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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152572
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】構造物のシステム
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/24 20060101AFI20241018BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
E04B1/24 R
E04B1/24 F
E04B1/58 G
E04B1/58 511H
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023193109
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2023064894の分割
【原出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000446
【氏名又は名称】岡部株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】脇田 直弥
(72)【発明者】
【氏名】倉田 高志
(72)【発明者】
【氏名】蓑和 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】丸山 喜照
(72)【発明者】
【氏名】横山 眞一
(72)【発明者】
【氏名】田口 朝康
(72)【発明者】
【氏名】西野 晃充
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA04
2E125AA33
2E125AA45
2E125AA46
2E125AB16
2E125AB17
2E125AC16
2E125AG03
2E125AG12
2E125AG27
2E125AG45
2E125BA02
2E125BA22
2E125BB02
2E125BB08
2E125BB22
2E125BB30
2E125BB35
2E125BB37
2E125BD01
2E125BE08
2E125BF06
2E125CA05
2E125CA13
2E125CA14
2E125CA82
(57)【要約】
【課題】設計を容易としつつ、下部構造物のせん断耐力を向上させた構造物のシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】下部構造物10と、下部構造物10に固定されるベースプレート20と、を備える構造物と、補強構造と、を備える構造物のシステムであって、補強構造は、構造物に生じるせん断力SFのみに抵抗するせん断力補強部200、を含む、ことを特徴とする。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部構造物と、前記下部構造物に固定されるベースプレートと、を備える構造物と、
補強構造と、
を備える構造物のシステムであって、
前記補強構造は、前記構造物に生じる力に抵抗する補強部、を含み、
前記補強部は、水平方向に沿って見て、前記ベースプレートと重なる、
ことを特徴とする構造物のシステム。
【請求項2】
前記補強部は、圧縮アンカーを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の構造物のシステム。
【請求項3】
前記補強部と前記ベースプレートとの間には隙間が設けられ、
前記隙間には間詰め材が充填される、
ことを特徴とする請求項1に記載の構造物のシステム。
【請求項4】
前記補強部は、前記ベースプレートに当接する、
ことを特徴とする請求項1に記載の構造物のシステム。
【請求項5】
前記構造物は、前記ベースプレートにそれぞれ設けられる第1ブレース及び第2ブレースを更に備え、
前記第1ブレースは、前記ベースプレートの所定の側である第1側に設けられ、
前記第2ブレースは、前記第1側とは反対の側である第2側に設けられ、
前記補強部は、前記第1側に設けられる第1補強部と、前記第2側に設けられる第2補強部と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の構造物のシステム。
【請求項6】
前記構造物に生じる力は、前記構造物に生じる水平力である、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の構造物のシステム。
【請求項7】
前記ベースプレートは、コンクリートスラブに埋設される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の構造物のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物の柱脚には、地震等の外部入力によって、柱を倒れさせるように作用する力(回転力)や、柱の長手方向に直交する方向へのせん断力が付加される。
特許文献1には、柱脚に付加されるせん断力に対する耐力(せん断耐力)を確保するために、柱と梁の交差部に設けられる接合金具をコンクリートスラブ面に接着させず、接合金具とは別に力を負担するプレート等の移動拘束部材を設ける技術が開示されている。
また、特許文献2には、鉄骨造建物の隅柱あるいは側柱となる鉄骨柱に適用したときに効果的な露出型柱脚の定着構造として、露出型柱脚の定着構造において、被覆コンクリートの水平方向への広がりが、少なくとも一方向に形成されない設置場所に位置する鉄骨柱の下端に固着されているベースプレートに、被覆コンクリートの水平方向への広がりが形成されない方向とは反対の方向に向けて水平アンカー材を接合し、被覆コンクリートに埋設した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-177135号公報
【特許文献2】特許第7194405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の構造物には、設計を容易としつつ、せん断耐力を向上させることが望まれている。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、設計を容易としつつ、構造物のせん断耐力を向上させた構造物のシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本発明の態様1に係る構造物のシステムは、下部構造物と、前記下部構造物に固定されるベースプレートと、を備える構造物と、補強構造と、を備える構造物のシステムであって、前記補強構造は、前記構造物に生じる力に抵抗する補強部、を含み、前記補強部は、水平方向に沿って見て、前記ベースプレートと重なる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、設計を容易としつつ、構造物のせん断耐力を向上させた構造物のシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】構造物の正面図である。
図2】構造物の平面図である。
図3図1に示すIII部の拡大図の第1例である。
図4図1に示すIII部の拡大図の第2例である。
図5図1に示すIII部の拡大図の第3例である。
図6図1に示すIII部の拡大図の第4例である。
図7】構造物に作用する力の模式図の第1例である。
図8】構造物に作用する力の模式図の第2例である。
図9】第2構造物の正面図の第1例である。
図10】第2構造物の正面図の第2例である。
図11】第2構造物の平面図である。
図12図9に示すXII部の拡大図の第1例である。
図13図10に示すXIII部の拡大図の第1例である。
図14図9に示すXII部の拡大図の第2例である。
図15図10に示すXIII部の拡大図の第2例である。
図16】テンプレートの平面図である。
図17】ストッパーと圧縮アンカーボルトとの位置関係を示す第1例である。
図18】ストッパーと圧縮アンカーボルトとの位置関係を示す第2例である。
図19】本発明に係る構造を基礎梁に適用した変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る構造物のシステムについて説明する。構造物のシステムは、構造物100と、補強構造と、を備える。構造物100は、例えば、物流施設等の建物において複数設けられる。補強構造は、せん断力補強部200を含む。せん断力補強部200は、構造物100に隣接して設けられる。せん断力補強部200は、構造物100を補強する。構造物100及びせん断力補強部200は、それぞれ下記の構成を備える。
【0010】
構造物100は、本実施形態において、例えば、図1に示すように、コンクリートスラブCSに埋設される。本実施形態において、構造物100がコンクリートスラブCSに埋設されるとは、構造物100の一部のみがコンクリートスラブCSに埋設された状態も含むものとする。具体的には、例えば、図1に示す構造物100において、ガセットプレート41(後述する)がコンクリートスラブCSの内部に埋設されているが、ガセットプレート41はコンクリートスラブCSに埋設されていなくてもよい。
【0011】
構造物100は、例えば、建物の耐震性能を担保するために、以下の構成を備える。
構造物100は、図1及び図2に示すように、下部構造物10と、ベースプレート20と、柱部材30と、ブレース40と、を備える。
下部構造物10は、例えば、建物における基礎部材、フーチング、基礎柱型などのコンクリート構造物である。下部構造物10は、例えば、コンクリートスラブCSである。下部構造物10には、後述する各構成が配置される。後述する各構成は、例えば、下部構造物10の内部に配置される。本実施形態においては、この状態を、構造物100がコンクリートスラブCSに埋設されることに含む。
【0012】
ベースプレート20は、下部構造物10に固定される。具体的には、ベースプレート20は、例えば、下部構造物10に対して、図1に示すように、複数の第1アンカーボルトB1によって固定される。第1アンカーボルトB1の本数は、ベースプレート20の大きさや、求められる締結力等を考慮の上適宜決定される。ベースプレート20は、例えば、鋼板である。ベースプレート20は、例えば、その他の板状の部材であってもよい。ベースプレート20は、例えば、図2に示すように四角形状である。ベースプレート20は、円状、楕円状又はその他形状であってもよい。ベースプレート20には、柱部材30の下端が接続される。なお、ベースプレート20と柱部材30との接続部には、ベースプレート20と柱部材30との接続部を補強するために不図示のリブが設けられてもよい。
【0013】
柱部材30は、建物の骨組みを形成する。柱部材30は、図1に示すように、ベースプレート20に設けられる。具体的には、柱部材30は、例えば、ベースプレート20に対して溶接により固定される。これにより、柱部材30は、ベースプレート20を介して下部構造物10に固定される。
柱部材30は、例えば、鋼材により形成される。柱部材30は、例えば、その他の材料により形成されてもよい。柱部材30は、例えば、角筒状である。柱部材30は、例えば、円筒状又はその他の形状であってもよい。
柱部材30には、例えば、ピン柱脚や、普通柱脚が好適に用いられる。柱部材30には、その他任意の構造を用いてもよい。
【0014】
ブレース40は、建物における耐震補強用部材である。ブレース40は、ベースプレート20に設けられる。ブレース40には、例えば、日鉄エンジニアリング株式会社製のアンボンドブレース(登録商標)のような座屈拘束ブレースが用いられる。ブレース40は、例えば、柱部材30及びベースプレート20の所定の側に設けられる。所定の側とは、例えば、建物において互いに隣り合う柱部材30に面する側である。ブレース40は、図1に示すように、建物において斜めに設けられる。ブレース40は、例えば、一方の端がガセットプレート41を介してベースプレート20に接続される。ブレース40の他方の端は、例えば、隣接する柱部材30の上部に接続される。
【0015】
せん断力補強部200は、下部構造物10に固定される。せん断力補強部200は、例えば、下部構造物10に対して、複数の第2アンカーボルトB2によって固定される。本実施形態において、せん断力補強部200は、例えば、せん断力補強プレート210と、複数の第2アンカーボルトB2と、を含む。この場合、せん断力補強プレート210は、複数の第2アンカーボルトB2それぞれによって下部構造物10に固定される。複数の第2アンカーボルトB2は、例えば、鉛直方向に沿って見て、ブレース40が延びる方向に並べられる。せん断力補強プレート210の端部であって柱部材30の側の端部には、図3図6に示すように、例えば、リブ220が設けられる。リブ220は、構造物100に生じるせん断力SFを複数の第2アンカーボルトB2に伝達する(詳細は後述する)。
【0016】
せん断力補強部200は、図8に示すように、構造物100に生じるせん断力SFのみに抵抗する。ここで、下部構造物10に固定されたベースプレート20は、建物に地震等によって外力が付加された際、ブレース40によって、ブレース40の軸方向に沿って押される、又は引っ張られることがある。この時、ブレース40の軸方向に沿う方向の力は、図7及び図8に示すように、鉛直方向と水平方向に分解される。鉛直方向に沿う力は、ベースプレート20及びベースプレート20を下部構造物10に固定する第1アンカーボルトB1に対して圧縮力CF又は引張力TFとして付加される。水平方向に沿う力は、ベースプレート20及びベースプレート20を下部構造物10に固定する第1アンカーボルトB1に対してせん断力SFとして付加される。
【0017】
ベースプレート20がブレース40の軸方向に沿って押された場合、図7に示すように、例えば、柱部材30を倒そうとする力、つまり柱部材30の下端を回転軸とした回転力RFが発生する。また、ブレース40の軸方向に沿う方向の力は、ベースプレート20を鉛直下方向に下部構造物10に向けて押し付けるように作用する圧縮力CFと、水平方向のうち、ベースプレート20におけるブレース40が設けられた所定の側と反対の側に向けて作用するせん断力SFと、に分解される。上述の回転力RFに対しては、ベースプレート20を下部構造物10に固定する第1アンカーボルトB1によって対抗することができる。
【0018】
ベースプレート20には、上述のように作用する圧縮力CFに加えて、柱部材30の重さ、及び柱部材30が支えている構造体の重さ(荷重)による圧縮力CFも付加されている。このとき、下部構造物10とベースプレート20との間には十分な摩擦力FFが発生する。せん断力SFに対しては、この摩擦力FFによって抵抗することができる。
【0019】
ベースプレート20がブレース40の軸方向に沿って引っ張られた場合、図8に示すように、例えば、ベースプレート20がブレース40の軸方向に沿って押された場合と反対の方向に回転力RFが発生する。また、ブレース40の軸方向に沿う方向の力は、ベースプレート20を鉛直上方向に下部構造物10から剥がすように作用する引張力TFと、水平方向のうち、ベースプレート20におけるブレース40が設けられた所定の側に向けて作用するせん断力SFと、に分解される。上述の回転力RFに対しては、ベースプレート20を下部構造物10に固定する第1アンカーボルトB1によって対抗することができる。
【0020】
ベースプレート20に対して上述のように作用する引張力TFは、柱部材30の重さと相殺される。このため、ベースプレート20に付加される鉛直方向の力は、図8に示すように、柱部材30の重さによるベースプレート20への圧縮力CFから、上述の引張力TFを引いた分の力が、圧縮力CFとしてベースプレート20に付加される。このとき、下部構造物10とベースプレート20との間には十分な摩擦力FFが発生しないため、せん断力SFに対しては、ベースプレート20を固定する第1アンカーボルトB1のみによって抵抗することが困難となる。
【0021】
このため、せん断力補強部200は、上述のようにブレース40が設けられたベースプレート20の所定の側に設けられる。これにより、ベースプレート20がブレース40の軸方向に沿って引っ張られた場合に生じるせん断力SFに対して、せん断力補強部200によって抵抗できるようにする。本実施形態において、せん断力補強部200は、以下のように配置されることで、構造物100に生じるせん断力SFのみに抵抗できるようにする。
【0022】
すなわち、せん断力補強部200は、例えば、ベースプレート20の所定の側から、水平方向に沿って見て、ベースプレート20と重なるように配置される。すなわち、せん断力補強部200は、例えば、リブ220を含んだせん断力補強部200の高さ方向の内部に、ベースプレート20の厚さが含まれるように配置される。
【0023】
具体的には、例えば、図3図6に示すように、ベースプレート20の水平方向の端部に、せん断力補強プレート210のせん断力受圧面210sが面するように配置される。せん断力受圧面210sは、ベースプレート20から伝達されるせん断力SFを受ける面である。本実施形態において、せん断力受圧面210sは、リブ220の、ベースプレート20に面する面である。せん断力補強プレート210において、リブ220は、せん断力受圧面210sを大きくするために設けられる。
【0024】
リブ220を設けることにより、例えば、せん断力補強プレート210へのせん断力SFの伝達を円滑に行うことができる。例えば、ベースプレート20と当接する面積を大きくすることで、ベースプレート20とせん断力補強プレート210との間に充填する間詰め材G(後述する)の応力を緩和することができる。例えば、せん断力補強プレート210の厚みを抑制することができる。
なお、ベースプレート20とせん断力補強プレート210が同じ厚みで段差がない場合は、リブ220は設けられなくてもよい。
【0025】
ベースプレート20に付加された水平方向の力がせん断力補強部200に伝達されるようにするために、せん断力補強部200とベースプレート20との間の構造は、例えば、以下の2形態のうちいずれかとすることが好ましい。
せん断力補強部200とベースプレート20との間の構造の第1形態として、図3及び図4に示すように、せん断力補強プレート210とベースプレート20との間には、隙間CLが設けられる。せん断力補強プレート210とベースプレート20との間の隙間CLには、間詰め材Gが充填される。間詰め材Gには、例えば、無収縮モルタルが用いられる。
【0026】
せん断力補強部200とベースプレート20との間の構造の第2形態として、図5及び図6に示すように、せん断力補強プレート210は、ベースプレート20に当接する。
ここで、ベースプレート20の、せん断力補強プレート210に面する面が上方に移動すると、せん断力補強プレート210が下部構造物10からめくり上げられるように力が作用することがある。本実施形態において、せん断力補強プレート210とベースプレート20との当接面は、例えば、図3及び図5に示すように垂直である。又は、せん断力補強プレート210とベースプレート20との当接面は、例えば、図4及び6に示すように、せん断力SFが生じる方向に直交かつ鉛直方向に直交する方向からみて、ベースプレート20の端面が上側に位置するように傾斜している。これにより、上述のようにベースプレート20によってせん断力補強部200が下部構造物10からめくり上げられるように力が作用することを抑える。
【0027】
上記のような構造とすることで、構造物100に生じるせん断力SFを、複数の第2アンカーボルトB2であってせん断力補強プレート210を下部構造物10に固定する複数の第2アンカーボルトB2に伝達できるようにする。具体的には、リブ220のせん断力受圧面210sに、ブレース40を介してベースプレート20に付加される水平方向の力が伝達されるようにする。
【0028】
本実施形態において、複数の第1アンカーボルトB1それぞれ及び複数の第2アンカーボルトB2それぞれの位置を決めるために、図16に示すように、テンプレートTが用いられる。テンプレートTは、例えば、第1アンカーボルトB1又は第2アンカーボルトB2を配置する位置に合わせた孔を有する板状の部材である。テンプレートTは、例えば、ベースプレート20用の第1テンプレートT1と、せん断力補強部200用の第2テンプレートT2と、を個別に備える。第1テンプレートT1と第2テンプレートT2とは、例えば、一体となっていてもよい。また、上述のように一体となっているテンプレートTは、分割及び連結が可能であってもよい。
【0029】
本実施形態において、第1アンカーボルトB1用、つまりベースプレート20用の第1テンプレートT1と、第2アンカーボルトB2用、つまりせん断力補強部200用の第2テンプレートT2とは、独立して設けられる。第1テンプレートT1と第2テンプレートT2とは、図16に示すように、それぞれの位置関係を固定するため、着脱可能な連結部材TCにより固定される。コンクリートスラブCSに鉄筋を配筋する時には、フープ筋Hを第1アンカーボルトB1の周囲に配置するため、連結部材TCを取り外すことが可能となる。このような連絡部材を設けることで、第1アンカーボルトB1と第2アンカーボルトB2との位置関係を確保可能とする。
テンプレートTは、上述のように第1アンカーボルトB1及び第2アンカーボルトB2の位置を決めることによって第1アンカーボルトB1及び第2アンカーボルトB2の位置精度を確保するとともに、第1アンカーボルトB1を取り巻くフープ筋Hを配置可能とする機能を有する。
【0030】
以上説明したように、本実施形態に係る構造物100によれば、構造物100に生じるせん断力SFのみに抵抗するせん断力補強部200を含む。これにより、構造物100のせん断耐力を向上させることができる。ここで、ベースプレート20によって構造物100のせん断耐力を向上させようとすると、ベースプレート20を大きくする、又は第1アンカーボルトB1の本数を増やす、第1アンカーボルトB1の径を大きくする、あるいはその全てを行う必要がある。この場合、ベースプレート20をめくり上げようとする力に対する剛性が、必要以上に高くなる。すなわち、例えば、構造物100が柱部材30を備える場合、つまり、ベースプレート20に柱部材30が取り付けられた場合における、柱部材30を倒れさせるように作用する力(回転力RF)に対する剛性(接合部の回転剛性)が必要以上に高くなる。これにより、例えば、ベースプレート20の費用が必要以上に高くなる。更に、例えば、構造物100がブレース40を備える場合、つまり、ベースプレート20にブレース40が取り付けられている場合、柱部材30に付加される力がブレース40に十分に伝達されず、ブレース40の性能を十分に活かせない原因となる。また大きなせん断力SFに対応できる既存の柱脚製品がなく、別途設計が必要となる場合がある。
【0031】
せん断力補強部200を備えることで、例えば、ベースプレート20を、接合部の回転剛性のみを考慮した構造とすることができる。したがって、構造物100の回転剛性に影響を及ぼすことなく、構造物100のせん断耐力を向上させることができる。よって、例えば、ベースプレート20を必要以上に大きくする、又は第1アンカーボルトB1を必要以上に増やすことを抑えることができる。
また、例えば、構造物100が柱部材30及びブレース40を備える場合、つまり、ベースプレート20に柱部材30及びブレース40が取り付けられている場合、柱部材30に付加される力をブレース40に十分に伝達することができる。よって、ブレース40の性能を十分に活かすことができる。更に、ベースプレート20に設けられる第1アンカーボルトB1の数を増やすことなく、第1アンカーボルトB1が負担する応力を抑えることができる。よって、ベースプレート20に設けられる第1アンカーボルトB1の曲げ抵抗を確保することができる。
【0032】
ここで、例えば、ベースプレート20に柱部材30及びブレース40が設けられている場合、構造物100に生じるせん断力SFの向きは、例えば、鉛直方向から見て、ブレース40が延びる方向に沿う。このため、ベースプレート20を、せん断耐力を考慮した構造とする場合、ブレース40が取付く方向に第1アンカーボルトB1等の増設やベースプレート20の拡大を行うため回転剛性が水平方向に対称とならない上、ベースプレート20の構造が複雑になる。構造物100がせん断力補強部200を備え、ベースプレート20を接合部の回転剛性のみを考慮した構造とすることができることで、構造物100の接合部の回転剛性を左右方向に対称とすることができる。よって、構造物100の設計を容易にすることができる。
【0033】
また、構造物100は、耐震補強用部材であるブレース40を更に備える。ブレース40は、ベースプレート20に設けられる。これにより、例えば、地震等に対する、構造物100の耐力を向上させることや、構造物100の水平変位を抑制することができ、建物全体の耐力の向上、水平変位の抑制が期待できる。
【0034】
また、構造物100は、柱部材30を更に備える。柱部材30は、ベースプレート20に設けられる。これにより、ブレース40による鉛直力と柱が支える鉛直力の合力に対して設計することができ、接合部の簡略化と設計の簡便化を図ることができる。
【0035】
また、ブレース40は、柱部材30及びベースプレート20の所定の側に設けられる。せん断力補強部200は、ベースプレート20の前記所定の側に設けられる。つまり、せん断力補強部200は、ブレース40が設けられた方向に合わせて設けられる。これにより、ブレース40によってベースプレート20が引っ張られることで生じるせん断力SFに対して、せん断力補強部200によって抵抗することができる。
【0036】
また、せん断力補強部200は、圧縮アンカーを含む。圧縮アンカーを用いることで局部的なコンクリートの破壊を誘発することなく、コンクリート部にせん断力SFを伝達することが可能となり、本発明に係る構成を実現することができる。また、公知の鉄筋等を圧縮アンカーに用いることで施工費を抑えることができる。
【0037】
また、せん断力補強部200は、せん断アンカーを含む。せん断力補強部200として公知のせん断アンカーを用いることで、工事現場等で被補強部のアンカーボルトと同様に施工することができるため、特殊な設計や新部品の開発等を行うことなく、本発明に係る構成を実現することができる。したがって、費用の増加を抑えることができる。
【0038】
また、せん断力補強部200は、水平方向に沿って見て、ベースプレート20と重なる。これにより、ベースプレート20に生じるせん断力SFに対して、せん断力補強部200によって確実に抵抗することができる。
【0039】
ここで、せん断力補強部200とベースプレート20とが直接接していると、ベースプレート20に対して柱部材30から回転力RFが付加された時、ベースプレート20によってせん断力補強部200がめくり上げられるように変形することがある。
せん断力補強部200とベースプレート20との間には隙間CLが設けられる。これにより、例えば、ベースプレート20によってせん断力補強部200がめくり上げられるように力が作用することを抑えることができる。せん断力補強部200とベースプレート20との間の隙間CLには間詰め材Gが充填される。これらにより、構造物100において、せん断力補強部200が、ベースプレート20に生じるせん断力SFのみに抵抗する構造とすることができる。また、せん断力補強部200とベースプレート20との間に生じる施工誤差を吸収することができる。
【0040】
また、せん断力補強部200は、ベースプレート20に当接する。これにより、せん断力補強部200によって構造物100にせん断耐力を付加する効果をより高めることができる。
【0041】
また、せん断力補強部200は、複数の第2アンカーボルトB2を含む。これにより、せん断力補強部200に伝達したせん断力に対して、第2アンカーボルトB2によって抵抗することができる。よって、構造物100にせん断耐力をより確実に付加することができる。
【0042】
また、構造物100は、コンクリートスラブCSに埋設される。これにより、構造物100の少なくとも一部を外部から見えないようにすることができる。よって、意匠性を向上させることができる。更に、例えば、第1アンカーボルトB1をコンクリートスラブCSの内部に埋め込むことにより、有効利用できる床面積を増加させることができる。更に、第1アンカーボルトB1がコンクリートスラブCSに埋設されることで、柱部材30にコンクリートスラブCSの支圧抵抗が付加されることを期待することができる。
【0043】
また、せん断力補強部200とベースプレート20との当接面は、垂直、又は、ベースプレート20の端面が上側に位置するように傾斜している。これにより、ベースプレート20によってせん断力補強部200がめくりあげられるように力が作用することを確実に抑えることができる。
【0044】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の構造物のシステムを、図9図19を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0045】
第2実施形態に係る構造物のシステムは、図9図11に示すように、第2せん断力補強部300として、圧縮アンカーボルト310(圧縮アンカー)と、ストッパー320と、を備える点で、構造物100と相違する。本実施形態において、圧縮アンカーボルト310はコンクリートスラブCSの内部に位置することが必要である。本実施形態において、柱部材30は、コンクリートスラブCSの内部に位置していなくてもよい。
【0046】
圧縮アンカーボルト310は、水平方向に沿って延びる。具体的には、圧縮アンカーボルト310は、例えば、水平方向のうち、鉛直方向に沿って見て、ブレース40が設けられた方向に沿って延びる。圧縮アンカーボルト310は、平行して複数並べられるようにして設けられる。圧縮アンカーボルト310は、せん断力SFのみに抵抗する。
【0047】
複数の圧縮アンカーボルト310それぞれは、例えば、ふかしコンクリート330に埋設される。ふかしコンクリート330は、例えば、図9に示すように、圧縮アンカーボルト310のみを覆うように打設される。ふかしコンクリート330は、例えば、図10に示すように、圧縮アンカーボルト310のみならず、構造物100の各構成を覆うように打設されてもよい。
【0048】
圧縮アンカーボルト310は、例えば、表面に凹凸(不図示)が設けられる。圧縮アンカーボルト310に設けられる凹凸は、例えば、公知の異形鉄筋やネジ節鉄筋の表面に設けられる形状である。圧縮アンカーボルト310がふかしコンクリート330に埋設されると、前記凹凸がふかしコンクリート330と噛み合う。これにより、圧縮アンカーボルト310に伝達される力は、ふかしコンクリート330へ徐々に伝達される。これにより、圧縮アンカーボルト310は、ふかしコンクリート330の支圧破壊を抑える機能を有する。
【0049】
ストッパー320は、複数設けられた圧縮アンカーボルト310のそれぞれの端部であって、柱部材30の側の端部に設けられる。ストッパー320は、図11に示すように、複数設けられる圧縮アンカーボルト310の端部に亘って設けられる。言い換えればストッパー320は、複数の圧縮アンカーボルト310に対して1つ設けられる。なお、ストッパー320は、例えば、分割可能であってもよい。
【0050】
ベースプレート20に付加された水平方向の力がストッパー320に伝達されるようにするために、ストッパー320とベースプレート20との間の構造は、例えば、以下の2形態のうちいずれかとする。
ストッパー320とベースプレート20との間の構造の第1形態として、図12に示すように、ストッパー320とベースプレート20との間には、隙間CLが設けられる。ストッパー320とベースプレート20との間の隙間CLには、間詰め材Gが充填される。
【0051】
ストッパー320とふかしコンクリート330との間には、例えば、図11図12に示すように、空隙CL2を設けることもできる。これにより、ストッパー320に付加される力を圧縮アンカーボルト310に伝達できるようにすることが可能である。具体的には、ストッパー320に付加される力を、圧縮アンカーボルト310とコンクリートの付着力を介してふかしコンクリート330に伝達することが可能となる。このとき、空隙CL2の大きさを調整することで、せん断力補強部200のせん断抵抗力のうち、支圧力としてふかしコンクリート330に伝達する分と、圧縮アンカーボルト310の付着力としてふかしコンクリート330に伝達する分の大きさをコントロールすることが可能である。このように、ふかしコンクリート330への伝達の態様を分けることにより、ふかしコンクリート330の一部に破壊が集中し脆性的に抵抗力を失うことを防止することができる。なお、図13に示すように、ストッパー320とふかしコンクリート330との間には、空隙CL2が設けられなくてもよい。
【0052】
圧縮アンカーボルト310の位置は、正面視において、図17に示すように、ベースプレート20の厚みの範囲にあることが好ましい。言い換えれば、図18に示すように、圧縮アンカーボルト310の位置がベースプレート20の厚みの範囲外にあることは好ましくなく、このような状態とならないように配慮することが好ましい。
圧縮アンカーボルト310の位置は、平面視において、図11に示すように、ベースプレート20の幅の範囲にあることが好ましい。
【0053】
ストッパー320とベースプレート20との間の構造の第2形態として、図14に示すように、ストッパー320は、ベースプレート20に当接する。
本実施形態において、ストッパー320とベースプレート20との当接面は、上述した第1実施形態と同様である。つまり、ストッパー320とベースプレート20との当接面は、例えば、垂直である。又は、ストッパー320とベースプレート20との当接面は、例えば、ベースプレート20の端面が上側に位置するように傾斜していてもよい。
なお、ストッパー320とベースプレート20との間の構造の第2形態において、図14に示すように、ストッパー320とふかしコンクリート330との間には、空隙CL2を設けることもできる。あるいは、図15に示すように、ストッパー320とふかしコンクリート330との間には、空隙CL2が設けられなくてもよい。
【0054】
上述した構成により、複数設けられた圧縮アンカーボルト310のそれぞれは、ストッパー320を介して、ベースプレート20に当接する。これにより、ストッパー320は、ベースプレート20に付加される水平方向の力を圧縮アンカーボルト310に伝達する。また、複数設けられた圧縮アンカーボルト310のそれぞれは、ストッパー320を介してベースプレート20に当接することでせん断力SFに抵抗する。
【0055】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本実施形態において、構造物100はコンクリートスラブCSに埋設されると説明したが、埋設されていなくてもよい。つまり、ベースプレート20及びせん断力補強部200より及びそれらの上方に位置する各構成は、下部構造物10の上において露出していてもよい。
また、ベースプレート20に付加される水平方向への力をせん断力補強部200に伝達する構成は、構造物100に限らず、例えば、図19に示すように、ブレース40が複数設けられる基礎梁400の中間において用いられてもよい。この場合、ベースプレート20に対して複数のせん断力補強部200が設けられてもよい。
また、第2実施形態において、第2せん断力補強部は、圧縮アンカーに代えてせん断アンカーを含んでもよい。
【0056】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10 下部構造物
20 ベースプレート
30 柱部材
40 ブレース
41 ガセットプレート
100 構造物
200 せん断力補強部
210 せん断力補強プレート
210s せん断力受圧面
220 リブ
300 第2せん断力補強部
310 圧縮アンカーボルト
320 ストッパー
330 ふかしコンクリート
400 基礎梁
B1 第1アンカーボルト
B2 第2アンカーボルト
CF 圧縮力
CL 隙間
CL2 空隙
CS コンクリートスラブ
FF 摩擦力
G 間詰め材
H フープ筋
RF 回転力
SF せん断力
T テンプレート
T1 第1テンプレート
T2 第2テンプレート
TC 連結部材
TF 引張力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部構造物と、前記下部構造物に固定されるベースプレートと、を備える構造物と、
補強構造と、
を備える構造物のシステムであって、
前記補強構造は、前記構造物に生じる水平力に抵抗する補強部、を含み、
前記補強部は、水平方向に沿って見て、前記ベースプレートと重な
前記補強部は、圧縮アンカーを含む、
ことを特徴とする構造物のシステム。
【請求項2】
下部構造物と、前記下部構造物に固定されるベースプレートと、を備える構造物と、
補強構造と、
を備える構造物のシステムであって、
前記補強構造は、前記構造物に生じる水平力に抵抗する補強部である補強部材、を含み、
前記補強部は、水平方向に沿って見て、前記ベースプレートと重な
前記補強部材を貫いて固定するアンカーボルトを更に備える、
ことを特徴とする構造物のシステム。
【請求項3】
下部構造物と、前記下部構造物に固定されるベースプレートと、を備える構造物と、
補強構造と、
を備える構造物のシステムであって、
前記補強構造は、前記構造物に生じる水平力に抵抗する補強部である補強部材、を含み、
前記補強部は、水平方向に沿って見て、前記ベースプレートと重なる板状部材である
ことを特徴とする構造物のシステム。
【請求項4】
前記補強部と前記ベースプレートとの間には隙間が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の構造物のシステム。
【請求項5】
前記補強部と前記ベースプレートとの間には間詰め材が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の構造物のシステム。
【請求項6】
前記補強部は、前記ベースプレートに当接する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の構造物のシステム。
【請求項7】
前記構造物は、前記ベースプレートにそれぞれ設けられる第1ブレース及び第2ブレースを更に備え、
前記第1ブレースは、前記ベースプレートの所定の側である第1側に設けられ、
前記第2ブレースは、前記第1側とは反対の側である第2側に設けられ、
前記補強部は、前記第1側に設けられる第1補強部と、前記第2側に設けられる第2補強部と、を含む、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の構造物のシステム。
【請求項8】
前記ベースプレートは、コンクリートスラブに埋設される、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の構造物のシステム。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部構造物と、前記下部構造物に固定されるベースプレートと、を備える構造物と、
補強構造と、
を備える構造物のシステムであって、
前記補強構造は、前記構造物に生じる水平力に抵抗する補強部、を含み、
前記補強部は、水平方向に沿って見て、前記ベースプレートと重なり、
前記補強部は、圧縮アンカーを含む、
ことを特徴とする構造物のシステム。
【請求項2】
前記補強部と前記ベースプレートとの間には隙間が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の構造物のシステム。
【請求項3】
前記補強部と前記ベースプレートとの間には間詰め材が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の構造物のシステム。
【請求項4】
前記補強部は、前記ベースプレートに当接する、
ことを特徴とする請求項1に記載の構造物のシステム。
【請求項5】
前記構造物は、前記ベースプレートにそれぞれ設けられる第1ブレース及び第2ブレースを更に備え、
前記第1ブレースは、前記ベースプレートの所定の側である第1側に設けられ、
前記第2ブレースは、前記第1側とは反対の側である第2側に設けられ、
前記補強部は、前記第1側に設けられる第1補強部と、前記第2側に設けられる第2補強部と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の構造物のシステム。
【請求項6】
前記ベースプレートは、コンクリートスラブに埋設される、
ことを特徴とする請求項1に記載の構造物のシステム。