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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152566
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】半導体パッケージ構造とそのチップ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H01L21/60 311R
H01L21/92 602G
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183387
(22)【出願日】2023-10-25
(31)【優先権主張番号】112113563
(32)【優先日】2023-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼偉新
(72)【発明者】
【氏名】張谷榜
(72)【発明者】
【氏名】葉峻嘉
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044KK03
5F044KK12
5F044MM25
5F044QQ02
(57)【要約】
【課題】半導体パッケージ構造とそのチップを提供する。
【解決手段】フレキシブル基板110及びチップ120を備える。チップ120は第1バンプ群121及び第2バンプ群122を有する。第1バンプ群121は複数の第1バンプを含む。第2バンプ群122は複数の第2バンプを含む。第1バンプ及び第2バンプはフレキシブル基板110の複数のリードにそれぞれ接合されている。各第2バンプの長さを各第1バンプの長さよりも長くし、リードに対する第2バンプの接合力を増加することで、リードが発生させる偏移によりバンプから脱離する或いは接合位置がずれるという問題を防止している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1回路線(111)及び複数の第2回路線(112)を有しているフレキシブル基板(110)であって、隣接する前記第1回路線の間には少なくとも1つの前記第2回路線を有し、前記第1回路線の複数の第1リード(111a)及び前記第2回路線の複数の第2リード(112a)は前記フレキシブル基板のチップボンディングエリア(110a)に位置している前記フレキシブル基板と、
表面(120a)と、第1バンプ群(121)と、少なくとも1つの第2バンプ群(122)と、を有し、第1方向(X)に沿って、前記表面には第1エリア(A)及び少なくとも1つの第2エリア(B)が定義され、前記第1バンプ群は前記第1エリアに設置されていると共に複数の第1内側バンプ(121a)及び複数の第1外側バンプ(121b)を含み、前記第2バンプ群は前記第2エリアに設置されていると共に複数の第2内側バンプ(122a)及び複数の第2外側バンプ(122b)を含み、前記第1方向と交差する第2方向(Y)に沿って、前記第1外側バンプは前記第1内側バンプよりも前記表面の長辺(120c)に接近し、前記第2外側バンプは前記第2内側バンプよりも前記長辺に接近し、前記第2方向に沿って、各前記第2内側バンプの第3長さ(H3)は各前記第1内側バンプの第1長さより長く、各前記第2外側バンプの第4長さ(H4)は各前記第1外側バンプの第2長さ(H2)より長く、前記第1内側バンプ及び前記第2内側バンプは前記第1リードにそれぞれ接合され、前記第1外側バンプ及び前記第2外側バンプは前記第2リードにそれぞれ接合され、各前記第2内側バンプと各前記第1リードとの接合面積は各前記第1内側バンプと各前記第1リードとの接合面積より大きく、各前記第2外側バンプと各前記第2リードとの接合面積は各前記第1外側バンプと各前記第2リードとの接合面積より大きいチップ(120)と、を備えていることを特徴とする半導体パッケージ構造。
【請求項2】
前記第3長さは前記第2長さ以上であり、前記第4長さは前記第1長さより長く、各前記第2外側バンプと各前記第2リードとの接合面積は各前記第1内側バンプと各前記第1リードとの接合面積より大きいことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項3】
各前記第2内側バンプと各前記第1リードとの接合面積は各前記第1外側バンプと各前記第2リードとの接合面積より大きいことを特徴とする請求項2に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項4】
前記第2方向に沿って、前記第1内側バンプに接合されている各前記第1リードは第1リードの長さ(J1)を有し、前記第2内側バンプに接合されている各前記第1リードは第3リードの長さ(J3)を有し、前記第1リードの長さは前記長辺から前記第1内側バンプの内側の端部までの距離であり、前記第3リードの長さは前記長辺から前記第2内側バンプの内側の端部までの距離であり、前記第3リードの長さは前記第1リードの長さより長いことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項5】
前記第2方向に沿って、前記第1外側バンプに接合されている各前記第2リードは第2リードの長さ(J2)を有し、前記第2外側バンプに接合されている各前記第2リードは第4リードの長さ(J4)を有し、前記第2リードの長さは前記長辺から前記第1外側バンプの内側の端部までの距離であり、前記第4リードの長さは前記長辺から前記第2外側バンプの内側の端部までの距離であり、前記第4リードの長さは前記第2リードの長さより長いことを特徴とする請求項4に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項6】
前記第1方向に沿って、前記第2エリアは前記第1エリアよりも前記表面の短辺(120b)に接近し、前記第2内側バンプは前記第1内側バンプよりも前記短辺に接近し、前記第2外側バンプは前記第1外側バンプよりも前記短辺に接近していることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項7】
仮想線(L)は前記第1方向に沿って少なくとも1つの前記第1内側バンプを通過し、前記第2方向に沿って、各前記第1外側バンプの内側の端部から前記仮想線までの間には第1距離(S1)を有し、各前記第2外側バンプの内側の端部から前記仮想線までの間には第2距離(S2)を有し、前記第1距離は前記第2距離より長いことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項8】
前記表面には少なくとも1つの第3エリア(c)が定義され、前記第1方向に沿って、前記第2エリアは第1エリアと前記第3エリアとの間に位置し、前記チップは少なくとも1つの第3バンプ群(123)を更に有し、前記第3バンプ群は前記第3エリアに設置され、前記第1方向に沿って、前記第2バンプ群は前記第1バンプ群と前記第3バンプ群との間に位置し、前記第3バンプ群は複数の第3内側バンプ(123a)及び複数の第3外側バンプ(123b)を含み、前記第2方向に沿って、前記第3外側バンプは前記第3内側バンプよりも前記長辺に接近し、前記第1方向に沿って、前記第2内側バンプは前記第3内側バンプと前記第1内側バンプとの間に位置し、前記第2外側バンプは前記第3外側バンプと前記第1外側バンプとの間に位置し、前記第2方向に沿って、各前記第3内側バンプの第5長さ(H5)は各前記第2内側バンプの前記第3長さより長く、各前記第3外側バンプの第6長さ(H6)は各前記第2外側バンプの前記第4長さより長く、前記第3内側バンプは前記第1リードに接合され、前記第3外側バンプは前記第2リードに接合され、各前記第3内側バンプと各前記第1リードとの接合面積は各前記第2内側バンプと各前記第1リードとの接合面積より大きく、各前記第3外側バンプと各前記第2リードとの接合面積は各前記第2外側バンプと各前記第2リードとの接合面積より大きいことを特徴とする請求項5に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項9】
前記第5長さは前記第4長さ以上であり、前記第6長さは前記第3長さより長く、各前記第3外側バンプと各前記第2リードとの接合面積は各前記第2内側バンプと各前記第1リードとの接合面積より大きいことを特徴とする請求項8に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項10】
各前記第3内側バンプと各前記第1リードとの接合面積は各前記第2外側バンプと各前記第2リードとの接合面積より大きいことを特徴とする請求項9に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項11】
前記第2方向に沿って、前記第3内側バンプに接合されている各前記第1リードは第5リードの長さ(J5)を有し、前記第3外側バンプに接合されている各前記第2リードは第6リードの長さ(J6)を有し、前記第5リードの長さは前記長辺から前記第3内側バンプの内側の端部までの距離であり、前記第5リードの長さは前記第3リードの長さより長く、前記第6リードの長さは前記長辺から前記第3外側バンプの内側の端部までの距離であり、前記第6リードの長さは前記第4リードの長さより長いことを特徴とする請求項8に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項12】
仮想線(L)は前記第1方向に沿って少なくとも1つの前記第1内側バンプを通過し、前記第2方向に沿って、各前記第1外側バンプの内側の端部から前記仮想線までの間には第1距離(S1)を有し、各前記第2外側バンプの内側の端部から前記仮想線までの間には第2距離(S2)を有し、各前記第3外側バンプの内側の端部から前記仮想線までの間には第3距離(S3)を有し、前記第1距離は前記第2距離より長く、前記第2距離は前記第3距離より長いことを特徴とする請求項8に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項13】
前記第1方向に沿って、前記第1エリアの幅は前記チップの総幅の40~80%を占め、前記第2エリアの幅は前記チップの前記総幅の5~15%を占め、前記第3エリアの幅は前記チップの前記総幅の5~15%を占めていることを特徴とする請求項8に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項14】
第1方向(X)に沿って、第1エリア(A)及び少なくとも1つの第2エリア(B)が定義されている表面(120a)と、
前記第1エリアに設置されていると共に複数の第1内側バンプ(121a)及び複数の第1外側バンプ(121b)を含み、前記第1方向と交差する第2方向(Y)に沿って、前記第1外側バンプは前記第1内側バンプよりも前記表面の長辺(120c)に接近している第1バンプ群(121)と、
前記第2エリアに設置されていると共に複数の第2内側バンプ(122a)及び複数の第2外側バンプ(122b)を含み、前記第2方向に沿って、前記第2外側バンプは前記第2内側バンプよりも前記長辺に接近し、前記第2方向に沿って、各前記第2内側バンプの第3長さ(H3)は各前記第1内側バンプの第1長さ(H1)より長く、各前記第2外側バンプの第4長さ(H4)は各前記第1外側バンプの第2長さ(H2)より長い少なくとも1つの第2バンプ群(122)と、を備えていることを特徴とするチップ。
【請求項15】
前記第3長さは前記第2長さ以上であり、前記第4長さは前記第1長さより長いことを特徴とする請求項14に記載のチップ。
【請求項16】
前記第1方向に沿って、各前記第1内側バンプの第1幅(W1)は各前記第1外側バンプの第2幅(W2)より広いことを特徴とする請求項14に記載のチップ。
【請求項17】
仮想線(L)は前記第1方向に沿って少なくとも1つの前記第1内側バンプを通過し、前記第2方向に沿って、各前記第1外側バンプの内側の端部から前記仮想線までの間には第1距離(S1)を有し、各前記第2外側バンプの内側の端部から前記仮想線までの間には第2距離(S2)を有し、前記第1距離は前記第2距離より長いことを特徴とする請求項14に記載のチップ。
【請求項18】
少なくとも1つの第3バンプ群(123)を更に備え、前記表面には少なくとも1つの第3エリア(C)が定義され、前記第1方向に沿って、前記第2エリアは前記第1エリアと前記第3エリアとの間に位置し、前記第3バンプ群は前記第3エリアに設置され、前記第1方向に沿って、前記第2バンプ群は前記第1バンプ群と前記第3バンプ群との間に位置し、前記第3バンプ群は複数の第3内側バンプ(123a)及び複数の第3外側バンプ(123b)を含み、前記第2方向に沿って、前記第3外側バンプは前記第3内側バンプよりも前記長辺に接近し、前記第1方向に沿って、前記第2内側バンプは前記第1内側バンプと前記第3内側バンプとの間に位置し、前記第2外側バンプは前記第1外側バンプと前記第3外側バンプとの間に位置し、前記第2方向に沿って、各前記第3内側バンプの第5長さ(H5)は各前記第2内側バンプの前記第3長さより長く、各前記第3外側バンプの第6長さ(H6)は各前記第2外側バンプの前記第4長さより長いことを特徴とする請求項14に記載のチップ。
【請求項19】
第1方向(X)に沿って、第1エリア(A)及び少なくとも1つの第2エリア(B)が定義されている表面(120a)と、
前記第1エリアに設置されている複数の第1バンプと、
前記第2エリアに設置されている複数の第2バンプであって、前記第1方向と交差する第2方向(Y)に沿って、各前記第2バンプの長さは各前記第1バンプの長さより長い複数の第2バンプと、を備えていることを特徴とするチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージ構造に関し、より詳しくは、リードが偏移する或いはバンプに接合される位置がずれる状況を防止する半導体パッケージ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体パッケージ構造は、熱圧着プロセスによりチップの複数のバンプを基板の複数のリードに接合することで、チップを基板に電気的に接続している。微細化の趨勢に対応するため、バンプのピッチを縮小し、或いは、バンプを複数配列することで、基板に電気的に接続させやすくしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来の技術では、基板がプロセス温度の影響を受けて変形した場合、バンプをリードに接合する際に、バンプに接合したリードが偏移し、例えば、中間バンプを接合するためのリードやチップの短辺に隣接するバンプのリードが偏移し、リードがバンプから脱離したり、接合位置がずれるという問題があった。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、以下の構成を採用することによって、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、上述のような問題点を解決することを課題の一例とする。すなわち、本発明は、異なる長さのバンプの設計により、リードに対するバンプの接合力を増加させ、バンプに接合されているリードが偏移してリードがバンプから脱離したり、接合位置がずれるのを防止する半導体パッケージ構造とそのチップを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。本発明の一態様に係る半導体パッケージ構造は、フレキシブル基板及びチップを備えている。前記フレキシブル基板は複数の第1回路線及び複数の第2回路線を有し、隣接する第1回路線の間には少なくとも1つの第2回路線を有し、前記第1回路線の複数の第1リード及び前記第2回路線の複数の第2リードは前記フレキシブル基板のチップボンディングエリアに位置している。前記チップは、表面と、第1バンプ群と、第2バンプ群と、を有し、第1方向に沿って、前記表面には第1エリア及び第2エリアが定義される。前記第1バンプ群は前記第1エリアに設置されていると共に複数の第1内側バンプ及び複数の第1外側バンプを含む。前記第2バンプ群は前記第2エリアに設置されていると共に複数の第2内側バンプ及び複数の第2外側バンプを含む。前記第1方向と交差する第2方向に沿って、前記第1外側バンプは前記第1内側バンプよりも前記表面の長辺に接近し、前記第2外側バンプは前記第2内側バンプよりも前記長辺に接近している。前記第2方向に沿って、各前記第2内側バンプの第3長さは各前記第1内側バンプの第1長さより長く、各前記第2外側バンプの第4長さは各前記第1外側バンプの第2長さより長い。前記第1内側バンプ及び前記第2内側バンプは前記第1リードにそれぞれ接合され、前記第1外側バンプ及び前記第2外側バンプは前記第2リードにそれぞれ接合されている。各前記第2内側バンプと各前記第1リードとの接合面積は各前記第1内側バンプと各前記第1リードとの接合面積より大きく、各前記第2外側バンプと各前記第2リードとの接合面積は各前記第1外側バンプと各前記第2リードとの接合面積より大きい。
【0007】
また、本発明の一実施態様によれば、チップが提供される。本発明に係るチップは、表面と、第1バンプ群と、第2バンプ群と、を含む。第1方向に沿って、前記表面には第1エリア及び第2エリアが定義される。前記第1バンプ群は前記第1エリアに設置されていると共に複数の第1内側バンプ及び複数の第1外側バンプを含む。前記第2バンプ群は前記第2エリアに設置されていると共に複数の第2内側バンプ及び複数の第2外側バンプを含む。前記第1方向と交差する第2方向に沿って、前記第1外側バンプは前記第1内側バンプよりも前記表面の長辺に接近し、前記第2外側バンプは前記第2内側バンプよりも前記長辺に接近している。前記第2方向に沿って、各前記第2内側バンプのそれぞれの第3長さは各前記第1内側バンプの第1長さより長く、各前記第2外側バンプの第4長さは各前記第1外側バンプの第2長さより長い。
【0008】
また、技術的課題を解決する本発明のチップは、表面と、複数の第1バンプと、複数の第2バンプと、を含む。第1方向に沿って、前記表面には第1エリア及び第2エリアが定義されている。前記第1バンプは前記第1エリアに設置され、前記第2バンプは前記第2エリアに設置されている。前記第1方向と交差する第2方向に沿って、前記第2バンプのそれぞれの長さは前記第1バンプのそれぞれの長さより長い。
【発明の効果】
【0009】
このように、本発明によれば、次のような効果がある。
本発明によると、第2バンプ群のバンプの長さが第1バンプ群のバンプの長さより長いため、リードに対する第2バンプ群の接合力が増加し、第2バンプ群に接合されているリードが偏移してバンプから脱離したり、接合位置がずれるという問題を防止している。
【0010】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例に係る半導体パッケージ構造を示す平面図である。
図2図1の部分拡大図である。
図3図1の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を通じて半導体パッケージ構造とそのチップを説明する。
【0013】
まず、図1図2を参照しながら、本発明に係る半導体パッケージ構造100の実施形態について説明する。
【0014】
本発明に係る半導体パッケージ構造100は、フレキシブル基板110及びチップ120を備え、フレキシブル基板110は複数の第1回路線111及び複数の第2回路線112を有している。本実施例では、隣接する第1回路線111の間には少なくとも1つの第2回路線112を有している。第1回路線111の複数の第1リード111a及び第2回路線112の複数の第2リード112aはフレキシブル基板110のチップボンディングエリア110aに位置し、チップ120はチップボンディングエリア110aに設置されていると共にフレキシブル基板110に電気的に接続されている。
【0015】
図2の例では、チップ120は、表面120aと、第1バンプ群121と、少なくとも1つの第2バンプ群122と、を有し、表面120aには第1エリアA及び少なくとも1つの第2エリアBが定義されている。第1方向Xに沿って、第2エリアBは第1エリアAよりも表面120aの短辺120bに接近している。本実施例では、チップ120は2つの第2バンプ群122を有し、第1バンプ群121は第2バンプ群122の間に位置している。
【0016】
図1及び図2に示すように、第1バンプ群121は第1エリアAに設置されていると共に複数の第1内側バンプ121a及び複数の第1外側バンプ121bを含み、第2バンプ群122は第2エリアBに設置されていると共に複数の第2内側バンプ122a及び複数の第2外側バンプ122bを含む。第1内側バンプ121a及び第2内側バンプ122aは第1リード111aにそれぞれ接合され、第1外側バンプ121b及び第2外側バンプ122bは第2リード112aにそれぞれ接合されている。
【0017】
第1方向Xと交差する第2方向Yに沿って、第1外側バンプ121bは第1内側バンプ121aよりも表面120aの長辺120cに接近し、第2外側バンプ122bは第2内側バンプ122aよりも長辺120cに接近している(図1及び図2参照)。第1方向Xに沿って、第2内側バンプ122aは第1内側バンプ121aよりも短辺120bに接近し、第2外側バンプ122bは第1外側バンプ121bよりも短辺120bに接近している。本実施例では、第1方向Xは横軸方向であり、第2方向Yは縦軸方向である。仮想線Lは第1方向Xに沿って少なくとも1つの第1内側バンプ121aを通過し、第2方向Yに沿って、各第1外側バンプ121bの内側の端部121b1から仮想線Lまでの間には第1距離S1を有し、各第2外側バンプ122bの内側の端部122b1から仮想線Lまでの間には第2距離S2を有し、第1距離S1は第2距離S2より長い。
【0018】
第2方向Yに沿って、各第2内側バンプ122aの第3長さH3は各第1内側バンプ121aの第1長さH1より長く、各第2外側バンプ122bの第4長さH4は各第1外側バンプ121bの第2長さH2より長い(図1及び図2参照)。本実施例では、第1方向Xに沿って、各第1内側バンプ121aの第1幅W1は各第1外側バンプ121bの第2幅W2より長く、各第2内側バンプ122aの第3幅W3は各第2外側バンプ122bの第4幅W4より長い。
【0019】
図2及び図3に示すように、第2方向Yに沿って、第1内側バンプ121aに接合されている各第1リード111aは第1リードの長さJ1を有し、第2内側バンプ122aに接合されている各第1リード111aは第3リードの長さJ3を有している。第1リードの長さJ1は長辺120cから第1内側バンプ121aの内側の端部121a1までの距離であり、第3リードの長さJ3は長辺120cから第2内側バンプ122aの内側の端部122a1までの距離であり、第3リードの長さJ3は第1リードの長さJ1より長い。
【0020】
第2方向Yに沿って、第1外側バンプ121bに接合されている各第2リード112aは第2リードの長さJ2を有し、第2外側バンプ122bに接合されている各第2リード112aは第4リードの長さJ4を有している(図2及び図3参照)。第2リードの長さJ2は長辺120cから第1外側バンプ121bの内側の端部121b1までの距離であり、第4リードの長さJ4は長辺120cから第2外側バンプ122bの内側の端部122b1までの距離であり、第4リードの長さJ4は第2リードの長さJ2より長い。
【0021】
図1及び図2に示すように、第2内側バンプ122aが第1内側バンプ121aよりも長く、第2外側バンプ122bが第1外側バンプ121bより長いため、第2内側バンプ122aと第1リード111aとの接合面積が第1内側バンプ121aと第1リード111aとの接合面積より大きくなり、第2外側バンプ122bと第2リード112aとの接合面積が第1外側バンプ121bと第2リード112aとの接合面積より大きくなり、第1リード111aに対する第2内側バンプ122aの接合力が第1リード111aに対する第1内側バンプ121aの接合力よりも強くなり、第2リード112aに対する第2外側バンプ122bの接合力が第2リード112aに対する第1外側バンプ121bの接合力よりも強くなっている。フレキシブル基板110がプロセス温度により変形したり、反りが発生すると、チップ120のバンプを配置することで、変形や反りにより生じる歪み及び応力に抵抗し、第1リード111aまたは第2リード112aが偏移してバンプから脱離したり、接合位置がずれるという問題を防止している。
【0022】
図1及び図2に示すように、本実施例では、各第2内側バンプ122aの第3長さH3は各第1外側バンプ121bの第2長さH2より短くない。好ましく、第3長さH3が第2長さH2より長く、第2内側バンプ122aと第1リード111aとの接合面積は第1外側バンプ121bと第2リード112aとの接合面積より大きいため、第2内側バンプ122aと第1リード111aとの間に好ましい接合力を有している。また、各第2外側バンプ122bの第4長さH4が各第1内側バンプ121aの第1長さH1より長いため、第2外側バンプ122bと第2リード112aとの接合面積が第1内側バンプ121aと第1リード111aとの接合面積より大きく、よって、第2外側バンプ122bと第2リード112aとの間に好ましい接合力を有している。
【0023】
図1及び図2に示すように、チップ120は少なくとも1つの第3バンプ群123を更に有し、表面120aには少なくとも1つの第3エリアCが定義されている。本実施例では、表面120aは、1つの第1エリアAと、2つの第2エリアBと、2つの第3エリアCと、を有し、第1方向Xに沿って、第1エリアAは第2エリアBの間に位置し、第2エリアBは第1エリアAと第3エリアCとの間に位置している。第3エリアCは第2エリアBよりも短辺120bに接近している。第3バンプ群123が第3エリアCに設置されることで、第1リード111a及び第2リード112aに対する第2バンプ群122及び第3バンプ群123の接合力が増加している。好ましく、第1方向Xに沿って、第1エリアAの幅D1はチップ120の総幅Dの40~80%を占め、各第2エリアBの幅D2はチップ120の総幅Dの5~15%を占め、各第3エリアCの幅D3はチップ120の総幅Dの5~15%を占めている。
【0024】
第1方向Xに沿って、第2バンプ群122は第1バンプ群121と第3バンプ群123との間に位置している(図1及び図2参照)。第3バンプ群123は複数の第3内側バンプ123a及び複数の第3外側バンプ123bを含み、第2方向Yに沿って、第3外側バンプ123bは第3内側バンプ123aよりも長辺120cに接近している。第1方向Xに沿って、第2内側バンプ122aは第3内側バンプ123aと第1内側バンプ121aとの間に位置し、第3内側バンプ123aは第2内側バンプ122aよりも短辺120bに接近し、第2外側バンプ122bは第3外側バンプ123bと第1外側バンプ121bとの間に位置し、第3外側バンプ123bは第2外側バンプ122bよりも短辺120bに接近している。第3内側バンプ123aは第1リード111aに接合され、第3外側バンプ123bは第2リード112aに接合されている。本実施例では、第2方向Yに沿って、第3外側バンプ123bのそれぞれの内側の端部123b1から仮想線Lまでの間には第3距離S3を有し、第2距離S2は第3距離S3より長い。
【0025】
図1及び図2に示すように、第2方向Yに沿って、各第3内側バンプ123aの第5長さH5は各第2内側バンプ122aの第3長さH3より長く、各第3外側バンプ123bの第6長さH6は各第2外側バンプ122bの第4長さH4より長い。本実施例では、第1方向Xに沿って、各第3内側バンプ123aの第5幅W5は各第3外側バンプ123bの第6幅W6より長い。
【0026】
図2及び図3に示すように、第2方向Yに沿って、第3内側バンプ123aに接合されている各第1リード111aは第5リードの長さJ5を有し、第3外側バンプ123bに接合されている各第2リード112aは第6リードの長さJ6を有している。第5リードの長さJ5は長辺120cから各第3内側バンプ123aの内側の端部123a1までの距離であり、第5リードの長さJ5は第3リードの長さJ3より長い。第6リードの長さJ6は長辺120cから各第3外側バンプ123bの内側の端部123b1までの距離であり、第6リードの長さJ6は第4リードの長さJ4より長い。
【0027】
図1及び図2に示すように、第3内側バンプ123aが第2内側バンプ122aより長く、第3外側バンプ123bが第2外側バンプ122bより長いため、第3内側バンプ123aと第1リード111aとの接合面積が第2内側バンプ122aと第1リード111aとの接合面積より大きくなり、第3外側バンプ123bと第2リード112aとの接合面積が第2外側バンプ122bと第2リード112aとの接合面積より大きくなり、第1リード111aに対する第3内側バンプ123aの接合力が第1リード111aに対する第2内側バンプ122aの接合力より強くなり、第2リード112aに対する第3外側バンプ123bの接合力が第2リード112aに対する第2外側バンプ122bの接合力より強くなっている。これにより、フレキシブル基板110が変形や反りにより発生する歪み及び応力に抵抗し、第3内側バンプ123aに接合されている第1リード111a或いは第3外側バンプ123bに接合されている第2リード112aが偏移して第3内側バンプ123aまたは第3外側バンプ123bから脱離する状況を防止し、且つ接合位置がずれるという問題を防止している。
【0028】
図1及び図2に示すように、好ましくは、各第3内側バンプ123aの第5長さH5は各第2外側バンプ122bの第4長さH4より短くない。本実施例では、第5長さH5が第4長さH4より長いため、第3内側バンプ123aと第1リード111aとの接合面積が第2外側バンプ122bと第2リード112aとの接合面積より大きくなり、第1リード111aに対する第3内側バンプ123aの接合力が増加している。また、各第3外側バンプ123bの第6長さH6が各第2内側バンプ122aの第3長さH3より長いため、第3外側バンプ123bと第2リード112aとの接合面積が第2内側バンプ122aと第1リード111aとの接合面積より大きくなり、第2リード112aに対する第3外側バンプ123bの接合力が増加している。
【0029】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0030】
100 半導体パッケージ構造
110 フレキシブル基板
110a チップボンディングエリア
111 第1回路線
111a 第1リード
112 第2回路線
112a 第2リード
120 チップ
120a 表面
120b 短辺
120c 長辺
121 第1バンプ群
121a 第1内側バンプ
121a1 内側の端部
121b 第1外側バンプ
121b1 内側の端部
122 第2バンプ群
122a 第2内側バンプ
122a1 内側の端部
122b 第2外側バンプ
122b1 内側の端部
123 第3バンプ群
123a 第3内側バンプ
123a1 内側の端部
123b 第3外側バンプ
123b1 内側の端部
A 第1エリア
B 第2エリア
C 第3エリア
D 幅
D1 幅
D2 幅
D3 幅
H1 第1長さ
H2 第2長さ
H3 第3長さ
H4 第4長さ
H5 第5長さ
H6 第6長さ
J1 第1リードの長さ
J2 第2リードの長さ
J3 第3リードの長さ
J4 第4リードの長さ
J5 第5リードの長さ
J6 第6リードの長さ
L 仮想線
S1 第1距離
S2 第2距離
S3 第3距離
W1 第1幅
W2 第2幅
W3 第3幅
W4 第4幅
W5 第5幅
W6 第6幅
X 第1方向
Y 第2方向
図1
図2
図3