IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケースレー・インスツルメンツ・インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特開-試験測定システム 図1
  • 特開-試験測定システム 図2
  • 特開-試験測定システム 図3
  • 特開-試験測定システム 図4
  • 特開-試験測定システム 図5
  • 特開-試験測定システム 図6
  • 特開-試験測定システム 図7
  • 特開-試験測定システム 図8
  • 特開-試験測定システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152663
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】試験測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20241018BHJP
【FI】
G01R31/26 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024061920
(22)【出願日】2024-04-08
(31)【優先権主張番号】63/458,075
(32)【優先日】2023-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/464,143
(32)【優先日】2023-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/523,836
(32)【優先日】2023-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/626,190
(32)【優先日】2024-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505436014
【氏名又は名称】ケースレー・インスツルメンツ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Keithley Instruments,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】グレゴレリー・ソボレウスキ
(57)【要約】
【課題】DUTの静的及び動的の両方の特性を評価する。
【解決手段】試験測定システム300は、ハーフ・ブリッジ回路を形成するように結合される第1及び第2DUTに結合するように構成された被試験デバイス(DUT)インタフェース58を含む。特性評価回路は、第1及び第2DUTの静的試験と動的試験を実行するように制御される。特性評価回路には、第1DUTと、第1DUTのゲート・ノードにDCパルス信号とAC信号を供給することによって第1DUTに第2DUTへ電流と電圧信号を供給させて第2DUTの静的及び動的特性評価を行うための第1駆動電圧発生回路とを有するソリッド・ステート・バイアス・ティーがある。1つの特性評価回路で、一方のDUTのゲート電荷特性評価パラメータと、他方のDUTの逆電流経路(ボディ・ダイオードなど)の特性評価を同時に生成できる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験測定システムであって、
ハーフ・ブリッジ回路を形成するように結合される第1及び第2被試験デバイス(DUT)に結合するように構成された被試験デバイス(DUT)インタフェースと、
上記第1及び第2DUTの静的試験及び動的試験を実行するように制御されるように構成された特性評価回路と
を具え、
該特性評価回路が、
上記第1DUT及び第1駆動電圧発生回路を含むソリッド・ステート・バイアス・ティーを有し、
上記第1駆動電圧発生回路が、DCパルス信号及びAC信号を上記第1DUTのゲート・ノードに供給することによって、上記第1DUTに電流及び電圧信号を上記第2DUTへ供給させて、上記第2DUTの静的及び動的特性評価を行う試験測定システム。
【請求項2】
上記第1及び第2DUTは、第1金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と第2MOSFETとから夫々構成される請求項1の試験測定システム。
【請求項3】
上記ソリッド・ステート・バイアス・ティーは、上記第2MOSFETの特性評価に必要な電流を供給するための制御された電流源として構成される請求項2の試験測定システム。
【請求項4】
上記ソリッド・ステート・バイアス・ティーは、上記第1MOSFETのゲートに第1周波数を有するAC電圧信号を供給するように構成されており、上記第1周波数は、上記AC電圧信号に応答して上記第1MOSFETによって生成されるドレイン電流の第2周波数の半分に等しい値を有する請求項3の試験測定システム。
【請求項5】
上記ハーフ・ブリッジ回路のスイッチング・ノードと電源電圧ノードとの間の抵抗と直列に結合された試験インダクタを更に具える請求項1の試験測定システム。
【請求項6】
上記第1及び第2MOSFET夫々のゲート・ソース間電圧と、上記第2MOSFETを流れる電流を測定するための上記抵抗の両端間の電圧と、上記第1及び第2MOSFETのドレインの電圧と、上記試験インダクタを流れる電流とを測定する複数の測定チャンネルを更に具える請求項5の試験測定システム。
【請求項7】
試験測定システムであって、
ハーフ・ブリッジ回路を形成するように結合された、逆電流経路を夫々有する上側及び下側電界効果トランジスタ(FET)に結合するように構成された被試験デバイス(DUT)インタフェースと、
上記上側及び下側FETのゲート電荷曲線試験を実行するように制御されるように構成された特性評価回路と
を具え、
該特性評価回路が、
上記ハーフ・ブリッジ回路のスイッチング・ノードと電圧ノードとの間に結合された試験インダクタと、
上記上側及び下側FETのゲートにそれぞれのゲート駆動信号を供給するように構成された上側及び下側ゲート駆動回路とを有し、上記上側又は下側ゲート駆動回路は、上記試験インダクタを流れる電流が閾値に達するまで特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方をオンにし、その後、特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方をオフにするように構成され、次いで、特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方の上記ゲート駆動回路は、特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方のゲートに定電流を供給するように構成され、上記特性評価回路は、特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方のゲートの電圧を測定してゲート電荷特性を測定するように構成される試験測定システム。
【請求項8】
上記下側FETが特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方であるときは、上記電圧ノードを電源電圧ノードに選択的に結合し、上記上側FETが特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方であるときは、上記電圧ノードを基準電圧ノードに選択的に結合するように構成されたスイッチを更に具える請求項7の試験測定システム。
【請求項9】
上記電源電圧ノードと上記上側FETのドレインとの間に結合された上側電流検出抵抗と、上記基準電圧ノードと上記下側FETのソースとの間に結合された下側電流検出抵抗とを更に具え、上記特性評価回路が、上記上側及び下側電流検出抵抗の両端間の電圧に基づいて、上記上側FETのドレイン電流と上記下側FETのソース電流を検出するように構成される請求項8の試験測定システム。
【請求項10】
特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方がオフになるのに応答して、上記試験インダクタを流れる電流が、上記上側及び下側FETの他方の逆電流経路を流れ、上記特性評価回路は、更に、上記上側及び下側FETの他方の電圧及び電流を測定することで、上記上側及び下側FETの他方の上記逆電流経路の特性評価を可能にするように構成される請求項7の試験測定システム。
【請求項11】
上記特性評価回路は、特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方がオンになった時間又は上記試験インダクタを流れる電流の値を直接示す測定値に基づいて、上記試験インダクタを流れる電流が閾値に達したと判断するように構成される請求項10の試験測定システム。
【請求項12】
試験測定システムであって、
ハーフ・ブリッジ回路を形成するように結合された、逆電流経路を夫々有する上側及び下側電界効果トランジスタ(FET)に結合するように構成された被試験デバイス(DUT)インタフェースと、
上記上側及び下側FETの逆電流経路の特性評価を実行するように制御されるように構成された特性評価回路と
を具え、
該特性評価回路が、
上記ハーフ・ブリッジ回路のスイッチング・ノードと電圧ノードとの間に結合された試験インダクタと、
上記上側及び下側FETのゲートにそれぞれのゲート駆動信号を供給するように構成された上側及び下側ゲート駆動回路とを有し、上記上側又は下側ゲート駆動回路は、上記試験インダクタを流れる電流が閾値に達するまで特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方をオンにし、その後、オンだった特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方をオフにするように構成され、このオフにより、上記試験インダクタの電流が特性評価対象の他方のFETの逆電流経路を流れるようにさせ、上記特性評価回路は、特性評価対象のFETの電圧及び電流パラメータを測定し、特性評価対象のFETの逆電流経路の特性を求めるよう構成される試験測定システム。
【請求項13】
上記特性評価回路は、上記上側及び下側FETの逆電流経路の特性を評価する際に、上記試験インダクタの電流に関して複数の異なる閾値を設定するように構成される請求項12の試験測定システム。
【請求項14】
上記上側FETの逆電流経路の特性を評価しているときには、上記電圧ノードを電源電圧ノードに選択的に結合し、上記下側FETの逆電流経路の特性を評価しているときには、上記電圧ノードを基準電圧ノードに選択的に結合するように構成されるスイッチを更に具える請求項12の試験測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験測定システムに関し、特にデバイスの静的及び動的特性評価を実施するためのシステム及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
シリコン・カーバイド(SiC)金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のような半導体デバイスなど、被試験デバイス(DUT)の特性評価には、大まかに言って、電流/電圧(I/V)曲線などの静的特性評価と、スイッチング・パラメータなどの動的特性評価の両方が含まれることがある。従来の静的特性評価では、専用の静的測定プラットフォームを使用していた。更に、DUTの従来の動的特性評価には、別個の測定プラットフォーム(場合によっては専用のカスタム動的プラットフォーム)を伴う。
【0003】
FETなどのハイ・パワー・デバイスに関しては、安全動作領域(SOA:safe operating area)の制限により、パルス信号で特性評価が行われるため、更に複雑な問題が生じることがある。更に、MOSFETなどのFETの従来のインピーダンス特性評価では、静的及び動的特性評価プラットフォームを別々に使用する必要がある。動的特性評価には、特性評価対象のFET又はその他のタイプのDUTのインピーダンスの測定が含まれ、これには、FETについて必要なインピーダンス測定を実行するために使用されるバイアス・ティーなど、動的特性評価のための専用回路の使用が含まれることがある。バイアス・ティーは、直流(DC)バイアス電圧を受ける第1入力ポートと、交流又は無線周波数(RF)信号を受ける第2入力ポートを含む3ポート・デバイスである。第1入力ポートは、出力ポートに誘導性結合され、第2入力ポートは、出力ポートに容量性結合されて、出力ポートに所望のDC及びRF成分を持つ出力信号を供給する。バイアス・ティー夫々の出力ポートは、特性評価対象のFETのゲート、ドレイン及びソースに結合される。これらバイアス・ティーは、特定の電圧及び周波数範囲に合わせて設計する必要があり、通常は、誘導性、容量性及び抵抗性のディスクリート部品によって形成されるため、バイアス・ティーの動的特性評価プラットフォームへの統合が複雑になる。更に、バイアス・ティーには、電流と周波数の制限があり、これにより、特性評価対象のFET又は他のDUTについて実行できるインピーダンス測定が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-046907号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「テクトロニクス社製オシロスコープ」の紹介サイト、テクトロニクス、[online]、[2024年4月4日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/oscILloscopes>
【非特許文献2】「ケースレー製品(半導体検査装置)」の紹介サイト、テクトロニクス/ケースレー、[online]、[2024年4月4日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/keithley/semiconductor-testing-systems>
【非特許文献3】「ソース・メジャー・ユニット(SMU)」の紹介サイト、テクトロニクス/ケースレー、[online]、[2024年4月5日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/keithley/source-measure-units>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、被試験デバイス(DUT)のハイ・パワー特性の評価には、通常、静的測定プラットフォームが含まれている。図1は、このようなプラットフォーム10の一例を示している。この例では、プラットフォームには、試験測定装置12、1つ以上のDUT(図示せず)が接続されている試験フィクスチャ14及びパワー拡張回路(power expander)16を含む。
【0007】
動的(ダイナミック)なパワー(電力)特性の評価を実行するには、別のプラットフォームが必要であり、これは、大規模なフロア・モデル・プラットフォーム又はカスタム・プラットフォームである。図2は、こうしたプラットフォーム20の例を示し、これは、図示されている構成要素の一部又は全部を有していても良い。試験測定装置22は、実際には、オシロスコープとインピーダンス・アナライザなど、1つ以上の試験測定装置を含んでもよい。試験測定装置22は、高電圧プローブ24により、試験基板26とDUTとに接続される。試験基板26は、ドライバ(駆動回路)基板28を有していてもよく、これは通常、安定して電源スイッチをオン及びオフにするために使用され、場合によっては電源保護を提供するために使用される。DC回路32は、DCリンク容量と、DC電圧源と、負荷インダクタとを有していても良い。電流トランスデューサ30及び信号発生部34は、試験基板に接続され、これにより、基板を試験できるようにする。
【0008】
概して、デバイスを静的又は動的に特性評価するには、別々の大型の装置とフィクスチャ・プラットフォームが必要である。
【0009】
開示された装置及び方法の実施形態は、従来技術における欠点に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の実施形態は、2つのコンポーネント(オシロスコープ、インピーダンス・アナライザなどのインタラクティブな試験測定装置、これら2つの組み合わせ、又は、1つ以上の多数の他の試験測定装置)を有する複合特性評価システムを提供する。簡単のため、本願では、この試験コンポーネントを試験測定装置と呼ぶ。もう1つのコンポーネントは、試験基板を取り付けるためのDUTインタフェースを備えた電力供給及び測定フロント・エンドであって、この開示ではフィクスチャと呼ばれることもある。本願の実施形態は、概して2つの別々のコンポーネントを含むが、これらを1つのハウジングに取り付けることもできる。
【0011】
本願で使用される「高電圧」という用語は、42ボルト以上の電圧を指す。
【0012】
本願の実施形態は、2つの目的の特性評価プラットフォームを提供し、いくつかの利点がある。このシステム(つまり、試験装置とフィクスチャの両方)は、1人の個人で運べるサイズになっている。フィクスチャは、安全のために全ての高電圧回路を囲んでおり、システムの障害から生じる可能性がある高電圧システムの不適切な動作を防止するインターロックを備えていても良い。このシステムは、ユーザがDUTをフィクスチャに入れるだけでよいという点で、セットアップが簡単である。システム内の2つのコンポーネントは、単純にケーブルで接続されるため、システムは、様々な試験間で、ケーブルを接続し直す必要がない。測定の構成は、自動的に切り替えられて、ユーザは、試験に必要な全てのパラメータを取得できる。このフィクスチャは、更に、加熱/冷却装置と、デバイスの損傷に備えてデバイスの周囲に設けられた保護バリアとを有していても良い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、従来の静的特性評価専用の測定プラットフォームの一例を示す。
図2図2は、従来の動的特性評価専用の測定プラットフォームの一例を示す。
図3図3は、本開示技術の実施形態による試験測定システムの実施形態を示す。
図4図4は、本開示技術の実施形態による、図3の試験測定システムと連携して1つ以上のDUTのパラメータの特性を評価するための特性評価回路の実施形態を示す。
図5図5は、本開示技術の実施形態による、図3の試験測定システムと連携して2つのDUTのパラメータの特性を独立して評価するための選択スイッチを含む特性評価回路の実施形態を示す。
図6図6は、本開示技術の実施形態による、図3の試験測定システムと連携して1つ以上のDUTの静的及び動的特性評価のための特性評価回路の例の概略図である。
図7図7は、図6図8及び図9の特性評価回路において利用できる本開示技術の実施形態によるソリッド・ステート・バイアス・ティーの概略図である。
図8図8は、本開示技術の実施形態による、図3の試験測定システムと連携して1つ以上のDUTの静的及び動的特性評価のための別の特性評価回路の例の概略図である。
図9図9は、本開示技術の実施形態による、図3の試験測定システムと連携して1つ以上のDUTのゲート電荷特性評価及びボディ・ダイオード特性評価のための特性評価回路の例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図3は、試験測定システム300の実施形態を示し、これは、プラットフォームとも呼ばれ、オシロスコープ又は他の試験測定装置のような試験測定装置40を有する。説明を簡単にするために、試験測定装置40は、測定装置と呼ぶことがある。システムのもう1つの部分は、静的及び動的電源及び測定装置50であって、これは、説明を簡単にするため、電源装置と呼ぶ。これら用語は、いずれかの装置の機能を限定することを意図したものではなく、そのような限定を示唆するものでもない。
【0015】
測定装置40は、多種多様なコンポーネントを有しても良く、これらの中で、ユーザ・インタフェース44によれば、ユーザが種々のメニューをインタラクティブに操作できる。ユーザ・インタフェース44によれば、ユーザが、タッチスクリーンを有するディスプレイ又は種々のボタン及びノブなどにより、実行する試験、パラメータの設定などに関する選択を行うことができる。測定装置40は、1つ以上のプロセッサ46を有し、これは、ユーザの入力を受けて、パラメータ及び他の選択を測定装置に送信し、また、電源装置50からの出力を受信し、そのデータからユーザのための出力を生成しても良い。測定装置40には、試験を行って、DUTのパラメータを測定する測定ユニット47がある。リモート・デバイス42(例えば、パーソナル・コンピューティング・デバイス又はスマートフォンなどのコンピューティング・デバイスなど)も、測定装置40又は電源装置50のいずれかを介して、遠隔操作のために、試験測定プラットフォーム300にアクセスしても良い。本願で使用する用語「プロセッサ」とは、以下で詳しく説明するように、マイクロコントローラ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(特定用途向け集積回路)など、命令を受けてアクションを実行できる電子部品を意味する。
【0016】
測定装置40は、ケーブルなどの直接の接続部48を介して電源装置50と通信する。2つの装置40、50及び直接接続部48は、1人の個人によって携帯可能で、運搬可能に構成される。直接接続部48は、接続回路(図示せず)を介して各装置に接続し、これにより、装置40、50は、ケーブルを再配線することなく試験構成を切り替えることができる。
【0017】
電源装置50は、また、いくつかの様々な要素を有しても良い。これらには、1つ以上のプロセッサ52、1つ以上の被試験デバイス(DUT)70に高電圧を供給する高電圧回路56及び高電圧回路を保護するよう機能するインターロック54が含まれても良い。DUT70は、測定装置40及び電源装置50の試験構成に応じて、1つ以上の別々のDUTを含んでもよい。インターロック54は、高電圧回路56によって生成される高電圧に起因する危険な条件によるデバイスの損傷を防止するように設計されている。DUT70は、DUTインタフェース58に取り付けられるが、これは、DUTが装着されるユニバーサルDUTインタフェースであってもよく、これにより、DUT70を電源装置50内の様々なコンポーネントに接続することが可能になる。
【0018】
DUT70の動作に加えて、高電圧回路56の動作は、熱を発生することがあり、また、DUT70は、動作に特定の温度範囲を必要とすることがある。このため、電源装置50は、DUT70の温度を制御するために、温度制御回路62を有していてもよい。1つ以上のプロセッサ52は、温度を監視して、温度制御回路62を動作させる。温度制御回路62は、ファン、切替可能なヒートシンク、冷却システム、ヒータなどのアイテムから構成されても良い。電源装置50は、DUT70による損傷から電源装置50を保護するためのバリア64を含んでもよい。電源装置50は、更に、スイッチング回路60を有しても良く、これは、電源装置50内の様々なコンポーネントの動作を制御して、DUT70の特性を試験及び測定する。
【0019】
概して、動作中、ユーザは、DUT70の特性を静的又は動的に評価するのに、ユーザ・インタフェース44を介して入力を与えて、遠隔的に又は直接的に、電源装置50の動作を制御する。典型的には、動的特性の評価は、図4に示す実施形態における特性評価回路400のようなハーフ・ブリッジ回路を使用して達成される。概して、特性評価回路400は、電源装置50の内部、より具体的にはスイッチング回路60の内部に収容されるが、本開示技術の実施形態はそのような例に限定されない。
【0020】
特性評価回路400は、図3の試験測定システム300中に示されるDUT70に対応する2つのDUT、DUT_top及びDUT_botによって形成されるハーフ・ブリッジ回路を含む。なお、添え字「bot」は、「bottom(下側)」を意味することに注意されたい。DUTのDUT_topは、本説明では上側デバイスDUT_topとして言及し、DUTのDUT_botは、下側デバイスDUT_botとして言及することがある。動的特性評価を実行する方法の1つ(本願ではダブル・パルス法に言及する)では、ハーフ・ブリッジ回路を使用する。ダブル・パルス法又は「ダブル・パルス試験」については、図6を参照して以下でより詳細に説明する。特性評価回路400では、ハーフ・ブリッジ回路の上側デバイスDUT_topと下側デバイスDUT_botは、電源電圧ノードと基準電圧ノードとの間に直列に結合されている。DUT_bot及びDUT_topの各デバイスは、図4の実施形態の例では、電界効果トランジスタ(FET)であって、より具体的には、NチャンネルMOSFETである。
【0021】
全般的な動作では、下側デバイスDUT_botがオンになると、試験インダクタTest_Lを介して所望の電流が得られる。続いて、下側デバイスDUT_botがオフになり、上側デバイスDUT_topがオンになると、Test_Lインダクタからのインダクタ電流は、上側デバイスDUT_topを通って循環する。これに代えて、1つのDUT70のみを試験する場合には、上側デバイスDUT_topをダイオードに置き換えても良い。上側デバイスDUT_top及び下側のDUT_bot特性に依存する特定の時間が経過した後、上側デバイスDUT_topがオフになり、下側DUT_botデバイスのが再びオンになる。上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botを試験及び特性評価するための所望のデータは、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botのこれらの遷移及び動作中に収集されても良く、すると、エネルギー損失を計算できる。この同じプラットフォームは、DUTのデバイスDUT_top及びDUT_botを通した電圧と電流の制御によって、静的パラメータを得るために使用できる。
【0022】
上側デバイスDUT_topをダイオード又は短絡に置き換えると、下側デバイスDUT_botのゲート制御が可能になり、これによって、静的な電流-電圧(I/V)曲線を得ることができる。上側デバイスDUT_topが利用可能又は存在する場合は、静的データを取得する追加の方法を使用できる。これら方法には、下側デバイスDUT_botにおいて、ゲート/ドレインに独立した電位のパルスを与える処理が含まれても良い。そうするために、システムは、下側デバイスDUT_botのゲートの電圧を制御して、デバイスの伝達特性を適切に測定できるようにする。静的なI/Vデバイス特性の評価には、試験インダクタTest_Lは必要ないが、試験インダクタTest_Lを含めるか又は存在させることで、同じ回路で静的と動的の両方の特性評価を行うことができる。もし上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの両方が、特性評価回路200に存在し、同じタイプのデバイスである場合、最大電力(パワー)は、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの間で分割されることになる。これらデバイスDUT_top及びDUT_botの一方について、フル・パワー試験が必要な場合は、もう一方のデバイスを短絡(ショート)したものに置き換えると良いだろう。
【0023】
図4は、また、特性評価回路400内の多数の測定ポイント又はチャンネルを示しており、これらにおいて、電源装置50は、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの試験及び特性評価中に、これらデバイスDUT_top及びDUT_botの電気的パラメータ(即ち、電圧又は電流)を検出又は検知する。各測定チャンネルは、角度付きの矢印と関連する記述子で示され、記述子は、その測定チャンネルで検出されるパラメータを示している。例えば、特性評価回路400には、図示するように、試験インダクタTest_Lと直列に結合された第1電流検出抵抗R1と、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botと直列に結合された第2及び第3電流検出抵抗R2及びR3がある。第1測定チャンネル(Chan1)は、抵抗R1を流れる電流を検出する。これは、試験インダクタTest_Lを流れる電流Inductor_iに対応する。第2測定チャンネル(Chan2)は、抵抗R2を流れる電流を検出する。これは、上側デバイスDUT_topへのドレイン電流Drain_iに対応する。第3測定チャンネル(Chan3)は、抵抗R3を流れる電流を検出する。これは、下側デバイスDUT_botを流れるソース電流Source_iに対応する。各電流検出抵抗の抵抗値は既知であるため、各測定チャンネルは、電流検出抵抗の両端間の電圧を検出し、オームの法則を使用して電流検出抵抗を流れる電流の値を決定できる。
【0024】
特性評価回路400は、特性評価回路内の様々なポイントで電圧又は電流を検出するための追加の測定チャンネル(Chan4-Chan7)を含み、全ての測定チャンネルは、電源装置50が上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの動作データを捕捉し、この捕捉された動作データを利用して上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの一方又は両方の特性評価を行うことを可能にする。同様の測定チャンネルが、図5~8の概略図に示されているが、これらの試験ポイント又はチャンネルの機能については、図4に関連した測定チャンネルの上述の説明から理解できるので、これらの図に関連してより詳細な説明は行わない。
【0025】
図5は、上側デバイスDUT_topと下側デバイスDUT_botとによって形成されるハーフ・ブリッジ・スイッチング回路を含む特性評価回路500の実施形態を示しており、これは、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botとの間で選択を可能にするために使用されるスイッチSW1を含む。この選択は、図3の測定装置40上のユーザ・インタフェース44を通じて電源装置50(図3)に入ってもよく、この選択は、直接接続部48を通じて電源装置に渡される。スイッチSW1の追加により、上側と下側の両方のデバイス、DUT_top及びDUT_botが取り付けられている場合、DUT_top及びDUT_botの両方を静的及び動的な構成で特性評価できる。図5に示す特性評価回路500の構成は、試験又は特性評価のための下側デバイスDUT_botの選択を示している。動作中、ユーザは、図3の試験測定システム300の測定装置40上のユーザ・インタフェース44を通して、静的又は動的な特性評価を選択するとともに、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botのいずれかを選択する。次に、測定装置40の1つ以上のプロセッサ46は、この選択と、その他のパラメータを電源装置50に送る。次に、電源装置50の1つ以上のプロセッサ52は、スイッチSW1を適切に設定するためにスイッチング回路60に信号を供給する。
【0026】
本開示による試験測定システムの実施形態は、図4及び図5の特性評価回路400、500の一方又は両方を含み、複数のセットアップ及び装置を使用する必要なしに又は特定の構成にケーブルを再接続する必要さえなく、静的及び動的測定を組み合わせる能力を提供する。試験測定システムは、試験又は特性評価されるDUTに関する所望の特性評価データを出力する。このデータは、測定装置40のユーザ・インタフェース44上に生成されても良いし、分析ソフトウェア・パッケージ用のファイルなど、更なる分析のためのファイルに出力されても良い。これは、電源装置50又は測定装置40のいずれかの1つ以上のプロセッサ46、52によって実行されても良い。
【0027】
本開示技術の実施形態は、試験測定システム用の特性評価回路に関し、これは、DUTの静的及び動的特性評価を実行するのに、従来のバイアス・ティーは必要なくなる。以下で詳しく説明するように、ソリッド・ステート・バイアス・ティーには、DUTとゲート駆動電圧発生回路が含まれており、これは、DCパルス信号とAC信号をDUTのゲートに供給して、このDUTに、特性評価を行う別のDUTに必要な電流信号と電圧信号を供給させるようにする。特性評価回路は、様々なモードで動作するため、ソリッド・ステート・バイアス・ティー中のDUTと、特性評価対象のDUTの機能を逆にすることができる。これにより、従来のバイアス・ティーを使用せずに、両方のDUTの動的及び静的特性評価が可能になる。従来のバイアス・ティーは、特定の電圧及び周波数範囲に合わせて設計する必要があり、また、通常、誘導性、容量性及び抵抗性のディスクリート・コンポーネントを含むため、従来のバイアス・ティーを動的特性評価プラットフォームに統合するのが複雑になるので、従来のバイアス・ティーの必要性を排除することは有益である。従来のバイアス・ティーには、電流と周波数の制限もあり、これは、特性評価対象のDUTに対して実行できるインピーダンス測定を制限する。本開示の更なる実施形態は、第1及び第2DUTに結合された特性評価回路に関し、この回路は、一方のDUTのゲート電荷特性評価パラメータと、他方のDUTのボディ・ダイオードの特性評価を同時に生成できる。
【0028】
図6は、図3の試験測定システム300と連動して1つ以上のDUT、DUT_top及びDUT_botの静的及び動的特性を評価するための本開示技術の実施形態による特性評価回路600の例の概略図である。特性評価回路600は、複数のDUT、DUT_top及びDUT_botの静的及び動的特性評価の両方を可能にする。DUT_top及びDUT_botは、図6を参照して、また、以下の説明で図7及び図8のDUTを参照して、再度、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botと呼んでも良い。上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの夫々は、図6の実施形態の例におけるNチャンネルMOSFETである。更なる実施形態は、他のタイプのパワー・トランジスタを含んでもよい。各DUTは、ドレイン、ソース及びゲート・ノードを含むとして説明され、これは、各DUTがMOSFETである実施形態に適用されるが、これらのノードは、異なるタイプのトランジスタに関する等価のノードにも適用することを意図している。
【0029】
図6の特性評価回路600では、上側デバイスDUT_topと下側デバイスDUT_botは、電源電圧ノードSVNと基準電圧ノードRVNとの間で、電流検出抵抗Rs1と直列に結合されたハーフ・ブリッジ回路を形成する。可変DC電圧源DC_adjは、電源抵抗R_supを有し、電圧ノードSVN、RVNの両端に結合され、これらのノードに所望のDC電圧を供給する。コンデンサCは、1つ以上のコンデンサ(即ち、コンデンサ・バンク)を含んでもよく、電圧ノードSVN、RVNのノイズをフィルタ処理する。
【0030】
スイッチング・ノードSNは、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botのソースとドレインの間の相互接続部で定義され、また、試験インダクタTEST_Lは、スイッチング・ノードSNと電源電圧ノードSVNの間で、電流検出抵抗Rs2と直列に結合される。試験インダクタTEST_Lによって、特性評価回路600は、信号源素子として機能する上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの一方によって、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの他方の特性を動的(ダイナミック)に評価する一環として、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの他方を通る所望の電流又はその両端間に所望の電圧を供給できる。特性評価対象の上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの一方のことを、この説明では、被測定素子と呼ぶことがある。ゲート駆動電圧発生回路GDは、増幅回路AMPと共同で動作して、下側デバイスDUT_botのゲート・ソース間容量Cgsを測定する一環として、下側デバイスDUT_botにDCパルスとAC信号を含むゲート駆動信号を供給し、下側デバイスDUT_botのゲート電流を検出する。
【0031】
図6は、上側デバイスDUT_topが信号源素子として機能し、下側デバイスDUT_botが被測定素子(即ち、特性評価対象のデバイス)である特性評価回路600の構成を示している。上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botは、所望のAC及びDC電圧が下側デバイスDUT_botに印加されて、下側デバイスDUT_botの所望の動的及び静的パラメータを測定するように制御され、これによって下側デバイスDUT_botの特性を評価する。デバイスDUT_top及びDUT_botの静的な電流及び電圧のデバイス特性の評価には、試験インダクタTest_Lを必要としないが、このインダクタの存在により、同じ特性評価回路600で、静的及び動的特性評価の両方を実行することが可能になる。動作においては、上側デバイスDUT_topが最初はオフになり、下側デバイスDUT_botが最初はオンになって、下側デバイスDUT_botを流れる所望のドレイン電流として、所望のインダクタ電流ILを供給する。試験インダクタTEST_Lを流れる電流が所望の値に達すると、下側デバイスDUT_botがオフになり、インダクタ電流ILは上側デバイスDUT_topのボディ・ダイオード(図示せず)を通って再循環する。ゲート駆動電圧発生回路GDは、DC信号とAC信号を、これらデバイスDUT_bot及びDUT_topに供給し、これにより、下側デバイス・DUT_botの静的パラメータを測定できるのに加えて、ゲート・ソース間容量Cgs、ゲート・ドレイン間容量Cgd、ドレイン・ソース間容量Cdsなどの動的パラメータを測定できる。
【0032】
特性評価回路600は、試験インダクタTEST_Lのスイッチング接続及び増幅回路AMPのスイッチング結合によって、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの夫々の特性を評価できる。下側デバイスDUT_botを信号源素子として構成し、上側デバイスDUT_topを特性評価対象の被測定素子として構成するには、電源電圧ノードSVNに結合されている試験インダクタTEST_Lの端子を、代わりに基準電圧ノードRVNに結合する。更に、増幅回路AMPが、図6で下側デバイスDUT_botについて示されているのと同じ方法で、上側デバイスDUT_topのゲートに結合されるか、又は、これに代えて、特性評価回路600が、上側デバイスDUT_topのゲートに結合された追加の増幅回路(図示せず)を含んでいてもよい。
【0033】
特性評価回路600は、複数の測定ポイント又はチャンネルChan1~Chan6を有し、これらにおいて、電源装置50は、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの試験及び特性評価中に、これらデバイスの電気的パラメータ、即ち、電圧又は電流を検出又は検知する。測定チャンネルChan1~Chan6におけるパラメータの検出を通じて、電源装置50は、特性評価対象の上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの内の一方の動作データを捕捉する。電源装置50は、この捕捉された動作データを利用して、対応する1つのデバイス(DUT_top又はDUT_bot)の特性を評価する。第1測定チャンネルChan1は、基準電圧ノードsrcBを基準にして、下側デバイスDUT_botのドレイン電圧Drain_botを検出する。下側デバイスDUT_botを流れるドレイン電流は、測定ポイントChan2によって検出され、下側デバイスDUT_botのゲート・ソース間電圧Vgsは、測定チャンネルChan3で検出される。測定チャンネルChan4は、試験インダクタTEST_Lを流れるインダクタ電流ILを測定し、試験チャンネルChan5は、上側デバイスDUT_topのゲート・ソース間電圧Vgsを測定し、試験チャンネルChan6は、上側デバイスDUT_topのドレイン電圧Drain_topを測定する。
【0034】
特性評価回路600では、デバイスDUT_top及びデバイスDUT_botの一方が、ダブル・パルス試験中に、ソース・バイアス・ティーと等価の動作を実現するように構成されても良い。ダブル・パルス試験は、パワーFETなどのパワー・スイッチング素子のスイッチング・パラメータなどの動的特性を測定する試験手法である。上側デバイスDUT_topは、信号源(Source:ソース)素子であって、図6の構成において、ソース・バイアス・ティーと同等のものとして機能する。この構成では、上側デバイスDUT_topは、被測定素子を適切に刺激するのに必要なDC電圧と必要なAC信号を供給する。この被測定素子は、この場合では、特性評価対象の下側デバイスDUT_botである。
【0035】
図6の実施形態は、上側デバイスDUT_topのゲート・ソース間電圧Vgsの変調によって、上側デバイスDUT_topを電流モードで駆動するための構成を示している。このようにして、上側デバイスDUT_topは、下側デバイスDUT_botの特性評価のための信号源素子として機能する。上側デバイスDUT_top(ここでは、上側デバイスDUT_topは、FETである)のゲート・ソース間電圧Vgsとドレイン電流IDとの間には、二乗の関係がある(つまり、ID=f(Vgs2))ため、ゲート駆動電圧発生GDによって供給されるAC信号成分は、通常、所望の測定周波数の半分で供給される。AC信号成分のこの二乗処理によって周波数が倍増するため、ゲートに印加されるAC信号成分の2倍の周波数でドレイン電流IDが生じる。このAC信号成分は、DCバイアス電流に重畳されたAC信号(つまり、デバイスDUT_botを通るドレイン電流ID)を生成する。上側デバイスDUT_topによって供給されて下側デバイスDUT_botのドレイン(Drain_bot)に与えられ、チャンネルChan1で測定されるAC電圧と、増幅回路AMPによって供給される下側デバイスDUT_botの測定されるAC電流Gate_iと、そして、チャンネルChan2で測定される下側デバイスDUT_botのソース電流(Source_i)のベクトル分割によって、下側デバイスDUT_botのインピーダンスの測定が、ゲート・ソース間容量Cgs及びドレイン・ソース間容量Cdsを求めるために行われる。
【0036】
特性評価回路600では、下側デバイスDUT_botを流れる特定のドレイン電流IDでの下側デバイスDUT_botの特性を評価するために、上側デバイスDUT_topが、制御された電流源として利用されても良い。また、上側デバイスDUT_topが、下側デバイスDUT_botのドレイン(Chan1)に特定の電圧を設定するために利用されても良い。特性評価回路600の実施形態では、制御電流源としての又は特定のドレイン電圧を設定するための上側デバイスDUT_topの使用は、特定のパラメータの広いレンジに渡って、下側デバイスDUT_botの特性を測定するために、掃引モード又はパルス・モード方式で制御されても良い。制御される電流又は電圧の値は、値をあるレンジに渡って掃引又は変化させると共に、所望の値でDC信号を印加すると、特性評価対象の下側デバイスDUT_botを破壊又は損傷する可能性がある場合には、パルス状にされる。
【0037】
上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botのゲートを駆動するゲート駆動電圧発生回路GDは、特性評価回路600に、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの両方の特性評価を可能にする機能を提供する。更に、下側デバイスDUT_bot(つまり、特性評価対象のDUT)のドレインに印加されるAC信号に対する上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの夫々のゲート電流及びソース電流を測定する機能により、下側デバイスDUT_botに関連する全てのインピーダンスを測定できる。これらの測定能力と、信号源素子及び被測定素子を切り替える能力により、特性評価回路600は、DUT_top及びDUT_botの夫々の特性を完全に評価する。
【0038】
図7は、本開示技術の実施形態による図6図8、9の特性評価回路600、800、900において利用されても良いソリッド・ステート・バイアス・ティー700の概略図である。ソリッド・ステート・バイアス・ティー700は、特性評価回路600、800及び900に加えて、ダブル・パルス試験を実行するようには構成されていないものを含む他の特性評価回路において利用されても良い。ソリッド・ステート・バイアス・ティー700は、FET702と、FET702のゲートにDCパルス信号とAC信号を供給するゲート駆動電圧発生回路GDとを有する。FETは、図7の実施形態の例ではNチャンネルFETであるが、更なる実施の形態では、他のタイプのトランジスタであっても良い。バイアス・ティー700には、FET702のゲート、ドレイン及びソースにそれぞれ結合された第1ノード704、第2ノード706及び第3ノード708がある。動作中、ゲート駆動電圧発生回路GDは、FET702が、制御電流源として機能して所望のドレイン電流IDを供給するか又はFET702のソースに特定の電圧を設定するように制御するための適切なAC及びDCパルス成分を含む駆動信号を第1ノード704に供給する。このようにして、ゲート駆動電圧発生回路GD及びFET702は、FET702のソースSに、所望のAC及びDC成分を有する所望の電圧又は電流を供給するためのバイアス・ティーとして機能する。図6の実施形態の例では、ゲート駆動電圧発生回路GD及び上側デバイスDUT_topは、図7のバイアス・ティー700の実装例に対応する。
【0039】
図8は、本開示技術の実施形態による、図3の試験測定システム300と連動して1つ以上のDUTの静的及び動的特性評価のための別の例の特性評価回路800の概略図である。特性評価回路800内のコンポーネントは、図6の特性評価回路600における対応するコンポーネントと同じである。特性評価回路600とは対照的に、特性評価回路800は、上側デバイスDUT_topのゲートを駆動するゲート駆動電圧発生回路GDを制御するための電圧フィードバック抵抗R_vfを介したドレインDrain_topからの電圧フィードバックがあり、上側デバイスDUT_topは、図示された実施形態の例において、信号源素子として機能する。特性評価回路800では、ゲート駆動電圧発生回路GDによって供給される変調信号(AC信号)の周波数は、特性評価対象の下側デバイスDUT_botに供給されるドレイン電流IDの所望の周波数と同じである。
【0040】
特性評価回路600、800の両方は、容量Cgd及びCdsを測定するために利用することができる。ゲート・ソース間容量Cgsを測定するために、ゲート駆動電圧発生回路GDは、下側デバイスDUT_botのゲートに適切なDCバイアス信号と所望のAC刺激信号を供給し、増幅回路AMPによって検出されるゲート電流Gate_iとチャンネルChan3でのゲート電圧測定値を使用してインピーダンスを測定する。
【0041】
図9は、本開示技術の実施形態による、図3の試験測定システム300と連動して、1つ以上のDUTのゲート電荷特性評価及びボディ・ダイオード特性評価のための特性評価回路900の例の概略図である。FETのゲート電荷曲線を測定する従来のアプローチとしては、ソース・メジャー・ユニット(SMU)又はその他の同等の装置で、FETのゲートに定電流を供給し、その結果生じるゲート・ソース間電圧Vgsを時間経過と共に測定するというものがある。更に、SMU又は同等の装置は、必要なドレイン電圧とドレイン電流を同時にFETに供給する。このアプローチでは、ゲート電荷曲線を生成し、FETの静的特性評価を行うために、SMU形式の専用装置が必要である。
【0042】
特性評価回路900によれば、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの夫々と外部試験装置との間の接続を再配線することなく、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの夫々のゲート電荷曲線の特性評価が可能になる。上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botは、これら2つの相互接続部で定められるスイッチング・ノードSNで直列に結合される。試験インダクタTEST_Lは、スイッチSWとスイッチング・ノードSNの間の第1電流検出抵抗R1と直列に結合されている。可変DC電源電圧源DC_adjは、電圧ノードSVN、RVNの間に結合されて、これらのノード間に所望のDC電圧を供給し、コンデンサCは、これら電圧ノード間のノイズをフィルタ処理する。上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botを夫々流れる電流I_top及びI_botを測定するために、第2電流抵抗R2が、電源電圧ノードSVNと上側デバイスDUT_topのドレインとの間に結合され、第3電流検出抵抗R3が、下側デバイスDUT_botのソースと基準電圧ノードRVNとの間に結合される。図9では、スイッチSWは、下側デバイスDUT_botを被測定素子又は特性評価対象のデバイスとし、上側デバイスDUT_topを信号源素子とするポジション(状態)で示されている。
【0043】
特性評価回路900の動作において、下側デバイスDUT_botのゲート電荷特性は、以下の処理を用いて決定できる。まず、電源DC_adjは、下側デバイスDUT_botのドレイン・ソース間の試験電圧に関する所望の開始DC電圧レベルに設定される。最初は、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの両方がオフになっている。次に、下側デバイスDUT_botが一定時間オンになり、これによって、所望のインダクタ電流ILが試験インダクタTEST_Lを流れるようになる。インダクタTEST_Lを流れる電流ILは、計算(di/dt=V/L)されても良いし、又は、連続的に測定されても良く、それは、特定の時間が満了するか、又は、測定されたインダクタ電流が所望の電流閾値に達するかに基づいて求められる。
【0044】
インダクタ電流ILが、所望の電流閾値に達すると、下側デバイスDUT_botがオフになる。この時点で、インダクタ電流ILは、インダクタTEST_Lを流れ続け、上側デバイスDUT_topのボディ・ダイオードBD_topも流れることになる。この時点で上側デバイスDUT_topをオンにすると、ボディ・ダイオードBD_topの損失による電流ILの減衰を減らすことができる。次いで、下側デバイスDUT_botが確実に十分にオフになるように、ある遅延時間待機する。上側デバイスDUT_topがオンになっている場合では、上側デバイスDUT_topがオンになってから、ある遅延時間待機してから下側デバイスDUT_botが再びオンになる。
【0045】
この時点で、ゲート駆動電圧発生回路GDは、下側デバイスDUT_botのゲートに初期所望電圧Vg_botを供給する。この初期電圧は、通常、ゼロ電圧であるが、他のレベルが必要な場合もある。次に、ゲート駆動電圧発生回路GDは、下側デバイスDUT_botのゲートに定電流を供給する。実施形態では、ゲート駆動電圧発生回路GDの定電流源は、抵抗器と直列に接続された電圧源で代用されても良い。次に、下側デバイスDUT_botのゲートの電圧Vg_botが、時間経過と共に連続的に測定又はサンプリングされる。
【0046】
測定されたゲート電圧Vg_botと電流(ゲート駆動電圧発生回路GDが抵抗器付きの電圧源を含む場合は、計算した電流)により、設定されたドレイン電流と開始ドレイン電圧Drain_botについての下側デバイスDUT_botの完全なゲート電荷特性を得る。このプロセス全体は、必要に応じて、下側デバイスDUT_botの異なるドレイン・ソース間VDS電圧及び下側デバイスDUT_botを流れるドレイン電流IDの異なる所望のレベル又は値において、繰り返しても良い。このプロセスにより、様々な電流及び電圧レベルでの下側デバイスDUT_botのゲート電荷パラメータが提供される。上側デバイスDUT_topに関して、これらの同じゲート電荷パラメータを取得するには、スイッチSWを下側のポジションに切り替えて、これに関連する試験インダクタTEST_Lの端子を、供給電圧ノードSVNではなく、基準電圧ノードRVNに接続するようにする。ここで、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの動作を、上述したものから逆転又は入れ替えれば、上側デバイスDUT_topのゲート電荷曲線特性を測定できる。上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botのゲート電荷パラメータの特性を評価する特性評価回路900のこの動作は、特性評価回路のゲート制御及び測定能力が、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの両方に対して、同一であると仮定している。
【0047】
上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botのゲート電荷曲線パラメータに加えて、特性評価回路900は、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botのボディ・ダイオードBD_top及びBD_botの動的特性の測定を可能にする。これらボディ・ダイオードのパラメータは、通常、ダブル・パルス試験によって測定される。特性評価回路900は、以下のプロセスを通じてボディ・ダイオードのパラメータを測定できる。最初に、可変DC電源電圧源DC_adjが、所望の開始DC電圧レベルに設定され、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの両方がオフになる。次に、下側デバイスDUT_botが、インダクタTEST_Lを流れる電流ILが所望の電流閾値に達するまで、一定時間オンになる。上述したように、電流ILの値は、下側デバイスDUT_botがオンになった時間に基づいて計算しても良いし、又は、連続的に測定しても良い。
【0048】
インダクタTEST_Lを流れる電流ILが所望の閾値に達すると、下側デバイスDUT_botがオフになる。この時点で、インダクタ電流ILは、上側デバイスDUT_topのボディ・ダイオードBD_topを流れる。この間、ボディ・ダイオードBD_topの電流と電圧のパラメータは、ボディ・ダイオードを流れる電流の静的な部分で取得できるのに加えて、この電流の遷移中に動的パラメータも取得できる。その後、下側デバイスDUT_botがオンになり、インダクタ電流ILを次の所望の値又はレベルに調整するための遅延時間が与えられ、その後、下側デバイスDUT_botがオフになり、ボディ・ダイオードBD_topのボディ・ダイオード・パラメータが、インダクタ電流の新しいレベルで再度測定される。このプロセスは、可変DC電源電圧源DC_adjによって供給される様々なDC電圧レベルで繰り返され、下側デバイスDUT_botのターン・オン・タイミングは、インダクタILを通るインダクタ電流ILの変化率の変動を考慮して調整されるか又は閾値に達するまで、この電流を直接測定する。このプロセス全体は、上側デバイスDUT_topに結合されたゲート駆動電圧発生回路GDに供給される様々なゲート・ソース間電圧Vgsにおいて、繰り返しても良い。
【0049】
上述のプロセスを通じて、特性評価回路900は、上側デバイスDUT_topのボディ・ダイオードBD_topのボディ・ダイオード・パラメータを取得又は測定する。この処理は、スイッチSWの構成が図9に示す第1ポジションに設定されている場合に実行されても良い。下側デバイスDUT_botのボディ・ダイオードBD_botについて同じパラメータを取得又は測定するには、スイッチSWを第2ポジションに設定、つまり、その関連するインダクタTEST_Lの端子を電源電圧ノードSVNではなく、基準電圧ノードRVNに結合するだけである。スイッチSWが第2ポジションに設定されたら、上述した上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの制御及び測定により、下側デバイスDUT_botのボディ・ダイオードBD_botのパラメータを取得又は測定する。
【0050】
特性評価回路900は、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの両方のボディ・ダイオードの完全な特性評価を行うための負の電源電圧源の必要性を排除する。更に、特性評価回路900の実施形態では、上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botの一方のボディ・ダイオード・パラメータが測定されている間に、他方のデバイスのゲート電荷曲線パラメータが測定されても良い。例えば、上述のように下側デバイスDUT_botのゲート電荷曲線特性を測定しながら、このゲート電荷曲線特性評価プロセスの一部の期間中の下側デバイスDUT_botがオフのときに、上側デバイスDUT_topのボディ・ダイオードBD_topの特性を測定しても良い。これらパラメータのこの取得は、特性評価回路900の動作中に同時に行われ、これにより、デバイスDUT_top及びDUT_botの一方のゲート電荷曲線及びデバイスDUT_top及びDUT_botの他方のボディ・ダイオード特性を特性評価するのに必要な時間が短縮される。
【0051】
図9の実施形態では、上側及び下側の被試験デバイス(DUT)であるDUT_top及びDUT_botが、MOSFETとして図示され、夫々が対応するボディ・ダイオードBDを有している。しかし、特性評価回路900の実施形態は、MOSFET又はSiC MOSFETなどのボディ・ダイオードを含む他のタイプのFETの特性評価に限定されるものではない。より一般的には、特性評価回路900は、窒化ガリウム(GaN)FETのようなボディ・ダイオードを含まないFET中の逆電流経路(reverse current path)の特性を評価しても良い。上側デバイスDUT_top及び下側デバイスDUT_botが、GaN FETのようなボディ・ダイオードを含まないFETの場合の特性評価回路900の実施形態では、特性評価対象の上側及び下側のGaN FETの一方の逆導通状態を測定する場合に、特性評価回路900は、特性評価対象のGaN FETに所望のゲート電圧を印加する点を除けば、特性評価回路は、上述のように動作する。この所望のゲート電圧は、インダクタ電流ILが、特性評価対象のGaN FETを通って逆電流として循環すると予想される時間に印可される。
【0052】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0053】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0054】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0055】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含んでも良い。
【0056】
加えて、本願の説明は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例との関連においても利用できる。
【0057】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。

実施例
【0058】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0059】
実施例1は、試験測定システムを含む試験測定装置であって、ハーフ・ブリッジ回路を形成するように結合される第1及び第2被試験デバイス(DUT)に結合するように構成された被試験デバイス(DUT)インタフェースと、上記第1及び第2DUTの静的試験及び動的試験を実行するように制御されるように構成された特性評価回路とを具え、該特性評価回路が、上記第1DUT及び第1駆動電圧発生回路を含むソリッド・ステート・バイアス・ティーを有し、上記第1駆動電圧発生回路が、DCパルス信号及びAC信号を上記第1DUTのゲート・ノードに供給することによって、上記第1DUTに電流及び電圧信号を上記第2DUTへ供給させて、上記第2DUTの静的及び動的特性評価を行う。
【0060】
実施例2は、実施例1の試験測定システムであって、上記第1及び第2DUTが、第1MOSFET及び第2MOSFETから夫々構成される。
【0061】
実施例3は、実施例2の試験測定システムであって、上記ソリッド・ステート・バイアス・ティーは、制御された電流源として機能するように制御され、上記第2MOSFETの特性評価に必要な電流を供給する。
【0062】
実施例4は、実施例4の試験測定システムであって、上記ソリッド・ステート・バイアス・ティーは、上記第1MOSFETのゲートに第1周波数を有するAC電圧信号を供給するように構成されており、上記第1周波数は、上記AC電圧信号に応答して上記第1MOSFETによって生成されるドレイン電流の第2周波数の半分に等しい値を有する。
【0063】
実施例5は、実施例2の試験測定システムであって、上記ソリッド・ステート・バイアス・ティーは、上記第2MOSFETのドレインに所望の電圧を供給するように制御される。
【0064】
実施例6は、実施例2の試験測定システムであって、上記第2MOSFETのゲートに結合され、上記第2MOSFETのゲート・ソース間容量を決定するために使用する上記第2MOSFETのゲート電流を検出する増幅回路を更に具える。
【0065】
実施例7は、実施例2の試験測定システムであって、上記第1及び第2MOSFETは、電源電圧ノードと基準電圧ノードとの間の抵抗と直列に結合され、該抵抗は、上記第2MOSFETのソースと上記基準電圧ノードとの間に結合され、上記第2MOSFETを流れるソース電流を検出する。
【0066】
実施例8は、実施例1の試験測定システムであって、上記ハーフ・ブリッジ回路のスイッチング・ノードと電源電圧ノードとの間の抵抗と直列に結合された試験インダクタを更に具える。
【0067】
実施例9は、実施例8の試験測定システムであって、上記第1及び第2MOSFET夫々のゲート・ソース間電圧と、上記第2MOSFETを流れる電流を測定するための上記抵抗の両端間の電圧と、上記第1及び第2MOSFETのドレインの電圧と、上記試験インダクタを流れる電流とを測定する複数の測定チャンネルを更に具える。
【0068】
実施例10は、請求項1の試験測定システムであって、上記第2DUTのゲート・ノードにDCパルス信号とAC信号を供給する第2駆動電圧発生回路を更に具える。
【0069】
実施例11は、試験測定システムであって、ハーフ・ブリッジ回路を形成するように結合された、逆電流経路を夫々有する上側及び下側FETに結合するように構成された被試験デバイス(DUT)インタフェースと、上記上側及び下側FETのゲート電荷曲線試験を実行するように制御されるように構成された特性評価回路とを具え、該特性評価回路が、上記ハーフ・ブリッジ回路のスイッチング・ノードと電圧ノードとの間に結合された試験インダクタと、上記上側及び下側FETのゲートにそれぞれのゲート駆動信号を供給するように構成された上側及び下側ゲート駆動回路とを有し、上記下側ゲート駆動回路は、上記試験インダクタを流れる電流が閾値に達するまで特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方をオンにし、その後、特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方をオフにするように構成され、次いで、特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方の上記ゲート駆動回路は、特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方のゲートに定電流を供給するように構成され、上記特性評価回路は、特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方のゲートの電圧を測定してゲート電荷特性を測定するように構成される。
【0070】
実施例12は、実施例11の試験測定システムであって、上記下側FETが特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方であるときは、上記電圧ノードを電源電圧ノードに選択的に結合し、上記上側FETが特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方であるときは、上記電圧ノードを基準電圧ノードに選択的に結合するように構成されたスイッチを更に具える。
【0071】
実施例13は、実施例12の試験測定システムであって、上記電源電圧ノードと上記上側FETのドレインとの間に結合された上側電流検出抵抗と、上記基準電圧ノードと上記下側FETのソースとの間に結合された下側電流検出抵抗とを更に具え、上記特性評価回路が、上記上側電流検出抵抗及び上記下側電流検出抵抗の両端間の電圧に基づいて、上記上側FETのドレイン電流と上記下側FETのソースを検出するように構成される。
【0072】
実施例14は、実施例11の試験測定システムであって、特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方がオフになるのに応答して、上記試験インダクタを流れる電流が、上記上側及び下側FETの他方の逆電流経路を流れ、上記特性評価回路は、更に、上記上側及び下側FETの他方の電圧及び電流を測定することで、上記上側及び下側FETの他方の上記逆電流経路の特性評価を可能にするように構成される。
【0073】
実施例15は、実施例14の試験測定システムであって、上記特性評価回路は、特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方がオンになった時間又は上記試験インダクタを流れる電流の値を直接示す測定値に基づいて、上記試験インダクタを流れる電流が閾値に達したと判断するように構成される。
【0074】
実施例16は、実施例11の試験測定システムであって、インダクタ電流検出抵抗を上記試験インダクタと直列に結合することによって、上記特性評価回路が上記インダクタ電流検出抵抗の両端間の電圧降下に基づいて上記試験インダクタを流れる電流を測定できるようにする。
【0075】
実施例17は、試験測定システムであって、ハーフ・ブリッジ回路を形成するように結合された、逆電流経路を夫々有する上側及び下側電界効果トランジスタ(FET)に結合するように構成された被試験デバイス(DUT)インタフェースと、上記上側及び下側FETの逆電流経路の特性評価を実行するように制御されるように構成された特性評価回路とを具え、該特性評価回路が、上記ハーフ・ブリッジ回路のスイッチング・ノードと電圧ノードとの間に結合された試験インダクタと、上記上側及び下側FETのゲートにそれぞれのゲート駆動信号を供給するように構成された上側及び下側ゲート駆動回路とを有し、上記下側ゲート駆動回路は、上記試験インダクタを流れる電流が閾値に達するまで特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方をオンにし、その後、オンだった特性評価対象の上記上側及び下側FETの一方をオフにするように構成され、このオフにより、上記試験インダクタの電流が特性評価対象の他方のFETの逆電流経路を流れるようにさせ、上記特性評価回路は、特性評価対象のFETの電圧及び電流パラメータを測定し、特性評価対象のFETの逆電流経路の特性を求めるよう構成される。
【0076】
実施例18は、実施例17の試験測定システムであって、上記特性評価回路は、上記上側及び下側FETの逆電流経路の特性を評価する際に、上記試験インダクタの電流に関して複数の異なる閾値を設定するように構成される。
【0077】
実施例19は、実施例17の試験測定システムであって、上記上側FETの逆電流経路の特性を評価しているときには、上記電圧ノードを電源電圧ノードに選択的に結合し、上記下側FETの逆電流経路の特性を評価しているときには、上記電圧ノードを基準電圧ノードに選択的に結合するように構成されるスイッチを更に具える。
【0078】
実施例20は、実施例19の試験測定システムであって、上記上側及び下側FETのそれぞれがMOSFET及びSiC MOSFETのいずれかであって、上記上側及び下側FETのそれぞれの逆電流経路がFETのボディ・ダイオードに対応する。
【0079】
上述の説明は、本開示技術の実施形態の例を示すためだけに記載されているものであって、限定することを意図したものではない。当業者であれば、本発明の要旨を組み込んで、開示された実施形態の変形を考えることは可能なので、本発明は、この発明の範囲内の全てを含むと解釈されるべきである。
【0080】
開示された本件の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0081】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。特許請求の範囲、要約及び図面を含め、本明細書に開示される全ての特徴と、開示される全ての方法又は処理における全ての工程は、互いに少なくとも一部分が排他的でない限り、任意に組み合わせても良い。特許請求の範囲、要約及び図面を含め、本明細書に開示される特徴の夫々は、特に明記されていない限り、同じ、等価又は類似の目的に寄与する代替の特徴で置き換えても良い。
【0082】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0083】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0084】
40 試験測定装置
42 リモート・デバイス(コンピューティング・デバイス)
44 ユーザ・インタフェース
46 プロセッサ
47 測定ユニット
48 直接接続部
50 静的及び動的電力及び測定装置
52 プロセッサ
54 インターロック
56 高電圧回路
58 DUTインタフェース
60 スイッチング回路
62 温度制御回路
64 バリア
70 DUT
300 試験測定システム(プラットフォーム)
400 特性評価回路
500 特性評価回路
600 特性評価回路
700 ソリッド・ステート・バイアス・ティー
702 FET
704 第1ノード
706 第2ノード
708 第3ノード
800 特性評価回路
900 特性評価回路
AMP 増幅回路
Chan1 第1測定チャンネル
Chan2 第2測定チャンネル
Chan3 第3測定チャンネル
Chan4 第4測定チャンネル
Chan5 第5測定チャンネル
Chan6 第6測定チャンネル
Chan7 第7測定チャンネル
DC_adj 可変DC電源電圧源
cap_bank コンデンサ・バンク
Gate_i ゲート電流
GD ゲート駆動電圧発生回路
IL インダクタ電流
R_sup 電源抵抗
R_vf 電圧帰還抵抗
R1 第1電流検出抵抗
R2 第2電流検出抵抗
R3 第3電流検出抵抗
Rs1 電流検出抵抗
Rs2 電流検出抵抗
RVN 基準電圧ノード
SN スイッチング・ノード
Source_i ソース電流
srcB 基準電圧ノード
SVN 電源電圧ノード
SW1 スイッチ
TEST_L 試験インダクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】