(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152542
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】実際のプレイ環境を体感させる仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステム
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20241018BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A63B69/36 541W
A63B71/06 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081199
(22)【出願日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】10-2023-0049555
(32)【優先日】2023-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520330571
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は実際のプレイ環境を体感させる仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステムを提供する。
【解決手段】上記仮想ゴルフ装置は、仮想のゴルフコースを表示する表示部60と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すると前記仮想のゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想のゴルフボールの動きを算出する算出部21と、ユーザが実際のプレイ環境を肉体的に体感することができるようにするためのプレイ環境管理部22とを含み、前記ユーザが体感することができるプレイ環境は、温度、湿度、風及び雨の中に少なくともいずれか一つを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想のゴルフコースを表示する表示部と、
ユーザが実際のゴルフボールを打撃すると前記仮想のゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想のゴルフボールの動きを算出する算出部と、
ユーザが実際のプレイ環境を肉体的に体感することができるようにするためのプレイ環境管理部とを、
含み、
前記ユーザが体感することができるプレイ環境は、温度、湿度、風及び雨の中に少なくともいずれか一つを含む
仮想ゴルフ装置。
【請求項2】
前記プレイ環境を調節し、前記プレイ環境管理部によってコントロールされる調節部をさらに含み、
前記調節部は、温度を調節する温度調節器、湿度を調節する湿度調節器、風を調節する風調節器及び雨を調節する雨調節器の中に少なくともいずれか一つを含む、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項3】
ユーザは時点を特定することで、前記特定時点に該当するプレイ環境に現在のプレイ環境を選択することができる、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項4】
ユーザが特定することができる時点は、過去時点、現在時点、又は未来時点を含み、未来時点は該当時点に予想されるプレイ環境に現在のプレイ環境を設定する、請求項3に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項5】
ユーザの情報を貯蔵する貯蔵部をさらに含み、
前記ユーザの情報は、ユーザのプレイ記録および前記プレイ記録が達成された時点でのプレイ環境に関する情報を含み、
前記貯蔵部に貯蔵されている情報からユーザに特定のプレイ記録を達成したときのプレイ環境に関する情報を提供することができる、請求項1から4の何れか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項6】
ユーザの情報を貯蔵する貯蔵部とユーザのプレイ中に当日ユーザのプレイに基づいてユーザのコンディションを判断するコンディション判断部とをさらに含み、
前記ユーザの情報は、特定の時点で前記コンディション判断部によって判断したユーザのコンディションと該当時点でのプレイ環境に関する情報とを含み、
前記貯蔵部に貯蔵されている情報からユーザに特定のコンディションであるときのプレイ環境に関する情報を提供することができる、請求項1から4の何れか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項7】
サービス装置と、
前記サービス装置と通信上に連結される少なくとも1つ以上の仮想ゴルフ装置と、
前記サービス装置または前記仮想ゴルフ装置に具備され、ユーザが実際のプレイ環境を肉体的に体感することができるようにするためのプレイ環境管理部とを、
含み、
前記仮想ゴルフ装置は、仮想のゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すると前記仮想のゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想のゴルフボールの動きを算出する算出部とを含み、
前記ユーザが体感することができるプレイ環境は、温度、湿度、風及び雨の中に少なくともいずれか一つを含む
仮想ゴルフシステム。
【請求項8】
ユーザの情報を貯蔵し、前記サービス装置または前記仮想ゴルフ装置に具備される貯蔵部をさらに含み、
前記ユーザの情報は、ユーザのプレイ記録および前記プレイ記録が達成された時点でのプレイ環境に関する情報を含み、
前記貯蔵部に貯蔵されている情報からユーザに特定のプレイ記録を達成したときのプレイ環境に関する情報を提供することができる、請求項7に記載の仮想ゴルフシステム。
【請求項9】
ユーザの情報を貯蔵し、前記サービス装置または前記仮想ゴルフ装置に具備される貯蔵部と、
ユーザのプレイ中に当日ユーザのプレイに基づいてユーザのコンディションを判断し、前記サービス装置または前記仮想ゴルフ装置に具備されるコンディション判断部とをさらに含み、
前記ユーザの情報は、特定の時点で前記コンディション判断部によって判断したユーザのコンディションと該当時点でのプレイ環境に関する情報とを含み、
前記貯蔵部に貯蔵されている情報からユーザに特定のコンディションであるときのプレイ環境に関する情報を提供することができる、請求項7に記載の仮想ゴルフシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は仮想ゴルフ装置及び仮想ゴルフシステムに関するものであり、より具体的にはスクリーンゴルフ等のような仮想ゴルフプレイにおいて屋外の実際フィールドでのプレイ環境を体感することができるようにする仮想ゴルフ装置及び仮想ゴルフシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、ゴルフの人気が高まりながらゴルフを楽しむ人口が増加している。ゴルフは屋外ゴルフ場でのゴルフだけでなく、仮想ゴルフ装置などを利用してゴルフをプレイすることができるスクリーンゴルフの人気も増加している。スクリーンゴルフではスクリーンを介してゴルフ場の映像が表示されるので、屋外で実際の競技をしているような感じを与えることができる。また、屋外のフィールドで試合することに比べて時間とコストがセーブされるので、スクリーンゴルフは時間的な理由や経済的な理由などで実際の競技をプレイし難い現代人に人気が高い。
【0003】
スクリーンゴルフは実際に屋外フィールドでプレイするようなリアリティを提供するために、風の方向、風の強さ、天気などのような気候条件をユーザが設定し、設定された内容をスクリーンに表示してユーザが認知するようにしている。しかし、ユーザが設定した気候条件は単にスクリーンに表示されるだけであり、ユーザが肉体的に体感することができないため、屋外のフィールドでプレイするようなリアリティを提供することに限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような事情を勘案して発明されたものであり、ユーザが仮想ゴルフプレイにおいて屋外の実際フィールドでのプレイ環境を肉体的に直接体感することができるようにする仮想ゴルフ装置を提供することをその目的とする。
また、本発明は、ユーザが仮想ゴルフプレイにおいて屋外の実際フィールドでのプレイ環境を肉体的に直接体感することができるようにする仮想ゴルフシステムを提供することをその目的とする。
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するのために、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、仮想のゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すると前記仮想のゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想のゴルフボールの動きを算出する算出部と、ユーザが実際のプレイ環境を肉体的に体感することができるようにするためのプレイ環境管理部とを含み、前記ユーザが体感することができるプレイ環境は、温度、湿度、風及び雨の中に少なくともいずれか一つを含む。
【0006】
上記仮想ゴルフ装置は前記プレイ環境を調節し前記プレイ環境管理部によってコントロールされる調節部をさらに含み、前記調節部は、温度を調節する温度調節器、湿度を調節する湿度調節器、風を調節する風調節器及び雨を調節する雨調節器の中に少なくともいずれか一つを含む。
【0007】
上記仮想ゴルフ装置において、ユーザは時点を特定することで前記特定時点に該当するプレイ環境に現在のプレイ環境を選択することができる。ここでユーザが特定することができる時点は、過去時点、現在時点、又は未来時点を含み、未来時点は該当時点に予想されるプレイ環境に現在のプレイ環境を設定する。
【0008】
上記仮想ゴルフ装置はユーザの情報を貯蔵する貯蔵部をさらに含み、前記ユーザの情報はユーザのプレイ記録および前記プレイ記録が達成された時点でのプレイ環境に関する情報を含み、前記貯蔵部に貯蔵されている情報からユーザに特定のプレイ記録を達成したときのプレイ環境に関する情報を提供することができる。
【0009】
上記仮想ゴルフ装置はユーザの情報を貯蔵する貯蔵部とユーザのプレイ中に当日ユーザのプレイに基づいてユーザのコンディションを判断するコンディション判断部とをさらに含み、前記ユーザの情報は特定の時点で前記コンディション判断部によって判断したユーザのコンディションと該当時点でのプレイ環境に関する情報とを含み、前記貯蔵部に貯蔵されている情報からユーザに特定のコンディションであるときのプレイ環境に関する情報を提供することができる。
【0010】
本発明の実施例による仮想ゴルフシステムは、サービス装置と、前記サービス装置と通信上に連結される少なくとも1つ以上の仮想ゴルフ装置と、前記サービス装置または前記仮想ゴルフ装置に具備されユーザが実際のプレイ環境を肉体的に体感することができるようにするためのプレイ環境管理部とを含み、前記仮想ゴルフ装置は仮想のゴルフコースを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すると前記仮想のゴルフコースにおいて前記実際のゴルフボールに対応する仮想のゴルフボールの動きを算出する算出部とを含み、前記ユーザが体感することができるプレイ環境は、温度、湿度、風及び雨の中に少なくともいずれか一つを含む。
【0011】
上記仮想ゴルフシステムはユーザの情報を貯蔵し前記サービス装置または前記仮想ゴルフ装置に具備される貯蔵部をさらに含み、前記ユーザの情報はユーザのプレイ記録および前記プレイ記録が達成された時点でのプレイ環境に関する情報を含み、前記貯蔵部に貯蔵されている情報からユーザに特定のプレイ記録を達成したときのプレイ環境に関する情報を提供することができる。
【0012】
上記仮想ゴルフシステムは、ユーザの情報を貯蔵し前記サービス装置または前記仮想ゴルフ装置に具備される貯蔵部と、ユーザのプレイ中に当日ユーザのプレイに基づいてユーザのコンディションを判断し前記サービス装置または前記仮想ゴルフ装置に具備されるコンディション判断部とをさらに含み、前記ユーザの情報は特定の時点で前記コンディション判断部によって判断したユーザのコンディションと該当時点でのプレイ環境に関する情報とを含み、前記貯蔵部に貯蔵されている情報からユーザに特定のコンディションであるときのプレイ環境に関する情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の仮想ゴルフ装置および仮想ゴルフシステムによれば、ユーザが仮想ゴルフプレイにおいて屋外の実際フィールドでのプレイ環境を体で直接体感することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
【
図2】
図1の仮想ゴルフ装置に用いることができる調節部の具現例を示す図である。
【
図3】ユーザがプレイ環境を設定するメニュー画面を例示的に示す図である。
【
図4】ユーザがプレイ環境を設定するメニュー画面を例示的に示す図である。
【
図5】ユーザがプレイ環境を設定するメニュー画面を例示的に示す図である。
【
図6】
図1の仮想ゴルフ装置に用いることができる貯蔵部の詳細構造を例示的に示す図である。
【
図7】ユーザが設定したプレイ環境を表示するスクリーン画面を例示的に示す図である。
【
図8】ユーザが設定したプレイ環境を表示するスクリーン画面を例示的に示す図である。
【
図9】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
【
図10】
図9の仮想ゴルフ装置においてユーザのコンディションを判断する過程の一例を示すフローチャートである。
【
図11】ユーザのコンディション判断に使用される判断要素として打撃の正確性を説明するための図である。
【
図12】人工知能を用いてユーザのコンディションを判断する方法を説明するための図である。
【
図13】ユーザのコンディションの判断結果を表示するスクリーン画面の例を示す図である。
【
図14】ユーザのコンディションの判断結果を表示するスクリーン画面の例を示す図である。
【
図15】
図9の仮想ゴルフ装置に用いることができる貯蔵部の詳細構造を例示的に示す図である。
【
図16】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
【
図17】本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0016】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0017】
図1は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図1を参照すると、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、打撃プレート(10)、制御部(20)、感知部(30)、入力部(40)、サウンド部(50)、表示部(60)、調節部(70)を含む。
打撃プレート(10)はユーザがゴルフボールを打撃するために位置する領域であり、ユーザはゴルフボールを打撃プレート(10)に置いて打撃する。打撃プレート(10)は別途具備されているプレート状物体から構成されたり、又は別途の物体ではなく仮想ゴルフ装置が設置されている場所のフロアとしてユーザが位置する部分から構成されたりすることができる。図面には図示されていないが、打撃プレート(10)には上下に移動可能な構造のオートティーが設けられており、オートティーを通じてユーザに打撃用ゴルフボールが自動的に提供されることができる。
【0018】
制御部(20)は仮想ゴルフ装置の構成要素の間の全体的な動作を制御する。例えば、制御部(20)は打撃プレート(10)に設けられたオートティーを制御して、ユーザが打撃する時点に合わせてオートティーが打撃用ゴルフボールを提供するように動作する。またユーザが特定のゴルフコースを選択した場合、制御部(20)は該当ゴルフコースでプレイすることができるように関連動作を行う。すなわち、制御部(20)は映像を処理する映像処理手段を具備してユーザが選択した特定ゴルフコースの映像を形成した後、これを表示部(60)に伝達して表示させるように動作する。また制御部(20)は算出部(21)とプレイ環境管理部(22)と貯蔵部(23)とを備えている。算出部(21)はユーザが打撃したゴルフボールの物理的状態等に基づいて、上記物理的状態の通りゴルフボールが実際のゴルフ場で動くと仮定したときの軌跡を算出する算出過程を行う。プレイ環境管理部(22)はユーザがプレイする環境を設定したときに設定されたプレイ環境を実際物理的に体感することができるようにするための各種処理動作を行う。プレイ環境管理部(22)に関する詳細な説明は後述する。貯蔵部(23)はメモリやハードディスクなどの記憶装置を含み、制御部(20)、算出部(21)、プレイ環境管理部(22)の動作に必要な各種プログラムやデータを貯蔵している。
【0019】
感知部(30)はゴルフクラブの動きやユーザが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して算出過程に必要な情報を把握するためのものであり、感知部(30)としてゴルフクラブやゴルフボールの動きを撮影することができるカメラや感知センサーなどのような感知手段を使用することができる。前記感知手段には、イメージセンシング、発光/受光センシング、レーザセンシングなどのような様々なセンシング方式を適用することができ、このようなセンシング方式でゴルフクラブやユーザが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは、単独に使用されたり又は一緒に使用されたりすることができ、一個のみが使用されたり又は複数個が使用されたりすることができる。感知部(30)で感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)の算出部(21)は感知部(30)からの情報に基づいて算出過程を行う。
【0020】
入力部(40)はユーザから各種情報を受けるためのものであり、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを使用することができる。スクリーンゴルフでは、ユーザがログインのために自分のIDやパスワードを入力する場合又はユーザがプレイしたいゴルフコースやプレイ難易度を選択する場合などのように、ユーザから情報の入力が必要な場合があり、このような場合のために入力部(40)が具備される。
サウンド部(50)はスピーカなどのような音響機器を含み、これによりユーザにゲームの進行状況を案内しゲームの進行による各種効果音を再生する。
表示部(60)はプロジェクターとスクリーンなどのようなディスプレイ用機器を含む。プロジェクターはゴルフコースとゴルフボールの映像がスクリーンに表示されるようにゴルフ関連映像をスクリーンに投射し、スクリーンは投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザに提供する。図面には図示されていないが、表示部(60)はスクリーン以外に補助ディスプレイの役割をするキオスクなどのような表示機器をさらに具備することも可能である。
【0021】
本明細書では、スクリーンに表示される一部の対象に対して「仮想」という用語を付けて表現する。これは現実世界に存在する対象物との混同を避けるための目的であり、現実の世界に存在するものではなくスクリーンの映像に表示されるものであるという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とはスクリーンに表示されるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とはスクリーンに表示されるゴルフボールという意味である。
【0022】
調節部(70)はユーザが設定したプレイ環境が実現されるように動作し、プレイ環境管理部(22)によって制御される。調節部(70)によって調節されるプレイ環境には複数の対象があり得、上記複数の調節対象のそれぞれに対して別々の調節器が具備される。調節部(70)は複数の調節対象に対する複数の調節器を束ねて指すものであり、例えばプレイ環境として温度、湿度、風、雨等のような調整対象があるとすれば、調節部(70)は温度調節のための温度調節器(71)、湿度調節のための湿度調節器(72)、風調節のための風調節器(73)、降水調節のための雨調節器(74)を含む。プレイ環境において選択可能な対象は、温度、湿度、風、雨に限定されるものではなく、これらのうちの一部を除外したり又は他の対象を追加したりすることができる。
【0023】
仮想ゴルフ装置は、スクリーンゴルフ場等に設置されてスクリーンゴルフをプレイすることができるようにする装置であり、ユーザがスクリーンゴルフをプレイする際の仮想ゴルフ装置の動作過程は次の通りである。ユーザがゴルフボールを打撃すると、感知部(30)はゴルフクラブの動きやユーザが打撃したゴルフボールの移動速度や移動方向などのような物理的状態を感知する。感知部(30)によって感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)における算出部(21)は伝達された情報に基づいてゴルフボールの軌跡を算出する算出過程を行う。表示部(60)は算出過程によって算出された軌跡の通り仮想ゴルフボールが動く映像を表示し、このときに仮想ゴルフボールは算出された軌跡により移動した後にスクリーンに表示される仮想ゴルフコースの特定地点に着地し、ユーザは仮想のゴルフボールが着地した地点からネクスト打撃を続ける。
【0024】
ユーザが上記の方法でスクリーンゴルフのプレイをしている間、スクリーンゴルフ場のプレイ環境はユーザが設定した状態に維持される。これは、ユーザの設定の通りにプレイ環境が維持されるように、プレイ環境管理部(22)が調節部(70)をコントロールして調節部(700)における調節器(71、72、73、74)が適切に動作するためである。以下、プレイ環境に関する動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図2は
図1の仮想ゴルフ装置に用いることができる調節部の具現例を示す図である。
プレイ環境の設定により調節される対象が温度、湿度、風、雨であるとすれば、温度調節のための機器として冷暖房機(71a)が具備され、湿度調節のための機器として加湿除湿器(72a)が具備され、風調節のための機器として駆動ファン(73a)が具備され、雨調節のための機器として液体噴射器(74a)が具備される。冷暖房機(71a)は冷房と暖房動作を兼ねる装置であり、ユーザが設定した温度を合わせるために温度を下げる場合には冷房動作をし、温度を上げる場合には暖房動作をすることができる。加湿除湿器(72a)は加湿と除湿動作を兼ねる装置であり、ユーザが設定した湿度を合わせるために湿度を下げる場合には除湿動作をし、湿度を上げる場合には加湿動作をすることができる。駆動ファン(73a)は回転翼を有しており、駆動源から動力を受けて前記回転翼を回転させることで風を発生する装置である。駆動ファン(73a)は駆動ファン(73a)のボディー自体が向く方向が変更されることができる変更機能を有しており、前記変更機能を用いて駆動翼が向く方向を特定方向にセッティングすることができる。例えば、駆動ファン(73a)のボディーが向く方向を前後左右等に変更しながら駆動翼が向く方向がユーザの設定風向に対応する方向になったときに方向変更を止めて風を発生させると、ユーザの設定の通り風向を調節することができる。また、駆動ファン(73a)は回転翼の回転速度を調整して風の強さ(風速)を調整する機能を有しており、これを用いるとユーザが設定した風速を発生させることができる。ユーザが風がない状態に設定した場合、駆動ファン(73a)は作動しない。液体噴射器(74a)は噴射口が形成されたヘッド部分を含み、前記噴射口を介して液体を噴射することで雨の環境を形成することができる。前記液体としては主に水を用い、図面に図示されていないが、液体噴射器(74a)には噴射される水を貯蔵する貯蔵容器と貯蔵されている水をヘッド部分に移動させることができるポンプ等の駆動機器とが具備される。駆動ファン(73a)と同様に、液体噴射器(74a)はボディー自体が向く方向が変更されることができる変更機能を有しており、前記変更機能を用いてヘッド部分が向く方向を特定方向にセッティングすることができる。これにより液体の噴射方向をユーザの設定の通り調節することができる。また、液体噴射器(74a)は液体の噴射量や速度を調整する機能を有しており、ユーザの設定に合わせて降雨量を調節することができる。
【0026】
上記のように、冷暖房機(71a)と加湿除湿器(72a)を介して仮想ゴルフ装置が設置されている室内ゴルフ場の温度や湿度などのような気候要件を屋外の実際のゴルフ場の気候要件と同一に設定したり、またはユーザが望む任意の気候要件に設定したりすることができるので、ユーザは屋外での気候要件を肉体的に直接体感することができる。特に、駆動ファン(73a)や液体噴射器(74a)などを介して風や降雨条件を屋外と同様に物理的に具現することにより、ユーザは実際に屋外ゴルフ場において風が吹いたり又は雨が降ったりする状況でプレイするようなリアリティを体感することができる。
【0027】
温度、湿度、風、雨などの気候要件を実現するために、冷暖房機(71a)、加湿除湿器(72a)、駆動ファン(73a)、液体噴射器(74a)を使用するとしたが、上記の気候要件のために必ずしも冷暖房機(71a)、加湿除湿器(72a)、駆動ファン(73a)、液体噴射器(74a)を使用する必要はなく、他の機器を使用してもよい。また、設定可能な気候要件として必ずしも温度、湿度、風、雨のみがあるわけではなく、これらの一部を除外したり又は霧などのような他の構成要素を追加したりすることも可能である。
【0028】
図3乃至
図5はユーザがプレイ環境を設定するメニュー画面を例示的に示す図である。
図3を参照すると、スクリーンゴルフのプレイにおいて、ユーザは制御部(20)の動作によりスクリーンや図面に図示されていないキオスクなどのような補助ディスプレイに表示されるメニュー画面を通じて様々なプレイオプションを選択することができる。例えば、ユーザはスクリーンに表示される距離情報をどのような単位(メートル、ヤードなど)で表示するかを選択することができる。また、ユーザはマリガンの回数を設定することができる。マリガンとはミスショットに対してこれをキャンセルして再びショットをする機会が付与されることを意味する。またユーザはコンシードの認定範囲を設定することができる。コンシードとはパッティングしたゴルフボールがホールカップから一定距離以内にあればホールインに成功したと認めることを意味する。もしコンシードを1.5mに設定した場合、ホールカップから半径1.5m以内に位置するゴルフボールはホールカップに入ったとみなす。また、ユーザはスクリーンに表示するティーのカラー、ゴルフボールのサイズ、ゴルフボールのカラーなどを設定することができる。また、ユーザはプレイ中に発生するサウンドの大きさを調整したり又は音が発生しないように設定したりすることができる。また、ユーザはゴルフプレイ中の環境を「リアル」モードまたは「仮想」モードのいずれかに設定することができる。「リアル」モードは設定されたプレイ環境の効果をユーザ自身が肉体的に直接体感することできるようにするものである。「仮想」モードは設定されたプレイ環境がスクリーンに表示されるが、その効果を肉体的に直接体感することができないようにするものである。例えば0.5m/sの逆風があるプレイ環境を設定する場合に、リアルモードでは駆動ファンなどを通じて実際の風を発生させてゴルフボールを打撃するユーザーが風効果を体感することができるようにする反面、仮想モードでは実際の風を発生させず、現在プレイしている仮想のゴルフコースに0.5m/sの逆風が吹いているという情報をスクリーンに表示するだけである。実際のフィールドでの風効果を直接肉体的に体感したいユーザがあり得、室内でプレイしながら風効果を直接体感したくないユーザもあり得るので、ユーザが仮想モードまたはリアルモードの中に希望するプレイ方式を選択することができるように選択メニューを提供する。逆風の効果はゴルフプレイ自体に直接影響を与えることができる。実際の屋外フードでプレイする際に逆風がある状態でゴルフボールを打撃すると、逆風の影響のために打撃されたゴルフボールの速度が減少してゴルフボールの飛距離が減少することになる。仮想モードでは実際に風を発生させなくても、ユーザが打撃したゴルフボールの物理的状態に基づいて仮想ゴルフボールの軌跡を算出する過程で逆風の効果を反映することができる。例えば、打撃されたゴルフボールの移動速度をVとすると、軌跡算出過程でVの移動速度を有するゴルフボールの飛距離を算出する代わりに、逆風の効果を反映してV-ΔVの移動速度を有するゴルフボールの飛距離を算出する。これに対し、リアルモードでは逆風が実際に吹いていて打撃されたゴルフボールの物理的状態を感知する際に前記逆風の効果が反映されているとすることができるため、算出過程でゴルフボールの移動速度を変更する必要がない。
【0029】
仮想モードまたはリアルモードのいずれかを選択した後、ユーザはプレイ環境の詳細事項を選択することができる。
図4を参照すると、プレイ環境において温度/湿度/風/雨を設定するときに、ユーザはマウスカーソルなどのような入力機器のインターフェースを利用して温度/湿度/風/雨項目の設定値を上げたり又は下げたりすることで自分が希望する数値を特定することができる。このときに風又は雨はゼロに設定することができ、これは風が吹かない状況又は雨が降らない状況を示す。
【0030】
図5を参照すると、プレイ環境を設定する際に具体的な数値を入力する代わりに特定の要件を選択する方式を適用することができる。ユーザが特定の日付を選択する場合、その日付の実際のプレイ環境が設定されるようにする。またはユーザが通常よりも良い記録または悪い記録が出たときを選択すると、その記録が出たときの実際のプレイ環境が設定されるようにする。日付を指定してプレイ環境を設定するとき、日付は過去/現在/未来の日付の中に選択可能である。ユーザが過去の特定日に屋外フィールドでプレイしたことがあり、そのときと同一の環境で再びプレイしたい場合には、過去の特定日を指定する方法を使用することができる。特に本実施例によれば、ユーザは室内でプレイしながらもリアルモードを通じて温度/湿度/風/降水を直接肉体的に体感することができるので、過去特定日に屋外フィールドでプレイしたときの環境を完全に再現することができる。ユーザが現在の時点を特定してプレイ環境を設定する場合、現在のプレイ環境がそのまま具現されるので、ユーザはまるで今日実際のフィールドでプレイしているようなリアリティを体感することができる。ユーザが未来の時点を特定する場合、未来の時点は天気予報を通じて予測される範囲の時期まで設定することができる。例えば、1週間後までの天気予報情報がある場合にユーザは今日から1週間の未来時点中に一日を選択することができ、その日の天気予報による天気条件に合わせてプレイ環境が設定される。ユーザが3日後にフィールドでゴルフ試合が予定されていてゴルフ試合前にスクリーンゴルフを通じて練習したい場合、ユーザは可能であれば3日後のゴルフ試合と同一のプレイ環境で練習することを希望し、この場合に未来の時点を特定することで3日後の天気予報で予測している天気と同一の条件を肉体的に体感しながら予めプレイしてみることができる。
【0031】
図5に図示されたように、ユーザが特定の日付を指定するとその日付の天気条件が表示されるようにすることができる。ユーザは天気条件を確認して気にいる場合には最終的にその日付を選択することができ、気に入らない場合には他の日付を指定し、他の日付の天気条件が表示されるとそれをチェックしてその日付を選択するかどうかを決定することができる。ユーザが特定の日付を指定して指定された日付の気候条件が表示されたときに、ユーザがその気候条件で過去にプレイした経験があれば、その気候条件とともに過去のプレイでの記録(スコア、飛距離など)が表示されるようにすることができる。気候条件とともにプレイ記録が表示されば、ユーザは表示内容を参照して自分の記録が良く出たときの気候条件でプレイしたり、悪く出たときの気候条件でプレイしたり、または自分が望む特定条件の記録が出たときの気候条件でプレイしたりすることができる。プレイ環境を設定するときに、ユーザが日付を指定する代わりに他の要件を選択するようにすることも可能である。例えば、ユーザのベスト記録が出た時やユーザのワースト記録が出た時を選択することができるようにすることで、ユーザは自分の記録が良かったときのプレイ環境でプレイしたり、または自分の記録が悪かったときのプレイ環境でプレイしたりすることができる。前記ベストまたはワースト記録条件を表示する際に、当該記録が達成された日付、当該記録が達成された時の天候条件、ベストまたはワースト記録の具体的な数値等が表示されるようにすることができる。特定要件に基づいてプレイ環境を設定するときに必ずしもベストまたはワースト記録要件のみを使用する必要はなく、他の要件を使用することもできる。例えば、飛距離が所定距離以上の長打が出た場合、バンカーに陥らなかった場合などの様々な要件にプレイ環境を設定することができる。
【0032】
図6は
図1の仮想ゴルフ装置に用いることができる貯蔵部の詳細構造を例示的に示す図である。
図6を参照すると、貯蔵部(23)はユーザごとに区分されており、個人情報DBを貯蔵する領域(23a)、個人記録DBを貯蔵する領域(23b)、ショット情報DBを貯蔵する領域(23c)を含む。個人情報DBを貯蔵する領域(23a)には、ユーザのネーム、性別、年齢などのようなユーザの身元に関する情報が貯蔵されている。個人記録DBを貯蔵する領域(23b)には、ユーザがプレイしたゴルフ場、ゴルフコース、プレイ日時、プレイした時のスコア情報、個人プレイ記録(平均打数、平均飛距離など)などのようなプレイ情報が貯蔵されている。また、上記個人プレイ記録においてベスト記録やワースト記録等のような特定要件を満たす記録が別途貯蔵される。ショット情報DBを貯蔵する領域(23c)には、ユーザの全ての打撃が行われたときの各ショットやパッティング等の詳細情報が貯蔵される。
【0033】
例えば、ユーザAが過去に特定のゴルフコースのホールでプレイしたときにティーショットからホールインまで3打を使用したと仮定する。
図6に図示されたように、ユーザAのティーショットによってゴルフボールは最初位置(P0)から第1位置(P1)に移動し、次の打撃によってゴルフボールは第2位置(P2)に移動し、第2位置(P2)でのパッティングが成功してゴルフボールがホールカップに入ることで当該ホールでのプレイが終了したとすると、ショット情報DBにおけるユーザAの貯蔵領域には、前記ホールでのプレイに関するデータとして最初位置(P0)のデータ(X0、Y0)、第1位置(P1)のデータ(X1、Y1)、第2位置(P2)のデータ(X2、Y2)が貯蔵される。ここで、各データは2種類を含み、便宜上これを第1データ(X0、X1、X2)と第2データ(Y0、Y1、Y2)と命名する。第1データ(X0、X1、X2)は、ユーザが最初位置(P0)、第1位置(P1)、第2位置(P2)で打撃するときの位置情報やプレイ状況情報を含む。例えば、前記第1データ(X1)は、第1位置(P1)でショットをするときにゴルフボールと目標地点であるホールカップとの距離や高さ差に関する情報、ゴルフボールが置かれている地点の地形属性に関する情報(例:ゴルフボールが置かれている地点がフェアウェイ/ラフ/バンカーの中にどのような地形に属するかに関する情報)、ユーザがゴルフボールに対してどんな打撃をしたかに関する情報(例:最初位置(P0)においてティーショットをし、第1位置(P1)においてアプローチショットをし、第2位置(P2)においてパッティングをしたという情報)、ゴルフボールが置かれている地点が平らであるか、または傾斜があるかと傾斜がある場合にその傾斜度に関する情報、現在の気候条件に関する情報(例:現在温度、現在湿度、雨の可否及び雨が降る場合の降雨量、風の可否及び風が吹く場合の風向と風速)などを含む。第2データ(Y0、Y1、Y2)は、ユーザが最初位置(P0)、第1位置(P1)、第2位置(P2)で打撃するときの打撃結果に関する情報を含む。例えば、前記第2データ(Y1)は、第1位置(P1)でショットをするときに打撃されたゴルフボールの物理パラメータ(例:打撃後のゴルフボールの速度、打撃によって飛ぶゴルフボールの水平面での方向を示す方向角、ゴルフボールが水平面に対して傾いた角度を示す発射角、ゴルフボールの回転状態を示すスピンなど)、打撃されたゴルフボールが飛行した距離、飛行したゴルフボールがフロアに落ちた後転がった距離、ゴルフコースにおいて打撃されたゴルフボールの最終位置、上記最終位置による打撃結果(例:最終位置でバンカーに陥ったかどうか、ホールインに成功したかどうかなど)などを含む。このように、貯蔵部(23)にユーザの個人情報/個人記録/ショット情報などのような様々な情報が詳細に貯蔵されており、これらの貯蔵情報はユーザが
図5に図示されているようなメニューを介してプレイ環境を設定する時に使用することができる。
【0034】
図7及び
図8はユーザが設定したプレイ環境を表示するスクリーン画面を例示的に示す図である。
プレイ環境が設定された後、ユーザは設定された環境下でゴルフをプレイする。
図7を参照すると、ユーザがゴルフをプレイしている間にスクリーンにはユーザがプレイしでいるゴルフコースが表示され、またスクリーンの一方の端部にはプレイ環境の設定事項が表示される。プレイ環境はスクリーンに加えて図面に図示されていないキオスクなどのような補助ディスプレイに表示されるようにすることも可能である。プレイ環境が「リアル」モードであればスクリーンに表示されている設定事項をユーザ自身のボディーを通して物理的に直接体感することができ、「仮想」モードであればスクリーンに表示されている設定事項は仮想ゴルフボールの軌跡を算出する算出過程などに影響を与えることができるが、ユーザが上記設定事項をボディーを通じて直接体感することができない。
【0035】
スクリーンにユーザが設定した気候条件に関するプレイ環境を表示する際に、気候条件に関する追加情報が表示されるようにすることも可能である。例えば、
図8に図示されたように、ユーザが設定した気候条件を表示しながら屋外フィールドでの現在天気を追加情報として表示することができる。天気は人々の関心事項であるためいつでも有用な情報といえる。特に降水予報があればこれをユーザに知らせることで、ユーザがスクリーンゴルフをプレイしながら降水に備えるための計画を準備することができる。
【0036】
図9は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図9を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置は、打撃プレート(10)、制御部(20)、感知部(30)、入力部(40)、サウンド部(50)、表示部(60)、調節部(70)を含む。
打撃プレート(10)はユーザがゴルフボールを打撃するために位置する領域である。制御部(20)は仮想ゴルフ装置の構成要素の間の全体的な動作を制御し、算出部(21)とプレイ環境管理部(22)と貯蔵部(23)とコンディション判断部(24)とを備えている。感知部(30)はゴルフクラブの動きやユーザが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して感知情報を制御部(20)に伝達する。入力部(40)はユーザから各種情報を受けるためのものであり、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを使用することができる。サウンド部(50)はユーザにゲームの進行状況を案内しゲームの進行による各種効果音を再生する。表示部(60)はプロジェクターとスクリーンなどのようなディスプレイ用機器を含み、ゴルフ関連映像を視覚的にユーザに見せてくる役割をする。調節部(70)はユーザが設定したプレイ環境が実現されるように動作し、プレイ環境管理部(22)によって制御される。調節部(70)によって調節されるプレイ環境には複数の対象があり得、上記複数の調節対象のそれぞれに対して別々の調節器が具備される。調節部(70)は温度調節のための温度調節器(71)、湿度調節のための湿度調節器(72)、風調節のための風調節器(73)、降水調節のための雨調節器(74)を含む。本実施例の仮想ゴルフ装置においてコンディション判断部(24)を除く他の構成は前述の実施例と大きな違いがないので、他の構成の詳細な説明は省略する。
【0037】
コンディション判断部(24)はユーザのプレイ結果に基づいてユーザの当日のコンディションを判断する動作を行い、上記動作によって把握されたユーザのコンディションはサウンド部(50)及び/又は表示部(60)等を介して試合中のユーザに提供される。以下ではコンディション判断動作について図面を参照して説明する。ただし、ここで説明するコンディションを判断する動作過程はコンディションを判断することができる様々な方法の一つであり、説明されない他の方法を通じてユーザのコンディションを把握することも可能である。
【0038】
図10は
図9の仮想ゴルフ装置においてユーザのコンディションを判断する過程の一例を示すフローチャートであり、
図11はユーザのコンディション判断に使用される判断要素として打撃の正確性を説明するための図であり、
図12は人工知能を用いてユーザのコンディションを判断する方法を説明するための図であり、
図13及び
図14はユーザのコンディションの判断結果を表示するスクリーン画面の例を示す図であり、
図15は
図9の仮想ゴルフ装置に用いることができる貯蔵部の詳細構造を例示的に示す図である。
【0039】
図10を参照すると、コンディションを判断する動作過程は第1乃至第4ステップ(S1、S2、S3、S4)を含む。第1ステップ(S1)では特定時点までユーザのスクリーンゴルフプレイが進行され、第2ステップ(S2)では前記特定時点まで進行されたプレイ結果に基づいてコンディション判断のための判断要素をチェックし、第3ステップ(S3)ではチェックされた判断要素をまとめてユーザのコンディションを把握し、第4ステップ(S4)では把握したユーザのコンディション情報をユーザに提供する。
【0040】
第1ステップ(S1)では、ユーザのスクリーンゴルフのプレイが所定の時点まで進行される。ユーザのコンディションはプレイが進行される当日のユーザの身体状態を示すので、ユーザがある程度プレイを進行するとその時点までのプレイ結果をチェックした後、これを反映してユーザのコンディションを把握する。例えば、ユーザの当日プレイ結果を反映するために、全プレイの少なくとも20%乃至30%以上のプレイが進行された後にユーザのコンディションを把握することが好ましい。又はユーザが正式プレイに先立って十分な練習プレイを行った場合、練習プレイの結果を反映してユーザのコンディションを把握することができる。
【0041】
プレイをある程度進行した後又は練習プレイを終了した後、第2乃至第4ステップ(S2、S3、S4)によってコンディションの把握過程を行う。コンディションの把握過程は単数または複数回実行することができる。例えば、18ホールプレイをする場合に9ホール(全プレイの50%)までプレイした後に1回だけコンディションの把握過程を実行したり、または9ホールプレイをする場合に3ホール(全プレイの33.33%)までプレイした後に4ホールからは各ホールのプレイが終了するたびにコンディションの把握過程を実行したりすることができる。あるいは、特定のホールプレイが終了するたびにコンディションの把握過程を実行する代わりに、特定の時点以降はユーザがゴルフボールを打撃してその結果が出たらその打撃結果を反映してすぐにコンディションの把握過程を実行することにより、ゴルフボールを打撃するたびに随時にユーザのコンディションを把握することもできる。
【0042】
コンディションの把握の実際の処理は第2及び第3ステップ(S2,S3)で実行される。第2ステップ(S2)ではユーザのコンディションを示すことができる少なくとも1つ以上の指標(本明細書において「コンディションの判断要素」と命名)をチェックし、第3ステップ(S3)では前記コンディションの判断要素をまとめてユーザのコンディションを把握する。コンディションの判断要素はいろいろなものがあり得る。例えば、上記判断要素としてユーザが記録したスコア、ユーザの打撃による仮想ゴルフボールの飛距離、ユーザが打撃する様子、ユーザの打撃における正確性などがあり得る。
【0043】
上記スコアはコンディションを把握する時点までユーザが記録した点数を意味する。上記飛距離はユーザが打撃した実際のゴルフボールの物理的状態等に基づいて算出されるスクリーン映像における仮想ゴルフボールが移動した距離を意味する。上記ユーザが打撃する様子はユーザがゴルフボールを打撃したときのスイングモーションを意味する。感知部(30)がカメラを含む場合、ユーザのスイングモーションはユーザがゴルフボールを打撃するたびにカメラによって撮影され、撮影された映像は貯蔵部(23)に貯蔵される。貯蔵部(23)に貯蔵されているユーザのスイングモーションの映像とユーザがゴルフボールを打撃するときの現在のスイング映像とを比較することにより、ユーザが打撃する様子がどのような状態であるかを判断することができる。一般にゴルフボールの打撃にでは一貫したスイングを維持することが好ましい。ユーザのスイングモーションが既存のスイングモーションと大きく異なる場合には正常なコンディションではない可能性が高い。ログイン過程が適用される場合にログインを通じてユーザの身元を把握することができ、ユーザの身元が把握された状態でプレイすれば、身元が確認された特定ユーザに対して該当ユーザがゴルフボールを打撃するたびに貯蔵部(23)に該当ユーザのプレイ映像を貯蔵することができる。この場合、豊富な過去プレイ映像のデータを備えることができ、過去データと現在のスイングモーションとを比較することにより、ユーザのコンディションをさらに正確にチェックすることができる。
【0044】
ユーザの打撃における正確性は、ゴルフボールが目標地点から外れることなく目標地点またはその近傍に到達するかどうかを確認することによりチェックすることができる。例えば、
図11(a)において実際にユーザが打撃したゴルフボールに基づいて算出された仮想のゴルフボール(VB)の軌跡を第1軌跡(T1)とし、目標地点まで到達する理想的な仮想のゴルフボール(VB)の軌跡を第2軌跡(T2)とするときに、第1及び第2軌跡(T1、T2)を比較すると、第1軌跡(T1)はボールが飛んだ方向では第2軌跡(T2)と大きな差異がないが、ボールが飛んだ距離では第2軌跡(T2)より長くて打撃の正確度が低いとすることができる。
図11(b)において実際にユーザが打撃したゴルフボールに基づいて算出された仮想のゴルフボール(VB)の軌跡を第3軌跡(T3)とし、目標地点まで到達する理想的な仮想のゴルフボール(VB)の軌跡を第4軌跡(T4)とするときに、第3及び第4軌跡(T3、T4)を比較すると、第3軌跡(T3)はボールが飛んだ方向が第4軌跡(T4)と大きな差異があるので、ボールが飛んだ方向において打撃の正確度が低いとすることができる。このように、打撃の正確度はユーザの打撃によって移動する仮想ゴルフボール(VB)の移動距離および/または移動方向などを考慮して決定することができる。上記目標地点は、ユーザの打撃前にユーザの現在状況(現在プレイしている仮想ゴルフコースにおいて仮想のゴルフボールが置かれている位置や置かれている地形の特徴など)及び/又はユーザの過去記録等に基づいて制御部(20)等によって設定されることができる。あるいは、ユーザが自分の現在状況について自分の判断により適切な目標地点を直接設定することも可能である。
【0045】
上記のように、複数の判断要素のそれぞれについて評価しこの評価結果をまとめることにより最終的なユーザのコンディションを把握することができる。ここでユーザが記録したスコア、ユーザが打撃した仮想ゴルフボールの飛距離、ユーザが打撃する様子、ユーザの打撃における正確性などを言及したが、ユーザのコンディションの把握に前記判断要素を必ずしも全て使用する必要はない。これらのうちの一部のみを使用してもよく、本明細書に記載されていない他の判断要素を使用してもよい。
【0046】
複数の判断要素のそれぞれについて評価する際に、様々な方法を適用することができる。具体的に絶対的な基準により評価する方法と相対的な基準により評価する方法とがあり得る。例えば、判断要素がスコアである場合に絶対的な基準によれば、ユーザが誰であるかにかかわらず、スコア結果のみを基準としてユーザの現在状態を評価する。相対的な基準によれば、ユーザが誰であるかに応じて、同一のスコアについてもユーザの現在状態を異にして評価する。例えば、全18ホールのプレイでユーザが3番ホールまでプレイした後にユーザのコンディションをチェックするとすれば、絶対的な基準ではユーザが誰であるかにかかわらず、3番ホールまでの合算スコアが第1打数(例:2アンダーパー)よりも良ければGOODであると評価し、第2打数(例:2オーバーパー)より悪ければBADであると評価し、第1及び第2打数の間であればNORMALであると評価することができる。これに対して相対的な基準では、ユーザが誰であるかに応じて異なる基準のGOOD、NORMAL、BADの評価を適用する。例えば、全18ホールプレイでユーザA、Bが3番ホールまでプレイした後にユーザA、Bのコンディションをチェックするとすれば、ユーザAについては3番ホールまでの合算スコアが第1打数(例:2アンダーパー)より良ければGOODであると評価し、第2打数(例:2オーバーパー)より悪ければBADであると評価し、第1と第2打数の間であればNORMALであると評価し、ユーザBについては3番ホールまでの合算スコアが第3打数(例:イーブンパー)より良ければGOODであると評価し、第4打数(例:4オーバーパー)より悪ければBADであると評価し、第3と第4打数の間であればNORMALであると評価することができる。ユーザA、ユーザBにおける評価基準はユーザA、Bの過去プレイ記録に基づいて定めることができる。例えば、過去プレイ記録上18ホールプレイにおける平均打数がユーザAは80打であり、ユーザBは85打であれば、ユーザAはユーザBに比べてゴルフ実力が良いとすることができ、ゴルフ実力が良いユーザはゴルフ実力が悪いユーザに比べてさらに良いスコアを記録する可能性が高いため、このようなユーザを同一の基準で判断する代わりに、異なる基準に従って評価することが好ましい。
【0047】
判断要素を評価する際に「一貫性」の有無に応じて加重値をかけることができる。例えば、平均200mのドライバ飛距離を持っているユーザA、Bに対して飛距離という判断要素を評価すると仮定する。また、ユーザA、Bが全て3番ホールまでプレイを進行し、3回のドライバーショットで平均210m飛距離を記録したと仮定する。ユーザA、Bは自分の平均ドライバ飛距離より10m良い飛距離を記録したため、飛距離に対するコンディションが良いといえる。ユーザAの場合には1番ホールでドライバ飛距離が190m、2番ホールでドライバ飛距離が260m、3番ホールでドライバ飛距離が180mである反面、ユーザBの場合には1番ホールでドライバ飛距離が215m、2番ホールでドライバー飛距離が210m、3番ホールでドライバー飛距離が205mであると仮定する。ユーザAは3回の打撃中に2回の打撃で自分の平均飛距離より小さい飛距離を記録したが、2番ホールで一度260mの長打を記録したために全体的に210mの平均飛距離を記録した反面、ユーザBは3回の打撃で一貫的に自分の過去飛距離より長い飛距離を記録して全体的に210mの平均飛距離を記録した。このような場合に、ユーザAは2番ホールでの長打を除けば残りのホールでは普段より悪い成績が出たので、全体平均では過去飛距離よりも良いと言っても現在のコンディションが非常に良いとすることができない。これに比べて、ユーザBは3つのホールで一貫的に良い成績が出たので、ユーザAと全体平均飛距離では同一の記録を持っていてもユーザAより良好なコンディションを持っているとすることができる。したがって、各判断要素について評価する際には、評価時点での全体記録のみを見て判断するのではなく、当該全体記録がどれほど一貫性があるかをチェックする必要があり、一貫性が高い場合にはそうでない場合に比べて加重値を異にして評価することが好ましい。
【0048】
第2及び第3ステップ(S2、S3)において、コンディションの判断要素について評価しこれをまとめてユーザのコンディションを把握する過程は、人工知能等を用いて算出するようにすることも可能である。人工知能を用いる場合、
図12に図示されたように、人工知能に入力データを入力して人工知能によって出力データが得られるようにすることができる。上記人工知能は人間の知的能力を人工的に具現したプログラムであり、人工知能にはマシンラーニング技術などが適用されることができる。これは規則によって定められた結果値を導出する従来のプログラムとは異なり、マシンラーニング技術などを適用することにより人工知能は多い数の入力データを分析して自ら結果値を導出することができる。マシンラーニングなどのような人工知能モデルは複数の層と各層を構成する複数のノードとからなる人工ニューラルネットワークを含み、上記複数の層は入力層、隠匿層、出力層を含むことができる。入力層は分析対象データを入力する層であり、出力層は結果値が出力される層であり、隠匿層は入力層と出力層との間の中間層を意味する。
【0049】
人工知能を適用する際に、入力データは複数の判断要素に対して前記判断要素を評価するための根拠資料である。複数の判断要素のそれぞれを便宜上X、Yなどと表記すると、入力データはXを評価するための根拠資料(XI)とYを評価するための根拠資料(YI)とを含み、入力データXI、YIは単数項目又は複数項目であり、複数項目の場合に入力データXI、YIはそれぞれ(X1、X2、…)、(Y1、 Y2 、…)と表現することができる。例えば、Xがユーザが記録したスコアであり、Yがユーザの打撃の飛距離であるとすれば、XIは特定時点までユーザが記録したスコアの平均となり、YIは特定時点までユーザが記録した飛距離の平均となる。ユーザ記録の一貫性により加重値を異にして平価する場合、XI、YIは複数のデータで構成される。具体的に3番ホールまでプレイした結果に基づいてユーザのコンディションをチェックするとすれば、XIは1番ホールでのユーザのスコアX1、2番ホールでのユーザのスコアX2、3番ホールでのユーザのスコアX3などで構成され、 YIは1番ホールでの飛距離Y1、2番ホールでの飛距離Y2、3番ホールでの飛距離Y3などで構成される。この場合、各ホールでのスコアや飛距離が入力されるため、スコアや飛距離の記録がホールごとに一貫性があるか又は大きい偏差があるかなどをチェックすることができる。判断要素を評価する際にユーザごとに異なる相対的な判断基準を適用する場合、ユーザのゴルフ能力を確認することができるように追加資料をさらに人工知能に提供することができる。例えば、上記XI、YIについては過去に記録したユーザの平均スコアや平均飛距離情報などを追加の入力データとして提供することができる。
【0050】
人工知能において、出力データは判断要素の評価および前記評価に基づいて把握されるユーザのコンディションなどを含む。コンディション把握のための複数の判断要素をX、Yなどと表記すると、入力データはXを評価するための根拠資料(XI)とYを評価するための根拠資料(YI)とを含み、出力データはXに対する評価結果(XO)とYに対する評価結果(YO)とを含む。また、追加的に出力データは複数の判断要素に対する評価結果(XO、 YO、… )を総合して把握されるユーザのコンディション(UC)を含むことができる。もし各判断要素に対する評価結果を1点(最低)から5点(最高)まで5段階に区分すると、XO、YOなどには1点から5点中に一つの点数が付与され、ユーザのコンディション(UC)はXO、YOなどに付与されている点数を総合して得ることができる。複数の判断要素を総合してユーザのコンディションを獲得する際に、各判断要素に同一の加重値を与えて合算することができ、あるいは判断要素の種類により異なる加重値を与えて合算することができる。この場合、特定判断要素に対する評価点数が他の判断要素に対する評価点数より高い比重で反映されるようにすることができる。例えば、Xがユーザが記録したスコアでありYがユーザの打撃の飛距離であるとし、特定ユーザに対してXOが3点に評価されYOが1点に評価されたとすると、ユーザのコンディションは『XO(3点)+YO(1点)=UC(4点)』のように判断要素に同一の加重値を与えて導出されるようにすることができる。又はユーザのコンディションは『XO×2(6点)+YO×0.5(0.5)=UC(6.5点)』のように判断要素に異なる加重値を与えて導出されるようにすることもできる。
【0051】
第4ステップ(S4)では、第2、3ステップ(S2、S3)を通じて得られたユーザのコンディションの把握結果をユーザに伝達する。ユーザのコンディションはサウンド部(50)を用いて音声でユーザに提供したり、または表示部(60)を用いて視覚的にユーザに提供したりすることができる。視覚的に提供する場合、スクリーン画面の一部にユーザのコンディション情報を表示することができる。例えば、
図13に図示されたように、スクリーンの一方のエッジ部分に現在プレイしているユーザの今日のコンディション状態を表示してユーザに提供することができる。ユーザのコンディション状態をBEST、GOOD、NORMAL、BADに区分する場合、スクリーンにユーザのコンディションがBEST、GOOD、NORMAL、BADのいずれに該当するかを表示する。ユーザのコンディションを表示する際には、
図13の菱形のような所定の形状のデザインと上記デザインの内部に記載されているテキストとを用いてユーザのコンディションがどのような状態であるかを示すことができる。コンディションを表現するデザインは菱形以外に他の形状を用いることも可能である。またユーザのコンディション状態により、コンディションを示すデザインを様々なカラーを用いて彩色することができる。例えば、
図13に図示されたように、ユーザのコンディションがBEST/GOODの場合には赤色系統のカラー(R)でユーザのコンディションを表示し、ユーザのコンディションがBADの場合には青色系統のカラー(B)でユーザのコンディションを表示し、ユーザのコンディションがNORMALの場合には白系統のカラー(W)でユーザのコンディションを表示するようにすることができる。
【0052】
本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は制御部(22)にプレイ環境管理部(22)が具備されており、プレイ環境管理部(22)によってコントロール可能な調節部(70)が具備されており、調節部(70)は具体的な調整対象に応じて温度調節器(71)、湿度調節器(72)、風調節器(73)、雨調節器(74)を含む。前述したように、ユーザはこれらの構成を介してプレイ環境を設定することができ、設定されたプレイ環境はリアルモードまたは仮想モードで具現される。
図13に図示されたように、スクリーンにユーザのコンディションを表示する際にユーザが設定したプレイ環境の内容を一緒に表示するようにすることができる。
【0053】
図14を参照すると、ユーザのコンディションをスクリーンに表示する際にコンディション判断の根拠である各判断要素に対する評価結果を提供することができる。例えば、スコア/(打撃)正確度/スイング(モーション)/飛距離の4つの判断要素に基づいてコンディションを把握する場合に、
図14(a)及び
図14(b)に図示されたように各判断要素に対する評価結果を様々な形態で表現することができる。また
図14(a)に図示されたように、バー(bar)形態で判断要素の評価結果を表現する場合には、評価結果により前記バーを様々なカラーで彩色することができる。例えば、評価点数が良い場合には赤色系統のカラー(R)でバーを表示し、評価点数が悪い場合には青色系統のカラー(B)でバーを表示し、評価点数が普通の場合には白色系統のカラー(W)でバーを表示することができる。
図14に図示されたような判断要素に対する評価結果はユーザのコンディションを表示する際に最初から表示されるようにしたり、又は最初は
図13に図示されたようにユーザの総合的なコンディションのみを表示し後でユーザが要請すればその時点から判断要素に対する評価結果が表示されるようにしたりすることができる。
【0054】
上記のようにユーザのコンディションを把握して提供することにより、スクリーンゴルフのプレイに対するユーザの興味を高めることができる。また、ユーザは自分のコンディションをチェックした後に自分のコンディションに合わせてペースを調節するというノウハウを習得することができる。
【0055】
図15を参照すると、貯蔵部(23)はユーザ別個人情報DBを貯蔵する領域(23a)、個人記録DBを貯蔵する領域(23b)、ショット情報DBを貯蔵する領域(23c)を含む。個人情報DBを貯蔵する領域(23a)には、ユーザのネーム、性別、年齢などのようなユーザの身元に関する情報が貯蔵される。個人記録DBを貯蔵する領域(23b)には、ユーザがプレイしたゴルフ場、ゴルフコース、プレイした日時、プレイした時のスコア情報、個人プレイ記録(平均打数、平均飛距離など)などの情報が貯蔵される。また上記個人プレイ記録において、ベスト記録やワースト記録等のような特定要件を満たす記録が別途貯蔵されてもよい。ショット情報DBを貯蔵する領域(23c)には、ユーザの全ての打撃が行われたときの各ショット及び/又はパッティング等の詳細情報が貯蔵される。例えば、ユーザAが過去に特定のゴルフコースのホールでプレイしたことがあり、
図15に図示されたように、そのホールでユーザAのティーショットでゴルフボールは最初位置(P0)から第1位置(P1)に移動し、ネクスト打撃でゴルフボールは第2位置(P2)に移動し、第2位置(P2)でのパッティングが成功してゴルフボールがホールカップに入ることで当該ホールでのプレイが終了したと仮定する。ショット情報DBを貯蔵する領域(23c)におけるユーザAの貯蔵領域には、前記ホールでのプレイに関するデータとして、最初位置(P0)に対するデータ(X0、Y0、Z0)、第1位置(P1)に対するデータ(X1、Y1、Z1)、第2位置(P2)に対するデータ(X2、Y2、Z2)が貯蔵される。説明の便宜上、三つ種類のデータを第1データ(X0、X1、X2)と第2データ(Y0、Y1、Y2)と第3データ(Z0、Z1、Z2)と命名する。第1データ(X0、X1、X2)はユーザが最初位置(P0)/第1位置(P1)/第2位置(P2)において打撃するときの位置情報やプレイ状況情報を含む。例えば、前記第1データX1は第1位置(P1)でショットをする際にゴルフボールと目標地点であるホールカップとの間の距離や高さ差に関する情報、ゴルフボールが置かれている地点の地形属性に関する情報(例:ゴルフボールが置かれている地点がフェアウェイとラフとバンカーとの中にどのような地形であるかに関する情報)、ユーザがゴルフボールに対してどんな種類の打撃をしたかに関する情報(例:最初位置(P0)ではティーショットをし第1位置(P1)ではアプローチショットをし第2位置(P2)ではパッティングをしたという情報)、ゴルフボールが置かれている地点が平坦な地形又は傾斜地形であるかに関する情報(傾斜地である場合に傾斜度の情報も含む)、現在の気候条件に関する情報(温度、湿度、雨の可否及び雨が降る場合の降雨量、風の可否及び風が吹く場合の風向と風速など)などに関する内容を含む。第2データ(Y0、Y1、Y2)はユーザが最初位置(P0)/第1位置(P1)/第2位置(P2)において打撃するときの打撃結果に関する情報を含む。例えば、前記第2データY1は第1位置(P1)でショットをする際に打撃されたゴルフボールの物理パラメータ(例:打撃後のゴルフボールの速度、打撃によって飛ぶゴルフボールの水平面での方向を示す方向角、ゴルフボールが水平面に対して傾いた角度を示す発射角、ゴルフボールの回転状態を示すスピンなど)、打撃されたゴルフボールが飛行した距離、飛行したゴルフボールがフロアに落ちた後転がった距離、ゴルフコースにおいて打撃されたゴルフボールの最終位置、上記最終位置による打撃結果(例:最終位置でバンカーに陥ったかどうか、ホールインに成功したかどうかなど)などを含む。また、第2データ(Y0、Y1、Y2)はユーザが最初位置(P0)/第1位置(P1)、第2位置(P2)で打撃したときのスイングモーションの映像を含み、これはユーザのコンディションを把握するための判断要素である「ユーザが打撃する様子」に関するデータとして使用することができる。第3データ(Z0、Z1、Z2)は第1データ(X0、X1、X2)と第2データ(Y0、Y1、Y2)にさらに追加可能なデータであり、例として本実施例ではユーザのコンディションに関するデータを含む。第1データ(X0、X1、X2)と第2データ(Y0、Y1、Y2)とはユーザのコンディションを把握するために使用することができ、ユーザが既に完了したゴルフコースでのプレイに基づいてユーザのコンディションを把握している状態であれば、第3データ(Z0、Z1、Z2)は最初位置(P0)/第1位置(P1)、第2位置(P2)で打撃したときのユーザのコンディション情報を含む。
【0056】
このように貯蔵部(23)にはユーザの個人情報/個人記録/ショット情報などの様々な情報が詳細に貯蔵されており、この貯蔵情報はユーザがプレイ環境を設定する際に使用することができる。
図5を再び参照すると、プレイ環境を設定するメニューにおいてユーザは良好な記録が出たときのプレイ環境や悪い記録が出たときのプレイ環境を選択することができ、このときに
図15に図示されているような構造を有する貯蔵部(23)に貯蔵されている情報を利用することができる。また本実施例によれば、ユーザのコンディションを把握してこれを貯蔵部(23)で記憶しているので、ユーザのコンディションとプレイ環境とをともにチェックしてユーザのコンディションが良いときのプレイ環境やユーザのコンディションが悪いときのプレイ環境などをユーザに提示することができる。ユーザは提示内容を参照してコンディションが良いときのプレイ環境やコンディションが悪いときのプレイ環境などを選択することができる。
【0057】
ユーザのプレイ記録やコンディションなどのような特定要件に基づいてプレイ環境を設定することが可能であれば、ユーザの入場では当該要件が達成されたときのプレイ環境と同一の環境で再びプレイしたいという意思があり得る。例えば、ベスト記録が出たときやコンディションが良かったときのプレイ環境が貯蔵されている場合、ユーザは自分が良かったときと同一のプレイ環境でもう一度プレイしたいという望みを有するようになる。または、ワースト記録が出たときやコンディションが悪かったときのプレイ環境が貯蔵されている場合、ユーザは自分が良くなかったときと同一のプレイ環境でもう一度プレイして悪い状況での克服方法を習得したいという望みを有するようになる。上記ユーザの望みは自分が過去に経験したプレイ環境と同一のプレイ環境を再び体験しながらプレイしたい意向と言え、ここで「プレイ環境」は大部分ユーザが肉体的に体感することができない仮想モードでのプレイ環境よりは、ユーザが肉体的に体感することができるリアルモードでのプレイ環境といえる。例えば、ユーザが過去野外フィールドでプレイしたときに特定のプレイ環境でコンディションが良かった記憶があり、上記記憶を肉体的に体感しながらスクリーンゴルフのプレイをしたいという希望がある場合、従来技術ではスクリーンゴルフプレイにおいて風や雨などを体感することができる手段がない問題があるが、本発明によればこのような問題を解消することができる。
【0058】
図16は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図16を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置は複数のブース(101、102、103)を含む。各ブース(101、102、103)はすべて同一に構成されている。例えば、最初のブース(101)は、打撃プレート(101a)、キオスク画面が具備されまた前述の制御部の役割をすることができるシミュレータ機器(101b)、スクリーン(101c)などを備えており、他のブース(102、103)も同一のコンポーネントを持っている。図面に図示されていないが、各ブース(101、102、103)には打撃時にゴルフクラブ/ゴルフボールの動きを感知するためのカメラなどのような他の機器がさらに具備されている。各ブース(101、102、103)では多数のユーザが交互にゴルフをプレイすることができる。あるいは、各ブース(101、102、103)ではユーザ一人で他のブースのユーザと離隔している状態でソロでプレイすることができる。本実施例による仮想ゴルフ装置は前述の実施例におけるプレイ環境管理部、調節部、コンディション判断部などを備えており、これによりユーザは屋外の実際フィールドでプレイしているようなリアリティを肉体的に直接体感することができる。
【0059】
図17は本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構造を示す図である。
図17を参照すると、本実施例による仮想ゴルフシステムは仮想ゴルフ装置(100)とサービス装置(200)とを含む。仮想ゴルフ装置(100)として
図1乃至
図16などに図示されたような仮想ゴルフ装置を使用することができる。仮想ゴルフ装置(100)はスクリーンゴルフをプレイすることができるようにスクリーンゴルフ場に設けられ、スクリーンゴルフ場が複数の場所にある場合に、仮想ゴルフ装置(100)は各スクリーンゴルフ場ごとに設けられて全体的に複数の仮想ゴルフ装置(100)が具備される。仮想ゴルフ装置(100)はサービス装置(200)と有無線通信網などを介して連結されている。サービス装置(200)は複数のスクリーンゴルフ場を運営するサービス業者が複数のスクリーンゴルフ場に具備されている仮想ゴルフ装置(100)を管理するために使用する中央サーバを含む。
【0060】
サービス装置(200)には貯蔵部(210)が設けられている。貯蔵部(210)はユーザ情報を含む様々な情報を貯蔵している。スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザは、上記サービスの提供を受けるためにまずログインを実行し、サービス装置(200)はログインをする際にユーザの身元を確認してログインの承認可否を決定する。貯蔵部(210)はユーザの身元を確認するために必要な情報を記憶している。貯蔵部(210)には複数のユーザに関する情報が各ユーザごとに区分されて貯蔵されている。各ユーザの貯蔵領域には個人情報、個人記録情報、ショット情報などが貯蔵されている。貯蔵部(210)は一例として
図6または
図15に図示されているような構造を有することが可能であり、貯蔵部(210)の細部構造に関する説明は省略する。上記個人情報はユーザの身元を確認するためのものであり、ログイン過程などに使用されることができる。上記個人情報と個人記録情報とショット情報とに加えて、貯蔵部(210)はユーザの設定情報を貯蔵する。上記設定情報はユーザが設定した事項に関する情報などを含む。例えば、ユーザが過去にプレイしたゴルフ場、プレイ難易度、プレイ方式、好みの動作条件などを設定情報として貯蔵することができる。ユーザは毎回プレイするたびに様々な選択事項を入力することを面倒に考えて前記選択事項を入力しなかった場合があり得る。このような場合に前記設定情報に基づいて選択事項を自動的に設定することができる。このように貯蔵部(210)に様々なユーザ情報が貯蔵されることにより、サービス装置(200)に有線及び/又は無線で連結されている仮想ゴルフ装置(100)は貯蔵部(210)に貯蔵されている情報を利用することができ、各仮想ゴルフ装置(100)はユーザの情報を別途貯蔵する必要がない。
【0061】
図面に図示されていないが、各仮想ゴルフ装置(100)には前述の実施例におけるプレイ環境管理部と調節部とが設けられていてもよい。あるいは、プレイ環境管理部は仮想ゴルフ装置(100)それぞれに設けられておらず、サービス装置(200)に設けられていてもよい。また、各仮想ゴルフ装置(100)には前述のコンディション判断部がさらに設けられていてもよい。あるいは、コンディション判断部は仮想ゴルフ装置(100)それぞれに設けられておらず、サービス装置(200)に設けられていてもよい。
前記プレイ環境管理部及び/又は前記コンディション判断部を介して、ユーザは自分がプレイするときのプレイ環境を設定することができ、ユーザは自分が設定したプレイ環境を肉体的に直接体感することができ、また自分が特定プレイ環境でプレイする際にどのようなコンディションを持つかなどについて確認することができる。
【0062】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0063】
10:打撃プレート
20:制御部
30:感知部
40:入力部
50:サウンド部
60:表示部
70:調節部
100:仮想ゴルフ装置
200:サービス装置