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特開2024-152593プローブカード監視システムおよびその監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152593
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】プローブカード監視システムおよびその監視方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20241018BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H01L21/66 B
G01R1/073 E
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023223764
(22)【出願日】2023-12-29
(31)【優先権主張番号】112113754
(32)【優先日】2023-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】511139327
【氏名又は名称】漢民測試系統股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】陳 威廷
(72)【発明者】
【氏名】周 士瑩
【テーマコード(参考)】
2G011
4M106
【Fターム(参考)】
2G011AA17
2G011AC06
4M106AA01
4M106BA01
4M106DD10
4M106DD13
4M106DJ38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プローブカードおよびウェハに損傷を与えるリスクを減らして、測定の精度を向上させることのできるプローブカード監視システムおよびその監視方法を提供する。
【解決手段】プローブカード監視システム100は、補強板およびプリント基板を含むプローブカード110またはヘッドプレート121およびクランプ機構122を含むプローバー120のいずれかに適用され、少なくとも1つのセンサー130および制御ユニット150を含む。少なくとも1つのセンサーは、プローブカードおよびプローバーのうちの1つに配置され、少なくとも1つの軸方向においてプローブカードとプローバーの間の距離を測定する。制御ユニットは、少なくとも1つのセンサーに結合され、発報する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強板およびプリント基板を含むプローブカード、またはヘッドプレートおよびクランプ機構を含むプローバーのいずれかに適用されるプローブカード監視システムであって、
前記プローブカードおよび前記プローバーのうちの1つに配置され、少なくとも1つの軸方向において前記プローブカードと前記プローバーの間の距離を測定する少なくとも1つのセンサーと、
前記少なくとも1つのセンサーに結合され、発報するように構成された制御ユニットと、を含むプローブカード監視システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの軸方向が、X軸、Y軸、およびZ軸のうちの1つ、2つ、または3つである、請求項1に記載のプローブカード監視システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの軸方向が、X軸および/またはY軸であり、前記少なくとも1つのセンサーが、前記プローバーの前記ヘッドプレート内に配置される、請求項1に記載のプローブカード監視システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサーが、前記ヘッドプレートの前記プローブカードに近い側面に配置される、請求項3に記載のプローブカード監視システム。
【請求項5】
前記補強板が、前記少なくとも1つのセンサーと前記プリント基板の間に位置する、請求項3に記載のプローブカード監視システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの軸方向が、X軸および/またはY軸であり、前記少なくとも1つのセンサーが、前記プローブカード内に配置される、請求項1に記載のプローブカード監視システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサーが、前記プローブカードの前記ヘッドプレートに近い側面に配置される、請求項6に記載のプローブカード監視システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサーが、前記補強板内に配置される、請求項6に記載のプローブカード監視システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの軸方向が、Z軸であり、前記少なくとも1つのセンサーが、前記クランプ機構内に配置される、請求項1に記載のプローブカード監視システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのセンサーが、前記クランプ機構の前記プローブカードに近い底面に配置される、請求項9に記載のプローブカード監視システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの軸方向が、Z軸であり、前記少なくとも1つのセンサーが、前記プローブカード内に配置される、請求項1に記載のプローブカード監視システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサーが、前記プローブカードの前記クランプ機構に近い上面に配置される、請求項11に記載のプローブカード監視システム。
【請求項13】
前記プローブカードは、さらに、前記補強板上に配置された少なくとも1つのコンタクトタブを含み、前記プローブカード監視システム上の測定点が、前記少なくとも1つのコンタクトタブ上にはない、請求項1に記載のプローブカード監視システム。
【請求項14】
前記プローブカードが、さらに、前記補強板上に配置された少なくとも1つのコンタクトタブを含み、前記プローブカード監視システム上の測定点が、0.1ミリメートル(mm)~3mmの範囲のピッチだけ前記少なくとも1つのコンタクトタブから離れている、請求項1に記載のプローブカード監視システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの軸方向が、X軸および/またはY軸であり、前記プローブカード監視システム上の測定点が、前記プローブカードの周辺領域に位置する、請求項1に記載のプローブカード監視システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの軸方向が、Z軸であり、前記プローブカード監視システム上の測定点が、前記プローブカードの中央領域に位置する、請求項1に記載のプローブカード監視システム。
【請求項17】
前記プローブカードが、さらに、プローブヘッドを含み、前記中央領域が、前記プローブヘッドを配置した領域である、請求項16に記載のプローブカード監視システム。
【請求項18】
補強板およびプリント基板を含むプローブカード、またはヘッドプレートおよびクランプ機構を含むプローバーのいずれかに適用されるプローブカード監視方法であって、
前記プローブカードおよび前記プローバーのうちの1つに少なくとも1つのセンサーを配置することと、
前記少なくとも1つのセンサーから得た少なくとも1つの軸方向におけるプローブカードとプローバーの間の距離が異常条件を超えているかどうかを判断することと、
前記異常条件を超えていると、それに反応して、制御ユニットによって発報することと、を含むプローブカード監視方法。
【請求項19】
前記異常条件が設定されたワークステーションを提供することと、
前記距離を前記ワークステーションに送信して、前記異常条件を超えているかどうかを判断することと、をさらに含む、請求項18に記載のプローブカード監視方法。
【請求項20】
前記制御ユニットが、前記プローバー、前記プローバーに電気接続されたテスター、または前記ワークステーションに電気接続されたコントローラーである、請求項18に記載のプローブカード監視方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブカード監視システムおよびその監視方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体テストの分野において、継続的な技術革新と開発により、チップの微細化により、各パッド間のピッチがますます縮小するように狭くなった。したがって、ウェハテストプロセス中に悪影響を受けるクランプや過大なダウンフォースによるプローブカードのシフトのリスクが徐々に増加する。プローバーとウェハ上の測定ポイントの位置偏差は、プローブカード、ウェハ、および集積回路(integrated circuit, IC)に損傷(例えば、針焼け)を与える可能性がある。
【0003】
しかしながら、現在、テスト後、プローバーに搭載されるカメラを通してシフト(位置偏差)を確認するか、テストパットに残るプローブマークからシフト(位置偏差)があるかどうかを判断することしかできない。これらの方法は、テスト時間を長くなる可能性があり、テストプロセス中のプローブカードの状況をリアルタイムで反映することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プローバーとウェハテストポイントの位置偏差は、プローブカード、ウェハ、および集積回路(IC)に損傷(例えば、針焼け)を与える可能性がある。現在の方法では、テスト時間を引き伸ばす可能性があり、テストプロセス中のプローブカードの状況をリアルタイムで反映することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、テストプロセス中のプローブカードの状況をリアルタイムで反映し、プローブカードおよびウェハに損傷を与えるリスクを減らして、測定の精度を向上させることのできるプローブカード監視システムおよびその監視方法を提供する。
【0006】
本発明の1つの実施形態において、プローブカード監視システムは、プローブカードまたはプローバーのいずれかに適用される。プローブカードは、補強板およびプリント基板を含む。プローバーは、ヘッドプレートおよびクランプ機構を含む。プローブカード監視システムは、少なくとも1つのセンサーおよび制御ユニットを含む。少なくとも1つのセンサーは、プローブカードおよびプローバーのうちの1つに配置され、少なくとも1つの軸方向においてプローブカードとプローバー間の距離を測定する。制御ユニットは、少なくとも1つのセンサーに結合され、アラームを鳴らすように構成される。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、プローブカード監視方法は、プローブカードまたはプローバーのいずれかに適用される。プローブカードは、補強板およびプリント基板を含む。プローバーは、ヘッドプレートおよびクランプ機構を含む。プローブカード監視方法は、少なくとも以下を含む。プローブカードおよびプローバーのうちの1つに少なくとも1つのセンサーを配置する。少なくとも1つのセンサーから得た少なくとも1つの軸方向におけるプローブカードとプローバーの間の距離が異常条件を超えているかどうかを判断する。異常条件を超えていると、それに応じて、制御ユニットによって発報する。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明の実施形態は、少なくとも1つの軸方向におけるプローブカードとプローバーの間の相対距離を測定するように構成されたセンサーおよび発報制御ユニットをプローブカード監視システムに導入する。このようにして、距離の数値を監視することにより、テストプロセス中のプローブカードの状況をリアルタイムで反映し、プローブカードおよびウェハに損傷を与えるリスクを減らして、測定の精度を向上させることができる。
【0009】
上記をより理解しやすくするために、以下、図面と併せていくつかの実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は、本発明の原理をさらに理解するために含まれており、本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0011】
図1】本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視システムの概略的部分側面図である。
図2図1に基づく概略的部分拡大図である。
図3】本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視システムの概略的部分側面図である。
図4図3に基づく概略的部分拡大図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視システムの概略的部分側面図である。
図6A図5に基づく異なる視点の概略的部分拡大図である。
図6B図5に基づく異なる視点の概略的部分拡大図である。
図7】本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視システムの概略的部分側面図である。
図8A図7に基づく異なる視点の概略的部分拡大図である。
図8B図7に基づく異なる視点の概略的部分拡大図である。
図9】本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視システムの概略的部分平面図である。
図10A図1のプローブカード監視システムが監視中に位置偏差を発生したときの概略的側面図である。
図10B図5のプローブカード監視システムが監視中に位置偏差を発生したときの概略的側面図である。
図11】本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視方法の概略的フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明では、限定ではなく説明の目的で、本発明の様々な原理の完全な理解を提供するために、具体的な詳細を開示する例示的な実施形態を述べる。しかしながら、本発明の利益を享受した当業者には、本発明が本明細書に開示された具体的な詳細とは異なる他の実施形態で実施され得ることは自明である。さらに、本発明の様々な原理の記載を不明瞭にしないために、周知の装置、方法、および材料の説明は、省略され得る。
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態について完全に説明するが、本発明は、多くの異なる形態で実施することができるため、ここに記載した実施形態に限定されると解釈すべきではない。図面において、明確にするために、各領域、部品、および層の大きさおよび厚さは、実際の縮尺に基づいて作成した必要なく、一部の構成要素が省略することもできる。
【0014】
他に定義されない限り、ここで使用される全ての用語(技術および科学用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。
【0015】
本発明の実施形態は、少なくとも1つの軸方向においてプローブカード(probe card)とプローバー(prober)の間の相対距離を測定するように構成されたセンサー(sensor)および発報制御部をプローブカード監視システムに導入する。このようにして、距離の数値を監視することにより、テストプロセス中のプローブカードの状態をリアルタイムで反映し、プローブカードおよびウェハに損傷を与えるリスクを減らして、測定の精度を向上させることができる。センサーは、プローブカードおよびプローバーのうちの1つに配置することができ、少なくとも1つの軸方向は、X軸、Y軸、およびZ軸のうちの1つ、2つ、または3つであってもよい。以下、監視システムに対応するさまざまなプローブカード監視システムおよびプローブカード監視方法の実施形態について説明する。ここで、プローブカードおよびプローバーは、本発明によって限定されない任意の適切な種類のものであってもよい。
【0016】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視システムの概略的部分側面図である。図2は、図1に基づく概略的部分拡大図である。図3は、本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視システムの概略的部分側面図である。図4は、図3に基づく概略的部分拡大図である。図5は、本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視システムの概略的部分側面図である。図6Aおよび図6Bは、図5に基づく異なる視点の概略的部分拡大図である。図7は、本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視システムの概略的部分側面図である。図8Aおよび図8Bは、図7に基づく異なる視点の概略的部分拡大図である。図9は、本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視システムの概略的部分上面図である。
【0017】
強調すべきこととして、以下の実施形態は、例示的に説明するものであり、本発明をこれらの実施形態に限定するものではない。図1図2図3図4は、X軸およびY軸のうちのいずれかを監視する実施形態を説明するために使用することができ、図5図6A図6B図7図8A図8Bは、Z軸を監視する実施形態を説明するために使用することができ、図9は、X軸、Y軸、およびZ軸に対応する監視測定点の設計を説明するために使用することができ、図10A図10B、および図11は、プローブカード監視方法を説明するために使用することができる。また、少なくともプローブカードおよびプローバーを接続するコンタクトタブ(contact tab)(例えば、図6A図6B図8A、および図8Bに示したコンタクトタブ114)は、図1図3図5、および図7において、説明を明確にするために、省略されている。
【0018】
図1を参照すると、プローブカード監視システム100は、プローブカード110およびプローブカード110に接続されたプローバー120のいずれかに適用される。プローバー120は、X軸またはY軸(第1軸方向D1)上でプローブカード110とプローバー120の間の距離を測定するように構成されたヘッドプレート(head plate)121と、Z軸(第2軸方向D2)上でプローブカード110とプローバー120の間の距離を測定するように構成されたクランプ機構122とを含むことができる。ここで、クランプ機構122は、ブリッジビーム(bridge beam)であってもよいが、本発明はこれに限定されず、クランプ機構122は、他の適切なクランプ方法を使用することもできる。
【0019】
また、本実施形態において、プローブカード監視システム100は、プローバー120のヘッドプレート121内に配置されたセンサー130および制御ユニット150を含む。センサー130は、ヘッドプレート121のプローブカード110に近い側面121sに配置されてもよい。制御ユニット150は、センサー130に結合され、発報するように構成される。その結果、センサー130は、水平方向(X軸またはY軸)においてプローブカード110とプローバー120の間の直線距離を測定する。図1は、X軸方向において示された概略的側面図であってもよく、Y軸方向において示された概略的側面図であってもよい。言い換えると、センサー130は、図1に示すように、X軸および/またはY軸上に配置され、X軸および/またはY軸上でプローブカード110とプローバー120の間の直線距離を測定することができる。ここで、例えば、センサー130は、0.1ミリメートル(mm)~3mmの範囲の最短距離130dでヘッドプレート121の端部から離れている(すなわち、センサー130は、測定位置に接触していない)。センサーは、電流センサー、容量センサー、またはレーザーセンサーであってもよいが、本発明はこれに限定されない。また、制御ユニット150の具体的な例については、図11の関連する段落において説明する。
【0020】
図1および図2を参照すると、図1のプローブカード110およびヘッドプレート121は、図2において拡大されている。いくつかの実施形態において、プローブカード110は、補強板111およびプリント基板112を含む。その中に、プローバー120のヘッドプレート121におけるセンサー130の具体的な位置は、図2のセンサー130aにより示された通りであってもよい。例えば、補強板111は、センサー130aとプリント基板112の間におけることができるが、本発明はここに限定されない。
【0021】
図3を参照すると、図3のプローブカード監視システム200は、図1のプローブカード監視システム100に類似しており、違いは、プローブカード監視システム200のセンサー230がプローブカード110内に配置され、センサー230がプローブカード110のヘッドプレート121に近い側面110sに配置されることである。その結果、センサー230は、水平方向(X軸またはY軸)においてプローブカード110とプローバー120の間の直線距離を測定するように構成することができる。ここで、センサー230は、例えば、0.1mm~3mmの範囲の最短距離230dで補強板111の端部から離れている(すなわち、センサー230は、測定位置に接触していない)。
【0022】
図3および図4を参照すると、図3のプローブカード110およびヘッドプレート121は、図4において拡大されている。いくつかの実施形態において、プローブカード110におけるセンサー230の具体的な位置は、図4のセンサー230aに示された通りであってもよい。例えば、センサー230aは、補強板111内に配置することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0023】
図1図3、および図9を参照すると、さらに、上記図1および図3の構造を上面から見ると、図9に示したプローブカード監視システムになる。言い換えると、X軸上で、プローブカード監視システム上の測定点T1は、プローブカード110の周辺領域(例えば、図9の上側および下側)に位置することができ、センサーは、測定点T1によって指された2つの位置のうちの1つ(プローバー120のヘッドプレート121またはプローブカード110の補強板111内)に位置することができる。同様に、Y軸上で、プローブカード監視システム上の測定点T2は、プローブカード110の周辺領域(例えば、図9の左側および右側)に位置することができ、センサーは、測定点T2によって指された2つの位置のうちの1つ(プローバー120のヘッドプレート121またはプローブカード110の補強板111内)に位置することができる。ただし、本発明はこれに限定されない。
【0024】
図5を参照すると、図5のプローブカード監視システム300は、図1のプローブカード監視システム100に類似しており、違いは、プローブカード監視システム300のセンサー330がプローバー120のクランプ機構122内に配置され、センサー330がクランプ機構122のプローブカード110に近い底面122sに配置されることである。その結果、センサー330は、垂直方向(Z軸)においてプローブカード110とプローバー120の間の直線距離を測定するように構成することができる。ここで、センサー330は、例えば、0.1mm~3mmの範囲の最短距離330dだけクランプ機構122の端部から離れている(すなわち、センサー330は、測定位置に接触していない)。
【0025】
図5図6A図6B、および図9を参照すると、図5のプローブカード110およびクランプ機構122は、拡大されており、図6Aは、例えば、図9において左から右に見た視点で示され、図6Bは、例えば、図9において下から上に見た視点で示されている。いくつかの実施形態において、プローバー120のクランプ機構122におけるセンサー330の具体的な位置は、図6Aのセンサー330aまたは図6Bのセンサー330bによって示されている。センサー330aおよびセンサー330bのうちの1つが選択的に配置されるため、破線で示す。
【0026】
また、図7図8A図8B、および図9を参照すると、図7のプローブカード110およびクランプ機構122は、拡大されており、図8Aは、例えば、図9において左から右に見た視点で示され、図8Bは、例えば、図9で下から上に見た視点で示されている。さらに、図7図8A図8Bは、図5図6A図6Bに類似しており、違いは、図7図8A、および図8Bのプローブカード監視システムのセンサー430がプローブカード110のクランプ機構122に近い上面110tに配置されることである。ここで、センサー430は、例えば、0.1mm~3mmの範囲の最短距離430dでプローブカード110の端部から離れている(すなわち、センサー430は、測定位置に接触していない)。
【0027】
さらに、図6A図6B図8A、および図8Bに示すように、プローブカード110は、プローブヘッド113および少なくとも1つのコンタクトタブ114(必要に応じて、クランプ機構122に物理的に接続されてもよい)をさらに含む。コンタクトタブ114は、補強板111上に配置される。プローブヘッド113は、ベース113aおよびプローブ113bを含むことができる。センサーは、コンタクトタブ114の周囲に配置されてもよい。
【0028】
例えば、図6A図8A、および図9に示すように、プローブカード監視システムには、4つのコンタクトタブ114があってもよく、コンタクトタブ114のそばの補強板111には、4つの測定点T3があってもよい。センサー330aは、測定点T3によって指された4つの位置(すなわち、プローバー120のクランプ機構122またはプローブカード110の補強板111内であるが、図6Aの視点では2つの位置しか示すことができない)に位置することができる。あるいは、プローブカード監視システムの中央領域(プローブカード110のプローブヘッド113が位置する場所)も測定点T3を有することができる。センサー330bは、測定点T3によって指された位置(すなわち、プローバー120のクランプ機構122またはプローブカード110のプリント基板112内)に位置することができる。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0029】
いくつかの実施形態において、プローブカード監視システム上の測定点T3は、0.1mm~3mmの範囲のピッチだけコンタクトタブ114から離れている(すなわち、センサーは、測定位置に接触していない)。上記のピッチ設計において、コンタクトタブ114は、プローブヘッド113に隣接していてもよい。その結果、他の要因(例えば、端部の外力によって生じる垂直方向の変位)の影響を取り除き、監視の精度を向上させることができる。しかしながら、本発明はこれに限定されない。ここで、プローブカード監視システム上の測定点T1、T2、およびT3は、コンタクトタブ114上になくてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0030】
図10Aは、図1のプローブカード監視システムが監視中に位置偏差を発生したときの概略的側面図である。図10Bは、図5のプローブカード監視システムが監視中に位置偏差を発生したときの概略的側面図である。図11は、本発明のいくつかの実施形態に係るプローブカード監視方法の概略的フローチャートである。
【0031】
図1図10A、および図11を参照すると、第1軸方向D1における位置偏差およびそれに対応する監視方法の例について説明する。まず、図1に示すように、プローブカード110のプローブ113bが正しい位置L1においてウェハ10に接触しているとき、ヘッドプレート121の側面121sとプローブカード110の間の直線距離は、d1である。それに比べて、図10Aに示すように、プローブカード110がヘッドプレート121から離れる方向(例えば、図1および図10Aの右方向)に位置偏差を発生したとき、プローブカード110のプローブ113bは、偏差位置L2においてウェハ10に接触し、ヘッドプレート121とプローブカード110の間には、距離d1よりも大きい直線距離d2がある。このようにして、距離の数値を監視することにより、テストプロセス中のプローブカード110の異常(例えば、変形や変位)をリアルタイムに反映し、プローブカード110およびウェハ10に損傷を与えるリスクを減らして、測定の精度を向上させることができる。ここで、ウェハ10は、チャック(chuck)20上に配置されてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0032】
例えば、プローブカードまたはプローバーのいずれかに適用される監視方法は、以下のステップにおいて実行され、プローバーは、プローブカードをクランプすることができる。まず、少なくとも1つのセンサーをプローブカードおよびプローバーのうちの1つに配置する(ステップS200)。次に、少なくとも1つのセンサーからた少なくとも1つの軸方向におけるプローブカードとプローブの間の距離が異常条件を超えているかどうかを判断する(ステップS300)。その後、異常条件を超えていると、それに反応して、制御ユニットによって発報する(ステップS400)。
【0033】
いくつかの実施形態において、監視方法は、ステップS200とステップS300の間に、以下のステップを含むことができる。異常条件が設定されたワークステーションを提供し、距離をワークステーションに送信して異常条件を超えているかどうかを判断する(ステップS250)。言い換えると、ワークステーションは、監視範囲規格を設定し、センサーによって測定された距離データを保存してワークステーションにフィードバックし、設定された規格を超えているかどうかを判断することができるが、本発明はこれに限定されない。ここで、規格設定は、実際の設計要件に応じて決定することができるため、本発明によって限定されない。
【0034】
いくつかの実施形態において、監視方法は、ステップS300とステップS400の間に、以下のステップを含むことができる。異常条件を超えていると、それに反応して、発報するためのコマンドをプローバー、プローバーに電気接続されたテスター(tester)、またはワークステーションに電気接続されたコントローラ(図示せず)に送信する(ステップS350)。制御ユニットは、プローバー、テスター、またはコントローラであるが、本発明はこれに限定されない。ここで、コントローラは、例えば、ホスト、コンピュータなどである。
【0035】
いくつかの実施形態において、制御ユニットがプローバーまたはテスターであるとき、センサーは、ネットワーク(イーサネット(Ethernet)、RS232、RS485などの通信プロトコル)を介してプローバーまたはテスターに結合される。それに比べて、制御ユニットがコントローラであるとき、センサーおよびコントローラは、ケーブル(cable)を介して結合される。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0036】
いくつかの実施形態において、監視方法は、ウェハテスト、プローブ洗浄などの任意のプロセス中に実行することができ、適切なインターフェースに適用することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0037】
いくつかの実施形態において、プローブカード監視システムおよびその監視方法は、さらに、比較的安定したテストパラメータを得るための調整に役立ち、テスト品質を向上させることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0038】
図5図10B、および図11を参照すると、第2軸方向D2における位置偏差およびそれに対応する監視方法の例について説明する。まず、図5に示すように、プローブカード110およびウェハ10が正しい位置にあるとき、クランプ機構122とプローブカード110の間の直線距離は、d3である。それに比べて、図10Bに示すように、プローブカード110が第2軸方向D2(例えば、図5および図10Bの上下方向)において位置偏差を発生したとき、プローブカード110およびウェハ10は、偏差位置にあり、クランプ機構122とプローブカード110の間には、距離d3よりも大きい直線距離d4がある。このようにして、距離の数値を監視することにより、テストプロセス中のプローブカード110の異常(例えば変形や変位)をリアルタイムで反映し、プローブカード110およびウェハ10に損傷を与えるリスクを減らして、測定の精度を向上させることができる。
【0039】
上記の位置偏差の例およびそれに対応する監視方法は、本明細書で説明されているすべての実施形態に対応しており、実際の設計要件に応じて調整することができるため、本発明によって限定されず、センサがプローブカードおよびプローバーのうちの1つに配置され、少なくとも1つの軸方向においてプローブカードとプローバーの間の距離を測定している限り、本発明の保護範囲内にすべて含まれるものとする。
【0040】
以上のように、本発明の実施形態は、少なくとも1つの軸方向においてプローブカードとプローバーの間の相対距離を測定するように構成されたセンサをプローブカード監視システムに導入する。このようにして、距離の数値を監視することにより、テストプロセス中のプローブカードの状態をリアルタイムで反映し、プローブカードおよびウェハに損傷を与えるリスクを減らして、測定の精度を向上させることができる。
【0041】
本分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の範囲または精神から逸脱せずに、開示された実施形態に対して様々な修正および変更が可能であることが理解されよう。 これを考慮して、本発明は、以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内にある修正および変更を包含することが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0042】
プローブカード監視システムおよびその監視方法は、プローブカード監視分野に適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
10 ウェハ
20 チャック
100、200、300 プローブカード監視システム
110 プローブカード
110t 上面
110s、121s 側面
111 補強板
112 プリント基板
113 プローブヘッド
113a ベース
113b プローブ
114 コンタクトタブ
120 プローバー
121 ヘッドプレート
122 クランプ機構
122s 底面
130、130a、230、230a、330、330a、330b、430、430a、430b センサー
130d、230d、330d、430d、d1、d2、d3、d4 距離
150 制御ユニット
D1、D2 軸方向
L1、L2 偏差位置
S200、S250、S300、S350、S400 ステップ
T1、T2、T3 測定点

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
【外国語明細書】