(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152648
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】温度検出方法、装置、調理機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A47J27/00 103M
A47J27/00 103N
A47J27/00 109L
A47J27/00 109G
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024059102
(22)【出願日】2024-04-01
(31)【優先権主張番号】202310406978.7
(32)【優先日】2023-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】張威威
(72)【発明者】
【氏名】任蓬勃
(72)【発明者】
【氏名】区国安
(72)【発明者】
【氏名】呉宗林
(72)【発明者】
【氏名】謝心怡
(72)【発明者】
【氏名】李寿軍
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA01
4B055BA80
4B055CB07
4B055CB13
4B055CC17
4B055CC18
4B055CC19
4B055CD02
4B055CD60
4B055GA04
4B055GB09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】調理チャンバ構造全体の温度状況をある程度正確に特定し、それにより調理チャンバ構造の温度誤差による調理機器の正常な調理又は調理の効果への影響を低減させることができる温度検出方法、装置、調理機器及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】ファン構造と、調理チャンバ構造と、調理チャンバ構造を閉鎖するための蓋体構造とが設置された調理機器に適用される、温度検出方法、装置、調理機器及び記憶媒体を開示し、当該方法は、蓋体構造の検出温度を取得するステップと、所定検出周期に基づいてファン構造の動作状態を制御するステップと、検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定するステップを含み、それにより検出温度の変化状況に基づいて、調理チャンバ構造の温度状況を反映するための目標温度を迅速且つ正確に決定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファン構造と、調理チャンバ構造と、前記調理チャンバ構造を閉鎖するための蓋体構造とが設置された調理機器に適用され、
前記蓋体構造の検出温度を取得するステップと、
所定検出周期に基づいて前記ファン構造の動作状態を制御するステップと、
前記検出温度の変化状況に基づいて前記調理チャンバ構造の目標温度を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする温度検出方法。
【請求項2】
所定検出周期に基づいて前記ファン構造の動作状態を制御する前記ステップは、
各前記所定検出周期において、前記ファン構造を第1のデューティ比に基づいてオンにするように制御し、前記ファン構造を第2のデューティ比に基づいてオフにするように制御するステップ、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の温度検出方法。
【請求項3】
前記検出温度の変化状況に基づいて前記調理チャンバ構造の目標温度を決定する前記ステップは、
前記検出温度の変化状況に基づいて前記調理チャンバ構造の温度回復パラメータを決定するステップと、
前記温度回復パラメータと所定の温度マッピング関係に基づいて前記調理チャンバ構造の目標温度を決定するステップと、を含み、
前記所定の温度マッピング関係は、前記目標温度と前記温度回復パラメータとの所定のマッピング関係を表すものである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の温度検出方法。
【請求項4】
各前記所定検出周期において、前記ファン構造を第1のデューティ比に基づいてオンにするように制御し、前記ファン構造を第2のデューティ比に基づいてオフにするように制御する前記ステップは、
前記検出温度が所定温度範囲内であれば、各前記所定検出周期において、前記ファン構造を第1のデューティ比に基づいてオンにするように制御し、前記ファン構造を第2のデューティ比に基づいてオフにするように制御するステップを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の温度検出方法。
【請求項5】
前記検出温度の変化状況に基づいて前記調理チャンバ構造の目標温度を決定する前記ステップは、
各前記所定検出周期において、且つ前記ファン構造がオフ状態である時、前記検出温度の最大値及び最小値を取得するステップと、
前記最大値と前記最小値の温度差値が所定温度閾値よりも大きければ、前記最大値に基づいて目標温度を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の温度検出方法。
【請求項6】
前記最大値と前記最小値の温度差値が所定温度閾値よりも大きければ、前記最大値に基づいて目標温度を決定する前記ステップは、
前記最大値と前記最小値の温度差値が所定温度閾値よりも大きく、且つ連続した所定の数の前記所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さければ、最大の前記最大値を目標温度とするステップを含み、
各所定検出周期の温度上昇値は、現在の所定検出周期の検出温度の最大値と前の所定検出周期の検出温度の最大値との間の差分である、ことを特徴とする請求項5に記載の温度検出方法。
【請求項7】
前記検出温度の変化状況に基づいて前記調理チャンバ構造の目標温度を決定する前記ステップは、
各前記所定検出周期において、且つ前記ファン構造がオフ状態である時、前記検出温度の最大値及び最小値を取得するステップと、
連続した所定の数の前記所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さければ、前記所定の数の前記所定検出周期における最大の最大値を目標温度とするステップと、を含み、
各所定検出周期の温度上昇値は、現在の所定検出周期の検出温度の最大値と前の所定検出周期の検出温度の最大値との間の差分である、ことを特徴とする請求項2に記載の温度検出方法。
【請求項8】
前記目標温度が所定の臨界温度よりも小さければ、前記調理機器が高地調理状態であると特定するステップをさらに含み、前記所定の臨界温度は、所定温度範囲内である、ことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の温度検出方法。
【請求項9】
前記検出温度の変化状況に基づいて前記調理チャンバ構造の目標温度を決定する前記ステップは、
温度検出時間が所定時間閾値以下であれば、前記検出温度の変化状況に基づいて前記調理チャンバ構造の目標温度を決定するステップと、
温度検出時間が前記所定時間閾値よりも大きく、又は前記検出温度が所定温度範囲の最大値よりも大きければ、前記所定温度範囲の最大値を目標温度とするステップと、を含む、ことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の温度検出方法。
【請求項10】
ファン構造と、調理チャンバ構造と、前記調理チャンバ構造を閉鎖するための蓋体構造とが設置された調理機器に適用され、
前記蓋体構造の検出温度を取得するための取得モジュールと、
所定検出周期に基づいて前記ファン構造の動作状態を制御するための制御モジュールと、
前記検出温度の変化状況に基づいて前記調理チャンバ構造の目標温度を決定するための決定モジュールと、を含む、ことを特徴とする温度検出装置。
【請求項11】
1つ又は複数のプロセッサと、
メモリと、
前記メモリに記憶され、前記1つ又は複数のプロセッサにより請求項1に記載の温度検出方法を実行するように構成された1つ又は複数のアプリケーションプログラムと、を含む、ことを特徴とする調理機器。
【請求項12】
プロセッサにより呼び出されて請求項1に記載の温度検出方法を実行するプログラムコードが記憶されている、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2023年04月14日に中国専利局に提出された出願番号が「202310406978.7」であり、出願名称が「温度検出方法、装置、調理機器及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は、引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、電気機器制御技術の分野に関し、より具体的には、温度検出方法、装置、調理機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
調理機器は、通常、調理チャンバ構造に設置された温度センサにより温度検出を行う。しかし、調理機器は、調理中に、調理チャンバ構造の温度が不均一であり、温度センサは、検出位置の温度状況のみを反映できるが、調理チャンバ構造全体の温度状況を正確に反映することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題に鑑み、本願は、調理チャンバ構造全体の温度状況をある程度正確に特定し、それにより調理チャンバ構造の温度誤差による調理機器の正常な調理又は調理の効果への影響を低減させることができる温度検出方法、装置、調理機器及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本願の実施例は、ファン構造と、調理チャンバ構造と、調理チャンバ構造を閉鎖するための蓋体構造とが設置された調理機器に適用され、蓋体構造の検出温度を取得するステップと、所定検出周期に基づいてファン構造の動作状態を制御するステップと、検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定するステップと、を含む、温度検出方法を提供する。
【0006】
第2の態様では、本願の実施例は、ファン構造と、調理チャンバ構造と、調理チャンバ構造を閉鎖するための蓋体構造とが設置された調理機器に適用され、蓋体構造の検出温度を取得するための取得モジュールと、所定検出周期に基づいてファン構造の動作状態を制御するための制御モジュールと、検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定するための決定モジュールと、を含む、温度検出装置をさらに提供する。
【0007】
第3の態様では、本願の実施例は、プロセッサと、メモリと、メモリに記憶されプロセッサにより実行されて上記温度検出方法を実現するように構成された1つ又は複数のアプリケーションプログラムと、を含む、調理機器をさらに提供する。
【0008】
第4の態様では、本願の実施例は、プロセッサにより実行されると上記温度検出方法を実行するプログラムコードが記憶されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0009】
本願にて提供される技術的解決手段は、ファン構造と、調理チャンバ構造と、調理チャンバ構造を閉鎖するための蓋体構造とが設置された調理機器に適用し、当該方法は、蓋体構造の検出温度を取得するステップと、所定検出周期に基づいてファン構造の動作状態を制御するステップと、検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の温度状況を反映するための目標温度を迅速に、正確に決定するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に使用が必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な工夫を行わない前提で得た全ての他の実施例及び図面は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【
図1】本願の実施例に係る調理機器の構造概略図を示す。
【
図2】本願の実施例にて提供される温度検出のフローチャートの概略図を示す。
【
図3】本願の実施例にて提供される検出温度Tnのファン構造の動作状態に伴う変化の概略図を示す。
【
図4】本願の実施例にて提供される別の温度検出方法のフローチャートの概略図を示す。
【
図5】本願の実施例にて提供される温度検出装置の構造概略図を示す。
【
図6】本願の実施例にて提供される調理機器の構造概略図を示す。
【
図7】本願の実施例にて提供されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の構造概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
当業者に本願の解決手段をよりよく理解させるために、以下、本願の実施例における図面を参照し、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭で、完全に説明する。
【0012】
調理機器は、通常、調理チャンバ構造に設置される温度センサにより温度検出を行うが、調理機器は、調理中に、調理チャンバ構造の温度が不均一な状況が存在し、温度センサは、検出位置の温度状況のみを反映できるが、調理チャンバ構造全体の温度状況を正確に反映することができない。
【0013】
調理チャンバ構造の温度に誤差が存在する場合、調理機器の正常な調理又は調理の効果に影響を与え、例えば、沸点に誤差が存在するため、調理食材の生煮えが生じる場合がある。
【0014】
上記問題を改善するために、本願は、ファン構造と、調理チャンバ構造と、調理チャンバ構造を閉鎖するための蓋体構造とが設置された調理機器に適用される温度検出方法、装置、調理機器及び記憶媒体を提供し、当該方法は、蓋体構造の検出温度を取得するステップと、所定検出周期に基づいてファン構造の動作状態を制御するステップと、検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定するステップと、を含む。
【0015】
これにより、ファン構造の動作状態を制御して検出温度を調整することにより、検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の温度状況を反映するための目標温度を迅速に、正確に決定する。
【0016】
以下、本発明の実施例にて提供される温度検出方法の適用環境について紹介する。
【0017】
図1を参照し、
図1は、本願の実施例に係る調理機器の構造概略図を示し、
図1に示すように、調理機器100は、調理チャンバ構造110、蓋体構造120及びファン構造130を含む。
【0018】
ここで、調理機器100は、炊飯器、蒸し器、圧力鍋、蒸気炊飯器などであってもよいが、これらに限定されない。
【0019】
調理チャンバ構造110は、調理チャンバボディ111及び調理チャンバボディ111に設置される内鍋112を含み、内鍋112は、調理する必要がある食物を収容するために用いられ、内鍋112は、調理チャンバボディ111に取り外し可能に設置される。調理チャンバ構造110には、内鍋112を加熱するための加熱ユニット(図示せず)を設置することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、蓋体構造120は、調理チャンバ構造110を閉鎖するために用いられる。
【0021】
いくつかの実施形態では、ファン構造130は、蓋体構造120に設置される。別の実施形態では、ファン構造130は、調理チャンバ構造110に設置されてもよく、具体的には実際の使用要求に応じて設置することができ、本願は、これを限定しない。ファン構造130の動作状態を変えることにより、調理チャンバ構造110の温度変化状況を調整することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、ファン構造130は、ファン131及びファン131に接続されたエアダクト132を含む。ファン131は、動作時にガスを発生することができ、ファン131は、異なる方向の回転によりエアダクト132を介して調理チャンバ構造110に給気又は排気を行うことができ、例えば、ファン131が正回転する時、ファン131から調理チャンバ構造110への方向のガス流れを発生し、それにより調理チャンバ構造110に対する給気を実現し、ファン131が逆回転する時、調理チャンバ構造110からファン131への方向のガスの流れを発生し、それにより調理チャンバ構造110に対する排気を実現する。
【0023】
ファン構造130は、調理チャンバ構造110に給気する時、外部のガスを調理チャンバ構造110に吹き込み、外部のガス温度が通常調理チャンバ構造110内部の温度よりも低いため、調理チャンバ構造110内部の温度場を変える。ファン構造130が調理チャンバ構造110への給気を停止すると、調理チャンバ構造110内部の温度場への影響が停止し、調理チャンバ構造110内の温度場は、元の状態に迅速に戻る。
【0024】
いくつかの実施形態では、ファン構造130は、スイッチユニット133をさらに含む。いくつかの実施形態では、調理機器100は、制御モジュール140をさらに含む。いくつかの実施形態では、制御モジュール140は、蓋体構造120に設置されてもよい。制御モジュール140は、制御信号を発生し、スイッチユニット133及びファン131の動作状態を制御することができる。
【0025】
例えば、制御モジュール140は、ファン131のオン及びオフを制御することができ、さらにファン131の回転速度を制御し、それにより発生する風量を変えることができる。また、制御モジュール140は、さらにスイッチユニット133の開閉を制御して、ファン131とエアダクト132との間の通路の連通と切断を制御することができる。スイッチユニット133が開くと、ファン131とエアダクト132との間の通路が連通し、ファン131が発生したガスは、エアダクト132を通過して流れて調理チャンバ構造110に流れることができ、スイッチユニット133が閉じると、ファン131とエアダクト132との間の通路が切断され、ファン131が発生したガスは、エアダクト132を通過できなくなる。
【0026】
任意選択的に、スイッチユニット133は、電磁弁を用いてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、調理機器100は、温度検出モジュール150を含むことができる。
【0028】
任意選択的に、温度検出モジュール150は、蓋体構造120の温度を検出し、且つ検出された温度データを制御モジュール140に伝送するために用いられる第1の温度検出ユニット151を含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1の温度検出ユニット151は、蓋体構造120のファン構造130の吹出口付近に近い検出領域に設置されてもよく、ファン構造130の動作状態が変わった時、検出領域の温度変化が最も速く、第1の温度検出ユニット151は、ファン構造130の動作状態が変わることによる温度変化状況を迅速に検出することができ、検出感度がより高い。
【0030】
任意選択的に、温度検出モジュール150は、第2の温度検出ユニット152をさらに含むことができ、第2の温度検出ユニット152は、調理チャンバ構造110の温度を検出し、且つ検出された温度データを、制御モジュール140が検出された温度に基づいて制御できるよう制御モジュール140に伝送するために用いられる。
【0031】
例えば、制御モジュール140は、検出された温度に基づいて調理機器100の加熱電力を調整することができる。
【0032】
制御モジュール140は、MCU(Microcontroller Unit、マイクロコントローラユニット)、MPU(Microprocessor Unit、マイクロプロセッサ)、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)などを用いることができる。
【0033】
制御信号は、PPG(Programmable Pulse Generator、プログラマブルパルス発生器)信号、PWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)信号などであってもよく、具体的には実際の使用要求に応じて選択することができ、本願は、これを限定しない。
【0034】
図2を参照し、
図2は、本願の実施例にて提供される温度検出のフローチャートの概略図を示し、上記ファン構造、蓋体構造及び調理チャンバ構造を有する調理機器に適用することができる。
図2に示すように、当該方法は、ステップ210乃至ステップ230を含むことができる。
【0035】
ステップ210では、蓋体構造の検出温度を取得する。
【0036】
調理機器が調理を開始することを検出すると、調理機器の関連パラメータに対して初期化処理を行う。
【0037】
調理機器が調理する時、調理チャンバ構造内の温度が変化し、それにより蓋体構造の温度変化に影響を与える。蓋体構造の温度を検出することで、後続の調理チャンバ構造の温度決定に用いることができる。検出した蓋体構造の温度を検出温度とする。
【0038】
いくつかの実施形態では、調理機器が調理する時、第1の電力を使用して調理機器を加熱することができ、検出温度が加熱温度閾値に達した時、第2の電力を使用して調理機器を加熱する。ここで、第1の電力は、第2の電力よりも大きく、調理機器が調理する時、検出温度を所定温度範囲に迅速に達させるために、まず大きい第1の電力でまず調理機器を加熱することができる。検出温度の上昇速度が速すぎ、例えば検出温度が急速に所定温度範囲に達したが検出及び調整制御が間に合わないことを防止するために、検出温度が一定の温度(即ち上記加熱温度閾値)に達した時、第1の電力よりも小さい第2の電力に変更して調理機器を加熱し、それにより調理機器の温度上昇速度を緩やかにし、タイムリー且つ正確に検出温度に基づいて調整制御することができる。
【0039】
例示的に、第1の電力の値は、1350Wであってもよく、第2の電力の値は、800Wであってもよく、加熱温度閾値は、摂氏90度であってもよい。即ち調理機器が調理を開始することを検出すると、調理機器の関連パラメータに対して初期化処理を行った後、1350Wの電力のフルパワーを使用して調理機器を加熱し、検出温度が摂氏90度に等しくなったとき、800Wの電力のフルパワーを使用して調理機器を加熱する。
【0040】
本願の実施例では、蓋体構造に設置された温度センサにより蓋体構造の温度を検出温度として取得することができる。
【0041】
ステップ220では、所定検出周期に基づいてファン構造の動作状態を制御する。
【0042】
本願の実施例では、所定検出周期において検出して蓋体構造の検出温度を取得することができ、所定検出周期の好ましい値は、15秒であってもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、ファン構造の動作状態は、オンとオフを含む。ファン構造の動作状態がオンである時、ファン構造は、外部のガスを調理チャンバ構造に吹き込み、外部ガスの温度が調理チャンバ構造内の温度よりも低いため、それにより調理チャンバ構造内の温度場を変えることができる。ファン構造の動作状態がオフである時、ファン構造は、調理チャンバ構造への送風を停止し、それにより調理チャンバ構造内部の温度場への影響を停止する。ファン構造の動作状態を制御することにより、調理チャンバ構造の内部温度差を調整することができ、調理チャンバ構造に温度差(ファンがオンの時、調理チャンバ構造の温度が低下し、ファンがオフの時、調理チャンバ構造の温度が上昇する)を発生させる。ファンがオフの時、温度回復の速さは、調理チャンバ構造の現在温度に関連する(例えば調理チャンバ構造内部の蒸気発生の多少に関連する)。したがってファンがオフの時の検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の温度を決定することができる。具体的には後続の実施例において説明する。
【0044】
本願の実施例では、1つの所定検出周期ごとに、ファン構造を第1のデューティ比に基づいてオンにするように制御し、ファン構造を第2のデューティ比に基づいてオフにするように制御する。例えば、1つの所定検出周期が15秒であり、第1のデューティ比が三分の二であり、第2のデューティ比が三分の一である場合、1つの所定検出周期(15秒)内で、ファン構造をオンにする時間は、10sであり、ファン構造をオフにする時間は、5秒である。
【0045】
理解されるように、第1のデューティ比及び第2のデューティ比の値は、実際の要求に応じて選択することができ、第1のデューティ比が大きいほど、第2のデューティ比が小さくなり、1つの所定検出周期内での調理チャンバ構造の温度差への影響が大きくなり、理解されるように、温度差が大きいほど、後に検出する時、温度上昇が顕著になり、判断が容易になる。
【0046】
図3に示すように、
図3は、本願の実施例にて提供される検出温度Tnのファン構造の動作状態に伴う変化の概略図を示す。
図3から分かるように、1つの所定検出周期Tにおいて、t0-t1の時、ファン構造はオン状態であり、ファン構造は調理チャンバ構造に給気し、外部の温度が低いガスが調理チャンバ構造内部の温度場に影響を与えることにより、検出温度Tnは徐々に低下する。t1-t2の時、ファン構造はオフ状態であり、ファン構造は調理チャンバ構造への給気を停止し、調理チャンバ構造内の温度場は徐々に元の状態に回復し、検出温度Tnは徐々に上昇する。
【0047】
いくつかの実施形態では、ファン構造の動作状態の制御曲線は、方形波曲線、正弦曲線などであってもよく、具体的には実際の要求に応じて選択することができ、本願は、これを決定しない。
【0048】
ステップ230では、検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定する。
【0049】
異なる目標温度の決定に対応し、対応する検出温度の変化状況が異なり、それにより検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定することができる。
【0050】
検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定する決定方式は、様々であってもよい。いくつかの実施形態では、ファン構造がオンの時、調理チャンバ構造の温度が低下し、ファン構造がオフの時、調理チャンバ構造の温度が回復する。調理チャンバ構造の異なる目標温度に対応し、検出温度の回復状況が異なり、このため検出温度の回復状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、ステップ230は、下記ステップを含むことができる。
【0052】
(1)検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の温度回復パラメータを決定する。
【0053】
(2)温度回復パラメータ及び所定のマッピング関係に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定する。
【0054】
ここで、温度回復パラメータは、検出温度の回復速度であってもよい。具体的には、各所定検出周期において、ファン構造がオフ状態である時、検出温度の最大値及び最小値を取得することができる。さらに、最大値に対応する第1の検出時間及び最小値に対応する第2の検出時間に基づいて、検出温度の回復速度を決定する。
【0055】
例えば、第1の所定検出周期において、最大値A1に対応する第1の検出時間がa1であり、最小値A2に対応する検出時間がa2である場合、第1の所定検出周期における検出温度の回復速度v=(A1-A2)/(a1-a2)である。
【0056】
理解されるように、異なる目標温度に対応する温度回復パラメータに対して実験検出を予め行い、異なる目標温度と温度回復パラメータの所定の温度マッピング関係を得ることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、さらに異なる目標温度と温度回復パラメータ、食物の重量、食物の種類などの影響要因に対応する所定のマッピング関係を設定し、それにより目標温度をより正確に決定することができる。
【0058】
理解されるように、目標温度は、沸点に対応する温度であってもよい。目標温度は、調理機器の調理中のある温度であってもよく、例えば、目標温度は、調理機器の吸水段階の終了時の、調理チャンバ構造の温度であってもよい。
【0059】
別の実施形態では、目標温度が沸騰温度である時、検出リソースの浪費を減少し、検出効率を向上させるために、検出温度が所定温度範囲内にあるときだけ、各前記所定検出周期において、前記ファン構造を第1のデューティ比に基づいてオンにするように制御し、前記ファン構造を第2のデューティ比に基づいてオフにするように制御するというステップを実行する。つまり、検出温度が所定温度範囲内にあるときだけ、ファン構造の動作状態を調整する。
【0060】
いくつかの実施形態では、所定温度範囲の具体的な値は、調理機器が位置する標高などの要因に関連し、例えば、調理機器の位置する標高が0乃至2000メートルの間である場合、所定温度範囲は、摂氏90度乃至摂氏98度の値であってもよい。
【0061】
なお、所定温度範囲の最低温度の値が小さいほど、所定温度範囲が適合する標高は、高くなる。
【0062】
さらに別の実施形態では、目標温度が沸騰温度である場合、下記実施形態で調理チャンバ構造の目標温度を決定することができる。ステップ230は、具体的には下記ステップを含むことができる。
【0063】
(1)各所定検出周期において、且つファン構造がオフ状態である場合、検出温度の最大値及び最小値を取得する。
【0064】
(2)最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きい場合、最大値に基づいて目標温度を決定する。
【0065】
各所定検出周期において、ファン構造がオフ状態である場合、ファン構造は、調理チャンバ構造内部の温度場への影響を停止し、調理チャンバ構造内部の検出温度は、上昇傾向を呈し、この上昇過程における検出温度の最大値及び最小値を特定する。
【0066】
各所定検出周期における検出温度の最大値及び最小値に基づいて、検出温度の最大値と最小値との間の温度差値を特定する。例えば、検出温度の最大値がTmaxであり、検出温度の最小値がTminであるとき、検出温度の最大値と最小値との間の温度差値は、Tmax-Tminである。
【0067】
温度差値(Tmax-Tmin)が所定温度閾値よりも大きければ、調理機器が沸騰状態に達したことを表しており、沸騰状態では、温度がそれ以上上昇せず、そのため測定した最大温度、即ち検出温度の最大値を目標温度として決定し、即ち検出温度の最大値Tmaxを沸点に対応する温度として決定することができる。温度差値(Tmax-Tmin)が所定温度閾値以下であれば、調理機器が沸騰状態に達していないことを表している。
【0068】
なお、所定温度閾値の値を調整することにより、調理機器の調理過程が沸騰状態にあるか否かと調理機器の沸点情報とを事前に予測することができる。例えば、所定温度閾値の値を小さくし、検出温度の最大値と最小値との間の温度差値が所定温度閾値よりも大きいという条件をより速く満たすようにすれば、調理チャンバ構造の目標温度が沸点温度に達する直前に、事前に特定することができる。
【0069】
検出温度の最大値と最小値との間の温度差値が所定温度閾値よりも大きいことに基づいて目標温度を決定する時、ファン構造などの要因の影響により目標温度が正確でない状況が発生する可能性がある。例えば、ファン構造の風力が不安定であるか、又は所定検出周期においてファン構造に損傷が発生した時、目標温度の決定に大きな偏差が発生する。上記問題を解決するために、別の実施形態では、最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きければ、最大値に基づいて目標温度を決定するステップは、具体的には下記ステップを含むことができる。
【0070】
(1)最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きく、且つ連続した所定の数の所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さければ、最大の最大値を目標温度とする。
【0071】
本願の実施例では、各所定検出周期の温度上昇値は、現在の所定検出周期の検出温度の最大値と前の所定検出周期の検出温度の最大値との間の差分である。
【0072】
例示的に、所定の数は2であり、連続した第1の所定検出周期、第2の所定検出周期及び第3の所定検出周期の検出温度の最大値、例えばTmax1、Tmax2及びTmax3をそれぞれ取得する。
【0073】
仮に、Tmax2とTmax1の差分が所定上昇閾値よりも小さく、且つTmax3とTmax2の差分が所定上昇閾値よりも小さければ、2つの所定検出周期(第2の検出周期及び第3の検出周期)の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さい状況が存在する。即ち、この場合、温度の変化が安定的(沸点状態では、加熱し続けても温度が沸点付近で変化し、それ以上上昇し続けることはない)な傾向があるので、Tmax1及びTmax2のうちの最も値の大きいものを目標温度として決定する。
【0074】
好ましくは、所定の数は、3つであり、即ち最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きく、且つ連続した3つの所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さければ、最大の最大値を目標温度とする。
【0075】
所定検出周期を増やして目標温度を決定することにより、ファン構造の所定検出周期ごとに風力が異なることによる目標温度の誤差を効果的に低減させることができ、所定検出周期においてファン構造の破損が発生することによる目標温度の誤差を効果的に低減させることができる。
【0076】
さらに別の実施形態では、目標温度が沸騰温度である場合、沸騰時、沸騰温度の上昇が小さく又は変化しないため、連続したいくつかの所定検出周期の検出温度の最大値の状況に基づいて調理チャンバ構造が沸騰状態であるか否かを直接決定し、それにより目標温度を決定することができる。具体的には、下記実施形態で調理チャンバ構造の目標温度を決定することができる。ステップ230は、具体的には下記ステップを含むことができる。
【0077】
(1)各所定検出周期において、且つファン構造がオフ状態である場合、検出温度の最大値及び最小値を取得する。
【0078】
(2)連続した所定の数の所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さければ、所定の数の所定検出周期における最大の最大値を目標温度とする。
【0079】
ここで、各所定検出周期の温度上昇値は、現在の所定検出周期の検出温度の最大値と前の所定検出周期の検出温度の最大値との間の差分である。
【0080】
同一の内容は、上記実施例の記載を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0081】
いくつかの実施形態では、調理機器の沸点温度を検出するために用いた場合、検出された目標温度を所定の臨界温度と比較することができ、目標温度が所定の臨界温度よりも小さければ、調理機器が高地調理状態であると特定できる。
【0082】
ここで、所定の臨界温度は所定温度範囲内であり、例えば、所定温度範囲は、摂氏90度乃至摂氏98度であり、所定の臨界温度は、摂氏94度である。上記所定の検出条件(検出温度の最大値と最小値との温度差値が所定の閾値よりも大きいこと、又は検出温度の最大値と最小値との間の温度差値が所定温度閾値よりも大きく、且つ連続した所定の数の所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さいこと)により決定された目標温度が摂氏94度よりも小さければ、調理機器が高地調理状態であると特定する。
【0083】
高地調理状態では、沸点温度が低く、この時、平地調理状態の調理パラメータに基づいて調理することにより、食材が煮えにくくなり、又は所望の調理の効果が得られにくくなる。このため、調理機器が高地調理状態であると特定されれば、調理機器の調理パラメータを調整し、調理の効果を改善することができる。
【0084】
例えば、ファン構造と結び付けて調理機器を調理時に正圧状態(即ち調理チャンバ構造の吸気量が排気量よりも大きい)にさせ、それにより調理機器の沸点温度を高めることができる。例えば、調理機器が高圧調理状態であると特定された場合、ファン構造をオンにし、ファンはエアダクトを介して調理チャンバ構造内に送風する。ファンの風力の大きさを調整することにより、調理チャンバ構造内に吹き込む風量を調理チャンバ構造が蒸気弁を介して排出するガス量よりも大きくさせ、調理機器内部に正の微圧状態を形成させ、それにより調理食材の沸点を向上させる。
【0085】
また例えば、高温調理状態では、加熱時間を長くすることにより調理の効果を調整することができる。
【0086】
ファンの故障などの要因の影響により、検出温度の変化状況がいつまでも所定の検出条件を満たすことができないため、検出温度の変化状況が所定の検出条件を満たすか否か、いつまでもループ判定を行ってしまうことがありうる。そのため、本願の実施例にて提供される温度検出方法は、ループ判定の終了条件をさらに設定し、即ち終了条件を満たさない場合、検出温度の変化状況が所定の検出条件を満たすか否かの状況の判断を行い続け、終了条件を満たす場合、ループ判定から出る。
【0087】
いくつかの実施形態では、ループ判定の終了条件は、温度検出時間がタイムアウトするか否かということであってもよく、温度検出時間は、蓋体構造に対して温度検出を行う総時間である。
【0088】
具体的には、温度検出時間が所定時間閾値以下であり、且つ検出温度の変化状況が所定の検出条件を満たせば、検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定する。
【0089】
本願の実施例では、温度検出時間が所定時間閾値以下であり、且つ検出温度の変化状況が所定の検出条件(最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きいこと、又は最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きく、且つ連続的な所定の数の所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さいこと)を満たせば、検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定する。
【0090】
いくつかの実施形態では、温度検出時間が所定時間閾値よりも大きく、又は検出温度が所定温度範囲の最大値よりも大きければ、所定温度範囲の最大値を目標温度とする。
【0091】
例示的に、所定温度範囲は、摂氏90度乃至摂氏98度であり、温度検出時間が所定時間閾値よりも大きければ、又は検出温度が摂氏98度よりも大きければ、摂氏98度を目標温度として決定する。
【0092】
ここで、所定時間閾値の設定は、実際の使用要求に応じて設定することができ、例えば食物の重量、種類などの影響要因と所定時間閾値のマッピング関係を予め設定することができ、実際の使用の際に、調理チャンバ構造における食物の重量、種類及び所定の時間マッピング関係に基づいて所定時間閾値を決定することができる。
【0093】
以下、本願にて提供される温度検出方法を1つの具体的な実施例で詳細に説明する。
図4を参照し、
図4は、本願の実施例にて提供される別の温度検出方法のフローチャートの概略図を示し、当該方法は、ステップ301乃至ステップ313を含む。
【0094】
ステップ301では、調理を開始し、調理機器を初期化する。
【0095】
調理機器が調理を開始することを検出すると、調理機器の関連パラメータを初期化する。
【0096】
ステップ302では、第1の電力で調理機器を加熱する。
【0097】
調理機器の関連パラメータを初期化した後、第1の電力で調理機器を加熱する。ここで、第1の電力の値は、1350Wであってもよい。
【0098】
ステップ303では、検出温度を取得する。
【0099】
蓋体構造を温度検出して得られた温度値を検出温度とする。
【0100】
ステップ304では、検出温度が加熱温度閾値に等しいか否かを判断する。
【0101】
検出温度が加熱温度閾値に等しければ、ステップ305を実行し、そうでなければ、ステップ303に戻って実行する。ここで、加熱温度閾値の値は、90℃であってもよい。
【0102】
ステップ305では、検出温度が加熱温度閾値に等しければ、第2の電力で調理機器を加熱する。
【0103】
ここで、第2の電力の値は、800Wであってもよい。
【0104】
ステップ306では、検出温度が所定温度範囲内であるか否かを判断する。検出温度が所定温度範囲内であれば、ステップ307を実行し、そうでなければ、ステップ305を実行する。ここで、所定温度範囲の値は、90~98℃であってもよい。
【0105】
ステップ307では、検出温度が所定温度範囲内であれば、各所定検出周期において、第1のデューティ比に基づいてファン構造をオンにし、第2のデューティ比に基づいてファン構造をオフにする。
【0106】
ステップ308では、ファン構造がオフ状態での検出温度の最大値及び最小値を取得する。
【0107】
各所定検出周期において、ファン構造がオフ状態での検出温度の最大値及び最小値を決定する。
【0108】
ステップ309では、最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きいか否かを判断する。
【0109】
最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きければ、ステップ310を実行する。
【0110】
ステップ310では、連続した3つの所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さいか否かを判断する。
【0111】
連続した3つの所定検出周期の温度上昇値がいずれも所定上昇閾値よりも小さければ、ステップ311を実行する。
【0112】
ステップ311では、最大の最大値を目標温度とする。
【0113】
最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きく、且つ連続した3つの所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さいと判定した場合、最大の最大値を目標温度とする。
【0114】
ステップ312では、温度検出時間が所定時間閾値よりも大きいか否か、又は検出温度が所定温度範囲の最大値よりも大きいか否かを判断する。
【0115】
温度検出時間が所定時間閾値よりも大きく、又は検出温度が所定温度範囲の最大値よりも大きいと判定した場合、ステップ313を実行する。
【0116】
ステップ313では、所定温度範囲の最大値を目標温度とする。
【0117】
図5を参照し、
図5は、ファン構造、蓋体構造及び調理チャンバ構造が設置された調理機器に適用される、本願の実施例にて提供される温度検出装置400の構造概略図を示す。蓋体構造が調理チャンバ構造を閉鎖するために用いられ、ファン構造が蓋体構造に設置され、当該温度検出装置400は、取得モジュール410、制御モジュール420及び決定モジュール430を含み、具体的には、以下のとおりである。
【0118】
取得モジュール410は、蓋体構造の検出温度を取得するために用いられる。
【0119】
制御モジュール420は、所定検出周期に基づいてファン構造の動作状態を制御するために用いられる。
【0120】
いくつかの実施形態では、制御モジュール420は、
各所定検出周期において、ファン構造を第1のデューティ比に基づいてオンにするように制御し、ファン構造を第2のデューティ比に基づいてオフにするように制御するために用いられる第1の制御サブモジュールをさらに含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、制御モジュール420は、
各所定検出周期において、且つファン構造がオフ状態である時、検出温度の最大値及び最小値を取得するために用いられる第1の取得サブモジュールと、
最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きければ、最大値に基づいて目標温度を決定するために用いられる第1の決定サブモジュールと、をさらに含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、当該第1の決定サブモジュールは、
最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きく、且つ連続した所定の数の所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さければ、最大の最大値を目標温度とするために用いられる決定ユニットであって、各所定検出周期の温度上昇値は、現在の所定検出周期の検出温度の最大値と前の所定検出周期の検出温度の最大値との間の差分である、決定ユニットと、
検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定するために用いられる決定モジュール430と、をさらに含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、当該決定モジュール430は、
検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の温度回復パラメータを決定するために用いられる第1の決定サブモジュールと、
温度回復パラメータと所定の温度マッピング関係に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定するために用いられる第2の決定サブモジュールと、を含み、
ここで、所定の温度マッピング関係は、目標温度と温度回復パラメータの所定のマッピング関係を特徴付ける。
【0124】
いくつかの実施形態では、当該決定モジュール430は、
検出温度が所定温度範囲内であれば、各所定検出周期において、ファン構造を第1のデューティ比に基づいてオンにするように制御するために用いられる第2の制御サブモジュールと、
ファン構造を第2のデューティ比に基づいてオフにするように制御するために用いられる第3の制御サブモジュールと、をさらに含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、決定モジュール430は、
各所定検出周期において、且つファン構造がオフ状態である時、検出温度の最大値及び最小値を取得するために用いられる第1の取得サブモジュールと、
最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きければ、最大値に基づいて目標温度を決定するために用いられる第3の決定サブモジュールと、をさらに含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、当該第1の決定サブモジュールは、
最大値と最小値との温度差値が所定の閾値よりも大きければ、最大値を目標温度とするために用いられる第4の決定サブモジュールをさらに含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、当該第4の決定サブモジュールは、
最大値と最小値との温度差値が所定温度閾値よりも大きく、且つ連続した所定の数の所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さければ、最大の最大値を目標温度とするために用いられる決定ユニットをさらに含み、各所定検出周期の温度上昇値は、現在の所定検出周期の検出温度の最大値と前の所定検出周期の検出温度の最大値との間の差分である。
【0128】
いくつかの実施形態では、当該決定モジュール430は、
各所定検出周期において、且つファン構造がオフ状態である場合、検出温度の最大値及び最小値を取得するために用いられる第2の取得サブモジュールと、
連続した所定の数の所定検出周期の温度上昇値が所定上昇閾値よりも小さければ、所定の数の所定検出周期における最大の最大値を目標温度とするために用いられる第5の決定サブモジュールであって、各所定検出周期の温度上昇値は、現在の所定検出周期の検出温度の最大値と前の所定検出周期の検出温度の最大値との間の差分である、第5の決定サブモジュールと、
温度検出時間が所定時間閾値以下であり、且つ検出温度の変化状況が所定の検出条件を満たせば、検出温度の変化状況に基づいて調理チャンバ構造の目標温度を決定するために用いられる第6の決定サブモジュールと、
温度検出時間が所定時間閾値よりも大きく、又は検出温度が所定温度範囲の最大値よりも大きければ、所定温度範囲の最大値を目標温度とするために用いられる第7の決定サブモジュールと、をさらに含む。
【0129】
当業者であれば明らかなように、説明の便宜上及び簡潔化のために、上記装置及びモジュールの具体的な動作過程の説明は、前記方法の実施例における対応する過程を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0130】
本願にて提供されるいくつかの実施例では、明示されたモジュール又は議論されたモジュール相互間の結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインタフェース、装置又はモジュールを介した間接結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形式であってもよい。
【0131】
また、本願の各実施例における各機能モジュールは、1つの処理モジュールに集積されてもよく、各モジュールが単独で物理的に存在してもよく、2つ又は2つ以上のモジュールが1つのモジュールに集積されてもよい。上記集積されたモジュールは、ハードウェアの形式で実現してもよく、ソフトウェア機能モジュールの形式で実現してもよい。
【0132】
図6を参照し、
図6は、本願の実施例にて提供される調理機器500の構造概略図であり、本願における調理機器500は、以下の1つ又は複数の部材、即ちプロセッサ510、メモリ520及び1つ又は複数のアプリケーションプログラムを含むことができ、ここで、1つ又は複数のアプリケーションプログラムは、メモリ520に記憶されて1つ又は複数のプロセッサ510により実行されるように構成され、1つ又は複数のプログラムは、前記方法の実施例に記載の調理制御方法を実行するために用いられるように構成される。
【0133】
プロセッサ510は、1つ又は複数のプロセッサコアを含むことができる。プロセッサ510は、全体の調理機器500内の各部を各種のインタフェース及び回路で接続し、メモリ520内に記憶された命令、プログラム、コードセット又は命令セットを動作させるか又は実行し、及びメモリ520内に記憶されたデータを呼び出すことにより、調理機器500の各種機能及び処理データを実行する。任意選択的に、プロセッサ510は、デジタル信号処理(Digital Signal Processing、DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(Programmable Logic Array、PLA)のうちの少なくとも1つのハードウェア形式で実現することができる。プロセッサ510は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、画像プロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)及びモデムなどのうちの1種又は複数種の組み合わせを集積することができる。ここで、CPUは、主にオペレーティングシステム、ユーザインタフェース及びアプリケーションプログラムなどを処理し、GPUは、表示内容のレンダリング及び描画を担当するために用いられ、モデムは、無線通信を処理するために用いられる。理解されるように、上記モデムは、プロセッサ510に集積されず、単独で1枚の通信チップで実現することができる。
【0134】
メモリ520は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)を含んでもよく、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory)を含んでもよい。メモリ520は、命令、プログラム、コード、コードセット又は命令セットを記憶するために用いられることができる。メモリ520は、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含むことができ、ここで、プログラム記憶領域は、オペレーティングシステムを実現するための命令、少なくとも1つの機能を実現するための命令、下記各方法の実施例を実現するための命令などを記憶することができる。データ記憶領域は、調理機器500の使用中に作成されたデータを記憶することもできる。
【0135】
図7を参照し、
図7は、本願の実施例にて提供されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の構造概略図を示し、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体600には、プロセッサに呼び出されて上記方法の実施例に記載の調理制御方法を実行できるプログラムコード610が記憶される。
【0136】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体600は、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ)、EPROM、ハードディスク又はROMなどの電子メモリであってもよい。任意選択的に、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体600は、不揮発性のコンピュータ読み取り可能な媒体(non-transitory computer-readable storage medium)を含む。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体600は、上記方法におけるあらゆる方法のステップのプログラムコード610を実行する記憶空間を有する。これらのプログラムコードは、1つ又は複数のコンピュータプログラム機器から読み出され、又はこれら1つ又は複数のコンピュータプログラム機器に書き込まれる。プログラムコード610は、例えば適当な形式で圧縮されてもよい。
【0137】
最後に、以上の実施例は、単に本願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではない。前記実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば理解されるように、前記各実施例に記載の技術的解決手段をさらに修正し、又はそのうちの一部の技術的特徴を均等置換することもができるが、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の各実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱させるものではない。