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特開2024-152607カスタマイズ可能なシムを有する複合材補修部品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152607
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】カスタマイズ可能なシムを有する複合材補修部品
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/54 20060101AFI20241018BHJP
   B29C 70/68 20060101ALI20241018BHJP
   B64C 1/06 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B29C70/54
B29C70/68
B64C1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024017591
(22)【出願日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】18/299,421
(32)【優先日】2023-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スタール, レメルト エー.
(72)【発明者】
【氏名】ルイス, アーン ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】レジスター, ジャスティン エイチ.
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AC03
4F205AD16
4F205AG03
4F205AG28
4F205AH31
4F205HA19
4F205HA37
4F205HA45
4F205HB01
4F205HF05
4F205HT26
4F205HW02
4F205HW50
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本開示は、複合材構造システム内の複数の複合材部材を補修するために製造される補修部品及び様々なシムを含む所定数の既成の補修部品を使用して、複合材構造システムを補修するための補修システム、補修部品、及び方法を提供する。
【解決手段】一般的な態様は、複合材部材用の補修部品を含む。補修部品は、第1のフランジセクション、第2のフランジセクション、及び第1のフランジセクションと第2のフランジセクションとの間の補修セクションを含み得る。補修セクションは、複合材部材の少なくとも損傷を受けたセクションの上に配置される。補修部品はまた、第1のフランジセクション、第2のフランジセクション、及び補修セクションのうちの少なくとも1つの第1の側面に配置されて、第1の側面上の空隙を充填する少なくとも1つのシムも含む。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材部材(220、710)用の補修部品(400、511、720)であって、
第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)、
第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)、
前記第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)と前記第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)との間の補修セクション(405、815、825)であって、前記複合材部材(220、710)の少なくとも損傷を受けたセクションの上に配置された補修セクション(405、815、825)、並びに
前記第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)、前記第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)、及び前記補修セクション(405、815、825)のうちの少なくとも1つの第1の側面に配置されて、前記第1の側面上の空隙(850)を充填する少なくとも1つのシム部品(550、555、860)を備える、補修部品(400、511、720)。
【請求項2】
前記補修セクション(405、815、825)の補修面(415、827)は、前記複合材部材(220、710)の外面(817)に面し、前記空隙(850)は、前記補修面(415、827)と前記外面(817)との間にある、請求項1に記載の補修部品(400、511、720)。
【請求項3】
前記複合材部材(220、710)の前記外面(817)に画定された外部断面プロファイルが、ハット剛性(315、325、355)構造プロファイルを含む、請求項2に記載の補修部品(400、511、720)。
【請求項4】
前記補修部品(400、511、720)は、前記第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)、前記第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)、及び前記補修セクション(405、815、825)上の第1の表面(430)を含み、
前記第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)は、前記第1の表面の反対側に第2の表面(422)を含み、
前記第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)は、前記第1の表面の反対側に第3の表面(427)を含み、
前記補修部品(400、511、720)は、複数のボルト孔(440、870)を更に含み、前記複数のボルト孔(440、870)の各ボルト孔は、前記第1の表面から、前記補修面(415、827)、前記第2の表面、及び前記第3の表面のうちの1つまで、前記補修部品(400、511、720)を貫通し、前記少なくとも1つのシムを貫通して形成され、
前記補修部品(400、511、720)は、複数の締結ボルトを介して前記複合材部材(220、710)に取り付けられ、前記複数の締結ボルトの各締結ボルトは、前記複数のボルト孔(440、870)のそれぞれのボルト孔に配置されている、請求項2に記載の補修部品(400、511、720)。
【請求項5】
前記複合材部材(220、710)は、航空機(100)内のストリンガ部品を含む、請求項1に記載の補修部品(400、511、720)。
【請求項6】
前記補修部品(400、511、720)は、複合材料を含む、請求項1に記載の補修部品(400、511、720)。
【請求項7】
前記補修部品(400、511、720)は、製造長さを有し、前記補修部品(400、511、720)は、前記複合材部材(220、710)に取り付けられる前に、前記製造長さよりも短い選択可能な長さに切断されている、請求項1に記載の補修部品(400、511、720)。
【請求項8】
複合材構造システム用の補修システムであって、
複数の補修部品サブセット(510、520、530)を含む補修部品の全セットであって、それぞれの補修部品サブセット内の各補修部品は、前記複合材構造システム内の複合材部材のサブセット(220、225、235、240、250、260、265、710)を補修するための特徴を含む、補修部品の全セット、及び
損傷を受けた複合材部材と前記補修部品(511)の全セットから選択された補修部品との間の空隙を充填するように構成された既成のシム(550、555、860)のセットを備える、補修システム。
【請求項9】
前記複数の補修部品サブセット(510、520、530)の各補修部品サブセットは、
前記複合材部材のサブセットを補修するために適切なサイジング寸法を有する少なくとも1つの補修部品を備え、補修部品サブセットの各補修部品は、
第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)、
第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)、及び
前記第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)と前記第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)との間の補修セクション(405、815、825)であって、前記補修セクション(405、815、825)の補修面(415、827)に画定された内部断面プロファイルを有する、補修セクション(405、815、825)を備え、
前記補修セクション(405、815、825)は、前記複合材部材のサブセットの複合材部材の少なくとも損傷を受けたセクションの上に配置され、
前記補修面(415、827)は、前記複合材部材の外面(817)に面し、前記空隙は、前記補修面(415、827)と前記外面(817)との間にあり、
前記複合材部材は、前記外面(817)に画定された外部断面プロファイルを有し、
前記内部断面プロファイルは、所与の許容誤差内で前記外部断面プロファイルに一致する、請求項8に記載の補修システム。
【請求項10】
前記外部断面プロファイルは、ハット剛性構造プロファイルを含む、請求項9に記載の補修システム。
【請求項11】
各補修部品は、前記第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)、前記第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)、及び前記補修セクション(405、815、825)上の第1の表面を含み、
前記第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)は、前記第1の表面の反対側に第2の表面を含み、
前記第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)は、前記第1の表面の反対側に第3の表面を含み、
前記選択された補修部品は、複数のボルト孔(440、870)を更に含み、前記複数のボルト孔(440、870)の各ボルト孔は、前記第1の表面から、前記補修面(415、827)、前記第2の表面、及び前記第3の表面のうちの1つまで、前記選択された補修部品を貫通して形成され、
前記選択された補修部品は、複数の締結ボルトを介して前記損傷を受けた複合材部材に取り付けられ、前記複数の締結ボルトの各締結ボルトは、前記複数のボルト孔(440、870)のそれぞれのボルト孔に配置されている、請求項9に記載の補修システム。
【請求項12】
前記複合材構造システムは、航空機(100)を含み、前記複合材部材のサブセットは、前記航空機(100)内の複数のストリンガ部品を含み、前記損傷を受けた複合材部材は、前記航空機(100)内のストリンガを含む、請求項8に記載の補修システム。
【請求項13】
各補修部品と少なくとも1つの前記シムの各々とは、複合材料を含む、請求項8に記載の補修システム。
【請求項14】
各補修部品は、製造長さを有し、それぞれの補修部品は、前記損傷を受けた複合材部材に取り付けられる前に、前記製造長さよりも短い選択可能な長さに切断されている、請求項8に記載の補修システム。
【請求項15】
複合材部材を補修するための方法(600)であって、
配置された補修部品(400、511、720)と前記複合材部材との間の空隙を特定すること(615)、
前記空隙を充填するために、補修部品システムから少なくとも1つのシム部品(550、555、860)を選択すること(620)、
前記空隙を充填するために前記少なくとも1つのシムを配置すること(625)、及び
前記配置された補修部品(400、511、720)と前記少なくとも1つのシムとを前記複合材部材に取り付けること(630)を含む、方法(600)。
【請求項16】
前記複合材部材の外部断面プロファイルに基づいて、前記補修部品(400、511、720)システムから前記複合材部材の損傷を受けたセクション用の補修部品(400、511、720)を選択すること(605)、及び
前記補修部品(400、511、720)の第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)が、前記複合材部材の第1の側面に配置され、前記補修部品(400、511、720)の第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)が、前記複合材部材の第2の側面の上に配置され、前記第1のフランジセクションと前記第2のフランジセクションとの間の前記補修部品(400、511、720)の補修セクション(405、815、825)が、前記複合材部材の少なくとも前記損傷を受けたセクションの上に配置されるように、前記補修部品(400、511、720)を前記損傷を受けたセクションの上に配置すること(610)を更に含む、請求項15に記載の方法(600)。
【請求項17】
前記補修セクション(405、815、825)は、前記補修セクション(405、815、825)の補修面(415、827)に画定された内部断面プロファイルを有し、前記補修面(415、827)は、前記複合材部材の外面(817)に面し、前記複合材部材は、前記外面(817)に画定された外部ハット剛性構造プロファイルを有し、前記内部断面プロファイルは、所与の許容誤差内で前記外部ハット剛性構造プロファイルに一致する、請求項16に記載の方法(600)。
【請求項18】
前記補修部品(400、511、720)は、前記第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)、前記第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)、及び前記補修セクション(405、815、825)上の第1の表面(430)を含み、
前記第1のフランジセクション(312‐1、322‐1、352‐1)は、前記第1の表面の反対側に第2の表面を含み、
前記第2のフランジセクション(312‐2、322‐2、352‐2)は、前記第1の表面の反対側に第3の表面を含み、
前記補修部品(400、511、720)は、複数のボルト孔(440、870)を更に含み、前記複数のボルト孔(440、870)の各ボルト孔は、前記第1の表面から、前記補修面(415、827)、前記第2の表面、及び前記第3の表面のうちの1つまで、前記補修部品(400、511、720)を貫通して形成され、
前記配置された補修部品(400、511、720)を前記複合材部材に取り付けること(630)は、
複数のボルトが前記補修部品(400、511、720)と前記複合材部材とを通過するように、前記複数のボルトを前記複数のボルト孔(440、870)を貫通して配置すること、及び
前記補修部品(400、511、720)を前記複合材部材に固定するために、前記複数のボルトを締結することを含む、請求項17に記載の方法(600)。
【請求項19】
前記複合材部材の前記損傷を受けたセクションの側方の長さに基づいて、前記補修セクション(405、815、825)用の選択可能な長さを特定すること(605)、及び
前記補修部品(400、511、720)を製造長さから前記選択可能な長さに切断すること(605)を更に含む、請求項16に記載の方法(600)。
【請求項20】
前記複合材部材は、航空機(100)内のストリンガ部品を含む、請求項15に記載の方法(600)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の態様は、複合材構造用の補修部品に関する。特に、本開示は、シムを含む既成の補修部品のシステムに関する。既成の補修部品は、複合材構造の損傷を受けた部分を迅速かつ効率的に補修する。
【背景技術】
【0002】
[0002] エポキシベースの炭素繊維強化プラスチック(CFRP)複合材などの繊維強化プラスチックは、高い強度対重量比を有し、耐久性を高めた。これらの利点により、CFRPから形成された複合材構造は、航空宇宙産業(例えば、航空機の構造/フレーム部品として)だけでなく、他の様々な産業においても広く使用されている。
【0003】
[0003] 繊維強化プラスチックは多くの利点を有するが、繊維強化プラスチックから形成された複合材構造の補修は時間かかる場合があり、したがって、高価である。例えば、CFRP材料が特定のサイズ又は形状で硬化されると、部品はそのサイズや形状に幾何学的に固定される。CFRP材料で形成された部品が損傷を受け、補修を必要とするとき、特に、その部品が湾曲又は複雑な形状を有するときに、課題が生じる。そのため、特定の損傷を受けた部品用に製造されるカスタム補修部品が必要になることが多い。
【0004】
[0004] 損傷を受けたCFRP又は複合材部品を補修するための既存のプロセスは、ツーリング面を作製し、部品形状に一致するように重なる部品を製造することを含む。これらのプロセスは、時間がかかる可能性があり、複合材構造を有用な運航に戻すのに更なる遅延をもたらし得る。複合材構造システム内で多くの異なる構造/部材にわたり使用可能な既成の補修部品を提供することは、依然として困難な課題である。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 1つの一般的な態様は、複合材部材用の補修部品を含む。補修部品は、第1のフランジセクション、第2のフランジセクション、及び第1のフランジセクションと第2のフランジセクションとの間の補修セクションを含み得る。補修セクションは、複合材部材の少なくとも損傷を受けたセクションの上に配置される。補修部品はまた、第1のフランジセクション、第2のフランジセクション、及び補修セクションのうちの少なくとも1つの第1の側面に配置されて、第1の側面上の空隙を充填する少なくとも1つのシムも含む。
【0006】
[0006] 複数の実施態様は、以下の特徴のうちの1以上を含み得る。補修セクションの補修面が複合材部材の外面に面し、空隙は補修面と外面との間に存在する、補修部品。
【0007】
[0007] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な補修部品と組み合わせて、複合材部材の外面に画定された外部断面プロファイルが、ハット剛性構造プロファイルを含む。
【0008】
[0008] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な補修部品と組み合わせて、補修部品が、第1のフランジセクション、第2のフランジセクション、及び補修セクション上の第1の表面を含み得る。第1のフランジセクションは、第1の表面の反対側に第2の表面を含み得る。第2のフランジセクションは、第1の表面の反対側に第3の表面を含み得る。補修部品は、複数のボルト孔を更に含み得る。その場合、複数のボルト孔の各ボルト孔は、第1の表面から、補修面、第2の表面、及び第3の表面のうちの1つまで貫通し、少なくとも1つのシムを貫通して形成される。補修部品は、複数の締結ボルトを介して複合材部材に取り付けられる。その場合、複数の締結ボルトの各締結ボルトは、複数のボルト孔のそれぞれのボルト孔に配置される。
【0009】
[0009] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な補修部品と組み合わせて、複合材部材が、航空機内のストリンガ部品を含み得る。
【0010】
[0010] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な補修部品と組み合わせて、補修部品が、複合材料を含み得る。
【0011】
[0011] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な補修部品と組み合わせて、補修部品が、製造長さを有し得る。その場合、補修部品は、複合材部材に取り付けられる前に、製造長さよりも短い選択可能な長さに切断される。
【0012】
[0012] 1つの一般的な態様は、複合材構造システム用の補修システムを含む。補修システムは、次のことを含み得る。すなわち、補修部品の全セットが、複数の補修部品サブセットを含み得る。それぞれの補修部品サブセット内の各補修部品は、複合材構造システム内の複合材部材のサブセットを補修するための特徴、及び、損傷を受けた複合材部材と補修部品の全セットから選択された補修部品との間の空隙を充填するように構成された既成のシムのセットを含み得る。
【0013】
[0013] 複数の実施態様は、以下の特徴のうちの1以上を含み得る。複数の補修部品サブセットの各補修部品サブセットが、複合材部材のサブセットを補修するのに適切なサイジング寸法を有する少なくとも1つの補修部品を含み得る、補修システム。一態様では、補修部品サブセットの各補修部品が、第1のフランジセクション、第2のフランジセクション、及び第1のフランジセクションと第2のフランジセクションとの間の補修セクションを含み得る。補修部品は、補修セクションの補修面に画定された内部断面プロファイルを有し得る。その場合、補修セクションは、複合材部材のサブセットのうちの複合材部材の少なくとも損傷を受けたセクションの上に配置される。その場合、補修面は、複合材部材の外面に面する。その場合、空隙が、補修面と外面との間に存在する。その場合、複合材部材は、外面に画定された外部断面プロファイルを有し得る。その場合、内部断面プロファイルは、所与の許容誤差内で外部断面プロファイルに一致する。
【0014】
[0014] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な補修システムと組み合わせて、外部断面プロファイルが、ハット剛性構造プロファイルを含み得る。
【0015】
[0015] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な補修システムと組み合わせて、各補修部品が、第1のフランジセクション、第2のフランジセクション、及び補修セクション上の第1の表面を含み得る。その場合、第1のフランジセクションは、第1の表面の反対側に第2の表面を含み得る。その場合、第2のフランジセクションは、第1の表面の反対側に第3の表面を含み得る。その場合、選択された補修部品は、複数のボルト孔を更に含み得る。その場合、複数のボルト孔の各ボルト孔は、第1の表面から、補修面、第2の表面、及び第3の表面のうちの1つまで貫通して形成される。その場合、選択された補修部品は、複数の締結ボルトを介して損傷を受けた複合材部材に取り付けられる。複数の締結ボルトの各締結ボルトは、複数のボルト孔のそれぞれのボルト孔に配置される。
【0016】
[0016] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な補修システムと組み合わせて、複合材構造システムが、航空機を含み得る。その場合、複合材部材のサブセットは、航空機内の複数のストリンガ部品を含み得る。その場合、損傷を受けた複合材部材は、航空機内のストリンガを含み得る。
【0017】
[0017] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な補修システムと組み合わせて、各補修部品と少なくとも1つのシムの各々とが、複合材料を含み得る。
【0018】
[0018] 一態様では、補修部品が、製造長さを有し得る。その場合、補修部品は、損傷を受けた複合材部材に取り付けられる前に、製造長さよりも短い選択可能な長さに切断される。
【0019】
[0019] 1つの一般的な態様は、複合材部材を補修するための方法を含む。該方法は、配置された補修部品と複合材部材との間の空隙を特定すること、空隙を充填するために、補修部品システムから少なくとも1つのシム部品を選択すること、空隙を充填するために少なくとも1つのシムを配置すること、及び、配置された補修部品と少なくとも1つのシムとを複合材部材に取り付けることを含み得る。
【0020】
[0020] 複数の実施態様は、以下の特徴のうちの1以上を含み得る。該方法は、複合材部材の外部断面プロファイルに基づいて、補修部品システムから複合材部材の損傷を受けたセクション用の補修部品を選択すること、及び、補修部品の第1のフランジセクションが、複合材部材の第1の側面に配置され、補修部品の第2のフランジセクションが、複合材部材の第2の側面の上に配置され、第1のフランジセクションと第2のフランジセクションとの間の補修部品の補修セクションが、複合材部材の少なくとも損傷を受けたセクションの上に配置されるように、補修部品を損傷を受けたセクションの上に配置することを含む、方法。
【0021】
[0021] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な方法と組み合わせて、補修セクションが、補修セクションの補修面に画定された内部断面プロファイルを有し得る。その場合、補修面は、複合材部材の外面に面する。その場合、複合材部材は、外面に画定された外部ハット剛性構造プロファイルを有し得る。その場合、内部断面プロファイルは、所要の許容誤差内で外部ハット剛性構造プロファイルに一致する。
【0022】
[0022] 一態様では、補修部品が、第1のフランジセクション、第2のフランジセクション、及び補修セクション上の第1の表面を含み得る。その場合、第1のフランジセクションは、第1の表面の反対側に第2の表面を含み得る。その場合、第2のフランジセクションは、第1の表面の反対側に第3の表面を含み得る。その場合、補修部品は、複数のボルト孔を更に含み得る。その場合、複数のボルト孔の各ボルト孔は、第1の表面から、補修面、第2の表面、及び第3の表面のうちの1つまで貫通して形成される。配置された補修部品を複合材部材に取り付けることが、複数のボルトが補修部品と複合材部材とを通過するように、複数のボルトを複数のボルト孔を貫通して配置し、補修部品を複合材部材に固定するために、複数のボルトを締結することを含み得る。
【0023】
[0023] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な方法と組み合わせて、該方法が、複合材部材の損傷を受けたセクションの側方の長さに基づいて、補修セクション用の選択可能な長さを特定し、補修部品を製造長さから選択可能な長さに切断することを含み得る。
【0024】
[0024] 一態様では、上述又は以下の任意の例示的な方法と組み合わせて、複合材部材が、航空機内のストリンガ部品を含み得る。
【0025】
[0025] 本開示の上述の特徴が詳細に理解されるように、上で簡単に要約したものよりも更に詳細な本開示の説明が、幾つかが添付の図面において例示されている例示的な複数の態様を参照することによってなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】[0026] 一実施形態による例示的な複合材構造システムを示す。
図2】[0027] 一実施形態による複合材構造システム内の複合材部材の断面図である。
図3A】[0028] 図3A図3Cは、本明細書で説明される複数の実施形態による様々な形状を有する複合材部材を示す。
図3B図3A図3Cは、本明細書で説明される複数の実施形態による様々な形状を有する複合材部材を示す。
図3C図3A図3Cは、本明細書で説明される複数の実施形態による様々な形状を有する複合材部材を示す。
図4A】[0029] 図4A及び図4Bは、本明細書で説明される複数の実施形態による複合材部材用の補修部品を示す。
図4B図4A及び図4Bは、本明細書で説明される複数の実施形態による複合材部材用の補修部品を示す。
図5A】[0030] 図5A及び図5Bは、一実施形態による複合材構造システム用の補修システムを示す。
図5B図5A及び図5Bは、一実施形態による複合材構造システム用の補修システムを示す。
図6】[0031] 一実施形態による補修システムを使用して複合材部材を補修するための方法のフローチャートである。
図7A】[0032] 図7A図7Bは、一実施形態による補修システムを使用して複合材部材を補修するための方法におけるステップを示す。
図7B図7A図7Bは、一実施形態による補修システムを使用して複合材部材を補修するための方法におけるステップを示す。
図8A】[0033] 図8A図8Cは、一実施形態による補修システムを使用して複合材部材を補修するための方法におけるステップを示す。
図8B図8A図8Cは、一実施形態による補修システムを使用して複合材部材を補修するための方法におけるステップを示す。
図8C図8A図8Cは、一実施形態による補修システムを使用して複合材部材を補修するための方法におけるステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0034] 上述されたように、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)複合材(本明細書で(1以上の)複合材)は、航空宇宙、自動車、海洋、及び他の用途を含む広範な産業で使用されるますます重要な材料である。これらの複合材料は、軽量で比較的高い強度と耐久性を持つので、多くの利点を提供する。しかし、損傷を受けた複合材構造を補修することは、困難であり高価であり得る。
【0028】
[0035] 幾つかの実施例では、損傷を受けた金属部材を補修することが、しばしば、予め形成された汎用又はそれに近い金属補修片を使用し、次いで、金属部材の損傷を受けた部分に適合するように金属補修片を改修する(例えば、ハンマリング、溶接、又は他の金属加工プロセスによって)ことによって実現される。対照的に、複合材料は、一旦硬化すると可鍛性が低く、一般的には、補修プロセス中に改修することができない。したがって、損傷を受けた複合材構造を補修するために、典型的には、複合材構造の損傷を受けたセクションに適合することになるカスタム複合材補修部品を製造することが必要になる。
【0029】
[0036] 更に、複合材構造システムは、しばしば、様々な形状や厚さなどを有する多種態様な複合材部材を有する。例えば、複合材構造を利用する航空機は、多くの複合材部材を含み得る。その場合、各複合材部材はまた、複合材部材の種々のポイントにおいて異なる構造を有する(例えば、湾曲した部材など)。この結果として、複合材システム内の個別の複合材部材には、特有の幾何学的形状寸法又は形を有する場所が数千箇所も存在することになる。数千もの特有の場所の各々のために既成の補修部品を提供することは、事業者やメーカーにとって在庫と物流の課題を提示する。例えば、航空機メーカーや航空会社は、複合材部材を迅速に補修するために、数千もの特有の補修部品を製造し、その在庫を保管する必要があるだろう。
【0030】
[0037] 本明細書で説明される補修システム、補修部品、及び方法は、複合材構造システム内の複数の複合材部材を補修するために製造される補修部品及び様々なシムを含む所定数の既成の補修部品を使用して、複合材構造システムを補修することを提供する。
【0031】
[0038] 図1は、一実施形態による例示的な複合材構造システムを示す。図1では、複合材構造システムが航空機100である。しかし、本明細書で説明される様々な複合材構造システムは、任意のビークル(例えば、自動車、宇宙船、船舶など)又は非ビークル用途を含む、任意の種類の複合材構造システムを含み得る。本明細書で説明される補修部品及び補修部品システムはまた、任意のこれらの用途にも利用され得る。
【0032】
[0039] 航空機100は、機体110及び推進システム115を含む。機体110は、胴体120から外向きに延在する一対の主翼125を含む。機体110はまた、水平安定板134、垂直安定板132、及び/又は航空機に通常付随する他の操縦翼面を有する尾部130も含む。機体110の各部分は、外板部材140を含み得る。外板部材140は、図2で機体110のセクション150の描写としてより詳細に示されているような構造部品によって内側から支持され得る。
【0033】
[0040] 図2は、一実施形態による複合材構造システム内の複合材部材の断面図200である。図2では、図1における外板部材140などの外板部材なしに、機体110のセクション150が示されている。セクション150は、フレーム部品210‐1~210‐6を含む。これらは、図1に関連して説明されたように、機体110への構造的支持及び外板部材のための支持を提供する。
【0034】
[0041] 更なる構造的支持を提供するために、機体110は、様々なフレーム部品の間に配置されたストリンガ部品(本明細書でストリンガ)を含む。ストリンガは、ストリンガ220‐1~220‐2、225‐1~225‐2、230‐1~230‐2、235‐1~235‐2、240‐1~240‐4、250‐1~250‐3、255‐1、260‐1~260‐2、及び265‐1~265‐2を含む。幾つかの実施例では、機体110の様々な形状及び構造に起因して、ストリンガは様々な寸法及び形状を有する。これらの様々な寸法は、本明細書で以下でより詳細に説明されるように、様々なプライ/束数(厚さ)、長さ、内部断面、湾曲などを含む。しかし、様々なストリンガは、ストリンガが複合材部材のサブセットに群化され得るように、同様な寸法を含み得る。例えば、ストリンガ220‐1と220‐2は、サブセット220内にある。ストリンガ225‐1と225‐2は、サブセット225の一部であり、ストリンガ235‐1と235‐2は、サブセット235内にあり、ストリンガ240‐1~240‐4は、サブセット240内にあり、ストリンガ250‐1~250‐3は、サブセット250内にあり、ストリンガ260‐1と260‐2は、サブセット260内にあり、ストリンガ265‐1と265‐2は、サブセット265内にある。
【0035】
[0042] 幾つかの実施例では、ストリンガ220‐1とストリンガ220‐2などの同じサブセット内にあるストリンガが、異なる形状又は他の寸法を有し得るが、外側形状は、本明細書でより詳細に説明されるように、同じ補修部品を利用するのに十分に類似している。図3A及び図3Bに関連して、様々な形状及び寸法がより詳細に示される。
【0036】
[0043] 図3A図3Cは、本明細書で説明される複数の実施形態による様々な形状を有する複合材部材を示す。例えば、図3Aは、ストリンガ300の断面図を示す。ストリンガ300は、航空機100において図2に関連して説明されたストリンガのいずれかであり得る。ストリンガ300は、ハット剛性構造315の両側に配置されたフランジ312‐1と312‐2を含む。幾つかの実施例では、ハット剛性構造315が、内部スペース310と、ハット剛性構造315の表面314上の外側形状316と、を有する中空構造である。ハット剛性構造315と内部スペース310のサイズは、機体110の全体的な設計において指定され、ハット剛性構造315と内部スペース310の形状は、ストリンガ300によって必要とされる必要な構造的支持を提供する。幾つかの実施例では、内部スペース310が、多くのストリンガにわたり一貫しているが、外側形状316内の外側形状は、ストリンガにわたり変化し得る。
【0037】
[0044] 例えば、図3Bは、ストリンガ320の断面図を示す。ストリンガ320は、ハット剛性構造325の両側に配置されたフランジ322‐1と322‐2を含む。ハット剛性構造315は、内部スペース310を有する中空構造である。この実施例では、ストリンガ320が、複合材料の複数の束を有する複合材スタックであり、各束は、複合材料の2つのプライを含み得る。ハット剛性構造325は、束327と束328を含む。それらは、結果として、表面324上にハット剛性構造325の外側形状326をもたらす。外側形状326は、ハット剛性構造315の外側形状316とは異なる。それは、ハット剛性構造315とハット剛性構造325の両方が、内部スペース310などの同じ内部スペースを共有しているとしてもである。上述されたように、これらの様々な外側形状は、結果として、同様な複合材部材(例えば、ストリンガ300と320)であっても、補修部品用の異なるニーズをもたらす。更に、ストリンガ300と320との間の変化よりも大きな程度の形状変化が存在する。
【0038】
[0045] 例えば、図3Cは、ストリンガ330の断面図を示す。ストリンガ330は、ハット剛性構造355の両側に配置されたフランジ352‐1と352‐2を含む。ハット剛性構造355は、内部スペース350と表面354上の外側形状336とを有する中空構造である。この実施例では、内部スペース350が、ストリンガ300及び320の内部スペース310よりも小さい。これは、結果として、外側形状336が、外側形状316及び326の両方よりも小さいことをもたらす。これらの様々な外側形状は、機体110における様々な設置ポイントによって更に変化し得る。例えば、所与のポイントにおいてストリンガ330と同じ断面形状を有するストリンガが、ストリンガの長さに沿って湾曲し得るか又は変化する形状を有し得る。図3A図3Cは、様々な形状のうちの3つとして示されているが、複合材構造システムにわたる複合材部材の複数の変化した形状が、結果として、図4A図8Cに関連して説明されるように、特有の補修解決策を必要とする特有の形状を有する多数の多様な箇所をもたらす。
【0039】
[0046] 図4A及び図4Bは、本明細書で説明される複数の実施形態による複合材部材用の補修部品を示す。図4Aは、補修部品400の断面図であり、図4Bは、補修部品400の斜視図である。補修部品400は、複合材料から形成されてよく、第1のフランジセクション420と第2のフランジセクション425を含む。補修部品400はまた、第1のフランジセクション420と第2のフランジセクション425との間に補修セクション405も含む。補修セクション405は、補修セクション405の補修面415に画定された内部断面プロファイル410を有する。幾つかの実施例では、補修セクション405が、図3A図3Cに関連して説明されたストリンガなどの複合材部材の損傷を受けたセクションの上に配置される。その場合、補修面415は、複合材部材の外面に面し、内部断面プロファイル410は、所与の許容誤差内で外部断面プロファイルに一致する。設置された補修部品は、図6図8Cに関連してより詳細に説明される。幾つかの実施例では、複合材部材の外面に画定された外部断面プロファイルが、図3A図3Cで示されているようなハット剛性構造プロファイルである。それによって、内部断面プロファイル410もまた、ハット剛性構造プロファイルである。
【0040】
[0047] 幾つかの実施例では、補修部品400がまた、補修部品を複合材部材に取り付けるための複数のボルト孔も含む。例えば、補修部品400は、第1のフランジセクション420、第2のフランジセクション425、及び補修セクション405上の第1の表面430を含む。第1のフランジセクション420は、第1の表面430の反対側に第2の表面422を含み、第2のフランジセクション425は、第1の表面430の反対側に第3の表面427を含む。ボルト孔440は、第1の表面430から、補修面415、第2の表面422、及び第3の表面427のうちの1つを含む、それぞれのセクションの表面まで、補修部品400を貫通して形成される。幾つかの実施例では、ボルト孔440が、補修部品400を作製する製造プロセス中に形成されてよく、又は複合材部材の損傷を受けたセクションの補修中に形成されてもよい。幾つかの実施例では、補修部品が、複数の締結ボルトを介して複合材部材に取り付けられる。その場合、複数の締結ボルトの各締結ボルトは、ボルト孔440のそれぞれのボルト孔に配置される。
【0041】
[0048] 幾つかの実施例では、補修部品が、製造長さ450を有する。製造長さ450は、標準的な長さ(例えば、76インチなど)であってよい。補修部品400は、図6図8Cに関連してより詳細に説明されるように、複合材部材に取り付けられる前に、製造長さ450よりも短い選択可能な長さに切断される。上述されたように、複合材構造システム内の複合材部材は、様々な形及び幾何学的形状寸法を含み得るので、例えば、個々の汎用補修部品が補修のために複合材部材の上に適合しない場合がある。したがって、補修システム内の補修部品の品揃えが、複合材構造システムを補修するために必要である。
【0042】
[0049] 図5A及び図5Bは、一実施形態による複合材構造システム用の補修システム500を示す。補修システム500は、図4の補修部品400と同様な補修部品を含む、補修部品の全セット505を含む。全セット505は、複数の補修部品サブセットを含む。例えば、全セット505は、サブセット510、515、520、525、530、及び535を含む。幾つかの実施例では、それぞれの補修部品サブセット内の各補修部品が、複合材構造システム内の複合材部材のサブセットを補修するための特徴を含む。全セット505は、航空機100などの複合材構造システム用の多数の複合材部材用の既成の補修部品を提供するのに十分に様々な補修部品のサブセットを含み得る。全セット505及び補修システム500は、特有の複合材部材の数よりもかなり少ない数の相互交換可能な補修部品を提供し、損傷を受けた複合材部材用の特有の補修部品を製造するよりも短い期間で利用され得る。
【0043】
[0050] 例えば、サブセット510を使用して、図2に関連して説明されたサブセット220及びサブセット265を補修することができる。例えば、サブセット510の各補修部品511のサイズ決定は、サブセット220及び265内の複合材部材のサブセットを補修するために適切な寸法をサイズ決定することを含む。サブセット510の各補修部品511は、複合材部材のサブセットを補修するための様々な特徴を含む。特徴は、図4A及び図4Bに関連して説明されたように、少なくとも第1のフランジセクション、第2のフランジセクション、及び補修セクションを含み得る。補修部品の様々なサブセットは、異なる幾何学的形状寸法及び形を含み得る。例えば、サブセット510、520、及び530は、異なる内部断面プロファイルを有する。更に、サブセット515、525、及び535は、複合材構造に対する様々なレベルの形状及び構造的支持の要件を提供するために、複合材料の複数の束から形成される。
【0044】
[0051] 幾つかの実施例では、補修部品のサブセット内の部品が、複合材部材のサブセットに対する正確な形状の一致を有さない場合がある。例えば、補修部品511を使用して、複合材部材の表面と補修部品との間に任意の間隔を空けることなしに、サブセット220内のストリンガ220‐1の形状に一致することができる。別の一実施例では、ストリンガ265‐1の上に配置された補修部品511が、比較的良好に適合し得るが、補修部品と複合材部材との間にスペース又はギャップ(すなわち、空隙)を含み得る。幾つかの実施例では、補修システム500が、シム550及び555を含む既成のシムのセットを含む。図6図8Cに関連してより詳細に説明されるように、既成のシムのセットは、空隙を充填するように構成され、補修部品と複合材部材との間の任意のギャップを充填するために使用され得る。
【0045】
[0052] 図6は、一実施形態による補修システムを使用して複合材部材を補修するための方法600のフローチャートである。図7A図7B及び図8A図8Cは、一実施形態による補修システムを使用して複合材部材を補修するための方法におけるステップを示す。説明を容易にするために、方法600の説明中に図7A図7B及び図8A図8Cが参照されることとなる。
【0046】
[0053] 方法600は、ブロック605で開始し、複合材部材の外部断面プロファイルに基づいて、補修部品システムから複合材部材の損傷を受けたセクション用の補修部品を選択することを含む。例えば、図7Aで示されているように、複合材部材710は、航空機100などの複合材構造システム内で、フレーム部品705の間に配置される。複合材部材710は、損傷を受けたセクション711内で何らかの損傷712を被っている。幾つかの実施例では、損傷を受けたセクション711が、複合材部材710の全体よりも小さく、715の長さを有する。別の一実施例では、複合材部材の全長が、損傷を受けたセクション711内にあり得、補修部品を必要とし得る。
【0047】
[0054] 損傷を受けたセクション711は、外部断面プロファイル716を有する。外部断面プロファイル716は、図3A図3Cに関連して説明されたストリンガのプロファイルのいずれかを含み得る。補修部品を選択することは、外部断面プロファイル716に基づき、補修システム500などの補修システムから、損傷を受けたセクション711を補修するための対応する補修部品である図7Bで示されている補修部品720を選択することを含む。幾つかの実施例では、対応する部品が、複合材構造システム及び補修システム500用の部品マップ内に規定され得る。幾つかの実施例では、方法600が、長さ715などの複合材部材の損傷を受けたセクションの側方の長さに基づいて、補修セクション用の選択可能な長さ722を特定し、選択された補修部品を製造長さ721から選択可能な長さ722に切断することを含む。
【0048】
[0055] 方法600は、ブロック610へと続き、図8A図8Cで示されているように、補修部品の第1のフランジセクションが、複合材部材の第1の側面に配置され、補修部品の第2のフランジセクションが、複合材部材の第2の側面の上に配置され、第1のフランジセクションと第2のフランジセクションとの間の補修部品の補修セクションが、複合材部材の少なくとも損傷を受けたセクションの上に配置されるように、補修部品を損傷を受けたセクションの上に配置することを含む。
【0049】
[0056] 例えば、図8Aで示されているように、補修部品720の第1のフランジセクション821が、複合材部材710の第1の側面811に配置され、補修部品720の第2のフランジセクション822が、複合材部材710の第2の側面812の上に配置され、第1のフランジセクションと第2のフランジセクションとの間の補修セクション815が、複合材部材710の少なくとも損傷を受けたセクション711の上に配置されるように、補修部品720が、複合材部材710の損傷を受けたセクション711の上に配置される。
【0050】
[0057] 幾つかの実施例では、補修セクション825が、補修セクションの補修面827に画定された内部断面プロファイル826を有する。その場合、補修面は、複合材部材710の外面817に面する。幾つかの実施例では、複合材部材710が、外面817に画定された外部ハット剛性構造プロファイル816を有し、内部断面プロファイル826は、所与の許容誤差内で外部ハット剛性構造プロファイル816に一致する。幾つかの実施例では、2つのセクションの形状同士の間の不一致が、補修部品720と複合材部材710との間に空隙850を生成する。空隙が許容誤差レベルよりも大きい複数の実施例では、シムを使用して、必要な支持を提供し、空隙を低減させ又は排除することができる。例えば、ブロック615及び620では、方法600が、配置された補修部品と複合材部材との間の空隙を特定し、その空隙を充填するために補修部品システムから少なくとも1つのシム部品を選択することを含む。例えば、空隙を充填するために必要なシムの厚さを特定するために、空隙の厚さが測定され得る。方法600はまた、ブロック625において、図8Bで示されているように、更なる構造的支持を提供するために、1以上のシム860を補修部品720と複合材部材の外面817との間の空隙850の中に配置することも含む。幾つかの実施例では、シム860が、空隙850を充填する(すなわち、ブロック615で特定された空隙の特定された厚さを充填する)ために、互いの上に入れ子に配置された一群の個々のシムを含む。
【0051】
[0058] ブロック630において、方法600は、配置された補修部品を複合材部材に取り付けることを含む。例えば、図8Cで示されているように、補修部品720は、図4A及び図4Bに関連して説明されたように、複合材部材710及び補修部品720並びにシム860を貫通して形成された様々なボルト孔870を貫通して配置されたボルト875を使用して、複合材部材710に取り付けられる。幾つかの実施例では、配置された補修部品を取り付けることが、複数のボルトが補修部品と複合材部材とを通過するように、複数のボルトを複数のボルト孔を貫通して配置し、補修部品を複合材部材に固定するために、複数の配置されたボルトを締結することを含む。
【0052】
[0059] 現在の開示では、様々な態様が参照される。しかし、本開示は、特定の説明された態様に制限されないことを理解されたい。その代わりに、本明細書で提供される教示を実装し、実践するために、下記の特徴及び要素の任意の組み合わせが、種々の態様に関連しているか否かに関わらず想定される。更に、態様の要素が、「AとBのうちの少なくとも1つ」の形態で説明されるときに、要素Aのみ、要素Bのみ、及び要素A及びBを含む態様が、各々想定されることを理解されたい。更に、幾つかの態様は、他の潜在的な解決策及び/又は先行技術を超える利点を実現し得るが、特定の利点が所与の態様によって実現されるか否かは、本開示を限定していない。したがって、本明細書で開示される態様、特徴、及び利点は、単なる例示であり、且つ、(1以上の)請求項に明記されない限り、付随する特許請求の範囲の要素であるとも、付随する特許請求の範囲を限定するとも、見なされない。同様に、「本発明」への言及は、本明細書で開示されている発明のあらゆる主題を一般化するものと解釈すべきではなく、(1以上の)請求項に明記されない限り、付随する特許請求の範囲の要素であるとも、付随する特許請求の範囲を限定するとも見なすべきではない。
【0053】
[0060] 当業者によって理解され得るように、本明細書で説明される複数の態様は、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、複数の態様は、専らハードウェアである態様、専らソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)である態様、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた態様の形式を採り得る。本明細書では、それらは全て「回路」、「モジュール」、又は「システム」と広く称され得る。更に、本明細書で説明される態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化される1以上のコンピュータ可読記憶媒体内で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態を採り得る。
【0054】
[0061] コンピュータ可読ストレージ媒体で具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、又は、それらの任意の好適な組み合わせを含むがそれらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して伝送され得る。
【0055】
[0062] 本開示の複数の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語もしくはこれに類するプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれていてよい。プログラムコードは、専らユーザのコンピュータで、部分的にユーザのコンピュータで、独立型のソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータで且つ部分的に遠隔コンピュータで、又は専ら遠隔コンピュータ又はサーバで実行されてよい。後者の場合、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、又は例えば、インターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを介して)外部のコンピュータに接続されてよい。
【0056】
[0063] 本開示の複数の態様は、本開示の複数の態様による、方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品の、フローチャート及び/又はブロック図を参照しながら、本明細書で説明される。フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フローチャート及び/又はブロック図における複数のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム指示命令によって実施され得ることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム指示命令は、機械を生産するために、汎用コンピュータ又は特殊用途コンピュータのプロセッサ、或いは他のプログラマブルデータ処理装置に提供されてよい。それによって、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行されるこれらの指示命令が、フローチャート及び/又はブロック図の(1以上の)ブロック内で特定される機能/作用を実施するための手段を創出する。
【0057】
[0064] これらのコンピュータプログラム指示命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスが、特定の様態で機能するように指示し得る、コンピュータ可読媒体に記憶されることも可能である。それによって、コンピュータ可読媒体内に記憶された指示命令が、製造品を作製する。それらの指示命令は、フローチャート及び/又はブロック図の(1以上の)ブロック内で特定される機能/作用を実施する指示命令を含む。
【0058】
[0065] コンピュータプログラム指示命令はまた、コンピュータに実装されたプロセスを生成するために、一連の動作ステップが、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイスで実行されることをもたらすように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスにロードされ得る。それによって、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスで実行される指示命令は、フローチャート及び/又はブロック図の(1以上の)ブロックで特定される機能/作用を実装するためのプロセスを提供する。
【0059】
[0066] 複数の図面におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な態様による、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品の実現可能な実施態様の、アーキテクチャ、機能、及び動作を示している。そのため、フローチャート及びブロック図における各ブロックは、特定の(1以上)論理機能を実装するための1以上の実行可能な指示命令を含む、コードのモジュール、コードのセグメント、又はコードの一部分を表わし得る。幾つかの代替的な実施態様では、ブロック内に示された機能が、図面に記載された順序で行われなくともよい。例えば、実際には、関連する機能に応じて、連続して示されている2つのブロックが、実質的に同時に実行されてよく、又は、それらのブロックが逆に又は順序に関わらず実行されてもよい。ブロック図及び/又はフローチャートの各ブロック、並びに、ブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、特定の機能若しくは作用を実施する特殊用途のハードウェアベースのシステムによって、又は、特殊用途ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって、実装され得ることにも、留意されたい。
【0060】
[0067] 以上の説明は本開示の態様を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱しなければ、本開示の他の態様及び更なる態様が考案されてよく、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって定められる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
【外国語明細書】