(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152626
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/06 20060101AFI20241018BHJP
F24F 7/003 20210101ALI20241018BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20241018BHJP
G01N 27/12 20060101ALI20241018BHJP
G01N 15/06 20240101ALI20241018BHJP
G01N 15/075 20240101ALI20241018BHJP
【FI】
F24F7/06 101A
F24F7/003
A61L9/16 F
G01N27/12 A
G01N15/06 D
G01N15/075
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024036189
(22)【出願日】2024-03-08
(31)【優先権主張番号】112114090
(32)【優先日】2023-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Microjet Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】NO. 28, R&D 2nd Rd. Science-Based Industrial Park, Hsin-Chu, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】莫皓然
(72)【発明者】
【氏名】呉錦銓
(72)【発明者】
【氏名】黄啓峰
(72)【発明者】
【氏名】韓永隆
【テーマコード(参考)】
2G046
3L058
4C180
【Fターム(参考)】
2G046AA04
2G046AA07
2G046AA10
2G046AA11
2G046AA12
2G046AA13
2G046AA14
2G046AA18
2G046AA25
2G046BH02
2G046BH03
2G046BH04
2G046FE28
3L058BK05
4C180AA02
4C180AA07
4C180BB06
4C180BB08
4C180BB09
4C180CC03
4C180CC04
4C180DD03
4C180DD09
4C180DD17
4C180EA26X
4C180EA40X
4C180EC01
4C180HH05
4C180HH15
4C180HH20
4C180KK01
4C180LL11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに適用されるレンジフードを提供する。
【解決手段】レンジフードは、導流経路を構成するように配置された本体と、前記導流経路に配置され、動作風量22m
3/min以上で空気対流を導く導風装置と、前記導流経路に配置され、前記導風装置によって導かれた前記空気対流における空気汚染をろ過・浄化するろ過部品と、無線通信により制御コマンドを受信し、前記導風装置の起動動作を実行する、ネットワークに接続されたコントローラとを含む。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに適用されるレンジフードであって、
導流経路を構成するように配置された本体と、
前記導流経路に配置され、動作風量22m3/min以上で空気対流を導く、導風装置と、
前記導流経路に配置され、前記導風装置によって導かれた前記空気対流における空気汚染をろ過・浄化する、ろ過部品と、
無線通信により制御コマンドを受信し、前記導風装置の起動動作を実行する、ネットワークに接続されたコントローラと、
を含む、レンジフード。
【請求項2】
前記空気汚染は、浮遊微粒子、一酸化炭素、二酸化炭素、オゾン、二酸化硫黄、二酸化窒素、鉛、総揮発性有機化合物、ホルムアルデヒド、細菌、真菌、ウイルスのいずれかまたはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項3】
前記室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムの室内は、住宅の室内環境であり、
前記レンジフードの前記導風装置の動作風量22m3/minの清浄空気供給率(CADR)で、前記ろ過部品により前記空気汚染を快速にろ過・浄化し、瞬時にゼロに近づけるまたはゼロにするように検知、除去して、室内空間を安全に呼吸できる空気状態まで浄化する、
請求項1に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムの室内は非住宅の室内環境であり、
前記レンジフードの前記導風装置の動作風量22m3/min以上の清浄空気供給率(CADR)で、前記ろ過部品により前記空気汚染を快速にろ過・浄化し、瞬時にゼロに近づけるまたはゼロにするように検知、除去して、室内空間を安全に呼吸できる空気状態まで浄化する、
請求項1に記載のレンジフード。
【請求項5】
前記ネットワークに接続されたコントローラはスマートスイッチであり、前記スマートスイッチは、前記無線通信により前記制御コマンドを受信して、前記導風装置の開閉機構を制御する、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記ネットワークに接続されたコントローラはガス検知モジュールを含む検知マイコンであり、前記検知マイコンは、前記無線通信により前記制御コマンドを受信し、前記空気汚染を検知してガス検知データを出力することができ、監視機構状態として知能比較に基づいて駆動コマンドを発行して、前記導風装置の開閉機構を制御し、前記導風装置の風量調節を制御する、請求項1に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記監視機構状態では、前記ガス検知モジュールが前記レンジフードに接続されており、検出された前記空気汚染の前記ガス検知データが安全検知値を超えているかどうかを監視する、請求項6に記載のレンジフード。
【請求項8】
前記安全検知値には、浮遊微粒子2.5(PM2.5)の濃度が15μg/m3未満、二酸化炭素(CO2)の濃度が1000ppm未満、総揮発性有機化合物(TVOC)の濃度が0.56ppm未満、ホルムアルデヒド(HCHO)の濃度が0.08ppm未満、細菌数が1500CFU/m3未満、真菌数が1000CFU/m3未満、二酸化硫黄の濃度が0.075ppm未満、二酸化窒素の濃度が0.1ppm未満、一酸化炭素の濃度が9ppm未満、オゾンの濃度が0.06ppm未満、鉛の濃度が0.15μg/m3未満であることが含まれる、請求項7に記載のレンジフード。
【請求項9】
前記ガス検知モジュールは、制御回路基板、ガス検知本体、マイクロプロセッサ及び通信器を含み、
前記ガス検知本体、前記マイクロプロセッサ及び前記通信器は、前記制御回路基板にパッケージ化されて一体的に形成されかつ電気的に接続され、前記マイクロプロセッサは、前記ガス検知本体の検知動作を制御し、前記ガス検知本体は、前記空気汚染を検知して検知信号を出力し、前記マイクロプロセッサは、前記検知信号を受信して演算処理出力することで、前記ガス検知モジュールの前記マイクロプロセッサは、前記ガス検知データを形成し、前記通信器に提供して外部に通信して前記室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに送信し、
前記検知マイコンは、前記通信器により前記室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムから受信した前記制御コマンドを前記無線通信で受信する、
請求項6に記載のレンジフード。
【請求項10】
前記ガス検知本体は、基座と、圧電アクチュエータと、駆動回路基板と、レーザ部品と、微粒子センサーと、ガスセンサーと、外蓋とを含み、
前記基座は、
第1表面と、
前記第1表面に対向する第2表面と、
前記第1表面から前記第2表面に向かってくり抜かれて形成されたレーザ設置領域と、
前記第2表面から凹んで形成され、前記レーザ設置領域に隣接し、吸気通口が設けられ、両側壁にそれぞれ光透過窓が貫通しており、前記レーザ設置領域に連通している、吸気溝と、
前記第2表面から凹んで形成され、前記吸気溝に連通し、底面に通気穴が貫通している、導気部品搭載領域と、
前記第1表面から前記導気部品搭載領域の底面における凹みに対応し、前記第1表面が前記導気部品搭載領域に対応していない領域に、前記第1表面から前記第2表面に向かってくり抜かれて形成され、前記通気穴に連通し、排気通口が設けられた、排気溝と、
を有し、
前記圧電アクチュエータは、前記導気部品搭載領域に収容され、
前記駆動回路基板は、前記基座の前記第2表面にカバーして密着しており、
前記レーザ部品は、前記駆動回路基板に位置決め設置されて電気的に接続され、前記レーザ設置領域に対応して収容され、放射されたビーム経路は前記光透過窓を通過しかつ前記吸気溝と直交する方向を成し、
前記微粒子センサーは、前記駆動回路基板に位置決め設置されて電気的に接続され、前記吸気溝と前記レーザ部品によって放射された前記ビーム経路との直交方向位置に対応して収容され、前記吸気溝を通過しかつ前記レーザ部品によって放射されたビームの照射を受けた前記空気汚染に含まれる微粒子を検知し、
前記ガスセンサーは、前記駆動回路基板に位置決め設置されて電気的に接続され、前記排気溝に収容され、前記排気溝に導入された前記空気汚染を検知し、
前記外蓋は、前記基座を覆い、側板を有し、前記側板に、前記基座の前記吸気通口と対応する吸気枠口及び前記基座の前記排気通口と対応する排気枠口が設けられ、
前記外蓋は前記基座を覆い、前記駆動回路基板は前記第2表面に密着して、前記吸気溝によって吸気経路を定義し、前記排気溝によって排気経路を定義することで、前記圧電アクチュエータを駆動して、前記基座の前記吸気通口の外部の前記空気汚染を前記吸気枠口から前記吸気溝によって定義された前記吸気経路に入るように快速に導き、前記微粒子センサーを通って前記空気汚染に含まれる微粒子の微粒子濃度を検知し、前記空気汚染は前記通気穴から前記排気溝によって定義された前記排気経路に排出され、前記ガスセンサーにより検知され、最後に前記基座の前記排気通口経由で前記排気枠口から排出される、
請求項9に記載のレンジフード。
【請求項11】
前記微粒子センサーは浮遊微粒子の情報を検知し、前記ガスセンサーは、二酸化炭素または総揮発性有機化合物のガス情報を検知する揮発性有機化合物センサーを含む、請求項10に記載のレンジフード。
【請求項12】
前記ガスセンサーは、それぞれホルムアルデヒドのガス情報、細菌情報または真菌情報、またはウイルスのガス情報を検知する、ホルムアルデヒドセンサー、細菌センサー、ウイルスセンサーのいずれかまたはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項10に記載のレンジフード。
【請求項13】
前記本体には、前記導流経路に連通する側面排気口が設けられており、前記側面排気口の上方にバッフル板が設けられており、
前記バッフル板は、折り畳んで前記側面排気口を閉じる、または開いて前記側面排気口の上方に延在することができ、最適な遮断および導きによる空気汚染処理の効率を維持する、請求項1に記載のレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードに関し、特にろ過と、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに接続されて空気汚染の検知、浄化、ゼロ化を実施するろ過浄化応用とを兼ね備えるレンジフードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
人々は生活の周りの空気質をますます重視しており、浮遊粒子(particulatematter、PM)、例えばPM1、PM2.5、PM10、二酸化炭素、総揮発性有機化合物(Total Volatile Organic Compound、TVOC)、ホルムアルデヒドなどのガス、さらにはガスに含まれる微粒子、エアロゾル、細菌、ウイルスなどは、いずれも環境中に暴露され、人体の健康に影響を与え、深刻な場合は生命に危害を及ぼす。
【0003】
現在、室内空気質を把握しにくく、室外空気質に加えて、室内環境状況、汚染源、特に室内空気の流通不良による粉塵、細菌及びウイルスは、いずれも室内空気質に影響を与える主な要因である。
【0004】
このような事情に鑑み、室内空気質をリアルタイムで浄化し、室内で呼吸する有害ガスを低減する浄化ソリューションを提供し、いつでもどこでも室内空気質をリアルタイムでモニタリングすることができるために、室内空気質を向上させ、室内空気を迅速に浄化することが、本発明の研究開発の主要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、ろ過と、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに接続されて空気汚染の検知、浄化、ゼロ化を実施するろ過浄化応用とを兼ね備えるレンジフードを提供することである。ネットワークに接続されたコントローラを介して室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに接続されることで、導風装置の起動を制御するだけでなく、空気汚染を導いてろ過部品により空気汚染を瞬時にろ過するとともに、さらに室内空気汚染を検知し、環境の空気質の状態を知能的に比較し、空気汚染に応じて風量を調整して空気汚染をろ過するように導風装置を瞬時に制御し、空気汚染を瞬時に検知し、空気汚染をゼロに近づけるように浄化するろ過浄化処理を促進する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の広義の実施形態では、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに適用されるレンジフードであって、導流経路を構成するように配置された本体と、前記導流経路に配置され、動作風量22m3/min以上で空気対流を導く導風装置と、前記導流経路に配置され、前記導風装置によって導かれた前記空気対流における空気汚染をろ過・浄化するろ過部品と、無線通信により制御コマンドを受信し、前記導風装置の起動動作を実行する、ネットワークに接続されたコントローラとを含む、レンジフードを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明のレンジフードの主要部品の組立関係を示す模式図である。
【
図1B】本発明のレンジフードの関連ろ過部品の模式図である。
【
図1C】本発明の好ましい実施形態のレンジフードの外観模式図である。
【
図1D】本発明の別の好ましい実施形態のレンジフードの側面模式図である。
【
図2A】スマートスイッチの形態の中央コントローラによって室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに接続された、本発明のレンジフードの模式図である。
【
図2B】検知マイコンの形態のネットワークに接続されたコントローラによって室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに接続された、本発明のレンジフードの模式図である。
【
図3A】外部電源端子を備える本発明のガス検知モジュールの模式図である。
【
図3B】外部電源端子を備える本発明のガス検知モジュールの関連部品の組立関係を示す模式図である。
【
図3C】外部電源端子を備えない本発明のガス検知モジュールの関連部品の組立関係を示す模式図である。
【
図4A】本発明のガス検知モジュールのガス検知本体の立体組立模式図(一)である。
【
図4B】本発明のガス検知モジュールのガス検知本体の立体組立模式図(二)である。
【
図4C】本発明のガス検知モジュールのガス検知本体の立体分解模式図である。
【
図5A】本発明のガス検知本体の基座の立体模式図(一)である。
【
図5B】本発明のガス検知本体の基座の立体模式図(二)である。
【
図6】本発明のガス検知本体の基座の立体模式図(三)である。
【
図7A】本発明のガス検知本体の分解された圧電アクチュエータと基座の立体模式図である。
【
図7B】本発明のガス検知本体の組み立てられた圧電アクチュエータと基座の立体模式図である。
【
図8A】本発明の圧電アクチュエータの立体分解模式図(一)である。
【
図8B】本発明の圧電アクチュエータの立体分解模式図(二)である。
【
図9A】本発明の圧電アクチュエータの動作を示す断面模式図(一)である。
【
図9B】本発明の圧電アクチュエータの動作を示す断面模式図(二)である。
【
図9C】本発明の圧電アクチュエータの動作を示す断面模式図(三)である。
【
図10A】本発明のガス検知本体の組立断面図(一)である。
【
図10B】本発明のガス検知本体の組立断面図(二)である。
【
図10C】本発明のガス検知本体の組立断面図(三)である。
【
図11】本発明のガス検知モジュールの伝送を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特徴を示す実施形態について、後述の説明において詳細に記述する。本発明は異なる態様において様々な変化を有することができ、いずれも本発明の範囲から逸脱することなく、かつその説明及び図面は本質的に例示するために用いられものであり、本発明を限定する意図はないことを理解されたい。
【0009】
図1A、
図1B、
図1C及び
図1Dを参照する。本発明は、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに適用されるレンジフードを提供する。レンジフードは主に、本体10、導風装置1、ろ過部品2、及びネットワークに接続されたコントローラFを含む。本体10は、導流経路Lを構成するように配置される。導風装置1は、導流経路Lに配置され、動作風量22m
3/minで空気対流を導く。ろ過部品2も、導流経路Lに配置され、導風装置1によって導かれた空気対流における空気汚染をろ過・浄化する。ネットワークに接続されたコントローラFは、無線通信により制御コマンドを受信し、導風装置1の起動動作を実行する。なお、本発明の好ましい実施形態では、レンジフードの外観は、
図1Cに示すような一般的な形態であってもよい。または、
図1Dに示すように、本体10には、導流経路Lに連通する側面排気口11が設けられており、側面排気口11の上方にバッフル板12が設けられている。バッフル板12は、折り畳んで側面排気口11を閉じる、または開いて側面排気口11の上方に延在することができ、最適な遮断および導きパターンを維持することで、導風装置1は、ガスを側面排気口11に迅速に導き、導流経路L上のろ過部品2を介してろ過・浄化し、速やかにガス対流を指向させ導いて、空気汚染処理の効率を向上させる。
【0010】
上記の導風装置1は、電機子型または遠心型の導風装置であってもよいが、これに限定されず、気流の流れを発生させることができる導風装置1は、いずれも本発明の実施形態の拡張である。なお、本発明の観点において、ろ過部品2は導風装置1の前または後に設置されることができる。例えば、
図1Bの実施形態では、ろ過部品2は導風装置1の前に設置されることができ、気流が導風装置1によって本体10に導入された後、ろ過部品2を通ってろ過・浄化する。ろ過部品2は導風装置1の後に設置されることもでき、気流が導風装置1によって本体10に導入された後、ろ過部品2を通ってろ過・浄化する。その両方の態様は、いずれも本発明の範囲に属する。
【0011】
また、本発明によって提供されるレンジフードは、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに適用されており、レンジフードにより空気汚染を快速にろ過、交換、除去するために、導風装置1は、動作風量が22m3/min以上の場合、強力な空気対流を導くことで、室内空間の空気汚染の安全検知値を検出でき、5分以内にろ過部品2により前記空気汚染を快速にろ過・浄化することができ、空気汚染を瞬時にゼロに近づけるまたはゼロにするように検知、除去して、室内空間を安全に呼吸できる空気状態まで浄化し、室内空気質を快速に浄化するという目的を達成する。
【0012】
なお、上記空気汚染とは、浮遊微粒子、一酸化炭素、二酸化炭素、オゾン、二酸化硫黄、二酸化窒素、鉛、総揮発性有機化合物、ホルムアルデヒド、細菌、真菌、ウイルスのいずれかまたはそれらの組み合わせを指す。上記無線通信は、Wi-Fiモジュール、ブルートゥース(登録商標)モジュール、無線周波数識別モジュール、近接場通信モジュールのいずれかである。安全検知値には、浮遊微粒子2.5(PM2.5)の濃度が15μg/m3未満、二酸化炭素(CO2)の濃度が1000ppm未満、総揮発性有機化合物(TVOC)の濃度が0.56ppm未満、ホルムアルデヒド(HCHO)の濃度が0.08ppm未満、細菌数が1500CFU/m3未満、真菌数が1000CFU/m3未満、二酸化硫黄の濃度が0.075ppm未満、二酸化窒素の濃度が0.1ppm未満、一酸化炭素の濃度が9ppm未満、オゾンの濃度が0.06ppm未満、鉛の濃度が0.15μg/m3未満であることが含まれる。
【0013】
また、
図2A、
図2Bに示すように、レンジフードは室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに適用される。ネットワークに接続されたコントローラFは、
図2Aに示すように、無線通信により制御コマンドを受信して、導風装置1の開閉機構を制御するスマートスイッチDであってもよい。また、ネットワークに接続されたコントローラFは、
図2Bに示すように、無線通信により制御コマンドを受信し、空気汚染を検知してガス検知データを出力することができる、ガス検知モジュールAを含む検知マイコンであってもよい。監視機構状態として、知能比較に基づいて駆動コマンドを発行して、導風装置1の開閉機構を制御し、導風装置1の風量調節を制御する。なお、上記監視機構状態では、検知マイコンのガス検知モジュールAはレンジフードの導風装置1の駆動動作に接続されており、検出された空気汚染の前記ガス検知データが安全検知値を超えているかどうかを監視する。知能比較とは、検知マイコンのガス検知モジュールAによりガス検知データを検出した後、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムの中央制御監視装置Bにより前記ガス検知データを受信し、その後、クラウドデバイスEに接続して、検出されたガス検知データに対して知能演算・比較を実行し、制御コマンドを知能的かつ選択的に発行し、無線通信により検知マイコンのガス検知モジュールAに送信する。すなわち、駆動コマンドを知能的かつ選択的に発行して導風装置1の起動を制御したり、風量を調節したりすることができる。つまり、ガス検知データが安全検知値より大きいほど、導風装置1の風量が大きくなるように調整し、ガス検知データが安全検知値に近いほど、導風装置1の風量が小さくなるように調整することができる。さらに、本発明の好ましいの実施形態では、レンジフードの動作風量22m
3/min以上で空気対流を導き、ろ過部品2によって前記空気汚染を5分以内に快速にろ過・浄化し、空気汚染を瞬時にゼロに近づけるまたはゼロにするように検知、除去して、室内空間を安全に呼吸できる空気状態まで浄化し、室内空気質を快速に浄化するという目的を達成する。なお、いくつかの実施形態の室内空間では、例えば、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムの室内が住宅の室内環境である場合、レンジフードの導風装置の動作風量は22m
3/minであり、ろ過部品2によって前記空気汚染を快速にろ過・浄化し、空気汚染を瞬時にゼロに近づけるまたはゼロにするように検知、除去して、室内空間を安全に呼吸できる空気状態まで浄化する。室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムの室内が非住宅(レストラン、大型会場など)の室内空間である場合、レンジフードの導風装置の動作風量は22m
3/min以上であり、ろ過部品2によって前記空気汚染を快速にろ過・浄化し、空気汚染を瞬時にゼロに近づけるまたはゼロにするように検知、除去して、室内空間を安全に呼吸できる空気状態まで浄化する。
【0014】
図2A、
図2B、及び
図3~
図9Aを参照する。上記ガス検知モジュールAは、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに適用され、室外ガス検知器A0及び室内ガス検知器A1とすることができる。室外ガス検知器A0は、空気汚染の性質と濃度を検知して室外空気汚染データを出力する。室内ガス検知器A1は空気汚染の性質と濃度を検知して室内空気汚染データを出力する。室外ガス検知器A0及び室内ガス検知器A1は、上述のガス検知モジュールAと同様の構造及び機能を有しており、以下、符号3を用いてガス検知モジュールを説明する。ガス検知モジュール3は、
図3A及び
図3Bに示すように外部電源端子35を備える形態であってもよい。外部電源端子35は、制御回路基板31と一体に形成され、外殻の外側に突出している。または、
図3Cに示すように外部電源端子を備えない形態であってもよい。すなわち、ネットワークに接続されたコントローラFは、
図2Bに示すように、ガス検知モジュール3を含む検知マイコンであり、前記ガス検知モジュール3は、レンジフードの本体10に直接外付けして、レンジフードの導風装置1の駆動動作に接続することができ、または、レンジフードの本体10内に組み付けて、レンジフードの導風装置1の駆動動作に接続することができる。
【0015】
以下、ガス検知モジュール3の内部構造及び作用について説明する。ガス検知モジュール3は、制御回路基板31、ガス検知本体32、マイクロプロセッサ33及び通信器34を含む。上記ガス検知本体32、マイクロプロセッサ33及び通信器34は、制御回路基板31にパッケージ化されて一体的に形成されかつ電気的に接続されている。マイクロプロセッサ33は、ガス検知本体32の検知動作を制御し、ガス検知本体32は空気汚染を検知して検知信号を出力し、マイクロプロセッサ33は、検知信号を受信して演算処理出力し、空気汚染データを形成し、通信器34に提供して外部に無線通信により送信出力する。本発明の実施形態では、通信器34は、無線通信送信を介して空気汚染データを出力し、中央制御監視装置Bに送信する(
図11に示すように)。通信器34は、無線通信送信を介して空気汚染データを出力し、無線通信は、Wi-Fiモジュール、ブルートゥース(登録商標)モジュール、無線周波数識別モジュール、近接場通信モジュールのいずれかであってもよい。
【0016】
図4A~
図10Cを参照する。上記ガス検知本体32は、基座321、圧電アクチュエータ322、駆動回路基板323、レーザ部品324、微粒子センサー325、及び外蓋326を含む。基座321は、第1表面3211、第2表面3212、レーザ設置領域3213、吸気溝3214、導気部品搭載領域3215、及び排気溝3216を有する。第1表面3211と第2表面3212は、対向設置された二つの面である。レーザ設置領域3213は、第1表面3211から第2表面3212に向かってくり抜かれて形成される。また、外蓋326は、基座321を覆い、吸気枠口3261aと排気枠口3261bを備える側板3261を有する。吸気溝3214は、第2表面3212から凹んで形成され、レーザ設置領域3213に隣接している。吸気溝3214に、基座321の外部に連通し、外蓋326の吸気枠口3261aと対応する吸気通口3214aが設けられ、吸気溝3214の両側壁は、光透過窓3214bによって貫通され、レーザ設置領域3213に連通している。そこで、基座321の第1表面3211が外蓋326でカバーされ、第2表面3212が駆動回路基板323でカバーされることで、吸気溝3214によって吸気経路を定義する。
【0017】
導気部品搭載領域3215は、第2表面3212から凹んで形成され、吸気溝3214に連通しており、底面に通気穴3215aが貫通しており、導気部品搭載領域3215の四隅には、それぞれ位置決め突起3215bを有する。上記排気溝3216に、外蓋326の排気枠口3261bに対応して設置された排気通口3216aが設けられている。排気溝3216は、第1表面3211の導気部品搭載領域3215への垂直投影領域に凹んで形成された第1区間3216bと、導気部品搭載領域3215の垂直投影領域から延びた領域に第1表面3211から第2表面3212に向かってくり抜かれて形成された第2区間3216cとを含み、第1区間3216bは、段差を形成するように第2区間3216cに接続される。排気溝3216の第1区間3216bは、導気部品搭載領域3215の通気穴3215aに連通し、排気溝3216の第2区間3216cは、排気通口3216aに連通している。そこで、基座321の第1表面3211が外蓋326でカバーされ、第2表面3212が駆動回路基板323でカバーされる時、排気溝3216と駆動回路基板323ともによって排気経路を定義する。
【0018】
上記レーザ部品324及び微粒子センサー325は、いずれも駆動回路基板323に設置され、基座321内に位置しており、レーザ部品324及び微粒子センサー325と基座321の位置を明確に説明するために、駆動回路基板323を意図的に省略する。レーザ部品324は、基座321のレーザ設置領域3213内に収容され、微粒子センサー325は、基座321の吸気溝3214内に収容され、レーザ部品324と位置合わせされている。また、レーザ部品324が、レーザ部品324によって放射されたレーザ光が通過するための光透過窓3214bに対応することで、レーザ光を吸気溝3214に照射する。レーザ部品324によって発したビーム経路は、光透過窓3214bを通過しかつ吸気溝3214と直交する方向を成す。レーザ部品324によって放射されたビームは、光透過窓3214bを通って吸気溝3214内に入り、吸気溝3214内のガスが照射され、ビームがガスに接触する時、散乱して投射スポットを生成し、微粒子センサー325はその直交方向位置に位置し、散乱による投射スポットを受信して計算を行うことで、ガスの検知データを取得する。また、ガスセンサー327は、駆動回路基板323に位置決め設置されて電気的に接続され、吸気溝3214に収容されており、吸気溝3214に導入される空気汚染を検知する。本発明の好ましい実施形態では、ガスセンサー327は、二酸化炭素または総揮発性有機化合物のガス情報を検知する揮発性有機化合物センサーであり、またはホルムアルデヒドのガス情報を検知するホルムアルデヒドセンサーであり、または細菌情報または真菌情報を検知する細菌センサーであり、またはウイルスのガス情報を検知するウイルスセンサーである。
【0019】
上記圧電アクチュエータ322は、基座321の正方形の導気部品搭載領域3215に収容されている。また、導気部品搭載領域3215は吸気溝3214に連通しており、圧電アクチュエータ322が作動すると、吸気溝3214内のガスを圧電アクチュエータ322に吸い込み、ガスが導気部品搭載領域3215の通気穴3215aを通って、排気溝3216に入る。上記駆動回路基板323は、基座321の第2表面3212にカバーしている。レーザ部品324は、駆動回路基板323に設置されかつ電気的に接続されている。微粒子センサー325も、駆動回路基板323に設置されかつ電気的に接続されている。外蓋326が基座321を覆う時、吸気枠口3261aは基座321の吸気通口3214aに対応し、排気枠口3261bは基座321の排気通口3216aに対応している。
【0020】
上記圧電アクチュエータ322は、ガスオリフィスプレート3221、チャンバ筐体3222、アクチュエータ3223、絶縁筐体3224、及び導電筐体3225を含む。ガスオリフィスプレート3221は可撓性材質であり、サスペンションプレート3221aと中空穴3221bを有し、サスペンションプレート3221aは曲げ振動するシート状構造であり、その形状と寸法は、導気部品搭載領域3215の内縁に対応しており、中空穴3221bは、ガスが流通するようにサスペンションプレート3221aの中心を貫通している。本発明の好ましい実施形態では、サスペンションプレート3221aの形状は、方形、円形、楕円形、三角形、及び多角形のいずれかであってもよい。
【0021】
上記チャンバ筐体3222は、ガスオリフィスプレート3221に重ねられ、その外観はガスオリフィスプレート3221に対応している。アクチュエータ3223は、チャンバ筐体3222に重ねられ、チャンバ筐体3222、サスペンションプレート3221aとの間に共振チャンバ3226を定義している。絶縁筐体3224は、アクチュエータ3223に重ねられ、その外観はチャンバ筐体3222に近似している。導電筐体3225は、絶縁筐体3224に重ねられ、その外観は絶縁筐体3224に近似しており、導電筐体3225は、導電ピン3225a及び導電電極3225bを有し、導電ピン3225aは導電筐体3225の外縁から外向きに延在し、導電電極3225bは導電筐体3225の内縁から内向きに延在している。また、アクチュエータ3223は、圧電キャリア板3223a、共振調整板3223b、及び圧電板3223cをさらに含む。圧電キャリア板3223aは、チャンバ筐体3222に重ねられる。共振調整板3223bは、圧電キャリア板3223aに重ねられる。圧電板3223cは、共振調整板3223bに重ねられる。共振調整板3223b及び圧電板3223cは、絶縁筐体3224内に収容されている。導電筐体3225の導電電極3225bによって圧電板3223cに電気に接続されている。本発明の好ましい実施形態では、圧電キャリア板3223aと共振調整板3223bは、いずれも導電材料である。圧電キャリア板3223aは圧電ピン3223dを有し、圧電ピン3223dと導電ピン3225aは、駆動回路基板323上の駆動回路(図示せず)に接続されて、駆動信号(駆動周波数及び駆動電圧であってもよい)を受信する。駆動信号は、圧電ピン3223d、圧電キャリア板3223a、共振調整板3223b、圧電板3223c、導電電極3225b、導電筐体3225、及び導電ピン3225aによってループを形成することができ、絶縁筐体3224によって將導電筐体3225とアクチュエータ3223を遮断し、短絡現象を防止して、駆動信号を圧電板3223cに送信することができる。圧電板3223cは、駆動信号を受信した後、圧電効果によって変形し、さらに圧電キャリア板3223a及び共振調整板3223bを駆動して往復曲げ振動を発生させる。
【0022】
さらに説明すると、共振調整板3223bは、両者の間の緩衝材として圧電板3223cと圧電キャリア板3223aとの間に位置し、圧電キャリア板3223aの振動周波数を調整することができる。基本的には、共振調整板3223bの厚さは圧電キャリア板3223aよりも大きく、共振調整板3223bの厚さを変えることにより、アクチュエータ3223の振動周波数を調整する。
【0023】
図7A、
図7B、
図8A、
図8B及び
図9Aを参照する。ガスオリフィスプレート3221、チャンバ筐体3222、アクチュエータ3223、絶縁筐体3224、及び導電筐体3225は、導気部品搭載領域3215内に順次積み重ね設置されかつ位置決めされ、これによって、圧電アクチュエータ322は導気部品搭載領域3215内に位置決めされ、圧電アクチュエータ322は、サスペンションプレート3221aと導気部品搭載領域3215の内縁との間に、ガスが流通するための空隙3221cを定義する。上記ガスオリフィスプレート3221と導気部品搭載領域3215の底面との間に、気流チャンバ3227が形成されている。気流チャンバ3227は、ガスオリフィスプレート3221の中空穴3221bを介して、アクチュエータ3223、チャンバ筐体3222、及びサスペンションプレート3221aの間の共振チャンバ3226に連通し、共振チャンバ3226におけるガスの振動周波数を、サスペンションプレート3221aの振動周波数と同じようにすることにより、共振チャンバ3226とサスペンションプレート3221aは、ヘルムホルツ共鳴効果(Helmholtz resonance)を生じ、ガスの輸送効率を高める。圧電板3223cは導気部品搭載領域3215の底面から離れる方向へ移動する時、圧電板3223cはガスオリフィスプレート3221のサスペンションプレート3221aを導気部品搭載領域3215の底面から離れる方向へ移動させることで、気流チャンバ3227の容積が急激に拡大し、内部圧力が低下して負圧を発生し、圧電アクチュエータ322の外部のガスが吸引されて空隙3221cから流入し、中空穴3221bを経て共振チャンバ3226に入り、共振チャンバ3226内の気圧を増加させて、圧力勾配を発生させる。圧電板3223cがガスオリフィスプレート3221のサスペンションプレート3221aを導気部品搭載領域3215の底面へ移動させる時、共振チャンバ3226におけるガスは、中空穴3221bを経て快速に流出し、気流チャンバ3227内のガスを絞り出し、合流したガスを、ベルヌーイの定理に近い理想的なガス状態で快速かつ大量に噴出させて、導気部品搭載領域3215の通気穴3215aに導入する。
【0024】
図9Bと
図9Cに示す動作を繰り返すことにより、圧電板3223cは往復振動し、慣性原理によれば、排気後の共振チャンバ3226の内部気圧が平衡気圧よりも低くなると、ガスを再び共振チャンバ3226に入るように導き、このように、共振チャンバ3226におけるガスの振動周波数を、圧電板3223cの振動周波数と同じように制御することで、ヘルムホルツ共鳴効果を生じさせ、高速かつ大量なガス輸送を実現する。ガスはすべて、外蓋326の吸気枠口3261aから入り、吸気通口3214aを通って基座321の吸気溝3214に入り、微粒子センサー325の位置に流れる。また、圧電アクチュエータ322による連続的な駆動によって吸気経路のガスを吸収することで、外部のガスは快速に導入されかつ安定流通し、微粒子センサー325の上方を通過し、このとき、レーザ部品324によって放射されたビームは、光透過窓3214bを通って吸気溝3214に入り、吸気溝3214は微粒子センサー325の上方を通過する。微粒子センサー325のビームがガス中の浮遊微粒子に照射する時、散乱現象及び投射スポットが発生し、微粒子センサー325は散乱による投射スポットを受信して計算を実行し、ガスに含まれる浮遊微粒子の粒子径及び濃度などの関連情報を取得し、微粒子センサー325上方のガスも、圧電アクチュエータ322による連続的な駆動によって導気部品搭載領域3215の通気穴3215aに導入され、排気溝3216に入る。最後に、ガスが排気溝3216に入った後、圧電アクチュエータ322がガスを排気溝3216に輸送し続けるため、排気溝3216内のガスは押し出され、排気通口3216a及び排気枠口3261bを通って外部に排出される。
【0025】
本発明のガス検知モジュール3は、ガス中の浮遊微粒子(PM1、PM2.5、PM10など)に関する浮遊微粒子の情報を検出できる微粒子センサー325を備えるだけでなく、さらにホルムアルデヒド、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素ガス、オゾンなどの導入されたガスの特性を検出することができる。従って、本発明のガス検知モジュール3はガスセンサー327をさらに含み、ガスセンサー327は駆動回路基板323に位置決め設置されて電気的に接続され、排気溝3216に収容されており、排気経路から導出されたガスを検出する。ガスセンサー327は、二酸化炭素または総揮発性有機化合物のガス情報を検知する揮発性有機化合物センサーを含む。ガスセンサー327は、ホルムアルデヒドのガス情報を検知するホルムアルデヒドセンサーを含む。ガスセンサー327は、細菌情報または真菌情報を検知する細菌センサーを含む。ガスセンサー327は、ウイルスのガス情報を検知するウイルスセンサーを含む。
【0026】
また、本発明によって提供されるレンジフードの実施形態では、ろ過部品2は、フィルタによりブロッキング・吸着する物理的方法によって前記空気汚染を除去する。または、ろ過部品2に分解層21を塗布することによって、前記空気汚染を化学的に除去する。または、ろ過部品2は光照射22と組み合わせて前記空気汚染を化学的に除去する。または、ろ過部品2は、分解ユニット23と組み合わせて前記空気汚染を化学的に除去するが、これらに限定されない。フィルタは高効率フィルタ2aであり、空気汚染に含まれる化学スモッグ、細菌、埃微粒子及び花粉を吸着することで、導入された空気汚染をろ過・浄化する効果を達成する。前記分解層21は活性炭素21aであり、空気汚染における有機物や無機物を除去し、有色物質や臭気物質を除去する。前記分解層21は二酸化塩素の清浄因子21bであり、空気汚染におけるウイルス、細菌、真菌、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、腸ウイルス、ノロウイルスを抑制し、その抑制率が99%以上に達し、ウイルスの交差感染を減らすのに寄与する。前記分解層21はイチョウと日本ヌルデ(Rhus chinensis)を含むハーブ保護層21cであり、アレルギーに効果的に抵抗し、インフルエンザウイルス(例えば、H1N1)の表面タンパク質を破壊する。前記分解層21は銀イオン21dであり、導入された空気汚染におけるウイルス、細菌、真菌を抑制する。前記分解層21はゼオライト21eであり、アンモニア性窒素、重金属、有機汚染物、大腸菌、フェノール、クロロホルム、及び陰イオン界面活性剤を除去する。前記光照射22は、光触媒22a及び紫外線ランプ22bを含む光触媒ユニットであり、光触媒22aが紫外線ランプ22bによって照射されると、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、空気汚染における有害物質を分解して消毒殺菌することにより、ろ過・浄化の効果を達成することができる。前記光照射22は、光ナノチューブ22cを含む光プラズマユニットであり、光ナノチューブ22cにより、導入された空気汚染を照射することで、空気汚染における酸素分子及び水分子を、高酸化性を有する光プラズマに分解して、破壊された有機分子を有するイオン気流を形成し、空気汚染に含まれる揮発性ホルムアルデヒド、トルエン、揮発性有機ガス(Volatile Organic Compounds、VOC)などのガス分子を水と二酸化炭素に分解し、ろ過・浄化の効果を達成する。
【0027】
上記の説明から明らかなように、本発明によって提供されるレンジフードは、空気汚染をろ過・浄化することと、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに接続されて空気汚染の検知、浄化、ゼロ化を実施するろ過浄化応用とを兼ね備える。以下、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムによる空気汚染の検知、浄化、ゼロ化を実施するろ過浄化について説明する。
【0028】
図2A、
図2Bを参照する。上記室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムは、室内空間での実装に適しており、複数のガス検知モジュールA、中央制御監視装置B、及び複数の空気交換・ろ過装置Cを含む。複数のガス検知モジュールAは、空気汚染の性質と濃度を検知して、室内空気汚染データ/室外空気汚染データを出力する。中央制御監視装置Bは、前記室外空気汚染データと前記室内空気汚染データを受信して知能演算・比較を実行し、前記室内空間の空気汚染の位置・エリアを特定し、制御コマンドを知能的かつ選択的に発行し、無線通信により送信する。複数の空気交換・ろ過装置Cは、前記制御コマンドを受信して起動し、複数のガス検知モジュールAが安全検知値を検出するまで、複数の空気交換・ろ過装置Cにより空気汚染をろ過、交換し、空気汚染を快速にゼロに近づけ、呼吸できる空気状態まで浄化する。
【0029】
室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムの中央制御監視装置Bは、中央制御ボックスまたはポータブルモバイルデバイスのいずれかであってもよく、無線通信により室外空気汚染ガス検知データ及び室内空気汚染ガス検知データを受信して知能演算・比較を実行し、制御コマンドを知能的かつ選択的に発行する。中央制御監視装置Bはポータブルモバイルデバイスであり、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムアプリケーション(APP)と組み合わせて制御コマンドを実行し、室外/室内空気汚染データを表示することができる。無線通信は、Wi-Fiモジュール、ブルートゥース(登録商標)モジュール、無線周波数識別モジュール、近接場通信モジュールのいずれかである。また、本実施形態では、中央制御監視装置Bは、ネットワークを介してクラウドデバイスEに接続することができ、クラウドデバイスEは、中央制御監視装置Bによって収集された室外空気汚染ガス検知データ及び室内空気汚染ガス検知データを受信し、室外空気汚染ガス検知データと室内空気汚染ガス検知データの知能演算・比較を実行し、前記室内空間の前記空気汚染の位置・エリアを特定し、制御コマンドを知能的かつ選択的に発行する。
【0030】
なお、上記各空気交換・ろ過装置Cは、少なくとも1つの導風装置1と少なくとも1つのろ過部品2を含む。導風装置1は排気または送気の両方向にガスを輸送する機能を有し、本実施形態では、矢印で示す方向の気流経路を用いて説明する。導風装置1は、ろ過部品2の前側に設置されてもよく、ろ過部品2の後側に設置されてもよく、ろ過部品2の前側と後側に設置されてもよく(
図1Aに示すように)、導風装置1は実際の要求・設計に応じて調整することができる。また、複数の空気交換・ろ過装置Cは、換気システムC1、清浄機C2、冷暖房空調装置C3、排気機C4、扇風機C5またはレンジフードC6のいずれかまたはそれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。すなわち、空気交換・ろ過装置Cの種類や数は1つに限定されるものではなく、つまり、1台以上の空気交換・ろ過装置Cを備えてもよく、室内空間のサイズと実際の空気ろ過品質の要件に基づいて、空気交換・ろ過装置Cの種類や数を調整することができる。
【0031】
上記レンジフードC6は、本発明によって提供されるレンジフードであり、本発明によって提供されるレンジフードのネットワークに接続されたコントローラFは、
図2Aに示すスマートスイッチDである。スマートスイッチDとは、制御盤と電子部品を組み合わせてプログラミングすることにより、回路のスマートな切り替え制御を実現するユニットであり、すなわち、無線通信接続により機器の切り替えを制御するものである。スマートスイッチDは、導風装置1の動作を開始するための制御コマンドを受信する。スマートスイッチDは、無線通信により制御コマンドを受信し、すなわち、スマートスイッチDは、無線通信により中央制御監視装置Bから送信された制御コマンドを受信する。スマートスイッチDの無線通信の接続信号が正常であるか否かは、中央制御監視装置Bにより検出及び判断することができ、接続されている空気交換・ろ過装置Cの無線通信の接続信号が正常でない場合には、警告を表示又は通知することができる。このとき、通信接続の失敗を事前に防ぐデバッグメカニズムを実現するために、空気交換・ろ過装置Cの手動操作を開始する必要があることをユーザーに通知して、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システム全体が無効になることはなく、複数のガス検知モジュールAが安全検知値を検出するまで、ろ過部品2により空気汚染を快速にろ過、交換、除去し、空気汚染を快速にゼロに近づけ、呼吸できる空気状態まで浄化する。また、本発明によって提供されるレンジフードのネットワークに接続されたコントローラFは、
図2Bに示すようなガス検知モジュールAを含む検知マイコンであり、無線通信により制御コマンドを受信し、空気汚染を検知してガス検知データを出力することができ、監視機構状態として知能比較に基づいて駆動コマンドを発行して、導風装置1の開閉機構を制御し、導風装置1の風量調節を制御する。室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムのガス検知モジュールAは、前記空気交換・ろ過装置Cの駆動動作を制御し、前記制御コマンドを受信して導風装置1の開閉機構を制御し、前記導風装置1の風量調節を制御する。空気交換・ろ過装置C(例えば、本発明のレンジフードC6)内に設けられたガス検知モジュールA(例えば、本発明のレンジフードC6の検知マイコンに含まれるガス検知モジュールA)は、検出された空気汚染データが前記安全検知値を超えることに従って、導風装置1の動作機構を制御することができ、検出された空気汚染データに従って適切な風量要求を調整するように導風装置1を制御することで、空気交換・ろ過装置Cは制御起動機構をより知能的に作動させる。すなわち、空気交換・ろ過装置C内に設けられたガス検知モジュールAは、周囲の空気汚染が安全検知値を超えていることを検知すると、空気交換・ろ過装置Cの導風装置1の動作機構を能動的に制御することができ、検出された空気汚染データに応じて、前記導風装置1を制御して適切な風量を調節して、空気汚染除去対流を形成し、近くのろ過部品2により空気汚染を快速にろ過除去し、より知能的、適時で省エネの空気交換・ろ過装置Cによるろ過除去の制御機構を実現することができる。
【0032】
また、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムのクラウドデバイスEは、室内空気汚染データに対して知能演算・比較を実行し、知能演算は人工知能(AI)演算とビッグデータの比較を実装し、室内空気汚染データの中で最も高いものを使用して、在室内空間の前記空気汚染の位置・エリアを特定できる。または少なくとも3つ以上の室内ガス検知モジュールによって検出された室内空気汚染データを比較した後、知能演算を実行して、少なくとも3つの検知点を使用して室内空間の空気汚染の位置・エリアを特定する。このとき、クラウドデバイスEは、室内空間の空気汚染の位置・エリアを特定した後、制御コマンドを知能的かつ選択的に発行し、中央制御監視装置Bに送信し、中央制御監視装置は、それを複数の前記空気交換・ろ過装置Cに送信して制御起動機構を作動させる。この制御起動機構では、前記空気汚染の位置・エリア内の前記空気交換・ろ過装置Cが前記制御コマンドを受信して優先的に動作を開始した後、浄化された空気汚染の経路を形成する。すなわち、前記空気汚染の位置・エリア内の空気交換・ろ過装置Cの導風装置1が起動動作機構を形成してから、前記空気汚染の位置・エリア外の他の空気交換・ろ過装置Cに前記制御コマンドを送信して第2回の起動動作を形成する。すなわち、前記空気汚染の位置・エリア外の他の空気交換・ろ過装置Cの導風装置1にその後に第2回の起動動作機構を形成させることで、ガス対流を生成し前記空気汚染に指向させて、前記空気汚染の位置・エリア内の前記空気汚染の対流循環を加速する。このとき、前記空気汚染の位置・エリア内の前記空気交換・ろ過装置Cは瞬時にろ過除去できるだけでなく、前記空気汚染の位置・エリア外の前記空気汚染に拡散移動・指向し、前記空気汚染の位置・エリア外の他の空気交換・ろ過装置Cによりろ過除去を加速できるため、前記室内空間の前記空気汚染の安全検知値を検出し、前記空気汚染を瞬時にゼロに近づけるまたはゼロにするように検知、除去して、前記空気汚染を安全に呼吸できる空気状態まで浄化する。
【0033】
上記のように、本発明は、ろ過と、室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに接続されて空気汚染の検知、浄化、ゼロ化を実施するろ過浄化応用とを兼ね備えるレンジフードを提供する。ネットワークに接続されたコントローラを介して室内空気汚染の浄化・ゼロ化・防止システムに接続されることで、導風装置の起動を制御するだけでなく、空気汚染を導いてろ過部品により空気汚染を瞬時にろ過するとともに、さらに室内空気汚染を検知し、環境の空気質の状態を知能的に比較し、空気汚染に応じて風量を調整して空気汚染をろ過するように導風装置を瞬時に制御し、空気汚染を瞬時に検知し、空気汚染をゼロに近づけるように浄化するろ過浄化処理を促進し、産業上の利用可能性が非常に高い。
【符号の説明】
【0034】
A:ガス検知モジュール
A0:室外ガス検知器
A1:室内ガス検知器
B:中央制御監視装置
C:空気交換・ろ過装置
C1:換気システム
C2:清浄機
C3:冷暖房空調装置
C4:排気機
C5:扇風機
C6:レンジフード
D:スマートスイッチ
E:クラウドデバイス
F:ネットワークに接続されたコントローラ
L:導流経路
10:本体
11:側面排気口
12:バッフル板
1:導風装置
2:ろ過部品
2a:高効率フィルタ
21:分解層
21a:活性炭素
21b:二酸化塩素の清浄因子
21c:イチョウと日本ヌルデを含むハーブ保護層
21d:銀イオン
21e:ゼオライト
22:光照射
22a:光触媒
22b:紫外線ランプ
22c:光ナノチューブ
23:分解ユニット
23a:負イオンユニット
23b:プラズマイオンユニット
3:ガス検知モジュール
31:制御回路基板
32:ガス検知本体
321:基座
3211:第1表面
3212:第2表面
3213:レーザ設置領域
3214:吸気溝
3214a:吸気通口
3214b:光透過窓
3215:導気部品搭載領域
3215a:通気穴
3215b:位置決め突起
3216:排気溝
3216a:排気通口
3216b:第1区間
3216c:第2区間
322:圧電アクチュエータ
3221:ガスオリフィスプレート
3221a:サスペンションプレート
3221b:中空穴
3221c:空隙
3222:チャンバ筐体
3223:アクチュエータ
3223a:圧電キャリア板
3223b:共振調整板
3223c:圧電板
3223d:圧電ピン
3224:絶縁筐体
3225:導電筐体
3225a:導電ピン
3225b:導電電極
3226:共振チャンバ
3227:気流チャンバ
323:駆動回路基板
324:レーザ部品
325:微粒子センサー
326:外蓋
3261:側板
3261a:吸気枠口
3261b:排気枠口
327:ガスセンサー
33:マイクロプロセッサ
34:通信器
35:外部電源端子
【外国語明細書】