(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152470
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】ヘッドマウントディスプレイ
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20241018BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
G02B27/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066694
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000126115
【氏名又は名称】エア・ウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 大
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA04
2H199CA12
2H199CA42
2H199CA66
2H199CA92
2H199CA93
2H199CA94
2H199CA95
2H199CA97
(57)【要約】
【課題】ヘッドマウントディスプレイのメンテナンス性及び清掃性を高めつつ、ヘッドマウントディスプレイの画像品質を維持すること。
【解決手段】筐体(12)内に、入力された画像信号に基づいて画像光を形成する画像光形成部(22)が設けられると共に、画像光形成部(22)から出射された画像光を使用者(M)の眼に導光する導光部(24)が設けられ、装着部材(54)の一部及び他の一部がそれぞれ延出部(12D)に着脱可能に連結されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭部に装着され、虚像を表示するヘッドマウントディスプレイであって、
背面側にリア開口部を有しかつ正面側にフロント開口部を有した筐体本体部、及び前記筐体本体部の幅方向の両端部にそれぞれ形成されかつ後方向に向かって延出した延出部を有する筐体と、
前記筐体本体部の正面側に前記フロント開口部を覆うように設けられ、透光性を有した第1透光部材と、
前記筐体本体部の背面側に前記リア開口部を覆うように設けられ、前記第1透光部材に対向し、透光性を有した第2透光部材と、
前記筐体内に設けられ、入力された画像信号に基づいて画像光を形成する画像光形成部と、
前記筐体内に設けられ、前記画像光形成部から出射された前記画像光を前記使用者の眼に導光する導光部と、
一部が一方の前記延出部に着脱可能に連結され、他の一部が他方の前記延出部に着脱可能に連結され、前記使用者の頭部に装着するための装着部材と、を備えることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
【請求項2】
前記筐体内に設けられ、前記画像光形成部に前記画像信号を入力する信号入力部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項3】
前記筐体本体部の幅方向の中央部に着脱可能に設けられ、前記使用者の鼻に当接するノーズパッドを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項4】
前記筐体本体部の底部に、付属品を止めネジによって取付けるための雌ネジ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項5】
前記装着部材は、前記使用者の側頭部に当接する一対のテンプルであり、前記装着部材の前記一部は、一方の前記テンプルの基端部であり、前記装着部材の前記他の一部は、他方の前記テンプルの基端部であることを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、虚像を表示するヘッドマウントディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
使用者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイが知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載のヘッドマウントディスプレイは、フレーム(特許文献1ではU字状部と称される)と、フレームにカバー部材を介して設けられた画像光形成部(特許文献1では光学ユニットと称される)とを備えており、画像光形成部は、入力された画像信号に基づいて画像光を形成する。特許文献1に記載のヘッドマウントディスプレイは、フレームにプロテクターを介して設けられた導光部(特許文献1では導光部材と称される)を備えており、導光部は、画像光形成部から出射された画像光を使用者の眼に導光する。特許文献1に記載のヘッドマウントディスプレイは、使用者の頭部に装着するための装着部材として一対のテンプル(特許文献1ではアームと称される)を備えており、各テンプルの基端部は、フレームに屈曲可能に連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のヘッドマウントディスプレイにおいては、導光部は外部に露出しており、導光部の表面には塵埃が付着し易く、画像光形成部の鏡筒と導光部との隙間を閉塞部によって閉塞した場合でも、導光部の表面に付着した塵埃が画像光形成部に侵入するおそれがある。画像光形成部に塵埃が侵入すると、使用者に視認される画像が劣化して、ヘッドマウントディスプレイの画像品質が低下する。
【0005】
また、特許文献1に記載のヘッドマウントディスプレイにおいては、テンプルの破損が生じた場合に、テンプルのみの交換ができなく、ヘッドマウントディスプレイのメンテナンス性を高めることが困難である。テンプルのみを洗浄することができず、ヘッドマウントディスプレイの清掃性を高めることが困難である。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、ヘッドマウントディスプレイのメンテナンス性及び清掃性を高めつつ、使用者に視認される画像の劣化を防止して、ヘッドマウントディスプレイの画像品質を維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本発明の一態様に係るヘッドマウントディスプレイは、使用者の頭部に装着され、虚像を表示するヘッドマウントディスプレイであって、背面側にリア開口部を有しかつ正面側にフロント開口部を有した筐体本体部、及び前記筐体本体部の幅方向の両端部にそれぞれ形成されかつ後方向に向かって延出した延出部を有する筐体と、前記筐体本体部の正面側に前記フロント開口部を覆うように設けられ、透光性を有した第1透光部材と、前記筐体本体部の背面側に前記リア開口部を覆うように設けられ、前記第1透光部材に対向し、透光性を有した第2透光部材と、前記筐体内に設けられ、入力された画像信号に基づいて画像光を形成する画像光形成部と、前記筐体内に設けられ、前記画像光形成部から出射された前記画像光を前記使用者の眼に導光する導光部と、一部が一方の前記延出部に着脱可能に連結され、他の一部が他方の前記延出部に着脱可能に連結され、前記使用者の頭部に装着するための装着部材と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ヘッドマウントディスプレイのメンテナンス性及び清掃性を高めつつ、使用者に視認される画像の劣化を防止して、ヘッドマウントディスプレイの画像品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの正面側から見た模式的な斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの背面側から見た模式的な斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの模式的な平面図であって、ヘッドマウントディスプレイを使用者の頭部に装着した状態を示している。
【
図4】本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの模式的な側面図であって、ヘッドマウントディスプレイを使用者の頭部に装着した状態を示している。
【
図5】本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの模式的な正面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの模式的な背面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの模式的な底面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの模式的な正面図であって、カバー部材から第2透光部材を取外した状態を示している。
【
図10】
図5におけるX-X線に沿った模式的な断面図である。
【
図11】本発明の実施形態の変形例1に係るヘッドマウントディスプレイの正面側から見た模式的な斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態の変形例2に係るヘッドマウントディスプレイの正面側から見た模式的な斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態の変形例3に係るヘッドマウントディスプレイの正面側から見た模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態及び変形例について図面を参照して説明する。本願の明細書及び特許請求の範囲において、「幅方向」とは、ヘッドマウントディスプレイ又は筐体の幅方向のことである。「幅方向の内側」とは、ヘッドマウントディスプレイ又は筐体の幅方向の中心に向かう側のことをいう。「幅方向の外側」とは、ヘッドマウントディスプレイ又は筐体の幅方向の中心に向かう側の反対側のことをいう。ヘッドマウントディスプレイについては、便宜的に、直交座標系XYZを用いて定義する。X方向の一方側を左側、X方向の他方側を右側、Y方向の一方側を上側、Y方向の他方側を下側、Z方向の一方側を前側、Z方向の他方側を後側とする。X方向は、ヘッドマウントディスプレイ又は筐体の幅方向である。図面中、「Xa」は左側、「Xb」は右側、「Ya」は上側、「Yb」は下側、「Za」は前側、「Zb」は後側をそれぞれ指している。
【0011】
[実施形態〕
図1から
図10を参照して、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ10について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ10の正面側から見た模式的な斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ10の背面側から見た模式的な斜視図である。
図3は、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ10の模式的な平面図であって、ヘッドマウントディスプレイ10を使用者Mの頭部に装着した状態を示している。
図4は、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ10の模式的な側面図であって、ヘッドマウントディスプレイ10を使用者の頭部に装着した状態を示している。
【0012】
図5は、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ10の模式的な正面図である。
図6は、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ10の模式的な背面図である。
図7は、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ10の模式的な底面図である。
図8は、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ10の模式的な正面図であって、カバー部材16から第2透光部材20を取外した状態を示している。
図9は、カバー部材16の模式的な正面図である。
図10は、
図5におけるX-X線に沿った模式的な断面図である。
【0013】
(ヘッドマウントディスプレイ10の概要)
図1から
図4に示すように、本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ10は、使用者Mの頭部に装着可能なディスプレイである。ヘッドマウントディスプレイ10は、AR(Augmented Reality:拡張現実)を用いて虚像を表示する。ヘッドマウントディスプレイ10は、画像光を使用者Mの眼に導光して、画像光によって構成される画像を虚像として使用者Mに視認させる。ヘッドマウントディスプレイ10は、外光を透光させて使用者Mの眼に導光して、外光によって構成される外界像として使用者Mに視認させる。ヘッドマウントディスプレイ10は、外界像の一部に虚像を重畳させて、使用者Mに視認させる。
【0014】
(筐体12、筐体本体部12M、延出部12D)
図1から
図7に示すように、ヘッドマウントディスプレイ10は、筐体12を備えており、筐体12は、幅方向(X方向)に延びている。筐体12は、使用者Mの左右の眼を覆う筐体本体部12Mを有しており、筐体本体部12Mは、幅方向に延びている。筐体12は、筐体本体部12Mの幅方向の両端部にそれぞれ形成された延出部12Dを有しており、各延出部12Dは、後方向に向かって延出している。一対の延出部12Dは、幅方向に対向しかつ後方向に向かって広がるようになっている。一方の延出部12Dは、筐体12の幅方向の一方側の部位であり、他方の延出部12Dは、筐体12の幅方向の他方側の部位である。
【0015】
筐体12は、ハウジング14を有しており、ハウジング14は、筐体本体部12Mの一部及び一対の延出部12Dの一部を構成する。ハウジング14は、例えば、金属を用いたダイキャスト又はプラスチックを用いた射出成形等の成形加工によって製作される。ハウジング14は、その正面側に、幅方向に延びた開放部14cを有している。ハウジング14は、その背面側に、X方向に沿って並んだ一対のリア開口部14bを有している。換言すれば、筐体本体部12Mは、その背面側に、X方向に沿って並んだ一対のリア開口部14bを有している。また、ハウジング14の一部であって、筐体本体部12Mの幅方向の一端部に相当する部位には、通孔14hが形成されている。
【0016】
筐体12は、ハウジング14の正面側に開放部14cを覆うように設けられたカバー部材16を有している。カバー部材16は、筐体本体部12Mの他の一部及び一対の延出部12Dの他の一部を構成する。カバー部材16は、例えば、金属を用いたダイキャスト又はプラスチックを用いた射出成形等の成形加工によって製作される。カバー部材16は、ハウジング14のリア開口部14bに対向する一対のフロント開口部16aを有している。換言すれば、筐体本体部12Mは、その正面側に、ハウジング14のリア開口部14bに対向する一対のフロント開口部16aを有している。カバー部材16の幅方向の中央部は、筐体本体部12Mの正面の幅方向の中央部に相当する。
【0017】
(第1透光部材18、第2透光部材20)
図1、
図2、
図5、及び
図6に示すように、ヘッドマウントディスプレイ10は、筐体本体部12Mの正面側に一対のフロント開口部16aを覆うように設けられた第1透光部材18を有しており、第1透光部材18は、透光性を有している。第1透光部材18における、使用者の視野に対応する領域Fの外側の光透過率は、使用者Mの視野に対応する領域Fの光透過率よりも低くなっている。第1透光部材18における、使用者Mの視野に対応する領域Fの光透過率は、90%以上であることが望ましい。第1透光部材18における、使用者Mの視野に対応する領域Fの外側の光透過率は、5%以下であることが望ましい。第1透光部材18の表面には、グラデーションが加飾されてもよい。
【0018】
ヘッドマウントディスプレイ10は、筐体本体部12Mの背面側に各リア開口部14bを覆うように設けられた第2透光部材20を有しており、各第2透光部材20は、透光性を有している。各第2透光部材20は、視力矯正レンズであってもよい。
【0019】
(画像光形成部22、導光部24、USBポート26)
図2、
図3、及び
図5に示すように、ヘッドマウントディスプレイ10は、一方の延出部12D内に密封して設けられた画像光形成部22を備えており、画像光形成部22は、入力された画像信号に基づいて画像光を形成して出射する。画像光形成部22は、画像光を形成するための複数の形成用レンズ(不図示)と、画像光を出射するための出射用レンズ(不図示)とを有している。
【0020】
ヘッドマウントディスプレイ10は、筐体本体部12M内に密封して設けられた導光部24を備えており、導光部24は、画像光形成部22から出射された画像光を使用者Mの左右の眼に導光する。導光部24は、画像光を使用者Mの左右の眼に導光するための複数の導光用レンズ(不図示)を有している。
【0021】
ヘッドマウントディスプレイ10は、筐体本体部12M内における通孔14hに整合する位置に設けられた信号入力部としてのUSBポート26を有しており、USBポート26は、画像光形成部22に画像信号を入力する。USBポート26は、接続ケーブル28のUSB端子28eを接続するポートであり、接続ケーブル28を介してパソコン又はスマートフォン等の端末(不図示)に接続可能である。USBポート26に対する接続ケーブル28の挿抜方向が一方の延出部12Dに沿う方向になるように、USBポート26の向きが設定されている。また、ハウジング14における一方の延出部12Dに相当する部位には、接続ケーブル28を保持するケーブル保持部30が設けられている。
【0022】
前記の構成により、USBポート26が画像光形成部22に画像信号を入力すると、画像光形成部22は、入力された前記画像信号に基づいて画像光を形成する。そして、導光部24は、画像光形成部22から出射された画像光を使用者Mの眼に導光する。これにより、画像光によって構成される画像を虚像として使用者Mに視認させることができる。
【0023】
(環境光センサ32、マイク34、スピーカ36、カメラ38、回路基板40)
図8に示すように、ヘッドマウントディスプレイ10は、筐体本体部12M内に配置されかつ外界の照度(明るさ)を検出する環境光センサ32を備えている。ヘッドマウントディスプレイ10は、筐体本体部12M内に配置されかつ使用者Mの音声を集音するマイク34を備えている。
図4の破線の矢印で示すように、マイク34の音孔は、使用者Mの口元又はその付近に向くように水平方向に対して傾斜している。
図8に示すように、ヘッドマウントディスプレイ10は、各延出部12D内に配置されかつ音声を放音するスピーカ36を備えている。ヘッドマウントディスプレイ10は、筐体本体部12M内に配置されかつ外界を撮像するカメラ38を備えている。環境光センサ32、マイク34、スピーカ36、及びカメラ38は、それぞれ、画像光の形成に関与しない電子部品である。
【0024】
ヘッドマウントディスプレイ10は、環境光センサ32、マイク34、スピーカ36、及びカメラ38等を制御するための回路基板40を備えており、回路基板40は、USBポート26に電気的に接続されている。USBポート26は、環境光センサ32からの検出情報としての外界の照度情報を端末に送信する。USBポート26は、マイク34からの集音信号としての使用者Mの音声信号を端末に送信する。USBポート26は、スピーカ36への入力信号としての音声信号を回路基板40に送信する。USBポート26は、カメラ38からの撮像信号を端末に送信する。USBポート26は、端末からの電力を回路基板40に供給する。
【0025】
(操作スイッチ42,44)
図1及び
図3に示すように、一方の延出部12Dの上部には、3つの操作スイッチ42が設けられている。3つの操作スイッチ42のうちのいずれか2つの操作スイッチ42は、画像の明るさを調整するためのスイッチであってもよい。3つの操作スイッチ42のうちの残りの1つの操作スイッチ42は、画像光によって構成される画像を二次元画像又は三次元画像に切り替えるためのスイッチであってもよい。
【0026】
一方の延出部12Dの上部には、3つの操作スイッチ44が設けられている。3つの操作スイッチ44のうちの他のいずれか2つの操作スイッチ44は、スピーカ36の音量を調整するためのスイッチであってもよい。3つの操作スイッチ44のうちの残りの1つの操作スイッチ44は、画像を左右反転又は上下反転させるためのスイッチであってもよい。
【0027】
(第1取付部46、第2取付部48、第3取付部50)
図8及び
図9に示すように、カバー部材16のフロント開口部16aの周縁の右部には、電子部品としての環境光センサ32を止めネジで取付けるための第1取付部46が形成されている。第1取付部46は、カバー部材16の一部を構成する取付片である。第1取付部46は、正面視した場合に、フロント開口部16aの内側であってかつ使用者Mの視野に対応する領域Fの外側に位置している。
【0028】
カバー部材16のフロント開口部16aの周縁の左部には、電子部品としてのUSBポート26を止めネジで取付けるための第2取付部48が形成されている。第2取付部48は、カバー部材16の一部を構成する取付片である。第2取付部48は、正面視した場合に、フロント開口部16aの内側であってかつ使用者Mの視野に対応する領域Fの外側に位置する。
【0029】
カバー部材16のフロント開口部16aの周縁における第1取付部46の近傍には、電子部品としてのマイク34を止めネジで取付けるための第3取付部50が形成されている。第3取付部50は、カバー部材16の一部を構成する取付片である。第3取付部50は、正面視した場合に、フロント開口部16aの内側であってかつ使用者Mの視野に対応する領域Fの外側に位置している。
【0030】
(雌ねじ部52)
図7に示すように、カバー部材16の底部における幅方向の中央部には、付属品ACを止めネジによって取付けるための雌ネジ部52が形成されている。付属品ACは、外光を遮光する遮光板であってもよい。付属品ACは、画像を拡大する光学ルーペであってもよい。
【0031】
(テンプル54)
図1から
図4、及び
図10に示すように、ヘッドマウントディスプレイ10は、使用者Mの頭部に装着するための装着部材として、幅方向の両側から使用者Mの頭部に当接する一対のテンプル54を備えている。一対のテンプル54は、ヘッドマウントディスプレイ10(筐体12)を頭部に装着するための装着部材である。一方のテンプル54の基端部は、装着部材の一部に相当し、他方のテンプル54の基端部は、装着部材の他の一部に相当する。
【0032】
各テンプル54の基端部は、各延出部12Dに固定ネジ56によって着脱可能に連結されている。各テンプル54の基端部は、各延出部12Dに対して固定ネジ56の軸心周りに傾動可能である。各テンプル54の基端部の傾動中心は、固定ネジ56の軸心上に位置してあって、光学設計の回転中心OCと同心上に位置している。光学設計の回転中心OCとは、使用者Mの頭部にヘッドマウントディスプレイ10を装着したときに使用者Mの眼球の回旋点が位置する設計上の基準点のことをいう。換言すれば、使用者Mの頭部にヘッドマウントディスプレイ10を装着したときに使用者Mの両目の眼球回旋点を結ぶ軸を中心として、各テンプル54の基端部が傾動するように構成されている。各テンプル54の基端部が各延出部12Dに固定ネジ56によって着脱可能であることで、各テンプル54を筐体12と切り離して、各テンプル54の滅菌洗浄等の洗浄、及び各テンプル54の交換を行うことができる。
【0033】
テンプル54に対する延出部12Dの傾動角(水平方向に対する傾斜角)は、3段階に調整可能になっている。
図10のXAには、テンプル54に対する延出部12Dの傾動角を基準の傾動角に調整した状態(基準状態)を示している。
図10のXBには、テンプル54に対する延出部12Dの傾動角を基準の傾動角より大きい所定の傾動角に調整した状態、換言すれば、延出部12Dを基準状態よりも上向きにした状態を示している。
図10のXCには、テンプル54に対する延出部12Dの傾動角を基準の傾動角よりも小さい所定の傾動角に調整した状態、換言すれば、延出部12Dを基準状態よりも下向きにした状態を示している。
【0034】
図10に示すように、各延出部12Dの幅方向の内側には、各テンプル54を各延出部12Dに対して位置決めするための位置決め部58が設けられており、各位置決め部58は、3つの溝58gを有している。なお、テンプル54に対する延出部12Dの傾動角は、2段階又は4段階以上に調整可能になっていてもよい。この場合には、各位置決め部58は、2つ又は4つ以上の溝58gを有することになる。
【0035】
(テンプル54の各構成要素)
各テンプル54の各構成要素について説明すると、次の通りである。
【0036】
図1から
図4、及び
図10に示すように、各テンプル54は、Z軸方向に延びたテンプルベース60を備えており、各テンプルベース60の基端部は、各テンプル54の基端部に相当する。各テンプルベース60の基端部には、固定ネジ56の一部を挿通させるための挿通孔(不図示)が形成されている。各テンプルベース60の基端部には、各テンプル54の傾動角(前傾角)に対応する溝68gに係合可能な爪部60pが形成されている。
【0037】
各テンプルベース60の後端部側(先端部側)には、第1可動子62がZ軸方向に位置調整可能に設けられている。各テンプルベース60の中央部には、第1可動子62をZ軸方向に位置調整するための第1調整ダイヤル64がZ軸方向に平行な軸心回りに回転可能に設けられている。各第1調整ダイヤル64は、その中央部側に、Z方向に延びた雄ネジ部(不図示)を有している。各第1調整ダイヤル64の雄ネジ部は、各第1可動子62の一部に螺合している。各第1調整ダイヤル64の雄ネジ部が各第1可動子62の一部に螺合することで、各第1調整ダイヤル64の回転操作によって第1可動子62をZ方向に位置調整することができる。
【0038】
各第1可動子62の幅方向の内側には、第2可動子66がX方向に位置調整可能に設けられている。各第1可動子62の幅方向の外側には、第2可動子66をX方向に位置調整するための第2調整ダイヤル68がX方向に平行な軸心回りに回転可能に設けられている。各第2調整ダイヤル68は、その中央部側に、X方向に延びた雄ネジ部(不図示)を有している。各第2調整ダイヤル68の雄ネジ部は、各第2可動子66の一部に螺合している。各第2調整ダイヤル68の雄ネジ部が各第2可動子66の一部に螺合することで、各第2調整ダイヤル68の回転操作によって第2可動子66をX方向に位置調整することができる。
【0039】
各第2可動子66の幅方向の内側には、使用者Mの側頭部に当接するテンプルパッド70がビスを介して着脱可能に設けられている。各テンプルパッド70は、各第2可動子66の幅方向の内側にビスを介して着脱可能に設けられた帯状の支持金72を有しており、各支持金72は、Z方向に沿って円弧状に延びている。各テンプルパッド70は、各支持金72の一端部(前端部)に設けられかつ使用者Mの顔に当接する顔パッド本体74と、各支持金72の他端部側(後端部側)に設けられかつ使用者Mの側頭部に当接する頭部パッド本体76とを有している。
【0040】
各第1調整ダイヤル64の回転操作によって第1可動子62をZ方向に位置調整することで、各テンプルパッド70をZ方向に位置調整することができる。各第2調整ダイヤル68の回転操作によって第2可動子66をX方向に位置調整することで、各テンプルパッド70をX方向に位置調整することができる。各テンプルパッド70が各第2可動子66に着脱可能であることで、各テンプルパッド70を各第2可動子66と切り離して、各テンプル54の交換、及び各テンプル54の滅菌洗浄等の洗浄を行うことができる。
【0041】
(ノーズパッド78)
ヘッドマウントディスプレイ10は、カバー部材16の幅方向の中央部にビスを介して着脱可能に設けられかつ使用者Mの鼻に当接するノーズパッド78を備えている。ノーズパッド78は、カバー部材16の幅方向の中央部に着脱可能に設けられた支持金具80と、支持金具80に設けられかつ使用者Mの鼻に挟むように当接する一対の鼻パッド本体82とを有している。
【0042】
(その他の態様)
前述のように、信号入力部としてのUSBポート26は接続ケーブル28によって端末に電気的に接続されているが、信号入力部と端末が無線によって電気的に接続されてもよい。この場合には、信号入力部は、端末からの無線信号を受信する受信部を有する。
【0043】
(作用効果)
続いて、本発明の実施形態の作用効果について説明する。
【0044】
ヘッドマウントディスプレイ10の構成においては、前述のように、画像光形成部22及び導光部24は、それぞれ、筐体12内に密閉して設けられている。そのため、画像光形成部22及び導光部24に塵埃が侵入することを十分に防止することができる。その結果、使用者Mに視認される画像の劣化を防止して、ヘッドマウントディスプレイ10の画像品質を維持することできる。
【0045】
一方のテンプル54の基端部が一方の延出部12Dに着脱可能に連結され、他方のテンプル54の基端部が他方の延出部12Dに着脱可能に連結されている。そのため、テンプル54の破損が生じた場合に、テンプル54のみを交換することができ、ヘッドマウントディスプレイ10のメンテナンス性を高める。また、テンプル54のみを洗浄することができ、ヘッドマウントディスプレイ10の清掃性を高めることができる。
【0046】
つまり、本発明の実施形態によれば、ヘッドマウントディスプレイ10のメンテナンス性及び清掃性を高めつつ、使用者Mに視認される画像の劣化を防止して、ヘッドマウントディスプレイ10の画像品質を維持することできる。
【0047】
ヘッドマウントディスプレイ10の構成においては、前述のように、カバー部材16の幅方向の中央部にノーズパッド78が着脱可能に設けられている。そのため、本発明の実施形態によれば、ノーズパッド78の破損が生じた場合に、ノーズパッド78のみを交換することができ、ヘッドマウントディスプレイ10のメンテナンス性をより高める。また、本発明の実施形態によれば、ノーズパッド78のみを洗浄することができ、ヘッドマウントディスプレイ10の清掃性をより高めることができる。
【0048】
ヘッドマウントディスプレイ10の構成においては、前述のように、カバー部材16の底部における幅方向の中央部には、付属品ACを止めネジによって取付けるための雌ネジ部52が形成されている。そのため、本発明の実施形態によれば、必要に応じて、カバー部材16の底部に付属品ACを止めネジによって取付けることができ、ヘッドマウントディスプレイ10を様々な態様で使用することができる。
【0049】
ヘッドマウントディスプレイ10の構成においては、前述のように、各テンプル54の基端部の傾動中心は、固定ネジ56の軸心上に位置してあって、光学設計の回転中心OCと同心上に位置している。そのため、各テンプル54を筐体12に対して傾動させることで、使用者Mの視線方向に応じて、水平方向に対する筐体12の傾斜角(前傾角)を調整することができる。これにより、本発明の実施形態によれば、筐体12の傾斜角を調整した場合においても、ヘッドマウントディスプレイ10の画像品質を維持することができる。
【0050】
ヘッドマウントディスプレイ10の構成においては、前述のように、テンプル54に対する延出部12Dの傾動角は、3段階で調整可能になっている。そのため、本発明の実施形態によれば、使用者Mの視線方向に応じて、水平方向に対する筐体12の傾斜角(前傾角)を3段階で調整することができ、ヘッドマウントディスプレイ10の取扱性を高めることができる。
【0051】
ヘッドマウントディスプレイ10の構成においては、前述のように、各テンプルベース60の基端部には、各テンプル54の傾動角に対応する溝68gに係合可能な爪部60pが形成されている。そのため、各テンプル54を筐体12に対して傾動させて、各爪部60pを各テンプル54の傾動角に対応する溝68gに係合させる。これにより、本発明の実施形態によれば、使用者Mの視線方向に応じて、水平方向に対する筐体12の傾斜角(前傾角)を高精度に調整することができる。
【0052】
ヘッドマウントディスプレイ10の構成においては、前述のように、一対の延出部12Dは、後方向に向かって広がるようになっている。そのため、本発明の実施形態によれば、筐体本体部12Mの幅方向の長さを短くして、筐体12の体積(容積)を小さくすることができる。これにより、本発明の実施形態によれば、ヘッドマウントディスプレイ10の軽量化を図ることができる。
【0053】
特に、ヘッドマウントディスプレイ10の構成においては、前述のように、USBポート26に対する接続ケーブル28の挿抜方向が一方の延出部12Dに沿う方向になるように、USBポート26の向きが設定されている。そのため、本発明の実施形態によれば、接続ケーブル28が使用者Mの視界を阻害することがなく、ヘッドマウントディスプレイ10の取扱性を高めることができる。
【0054】
ヘッドマウントディスプレイ10の構成においては、前述のように、正面視した場合に、第1取付部46、第2取付部48、及び第3取付部50がカバー部材16のフロント開口部16aの内側であってかつ使用者Mの視野に対応する領域Fの外側に位置する。そのため、ヘッドマウントディスプレイ10の光学性能を損なうことなく、第1取付部46、第2取付部48、及び第3取付部50を有したカバー部材16を射出成形等の成形加工によって容易に製作することができる。なぜなら、仮に、正面視した場合に各取付部46,48,50がフロント開口部16aの外側に位置していた場合、成形加工において各取付部46,48,50の離型が困難になるが、これを避けることができるからである。これにより、本発明の実施形態によれば、ヘッドマウントディスプレイ10に電子部品としての環境光センサ32、USBポート26、及びマイク34を装備する場合においても、ヘッドマウントディスプレイ10の部品点数を減らして、ヘッドマウントディスプレイ10の構成の簡略化を図ることができきる。
【0055】
ヘッドマウントディスプレイ10の構成においては、前述のように、マイク34の音孔は、使用者Mの口元又はその付近に向くように水平方向に対して傾斜している。そのため、本発明の実施形態によれば、マイク34によって使用者Mの音声を集音し易くなり、ヘッドマウントディスプレイ10の取扱性を高めることができる。
【0056】
ヘッドマウントディスプレイ10の構成においては、前述のように、第1透光部材18における、使用者Mの視野に対応する領域Fの外側の光透過率は、使用者Mの視野に対応する領域Fの光透過率よりも低くなっている。そのため、第1透光部材18における、使用者Mの視野に対応する領域Fが外部から視認し難くなる。これにより、本発明の実施形態によれば、ヘッドマウントディスプレイ10の外観品位を高めることができる。特に、第1透光部材18の表面にグラデーションが加飾されているため、ヘッドマウントディスプレイ10の外観品位をより高めることができる。
【0057】
[実施形態の変形例〕
図11から
図13を参照して、本発明の実施形態の変形例1から変形例3について説明する。
図11は、本発明の実施形態の変形例1に係るヘッドマウントディスプレイ10Aの正面側から見た模式的な斜視図である。
図12は、本発明の実施形態の変形例2に係るヘッドマウントディスプレイ10Bの正面側から見た模式的な斜視図である。
図13は、本発明の実施形態の変形例3に係るヘッドマウントディスプレイ10Cの正面側から見た模式的な斜視図である。
【0058】
図11に示すように、本発明の実施形態の変形例1に係るヘッドマウントディスプレイ10Aは、装着部材として、幅方向の両側から使用者M(
図3及び
図4参照)の頭部に当接する一対のテンプル84を備えている。各テンプル84は、前述のテンプル54(
図1参照)に比べて簡易な構成からなり、Z方向に延びている。各テンプル84の基端部は、各延出部12Dに固定ネジ56によって傾動可能に連結されている。各テンプル84の基端部は、各延出部12Dに対して固定ネジ56によって着脱可能である。各テンプル84の基端部の傾動中心は、固定ネジ56の軸心上に位置してあって、光学設計の回転中心OCと同心上に位置している。
【0059】
図12に示すように、本発明の実施形態の変形例2に係るヘッドマウントディスプレイ10Bは、装着部材として、一対のストラップ86を備えている。一方のストラップ86の一端部は、一方の延出部12Dに連結に連結されており、他方のストラップ86の一端部は、他方の延出部12Dに連結されている。一方のストラップ86の他端部側と他方のストラップ86の他端部側は、結合部材88によって結合されている。結合部材88の位置は、使用者M(
図3及び
図4参照)の頭部の大きさに応じて調整可能である。
【0060】
図13に示すように、本発明の実施形態の変形例3に係るヘッドマウントディスプレイ10Cは、装着部材として、使用者M(
図3及び
図4参照)の頭部を保持するヘッドホルダ90を備えている。ヘッドホルダ90の一部は、一方の延出部12Dに固定ネジ56によって傾動可能に連結されている。ヘッドホルダ90の前記一部は、一方の延出部12Dに対して固定ネジ56によって着脱可能である。ヘッドホルダ90の他の一部は、他方の延出部12Dに固定ネジ56によって傾動可能に連結されている。ヘッドホルダ90の前記他の一部は、他方の延出部12Dに対して固定ネジ56によって着脱可能である。ヘッドホルダ90の前記一部の傾動中心及び前記他の一部の傾動中心は、それぞれ、固定ネジ56の軸心上に位置してあって、光学設計の回転中心OC(
図10参照)と同心上に位置している。
【0061】
そして、本発明の実施形態の変形例1から変形例3においても、前述の本発明の実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0062】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るヘッドマウントディスプレイは、使用者の頭部に装着され、虚像を表示するヘッドマウントディスプレイであって、背面側にリア開口部を有しかつ正面側にフロント開口部を有した筐体本体部、及び前記筐体本体部の幅方向の両端部にそれぞれ形成されかつ後方向に向かって延出した延出部を有する筐体と、前記筐体本体部の正面側に前記フロント開口部を覆うように設けられ、透光性を有した第1透光部材と、前記筐体本体部の背面側に前記リア開口部を覆うように設けられ、前記第1透光部材に対向し、透光性を有した第2透光部材と、前記筐体内に設けられ、入力された画像信号に基づいて画像光を形成する画像光形成部と、前記筐体内に設けられ、前記画像光形成部から出射された前記画像光を前記使用者の眼に導光する導光部と、一部が一方の前記延出部に着脱可能に連結され、他の一部が他方の前記延出部に着脱可能に連結され、前記使用者の頭部に装着するための装着部材と、を備える。
【0063】
前記の構成によれば、前記画像光形成部及び前記導光部は、それぞれ、前記筐体内に設けられている。そのため、前記画像光形成部及び前記導光部に塵埃が侵入することを十分に防止することができる。その結果、前記使用者に視認される画像の劣化を防止して、前記ヘッドマウントディスプレイの画像品質を維持することできる。
【0064】
また、前記装着部材の前記一部が一方の前記延出部に着脱可能に連結され、前記装着部材の前記他の一部が他方の前記延出部に着脱可能に連結されている。そのため、前記装着部材の破損が生じた場合に、前記装着部材のみを交換することができ、前記ヘッドマウントディスプレイのメンテナンス性を高める。前記装着部材のみを洗浄することができ、前記ヘッドマウントディスプレイの清掃性を高めることができる。
【0065】
つまり、前記ヘッドマウントディスプレイのメンテナンス性及び清掃性を高めつつ、前記使用者に視認される画像の劣化を防止して、前記ヘッドマウントディスプレイの画像品質を維持することできる。
【0066】
本発明の態様2に係るヘッドマウントディスプレイは、前記態様1において、前記筐体内に設けられ、前記画像光形成部に前記画像信号を入力する信号入力部を更に備えてもよい。
【0067】
前記の構成によれば、前記信号入力部が前記画像光形成部に前記画像信号を入力すると、前記画像光形成部は、入力された前記画像信号に基づいて画像光を形成する。そして、前記導光部は、前記画像光形成部から出射された前記画像光を前記使用者の眼に導光する。
【0068】
本発明の態様3に係るヘッドマウントディスプレイは、前記態様1又は2において、前記筐体本体部の幅方向の中央部に着脱可能に設けられ、前記使用者の鼻に当接するノーズパッドを更に備えてもよい。
【0069】
前記の構成によれば、前記ノーズパッドの破損が生じた場合に、前記ノーズパッドのみを交換することができ、前記ヘッドマウントディスプレイのメンテナンス性をより高めると共に、前記ノーズパッドのみを洗浄することができ、前記ヘッドマウントディスプレイの清掃性をより高めることができる。
【0070】
本発明の態様4に係るヘッドマウントディスプレイは、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記筐体本体部の底部に、付属品を止めネジによって取付けるための雌ネジ部が形成されてもよい。
【0071】
前記の構成によれば、必要に応じて、前記筐体本体部の底部に前記付属品を前記止めネジによって取付けることができ、前記ヘッドマウントディスプレイを様々な態様で使用することができる。
【0072】
本発明の態様5に係るヘッドマウントディスプレイは、前記態様1から4のいずれかにおいて、前記装着部材は、前記使用者の側頭部に当接する一対のテンプルであり、前記装着部材の前記一部は、一方の前記テンプルの基端部であり、前記装着部材の前記他の一部は、他方の前記テンプルの基端部であってよい。
【0073】
前記の構成によれば、前記テンプルの破損が生じた場合に、前記テンプルのみを交換することができ、前記ヘッドマウントディスプレイのメンテナンス性を高めると共に、前記テンプルのみを洗浄することができ、前記ヘッドマウントディスプレイの清掃性を高めることができる。
【0074】
〔付記事項〕
本発明は前述した実施形態の説明に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
10 ヘッドマウントディスプレイ(実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ)
12 筐体
12M 筐体本体部
12D 延出部
14 ハウジング
14c 開放部
14b リア開口部
14h 通孔
16 カバー部材
16a フロント開口部
18 第1透光部材
20 第2透光部材
22 画像光形成部
24 導光部
26 USBポート(信号入力部)
28 接続ケーブル
28e USB端子
30 ケーブル保持部
32 環境光センサ
34 マイク
36 スピーカ
38 カメラ
40 回路基板
42 操作スイッチ
44 操作スイッチ
46 第1取付部
48 第2取付部
50 第3取付部
52 雌ネジ部
54 テンプル(装着部材)
56 固定ネジ
58 位置決め部
58g 溝
60 テンプルベース
62 第1可動子
64 第1調整ダイヤル
66 第2可動子
68 第2調整ダイヤル
70 テンプルパッド
72 支持金
74 顔パッド本体
76 頭部パッド本体
78 ノーズパッド
80 支持金具
82 パッド本体
10A ヘッドマウントディスプレイ(実施形態の変形例1に係るヘッドマウントディスプレイ)
84 テンプル(装着部材)
10B ヘッドマウントディスプレイ(実施形態の変形例2に係るヘッドマウントディスプレイ)
86 ストラップ
88 結合部材
10C ヘッドマウントディスプレイ(実施形態の変形例3に係るヘッドマウントディスプレイ)
90 ヘッドホルダ