(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152666
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】スラリー製造装置
(51)【国際特許分類】
B01F 23/53 20220101AFI20241018BHJP
B01F 27/112 20220101ALI20241018BHJP
B01F 27/90 20220101ALI20241018BHJP
B01F 27/808 20220101ALI20241018BHJP
B01F 27/192 20220101ALI20241018BHJP
B01F 35/31 20220101ALI20241018BHJP
【FI】
B01F23/53
B01F27/112
B01F27/90
B01F27/808
B01F27/192
B01F35/31
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024062649
(22)【出願日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】202320880077.7
(32)【優先日】2023-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522022018
【氏名又は名称】深▲セン▼市尚水智能股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGSHUI SMARTECH LTD.
【住所又は居所原語表記】NO. 201, Pingzhui Main Plant, Huakong Sege Plant, No. 6, Lanzhu East Road, Zhukeng Community, Longtian Street, Pingshan District Shenzhen, Guangdong 518118 CN
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ,バオドン
(72)【発明者】
【氏名】ケ,ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,スードン
(72)【発明者】
【氏名】シー,チャオ
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4G035AB46
4G037DA23
4G037EA04
4G078AA03
4G078AB09
4G078BA05
4G078DA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】混合効率の向上と混合品質の保証に有利なスラリー製造装置を提供する。
【解決手段】スラリー製造装置100は、筐体10、駆動軸20及びインペラアセンブリ30を含む。筐体10は、内部にキャビティー101が形成されている。インペラアセンブリ30は、キャビティー101内に設けられ、駆動軸20により回転するように駆動される。インペラアセンブリ30の底面と筐体10の端面とは対向して設けられ、インペラアセンブリ30の底面と筐体10の端面との一方には、環状突起が設けられ、インペラアセンブリ30の底面と筐体10の端面とのもう一方には、環状突起にマッチングする環状凹溝が設けられ、環状突起の外壁と環状凹溝の内壁との間には干渉防止用の隙間102が形成されている。環状突起及び環状凹溝を設けることで、混合に参与しない液体が隙間を通してスラリー製造装置の排出口から直接流出することを回避できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にキャビティー(101)が形成された筐体(10)と、
駆動軸(20)と、
前記キャビティー(101)内に設けられ、前記駆動軸(20)により回転するように駆動されるインペラアセンブリ(30)と、を含むスラリー製造装置であって、
前記インペラアセンブリ(30)の底面と前記筐体(10)の端面とは対向して設けられ、前記インペラアセンブリ(30)の底面と前記筐体(10)の端面との一方には、環状突起(11)が設けられ、前記インペラアセンブリ(30)の底面と前記筐体(10)の端面とのもう一方には、前記環状突起(11)にマッチングする環状凹溝(31)が設けられ、前記環状突起(11)の外壁と前記環状凹溝(31)の内壁との間には干渉防止用の隙間(102)が形成されている、
ことを特徴とするスラリー製造装置。
【請求項2】
前記環状突起(11)の外壁と前記環状凹溝(31)の内壁との間の隙間の大きさが0.05mm~0.5mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載のスラリー製造装置。
【請求項3】
前記環状突起(11)の横断面の形状は矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状であり、前記環状凹溝(31)の横断面の形状は矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状である、
ことを特徴とする請求項1に記載のスラリー製造装置。
【請求項4】
前記環状突起(11)の数と前記環状凹溝(31)の数はいずれも複数であり、複数の前記環状突起は同軸で且つ離間して設けられ、複数の前記環状凹溝(31)は、複数の前記環状突起(11)に対応して、同軸で且つ離間して設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスラリー製造装置。
【請求項5】
複数の前記環状突起(11)の横断面の形状は、矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状のうちのいずれか1つ又は複数からなる組み合わせであり、複数の前記環状凹溝(31)の横断面の形状は、矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状のうちのいずれか1つ又は複数からなる組み合わせである、
ことを特徴とする請求項4に記載のスラリー製造装置。
【請求項6】
前記駆動軸(20)から前記筐体(10)の側壁に向かう方向で、複数の前記環状突起(11)の半径が順次大きくなり、複数の前記環状突起(11)の高さが順次小さくなり、複数の前記環状凹溝(31)の深さがそれに応じて順次小さくなり、又は、
前記駆動軸(20)から前記筐体(10)の側壁に向かう方向で、複数の前記環状突起(11)の半径が順次大きくなり、複数の前記環状突起(11)の高さが順次大きくなり、複数の前記環状凹溝(31)の深さがそれに応じて順次大きくなる、
ことを特徴とする請求項4に記載のスラリー製造装置。
【請求項7】
前記インペラアセンブリ(30)は混合用インペラ(32)を含み、前記混合用インペラ(32)の底面と前記筐体(10)の端面との一方には、前記環状突起(11)が設けられ、前記混合用インペラ(32)の底面と前記筐体(10)の端面とのもう一方には、前記環状突起(11)にマッチングする前記環状凹溝(31)が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスラリー製造装置。
【請求項8】
前記筐体(10)内には支持板(12)が設けられ、前記混合用インペラ(32)の底面と前記支持板(12)の上面との一方には、前記環状突起(11)が設けられ、前記混合用インペラ(32)の底面と前記支持板(12)の上面とのもう一方には、前記環状突起(11)にマッチングする前記環状凹溝(31)が設けられている、
ことを特徴とする請求項7に記載のスラリー製造装置。
【請求項9】
前記インペラアセンブリ(30)は、混合用インペラ(32)とガイドインペラ(33)とを含み、前記ガイドインペラ(33)は前記混合用インペラ(32)の下方に設けられ、前記ガイドインペラ(33)の底面と前記筐体(10)の端面との一方には、前記環状突起(11)が設けられ、前記ガイドインペラ(33)の底面と前記筐体(10)の端面とのもう一方には、前記環状突起(11)にマッチングする前記環状凹溝(31)が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスラリー製造装置。
【請求項10】
前記ガイドインペラ(33)には、その中心軸線回りのガイド流路(331)が形成され、前記ガイド流路(331)内には、ガイドベーン(332)が設けられている、
ことを特徴とする請求項9に記載のスラリー製造装置。
【請求項11】
前記筐体(10)内には支持板(12)が設けられ、前記インペラアセンブリ(30)の底面と前記支持板(12)の上面との一方には、前記環状突起(11)が設けられ、前記インペラアセンブリ(30)の底面と前記支持板(12)の上面とのもう一方には、前記環状突起(11)にマッチングする前記環状凹溝(31)が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のスラリー製造装置。
【請求項12】
前記インペラアセンブリ(30)には、前記インペラアセンブリ(30)の底面と側面とを貫通する第1流路(301)が形成され、前記第1流路(301)は、前記キャビティー(101)に連通、前記第1流路(301)は、前記インペラアセンブリ(30)の底面にある開口(3011)を有し、前記開口(3011)から前記駆動軸(20)までの距離が前記環状突起(11)の半径よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載のスラリー製造装置。
【請求項13】
前記駆動軸(20)と前記支持板(12)との間に第2流路(105)が形成され、前記支持板(12)の下方に第3流路(106)が形成されている、
ことを特徴とする請求項11に記載のスラリー製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラリー製造技術分野に関し、具体的にはスラリー製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工業、食品等の分野では、通常、スラリー製造装置を用いて粉体と液体とを混合してスラリーを取得する。従来のスラリー製造装置において、混合用インペラアセンブリと筐体の底壁との隙間が大きく、液体の一部が粉体と混合されずに隙間を流れて排出口を通して排出されるため、スラリーの混合品質に影響する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、内部にキャビティーが形成された筐体と、駆動軸と、キャビティー内に設けられ、駆動軸により回転するように駆動されるインペラアセンブリと、を含むスラリー製造装置を提供する。インペラアセンブリの底面と筐体の端面とは対向して設けられ、インペラアセンブリの底面と筐体の端面との一方には、環状突起が設けられ、インペラアセンブリの底面と筐体の端面とのもう一方には、環状突起にマッチングする環状凹溝が設けられ、環状突起の外壁と環状凹溝の内壁との間には干渉防止用の隙間が形成されている。
【0004】
選択可能に、環状突起の外壁と環状凹溝の内壁との間の隙間の大きさが0.05mm~0.5mmである。
【0005】
選択可能に、環状突起の横断面の形状は矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状であり、環状凹溝の横断面の形状は矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状である。
【0006】
選択可能に、環状突起の数と環状凹溝の数はいずれも複数であり、複数の環状突起は同軸で且つ離間して設けられ、複数の環状凹溝は、複数の環状突起に対応して、同軸で且つ離間して設けられている。
【0007】
選択可能に、複数の環状突起の横断面の形状は、矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状のうちのいずれか1つ又は複数からなる組み合わせであり、複数の環状凹溝の横断面の形状は、矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状のうちのいずれか1つ又は複数からなる組み合わせである。
【0008】
選択可能に、駆動軸から筐体の側壁に向かう方向で、複数の環状突起の半径が順次大きくなり、複数の環状突起の高さが順次小さくなり、複数の環状凹溝の深さがそれに応じて順次小さくなる。
【0009】
選択可能に、駆動軸から筐体の側壁に向かう方向で、複数の環状突起の半径が順次大きくなり、複数の環状突起の高さが順次大きくなり、複数の環状凹溝の深さがそれに応じて順次大きくなる。
【0010】
選択可能に、インペラアセンブリは混合用インペラを含み、混合用インペラの底面と筐体の端面との一方には、環状突起が設けられ、混合用インペラの底面と筐体の端面とのもう一方には、環状突起にマッチングする環状凹溝が設けられている。
【0011】
選択可能に、インペラアセンブリは、混合用インペラとガイドインペラとを含み、ガイドインペラは混合用インペラの下方に設けられ、ガイドインペラの底面と筐体の端面との一方には、環状突起が設けられ、ガイドインペラの底面と筐体の端面とのもう一方には、環状突起にマッチングする環状凹溝が設けられている。
【0012】
選択可能に、ガイドインペラには、その中心軸線回りのガイド流路が形成され、ガイド流路内には、ガイドベーンが設けられている。
【0013】
選択可能に、筐体内には支持板が設けられ、インペラアセンブリの底面と支持板の上面との一方には、環状突起が設けられ、インペラアセンブリの底面と支持板の上面とのもう一方には、環状突起にマッチングする環状凹溝が設けられている。
【0014】
本発明の技術的解決策は、少なくとも次の利点を有する。
【0015】
本発明のスラリー製造装置では、インペラアセンブリの底面と筐体の端面に、環状突起及びそれにマッチングする環状凹溝を設けて、迷宮みたいなシール構成が形成されることにより、インペラアセンブリの底面と筐体の端面との間の隙間が大き過ぎることで、混合に参与しない液体が隙間を通して排出口から直接流出することを回避できる。環状突起及びそれにマッチングする環状凹溝によって、液体の流れ経路を変え、なるべく多い液体をインペラアセンブリに流動させて粉体と混合させることができ、従って、混合効率の向上と混合品質の保証に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下の図面は明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を示し、明細書と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【
図1】
図1は、本発明の1つの実施形態に係るスラリー製造装置の断面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された実施形態に係るスラリー製造装置のA部分の拡大図である。
【
図3】
図3は、本発明の1つの実施形態に係る環状突起及び環状凹溝の構成を示す概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の1つの実施形態に係る支持板及び一部の筐体の構成を示す概略図である。
【
図5】
図5は、
図4に示された実施形態に係る支持板及び一部の筐体の断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の別の実施形態に係るスラリー製造装置の断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の1つの実施形態に係るガイドインペラの構成を示す概略図である。
【
図8】
図8は、
図7に示された実施形態に係るガイドインペラの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係るスラリー製造装置について、
図1~
図8を参照して詳細に説明する。矛盾しない場合、下記の実施形態と実施形態における特徴は、互いに補足する又は組み合わせることができる。
【0018】
本発明は、筐体10、駆動軸20及びインペラアセンブリ30を含むスラリー製造装置100を提供する。筐体10は、内部にキャビティー101が形成され、駆動軸20はキャビティー101内に設けられ、インペラアセンブリ30は、キャビティー101内に設けられ、駆動軸20により回転するように駆動される。
【0019】
インペラアセンブリ30の底面と筐体10の端面とは対向して設けられ、インペラアセンブリ30の底面と筐体10の端面との一方には、環状突起11が設けられ、インペラアセンブリ30の底面と筐体10の端面とのもう一方には、環状突起11にマッチングする環状凹溝31が設けられ、環状突起11の外壁と環状凹溝31の内壁との間には干渉防止用の隙間102が形成されている。
【0020】
インペラアセンブリ30の底面と筐体10の端面に、環状突起11及びそれにマッチングする環状凹溝31を設けて、迷宮みたいなシール構成が形成されることにより、インペラアセンブリ30の底面と筐体10の端面との間の隙間が大き過ぎることで、混合に参与しない液体が隙間102を通して排出口から直接流出することを回避できる。環状突起11及びそれにマッチングする環状凹溝31によって、液体の流れ経路を変え、なるべく多い液体をインペラアセンブリ30に流動させて粉体と混合させることができ、従って、混合効率の向上と混合品質の保証に有利である。
【0021】
1つの実施形態では、
図1に示されるように、スラリー製造装置100の筐体10の底部にある側壁に、液体注入口103が形成され、筐体10の中部にある側壁に、排出口104が形成され、筐体10の頂部に、粉体注入口107が形成されている。液体は、液体注入口103を通ってキャビティー101に入り、粉体は、粉体注入口107を通ってキャビティー101に入り、粉体は、インペラアセンブリ30によって分散された後、液体と混合され、混合されて取得されたスラリーは、排出口104を通って流出する。
【0022】
1つの実施形態では、
図1、
図4及び
図5に示されるように、筐体10内に支持板12が設けられ、インペラアセンブリ30の底面と支持板12の上面との一方には、環状突起11が設けられ、インペラアセンブリ30の底面と支持板12の上面とのもう一方には、環状突起11にマッチングする環状凹溝31が設けられている。支持板12を設けることで、キャビティー101を上下の2つの部分に仕切ることができ、インペラアセンブリ30は、支持板12の上方にある一部のキャビティー101に設けられ、支持板12の下方にある一部のキャビティー101には、別の部材を設けることができ、例えば、スラリーを分散するための分散筒を設けることができる。排出口104は支持板12の上方に位置する。スラリーは、インペラアセンブリ30により混合し終えた後、排出口104を通って直接流出することができ、速度と利便性が高い。
【0023】
1つの実施形態では、
図1に示されたように、駆動軸20は支持板12を貫通し、駆動軸20と支持板12との間に第2流路105が形成され、支持板12の下方に第3流路106が形成されている。液体注入口103から入った液体は、第3流路106と第2流路105を順次通って支持板12の上方にあるキャビティー101内に入ることができる。
【0024】
1つの実施形態では、
図1に示されたように、インペラアセンブリ30には、インペラアセンブリ30の底面と側面とを貫通する第1流路301が形成され、第1流路301は、キャビティー101に連通する。インペラアセンブリ30の底面と筐体10の端面に、環状突起11と環状凹溝31とが設けられており、環状突起11と環状凹溝31は協力して液体の流れを妨げることができる。従って、第1流路301を形成することで、液体が流通する流路を提供することができ、液体がインペラアセンブリ30の上部と側面に流れて粉体と混合されることに有利である。
【0025】
1つの実施形態では、
図1に示されたように、第1流路301は、インペラアセンブリ30の底面にある開口3011を有する。開口3011から駆動軸20までの距離が環状突起11の半径よりも小さい。このようにすると、液体がインペラアセンブリ30の底面と筐体10の端面(又は支持板12の上面)との間の隙間102に入った後、まずインペラアセンブリ30の底面にある開口3011を通して第1流路301内に入るため、液体が混合に参与せず直接的に隙間102を流れて排出口104を通って流出することをより効果的に防止することができる。
【0026】
1つの実施形態では、
図1に示されたように、インペラアセンブリ30は混合用インペラ32を含み、混合用インペラ32の底面と筐体10の端面との一方には、環状突起11が設けられ、混合用インペラ32の底面と筐体10の端面とのもう一方には、環状突起11にマッチングする環状凹溝31が設けられている。混合用インペラ32は、粉体が粉体注入口107から落下するとき、落下した粉体の中のかたまりを砕くことができる。混合用インペラ32は、粉体と液体とが接触した後、粉体と液体との混合液を撹拌することで、混合効果が良好なスラリーを取得することができる。
【0027】
筐体10内に支持板12を設けた場合、混合用インペラ32の底面と支持板12の上面との一方には、環状突起11が設けられ、混合用インペラ32の底面と支持板の上面とのもう一方には、環状突起11にマッチングする環状凹溝31が設けられている。
【0028】
1つの実施形態では、
図6に示されるように、インペラアセンブリ30は、混合用インペラ32とガイドインペラ33とを含み、ガイドインペラ33は混合用インペラ32の下方に設けられ、ガイドインペラ33の底面と筐体10の端面との一方には、環状突起11が設けられ、ガイドインペラ33の底面と筐体10の端面とのもう一方には、環状突起11にマッチングする環状凹溝31が設けられている。ガイドインペラ33は、液体が混合用インペラ32の上方に流れるようにガイドすることができるため、液体と粉体の混合に有利である。
【0029】
筐体10に支持板12を設けた場合、ガイドインペラ33の底面と支持板12の上面との一方には、環状突起11が設けられ、ガイドインペラ33の底面と支持板の上面とのもう一方には、環状突起11にマッチングする環状凹溝31が設けられている。
【0030】
1つの実施形態では、
図7及び
図8に示されるように、ガイドインペラ33には、その中心軸線回りのガイド流路331が形成され、ガイド流路331内には、ガイドベーン332が設けられている。ガイドインペラ33のガイドベーン332は傾斜して設けられており、ガイドインペラ33は、回転すると、その下方の液体に対して吸引力が発生し、液体を吸引してガイド流路331に進入させて第1流路301内に流入させる。
【0031】
1つの実施形態において、環状突起11の外壁と環状凹溝31の内壁との間の隙間の大きさは、0.05mm~0.5mmであってもよい。このようにすると、隙間が小さくて、液体が隙間を通して流出することを効果的に回避できる。
【0032】
1つの実施形態では、環状突起11の横断面の形状は矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状であり、環状凹溝31の横断面の形状は、矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状である。例えば、環状突起11の横断面の形状及び環状凹溝31の横断面の形状は、それぞれ半円形であり、半円形の環状突起11と環状凹溝31は、構成が簡単で製造しやすい。
【0033】
1つの実施形態では、環状突起11の数と環状凹溝31の数はいずれも複数であり、複数の環状突起は同軸で且つ離間して設けられ、複数の環状凹溝31は、複数の環状突起11に対応して、同軸で且つ離間して設けられている。図示の実施形態では、駆動軸20から筐体10の側壁に向かう方向で、複数の環状突起11の半径と複数の環状凹溝31の半径が順次大きくなる。複数の環状突起11と複数の環状凹溝31との協力により、隙間102に対するシール性の向上、隙間102を通過する液体の流量の低減に有利である。
【0034】
1つの実施形態では、複数の環状突起11の横断面の形状は、矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状のうちのいずれか1つ又は複数からなる組み合わせであり、複数の環状凹溝31の横断面の形状は、矩形、三角形、半円形、台形又は不規則な形状のうちのいずれか1つ又は複数からなる組み合わせである。隣り合う環状突起11の横断面の形状は同じであってもよく、隣り合う環状凹溝31の横断面の形状は同じであってもよく、例えば、いずれも矩形である。隣り合う環状突起11の横断面の形状は異なっていてもよく、隣り合う環状凹溝31の横断面の形状は異なっていてもよく、例えば、隣り合う環状突起11のうち、一方の横断面の形状は矩形で、もう一方の横断面の形状は半円形であってもよい。
【0035】
1つの実施形態では、
図3に示されるように、駆動軸20から筐体10の側壁に向かう方向で、複数の環状突起11の半径が順次大きくなり、複数の環状突起11の高さが順次小さくなり、複数の環状凹溝31の深さがそれに応じて順次小さくなる。液体が隙間102に入った後、まず半径の最も小さい環状突起11と環状凹溝31との間に入るため、半径の最も小さい環状突起11の高さを大きく設置する方が、液体が環状突起11の外壁と環状凹溝31の内壁との間に入ることを妨げて、液体が隙間102を通過することを回避することにより有利である。
【0036】
1つの実施形態では、駆動軸20から筐体10の側壁に向かう方向で、複数の環状突起11の半径が順次大きくなり、複数の環状突起11の高さが順次大きくなり、複数の環状凹溝31の深さがそれに応じて順次大きくなる。液体が隙間102に入った後、駆動軸20から筐体10の側壁に向かう方向に沿って流動するため、環状突起11の高さが順次大きくなることは、液体が隙間102を通過することを妨げる上で一層有利となる。
【0037】
本発明に係るスラリー製造装置の具体的な動作フローは次の通りである。
【0038】
図6に示されたように、液体は、液体注入口103を通って筐体10のキャビティー101内に入り、第3流路106と第2流路105を順に流れた後、ガイドインペラ33により提供される吸引力でガイド流路331に入り、一部の液体は隙間102内に入るが、環状突起11と環状凹溝31との遮断で、液体が隙間102を通って流出することはほとんどない。ガイド流路331に入った液体は、引き続き上向きに流れて第1流路301内に入り、その後、インペラアセンブリ30から流出してインペラアセンブリの上方及び側面に到達し、粉体は、粉体注入口107を通ってキャビティー101に入った後、液体と接触し、インペラアセンブリ30は、液体と粉体とを混合及び攪拌してスラリーが取得され、スラリーは最終的に排出口104を通って流出する。
【0039】
以上は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明を形式的に限定するものではない。本発明は、以上のように好適な実施形態で開示されているが、それは、本発明を限定するように用いられない。当業者は、本発明の技術的解決策の範囲から逸脱しない限り、上記開示された技術的内容に基づいて少々変更し又は修飾して、等価的に変更された等価実施形態を取得することができる。しかし、本発明の技術的解決策から逸脱しない限り、本発明の技術的本質に基づいて、以上の実施形態に対するすべての簡単な修正、均等な変化及び修飾は、いずれも本発明の技術的解決策の範囲に属する。
【0040】
本出願の開示内容には、著作権で保護された資料が含まれている。著作権は著作権者に帰属する。著作権所有者は、特許庁の公式記録及びファイルに存在する本特許の文書又は本特許の開示を複製することに反対しない。
【符号の説明】
【0041】
100…スラリー製造装置、10…筐体、101…キャビティー、102…隙間、103…液体注入口、104…排出口、105…第2流路、106…第3流路、107…粉体注入口、11…環状突起、12…支持板、20…駆動軸、30…インペラアセンブリ、301…第1流路、3011…開口、31…環状凹溝、32…混合用インペラ、33…ガイドインペラ、331…ガイド流路、332…ガイドベーン。