(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152613
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】紙袋およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 33/00 20060101AFI20241018BHJP
B65D 30/14 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B65D33/00 C
B65D30/14 C
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024029678
(22)【出願日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】P 2023064608
(32)【優先日】2023-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591034512
【氏名又は名称】石川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217021
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 進吾
(72)【発明者】
【氏名】岸本 英樹
(72)【発明者】
【氏名】段 孝彰
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB01
3E064BA05
3E064BB03
3E064EA30
3E064FA06
3E064GA04
3E064HN03
(57)【要約】
【課題】筒部の開口部が開いた後にアウターパッチが異物として筒部の内側に進入することを抑制することができる紙袋を得る。
【解決手段】この紙袋は、筒部および開封部を有する筒状袋体と、アウターパッチと、を備え、開封部は下紙および上紙を有し、下紙は下紙基部および下紙折部を有し、上紙は上紙基部および上紙折部を有し、下紙折部の内面は、開封糊117を介して下紙基部および上紙基部に貼り合わされ、上紙折部の内面は、開封糊118および開封糊119を介して、上紙基部、下紙基部および下紙折部の外面に貼り合わされ、アウターパッチは、開封糊120および開封糊121を介して、上紙基部、下紙基部および下紙折部の外面に貼り合わされ、固着糊122を介して、上紙折部の外面に貼り合わされ、下紙上紙基部露出部127の一部には、スポット固着糊139を介して、アウターパッチが貼り合わされている。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒部および前記筒部の開口部を開閉する開封部を有する筒状袋体と、
前記開封部に設けられたアウターパッチと、
を備え、
前記開封部は、前記筒部に一体に設けられ互いに重なることによって前記開口部が閉じられる下紙および上紙を有し、
前記下紙は、下紙基部と、前記下紙基部に設けられた下紙折部と、を有し、
前記上紙は、上紙基部と、前記上紙基部に設けられた上紙折部と、を有し、
前記下紙折部の内面は、開封糊を介して、前記下紙基部および前記上紙基部に貼り合わされ、
前記上紙折部の内面は、開封糊を介して、前記上紙基部、前記下紙基部および前記下紙折部の外面に貼り合わされ、
前記アウターパッチは、開封糊を介して、前記上紙基部、前記下紙基部および前記下紙折部の外面に貼り合わされ、固着糊を介して、前記上紙折部の外面に貼り合わされ、
前記下紙基部と前記下紙折部との間の境界線を下紙折り目とし、
前記上紙基部と前記上紙折部との間の境界線を上紙折り目とし、
前記下紙基部および前記上紙基部における前記下紙折り目と前記上紙折り目との間の部分であって、前記下紙折部および前記上紙折部のいずれにも重ねられていない部分を下紙上紙基部露出部とし、
前記下紙上紙基部露出部の一部には、スポット固着糊を介して、前記アウターパッチが貼り合わされている紙袋。
【請求項2】
前記下紙上紙基部露出部におけるスポット固着糊が塗布されている部分には、紙袋の幅方向における前記アウターパッチの端部が貼り合わされている請求項1に記載の紙袋。
【請求項3】
前記下紙折部の外面における前記上紙折部が重ねられていない部分を下紙折部露出部とし、
前記下紙折部露出部には、前記アウターパッチが貼り合わされていない無塗布領域が形成されており、
前記下紙折部露出部における前記無塗布領域に隣り合う部分には、スポット固着糊を介して前記アウターパッチが貼り合わされている請求項1または請求項2に記載の紙袋。
【請求項4】
前記無塗布領域は、前記下紙折部露出部における前記下紙折り目側の端部に配置されている請求項3に記載の紙袋。
【請求項5】
前記無塗布領域は、前記下紙折部露出部における前記下紙折り目から離れた位置に配置されている請求項3に記載の紙袋。
【請求項6】
筒部および前記筒部の開口部を開閉する開封部を有する筒状袋体と、
前記開封部に設けられたアウターパッチと、
を備え、
前記開封部は、前記筒部に一体に設けられ互いに重なることによって前記開口部が閉じられる下紙および上紙を有し、
前記下紙は、下紙基部と、前記下紙基部に設けられた下紙折部と、を有し、
前記上紙は、上紙基部と、前記上紙基部に設けられた上紙折部と、を有し、
前記下紙折部の内面は、開封糊を介して、前記下紙基部および前記上紙基部に貼り合わされ、
前記上紙折部の内面は、開封糊を介して、前記上紙基部、前記下紙基部および前記下紙折部の外面に貼り合わされ、
前記アウターパッチは、開封糊を介して、前記上紙基部、前記下紙基部および前記上紙折部の外面に貼り合わされ、固着糊を介して、前記下紙折部の外面に貼り合わされ、
前記下紙基部と前記下紙折部との間の境界線を下紙折り目とし、
前記上紙基部と前記上紙折部との間の境界線を上紙折り目とし、
前記下紙基部および前記上紙基部における前記下紙折り目と前記上紙折り目との間の部分であって、前記下紙折部および前記上紙折部のいずれにも重ねられていない部分を下紙上紙基部露出部とし、
前記下紙上紙基部露出部の一部には、スポット固着糊を介して、前記アウターパッチが貼り合わされている紙袋。
【請求項7】
前記下紙上紙基部露出部におけるスポット固着糊が塗布されている部分には、紙袋の幅方向における前記アウターパッチの端部が貼り合わされている請求項6に記載の紙袋。
【請求項8】
前記上紙折部の外面には、前記アウターパッチが貼り合わされていない無塗布領域が形成されており、
前記上紙折部の外面における前記無塗布領域に隣り合う部分には、スポット固着糊を介して前記アウターパッチが貼り合わされている請求項6または請求項7に記載の紙袋。
【請求項9】
前記無塗布領域は、前記上紙折部の外面における前記上紙折り目側の端部に配置されている請求項8に記載の紙袋。
【請求項10】
前記無塗布領域は、前記上紙折部の外面における前記上紙折り目から離れた位置に配置されている請求項8に記載の紙袋。
る紙袋。
【請求項11】
請求項1または請求項2に記載の紙袋の製造方法であって、
筒状体を平坦に折り潰し、折り潰された前記筒状体の一方の開口端部から他方の開口端部に向かって予め設定された距離だけ離れた位置に、前記一方の開口端部に平行する筒状体折り目を形成し、前記一方の開口端部における一対の角部の両方を前記筒状体折り目まで前記筒状体の内側に折り込むことによって前記下紙および前記上紙を形成する下紙上紙形成工程と、
前記筒状体折り目に平行する前記下紙折り目を前記下紙に形成し、前記筒状体折り目に平行する前記上紙折り目を前記上紙に形成し、開封糊を介して、前記下紙基部および前記上紙基部に前記下紙折部の内面を貼り合わせ、開封糊を介して、前記上紙基部、前記下紙基部および前記下紙折部の外面に前記上紙折部の内面を貼り合わせる下紙上紙貼り合わせ工程と、
開封糊を介して、前記上紙基部、前記下紙基部および前記下紙折部の外面に前記アウターパッチを貼り合わせるとともに、固着糊を介して、前記上紙折部の外面に前記アウターパッチを貼り合わせるアウターパッチ貼り合わせ工程と、
を備え、
前記アウターパッチ貼り合わせ工程では、前記下紙上紙基部露出部の一部には、スポット固着糊を介して、前記アウターパッチが貼り合わされる紙袋の製造方法。
【請求項12】
請求項6または請求項7に記載の紙袋の製造方法であって、
筒状体を平坦に折り潰し、折り潰された前記筒状体の一方の開口端部から他方の開口端部に向かって予め設定された距離だけ離れた位置に、前記一方の開口端部に平行する筒状体折り目を形成し、前記一方の開口端部における一対の角部の両方を前記筒状体折り目まで前記筒状体の内側に折り込むことによって前記下紙および前記上紙を形成する下紙上紙形成工程と、
前記筒状体折り目に平行する前記下紙折り目を前記下紙に形成し、前記筒状体折り目に平行する前記上紙折り目を前記上紙に形成し、開封糊を介して、前記下紙基部および前記上紙基部に前記下紙折部の内面を貼り合わせ、開封糊を介して、前記上紙基部、前記下紙基部および前記下紙折部の外面に前記上紙折部の内面を貼り合わせる下紙上紙貼り合わせ工程と、
開封糊を介して、前記上紙基部、前記下紙基部および前記上紙折部の外面に前記アウターパッチを貼り合わせるとともに、固着糊を介して、前記下紙折部の外面に前記アウターパッチを貼り合わせるアウターパッチ貼り合わせ工程と、
を備え、
前記アウターパッチ貼り合わせ工程では、前記下紙上紙基部露出部の一部には、スポット固着糊を介して、前記アウターパッチが貼り合わされる紙袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、紙袋およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筒部および筒部に一体に形成された開封部を有する筒状袋体と、開封部に設けられたアウターパッチと、を備えている紙袋が知られている。筒部には開口部が形成されており、開封部が変形することによって筒部の開口部が開閉される。開封部が筒部の開口部を閉じている状態で、アウターパッチが開封糊を介して開封部に貼り合わされる。アウターパッチが開封部に貼り合わされることによって、筒部の開口部が開くように開封部が変形することが抑制される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、作業者が開封部を変形させて筒部の開口部を開く際に、アウターパッチが開封部から剥がされる。これにより、開封部から剥がされたアウターパッチが異物として筒部の内側に進入してしまうおそれがあるという問題点があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、筒部の開口部が開いた後にアウターパッチが異物として筒部の内側に進入することを抑制することができる紙袋およびその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る紙袋は、筒部および筒部の開口部を開閉する開封部を有する筒状袋体と、開封部に設けられたアウターパッチと、を備え、開封部は、筒部に一体に設けられ互いに重なることによって開口部が閉じられる下紙および上紙を有し、下紙は、下紙基部と、下紙基部に設けられた下紙折部と、を有し、上紙は、上紙基部と、上紙基部に設けられた上紙折部と、を有し、下紙折部の内面は、開封糊を介して、下紙基部および上紙基部に貼り合わされ、上紙折部の内面は、開封糊を介して、上紙基部、下紙基部および下紙折部の外面に貼り合わされ、アウターパッチは、開封糊を介して、上紙基部、下紙基部および下紙折部の外面に貼り合わされ、固着糊を介して、上紙折部の外面に貼り合わされ、下紙基部と下紙折部との間の境界線を下紙折り目とし、上紙基部と上紙折部との間の境界線を上紙折り目とし、下紙基部および上紙基部における下紙折り目と上紙折り目との間の部分であって、下紙折部および上紙折部のいずれにも重ねられていない部分を下紙上紙基部露出部とし、下紙上紙基部露出部の一部には、スポット固着糊を介して、アウターパッチが貼り合わされている。
本開示に係る紙袋では、下紙上紙基部露出部におけるスポット固着糊が塗布されている部分には、紙袋の幅方向におけるアウターパッチの端部が貼り合わされている
本開示に係る紙袋では、下紙折部の外面における上紙折部が重ねられていない部分を下紙折部露出部とし、下紙折部露出部には、アウターパッチが貼り合わされていない無塗布領域が形成されており、下紙折部露出部における無塗布領域に隣り合う部分には、スポット固着糊を介してアウターパッチが貼り合わされている。
本開示に係る紙袋では、無塗布領域は、下紙折部露出部における下紙折り目側の端部に配置されている。
本開示に係る紙袋では、無塗布領域は、下紙折部露出部における下紙折り目から離れた位置に配置されている。
本開示に係る紙袋は、筒部および筒部の開口部を開閉する開封部を有する筒状袋体と、開封部に設けられたアウターパッチと、を備え、開封部は、筒部に一体に設けられ互いに重なることによって開口部が閉じられる下紙および上紙を有し、下紙は、下紙基部と、下紙基部に設けられた下紙折部と、を有し、上紙は、上紙基部と、上紙基部に設けられた上紙折部と、を有し、下紙折部の内面は、開封糊を介して、下紙基部および上紙基部に貼り合わされ、上紙折部の内面は、開封糊を介して、上紙基部、下紙基部および下紙折部の外面に貼り合わされ、アウターパッチは、開封糊を介して、上紙基部、下紙基部および上紙折部の外面に貼り合わされ、固着糊を介して、下紙折部の外面に貼り合わされ、下紙基部と下紙折部との間の境界線を下紙折り目とし、上紙基部と上紙折部との間の境界線を上紙折り目とし、下紙基部および上紙基部における下紙折り目と上紙折り目との間の部分であって、下紙折部および上紙折部のいずれにも重ねられていない部分を下紙上紙基部露出部とし、下紙上紙基部露出部の一部には、スポット固着糊を介して、アウターパッチが貼り合わされている。
本開示に係る紙袋では、下紙上紙基部露出部におけるスポット固着糊が塗布されている部分には、紙袋の幅方向におけるアウターパッチの端部が貼り合わされている。
本開示に係る紙袋では、上紙折部の外面には、アウターパッチが貼り合わされていない無塗布領域が形成されており、上紙折部の外面における無塗布領域に隣り合う部分には、スポット固着糊を介してアウターパッチが貼り合わされている。
本開示に係る紙袋では、無塗布領域は、上紙折部の外面における上紙折り目側の端部に配置されている。
本開示に係る紙袋では、無塗布領域は、上紙折部の外面における上紙折り目から離れた位置に配置されている。
本開示に係る紙袋の製造方法は、筒状体を平坦に折り潰し、折り潰された筒状体の一方の開口端部から他方の開口端部に向かって予め設定された距離だけ離れた位置に、一方の開口端部に平行する筒状体折り目を形成し、一方の開口端部における一対の角部の両方を筒状体折り目まで筒状体の内側に折り込むことによって下紙および上紙を形成する下紙上紙形成工程と、筒状体折り目に平行する下紙折り目を下紙に形成し、筒状体折り目に平行する上紙折り目を上紙に形成し、開封糊を介して、下紙基部および上紙基部に下紙折部の内面を貼り合わせ、開封糊を介して、上紙基部、下紙基部および下紙折部の外面に上紙折部の内面を貼り合わせる下紙上紙貼り合わせ工程と、開封糊を介して、上紙基部、下紙基部および下紙折部の外面にアウターパッチを貼り合わせるとともに、固着糊を介して、上紙折部の外面にアウターパッチを貼り合わせるアウターパッチ貼り合わせ工程と、を備え、アウターパッチ貼り合わせ工程では、下紙上紙基部露出部の一部には、スポット固着糊を介して、アウターパッチが貼り合わされる。
本開示に係る紙袋の製造方法は、筒状体を平坦に折り潰し、折り潰された筒状体の一方の開口端部から他方の開口端部に向かって予め設定された距離だけ離れた位置に、一方の開口端部に平行する筒状体折り目を形成し、一方の開口端部における一対の角部の両方を筒状体折り目まで筒状体の内側に折り込むことによって下紙および上紙を形成する下紙上紙形成工程と、筒状体折り目に平行する下紙折り目を下紙に形成し、筒状体折り目に平行する上紙折り目を上紙に形成し、開封糊を介して、下紙基部および上紙基部に下紙折部の内面を貼り合わせ、開封糊を介して、上紙基部、下紙基部および下紙折部の外面に上紙折部の内面を貼り合わせる下紙上紙貼り合わせ工程と、開封糊を介して、上紙基部、下紙基部および上紙折部の外面にアウターパッチを貼り合わせるとともに、固着糊を介して、下紙折部の外面にアウターパッチを貼り合わせるアウターパッチ貼り合わせ工程と、を備え、アウターパッチ貼り合わせ工程では、下紙上紙基部露出部の一部には、スポット固着糊を介して、アウターパッチが貼り合わされる。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る紙袋およびその製造方法によれば、筒部の開口部が開いた後にアウターパッチが異物として筒部の内側に進入することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る紙袋を示す平面図である。
【
図4】
図3の開口部が開いている状態を示す正面図である。
【
図5】
図4の筒部、下紙および上紙が形成される筒状体を示す平面図である。
【
図6】
図4の下紙に開封糊が塗布され上紙に開封糊が塗布されている状態を示す平面図である。
【
図7】
図3の下紙および上紙に開封糊が塗布され上紙に固着糊が塗布されている状態を示す平面図である。
【
図8】実施の形態1に係る紙袋の製造方法を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態2に係る紙袋の要部を示す平面図である。
【
図10】
図9の筒状袋体の要部を示す正面図である。
【
図12】
図10の下紙および上紙に開封糊および開封糊が塗布され上紙に固着糊が塗布されている状態を示す平面図である。
【
図13】実施の形態3に係る紙袋の要部を示す正面図である。
【
図14】実施の形態4に係る紙袋の要部を示す正面図である。
【
図15】実施の形態5に係る紙袋の要部を示す正面図である。
【
図16】実施の形態6に係る紙袋の要部を示す正面図である。
【
図17】実施の形態7に係る紙袋の要部を示す正面図である。
【
図18】実施の形態6に係る紙袋の第1変形例の要部を示す正面図である。
【
図19】実施の形態6に係る紙袋の第2変形例の要部を示す正面図である。
【
図20】実施の形態6に係る紙袋の第3変形例の要部を示す正面図である。
【
図21】実施の形態6に係る紙袋の第4変形例の要部を示す正面図である。
【
図22】実施の形態6に係る紙袋の第5変形例の要部を示す正面図である。
【
図23】実施の形態8に係る紙袋の要部を示す正面図である。
【
図24】実施の形態9に係る紙袋の要部を示す正面図である。
【
図25】実施の形態8に係る紙袋の第1変形例の要部を示す正面図である。
【
図26】実施の形態8に係る紙袋の第2変形例の要部を示す正面図である。
【
図27】実施の形態8に係る紙袋の第3変形例の要部を示す正面図である。
【
図28】実施の形態8に係る紙袋の第4変形例の要部を示す正面図である。
【
図29】実施の形態8に係る紙袋の第5変形例の要部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る紙袋を示す平面図である。
図2は、
図1の紙袋の要部を示す拡大図である。実施の形態1に係る紙袋は、筒状袋体1と、一対のアウターパッチ2と、を備えている。筒状袋体1は、厚さ方向に互いに重ねられた2枚のクラフト紙から構成されている。言い換えれば、筒状袋体1は、2層のクラフト紙から構成されている。
【0010】
なお、筒状袋体1は、2層のクラフト紙に限らず、例えば、3層のクラフト紙から構成されてもよい。また、筒状袋体1は、クラフト紙、ポリエチレンフィルムおよびクラフト紙が順に重ねられている構成であってもよい。
【0011】
筒状袋体1を構成する2枚のクラフト紙のそれぞれの坪量は、78g/m2になっている。アウターパッチ2の坪量は、78g/m2以上であるのが望ましい。
【0012】
図3は、
図2の筒状袋体1の要部を示す正面図である。筒状袋体1は、筒部101と、開封部102と、を有している。筒部101には、開口部103が形成されている。開口部103を介して、筒部101の内側に収容物が収容される。筒部101の内側に収容される収容物としては、例えば、粉粒体が挙げられる。粉粒体としては、例えば、小麦粉、そば粉、米粉、砂糖、コーンスターチ、デンプンが挙げられる。
【0013】
開封部102は、筒部101に設けられている。開封部102は、開口部103を開閉する。開封部102が変形することによって、開口部103が開閉される。開封部102には、アウターパッチ2が設けられている。アウターパッチ2は、開封部102が変形することを抑制する。
図3では、開封部102によって開口部103が閉じられている状態が示されている。
【0014】
図4は、
図3の開口部103が開いている状態を示す正面図である。開封部102は、下紙104と、上紙105と、を有している。下紙104および上紙105のそれぞれは、筒部101に一体に形成されている。下紙104および上紙105が互いに重なることによって、開口部103が閉じられる。
【0015】
下紙104は、下紙基部106と、下紙折部107と、を有している。下紙基部106は、筒部101に設けられている。下紙折部107は、下紙基部106に設けられている。下紙104には、下紙基部106と下紙折部107との間の境界線となる下紙折り目108が形成されている。
【0016】
下紙折り目108を中心に下紙104が折り畳まれることによって、下紙基部106と下紙折部107とが互いに重ねられる。下紙104が折り畳まれることによって下紙基部106に対向する下紙折部107の面を内面109とする。下紙折部107における内面109とは反対側の面を外面110とする。
【0017】
上紙105は、上紙基部111と、上紙折部112と、を有している。上紙基部111は、筒部101に設けられている。上紙折部112は、上紙基部111に設けられている。上紙105には、上紙基部111と上紙折部112との間の境界線となる上紙折り目113が形成されている。
【0018】
上紙折り目113を中心に上紙105が折り畳まれることによって、上紙基部111と上紙折部112とが互いに重ねられる。上紙105が折り畳まれることによって上紙基部111に対向する上紙折部112の面を内面114とする。上紙折部112における内面114とは反対側の面を外面115とする。
【0019】
下紙104が折り畳まれた場合に、下紙折部107における下紙折り目108とは反対側の端部が上紙折り目113に重ねられる。これにより、下紙折部107の内面109と下紙基部106および上紙基部111との間の互いに重ねられる面積を増加させることができる。
【0020】
上紙105が折り畳まれた場合に、上紙折部112における上紙折り目113とは反対側の端部が下紙折り目108に重ねられる。これにより、上紙折部112の内面114と上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110との間の互いに重ねられる面積を増加させることができる。
【0021】
図5は、
図4の筒部101、下紙104および上紙105が形成される筒状体3を示す平面図である。平坦に押し潰された筒状体3を折り込むことによって、筒部101、下紙104および上紙105が形成される。
【0022】
押し潰された筒状体3の一方の開口端部301から他方の開口端部302に向かって予め設定された距離だけ離れた位置に筒状体折り目303が形成されている。筒状体折り目303は、下紙折り目108および上紙折り目113のそれぞれに平行している。筒状体折り目303は、筒部101と開封部102との間の境界線となる。
【0023】
一方の開口端部301における一対の角部304の両方を筒状体折り目303まで筒状体3の内側に折り込むことによって、下紙104および上紙105が形成される。
【0024】
平坦に押し潰された筒状体3の幅方向を紙袋の幅方向D1とする。幅方向D1における筒状体3の両側面であって、一方の開口端部301と筒状体折り目303との間の部分は、一対の角部304が筒状体3の内側に折り込まれることによって、筒状体折り目303に重ねられる。
【0025】
一対の角部304が筒状体3の内側に折り込まれることによって、一対の三角部116が形成される。一対の三角部116は、幅方向D1に互いに離れて配置されている。それぞれの三角部116は、下紙104の一部および上紙105の一部を構成している。
【0026】
図6は、
図4の下紙104に開封糊が塗布され上紙105に開封糊が塗布されている状態を示す平面図である。下紙折部107の内面109における三角部116に含まれる部分には、開封糊117が塗布されている。下紙折部107の内面109は、開封糊117を介して、下紙基部106および上紙基部111に貼り合わされる。下紙折部107が下紙基部106および上紙基部111に貼り合わされることによって、開口部103が閉じられる。
【0027】
上紙折部112の内面114における三角部116に含まれる部分には、開封糊118が塗布されている。また、上紙折部112の内面114における三角部116に含まれない部分であって、上紙折り目113とは反対側の部分には、開封糊119が塗布されている。上紙折部112の内面114は、開封糊118および開封糊119を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に貼り合わされる。上紙折部112が上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107に貼り合わされることによって、下紙折部107が下紙基部106および上紙基部111から剥がれることが抑制される。
【0028】
開封糊117、開封糊118および開封糊119としては、例えば、酢酸ビニル系の接着剤が挙げられる。
【0029】
図7は、
図3の下紙104および上紙105に開封糊が塗布され上紙105に固着糊が塗布されている状態を示す平面図である。下紙基部106および上紙基部111のそれぞれにおける下紙折り目108と上紙折り目113との間の部分であって、下紙折部107および上紙折部112のいずれも重ねられていない部分には、開封糊120が塗布されている。下紙折部107の外面110における上紙折部112が重ねられていない部分には、開封糊121が塗布されている。アウターパッチ2は、開封糊120および開封糊121を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に貼り合わされる。
【0030】
開封糊120および開封糊121としては、開封糊117、開封糊118および開封糊119と同様に、例えば、酢酸ビニル系の接着剤が挙げられる。
【0031】
上紙折部112の外面115の全面には、固着糊122が塗布されている。アウターパッチ2は、固着糊122を介して、上紙折部112の外面115に貼り合わされる。アウターパッチ2と上紙折部112とが固着糊122を介して貼り合わされていることによって、上紙折部112からアウターパッチ2が剥がれることが抑制される。
【0032】
アウターパッチ2が下紙基部106、上紙基部111、下紙折部107および上紙折部112に貼り合わされることによって、上紙折部112が上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107から剥がれることが抑制される。
【0033】
言い換えれば、開封部102が開口部103を閉じている状態で、アウターパッチ2が下紙基部106、上紙基部111、下紙折部107および上紙折部112に貼り合わされることによって、開口部103が開くように開封部102が変形することが抑制される。
【0034】
開口部103を開く際には、作業者は、まず、上紙折部112における上紙折り目113とは反対側の部分であって幅方向D1の中央部分に貼り合わされているアウターパッチ2の部分を掴む。この状態で、作業者は、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110からアウターパッチ2を剥がす。これにより、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110から上紙折部112の内面114が剥がれる。その後、作業者は、下紙折部107における下紙折り目108とは反対側の部分であって幅方向D1の中央部分を掴む。この状態で、作業者は、下紙基部106および上紙基部111から下紙折部107の内面109を剥がす。これにより、開口部103が開く。
【0035】
次に、実施の形態1に係る紙袋の組み立て手順について説明する。
図8は、実施の形態1に係る紙袋の製造方法を示すフローチャートである。
図8では、紙袋の製造方法における開封部102が閉じられてアウターパッチ2が貼り合わされる手順について示されている。まず、ステップS101において、下紙上紙形成工程が行われる。
【0036】
下紙上紙形成工程では、筒状体3を平坦に折り潰し、折り潰された筒状体3の一方の開口端部301から他方の開口端部302に向かって予め設定された距離だけ離れた位置に、一方の開口端部301に平行する筒状体折り目303を形成する。
【0037】
また、下紙上紙形成工程では、一方の開口端部301における一対の角部304の両方を筒状体折り目303まで筒状体3の内側に折り込むことによって下紙104および上紙105を形成する。
【0038】
その後、ステップS102において、下紙上紙貼り合わせ工程が行われる。下紙上紙貼り合わせ工程では、筒状体折り目303に平行し下紙基部106と下紙折部107との間の境界線となる下紙折り目108を下紙104に形成する。
【0039】
また、下紙上紙貼り合わせ工程では、筒状体折り目303に平行し上紙基部111と上紙折部112との間の境界線となる上紙折り目113を上紙105に形成する。
【0040】
また、下紙上紙貼り合わせ工程では、開封糊117を介して、下紙基部106および上紙基部111に下紙折部107の内面109を貼り合わせる。
【0041】
また、下紙上紙貼り合わせ工程では、開封糊118および開封糊119を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に上紙折部112の内面114を貼り合わせる。
【0042】
その後、ステップS103において、アウターパッチ貼り合わせ工程が行われる。アウターパッチ貼り合わせ工程では、開封糊120および開封糊121を介して上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110にアウターパッチ2を貼り合わせるとともに、固着糊122を介して上紙折部112の外面115にアウターパッチ2を貼り合わせる。以上により、実施の形態1に係る紙袋の組み立て手順が終了する。
【0043】
以上説明したように、実施の形態1に係る紙袋は、筒状袋体1と、アウターパッチ2と、を備えている。筒状袋体1は、筒部101と、筒部101の開口部103を開閉する開封部102と、を有している。アウターパッチ2は、開封部102に設けられている。開封部102は、下紙104および上紙105を有している。下紙104および上紙105は、筒部101に一体に設けられている。下紙104および上紙105が互いに重なることによって、筒部101の開口部103が閉じられる。下紙104は、下紙基部106と、下紙基部106に設けられた下紙折部107と、を有している。上紙105は、上紙基部111と、上紙基部111に設けられた上紙折部112と、を有している。下紙折部107の内面109は、開封糊117を介して、下紙基部106および上紙基部111に貼り合わされる。上紙折部112の内面114は、開封糊118および開封糊119を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に貼り合わされる。アウターパッチ2は、開封糊120および開封糊121を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に貼り合わされる。また、アウターパッチ2は、固着糊122を介して、上紙折部112の外面115に貼り合わされる。この構成によれば、アウターパッチ2が固着糊122を介して上紙折部112の外面115に貼り合わされる。これにより、作業者が開封部102を変形させて筒部101の開口部103を開く際に、アウターパッチ2が上紙105に貼り合わされたままとなる。したがって、筒部101の開口部103が開いた後にアウターパッチ2が異物として筒部101の内側に進入することを抑制することができる。
【0044】
また、この構成によれば、下紙折部107の内面109が開封糊117を介して下紙基部106および上紙基部111に貼り合わされる。これにより、作業者は、下紙基部106および上紙基部111から下紙折部107の内面109を容易に剥がすことができる。また、下紙基部106および上紙基部111から下紙折部107の内面109を剥がす際に紙粉が発生することを抑制することができる。
【0045】
また、この構成によれば、上紙折部112の内面114が開封糊118および開封糊119を介して上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に貼り合わされる。これにより、作業者は、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110から上紙折部112の内面114を容易に剥がすことができる。また、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110から上紙折部112の内面114を剥がす際に紙粉が発生することを抑制することができる。
【0046】
また、この構成によれば、アウターパッチ2が開封糊120および開封糊121を介して上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に貼り合わされる。これにより、作業者は、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110からアウターパッチ2を容易に剥がすことができる。また、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110からアウターパッチ2を剥がす際に紙粉が発生することを抑制することができる。
【0047】
また、この構成によれば、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110からアウターパッチ2を剥がすことによって、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110から上紙折部112の内面114を剥がれる。これにより、アウターパッチ2を剥がす工程と上紙折部112を剥がす工程とを同時に行うことができる。その結果、紙袋を開封する工程を簡素化することができる。
【0048】
また、実施の形態1に係る紙袋の製造方法は、下紙上紙形成工程と、下紙上紙貼り合わせ工程と、アウターパッチ貼り合わせ工程と、を備えている。下紙上紙形成工程では、筒状体3を平坦に折り潰し、折り潰された筒状体3の一方の開口端部301から他方の開口端部302に向かって予め設定された距離だけ離れた位置に、一方の開口端部301に平行する筒状体折り目303を形成する。また、下紙上紙形成工程では、一方の開口端部301における一対の角部304の両方を筒状体折り目303まで筒状体3の内側に折り込むことによって下紙104および上紙105を形成する。下紙上紙貼り合わせ工程では、筒状体折り目303に平行し下紙基部106と下紙折部107との間の境界線となる下紙折り目108を下紙104に形成する。また、下紙上紙貼り合わせ工程では、筒状体折り目303に平行し上紙基部111と上紙折部112との間の境界線となる上紙折り目113を上紙105に形成する。また、下紙上紙貼り合わせ工程では、開封糊117を介して、下紙基部106および上紙基部111に下紙折部107の内面109を貼り合わせる。また、下紙上紙貼り合わせ工程では、開封糊118および開封糊119を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に上紙折部112の内面114を貼り合わせる。アウターパッチ貼り合わせ工程では、開封糊120および開封糊121を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110にアウターパッチ2を貼り合わせる。また、アウターパッチ貼り合わせ工程では、固着糊122を介して、上紙折部112の外面115にアウターパッチ2を貼り合わせる。この構成によれば、アウターパッチ2が固着糊122を介して上紙折部112の外面115に貼り合わされる。これにより、作業者が開封部102を変形させて筒部101の開口部103を開く際に、アウターパッチ2が上紙105に貼り合わされたままとなる。したがって、筒部101の開口部103が開いた後にアウターパッチ2が異物として筒部101の内側に進入することを抑制することができる。
【0049】
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係る紙袋の要部を示す平面図である。
図10は、
図9の筒状袋体の要部を示す正面図である。
図11は、
図9の紙袋の要部を示す側面図である。下紙折部107における下紙折り目108とは反対側の端部123は、上紙折り目113よりも下紙折り目108の近くに配置されている。上紙折部112における上紙折り目113とは反対側の端部124は、下紙折り目108よりも上紙折り目113の近くに配置されている。
【0050】
図11では、紙袋の内側に粉粒体が収容されている状態が示されている。紙袋の内側に粉粒体が収容されることによって、押しつぶされている筒状体3が厚さ方向に大きくなる。これにより、紙袋を横方向から見た場合に、下紙折り目108には、角部が形成される。上紙折部112における上紙折り目113とは反対側の端部124が下紙折り目108に重ねられた場合に、上紙折部112における上紙折り目113とは反対側の端部124が紙袋の角部に重ねられる。
【0051】
紙袋の厚さ方向において紙袋に外力が作用した場合に、紙袋の角部には、角部の角度が大きくなる方向に変形が生じる。上紙折部112における上紙折り目113とは反対側の端部124が紙袋の角部に重ねられた状態で、紙袋の角部に変形が生じた場合に、上紙折部112が下紙折り目108から離れるように上紙折部112に外力が作用する。
【0052】
上紙折部112における上紙折り目113とは反対側の端部124が下紙折り目108よりも上紙折り目113の近くに配置されている。これにより、紙袋の角部に変形が生じた場合であっても、上紙折部112が下紙折部107の外面110から剥がれることが抑制されている。
【0053】
図12は、
図10の下紙104および上紙105に開封糊120および開封糊121が塗布され上紙105に固着糊122が塗布されている状態を示す平面図である。上紙折部112の外面115であって、上紙折部112の外面115に対して垂直に見た場合に上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110と隣り合う部分を上紙折部外面周縁部125とする。上紙折部外面周縁部125の全域には、開封糊126が塗布されている。上紙折部外面周縁部125には、固着糊122が塗布されていない。
【0054】
アウターパッチ2が上紙折部112の外面115に貼り付けられる際に、固着糊122が、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110とアウターパッチ2との間に進入するように広がる。しかしながら、上紙折部外面周縁部125に開封糊126が塗布されていることによって、固着糊122が、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110とアウターパッチ2との間に進入することが抑制されている。
【0055】
言い換えれば、上紙折部112の外面115とアウターパッチ2との間には、固着糊122が上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110とアウターパッチ2との間に進入することを抑制するように開封糊126が設けられている。
【0056】
実施の形態2に係る紙袋におけるその他の構成は、実施の形態1に係る紙袋の構成と同様である。
【0057】
以上説明したように、実施の形態2に係る紙袋では、上紙折部112の外面115とアウターパッチ2との間には、開封糊126が設けられている。開封糊126は、上紙折部112の外面115とアウターパッチ2との間に設けられた固着糊122が上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110とアウターパッチ2との間に進入することを抑制する。この構成によれば、上紙折部112の外面115とアウターパッチ2との間に設けられた固着糊122が上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110とアウターパッチ2との間に進入することが抑制される。これにより、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110とアウターパッチ2との間が固着糊122によって互いに固着されることを抑制することができる。
【0058】
なお、実施の形態2に係る紙袋では、上紙折部外面周縁部125の全域に開封糊126が設けられている構成について説明した。しかしながら、上紙折部外面周縁部125の少なくとも一部に開封糊126が設けられている構成であればよい。上紙折部外面周縁部125の一部のみに開封糊126が設けられている構成であっても、固着糊122が、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110とアウターパッチ2との間に進入することを抑制することができる。
【0059】
実施の形態3.
図13は、実施の形態3に係る紙袋の要部を示す正面図である。
図13では、アウターパッチ2が筒状袋体1に貼り付けられる前の状態の紙袋の要部が示されている。下紙基部106および上紙基部111のそれぞれにおける下紙折り目108と上紙折り目113との間の部分であって、下紙折部107および上紙折部112のいずれも重ねられていない部分を下紙上紙基部露出部127とする。
【0060】
下紙上紙基部露出部127の一部には、固着糊128が塗布されている。下紙上紙基部露出部127における固着糊128が塗布されていない部分には、開封糊120が塗布されている。アウターパッチ2に対して垂直に見た場合のアウターパッチ2は、固着糊128および開封糊120を介して下紙上紙基部露出部127に貼り合わされる。
【0061】
固着糊128が塗布されている下紙上紙基部露出部127の部分は、作業者が開口部103を開く際に、下紙上紙基部露出部127からアウターパッチ2を剥がすことができる程度に小さく形成されている。
【0062】
下紙折部107の外面110における上紙折部112が重ねられていない部分を下紙折部露出部129とする。
【0063】
下紙折部露出部129の一部には、固着糊130が塗布されている。下紙折部露出部129における固着糊130が塗布されていない部分には、開封糊121が塗布されている。アウターパッチ2に対して垂直に見た場合のアウターパッチ2は、固着糊130および開封糊121を介して下紙折部露出部129に貼り合わされる。
【0064】
固着糊130が塗布されている下紙折部露出部129の部分は、作業者が開口部103を開く際に、下紙折部露出部129からアウターパッチ2を剥がすことができる程度に小さく形成されている。
【0065】
上紙折部112の外面115であって、上紙折り目113とは反対側の端部を上紙折部外面先端部131とする。上紙折部外面先端部131の一部には、固着糊132が塗布されている。上紙折部外面先端部131における固着糊132が塗布されていない部分には、開封糊133が塗布されている。開封糊133としては、開封糊120および開封糊121と同様に、例えば、酢酸ビニル系の接着剤が挙げられる。
【0066】
固着糊132が塗布されている上紙折部外面先端部131の部分は、作業者が開口部103を開く際に、上紙折部外面先端部131からアウターパッチ2を剥がすことができる程度に小さく形成されている。
【0067】
上紙折部112の外面115であって、上紙折部外面先端部131以外の部分には、固着糊122が塗布されている。
【0068】
上紙折部外面先端部131における上紙折り目113とは反対側の端部には、固着糊132および開封糊133が塗布されていない無塗布領域134が形成されている。無塗布領域134は、上紙折部外面先端部131における紙袋の幅方向D1の中間部分に配置されている。無塗布領域134がアウターパッチ2に貼り付けられない。これにより、無塗布領域134に重ねられるアウターパッチ2の部分を作業者が容易に掴むことができる。
【0069】
実施の形態3に係る紙袋におけるその他の構成は、実施の形態1に係る紙袋の構成と同様である。なお、実施の形態2に係る紙袋と同様に、上紙折部112の外面115とアウターパッチ2との間には、開封糊126が設けられ、開封糊126が、上紙折部112の外面115とアウターパッチ2との間に設けられた固着糊122が上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110とアウターパッチ2との間に進入することを抑制する構成であってもよい。
【0070】
以上説明したように、実施の形態3に係る紙袋では、アウターパッチ2は、開封糊133を介して、上紙折部外面先端部131に貼り合わされ、固着糊122を介して、上紙折部112の外面115であって、上紙折部外面先端部131以外の部分に貼り合わされている。この構成によれば、作業者は、上紙折部外面先端部131からアウターパッチ2を容易に剥がすことができる。アウターパッチ2における上紙折部112の外面115から剥がされた部分を作業者が掴むことによって、作業者は、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110から上紙折部112の内面114を容易に剥がすことができる。
【0071】
なお、実施の形態3に係る紙袋では、無塗布領域134が、紙袋の幅方向D1における上紙折部外面先端部131の中間部分に配置されている構成について説明した。しかしながら、無塗布領域134が、紙袋の幅方向D1における上紙折部外面先端部131の任意の部分に配置されている構成であればよい。
【0072】
実施の形態4.
図14は、実施の形態4に係る紙袋の要部を示す正面図である。
図14では、アウターパッチ2が筒状袋体1に貼り付けられる前の状態の紙袋の要部が示されている。上紙折部外面先端部131には、固着糊135が塗布されている。上紙折部112の外面115であって上紙折部外面先端部131以外の部分には、開封糊136が塗布されている。開封糊136としては、開封糊120および開封糊121と同様に、例えば、酢酸ビニル系の接着剤が挙げられる。
【0073】
開口部103を開く際には、作業者は、まず、上紙折部112における上紙折り目113側の部分であって幅方向D1の中央部分に貼り合わされているアウターパッチ2の部分を掴む。この状態で、作業者は、上紙基部111、下紙基部106、下紙折部107の外面110および上紙折部112の外面115における上紙折部外面先端部131以外の部分からアウターパッチ2を剥がす。これにより、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110から上紙折部112の内面114が剥がれる。その後、作業者は、下紙折部107における下紙折り目108とは反対側の部分であって幅方向D1の中央部分を掴む。この状態で、作業者は、下紙基部106および上紙基部111から下紙折部107の内面109を剥がす。これにより、開口部103が開く。
【0074】
実施の形態4に係る紙袋におけるその他の構成は、実施の形態1に係る紙袋の構成と同様である。
【0075】
以上説明したように、実施の形態4に係る紙袋によれば、アウターパッチ2は、固着糊135を介して、上紙折部外面先端部131に貼り合わされ、開封糊136を介して、上紙折部112の外面115であって、上紙折部外面先端部131以外の部分に貼り合わされている。この構成によれば、作業者は、上紙折部112の外面115における上紙折部外面先端部131以外の部分からアウターパッチ2を剥がすことができる。アウターパッチ2における上紙折部112の外面115から剥がされた部分を作業者が掴むことによって、作業者は、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110から上紙折部112の内面114を容易に剥がすことができる。
【0076】
実施の形態5.
図15は、実施の形態5に係る紙袋の要部を示す正面図である。
図15では、アウターパッチ2が筒状袋体1に貼り付けられる前の状態の紙袋の要部が示されている。上紙折部112における上紙折り目113とは反対側の端部124は、下紙折り目108よりも上紙折り目113の近くに配置されている。
【0077】
下紙折部107の外面110における上紙折部112が重ねられていない部分であって、下紙折り目108側の部分を下紙折部外面基端部137とする。下紙折部外面基端部137には、固着糊138が塗布されている。固着糊138は、紙袋の幅方向D1における下紙折部外面基端部137の全域に塗布されている。下紙折部107の外面110における上紙折部112が重ねられていない部分であって、下紙折部外面基端部137以外の部分には、開封糊121が塗布されている。
【0078】
開口部103を開く際には、作業者は、まず、上紙折部112における上紙折り目113側の部分であって幅方向D1の中央部分に貼り合わされているアウターパッチ2の部分を掴む。この状態で、作業者は、上紙基部111、下紙基部106、下紙折部107の外面110における下紙折部外面基端部137以外の部分および上紙折部112の外面115からアウターパッチ2を剥がす。その後、作業者は、上紙折部112における上紙折り目113とは反対側の部分であって幅方向D1の中央部分を掴む。この状態で、作業者は、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110から上紙折部112の内面114を剥がす。その後、作業者は、下紙折部107における下紙折り目108とは反対側の部分であって幅方向D1の中央部分を掴む。この状態で、作業者は、下紙基部106および上紙基部111から下紙折部107の内面109を剥がす。これにより、開口部103が開く。
【0079】
実施の形態5に係る紙袋の組み立て手順は、アウターパッチ貼り合わせ工程において、実施の形態1に係る紙袋の組み立て手順と異なる。アウターパッチ貼り合わせ工程では、開封糊120、開封糊121および開封糊136を介して上紙基部111、下紙基部106、下紙折部107の外面110における上紙折部112が重ねられていない部分であって下紙折部外側面基端部137以外の部分および上紙折部112の外面115にアウターパッチ2を貼り合わせるとともに、固着糊138を介して下紙折部107の外面110の下紙折部外面基端部137にアウターパッチ2を貼り合わせる。
【0080】
実施の形態5に係る紙袋におけるその他の構成は、実施の形態4に係る紙袋の構成と同様である。
【0081】
以上説明したように、実施の形態5に係る紙袋では、アウターパッチ2は、開封糊120および開封糊136を介して、上紙基部111、下紙基部106および上紙折部112の外面115に貼り合わされ、固着糊138を介して、下紙折部107の外面110の下紙折部外面基端部137に貼り合わされる。この構成によれば、アウターパッチ2が固着糊138を介して下紙折部107の外面110に貼り合わされる。これにより、作業者が開封部102を変形させて筒部101の開口部103を開く際に、アウターパッチ2が下紙104に貼り合わされたままとなる。したがって、筒部101の開口部103が開いた後にアウターパッチ2が異物として筒部101の内側に進入することを抑制することができる。
【0082】
また、実施の形態5に係る紙袋の製造方法では、アウターパッチ貼り合わせ工程において、開封糊120および開封糊136を介して、上紙基部111、下紙基部106および上紙折部112の外面115にアウターパッチ2を貼り合わせる。また、アウターパッチ貼り合わせ工程において、固着糊138を介して、下紙折部107の外面110の下紙折部外面基端部137にアウターパッチ2を貼り合わせる。この構成によれば、アウターパッチ2が固着糊138を介して下紙折部の外面110に貼り合わされる。これにより、作業者が開封部102を変形させて筒部101の開口部103を開く際に、アウターパッチ2が下紙104に貼り合わされたままとなる。したがって、筒部101の開口部103が開いた後にアウターパッチ2が異物として筒部101の内側に進入することを抑制することができる。
【0083】
実施の形態6.
図16は、実施の形態6に係る紙袋の要部を示す正面図である。
図16では、アウターパッチ2が筒状袋体1に貼り合わされる前の状態の紙袋の要部が示されている。下紙折部107における下紙折り目108とは反対側の端部123は、上紙折り目113よりも下紙折り目108の近くに配置されている。上紙折部112における上紙折り目113とは反対側の端部124は、下紙折り目108よりも上紙折り目113の近くに配置されている。
【0084】
下紙基部106および上紙基部111における下紙折り目108と上紙折り目113との間の部分であって、下紙折部107および上紙折部112のいずれも重ねられていない部分を下紙上紙基部露出部127とする。下紙上紙基部露出部127は、
図16において、左右の2箇所に1つずつ配置されている。
【0085】
下紙上紙基部露出部127の一部には、スポット固着糊139が塗布されている。下紙上紙基部露出部127におけるスポット固着糊139が塗布されていない部分には、開封糊120が塗布されている。アウターパッチ2は、スポット固着糊139および開封糊120を介して下紙上紙基部露出部127に貼り合わされている。
【0086】
スポット固着糊139の構成は、実施の形態3に係る紙袋における固着糊128の構成と同様である。したがって、スポット固着糊139が塗布されている下紙上紙基部露出部127の部分は、作業者が開口部103を開く際に、下紙上紙基部露出部127からアウターパッチ2を剥がすことができる程度に小さく形成されている。具体的には、スポット固着糊139の形状は、1辺の長さが数mm程度の四角形に形成されている。
【0087】
スポット固着糊139は、それぞれの下紙上紙基部露出部127において、3つずつ配置されている。それぞれの下紙上紙基部露出部127において、3つのスポット固着糊139は、下紙上紙基部露出部127に対して垂直に見た場合に紙袋の幅方向D1に垂直な方向に並んで配置されている。
【0088】
それぞれの下紙上紙基部露出部127におけるスポット固着糊139が塗布されている部分は、紙袋の幅方向D1において下紙上紙基部露出部127の外側の部分である。それぞれの下紙上紙基部露出部127におけるスポット固着糊139が塗布されている部分には、紙袋の幅方向D1におけるアウターパッチ2の端部が貼り合わされている。
【0089】
下紙折部107の外面110における上紙折部112が重ねられていない部分を下紙折部露出部129とする。
【0090】
下紙折部露出部129の一部には、スポット固着糊140が塗布されている。下紙折部露出部129におけるスポット固着糊140が塗布されていない部分には、開封糊121が塗布されている。アウターパッチ2は、スポット固着糊140および開封糊121を介して下紙折部107の外面110に貼り合わされている。
【0091】
スポット固着糊140の構成は、実施の形態3に係る紙袋における固着糊130の構成と同様である。したがって、スポット固着糊140が塗布されている下紙折部露出部129の部分は、作業者が開口部103を開く際に、下紙折部露出部129からアウターパッチ2を剥がすことができる程度に小さく形成されている。具体的には、スポット固着糊140の形状は、1辺の長さが数mm程度の四角形に形成されている。
【0092】
下紙折部露出部129には、アウターパッチ2が貼り合わされていない無塗布領域141が形成されている。無塗布領域141は、下紙折部露出部129における下紙折り目108側の端部に配置されている。無塗布領域141は、下紙折部露出部129における紙袋の幅方向D1の中間部分に配置されている。無塗布領域141と無塗布領域141に重ねられるアウターパッチ2の部分とからサムホールが構成されている。無塗布領域141は、アウターパッチ2に貼り合わされていない。これにより、作業者は、無塗布領域141に重ねられるアウターパッチ2の部分を容易に掴むことができる。
【0093】
アウターパッチ2が筒状袋体1から剥がされる場合には、アウターパッチ2は、下紙折り目108から先に剥がされ、最後に上紙折り目113から剥がされる。アウターパッチ2に対して垂直に見た場合に、下紙折り目108から上紙折り目113に向かう方向をアウターパッチ剥がし方向D2とする。
【0094】
スポット固着糊140は、下紙折部露出部129における無塗布領域141に隣り合う部分に配置されている。具体的には、スポット固着糊140は、無塗布領域141に対してアウターパッチ剥がし方向D2に隣り合うように配置されている。無塗布領域141がアウターパッチ2に貼り合わされていないことによって、下紙折部露出部129における無塗布領域141に隣り合う部分からアウターパッチ2が剥がれやすくなる。しかしながら、スポット固着糊140が下紙折部露出部129における無塗布領域141に隣り合う部分に配置されていることによって、下紙折部露出部129における無塗布領域141に隣り合う部分からアウターパッチ2が剥がれにくくなっている。
【0095】
実施の形態6に係る紙袋におけるその他の構成は、実施の形態3に係る紙袋の構成と同様である。
【0096】
以上説明したように、実施の形態6に係る紙袋は、筒状袋体1と、アウターパッチ2と、を備えている。筒状袋体1は、筒部101と、筒部101の開口部103を開閉する開封部102と、を有している。アウターパッチ2は、開封部102に設けられている。開封部102は、下紙104および上紙105を有している。下紙104および上紙105は、筒部101に一体に設けられている。下紙104および上紙105が互いに重なることによって、筒部101の開口部103が閉じられる。下紙104は、下紙基部106と、下紙基部106に設けられた下紙折部107と、を有している。上紙105は、上紙基部111と、上紙基部111に設けられた上紙折部112と、を有している。下紙折部107の内面109は、開封糊117を介して、下紙基部106および上紙基部111に貼り合わされる。上紙折部112の内面114は、開封糊118および開封糊119を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に貼り合わされている。アウターパッチ2は、開封糊120および開封糊121を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に貼り合わされている。また、アウターパッチ2は、固着糊122を介して、上紙折部112の外面115に貼り合わされている。下紙基部106と下紙折部107との間の境界線を下紙折り目108とする。上紙基部111と上紙折部112との間の境界線を上紙折り目113とする。下紙基部106および上紙基部111における下紙折り目108と上紙折り目113との間の部分であって、下紙折部107および上紙折部112のいずれにも重ねられていない部分を下紙上紙基部露出部127とする。下紙上紙基部露出部127の一部には、スポット固着糊139を介して、アウターパッチ2が貼り合わされている。この構成によれば、下紙上紙基部露出部127とアウターパッチ2との間の貼り合わせの強度を向上させることができる。これにより、筒部101の内側に収容物が収容された状態で紙袋が持ち運ばれる際に、下紙上紙基部露出部127からアウターパッチ2が剥がれることを抑制することができる。
【0097】
また、実施の形態6に係る紙袋では、下紙上紙基部露出部127におけるスポット固着糊139が塗布されている部分には、紙袋の幅方向D1におけるアウターパッチ2の端部が貼り合わされる。この構成によれば、紙袋の幅方向D1におけるアウターパッチ2の端部と下紙上紙基部露出部127との間の貼り合わせの強度を向上させることができる。
【0098】
また、実施の形態6に係る紙袋では、下紙折部107の外面110における上紙折部112が重ねられていない部分を下紙折部露出部129とする。下紙折部露出部129には、アウターパッチ2が貼り合わされていない無塗布領域141が形成されている。下紙折部露出部129における無塗布領域141に隣り合う部分には、スポット固着糊140を介してアウターパッチ2が貼り合わされている。この構成によれば、下紙折部露出部129における無塗布領域141に隣り合う部分からアウターパッチ2が剥がれることを抑制することができる。
【0099】
また、実施の形態6に係る紙袋では、無塗布領域141は、下紙折部露出部129における下紙折り目108側の端部に配置されている。この構成によれば、作業者は、無塗布領域141に重ねられるアウターパッチ2の部分を容易に掴むことができる。
【0100】
また、実施の形態6に係る紙袋の製造方法は、下紙上紙形成工程と、下紙上紙貼り合わせ工程と、アウターパッチ貼り合わせ工程と、を備えている。下紙上紙形成工程では、筒状体3を平坦に折り潰し、折り潰された筒状体3の一方の開口端部301から他方の開口端部302に向かって予め設定された距離だけ離れた位置に、一方の開口端部301に平行する筒状体折り目303を形成する。また、下紙上紙形成工程では、一方の開口端部301における一対の角部304の両方を筒状体折り目303まで筒状体3の内側に折り込むことによって下紙104および上紙105を形成する。下紙上紙貼り合わせ工程では、筒状体折り目303に平行する下紙折り目108を下紙104に形成し、筒状体折り目303に平行する上紙折り目113を上紙105に形成する。また、下紙上紙貼り合わせ工程では、開封糊117を介して、下紙基部106および上紙基部111に下紙折部107の内面109を貼り合わせる。また、下紙上紙貼り合わせ工程では、開封糊118および開封糊119を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に上紙折部112の内面114を貼り合わせる。アウターパッチ貼り合わせ工程では、開封糊120および開封糊121を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110にアウターパッチ2を貼り合わせる。また、アウターパッチ貼り合わせ工程では、固着糊122を介して、上紙折部112の外面115にアウターパッチ2を貼り合わせる。また、アウターパッチ貼り合わせ工程では、下紙上紙基部露出部127の一部には、スポット固着糊139を介して、アウターパッチ2が貼り合わされる。この構成によれば、下紙上紙基部露出部127とアウターパッチ2との間の貼り合わせの強度を向上させることができる。これにより、筒部101の内側に収容物が収容された状態で紙袋が持ち運ばれる際に、下紙上紙基部露出部127からアウターパッチ2が剥がれることを抑制することができる。
【0101】
実施の形態7.
図17は、実施の形態7に係る紙袋の要部を示す正面図である。
図17では、アウターパッチ2が筒状袋体1に貼り合わされる前の状態の紙袋の要部が示されている。下紙折部露出部129には、アウターパッチ2が貼り合わされていない無塗布領域142が形成されている。無塗布領域142は、下紙折部露出部129における下紙折り目108から離れた位置に配置されている。具体的には、無塗布領域142は、下紙折り目108からアウターパッチ剥がし方向D2に離れて配置されている。したがって、無塗布領域142と下紙折り目108との間には、開封糊121が塗布されている。
【0102】
無塗布領域142と下紙折り目108との間には、開封糊121が塗布されることによって、無塗布領域142に異物が進入することが抑制される。作業者が無塗布領域142に重ねられるアウターパッチ2の部分を掴むためには、下紙折部露出部129における無塗布領域142と下紙折り目108との間の部分からアウターパッチ2を剥がす。
【0103】
紙袋の幅方向D1において、実施の形態7に係る紙袋における無塗布領域142の寸法は、実施の形態6に係る紙袋における無塗布領域141の寸法よりも大きい。これにより、作業者が無塗布領域142に重ねられるアウターパッチ2の部分を容易に掴むことができる。
【0104】
スポット固着糊140は、下紙折部露出部129における無塗布領域142に隣り合う部分に配置されている。具体的には、スポット固着糊140は、無塗布領域142に対してアウターパッチ剥がし方向D2に隣り合うように配置されている。無塗布領域142がアウターパッチ2に貼り合わされていないことによって、下紙折部露出部129における無塗布領域142に隣り合う部分からアウターパッチ2が剥がれやすくなる。しかしながら、スポット固着糊140が下紙折部露出部129における無塗布領域142に隣り合う部分に配置されていることによって、下紙折部露出部129における無塗布領域142に隣り合う部分からアウターパッチ2が剥がれにくくなっている。
【0105】
実施の形態7に係る紙袋におけるその他の構成は、実施の形態6に係る紙袋の構成と同様である。
【0106】
以上説明したように、実施の形態7に係る紙袋では、無塗布領域142は、下紙折部露出部129における下紙折り目108から離れた位置に配置されている。この構成によれば、無塗布領域142に異物が進入することを抑制することができる。
【0107】
なお、実施の形態6および実施の形態7に係る紙袋では、それぞれの下紙上紙基部露出部127においてスポット固着糊139が3つずつ配置されている構成について説明した。しかしながら、これに限らない。例えば、
図18に示すように、それぞれの下紙上紙基部露出部127においてスポット固着糊139が2つずつ配置されている構成であってもよい。また、
図19に示すように、それぞれの下紙上紙基部露出部127においてスポット固着糊139が1つずつ配置されている構成であってもよい。また、
図20に示すように、それぞれの下紙上紙基部露出部127においてスポット固着糊139が配置されていない構成であってもよい。
【0108】
また、実施の形態6および実施の形態7に係る紙袋では、スポット固着糊139およびスポット固着糊140のそれぞれの形状が四角形である構成について説明した。しかしながら、これに限らない。例えば、
図21に示すように、スポット固着糊139およびスポット固着糊140の少なくとも何れか一方の形状が三角形であってもよい。この場合に、アウターパッチ剥がし方向D2に向かうにつれて、紙袋の幅方向D1における寸法が大きくなるように三角形のスポット固着糊139およびスポット固着糊140が配置されてもよい。これにより、作業者によるアウターパッチ2を剥がす作業を容易にすることができる。また、三角形に限らず、アウターパッチ剥がし方向D2に向かうにつれて、紙袋の幅方向D1における寸法が大きくなるように形成されたスポット固着糊139およびスポット固着糊140であればよい。また、スポット固着糊139およびスポット固着糊140の少なくとも何れか一方の形状が、丸形などの形状であってもよい。
【0109】
また、実施の形態6および実施の形態7に係る紙袋では、開封糊120が下紙上紙基部露出部127に一様に塗布される構成について説明した。しかしながら、これに限らない。例えば、
図22に示すように、それぞれが直線状に形成され、互いに平行する複数の開封糊120が下紙上紙基部露出部127に塗布される構成であってもよい。互いに隣り合う開封糊120は、互いに離れている。この場合に、下紙上紙基部露出部127に塗布される開封糊120の量を削減することができる。
【0110】
また、実施の形態6および実施の形態7に係る紙袋では、開封糊121が下紙折部露出部129に一様に塗布される構成について説明した。しかしながら、これに限らない。例えば、
図22に示すように、それぞれが直線状に形成され、互いに平行する複数の開封糊121が下紙折部露出部129に塗布される構成であってもよい。互いに隣り合う開封糊121は、互いに離れている。この場合に、下紙折部露出部129に塗布される開封糊121の量を削減することができる。
【0111】
また、実施の形態6および実施の形態7に係る紙袋では、固着糊122が上紙折部112の外面115に一様に塗布される構成について説明した。しかしながら、これに限らない。例えば、
図22に示すように、それぞれが直線状に形成され、互いに平行する複数の固着糊122が上紙折部112の外面115に塗布される構成であってもよい。互いに隣り合う固着糊122は、互いに離れている。この場合に、上紙折部112の外面115に塗布される固着糊122の量を削減することができる。
【0112】
また、実施の形態7に係る紙袋では、スポット固着糊140の全体が無塗布領域142に対してアウターパッチ剥がし方向D2に離れて配置されている構成について説明した。しかしながら、これに限らない。例えば、スポット固着糊140の少なくとも一部が無塗布領域142に囲まれるように配置されている構成であってもよい。この場合であっても、スポット固着糊140は、無塗布領域142に対してアウターパッチ剥がし方向D2に隣り合うように配置される。
【0113】
実施の形態8.
図23は、実施の形態8に係る紙袋の要部を示す正面図である。
図23では、アウターパッチ2が筒状袋体1に貼り合わされる前の状態の紙袋の要部が示されている。下紙折部107における下紙折り目108とは反対側の端部123は、上紙折り目113よりも下紙折り目108の近くに配置されている。上紙折部112における上紙折り目113とは反対側の端部124は、下紙折り目108よりも上紙折り目113の近くに配置されている。
【0114】
下紙基部106および上紙基部111における下紙折り目108と上紙折り目113との間の部分であって、下紙折部107および上紙折部112のいずれも重ねられていない部分を下紙上紙基部露出部127とする。下紙上紙基部露出部127は、
図23において、左右の2箇所に1つずつ配置されている。
【0115】
下紙上紙基部露出部127の一部には、スポット固着糊143が塗布されている。下紙上紙基部露出部127におけるスポット固着糊143が塗布されていない部分には、開封糊120が塗布されている。アウターパッチ2は、スポット固着糊143および開封糊120を介して下紙上紙基部露出部127に貼り合わされている。
【0116】
スポット固着糊143の構成は、実施の形態6に係る紙袋におけるスポット固着糊139の構成と同様である。したがって、スポット固着糊143が塗布されている下紙上紙基部露出部127の部分は、作業者が開口部103を開く際に、下紙上紙基部露出部127からアウターパッチ2を剥がすことができる程度に小さく形成されている。具体的には、スポット固着糊143の形状は、1辺の長さが数mm程度の四角形に形成されている。
【0117】
スポット固着糊143は、それぞれの下紙上紙基部露出部127において、3つずつ配置されている。それぞれの下紙上紙基部露出部127において、3つのスポット固着糊143は、下紙上紙基部露出部127に対して垂直に見た場合に紙袋の幅方向D1に垂直な方向に並んで配置されている。
【0118】
それぞれの下紙上紙基部露出部127におけるスポット固着糊143が塗布されている部分は、紙袋の幅方向D1において下紙上紙基部露出部127の外側の部分である。それぞれの下紙上紙基部露出部127におけるスポット固着糊143が塗布されている部分には、紙袋の幅方向D1におけるアウターパッチ2の端部が貼り合わされている。
【0119】
上紙折部112の外面115の一部には、スポット固着糊144が塗布されている。上紙折部112の外面115におけるスポット固着糊144が塗布されていない部分には、開封糊136が塗布されている。アウターパッチ2は、スポット固着糊144および開封糊136を介して上紙折部112の外面115に貼り合わされている。
【0120】
スポット固着糊144の構成は、実施の形態6に係るスポット固着糊140の構成と同様である。したがって、スポット固着糊144が塗布されている上紙折部112の外面115の部分は、作業者が開口部103を開く際に、上紙折部112の外面115からアウターパッチ2を剥がすことができる程度に小さく形成されている。具体的には、スポット固着糊144の形状は、1辺の長さが数mm程度の四角形に形成されている。
【0121】
上紙折部112の外面115の一部には、アウターパッチ2が貼り合わされていない無塗布領域145が形成されている。無塗布領域145は、上紙折部112の外面115における上紙折り目113側の端部に配置されている。無塗布領域145は、上紙折部112の外面115における紙袋の幅方向D1の中間部分に配置されている。無塗布領域145と無塗布領域145に重ねられるアウターパッチ2の部分とからサムホールが構成されている。無塗布領域145は、アウターパッチ2に貼り合わされていない。これにより、作業者は、無塗布領域145に重ねられるアウターパッチ2の部分を容易に掴むことができる。
【0122】
アウターパッチ2が筒状袋体1から剥がされる場合には、アウターパッチ2は、上紙折り目113から先に剥がされ、最後に下紙折り目108から剥がされる。アウターパッチ2に対して垂直に見た場合に、上紙折り目113から下紙折り目108に向かう方向をアウターパッチ剥がし方向D3とする。
【0123】
スポット固着糊144は、上紙折部112の外面115における無塗布領域145に隣り合う部分に配置されている。具体的には、スポット固着糊144は、無塗布領域145に対してアウターパッチ剥がし方向D3に隣り合うように配置されている。無塗布領域145がアウターパッチ2に貼り合わされていないことによって、上紙折部112の外面115における無塗布領域145に隣り合う部分からアウターパッチ2が剥がれやすくなる。しかしながら、スポット固着糊144が上紙折部112の外面115における無塗布領域145に隣り合う部分に配置されていることによって、上紙折部112の外面115における無塗布領域145に隣り合う部分からアウターパッチ2が剥がれにくくなっている。
【0124】
実施の形態8に係る紙袋におけるその他の構成は、実施の形態5に係る紙袋の構成と同様である。
【0125】
以上説明したように、実施の形態8に係る紙袋は、筒状袋体1と、アウターパッチ2と、を備えている。筒状袋体1は、筒部101と、筒部101の開口部103を開閉する開封部102と、を有している。アウターパッチ2は、開封部102に設けられている。開封部102は、下紙104および上紙105を有している。下紙104および上紙105は、筒部101に一体に設けられている。下紙104および上紙105が互いに重なることによって、筒部101の開口部103が閉じられる。下紙104は、下紙基部106と、下紙基部106に設けられた下紙折部107と、を有している。上紙105は、上紙基部111と、上紙基部111に設けられた上紙折部112と、を有している。下紙折部107の内面109は、開封糊117を介して、下紙基部106および上紙基部111に貼り合わされる。上紙折部112の内面114は、開封糊118および開封糊119を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に貼り合わされる。アウターパッチ2は、開封糊120および開封糊136を介して、上紙基部111、下紙基部106および上紙折部112の外面115に貼り合わされている。また、アウターパッチ2は、固着糊138を介して、下紙折部107の外面110に貼り合わされている。下紙基部106と下紙折部107との間の境界線を下紙折り目108とする。上紙基部111と上紙折部112との間の境界線を上紙折り目113とする。下紙基部106および上紙基部111における下紙折り目108と上紙折り目113との間の部分であって、下紙折部107および上紙折部112のいずれにも重ねられていない部分を下紙上紙基部露出部127とする。下紙上紙基部露出部127の一部には、スポット固着糊143を介して、アウターパッチ2が貼り合わされている。この構成によれば、下紙上紙基部露出部127とアウターパッチ2との間の貼り合わせの強度を向上させることができる。これにより、筒部101の内側に収容物が収容された状態で紙袋が持ち運ばれる際に、下紙上紙基部露出部127からアウターパッチ2が剥がれることを抑制することができる。
【0126】
また、実施の形態8に係る紙袋では、下紙上紙基部露出部127におけるスポット固着糊143が塗布されている部分には、紙袋の幅方向D1におけるアウターパッチ2の端部が貼り合わされている。この構成によれば、紙袋の幅方向D1におけるアウターパッチ2の端部と下紙上紙基部露出部127との間の貼り合わせの強度を向上させることができる。
【0127】
また、実施の形態8に係る紙袋では、上紙折部112の外面115には、アウターパッチ2が貼り合わされていない無塗布領域145が形成されている。上紙折部112の外面115における無塗布領域145に隣り合う部分には、スポット固着糊144を介してアウターパッチ2が貼り合わされている。この構成によれば、上紙折部112の外面115における無塗布領域145に隣り合う部分からアウターパッチ2が剥がれることを抑制することができる。
【0128】
また、実施の形態8に係る紙袋では、無塗布領域145は、上紙折部112の外面115における上紙折り目113側の端部に配置されている。この構成によれば、作業者は、無塗布領域145に重ねられるアウターパッチ2の部分を容易に掴むことができる。
【0129】
また、実施の形態8に係る紙袋の製造方法は、下紙上紙形成工程と、下紙上紙貼り合わせ工程と、アウターパッチ貼り合わせ工程と、を備えている。下紙上紙形成工程では、筒状体3を平坦に折り潰し、折り潰された筒状体3の一方の開口端部301から他方の開口端部302に向かって予め設定された距離だけ離れた位置に、一方の開口端部301に平行する筒状体折り目303を形成する。また、下紙上紙形成工程では、一方の開口端部301における一対の角部304の両方を筒状体折り目403まで筒状体3の内側に折り込むことによって下紙104および上紙105を形成する。下紙上紙貼り合わせ工程では、筒状体折り目303に平行する下紙折り目108を下紙104に形成する。また、下紙上紙形成工程では、筒状体折り目303に平行する上紙折り目113を上紙105に形成する。また、下紙上紙貼り合わせ工程では、開封糊117を介して、下紙基部106および上紙基部111に下紙折部107の内面109を貼り合わせる。また、下紙上紙貼り合わせ工程では、開封糊118および開封糊119を介して、上紙基部111、下紙基部106および下紙折部107の外面110に上紙折部112の内面114を貼り合わせる。アウターパッチ貼り合わせ工程では、開封糊120および開封糊136を介して、上紙基部111、下紙基部106および上紙折部112の外面115にアウターパッチ2を貼り合わせる。また、アウターパッチ貼り合わせ工程では、固着糊138を介して、下紙折部107の外面110にアウターパッチ2を貼り合わせる。また、アウターパッチ貼り合わせ工程では、下紙上紙基部露出部127の一部には、スポット固着糊143を介して、アウターパッチ2が貼り合わされる。この構成によれば、下紙上紙基部露出部127とアウターパッチ2との間の貼り合わせの強度を向上させることができる。これにより、筒部101の内側に収容物が収容された状態で紙袋が持ち運ばれる際に、下紙上紙基部露出部127からアウターパッチ2が剥がれることを抑制することができる。
【0130】
実施の形態9.
図24は、実施の形態9に係る紙袋の要部を示す正面図である。
図24では、アウターパッチ2が筒状袋体1に貼り合わされる前の状態の紙袋の要部が示されている。上紙折部112の外面115には、アウターパッチ2が貼り合わされていない無塗布領域146が形成されている。無塗布領域146は、上紙折部112の外面115における上紙折り目113から離れた位置に配置されている。具体的には、無塗布領域146は、上紙折り目113からアウターパッチ剥がし方向D3に離れて配置されている。したがって、無塗布領域146と上紙折り目113との間には、開封糊136が塗布されている。
【0131】
無塗布領域146と上紙折り目113との間には、開封糊136が塗布されることによって、無塗布領域146に異物が進入することが抑制される。作業者が無塗布領域146に重ねられるアウターパッチ2の部分を掴むためには、上紙折部112の外面115における無塗布領域146と上紙折り目113との間の部分からアウターパッチ2を剥がす。
【0132】
紙袋の幅方向D1において、実施の形態9に係る紙袋における無塗布領域146の寸法は、実施の形態8に係る紙袋における無塗布領域145の寸法よりも大きい。これにより、作業者が無塗布領域146に重ねられるアウターパッチ2の部分を容易に掴むことができる。
【0133】
スポット固着糊144は、上紙折部112の外面115における無塗布領域146に隣り合う部分に配置されている。具体的には、スポット固着糊144は、無塗布領域146に対してアウターパッチ剥がし方向D3に隣り合うように配置されている。無塗布領域146がアウターパッチ2に貼り合わされていないことによって、上紙折部112の外面115における無塗布領域146に隣り合う部分からアウターパッチ2が剥がれやすくなる。しかしながら、スポット固着糊144が上紙折部112の外面115における無塗布領域146に隣り合う部分に配置されていることによって、上紙折部112の外面115における無塗布領域146に隣り合う部分からアウターパッチ2が剥がれにくくなっている。
【0134】
実施の形態9に係る紙袋におけるその他の構成は、実施の形態8に係る紙袋の構成と同様である。
【0135】
以上説明したように、実施の形態9に係る紙袋では、無塗布領域146は、上紙折部112の外面115における上紙折り目113から離れた位置に配置されている。この構成によれば、無塗布領域146に異物が進入することを抑制することができる。
【0136】
なお、実施の形態8および実施の形態9に係る紙袋では、それぞれの下紙上紙基部露出部127においてスポット固着糊143が3つずつ配置されている構成について説明した。しかしながら、これに限らない。例えば、
図25に示すように、それぞれの下紙上紙基部露出部127においてスポット固着糊143が2つずつ配置されている構成であってもよい。また、
図26に示すように、それぞれの下紙上紙基部露出部127においてスポット固着糊143が1つずつ配置されている構成であってもよい。また、
図27に示すように、それぞれの下紙上紙基部露出部127においてスポット固着糊143が配置されていない構成であってもよい。
【0137】
また、実施の形態8および実施の形態9に係る紙袋では、スポット固着糊143およびスポット固着糊144のそれぞれの形状が四角形である構成について説明した。しかしながら、これに限らない。例えば、
図28に示すように、スポット固着糊143およびスポット固着糊144の少なくとも何れか一方の形状が三角形であってもよい。この場合に、アウターパッチ剥がし方向D3に向かうにつれて、紙袋の幅方向D1における寸法が大きくなるように三角形のスポット固着糊143およびスポット固着糊144が配置されてもよい。これにより、作業者によるアウターパッチ2を剥がす作業を容易にすることができる。また、三角形に限らず、アウターパッチ剥がし方向D3に向かうにつれて、紙袋の幅方向D1における寸法が大きくなるように形成されたスポット固着糊143およびスポット固着糊144であればよい。また、スポット固着糊143およびスポット固着糊144の少なくとも何れか一方の形状が、丸形などの形状であってもよい。
【0138】
また、実施の形態8および実施の形態9に係る紙袋では、開封糊120が下紙上紙基部露出部127に一様に塗布される構成について説明した。しかしながら、これに限らない。例えば、
図29に示すように、それぞれが直線状に形成され、互いに平行する複数の開封糊120が下紙上紙基部露出部127に塗布される構成であってもよい。互いに隣り合う開封糊120は、互いに離れている。この場合に、下紙上紙基部露出部127に塗布される開封糊120の量を削減することができる。
【0139】
また、実施の形態8および実施の形態9に係る紙袋では、開封糊121が下紙折部露出部129に一様に塗布される構成について説明した。しかしながら、これに限らない。例えば、
図29に示すように、それぞれが直線状に形成され、互いに平行する複数の開封糊121が下紙折部露出部129に塗布される構成であってもよい。互いに隣り合う開封糊121は、互いに離れている。この場合に、下紙折部露出部129に塗布される開封糊121の量を削減することができる。
【0140】
また、実施の形態9に係る紙袋では、スポット固着糊144の全体が無塗布領域146に対してアウターパッチ剥がし方向D3に離れて配置されている構成について説明した。しかしながら、これに限らない。例えば、スポット固着糊144の少なくとも一部が無塗布領域146に囲まれるように配置されている構成であってもよい。この場合であっても、スポット固着糊144は、無塗布領域146に対してアウターパッチ剥がし方向D3に隣り合うように配置される。
【0141】
なお、各実施の形態に係る紙袋では、両底貼袋の紙袋について説明した。しかしながら、片底貼袋の紙袋であってもよい。
【0142】
以上、好ましい各実施の形態に係る紙袋およびその製造方法について説明したが、上述した各実施の形態に係る紙袋およびその製造方法に制限されることはない。特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した各実施の形態に係る紙袋およびその製造方法に種々の変形および変換を加えることができる。
【符号の説明】
【0143】
1 筒状袋体、2 アウターパッチ、3 筒状体、101 筒部、102 開封部、103 開口部、104 下紙、105 上紙、106 下紙基部、107 下紙折部、108 下紙折り目、109 内面、110 外面、111 上紙基部、112 上紙折部、113 上紙折り目、114 内面、115 外面、116 三角部、117 開封糊、118 開封糊、119 開封糊、120 開封糊、121 開封糊、122 固着糊、123 端部、124 端部、125 上紙折部外面周縁部、126 開封糊、127 下紙上紙基部露出部、128 固着糊、129 下紙折部露出部、130 固着糊、131 上紙折部外面先端部、132 固着糊、133 開封糊、134 無塗布領域、135 固着糊、136 開封糊、137 下紙折部外面基端部、138 固着糊、139 スポット固着糊、140 スポット固着糊、141 無塗布領域、142 無塗布領域、143 スポット固着糊、144 スポット固着糊、145 無塗布領域、146 無塗布領域、301 一方の開口端部、302 他方の開口端部、303 筒状体折り目、304 角部。