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特開2024-152599積層造形されたチャネル及びポートのシーリングの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152599
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】積層造形されたチャネル及びポートのシーリングの方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/165 20170101AFI20241018BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20241018BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20241018BHJP
【FI】
B29C64/165
B33Y10/00
B33Y80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024006565
(22)【出願日】2024-01-19
(31)【優先権主張番号】18/297,926
(32)【優先日】2023-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディシンティオ、リチャード エム.
(72)【発明者】
【氏名】コッティリンガム、スリカンス シー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンタッセル、ブラッド
(57)【要約】
【課題】複雑な内部チャネルを有する目標部品を得るための積層造形方法を提供する。
【解決手段】 目標部品(150)の製造方法は、所望の目標部品を製造するための指示を積層造形システム(100)に入力するステップであって、目標部品が1以上の内部チャネル(152)を含むステップ(302)と、形成すべき1以上のポート(160)であって目標部品の外面(151)から1以上の内部チャネルまで延在する1以上のポート(160)の位置を入力するステップと、グリーン体目標部品を形成するため、積層造形システムを用いて、1以上のポートを含む目標部品を印刷するステップ(306)と、1以上の内部チャネルからの残留粉末の除去を促進するために、グリーン体目標部品上に形成された1以上のポートにアクセスすることによって1以上の内部チャネルを脱粉するステップ(308)とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標部品(150)の製造方法であって、当該方法が、
所望の目標部品(150)を積層造形するための指示を積層造形システム(100)に入力するステップ(302)であって、前記目標部品(150)が1以上の内部チャネル(152)を含む、ステップ(302)と、
形成すべき1以上のポート(160)であって前記目標部品(150)の外面(151)から前記1以上の内部チャネル(152)まで延在する1以上のポート(160)の位置を入力するステップと、
グリーン体目標部品(150)を形成するため、前記積層造形システム(100)を用いて、前記1以上のポート(160)を含む目標部品(150)を印刷するステップ(306)と、
前記1以上の内部チャネル(152)からの残留粉末の除去を促進するために、前記グリーン体目標部品(150)の1以上のポート(160)にアクセスすることによって前記1以上の内部チャネル(152)を脱粉するステップ(308)と
を含む方法。
【請求項2】
前記積層造形システムがバインダージェッティングシステムである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1以上の内部チャネル(152)内に残存する残留粉末の放逐を促進するために1以上のポート(160)を通して加圧空気を導くこと(310)、
前記1以上の内部チャネル(152)内に残存する残留粉末の放逐を促進するために1以上のポート(160)に超音波ワンドを挿入すること(312)、及び
前記1以上の内部チャネル(152)内に残存する残留粉末の放逐を促進するために1以上のポート(160)にワイヤブラシを挿入すること(314)
の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1以上の内部チャネル(152)から残留粉末を除去した後に、前記グリーン体目標部品(150)を焼結するステップ(316)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1以上の内部チャネル(152)から残留粉末を除去した後及び前記グリーン体目標部品(150)を焼結した後、1以上のポート(160)をろう付け材料で封止するために1以上のポート(160)をろう付けするステップ(318)をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1以上の内部チャネル(152)の脱粉を促進するために、前記目標部品(150)の外面(151)に対して実質的に垂直に配向した1以上のポート(160)を形成すること、及び
前記1以上の内部チャネル(152)の脱粉を促進するために、前記目標部品(150)の外面(151)に対して斜めに配向した1以上のポート(160)を形成すること
の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
当該方法が、各ポート(160)の第1の端部(162)が各ポート(160)の第2の端部(164)の直径(D2)よりも大きい直径(D1)を有するようなテーパ形状を有するポート(160)を形成するステップをさらに含んでおり、第2の端部(164)が前記1以上の内部チャネル(152)と流体連通する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記目標部品(150)を印刷するステップ(306)が、
1以上の屈曲部(158)を含む迂回経路(156)を有する1以上の内部チャネル(152)を形成するステップと、
前記目標部品(150)の外面(151)から前記目標部品(150)内に形成された1以上の内部チャネル(152)のそれぞれの内部チャネル(152)まで各々延在する複数のポート(160)を形成するステップであって、前記複数のポート(160)が実質的に等間隔に配置される、ステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記目標部品(150)を印刷するステップ(306)が、
1以上の屈曲部(158)を含む迂回経路(156)を有する1以上の内部チャネル(152)を形成するステップと、
前記目標部品(150)の外面(151)から前記目標部品(150)内に形成された1以上の内部チャネル(152)のそれぞれの内部チャネル(152)まで各々延在する複数のポート(160)を形成するステップであって、前記複数のポート(160)が、目標部品(150)を横断して可変距離(L)だけ離間している、ステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記目標部品(150)を印刷するステップ(306)が、約12mm~約100mmの範囲内の離間距離(L)だけ離間した複数のポート(160)を形成すること、及び約0.7mm~約20mmの範囲内の直径(D)を有する複数のポート(160)を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
1以上の内部チャネル(152)及び1以上の内部チャネル(152)と連通した1以上のポート(160)を有するタービン部品であって、当該タービン部品が、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の方法で製造される、タービン部品。
【請求項12】
当該タービン部品が、タービンノズルの内側端壁、タービンノズルの外側端壁又はタービンシュラウドのいずれかである、請求項11に記載のタービン部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広義には積層造形システムに関するものであり、さらに具体的には、積層造形されたポート及びチャネルを封止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バインダージェッティング積層造形(BJAM;binder jetting additive manufacturing)は、CADで決定したパターンのバインダー溶液(液体接着剤など)を粉末床に選択的に噴霧して目標部品を形成する。その層を次いで新しい粉末層でオーバーコートし、目標部品が完成するまでジェッティングプロセスを繰り返す。印刷した目標部品は、一般に、バインダー溶液を粉末内で固化させてグリーン体(例えば印刷したままの未焼成)目標部品を形成する硬化プロセスに付される。グリーン体目標部品は、次いで、ブラウン体(例えば部分焼成)目標部品が形成されるように熱を利用してグリーン体目標部品からバインダーを分解及び除去する脱脂(debinding)プロセスに付される。ブラウン体目標部品は次いで、粉末粒子を固結させて最終的な目標部品を形成する焼結プロセスに付される。
【0003】
ある種の目標部品は、目標部品の性能及び/又は耐久性を高めるため、冷却チャネルのような内部特徴を含んでいることがある。かかるチャネルは、ジェッティング及び印刷プロセスの際に形成され、未結合粉末は、脱脂及び焼結に先立って、グリーン体目標部品の内部に画成されたチャネルから(「脱粉(depowdering)」として知られるプロセスで)除去される。例えば、グリーン体目標部品の内部チャネルを脱粉するために、圧力勾配(例えば陽圧又は真空)をグリーン体目標部品の内部チャネルの第1の外部開口に適用又は誘導して、内部チャネルを通してガス(例えば空気)を急速に移動させて、チャネルの第2の外部開口から未結合粉末を除去してもよい。或いは、真空プローブ、超音波ワンド及び/又は研磨ワイヤブラシを外部開口に挿入して、未結合粉末を除去してもよい。
【0004】
グリーン体目標部品の内部特徴の複雑さ及び/又はチャネルの配向によっては、脱粉は困難及び/又は時間のかかるプロセスとなりかねない。例えば、内部チャネルは迂回路(例えば蛇行及び/又は曲がりくねった)であることがあり、未結合粉末が内部チャネルの一部に留まってしまい、焼結後の内部チャネルのサイズ及び形状にむらを生じてしまうおそれがある。さらに、未結合粉末は通例脱粉の際に内部チャネルの外部開口から除去されるので、脱粉時に外部開口が損傷してしまうおそれがある。その結果、こうして製作された内部チャネルは従前内部特徴及び/又はサイズに制約があった。
【0005】
そこで、複雑な内部チャネルが画成された目標部品を得るための改良された積層造形システム及びその作業方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、目標部品の製造方法について開示する。本方法は、所望の目標部品を製造するための指示をバインダージェッティング積層造形システムに入力することを含む。目標部品は、1以上の屈曲部を含む迂回経路によって少なくとも画成される1以上の内部チャネルを含む。本方法は、バインダージェット積層造形プロセスによって目標部品を印刷して、グリーン体目標部品を形成することをさらに含む。印刷中、目標部品の外面から1以上の内部チャネルまで延在する1以上のポートが形成される。本方法は、グリーン体目標部品上に形成された1以上のポートにアクセスすることによって、1以上の内部チャネルを脱粉することをさらに含む。
【0007】
別の態様では、目標部品の製造方法について開示する。本方法は、所望の目標部品を積層造形するための指示を積層造形システムに入力することを含む。目標部品は、1以上の内部チャネルを含む。本方法は、形成すべき1以上のポートであって目標部品の外面から1以上の内部チャネルまで延在する1以上のポートの位置を入力することをさらに含む。本方法は、さらに、目標部品を印刷してグリーン体目標部品を形成することを含む。本方法は、1以上の内部チャネルからの残留粉末の除去を促進するために、グリーン体目標部品の1以上のポートにアクセスすることによって、1以上の内部チャネルを脱粉することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の詳細な説明では、本開示技術について、添付の図面に示す例示的な実施形態を参照して、さらに詳しく説明する。
図1】例示的なバインダージェッティング積層造形システムの概略図。
図2】焼結前の例示的な目標部品の概略図。
図3図2の目標部品の細部A(図2に示す)の詳細図。
図4図2の目標部品のテーパ付きポートを含む細部A(図2に示す)の詳細図。
図5図2の目標部品の傾斜ポートを含む細部A(図2に示す)の詳細図。
図6】予備成形プラグをポートにろう付けした後の例示的な目標部品の概略図。
図7図2図6の目標部品の例示的な製造方法の流れ図。
【0009】
図面で用いた符号並びにその意味については、符号の簡単な説明の欄にまとめて示す。原則として、同一の目標部品には図面と同一の符号を付した。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の明細書及び特許請求の範囲では、多くの用語に言及するが、それらは以下の意味をもつと定義される。
【0011】
本明細書において、単数形で記載したものであっても、前後関係から別途明らかでない限り、複数の場合も含めて意味する。本明細書において、「備える」、「含む」及び「有する」という用語は、内包的なものであり、記載した構成要素以外の追加の要素が存在していてもよいことを意味する。「任意」又は「適宜」という用語は、その用語に続いて記載された事象又は状況が起きても起きなくてもよいことを意味しており、かかる記載はその事象が起こる場合と起こらない場合を包含する。
【0012】
別途記載されていない限り、本明細書において、「略」、「実質的に」及び「約」などの近似的表現は、それらで修飾された用語が、絶対的又は厳密なものではなく、当業者に自明の近似的なものにすぎないことを示す。したがって、「約」、「略」及び「実質的に」のような用語で修飾された値はその厳密な数値に限定されず、その数値の±10%の範囲内の数値を包含することを意味する。少なくとも幾つかの事例では、近似表現は、その値を測定する機器の精度に対応する。本明細書及び特許請求の範囲において、範囲が限定されていることがある。かかる範囲は互いに結合及び/又は交換可能であり、前後関係等から明らかでない限り、その範囲に含まれるあらゆる部分範囲を包含する。
【0013】
さらに、別途記載されていない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本願では単なる付票にすぎず、それらが付されたものに、数的、位置的又は階層的要件を課すものではない。さらに、例えば「第2」という場合、例えば「第1」以下又は「第3」以上のものの存在を必要とするものでも、排除するものでもない。
【0014】
本明細書において、「積層造形」又は「積層造形技術又はプロセス」という用語は、材料の層を順次層上に堆積して3次元部品を1層ずつ積層する製造プロセスをいう。連続する層を次いで部分的に溶融又は融合させて、モノリシック又は一体部品を形成する。
【0015】
本明細書において、「バインダージェッティング」又は「バインダージェット積層造形」という用語は、バインダー(例えば接着剤)を用いて粉末粒子を結着させて3次元物体を形成する積層造形技術をいう。特に、ビルドボリューム内の粉末の連続層にバインダーを選択的に堆積(又は噴射)するが、粉末及びバインダーの層は互いに接着して3次元物体を形成する。粉末は、例えば、ポリマー、金属、金属合金、セラミックスなどの材料の粒子であってもよい。バインダー印刷した目標部品は「グリーン体目標部品」とも呼ばれ、後で緻密化された最終目標部品を得るための熱処理に付してもよい。例えば、グリーン体目標部品を高温(例えば約500℃以上)に加熱する焼結炉にグリーン体目標部品を挿入して、バインダー材料を除去し、粉末粒子同士を凝結させてもよい。
【0016】
本明細書において、「グリーン体目標部品」という用語は、バインダーを除去するための熱処理に付されていない状態のバインダー印刷した目標部品又は工作物をいう。グリーン体目標部品は、粒子状物質の焼結温度への加熱によって固結されていない粒子状物質を含むことができる。グリーン体目標部品は、焼結中に十分な温度に加熱すると固結して、強い機械的特性を有する緻密化された焼結後の目標部品を形成する。そのため、グリーン体目標部品は、焼結後の目標部品(例えば92%以上、さらには98%以上)よりも相対的に低い固体密度及び高いポロシティ(例えば50%以上70%以下)を有し得る。
【0017】
本明細書において、「焼結」という用語は、グリーン体目標部品を高温に加熱することをいう。グリーン体目標部品の焼結は、1以上の段階で実施し得る。例えば、幾つかの実施形態では、焼結は、グリーン体目標部品の印刷に使用されるバインダーの少なくとも一部の熱分解を誘導するためにグリーン体目標部品を第1の高温に加熱することを含んでいてもよい。このグリーン体目標部品を、次いで、粉末粒子を一緒に固結して焼結後の固結目標部品を形成するために、第1の高温よりも高い第2の高温にさらに加熱してもよい。
【0018】
本明細書に記載の方法、システム及び装置は、目標部品の製造方法に関する。本方法は、バインダージェッティングシステムで目標部品を提供することを含んでおり、目標部品は、1以上の内部チャネルと、内部チャネル内の1以上の屈曲部によって画成される回路経路とを含む。次いで、1以上の内部チャネルの脱粉を促進するために、目標部品の外面から延在するポートを、1以上の内部チャネルと流体連通するように設ける。次いで、目標部品のポートを介して1以上の内部チャネルを脱粉する。本方法は、さらに、グリーン体目標部品を焼結すること、次いでろう付け材料を用いて予備成形プラグをポート内に封止するためにポートをろう付けすることを含む。なお、本願に記載の実施形態は、屈曲部又は迂回経路を含まないチャネルの脱粉にも使用し得る。
【0019】
図1は、バインダージェッティング法によってグリーン体目標部品150を製造(又は印刷)するのに使用される例示的な積層造形システム100の概略図である。例示的な実施形態では、目標部品150は、2以上の開口154と、2つの開口154の間に少なくとも部分的に延在する迂回(例えば蛇行、曲がりくねった)経路156を有する1以上の内部チャネル152を含む。迂回経路156は、内部チャネル152内の1以上の屈曲部158によって画成される。
【0020】
本明細書に記載の方法は、様々な部品に適用し得る。一例として、目標部品150は、ガスタービンエンジンの膨張タービン部分で使用し得るように、ガスタービンノズルの内側端壁又は外側端壁であってもよい。同様に、目標部品150は、ガスタービンエンジンの膨張タービン部分に用いるためのタービンシュラウドであってもよい。
【0021】
図に示す通り、積層造形システム100は、ハウジング102、プリントヘッド104、粉末供給アセンブリ106、及びハウジング102内のビルドチャンバ116を含む。粉末供給アセンブリ106は、粉末108の供給源を含む。粉末供給アセンブリ106は、粉末108を含む供給チャンバ112内に位置する粉末ピストン110も含む。粉末ピストン110は、供給チャンバ112内で選択的に上昇して、粉末108の一部を粉末供給チャンバ112から粉末供給口114を通して押し出すことができる。ローラ又はブレード/ワイパのようなリコータ120は粉末供給口114を横断して移動して、粉末供給チャンバ112から排出される粉末108を、作業面122を横断して、開口118からビルドチャンバ116内へと押し出すように動作し得る。
【0022】
積層造形システム100は、ビルドチャンバ116内にビルドプラットフォーム124も含む。ビルドプラットフォーム124は、印刷中のグリーン体目標部品150を支持する平坦な造形面126と、粉末供給チャンバ112からの余剰粉末108(ビルドチャンバ116内に運ばれるが、グリーン体目標部品150の印刷には使用されない粉末108)を含む粉末床128とを有する。ビルドプラットフォーム124は、プリントヘッド104に対して造形方向に沿って移動可能であり(すなわち、ビルドプラットフォーム124は、ビルドプラットフォーム124に動作可能に結合したプラットフォームアクチュエータ130によって昇降できる)、印刷中にグリーン体目標部品150の高さを選択的に変化させることができる。グリーン体目標部品150の印刷中に、リコータ120は、粉末供給チャンバ112から排出された粉末108の層を、造形プラットフォーム124の造形面126全体(或いは後続層の場合は、既設の粉末床128全体)に均す。プリントヘッド104は、印刷すべきグリーン体目標部品150の層を表す粉末108の層の上にバインダー溶液140を選択的に堆積させる。
【0023】
積層造形システム100は、任意の適切な数のプリントヘッド104を含むことができる。例えば、図に示す実施形態では、積層造形システム100は、単一のプリントヘッド104を含む。しかし、別の実施形態では、積層造形システム100は、2以上のプリントヘッド104を含んでいてもよい。粉末108の複数の層が造形面126に敷設され、プリントヘッド104は、粉末108の各々の層の上に順次バインダー溶液140をパターン状に選択的に堆積させる。ビルドプラットフォーム124は、粉末108の層の各々の敷設前及びバインダー溶液140の選択的堆積後に下降する。
【0024】
積層造形システム100は、積層造形システム100の1以上のシステム部品(例えばプリントヘッド104、粉末ピストン110、リコータ120、及び/又はプラットフォームアクチュエータ130)に結合したコンピューティングシステム142も含んでおり、コンピューティングシステム100でそれらの動作を電子的又は自動的に制御することができる。一般に、コンピューティングシステム142は、1以上のプロセッサ装置(所定のコントローラ又はコンピューティングデバイス、或いは複数のコントローラ又はコンピューティングデバイスの適切な組合せなど)を含んでいてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、コンピューティングシステム142は、様々なコンピュータ実装機能を実行するように構成された1以上のプロセッサ144及び付随する1以上のメモリデバイス146を含んでいてもよい。
【0025】
本明細書において「プロセッサ」という用語は、当技術分野でコンピュータに含まれるものとして言及される集積回路だけでなく、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジック回路(PLC)、特定用途向け集積回路その他のプログラマブル回路もいう。さらに、コンピューティングシステム142の1以上のメモリデバイス146は、概して1以上のメモリ素子、例えば限定されるものではないが、コンピュータ可読媒体(例えばランダムアクセスメモリ(RAM))、コンピュータ可読不揮発性媒体(例えばフラッシュメモリ)、フロッピーディスク、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク(MOD)、デジタル多用途ディスク(DVD)及び/又は他の適切なメモリ素子などを含むことができる。かかる1以上のメモリデバイス146は、一般に、1以上のプロセッサ144によって実行されたときに、コンピューティングシステム142が、本願に記載の方法及びアルゴリズムの1以上の態様などの、様々なコンピュータ実装機能を実行するように構成された適切なコンピュータ可読命令を記憶するように構成してもよい。さらに、コンピューティングシステム142は、ユーザインターフェース、通信回路又はモジュール、1以上の入力/出力チャネル、データ/制御バスなどの、他の適切な各種部品を含んでいてもよい。
【0026】
コンピューティングシステム142の様々な機能は、単一のプロセッサデバイスで実行してもよいし、或いは任意の数のプロセッサデバイスに分散させてもよい。後者の場合、かかる複数のプロセッサデバイスは協調して目標部品を形成し得る。例えば、コンピューティングシステム142の機能は、複数のアプリケーション特有のコントローラ、例えば積層造形デバイスコントローラ、1以上のリモートデバイス(例えばラップトップ、デスクトップ、サーバなど)の1以上のコントローラ/1以上のコンピューティングデバイスなどに分散し得る。
【0027】
例示的な実施形態では、コンピューティングシステム142は、通信リンク143を介して、粉末ピストン110、リコータ120及びプラットフォームアクチュエータ130の各々に結合される。システム142は、グリーン体目標部品150の印刷の際の積層造形システム100の部品の動作を制御する。例えば、コンピューティングシステム142は、造形面126を横断して敷設される粉末108を粉末供給チャンバ112から供給する際に、粉末ピストン110とリコータ120とが協働するようにしてもよい。同様に、システム142は、造形面126全体に敷設された粉末108の層にプリントヘッド104でバインダー溶液140を選択的に堆積させるとともに、ビルドプラットフォーム124を選択的に昇降させるようにプラットフォームアクチュエータ130を制御してもよい。
【0028】
コンピューティングシステム142は、例えば、グリーン体目標部品150のCADモデルを1以上のメモリデバイス146に格納し、CADモデルに基づいてグリーン体目標部品150を印刷するようにプリントヘッドを制御してもよい。加えて/或いは、コンピューティングシステム142は、グリーン体目標部品150の所望の幾何学的形状の1以上の入力を(例えばユーザインターフェースから)受信してもよい
【0029】
積層造形システム100を用いて、グリーン体目標部品150の所期の構造全体が形成された後、粉末108の複数の層の上及び内部にバインダー溶液140が堆積されたものを、硬化温度(例えば約25℃以上及び約100℃以下)に加熱して、バインダー溶液140中の溶媒の少なくとも一部を蒸発させてもよい。印刷したグリーン体目標部品150の加熱は、IRランプ及び/又は加熱プレート(例えば装置内で)を用いて行ってもよいし、或いは印刷したグリーン体目標部品150をオーブン内に置くことによって(例えば装置外で)行ってもよい。硬化後、バインダーは粉末108の複数の層を互いに結合する。好適なバインダーとしては、限定されるものではないが、熱可塑性バインダー、熱硬化性バインダー、並びにワックス及び糖(例えばグルコース、フルクトース、それらの誘導体又はそれらの組合せ)のような非ポリマー系バインダーが挙げられる。
【0030】
成形及び硬化後、グリーン体目標部品150(この段階では、ブラウン体目標部品150と呼ぶことができる)を、ブラウン体目標部品150の圧密化のために焼結炉(図示せず)に挿入してもよい。ブラウン体目標部品150を焼結するために、ブラウン体目標部品150は、焼結炉(図示せず)内で、適当な時間、適当な高温に加熱される。様々な実施形態では、本体目標部品150の焼結は、複数の段階で実施し得る。例えば、幾つかの実施形態では、焼結は、目標部品150を印刷に使用したバインダーの少なくとも一部の熱分解を惹起する(例えばブラウン体目標部品150を「脱脂」する)ための適切な第1の高温にブラウン体目標部品150を(適切な第1の期間)加熱することを含んでいてもよい。ブラウン体目標部品150は、次いで、粉末粒子を固結して焼結後の固結目標部品を形成ための、第1の高温よりも高い第2の高温を超える温度に加熱してもよい。
【0031】
焼結及び脱脂に先立って、目標部品150は、目標部品150の1以上の内部チャネル152から未結合粉末108を除去するために脱粉(デパウダリング)される。幾つかの実施形態では、圧力勾配(例えば陽圧又は真空)を、内部チャネル152の両端の2つの開口154の少なくとも一方に印加して、内部チャネル152を通して気体(例えば空気)を急速に移動させる。内部チャネル152を通るガスの急速な流れは、内部チャネル152からの未結合粉末108の除去を促進する。或いは、1以上の内部チャネル152から未結合粉末108を放逐するため、超音波ワンド又は研磨ワイヤブラシを2以上の開口154の少なくとも一方に挿入してもよい。
【0032】
図2は、焼結及び脱脂前の目標部品150の概略図であり、図3は、細部A(図2に示す)の詳細図である。例示的な実施形態に示すように、ポート160は、内部チャネル152の脱粉を促進するために、目標部品150の内部チャネル152及び/又は外面151に対して実質的に垂直に延在している。ポート160は、CADモデルに組み込まれ、積層及び印刷プロセスの際に目標部品150と共に製造される。ポート160は、各々、目標部品150の外面151に画成される第1の開口162と、1以上の内部チャネル152と流体連通する第2の開口164とを有する。図に示す実施形態では、ポート160の第1の開口162は、各々、目標部品150の上面153から延在している。
【0033】
幾つかの実施形態では、ポート160の第1の開口162は、各々、目標部品150の下面155又は側面157から延在する。幾つかの実施形態では、ポート開口162は、目標部品150の幾何学的形状及び複雑さに応じて、また内部チャネル152の幾何学的形状及び複雑さに応じて、複数の表面から延在する。なお、図は2次元図を示すが、目標部品150は3次元の固体物体であり、ポート160の第1の開口162は、第2の開口164と第1の開口162の間に内部チャネル152が延在するとともに、内部チャネル152の脱粉に使用するために各チャネル152の1以上の開口162又は164がオペレータ又はユーザによってアクセスできるように、どの表面から延在していてもよい。図3に最も明瞭に示されているように、例示的な実施形態では、ポート160の各々は、直径Dを有し、隣接ポート160から離間距離Lだけ離間している。離間距離Lは、各ポート160の中心軸から測定される。
【0034】
以下でさらに詳しく説明する通り、ポート160は、目標部品150の焼結後に、塞がれ、ろう付けされる。しかし、ポート160が塞がれると、閉塞ポート160は、目標部品150にストレス点を生じさせる。そのため、ポート160の数、ポート160の直径D及びポート160間の距離Lは、1以上の部品150の構造的健全性に悪影響を与えずに、脱粉のための内部チャネル152への適切なアクセスを与えるように各々最適化される。ポート160は、幾何学的形状が複雑で、直径が狭く、かつ屈曲部158が急な内部チャネル152であっても確実に脱粉できるようにする。
【0035】
幾つかの実施形態では、ポート160は、各々同一の直径Dをもつ。幾つかの実施形態では、ポートの直径Dは、目標部品150の複雑さに応じて、及び第1の開口162が画成される表面151に応じて、互いに相対的に変更し得る。例として、目標部品150の幅狭領域169は、目標部品150の幅広領域167に形成されるポートの直径Dよりも小さい直径Dで形成されたポート160を有していてもよい。幾つかの実施形態では、ポート160の直径Dは、約0.03インチ(約0.7mm)~約0.8インチ(約20mm)の範囲内にある。なお、自明であろうが、正常運転条件下での応力の少ない目標部品150の領域は、大きな直径Dで形成されたポート160を有していてもよい。また、大型の目標部品150は相対的に大きなポート160を有し得ることも自明であろう。
【0036】
同様に、幾つかの実施形態では、隣接ポート160間の離間距離L(ピッチ距離ともいう)は、目標部品150全体又は目標部品150の一部で実質的に同一(すなわち、実質的に等間隔)である。他の実施形態では、離間距離Lは、目標部品150の複雑さに応じて及び部品150内の内部チャネル152の各々の複雑さに応じて変化させてもよい。例として、目標部品150内で屈曲部158の少ない内部チャネル152の部分と比べると、迂回経路156を有するチャネル152は、脱粉のための適切なアクセスをもたらすために、経路156の迂回部分に多くのポート160が必要とされることがあり、隣接ポート160間の離間距離Lを小さくしてもよい。幾つかの実施形態では、隣接ポート160間の離間距離Lは、約0.5インチ(約12mm)~約4インチ(約100mm)の範囲とすることができる。幾つかの実施形態では、隣接ポート160間の離間距離Lは、好ましくは約1.2インチ(約30mm)である。自明であろうが、正常運転条件下で受ける応力が小さい目標部品150の領域は、離間距離Lの大きいポート160を有していてもよい。
【0037】
図4に示すように、ポート160は、ポート160の閉塞性及びろう付けを改善すべく、好ましくはテーパ状である。具体的には、例示的な実施形態では、ポート160は円錐台形に形成され、第1の開口162の直径D1は第2の開口164の直径D2よりも広い。直径D2は、脱粉のための1以上の内部チャネル152への適切なアクセスをもたらすサイズ及び配向にされる。図5に示すように、幾つかの実施形態では、ポート160の少なくとも1つは、脱粉を促進するために、内部チャネル152に対して角度θで斜めに形成される。斜めに配向したポート160は、脱粉のための内部チャネル152への向上したアクセスを促進するのに利用し得る。幾つかの実施形態では、ポート160は、傾斜していると共にテーパ状である。図6に示すように、脱粉後、ポート160は予備成形プラグ161で塞がれ、ろう付けによってポート内に固定される。その結果、迂回経路156は、両側に配置されたアクセス開口154だけで開口する。
【0038】
目標部品150を製造する例示的な方法300について、図7、さらには図1図6を参照して説明する。例示的な実施形態では、方法300は、部品150のような所望の目標部品を製造するための指示をバインダージェッティングシステムに入力するステップ302を含んでおり、所望の目標部品150は、その内部に画成された1以上の内部チャネル152を含む。1以上の内部チャネル152は、上述の通り、2以上のアクセス開口154と、例示的な実施形態では、2つの開口154の間に少なくとも部分的に延在する迂回経路156とを含む。方法300はさらに、内部チャネル152の脱粉を促進するために、各々目標部品150の外面から延在し、1以上の内部チャネル152と流体連通している複数のアクセスポート(ポート160など)を設けるステップ304を含む。
【0039】
方法300は、バインダージェット積層造形プロセスによってグリーン体目標部品150を印刷するステップ306をさらに含む。グリーン体目標部品150を印刷するためのバインダージェット積層造形は、積層造形システム100その他の適切な積層造形システムを使用して行うことができる。上述の通り、グリーン体目標部品150は、表面126のような造形面に印刷される。リコータ120のようなリコータで、造形面126を横断して粉末108の層を広げ、ヘッド104のようなプリントヘッドで、粉末108の層を横断してバインダー溶液140を選択的に堆積させる。このプロセスを繰り返して、粉末108の層を順次造形面126を横断して敷設し、バインダー溶液140を粉末108の各層に選択的に堆積させる。
【0040】
グリーン体目標部品150の印刷306後、方法300は、グリーン体目標部品150を脱粉するステップ308を含む。脱粉308は、内部チャネル152内の残留粉末を放逐するために1以上の内部チャネル152のポート160を通して加圧空気を誘導又は真空に引くこと310、1以上の内部チャネル152内の残留粉末を放逐するために内部チャネル152のポート160に超音波ワンドを挿入すること、及び1以上の内部チャネル152内の残留粉末を放逐するために1以上の内部チャネル152のポート160にワイヤブラシを挿入することの少なくともいずれかによって実行される。
【0041】
1以上の内部チャネル152の脱粉308後、方法300は、グリーン体目標部品150を焼結するステップ316、及びろう付け材料を用いてポート160内の予備成形プラグ161を封止するためにポート160をろう付けするステップ318をさらに含む。
【0042】
本願に記載の実施形態は、内部回路チャネルを含む部品を製造する際のバインダージェット積層造形の少なくとも幾つかの短所にうまく対処することができる。目標部品は、回路チャネルと流体連通して形成されたポートと共に印刷される。幾つかの実施形態では、印刷後に脱粉すべき迂回経路チャネルに容易にアクセスできるように、ポートは、テーパ付き及び/又は傾斜していてもよい。かかる迂回経路チャネルの脱粉のためのアクセスポートを含めることによって、幾何学的形状が複雑で、直径が狭く、かつ屈曲が急な入り組んだ内部チャネルであっても、印刷後にチャネル内に残存する粉末の残渣が不用意に焼結されてチャネル内に固着してしまうリスクを伴わずに、製造しかつ確実に脱粉することができるようになる。本明細書に記載の信頼性の高い脱粉技術によって、複雑な内部チャネルと共に製造される部品の全体的な構造的健全性が効果的に維持される。
【0043】
以上の説明は例示のためのものであり、限定的なものではない。例えば、上述の実施形態(及び/又はその態様)を互いに組合せて用いてもよい。さらに、特定の状況又は材料に適応させるために、本明細書に記載された技術の教示内容について、それらの範囲から逸脱せずに、数多くの修正を行うことができる。本明細書に記載した材料の寸法及び種類は本願で開示した技術のパラメーターを規定するものであるが、それらは例示にすぎず、限定的なものではない。本明細書の記載に接した当業者には、その他数多くの実施形態が自明であろう。本願で開示した技術の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載並びにそれらの均などの範囲に基づいて決定されるべきである。特許請求の範囲において、「第1」、「第2」及び「第3」という用語は、単なる付票にすぎず、それらが付されたものに数的要件を課すものではない。さらに、構造の特定なしで機能の「ための手段」という文言が請求項の限定として明示的に用いられていない限り、特許請求の範囲にミーンズプラスファンクション(means-plus-function)形式で記載された限定はなく、米国特許法112(f)条に拠って解釈されない。
【0044】
本明細書では、本開示技術の幾つかの実施形態を、最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本開示技術の実施形態を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本開示技術の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲と文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と非本質的な差しかない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【0045】
本願で開示した方法、システム及び組成物は、本願に記載した特定の実施形態に限定されるものではなく、方法のステップ、システムの構成要素及び/又は組成物の構成要素は、本願に記載の他のステップ及び/又は構成要素とは独立かつ別個に利用し得る。例えば、方法、システム及び組成物は、本願に記載の回転機械での実施だけに限定されるものではない。方法、システム及び組成物は、他の多くの用途に関して実施及び利用し得る。
【0046】
様々な実施形態の特定の特徴が、ある図面には記載され、他の図面には記載されていないこともあるが、これは便宜上のものにすぎない。さらに、以上の説明で「一実施形態」という場合、記載された特徴を備える追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈すべきではない。本開示技術の原理に則して、ある図面に記載された特徴を、他の図面に記載された特徴との組合せとして参照及び/又は特許請求の範囲に記載することができる。
【0047】
本システム及び方法を、様々な具体的実施形態で説明してきたが、特許請求の範囲に記載された技術的思想及び技術的範囲内で本技術を修正して実施し得ることは当業者には自明であろう。
【0048】
本システム及び方法は、以下の例示的な実施態様項で定義し得る。
【0049】
第1の実施態様では、目標部品の製造方法は、所望の目標部品を製造するための指示をバインダージェッティング積層造形システムに入力するステップであって、目標部品は、1以上の屈曲部を含む迂回経路によって少なくとも画成される1以上の内部チャネルを含む、ステップと、グリーン体目標部品を形成するため、バインダージェット積層造形プロセスによって目標部品を印刷するステップであって、印刷中に、目標部品の外面から1以上の内部チャネルまで延在する1以上のポートが形成される、ステップと、グリーン体目標部品上に形成された1以上のポートにアクセスすることによって1以上の内部チャネルを脱粉するステップとを含む。
【0050】
上記態様では、方法は、1以上の内部チャネル内に残存する残留粉末の放逐を促進するために1以上のポートを通して加圧空気を導くこと、1以上の内部チャネル内に残存する残留粉末の放逐を促進するために1以上のポートに超音波ワンドを挿入すること、及び1以上の内部チャネル内に残存する残留粉末の放逐を促進するために1以上のポートにワイヤブラシを挿入することの少なくともいずれかを含む。
【0051】
上記いずれかの態様では、方法は、1以上の内部チャネルから残留粉末を除去した後に、グリーン体目標部品を焼結することをさらに含む。
【0052】
上記いずれかの態様では、方法は、1以上の内部チャネルから残留粉末を除去した後及びグリーン体目標部品を焼結した後に、1以上のポートをろう付け材料で封止するために1以上のポートをろう付けすることをさらに含む。
【0053】
上記いずれかの態様では、方法は、1以上の内部チャネルの脱粉を促進するために、目標部品の外面に対して実質的に垂直に配向した1以上のポートを形成することをさらに含む。
【0054】
上記いずれかの態様では、方法は、1以上の内部チャネルの脱粉を促進するために、目標部品の外面に対して斜めに配向した1以上のポートを形成することをさらに含む。
【0055】
上記いずれかの態様では、方法は、各ポートの第1の端部が、各ポートの第2の端部の直径よりも大きい直径を有するようなテーパ形状を有するポートを形成することをさらに含んでおり、第2の端部は、1以上の内部チャネルと流体連通する。
【0056】
上記いずれかの態様では、目標部品を印刷するステップは、目標部品の外面から目標部品内に形成された内部チャネルまで各々延在する複数のポートを形成するステップであって、複数のポートが実質的に等間隔に配置される、ステップをさらに含む。
【0057】
上記いずれかの態様では、目標部品を印刷するステップは、目標部品の外面から目標部品内に形成された内部チャネルまで各々延在する複数のポートを形成するステップであって、複数のポートが目標部品を横断して可変距離だけ離間している、ステップをさらに含む。
【0058】
上記いずれかの態様では、目標部品を印刷するステップは、約0.5インチ(約12mm)~約4インチ(100mm)の範囲内の間隔で離間した複数のポートを形成すること、及び約0.03インチ(約0.7mm)~約0.8インチ(約20mm)の範囲内の直径を有する複数のポートを形成することをさらに含む。
【0059】
第2の実施態様では、目標部品の製造方法は、所望の目標部品を積層造形するための指示を積層造形システムに入力するステップであって、目標部品が、1以上の内部チャネルを含む、ステップと、形成すべき1以上のポートであって目標部品の外面から1以上の内部チャネルまで延在する1以上のポートの位置を入力するステップと、グリーン体目標部品を形成するために目標部品を印刷するステップと、1以上の内部チャネルからの残留粉末の除去を促進するために、グリーン体目標部品の1以上のポートにアクセスすることによって、1以上の内部チャネルを脱粉するステップとを含む。
【0060】
上記態様では、方法は、1以上の内部チャネル内に残存する残留粉末の放逐を促進するために1以上のポートを通して加圧空気を導くこと、1以上の内部チャネル内に残存する残留粉末の放逐を促進するために1以上のポートに超音波ワンドを挿入すること、及び1以上の内部チャネル内に残存する残留粉末の放逐を促進するために1以上のポートにワイヤブラシを挿入することの少なくともいずれかを含む、
【0061】
上記いずれかの態様では、方法は、1以上の内部チャネルから残留粉末を除去した後に、グリーン体目標部品を焼結することをさらに含む。
【0062】
上記いずれかの態様では、方法は、1以上の内部チャネルから残留粉末を除去した後及びグリーン体目標部品を焼結した後に、1以上のポートをろう付け材料で封止するために1以上のポートをろう付けすることをさらに含む。
【0063】
上記いずれかの態様では、方法は、1以上の内部チャネルの脱粉を促進するために、目標部品の外面に対して実質的に垂直に配向した1以上のポートを形成することをさらに含む。
【0064】
上記いずれかの態様では、方法は、1以上の内部チャネルの脱粉を促進するために、目標部品の外面に対して斜めに配向した1以上のポートを形成することをさらに含む。
【0065】
上記いずれかの態様では、方法は、各ポートの第1の端部が、各ポートの第2の端部の直径よりも大きい直径を有するようなテーパ形状を有するポートを形成することをさらに含んでおり、第2の端部は、1以上の内部チャネルと流体連通する。
【0066】
上記いずれかの態様では、目標部品を印刷するステップは、1以上の屈曲部を含む迂回経路を有する1以上のチャネルを形成するステップと、目標部品の外面から目標部品内に形成された1以上の内部チャネルまで各々延在する複数のポートを形成するステップであって、複数のポートが実質的に等間隔に配置される、ステップとをさらに含む。
【0067】
上記いずれかの態様では、目標部品を印刷するステップは、1以上の屈曲部を含む迂回経路を有する1以上のチャネルを形成するステップと、目標部品の外面から目標部品内に形成された1以上の内部チャネルまで各々が延在する複数のポートを形成するステップであって、複数のポートが目標部品を横断して可変距離だけ離間している、ステップとをさらに含む。
【0068】
上記いずれかの態様では、目標部品を印刷するステップは、約0.5インチ(約12mm)~約20インチ(508mm)の範囲内の離間距離だけ離間した複数のポートを形成することと、及び約0.03インチ(約0.7mm)~約0.8インチ(約20mm)の範囲内の直径を有する複数のポートを形成することをさらに含む。
【符号の説明】
【0069】
100 積層造形システム
104 プリントヘッド
128 粉末床
140 バインダ溶液
150 目標部品
151 目標部品の外面
152 内部チャネル
156 迂回経路
158 屈曲部
160 ポート
162 第1の開口
164 第2の開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】