンのラインに関しては、機器の部品間で電位の調整をする際、最も安定していて基準にしやすい金属製の骨格部分に接続される。
【0021】
オイルポンプ用のコネクタピンのラインに関しては、電動オイルポンプ用の信号をパルス信号に変換して、双方向により、マイコン201によって必要な制御を行わせる。車両側への送受信はサージフィルタ(S/F)を通す。ETRモータ用のコネクタピンのラインに関しては、Full H-Bridge ICによるDCモータの駆動に関して、マイコン201によって必要な制御を行わせる。IGNやマイコンからの出力をORゲートに入力し、必要な信号を送信する。主に、アイドリングの制御等に用いられる。車両側への送受信はサージフィルタ(S/F)を通す。
【0022】
図4,5は、フレキシブルプリント基板126の詳細を示す図である。フレキシブルプリント基板126は、表裏両面に配線パターンを有する。図4はフレキシブルプリント基板126の一方の面(以下では、表面と呼ぶ)126Aの配線パターンを示し、図5は他方の面(以下では、裏面と呼ぶ)126Bの配線パターンを示す。
【0023】
図4,5において、図示上下方向がフレキシブルプリント基板126の延在方向であり、図示左右方向がフレキシブルプリント基板126の幅方向である。フレキシブルプリント基板126の図示上側には、開口305が形成されている。フレキシブルプリント基板126の図示下側の領域303には、コンタクトホール304が複数形成されている。
【0024】
図6は、LVコネクタ125に半田付け固定されたフレキシブルプリント基板126を示す図である。LVコネクタ125のコネクタピン125aは、フレキシブルプリント基板126のコンタクトホール304に挿通されて半田付けされる。フレキシブルプリント基板126は、表面126AがLVコネクタ125と対向するようにLVコネクタ125に固定されている。
【0025】
図4に示すように、フレキシブルプリント基板126の表面126Aには複数の第1配線301が設けられている。第1配線301は、一端がコンタクトホール304に接続され、他端がフレキシブルプリント基板126の上端に設けられた端子部306aに接続される。フレキシブルプリント基板126の表面126Aにおいて、第1配線301の配線領域W1,W2の幅寸法は、開口305の側方の基板領域の幅寸法と同一に設定されている。第1配線301は、コンタクトホール304から開口305の側方の配線領域W1,W2のいずれかを経由して開口305の上側の基板領域に回り込んだ後、端子部306aの端子310に接続される。なお、1つの端子310は、FPCコネクタ121aの一つのコネクタピンに一対一で接続される。
【0026】
図5に示すように、フレキシブルプリント基板126の裏面126Bには複数の第2配線302が設けられている。開口305を囲む基板領域において、開口305に対してフレキシブルプリント基板126の延在方向であってLVコネクタ125の側に位置する延在方向領域の開口側端部、すなわち、開口305の下側の基板領域の端部には、端子部306bが設けられている。第2配線302は、一端がコンタクトホール304に接続され、他端が開口305の下側に設けられた端子部306bの端子310に接続される。1つの端子310は、FPCコネクタ121bの一つのコネクタピンに一対一で接続される。第2配線302の配線領域W3は、フレキシブルプリント基板126の裏面126Bの幅方向全体に及んでいる。
【0027】
フレキシブルプリント基板126の端子部306aをモータコントロール基板122のFPCコネクタ121a(図1参照)の接続挿入口に挿入すると、端子部306aがFPCコネクタ121aに接続される。同様に、端子部306bをモータコントロール基板122のFPCコネクタ121b(図1参照)の接続挿入口に挿入すると、端子部306bがFPCコネクタ121bに接続される。
【0028】
前述したように、フレキシブルプリント基板126の表面126Aに設けられた第1配線301は、データ通信を伝達する配線として用いられ、LVコネクタ125の通信用およびセンサ用のコネクタピン125aに接続される。一方、フレキシブルプリント基板126の裏面126Bに設けられた電力供給用の第2配線302は、LVコネクタ125の電源用、GND用、オイルポンプ用、ETRモータ用のコネクタピン125aに接続される。
【0029】
一般的に、フレキシブルプリント基板126の端子部306a,306bに設けられている端子310や、FPCコネクタ121a,121bのコネクタピンの定格値(通電可能な電流値)は、例えば、0.5A程度と小さい。データ通信系の信号は0.5Aよりも小さいので、1つの端子310で伝達することができる。そのため、図4の端子部306aに示すように、第1配線301の各配線パターンは1つの端子310に接続されている。また、第1配線301のパターン幅は比較的小さく設定されている。
【0030】
一方、電力系は要求電流が上記の定格値を超える場合が多い。そのため、第2配線302の各配線パターンは、パターン幅が流れる電流に応じて大きく設定され、また、複数の端子310に跨って接続されている。例えば、図5の第2配線302の一つの配線パターン302aは、4個の端子310に接続されている。なお、第2配線302であっても、流れる電流が端子310の定格値を下回る場合には、例えば、配線パターン302bのようにパターン幅は比較的小さく設定され、1つの端子310に接続される。
【0031】
図5に示すように、開口305の下側に第2配線302の端子部306bを設けることで、フレキシブルプリント基板126の幅方向全域を第2配線302のパターン領域として利用することが可能となる。それにより、電力系用の幅広の配線パターンに十分対応することができる。また、第2配線302の長さを第1配線301に比べて短く設定することができるので、電流のロスを抑制することができる。
【0032】
なお、表面126Aのパターンスペースに余裕がなく裏面126B側においてパターンスペースに余裕がある場合には、信号系の配線(第1配線301)の一部を裏面126B側に形成しても良い。
【0033】
(変形例)
なお、上述した実施形態では、モータコントロール基板122に設けられたFPCコネクタ121a,121bの接続挿入口に、フレキシブルプリント基板126の端子部306a,306bを挿入して接続する形式を採用した。しかしながら、接続形式はこれに限らず、例えば、特許文献1に記載されているような接続形式としても良い。すなわち、オス側コネクタとメス側コネクタとから成るコネクタを採用し、オス側コネクタを端子部306a,306bの代わりにフレキシブルプリント基板126にそれぞれ設け、メス側コネクタをFPCコネクタ121a,121bの代わりにモータコントロール基板122にそれぞれ設ける。
【0034】
また、このようなコネクタを採用した場合、端子部306bを設けるために形成した開口305を設けなくても構わない。第1配線301は、第2配線用のメス側コネクタの側方の基板領域を経由して第1配線用のメス側コネクタに接続される。
【0035】
上述した実施形態および変形例の効果をまとめると以下のようになる。
【0036】
(1)図1,4,5に示すように、上述した実施形態では、フレキシブルプリント基板の一方の面(表面126A)に第1配線301を設け、かつ、他方の面(裏面126B)に第2配線302を設けて、第1配線301の接続部である端子部306aと、第2配線302の接続部である端子部306bとをフレキシブルプリント基板126の延在方向に並んで配置した。その結果、特許文献1に記載のように2枚のフレキシブルプリント基板を上下に重ねるように配置する構成と比較して、部品点数(フレキシブルプリント基板の枚数)の削減を図ることができる。
【0037】
また、実施形態では、第1配線301が接続される端子310を有する端子部306aをFPCコネクタ121aに挿入するように接続し、第2配線302が接続される端子310を有する端子部306bをFPCコネクタ121bに挿入するように接続する構成とした。それにより、フレキシブルプリント基板の枚数の削減に加えて、コネクタ数の削減も図ることができる。
【0038】
(2)2枚のフレキシブルプリント基板を上下に重ねて配置する構成(特許文献1)と比較して、実施形態では、表裏面に第1配線301および第2配線302を配置した1枚のフレキシブルプリント基板126を設けているので、組み立て工数の削減も図れる。また、図1,4,5に示すように、端子部306a,306bは、フレキシブルプリント基板126の延在方向に沿って並んで配置されており、FPCコネクタ121a,121bとほぼ同一の間隔で一直線上に並んでいる。そのため、端子部306aのFPCコネクタ121aへの挿入に合わせて、端子部306bのFPCコネクタ121bへの挿入を行うことが可能となり、取り付け時の作業性向上を図ることができる。さらに、特許文献1の場合のように下側のコネクタが上側のフレキシブルプリント基板の下に隠れてしまわずに、接続状態においてFPCコネクタ121a,121bが露出して見えている。そのため、接続状態が正常か否かを、目視で容易に確認することができる。
【0039】
(3)実施形態では、フレキシブルプリント基板126の一方の面に第1配線301を配置し、かつ、他方の面に第2配線302に配置し、端子部306a,306bを基板延在方向に並ぶように配置している。そのため、フレキシブルプリント基板126の配置スペースを低減することができ、空いたスペースを有効に活用することができる。例えば、FPCコネクタ121a,121bをフレキシブルプリント基板126の延在方向に並んで配置するので、モータコントロール基板122上における配置スペースを小さくすることができ、電子部品の配置スペースを拡大することができる。また、モータコントロール基板122にFPCコネクタ121a,121b以外の他のコネクタを配置するような場合には、上述した空いたスペースにそのコネクタを配置することができる。さらにまた、フレキシブルプリント基板126の配置スペース(幅方向の配置スペース)が低減でき配置スペースに余裕ができるので、例えば、LVコネクタ125とモータコントロール基板122との間に障害物がある場合、障害物を避けるようにフレキシブルプリント基板126を曲げてずらすこともできる。
【0040】
(4)実施形態では、1枚のフレキシブルプリント基板126で配線が可能なので、振動対策のためにクッション材等を配置する場合にも、クッション材の配置スペースが少なくて済む。また、ECM対策が必要な場合においてもシールドの範囲が狭くて済むので、シールド材(アルミダイキャスト等の金属板、フレキシブルプリント基板に対する銀コーティング等)の部品点数や材料の低減ができ、コスト低減を図ることができる。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0042】
100…電力変換装置、106…ケース、121a,121b…FPCコネクタ、122…モータコントロール基板、124…DCコネクタ、125…LVコネクタ、126…フレキシブルプリント基板、126A…表面、126B…裏面、301…第1配線、302…第2配線、302a,302b…配線パターン、304…コンタクトホール、305…開口、306a,306b…端子部、310…端子、A…制御回路、B…電源回路、W1,W2,W3…配線領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6