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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152516
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】髪処理装置
(51)【国際特許分類】
   A45D 1/04 20060101AFI20241018BHJP
   A45D 1/18 20060101ALI20241018BHJP
   A45D 1/06 20060101ALI20241018BHJP
   A45D 1/16 20060101ALI20241018BHJP
   A45D 1/28 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A45D1/04 C
A45D1/18 C
A45D1/06 C
A45D1/16 C
A45D1/28 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066755
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】522359796
【氏名又は名称】木村 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100206678
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100192795
【弁理士】
【氏名又は名称】小牧 哲也
(72)【発明者】
【氏名】木村 朋子
(57)【要約】      (修正有)
【課題】水蒸気爆発を防止することができる髪処理装置を提供する。
【解決手段】第一奥側アーム110と、第一手前側アーム120と、毛髪を加熱する第一加熱部130とを有し、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120を毛髪の毛先側に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部100を備えている髪処理装置であって、第一奥側アーム110および前記第一手前側アーム120には、毛髪の水分を吸収する吸水部材135が設けられ、吸水部材135に吸収された水分は、第一加熱部130による熱で蒸発する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第一奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第一奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第一手前側部材と、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第一加熱部と、を有し、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材を毛髪の毛先側に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部を備えている髪処理装置であって、
前記第一奥側挟持部材および前記第一手前側挟持部材の少なくとも一方には、毛髪の水分を吸収する吸水部材が設けられ、吸水部材に吸収された水分は、第一加熱部による熱で蒸発する
ことを特徴とする髪処理装置。
【請求項2】
毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第一奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第一奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第一手前側部材と、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第一加熱部と、を有し、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材を毛髪の毛先に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部と、
毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第二奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第二奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第二手前側部材と、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第二加熱部と、を有し、前記第一奥側部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二奥側部材および前記第一手前部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材を毛髪の毛先側に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第二ヘアアイロン部と、を備えている髪処理装置であって、
前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方には、毛髪の水分を吸収する吸水部材が設けられ、吸水部材に吸収された水分は、第一加熱部による熱で蒸発するよう構成されている
ことを特徴とする髪処理装置。
【請求項3】
毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第一奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第一奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第一手前側部材と、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第一加熱部と、を有し、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材を毛髪の毛先に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部を備えている髪処理装置であって、
前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方には、毛髪の水分を吸収する吸水部材が設けられ、吸水部材に吸収された水分は、第一加熱部による熱で蒸発するよう構成されており、
前記第一ヘアアイロン部は、
前記第一奥側部材および前記第一手前部材を開閉可能に連結する連結部と、
前記第一手前部材に設けられ、毛髪を梳る毛梳き部材と、を備えている
ことを特徴とする髪処理装置。
【請求項4】
毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第一奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第一奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第一手前側部材と、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第一加熱部と、を有し、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材を毛髪の毛先に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部と、
毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第二奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第二奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第二手前側部材と、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第二加熱部と、を有し、前記第一奥側部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二奥側部材および前記第一手前部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材を毛髪の毛先側に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第二ヘアアイロン部と、を備えている髪処理装置であって、
前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方には、毛髪の水分を吸収する吸水部材が設けられ、吸水部材に吸収された水分は、第一加熱部による熱で蒸発するよう構成されており、
前記第一ヘアアイロン部は、
前記第一奥側部材および前記第一手前部材を開閉可能に連結する連結部と、
前記第一手前部材に設けられ、毛髪を梳る毛梳き部材と、を備えている
ことを特徴とする髪処理装置。
【請求項5】
前記毛梳き部材は、当該毛梳き部材を構成する複数の櫛歯のそれぞれの先端を結ぶ線分が、前記第一手前側部材の基端側に向けて下り傾斜するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の髪処理装置。
【請求項6】
前記第一ヘアアイロン部は、
施術時に必要な所定値の表示を行う第一所定表示部と、
施術時に必要でかつ前記所定値とは異なる特定値の表示を行う第一特定表示部と、を備え、
前記第二ヘアアイロン部は、
前記所定値の表示を行う第二所定表示部と、
前記特定値の表示を行う第二特定表示部と、を備え、
前記第一所定表示部および前記第一特定表示部は、互いに隣り合う位置に配置され、
前記第二所定表示部および前記第二特定表示部は、互いに隣り合うとともに、前記第一所定表示部および前記第一特定表示部の並び順とは逆の順になるように配置されている
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の髪処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮毛の矯正等の毛髪に関する処理を行う髪処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、縮毛の矯正等の毛髪に関する処理を行う毛髪処理装置(以後、「アイロン」ということもある)としては、ヒータによって加熱されるプレートを有する一対のアームにて毛髪を挟持し、熱と圧力とによって毛髪に対する施術を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-110058号
【特許文献2】特開2018-192072号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示す類のアイロンにおいては、毛髪が一対のアームに挟持された状態で加熱されるため、毛髪の水分量が多い場合には、水蒸気爆発が発生する虞があることが知られている。このため、特許文献2では、一対のアイロンのプレートの長手方向に溝を設け、この溝を介して毛髪から発生した水蒸気をアイロンの先端側に向けて逃がすことで水蒸気爆発を防止する技術が開示されている。このように、従来から、水蒸気爆発を防止することができるアイロンが望まれていた。
【0005】
本発明は、水蒸気爆発を防止することができる髪処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第一奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第一奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第一手前側部材と、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第一加熱部と、を有し、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材を毛髪の毛先側に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部を備えている髪処理装置であって、
前記第一奥側挟持部材および前記第一手前側挟持部材の少なくとも一方には、毛髪の水分を吸収する吸水部材が設けられ、吸水部材に吸収された水分は、第一加熱部による熱で蒸発することを特徴とする髪処理装置である。
【0007】
本発明は、毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第一奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第一奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第一手前側部材と、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第一加熱部と、を有し、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材を毛髪の毛先に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部と、
毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第二奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第二奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第二手前側部材と、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第二加熱部と、を有し、前記第一奥側部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二奥側部材および前記第一手前部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材を毛髪の毛先側に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第二ヘアアイロン部と、を備えている髪処理装置であって、
前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方には、毛髪の水分を吸収する吸水部材が設けられ、吸水部材に吸収された水分は、第一加熱部による熱で蒸発するよう構成されていることを特徴とする髪処理装置である。
【0008】
本発明は、毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第一奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第一奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第一手前側部材と、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第一加熱部と、を有し、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材を毛髪の毛先に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部を備えている髪処理装置であって、
前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方には、毛髪の水分を吸収する吸水部材が設けられ、吸水部材に吸収された水分は、第一加熱部による熱で蒸発するよう構成されており、
前記第一ヘアアイロン部は、
前記第一奥側部材および前記第一手前部材を開閉可能に連結する連結部と、
前記第一手前部材に設けられ、毛髪を梳る毛梳き部材と、を備えていることを特徴とする髪処理装置である。
【0009】
本発明は、毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第一奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第一奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第一手前側部材と、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第一加熱部と、を有し、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材を毛髪の毛先に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部と、
毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第二奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第二奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第二手前側部材と、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第二加熱部と、を有し、前記第一奥側部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二奥側部材および前記第一手前部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材を毛髪の毛先側に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第二ヘアアイロン部と、を備えている髪処理装置であって、
前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方には、毛髪の水分を吸収する吸水部材が設けられ、吸水部材に吸収された水分は、第一加熱部による熱で蒸発するよう構成されており、
前記第一ヘアアイロン部は、
前記第一奥側部材および前記第一手前部材を開閉可能に連結する連結部と、
前記第一手前部材に設けられ、毛髪を梳る毛梳き部材と、を備えていることを特徴とする髪処理装置である。
【0010】
また、本発明は、前記毛梳き部材は、当該毛梳き部材を構成する複数の櫛歯のそれぞれの先端を結ぶ線分が、前記第一手前側部材の基端側に向けて下り傾斜するように設けられているようにしてもよい。
【0011】
また、本発明は、前記第一ヘアアイロン部は、
施術時に必要な所定値の表示を行う第一所定表示部と、
施術時に必要でかつ前記所定値とは異なる特定値の表示を行う第一特定表示部と、を備え、
前記第二ヘアアイロン部は、
前記所定値の表示を行う第二所定表示部と、
前記特定値の表示を行う第二特定表示部と、を備え、
前記第一所定表示部および前記第一特定表示部は、互いに隣り合う位置に配置され、
前記第二所定表示部および前記第二特定表示部は、互いに隣り合うとともに、前記第一所定表示部および前記第一特定表示部の並び順とは逆の順になるように配置されているようにしてもよい。
【0012】
また、本発明は、施術時に毛髪に付与される圧力を検出する圧力検出部と、
当該圧力検出部が検出した圧力を表示する圧力表示部と、
を備えているようにしてもよい。
【0013】
また、本発明は、前記第一ヘアアイロン部は、
施術時の毛髪に付与される圧力を検出する第一圧力検出部と、
当該圧力検出部が検出した圧力を表示する第一特定表示部と、
施術時の毛髪の温度を検出する第一温度検出部と、
当該温度検出部が検出した温度を表示する第一温度表示部と、を備え、
前記第二ヘアアイロン部は、
施術時の毛髪に付与される圧力を検出する第二圧力検出部と、
当該第二圧力検出部が検出した圧力を表示する第二特定表示部と、
施術時の毛髪の温度を検出する第二温度検出部と、
当該温度検出部が検出した温度を表示する第二所定表示部と、を備え、
前記第一特定表示部および前記第一所定表示部は、互いに隣り合う位置に配置され、
前記第二特定表示部および前記第二温度表示部は、互いに隣り合うとともに、前記第一特定表示部および前記第一所定表示部の並び順とは逆の順になるように配置されているようにしてもよい。
【0014】
本発明は、第一ヘアアイロン部と、第二ヘアアイロン部とを有する髪処理装置を用いた縮毛矯正方法であって、
毛髪の基準位置に対し、前記第一ヘアアイロン部をセットする第一セットステップと、
毛髪における前記基準位置よりも根元側の追従位置に対し、前記第二ヘアアイロン部をセットする第二セットステップと、
前記基準位置の前記第一ヘアアイロン部を、毛髪の先端に向けて移動することで、毛髪を伸ばす主アイロンステップと、
前記追従位置の前記第二ヘアアイロン部を、前記第一ヘアアイロン部の移動に追従するように毛髪の先端に向けて移動することで、毛髪を伸ばす従アイロンステップと、を備えていることを特徴とする縮毛矯正方法であってもよい。
【0015】
本発明は、毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第一奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第一奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第一手前側部材と、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第一加熱部と、を有し、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材を毛髪の毛先に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部と、
毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第二奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第二奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第二手前側部材と、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第二加熱部と、を有し、前記第一奥側部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二奥側部材および前記第一手前部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材を毛髪の毛先側に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第二ヘアアイロン部と、を備え、
前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方には、毛髪の水分を吸収する吸水部材が設けられ、吸水部材に吸収された水分は、第一加熱部による熱で蒸発するよう構成されている髪処理装置を用いた縮毛矯正方法であって、
毛髪の基準位置に対し、前記第一奥側部材および前記第一手前部材にて毛髪を挟持することで前記第一ヘアアイロン部をセットする第一セットステップと、
前記基準位置よりも根元側の追従位置に対し、前記第二奥側部材および前記第二手前部材にて毛髪を挟持することで前記第二ヘアアイロン部をセットする第二セットステップと、
前記基準位置の前記第一ヘアアイロン部を、毛髪の先端に向けて移動することで、毛髪を伸ばす主アイロンステップと、
前記追従位置の前記第二ヘアアイロン部を、前記第一ヘアアイロン部の移動に追従するように毛髪の先端に向けて移動することで、毛髪を伸ばす従アイロンステップと、
を備えていることを特徴とする縮毛矯正方法であってもよい。
【0016】
本発明は、毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置された第一奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されて前記第一奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第一手前側部材と、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第一加熱部とを有し、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材を毛髪の毛先に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部と、
毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置された第二奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されて前記第二奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第二手前側部材と、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第二加熱部とを有し、前記第一奥側部材の上方に位置した前記第二奥側部材および前記第一手前部材の上方に位置した前記第二手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材を毛髪の毛先に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第二ヘアアイロン部と、を備え、
前記第一奥側挟持部材および前記第一手前側挟持部材の少なくとも一方には、毛髪の水分を吸収する吸水部材が設けられ、吸水部材に吸収された水分は、第一加熱部による熱で蒸発するよう構成されており、
前記第一ヘアアイロン部は、
前記第一奥側部材および前記第一手前部材を開閉可能に連結する連結部と、
前記第一手前部材に設けられ、毛髪を梳る毛梳き部材と、を備えている髪処理装置を用いた縮毛矯正方法であって、
毛髪の基準位置に対し、前記第一手前部材の毛梳き部材を毛髪の先端側に位置するようにした状態で前記第一奥側部材および前記第一手前部材にて毛髪を挟持することで前記第一ヘアアイロン部をセットする第一セットステップと、
前記基準位置よりも根元側の追従位置に対し、前記第二奥側部材および前記第二手前部材にて毛髪を挟持することで前記第二ヘアアイロン部をセットする第二セットステップと、
前記基準位置の前記第一ヘアアイロン部を、毛髪の先端に向けて移動することで、毛髪を伸ばす主アイロンステップと、
前記追従位置の前記第二ヘアアイロン部を、前記第一ヘアアイロン部の移動に追従するように毛髪の先端に向けて移動することで、毛髪を伸ばす従アイロンステップと、
を備えていることを特徴とする縮毛矯正方法であってもよい。
【0017】
本発明は、毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第一奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第一奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第一手前側部材と、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第一加熱部と、を有し、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第一奥側部材および前記第一手前側部材を毛髪の毛先に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第一ヘアアイロン部と、
毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第二奥側部材と、毛髪の手前側にて毛髪を横切るように配置されることで前記第二奥側部材とともに毛髪を挟持可能な第二手前側部材と、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材の少なくとも一方に設けられ、前記挟持された毛髪を加熱する第二加熱部と、を有し、前記第一奥側部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二奥側部材および前記第一手前部材に対して毛髪の根元側に位置した前記第二手前側部材とで毛髪を挟持した状態を維持しつつ、前記第二奥側部材および前記第二手前側部材を毛髪の毛先側に向けて移動することで毛髪に対する施術を行う第二ヘアアイロン部と、を備え、
前記第一奥側部材および前記第一手前側部材の少なくとも一方には、毛髪の水分を吸収する吸水部材が設けられ、吸水部材に吸収された水分は、第一加熱部による熱で蒸発するよう構成されており、
前記第一ヘアアイロン部は、
前記第一奥側部材および前記第一手前部材を開閉可能に連結する連結部と、
前記第一手前部材に設けられ、毛髪を梳る毛梳き部材と、を備えている髪処理装置を用いた縮毛矯正方法であって、
毛髪の基準位置に対し、前記第一手前部材の毛梳き部材を毛髪の先端側に位置するようにした状態で第一奥側部材および前記第一手前部材にて毛髪を挟持することで前記第一ヘアアイロン部をセットする第一セットステップと、
前記基準位置よりも根元側の追従位置に対し、前記第二奥側部材および前記第二手前部材にて毛髪を挟持することで前記第二ヘアアイロン部をセットする第二セットステップと、
前記基準位置の前記第一ヘアアイロン部を、毛髪の先端に向けて移動することで、毛髪を伸ばす主アイロンステップと、
前記追従位置の前記第二ヘアアイロン部を、前記第一ヘアアイロン部の移動に追従するように毛髪の先端に向けて移動することで、毛髪を伸ばす従アイロンステップと、
を備えていることを特徴とする縮毛矯正方法であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、水蒸気爆発を防止することができる髪処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】髪処理装置の第一ヘアアイロン部を示す斜視図である。
図2】髪処理装置の第二ヘアアイロン部を示す斜視図である。
図3】髪処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4】髪処理装置による毛髪への施術の状態を示す斜視図である。
図5】髪処理装置による毛髪への施術の状態を示す斜視図である。
図6】髪処理装置による毛髪への施術の状態を示す斜視図である。
図7】縮毛矯正方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
以下の説明において、縮毛の矯正等を施術する者を「施術者」といい、施術者の施術を受ける者を「被施術者」といい、縮毛矯正等の施術の際に、施術者から見て手前側(図4に示す後述するスライスMの上側)を「手前側」といい、施術者から見て奥側図4に示す後述するスライスMの下側)を「奥側」という。また、施術者によって施術のために小分けに薄くとられた毛束のことを「スライス」と称し、「スライス」に符号Mを付した。また、施術者からスライスMを見たときのスライスMの右側を「右側」といい、スライスMの左側を「左側」という。
【0022】
図1乃至図3に示すように、縮毛の矯正等の毛髪に関する処理を行う髪処理装置1は、施術者の右手によって操作される第一ヘアアイロン部100と、施術者の左手によって操作される第二ヘアアイロン200部とを有している。
【0023】
図1(a)および図3に示すように、第一ヘアアイロン部100は、毛髪の奥側(図4乃至図6で見てスライスMの下側)にて毛髪を横切るように配置される第一奥側アーム(第一奥側部材)110と、毛髪の手前側(図4乃至図6で見てスライスMの上側)にて毛髪を横切るように配置される第一手前側アーム120と、毛髪を加熱する第一加熱部130と、第一ヘアアイロン部100に対する各種操作を行うための第一操作部140(図1では不図示、図3参照)と、第一ヘアアイロン部100の各種制御を行う第一制御部150(図1では不図示、図3参照)とを有している。なお、第一ヘアアイロン部100には、電源コードや、スチーム等を発生する機器も設けられているが、その図示および説明は省略する。
【0024】
第一奥側アーム110および第一手前側アーム120はともに、細長く延びた矩形状に形成されかつ耐熱性が高く熱伝導性が低い樹脂等で形成されたハウジング111、121を有している。これらの第一奥側アーム110および第一手前側アーム120の基端部は第一連結部R1を介して相互に開閉自在に連結されている(換言すれば、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120は第一連結部R1を中心に、互いに回動するともいえる)。この第一連結部R1には、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120を開放方向に常時付勢するコイルばね等の付勢部材(図示せず)が設けられている。
【0025】
これらの第一奥側アーム110および第一手前側アーム120の基端部110a、120aは、施術者の右手によって把持される第一把持部H1を構成している。この第一把持部H1を施術者が右手で握ることで、これらの第一奥側アーム110および第一手前側アーム120の先端が近接して毛髪が挟持されるようになっている。すなわち、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120の先端部110b、120bは、毛髪を挟持する第一挟持部K1を構成している。
【0026】
なお、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120のそれぞれの先端が閉じた状態では(図4等に示すように、それぞれの先端が最大限に近接した状態、あるいは、それぞれの先端が接触した状態)、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120のそれぞれの内側面は互いに平行に対面した状態となっている。
【0027】
第一奥側アーム110の先端部110bの内側面には、第一加熱部130を構成する平板状の第一プレート131が設けられている。この第一プレート131は、熱伝導性が高い素材(例えば、セラミック等)で構成されている。この第一プレート131は、第一奥側アーム110に内蔵されたヒータ(図示せず)によって加熱されるようになっている。すなわち、本実施形態では、ヒータと第一プレート131とで第一加熱部130を構成している。
【0028】
また、第一奥側アーム110の先端部110bの内側面には、第一プレート131全体を覆う第一吸水部材135が設けられている。この第一吸水部材135は、吸水性が高くかつ吸水した液体が容易に蒸発する素材で構成されている。第一吸水部材135は、施術時に毛髪の水分を吸水する一方で、吸水した水分を第一加熱部130からの熱によって蒸発するようになっている。本実施形態では、第一吸水部材135として、所謂さらし(さらして白くした綿布または麻布)を用いており、第一プレート131を覆った状態のさらしを、第一奥側アーム110の内側面に貼付することで、さらしを第一奥側アーム110に取り付けている。
【0029】
第一手前側アーム120の先端部120bの内側面にも、第一奥側アーム110の第一プレート131および第一吸水部材135と同様な第一プレート(図示せず)が設けられている。この第一手前側アーム120の第一プレートは、第一手前側アーム120に内蔵されたヒータ(図示せず)とともに第一加熱部130を構成している。また、第一手前側アーム120の先端部120bの内側面にも、第一奥側アーム110の第一吸水部材135と同様な第一吸水部材(図示せず)が設けられている。
【0030】
第一手前側アーム120の先端部120bの両側面のうち、施術時において、毛髪の毛先側(図4参照。図4では「先端側」と称す。)に位置する一側面には、毛髪を梳る櫛部(毛梳き部材)122が取り付けられている。櫛部122には、第一手前側アーム120の長手方向に並んだ複数の櫛歯123を有している。図1(b)に示すように、これらの複数の櫛歯123のそれぞれの長さは、第一手前側アーム120の先端から基端部に向かうにつれて次第に長くなるように構成されており、これにより、櫛歯123の先端を結ぶ線分Sが、第一手前側アーム120の基端側に向けて下り傾斜した状態となっている。
【0031】
第一手前側アーム120の先端部120bの外側面には、第一制御部150に電気的に接続された第一温度センサ165が検出した温度を表示する第一所定表示部(図3では、便宜上、第一温度表示部と表記)160と、第一制御部150に電気的に接続された第一圧力センサ175が検出した圧力値を表示する第一特定表示部(図3では、便宜上、第一圧力表示部と表記)170とが設けられている(図3参照)。第一特定表示部170は、第一所定表示部160よりも、第一手前側アーム120の先端側に位置するように設けられている。換言すれば、第一手前側アーム120の先端から見て、第一特定表示部170と、第一所定表示部160とがこの順で並ぶように位置している。
【0032】
第一温度センサ165は、第一手前側アーム120の図示しない第一加熱部の第一プレートの温度を検出するものである。ここで検出された温度は、施術時における毛髪の温度として、第一所定表示部160に表示されるようになっている。具体的には、図5で例示しているように、第一所定表示部160には、このときの温度が150度であることを示す「150」という数字が表示される。なお、第一温度センサ165によって、毛髪の温度を直接検出するようにし、この検出した温度を第一所定表示部160に表示するようにしてもよい。
【0033】
第一圧力センサ175は、ひずみゲージや圧電センサ等によって構成されており、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120が毛髪を挟持した際に毛髪に付与されている(印加されている)圧力を検出するものである(以後、この圧力を「施術圧力」ということもある)。この第一圧力センサ175が検出した圧力値は、施術時における毛髪に付与されている圧力値として、第一特定表示部170に表示される。具体的には、図5で例示しているように、第一特定表示部170には、このときの圧力が100gf/平方cmであることを示す「100」という数字が表示される。
【0034】
第一操作部140には、いずれも図示しないが、電源スイッチ、髪型の形成等の施術を行う施術温度(ヒータあるいは第一プレートの温度)を設定するためのスイッチ、スチーム等を発生する機器の操作スイッチや、第一ヘアアイロン部100の状態を表示するための表示ランプ等が設けられている。
【0035】
第一制御部150は、施術者による第一操作部140への操作(第一操作部140からの各種信号)に基づき、第一ヘアアイロン部100の各種制御を行う。例えば、施術者が第一操作部140を操作することで、所定の施術温度(例えば、図5に示す150度等)を設定すると、この設定温度の情報が第一制御部150に入力されることで、第一制御部150は、第一奥側アーム110の第一加熱部130のヒータおよび第一手前側アーム120の第一加熱部のヒータを加熱させ、第一温度センサ165が所定の施術温度を検知したら、その温度を維持するよう第一奥側アーム110の第一加熱部130のヒータおよび第一手前側アーム120の第一加熱部のヒータを制御する。
【0036】
図2および図3に示すように、第二ヘアアイロン部200は、毛髪の奥側にて毛髪を横切るように配置される第二奥側アーム(第二奥側部材)210と、毛髪の手前側(図4乃至図6で見て毛髪の上側)にて毛髪を横切るように配置される第二手前側アーム220と、毛髪を加熱する第二加熱部230と、第二ヘアアイロン部200に対する各種操作を行うための第二操作部240(図1では不図示、図3参照)と、第二ヘアアイロン部200の各種制御を行う第二制御部250(図1では不図示、図3参照)とを有している。なお、第二ヘアアイロン部200にも、第一ヘアアイロン部100と同様に、電源コードや、スチーム等を発生する機器も設けられているが、その図示および説明は省略する。
【0037】
第二奥側アーム210および第二手前側アーム220はともに、細長く延びた矩形状に形成されかつ耐熱性が高く熱伝導性が低い樹脂等で形成されたハウジング211、221を有している。これらの第二奥側アーム210および第二手前側アーム220の基部は第二連結部R2を介して相互に開閉自在に連結されている(換言すれば、第二奥側アーム210および第二手前側アーム220は第一連結部R1を中心に、互いに回動するともいえる)。この第二連結部R2には、第二奥側アーム210および第二手前側アーム220を開放方向に常時付勢するコイルばね等の付勢部材(図示せず)が設けられている。
【0038】
これらの第二奥側アーム210および第二手前側アーム220の基端部210a、220aは、施術者の右手によって把持される第二把持部H2を構成している。この第二把持部H2を施術者が左手で握ることで、これらの第二奥側アーム210および第二手前側アーム220の先端が近接することによって毛髪が挟持されるようになっている。すなわち、第二奥側アーム210および第二手前側アーム220の先端部210b、220bは、毛髪を挟持する第一挟持部K2を構成している。
【0039】
なお、第二奥側アーム210および第二手前側アーム220のそれぞれの先端が閉じた状態では(図5等に示すように、それぞれの先端が最大限に近接した状態、あるいは、それぞれの先端が接触した状態)、第二奥側アーム210および第二手前側アーム220のそれぞれの内側面は互いに平行に対面した状態となっている。
【0040】
第二奥側アーム210の先端部210bの内側面には、第二加熱部230を構成する平板状の第二プレート231が設けられている。この第二プレート231は、熱伝導性が高い素材(例えば、セラミック等)で構成されている。この第二プレート231は、第二奥側アーム210に内蔵されたヒータ(図示せず)によって加熱されるようになっている。すなわち、本実施形態では、ヒータと第二プレート231とで第二加熱部230を構成している。
【0041】
また、第二奥側アーム210の先端部210bの内側面には、第二プレート231全体を覆う第二吸水部材235が設けられている。この第二吸水部材235は、吸水性が高くかつ吸水した液体が容易に蒸発する素材で構成されている。第二吸水部材235は、施術時に毛髪の水分を吸水する一方で、吸水した水分を第二加熱部230からの熱によって蒸発するようになっている。本実施形態では、第二吸水部材235として、第一吸水部材135と同様に、所謂さらしを用いており、第二プレート231を覆った状態のさらしを、第二奥側アーム210の内側面に貼付することで、さらしを第二奥側アーム210に取り付けている。
【0042】
なお、吸水部材としては、吸水性が高くかつ吸水した液体が容易に蒸発する素材であれば特に限定せず、上述の「さらし」の他、ガーゼ、包帯、布、ティッシュペーパ等を吸水部材として用いることが可能であることは言うまでもない。また、第一奥側アーム110や第二奥側アーム230に対する吸水部材の取付方法は、上述の貼付の他、吸水部材を第一奥側アーム110や第二奥側アーム210の周囲に巻回する等の適宜の方法を採用することが可能である。
【0043】
第二手前側アーム220の先端部220bの内側面にも、第二奥側アーム210の第二プレート231および第一吸水部材235と同様な第二プレート(図示せず)が設けられている。この第二手前側アーム220の第二プレートは、第二手前側アーム220に内蔵されたヒータ(図示せず)とともに第二加熱部材を構成している。また、第二手前側アーム220の先端部220bの内側面にも、第二奥側アーム210の第二吸水部材235と同様な第二吸水部材(図示せず)が設けられている。
【0044】
なお、以後において、第一奥側アーム110の第一加熱部130、第一手前側アーム120の第一加熱部、第二奥側アーム210の第二加熱部230、および第二手前側アーム220の第二加熱部を総括して、単に「加熱部」と称することもある。また、以後において、第一奥側アーム110の第一吸水部材135、第一手前側アーム120の第一吸水部材、第二奥側アーム210の第二吸水部材235、および第二手前側アーム220の第二吸水部材を総括して、単に「吸水部材」と称することもある。
【0045】
第二手前側アーム220の先端部220bの外側面には、第二制御部250に電気的に接続された第二温度センサ265が検出した温度(施術時に必要な所定値)を表示する第二所定表示部(図3では、便宜上、第二温度表示部と表記)260と、第二制御部250に電気的に接続された第二圧力センサ275が検出した圧力値(施術時に必要な特定値)を表示する第二特定表示部(図3では、便宜上、第二圧力表示部と表記)270とが設けられている(図3参照)。第二所定表示部260は、第二特定表示部270よりも、第二手前側アーム220の先端側に位置するように設けられている。換言すれば、第二手前側アーム220の先端から見て、第二所定表示部260と、第二特定表示部270とがこの順で並ぶように位置している。すなわち、第二所定表示部260および第二特定表示部270は、第一手前側アーム120の第一所定表示部160および第一特定表示部170とは逆の順番で並ぶように位置している。
【0046】
第二温度センサ265は、第一温度センサ165と同様に、第二手前側アーム220の図示しない第二加熱部の第二プレートの温度を検出するものである。ここで検出された温度は、施術時における毛髪の温度として、第二所定表示部260に表示されるようになっている。具体的には、図5で例示しているように、第二所定表示部260には、このときの温度が130度であることを示す「130」という数字が表示される。なお、第二温度センサ265によって、毛髪の温度を直接検出するようにし、この検出した温度を第二所定表示部260に表示するようにしてもよい。
【0047】
第二圧力センサ275は、第一圧力センサ175と同様に、ひずみゲージや圧電センサ等によって構成されており、第二奥側アーム210および第二手前側アーム220が毛髪を挟持した際に毛髪に付与されている圧力を検出するものである。この第二圧力センサ275が検出した圧力値は、施術時における毛髪に付与されている(印加されている)圧力値として、第二特定表示部270に表示するようになっている。具体的には、図5で例示しているように、第二特定表示部270には、このときの圧力が110gf/平方cmであることを示す「110」という数字が表示される。
【0048】
第二操作部240には、いずれも図示しないが、電源スイッチ、髪型の形成等の施術を行う施術温度(ヒータあるいは第一プレートの温度)を設定するためのスイッチ、スチーム等を発生する機器の操作スイッチや、第二ヘアアイロン部200の状態を表示するための表示ランプ等が設けられている。
【0049】
第二制御部250は、施術者による第二操作部240への操作(第二操作部240からの各種信号)に基づき、第一制御部150と同様な第二ヘアアイロン部200の各種制御を行う。例えば、施術者が第二操作部240を操作することで、所定の施術温度(例えば、図5に示す130度等)を設定すると、この設定温度の情報が第二制御部250に入力されることで、第二制御部250は、第二奥側アーム210の第二加熱部230のヒータおよび第二手前側アーム220の第二加熱部のヒータを加熱させ、第二温度センサ265が所定の施術温度を検知したら、その温度を維持するよう第二奥側アーム210の第二加熱部230のヒータおよび第二手前側アーム220の第二加熱部のヒータを制御する。
【0050】
次に、図4乃至図7に基づき、上述した髪処理装置1を用いた縮毛矯正方法について説明する。
【0051】
図7に示すように、まず、被施術者の毛髪に対し、パーマ液を塗布するパーマ液塗布ステップ(ステップS1)を行い、パーマ液塗布後の毛髪を洗浄する洗浄ステップ(ステップS2)を行った後に、洗浄後の毛髪を乾燥させる乾燥ステップを行う(ステップS3)。
【0052】
そして、乾燥後の毛髪に対し、第一ヘアアイロン部100をセットする第一セットステップを行う(ステップS4)。この第一セットステップでは、図4に示すように、被施術者の毛髪をブロッキングした後、ブロッキングから外して真っすぐに延ばしたスライスMに対し、縮毛矯正を行う部分の始点となる任意の基準位置(スライスMのうち、根本側寄りの部分)に、施術者の右手で操作される第一ヘアアイロン部100をセットする。なお、このとき第一ヘアアイロン部100については、施術者による操作部140への操作によって、電源スイッチがオン状態で、かつ、施術者が所望する施術温度(例えば、被施術者の毛髪の質等に応じた施術温度)が設定されていることは言うまでもない(図4に示す例では、150度)。
【0053】
具体的には、上記スライスMの基準位置における奥側(図4においてスライスMの下側)にて、第一ヘアアイロン部100の第一奥側アーム110を、スライスMの延伸方向に対して第一奥側アーム110が直交するように(スライスMに対して、第一奥側アーム110がスライスMを右側から左側に横切るように)配置し、上記スライスMの基準位置における手前側(図4においてスライスMの上側)に、第一ヘアアイロン部100の第一手前側アーム120を、スライスMに対して第一手前側アーム120が直交するように配置する。この状態で、施術者が右手で第一ヘアアイロン部100の把持部H1を把持することで、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120によって(挟持部K1によって)スライスMを挟持する。この状態では、第一ヘアアイロン部100の外側面に設けられた第一所定表示部160および第一特定表示部170が手前側(上方)を向いており、施術者の目の前で表示された状態となる。
【0054】
また、施術者の狙いの位置に正確に挟持部K1によってスライスMを挟持するためには、まず、第一奥側アーム110の内側面をスライスMの奥側に押し当てた状態で、第一手前側アーム120を第一奥側アーム110に向けて押圧するようにして行うことが好ましい。この場合、第一手前側アーム120は、第一連結部R1を中心にスライスMに向けて回動することとなる。本実施形態では、櫛部122は、上述のように、複数の櫛歯123の先端を結ぶ線分Sが、第一手前側アーム120の基端側に向けて下り傾斜した状態となっているため(図1(b)参照)、第一手前側アーム120が第一連結部R1を中心にスライスMに向けて回動した場合、櫛部122の複数の櫛歯123の先端が、スライスMの手前側に同時に接触した後に、スライスMの奥側に突き抜ける。この結果、櫛部122の複数の櫛歯123を容易かつスムーズにスライスMに差し込むことができる。
【0055】
次に、乾燥後の毛髪に対し、第二ヘアアイロン部200をセットする第二セットステップを行う(ステップS5)。この第二セットステップでは、図5に示すように、スライスMの基準位置にセットされた第一ヘアアイロン部100よりも、スライスMの根元側の追従位置に、施術者の左手で操作される第二ヘアアイロン部200をセットする。
【0056】
具体的には、上記スライスMの追従位置における奥側(図5においてスライスMの下側)にて、第二ヘアアイロン部200の第二奥側アーム210を、スライスMの延伸方向に対して第二奥側アーム210が直交するように配置し(スライスMに対して、第二奥側アーム210がスライスMを左側から右側に横切るように)、上記スライスMの追従位置における手前側(図5においてスライスMの上側)に、第二ヘアアイロン部200の第二手前側アーム220を、スライスMに対して第二手前側アーム220が直交するように配置する。この状態で、施術者が左手で第二ヘアアイロン部200の把持部H2を把持することで、第二奥側アーム210および第二手前側アーム220によって(挟持部K2によって)スライスMを挟持する。この状態では、第二ヘアアイロン部200の外側面に設けられた第二所定表示部260および第二特定表示部270が手前側(上方)を向いており、施術者の目の前で表示された状態となる。
【0057】
本実施形態では、上述のように、第二手前側アーム220の第二所定表示部260および第二特定表示部270は、第一手前側アーム120の第一所定表示部160および第一特定表示部170とは逆の順番で並ぶように位置しているとともに、第二セットステップが完了した時点では、右手で操作される第一ヘアアイロン部100は左向きの状態でスライスMを横切り(第一手前側アーム120がスライスMを左側から右側に横切り)、左手で操作される第二ヘアアイロン部200は右向きの状態でスライスMを横切っている(第二手前側アーム220がスライスMを右側から左側に横切っている)。このため、図5にも示すように、第二セットステップが完了した時点で、第二ヘアアイロン部200の第二所定表示部260と、第一ヘアアイロン部100の第一所定表示部160とが上下に並んだ状態となり、第二ヘアアイロン部200の第二特定表示部270と、第一ヘアアイロン部100の第一特定表示部170とが上下に並んだ状態となる。
【0058】
これにより、第一所定表示部160および第二所定表示部260のそれぞれの温度と、第一特定表示部170および第二特定表示部270のそれぞれの圧力値が見やすくなるとともに、それぞれの値の比較を容易に行うことができる。この結果、それぞれの温度や圧力値を確認しつつ施術を行うことができるので、施術中における第一ヘアアイロン部100および第二ヘアアイロン部200の温度調整や圧力調整を容易に行うことができ、適切な温度および圧力による施術が可能となる。
【0059】
次に、図6に示すように、基準位置の第一ヘアアイロン部100をスライスMの先端側に向けて移動する(矢印A参照)ことで毛髪を伸ばすアイロンがけを行う主アイロンステップ(S6)と、追従位置の第二ヘアアイロン部200を第一ヘアアイロン部100の移動に追従するようにスライスMの先端側に向けて移動する従アイロンステップ(S7)とを行うことによって、スライスMの縮毛矯正が行われる。
【0060】
主アイロンステップでは、第一ヘアアイロン部100の移動に伴い、櫛部122によってスライスMが梳られつつ、第一奥側アーム110の第一加熱部130および第一手前側アーム120の第一加熱部による熱と、挟持部K1による圧力とによって、スライスMに対するアイロンがけが行われる。また、第一ヘアアイロン部100の移動に伴い、第一奥側アーム110の吸水部材135および第一手前側アーム120の吸水部材がスライスMの水分を吸水する。第一奥側アーム110の吸水部材135が吸水した水分は、第一奥側アーム110の第一加熱部130の熱によって蒸発し、第一手前側アーム120の吸水部材が吸水した水分は、第一手前側アーム120の第一加熱部の熱によって蒸発する。
【0061】
従アイロンステップでは、第一ヘアアイロン部100に追従した第二ヘアアイロン部200の移動に伴い、第二奥側アーム210の第二加熱部230および第二手前側アーム220の第二加熱部による熱と、挟持部K2による圧力とによって、スライスMに対する更なるアイロンがけが行われる。また、第二ヘアアイロン部200の移動に伴い、第二奥側アーム210の吸水部材235および第二手前側アーム220の吸水部材がスライスMの水分を更に吸水する。第二奥側アーム210の吸水部材235が吸水した水分は、第二奥側アーム210の第二加熱部230の熱によって蒸発し、第二手前側アーム220の吸水部材が吸水した水分は、第二手前側アーム220の第二加熱部の熱によって蒸発する。
【0062】
なお、主アイロンステップ(S6)における第一ヘアアイロン部100の施術温度および施術圧力と、従アイロンステップ(S7)おける第二ヘアアイロン部200の施術温度および施術圧力との関係は、第一ヘアアイロン部100の施術温度をT1、第二ヘアアイロン部100の施術温度をT2、第一ヘアアイロン部100の施術圧力をP1、第二ヘアアイロン部200の施術圧力をP2としたとき、以下の(1)乃至(9)のいずれかの関係とするようにすることができる。
(1)T1=T2、かつ、P1=P2
(2)T1=T2、かつ、P1>P2
(3)T1=T2、かつ、P1<P2
(4)T1>T2、かつ、P1=P2
(5)T1>T2、かつ、P1>P2
(6)T1>T2、かつ、P1<P2
(7)T1<T2、かつ、P1=P2
(8)T1<T2、かつ、P1>P2
(9)T1<T2、かつ、P1<P2
【0063】
また、主アイロンステップ(S6)および従アイロンステップ(S7)において、第一ヘアアイロン部100および第二ヘアアイロン部200がスライスMの根元側に位置しているときは上記(5)とし、一ヘアアイロン部100および第二ヘアアイロン部200がスライスMの中央部付近に位置したら上記(1)とし、以降はその状態を維持するというように、スライスMに対する一ヘアアイロン部100および第二ヘアアイロン部200の位置に応じて、上記(1)乃至(9)のいずれかを任意に選択して施術するようにしても良い。
【0064】
以上説明したように、本実施形態では、髪処理装置1を用いた主アイロンステップおよび従アイロンステップを行うことで、第一ヘアアイロン部100によるスライス(毛髪)Mに対するアイロンがけをした直後に、第二ヘアアイロン部200によるスライスMに対する更なるアイロンがけを行っているので、単一のヘアアイロンによるアイロンがけを行った場合に比して、アイロンがけの回数を低減させることができ、縮毛矯正に要する時間の短縮を図ることができる。しかも、主アイロンステップにおいて、第一ヘアアイロン部100に櫛部122によって、スライスMを梳りながら、スライスMに対するアイロンがけを行うことができるので、効率のよいアイロンがけを行うことができる。
【0065】
また、本実施形態では、第一ヘアアイロン部100および第二ヘアアイロン部200に吸水部材が設けられているので、施術前のスライスMの水分量が多い場合であっても、主アイロンステップおよび従アイロンステップにおいて(施術中において)、スライスMの水分を吸水部材が吸水しつつ蒸発させるため、水蒸気爆発を防止することができる。さらに、吸水部材を設けることで、第一ヘアアイロン部100および第二ヘアアイロン部200が、縮毛を矯正するヘアアイロンとしての機能と、スライス(毛髪)Mを乾燥させるドライヤーとしての機能とを併せ持つことができる。
【0066】
また、本実施形態では、主アイロンステップ(S6)および従アイロンステップ(S7)において、第一ヘアアイロン部100および第二ヘアアイロン部200のそれぞれの施術温度(T1、T2)・施術圧力(P1、P2)を、上下に並んだ第一および第二所定表示部160、260と、上下に並んだ第一および第二特定表示部170、270とを確認しつつ、施術前あるいは施術中にける被施術者の毛髪の状態等に応じて適宜変更することで、被施術者の毛髪の状態に適した施術を実現することができる。
【0067】
本発明は、上述の実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形が可能である。
【0068】
本実施形態では、第一ヘアアイロン部100を右手で操作し、第二ヘアアイロン部200を左手で操作する仕様としていたが、これに限定されず、第一ヘアアイロン部100を左手で操作し、第二ヘアアイロン部200を右手で操作する仕様とするようにしてもよい。この場合、第一セットステップにおける第一ヘアアイロン部100の向きは、右向き(図4とは反対方向の向き)となるため、第一ヘアアイロン部100の櫛122は、第一手前側アーム120の先端部120bの両側面のうち、図4に示す櫛122が取り付けられた側面とは反対側の側面に取り付けられることとなることは言うまでもない。また、第二セットステップにおける第二ヘアアイロン部200の向きは左向き(図5とは反対方向の向き)となることも言うまでもない。
【0069】
本実施形態では、第一ヘアアイロン部100および第二ヘアアイロン部200をそれぞれ物理的に分離した状態としているが、これに代えて、第一ヘアアイロン部100および第二ヘアアイロン部200をハーネス等によって電気的かつ物理的に接続するようにしてもよい。この場合、第一操作部140および第二操作部240のいずれか一方のみで第一ヘアアイロン部100および第二ヘアアイロン部200(髪処理装置1)の各種操作を行うようにしたり、第一制御部150、第2制御部250のいずれか一方のみで、第一ヘアアイロン部100および第二ヘアアイロン部200の各種制御を行うようにしたりしてもよい。
【0070】
本実施形態では、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120にそれぞれ加熱部を設けたが、これに限定されず、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120のいずれか一方のみに加熱部が設けられていてもよい。同様に、第二奥側アーム210および第二手前側アーム220のいずれか一方のみに加熱部が設けられていてもよい。また、吸水部材についても、第一奥側アーム110および第一手前側アーム120のいずれか一方のみに設けられていてもよいし、第二奥側アーム210および第二手前側アーム220のいずれか一方のみに設けられていてもよい。さらに、第二ヘアアイロン部200においては、吸水部材を設けない構成とするようにしてもよい。
【0071】
本実施形態では、櫛122においては、それぞれの櫛歯123の先端部の長さを変えることで、それぞれの櫛歯123の先端部を結ぶ線分Sを傾斜させたが、これに代えて、全ての櫛歯の長さが同じ櫛そのものを傾斜させることで、それぞれの櫛歯を結ぶ線分を傾斜させるようにしてもよい。
【0072】
本実施形態では、櫛歯123の先端部を結ぶ線分Sが、第一手前側アーム120の基端部に向けて下り傾斜した状態となっているが、これに代えて、複数の櫛歯123のそれぞれの長さが、第一手前側アーム120の基端部から先端部に向かうにつれて次第に長くなるように構成することで、櫛歯123の先端を結ぶ線分Sが、第一手前側アーム120の先端側に向けて下り傾斜した状態となるようにしたり、或いは、櫛歯123の先端部を結ぶ線分Sが傾斜せず、第一手前側アーム120の先端部120bの内側面と平行な状態となるようにしたりしても良い。
【0073】
本実施形態では、施術時に必要な所定値としての「温度」を第一所定表示部160(第二所定表示部260)に表示させ、施術時に必要な特定値としての「圧力値」を第一特定表示部170(第二特定表示部270)に表示させたが、「温度」を第一特定表示部170(第二特定表示部270)に表示させ、「圧力値」を第一所定表示部160(第二特定表示部260)に表示させるようにしても良い。また、所定値や特定値としては、上述の「温度」や「圧力」に限定されず、例えば、髪の内部の「システイン酸量」や「水分量」、或いは施術に要する施術時間等を所定値あるいは特定値としても良い。要は、所定値・特定値としては、施術時において、施術者が施術中の髪の状態等を判断するための判断基準や情報となる値(パラメータ)であればよい。
【0074】
本実施形態では、第一ヘアアイロン部100と第二ヘアアイロン部200とで髪処理装置1を構成したが、これに代えて、第一ヘアアイロン部100のみで髪処理装置1を構成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 髪処理装置
100 第一ヘアアイロン部
110 第一奥側アーム(第一奥側部材)
120 第一手前側アーム(第一手前側部材)
122 櫛部(毛梳き部材)
123 櫛歯
130 第一加熱部
160 第一所定表示部
165 第一温度センサ(第一温度検出部)
170 第一特定表示部
175 第一圧力センサ(第一圧力検出部)
135 第一吸水部材(吸水部材)
200 第二ヘアアイロン部
210 第二奥側アーム(第二奥側部材)
220 第二手前側アーム(第二手前側部材)
230 第二加熱部
235 第二吸水部材(吸水部材)
260 第二所定表示部
265 第二温度センサ(第二温度検出部)
270 第二特定表示部
275 第二圧力センサ(第二圧力検出部)
R1 第一連結部
R2 第二連結部



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7