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  • 特開-非接触式ボタン 図1
  • 特開-非接触式ボタン 図2
  • 特開-非接触式ボタン 図3A
  • 特開-非接触式ボタン 図3B
  • 特開-非接触式ボタン 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152596
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】非接触式ボタン
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/02 20060101AFI20241018BHJP
   H01H 35/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G06F3/02 D
H01H35/00 V
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002578
(22)【出願日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】112113951
(32)【優先日】2023-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517313512
【氏名又は名称】達運精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DARWIN PRECISIONS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】No.20-1, Guangfu N. Rd., Hukou Township, Hsinchu County, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】劉志宏
(72)【発明者】
【氏名】柯雅涵
(72)【発明者】
【氏名】游然▲しょう▼
(72)【発明者】
【氏名】陳星宇
【テーマコード(参考)】
5B020
5G055
【Fターム(参考)】
5B020DD01
5G055AA01
5G055AB02
5G055AC01
5G055AD01
5G055AD04
5G055AG08
(57)【要約】
【課題】非接触式ボタンを提供する。
【解決手段】非接触式ボタンは、基板、筐体、第1発光ユニット、光学撮像アセンブリ、光学スイッチアセンブリを備える。筐体は基板に取り付けられ、筐体の基板から離れた側には開口がある。第1発光ユニットは筐体に収容される。光学撮像アセンブリは筐体内に設置され、第1発光ユニットを覆い、第1発光ユニットが提供する第1光束を開口から投射される立体光学像に変換することができる。光学スイッチアセンブリは、第2発光ユニットと光学トリガスイッチを備え、光学トリガスイッチは第2発光ユニットから発せられる第2光束を検知した際に操作信号を生成でき、第2発光ユニットと光学トリガスイッチのうちの一方が基板に取り付けられ、筐体内に位置し、且つ開口に向かっており、他方が筐体上に取り付けられ、開口の隣に位置し、開口に向かっている。
【選択図】図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に取り付けられ、前記基板から離れた側に開口を有する、筐体と、
前記筐体に収容された、第1発光ユニットと、
前記筐体内に設置され、前記第1発光ユニットを覆い、前記第1発光ユニットが提供する第1光束を前記開口から投射される立体光学像に変換することができる光学撮像アセンブリと、
第2発光ユニットと光学トリガスイッチを備え、前記光学トリガスイッチは前記第2発光ユニットから発せられる第2光束を検知すると操作信号を生成でき、前記第2発光ユニットと前記光学トリガスイッチのうちのいずれか一方が前記基板に取り付けられ、前記筐体内に位置し、且つ前記開口に向かっており、他方は前記筐体上に取り付けられ、前記開口の隣に位置し、且つ前記開口に向かっている、光学スイッチアセンブリと、
を備えることを特徴とする非接触式ボタン。
【請求項2】
前記筐体が、前記開口の一側に設置され、スロットが操作方向に傾斜し、前記開口に向かっており、前記光学トリガスイッチまたは前記第2発光ユニットが設置される、設置溝を備えることを特徴とする請求項1に記載された非接触式ボタン。
【請求項3】
前記設置溝に取り付けられ、前記スロットに位置する、光学拡散ユニットを更に備えることを特徴とする請求項2に記載された非接触式ボタン。
【請求項4】
前記光学撮像アセンブリが、
前記基板に対向し、予め設定されたパターンを備える、撮像素子と、
前記撮像素子の前記基板から離れた側に配置され、前記第1光束が前記撮像素子とレンズアレイを通過した後に前記立体光学像を形成する、レンズアレイと、を備えることを特徴とする請求項1に記載された非接触式ボタン。
【請求項5】
前記光学撮像アセンブリは更にコリメート部を備え、前記基板と前記撮像素子との間に配置され、前記第1光束をコリメート光ビームに変換できることを特徴とする請求項4に記載された非接触式ボタン。
【請求項6】
前記第2発光ユニットは赤外光発光ユニットであり、前記光学トリガスイッチは赤外線センサであることを特徴とする請求項1に記載された非接触式ボタン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボタンに関するものであり、特に非接触式ボタンに関する。
【背景技術】
【0002】
ボタンは、現在非常に一般的な入力装置である。小型の電子機器から大型の機器まで、制御用のボタンが見られる。その中で、非接触式ボタンは、利用者がボタン自体に触れずに近くにいるだけで操作信号を生成できるため、より衛生的な利点がある。
【0003】
現在、立体映像を表示できる非接触式ボタンは、主に赤外線センサ(IR Sensor)を備えた赤外線検知式ボタンが主流である。しかし如何に赤外線センサの感度を十分確保して、誤動作を起こさないようにするかは大きな課題である。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、機構が簡単で組み立てが容易であり、また、一定の感度を持ち、安定して検知信号を生成できる非接触式ボタンを提供する。
【0005】
上記の利点を実現するために、本発明の一実施例は、基板、筐体、第1発光ユニット、光学撮像アセンブリ、光学スイッチアセンブリを備える非接触式ボタンを提供する。筐体は基板に取り付けられ、筐体の基板から離れた側には開口がある。第1発光ユニットは筐体に収容される。光学撮像アセンブリは筐体内に設置され、第1発光ユニットを覆い、第1発光ユニットが提供する第1光束を開口から投射される立体光学像に変換することができる。光学スイッチアセンブリは、第2発光ユニットと光学トリガスイッチを備え、光学トリガスイッチは第2発光ユニットから発せられる第2光束を検知した際に操作信号を生成でき、第2発光ユニットと光学トリガスイッチのうちの一方が基板に取り付けられ、筐体内に位置し、且つ開口に向かっており、他方が筐体上に取り付けられ、開口の隣に位置し、開口に向かっている。
【0006】
本発明の一実施例において、前記筐体は、開口の一側に設置され、スロットが操作方向に傾斜して開口に向かっており、光学トリガスイッチまたは第2発光ユニットが設置される、設置溝を備える。
【0007】
本発明の一実施例において、前記非接触式ボタンは、設置溝に取り付けられ、スロットに位置する、光学拡散ユニットを更に備える。
【0008】
本発明の一実施例において、前記光学撮像アセンブリは、撮像素子とレンズアレイを備える。撮像素子は基板に対向し、予め設定されたパターンを備える。レンズアレイは撮像素子の基板から離れた側に配置され、第1光束が撮像素子とレンズアレイを通過した後に、立体光学像を形成する。
【0009】
本発明の一実施例において、前記光学撮像アセンブリは更にコリメート部を備え、基板と撮像素子との間に配置され、第1光束をコリメート光ビームに変換することができる。
【0010】
本発明の一実施例において、前記第2発光ユニットは赤外光発光ユニットであり、光学トリガスイッチは赤外線センサである。
【0011】
上記の説明により、本発明の実施例である非接触式ボタンは、第2発光ユニットを使用し、第2発光ユニットから発せられる第2光束を検知すると光学トリガスイッチによって検知信号を生成することができ、また、第2発光ユニットと光学トリガスイッチのうちの一方が基板に設置され、他方が基板に取り付けられた筐体上に設置されることで、機構が簡単で組み立てが容易である。更に、基板に設置された第2発光ユニットまたは光学トリガスイッチは筐体の開口に向かって配置されており、より広範な作用範囲を持っているため、第2発光ユニットと光学トリガスイッチの作用範囲の重複領域が増加し、一定の感度を持ち、安定した検知信号を生成できる。
【0012】
本発明の上述した、若しくはその他の目的、特徴、利点をより明確に理解できるように、以下に実施例を挙げ、添付された図面を参照しながら、以下のように詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例であるボタンの分解図である。
図2図1における光学撮像アセンブリが立体光学像を生成する時の動作を示す模式図である。
図3A図1における光学スイッチアセンブリが作動している時の概略図である。
図3B図1における光学スイッチアセンブリが作動している時の検知範囲を示す概略図である。
図4】本発明の一実施例である光学スイッチアセンブリが作動している時の検知範囲を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の文章では、本発明の実施例に基づく記述で使用される用語、例えば、「上」「下」などの方向や位置関係の記述は図面に示された方向や位置関係に基づいている。上記の用語は本発明を説明するための便宜的なものに過ぎず、本発明を限定するものではなく、言及された要素が特定の方向で構築されなければならないことを指示または暗示していない。また、本明細書または特許請求の範囲で言及されている「第1」、「第2」などの用語は、要素(element)の名前を付けるか、異なる実施例や範囲を区別するためにのみ用いられ、要素の数に上限または下限を設けるために使用されていない。
【0015】
図1は、本発明の一実施例であるボタンの分解図である。図2は、図1における光学撮像アセンブリが立体光学像を生成する時の動作を示す模式図である。図3Aは、図1における光学スイッチアセンブリが作動している時の概略図である。図1から図3Aに示すように、本発明の実施例が提供する非接触式ボタン1は、基板2、筐体3、第1発光ユニット4、光学撮像アセンブリ5、光学スイッチアセンブリ6を備える。筐体3は基板2に取り付けられ、筐体3の基板2から離れた側には開口31がある。第1発光ユニット4は筐体3に収容される。光学撮像アセンブリ5は筐体3内に設置され、第1発光ユニット4を覆い、第1発光ユニット4が提供する第1光束L1を開口31から投射される立体光学像Pに変換することができる。光学スイッチアセンブリ6は、第2発光ユニット61と光学トリガスイッチ62を備え、光学トリガスイッチ62は第2発光ユニット61から発せられる第2光束L2を検知した際に操作信号(図示せず)を生成でき、第2発光ユニット61と光学トリガスイッチ62のうちの一方が基板2に取り付けられ、筐体3内に位置し、且つ開口31に向かっており、他方が筐体3上に取り付けられ、開口31の隣に位置し、開口31に向かっている。
【0016】
本実施例において、非接触式ボタン1は例えばエレベータのボタンであるが、これに限定されない。操作信号は例えばエレベータを操作するための信号であり、非接触式ボタン1が設置される装置の種類に応じて変更できる。筐体3の形状は例えば矩形であるが、非接触式ボタン1が必要とする形状に応じて変更できる。開口31は筐体3の形状に対応する。また、図1に示すように、筐体3は例えば設置溝32を備え、設置溝32は開口31の一側に設置され、設置溝32のスロット321は、操作方向に傾斜して開口31に向かっている。スロット321の開口(未表示)は、例えば光学撮像アセンブリ5の前に位置する。光学トリガスイッチ62または第2発光ユニット61は設置溝32内に設置される。図1に示すように、本実施例において設置溝32は1つであり、開口31の側の縁に設置されるが、詳細な位置と数はこれに限られず、光学トリガスイッチ62または第2発光ユニット61の数に基づいて決定できる。
【0017】
図1図2に示すように、非接触式ボタン1には外枠7を更に備え、外枠7はラッチ71によって筐体3に接続され、開口31を覆い、外枠7の形状は筐体3の形状に対応しており、外枠7の開口31のサイズは筐体3のサイズよりも僅かに小さく、光学撮像アセンブリ5が開口31の方向に筐体3から脱落しないようにすることができる。外枠7には、設置溝32のスロット321の位置に対応する通路72が設置されている。これにより、第2光束L2は、通路72を介して設置溝内に設置された第2発光ユニット61または光学トリガスイッチ62に出入りできる。
【0018】
第1発光ユニット4は、例えば発光ダイオード(light-emitting diode,LED)であり、その種類や発光色は限定されておらず、視覚と光学撮像アセンブリ5の必要に応じて選択できる。光学撮像アセンブリ5は、例えば数字やテキストなどの立体光学像Pを形成するために用いられるが、これに限定されない。本実施例において、光学撮像アセンブリ5の面積の大きさは、開口31の面積に対応する。設置される際、光学撮像アセンブリ5は、例えば筐体3内に取り付けられるが、これに限定されない。
【0019】
図2に示すように、本実施例において、光学撮像アセンブリ5は、撮像素子51とレンズアレイ52を備える。撮像素子51は基板2に対向し、予め設定されたパターン(図示せず)を備える。予め設定されたパターンは、立体光学像Pの形状に対応する。つまり、撮像素子51は、予め設定されたパターンによって、第1発光ユニット4からの第1光束L1の一部を遮断し、立体光学像Pの内容を決定する。レンズアレイ52は、撮像素子51の基板2から離れた側に配置され、例えば片面凸形状のレンズアレイ52であるが、両凸形状のレンズアレイ52でも構わず、実際の必要性に応じて選択できる。これにより、第1光束L1が撮像素子51とレンズアレイ52を通過した後に、非接触式ボタン1の前方(開口31の前方)に視覚効果上結像された立体光学像Pを形成することができる。
【0020】
図2に示すように、本実施例において、光学撮像アセンブリ5は、更にコリメート部53を備える。コリメート部53は、例えばフレネルレンズ(Fresnel Lens)であるが、これに限定されない。コリメート部53は、基板2と撮像素子51との間に配置され、第1発光ユニット4からの複数の第1光束L1を、大まかに開口31の方向に向かうコリメート光ビームに変換し、最終的に生成される立体光学像Pの光強度を増加させることができる。
【0021】
また、図1図2に示すように、本実施例において、光学撮像アセンブリ5は更に圧板54を備えることができる。圧板54は、例えば透明アクリル板である。図1に示すように、圧板54はレンズアレイ52を覆い、レンズアレイ52を保護して傷や汚れを防ぐために用いられる。
【0022】
図1図3Aに示すように、本実施例において、光学スイッチアセンブリ6の第2発光ユニット61は、例えば発光ダイオード(light-emitting diode,LED)であり、具体的な種類としては、例えば赤外光を生成する赤外光発光ダイオード(Infrared LED,IR LED)であるが、これに限定されない。第2発光ユニット61は、例えば基板2上に取り付けられ、開口31の前方に向けて第2光束L2を投射する。第2発光ユニット61の数と基板2上における具体的な位置は必要に応じて設置できる。第2発光ユニット61から発せられる光は別の実施例における可視光である。第2発光ユニット61は、立体光学像Pを生成するための光束の光源としても用いられる。光学トリガスイッチ62は設置溝32に取り付けられている。別の実施例では(図4を参照)、光学トリガスイッチ62は基板2にも取り付けることができるが、その場合、第2発光ユニット61は対応するように設置溝32に付け替える必要がある。光学トリガスイッチ62は、例えば赤外線センサであるが、第2光束L2の波長に応じて変更できる。第2光束L2の波長が、非接触式ボタン1が配置される環境に自然に存在しない場合、光学トリガスイッチ62が環境の影響で生じる誤作動を減少させることができる。
【0023】
図3Aに示すように、利用者の指Fが非接触式ボタン1に近づくと、第2発光ユニット61から発せられた第2光束L2は、先ず光学撮像アセンブリ5を通過し、次に利用者の指Fを照射して、その後、指Fの表面で反射されて光学トリガスイッチ62に入射する。
【0024】
また、光学撮像アセンブリ5は、双方向に光を透過可能な部材であるため、実施例では(図4を参照)、光学トリガスイッチ62が基板2上に取り付けられ、第2発光ユニット61から発せられた第2光束L2も、反射によって光学撮像アセンブリ5を透過し、光学トリガスイッチ62に検知される。この場合光学撮像アセンブリ5に追加的な穿孔を特別に設ける必要はないが、これに限定されない。
【0025】
本実施例の非接触式ボタン1は、第2発光ユニット61と光学トリガスイッチ62を両方基板2上には設置しないため、第2発光ユニット61から発せられた第2光束L2が光学撮像アセンブリ5によって反射されて光学トリガスイッチ62に誤動作を引き起こすことを避けることができる。
【0026】
図3Bは、図1における光学スイッチアセンブリ6が作動している時の検知範囲を示す概略図である。図3Bを参照すると、図3Bは第2発光ユニット61の作用範囲A1(第2光束L2を投射できる範囲)、光学トリガスイッチ62の作用範囲A2(第2光束L2を検知できる範囲)、第2光束L2が指Fに反射された後に光学トリガスイッチ62によって受信できる作用範囲A3をそれぞれ示す。図3Bから、作用範囲A3は作用範囲A1と作用範囲A2の重なり合う部分によって決まることが分かる。本実施例において、作用範囲A1が作用範囲A2よりも広範なため、非接触式ボタン1の検知感度は、主により小さな作用範囲A2の大きさによって決まる。
【0027】
図3Bから分かるように、このような配置により、基板2上に設置された部材は開口31の大きさに制限されることなく、より広範な作用範囲A1または作用範囲A2を有することができる。例えば、基板2上の部材が第2発光ユニット61である実施例では、より広範な投射面積を有し、基板2上の部材が光学トリガスイッチ62である実施例では、より広範な検知面積を有する。本実施例では、第2発光ユニット61と光学トリガスイッチ62の両方が開口31の一側には設置されないため(例えば、第2発光ユニット61と光学トリガスイッチ62は、開口31の左右両側にそれぞれ配置される)、本実施例の非接触式ボタン1はより高い検知の安定性を有することができる。
【0028】
また、図3Bに示すように、筐体3自体は、第1発光ユニット4、光学撮像アセンブリ5などの必要な部材を収容するために一定の高さを有する必要があるため、光学トリガスイッチ62が筐体3上に取り付けられる場合、光学トリガスイッチ62は立体光学像P(図示せず)に対してより近い位置にある。つまり、第2光束L2を反射する反射点が光学トリガスイッチ62に対してより近いため、非接触式ボタン1はより良い検知感度を有する。この点から見て、第2発光ユニット61が設置溝32に設置される実施例(例えば図4の実施例)では、指F(反射点)が第2発光ユニット61に近いため、反射される第2光束L2の強度は第2発光ユニット61を追加せずに増強され、非接触式ボタン1は同様により優れた検知感度を有することができる。
【0029】
また、前述の光学撮像アセンブリ5についての説明と同様に、本実施例において、第2発光ユニット61から発せられる第2光束L2は、コリメート部53を介して大まかに開口31の前方に向かって投射されるコリメート光ビームに変換した後、開口31の前方に投射される。つまり、コリメート部53は立体光学像Pの光強度を増加させるだけでなく、第2発光ユニット61が基板2上に設置される実施例では、開口31の前方に投射される光強度を増加させ、また使用中に利用者の指Fに反射される第2光束L2の強度を向上させ、非接触式ボタン1の検知精度を向上させることができる。
【0030】
更に、第2発光ユニット61を基板2上に取り付け、開口31の前方に投射する方法は、第2発光ユニット61と光学トリガスイッチ62を両方とも開口31の隣に配置し、且つ対向する両側に位置させる方法よりも、利用者の指Fが非接触式ボタン1に過度に近づいた時に、利用者の指Fが第2光束L2を遮断して光学トリガスイッチ62の検知する領域がちょうど指Fのバックライトによる影の部分に位置する可能性を回避できるため、非接触式ボタン1の検知精度が更に向上する。
【0031】
図4は、本発明の一実施例における光学スイッチアセンブリ6が作動している時の検知範囲を示す概略図である。図4の実施例において、光学トリガスイッチ62は例えば基板2上に設置され、第2発光ユニット61は例えば設置溝32内に設置される。非接触式ボタン1は、光学拡散ユニット8を更に備える。光学拡散ユニット8は、例えば設置溝32内に取り付けられ設置溝32のスロット321に位置する。
【0032】
光学拡散ユニット8は例えば透明なアクリルブロックであり、第1端81と第2端82を有し、第1端81は開口31に近く、第2端82は第2発光ユニット61に近い。第1端81には、例えば円弧状の凸面83が形成される。これにより、第2発光ユニット61から発せられる第2光束L2は、光学拡散ユニット8を介してより広範な範囲に拡散され、第2光束L2の拡散範囲は設置溝32のスロット321の大きさにより制限されないようにすることができる。光学拡散ユニット8は、例えば第1端81に光束を拡散するための艶消し表面が形成されるが、本発明は光学拡散ユニット8の具体的な構造を限定するものではない。
【0033】
上記の説明により、本発明の非接触式ボタンは、第2発光ユニットを使用し、第2発光ユニットから発せられる第2光束を検知すると光学トリガスイッチによって検知信号を生成することができ、また、第2発光ユニットと光学トリガスイッチのうちの一方が基板に設置され、他方が基板に取り付けられた筐体上に設置されることで、機構が簡単で組み立てが容易である。更に、基板に設置された第2発光ユニットまたは光学トリガスイッチは筐体の開口に向かって配置されており、より広範な作用範囲を持っているため、第2発光ユニットと光学トリガスイッチの作用範囲の重複領域が増加し、一定の感度を持ち、安定した検知信号を生成できる。
【0034】
以上、実施例を用いて本発明を開示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者は、本発明の精神範囲から逸脱することなく、いくつかの変更修飾を行うことができる。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲により限定されるものとする。
【符号の説明】
【0035】
1:非接触式ボタン
2:基板
3:筐体
31:開口
32:設置溝
321:スロット
4:第1発光ユニット
5:光学撮像アセンブリ
51:撮像素子
52:レンズアレイ
53:コリメート部
54:圧板
6:光学スイッチアセンブリ
61:第2発光ユニット
62:光学トリガスイッチ
7:外枠
71:ラッチ
72:通路
8:光学拡散ユニット
81:第1端
82:第2端
83:円弧状の凸面
L1:第1光束
L2:第2光束
A1:作用範囲
A2:作用範囲
A3:作用範囲
P:立体光学像
F:指
図1
図2
図3A
図3B
図4