(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152537
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】常温核融合
(51)【国際特許分類】
G21B 3/00 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
G21B3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023075866
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】599003198
【氏名又は名称】増渕 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】増渕 秀雄
(57)【要約】 (修正有)
【課題】常温核融合の発生確率を高めるため、面心立法格子の中心部に、周囲の準安定なところにいる電子を、外部からエネルギーを与えて落とす。最安定な場所は細長い筒状になり、それは電子を打ち出す鉄砲のような役割を果たす。
準安定なところでも、電子はとどまりえて、肝心な銃のようなものに、装てんされない。
【解決手段】外部よりニッチを飛び出せるだけに必要な最低限度以上のエネルギーを与えて、電子を下の最際安定な場所に移す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上述結晶格子内のニッチにいる電子を最安定な位置に送り込むことを目的として、外部からエネルギーを与えていることを特徴とする核融合法。
【請求項2】
熱エネルギーを使うことを特徴とする請求項1の核融合法。
【請求項3】
電気的エネルギーを高周波で与えることを特徴とする請求項1の核融合法。
【請求項3】
高周波がパルスになっていることを特徴とする請求項1の核融合法。
【請求項4】
超音波で振動を与えることを特徴とする請求項1の核融合法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
金属結晶の面心格子を使った常温核融合に関するものである。
【背景技術】
【0002】
常温核融合の実験では、発熱や残渣の分析から核変換が起こっていることは実証されているが、原因が分からず、
その説明が出来ずにいた。
【先行技術文献】
【0003】
本出願人が1月ほど前から考え付き、数社、数人の人に送ったものがあり、その一部をそのまま先行技術文献として紹介する。
これを読んでもらわないと後の説明が出来ない。
常温核融合の原理
素人だからこそ考えついた簡単なアイデアが基本。水素の電子がボーア模型のように回っていれば、その極側から正確に電子が原子核に近づけば、まったく抵抗なく入り込め、陽子と合体して中性子ができるはずである。
それならなぜ日常の世界でそれが起こっていないのか。実は起こっているのだが、あまりにも確率が低いため、ほとんど観測されず、また中性子の寿命が15分と短く、蓄積せず、目立たないだけである。電子は回っていず、確率の雲とだけ考えると、常温核融合は全く説明できない。普通の物質に囲まれていれば、秒速2000kmの速さで直径1オングストロームの軌道を回り、周辺にある周りの電子、陽子の影響を受ければ、軌道は全くのカオス状態になるから、通常は雲の状態と考えるのはしごく当然。しかしながら、規則正しい結晶になかにいる場合は、その雲も中央がへこんだドーナツのようになることもあると考える事もできる。そうするとドウナツの中心線から入ってくる電子は きわめて陽子と合体できやすくなる。
電子の向かう方向がでたらめとすると、原子核の大きさは原子の約10万分の1であるから、当たる確率は100億分の1になってしまう。面心立方体の場合、電子が最も入っていきやすいルートが中心に向かうようにできており、なおかつ、中にある水素原子の最も安定した公転面がうまいことにそれに垂直である。常温核融合で面心立法格子が欠かせないのはこのためである。面心格子に電子が最も侵入しやすいのは、立方体の各辺の中央部分から、中心に向かうラインである。辺が12あるから12方向、ラインとしては6つ。電子の公転の数は6個。
さらに考えを進めると,電子が入っていくと、回っていたもと居た電子は糸が切れたようによそに飛び出してしまう。入っていった電子はうまくすると合体でき、中性子になるが、ほとんどの電子は陽子に近くまではいくが、あたらず、その周りを半回転して彗星のような軌道をとることになる。しかしこれは遠くまで行くと他の原子核をまわるまわりの電子から、反発力を受け、たちまち元の電子のような軌道に落ち着く。この軌道面は元の軌道面とは異なる。ここのところを少し詳しく考えると、電子が陽子のどの方向にそれて通ったかで、最終的な軌道の面は2つに分かれる。これはもちろん入っていった面とは異なり、次はその面の法線方向からくる、電子に狙われて再度、同じことが進む。ややこしいので少し飛ばすが、いずれにせよ、12方向、6直線上にある電子は、すべて中心に向けて打ち出されることになる。この反応速度に影響のあるものは、竹の節間のようなものを1往復する時間(おそらくそこで振動しているから)、入ってきた新しい原子が彗星軌道から安定した円軌道に安定するまでの時間、空になった竹状の節によそから電子が偶然入ってくるまでの時間、この3つである。
予想すれば補給までの時間が最も長いと思われる。
うまい具合に中性子となったものは、電子からの運動量を受け、都合の良いことに動き出す方向は、入ってきた道を延長した方向になる。中性子になると電気的抵抗は全く受けないからまっすぐな直線である。そしてここに第2の奇跡が起こる。まさにこの道の前方に水素原子核がいるのである。ここでまた100億分の1の壁を通り越した。中性子といえども、原子核に正面衝突しない限り、合体はできない。中性子散乱、中性子吸収断面積などがあるため、確率はさらに下がる。出来上がった重水素は電荷をもつから、周りの多大な影響を受け,そこにとどまるか出て行ってまた安定な格子の中央部に収まり、12方向からくる別な中性子を待つことになる。あとは2重水素、3重水素、と進み、そして4重水素はたちまちベータ崩壊して、ヘリュームとなる。
ここでできる中性子は普通の原子炉でできる秒速1万kmのものと違い、極めて遅い熱中性子で、他の原子核にも吸収されやすく、簡単に遮蔽できる。危険はほとんどないだろう。
概略は以上である。このような視点で見るとどうすれば性能アップにつながるかが、少しだけ見えてくる。よくはわからないのは、2種類の金属を使ったほうがいいらしいことである。おそらく接合面で電子の動きを乱すためかもしれないと思うがはっきりしない。
よく知らないのだが、面心立方に数万気圧で水素をいれると、10数個もいろいろな場所に入ってくる。水素が中央部に1個だけという状態が欲しいのだが、低い圧力のデータを知らないので、どうしていいかわからない。
追記1 自然界には天然放射能があり、それは0.05マイクロシーベルトであり、福島の事故の時も、これとの比較で騒いでいたが、これは地球ができた時からある不安定な原子核に由来すると考えられていた。しかしそれ以外にもこの水素から自然にできる中性子の仕業によるものがあるとおもわれる。
うまく水素原子核と合体できなかった中性子は、周りにある格子を形成するニッケル、銅などの原子核とぶつかり、その核の中性子量を1つ上げる。このようなことが重なれば、原子核は不安定になり、電子を放出して、次の原子番号の物質にどんどん変わっていく。
実験観察結果によると,反応は主に表面や接合部で起こっているそうだが、これは自由電子がそこできわめて動きやすくなるためであろう。物質内部では電子は前述した最も安定した竹の節の間に主にいるが、準安定なニッチはそのほかにもたくさんあり、それらの部分に捕らえられてもいるものも多い。大砲にような役割を持つ竹の部分にいる電子は早晩打ち出され、そこは空になる。残ったのはニッチにいる電子だけ。これが内部で反応が進みにくい理由となる。
追記2 地球表面の天然放射能の主な理由は宇宙線からのものであろう。言い忘れた。
追記3 太陽は水素とヘリュームからなり、鉄までのほかの元素は太陽よりもっと大きい星内部で生まれ、さらに重い元素は超新星爆発で出来るというのが定説であるが、これは間違っていると思う。太陽内部でも電子と陽子が合体して、中性子がうまれ、これが次々とほかの原子核とくっついて、次々と反応が進んでいくはずである。このほうがプラスとプラスの合体をするよりはるかに簡単である。ただ例外的に例えばリチューム6のようなものに、熱中性子が合体すると高エネルギーのヘリュームや水素3が生まれ、このようなものだと、プラスプラスの合体も出来ることになる。常温核融合後の生成物に,アルファー線(ヘリューム原子核)の倍数のものが多いそうだが、このような事情によるものと思う。核反応は乗り越えるべき、ポテンシャルエネルギーの山の高さばかり計算してもダメ。その山にはトンネル効果の意味でなく、ごく細いが本物のトンネルが開いているのである。それが水素から出来る中性子の働きである。水素プラズマでなぜ中性子ができないか。単に確率の問題と思う。太陽の中でも小さいがこれが起きて、反応が進む。何しろ一つのヘリュームができるのに、400億年とかもかかるらしい。だから太陽の発熱密度でお茶を沸かすなら、へそで茶を沸かしたほうだ断然早いとガモフ先生が言っていた。太陽が熱いのは単に大きいから。
【特許文献】
【特許文献】結晶閣内に水素原子が入り込み、その狭さのために水素原子核が近づき、トンネル効果によって核融合が起きるという、いわゆる凝集系核融合のものは読んだが、融合に至るまでの反発力は、はるかに大きいはずと思い、意味が分からずやめた。
【発明の概要】
【0004】
前述した面心結晶格子内では、そこに水素原子がいない場合、電子が最も安定していられるのは、その中央部分である。次に安定なのは格子の8隅と中間部分当たりの4か所のようだ。これは数万気圧をかけて無理に入れた場合の結果からそうとわかる。最安定にいる電子は、前述したようにそこから打ち出され、空になってしまう。これでは反応が進まない。そこで準安定にいる電子に、必要な運動エネルギーを与え、そのポテンシャルのくぼみから飛び出させ落とし、大砲の役割を持つ最安定な中央部に持っていくのである。 本発明はその方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
必要なエネルギーはそれはど大きくなく、単に過熱して温度を上げる方法、電気的に揺さぶりをかけて落とす方法、機械的に例えば超音波などによる方法がある。
温度は使う格子を形造る物質によって異なるが、ある実験例では、900度ぐらいという報告もある。ただしこれは原理が分かってやった実験ではない。
次に交流を使い電子に揺さぶりをかける方法だが、その最適周波数は未実験のため今時点ではわからないが、とにかく揺さぶればいずれにせよ効果はある。
ここで問題なのは、電気的揺さぶりをかけると、大砲の照準が少しずれてしまうのではないかということである。これは深刻な問題であるが、解決方法はある。パルス電流を使う。
パルスが来たとき電子はニッチから落とされ、無電圧のときに大砲の照準は戻される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば近隣の水素原子核に向けて次々と電子を発射することができ、核融合の比率が高まる。誤解のないように少し説明すると、一つの面心立法格子内にいる自由電子は数個であり、ニッチにたくさんたまるというのは考えやすくした表現である。たくさんの格子を同時に考えればよい。打つ玉の数も当たらないのがほとんどだから、1秒あたり何兆個というように大きく考えてもらいたい。