(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152511
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】受診勧奨システム、及び、基地局機器
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20241018BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241018BHJP
A61B 5/18 20060101ALI20241018BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G16H50/30
G06Q50/10
A61B5/18
A61B10/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066749
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高垣内 文也
(72)【発明者】
【氏名】神谷 直輝
(72)【発明者】
【氏名】長江 祐輔
【テーマコード(参考)】
4C038
5L049
5L050
5L099
【Fターム(参考)】
4C038PP03
4C038PQ03
4C038PS00
5L049CC11
5L050CC11
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】車両のユーザに対して、認知機能に関する疾患についての受診勧奨を適正に行うことができる受診勧奨システム、及び、基地局機器を提供することを目的とする。
【解決手段】受診勧奨システム1は、ユーザデータD2を記憶するモビリティサーバ40Aと、走行情報を含む車両データD1を記憶するメディカルサーバ40Bと、車両データD1からユーザの異常兆候の有無の判定を行い、判定の結果を含む判定結果データD4をメディカルサーバ40Bに記憶し、当該判定結果データに基づきユーザに対して認知機能に関する通知を行う判定装置と、ユーザ端末60、60A、60Bと、を含み、判定装置は、ユーザに異常兆候があると判定した場合、当該判定の結果に対応するユーザデータに基づいて特定した、ユーザ端末に対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のユーザに関するユーザデータを記憶するモビリティサーバと、
前記車両の走行情報を含む車両データを記憶するメディカルサーバと、
前記車両データから前記ユーザの異常兆候の有無の判定を行い、前記判定の結果を含む判定結果データを前記メディカルサーバに記憶し、当該判定結果データに基づき前記ユーザに対して認知機能に関する通知を行う判定装置と、
前記判定装置から前記通知を受信可能なユーザ端末と、
を含み、
前記モビリティサーバ及び前記メディカルサーバは、相互に連携して前記ユーザデータと前記車両データと前記判定結果データとを関連付けて管理し、
前記判定装置は、ユーザに異常兆候があると判定した場合、当該判定の結果に対応する前記ユーザデータに基づいて前記ユーザ端末を特定し、当該ユーザ端末に対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を送信する、
受診勧奨システム。
【請求項2】
前記車両データは、前記車両を識別する車両識別情報を含み、
前記モビリティサーバは、前記車両データを更に管理し、前記ユーザデータと前記車両識別情報とを関連付けて記憶し、
前記メディカルサーバは、前記判定結果データと前記車両識別情報とを関連付けて記憶し、
前記判定装置は、前記車両識別情報に基づいて、前記判定結果データに対応する前記ユーザデータから前記ユーザ端末を特定し、当該ユーザ端末に対して前記受診勧奨の通知を送信する、
請求項1に記載の受診勧奨システム。
【請求項3】
前記受診勧奨の通知は、前記ユーザに推奨される行動の提示を含み、
前記ユーザ端末は、前記ユーザに対して前記行動の提示を行う出力部と前記行動を実行する操作を受け付け可能な入力部とを含む、
請求項1又は2に記載の受診勧奨システム。
【請求項4】
前記走行情報は、前記車両の運転操作に関する情報を含み、
前記判定装置は、前記車両の運転操作と前記ユーザの認知機能状態との相関関係に基づく第1基準情報、又は、前記車両の運転操作が所定の運転操作に該当するか否かの判定に基づく第2基準情報を含む判定基準データに基づいて前記ユーザの異常兆候の有無の判定を行う、
請求項1又は2に記載の受診勧奨システム。
【請求項5】
前記メディカルサーバは、前記モビリティサーバに記憶されている前記車両データのうち前記判定装置がユーザの異常兆候の有無の判定で利用する車両データのみを取得する、
請求項1又は2に記載の受診勧奨システム。
【請求項6】
医療機関に設置された医療機関端末を更に備え、
前記判定装置は、前記判定結果データ及び前記車両データのうち少なくとも一方を前記医療機関端末に対して送信可能に構成されている、
請求項1又は2に記載の受診勧奨システム。
【請求項7】
車両のユーザに関するユーザデータを記憶するモビリティサーバと、
前記車両の走行情報を含む車両データを記憶するメディカルサーバと、
前記車両データから前記ユーザの異常兆候の有無の判定を行い、前記判定の結果を含む判定結果データを前記メディカルサーバに記憶し、当該判定結果データに基づき前記ユーザに対して認知機能に関する通知を行う判定装置と、
を含み、
前記モビリティサーバ及び前記メディカルサーバは、相互に連携して前記ユーザデータと前記車両データと前記判定結果データとを関連付けて管理し、
前記判定装置は、ユーザに異常兆候があると判定した場合、当該判定の結果に対応するユーザに対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を送信する、
基地局機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受診勧奨システム、及び、基地局機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、道路情報取得部による道路情報と、車両情報取得部による車両の走行情報とに基づいて、状況判定部により車両の運転状況を判定すると共に、その運転状況が、認知機能が低下している場合に行われやすい所定の交通違反に該当するか否かを判定する違反判定部で判定する認知症リスクの判定システムが開示されている。この認知症リスクの判定システムでは、車両の運転状況が所定の交通違反に該当する場合、ドライバ情報検出部による該車両の運転者の情報と違反履歴に基づき、リスク判定部により認知症リスクがあるか否かが判定される。リスク判定部により、認知症リスクがあると判定された場合、出力部がその情報を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から行われている認知機能に関する簡易検査は、検査を受ける者の一時的な状態に基づくものであり、例えば、車両の運転等の日常的な行動から認知機能の状態を確認するものではない。そのため、認知機能低下の兆候や症状が検査結果に反映されない場合があり、特に、初期段階における認知機能の異常が検出されない場合があった。また、簡易検査において認知機能低下の兆候や症状が発見されたことを被検者に通知したとしても、当該被検者が、次にどのように行動すべきか適切に判断できない場合も考えられる。このような観点から、日常的な行動から認知機能低下の兆候や症状を早期に発見することを可能にし、認知機能低下の兆候や症状が発見された場合は、医療機関への受診意思を向上させることが望まれている。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、車両のユーザに対して、認知機能に関する疾患についての受診勧奨を適正に行うことができる受診勧奨システム、及び、基地局機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る受診勧奨システムは、車両のユーザに関するユーザデータを記憶するモビリティサーバと、前記車両の走行情報を含む車両データを記憶するメディカルサーバと、前記車両データから前記ユーザの異常兆候の有無の判定を行い、前記判定の結果を含む判定結果データを前記メディカルサーバに記憶し、当該判定結果データに基づき前記ユーザに対して認知機能に関する通知を行う判定装置と、前記判定装置から前記通知を受信可能なユーザ端末と、を含み、前記モビリティサーバ及び前記メディカルサーバは、相互に連携して前記ユーザデータと前記車両データと前記判定結果データとを関連付けて管理し、前記判定装置は、ユーザに異常兆候があると判定した場合、当該判定の結果に対応する前記ユーザデータに基づいて前記ユーザ端末を特定し、当該ユーザ端末に対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を送信する。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る基地局機器は、車両のユーザに関するユーザデータを記憶するモビリティサーバと、前記車両の走行情報を含む車両データを記憶するメディカルサーバと、前記車両データから前記ユーザの異常兆候の有無の判定を行い、前記判定の結果を含む判定結果データを前記メディカルサーバに記憶し、当該判定結果データに基づき前記ユーザに対して認知機能に関する通知を行う判定装置と、を含み、前記モビリティサーバ及び前記メディカルサーバは、相互に連携して前記ユーザデータと前記車両データと前記判定結果データとを関連付けて管理し、前記判定装置は、ユーザに異常兆候があると判定した場合、当該判定の結果に対応するユーザに対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る受診勧奨システム、及び、基地局機器は、車両のユーザに対して、認知機能に関する疾患についての受診勧奨を適正に行うことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る受診勧奨システムの概略構成を表すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る受診勧奨システムの概略構成を表すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る受診勧奨システムで取り扱う主なデータについて説明する模式図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る受診勧奨システムが備える車載装置の概略構成を表すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る受診勧奨システムが備えるデータ処理装置の概略構成を表すブロック図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る受診勧奨システムが備えるモビリティサーバの概略構成を表すブロック図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る受診勧奨システムが備える分析装置の概略構成を表すブロック図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る受診勧奨システムが備えるメディカルサーバの概略構成を表すブロック図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る受診勧奨システムが備える判定装置の概略構成を表すブロック図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る受診勧奨システムが備えるモビリティサーバとメディカルサーバとが連携して管理するデータベースの一例を表す模式図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る受診勧奨システムが備えるユーザ端末の概略構成を表すブロック図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る受診勧奨システムが備えるユーザ端末に表示される受診勧奨の通知の一例を表す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る受診勧奨システムが備えるユーザ端末に表示される受診勧奨の通知の一例を表す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る受診勧奨システムが備えるユーザ端末に表示される受診勧奨の通知の一例を表す図である。
【
図15】
図15は、第1実施形態に係る受診勧奨システムが備える医療機関端末の概略構成を表すブロック図である。
【
図16】
図16は、第1実施形態に係る受診勧奨システムが備えるサービス提供機関端末の概略構成を表すブロック図である。
【
図17】
図17は、第1実施形態に係る受診勧奨システムの各処理部によって行われる処理の流れ(シーケンス)の一例を表す図である。
【
図18】
図18は、第1実施形態に係る受診勧奨システムの各処理部によって行われる処理の流れ(シーケンス)の一例を表す図である。
【
図19】
図19は、第1実施形態に係る受診勧奨システムの各処理部によって行われる処理の流れ(シーケンス)の一例を表す図である。
【
図20】
図20は、第2実施形態に係る受診勧奨システムの概略構成を表すブロック図である。
【
図21】
図21は、第2実施形態に係る受診勧奨システムが備える分析装置の概略構成を表すブロック図である。
【
図22】
図22は、第2実施形態に係る受診勧奨システムの各処理部によって行われる処理の流れ(シーケンス)の一例を表す図である。
【
図23】
図23は、第2実施形態に係る受診勧奨システムの各処理部によって行われる処理の流れ(シーケンス)の一例を表す図である。
【0010】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[第1実施形態]
<受診勧奨システムの概要>
図1、
図2に示す本実施形態に係る受診勧奨システム1は、車載装置10と、データ処理装置20と、サービス提供機器30と、ユーザ端末60と、医療機関端末70と、サービス提供機関端末80とを備え、これらがネットワークNWを通じて相互に通信可能に構成される。ネットワークNWは、複数の機器を相互に通信可能に接続する通信網を構成するものであり、有線、無線を問わず本システムに適用可能な種々の通信方式によってデータ通信を可能とする。ネットワークNWは、例えば、インターネット回線網、携帯電話回線網、移動体通信網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、VPN(Virtual Private Network)等によって構成され、アンテナ、ゲートウェイ、ルータ、ハブ等の様々なネットワーク中継機器を介在させていてもよい。本実施形態に係る受診勧奨システム1は、車載装置10、データ処理装置20、サービス提供機器30、ユーザ端末60、医療機関端末70、サービス提供機関端末80がこのネットワークNWを介して相互にデータ通信を行い連携することで、車両Vに関する様々なデータを管理し、各種サービスや分析に活用することができるシステムを構成する。
【0012】
このような受診勧奨システム1にあって、本実施形態のサービス提供機器30は、モビリティサーバ40Aと、メディカルサーバ40Bと、分析装置50Aと、判定装置50Bとを備え、当該受診勧奨システム1で取り扱われる各種データは、モビリティサーバ40Aとメディカルサーバ40Bとにおいて区別して記憶される。これにより、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bに記憶されるデータの独立性を高めることができ、情報の機密性が守られる。また、本実施形態の受診勧奨システム1は、車両Vのユーザの日常的な運転行動からユーザの異常兆候の有無や内容等を判定し、ユーザに異常兆候があると判定した場合に、ユーザに対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を行うといったメディカルサービスをユーザに提供することで、ユーザに対する適正な受診勧奨を実現するものである。
【0013】
ここで、車両Vを運転するユーザの異常兆候とは、当該ユーザの認知機能の低下の兆候や当該ユーザの異常な運転行動を指す。本発明者は、運転者の認知機能と運転行動との関係に関する研究から、急ブレーキ、急ハンドル、一時停止標識の見落とし等の特定の運転行動と、運転者の認知機能の状態との間には相関関係があることを見出した。具体的には、本発明者は、認知機能が正常な者が車両Vを運転した場合と比較して、認知機能が正常でない者が車両Vを運転した場合には、急ブレーキ、急ハンドル、一時停止標識の見落とし等が増加する傾向にあることを見出した。本実施形態に係る受診勧奨システム1は、車両Vの運転操作とユーザの認知機能状態との相関関係に基づいて作成された基準、例えば、一定期間(例えば、100kmを走行する期間内)に所定回数以上の急ブレーキ、急ハンドル、一時停止標識の見落とし等があるか否か等の基準に基づいて、車両データD1から車両Vを運転するユーザの認知機能の低下の兆候(異常兆候)の有無を判定する。なお、本実施形態に係る受診勧奨システム1は、車両Vを運転するユーザに認知機能の低下の兆候がある等の判定を行うことなく、単に、一定期間(例えば、100kmを走行する期間内)に所定回数以上の急ブレーキ、急ハンドル、一時停止標識の見落とし等があったこと、や、過去の運転と比較して車間距離が短縮していること等をユーザの異常兆候(異常な運転行動)と判定してもよい。
【0014】
本実施形態に係る受診勧奨システム1において、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bに記憶されているデータは、判定装置50Bによって利用される。判定装置50Bは、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bに記憶されているデータに基づいて、各ユーザの異常兆候の有無や内容等を判定する。そして、判定装置50Bは、異常兆候があると判定したユーザに対して、当該ユーザが所持するユーザ端末60に受診勧奨の通知を行う。
【0015】
本実施形態に係る受診勧奨システム1において、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bは、記憶部を構成している。記憶部において、モビリティサーバ40Aは、車両Vのユーザに関するユーザデータD2を記憶し、メディカルサーバ40Bは、車両Vの走行情報D13を含む車両データD1を記憶する。判定装置50Bは、車両Vの車両データD1からユーザの異常兆候の有無の判定を行う判定部と、判定部においてユーザに異常兆候があると判定された場合に当該ユーザに対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を行う通知部とを構成している。そして、モビリティサーバ40Aとメディカルサーバ40Bとは、相互に連携してユーザデータD2と車両データD1とを関連付けて管理する。
【0016】
本実施形態において、ユーザ端末60は、典型的には、ユーザ本人が所有する第1ユーザ端末60A、及び、当該ユーザの家族や関係者等が所有する第2ユーザ端末60Bを含んで構成される。判定装置50Bは、認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知をユーザ端末60に送信することで、ユーザに医療機関で受診することを提案する等、認知機能に関する疾患に対して推奨される行動の提示等を行うことができる。
【0017】
本実施形態において、医療機関端末70は、典型的には、大学病院や一般病院などの医療機関に設置された端末機器である。医療機関端末70は、例えば、ユーザが医療機関を受診した際に当該医療機関の医師がメディカルサーバ40Bに記憶されているユーザの異常兆候に関する情報を取得できるように構成される。
【0018】
本実施形態において、サービス提供機関端末80は、典型的には、製薬メーカーや保険会社などのサービス提供機関に設置された端末機器である。サービス提供機関端末80は、例えば、サービス提供機関がメディカルサーバ40Bに記憶されているユーザの異常兆候に関する情報を取得できるように構成される。また、サービス提供機関端末80は、例えば、サービス提供機関がユーザの異常兆候に関する情報を取得した際に、当該サービス提供機関が取得した情報に応じたサービスの情報を、サービス提供機器30を介してユーザ端末60に通知することができるように構成されている。
【0019】
以下、各図を参照して受診勧奨システム1の各構成について詳細に説明する。なお、以下では、まず、
図3を参照して当該受診勧奨システム1で取り扱う主なデータの概要について説明し、その後、他図等を参照して受診勧奨システム1の各構成について詳細に説明する。
【0020】
なお、受診勧奨システム1において、取り扱い対象となる車両Vは、ガソリン車両、ディーゼル車両、ハイブリッド車両(HEV(Hybrid Electric Vehicle))、プラグインハイブリッド車両(PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle))、電気車両(EV(Electric Vehicle))等、いずれの駆動方式であってもよい。また、当該車両Vの運転方式は、手動運転、半自動運転、完全自動運転等、いずれであってもよい。また、車両Vは、受診勧奨システム1によって提供されるサービスを享受できるユーザ個人の自家用車両の他、ユーザが使用したことを特定可能なトラック、バス、タクシー、特殊車両等のいずれであってもよい。
【0021】
<受診勧奨システムで取り扱う主なデータ>
受診勧奨システム1で取り扱う主なデータとしては、例えば、
図3に例示するように、車両データD1、ユーザデータD2、端末データD3、判定結果データD4、IDデータD5等を含んでいる。これら車両データD1、ユーザデータD2、端末データD3、判定結果データD4は、受診勧奨システム1において、IDデータD5等に関連付けられてデータ管理される。
【0022】
<車両データ>
車両データD1は、車両Vに関するデータである。典型的には、車両データD1は、車両Vに搭載された車載装置10によって収集され、サービス提供機器30側に送信されるデータである。ここでは、車両データD1は、例えば、車両識別情報D10、DCM情報D11、車両基本情報D12、走行情報D13等に関するデータを含んでいる。
【0023】
車両識別情報D10は、車両Vを識別するために車両Vごとに割り振られた固有のユニークな情報であり、例えば、車両識別番号(VIN:Vehicle Identification Number)等の情報である。この他、車両識別情報D10は、例えば、自動車登録番号(いわゆるカーナンバー)や車台番号等の情報であってもよい。DCM情報D11は、車両Vが搭載するDCM(Data Communication Module)の型式や端末識別番号(IMEI:International Mobile Equipment Identifier)等の情報である。車両基本情報D12は、車両Vの車名、車種、型式、グレード等の情報である。走行情報D13は、車両Vの走行状況に関する情報である。本実施形態において、走行情報D13は、運転情報、車両状態情報、車両位置情報、機器動作情報、及び画像情報を含む。
【0024】
運転情報は、車両Vの運転に関する基本的な情報であり、例えば、車速、加減速度、燃費、積算走行距離、バッテリ残量等の情報である。また、運転情報は、走行時の天候に関する情報や走行中の車室内音声の情報を含んでいてもよい。車両状態情報は、車両Vの状態に関する詳細な情報であり、例えば、ハンドル操舵角度、エンジン水温、アクセル開度(アクセル操作量)、ブレーキ開度(アクセル操作量)、エンジン回転数、エンジントルク、モータトルク、モータ回転数等の情報である。車両位置情報は、車両Vの位置情報(GNSS情報、GPS情報)等の情報である。機器動作情報は、車両Vに搭載された機器の動作状況に関する情報であり、例えば、ドアロック開閉状況、ハザードランプ点灯状況、方向指示器(ウインカ)動作状況、車両警告灯点灯状況、緊急通報有無等の情報である。画像情報は、例えば、車両Vにおいて撮像された車両内外の動画像等の情報である。この他、車両データD1には、例えば、各情報の取得日時等の情報も付されている。
【0025】
なお、車両データD1は、上記の他、例えば、車両Vの乗員の生体情報等に関するデータが含まれていてもよい。乗員の生体情報は、生体(乗員)が発する種々の生理学的情報に加え、これらの情報から派生する種々の情報を含んでいてもよく、例えば、心拍数、呼吸数、脈拍数、血圧、体温等のバイタルサイン情報、指紋、声紋、虹彩等の生体識別情報、血中アルコール濃度、覚醒度等の情報である。
【0026】
<ユーザデータ>
ユーザデータD2は、車両Vのユーザに関するデータである。ここで、この受診勧奨システム1におけるユーザとは、車両Vの運転者であり、当該受診勧奨システム1によって異常兆候の有無を判定され、異常兆候があると判定された場合に認知機能に関する受診勧奨を受ける者である。また、受診勧奨システムによって提供されるサービスを享受するサービス利用者や当該サービスの提供を受けるための契約を行った契約者であることも受診勧奨システム1におけるユーザに含まれる。つまり、ユーザデータD2は、受診勧奨システム1によって提供されるサービスの利用者データ、当該サービスに関する契約者データ、あるいは、当該サービスを展開する事業者における顧客データということもできる。典型的には、ユーザデータD2は、車載装置10、ユーザ端末60等によってモビリティサーバ40Aに登録されるデータやモビリティサーバ40Aに登録されたデータに基づいて当該モビリティサーバ40A側で自動生成されるデータ等である。ここでは、ユーザデータD2は、例えば、ユーザ基本情報D20、ユーザ属性情報D21、同意履歴情報D22、サービス設定情報D23、契約パッケージ情報D24、お気に入り情報D25等に関するデータを含んでいる。
【0027】
ユーザ基本情報D20は、ユーザが自ら登録する契約者(顧客)に関する情報であり、例えば、ユーザの氏名、郵便番号、住所、メールアドレス、電話番号、勤務連絡先等の情報である。ユーザ属性情報D21は、ユーザが自ら登録、あるいは、モビリティサーバ40A側で自動生成されるユーザの属性に関する情報であり、例えば、年齢、性別、職業、国籍等の情報である。同意履歴情報D22は、モビリティサーバ40A側で自動生成される各種同意履歴に関する情報であり、例えば、プライバシーポリシーやサービス規約についての同意の有無等の情報である。ここで、同意履歴情報D22には、車両データD1や判定装置50Bによる異常兆候の有無の判定結果(判定結果データD4)を医療機関やサービス提供機関に提供することについてのユーザの同意の有無に関する情報が含まれる。サービス設定情報D23は、ユーザが自ら登録するサービスの享受に必要な設定情報であり、例えば、各種サービスにおける言語設定、通知設定等の情報である。ここで、サービス設定情報D23には、ユーザ端末60の端末登録情報が含まれる。ユーザ端末60の端末登録情報は、ユーザが自ら登録、あるいは、モビリティサーバ40A側で自動生成されるユーザ端末60に関する情報であり、判定装置50Bがユーザに対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を行う際に、通知先のユーザ端末60を特定することが可能な情報である。契約パッケージ情報D24は、モビリティサーバ40A側で自動生成される契約に関する情報であり、例えば、契約ステータス(有効/満了/解約)、契約開始日/満了日/解約日、契約プラン等の情報である。お気に入り情報D25は、ユーザが自ら登録するユーザの好みに関する情報であり、例えば、かかりつけの病院、受診を希望する医療機関、契約している保険会社、お気に入りの代理店(ディーラー)等の情報である。この他、ユーザデータD2には、例えば、各情報の取得日時等の情報も付されている。
【0028】
<端末データ>
端末データD3は、ユーザ端末60、医療機関端末70、サービス提供機関端末80への通知履歴や、医療機関端末70、サービス提供機関端末80からのアクセス履歴に関するデータである。典型的には、端末データD3は、サービス提供機器30において、ユーザ端末60、医療機関端末70、サービス提供機関端末80への通知やサービス提供機関端末80からのアクセスに伴って収集されるデータである。端末データD3は、例えば、端末基本情報D30、通知履歴情報D31、アクセス履歴情報D32、サービス提供履歴情報D33等に関するデータを含んでいる。
【0029】
端末基本情報D30は、ユーザ端末60、医療機関端末70、サービス提供機関端末80を特定することができる基本的な情報であり、各端末の種別、各端末の所有者、各端末を所有する機関等の情報を含む。通知履歴情報D31は、サービス提供機器30からユーザ端末60、医療機関端末70、サービス提供機関端末80への通知に関する情報であり、例えば、ユーザ端末60に対する受診勧奨の通知の送信履歴、医療機関端末70に対する車両データD1や判定結果データD4の通知の履歴、サービス提供機関端末80に対する車両データD1や判定結果データD4の通知の履歴等に関する情報である。サービス提供履歴情報D33は、サービス提供機関端末80から受信したサービス提供機関のサービスに関する通知の履歴等の情報である。この他、端末データD3には、例えば、各情報の取得日時等の情報も付されている。
【0030】
<判定結果データ>
判定結果データD4は、判定装置50Bによって生成されたユーザの異常兆候に関する判定の結果を含む情報である。ここでは、判定装置50Bは、車両Vにおける運転操作とユーザの認知機能状態との相関関係に基づいて作成された基準(第1基準)、又は、異常な運転行動である所定の運転操作に該当するか否か(第2基準)に基づいて、ユーザの異常兆候の有無や内容等の判定し、その判定の結果を判定結果データD4として生成する。判定結果データD4は、異常兆候履歴情報D41を含んでいる。異常兆候履歴情報D41は、ユーザの異常兆候の有無、ユーザの異常兆候の内容、ユーザに異常兆候があると判定された日時等の情報である。
【0031】
<IDデータ>
IDデータD5は、上述した車両データD1、ユーザデータD2、端末データD3、判定結果データD4を相互に関連付けて管理することができる識別子である。IDデータD5は、例えば、ユーザID(User ID)D50や車両ID(Vehicle ID)D51等に関するデータを含んでいる。ユーザID・D50は、ユーザを識別するためにユーザごとに割り振られた固有のユニークな識別子である。上述したユーザデータD2、端末データD3、判定結果データD4は、このユーザID・D50と関連付けられて管理される。一方、車両ID・D51は、車両Vを識別するために車両Vごとに割り振られた固有のユニークな識別子であり、ここでは、車両Vを識別して管理し易くするために、上記で説明した車両識別情報D10とは別に設定されている。上述した車両データD1は、この車両ID・D51と関連付けられて管理される。
【0032】
そして、ユーザID・D50と車両ID・D51とは、ユーザが使用する車両Vに対応させて、相互に関連付けられている。例えば、1人のユーザが複数台の車両Vを所有している場合、ユーザID・D50と車両ID・D51とは、これに応じて1つのユーザID・D50に対して複数の車両ID・D51が関連付けられる。この結果、車両データD1、ユーザデータD2、端末データD3、判定結果データD4は、ユーザID・D50等に基づいて、各ユーザID・D50に対応するユーザごとに相互に関連付け可能である。すなわち、特定のユーザが使用する車両Vに関する車両データD1、及び、当該特定のユーザに関するユーザデータD2、端末データD3、判定結果データD4は、このユーザID・D50と車両ID・D51とを介して、相互に関連付けられて一纏まりのデータセットとして管理することが可能となる。また、上記のように1つのユーザID・D50に対して複数の車両ID・D51が関連付けられている場合、複数台分の車両データD1は、ユーザID・D50と車両ID・D51とを介してそれぞれ対応するユーザのユーザデータD2、端末データD3、判定結果データD4に関連付けられる。また、上記とは反対に、1台の車両Vが複数人のユーザに使用される場合、ユーザID・D50と車両ID・D51とは、これに応じて1つの車両ID・D51に対して複数のユーザID・D50が関連付けられる。
【0033】
以上、受診勧奨システム1で取り扱う主なデータの概要について説明した。受診勧奨システム1では、上記で説明したデータ以外のデータも取り扱っているが、それらのデータについては、適宜後述する。
【0034】
次に、
図4~
図14を参照して受診勧奨システム1の各構成について説明する。なお、以下の説明でも、各種データについては適宜
図3を参照する場合がある。
【0035】
<車載装置の基本構成>
図4に示す車載装置10は、車両Vに搭載され、当該車両Vの車両識別情報D10と関連付けて当該車両Vに関する車両データD1を収集し記憶する機器である。車載装置10は、車両Vの外部の機器と通信可能に構成される。車載装置10は、例えば、車両Vに搭載され様々の情報を記録するいわゆるドライブレコーダ等の機能を含み、車両Vに後付けで設置可能な構成であってもよい。
【0036】
具体的には、車載装置10は、
図4に示すように、検出・取得部11と、HMI(Human Machine Interface)部12と、DCM13と、データ入出力部14と、車載記憶部15と、処理部16とを備える。検出・取得部11、HMI部12、DCM13、データ入出力部14、車載記憶部15、及び、処理部16は、相互に通信可能に接続されている。
【0037】
検出・取得部11は、車両Vに関する車両データD1に含まれる種々の情報を検出や取得する機器である。検出・取得部11は、車両データD1として、車両識別情報D10、DCM情報D11、車両基本情報D12、走行情報D13等を検出や取得する。検出・取得部11は、例えば、車両Vの各部に設けられている種々のセンサ、検出器、GPS受信機、マイク、撮像装置等を含んで構成される。また、検出・取得部11は、例えば、車両Vの全体を統括的に制御するECU(Electronic Control Unit)から種々の情報を取得する機器を含んで構成されてもよい。また、検出・取得部11は、車両データD1に車両Vの乗員の生体情報等が含まれる場合には、乗員を監視する監視装置や乗員に装着されるウェアラブル端末と連携して種々の情報を取得する機器を含んで構成されてもよい。
【0038】
HMI部12は、車載装置10において種々の入出力を行う機器である。HMI部12は、車載装置10に対する種々の入力を行う操作入力機器として、例えば、キーボード、スイッチ、入力ボタン、マウスポインタ、トラックボール、ジョイスティック、タッチパッド、マイク、音声入力装置等を含んで構成されてもよい。また、HMI部12は、車載装置10から種々の出力を行う情報出力機器として構成されている。ここで、情報出力機器は、使用者に対して情報を出力しつつ、当該使用者による操作入力を受付可能なタッチパネル装置等である。また、HMI部12は、車載装置10から種々の出力を行う情報出力機器として、例えば、スピーカ、ディスプレイ等を含んで構成されてもよい。
【0039】
DCM13は、車両Vの外部の機器と通信可能な通信モジュールである。DCM13は、無線通信によってネットワークNWと通信可能に接続され、当該ネットワークNWを介して車両Vの外部の機器(典型的には、データ処理装置20)と通信を行う。
【0040】
データ入出力部14は、車載装置10に対するデータ(情報)の入出力を行うデータ入出力機器である。データ入出力部14は、記録媒体インターフェース等によって構成され、例えば、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、光磁気ディスク(Magneto-Optical disk)、USBメモリ、SDカードメモリ、Flashメモリ、CD-ROM、DVD等の記録媒体に対して各種データの読み出し、書き込みを行う。
【0041】
車載記憶部15は、種々のデータを記憶する記憶回路である。車載記憶部15は、例えば、HDD、SSD、光ディスクなどの比較的に大容量の記憶装置、あるいは、RAM、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。車載記憶部15は、例えば、車載装置10の各部が各種の機能を実現することが可能なプログラムを記憶する。車載記憶部15は、処理部16での各種処理に必要な各種データを記憶し、処理部16等によってこれらの各種データが必要に応じて読み出される。
【0042】
本実施形態の車載記憶部15は、機能概念的に、車両データ記憶部15aを含んで構成される。
【0043】
車両データ記憶部15aは、車載記憶部15において車両データD1を記憶する記憶領域である。車両データ記憶部15aは、検出・取得部11が検出や取得した車両識別情報D10、DCM情報D11、車両基本情報D12、走行情報D13等に関するデータを車両データD1として記憶する。
【0044】
処理部16は、車載装置10を統括的に制御し、車載装置10における各種処理機能を実現する処理回路である。処理部16は、例えば、プロセッサ、RAM、ROM等によって実現される。プロセッサとは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の回路を意味する。処理部16は、例えば、車載記憶部15から読み込んだプログラムを実行することにより、各処理機能を実現する。例えば、処理部16は、検出・取得部11によって車両データD1を検出や取得し、車両データ記憶部15aに記憶させる処理、HMI部12を動作させる処理、DCM13を介してデータ通信を行う処理等を実行可能である。
【0045】
本実施形態の処理部16は、上記各種処理機能を実現するために、機能概念的に、データ処理部16a、HMI処理部16b、及び、通信処理部16cを含んで構成される。処理部16は、例えば、車載記憶部15に記憶されている図示しないプログラムを読み込み、このプログラムを実行することにより、これらデータ処理部16a、HMI処理部16b、及び、通信処理部16cの各処理機能を実現する。
【0046】
データ処理部16aは、車載装置10において各種データに関する処理を実行可能な機能を有する部分である。データ処理部16aは、検出・取得部11によって、車両データD1を構成する情報を検出や取得する処理を実行可能である。また、データ処理部16aは、検出・取得部11によって検出や取得された情報を車両データD1として車両データ記憶部15aに格納する処理を実行可能である。また、データ処理部16aは、要求に応じて車両データ記憶部15aから当該車両データD1を読み出す処理を実行可能である。また、データ処理部16aは、データ入出力部14を介して車載装置10に対するデータの入出力を行う処理を実行可能である。また、データ処理部16aは、データ入出力部14を介して入力されたデータを車載記憶部15に格納する処理、及び、データ入出力部14を介して出力するデータを車載記憶部15から読み出す処理も実行可能である。また、データ処理部16aは、HMI部12を構成する操作入力機器への操作に応じて登録されたデータを車載記憶部15に格納する処理、及び、当該データを車載記憶部15から読み出す処理も実行可能である。
【0047】
例えば、データ処理部16aは、検出・取得部11を制御し、所定のサンプリング周期で車両データD1を構成する情報を検出や取得してもよいし、適時のタイミングで当該情報を検出や取得してもよい。また、データ処理部16aは、車両識別情報D10、DCM情報D11、車両基本情報D12等、一部の車両データD1については、HMI部12を構成する操作入力機器への操作に応じて登録されたものを取得してもよい。そして、データ処理部16aは、車両データD1を車両データ記憶部15aに格納する際には、当該車載装置10が搭載された車両Vの車両識別情報D10と当該車両データD1とを関連付けて車両データ記憶部15aに記憶させる。このとき、データ処理部16aは、例えば、当該車両データD1を収集した日時情報等と共に時系列に沿って車両データ記憶部15aに車両データD1を記憶させることができる。
【0048】
HMI処理部16bは、HMI部12を制御し、当該HMI部12を動作させる処理を実行可能な機能を有する部分である。HMI処理部16bは、HMI部12を構成する操作入力機器を制御し、当該操作入力機器を介して操作を入力する処理を実行可能である。また、HMI処理部16bは、HMI部12を構成する情報出力機器を制御し、当該情報出力機器を介して情報を出力する処理を実行可能である。
【0049】
通信処理部16cは、DCM13を制御し、データ通信を行う処理を実行可能な機能を有する部分である。通信処理部16cは、DCM13を介して、データ処理装置20等の他の機器との間でデータを送受信する処理を実行可能である。より具体的には、通信処理部16cは、車両識別情報D10とこれに対応する車両データD1とが関連付けられた状態で、当該車両データD1を、DCM13を介してデータ処理装置20に送信する処理を実行可能である。また、通信処理部16cは、DCM13を介してデータ処理装置20から各種指令や要求、様々な情報を受信する処理を実行可能である。また、通信処理部16cは、DCM13を介してデータ処理装置20に各種指令や要求、様々な情報を送信する処理を実行可能である。
【0050】
例えば、通信処理部16cは、車両データ記憶部15aに記憶されている車両データD1を適時のタイミングでデータ処理装置20に送信することができる。この場合、通信処理部16cは、例えば、検出・取得部11によるサンプリング周期に合わせて逐次リアルタイムで車両データD1をデータ処理装置20に送信してもよいし、検出・取得部11によるサンプリング周期とは異なる周期で、複数のサンプリング周期分の車両データD1をまとめて定期的にデータ処理装置20に送信してもよい。また、通信処理部16cは、例えば、HMI部12を構成する操作入力機器への操作に応じた任意のタイミングで車両データD1をデータ処理装置20に送信してもよいし、外部の機器(データ処理装置20等)からの送信指令等の要求を受信したタイミングで車両データD1をデータ処理装置20に送信してもよい。この場合、この車載装置10は、例えば、通信トラフィック量の増加による輻輳を低減する効果を見込むことができる。また、通信処理部16cは、例えば、車両Vの状態に応じて車両データD1の送信周期を可変とすることもできる。この場合、通信処理部16cは、例えば、車両Vが停車中の場合、車速や位置情報等に大幅な変化が見込まれないため、車両Vが走行中の場合の送信周期より相対的に長い送信周期で車両データD1を送信するようにしてもよい。この場合、この車載装置10は、例えば、車両Vの状態にあわせて適正なタイミングでデータ送信を行うことができる。
【0051】
<データ処理装置の基本構成>
図5に示すデータ処理装置20は、車載装置10と、サービス提供機器30(例えば、モビリティサーバ40Aやメディカルサーバ40B)とのデータ通信を中継するネットワーク中継機器である。本実施形態において、データ処理装置20は、車載装置10からサービス提供機器30に送信するデータを中継する。そして、サービス提供機器30では、データ処理装置20から受信したデータをモビリティサーバ40Aやメディカルサーバ40Bに記憶する。データ処理装置20は、例えば、種々のコンピュータ機器等によって構成されてもよい。また、データ処理装置20は、例えば、既知のコンピュータ機器に種々の処理を実現させるプログラムをインストールすることで構成することもできる。
【0052】
データ処理装置20は、具体的には、
図5に示すように、通信部21と、データ入出力部22と、データ処理記憶部23と、処理部24とを備える。通信部21、データ入出力部22、データ処理記憶部23、及び、処理部24は、相互に通信可能に接続されている。
【0053】
通信部21は、データ処理装置20以外の他の機器と通信可能な通信モジュールである。通信部21は、無線通信であるか有線通信であるかを問わずネットワークNWと通信可能に接続され、当該ネットワークNWを介して他の機器(例えば、車載装置10、サービス提供機器30等)と通信を行う。
【0054】
データ入出力部22は、データ処理装置20に対するデータ(情報)の入出力を行うデータ入出力機器である。データ入出力部22は、上述したデータ入出力部14と略同様の構成であり、記録媒体インターフェース等によって構成される。
【0055】
データ処理記憶部23は、種々のデータを記憶する記憶回路である。データ処理記憶部23は、上述した車載記憶部15と略同様の構成であり、例えば、HDD、SSD、光ディスク、半導体メモリ等によって実現される。データ処理記憶部23は、例えば、データ処理装置20の各部が各種の機能を実現することが可能なプログラムを記憶する。データ処理記憶部23は、処理部24での各種処理に必要な各種データを記憶し、処理部24等によってこれらの各種データが必要に応じて読み出される。
【0056】
処理部24は、データ処理装置20を統括的に制御し、データ処理装置20における各種処理機能を実現する処理回路である。処理部24は、上述した処理部16と略同様の構成であり、例えば、プロセッサ、RAM、ROM等によって実現される。処理部24は、例えば、データ処理記憶部23に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、各処理機能を実現する。例えば、処理部24は、通信部21を介してデータ通信を行う処理、各種データを中継する処理、車載装置10から受信したデータをモビリティサーバ40Aやメディカルサーバ40Bに送信して記憶させる処理等を実行可能である。
【0057】
本実施形態の処理部24は、上記各種処理機能を実現するために、機能概念的に、通信処理部24a、及び、データ処理部24bを含んで構成される。処理部24は、例えば、データ処理記憶部23に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、これらデータ処理部24b、及び、通信処理部24aの各処理機能を実現する。
【0058】
通信処理部24aは、通信部21を制御し、データ通信を行う処理を実行可能な機能を有する部分である。通信処理部24aは、通信部21を介して、車載装置10、サービス提供機器30等の他の機器との間でデータを送受信する処理を実行可能である。より具体的には、例えば、通信処理部24aは、通信部21を介して車載装置10から車両データD1を受信する処理を実行可能である。また、通信処理部24aは、通信部21を介して車両データD1をサービス提供機器30(例えば、モビリティサーバ40Aやメディカルサーバ40B)に送信する処理を実行可能である。また、通信処理部24aは、通信部21を介して車載装置10、サービス提供機器30等から各種指令や要求を受信する処理を実行可能である。また、通信処理部24aは、通信部21を介して各種指令や要求、様々な情報を車載装置10、サービス提供機器30(例えば、モビリティサーバ40Aやメディカルサーバ40B)に送信する処理を実行可能である。
【0059】
例えば、通信処理部24aは、各機器間でデータを中継する際には、不正な通信を遮断する処理、暗号化通信等のようなセキュリティレベルの高い通信を担保する処理、データの送信先を振り分けるルーティング処理、異なるネットワーク間で通信プロトコルを変換するプロトコル変換処理等の各処理を行う。
【0060】
データ処理部24bは、データ処理装置20において各種データに関する処理を実行可能な機能を有する部分である。データ処理部24bは、通信部21を介して受信したデータをデータ処理記憶部23に格納する処理を実行可能である。また、データ処理部24bは、通信部21を介して送信するデータをデータ処理記憶部23から読み出す処理を実行可能である。また、データ処理部24bは、データ入出力部22を介してデータ処理装置20に対するデータの入出力を行う処理を実行可能である。また、データ処理部24bは、データ入出力部22を介して入力されたデータをデータ処理記憶部23に格納する処理、及び、データ入出力部22を介して出力するデータをデータ処理記憶部23から読み出す処理も実行可能である。
【0061】
また、通信処理部24aは、データ処理部24bによってデータ処理記憶部23から読み出された車両データD1を、通信部21を介してモビリティサーバ40Aやメディカルサーバ40Bに送信する。
【0062】
<サービス提供機器の基本構成>
サービス提供機器30は、受診勧奨システム1で取り扱う各種データを統括的に管理し、車両データD1に基づいてユーザの異常兆候の有無や内容等の判定を行い、ユーザに異常兆候があると判定した場合に、当該ユーザに対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を行うことの可能な機器である。サービス提供機器30は、
図6に示すモビリティサーバ40Aと、
図7に示す分析装置50Aと、
図8に示すメディカルサーバ40Bと、
図9に示す判定装置50Bとを備えて構成される。典型的には、サービス提供機器30は、車両Vとユーザ端末60との間の通信を中継する基地局に設けられる基地局機器を構成する。本実施形態においては、基地局機器(サービス提供機器30)は、モビリティ基地局101に配置され、モビリティサーバ40A及び分析装置50Aによって構成される第1基地局機器と、メディカル基地局102に配置され、メディカルサーバ40B及び判定装置50Bによって構成される第2基地局機器とを含む。モビリティ基地局101は、例えば、車両Vの開発事業者や分析事業者によって管理される基地局である。メディカル基地局102は、例えば、医療に関する各種サービスを展開する事業者によって管理される基地局である。なお、分析装置50Aと判定装置50Bのそれぞれは、モビリティ基地局101及びメディカル基地局102に配置される必要はなく、これら基地局とは異なる場所に配置されていればよい。すなわち、少なくともモビリティサーバ40Aやメディカルサーバ40Bによって基地局機器が構成されていればよい。この場合、モビリティサーバ40Aによって第1基地局機器が構成され、メディカルサーバ40Bによって第2基地局機器が構成される。このとき、例えば、分析装置50Aは、モビリティ基地局101の所在地とは異なる遠隔地から第1基地局機器にアクセスする構成であってもよいし、判定装置50Bは、メディカル基地局102の所在地とは異なる遠隔地から第2基地局機器にアクセスする構成であってもよい。
【0063】
本実施形態のサービス提供機器30において、判定装置50Bは、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bを介して、ユーザ端末60と通信可能に構成されている。判定装置50Bは、認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bを介してユーザ端末60に送信する。
【0064】
モビリティサーバ40A、分析装置50A、メディカルサーバ40B、及び判定装置50Bは、例えば、種々のコンピュータ機器等によって構成されている。また、モビリティサーバ40A、分析装置50A、メディカルサーバ40B、及び判定装置50Bは、例えば、既知のコンピュータ機器に種々の処理を実現させるプログラムをインストールすることで構成することもできる。なお、本実施形態において、モビリティサーバ40Aとメディカルサーバ40Bは、物理的に異なるサーバとして、別個に独立に構成されている。そして、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bは、互いに連携して各種データを管理する。モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bは、相互に連携して受診勧奨システム1の記憶部を構成している。モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bは、例えば、種々のコンピュータ機器等によって構成されてもよい。また、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bは、例えば、既知のコンピュータ機器に種々の処理を実現させるプログラムをインストールすることで構成することもできる。ここで、モビリティサーバ40Aとメディカルサーバ40Bとは、異なる物理サーバとして別個に独立して構成されることに限定されず、種々の仮想化技術によって、同一の物理サーバ、あるいは、複数の物理サーバ上にいわゆる仮想サーバとして別個に独立して構成されてもよい。つまり、モビリティサーバ40Aとメディカルサーバ40Bとは、データをそれぞれ相互に独立して保有する構造となっている。このように、モビリティサーバ40Aとメディカルサーバ40Bとは、物理的又は構造的に独立してもよいし、例えば、プロセッサ等の各構成部を物理的に共通とした上で記憶領域を相互に独立させて構成されてもよい。
【0065】
サービス提供機器30に含まれるモビリティサーバ40A、及び、メディカルサーバ40Bは、典型的には、各種データをCSV、Excel等のテーブル形式で記憶するいわゆるリレーショナル型サーバとして構成されるがこれに限らない。例えば、モビリティサーバ40A、及び、メディカルサーバ40Bは、各種データをXMLやJSON等の形式で記憶するいわゆるNoSQL型サーバとして構成されてもよい。この場合、モビリティサーバ40A、及び、メディカルサーバ40Bは、例えば、同時に大量のデータを検索し易い構成とすることができる。
【0066】
<モビリティサーバの基本構成>
モビリティサーバ40Aは、メディカルサーバ40Bと連携可能に構成されており、主に車両Vのユーザに提供するサービス等に活用されるデータを管理するサーバである。モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bは、互いに連携してコネクテッドサービスを展開するコネクテッドサーバである。本実施形態の受診勧奨システム1では、メディカルサーバ40Bが記憶しているデータ(車両データD1)を活用して、車両Vを運転するユーザの異常兆候に関する判定を行い、当該ユーザに異常兆候があると判定した場合にユーザ端末60に対して受診勧奨の通知を送信するサービスが行われる。また、本実施形態の受診勧奨システム1では、受診勧奨を通知するサービスに限らず、モビリティサーバ40Aが記憶しているデータを活用して、例えば、契約管理、駐車位置検索、車両遠隔操作、緊急通報サポート、トラブルサポート、セキュリティ通知、運転履歴評価等のサービスをユーザに提供することができる。
【0067】
具体的には、モビリティサーバ40Aは、
図6に示すように、通信部41と、データ入出力部42と、サーバ記憶部43と、処理部44とを備える。通信部41、データ入出力部42、サーバ記憶部43、及び、処理部44は、相互に通信可能に接続されている。
【0068】
通信部41は、モビリティサーバ40A以外の他の機器と通信可能な通信モジュールである。通信部41は、上述した通信部21と略同様の構成であり、無線通信であるか有線通信であるかを問わずネットワークNWと通信可能に接続され、当該ネットワークNWを介して他の機器(例えば、データ処理装置20、ユーザ端末60等)と通信を行う。
【0069】
データ入出力部42は、モビリティサーバ40Aに対するデータ(情報)の入出力を行うデータ入出力機器である。データ入出力部42は、上述したデータ入出力部14と略同様の構成であり、記録媒体インターフェース等によって構成される。
【0070】
サーバ記憶部43は、種々のデータを記憶する記憶回路である。サーバ記憶部43は、上述した車載記憶部15と略同様の構成であり、例えば、HDD、SSD、光ディスク、半導体メモリ等によって実現される。サーバ記憶部43は、例えば、モビリティサーバ40Aの各部が各種の機能を実現することが可能なプログラムを記憶する(図示せず)。また、サーバ記憶部43は、処理部44での各種処理に必要な各種データを記憶し、処理部44等によってこれらの各種データが必要に応じて読み出される。
【0071】
本実施形態のサーバ記憶部43は、機能概念的に、車両データ記憶部43a、IDデータ記憶部43b、ユーザデータ記憶部43c、端末データ記憶部43dを含んで構成される。
【0072】
車両データ記憶部43aは、種々のデータを記憶する記憶回路である。車両データ記憶部43aは、上述した車載記憶部15と略同様の構成であり、例えば、HDD、SSD、光ディスク、半導体メモリ等によって実現される。車両データ記憶部43aは、サーバ記憶部43において車両データD1を記憶する記憶領域である。車両データ記憶部43aは、車載装置10から送信された車両データD1を記憶する。車両データ記憶部43aは、例えば、車両識別情報D10、DCM情報D11、車両基本情報D12、走行情報D13等に関するデータを含む車両データD1を記憶する。
【0073】
IDデータ記憶部43bは、サーバ記憶部43においてIDデータD5を記憶する記憶領域である。IDデータ記憶部43bは、例えば、ユーザ端末60を介して登録されたり、モビリティサーバ40Aの処理部44によって自動生成されたりしたユーザID・D50、車両ID・D51等に関するデータを含むIDデータD5を記憶する。
【0074】
ユーザデータ記憶部43cは、サーバ記憶部43においてユーザデータD2を記憶する記憶領域である。ユーザデータ記憶部43cは、例えば、車載装置10、ユーザ端末60等を介して登録されたり、モビリティサーバ40Aの処理部44によって自動生成されたりしたユーザ基本情報D20、ユーザ属性情報D21、同意履歴情報D22、サービス設定情報D23、契約パッケージ情報D24、お気に入り情報D25等に関するデータを含むユーザデータD2を記憶する。
【0075】
端末データ記憶部43dは、サーバ記憶部43において端末データD3を記憶する記憶領域である。端末データ記憶部43dは、例えば、ユーザ端末60は、端末基本情報D30、通知履歴情報D31、アクセス履歴情報D32、サービス提供履歴情報D33等に関するデータを含む端末データD3を記憶する。
【0076】
処理部44は、モビリティサーバ40Aを統括的に制御し、モビリティサーバ40Aにおける各種処理機能を実現する処理回路である。処理部44は、上述した処理部16と略同様の構成であり、例えば、プロセッサ、RAM、ROM等によって実現される。処理部44は、例えば、サーバ記憶部43に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、各処理機能を実現する。例えば、処理部44は、通信部41を介してデータ通信を行う処理、メディカルサーバ40Bに記憶された判定結果データD4に対応するユーザデータD2を特定する処理、各種データを演算する処理、各種サービスをユーザに提供する処理等を実行可能である。
【0077】
本実施形態の処理部44は、上記各種処理機能を実現するために、機能概念的に、通信処理部44a、データ処理部44b、及び、サービス動作処理部44cを含んで構成される。処理部44は、例えば、サーバ記憶部43に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、これら通信処理部44a、データ処理部44b、及び、サービス動作処理部44cの各処理機能を実現する。
【0078】
通信処理部44aは、通信部41を制御し、データ通信を行う処理を実行可能な機能を有する部分である。通信処理部44aは、通信部41を介して、データ処理装置20やユーザ端末60等の他の機器との間でデータを送受信する処理を実行可能である。
【0079】
例えば、通信処理部44aは、通信部41を介してユーザ端末60等からIDデータD5を受信する処理を実行可能である。また、通信処理部44aは、通信部41を介してデータ処理装置20がモビリティサーバ40Aに対して送信した車両データD1を受信する処理を実行可能である。また、通信処理部44aは、通信部41を介して車載装置10及びユーザ端末60からユーザデータD2を受信する処理を実行可能である。また、通信処理部44aは、判定装置50Bからの要求に応じて通信部41を介して受診勧奨の通知をユーザ端末60に送信する処理を実行可能である。また、通信処理部44aは、通信部41を介してデータ処理装置20、判定装置50B、ユーザ端末60等から各種指令や要求を受信する処理を実行可能である。
【0080】
データ処理部44bは、モビリティサーバ40Aにおいて各種データに関する処理を実行可能な機能を有する部分である。データ処理部44bは、通信部41を介して受信したデータをサーバ記憶部43に格納する処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、通信部41を介して送信するデータをサーバ記憶部43から読み出す処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、データ入出力部42を介して入力されたデータをサーバ記憶部43に格納する処理、及び、データ入出力部42を介して出力するデータをサーバ記憶部43から読み出す処理も実行可能である。
【0081】
より具体的には、例えば、データ処理部44bは、車載装置10からデータ処理装置20を介して送信された車両データD1を車両データ記憶部43aに格納する処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、要求に応じて車両データ記憶部43aから当該車両データD1を読み出す処理を実行可能である。
【0082】
また、データ処理部44bは、ユーザ端末60等を介して登録されたユーザID・D50、車両ID・D51等に関するデータをIDデータD5としてIDデータ記憶部43bに格納する処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、ユーザ端末60等を介して登録された情報に基づいてユーザID・D50、車両ID・D51等に関するデータを自動生成し、生成したデータをIDデータD5としてIDデータ記憶部43bに格納する処理を実行してもよい。また、データ処理部44bは、要求に応じてIDデータ記憶部43bから当該IDデータD5を読み出す処理を実行可能である。
【0083】
また、データ処理部44bは、ユーザ端末60等を介して登録されたユーザ基本情報D20、サービス設定情報D23、お気に入り情報D25等に関するデータをユーザデータD2としてユーザデータ記憶部43cに格納する処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、ユーザ端末60等を介して登録された情報に基づいてモビリティサーバ40Aに格納する一部のユーザデータD2、ここでは、ユーザ属性情報D21、同意履歴情報D22、契約パッケージ情報D24等に関するデータを自動生成し、生成したデータをユーザデータD2としてユーザデータ記憶部43cに格納する処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、例えば、車載装置10を介して登録されたデータをユーザデータD2の一部としてユーザデータ記憶部43cに格納し、ユーザデータD2を形成してもよい。また、データ処理部44bは、要求に応じてユーザデータ記憶部43cから当該ユーザデータD2を読み出す処理を実行可能である。
【0084】
また、データ処理部44bは、ユーザ端末60等から送信された端末基本情報D30、通知履歴情報D31、アクセス履歴情報D32、サービス提供履歴情報D33等に関するデータを端末データD3として端末データ記憶部43dに格納する処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、通信部41を介してユーザ端末60から端末データD3を受信する処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、判定装置50Bがユーザ端末60に通信部41を介して送信した情報に関するデータを端末データD3として端末データ記憶部43dに記憶させる処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、判定装置50Bから医療機関端末70やサービス提供機関端末80に送信した情報に関するデータを、通信部41を介して判定装置50Bから取得し、端末データD3として端末データ記憶部43dに記憶させる処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、判定装置50Bに対するサービス提供機関端末80からのアクセス情報に関するデータを、通信部41を介して判定装置50Bから取得し、端末データD3として生成して端末データ記憶部43dに記憶させる処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、サービス提供機関端末80が判定装置50Bに対して送信した情報に関するデータを、通信部41を介して判定装置50Bから取得し、端末データD3として生成し、端末データ記憶部43dに記憶させる処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、要求に応じて端末データ記憶部43dから端末データD3を読み出す処理を実行可能である。
【0085】
そして、データ処理部44bは、上記のように、車両データ記憶部43a、ユーザデータ記憶部43c、端末データ記憶部43dに車両データD1、ユーザデータD2、端末データD3をそれぞれ格納する際には、これら車両データD1、ユーザデータD2、端末データD3を相互に関連付ける処理を実行可能である。例えば、データ処理部44bは、車両データ記憶部43a、ユーザデータ記憶部43c、端末データ記憶部43d、判定結果データ記憶部43eに格納された車両データD1とユーザデータD2と端末データD3とを、車両識別情報D10やIDデータD5を構成するユーザID・D50及び車両ID・D51を介して相互に関連付けて一纏まりのデータセットとする。
【0086】
<分析装置の基本構成>
図7に示す分析装置50Aは、モビリティサーバ40Aとメディカルサーバ40Bとの間で行われるデータの送受信を中継する。また、分析装置50Aは、モビリティサーバ40Aに記憶されているデータに基づいて、品質調査、事故分析、不具合分析、開発へのフィードバック、モビリティ企画、新事業への活用等の各種分析を行うことが可能である。この場合、分析装置50Aは、例えば、車両Vの開発事業者や分析事業者によって使用される。
【0087】
具体的には、分析装置50Aは、HMI部51と、通信部52と、データ入出力部53と、分析記憶部54Aと、処理部55とを備える。HMI部51、通信部52、データ入出力部53、分析記憶部54A、及び、処理部55は、相互に通信可能に接続されている。
【0088】
HMI部51は、判定装置50Bにおいて種々の入出力を行う機器である。HMI部51は、上述したHMI部12と同様に、判定装置50Bに対する種々の入力を行う操作入力機器、及び、分析装置50Aから種々の出力を行う情報出力機器を含んで構成される。
【0089】
通信部52は、分析装置50A以外の他の機器と通信可能な通信モジュールである。通信部52は、上述した通信部21と略同様の構成であり、無線通信であるか有線通信であるかを問わずネットワークNWと通信可能に接続され、当該ネットワークNWを介して他の機器(例えば、データ処理装置20、モビリティサーバ40A、メディカルサーバ40B、ユーザ端末60、医療機関端末70、サービス提供機関端末80等)と通信を行う。
【0090】
データ入出力部53は、分析装置50Aに対するデータ(情報)の入出力を行うデータ入出力機器である。データ入出力部53は、上述したデータ入出力部14と略同様の構成であり、記録媒体インターフェース等によって構成される。
【0091】
分析記憶部54Aは、種々のデータを記憶する記憶回路である。分析記憶部54Aは、上述した車載記憶部15と略同様の構成であり、例えば、HDD、SSD、光ディスク、半導体メモリ等によって実現される。分析記憶部54Aは、例えば、分析装置50Aの各部が各種の機能を実現することが可能なプログラムを記憶する。分析記憶部54Aは、処理部55での各種処理に必要な各種データを記憶し、処理部55等によってこれらの各種データが必要に応じて読み出される。
【0092】
処理部55は、分析装置50Aを統括的に制御し、分析装置50Aにおける各種処理機能を実現する処理回路である。処理部55は、上述した処理部16と略同様の構成であり、例えば、プロセッサ、RAM、ROM等によって実現される。処理部55は、例えば、分析記憶部54Aに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、各処理機能を実現する。例えば、処理部55は、HMI部51を動作させる処理や通信部52を介してデータ通信を行う処理等を実行可能である。
【0093】
本実施形態の処理部55は、分析装置50Aにおける各種処理機能を実現するために、HMI処理部55a、データ処理部55b、通信処理部55c、及び、分析処理部55dを含んで構成される。処理部55は、例えば、分析記憶部54Aに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、これらHMI処理部55a、データ処理部55b、通信処理部55c、及び、分析処理部55dの各処理機能を実現する。
【0094】
HMI処理部55aは、上述したHMI処理部16bと同様に、HMI部51を制御し、当該HMI部51を動作させる処理を実行可能な機能を有する部分である。HMI処理部55aは、HMI部51を構成する操作入力機器を制御し、当該操作入力機器を介して操作を入力する処理を実行可能である。また、HMI処理部55aは、HMI部51を構成する情報出力機器を制御し、当該情報出力機器を介して情報を出力する処理を実行可能である。
【0095】
データ処理部55bは、上述したデータ処理部44bと同様に、分析装置50Aにおいて各種データに関する処理を実行可能な機能を有する部分である。データ処理部55bは、通信部52を介して受信したデータを分析記憶部54Aに格納する処理を実行可能である。また、データ処理部55bは、通信部52を介して送信するデータを分析記憶部54Aから読み出す処理を実行可能である。また、データ処理部55bは、データ入出力部53を介して入力されたデータを分析記憶部54Aに格納する処理、及び、データ入出力部53を介して出力するデータを分析記憶部54Aから読み出す処理も実行可能である。また、データ処理部55bは、HMI部51を構成する操作入力機器への操作に応じて登録されたデータを分析記憶部54Aに格納する処理、及び、当該データを分析記憶部54Aから読み出す処理も実行可能である。
【0096】
通信処理部55cは、上述した通信処理部44aと同様に、通信部52を制御し、データ通信を行う処理を実行可能な機能を有する部分である。通信処理部55cは、通信部52を介して、データ処理装置20、モビリティサーバ40A、メディカルサーバ40B、ユーザ端末60、医療機関端末70、サービス提供機関端末80等の他の機器との間でデータを送受信する処理を実行可能である。
【0097】
分析装置50Aの分析記憶部54Aは、機能概念的に、分析データ記憶部54dを含んで構成される。分析データ記憶部54dは、分析装置50Aが、モビリティサーバ40Aに記憶されているデータに基づいて各種分析を行った場合に、当該分析の結果を含む分析データD8を記憶する記憶領域である。
【0098】
分析装置50Aの通信処理部55cは、通信部52を介して各種指令や要求をメディカルサーバ40Bに送信する処理を実行可能である。また、分析装置50Aの通信処理部55cは、通信部52を介してメディカルサーバ40Bから各種情報に関するデータを受信する処理を実行可能である。
【0099】
そして、分析処理部55dは、HMI部51を構成する操作入力機器への操作に応じて、モビリティサーバ40Aから車両データD1等を取得する処理を実行する。分析処理部55dは、モビリティサーバ40Aに記憶されている車両データD1等から、分析装置50Aにおいて要求された分析の実行に必要なデータを受信したら、当該データに基づいてデータの分析を行う。そして、分析装置50Aのデータ処理部55bは、分析処理部55dによる分析結果を分析データD8として分析記憶部54Aに格納する処理を実行可能である。また、分析装置50AのHMI処理部55aは、HMI部51を構成する情報出力機器を制御し、分析処理部55dによる分析結果等の分析データD8を、当該情報出力機器を介して出力する処理を実行可能である。
【0100】
<メディカルサーバの基本構成>
図8に示す、メディカルサーバ40Bは、上述した通り、モビリティサーバ40Aと相互に連携して、主に車両Vのユーザに提供するサービス等に活用されるデータを管理するサーバである。
【0101】
メディカルサーバ40Bの基本構成は、モビリティサーバ40Aと実質的に同様の構成である。メディカルサーバ40Bは、通信部41と、データ入出力部42と、サーバ記憶部43と、処理部44とを備える。通信部41、データ入出力部42、サーバ記憶部43、及び、処理部44は、相互に通信可能に接続されている。
【0102】
メディカルサーバ40Bの通信部41は、メディカルサーバ40B以外の他の機器と通信可能な通信モジュールである。通信部41は、上述した通信部21と略同様の構成であり、無線通信であるか有線通信であるかを問わずネットワークNWと通信可能に接続され、当該ネットワークNWを介して他の機器(例えば、データ処理装置20、ユーザ端末60等)と通信を行う。
【0103】
メディカルサーバ40Bのデータ入出力部42は、メディカルサーバ40Bに対するデータ(情報)の入出力を行うデータ入出力機器である。データ入出力部42は、上述したデータ入出力部14と略同様の構成であり、記録媒体インターフェース等によって構成される。
【0104】
メディカルサーバ40Bのサーバ記憶部43は、モビリティサーバ40Aのサーバ記憶部43と略同様の構成である。また、メディカルサーバ40Bのサーバ記憶部43は、モビリティサーバ40Aのサーバ記憶部43と同様に、処理部44での各種処理に必要な各種データを記憶し、処理部44等によってこれらの各種データが必要に応じて読み出される。
【0105】
ここで、メディカルサーバ40Bのサーバ記憶部43は、機能概念的に、車両データ記憶部43a、判定結果データ記憶部43e、認知機能判定データ記憶部43fを含んで構成される。
【0106】
車両データ記憶部43aは、種々のデータを記憶する記憶回路である。車両データ記憶部43aは、上述したモビリティサーバ40Aの車両データ記憶部43aと略同様の構成である。車両データ記憶部43aは、車載装置10から送信された車両データD1を記憶する。車両データ記憶部43aは、例えば、車両識別情報D10、DCM情報D11、車両基本情報D12、走行情報D13等に関するデータを含む車両データD1を記憶する。
【0107】
判定結果データ記憶部43eは、サーバ記憶部43において判定結果データD4を記憶する記憶領域である。判定結果データD4は、例えば、異常兆候履歴情報D41等に関するデータを含む判定結果データD4を記憶する。
【0108】
認知機能判定データ記憶部43fは、一般的な認知機能テストに関する情報である認知機能判定データD7を記憶する記憶領域である。ユーザは、ユーザ端末60によって、メディカルサーバ40Bと通信を行い、認知機能判定データD7にアクセスすることで、ユーザ端末60で認知機能テストを受けることできる。認知機能テストは、例えば、ミニメンタルステート検査(MMSE検査)や認知症の具体的な症状に該当するか否かのチェックリストへの回答によるものなど、認知機能が低下しているか否かを簡易的にテストするものである。
【0109】
処理部44は、メディカルサーバ40Bを統括的に制御し、メディカルサーバ40Bにおける各種処理機能を実現する処理回路である。処理部44は、モビリティサーバ40Aの処理部44と略同様の構成である。例えば、処理部44は、通信部41を介してデータ通信を行う処理、各種データを演算する処理、各種サービスをユーザに提供する処理等を実行可能である。
【0110】
本実施形態の処理部44は、上記各種処理機能を実現するために、機能概念的に、通信処理部44a、データ処理部44b、及び、サービス動作処理部44cを含んで構成される。処理部44は、例えば、サーバ記憶部43に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、これら通信処理部44a、データ処理部44b、及び、サービス動作処理部44cの各処理機能を実現する。
【0111】
通信処理部44aは、通信部41を制御し、データ通信を行う処理を実行可能な機能を有する部分である。通信処理部44aは、通信部41を介して、データ処理装置20やユーザ端末60等の他の機器との間でデータを送受信する処理を実行可能である。
【0112】
例えば、通信処理部44aは、通信部41を介してユーザ端末60等のアクセスを受け付けることができる。また、通信処理部44aは、通信部41を介してデータ処理装置20からメディカルサーバ40Bに対して送信された車両データD1を受信する処理を実行可能である。また、通信処理部44aは、通信部41を介してデータ処理装置20、判定装置50B、ユーザ端末60等から各種指令や要求を受信する処理を実行可能である。
【0113】
また、モビリティサーバ40Aと同様、データ処理部44bは、メディカルサーバ40Bにおいて各種データに関する処理を実行可能な機能を有する部分である。データ処理部44bは、通信部41を介して受信したデータをサーバ記憶部43に格納する処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、通信部41を介して送信するデータをサーバ記憶部43から読み出す処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、データ入出力部42を介して入力されたデータをサーバ記憶部43に格納する処理、及び、データ入出力部42を介して出力するデータをサーバ記憶部43から読み出す処理も実行可能である。
【0114】
より具体的には、例えば、メディカルサーバ40Bのデータ処理部44bは、車載装置10からデータ処理装置20を介して送信された車両データD1を車両データ記憶部43aに格納する処理を実行可能である。メディカルサーバ40Bのデータ処理部44bは、判定装置50Bから送信された判定結果データD4を判定結果データ記憶部43eに格納する処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、要求に応じて車両データ記憶部43aから車両データD1を読み出す処理を実行可能である。また、データ処理部44bは、要求に応じて判定結果データ記憶部43eから判定結果データD4を読み出す処理を実行可能である。
【0115】
そして、メディカルサーバ40Bのデータ処理部44bは、上記のように、車両データ記憶部43aと判定結果データ記憶部43eのそれぞれに車両データD1と判定結果データD4を格納する際には、車両データD1と判定結果データD4とを相互に関連付ける処理を実行可能である。例えば、データ処理部44bは、車両データ記憶部43aに格納された車両データD1と判定結果データ記憶部43eに格納された判定結果データD4とを、車両識別情報D10を介して相互に関連付けて一纏まりのデータセットとする。つまり、メディカルサーバ40Bのサーバ記憶部43は、車両データ記憶部43aに記憶された車両データD1と判定結果データ記憶部43eに記憶された判定結果データD4とが、データ処理部44bによって車両識別情報D10によって相互に関連付けて記憶され、これらを一纏まりのデータセットとしてデータベース化して記憶している。
【0116】
<判定装置の基本構成>
図9に示す判定装置50Bは、メディカルサーバ40Bから車両データD1を取得し、取得した車両データD1に基づいて車両Vのユーザにおける異常兆候の有無等に関する判定を行い、判定の結果を判定結果データとして生成するものである。また、判定装置50Bは、判定結果データをメディカルサーバ40Bに送信して記憶させる。また、判定装置50Bは、ユーザの異常兆候に関する判定において、ユーザに異常兆候があると判定した場合、ユーザ端末60に対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を行う。判定装置50Bは、主に医療に関する各種サービスを提供する事業者等によって管理及び使用される装置である。
【0117】
判定装置50Bは、具体的には、HMI部51と、通信部52と、データ入出力部53と、判定記憶部54Bと、処理部55とを備える。HMI部51、通信部52、データ入出力部53、判定記憶部54B、及び、処理部55は、相互に通信可能に接続されている。
【0118】
HMI部51は、判定装置50Bにおいて種々の入出力を行う機器である。HMI部51は、上述したHMI部12と同様に、判定装置50Bに対する種々の入力を行う操作入力機器、及び、判定装置50Bから種々の出力を行う情報出力機器を含んで構成される。
【0119】
通信部52は、判定装置50B以外の他の機器と通信可能な通信モジュールである。通信部52は、上述した通信部21と略同様の構成であり、無線通信であるか有線通信であるかを問わずネットワークNWと通信可能に接続され、当該ネットワークNWを介して他の機器(例えば、データ処理装置20、モビリティサーバ40A、メディカルサーバ40B、分析装置50A、ユーザ端末60、医療機関端末70、サービス提供機関端末80等)と通信を行う。
【0120】
データ入出力部53は、判定装置50Bに対するデータ(情報)の入出力を行うデータ入出力機器である。データ入出力部53は、上述したデータ入出力部14と略同様の構成であり、記録媒体インターフェース等によって構成される。
【0121】
判定記憶部54Bは、種々のデータを記憶する記憶回路である。判定記憶部54Bは、上述した車載記憶部15と略同様の構成であり、例えば、HDD、SSD、光ディスク、半導体メモリ等によって実現される。判定記憶部54Bは、例えば、判定装置50Bの各部が各種の機能を実現することが可能なプログラムを記憶する。判定記憶部54Bは、処理部55での各種処理に必要な各種データを記憶し、処理部55等によってこれらの各種データが必要に応じて読み出される。
【0122】
処理部55は、判定装置50Bを統括的に制御し、判定装置50Bにおける各種処理機能を実現する処理回路である。処理部55は、上述した処理部16と略同様の構成であり、例えば、プロセッサ、RAM、ROM等によって実現される。処理部55は、例えば、判定記憶部54Bに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、各処理機能を実現する。例えば、処理部55は、HMI部51を動作させる処理、通信部52を介してデータ通信を行う処理等を実行可能である。
【0123】
本実施形態の処理部55は、判定装置50Bにおける各種処理機能を実現するために、HMI処理部55a、データ処理部55b、及び、通信処理部55cを含んで構成される。処理部55は、例えば、判定記憶部54Bに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、これらHMI処理部55a、データ処理部55b、及び、通信処理部55cの各処理機能を実現する。
【0124】
HMI処理部55aは、上述したHMI処理部16bと同様に、HMI部51を制御し、当該HMI部51を動作させる処理を実行可能な機能を有する部分である。HMI処理部55aは、HMI部51を構成する操作入力機器を制御し、当該操作入力機器を介して操作を入力する処理を実行可能である。また、HMI処理部55aは、HMI部51を構成する情報出力機器を制御し、当該情報出力機器を介して情報を出力する処理を実行可能である。
【0125】
データ処理部55bは、上述したデータ処理部44bと同様に、判定装置50Bにおいて各種データに関する処理を実行可能な機能を有する部分である。データ処理部55bは、通信部52を介して受信したデータを判定記憶部54Bに格納する処理を実行可能である。また、データ処理部55bは、通信部52を介して送信するデータを判定記憶部54Bから読み出す処理を実行可能である。また、データ処理部55bは、データ入出力部53を介して入力されたデータを判定記憶部54Bに格納する処理、及び、データ入出力部53を介して出力するデータを判定記憶部54Bから読み出す処理も実行可能である。また、データ処理部55bは、HMI部51を構成する操作入力機器への操作に応じて登録されたデータを判定記憶部54Bに格納する処理、及び、当該データを判定記憶部54Bから読み出す処理も実行可能である。
【0126】
通信処理部55cは、上述した通信処理部44aと同様に、通信部52を制御し、データ通信を行う処理を実行可能な機能を有する部分である。通信処理部55cは、通信部52を介して、データ処理装置20、モビリティサーバ40A、メディカルサーバ40B、分析装置50A、ユーザ端末60、医療機関端末70、サービス提供機関端末80等の他の機器との間でデータを送受信する処理を実行可能である。
【0127】
判定装置50Bの判定記憶部54Bは、機能概念的に、車両データ記憶部54a、判定結果データ記憶部54b、判定基準データ記憶部54cを含んで構成される。
【0128】
車両データ記憶部54aは、判定記憶部54Bにおいて、メディカルサーバ40Bから取得した車両データD1を記憶する記憶領域である。車両データ記憶部54aは、例えば、データ処理装置20から受信した車両識別情報D10、DCM情報D11、車両基本情報D12、走行情報D13等に関するデータを含む車両データD1を記憶する。
【0129】
判定結果データ記憶部54bは、判定記憶部54Bにおいて、ユーザの異常兆候の有無等を含む判定の結果を判定結果データD4として記憶する記憶領域である。判定結果データD4は、典型的には、ユーザの異常兆候の有無等に関する一定期間の判定の履歴に関する情報である異常兆候履歴情報D41を含んでいる。
【0130】
判定基準データ記憶部54cは、判定記憶部54Bにおいて、車両データD1からユーザの異常兆候の有無や内容等を判定するための基準に関するデータである判定基準データD6を記憶する記憶領域である。判定基準データD6には、ユーザの異常兆候の有無や内容等を判定する基準として、車両Vにおける運転操作とユーザの認知機能状態との相関関係に基づいて作成された第1基準情報、又は、異常な運転行動である所定の運転操作に該当するか否かの第2基準情報が含まれる。例えば、第1基準情報は、認知機能が正常でない者に見られる異常な運転行動の発生頻度が所定の回数を超える日が一定期間続いた場合に、車両Vを運転するユーザに認知機能の低下の兆候があると判定する情報である。ここで、「所定の回数」や「一定期間」は、異常な運転行動が一時的に生じたような場合、例えば、車両Vの周囲の状況からユーザがやむを得ず急ハンドルや急ブレーキの操作を行った場合やユーザが意図的に短時間の異常な運転行動をとった場合等と区別できるような回数や期間に設定される。また、第2基準情報は、車両Vのユーザの運転操作が異常な運転行動に該当するか否かの情報であり、ユーザの異常兆候の有無や内容等を判定することは可能であるが、当該ユーザに認知機能の低下の兆候があるか否かについて判定することはできない基準情報である。
【0131】
判定装置50Bの処理部55は、機能概念的に、上述したHMI処理部55a、データ処理部55b、通信処理部55cに加えて、さらに、判定処理部55eを含んで構成される。
【0132】
判定処理部55eは、所定の周期、又は、HMI部51を構成する操作入力機器への操作に応じて、車両データ記憶部54aに記憶されている車両データD1からユーザの異常兆候の有無や内容等を判定する処理を実行可能な機能を有する部分である。ここでは、判定処理部55eは、判定記憶部54Bから車両データD1及び判定基準データD6を読み出し、判定基準データD6に基づいて車両データD1からユーザの異常兆候の有無や内容等を判定する部分として構成されている。
【0133】
そして、判定装置50Bの通信処理部55cは、通信部52を介して、メディカルサーバ40Bから車両データD1を取得する処理を実行可能である。通信処理部55cは、取得した車両データD1を車両データ記憶部54aに記憶させるように構成されている。通信処理部55cは、医療機関端末70やサービス提供機関端末80に対して、車両データD1や判定結果データD4を送信する。また、サービス提供機関端末80からアクセス要求があった場合、サービス提供機関端末80に対して車両データD1や判定結果データD4を取得したり閲覧したりできるようアクセス可能である。なお、判定装置50Bの判定記憶部54Bには、ユーザ本人を直接特定できる情報(ユーザデータD2)は、記憶されておらず、サービス提供機関端末80が車両データD1や判定結果データD4にアクセスしたとしても、これらのデータからサービス提供機関端末80の使用者がユーザ本人を直接的に特定することができないようになっている。
【0134】
そして、判定装置50Bのデータ処理部55bは、判定処理部55eによる判定の結果に関するデータを判定結果データD4として判定記憶部54Bに格納する処理を実行可能である。また、判定装置50BのHMI処理部55aは、HMI部51を構成する情報出力機器を制御し、判定処理部55eによる判定の結果等の判定結果データD4を、当該情報出力機器を介して出力する処理を実行可能である。
【0135】
図10は、受診勧奨システム1の記憶部を構成するモビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bに記憶されているデータベースの一例である。本実施形態において、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bは、互いに連携して、車両データD1と、ユーザデータD2と、端末データD3と、判定結果データD4と、IDデータD5とを相互に関連付けたテーブル形式のデータベースとしてこれらのデータを記憶している。
【0136】
<ユーザ端末の基本構成>
図11に示すユーザ端末60は、上述したように、判定装置50Bで生成された受診勧奨に関する情報を受信可能に構成された端末機器である。ユーザ端末60は、主にユーザが所有して使用する第1ユーザ端末60Aと、主にユーザの家族や関係者等が所有して使用する第2ユーザ端末60Bを含む。ここでは、第1ユーザ端末60Aと第2ユーザ端末60Bとの間には、実質的な構成の違いはない。ユーザ端末60は、例えば、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bに記憶されているデータに基づいた各種サービス(例えば、契約管理、駐車位置検索、車両遠隔操作、緊急通報サポート、トラブルサポート、セキュリティ通知、運転履歴評価等)も享受できるように構成されていてもよい。
【0137】
具体的には、ユーザ端末60は、HMI部61と、通信部62と、データ入出力部63と、ユーザ記憶部64と、処理部65とを備える。HMI部61、通信部62、データ入出力部63、ユーザ記憶部64、及び、処理部65は、相互に通信可能に接続されている。
【0138】
HMI部61は、ユーザ端末60において種々の入出力を行う機器である。HMI部61は、上述したHMI部12と同様に、ユーザ端末60に対する種々の入力を行う入力部としての操作入力機器、及び、ユーザ端末60から種々の出力を行う出力部としての情報出力機器を含んで構成される。
【0139】
通信部62は、判定装置50B以外の他の機器と通信可能な通信モジュールである。通信部62は、上述した通信部41と略同様の構成であり、無線通信であるか有線通信であるかを問わずネットワークNWと通信可能に接続され、当該ネットワークNWを介して他の機器(例えば、データ処理装置20、モビリティサーバ40A、メディカルサーバ40B、医療機関端末70、サービス提供機関端末80等)と通信を行う。
【0140】
データ入出力部63は、ユーザ端末60に対するデータ(情報)の入出力を行うデータ入出力機器である。データ入出力部63は、上述したデータ入出力部14と略同様の構成であり、記録媒体インターフェース等によって構成される。
【0141】
ユーザ記憶部64は、種々のデータを記憶する記憶回路である。ユーザ記憶部64は、上述した車載記憶部15と略同様の構成であり、例えば、HDD、SSD、光ディスク、半導体メモリ等によって実現される。ユーザ記憶部64は、例えば、ユーザ端末60の各部が各種の機能を実現することが可能なプログラムを記憶する。ユーザ記憶部64は、処理部65での各種処理に必要な各種データを記憶し、処理部65等によってこれらの各種データが必要に応じて読み出される。
【0142】
処理部65は、ユーザ端末60を統括的に制御し、ユーザ端末60における各種処理機能を実現する処理回路である。処理部65は、上述した処理部16と略同様の構成であり、例えば、プロセッサ、RAM、ROM等によって実現される。処理部65は、例えば、ユーザ記憶部64に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、各処理機能を実現する。例えば、処理部65は、HMI部61を動作させる処理、通信部62を介してデータ通信を行う処理等を実行可能である。
【0143】
本実施形態の処理部65は、ユーザ端末60における各種処理機能を実現するために、HMI処理部65a、データ処理部65b、及び、通信処理部65cを含んで構成される。処理部65は、例えば、ユーザ記憶部64に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、これらHMI処理部65a、データ処理部65b、及び、通信処理部65cの各処理機能を実現する。
【0144】
HMI処理部65aは、上述したHMI処理部16bと同様に、HMI部61を制御し、当該HMI部61を動作させる処理を実行可能な機能を有する部分である。HMI処理部65aは、HMI部61を構成する操作入力機器を制御し、当該操作入力機器を介して操作を入力する処理を実行可能である。また、HMI処理部65aは、HMI部61を構成する情報出力機器を制御し、当該情報出力機器を介して情報を出力する処理を実行可能である。
【0145】
データ処理部65bは、上述したデータ処理部65bと同様に、ユーザ端末60において各種データに関する処理を実行可能な機能を有する部分である。データ処理部65bは、通信部62を介して受信したデータをユーザ記憶部64に格納する処理を実行可能である。また、データ処理部65bは、通信部62を介して送信するデータをユーザ記憶部64から読み出す処理を実行可能である。また、データ処理部65bは、データ入出力部63を介して入力されたデータをユーザ記憶部64に格納する処理、及び、データ入出力部63を介して出力するデータをユーザ記憶部64から読み出す処理も実行可能である。また、データ処理部65bは、HMI部61を構成する操作入力機器への操作に応じて登録されたデータをユーザ記憶部64に格納する処理、及び、当該データをユーザ記憶部64から読み出す処理も実行可能である。
【0146】
通信処理部65cは、上述した通信処理部44aと同様に、通信部62を制御し、データ通信を行う処理を実行可能な機能を有する部分である。通信処理部65cは、通信部62を介して、データ処理装置20、モビリティサーバ40A、メディカルサーバ40B、医療機関端末70、サービス提供機関端末80等の他の機器との間でデータを送受信する処理を実行可能である。
【0147】
ユーザ端末60のユーザ記憶部64は、機能概念的に、ユーザデータ記憶部64a及びアプリ記憶部64bを含んで構成される。
【0148】
ユーザデータ記憶部64aは、ユーザ記憶部64においてモビリティサーバ40Aに送信するユーザデータD2を記憶する記憶領域である。ユーザデータ記憶部64aは、例えば、第1ユーザ端末60AのHMI部61を構成する操作入力機器へのユーザの操作に応じて登録されたユーザ基本情報D20、サービス設定情報D23、お気に入り情報D25等に関するデータを含むユーザデータD2を記憶する。
【0149】
アプリ記憶部64bは、ユーザ記憶部64においてユーザ端末60で使用されるアプリケーションプログラムAPを記憶する記憶領域である。アプリ記憶部64bに記憶されているアプリケーションプログラムAPは、ユーザ端末60で実行されることで、判定装置50Bから送信された受診勧奨の通知を受信可能とするものである。ここで、HMI部61の出力部は、ユーザによる操作を入出力可能なタッチパネル機能を有する表示部を含む。本実施形態では、受診勧奨の通知は、判定結果データD4に応じてユーザに推奨される行動の提示を含む。受診勧奨の通知がある場合、HMI部61の出力部は、ユーザに対してユーザに推奨される行動の提示を行う。具体的には、ユーザ端末60は、受診勧奨の通知を受信すると、アプリケーションプログラムAPを実行し、判定結果データD4に応じて、ユーザに推奨される行動をHMI部61の表示部に表示する。この構成により、ユーザに対して、判定結果データD4に応じてユーザに推奨される行動が提示される。そして、ユーザ端末60は、HMI部61の入力部が操作されて、ユーザに推奨される行動を実行する指示を受け付けたら、当該ユーザに推奨される行動を実行するようアプリケーションプログラムAPを動作させることが可能となる。なお、アプリケーションプログラムAPは、受診勧奨の通知に対応した処理を実行するものに限定されず、モビリティサーバ40Aと連動する各種サービスに応じたアプリケーション機能を実行可能であってもよい。
【0150】
ユーザ端末60の処理部65は、機能概念的に、HMI処理部65a、データ処理部65b、通信処理部65c、アプリ機能処理部65dを含んで構成される。
【0151】
ユーザ端末60のHMI処理部65aは、HMI部61を構成する表示部を制御し、アプリケーションプログラムAPによって実行される各種サービスに関する情報やデータを当該表示部に表示させる処理を実行可能である。
図12~
図14は、ユーザ端末60が受診勧奨の通知を受信した際にHMI部61の表示部に表示される「判定結果データD4に応じてユーザに推奨される行動」の一例を示すものである。
【0152】
例えば、
図12に示すように、HMI部61の表示部には、ユーザに推奨される行動として「認知機能検査の受診をおススメします」の文言が表示されると共に、ユーザが当該行動を実行するために、HMI部61の入力部として、認知機能検査の受診を開始するアイコン60aを表示する。ユーザは、このアイコン60aにタッチすることで、認知機能検査を受診することができる。また、HMI部61の表示部には、ユーザに推奨される行動が複数表示されてもよい。
図12に示す例では、ユーザに対して、内容の異なる2種類のWEB認知機能検査(WEB認知機能検査1及びWEB認知機能検査2)が選択可能に表示されている。
【0153】
また、例えば、
図13に示すように、HMI部61の表示部には、ユーザに推奨される行動として「かかりつけ医への相談をご検討ください」の文言が表示されると共に、かかりつけ医へ電話をかけることのできる通話アイコン60b、及び、かかりつけ医宛てにメッセージを送信することのできる送信アイコン60cが表示されてもよい。この場合、ユーザ端末60は、ユーザから通話アイコン60bに対するタッチ操作を受け付けたら、かかりつけ医へ電話をかけることができる。また、ユーザ端末60は、ユーザから送信アイコン60cに対するタッチ操作を受け付けたら、かかりつけ医宛てにメッセージを送信することができる。
【0154】
また、例えば、
図14に示すように、HMI部61の表示部には、ユーザに推奨される行動として「医療機関での受診をご検討ください」の文言が表示されると共に、医療機関の受診予約を行うことのできる予約アイコン60dが表示されてもよい。この場合、ユーザ端末60は、ユーザから予約アイコン60dに対するタッチ操作を受け付けたら、医療機関の受診予約を行うことができる。
【0155】
なお、ユーザ本人が所有する第1ユーザ端末60Aと、ユーザの家族や関係者等が所有する第2ユーザ端末60Bとには、同じ内容が通知される構成であってもよいし、本人向けの内容と家族や関係者等向けの内容とで互いに異なる内容が通知される構成であってもよい。例えば、ユーザの認知機能状態に関する通知も含めて受診勧奨の通知を行う場合、第1ユーザ端末60A及び第2ユーザ端末60Bに同一の内容を通知して、ユーザの家族や関係者等もユーザの認知機能状態を把握できるようにしてもよい。また、本人向けの内容と家族や関係者等向けの内容とで互いに異なる内容を通知する場合には、第1ユーザ端末60Aに対しては、本人向けの内容として、上述した
図12~
図14に示すような受診勧奨の通知を行い、第2ユーザ端末60Bに対しては、家族や関係者等向けの内容として、ユーザに医療機関で受診することを勧める旨の通知を行ったことを示す単なる連絡に関する通知を行ってもよい。
【0156】
ユーザ端末60のデータ処理部65bは、HMI部61を構成する操作入力機器への操作に応じて、ユーザ端末60の表示部に提示されたユーザに推奨される行動に関する処理を実行可能である。また、ユーザ端末60のデータ処理部65bは、HMI部61を構成する操作入力機器への操作に応じて登録されたユーザ基本情報D20、サービス設定情報D23、お気に入り情報D25等に関するデータをユーザデータD2としてユーザデータ記憶部64aに格納する処理を実行可能である。また、ユーザ端末60のデータ処理部65bは、要求に応じてユーザデータ記憶部64aに記憶されているユーザデータD2を読み出す処理を実行可能である。
【0157】
そして、ユーザ端末60の通信処理部65cは、通信部62を介してユーザデータ記憶部64aに記憶されているユーザデータD2をモビリティサーバ40Aに送信する処理を実行可能である。また、ユーザ端末60の通信処理部65cは、通信部62を介して各種指令や要求をモビリティサーバ40Aやメディカルサーバ40B等に送信する処理を実行可能である。また、ユーザ端末60の通信処理部65cは、通信部62を介してモビリティサーバ40Aやメディカルサーバ40B等から各種指令や要求を受信する処理を実行可能である。また、ユーザ端末60の通信処理部65cは、通信部62を介してモビリティサーバ40A、メディカルサーバ40B、判定装置50B等からサービス内容やアプリケーション機能に応じた各種情報を受信する処理を実行可能である。ユーザ端末60の通信処理部65cがモビリティサーバ40A、メディカルサーバ40B、判定装置50B等からサービス内容やアプリケーション機能に応じて受信するデータは、例えば、受診勧奨の通知や、モビリティサーバ40Aやメディカルサーバ40Bに記憶されている車両データD1、ユーザデータD2、判定結果データD4、及び、これらのデータに基づいて生成された各種情報、データ等が含まれていてもよい。
【0158】
アプリ機能処理部65dは、アプリ記憶部64bに記憶されているアプリケーションプログラムAPを実行する処理を実行可能な機能を有する部分である。アプリ機能処理部65dは、例えば、判定装置50Bから受診勧奨の通知を受信したことやHMI部61を構成する操作入力機器へ操作がなされたこと等に応じてアプリ記憶部64bに記憶されているアプリケーションプログラムAPを起動し、各種サービスに応じたアプリケーション機能を実行可能である。
【0159】
<医療機関端末の基本構成>
図15に示す医療機関端末70は、上述したように、判定装置50Bにアクセス可能に構成されており、主に医師などの医療従事者が使用する機器である。典型的には、医療機関端末70は、主に医療機関に設置された端末機器である。医療機関端末70は、判定装置50Bから送信された車両データD1や判定結果データD4を受信し、記憶部に記憶するように構成されている。また、医療機関端末70は、判定装置50Bに対してアクセス要求を行い、アクセス要求が許可された場合、車両データD1や判定結果データD4に対してアクセス可能となるように構成されている。
【0160】
具体的には、医療機関端末70は、HMI部71と、通信部72と、データ入出力部73と、医療機関記憶部74と、処理部75とを備える。HMI部71、通信部72、データ入出力部73、医療機関記憶部74、及び、処理部75は、相互に通信可能に接続されている。
【0161】
HMI部71は、医療機関端末70において種々の入出力を行う機器である。HMI部81は、上述したHMI部12と同様に、医療機関端末70に対する種々の入力を行う操作入力機器、及び、医療機関端末70から種々の出力を行う情報出力機器を含んで構成される。
【0162】
通信部72は、医療機関端末70以外の他の機器と通信可能な通信モジュールである。通信部72は、上述した通信部21と略同様の構成であり、無線通信であるか有線通信であるかを問わずネットワークNWと通信可能に接続され、当該ネットワークNWを介して他の機器(例えば、サービス提供機器30、モビリティサーバ40A、メディカルサーバ40B、分析装置50A、判定装置50B等)と通信を行う。
【0163】
データ入出力部73は、医療機関端末70に対するデータ(情報)の入出力を行うデータ入出力機器である。医療機関端末70は、上述したデータ入出力部14と略同様の構成であり、記録媒体インターフェース等によって構成される。
【0164】
医療機関端末70の医療機関記憶部74は、機能概念的に、車両データ記憶部74a、判定結果データ記憶部74bを含んで構成される。
【0165】
医療機関端末70の車両データ記憶部74aは、医療機関端末70において、車両データD1を記憶する記憶領域である。車両データ記憶部74aは、判定装置50Bから送信された車両データD1を記憶する。医療機関端末70の判定結果データ記憶部74bは、医療機関端末70において、判定結果データD4を記憶する記憶領域である。判定結果データ記憶部74bは、判定装置50Bから送信された判定結果データD4を記憶する。
【0166】
医療機関端末70の処理部75は、機能概念的に、HMI処理部75a、データ処理部75b、通信処理部75cを含んで構成される。
【0167】
医療機関端末70の通信処理部75cは、通信部72を介してアクセス要求を判定装置50Bに送信する処理を実行可能である。通信処理部75cは、例えば、HMI部71を構成する操作入力機器への操作に応じてアクセス要求を判定装置50Bに送信する。
【0168】
<サービス提供機関端末の基本構成>
図16に示すサービス提供機関端末80は、判定装置50Bにアクセス可能に構成されており、主に製薬メーカーや保険会社などのサービス提供機関の従業員が使用する機器である。典型的には、サービス提供機関端末80は、主にサービス提供機関に設置された端末機器である。サービス提供機関端末80は、判定装置50Bから送信された車両データD1や判定結果データD4を受信し、記憶できるように構成されている。また、サービス提供機関端末80は、判定装置50Bに対してアクセス要求を行い、アクセス要求が許可された場合、車両データD1や判定結果データD4に対してアクセス可能となるように構成されている。
【0169】
具体的には、サービス提供機関端末80は、HMI部81と、通信部82と、データ入出力部83と、サービス提供機関記憶部84と、処理部85とを備える。HMI部81、通信部82、データ入出力部83、サービス提供機関記憶部84、及び、処理部85は、相互に通信可能に接続されている。
【0170】
HMI部81は、サービス提供機関端末80において種々の入出力を行う機器である。HMI部81は、上述したHMI部12と同様に、サービス提供機関端末80に対する種々の入力を行う操作入力機器、及び、サービス提供機関端末80から種々の出力を行う情報出力機器を含んで構成される。
【0171】
通信部82は、サービス提供機関端末80以外の他の機器と通信可能な通信モジュールである。通信部82は、上述した通信部21と略同様の構成であり、無線通信であるか有線通信であるかを問わずネットワークNWと通信可能に接続され、当該ネットワークNWを介して他の機器(例えば、サービス提供機器30、モビリティサーバ40A、メディカルサーバ40B、分析装置50A、判定装置50B等)と通信を行う。
【0172】
データ入出力部83は、サービス提供機関端末80に対するデータ(情報)の入出力を行うデータ入出力機器である。データ入出力部83は、上述したデータ入出力部14と略同様の構成であり、記録媒体インターフェース等によって構成される。
【0173】
サービス提供機関端末80のサービス提供機関記憶部84は、機能概念的に、車両データ記憶部84a、判定結果データ記憶部84bを含んで構成される。
【0174】
サービス提供機関端末80の車両データ記憶部84aは、サービス提供機関端末80において、車両データD1を記憶する記憶領域である。車両データ記憶部84aは、判定装置50Bから送信された車両データD1を記憶する。サービス提供機関端末80の判定結果データ記憶部84bは、サービス提供機関端末80において、判定結果データD4を記憶する記憶領域である。判定結果データ記憶部84bは、判定装置50Bから送信された判定結果データD4を記憶する。
【0175】
サービス提供機関端末80の処理部85は、機能概念的に、HMI処理部85a、データ処理部85b、通信処理部85cを含んで構成される。
【0176】
サービス提供機関端末80の通信処理部85cは、通信部82を介してアクセス要求を判定装置50Bに送信する処理を実行可能である。通信処理部85cは、例えば、HMI部81を構成する操作入力機器への操作に応じてアクセス要求を判定装置50Bに送信する。
【0177】
以上、本実施形態に係る受診勧奨システム1の全体構成の概略について説明した。
【0178】
<受診勧奨システムにおけるデータの流れ>
次に、
図17から
図19を参照して受診勧奨システム1における各処理の流れの一例について説明する。なお、以下の説明において、データの送受信は、ネットワークNWを介して行われるが、この点についての都度の説明は省略する場合がある。また、以下では、主にデータの流れに着目して説明するため、各機器における処理部等に関する具体的な処理動作についての記載は適宜省略する場合があり、必要に応じて上述した全体構成の概略を参照するものとする。また、以下で説明する各処理の流れは、あくまでも代表的なものの一例でありこれに限定されるものではない。
【0179】
<ユーザデータ、車両データの格納>
まず、
図17に示すように、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)は、例えば、ユーザデータD2のうちユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)において登録されたユーザ基本情報D20、サービス設定情報D23、お気に入り情報D25等に関するデータをユーザデータD2としてモビリティサーバ40Aに送信する(ステップS1)。ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)は、初期登録されたユーザデータD2に限らず、初期登録後に更新されたユーザデータD2をモビリティサーバ40Aに送信することも可能である。また、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)は、例えば、ユーザに対する受診勧奨の通知が、主にユーザの家族や関係者等が使用する第2ユーザ端末60Bにも通知されるように、第2ユーザ端末60Bの端末登録情報をユーザ基本情報D20に含めてユーザデータD2として送信することもできる。また、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)は、ユーザデータD2に車両識別情報D10を含めてモビリティサーバに送信してもよい。このとき、ユーザが受診勧奨の通知に関するサービスに対して新規に登録する場合や既に登録済みの受診勧奨の通知に関するサービスに対して登録情報を変更する場合等において、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)を用いて車両識別情報D10を端末登録情報に含めることで、車両識別情報D10をユーザデータD2に登録することができる。これにより、モビリティサーバ40Aに車両データD1が記憶されていない場合でも、車両識別情報D10に基づいてユーザデータD2と判定結果データD4とを関連付けて管理することができる。
【0180】
そして、モビリティサーバ40Aは、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)からユーザデータD2を受信すると、受信したユーザデータD2に基づいて、一部のユーザデータD2を自動生成する(ステップS2)。ここでは、モビリティサーバ40Aは、例えば、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)から受信したユーザ基本情報D20、サービス設定情報D23、お気に入り情報D25等に関するデータに基づいて、ユーザ属性情報D21、同意履歴情報D22、契約パッケージ情報D24等に関するデータを自動生成する。
【0181】
なお、ユーザデータD2の登録は、例えば、車載装置10を介して行うことも可能である。この場合、車載装置10は、ユーザのHMI部12への操作に応じてユーザデータD2のうちの一部の情報を登録可能であり、登録された一部の情報に関するデータをユーザデータD2としてデータ処理装置20に送信し、当該データ処理装置20を経由してモビリティサーバ40Aに送信することもできる(ステップS3)。
【0182】
モビリティサーバ40Aは、受信したユーザデータD2、及び、自動生成したユーザデータD2をユーザID・D50と関連付けてサーバ記憶部43(ユーザデータ記憶部43c)に格納する(ステップS4)。
【0183】
車載装置10は、検出・取得部11によって検出や取得された車両データD1を適時のタイミングでデータ処理装置20に送信する(ステップS5)。この場合、車載装置10は、車両データD1をデータ処理装置20に送信する。このとき、車両データD1には、車両識別情報D10が含まれている。データ処理装置20は、車載装置10から車両データD1を受信すると、受信した車両データD1を、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bへ送信する。ここで、メディカルサーバ40Bに送信される車両データD1は、ユーザの異常兆候の有無や内容等の判定において利用されるデータであり、少なくとも受診勧奨の通知を行うために必要な情報が含まれていればよい。つまり、車両Vからメディカルサーバ40Bに送信される車両データD1は、車載装置10が送信したすべてのデータである必要は無く、当該車載装置10が送信した車両データD1の一部であればよい。例えば、車両Vからモビリティサーバ40Aに送信される車両データD1には、車両識別情報D10、DCM情報D11、車両基本情報D12及び走行情報D13が含まれ、メディカルサーバ40Bに送信される車両データD1には、車両識別情報D10、及び、走行情報D13のみが含まれていればよい。また、メディカルサーバ40Bに送信される車両データD1に含まれる走行情報D13は、例えば、車両位置、車速、加減速、ハンドル操舵角度、アクセル開度(アクセル操作量)、ブレーキ開度(アクセル操作量)等に関するデータのように、ユーザの異常兆候の有無や内容等の判定において利用されるデータのみ限定すれば、データの秘密保持性を向上させつつ、データ通信量やストレージ資源を有効に活用できる。
【0184】
そして、メディカルサーバ40Bは、データ処理装置20から車両データD1を受信すると、当該メディカルサーバ40Bのサーバ記憶部43(車両データ記憶部43a)に格納する(ステップS6a)。また、モビリティサーバ40Aは、データ処理装置20から車両データD1を受信すると、当該モビリティサーバ40Aのサーバ記憶部43(車両データ記憶部43a)に格納する(ステップS6b)。
【0185】
<ユーザの異常兆候の判定、受診勧奨の通知>
図18に示すように、判定装置50Bは、ユーザの異常兆候の判定に使用する車両データD1をメディカルサーバ40Bから取得する場合、当該メディカルサーバ40Bにデータ送信要求を送信する(ステップS7)。メディカルサーバ40は、判定装置50Bからデータ送信要求を受信したら、判定対象となる車両データD1を読み出す(ステップS8)。そして、メディカルサーバ40Bは、読み出した車両データD1(判定対象車両データ)を判定装置50Bに送信する(ステップS9)。判定装置50Bは、車両データD1を受信したら、当該車両データD1から車両Vを運転するユーザの異常兆候の有無の判定を行う(ステップS10)。このとき、判定装置50Bの判定処理部55eは、判定基準データD6に基づいて、車両データD1からユーザの異常兆候の有無の判定を行う。ここで、ユーザの異常兆候は、判定基準データD6に基づいて判定されたユーザの認知機能の低下の兆候や判定基準データD6に基づいて検出されたユーザの運転行動の異常等を含む。
【0186】
その後、判定装置50Bは、判定の結果を判定結果データD4として生成し、判定記憶部54Bに格納する(ステップS11)。判定装置50Bにおいて、判定結果データD4は、判定対象に対応する車両データD1に含まれる車両識別情報D10と関連付けられて管理される。そして、判定装置50Bは、判定結果データD4を車両識別情報D10と関連付けた状態でメディカルサーバ40Bに送信する(ステップS12)。メディカルサーバ40Bは、判定結果データD4を受信したら、車両識別情報D10と関連付けられた状態の判定結果データD4をサーバ記憶部43(判定結果データ記憶部43e)に格納し、管理する(ステップS13)。そして、判定装置50Bは、判定の結果が車両Vを運転するユーザに異常兆候があるものか否かを確認する(ステップS14)。ここで、判定装置50Bは、判定の結果が車両Vを運転するユーザに異常兆候がないとの結果であった場合、次回の判定を行うまで処理を終了する。他方、判定装置50Bは、判定の結果が車両Vを運転するユーザに異常兆候があるとの結果であった場合、判定対象のユーザに対して受診勧奨の通知を行う(ステップS15)。また、ここでは、判定装置50Bは、受診勧奨の通知と併せて、医療機関やサービス提供機関への通知を行ってもよい。受診勧奨の通知は、判定装置50Bが、メディカルサーバ40Bに対して通知要求を送信することで行われる。ここで、通知要求は、判定結果データD4と関連付けられた車両識別情報D10に対応するユーザに対して受診勧奨の通知を行うように要求するものである。また、通知要求には、ユーザの特定に利用可能な車両識別情報D10が含まれている。なお、通知要求を行う場合、判定装置50Bは、通知要求の送信と同時にステップS12の判定結果データD4の送信を行ってもよい。また、医療機関やサービス提供機関に対する通知は、判定装置50Bが車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に送信することで行われる。ここで、判定装置50Bは、医療機関やサービス提供機関に対して車両データD1又は判定結果データD4を送信しようとする場合、当該車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に提供することについて、ユーザが同意しているか否かの同意確認を、メディカルサーバ40B及び分析装置50Aを介して、モビリティサーバ40Aに対して行う。なお、同意確認は、判定装置50Bからメディカルサーバ40Bへの通知要求に含まれる。
【0187】
メディカルサーバ40Bは、判定装置50Bから通知要求を受信したら、分析装置50Aを介して、モビリティサーバ40Aに通知対象の照合を行うよう通知要求を送信する(ステップS16)。モビリティサーバ40Aは、メディカルサーバ40Bから分析装置50Aを介して通知要求を受信したら、受診勧奨を通知する対象について照合を行う(ステップS17)。この通知対象の照合において、車両データD1に含まれる車両識別情報D10とユーザデータD2とが関連付けられて記憶されており、かつ、当該車両データD1に含まれる車両識別情報D10と判定結果データD4とが関連付けられて記憶されていることから、モビリティサーバ40Aは、判定装置50Bによる判定において使用された車両データD1に含まれる車両識別情報D10に基づき、判定結果データD4に対応するユーザデータD2からユーザ端末60を特定することで、受診勧奨を通知する対象の照合を行う。具体的には、判定装置50Bは、受診勧奨を通知する対象に対応する車両識別情報D10を通知要求に含めてメディカルサーバ40Bに送信し、メディカルサーバ40Bは、受信した通知要求を、分析装置50Aを介して、モビリティサーバ40Aに送信する。モビリティサーバ40Aは、通知要求に含まれる車両識別情報D10とユーザデータD2に関連付けられた車両識別情報D10とを照合することで、通知要求と判定結果データD4とに対応するユーザデータD2を特定する。そして、モビリティサーバ40Aは、特定されたユーザデータD2のサービス設定情報D23に含まれるユーザ端末60の端末登録情報に基づいて、受診勧奨の通知を送信するユーザ端末60を特定する。また、モビリティサーバ40Aは、車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に提供することについて、ユーザが同意しているか否かの同意確認を行う。このように、モビリティサーバ40Aは、通知要求に含まれる車両識別情報D10と、ユーザデータD2に関連付けられた車両識別情報D10とを照合することで、ユーザデータD2に含まれるサービス設定情報D23から受診勧奨を通知する対象のユーザを特定し、更に、当該ユーザデータD2に含まれる同意履歴情報D22から、車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に提供することについて、ユーザが同意しているか否かを確認することができる。
【0188】
その後、モビリティサーバ40Aは、特定されたユーザ端末60に受診勧奨に関する情報を送信することでユーザに受診勧奨を通知する(ステップS18)。また、モビリティサーバ40Aは、車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に提供することについてのユーザの同意の有無に関する情報を判定装置50Bに送信する。判定装置50Bは、ユーザの同意があるという情報を受信した場合は、車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に送信する。ここで、判定装置50Bは、判定結果データD4を送信する場合、車両データD1に含まれる車両識別情報D10と関連付けた状態で送信する。車両識別情報D10と関連付けた状態で判定結果データD4を送信することで、例えば、受診勧奨の通知を受けたユーザが、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)から受診予約をした場合に、医療機関が車両識別情報D10に基づいて、取得した判定結果データD4と受診予約したユーザとを関連付けることができる。この構成により、医療機関がユーザの状態をより正確に把握することが可能になる。なお、この場合、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)から行われた受診予約には、車両識別情報D10が含まれる。また、車両識別情報D10と関連付けた状態で判定結果データD4を送信することで、例えば、サービス提供機関がサービス提供機器30を介して、ユーザに各種サービスに関する情報を提供することができる。判定装置50Bは、ユーザの同意がないという情報を受信した場合は、車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に送信しない。
【0189】
ユーザ端末60は、モビリティサーバ40Aから受診勧奨に関する情報を受信したら、当該受診勧奨の通知内容を表示部に表示する(ステップS19)。例えば、ユーザ端末60は、判定結果データD4の内容に応じて、
図12~
図14に示すような、ユーザに推奨される行動について表示部に表示する。
【0190】
<サービス提供機関端末からのアクセス>
図19に示すように、サービス提供機関端末80は、判定装置50Bに記憶されている車両データD1や判定結果データD4を利用するために、判定装置50Bに対してアクセス要求を行うことができる。まず、サービス提供機関端末80は、判定装置50Bに対するアクセスを要求する場合、当該判定装置50Bにアクセス要求を送信する(ステップS21)。判定装置50Bは、アクセス要求を受信した場合、モビリティサーバ40Aに、ユーザが、車両データD1や判定結果データD4をサービス提供機関が利用することに同意しているか否かを確認する同意確認要求を送信する(ステップS22)。ここでは、同意確認要求は、メディカルサーバ40B、分析装置50Aを介して行われる。モビリティサーバ40Aは、車両データD1や判定結果データD4をサービス提供機関が利用することを同意しているか否かについて、ユーザ毎の同意の有無を確認する。そして、モビリティサーバ40Aは、サービス提供機関が車両データD1や判定結果データD4を利用することに同意しているユーザについて、当該ユーザの車両データD1や判定結果データD4に対するサービス提供機関端末80のアクセスを許可させる。また、モビリティサーバ40Aは、サービス提供機関が車両データD1や判定結果データD4を利用することについて、同意していないユーザについては、当該ユーザの車両データD1や判定結果データD4に対するサービス提供機関端末80のアクセスを拒否させる。
【0191】
<第1実施形態の作用効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る受診勧奨システム1は、車両Vのユーザに関するユーザデータD2を記憶するモビリティサーバ40Aと、車両Vの走行情報D13を含む車両データD1を記憶するメディカルサーバ40Bと、車両データD1からユーザの異常兆候の有無の判定を行い、判定の結果を含む判定結果データD4をメディカルサーバ40Bに記憶し、当該判定結果データD4に基づきユーザに対して認知機能に関する通知を行う判定装置50Bと、判定装置50Bから通知を受信可能なユーザ端末60、60A、60Bと、を含み、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bは、相互に連携してユーザデータD2と車両データD1と判定結果データD4とを関連付けて管理し、判定装置50Bは、ユーザに異常兆候があると判定した場合、当該判定の結果に対応するユーザデータD2に基づいてユーザ端末60、60A、60Bを特定し、当該ユーザ端末60、60A、60Bに対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を送信する。
【0192】
本実施形態に係る受診勧奨システム1は、車載装置10により収集された車両データD1からユーザの異常兆候の有無を判定することで、ユーザの日常的な行動である車両Vの運転状況から認知機能低下の兆候や症状等を早期に発見することができる。また、受診勧奨システム1におけるユーザの異常兆候の有無の判定は、従来から行われている認知機能に関する簡易検査とは異なり、検査を受ける者の一時的な状態に基づくものではなく、車載装置10等に蓄積された車両データD1からユーザの異常兆候の有無を判定するものである。したがって、上述したような簡易検査と比べて、認知機能低下の兆候や症状が判定結果に表れやすく、特に、初期段階における認知機能の異常を検出しやすいため、受診勧奨の通知を適正に行うことができる。また、ユーザ端末60に対して、認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を行うことで、ユーザの医療機関への受診意思を向上させることができる。また、本実施形態に係る受診勧奨システム1は、モビリティサーバ40AでユーザデータD2を管理し、メディカルサーバ40Bで特に機密性の高い個人情報である判定結果データD4を管理することから、当該判定結果データD4はユーザデータD2とは区別して管理されるため、秘密保持性を向上させつつ、モビリティサービスに活用するデータやメディカルサービスに活用される各種データを円滑に利用することができる。
【0193】
また、本実施形態に係る受診勧奨システム1において、モビリティサーバ40Aは、車両Vとユーザ端末60、60A、60Bとの通信を中継し、ユーザデータD2を管理するモビリティ基地局101に配置されており、メディカルサーバ40Bは、モビリティ基地局101とは異なる基地局であり、車両Vとユーザ端末60、60A、60Bとの通信を中継し、車両データD1及び判定結果データD4を管理するメディカル基地局102に配置されている。
【0194】
実施形態に係る受診勧奨システム1において、モビリティサーバ40Aとメディカルサーバ40Bは、それぞれが互いに異なる基地局(モビリティ基地局101、メディカル基地局102)に設けられている。この構成により、サーバに記憶されるデータの機密性の程度に応じた管理が可能になる。例えば、医療機関は、患者のカルテ等の身体に関する情報を取り扱うため、データの管理において、より高い情報セキュリティが求められる。そして、高い情報セキュリティが求められる医療機関がメディカル基地局102を管理し、当該メディカル基地局102にメディカルサーバ40Bを配置することで、判定結果データD4の機密性を向上させることができる。このように、データの種別に応じてサーバや基地局を区分することにより、適切な情報管理を行うことができる。
【0195】
また、本実施形態に係る受診勧奨システム1において、車両データD1は、車両を識別する車両識別情報D10を含み、モビリティサーバ40Aは、車両データD1を更に管理し、ユーザデータD2と車両識別情報D10とを関連付けて記憶し、メディカルサーバ40Bは、判定結果データD4と車両識別情報D10とを関連付けて記憶し、判定装置50Bは、車両識別情報D10に基づいて、判定結果データD4に対応するユーザデータD2からユーザ端末60、60A、60Bを特定し、当該ユーザ端末60、60A、60Bに対して受診勧奨の通知を送信する。
【0196】
車両識別情報D10を介してユーザデータD2と判定結果データD4とを対応させることで、ユーザデータD2と特に機密性の高い判定結果データD4とを直接結び付けることなく利用することができ、データ管理の機密性を向上させることができる。
【0197】
また、本実施形態に係る受診勧奨システム1において、受診勧奨の通知は、ユーザに推奨される行動の提示を含み、ユーザ端末60、60A、60Bは、ユーザに対して行動の提示を行う出力部と当該行動を実行する操作を受け付け可能な入力部アイコン60a~60dとを含む。
【0198】
本実施形態に係る受診勧奨システム1は、ユーザに推奨される具体的な行動の提示を行い、その行動を実行する操作を受け付け可能な入力部(アイコン60a~60d)を設けることで、ユーザの医療機関への受診意思を向上させることができる。認知機能の低下は、外傷に現れるものではないことも相まって、例えば、ユーザが、専門医が何科にあたるのかが分からなかったり、総合病院に初診では行きづらかったりする場合がある。このような場合でも、ユーザ端末60に入力部(アイコン60a~60d)を操作可能に表示することにより、ユーザは、推奨される行動をスムーズにとることができる。すなわち、ユーザ端末60に入力部(アイコン60a~60d)を操作可能に設けることで、ユーザが医療機関での受診予約等を行う際の心理的な障壁を低減することができる。
【0199】
また、本実施形態に係る受診勧奨システム1において、走行情報D13は、車両Vの運転操作に関する情報を含み、判定装置50Bは、車両Vの運転操作とユーザの認知機能状態との相関関係に基づく第1基準情報、又は、車両Vの運転操作が所定の運転操作に該当するか否かの判定に基づく第2基準情報を含む判定基準データD6に基づいてユーザの異常兆候の有無の判定を行う。
【0200】
本実施形態に係る受診勧奨システム1は、車載装置10により収集された車両データD1に基づいて、ユーザの異常兆候の有無を判定するため、ユーザの日常的な行動である車両Vの運転状況から認知機能低下の兆候や症状を早期に発見することができる。
【0201】
また、本実施形態に係る受診勧奨システム1において、メディカルサーバ40Bは、モビリティサーバ40Aとは同期せずに、車両データD1を外部から直接取得する。
【0202】
本実施形態に係る受診勧奨システム1において、メディカルサーバ40Bがモビリティサーバ40Aとは同期せずに、車両データD1を外部から直接取得することにより、例えば、車両データD1に含まれる情報種別、受信周期、データ量等をそれぞれのサーバに適した形式となるよう、互いのサーバに依存せず構成できる。
【0203】
また、本実施形態に係る受診勧奨システム1は、医療機関に設置された医療機関端末70を更に備え、判定装置50Bは、判定結果データD4及び車両データD1のうち少なくとも一方を医療機関端末70に対して送信可能に構成されている。
【0204】
実施形態に係る受診勧奨システム1は、判定装置50Bから医療機関端末70に車両データD1や判定結果データD4を送信することで、医療機関による車両データD1や判定結果データD4の利用を可能にすることができる。これにより、ユーザが受診勧奨を受けて医療機関で受診する際には、当該医療機関から適時に適切な支援を受けることができる。
【0205】
また、本実施形態に係る基地局機器(サービス提供機器30)は、車両Vのユーザに関するユーザデータD2を記憶するモビリティサーバ40Aと、車両Vの走行情報D13を含む車両データD1を記憶するメディカルサーバ40Bと、車両データD1からユーザの異常兆候の有無の判定を行い、判定の結果を含む判定結果データD4をメディカルサーバ40Bに記憶し、当該判定結果データD4に基づきユーザに対して認知機能に関する通知を行う判定装置50Bと、を含み、モビリティサーバ40A及びメディカルサーバ40Bは、相互に連携してユーザデータD2と車両データD1と判定結果データD4とを関連付けて管理し、判定装置50Bは、ユーザに異常兆候があると判定した場合、当該判定の結果に対応するユーザに対して認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を送信する。
【0206】
本実施形態に係る基地局機器(サービス提供機器30)は、車載装置10により収集された車両データD1からユーザの異常兆候の有無を判定することで、ユーザの日常的な行動である車両Vの運転状況から認知機能低下の兆候や症状等を早期に発見することができる。また、受診勧奨システム1におけるユーザの異常兆候の有無の判定は、従来から行われている認知機能に関する簡易検査とは異なり、検査を受ける者の一時的な状態に基づくものではなく、車載装置10等に蓄積された車両データD1からユーザの異常兆候の有無を判定するものである。したがって、上述したような簡易検査と比べて、認知機能低下の兆候や症状が判定結果に表れやすく、特に、初期段階における認知機能の異常を検出しやすいため、受診勧奨の通知を適正に行うことができる。また、ユーザ端末60に対して、認知機能に関する疾患についての受診勧奨の通知を行うことで、ユーザの医療機関への受診意思を向上させることができる。また、本実施形態に係る基地局機器(サービス提供機器30)は、モビリティサーバ40Aで、ユーザデータD2を管理し、メディカルサーバ40Bで特に機密性の高い個人情報である判定結果データD4を管理することで、当該判定結果データD4はユーザデータD2とは区別して管理されるため、秘密保持性を向上させつつ、モビリティサービスに活用するデータやメディカルサービスに活用される各種データを円滑に利用することができる。
【0207】
<第2実施形態>
次に、
図20及び
図21を参照して、第2実施形態について説明する。
図20に示すように、第2実施形態に係る受診勧奨システム1、及び、基地局機器(サービス提供機器30)において、上述の第1実施形態の受診勧奨システム1、及び、基地局機器(サービス提供機器30)と異なる点は、車両データD1がデータ処理装置20からモビリティサーバ40A及び分析装置50Aを介してメディカルサーバ40Bに送信される点である。また、
図21に示すように、分析装置50Aの分析記憶部54Aが、機能概念的に、車両データ記憶部54aを更に含んでいる点も異なる。車両データ記憶部54aは、車両データD1を記憶する記憶領域である。分析装置50Aは、モビリティサーバ40Aから送信された車両データD1を受信し、車両データ記憶部54aに記憶する。そして、分析装置50Aは、記憶した車両データD1をメディカルサーバ40Bに対して送信する。その他の構成は、第1実施形態と略同様の構成である。
【0208】
<受診勧奨システムにおけるデータの流れ>
次に、
図22から
図23を参照して第2実施形態に係る受診勧奨システム1における各処理の流れの一例について説明する。なお、第1実施形態と同様、以下の説明において、データの送受信は、ネットワークNWを介して行われるが、この点についての都度の説明は省略する場合がある。また、以下では、主にデータの流れに着目して説明するため、各機器における処理部等に関する具体的な処理動作についての記載は適宜省略する場合があり、必要に応じて上述した全体構成の概略を参照するものとする。また、以下で説明する各処理の流れは、あくまでも代表的なものの一例でありこれに限定されるものではない。
【0209】
<ユーザデータ、車両データの格納>
図22に示すように、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)は、例えば、ユーザデータD2のうちユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)において登録されたユーザ基本情報D20、サービス設定情報D23、お気に入り情報D25等に関するデータをユーザデータD2としてモビリティサーバ40Aに送信する(ステップS31)。ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)は、初期登録されたユーザデータD2に限らず、初期登録後に更新されたユーザデータD2をモビリティサーバ40Aに送信することも可能である。また、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)は、例えば、ユーザに対する受診勧奨の通知が、主にユーザの家族や関係者等が使用する第2ユーザ端末60Bにも通知されるように、第2ユーザ端末60Bの端末登録情報をユーザ基本情報D20に含めてユーザデータD2として送信することもできる。また、ユーザが受診勧奨の通知に関するサービスに対して新規に登録する場合や既に登録済みの受診勧奨の通知に関するサービスに対して登録情報を変更する場合等において、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)を用いて車両識別情報D10を端末登録情報に含めることで、車両識別情報D10をユーザデータD2に登録することができる。これにより、モビリティサーバ40Aに車両データD1が記憶されていない場合でも、車両識別情報D10に基づいてユーザデータD2と判定結果データD4とを関連付けて管理することができる。
【0210】
そして、モビリティサーバ40Aは、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)からユーザデータD2を受信すると、受信したユーザデータD2に基づいて、一部のユーザデータD2を自動生成する(ステップS32)。ここでは、モビリティサーバ40Aは、例えば、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)から受信したユーザ基本情報D20、サービス設定情報D23、お気に入り情報D25等に関するデータに基づいて、ユーザ属性情報D21、同意履歴情報D22、契約パッケージ情報D24等に関するデータを自動生成する。
【0211】
なお、ユーザデータD2の登録は、例えば、車載装置10を介して行うことも可能である。この場合、車載装置10は、ユーザのHMI部12への操作に応じてユーザデータD2のうちの一部の情報を登録可能であり、登録された一部の情報に関するデータをユーザデータD2としてデータ処理装置20に送信し、当該データ処理装置20を経由してモビリティサーバ40Aに送信することもできる(ステップS33)。
【0212】
モビリティサーバ40Aは、受信したユーザデータD2、及び、自動生成したユーザデータD2を、サーバ記憶部43(IDデータ記憶部43b)に記憶されているIDデータD5等に基づいて、対応するユーザID・D50と関連付けてサーバ記憶部43(ユーザデータ記憶部43c)に格納する(ステップS34)。
【0213】
車載装置10は、検出・取得部11によって検出や取得された車両データD1を適時のタイミングでデータ処理装置20に送信する(ステップS35)。この場合、車載装置10は、車両データD1をデータ処理装置20に送信する。このとき、車両データD1には、車両識別情報D10が含まれている。データ処理装置20は、車載装置10から車両データD1を受信すると、受信した車両データD1を、モビリティサーバ40Aへ送信する。
【0214】
そして、モビリティサーバ40Aは、データ処理装置20から車両データD1を受信すると、サーバ記憶部43(車両データ記憶部43a)に格納する(ステップS36)。
【0215】
<ユーザの異常兆候の判定、受診勧奨の通知>
図23に示すように、判定装置50Bは、ユーザの異常兆候の判定に使用する車両データD1をモビリティサーバ40Aから取得する場合、まず、メディカルサーバ40Bにデータ送信要求を送信する(ステップS37)。そして、メディカルサーバ40Bは、判定装置50Bからデータ送信要求を受信したら、分析装置50Aを介して、当該データ送信要求をモビリティサーバ40Aに送信する(ステップS38)。モビリティサーバ40Aは、データ送信要求を受信したら、判定対象となる車両データD1を読み出す。そして、モビリティサーバ40Aは、読み出した判定対象の車両データD1を、分析装置50Aを介してメディカルサーバ40Bに送信する。メディカルサーバ40Bは、判定対象の車両データD1を受信したら、判定装置50Bに送信する(ステップS39)。判定装置50Bは、判定対象の車両データD1を受信したら、当該判定対象の車両データD1から車両Vを運転するユーザの異常兆候の有無の判定を行う(ステップS40)。このとき、判定装置50Bの判定処理部55eは、判定基準データD6に基づいて、車両データD1からユーザの異常兆候の有無の判定を行う。ここで、ユーザの異常兆候は、判定基準データD6に基づいて判定されたユーザの認知機能の低下の兆候や判定基準データD6に基づいて検出されたユーザの運転行動等を含む。
【0216】
その後、判定装置50Bは、判定の結果を判定結果データD4として生成し、判定記憶部54Bに格納する(ステップS41)。判定装置50Bにおいて、判定結果データD4は、判定対象に対応する車両データD1に含まれる車両識別情報D10と関連付けられて管理される。そして、判定装置50Bは、判定結果データD4を車両識別情報D10と関連付けた状態でメディカルサーバ40Bに送信する(ステップS42)。メディカルサーバ40Bは、判定結果データD4を受信したら、判定結果データD4を車両識別情報D10と関連付けた状態でサーバ記憶部43(判定結果データ記憶部43e)に格納し、管理する(ステップS43)。そして、判定装置50Bは、判定の結果が車両Vを運転するユーザに異常兆候があるものか否かを確認する(ステップS44)。ここで、判定装置50Bは、判定の結果が車両Vを運転するユーザに異常兆候がないとの結果であった場合、次回の判定を行うまで処理を終了する。他方、判定装置50Bは、判定の結果が車両Vを運転するユーザに異常兆候があるとの結果であった場合、判定対象のユーザに対して受診勧奨の通知を行う(ステップS45)。また、ここでは、判定装置50Bは、受診勧奨の通知と併せて、医療機関やサービス提供機関への通知を行ってもよい。受診勧奨の通知は、判定装置50Bが、メディカルサーバ40Bに対して通知要求を送信することで行われる。ここで、通知要求は、判定結果データD4と関連付けられた車両識別情報D10に対応するユーザに対して受診勧奨の通知を行うように要求するものである。なお、通知要求には、ユーザの特定に利用可能な車両識別情報D10が含まれている。通知要求を行う場合、判定装置50Bは、通知要求の送信と同時にステップS42の判定結果データD4の送信を行ってもよい。また、医療機関やサービス提供機関に対する通知は、判定装置50Bが車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に送信することで行われる。ここで、判定装置50Bは、医療機関やサービス提供機関に対して車両データD1又は判定結果データD4を送信しようとする場合、当該車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に提供することについて、ユーザが同意しているか否かの同意確認をモビリティサーバ40Aに対して行う。なお、同意確認は、判定装置50Bからメディカルサーバ40Bへの通知要求に含まれる。
【0217】
メディカルサーバ40Bは、判定装置50Bから通知要求を受信したら、分析装置50Aを介して、モビリティサーバ40Aに当該通知要求を送信する(ステップS46)。モビリティサーバ40Aは、通知要求を受信したら、受診勧奨を通知する対象について照合を行う(ステップS47)。この通知対象の照合において、車両データD1に含まれる車両識別情報D10とユーザデータD2とが関連付けられて記憶されており、かつ、当該車両データD1に含まれる車両識別情報D10と判定結果データD4とが関連付けられて記憶されていることから、モビリティサーバ40Aは、判定装置50Bによる判定において使用された車両データD1に含まれる車両識別情報D10に基づき、判定結果データD4に対応するユーザデータD2からユーザ端末60を特定することで、受診勧奨を通知する対象の照合を行う。具体的には、判定装置50Bは、受診勧奨を通知する対象に対応する車両識別情報D10を通知要求に含めてモビリティサーバ40Aに送信し、モビリティサーバ40Aは、通知要求に含まれる車両識別情報D10と判定結果データD4に関連付けられた車両識別情報D10とユーザデータD2に関連付けられた車両識別情報D10とを照合することで、通知要求と判定結果データD4とに対応するユーザデータD2を特定する。そして、モビリティサーバ40Aは、特定されたユーザデータD2のサービス設定情報D23に含まれるユーザ端末60の端末登録情報に基づいて、受診勧奨の通知を送信するユーザ端末60を特定する。また、モビリティサーバ40Aは、車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に提供することについて、ユーザが同意しているか否かの同意確認を行う。このように、モビリティサーバ40Aは、通知要求に含まれる車両識別情報D10と判定結果データD4に関連付けられた車両識別情報D10とユーザデータD2に関連付けられた車両識別情報D10とを照合することで、ユーザデータD2に含まれるサービス設定情報D23から受診勧奨を通知する対象のユーザを特定し、更に、当該ユーザデータD2に含まれる同意履歴情報D22から、車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に提供することについて、ユーザが同意しているか否かを確認することができる。
【0218】
その後、モビリティサーバ40Aは、特定されたユーザ端末60に受診勧奨に関する情報を送信することでユーザに受診勧奨を通知する(ステップS48)。また、モビリティサーバ40Aは、車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に提供することについてのユーザの同意の有無に関する情報を判定装置50Bに送信する。判定装置50Bは、ユーザの同意があるという情報を受信した場合は、車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に送信する。ここで、判定装置50Bは、判定結果データD4を送信する場合、車両データD1に含まれる車両識別情報D10と関連付けた状態で送信する。車両識別情報D10と関連付けた状態で判定結果データD4を送信することで、例えば、受診勧奨の通知を受けたユーザが、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)から受診予約をした場合に、医療機関が車両識別情報D10に基づいて、取得した判定結果データD4と受診予約したユーザとを関連付けることができる。この構成により、医療機関がユーザの状態をより正確に把握することが可能になる。なお、この場合、ユーザ端末60(第1ユーザ端末60A)から行われた受診予約には、車両識別情報D10が含まれる。また、車両識別情報D10と関連付けた状態で判定結果データD4を送信することで、例えば、サービス提供機関がサービス提供機器30を介して、ユーザに各種サービスに関する情報を提供することができる。判定装置50Bは、ユーザの同意がないという情報を受信した場合は、車両データD1又は判定結果データD4を医療機関やサービス提供機関に送信しない。
【0219】
ユーザ端末60は、モビリティサーバ40Aから受診勧奨に関する情報を受信したら、当該受診勧奨の通知内容を表示部に表示する(ステップS49)。例えば、ユーザ端末60は、判定結果データD4の内容に応じて、
図12~
図14に示すような、ユーザに推奨される行動について表示部に表示する。
【0220】
<サービス提供機関端末からのアクセス>
図19に示すように、サービス提供機関端末80は、判定装置50Bに記憶されている車両データD1や判定結果データD4を利用するために、判定装置50Bに対してアクセス要求を行うことができる。まず、サービス提供機関端末80は、判定装置50Bに対するアクセスを要求する場合、当該判定装置50Bにアクセス要求を送信する(ステップS21)。判定装置50Bは、アクセス要求を受信した場合、モビリティサーバ40Aに、ユーザが車両データD1や判定結果データD4をサービス提供機関が利用することに同意しているか否かを確認する同意確認要求を送信する(ステップS22)。ここで、同意確認要求は、メディカルサーバ40B及び分析装置50Aを介して行われる。モビリティサーバ40Aは、車両データD1や判定結果データD4をサービス提供機関が利用することを同意しているか否かについて、ユーザ毎の同意の有無を確認する。そして、モビリティサーバ40Aは、サービス提供機関が車両データD1や判定結果データD4を利用することに同意しているユーザについて、当該ユーザの車両データD1や判定結果データD4に対するサービス提供機関端末80のアクセスを許可させる。また、モビリティサーバ40Aは、サービス提供機関が車両データD1や判定結果データD4をサービス提供機関が利用することに同意していないユーザについては、当該ユーザの車両データD1や判定結果データD4に対するサービス提供機関端末80のアクセスを拒否させる。
【0221】
<第2実施形態の作用効果>
以上、説明したように、第2実施形態に係る受診勧奨システム1において、車両データD1は、車両Vからモビリティサーバ40Aに送信され、更に、モビリティサーバ40Aからメディカルサーバ40Bに送信される。メディカルサーバ40Bは、モビリティサーバ40Aに記憶されている車両データD1のうち判定装置50Bがユーザの異常兆候の有無の判定で利用する車両データD1のみを取得する。
【0222】
本実施形態に係る受診勧奨システム1では、メディカルサーバ40Bは、モビリティサーバ40Aを介して、車両Vから送信された車両データD1を取得する。このように、車両データD1の取得元を特定のモビリティサーバ40Aとすることで、車両データD1の秘密保持性を向上させることができる。
【0223】
また、本実施形態に係る受診勧奨システム1は、機密性の高い個人情報である判定結果データD4をメディカルサーバ40Bで管理し、ユーザデータD2をメディカルサーバ40Bとは異なるモビリティサーバ40Aで区別して管理することにより、秘密保持性を向上させつつ、モビリティサービスに活用するデータを円滑に利用することができる。
【0224】
なお、本発明の各実施形態に係る受診勧奨システム1、及び、基地局機器は、上述した各実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【0225】
<変形例>
以上の説明では、受診勧奨システム1は、ユーザに異常兆候があると判定した場合にのみ受診勧奨の通知を行う態様であったが、これに限定されない。例えば、基準に基づく判定の結果、ユーザに異常兆候がないと判定された場合であっても、その判定の結果がユーザに異常兆候があると判定される水準に近い場合は、カウンセラーや運転相談窓口に相談することを勧奨する通知を行ってもよい。また、医療機関での受診勧奨の通知にカウンセラーや運転相談窓口に相談することを勧奨する内容を含めて通知してもよい。
【0226】
以上の説明では、受診勧奨システム1は、ユーザに対して受診勧奨を通知する場合、車両識別情報D10に基づいて、判定結果データD4と対応するユーザデータD2からユーザ端末60を特定したが、これに限定されない。例えば、受診勧奨システム1は、ユーザに対して受診勧奨を通知する場合、車両識別情報D10の代わりに、車載装置10のID、車載装置10の製造番号、又は受診勧奨システム1によるサービスの登録者番号に基づいて、判定結果データD4と対応するユーザデータD2からユーザ端末60を特定してもよい。この場合、車載装置10の車両データD1に車載装置10のID、車載装置10の製造番号、又はサービスの登録者番号を含めることで、ユーザ端末60の特定が可能となる。
【0227】
以上の説明では、受診勧奨システム1は、当該システムを構成する各機器が通信によって相互にデータを送受信する態様であったが、これに限定されない。例えば、受診勧奨システム1で扱われるデータの一部又は全部を、データ入出力部14、22、42、53、63、73、83を介して記録媒体に書き込んだり読み出したりしてデータの受け渡しを行ってもよい。具体的には、車載装置10で収集した車両データD1は、データ入出力部14によって記録媒体に書き込まれ、データ入出力部22によって記録媒体から読み出されることでデータ処理装置20に受け渡されてもよい。また、データ処理装置20においては、作業者によりメディカルサーバ40Bやモビリティサーバ40Aに記憶する車両データD1がデータ入出力部22によって記録媒体に書き込まれ、サービス提供機器30においては、メディカルサーバ40Bやモビリティサーバ40Aのデータ入出力部42によって当該車両データD1が記録媒体から読み出されることで、データ処理装置20からメディカルサーバ40Bやモビリティサーバ40Aに車両データD1が一括で記憶される構成であってもよい。
【0228】
以上の説明では、車両Vは、ユーザが所有又は使用する自家用車両等であってもよいし、不特定の利用者によって共用されるレンタカーやシェアリングカー等であってもよい。なお、車両Vが不特定の利用者によって共用される車両である場合、受診勧奨システム1は、当該利用者が共用の車両Vの使用を予約したり登録したりする際に、車載装置10やユーザ端末60からモビリティサーバ40Aに対して、ユーザID・D50と共用の車両Vの車両ID・D51等とを関連付ける処理を実行する。
【0229】
以上で説明した処理部16、24、44、55、65、75、85は、それぞれが単一のプロセッサから構成されて各機能に係る処理が実行されてもよいし、それぞれが複数の独立したプロセッサの組み合わせから構成され、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能に係る処理が実行されてもよい。また、処理部16、24、44、55、65、75、85が実行する処理は、単一の処理回路に統合されてもよいし、複数の処理回路に分散されてもよい。
【0230】
以上で説明したモビリティサーバ40Aと分析装置50Aとは、それぞれが単一のプロセッサから構成されて各機能に係る処理が実行されてもよいし、それぞれが複数の独立したプロセッサの組み合わせから構成され、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能に係る処理が実行されてもよい。また、モビリティサーバ40Aと分析装置50Aとが実行する処理は、単一の処理回路に統合されてもよいし、複数の処理回路に分散されてもよい。
【0231】
以上で説明したメディカルサーバ40Bと判定装置50Bとは、それぞれが単一のプロセッサから構成されて各機能に係る処理が実行されてもよいし、それぞれが複数の独立したプロセッサの組み合わせから構成され、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能に係る処理が実行されてもよい。また、メディカルサーバ40Bと判定装置50Bとは、が実行する処理は、単一の処理回路に統合されてもよいし、複数の処理回路に分散されてもよい。
【0232】
以上の説明では、モビリティサーバ40Aとメディカルサーバ40Bとが分析装置50Aを介して、情報のやり取りを行う構成を例に説明したが、この構成に限られない。例えば、モビリティサーバ40Aとメディカルサーバ40Bとは、分析装置50Aを介することなく情報のやり取りを行ってもよい。
【0233】
本実施形態に係る受診勧奨システム、及び、基地局機器は、以上で説明した実施形態及び変形例の構成要素を相互に適宜組み合わせることで構成してもよい。
【符号の説明】
【0234】
1 受診勧奨システム
10 車載装置
20 データ処理装置
30 サービス提供機器(基地局機器)
40A モビリティサーバ
40B メディカルサーバ
50A 分析装置
50B 判定装置
60 ユーザ端末
60A 第1ユーザ端末
60B 第2ユーザ端末
70 医療機関端末
80 サービス提供機関端末
NW ネットワーク
V 車両