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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152660
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】蒸着装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/24 20060101AFI20241018BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20241018BHJP
   H10K 71/16 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
C23C14/24 A
H10K59/10
H10K71/16 164
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024061326
(22)【出願日】2024-04-05
(31)【優先権主張番号】10-2023-0048201
(32)【優先日】2023-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ソクジュン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ユウジン
(72)【発明者】
【氏名】パク,カンホ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ドンユン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,ジョンヒョン
【テーマコード(参考)】
3K107
4K029
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC45
3K107FF15
3K107GG32
3K107GG34
4K029BA62
4K029BD01
4K029CA01
4K029DB06
4K029DB12
4K029DB13
4K029DB17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】るつぼに均一に熱を伝達することができる蒸着装置を提供する。
【解決手段】蒸着装置1000は、収容空間130を定義する分離膜120を有するるつぼ100と、るつぼを加熱させ、分離膜に重なる支持部230が形成された下部フレーム220を有するフレーム構造物200とを含む。前記支持部のそれぞれは、前記分離膜のそれぞれに重なってもよい。前記分離膜は、第1の方向に沿って並んで配列され、前記支持部は、前記第1の方向に沿って並んで配列されてもよい。前記分離膜の前記第1の方向における幅は、前記支持部の前記第1の方向における幅と同一であってもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を定義する分離膜を有するるつぼと、
前記るつぼを加熱させ、前記分離膜に重なる支持部が形成された下部フレームを有するフレーム構造物と、を含むことを特徴とする蒸着装置。
【請求項2】
前記支持部のそれぞれは、前記分離膜のそれぞれに重なることを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項3】
前記分離膜は、第1の方向に沿って並んで配列され、
前記支持部は、前記第1の方向に沿って並んで配列されることを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項4】
前記分離膜の前記第1の方向における幅は、前記支持部の前記第1の方向における幅と同一であることを特徴とする請求項3に記載の蒸着装置。
【請求項5】
ヒーターを更に含み、
前記フレーム構造物は、更に、前記るつぼの側部に隣接する側部フレームを有し、
前記下部フレーム及び前記側部フレームは、金属を含み、
前記ヒーターは、前記側部フレームに固定されることを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項6】
前記ヒーターで発生した熱が前記側部フレームを通じて前記支持部に伝達され、
前記支持部に伝達された前記熱により、前記分離膜が間接に加熱されることを特徴とする請求項5に記載の蒸着装置。
【請求項7】
前記分離膜のそれぞれには、前記収容空間の間を連通させる開口が形成されることを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項8】
前記下部フレームは、更に、前記支持部の間に位置する下部遮蔽板を有することを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項9】
前記フレーム構造物は、更に、
前記るつぼの側部に隣接する側部フレームと、
前記側部フレーム内に形成された冷却装置と、を有することを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項10】
前記フレーム構造物は、更に、前記るつぼの側部に隣接する側部フレームを有し、
前記支持部は、前記側部フレームの熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有することを特徴とする請求項1に記載の蒸着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸着装置に関する。より詳しくは、本発明は、表示装置を製造する工程に用いられる蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、複数の薄膜が積層された構造を有し、前記薄膜は、蒸着工程などにより形成される。例えば、前記蒸着工程は、るつぼ及びフレーム構造物を含む蒸着装置により行われる。前記るつぼ内に蒸着物質を装入し加熱すると、蒸発した前記蒸着物質がノズルを通じて噴射され、ターゲット基板に蒸着される。
【0003】
前記蒸着工程が行われる間、前記蒸着物質が均一に蒸発することが望まれる。そこで、前記蒸着物質で加えられる熱が均一となる必要がある。しかし、前記るつぼの位置によって、前記蒸着物質に加えられる熱が均一でない場合、それにより、前記蒸着物質が前記るつぼの位置によって、不均一に焼尽するという不都合が発生する。
【0004】
また、前記蒸着物質が液相ではなく固相である場合、前記蒸着物質が前記るつぼ内で移動しない。それにより、前記のような不都合が更に加速化する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、るつぼに均一に熱を伝達することができる蒸着装置を提供することができる。
【0006】
但し、本発明は、上述した目的に限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、様々に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した本発明の目的を達成するために、本発明の一実施形態による蒸着装置は、収容空間を定義する分離膜を有するるつぼと、前記るつぼを加熱させ、前記分離膜に重なる支持部が形成された下部フレームを有するフレーム構造物とを含むことを特徴とする。
【0008】
前記支持部のそれぞれは、前記分離膜のそれぞれに重なる。
【0009】
前記分離膜は、第1の方向に沿って並んで配列され、前記支持部は、前記第1の方向に沿って並んで配列される。
【0010】
前記分離膜の前記第1の方向における幅は、前記支持部の前記第1の方向における幅と同一である。
【0011】
前記分離膜のそれぞれは、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在し、前記支持部のそれぞれは、前記第2の方向に延在する。
【0012】
前記フレーム構造物は、更に、前記るつぼの側部に隣接する側部フレームを有し、前記下部フレーム及び前記側部フレームは、金属を含む。
【0013】
前記蒸着装置は、更に、前記側部フレームに固定されたヒーターを含む。
【0014】
前記ヒーターで発生した熱が前記側部フレームを通じて前記支持部に伝達され、前記支持部に伝達された前記熱により、前記分離膜が間接に加熱される。
【0015】
前記分離膜のそれぞれには、前記収容空間の間を連通させる開口が形成される。
【0016】
前記下部フレームは、更に、前記支持部の間に位置する下部遮蔽板を有する。
【0017】
前記フレーム構造物は、更に、前記るつぼの側部に隣接する側部フレームと、前記側部フレーム内に形成された冷却装置とを有する。
【0018】
前記蒸着装置は、更に、前記側部フレームに固定したヒーターを有し、前記冷却装置により、前記ヒーターで発生した熱が前記支持部に伝達されない。
【0019】
前記フレーム構造物は、更に、前記るつぼの側部に隣接する側部フレームを有し、前記支持部は、前記側部フレームの熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する。
【0020】
前記側部フレームは、金属を含み、前記支持部は、セラミックスを含む。
【0021】
前記側部フレームは、金属を含み、前記支持部は、プラスチックを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明による蒸着装置は、るつぼ及びフレーム構造物を含む。前記るつぼは、蒸着物質を気化及び噴射させ、前記フレーム構造物は、前記るつぼを支持し、前記るつぼに熱を加える。前記るつぼは、収容空間を定義する分離膜を含み、前記フレーム構造物は、支持部が形成された下部フレームを含む。前記支持部は、前記分離膜に重なる。
【0023】
ヒーターで発生した熱が前記支持部に伝えられると、前記支持部に伝達された熱により、前記分離膜が間接に加熱される。本発明によると、前記支持部と前記分離膜がいずれも重なることによって、前記分離膜が均一に加熱される。また、前記支持部が前記収容空間と重なっていないことで、前記支持部から発散する熱が、前記収容空間内に収容された前記蒸着物質に向かって直接に伝達されない。それにより、前記蒸着物質で加えられる熱勾配が更に均一となり、前記るつぼの位置による前記蒸着物質の不均一な焼尽を防止することができる。そこで、前記るつぼを用いた製造工程の成膜均一度が向上し、前記不均一な焼尽によるマージンが減少する。
【0024】
但し、本発明の効果は、上述した効果に限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、様々に拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の第1の実施形態による蒸着装置を説明するための断面図である。
図2図2は、図1の蒸着装置を説明するための側面図である。
図3図3は、図1の蒸着装置に含まれたるつぼ及び下部フレームを説明するための背面図である。
図4図4は、本発明の第2の実施形態による蒸着装置を説明するための断面図である。
図5図5は、図4の蒸着装置に含まれた分離膜を説明するための図である。
図6図6は、本発明の第3の実施形態による蒸着装置を説明するための断面図である。
図7図7は、図6の蒸着装置を説明するための側面図である。
図8図8は、本発明の第4の実施形態による蒸着装置を説明するための断面図である。
図9図9は、図8の蒸着装置を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態をより詳細に説明する。図面上の同一の構成要素については、同一の図面符号を付し、同一の構成要素に対する重複した説明は、省略する。
【0027】
図1は、本発明の第1の実施形態による蒸着装置を説明するための断面図であり、図2は、図1の蒸着装置を説明するための側面図であり、図3は、図1の蒸着装置に含まれたるつぼ及び下部フレームを説明するための背面図である。
【0028】
図1及び図2に示しているように、本発明の第1の実施形態による蒸着装置1000は、るつぼ100と、フレーム構造物200と、ヒーター300と、ノズル部400とを含む。
【0029】
前記るつぼ100は、るつぼフレーム110と、分離膜120とを含む。前記るつぼフレーム110は、前記るつぼ100の外形をなす側部及び下部を構成する。前記分離膜120は、前記るつぼフレーム110の下に設けられ、収容空間130を定義する。言い換えると、前記分離膜120により、前記るつぼ100には、複数の収容空間130が定義される。
【0030】
一実施形態において、前記るつぼフレーム110及び前記分離膜120は、必要な熱伝導率を有する金属、プラスチック、セラミックスなどで形成される。例えば、前記るつぼフレーム110及び前記分離膜120は、ステンレススチール(SUS)、アルミニウム、チタン、銅などの金属で形成されるか、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)などのプラスチックで形成されるか、アルミナ、シリコンカーバイド、二酸化ケイ素などのセラミックスで形成される。
【0031】
一実施形態において、前記分離膜120は、第1の分離膜121と、第2の分離膜122と、第3の分離膜123とを含む。前記第1乃至第3の分離膜121、122、123は、第1の方向(D1)に沿って並んで配列される。また、前記収容空間130は、前記第1の方向(D1)に沿って並んで配列された長方形の容器形状を有する。
【0032】
前記収容空間130のそれぞれには、蒸着材料(DM)が収容される。前記蒸着材料(DM)は、高分子有機物質、低分子有機物質、重合体、無機物質などを含み、固相又は液相でもある。前記るつぼ100により、前記蒸着材料(DM)に熱が加えられると、前記蒸着材料(DM)は、液化又は昇華されて、気体に変化することができ、ターゲット基板に蒸着される。
【0033】
前記フレーム構造物200は、側部フレーム210と、下部フレーム220とを含む。前記フレーム構造物200の内部には、前記るつぼ100が配置され、前記フレーム構造物200は、前記るつぼ100の側部及び下部を覆う。
【0034】
一実施形態において、前記側部フレーム210及び前記下部フレーム220は、必要な熱伝導率を有する金属、プラスチック、セラミックスなどで形成される。例えば、前記側部フレーム210及び前記下部フレーム220は、ステンレススチール(SUS)、アルミニウム、チタン、銅などの金属で形成されるか、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)などのプラスチックで形成されるか、アルミナ、シリコンカーバイド、二酸化ケイ素などのセラミックスで形成される。一実施形態において、前記側部フレーム210及び前記下部フレーム220は、同一のステンレススチール(SUS)を含む。
【0035】
前記側部フレーム210は、前記るつぼ100の側部と隣り合う。例えば、前記側部フレーム210は、平面上で、前記るつぼ100の側部に対応するように、前記第1の方向(D1)に延在する長辺、及び前記第1の方向(D1)と交差する第2の方向(D2)に延在する短辺を有する長方形状を有し、前記第1及び第2の方向(D1、D2)と交差する第3の方向(D3)への高さを有する。
【0036】
前記側部フレーム210には、ヒーター300が固定され、前記側部フレーム210は、前記下部フレーム220に連結される。前記ヒーター300で発生した熱は、前記側部フレーム210を通じて、前記下部フレーム220に伝達される。
【0037】
前記下部フレーム220は、支持部230と、下部遮蔽板240とを含む。
【0038】
一実施形態において、前記支持部230は、第1の支持部231と、第2の支持部232と、第3の支持部233とを含む。前記第1乃至第3の支持部231、232、233は、前記第1の方向(D1)に沿って並んで配列される。
【0039】
一実施形態において、前記支持部230は、前記分離膜120にそれぞれ重なる。言い換えると、前記第1の支持部231は、前記第1の分離膜121に重なり、前記第2の支持部232は、前記第2の分離膜122に重なり、前記第3の支持部233は、前記第3の分離膜123に重なる。それにより、前記支持部230のそれぞれは、前記分離膜120のそれぞれに重なる。
【0040】
前記ヒーター300で発生した熱が、前記側部フレーム210を通じて前記支持部230に伝えられると、前記支持部230に伝達された熱により、前記分離膜120が間接に加熱される。本発明によると、前記支持部230と前記分離膜120がいずれも重なることによって、前記分離膜120が均一に加熱される。また、前記支持部230が前記収容空間130に重なっていないことによって、前記支持部230から発散する熱が、前記収容空間130内に収容された前記蒸着物質(DM)に向かって直接に伝達されない。それにより、前記蒸着物質(DM)で加えられる熱勾配が更に均一となり、前記るつぼ100の位置による前記蒸着物質(DM)の不均一な焼尽を防止することができる。したがって、前記るつぼ100を用いた製造工程の成膜均一度が向上し、不均一な焼尽によるマージンが減少することができる。
【0041】
前記下部遮蔽板240は、前記支持部230の間に位置する。前記下部遮蔽板240は、前記るつぼ100と前記フレーム構造物200の間に滞った熱を放出する。一実施形態において、前記下部遮蔽板240は、前記支持部230と同一の物質を含む。この場合、前記下部遮蔽板240の厚さは、前記支持部230の厚さよりも小さいか、又は、前記下部遮蔽板240には、熱を放出するための開口が形成される。
【0042】
前記ヒーター300は、前記フレーム構造物200の前記側部フレーム210に固定される。前記ヒーター300で発生した熱が前記るつぼ100に加えられると、前記るつぼ100の内部に収容された前記蒸着物質(DM)が加熱される。前記ヒーター300は、前記蒸着物質(DM)を加熱する様々な構造で固定される。例えば、前記ヒーター300は、平面上で、前記るつぼ100の側部に対応するように、前記第1の方向(D1)に延在する第1のヒーターと、前記第2の方向(D2)に延在する第2のヒーターとを含む。
【0043】
前記ノズル部400は、前記るつぼ100の上部に配置される。前記ノズル部400は、ノズル410を含み、前記ノズル410を通じて気化された前記蒸着物質(DM)が噴射される。それにより、前記ノズル410は、前記収容空間130に対応するように配置される。
【0044】
図3に示しているように、前記るつぼ100は、前記第1の方向(D1)に並んで配列された前記分離膜120を含み、前記フレーム構造物200は、前記第1の方向(D1)に並んで配列された前記支持部230を含む。前記分離膜120及び前記支持部230は、互いに重なっている。
【0045】
一実施形態において、前記分離膜120のそれぞれの前記第1の方向(D1)における第1の幅(W1)は、前記支持部230のそれぞれの前記第1の方向(D1)における第2の幅(W2)と実質的に同一である。また、前記分離膜120のそれぞれは、前記第2の方向(D2)に延在し、前記支持部230のそれぞれは、前記第2の方向(D2)に延在する。それにより、前記分離膜120及び前記支持部230が重なっている。
【0046】
図4は、本発明の第2の実施形態による蒸着装置を説明するための断面図であり、図5は、図4の蒸着装置に含まれた分離膜を説明するための図である。
【0047】
図4及び図5に示しているように、本発明の第2の実施形態による蒸着装置2000は、るつぼ100と、フレーム構造物200と、ヒーター300と、ノズル部400とを含む。前記るつぼ100は、るつぼフレーム110と、分離膜120とを含む。前記蒸着装置2000は、前記分離膜120を除き、図1乃至図3で説明した前記蒸着装置1000と実質的に同一である。
【0048】
一実施形態において、前記分離膜120は、第1の分離膜121と、第2の分離膜122と、第3の分離膜123とを含む。前記第1乃至第3の分離膜121、122、123は、第1の方向(D1)に沿って並んで配列される。また、前記収容空間130は、前記第1の方向(D1)に沿って並んで配列された長方形の容器形状を有する。
【0049】
一実施形態において、前記分離膜120のそれぞれには、前記収容空間130の間を連通させる開口(OP)が形成される。前記収容空間130は、前記開口(OP)を介して互いに連通される。それにより、前記蒸着材料(DM)は、前記開口(OP)を介して、前記収容空間130の間を移動することができる。そこで、相対的に蒸着材料(DM)が早く気化する収容空間に蒸着材料(DM)が移動することによって、前記収容空間130の間で発生し得る前記蒸着材料(DM)の不均一な焼尽を防止することができる。
【0050】
また、前述したように、前記支持部230は、前記分離膜120に重なる。それにより、前記蒸着物質(DM)で加えられる熱勾配が更に均一となる。そこで、前記開口(OP)を介して移動しない固相の前記蒸着材料(DM)を用いても、前記蒸着材料(DM)の不均一な焼尽が防止される。
【0051】
図6は、本発明の第3の実施形態による蒸着装置を説明するための断面図であり、図7は、図6の蒸着装置を説明するための側面図である。
【0052】
図6及び図7に示しているように、本発明の第3の実施形態による蒸着装置3000は、るつぼ100と、フレーム構造物200と、ヒーター300と、ノズル部400と、冷却装置(CLU)とを含む。前記蒸着装置3000は、前記冷却装置(CLU)を除き、図1乃至図3で説明した前記蒸着装置1000と実質的に同一である。
【0053】
一実施形態において、前記蒸着装置3000は、前記冷却装置(CLU)を含む。前記冷却装置(CLU)は、前記フレーム構造物200の前記側部フレーム210内に形成される。例えば、前記側部フレーム210の内部に冷却水路が設けられ、前記冷却水路に冷却水(process cooling water、PCW)が供給される。
【0054】
前記冷却装置(CLU)により、前記ヒーター300で発生した熱が、前記側部フレーム210及び前記支持部230に伝達されない。それにより、前記分離膜120は、前記支持部230から熱を与えられず、前記蒸着物質(DM)で加えられる熱勾配が更に均一となる。
【0055】
また、一実施形態において、図6に示しているように、前記支持部230は、前記分離膜120に重なるが、本発明は、これに限定されない。例えば、他の実施形態において、前記支持部230は、前記分離膜120に重なっていなくてもよい。前記支持部230が前記分離膜120と重なっていなくても、前記蒸着装置3000が前記冷却装置(CLU)を含むことによって、前記蒸着物質(DM)に加えられる熱勾配が更に均一となる。
【0056】
図8は、本発明の第4の実施形態による蒸着装置を説明するための断面図であり、図9は、図8の蒸着装置を説明するための側面図である。
【0057】
図8及び図9に示しているように、本発明の第4の実施形態による蒸着装置4000は、るつぼ100と、フレーム構造物200と、ヒーター300と、ノズル部400とを含む。前記フレーム構造物200は、側部フレーム210と、下部フレーム220とを含み、前記下部フレーム220は、支持部230と、下部遮蔽板240とを含む。前記蒸着装置4000は、前記支持部230を除き、図1乃至図3で説明した前記蒸着装置1000と実質的に同一である。
【0058】
一実施形態において、前記支持部230の熱伝導率は、前記側部フレーム210の熱伝導率よりも小さい。例えば、前記側部フレーム210は、ステンレススチール(SUS)、アルミニウム、チタン、銅などの金属で形成される。
【0059】
一実施形態において、前記下部フレーム220の前記支持部230は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)などのプラスチックで形成される。他の実施形態において、前記支持部230は、アルミナ、シリコンカーバイド、二酸化ケイ素などのセラミックスで形成される。前記支持部230が相対的に小さい熱伝導率を有する材料で形成されることによって、前記ヒーター300で発生した熱が、前記支持部230に円滑に伝達されない。それにより、前記分離膜120は、前記支持部230から熱を与えられず、前記蒸着物質(DM)で加えられる熱勾配が更に均一となる。
【0060】
また、一実施形態において、図8に示しているように、前記支持部230は、前記分離膜120に重なるが、本発明は、これに限定されない。例えば、他の実施形態において、前記支持部230は、前記分離膜120に重なっていなくてもよい。前記支持部230が前記分離膜120に重なっていなくても、前記支持部230が相対的に小さい熱伝導率を持つ材料で形成されることによって、前記蒸着物質(DM)で加えられる熱勾配が更に均一となる。
【0061】
前記では、本発明の例示的な実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、蒸着装置及びこれを用いて製造される表示装置に適用可能である。例えば、本発明は、高解像度スマートフォン、携帯電話、スマートパッド、スマートウォッチ、タブレットPC、車両用ナビゲーションシステム、テレビ、コンピュータモニタ、ノート型パソコンなどを製造する工程に適用可能である。
【0063】
以上では、本発明の例示的な実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。
【符号の説明】
【0064】
1000:蒸着装置
100:るつぼ
110:るつぼフレーム
120:分離膜
130:収容空間
200:フレーム構造物
210:側部フレーム
220:下部フレーム
230:支持部
240:下部遮蔽板
300:ヒーター
400:ノズル部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9